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特許7295134遊園地物品を消毒するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】遊園地物品を消毒するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 7/00 20060101AFI20230613BHJP
   A63G 33/00 20060101ALI20230613BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20230613BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20230613BHJP
   A61L 2/24 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
A63G7/00
A63G33/00
A61L2/18
A61L2/10
A61L2/24
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020552004
(86)(22)【出願日】2018-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 US2018061329
(87)【国際公開番号】W WO2019190597
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】15/937,609
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】マジダリ デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ウグリン ジョン
【審査官】竹村 真一郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3203713(JP,U)
【文献】特開平05-305181(JP,A)
【文献】特開2001-096167(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0012340(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0178412(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0050174(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0190538(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1736388(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0009407(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
A61L 2/08-2/10、2/16-2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊園地用消毒システムであって、
遊園地乗り物の乗り物車両内に配置されたコンパートメントであって、前記遊園地乗り物の物品を収容するように構成されたコンパートメントと、
前記コンパートメント内に配置された紫外線源であって、前記遊園地乗り物の物品が前記コンパートメント内に配置されたときに前記遊園地乗り物の物品の表面に向けて紫外線を送るように構成された紫外線源と、
前記コンパートメント内に配置されたノズルであって、前記遊園地乗り物の物品が前記コンパートメント内に配置されたときに前記遊園地乗り物の物品の表面に消毒液を向けるように構成されたノズルと、
を含む、遊園地用消毒システム。
【請求項2】
前記遊園地乗り物の乗り物経路に沿った前記乗り物車両の位置を検出するように構成された制御システムを含み、該制御システムは、前記乗り物車両が前記乗り物経路沿いの特定の位置にあると判断したとき、前記紫外線源、前記ノズル、又はこれらの両方を作動させるように構成される、請求項1に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項3】
前記コンパートメントは、前記紫外線源、前記ノズル、又はこれらの両方が作動するとき、前記コンパートメントを密閉するように構成されたドアを含み、前記制御システムは、前記乗り物経路に沿った前記乗り物車両の感知された位置に基づいて前記ドアを作動させるように構成される、請求項2に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項4】
前記遊園地用消毒システムは、前記コンパートメント内に少なくとも部分的に配置された物品回転装置を含み、該物品回転装置は複数のレセプタクルを含み、該複数のレセプタクルの各レセプタクルは、前記遊園地乗り物の対応する物品を受け取るように構成される、請求項1に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項5】
前記複数のレセプタクルは、前記物品回転装置の本体に結合され、該本体にアクチュエータが結合され、該アクチュエータは、該本体及び前記複数のレセプタクルを回転させるように構成される、請求項4に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項6】
前記アクチュエータにモータが結合され、該モータは該アクチュエータの回転を引き起こすように構成され、該モータに制御システムが通信可能に結合され、該制御システムは、前記遊園地乗り物の乗り物経路に沿った前記乗り物車両の位置に少なくとも基づいて前記モータの動作を制御するように構成される、請求項5に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項7】
前記遊園地用消毒システムは、前記コンパートメント内に配置されたラックを含み、該ラックは、前記遊園地乗り物の品を、該遊園地乗り物の物品が前記コンパートメント内に配置されたとき、前記遊園地乗り物の物品の表面が前記紫外線及び前記消毒液に曝されるように配置するよう構成される、請求項1に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項8】
前記ラックは、前記コンパートメントの底面から延びる一対の突出部を含む、請求項7に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項9】
前記コンパートメントは、残留消毒液を、貯蔵タンク、廃液容器、又はこれらの両方に向けるように構成された配水管を含む、請求項1に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項10】
前記遊園地用消毒システムは、前記消毒液を前記貯蔵タンクから前記ノズルに向けること、前記消毒液を前記配水管から前記貯蔵タンクに向けること、前記消毒液を前記配水管から前記廃液容器に向けること、又はこれらのいずれかの組み合わせを行うように構成されたポンプを含む、請求項9に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項11】
