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特許7295118追加ゲルパッドを伴うシートを作るためのプロセス、当該プロセスによって取得されたシート、及び当該プロセスを実施するための機器
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  • 特許-追加ゲルパッドを伴うシートを作るためのプロセス、当該プロセスによって取得されたシート、及び当該プロセスを実施するための機器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】追加ゲルパッドを伴うシートを作るためのプロセス、当該プロセスによって取得されたシート、及び当該プロセスを実施するための機器
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/00 20060101AFI20230613BHJP
   B29C 39/18 20060101ALI20230613BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20230613BHJP
【FI】
B62J1/00 A
B29C39/18
B29L9:00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020537595
(86)(22)【出願日】2018-10-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 IB2018057885
(87)【国際公開番号】W WO2019106449
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】102017000137409
(32)【優先日】2017-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520242263
【氏名又は名称】セラ エスエムピー エスエーエス ディー エム.スキアヴォーン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】スキアヴォーン,フランコ
(72)【発明者】
【氏名】スキアヴォーン,マウリッツィオ
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01407867(EP,A2)
【文献】特開昭58-119849(JP,A)
【文献】特開昭54-126270(JP,A)
【文献】特開昭51-041765(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008020960(DE,A1)
【文献】仏国特許出願公開第2841507(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/00 - 1/28
B29C 39/00 - 39/24
B29C 39/38 - 39/44
B29C 43/00 - 43/34
B29C 43/44 - 43/48
B29C 43/52 - 43/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェル(S)、カバー(C)、及び追加ゲルパッド要素(G)を含むシートを作るためのプロセスであって、
カバー(C)を加工するステップと、
極小孔または織布が設けられた材料から作られた中間の接着シート(A)を所定のサイズに合わせて切るステップと、
前記追加ゲルパッド要素(G)を作る必要がある位置で、前記接着シート(A)を前記カバー(C)の表面(C1)上に付けるステップと、
前記カバー(C)を、前記カバー(C)上に付けられた前記接着シート(A)と一緒に、前記追加ゲルパッド要素(G)を作成するために少なくとも1つの凹部(M11)が設けられるように成形された第1の金型(Ml)に位置付けるステップと、
所与の量のゲルを前記接着シート(A)上に注ぐステップであって、前記ゲルは、既定の形状及びサイズを有する前記追加ゲルパッド要素(G)を形成するように、前記接着シート(A)の前記織布内に存在する前記極小孔または孔の中を貫通し、前記追加ゲルパッド要素(G)は前記接着シート(A)に接着したままである、ステップと、
を含み、
前記接着シート(A)の形状及びサイズは、前記追加ゲルパッド要素(G)の形状及びサイズに実質的に一致することを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
