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特許7295235物体を計数および分配するための安全な装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】物体を計数および分配するための安全な装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/02 20060101AFI20230613BHJP
   B65D 83/04 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
A61J7/02
B65D83/04
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021526668
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 FR2019052745
(87)【国際公開番号】W WO2020104748
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】1871627
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520286429
【氏名又は名称】スティプラスティック
【氏名又は名称原語表記】STIPLASTICS
【住所又は居所原語表記】62 Chemin des plantees, 38160 Saint Marcellin, FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゾゼック、ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】スアル、ルドヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ブルアール、ユーグ
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-512155(JP,A)
【文献】特開2002-1093(JP,A)
【文献】特表2007-511425(JP,A)
【文献】特表2009-513173(JP,A)
【文献】米国特許第4653668(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/02
B65D 83/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体(2)を計数および分配するための装置(1)であって、互いに摺動可能に移動可能な2つの要素(10、11)を備え、
第1の要素(10)は、計数および分配される前記物体を分配するための導管(100)を含み、前記導管(100)は、摺動方向に延在しており、
第2の要素(11)は、前記第1の要素と協働して、前記分配導管(100)において、所定の数の前記物体を収容するのに適したチャンバ(101)を規定する2つの栓塞子(1A、1B)を形成しており、
前記栓塞子(1A、1B)は、前記第1および第2の要素の相対的な位置に従って、
前記チャンバのいわゆる開放構成であって、各々の前記栓塞子が、計数および分配される物体の通過に適した寸法のオリフィスを規定する、開放構成と、
前記チャンバのいわゆる閉鎖構成であって、前記オリフィスは、物体の通過には不十分な寸法を有し、各々の栓塞子は、前記閉鎖構成において2つの隣接しない対面斜角部分を有する、閉鎖構成と、
を採用することができ、
前記第1および第2の要素(10、11)は、相対的な摺動によって、
(i)前記第1の栓塞子が前記開放構成にある一方、前記第2の栓塞子が前記チャンバ(101)の前記閉鎖構成にある、
(ii)前記第1および第2の栓塞子が両方とも前記チャンバ(101)の前記閉鎖構成にある、
(iii)前記第1の栓塞子が前記閉鎖構成にある一方、前記第2の栓塞子が前記チャンバ(101)の前記開放構成にある、
(iv)前記第1および第2の栓塞子が両方とも前記チャンバ(101)の前記閉鎖構成にある、
という前記栓塞子の動作シーケンスを得るように配置されており、
前記装置は、制御ユニットと、前記制御ユニットによって制御される少なくとも1つのアクチュエータ(5)とを含むハウジング(6)に挿入されるように構成されていること、および、前記アクチュエータによって、前記分配導管(100)を部分的に閉塞するロック状態と、前記分配導管(100)の外側に引っ込められるロック解除状態との間で移動可能なロック(4)を含み、前記ロックは、前記チャンバ(101)内に存在する物体の位置が、前記ロックの状態の変化によって影響されないように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ロックは、前記第2の栓塞子(1A)の斜角部分と同じ平面に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロックは、それぞれのアクチュエータに結合されるのに適した2つの旋回ブレード(40)を備えている、請求項1または2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の要素(10)、前記第2の要素(11)、および前記ロック(4)は、それぞれ単一の部品から作製され、前記装置(10)は、前記第1の要素および前記2の要素と前記ロックとからのみ形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の分配装置と、前記分配装置に取り外し不可能に結合された物体を含むポットとを備えた容器。