前記遊園地用消毒システムは、前記遊園地乗り物の品の表面から残留消毒液を除去するように構成されたファン、ドライヤー、又はヒータを含む、請求項1に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項12】
前記遊園地乗り物の品は、3次元ビデオ、クリップ又は効果を見るためのメガネ、仮想現実ゴーグル、拡張現実ゴーグル、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の遊園地用消毒システム。
【請求項13】
乗り物経路及び乗り物車両を含む遊園地乗り物と、
園地の消毒システムと、
を含むシステムであって、
前記乗り物車両は、前記乗り物経路に沿って前記遊園地乗り物の方向にゲストを輸送するように構成され、
前記消毒システムは、前記乗り物車両内に配置され、
前記消毒システムは、
前記遊園地乗り物の物品を収容するように構成されたコンパートメントと、
前記コンパートメント内に配置された紫外線源であって、前記遊園地乗り物の物品が前記コンパートメント内に配置されたときに前記遊園地乗り物の物品の表面に向けて紫外線を送るように構成された紫外線源と、
前記コンパートメント内に配置されたノズルであって、前記遊園地乗り物の物品が前記コンパートメント内に配置されたときに前記遊園地乗り物の物品の表面に消毒液を向けるように構成されたノズルと、
を含む、システム。
【請求項14】
前記乗り物経路は、前記ゲストが前記乗り物車両から出るための降車領域と、前記ゲストが前記乗り物車両に入るための乗車領域とを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記紫外線源と前記消毒液の流量制御装置とに通信可能に結合された制御システムを含み、該制御システムは、前記乗り物経路に沿った前記乗り物車両の位置を示すフィードバックを受け取るように構成され、前記制御システムは、前記乗り物車両が前記乗り物経路の前記降車領域から前記乗車領域に移動中であると判断されたとき、前記紫外線源、前記消毒液の前記流量制御装置、又はこれらの両方を作動させるように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記遊園地乗り物の第2の物品を収容するように構成された第2のコンパートメントを含み、該第2のコンパートメントは、第2の紫外線源、第2のノズル、又はこれらの両方を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
遊園地の消毒システムを含むシステムであって、
前記消毒システムは、遊園地乗り物の乗り物車両内に配置され、
前記消毒システムは、
前記遊園地乗り物の物品を収容するように構成されたコンパートメントと、
前記コンパートメント内に配置された紫外線源であって、前記遊園地乗り物の物品が前記コンパートメント内に配置されたときに前記遊園地乗り物の物品の表面に向けて紫外線を送るように構成された紫外線源と、
前記コンパートメント内に少なくとも部分的に配置された物品回転装置と、
を含み、前記物品回転装置は複数のレセプタクルを含み、該複数のレセプタクルの各レセプタクルは、前記遊園地乗り物の対応する物品を受け取るように構成される、
システム。
【請求項18】
前記複数のレセプタクルは、前記物品回転装置の本体に結合され、該本体にアクチュエータが結合され、該アクチュエータは、該本体及び前記複数のレセプタクルを回転させるように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記遊園地乗り物の各反復後に前記アクチュエータをある回転割合だけ回転させるように構成された制御システムを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記物品回転装置の回転は、前記乗り物車両の乗り物拘束具を解除するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地用消毒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、後述する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0003】
遊園地は、各遊園地ゲスト(来園客)に固有の体験を提供する様々な乗り物及びその他の特徴を含む。場合によっては、ゲストが接する乗り物自動車(ride cars)、ハンドル、相互作用要素(interactive components)又はその他の特徴及び/又は物品に細菌又はその他の望ましくない物質が蓄積することがある。従って、遊園地は、ゲストが頻繁に接する表面からこのような物質を除去するプロセスを含むことができる。現在では、既存の洗浄プロセスには時間が掛かり、従ってゲストが乗り物又はアトラクションを体験するための待ち時間が増加してしまうことがあると認識されている。また、現在では、乗り物車両(ride vehicle)から遊園地物品を取り出し、物品を清浄化して乗り物車両に戻すような既存の洗浄プロセスの実行は非効率的な場合があると認識されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ開示するいくつかの実施形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と同様の又は異なる様々な形態を含むことができる。
【0005】
1つの実施形態では、遊園地用消毒システム(sanitization system for an amusement park)が、遊園地乗り物の乗り物車両内に配置されて遊園地乗り物の物品(article)を収容するように構成されたコンパートメント(compartment)と、コンパートメント内に配置された紫外線源(ultraviolet light source)であって、物品がコンパートメント内に配置されるとき、物品の表面に向けて紫外線を送るように構成された紫外線源と、コンパートメント内に配置されたノズルであって、物品がコンパートメント内に配置されるとき、物品の表面に消毒液(sanitizing fluid)を向けるように構成されたノズルとを含む。
【0006】
別の実施形態では、システムが、遊園地乗り物及び消毒システムを含む。遊園地乗り物は、乗り物経路(ride path)及び乗り物車両を含み、乗り物車両は、乗り物経路に沿って遊園地乗り物の方向にゲストを輸送するように構成される。消毒システムは乗り物車両内に配置され、消毒システムは、遊園地乗り物の物品を収容するように構成されたコンパートメントと、コンパートメント内に配置された紫外線源であって、物品がコンパートメント内に配置されるとき、物品の表面に向けて紫外線を送るように構成された紫外線源と、コンパートメント内に配置されたノズルであって、物品がコンパートメント内に配置されるとき、物品の表面に消毒液を向けるように構成されたノズルとを含む。
【0007】