前記プロセスは、また、
前記カバー(C)を、前記接着シート(A)及び前記追加ゲルパッド要素(G)と一緒に、前記第1の金型(Ml)から取り外し、前記カバー(C)、前記接着シート(A)及び前記追加ゲルパッド要素(G)を、成形された第2の金型(M2)の内側に位置付けるステップと、
前記シェル(S)を前記第2の金型(M2)の内側に位置付けるステップであって、前記カバー(C)と前記シェル(S)との間の主要パッド要素(P)を形成する材料の流し込み及び連続膨張は、前記第2の金型(M2)で実行され、そのとき、前記追加ゲルパッド要素(G)が前記主要パッド要素(P)と前記カバー(C)との間に介在するようになる、ステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記所与の量のゲルを前記接着シート(A)上に注ぐステップは、前記追加ゲルパッド要素(G)を前記接着シート(A)に接着させ、さらに、前記接着シート(A)を前記カバー(C)の表面(C1)に接着させるステップを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記接着シート(A)を前記カバー(C)の表面(C1)に接着させるステップは、前記接着シート(A)を、前記シェル(S)に向かって対面する前記カバー(C)の前記表面(C1)に接着させるステップを含むことを特徴とする、請求項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記シェル(S)と前記カバー(C)との間に発泡材料から作られた主要パッド要素(P)を配置するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記シェルは自転車用サドルとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の特許は、シートと、シートを作るための手順とに関し、具体的には、追加ゲルパッドを伴うシートを実現するための新しいプロセスと、取得された結果として生じるシートとに関する。具体的には、新しい手順は、自転車用サドルの生産に適用可能である。
【0002】
本発明の特許は、また、取得された新しいシートまたはサドルと、プロセスを実施する機器とに関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術のシートは、一般的に皮またはプラスチック材料または布の柔軟層から成る、カバーが付けられたプラスチック材料から作られた実質的に剛性シェルから成り、正常に、シートの種類に従って、可変の材料、堅さ、及び厚さから作られた、シェルとカバーとの間にパッドがある。
【0004】
例えば、このパッドまたは主要パッドは、膨張したポリウレタンフォームから作られ得る。
【0005】
先行技術は、また、追加ゲルパッド(通常、ポリウレタン)も装備されるシートを備える。
【0006】
追加上側ゲルパッドを伴うシートまたはサドルを作るプロセスは、皮カバーまたはプラスチックカバーを雌式金型の逆の位置に設置することと、パッドの反転形状を複製することと、次に金型自体に接着する金型とカバーとの間の空気を抽出することと、多量のゲル化合物を、金型の内側のカバー上の液体中または半流動体状態に設置することと、その部分凝固を待機することと、膨張されるポリウレタン材料を注入または注ぐことと、シートのシェルが下側から付けられる上側雄式金型を閉鎖することと、最後に、ポリウレタン材料を膨張させ、シートの主要パッドを作成することと、を含む。
【0007】
現在、シートは、複数の雄型及び雌型の金型が一般的な円構造及び回転構造の外周上に付けられる特殊機器によって生産される。この円構造または旋回構造の回転により、各金型を異なる連続工程にさせ、その工程のそれぞれでは、単一のプロセスでは、例えば、カバーの設置、ゲル化合物の挿入、ポリウレタンフォームの挿入、閉鎖等が行われる。
【0008】
追加パッドを伴うシートを生産するこのプロセスは、一連の欠点及び制限を提示する。
【0009】
追加ゲルパッドは、金型の底面(すなわち、シートの上部)だけに設置できるが、そのゲルパッドをシートの異なる点(例えば、側面または前面)に設置することが可能ではない。この理由として、ゲル充填部が流体状態であり、ひいては、セルフレベリングになっているため、ゲル化合物は金型の底面に摺動するためである。
【0010】
