(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】クラウドベースのコントローラを備えたセキュリティシステム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20230613BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
G08B25/04 H
G08B21/00 A
(21)【出願番号】P 2020554959
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(86)【国際出願番号】 IB2018059816
(87)【国際公開番号】W WO2019123091
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-08
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ZA
(73)【特許権者】
【識別番号】520226458
【氏名又は名称】フィデリティ エーディーティー(ピィーティーワイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュベール、ヨハネス ウィレム ヤコブス
(72)【発明者】
【氏名】ウェッセルズ、カレル ローレンス
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0169688(US,A1)
【文献】国際公開第2017/052578(WO,A1)
【文献】特開2017-038205(JP,A)
【文献】特開2016-177545(JP,A)
【文献】特開平01-205400(JP,A)
【文献】特開2012-038339(JP,A)
【文献】特開2017-151995(JP,A)
【文献】特表2013-524345(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0337720(US,A1)
【文献】特表2017-507526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B13/00-15/02
19/00-31/00
G16Y10/00-40/60
H03J 9/00- 9/06
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
H04Q 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティシステムであって、
携帯可能な筐体と、
出力電圧を提供するローカル電源と、
センサ要素と、
前記センサ要素に接続され、前記センサ要素からの信号に応答して第1のメッセージを生成するためのプロセッサと、
前記プロセッサに接続されたモノのインターネット送信機
であって、前記センサ要素、前記プロセッサ、前記モノのインターネット送信機、及び前記ローカル電源は、前記携帯可能な筐体に収容され、前記モノのインターネット送信機は、モノのインターネットのネットワークによって提供されるモノのインターネット通信パスのハイサイトに前記第1のメッセージを直接送信し、前記ネットワークを介してクラウドベースのコントローラに前記第1のメッセージを送信する
、モノのインターネット送信機と、
を含む、第1のユーザステーションでの少なくとも1つのセキュリティデバイスと、
リモートのバックエンドでサーバ上にホストされ、前記モノのインターネット通信パスを介して前記少なくとも1つのセキュリティデバイスとデータ通信する前記セキュリティシステムのためのクラウドベースのコントローラと、
前記第1のユーザステーションに関連付けられた端末であって、前記端末は、前記クラウドベースのコントローラと通信し、前記クラウドベースのコントローラに、前記クラウドベースのコントローラに事前に格納された設定にしたがって前記第1のメッセージで動作させるように構成可能である、前記端末と、
を備える、セキュリティ
システム。
【請求項2】
前記プロセッサに接続され、前記デバイスに関連付けられた一意の識別番号(ID)を格納し、前記ネットワークを介した通信での使用のためのメモリ構成を備える、請求項1に記載のセキュリティ
システム。
【請求項3】
前記センサ要素は、パッシブ赤外線センサ、ドアまたは窓用の接触センサ、光電ビーム、パニックボタンまたは他の操作可能なボタン、磁気ロックセンサ、ストライクロックセンサ、温度センサ、煙センサ、水分センサのうちのいずれか1つを備える、請求項1又は2に記載のセキュリティ
システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記電源の現在の出力電圧に関するデータを前記第1のメッセージに組み込むように構成される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセキュリティ
システム。
【請求項5】
前記プロセッサに接続された位置決定デバイスを備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセキュリティ
システム。
【請求項6】
前記位置決定デバイスによって決定されるような位置データを前記第1のメッセージに組み込むように構成される、請求項5に記載のセキュリティ
システム。
【請求項7】
前記プロセッサに接続され、前記モノのインターネットのネットワークを介して前記クラウドベースのコントローラからの第2のメッセージを受信するためのモノのインターネット受信機を備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のセキュリティ
システム。
【請求項8】
前記端末は、プロセッサ、関連するメモリ構成およびディスプレイを備えるモバイルデバイスである、請求項
1乃至7のいずれか1項に記載のセキュリティシステム。
【請求項9】
前記メモリ構成に格納され、使用時に、プロセッサによって実行され、前記
モバイルデバイスの前記ディスプレイ上にユーザインターフェースを提示し、前記ユーザインターフェースを介して入力されたコマンドに応答して、前記クラウドベースのコントローラの前記設定を構成するためのコンピューターアプリケーションを備える、請求項
8に記載のセキュリティシステム。
【請求項10】
前記第1のユーザステーションでの分散された場所で配備可能である複数の前記セキュリティデバイスを備える、請求項
1乃至9のいずれか1項に記載のセキュリティシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザステーションを保護するセキュリティデバイス、セキュリティシステム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティシステムは一般に、住宅や商業施設などのユーザステーションで使用され、ステーションでの不正な侵入を検出し、通常は中央バックエンドで動作するセキュリティサービスプロバイダに警告し、それによってステーションの所有物を盗難から保護するとともに個人の保護を提供する。
【0003】
既知のセキュリティシステムは、ステーションのローカルコントローラを利用する。コントローラは、ステーションに分散されている複数の侵入センサに接続されている複数の入力を備える。侵入センサの1つが侵入を感知すると、コントローラによってアラームが作動する。侵入メッセージは、ローカルコントローラによって、通常「チップアンドリング(tip and ring)」接続と呼ばれる接続を利用する従来の電話回線を介してユーザステーションからリモートの中央バックエンドに送信される。代替的には、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))モデムを使用して、侵入メッセージをバックエンドに送信する。これらのGSMモデムは侵入者によって妨害され、電話回線が危険にさらされる可能性がある。
【0004】
さらに、これらのローカルコントローラ及び関連機器は、ユーザステーションに設置されてプログラムされる必要がある。この設置プロセスは技術的であり、したがって、設置を実行するには熟練した技術者または関連する専門家が一般に必要であり、これはユーザにとって不便であり、費用もかかる場合がある。
したがって、これらの既知のセキュリティシステムは、少なくとも一部のアプリケーションには適さない場合がある。
【0005】
(発明の目的)
したがって、本発明の目的は、前述の問題が少なくとも軽減されるか、または前述の問題が既知のシステムおよび/またはデバイスに対して有用な代替案を提供し得ると出願人が信じる、ユーザステーションを保護するセキュリティデバイス、セキュリティシステム、および方法を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によると、
センサ要素と、
前記センサ要素に接続され、前記センサ要素からの信号に応答して第1のメッセージを生成するためのプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、モノのインターネットのネットワークによって提供されるモノのインターネット通信パスを介して前記第1のメッセージをクラウドベースのコントローラに送信するモノのインターネット送信機と、
を備える少なくとも1つのセキュリティデバイスが提供される。
【0007】
モノのインターネット(IoT)は、当技術分野で知られており、モノのネットワークを含む。これらは通常、関連する電子機器、ソフトウェア、センサ、アクチュエータの少なくとも1つを備える。モノは全てネットワーク接続性を有し、互いにおよび/またはインターネット経由で中央のバックエンドと接続しデータを交換することができる。好ましくは、IoTネットワークの一部を形成するそれぞれのモノは、IoTネットワークにおいて一意的に識別可能である。IoTネットワークは、通常、ネットワーク専用のIoTハイサイトを備える。