別の実施形態では、システムが、遊園地の消毒システムを含み、消毒システムは、遊園地乗り物の乗り物車両内に配置され、消毒システムは、遊園地乗り物の物品を収容するように構成されたコンパートメントと、コンパートメント内に配置された紫外線源であって、物品がコンパートメント内に配置されるとき、物品の表面に向けて紫外線を送るように構成された紫外線源と、コンパートメント内に少なくとも部分的に配置された物品回転装置とを含み、物品回転装置は複数のレセプタクル(receptacle)を含み、複数のレセプタクルの各レセプタクルは、遊園地乗り物の対応する物品を受け取るように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の態様による、遊園地物品用消毒システムの実施形態を示す図である。
図2】本開示の態様による、図1の消毒システムを有する乗り物車両の実施形態の立面図である。
図3】本開示の態様による、図1及び図2の消毒システムのコンパートメントの実施形態の斜視図である。
図4】本開示の態様による、遊園地物品を収容するためのラックを有する図3の消毒システムのコンパートメントの実施形態の斜視図である。
図5】本開示の態様による、消毒システムの2つのコンパートメントを有する乗り物車両の実施形態の部分的斜視図である。
図6】本開示の態様による、消毒システムのコンパートメントの物品回転装置の実施形態の立面図である。
図7】本開示の態様による、図6の物品回転装置の実施形態の斜視図である。
図8】本開示の態様による、消毒システムのコンパートメントの物品回転装置の実施形態の立面図である。
図9】本開示の態様による、図8の物品回転装置の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【0010】
以下、本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実際の実装の特徴を全て説明していない場合もある。なお、あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実際の実装の開発においては、実装によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実装固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑かつ時間の掛かるものとなり得るが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0011】
遊園地は、遊園地乗り物、実演ショー及びゲームなどの幅広い娯楽を呼び物とする。本明細書で使用する遊園地乗り物は、数ある中でも特に、ジェットコースター、ダークライド、テーマライド、タワーライド、ウォーターライドを含むことができる。異なるタイプの娯楽は、遊園地におけるゲストの体験を強化する特徴及び/又は物品を含むことができる。いくつかの例では、遊園地乗り物、ゲーム、相互作用設備及び/又はその他の物品が、ゲストが頻繁に接する又は触れる表面(例えば、ハンドル、ノブ、ハンドヘルド型又はウェアラブル型物品、ゴーグル又はメガネ)を含む。このような表面には、ゲストが表面に接するにつれて、及び/又は表面が乗り物又は物品の環境内の空気、水、ミスト及び/又はこぼれた固体又は液体に接するにつれて、細菌及び/又はその他の望ましくない物質が蓄積することがある。従って、遊園地は、表面を定期的に消毒して細菌又はその他の望ましくない物質を除去する手順を整えることができる。例えば、遊園地は、遊園地乗り物の日常メンテナンス中及び/又は遊園地の休業時間中(例えば、遊園地が閉まっている時)に、乗り物車両から様々な物品(例えば、乗り物のテーマに一致するハンドヘルド装置、乗り物の最中にゲストが装着するウェアラブル装置、乗り物の最中にゲストが装着するメガネ又はゴーグル、乗り物の最中にゲストが使用する相互作用装置)を取り出し、消毒スプレー(sanitization spray)(例えば、石鹸又は抗菌液)を利用して細菌及びその他の望ましくない物質に曝される恐れがある表面を清浄化することができる。
【0012】
場合によっては、遊園地乗り物の物品が比較的高価であることにより、遊園地が購入してゲストに提供する物品の量が限られることもある。遊園地の従業員は、遊園地のゲストによる使用の合間にこのような物品を乗り物車両から取り出して清浄化し、物品からあらゆる細菌及び/又はその他の望ましくない物質を除去することができる。今では、乗り物車両から物品を取り出して従来の消毒方法を使用して物品を清浄化するのには時間が掛かり、これによって所与の1日を通じて遊園地乗り物、ゲーム、相互作用機能及び/又は娯楽ショーを体験できるゲストの量が減少してしまうと認識されている。
【0013】
本開示の実施形態は、ゲストが頻繁に接する乗り物車両の物品から消毒スプレー、紫外線又はこれらの両方を利用して細菌及びその他の望ましくない物質を定期的に除去する、遊園地乗り物の乗り物車両上に含めることができる物品用の強化された消毒システムに関する。いくつかの実施形態では、遊園地乗り物の最後に(例えば、乗り物車両が、ゲストが乗り物車両から退出する降車領域に到達した時に)、特定のゲストが遊園地乗り物の物品を乗り物車両のコンパートメント内に置くことができる。このコンパートメントは、乗り物車両が降車領域(unloading region)から乗車領域(loading region)(例えば、ゲストが乗り物車両に入場する乗り物車両の乗り物経路の部分)に輸送される時に遊園地乗り物の物品を消毒するための紫外線源、スプレーノズル及び/又はドライヤーを含むことができる。従って、乗車領域において乗り物車両に入場したゲストは、その後に遊園地乗り物の継続時間全体を通じて(例えば、乗り物車両が乗り物経路に沿って乗車領域から降車領域に移動する際に)遊園地乗り物の消毒済みの物品を利用することができる。
【0014】
他の実施形態では、乗り物車両が複数のコンパートメントを含むことができ、これによって乗り物車両に乗っているゲストが遊園地乗り物の第2の物品を利用している間に乗り物の継続時間全体を通じて遊園地乗り物の第1の物品が消毒を受けられるようにすることができる。例えば、第1のコンパートメントは、遊園地乗り物の第1の物品を収容してこれに消毒を実行することができる。また、第2のコンパートメントは、乗り物の継続時間全体を通じて空にしておき、その後に乗り物車両が降車領域に到達した時に開いて、ゲストに第2の遊園地物品を第2のコンパートメントに戻すように促すことができる。従って、乗り物車両に乗車する後続のゲストは、遊園地乗り物の第2の物品が消毒を受けている間に遊園地乗り物の第1の物品を利用することができる。さらに別の実施形態では、コンパートメントが、回転、移動又は別様に作動する複数のレセプタクルを含むことができる物品回転装置を含むことができ、各レセプタクルは、遊園地乗り物の物品を受け取るように構成される。作動したレセプタクルは、乗り物車両の単一のコンパートメント内のレセプタクルに配置された対応する物品の消毒サイクルを交互に行うことができる。
【0015】
ある実施形態では、消毒システムが、乗り物車両に搭載された遊園地乗り物の物品の表面から細菌及びその他の望ましくない物質を少なくとも部分的に除去するように構成される。従って、遊園地乗り物の消毒の頻度及び効率が高まり、これによって遊園地を訪れるゲストの体験を強化することができる。
【0016】
