(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】映像送信装置、プログラム、映像送信方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2662 20110101AFI20230613BHJP
H04N 21/2343 20110101ALI20230613BHJP
【FI】
H04N21/2662
H04N21/2343
(21)【出願番号】P 2021211409
(22)【出願日】2021-12-24
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 直洋
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】佐山 和彦
(72)【発明者】
【氏名】間宮 淳一郎
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-110244(JP,A)
【文献】特開2007-013735(JP,A)
【文献】特開2012-019407(JP,A)
【文献】特開2013-211784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを取得する映像データ取得部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データを記憶する映像データ記憶部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データに画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を生成する低減映像生成部と、
前記低減映像をストリーミングで送信先に送信するストリーミング送信部と、
前記映像データ記憶部に記憶された前記映像データを、予め定められた条件が満たされたことに応じて、前記映像データの保存先に送信する映像データ送信部
と、
前記保存先との間の通信回線の回線速度を計測する回線速度計測部と、
前記回線速度計測部によって計測された前記回線速度と、計測を実行した日時とを含む履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、
前記履歴データ記憶部に記憶されている複数の前記履歴データを用いて、機械学習によって、日時を入力とし、回線速度を出力とする機械学習モデルを生成する機械学習部と、
前記機械学習モデルを用いて、前記条件を設定する条件設定部と
を備える映像送信装置。
【請求項2】
前記映像データ取得部は、カメラによって撮像された前記映像データを前記カメラから受信する、請求項1に記載の映像送信装置。
【請求項3】
前記映像データ送信部は、前記映像データ記憶部に記憶され、圧縮された前記映像データを、前記送信先に送信する、請求項1又は2に記載の映像送信装置。
【請求項4】
前記低減映像生成部は、前記映像データの画質低減、前記映像データのフレームレートの低減、及び前記映像データのトリミングの少なくともいずれかを実行して前記映像データのデータ量を低減した前記低減映像を生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の映像送信装置。
【請求項5】
前記映像データ送信部は、予め設定された時刻に前記保存先への前記映像データの送信を開始する、請求項1から4のいずれか一項に記載の映像送信装置。
【請求項6】
前記映像データ送信部は、予め設定された時間帯に前記保存先へ前記映像データを送信する、請求項1から4のいずれか一項に記載の映像送信装置。
【請求項7】
前記映像データ送信部は、前記予め設定された時間帯内に前記映像データの送信が完了しないと判定した場合に、予め定められた条件に従って前記映像データから抽出した前記映像データの一部を前記予め設定された時間帯に送信する、請求項6に記載の映像送信装置。
【請求項8】
前記映像データ送信部は、前記映像データ記憶部に複数の前記映像データが記憶されており、前記予め設定された時間帯内に前記複数の映像データの送信が完了しないと判定した場合に、前記複数の映像データのそれぞれの優先度に応じて、前記複数の映像データの少なくともいずれかを送信する、請求項6に記載の映像送信装置。
【請求項9】
前記映像データ送信部は、前記複数の映像データのうち、前記映像データ取得部が取得した取得時刻がより古い映像データを優先して送信する、請求項8に記載の映像送信装置。
【請求項10】
前記保存先との間の通信回線の回線速度を計測する回線速度計測部
をさらに備え、
前記映像データ送信部は、前記回線速度計測部によって計測された前記回線速度が予め定められた送信閾値以上である場合に、前記保存先へ前記映像データを送信する、請求項1から9いずれか一項に記載の映像送信装置。
【請求項11】
前記回線速度計測部は、前記送信先との間の通信回線の回線速度を計測し、
前記映像データ送信部は、前記ストリーミング送信部が前記低減映像を前記送信先に送信するタイミングで前記回線速度計測部によって計測された前記送信先との間の通信回線の回線速度が、予め定められた送信閾値以上である場合に、前記ストリーミング送信部による前記送信先へのストリーミング送信に代えて、前記映像データを前記送信先に送信する、請求項10に記載の映像送信装置。
【請求項12】
前記ストリーミング送信部は、移動体通信回線を介して、表示装置に、前記低減映像をストリーミングで送信し、
前記映像データ送信部は、前記移動体通信回線を介して、クラウドに配置された前記保存先に前記映像データを送信する、請求項1か
ら11のいずれか一項に記載の映像送信装置。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1か
ら12のいずれか一項に記載の映像送信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータによって実行される映像送信方法であって、
映像データを取得する映像データ取得段階と、
前記映像データ取得段階において取得された前記映像データを映像データ記憶部に記憶する映像データ記憶段階と、
前記映像データ取得段階において取得された前記映像データに画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を生成する低減映像生成段階と、
前記低減映像をストリーミングで送信先に送信するストリーミング送信段階と、
前記映像データ記憶部に記憶された前記映像データを、予め定められた条件が満たされたことに応じて、前記映像データの保存先に送信する映像データ送信段階
と、
前記保存先との間の通信回線の回線速度を計測する回線速度計測段階と、
前記回線速度計測段階で計測された前記回線速度と、計測を実行した日時とを含む履歴データを前記コンピュータに記憶する履歴データ記憶段階と、