【請求項6】
前記物体は、ホメオパシー顆粒、ソフトカプセル、錠剤、前記ポットにバルク包装されたハードカプセルである、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
1つまたは複数の物体の形態を有する治療的治療の用量の安全な分配器であって、前記分配器は、前記ハウジング(6)と、前記ハウジングと協働する請求項5または6のいずれか一項に記載の容器(3)とを備え、
前記ハウジング(6)は、
プロセッサと治療に関連するデータが記録されるメモリとを含む制御ユニットと、
前記ロック(4)をロック位置または格納位置に移動するために、前記制御ユニットによって制御されるアクチュエータ(5)と、
を含む分配器。
【請求項8】
前記アクチュエータは線形アクチュエータである、請求項7に記載の分配器。
【請求項9】
前記アクチュエータは回転アクチュエータである、請求項7に記載の分配器。
【請求項10】
前記ハウジング(6)は、前記制御ユニットに結合され、前記チャンバ内および/または前記第2の栓塞子の下流に位置する前記導管の一部内の物体の通過を検出するのに適した少なくとも1つのセンサを含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の分配器。
【請求項11】
前記ハウジング(6)は、前記制御ユニットに結合され、各々の前記栓塞子の前記開放構成または前記閉鎖構成を検出するのに適した少なくとも1つのセンサを含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の分配器。
【請求項12】
前記ハウジング(6)は、前記制御ユニットに結合された患者を識別するための装置をさらに含み、前記制御ユニットは、前記識別するための装置によって前記患者が識別された場合にのみ前記アクチュエータを作動させるように構成されている、請求項7から11のいずれか一項に記載の分配器。
【請求項13】
前記識別するための装置は生体認証装置を含む、請求項12に記載の分配器。
【請求項14】
前記識別するための装置は、識別コードを入力するためのインターフェースを含む、請求項12に記載の分配器。
【請求項15】
前記制御ユニットに結合された加速度計またはジャイロスコープを備え、前記制御ユニットは、前記加速度計またはジャイロスコープからの測定データから前記分配器の向きを判定し、前記分配導管が実質的に垂直に向けられ、前記分配導管の出口が下向きである場合にのみ前記アクチュエータを作動させるように構成されている、請求項7から14のいずれか一項に記載の分配器。
【請求項16】
温度センサと、前記センサからの測定データを保存するように構成されたメモリとを備えた、請求項7から15のいずれか一項に記載の分配器。
【請求項17】
前記ハウジング(6)は、前記制御ユニットに電力を供給するエネルギー源を含む、請求項7から16のいずれか一項に記載の分配器。
【請求項18】
前記ハウジング(6)は、前記物体の分配中に支持体上に配置されるのに適した実質的に平坦なベース(62)を含む、請求項7から17のいずれか一項に記載の分配器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を計数および分配するための安全な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、特許文献1に記載されている、物体、特にホメオパシー顆粒、ソフトカプセル、錠剤、ハードカプセルまたは微小顆粒を計数および分配するための装置を設計した。
【0003】
この装置は、分配される物体を含む容器に結合されることが意図されており、互いに対して摺動可能に移動可能な2つの要素を含み、
第1の要素は、計数および分配される物体を分配するための導管を含み、
第2の要素は、第1の要素と協働して、分配導管において、所定の数の前記物体を収容するのに適したチャンバを規定する2つの栓塞子を形成している。
【0004】
栓塞子はそれぞれ、第1の要素と第2の要素の相対位置に従って、
チャンバのいわゆる開放構成であって、各々の栓塞子が、計数および分配される物体の通過に適した寸法のオリフィスを規定する、開放構成と、
チャンバのいわゆる閉鎖構成であって、前記オリフィスは、物体の通過には不十分な寸法を有する、閉鎖構成と、
を採用するように構成されている。
【0005】
各々の栓塞子は、オリフィスが完全に閉じられないように、閉鎖構成において2つの隣接しない対面斜角部分を有する。これにより、一方では、物体を損傷する可能性のある、物体が栓塞子に閉じ込められることを防ぐことができ、他方では、栓塞子の閉鎖中に物体が栓塞子と接触して剪断されることを防ぐことができる。
【0006】
1つまたは複数の物体を解放するために、ユーザは、
(i)第1の栓塞子が開放構成にある一方、第2の栓塞子がチャンバ(101)の閉鎖構成にある、