図を参照すると、図1は、乗り物車両14上の遊園地乗り物の物品12を清浄化する消毒システム10の実施形態を示す図である。図1の例示的な実施形態に示すように、消毒システム10は、乗り物車両14内に含まれる、物品12を消毒するためのコンパートメント16を含むことができる。いくつかの実施形態では、物品12が、遊園地乗り物を体験しているゲストが装着するメガネ又はゴーグル(例えば、3次元ビデオ、クリップ又は効果を見るために使用されるメガネ、仮想現実ゴーグル、拡張現実ゴーグル)を含む。他の実施形態では、物品12が、遊園地の相互作用要素(例えば、遊園地乗り物の構造又は作動装置と通信するように構成されたハンドヘルド要素)、ゲストのゲストプロファイルに関連するウェアラブル装置、又は遊園地乗り物のゲストが保持又は別様に接触する別の好適なコンポーネントを含むことができる。本開示の図示の実施形態では、物品12をメガネ又はゴーグルとして示しているが、物品12は、遊園地のゲストが頻繁に接するあらゆる好適なコンポーネントを含むことができると理解されたい。
【0017】
コンパートメントは、乗り物車両14が乗り物経路18に沿って移動する際に物品12を収容して物品12を消毒するように構成される。コンパートメント16は、ゲストが頻繁に接する物品12の表面から細菌及びその他の望ましくない物質を除去するために物品12に向けて紫外線22を放出するように構成された紫外線源20を含むことができる。紫外線22は、物品12の表面に接触して、表面上に存在し得る細菌及びその他の望ましくない物質(例えば、ウィルス)を除去する。いくつかの実施形態では、コンパートメント16が、物品12に消毒ミスト(sanitizing mist)又は消毒液(sanitizing liquid)26(例えば、洗浄液)を噴霧するように構成されたノズル24も含む。例えば、ノズル24は、流体源から流体(例えば、洗浄液)を受け取って、紫外線22の前、後、又はこれと同時に物品12に向けて消毒ミスト又は消毒液26を噴霧する。従って、消毒ミスト又は消毒液26は、紫外線22と共に物品12をさらに消毒することができる。いくつかの実施形態では、ノズル24が、ノズル24からの放出後の消毒ミスト又は消毒液26を乾燥させるように動作するドライヤーを表すこともできる。
【0018】
いくつかの実施形態では、(例えば、乗り物車両14が単一のコンパートメント16を含む場合、)乗り物車両14がゲスト降車領域とゲスト乗車領域との間を移動中に紫外線源20及び/又はノズル24が作動する。従って、物品12を清浄化するための紫外線20への十分な暴露を物品12にもたらすように、乗り物車両14の速度を減速又は低減することができる。非限定的な例として、乗り物車両14の動きを低減して、1秒~5分、5秒~45秒、又は10秒~20秒の期間、或いは他のいずれかの好適な期間にわたって物品12が紫外線源20に曝されることを確実にすることができる。他の実施形態では、(例えば、乗り物車両14が、複数のコンパートメント16、及び/又は単一のコンパートメント16のための物品回転装置を含む場合)乗り物車両14がゲスト乗車領域とゲスト降車領域との間を移動中に紫外線源20及び/又はノズル24が作動する。さらに別の実施形態では、(例えば、コンパートメント16が閉鎖位置にある場合)乗り物車両14が実質的に乗り物経路18全体に沿って移動中に紫外線源20及び/又はノズル24が作動する。従って、物品12の消毒は、遊園地乗り物の営業時間中に(例えば、ゲストが遊園地乗り物の他の乗り物車両に乗っている時に)系統的に実行される。また、物品12の消毒は、遊園地乗り物の停止時間中に(例えば、ゲストが遊園地乗り物の乗り物車両14内に存在しない時に)実行することもできる。
【0019】
紫外線源20は、物品12の表面を清浄化する紫外線22を放出する。いくつかの実施形態では、紫外線22が、物品12の表面上に存在する一般的な細菌及び/又はその他の望ましくない物質を除去するのに適した所定の波長を含むことができる。紫外線22の波長は、122~200ナノメータとすることができ、これによって物品12の表面を清浄化する遠紫外(「FUV」)線を放出することができる。FUVは、物品12の表面上の一般的な細菌又は望ましくない物質を死滅させるのに有効となり得る。他の実施形態では、紫外線22が、(例えば、10~400ナノメータの)いずれかの好適な波長を含むことができる。
【0020】
図2は、1又は2以上の物品12を収容して最終的に消毒するように構成された2つのコンパートメント16を有する乗り物車両14の立面図である。図2の例示的な実施形態に示すように、コンパートメント16は、乗り物車両14の部分50内に配置される。例えば、コンパートメント16は、乗り物車両14の背もたれ52内に、及び/又は(例えば、乗り物車両14の前部座席などの、背もたれ52を利用できない場合には)乗り物車両14の車体54内に位置することができる。従って、コンパートメント16は、物品12が乗り物車両14から取り出されないことによって物品12の消毒を完了するための時間が削減されるように、乗り物車両14の車上で遊園地乗り物の物品12を消毒するように構成される。さらに、物品12の消毒を乗り物車両上で実行すると、消毒プロセスの速度が増すことによってゲストがきれいな物品12を使用できる頻度が高まるので、遊園地が購入及び/又は提供する物品12の数を減少させることができる。さらに、乗り物車両上の物品12を遊園地乗り物から離れた清浄化施設に輸送しなくてもよい。従って、遠くの清浄化施設に物品12を移動させることに関連するコストが削減及び/又は排除される。また、遠くの清浄化施設への輸送中に物品12が損傷するリスクも低下する。
【0021】
図2の例示的な実施形態に示すように、コンパートメント16は、それぞれ紫外線源20及びノズル24を含むことができる。いくつかの実施形態では、ノズル24が、紫外線源20が物品12に向けて紫外線22を送るよりも前にそれぞれの物品12に消毒ミスト又は消毒液26を向けるように構成される。従って、紫外線源20は、物品12を乾燥させ、及び/又は物品12上又は物品12内に存在し得る残留(residual)消毒ミスト又は消毒液26を除去するように機能することができる。これに加えて、又はこれとは別に、コンパートメント16は、物品12から残留消毒ミスト又は消毒液26をさらに除去するファン、ドライヤー又はヒータ56を含むこともできる。他の実施形態では、ノズル24が、紫外線源20が物品12に向けて紫外線22を送った後に物品12に消毒ミスト又は消毒液26を向けることができる。さらに別の実施形態では、ノズル24が物品12に消毒ミスト又は消毒液26を向け、紫外線源20が実質的に同時に物品12に向けて紫外線22を送る。
【0022】
図3は、乗り物車両14内のコンパートメント16の斜視図である。図3の例示的な実施形態に示すように、コンパートメントは、1又は2以上の紫外線源20及び1又は2以上のノズル24を含む。いくつかの実施形態では、1又は2以上のノズル24が、消毒ミスト又は消毒液26を受け取って貯蔵する貯蔵タンク70に流体的に結合される。例えば、貯蔵タンク70を1又は2以上のノズル24に流体的に結合する導管74(例えば、パイプ又は配管)に沿ってポンプ72が配置される。ポンプ72は、貯蔵タンク70から消毒ミスト又は消毒液26を引き込み、これらを1又は2以上のノズル24に向けて流すことができる。いくつかの実施形態では、ポンプ72が、コンパートメント16に含まれる1又は2以上のノズル24の各ノズル24に消毒ミスト又は消毒液26を向ける。他の実施形態では、1又は2以上のノズル24の各ノズル24が、貯蔵タンク70から消毒ミスト又は消毒液26を引き込む対応するポンプ72を含む。