前記履歴データ記憶段階で前記コンピュータに記憶されている複数の前記履歴データを用いて、機械学習によって、日時を入力とし、回線速度を出力とする機械学習モデルを生成する機械学習段階と、
前記機械学習モデルを用いて、前記条件を設定する条件設定段階と
を備える映像送信方法。
【請求項15】
映像送信装置と、
保存サーバと
を備え、
前記映像送信装置は、
映像データを取得する映像データ取得部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データを記憶する映像データ記憶部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データに画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を生成する低減映像生成部と、
前記低減映像をストリーミングで送信するストリーミング送信部と、
前記映像データ記憶部に記憶された前記映像データを、予め定められた条件が満たされたことに応じて、前記保存サーバに送信する映像データ送信部
と、
前記保存サーバとの間の通信回線の回線速度を計測する回線速度計測部と、
前記回線速度計測部によって計測された前記回線速度と、計測を実行した日時とを含む履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、
前記履歴データを前記保存サーバに送信する履歴データ送信部と
を有し、
前記保存サーバは、
前記映像送信装置から受信した前記映像データを保存する映像データ保存
部と、
前記映像送信装置から受信した複数の前記履歴データを用いて、機械学習によって、日時を入力とし、回線速度を出力とする機械学習モデルを生成する機械学習部と、
前記機械学習モデルを用いて、前記条件を生成する条件生成部と、
前記条件生成部によって生成された前記条件を前記映像送信装置に通知する条件通知部と
を有する、
システム。
【請求項16】
映像送信装置と、
保存サーバと
を備え、
前記映像送信装置は、
映像データを取得する映像データ取得部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データを記憶する映像データ記憶部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データに画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を生成する低減映像生成部と、
前記低減映像をストリーミングで送信するストリーミング送信部と、
前記映像データ記憶部に記憶された前記映像データを、予め定められた条件が満たされたことに応じて、前記保存サーバに送信する映像データ送信部と
前記保存サーバとの間の通信回線の回線速度を計測する回線速度計測部と、
前記回線速度計測部によって計測された前記回線速度と、計測を実行した日時とを含む履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、
前記履歴データ記憶部に記憶されている複数の前記履歴データを用いて、機械学習によって、日時を入力とし、回線速度を出力とする機械学習モデルを生成する機械学習部と、
前記機械学習モデルを用いて、前記条件を設定する条件設定部と
を有し、
前記保存サーバは、
前記映像送信装置から受信した前記映像データを保存する映像データ保存部
を有する、
システム。
【請求項17】
前記ストリーミング送信部は、移動体通信回線を介して、映像を閲覧するための表示装置に、前記低減映像をストリーミングで送信し、
前記映像データ送信部は、前記移動体通信回線を介して、クラウドに配置された前記保存サーバに前記映像データを送信する、請求
項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
前記保存サーバは、
前記映像データ送信部から前記保存サーバへの前記映像データの送信を中継した無線基地局から、前記無線基地局に関連する基地局情報を受信する基地局情報受信部と、
前記基地局情報受信部が受信した前記基地局情報に基づいて、前記条件を生成する条件生成部と、
前記条件生成部によって生成された前記条件を前記映像送信装置に通知する条件通知部と
を更に有する、請求
項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像送信装置、プログラム、映像送信方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、使用する通信回線の伝送帯域確保が出来ない場合に、後から同じコンテンツを高品位に視聴することが可能なストリームデータ送信装置を提供する技術について記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2005-303925号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、映像送信装置が提供される。映像送信装置は、映像データを取得する映像データ取得部を備えてよい。映像送信装置は、映像データ取得部が取得した映像データを記憶する映像データ記憶部を備えてよい。映像送信装置は、映像データ取得部が取得した映像データに画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を生成する低減映像生成部を備えてよい。映像送信装置は、低減映像をストリーミングで送信先に送信するストリーミング送信部を備えてよい。映像送信装置は、映像データ記憶部に記憶された映像データを、予め定められた条件が満たされたことに応じて、映像データの保存先に送信する映像データ送信部を備えてよい。
【0004】
上記映像データ取得部は、カメラによって撮像された上記映像データをカメラから受信してよい。上記映像データ送信部は、上記映像データ記憶部に記憶され、圧縮された上記映像データを、上記送信先に送信してよい。上記低減映像生成部は、上記映像データの画質低減、上記映像データのフレームレートの低減、及び上記映像データのトリミングの少なくともいずれかを実行して上記映像データのデータ量を低減した上記低減映像を生成してよい。
【0005】
上記映像データ送信部は、予め設定された時刻に上記保存先への上記映像データの送信を開始してよい。上記映像データ送信部は、予め設定された時間帯に上記保存先へ上記映像データを送信してよい。上記映像データ送信部は、上記予め設定された時間帯内に上記映像データの送信が完了しないと判定した場合に、予め定められた条件に従って上記映像データから抽出した上記映像データの一部を上記予め設定された時間帯に送信してよい。上記映像データ送信部は、上記映像データ記憶部に複数の上記映像データが記憶されており、上記予め設定された時間帯内に上記複数の映像データの送信が完了しないと判定した場合に、上記複数の映像データのそれぞれの優先度に応じて、上記複数の映像データの少なくともいずれかを送信してよい。上記映像データ送信部は、上記複数の映像データのうち、上記映像データ取得部が取得した取得時刻がより古い映像データを優先して送信してよい。