ゲル化合物を雌式金型内に注いだ後、ポリウレタンフォームを導入し、それを膨張させる前に、ゲルが少なくとも部分的にセットされるのに適切な期間を待機する必要がある。これは、シートを構造化するために旋回装置及び全ての動作を遅らせることを伴い、または、代わりに、大型の旋回装置を必要とし、及び/またはゲルが付けられる位置と、ポリウレタンフォームが回転構造の円周上に付けられる位置との間の距離が長くなる。
【0011】
いずれの場合、ゲルの部分的または完全な乾燥に必要な時間は、全てのシートの生産時間を遅らせる。
【0012】
先行技術は、またゲルをシートの垂直側に、縁上に、及び前端上に位置付けることを可能にする方法を含む。本方法に従って、ゲルは、均一の厚さまたは異なる厚さのいずれかを伴い、所望の点だけにおいて(例えば、垂直側縁上で、中心で)、事前に拡張したカバー上に直接に設置及び硬化される。
【0013】
ゲルの部分的または完全なセッティングに続いて、ゲルパッドが装備されるカバーは、膨張したポリウレタンフォームパッドを成型するために、シェルを伴う金型内に位置付けられる。
【0014】
具体的には、金型は、例えば、カバーを凹面に接着させる吸引システムに接続される多数の孔を伴う凹面が装備され、事前にカバー上に導入されたポリウレタンフォームの膨張は、カバーとシェルとの間で行われる。
【0015】
ゲルは、また、シートの下縁まで設置できることが都合よく、したがって、坐骨の支持だけではなく、足を移動させる内部部分との接触平面も提供する。
【0016】
この手順は、同じ出願者によるイタリア国特許発明第1335447号明細書の主題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】イタリア国特許発明第1335447号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、シートを生産するための新しいプロセスに関し、具体的には、先行技術に関する特定の利点を達成する、取得された追加ゲルパッド及びシートを伴う自転車用サドルに関する。
【0019】
新しい手順の主要目的は、経時的に、またシートの使用中に、不変のままである形状及び位置を有する1つ以上の追加ゲルパッドを作成することである。
【0020】
本発明の別の目的は、カバーの内面上に、すなわち、シェルに対面する予定である側面に成形され及び位置付けられる1つ以上の追加ゲルパッドを有するシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
したがって、新しいプロセスに従って生産されたシートは、1つ以上の追加ゲルパッドが設けられ、1つ以上の追加パッドは使用中でさえもその元の形状及び位置を維持する。
【0022】
このシートが自転車用サドルである特定の場合、新しい手順は、ゲルパッドをシートの下側縁まで設置することを可能にし、シェルの側縁に実質的に一致し、パッドは使用中でさえも正しく位置付けられ、これにより、ユーザの足の内側部分は表面パッドと接触したままである。
【0023】
新しい手順は、基本的に、以下の
例えば、皮もしくは布またはポリマー材料の軟質シートを備える少なくとも1つのカバーシートまたはカバーを加工するステップと、
1つ以上の中間接着シートのサイズに合わせて切るステップであって、接着シートは、作られる1つ以上の追加ゲルパッドの形状及び寸法に一致することが好ましい形状及びサイズを有し、シートは極小孔または織布を伴う材料から作られる、ステップと、
1つ以上の接着シートを少なくとも1つのカバーの内側表面(すなわち、シートの内側に対面することが意図される表面)に付け及び接合するステップであって、接着シートは、1つ以上の追加パッドを作成する必要がある位置においてカバー上に付けられる、ステップと、
1つ以上の追加パッドを実現するために1つ以上の凹面によって成形された第1の金型に付けられた接着シートが伴う少なくとも1つのカバーを位置付けるステップと、
ゲルを中間接着シート上に注ぐステップであって、ゲルは接着シートの横糸の極小孔または孔の中を貫通し、追加パッドを形成するステップと、
を含む。
【0024】
したがって、当該1つ以上のゲルパッドは接着シートと一体であり、ひいては、カバーと一体である。
【0025】
先行技術の既知プロセスと同様に、1つ以上の接着シート及び付けられた追加パッドを伴う少なくとも1つのカバーは、次に、シェルを伴う第2の金型の内側に位置付けられることができ、次に、第2の金型では、ポリマー材料の注入または流し込みを行い、少なくとも1つのカバーと少なくとも1つのシェルとの間に主要のパッド後続の膨張が起こり、これにより、1つ以上の追加パッドは、当該主要パッドと当該カバーとの間に介在する。