【0023】
貯蔵タンク70は、遊園地乗り物を体験しているゲストから隠れるように乗り物車両14(例えば、乗り物車両14の車体54)内に配置することができる。これに加えて、又はこれとは別に、貯蔵タンク70を利用して、乗り物車両14に含まれる複数のコンパートメント16に消毒ミスト又は消毒液26を供給することもできる。例えば、乗り物車両14は、乗り物車両14の座席毎にコンパートメント16を含むことができる。従って、貯蔵タンク70は、乗り物車両14に含まれるあらゆる数のコンパートメント16に消毒ミスト又は消毒液26を供給するように構成することができる。他の実施形態では、乗り物車両14内に含まれる各コンパートメント16が、消毒ミスト又は消毒液26を供給するための対応する貯蔵タンク70を有する。
【0024】
いずれにせよ、消毒ミスト又は消毒液26は、1又は2以上のノズル24から物品12に向けて噴霧された時にコンパートメント16の底部76内に溜まることがある。従って、コンパートメント16は、残留消毒ミスト又は消毒液26を収集するための配水管(drain)78を含むことができる。いくつかの実施形態では、配水管78が、導管80(例えば、パイプ又は配管)を介して貯蔵タンク70に流体的に結合される。残留消毒ミスト又は消毒液26は、リサイクルされる(例えば、物品12を清浄化するための複数回の消毒プロセスに使用される)ように、ポンプ82(例えば、第2のポンプ)によって配水管78から貯蔵タンク70に向けられる。消毒ミスト又は消毒液26によって収集されたあらゆる粒子及び/又は望ましくない物質を除去するために、導管80に沿って配水管78と貯蔵タンク70との間にフィルタ84(例えば、濾過網(mesh screen)、ふるい(sieve)、吸着式フィルタ)を配置することができる。この結果、フィルタ84は、消毒ミスト又は消毒液26が1又は2以上のノズル24に戻される前に消毒ミスト又は消毒液26からあらゆる望ましくない物質を除去することができる。
【0025】
他の実施形態では、消毒ミスト又は消毒液26を後続の消毒プロセスのためにリサイクル又は再利用しないこともできる。代わりに、消毒ミスト又は消毒液26は、導管88(例えば、パイプ又は配管)を介して配水管78に流体的に結合された廃液容器86に向けられる。導管88沿いには、消毒ミスト又は消毒液26を廃液容器86に向けるためのポンプ90(例えば、第2のポンプ82又は別のポンプ)を配置することができる。他の実施形態では、消毒ミスト又は消毒液26が、コンパートメント16に対するコンポーネント(例えば、廃液容器86)の配置に起因する重力を介して配水管78から廃液容器86に流れる。貯蔵タンク70と同様に、廃液容器86も、ゲストから隠れるように乗り物車両14内に配置することができる。また、廃液容器86は、乗り物車両14の複数のコンパートメント16からの消毒ミスト又は消毒液26を受け取ることもできる。他の実施形態では、廃液容器86が、単一のコンパートメント16からの消毒ミスト又は消毒液26を受け取る。
【0026】
いくつかの実施形態では、消毒ミスト又は消毒液26が利用され、蒸発し、及び/又は別様に貯蔵タンク70に戻されない時に、貯蔵タンク70を定期的に補充することができる。従って、遊園地乗り物は、貯蔵タンク70内の消毒ミスト又は消毒液26を補充する充填ステーション(filling station)92を含むことができる。例えば、充填ステーション92は、乗り物経路18の降車領域及び/又は(例えば、乗り物車両14の移動方向に対する)乗り物経路18の降車領域と乗車領域との間のいずれかに配置することができる。充填ステーション92は、消毒ミスト又は消毒液26の供給源を貯蔵タンク70に流体的に結合して、新鮮な消毒ミスト又は消毒液26を貯蔵タンク70内に向けるように構成される。消毒ミスト又は消毒液26の供給源は、(例えば、遊園地乗り物のオペレータによって)手動で、及び/又は(例えば、乗り物車両14と共に乗り物経路18に沿って移動する作動部材を介して)自動で貯蔵タンク70に結合することができる。他の実施形態では、貯蔵タンク70を、乗り物車両14の日常メンテナンスの一部として遊園地乗り物の停止時間中(例えば、ゲストが遊園地乗り物を体験していない時)及び/又は他の好適な時間中に(例えば、手動又は自動で)補充することができる。
【0027】
さらに、貯蔵タンク70は、貯蔵タンク70に貯蔵されている消毒ミスト又は消毒液26に熱エネルギー(例えば、熱)を伝達するように構成された加熱要素93を含むことができる。従って、ノズル24を介して物品12の表面に暖かい消毒ミスト又は消毒液26を向けることができる。暖かい流体は、物品12の表面上に存在する固体の除去及び/又は細菌の死滅の効果を高めることができるので、消毒ミスト又は消毒液26を加熱すると、物品12の消毒プロセスを強化することができる。例えば、消毒ミスト又は消毒液26の温度を高めると、低温の消毒ミスト又は消毒液26と比べた時に、表面上に存在する固化物質(solidified material)をさらに大量に破壊することができる。また、高温環境では細菌も生き延びることができない可能性が高い。従って、消毒ミスト又は消毒液26の温度を高めることにより、低温の消毒ミスト又は消毒液26と比べてより多くの細菌を効果的に死滅させることができる。
【0028】
図3の例示的な実施形態に示すように、1又は2以上の紫外線源20及びポンプ72、82及び/又は90は電源94に結合される。電源94は、乗り物車両14の複数のコンパートメント16及び/又はその他のコンポーネント(例えば、ライト、作動部材、音、ディスプレイ)に給電するために利用される単一の電源94とすることができる。他の実施形態では、電源94が、単一のコンパートメント16のコンポーネントに電力を供給するように構成される。電源94は、バッテリ、発電機、及び/又は別の好適な電源を含むことができる。いずれにせよ、電源94は、制御システム96によって制御することができる。いくつかの実施形態では、制御システム96が、電源94を介して1又は2以上の紫外線源20及びポンプ72、82及び/又は90を選択的に動作させるように構成される。従って、1又は2以上の紫外線源20が停止している(例えば、紫外線22を送っていない)間に物品12に向けて消毒ミスト又は消毒液26を噴霧することができ、或いはこの逆も同様である。他の実施形態では、制御システム96が、導管74、80及び/又は88に沿って配置されたバルブの位置を調整するように構成された1又は2以上のアクチュエータに通信可能に結合される。このような実施形態では、制御システム96が、このようなバルブの位置を介して消毒スプレー又はミスト26の流れを制御することができる。
【0029】