【0006】
上記映像送信装置は、上記保存先との間の通信回線の回線速度を計測する回線速度計測部をさらに備えてよい。上記映像データ送信部は、上記回線速度計測部によって計測された上記回線速度が予め定められた送信閾値以上である場合に、上記保存先へ上記映像データを送信してよい。上記回線速度計測部は、上記送信先との間の通信回線の回線速度を計測してよく、上記映像データ送信部は、上記ストリーミング送信部が上記低減映像を上記送信先に送信するタイミングで上記回線速度計測部によって計測された上記送信先との間の通信回線の回線速度が、予め定められた送信閾値以上である場合に、上記ストリーミング送信部による上記送信先へのストリーミング送信に代えて、上記映像データを上記送信先に送信してよい。上記映像送信装置は、上記保存先との間の通信回線の回線速度を計測する回線速度計測部を備えてよい。上記映像送信装置は、上記回線速度計測部によって計測された上記回線速度と、計測を実行した日時とを含む履歴データを記憶する履歴データ記憶部を備えてよい。上記映像送信装置は、上記履歴データ記憶部に記憶されている複数の上記履歴データを用いて、機械学習によって、日時を入力とし、回線速度を出力とする機械学習モデルを生成する機械学習部を備えてよい。上記映像送信装置は、上記機械学習モデルを用いて、上記条件を設定する条件設定部を備えてよい。上記ストリーミング送信部は、移動体通信回線を介して、表示装置に、上記低減映像をストリーミングで送信してよい。上記映像データ送信部は、上記移動体通信回線を介して、クラウドに配置された上記保存先に上記映像データを送信してよい。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記映像送信装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される映像送信方法が提供される。映像送信方法は、映像データを取得する映像データ取得段階を備えてよい。映像送信方法は、映像データ取得段階において取得された映像データを映像データ記憶部に記憶する映像データ記憶段階を備えてよい。映像送信方法は、映像データ取得段階において取得された映像データに画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を生成する低減映像生成段階を備えてよい。映像送信方法は、低減映像をストリーミングで送信先に送信するストリーミング送信段階を備えてよい。映像送信方法は、映像データ記憶部に記憶された映像データを、予め定められた条件が満たされたことに応じて、映像データの保存先に送信する映像データ送信段階を備えてよい。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供される。システムは、映像送信装置と、保存サーバとを備えてよい。映像送信装置は、映像データを取得する映像データ取得部を有してよい。映像送信装置は、映像データ取得部が取得した映像データを記憶する映像データ記憶部を有してよい。映像送信装置は、映像データ取得部が取得した映像データに画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を生成する低減映像生成部を有してよい。映像送信装置は、低減映像をストリーミングで送信するストリーミング送信部を有してよい。映像送信装置は、映像データ記憶部に記憶された映像データを、予め定められた条件が満たされたことに応じて、保存サーバに送信する映像データ送信部を有してよい。保存サーバは、映像送信装置から受信した映像データを記憶する映像データ記憶部を有してよい。
【0010】
上記映像送信装置は、上記保存サーバとの間の通信回線の回線速度を計測する回線速度計測部を有してよい。上記映像送信装置は、上記回線速度計測部によって計測された上記回線速度と、計測を実行した日時とを含む履歴データを記憶する履歴データ記憶部を有してよい。上記映像送信装置は、上記履歴データを上記保存サーバに送信する履歴データ送信部を有してよい。上記保存サーバは、上記映像送信装置から受信した複数の上記履歴データを用いて、機械学習によって、日時を入力とし、回線速度を出力とする機械学習モデルを生成する機械学習部を有してよい。上記保存サーバは、上記機械学習モデルを用いて、上記条件を生成する条件生成部を有してよい。上記保存サーバは、上記条件生成部によって生成された上記条件を上記映像送信装置に通知する条件通知部を有してよい。
【0011】
上記ストリーミング送信部は、移動体通信回線を介して、映像を閲覧するための表示装置に、上記低減映像をストリーミングで送信してよい。上記映像データ送信部は、上記移動体通信回線を介して、クラウドに配置された上記保存サーバに上記映像データを送信してよい。
【0012】
上記保存サーバは、上記映像データ送信部から上記保存サーバへの上記映像データの送信を中継した無線基地局から、上記無線基地局に関連する基地局情報を受信する基地局情報受信部を有してよい。上記基地局情報受信部が受信した上記基地局情報に基づいて、上記条件を生成する条件生成部を有してよい。上記条件生成部によって生成された上記条件を上記映像送信装置に通知する条件通知部を有してよい。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】映像送信装置100による映像送信処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図3】映像送信装置100による映像送信処理の流れの他の一例を概略的に示す。
【
図4】映像送信装置100による映像送信処理の流れの他の一例を概略的に示す。
【
図5】映像送信装置100による映像送信処理の流れの他の一例を概略的に示す。
【
図6】映像送信装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図7】保存サーバ200の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図8】履歴データテーブル600の一例を概略的に示す。
【
図10】映像送信装置100、保存サーバ200、又は表示装置500として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例えば、通信モジュールを搭載した移動体通信対応のカメラで、撮像した映像データを、ネットワークを通じて送信させ、受信先で受信した映像を表示したり、記憶したりするような技術が知られている。映像データは、容量が大きいため、大量に送信したような場合には、ネットワークが逼迫してしまい、他のユーザの通信に悪影響を与えてしまうといった問題が生じうる。これに対して、本実施形態に係る映像送信装置は、例えば、撮像された映像データを一旦記憶し、大きく分けて3つの要素により、映像データの送信タイミングを変化させる。第一には、映像データの送信する時間を、ネットワークの帯域の空きが予想される時間に予め設定する。第二には、ネットワークのスピードテスト機能によりトラフィック状況を確認し、ネットワークの帯域が空いているタイミングに映像データを送信する。第三には、ネットワークトラフィック状況を、AI(Artificial intelligence)で自動判定し、ネットワークの帯域が空いていると判定された時間に、映像データを送信する。