【0008】
したがって、セキュリティデバイスには、ネットワークを介した通信での使用のための一意の識別番号(ID)を割り当てられ得る。
【0009】
センサ要素は、a)たとえば、パッシブ赤外線センサ、ドアまたは窓用の接触センサ、光電ビーム、パニックボタンまたは他の操作可能なボタン、磁気ロックセンサ、ストライクロックセンサ(strike lock sensor)のうちのいずれか1つの侵入センサ(intrusion sensor);及びb)温度センサ、煙センサ、水または水分センサ/検出器などの別のセンサ、のうちのいずれか1つを備え得る。これらのセンサは、通常は開いているか、または通常は閉じているセンサであり得る。
【0010】
第1のメッセージは、侵入センサからの信号から得られたデータを含む侵入メッセージであり得る。代替的には、第1のメッセージは、温度センサ、煙センサ、水または湿度センサなどの他のセンサの少なくとも1つからの信号から得られたデータを含む警告メッセージであってもよい。
【0011】
セキュリティデバイスは、出力電圧を提供する、好ましくは交換可能なバッテリの形態のローカル電源を備え得る。バッテリは充電式であってもよい。
電源は、好ましくはセキュリティデバイス専用であり、ローカルである。
【0012】
プロセッサは、第1のメッセージに、電池の現在の出力電圧に関するデータを組み込むように構成され得る。
【0013】
セキュリティデバイスは、位置決定デバイスを含み得る。
【0014】
位置決定デバイスは、位置データを生成するように構成されることができ、プロセッサは、第1のメッセージに位置データを組み込むように構成されることができる。
【0015】
セキュリティデバイスは、IoTネットワークを介してクラウドベースのコントローラから命令またはコマンドメッセージなどの第2のメッセージを受信するためのIoT受信機を備え得る。
【0016】
IoT送信機およびIoT受信機は、IoTトランシーバにおいて組み合わされ得る。
【0017】
少なくともセンサ要素、プロセッサ、送信機および電源は、セキュリティデバイス用の単一の筐体に収容され得る。筐体は、セキュリティデバイス専用であり得る。好ましくは、センサ要素、プロセッサ、送信機、受信機、位置決定装置および電源のすべてが単一の筐体に収容される。
【0018】
したがって、セキュリティデバイスは自己完結型(self-contained)であり、携帯可能であるかまたは異なる場所間で輸送可能である。
【0019】
本発明の第2の態様によると、
センサ要素と、
前記センサ要素に接続され、前記センサ要素からの信号に応答して第1のメッセージを生成するためのプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、モノのインターネット通信パスを介して前記第1のメッセージを送信するモノのインターネット送信機と、
前記モノのインターネット通信パスを介して前記少なくとも1つのセキュリティデバイスとデータ通信する前記セキュリティシステムのためのクラウドベースのコントローラと、
を備える少なくとも1つのセキュリティデバイスを備えるセキュリティシステムが提供される。
【0020】
少なくとも1つのセキュリティデバイスは、上で定義されたとおりであり得る。
【0021】
クラウドベースのコントローラは、従来のセキュリティシステムのローカルコントローラまたはコントロールボックスに従来関連付けられた制御機能の少なくともいくつかを実行するように構成され得る。
【0022】
セキュリティシステムは、第1のユーザステーションに関連付けられることができ、少なくとも1つのセキュリティデバイスは、使用時に、第1のユーザステーションに配備(deploy)されることができ、クラウドベースのコントローラは、遠隔の中央バックエンドでホストされることができる。
【0023】
クラウドベースのコントローラは、バックエンドの少なくとも1つのサーバでホスト(host)され得る。バックエンドは、単一の物理的な場所に収容(house)され得るか、複数の分散された物理的な場所に分散され得る。
【0024】
セキュリティシステムは、第1のユーザステーションに関連付けられた端末を備えることができる。端末は、クラウドベースのコントローラと通信するように構成可能であり、クラウドベースのコントローラの設定を構成するようにユーザ操作可能であり得る。
【0025】
端末は、プロセッサ、関連するメモリ構成およびディスプレイを備える、スマートフォンなどのモバイルデバイスの形であり得る。
【0026】
システムは、メモリ構成に格納され、使用時に、クラウドベースのコントローラの設定を構成するまたはプログラムするためのUIを介して入力されたコマンドに応答して、端末のディスプレイ上にユーザインターフェース(UI)を提示するためにプロセッサによって実行されるコンピューターアプリケーションプログラム(アプリケーション)を含み得る。