いずれにせよ、制御システム96は、機械可読媒体97(例えば、メモリ)に記憶された、プロセッサ98が実行できる命令を含むことができる。これらの命令は、1又は2以上の紫外線源20及び/又はポンプ72、82及び/又は90を作動及び/又は停止させるように構成される。いくつかの実施形態では、制御システム96が、乗り物車両14の位置及び/又はコンパートメント16のドア100(例えば、図5を参照)の位置を示すフィードバックを受け取るように構成される。従って、制御システム96は、乗り物車両14が乗り物経路18沿いの所定の位置に到達するとき、及び/又はコンパートメント16のドア100が開放位置又は閉鎖位置にあると判断される(determined)とき、1又は2以上の紫外線源20及び/又はポンプ72、82、90を作動及び/又は停止させることができる。従って、消毒プロセスは、コンパートメント16が密閉されていて(例えば、ドア100が閉鎖位置にあって)、コンパートメント16内に物品12が配置された位置に乗り物車両14が存在すると制御システム96が判断するとき、作動することができる。
【0030】
図4は、コンパートメント16内の、物品12の所定の表面(例えば、遊園地乗り物のゲストが頻繁に接する表面)が紫外線22及び消毒ミスト又は消毒液26に曝される位置に物品12を位置付けるように構成されたラック120を有するコンパートメント16の斜視図である。図4の例示的な実施形態に示すように、ラック120は、コンパートメント16の底部76に沿って延びる一対の突出部122を含むことができる。他の実施形態では、ラック120が、物品12の形状を補完し又はこのような形状に対応して、紫外線22及び/又は消毒ミスト又は消毒液26に対する物品12の所定の表面の暴露を強化する位置に物品12を位置付ける、コンパートメント内に配置された別の構造部品を含むことができる。例えば、ラック120は、物品12を収容又は保持するように構成された円錐スタンド(conical stand)、物品12を収容又は保持するように構成されたワイヤラック(wire rack)、物品12を収容又は保持するように構成された有孔棚(perforated shelf)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。ラック120は、紫外線22及び/又は消毒ミスト又は消毒液26に対する所定の表面の暴露を強化するように物品12を配置することに加えて、物品12がコンパートメント16の底部76からオフセットされることも可能にする。従って、残留消毒ミスト又は消毒液26が物品12の表面上又は物品12内に溜まらず、配水管78に向かって底面76上に滴り落ちることができる。
【0031】
上述したように、いくつかの実施形態では、乗り物車両14が、対応する物品12のための単一のコンパートメント16を含む。このような実施形態では、遊園地乗り物の完了時(例えば、乗り物車両14が乗り物経路18沿いの降車領域に到達した時)に、ゲストが物品12をコンパートメント16内に置くことができる。その後、乗り物車両14は、コンパートメント16内で物品12が消毒されている間に乗り物経路18に沿って降車領域から乗車領域に移動することができる。従って、乗車領域において乗り物車両14に入場するゲストは、その後にコンパートメント16からきれいな物品12を取り出して、遊園地乗り物の継続時間全体を通じて(例えば、乗り物車両14が乗り物経路18に沿って乗車領域から降車領域に移動する際に)使用することができる。他の実施形態では、乗り物車両14が、各コンパートメント16がそれぞれの物品12を収容して消毒するように構成された複数のコンパートメント16(例えば、アクセスポイントに対して回転するカルーセル状のコンパートメント16)を含む。さらに別の実施形態では、単一のコンパートメント16が複数の物品12を収容及び/又は消毒するように構成される。
【0032】
例えば、図5は、乗り物車両14の単一の座席用の隣接するコンパートメント16を有する乗り物車両14の部分図の実施形態である。従って、乗り物車両14内に位置するゲストは、遊園地乗り物の継続時間全体を通じて(例えば、乗り物車両14が乗り物経路18に沿って乗車領域から降車領域に移動する際に)第1の物品12を利用することができる。さらに、ゲストが第1の物品12を利用している間に、遊園地乗り物の継続時間全体を通じて第1のコンパートメント140内で第2の物品12を消毒することができる。遊園地乗り物の最後には(例えば、乗り物車両14が降車領域に到達すると)、第2のコンパートメント142のドア100が開くことができる(例えば、制御システム96が、ドア100を開閉するモータなどのアクチュエータ143を制御する)。従って、ゲストは、消毒のために第2のコンパートメント142内に第1の物品12を置くことができる。その後、第2のコンパートメント142のドア100は閉じることができる(例えば、制御システム96が、ドア100を開閉するアクチュエータ143を制御する)。いくつかの実施形態では、制御システム96を、乗り物車両14が乗り物経路18に沿った所定の位置に到達した時にドア100を開放及び/又は閉鎖するように構成することができる。これに加えて、又はこれとは別に、制御システム96は、(例えば、負荷センサを介して)物品12がコンパートメント16内に置かれたことを検出した時にドア100を開放及び/又は閉鎖するようにも構成される。他の実施形態では、ドア100が、遊園地乗り物のゲスト及び/又はオペレータによって手動で開放及び/又は閉鎖される。
【0033】
いずれにせよ、第1のコンパートメント140のドア100は、例えば乗車領域において後続のゲストが乗り物車両14に入場した時に開くことができる(例えば、制御システム96が、ドア100を開閉するアクチュエータ143を制御する)。その後、後続のゲストは、第1のコンパートメント140から第2の物品12を取り出して、遊園地乗り物の継続時間全体を通じてきれいな第2の物品12を利用することができる。さらに、第1の物品12は、後続のゲストが第2の物品12を使用している時に同時に第2のコンパートメント142内で消毒される。
【0034】
1つの実施形態では、乗り物車両14の乗り物抑制具(ride constraint)144(例えば、乗り物拘束具(ride restraint))を解除するために、物品12を適切な容器内に配置しなければならない。例えば、乗り物車両14は、一般に乗り物車両14内のゲストの動きを阻止するための乗り物抑制具144を含むことができる。乗り物経路18の乗車領域では、乗り物車両14が乗車領域から降車領域に移動している時に乗り物車両14内のゲストが乗り物拘束具144を実質的に動かすことができないように、乗り物抑制具144を適所に固定(ロック)することができる。乗り物車両14が降車領域に到達すると、ゲストは、コンパートメント140又は142のどちらが空(例えば、物品12を含まない適切なコンパートメント)であるかに依存して、物品12を第1のコンパートメント140及び/又は第2のコンパートメント142内に配置することができる。いくつかの実施形態では、制御システム96が、(例えば、負荷センサを介して)適切なコンパートメント140及び/又は142内の物品12を検出して、ゲストが乗り物車両14から退出できるように乗り物拘束具144を解除する。さらに、制御システム96は、物品12が適切なコンパートメント140及び/又は142内に存在することを検出すると、アクチュエータ143を介して適切なコンパートメント140及び/又は142のドア100を閉じることができる。