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、ネットワーク20を介して接続される映像送信装置100、及び保存サーバ200を備える。システム10は、表示装置500を備えてよい。
【0018】
システム10は、映像送信装置100で取得され、一時記憶された映像データが、ネットワーク20を介して、保存先である保存サーバ200へ送信され、保存されるよう動作する。また、システム10は、映像送信装置100で取得され、容量の低減処理をされた映像データが、ネットワーク20を介して、送信先である表示装置500へ送信され、表示されるよう動作する。
【0019】
ネットワーク20は、移動体通信ネットワークであってよい。移動体通信ネットワークは、3G(3rd Generation)通信方式、LTE(Long Term Evolution)通信方式、5G(5th Generation)通信方式、及び6G(6th Generation)通信方式以降の通信方式のいずれに準拠していてもよい。ネットワーク20は、LAN(Local Area Network)であってもよい。ネットワーク20は、インターネットであってもよい。ネットワーク20は、移動体通信ネットワーク、LAN、及びインターネットのうちの複数を含んでもよく、すべてを含んでもよい。
【0020】
映像送信装置100は、例えば、映像送信装置100に接続されたカメラ50から映像データを取得する。映像送信装置100は、映像送信装置100に内蔵されたカメラによって映像データ105を取得してもよい。カメラ50は、監視カメラであってよく、また、その他の任意のカメラであってもよい。映像送信装置100は、任意のデバイスから映像データを取得してもよい。例えば、映像送信装置100は、映像データを生成可能なデバイスから、当該デバイスによって生成された映像データを取得する。
【0021】
映像送信装置100は、目的・用途に合わせて、送信する映像データのデータ量をコントロールしてよい。例えば、映像送信装置100は、取得した映像データを一時記憶し、映像データに画像処理を施してデータ量を低減した低減映像をネットワーク20を介して表示装置500にストリーミングで送信し、予め定められた条件が満たされたことに応じて、映像データをネットワーク20を介して保存サーバ200に送信する。低減映像とは、例えば、データ量が低減された、送信性に優れたストリーミング用の映像等であってよい。
【0022】
保存サーバ200は、例えば、クラウド上に配置された、映像データを保存するためのサーバであってよい。保存サーバ200は、MEC(Multi Access Edge Computing)に配置されてもよい。
【0023】
表示装置500は、映像を表示する機能を有する任意の装置であってよい。表示装置500は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等であってよい。表示装置500は、例えば、映像送信装置100からストリーミングで受信する低減映像を表示する。表示装置500は、例えば、保存サーバ200から受信した映像データを表示する。
【0024】
映像送信装置100が低減映像を生成する画像処理の例として、画質低減、フレームレート低減、及びトリミング等が挙げられる。映像送信装置100は、例えば、映像データの画質を低減することによって、低減映像を生成する。映像送信装置100は、映像データのフレームレートを低減することによって、低減映像を生成してもよい。映像送信装置100は、映像データのトリミングを行うことによって、低減映像を生成してもよい。映像送信装置100は、例えば、映像データのうちの指定エリアのみを切り取ることによって、映像データをトリミングする。映像送信装置100は、画質の低減、フレームレートの低減、及びトリミングを組み合わせて、映像データから低減映像を生成してもよい。低減映像は、例えば、表示装置500において、リアルタイムの映像の確認に使用される。
【0025】
映像送信装置100は、予め定められた条件が満たされたことに応じて、映像データを、そのままのデータ量で保存サーバ200へ送信してよい。映像送信装置100は、高画質映像として圧縮して保存サーバ200へ送信してもよい。保存サーバ200は、受信した映像データを保存し、例えば、表示装置500からの要求に応じて、映像データを表示装置500に送信する。映像データは、例えば、表示装置500において、過去映像の確認に使用される。
【0026】
映像送信装置100は、例えば、予め設定された時刻に、映像データを保存サーバ200へ送信する。当該時刻として、例えば、平日の深夜等の、ネットワーク20の帯域が比較的空いている時刻が設定され得る。また、映像送信装置100は、例えば、予め設定された時間帯に、映像データを保存サーバ200へ送信する。当該時間帯として、例えば、平日の深夜等の、ネットワーク20の帯域が比較的空いている時間帯が設定され得る。これにより、低減映像についてはリアルタイムに表示装置500に送信しつつ、映像データについてはネットワーク20が空いている可能性が高いときに保存サーバ200に送信することができ、ネットワーク負荷を適切に低減することができる。
【0027】
映像送信装置100は、例えば、ネットワーク20の速度計測を実行する機能を有し、ネットワーク20の速度計測を定期的に又は不定期に行い、計測結果の回線速度が予め定められた通信閾値以上である場合に、映像データ105を保存サーバ200へ送信するようにしてもよい。映像送信装置100は、ネットワーク20を介した、保存サーバ200との間の通信回線の回線速度を計測してよい。また、例えば、ネットワーク20が移動体通信ネットワークである場合、映像送信装置100は、在圏している無線基地局との間の通信回線の回線速度を計測してもよい。これにより、低減映像についてはリアルタイムに表示装置500に送信しつつ、映像データについてはネットワーク20が空いているときに保存サーバ200に送信することができ、ネットワーク負荷を適切に低減することができる。
【0028】
映像送信装置100は、表示装置500への送信のタイミングで、ネットワーク20の速度計測を実行し、計測結果の回線速度が予め定められた閾値以上である場合、低減映像に代えて、映像データを表示装置500へ送信してもよい。
【0029】
映像送信装置100は、例えば、機械学習を用いることにより、ネットワーク20の帯域の空いているタイミングを推測し、推測したタイミングで、映像データを保存サーバ200に送信するようにしてもよい。映像送信装置100は、例えば、ネットワーク20の速度計測結果や、送信日時のデータを学習し、ネットワーク20のトラフィックを推測する。