【0027】
システムは、第1のユーザステーションの分散した場所に配置され得る複数のセキュリティデバイスを含み得る。
【0028】
複数のセキュリティデバイスのそれぞれは、その個々のIoT送信機またはトランシーバを介してクラウドベースのコントローラと通信するように独立して構成され得る。
【0029】
さらに、複数のセキュリティデバイスのうちのいずれか1つは、その個々のIoT送信機またはトランシーバを介して、複数の他のセキュリティデバイスのうちの他の1つまたは複数と通信するように構成され得る。
【0030】
バックエンドは、複数の分散ユーザステーションのそれぞれに対して個々のクラウドベースのコントローラをホストすることができる。それぞれの個々のクラウドベースのコントローラは、上で定義されたそれぞれのセキュリティシステムの一部を形成する。
【0031】
バックエンドは、セキュリティデバイスの一意のIDに関連するデータを含む、ユーザステーションに関連するデータを含むデータベースを含み得る。
【0032】
本発明の第3の態様によると、
ユーザステーションを保護する方法であって、
前記ユーザステーションに関連付けられたセキュリティシステムのためのクラウドベースのコントローラで、モノのインターネットのネットワークを介して侵入メッセージを前記ユーザステーションに位置付けられたセキュリティデバイスから受信するステップと、
前記コントローラに、前記コントローラに事前に格納された設定またはルールにしたがって前記侵入メッセージに基づいて動作させるステップと、
を備える方法が提供される。
【0033】
本発明は、添付の図面を参照して、例示のみの目的でさらに記載されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、セキュリティシステムの例示的な実施形態のハイレベルブロック図である。
【
図2】
図2は、セキュリティシステムの一部を形成するセキュリティデバイスの例示的な実施形態のブロック図である。
【
図3】
図3は、セキュリティシステムの一部を形成するモバイルデバイス上で実行されるアプリケーションによって提示されるユーザインタフェース(UI)を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
セキュリティシステムの例示的な実施形態は、参照番号10によって概して示される。自己完結型セキュリティデバイスの例示的な実施形態は、概して、
図1および2において参照番号12.1によって示される。
【0036】
自己完結型セキュリティデバイス12.1は、センサ要素13と、センサ要素13からの信号に応答して第1のメッセージを生成するためにセンサ要素13に接続されたプロセッサ14とを含む。モノのインターネット(IoT)送信機16は、IoTネットワークによって提供されるIoT通信パス18を介してクラウドベースのコントローラ19に第1のメッセージを送信するためにプロセッサ14に接続される。クラウドベースのコントローラ19は、好ましくは、リモートの中央バックエンド20でホストされる。セキュリティデバイス12.1は、IoT受信機をさらに含む。IoT送信機およびIoT受信機は、IoTトランシーバ16において組み合わされ得る。
【0037】
自己完結型セキュリティデバイス12.1は、好ましくは出力電圧を提供する交換可能なバッテリ22の形態のローカル電源を備える。バッテリ22は充電式であってもよい。また、セキュリティデバイス12.1は、位置データを生成するように構成された位置決定デバイス24を備え、プロセッサ14は、位置データを第1のメッセージに組み込むように構成される。
【0038】
センサ要素13は、a)受動型赤外線センサ、ドアまたは窓用の接触センサ、光電ビーム、パニックボタンまたは他の操作可能なボタン、磁気ロックセンサ、ストライクロックセンサなどの侵入センサと; b)温度センサ、煙センサ、水または湿度センサ/検出器などの別のセンサと、のいずれか1つを含み得る。これらのセンサは、通常開いているセンサまたは通常閉じているセンサであり得る。
【0039】
第1のメッセージは、侵入センサからの信号に由来するデータを含む侵入メッセージであり得る。代替的には、第1のメッセージは、温度センサ、煙センサ、水または水分センサ等の少なくとも1つからの信号に由来するデータを含む警告メッセージであってもよい。
【0040】
図1には、複数のセキュリティデバイス12.1から12.nを含むセキュリティシステム10が示されている。セキュリティデバイス12.1~12.nは互いに類似する。中央バックエンド20は、IoT通信パス18およびインターネット26を介して、セキュリティデバイス12.1~12.nのそれぞれと個別に通信する。IoT通信パス18は、IoTネットワークスイッチ30を介してインターネット26に接続された少なくとも1つのIoTハイサイト28を含む。
【0041】