さらに、制御システム96は、前回の乗り物反復中に消毒を受けた物品12を含む第1のコンパートメント140及び/又は第2のコンパートメント142のドア100を(例えば、アクチュエータ143を介して)開くことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、乗り物拘束具144が、第1のコンパートメント140及び/又は第2のコンパートメント142のドア100の閉鎖及び/又は開放と同時に解除されるように、歯車装置又は他の物理的接続部を介して第1のコンパートメント140及び/又は第2のコンパートメント142のドア100に結合される。他の実施形態では、ドア100が手動で閉じられた時に乗り物拘束具144が解除される。例えば、制御システム96は、適切なコンパートメント140及び/又は142のドア100がゲスト及び/又はオペレータによって閉じられたことを検出した後に乗り物抑制具144を解除することができる。他の実施形態では、適切なコンパートメント140及び/又は142のドア100が閉じた時に、乗り物拘束具144と第1のコンパートメント140及び/又は第2のコンパートメント142のドア100との間の物理的接続部が乗り物拘束具144を解除することができる。
【0036】
図5の例示的な実施形態では、乗り物車両14が、乗り物車両14内の比較的大量の空間を消費し得る複数のコンパートメント16を含む。従って、今では、単一のコンパートメント16内で複数の物品12間の交代を可能にする装置を含めることが望ましい場合があると認識されている。例えば、図6は、物品カルーセル装置又は回転装置160を有するコンパートメント16の実施形態の平面図である。図6の例示的な実施形態に示すように、物品回転装置160は複数のレセプタクル162を含み、複数のレセプタクル162の各レセプタクル162は、物品12を受け取ってこれらをコンパートメント16に対して確保するように構成される。図6の例示的な実施形態には4つのレセプタクル162を有する物品回転装置160を示しているが、物品回転装置160は、2つ、3つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個又は11個以上のレセプタクル162を含むこともできる。いくつかの実施形態では、乗り物拘束具144(例えば、ラップバー)を係合又は解除すると、物品回転装置160又は関連するアクセスドアが作動して、ゲストが消毒済みの物品12を利用できるように回転し及び/又は別様に開くことができる。
【0037】
いずれにせよ、物品回転装置160は、複数の物品12が消毒プロセスと遊園地乗り物のゲストによる利用とを繰り返すことを可能にする。例えば、コンパートメント16の外部に位置する第1のレセプタクル166には、(例えば、既にコンパートメント16内で消毒済みの)第1の物品164が配置される。ゲストは、第1のレセプタクル166からきれいな第1の物品164を取り出し、遊園地乗り物の継続時間全体を通じて(例えば、乗り物車両14が乗り物経路18に沿って乗車領域から降車領域に移動する際に)これを利用することができる。遊園地乗り物の最後には(例えば、乗り物車両14が降車領域に到達すると)、ゲストに第1の物品164を第1のレセプタクル166内に戻すように促すことができる。その後、制御システム96は、(例えば、モータを介して)物品回転装置160を作動させて、軸168を中心に円周方向170に回転させることができる。これにより、第2の物品174を有する第2のレセプタクル172がコンパートメント16の外部に配置され、後続のゲストがきれいな第2の物品174を利用できるようになる。
【0038】
図6の例示的な実施形態に示すように、第1のレセプタクル166がコンパートメント16の外部に配置されると、第2のレセプタクル172の表面176及び第3のレセプタクル180の表面178がコンパートメント16を密閉する。従って、紫外線22及び消毒ミスト又はスプレー26をコンパートメント16の内部188から漏出させることなく、それぞれコンパートメント16の内部に配置された第2の物品174、第3の物品182及び/又は(第4のレセプタクル186内に配置された)第4の物品184に向けることができる。換言すれば、表面176及び178は、紫外線22及び/又は消毒ミスト又はスプレー26がコンパートメント16から漏出してゲストを含む乗り物車両14の部分に到達するのを妨げる。他の実施形態では、紫外線22及び/又は消毒ミスト又はスプレー26の少なくとも一部を、コンパートメント16から漏出するように構成することもできる。
【0039】
いくつかの実施形態では、レセプタクル166、172、180及び/又は186がコンパートメント16内で位置を回転させた時に物品164、174、182及び/又は184をそれぞれ紫外線22及び消毒ミスト又はスプレー26に曝すように、コンパートメント16が複数の紫外線源20及び複数のノズル24を含む。例えば、コンパートメント16は、いずれかの所定の時点にコンパートメント16内に位置するレセプタクル166、172、180及び/又は186の数(例えば、3つ)に対応する数(例えば、3つ)の紫外線源20及びノズル24を含むことができる。従って、物品164、174、182及び/又は184は、コンパートメント16の外部に配置されて最終的に遊園地乗り物のゲストによって利用される前に複数回の消毒プロセスを受ける。他の実施形態では、コンパートメント16が、物品回転装置160上のレセプタクル162の数よりも少ない数の紫外線源20及びノズル24を有することができる(例えば、図8及び図9を参照)。さらに別の実施形態では、コンパートメント16が、物品回転装置160上に含まれるレセプタクル162の数よりも多い数の紫外線源20及びノズル24を含むことができる。
【0040】
図6の例示的な実施形態に示すように、レセプタクル166、172、180及び/又は186の各々は、物品回転装置160の回転を容易にするように構成された曲面190を含むことができる。他の実施形態では、レセプタクル166、172、180及び/又は186が、物品回転装置160の回転を容易にしながらレセプタクル166、172、180及び/又は186内にそれぞれの物品164、174、182及び/又は184を収容するのに十分な空間を提供する他の構造形態を含む。
【0041】
図7は、物品回転装置160の回転を引き起こすアクチュエータ212に結合されたモータ210を示す図6の物品回転装置160の斜視図である。図7の例示的な実施形態に示すように、アクチュエータ212は、物品回転装置160の本体214に結合される。本体214は、軸168の周囲で円周方向170に駆動される。さらに、レセプタクル166、172、180及び/又は186は、それぞれ締結具、接着剤、溶接又は別の好適な技法を介して本体214に結合される。他の実施形態では、レセプタクル166、172、180及び/又は186が本体214と一体である(例えば、単一の又は共通の材料片から形成される)。いずれにせよ、モータ210によって駆動される本体214の回転は、レセプタクル166、172、180及び/又は186の回転を引き起こす。
【0042】