【0030】
機械学習の教師データとして、定期的なネットワーク20の速度計測により得られた回線速度と、速度計測の日時等とを用いてよい。
【0031】
映像送信装置100は、保存サーバ200からの指示に従って、映像データを保存サーバ200に送信してもよい。映像送信装置100は、例えば、保存サーバ200から指定された時刻に、映像データの保存サーバ200への送信を開始する。映像送信装置100は、例えば、保存サーバ200から指定された時間帯に、映像データを保存サーバ200へ送信する。
【0032】
保存サーバ200は、例えば、映像送信装置100によって計測された映像送信装置100と保存サーバ200との間の通信回線の回線速度と、計測を実行した日時とを含む履歴データを、映像送信装置100から受信し、複数の履歴データを用いて、機械学習によって、日時を入力とし、回線速度を出力とする機械学習モデルを生成する。そして、保存サーバ200は、機械学習モデルを用いて、保存サーバ200への指示内容を決定する。例えば、保存サーバ200は、機械学習モデルを用いて、ネットワーク20の帯域の空いている期間を特定し、期間内の時刻や、期間内の時間帯を、映像送信装置100に指示する。
【0033】
図2は、映像送信装置100による映像送信処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、カメラ50による撮像が開始された状態を開始状態として説明する。
【0034】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)302では、映像送信装置100が、カメラ50から映像データを取得する。S304では、映像送信装置100が、S302で取得した映像データを記憶する。映像送信装置100は、カメラ50から取得した映像データをそのままの容量で記憶してもよいし、高画質映像として圧縮して記憶してもよい。
【0035】
S306では、映像送信装置100が、S302で取得した映像データに画像処理を施して、低減映像を生成する。S308では、映像送信装置100が、S306で生成した低減映像の、表示装置500へのネットワーク20を介したストリーミングによる送信を開始する。映像送信装置100は、低減映像の送信が完了するまで、ストリーミングによる送信を継続してよい。
【0036】
S310では、映像送信装置100が、予め設定された時刻であるか否かを判定し、設定された時刻である場合、S312へ進み、設定された時刻でない場合、S310を繰り返す。設定された時刻である場合とは、予め設定された時刻がAM3:00である場合に、現在の時刻がAM3:00であるような場合である。
【0037】
S312では、映像送信装置100が、S304で記憶した映像データを保存サーバ200へ送信する。映像送信装置100は、低減映像の表示装置500への送信と、映像データの保存サーバ200への送信が完了したことに応じて、映像送信処理を終了する。
【0038】
図3は、映像送信装置100による映像送信処理の流れの他の一例を概略的に示す。S308の低減映像送信までは、
図2の場合と同様であるため、S320以降を主に説明する。
【0039】
S320では、映像送信装置100が、予め設定された時間帯であるか否かを判定し、設定された時間帯である場合、S322へ進み、設定された時間帯でない場合、S320を繰り返す。設定された時間帯である場合とは、予め設定された時間帯がAM3:00からAM4:00である場合に、現在の時刻がAM3:00からAM4:00の間であるような場合である。
【0040】
S322では、映像送信装置100が、S304で記憶した映像データについて、予め設定された時間帯内で、保存サーバ200へ送信できるか否かを判定し、設定された時間帯内で送信できる場合、S312へ進み、設定された時間帯内で送信できない場合、S324へ進む。設定された時間帯内で送信できる場合とは、例えば、予め設定された時間帯がAM3:00からAM4:00である場合に、送信を予定している映像データのデータ量を、現在のネットワーク20の回線速度で割り、算出された送信に必要な時間が、設定された時間帯であるAM3:00からAM4:00までの間の1時間以内であることであってよい。
【0041】
S324では、映像送信装置100が、S304で記憶した映像データの一部を抽出する。映像データの一部とは、例えば、映像データのうち、重要性が高い部分であってよい。重要性が高い部分とは、例えば、野球の中継において、終盤の攻防や、得点シーンであってよい。映像データのうちの重要性が高い部分は、人によって予め指定されてよい。また、映像送信装置100が、既存技術を用いて、映像データから重要性が高い部分を抽出してもよい。
【0042】
S312では、映像送信装置100が、S304で記憶した映像データ又はS324で抽出した映像データの保存サーバ200への送信を開始する。映像送信装置100は、低減映像の表示装置500への送信と、映像データの保存サーバ200への送信が完了したことに応じて、映像送信処理を終了する。
【0043】
図4は、映像送信装置100による映像送信処理の流れの他の一例を概略的に示す。S320までは、
図3の場合と同様であるため、S322以降を主に説明する。なお、ここでは、映像送信装置100が、S302において複数の映像データを取得し、S304において複数の映像データを記憶している場合について説明する。
【0044】
S322では、映像送信装置100が、S304において記憶した複数の映像データを予め設定された時間帯内で、保存サーバ200へ送信できるか否かを判定し、設定された時間帯内で送信できる場合、S312へ進み、設定された時間帯内で送信できない場合、S325へ進む。
【0045】
S325では、映像送信装置100が、S304で記憶した複数の映像データの中から、設定された時間帯内で、送信可能なデータ量の映像データを選択する。映像送信装置100は、送信可能であれば、複数の映像データを選択してもよい。映像送信装置100は、複数の映像データのうち、優先度がより高い映像データを選択してよい。複数の映像データの優先度は、人によって予め指定されてよい。また、取得した時間がより古いほど、より優先度が割り当てられてもよい。また、映像送信装置100が、既存技術を用いて、複数の映像データの優先度を決定してもよい。
【0046】
S312で、映像送信装置100が、S304で記憶した複数の映像データ又はS325で選択した映像データの保存サーバ200への送信を開始する。映像送信装置100は、低減映像の表示装置500への送信と、映像データの保存サーバ200への送信が完了したことに応じて、映像送信処理を終了する。
【0047】
図5は、映像送信装置100による映像送信処理の流れの他の一例を概略に示す。S306までは、
図2の場合と同様であるため、S330以降を主に説明する。
【0048】