IoTトランシーバ16は、IoT通信パス18を介して第1のメッセージを送信する狭帯域タイプのトランシーバであることが好ましい。IoT通信パス18は、好ましくは、IoTネットワーク、例えば、それぞれ低電力広域ネットワーク(LPWAN)を提供する「SIGFOX」(登録商標)または「LoRaWAN」(登録商標)の商標で販売されているネットワークの1つによって提供される。IoTネットワークスイッチ30は、インターネット26への接続を可能にし、ウェブサーバ(図示せず)は、インターネット26とバックエンド20との間の信号交換ステップを実行する。
【0042】
セキュリティシステム10は、第1のユーザステーション32.1に関連付けられ、セキュリティデバイス12.1から12.nは、第1のユーザステーション32.1の分散した場所に配備される。さらなるユーザステーション32.2から32.nのために、さらなる同様のセキュリティシステムが提供され得る。
【0043】
クラウドベースのコントローラ19は、好ましくは、リモートの中央バックエンド20のサーバ34上でホストされる。バックエンド20は、単一の物理的な場所に収容されてもよく、または複数の分散された物理的な場所に分散されてもよい。バックエンド20は、複数の分散型ユーザステーション32.1~32.mのそれぞれにおける個々のセキュリティシステムに関連付けられた個々のクラウドベースのコントローラ19.1~19.mをホストする。ユーザステーション32.1から32.mに関連付けられたシステムは類似しており、したがって、ユーザステーション32.1に関連付けられたシステム10のみを以下でさらに詳細に説明する。
【0044】
セキュリティシステム10は、第1のユーザステーション32.1に関連付けられた端末をさらに含む。端末は、クラウドベースのコントローラ19.1と通信するように構成可能である。端末は、インターネット26を介してクラウドベースのコントローラ19.1の設定を構成するようにユーザ操作可能である。端末は、好ましくは、ユーザ38のモバイルデバイス36の形態であり、モバイルデバイス36は、プロセッサ、関連するメモリ構成およびディスプレイ(
図3に示される)を備える。システム10はさらに、モバイルデバイスのメモリ構成に格納され、使用中、クラウドベースのコントローラ19.1の設定を構成するためにUI40を介して入力されたコマンドに応答して、端末のディスプレイ上にユーザインターフェース(UI)40を提示するためにモバイルデバイスのプロセッサによって実行されるコンピュータアプリケーションプログラム(アプリケーション)を備える。したがって、ユーザ38は、IoT通信パス18を介してセキュリティデバイス12.1から12.nを制御することが可能である。
【0045】
複数のセキュリティデバイス12.1から12.nのうちのいずれか1つは、その個々のIoTトランスミッタまたはトランシーバ16を介して、ユーザステーション32.1における他のセキュリティデバイス12.1から12.nのうちの複数と通信するように構成され得る。
【0046】
図2に、セキュリティデバイス12.1をさらに詳しく示す。位置決定デバイス24は、好ましくは、全地球測位システム(GPS)デバイスまたはロシアの全地球航法衛星システム(GLONASS)デバイスまたは既知の方法で(
図1に示される)衛星42を利用するセキュリティデバイス12.1の位置を決定するための他の位置決定デバイスの形態である。センサ素子13、プロセッサ14、送信機またはトランシーバ16、位置決定装置24および電源22は、単一のセンサデバイスの(
図2に示される)筐体43に収容され得る。したがって、セキュリティデバイス12.1は、自己完結型であり、ユーザステーション32.1の異なる場所の間、またはユーザステーション32.1から32.mの間で携帯可能または輸送可能である。
【0047】
プロセッサ14は、位置データを侵入メッセージの形で第1のメッセージに組み込むように構成され、侵入メッセージは、IoT通信パス18を介してバックエンド20に送信される。位置データは、侵入メッセージに繰り返し、または特定の所定の時間間隔でのみ組み込むことができる。時間間隔を決定する際に、クロック(図示せず)を利用することができる。代替的には、位置データは、いわゆる「ハートビートメッセージ」でIoTトランシーバ16によって、例えば10分ごとに、または任意の他の適切な時間に送信されても??よい。「ハートビートメッセージ」はさらに、バッテリ22の現在の出力電圧に関するデータと、IoTネットワーク18上のデバイスを一意に識別するセキュリティデバイス12.1の一意の識別(ID)番号44に関するデータとを含み得る。セキュリティデバイス12.1の一意のIDに関連するデータは、好ましくは、セキュリティデバイス12.1に関連付けられたメモリ構成46に事前に格納される。ユーザ38は、例えば、モバイルデバイス36上のアプリケーションを介して、セキュリティデバイス12のうちの1つのバッテリ電圧が低いことを知らされ得る。
【0048】