いくつかの実施形態では、モータ210が制御システム96に通信可能に結合されることにより、制御システム96が物品回転装置160の回転を制御するようになる。上述したように、制御システム96は、乗り物経路18に沿った乗り物車両14の位置を示すフィードバックを受け取ることができる。従って、制御システム96は、乗り物車両14の位置に基づいて物品回転装置160の回転を作動させるように構成することができる。例えば、制御システム96は、乗り物車両14が降車領域及び/又は降車領域と乗車領域との間(例えば、乗り物車両14上にゲストが存在しない乗り物経路18の部分)に存在すると判断すると、モータ210を作動させて物品回転装置160を約1/4回転(例えば、その10%以内、5%以内、又は1%以内)だけ回転させることができる。従って、第1のレセプタクル166内に配置された第1の物品164がコンパートメント16内に位置するようになり、遊園地乗り物の次の反復中に第1の物品164が消毒される。同様に、第2のレセプタクル172内の第2の物品174はコンパートメント16の外部に配置される。従って、ゲストは、第2のレセプタクル172から第2の物品174を取り出して遊園地乗り物の次の反復中に使用することができる。本明細書で使用する遊園地乗り物の反復とは、乗り物車両14が乗り物経路18の乗車領域から乗り物経路18の降車領域に移動して再び乗り物経路18の乗車領域に戻ること(例えば、乗り物経路18の全長を乗り物車両14の方向に移動することを1回完了すること)を意味する。
【0043】
従って、図6及び図7の物品回転装置160は、乗り物車両14乗り物経路18に沿って移動する際に4つの物品12が交代でゲストに使用されることを可能にする。換言すれば、4つの物品12のうちの1つが遊園地乗り物を体験中の乗り物車両14内のゲストによって利用されている間に、4つの物品12のうちの3つが消毒される。従って、消毒を受けるために物品12を乗り物車両14から取り出す必要がなく、これによって物品12を消毒するための時間を短縮し、及び/又は遊園地が購入及び/又は提供する物品12の数を減少させることができる。従って、より多くの遊園地のゲストが所与の営業時間にわたって遊園地乗り物を体験することができ、遊園地の資本コストを削減することができる。
【0044】
図8は、少なくとも部分的にコンパートメント16内に配置された物品回転装置230の実施形態の平面図である。図8の例示的な実施形態に示すように、物品回転装置230は、物品回転装置230の本体234の周囲に配置された複数のレセプタクル232を含む。物品回転装置230の本体234は、本体234の外面に当接する複数のレセプタクル232の表面236が狭いので、物品回転装置160の本体214と比べて小さなサイズを含むことができる。しかしながら、複数のレセプタクル232は、乗り物車両14の空間238のさらに内部まで延びることができる。他の実施形態では、他のサイズ及び/又は構成の本体234を利用できるように、複数のレセプタクル232が異なる形状(例えば、ピラミッド形、球形又は多角形)を含む。上述したように、複数のレセプタクル232の表面240は、乗り物車両14が乗り物経路18に沿って移動する際に消毒プロセスを行うことができるようにコンパートメント16のシールを形成する。
【0045】
コンパートメント16は、1又は2以上の紫外線源20及び1又は2以上のノズル24を含む。いくつかの実施形態では、1又は2以上の紫外線源20及び1又は2以上のノズル24が、複数のレセプタクル232の隣接するレセプタクル232間で共有される。例えば、第1の紫外線源242は、第1のレセプタクル244と、第1のレセプタクル244に隣接する第2のレセプタクル246との間で共有される。同様に、第1のノズル248も、第1のレセプタクル244と第2のレセプタクル246との間で共有される。さらに、第2の紫外線源250及び/又は第2のノズル252は、第2のレセプタクル246と第3のレセプタクル254との間で共有することができる。いくつかの実施形態では、複数のレセプタクル232の各レセプタクル232が、それぞれのレセプタクル232内に配置された対応する物品12をゲストが利用するまで、遊園地乗り物の複数回(例えば、3回)の反復にわたってコンパートメント16内に配置される。従って、コンパートメント16は、対応する物品12が遊園地乗り物の1回おきの反復で利用される実施形態と比べると、各レセプタクル232に対する紫外線22及び/又は消毒スプレー又はミスト26への暴露をわずかに抑えるように構成することができる。
【0046】
図9は、アクチュエータ270がモータ272によって駆動されて物品回転装置230を回転させる物品回転装置230の斜視図である。図9の例示的な実施形態に示すように、アクチュエータ270は、物品回転装置230の本体234に結合される。本体234は、軸168の周囲で円周方向170に駆動される。いくつかの実施形態では、モータ272が制御システム96に通信可能に結合されることにより、制御システム96が物品回転装置230の回転を制御するようになる。上述したように、制御システム96は、乗り物経路18に沿った乗り物車両14の位置を示すフィードバックを受け取ることができる。従って、制御システム96は、乗り物車両14の位置に基づいて物品回転装置230の回転を作動させるように構成することができる。例えば、制御システム96は、乗り物車両14が降車領域及び/又は降車領域と乗車領域との間(例えば、乗り物車両14上にゲストが存在しない乗り物経路18の部分)に存在すると判断すると、モータ272を作動させて物品回転装置230を約1/4回転(例えば、その10%以内、5%以内、又は1%以内)だけ回転させることができる。他の実施形態では、制御システム96が、モータ272を作動させて別の好適な量だけ物品回転装置230を回転させることができる。例えば、物品回転装置230の回転量は、複数のレセプタクル232のレセプタクル232の数、及び/又は本体234の周囲の複数のレセプタクル232の間隔に依存することができる。いずれにせよ、複数のレセプタクル232のうちの少なくとも1つの他のレセプタクル232がコンパートメント16内に配置されて消毒プロセスを受けている間に、複数のレセプタクル232のうちの少なくとも1つのレセプタクル232がコンパートメント16の外部に存在して、ゲストがこの少なくとも1つのレセプタクル232から物品12を取り出し、遊園地乗り物の継続時間(例えば、1回の反復)全体を通じて物品12を利用できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、乗り物拘束具144の作動が、物品回転装置230の位置に依存することができる。例えば、物品回転装置230の回転がモータ272によって駆動されると、乗り物拘束具144が解除されてゲストが乗り物車両14から退出できるようにすることができる。他の実施形態では、乗り物拘束具144が解除されると、モータ272が作動して物品回転装置230の回転を引き起こすことができる。
【0047】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の正確な趣旨に従う全てのこのような修正及び変更を含むように意図されていると理解されたい。本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
図1
図2
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図5
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図7
図8
図9