S330では、映像送信装置100が、ネットワーク20の回線速度を計測する。S332では、映像送信装置100が、S330で計測した回線速度が、予め設定された送信閾値以上であるか否かを判定し、予め設定された送信閾値以上である場合、S334へ進み、予め設定された送信閾値以上でない場合、S336へ進む。予め設定された送信閾値以上である場合とは、例えば、S330で計測された回線速度が、100Mbpsである場合に、予め設定された送信閾値が10Mbpsであるような場合であってよい。
【0049】
S334では、映像送信装置100が、S304で記憶した映像データのネットワーク20を介した表示装置500及び保存サーバ200への送信を開始する。S336では、映像送信装置100が、S306で生成した低減映像の、ネットワーク20を介した表示装置500への送信を開始する。
【0050】
S338では、映像送信装置100が、ネットワーク20の回線速度を計測する。S340では、映像送信装置100が、S336で計測した回線速度が、予め設定された送信閾値以上であるか否かを判定し、予め設定された送信閾値以上である場合、S342へ進み、予め設定された送信閾値以上でない場合、S338に戻る。S342では、映像送信装置100が、S304で記憶した映像データの、ネットワーク20を介した保存サーバ200への送信を開始する。映像送信装置100は、送信が完了したことに応じて、映像送信処理を終了する。
【0051】
なお、映像送信装置100は、S334において、映像データを表示装置500のみに送信してもよい。
【0052】
また、映像送信装置100は、S330以降について、まず、表示装置500との間の通信回線の回線速度を計測し、回線速度を閾値以上である場合に、映像データを表示装置500に送信し、閾値以上でない場合に、低減映像を表示装置500に送信してもよい。この場合、保存サーバ200への映像データの送信はしなくてもよい場合があるが、する場合、映像送信装置100は、保存サーバ200との間の通信回線の回線速度を計測し、回線速度が閾値以上となった場合に、映像データを保存サーバ200へ送信してよい。
【0053】
図6は、映像送信装置100の機能構成の一例を概略的に示す。映像送信装置100は、映像データ取得部102、映像データ記憶部104、低減映像生成部106、ストリーミング送信部108、映像データ送信部110、回線速度計測部112、履歴データ送信部114、履歴データ記憶部116、機械学習部118、及び条件設定部120を備える。なお、映像送信装置100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0054】
映像データ取得部102は、映像データを取得する。映像データ取得部102は、カメラ50によって撮像された映像データをカメラ50から受信してよい。映像データ取得部102は、映像送信装置100に内蔵されたカメラによって撮像された映像データを取得してもよい。映像データ取得部102は、他のデバイスから映像データを受信してもよい。
【0055】
映像データ記憶部104は、映像データ取得部102が取得した、映像データ105を記憶する。映像データ記憶部104は、映像データ取得部102が取得した映像データ105をそのまま記憶してよい。映像データ記憶部104は、映像データ取得部102が取得した映像データ105を、高画質映像に圧縮して記憶してもよい。
【0056】
低減映像生成部106は、映像データ取得部102が取得した映像データ105に、画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を生成する。低減映像生成部106は、映像データ105の画質低減、映像データ105のフレームレートの低減、及び映像データ105のトリミングの少なくともいずれかを実行して、映像データ105のデータ量を低減した低減映像を生成してよい。低減映像生成部106は、画質低減、フレームレート低減、及びトリミングのうち、予め設定された画像処理を実行してよい。低減映像生成部106は、画質低減、フレームレート低減、及びトリミングのうち、回線速度に応じて選択した画像処理を実行してもよい。低減映像生成部106は、画質低減、フレームレート低減、及びトリミングのうち、映像データの内容に応じて選択した画像処理を実行してもよい。
【0057】
ストリーミング送信部108は、低減映像生成部106によって生成された低減映像をストリーミングで送信先に送信する。ストリーミング送信部108は、低減映像を、送信先でリアルタイムに表示することができれば、どのような送信方法で、送信してもよい。送信先は、例えば表示装置500であってよい。
【0058】
映像データ送信部110は、映像データ記憶部104に記憶された映像データ105を、予め定められた条件が満たされたことに応じて、映像データ105の保存先に送信する。保存先は、例えば保存サーバ200であってよい。
【0059】
映像データ送信部110は、予め設定された時刻に保存先への映像データ105の送信を開始してよい。
【0060】
映像データ送信部110は、予め設定された時間帯に、保存先へ映像データ105を送信してよい。映像データ送信部110は、予め設定された時間帯内に映像データ105の送信が完了するか否かを判定し、すると判定した場合には映像データ105を保存先へ送信し、しないと判定した場合に、予め定められた条件に従って映像データ105から抽出した映像データ105の一部を、予め設定された時間帯に送信してもよい。映像データ送信部110は、例えば、映像データ105のうち、重要性がより高い部分を抽出する。映像データのうちの重要性が高い部分は、人によって予め指定されてよい。また、映像データ送信部110が、既存技術を用いて、映像データから重要性が高い部分を抽出してもよい。
【0061】
映像データ送信部110は、映像データ記憶部104に複数の映像データ105が記憶されている場合において、予め設定された時間帯内に複数の映像データ105の送信が完了するか否かを判定し、すると判定した場合には複数の映像データ105を保存先に送信し、しないと判定した場合に、複数の映像データ105のそれぞれの優先度に応じて、複数の映像データ105の少なくともいずれかを送信してよい。映像データ送信部110は、例えば、複数の映像データ105のうち、映像データ取得部102が取得した取得時刻がより古い映像データを優先して送信する。映像データ送信部110は、複数の映像データ105のうち、優先度がより高い映像データ105を選択して送信してよい。複数の映像データ105の優先度は、人によって予め指定されてよい。また、映像データ送信部110が、既存技術を用いて、複数の映像データ105の優先度を決定してもよい。
【0062】
回線速度計測部112は、ネットワーク20の回線速度を計測する。回線速度計測部112は、ネットワーク20を介した、保存先との間の通信回線の回線速度を計測してよい。回線速度計測部112は、ネットワーク20を介した、送信先との間の通信回線の回線速度を計測してよい。回線速度計測部112は、映像送信装置100が無線基地局に在圏している場合、無線基地局との間の通信回線の回線速度を計測してもよい。