【0026】
したがって、取得された新しいシートまたはサドルは、少なくとも1つのシェル、少なくとも1つのカバーシートまたはカバー、当該シェルと当該カバーとの間に少なくとも1つの主要発泡体パッド、少なくとも1つの追加ゲルパッドを備え、当該少なくとも1つの追加パッドは、シートの内側に対面する当該カバーの表面にさらに一体的に付けられた少なくとも1つの中間接着シートと一体である。
【0027】
当該接着シートは、ゲルの接着を確実にし、不要なシフトを防止する。カバー上に付けられた当該中間接着シートは、さらに、いったんシートが組み立てられるとき、またそのシートの使用中に、ゲルが当該カバーに対しても安定して位置付けられたままであることを確実にする。
【0028】
本発明の特許は、また、新しいプロセスを実行する装置に関し、当該装置は、1つ以上の追加ゲルパッドを形成する第1の金型と、主要パッドの最後の膨張ステップ及びカバーをシェル上に接合するための第2の金型とを備える。
【0029】
一実施形態では、本装置は、複数の第2の金型を支持し、回転することによって各金型を異なる連続工程にさせる旋回構造または回転構造を含み、連続工程のそれぞれでは、単一のプロセスを行い、すなわち、接着シート及び追加パッドを伴うカバーを設置及び位置付けし、ポリウレタンフォームを挿入し、シェルを位置付け、金型を閉鎖し、発泡体を膨張し、シートを形成する。
【0030】
代替として、当該装置は、固定構造上に搭載される当該複数の第2の金型を備える。
【0031】
新しいプロセス及び新しい手順によって生産されたシートの特徴は、非限定例として含まれる、図面を参照する以下の説明によって良好に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】シート製造プロセスの第1の部分を示す。
図2】第1の金型(M1)のゲルから作られた2つの追加パッド要素(G)の製造ステップを示す。
図3】2つの鏡面的接着シート(A)及び2つの追加ゲルパッド要素(G)が当該接着シート(A)上に付けられ、一致する形状を伴い、また相互に鏡面的である、自転車用サドルを作るためのカバー(C)の可能性がある実施形態を示す。
図4図3のカバーが、接着シート(A)及び接着シート(A)に付けられた追加パッド要素(G)とともに、第2の金型(M2)に設置される、プロセスの第2の部分の図を示す。
図5】ポリマー材料(P)がシートの最終金型に膨張する閉鎖された第2の金型(M2)の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
新しいシートは、例えば、極小孔または織布を伴う材料から作られた1つ以上の中間接着シート(A)のサイズに合わせて切ることによって取得される。
【0034】
当該接着シート(A)は、さらに、サイズに合わせて事前に切られた少なくとも1つのカバーシートまたはカバー(C)の表面(C1)上に付けられ、いずれかの場合、接合され、例えば、のり付けされる。当該接着シート(A)は、例えば、取得されたシートの両側に対称的に配置されるように、図3にあるような所定位置で付けられる。
【0035】
図1及び図2は、雌型ハーフダイ(M10)及びロックプレート(M12)から成る第1の実施形態に従った第1の金型(M1)を示す。
【0036】
下記に説明及び主張されるように、当該雌型ハーフダイ(M10)は、シート内に作成される追加パッド要素(G)に実質的にそれぞれ一致する1つ以上の凹部(M11)を有する。
【0037】
接着シート(A)を伴う当該カバー(C)は、可能であるセンタリング手段を使用することによって、雌型ハーフダイ(M10)上に上下逆に設置される。
【0038】
当該雌型ハーフダイ(M10)は、また、雌型ハーフダイ(M10)自体の内側から空気取り入れシステムに接続されるダクト(M13)を備える。
【0039】
当該前述の吸引システムによって、空気は当該ダクト(M13)によって吸い込まれ、これにより、カバー(C)は当該雌型ハーフダイ(M10)の壁及び当該1つ以上の凹部(M11)に接着する。
【0040】
次に、当該ロックプレート(M12)は、1つ以上の追加ゲルパッド要素(G)を作るために、当該1つ以上の凹部(M11)の中への後続のゲルの注入中または流し込み中にさらに、カバー(C)を維持するために当該雌型ハーフダイ(M10)上に位置付けられる。
【0041】
具体的には、当該接着シート(A)のそれぞれの上に、ある量のゲルは、注がれ、少なくとも部分的にセットされ、接着シート(A)の極小孔または横糸を貫通し、さらに所定の形状及びサイズを有する一致する接着シート(A)に一体的に拘束される既定の形状及びサイズの追加パッド要素(G)を作成する。