図3には、ユーザ38のモバイルデバイス36がより詳細に示されている。ユーザ38は、アプリケーションにより、ユーザ38のユーザステーション32.1に関連付けられたセキュリティデバイス12.1から12.nのそれぞれをバックエンド20で登録するように促される。
【0049】
再び
図1を参照すると、バックエンド20は、サーバ34によってホストされるクラウドベースのコントローラ19.1を含む。バックエンド20は、データベース48も含む。モバイルデバイス36上のUI40を介したユーザによる上記の登録は、ユーザ38に関連するデータ、ユーザステーション32.1に関連するデータ、およびバックエンド20のデータベース48で第1のユーザステーションの関連付けられたセキュリティデバイス12.1から12.nの一意のIDに関連するデータの入力および格納を含む。登録プロセスは、ユーザ38がアプリケーションを介してユーザカウントにログインしたときに、バーコードや「QRコード」(登録商標)などの各セキュリティデバイス12.1~12.nに関連付けられたコードをスキャンすることを含み得る。複数のユーザ38.1から38.mが、それぞれのユーザステーション32.1から32.mについて、このようにしてバックエンド20に登録されてもよいことが理解されよう。
【0050】
使用中、ユーザ38は、セキュリティデバイス12.1から12.nのうちの1つまたは複数を購入し、それらをユーザステーション32.1でインストールし、それらをバックエンド20に登録する。
図3を参照すると、ユーザは、UI40を介してクラウドベースのコントローラ19.1の設定を構成することが可能である。したがって、ユーザ38は、アプリケーションおよびIoT通信パス18を介してセキュリティデバイス12.1から12.nを制御することが可能でなる。ユーザ38は、UI40を利用して、セキュリティデバイス12のそれぞれに適切な名前、例えば、キッチン50、寝室52、ガレージ54、私道56などを割り当てることができる。また、ユーザ38は、UI40を介して、セキュリティデバイス12.1から12.nのそれぞれを個別にアクティブ化または非アクティブ化(バイパス)することが可能である。セキュリティデバイス12.1から12.nのいくつかは一緒にグループ化されてもよく、例えば、セキュリティデバイス12.1から12.3はキッチン50に、セキュリティデバイス12.4から12.6は寝室52などに割り当てられてもよい。ユーザは、UI40上のボタン58、60および62を使用して、上記で言及したユーザバイパス選択に従って、クラウドベースのコントローラ19.1を、ユーザが選択可能なアーム(ARM)モード、ディスアーム(DISARM)モードおよびステイ(STAY)モードで動作させることができる。
【0051】
また、バックエンド20は、セキュリティデバイス12.1から12.nのうちの1つがアクティブ化されたとき、またはセキュリティデバイス12.1がバックエンド20のオペレータの地理的範囲領域の外にあることを示す位置データをGPSデバイス24が提供したときに、アプリケーションを介してユーザ38に警告するように設定し得る。
【0052】
本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、セキュリティデバイス、セキュリティシステム、および関連する方法に詳細に多くのバリエーションがあることが理解されよう。
【0053】
システム10は、セキュリティデバイス12.1などのセキュリティデバイスの1つがIoTネットワーク18への接続が制限されているかまたは接続がない場合、複数の冗長性及び堅牢性を提供する。個々のデバイスは、侵入メッセージを他のセキュリティデバイス12.2~12.nのうちの1つに送信することができる。次に、このデバイスは、侵入メッセージをIoT通信パス18を介してバックエンド20に転送する。
【0054】
侵入メッセージの形の第1のメッセージとは別に、上記の他のセンサは、警告メッセージの形の最初の信号を生成するために使用され得る信号を出力し得る。例えば、給湯器(「ゲイザー(geyser)」とも呼ばれる)の漏れは、水検出器を利用して監視されてもよい。この場合、プロセッサ14は、水漏れの場合に、IoT通信パス18を介してバックエンド20に、検出された漏れおよび位置データに関するデータを含む警告または他のメッセージを送信するように構成され得る。これらの他のメッセージは、位置データの有無にかかわらず、他のセンサのいずれかに関連付けられたデータを含み得ることが理解されよう。
【0055】
さらなる位置決定デバイス(図示せず)をモバイルデバイス36に関連付けられ得る。システム10は、モバイルデバイス36が所定の地理的領域(「ジオフェンシング(geo-fencing)」と呼ばれることもある)内に位置するか、代替的にはその外に位置するときに、セキュリティデバイス12.1から12.nおよび/またはモードの1又は複数がクラウドベースのコントローラ19.1によって自動的に有効または無効され得るように構成され得る。