【0063】
映像データ送信部110は、回線速度計測部112によって計測された回線速度が予め定められた送信閾値以上である場合に、保存先へ映像データ105を送信してよい。映像データ送信部110は、ストリーミング送信部108が低減映像を送信先に送信するタイミングで回線速度計測部112によって計測された送信先との間の通信回線の回線速度が、予め定められた送信閾値以上である場合に、ストリーミング送信部108による送信先へのストリーミング送信に代えて、映像データ105を送信先に送信してもよい。映像データ送信部110は、回線速度計測部112によって計測された回線速度が、送信閾値よりも速い値を示す代替閾値以上である場合に、ストリーミング送信部108による送信先へのストリーミング送信に代えて、映像データ105を送信先に送信してもよい。これにより、回線に非常に余裕があるときには、表示装置500に対して低減映像を送信するのではなく映像データを送信することができ、表示装置500が表示する映像の品質を高めることができる。代替閾値は、送信閾値よりも速い値を示せば、どのような値であってもよいが、例えば、このような利用を想定した、回線に非常に余裕があることを示す値であってよい。
【0064】
映像データ送信部110は、移動体通信回線を介して、クラウドに配置された記憶先に映像データ105を送信してよい。映像データ送信部110は、映像データ記憶部104に記憶された映像データ105を、予め定められた条件が満たされたことに応じて、保存サーバ200に送信する。
【0065】
履歴データ記憶部116は、回線速度計測部112によって計測された回線速度と、計測を実行した日時とを含む履歴データ117を記憶する。履歴データ送信部114は、履歴データ記憶部116に記憶されている履歴データ117を保存先に送信する。
【0066】
機械学習部118は、履歴データ記憶部116に記憶されている複数の履歴データ117を用いて、機械学習によって、日時を入力とし、回線速度を出力とする機械学習モデルを生成する。
【0067】
条件設定部120は、機械学習モデルを用いて、映像データ105の送信を開始する条件を設定する。例えば、条件設定部120は、機械学習モデルを用いて、各日時の回線速度を推定し、推定した回線速度が予め定められた閾値以上である、時刻や時間帯を特定して、映像データ105の送信を開始する条件を設定する。映像データ送信部110は、条件設定部120によって設定された条件に従って、映像データ105を送信するタイミングを決定してよい。
【0068】
図7は、保存サーバ200の機能構成の一例を概略的に示す。保存サーバ200は、映像データ受信部202、映像データ保存部204、映像データ送信部206、履歴データ受信部208、履歴データ記憶部210、機械学習部212、条件生成部214、条件通知部216、及び、基地局情報受信部218を備える。なお、保存サーバ200がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0069】
映像データ受信部202は、映像送信装置100の映像データ送信部110から送信された映像データ105を受信する。映像データ保存部204は、映像データ受信部202が受信した映像データ105を保存する。
【0070】
映像データ送信部206は、映像データ保存部204に保存されている映像データ105を送信する。映像データ送信部206は、例えば、表示装置500からの要求に応じて、映像データを表示装置500へ送信する。
【0071】
履歴データ受信部208は、履歴データ送信部114から送信された履歴データ117を受信する。履歴データ記憶部210は、履歴データ受信部208が受信した履歴データ117を記憶する。
【0072】
機械学習部212は、履歴データ記憶部210に記憶されている複数の履歴データ107を用いて、機械学習によって、日時を入力とし、回線速度を出力とする機械学習モデルを生成する。
【0073】
条件生成部214は、機械学習部212によって生成された機械学習モデルを用いて、映像データ送信部110が映像データ105を送信する条件を生成する。条件生成部214は、例えば、機械学習モデルを用いて、各日時の回線速度を推定し、推定した回線速度が予め定められた閾値以上である時刻や時間帯を特定して、映像データ105の送信を開始する条件を設定する。
【0074】
条件通知部216は、条件生成部214によって生成された条件を映像送信装置100に通知する。映像送信装置100の映像データ送信部110は、受信した条件に従って、映像データ105の送信を行ってもよい。
【0075】
基地局情報受信部218は、映像送信装置100が無線基地局を介してネットワーク20に接続されている場合において、映像データ送信部110から保存サーバ200への映像データの送信を中継した当該無線基地局から、当該無線基地局に関連する基地局情報を受信する。基地局情報は、無線基地局における通信トラフィックを情報を含んでよい。
【0076】
条件生成部214は、基地局情報受信部218が受信した基地局情報に基づいて、映像データ送信部110が映像データ105を送信する条件を生成してもよい。条件生成部214は、例えば、基地局情報に基づいて、無線基地局における通信トラフィックが比較的少なかったり、予め定められた閾値以下である時刻や時間帯を特定し、条件を生成する。
【0077】
図8は、履歴データテーブル600の一例を概略的に示す。履歴データテーブル600には、複数の履歴データ117が登録される。履歴データテーブル600は、履歴番号602、日時604、及び回線速度610を有する。履歴データテーブル600は、履歴データ記憶部116に記憶され、機械学習部118における機械学習の教師データとして利用される。また、履歴データテーブル600は、履歴データ記憶部210に記憶され、機械学習部212における機械学習の教師データとして利用される。
【0078】
履歴番号602は、履歴データテーブル600のデータ項目ごとに一意に付与される番号である。履歴番号602は、履歴データテーブル600のデータ項目ごとの読み出し時に、インデックスのように使用される。
【0079】
日時604は、年月日606と、時間608とを含み、回線速度計測部112による回線速度の測定が行われた日時を表す。時間608は、例えば1時間ごとであってもよく、例えば、回線速度の測定が1時間おきに行われることを表す。回線速度610は、日時604において実行された回線速度の測定結果を含む。回線速度610の測定間隔は、1時間に限定されない。
【0080】
具体的に履歴データテーブル600の履歴番号602が4のデータは、年月日606が、2021/11/11、時間608が6:00、及び実行された回線速度610が100Mbpsである。
【0081】