【0042】
そのプロセスのこれらの最初のステップから、一定の期間後に、ゲルが適切にセットされるとき、カバー(C)は図3に示されるように取得され、当該接着シート(A)は付けられた当該追加パッド要素(G)に一体的に接合される。
【0043】
新しいプロセスは、さらに、当該接着シート(A)及び付けられた当該追加パッド要素(G)と一緒に、当該カバー(C)の位置付けを提供するステップを含み、第2の金型(M2)では、さらに、2つのハーフダイ(M20,M22)(雌型ハーフダイ(M20)及び雄型ハーフダイ(M22))から成る。
【0044】
当該雌型ハーフダイ(M20)は、1つ以上の凹部(M21)と、空気取り入れシステムに接続されるダクト(M23)とを有する。当該雌型ハーフダイ(M20)は、上下逆に当該カバー(C)を収容するように適合され、これにより、当該接着シート(A)及び当該追加パッド要素(G)は金型(M2)の内側に対面する。
【0045】
当該前述の吸引システムによって、空気は当該ダクト(M23)によって吸い込まれ、これにより、当該カバー(C)は当該雌型ハーフダイ(M20)の壁に接着する。
【0046】
当該雄型ハーフダイ(M22)は、シェル(S)を保持するように構成され、これにより、図4に示されるように、第2の金型(M2)が閉鎖されるとき、空間は、当該シェル(S)と、付けられた当該追加パッド要素(G)を伴う当該カバー(C)との間のシートの主要パッド(P)に使用されるポリウレタン材料を膨張するために生じる。
【0047】
したがって、取得されたシートは、少なくとも1つのシェル(S)、少なくとも1つのカバーシートまたはカバー(C)、及び少なくとも1つの追加ゲルパッド要素(G)を含み、当該少なくとも1つの追加ゲルパッド要素(G)は、少なくとも1つの中間接着シート(A)に接合し、さらに、中間接着シート(A)は、少なくとも1つのカバー(C)の表面(C1)に接合する。
【0048】
具体的には、付けられた少なくとも1つの追加ゲルパッド要素(G)を伴う当該接着シート(A)は、シェル(S)に向かって対面する当該少なくとも1つのカバー(C)の表面(C1)に接合する。
【0049】
新しいシートは、また、当該少なくとも1つのシェル(S)と当該少なくとも1つのカバー(C)との間に位置するポリウレタン材料から作られた少なくとも1つの主要パッド(P)を備える。当該シートは、自転車用サドルになるように適切に設計されている。
【0050】
上記に説明した手順を実行する機器は、1つ以上の追加ゲルパッド要素(G)を作るために使用される、ゲルを金型(M1)自体の凹部(M11)に注ぐための手段を伴う第1の金型(M1)と、主要パッド(P)のポリウレタンフォーム膨張及びシェル(S)上のカバー(C)の接合の最終段階のための第2の金型(M2)とを備える。
【0051】
1つの可能性がある実施形態では、機器は、当該複数の第2の金型(M2)を支持する旋回構造または回転構造(図示しない)を含み、その構造の回転により、第2の金型(M2)のそれぞれを異なる処理工程または処理ステップに移行させ、単一のプロセスを実行し、すなわち、接着シート(A)及び接着シート(A)に付けられた追加パッド要素(G)と一緒に当該カバー(C)を設置し、当該カバー(C)の位置付けを補正し、ポリウレタン材料を導入し、シェル(S)を位置付け、当該第2の金型(M2)を閉鎖し、ポリウレタン材料を膨張させ、シートの最終成型を行う。
【0052】
代替として、第2の金型は、移動可能構造(ただし、固定構造、例えば、作業台)の上に搭載され得ない。
【0053】
上記の機器は、さらに、当該第1の金型(M1)の内側から空気を吸い込むための少なくとも1つの第1のシステムを備え、ゲルを注ぐ前に付けられた当該1つ以上の接着シート(A)を伴うカバー(C)の位置付けの補正を確実にする。
【0054】
さらなる吸引システムは、当該第2の金型(M2)の内側から空気を吸引するために、当該第2の金型(M2)の1つ以上に接続され、膨張されるポリウレタン材料を注ぐ前に、当該接着シート(A)上に付けられた当該追加パッド要素(G)と一緒に、当該カバー(C)の位置付けの補正を確実にする。
【0055】
本明細書は、専門家が、結果として、革新的概念の内容に対する先入観がない変形形態があり得る実用的適用で本発明を作るのに十分である。
【0056】
したがって、前述の説明及び添付図を参照して、以下の請求項が作られている。
図1
図2
図3
図4
図5