例えば、機械学習部118又は機械学習部212は、図のような履歴データテーブル600を入力として、機械学習モデルが機械学習をした場合に、時間608が3:00である場合は、回線速度610が200Mbpsであり、他の時間帯より、回線速度が高い傾向があるという学習をしてよい。このような傾向が、例えば毎日続いているような場合に、機械学習部118は、条件設定部120に、映像データ105の送信時刻をAM3:00と判定して出力してよい。同様に、機械学習部212は、条件生成部214に、映像データ105の送信時間をAM3:00と判定して出力してよい。
【0082】
図9は、システム10の一例を概略的に示す。
図9においては、映像送信装置100が、無線基地局700を介してネットワーク20に接続されている。なお、ネットワーク20の図示を省略している。
【0083】
映像送信装置100は、カメラ50で撮像された映像データ105に画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を、無線基地局700を介して、表示装置500へ送信する。また、映像送信装置100は、映像データ105を、一時的に記憶し、予め設定された時刻等の条件のタイミングで、無線基地局700を介して、保存サーバ200へ送信する。保存サーバ200は、受信した映像データ105を保存する。保存サーバ200は、例えば、表示装置500からの要求に応じて、映像データ105を表示装置500に送信する。
【0084】
映像送信装置100と無線基地局700との間は、無線基地局700と保存サーバ200との間、無線基地局700と表示装置500との間と比較して、輻輳が発生しやすい経路になる。したがって、映像送信装置100が、映像データ105について、予め定められた条件が満たされたことに応じて、無線基地局700を介して保存サーバ200に送信するように構成することによって、移動体通信回線が逼迫してしまう可能性を低減できる。これにより、既存の移動体通信利用者に影響が出てしまう可能性を低減することができる。
【0085】
図10は、映像送信装置100、保存サーバ200、又は表示装置500として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0086】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に記憶されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0087】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを記憶する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0088】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを記憶する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0089】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0090】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に記憶された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0091】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に記憶されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0092】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に記憶され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に記憶される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に記憶された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0093】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0094】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0095】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を記憶可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに記憶される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピーディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0096】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0097】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0098】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0099】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0100】
10 システム、20 ネットワーク、50 カメラ、100 映像送信装置、102 映像データ取得部、104 映像データ記憶部、105 映像データ、106 低減映像生成部、108 ストリーミング送信部、110 映像データ送信部、112 回線速度計測部、114 履歴データ送信部、116 履歴データ記憶部、117 履歴データ、118 機械学習部、120 条件設定部、200 保存サーバ、202 映像データ受信部、204 映像データ保存部、206 映像データ送信部、208 履歴データ受信部、210 履歴データ記憶部、212 機械学習部、214 条件生成部、216 条件通知部、218 基地局情報受信部、500 表示装置、600 履歴データテーブル、602 履歴番号、604 日時、606 年月日、608 時間、610 回線速度、700 無線基地局、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
【要約】 (修正有)
【課題】使用する通信回線の伝送帯域確保が出来ない場合に、後から同じコンテンツを視聴するストリームデータ送信装置を提供する。
【解決手段】システム10において、映像送信装置100は、カメラ50から映像データを取得する映像データ取得部と、映像データ取得部が取得した映像データを記憶する映像データ記憶部と、映像データ取得部が取得した映像データに画像処理を施してデータ量を低減した低減映像を生成する低減映像生成部と、低減映像をストリーミングで送信先に送信するストリーミング送信部と、映像データ記憶部に記憶された映像データを、予め定められた条件が満たされたことに応じて、映像データの保存先に送信する映像データ送信部とを備える。
【選択図】
図1