(ii)第1および第2の栓塞子が両方ともチャンバ(101)の閉鎖構成にある、
(iii)第1の栓塞子が閉鎖構成にある一方、第2の栓塞子がチャンバ(101)の開放構成にある、
(iv)第1および第2の栓塞子が両方ともチャンバ(101)の閉鎖構成にある、
という栓塞子の動作シーケンスを得る、第1の要素と第2の要素との相対的な摺動力を加えることによって装置を作動させる。
【0007】
特定の用途では、決定された条件でのみ物体の解放を許可するために、この装置をある程度保護することが望ましいであろう。
【0008】
例えば、個別化医療は、患者による、決定された用量の服用を含み、決定された瞬間に薬物を変更することができ、前述の物体の1つまたはいくつかの形態を有する用量を服用する。
【0009】
患者が不適切な用量の薬物を摂取すること、または予定外の瞬間に薬物を摂取することを防ぐために、装置は、決定された時間範囲外の物体の放出を防ぐために制御できなければならず、この範囲内で処方または承認された用量のみを送達する。
【0010】
さらに、治療の遵守を管理する必要があり得、すなわち、患者が実際に予定された用量を服用したことを確認する必要がある。
【0011】
安全性に関連する別の制約は、物体の汚染または物体間の異物の存在を防ぐために、異物が分配装置を介して容器に導入されるのを防ぐことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】国際公開第2015/121353号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、物体を計数および分配するための安全な装置を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この趣旨で、本発明は、物体を計数および分配するための装置であって、互いに摺動可能に移動可能な2つの要素を備え、
第1の要素は、計数および分配される前記物体を分配するための導管を含み、前記導管は、摺動方向に延在しており、
第2の要素は、前記第1の要素と協働して、前記分配導管において、所定の数の前記物体を収容するのに適したチャンバを規定する2つの栓塞子を形成しており、
前記栓塞子は、前記第1および第2の要素の相対的な位置に従って、
前記チャンバのいわゆる開放構成であって、各々の前記栓塞子が、計数および分配される物体の通過に適した寸法のオリフィスを規定する、開放構成と、
前記チャンバのいわゆる閉鎖構成であって、前記オリフィスは、物体の通過には不十分な寸法を有し、各々の栓塞子は、前記閉鎖構成において2つの隣接しない対面斜角部分を有する、閉鎖構成と、
を採用することができ、
前記第1および第2の要素は、相対的な摺動によって、
(i)前記第1の栓塞子が前記開放構成にある一方、前記第2の栓塞子が前記チャンバの前記閉鎖構成にある、
(ii)前記第1および第2の栓塞子が両方とも前記チャンバの前記閉鎖構成にある、
(iii)前記第1の栓塞子が前記閉鎖構成にある一方、前記第2の栓塞子が前記チャンバの前記開放構成にある、
(iv)前記第1および第2の栓塞子が両方とも前記チャンバの前記閉鎖構成にある、
という前記栓塞子の動作シーケンスを得るように配置されており、
前記装置は、制御ユニットと、前記制御ユニットによって制御される少なくとも1つのアクチュエータとを含むハウジングに挿入されるように構成されていること、および、前記アクチュエータによって、前記分配導管を部分的に閉塞するロック状態と、前記分配導管の外側に引っ込められるロック解除状態との間で移動可能なロックを含み、前記ロックは、前記チャンバ内に存在する物体の位置が、前記ロックの状態の変化によって影響されないように構成されていること、を特徴とする、装置を提案する。
【0015】
特に有利なことに、ロックは、第2の栓塞子の斜角部分と同じ平面に配置されている。
【0016】
一実施形態によれば、ロックは、それぞれのアクチュエータに結合されるのに適した2つの旋回ブレードを備えている。
【0017】
有利な実施形態によれば、第1の要素、第2の要素、およびロックは、それぞれ単一の部品から作製され、装置は、第1の要素および第2の要素とロックとからのみ形成されている。
【0018】
本発明の別の目的は、そのような分配装置および物体を含むポットを含む不正開封防止機構の付いた容器に関し、前記ポットは、分配装置に取り外し不可能に結合されている。
【0019】
前記物体は、ホメオパシー顆粒、ソフトカプセル、錠剤、ポットにバルク包装されたハードカプセルであり得る。
【0020】
本発明の別の目的は、1つまたは複数の物体の形態を有する治療的治療の用量の安全な分配器であって、前記分配器は、前記ハウジングと、前記ハウジングと協働する上記のような容器とを備え、前記ハウジングは、
プロセッサと治療に関連するデータが記録されるメモリとを含む制御ユニットと、
前記ロックをロック位置または格納位置に移動するために、前記制御ユニットによって制御されるアクチュエータと、
を含む分配器に関する。
【0021】
一実施形態によれば、アクチュエータは線形アクチュエータである。
【0022】
あるいは、アクチュエータは回転アクチュエータである。
【0023】
一実施形態によれば、ハウジングは、制御ユニットに結合され、チャンバ内および/または第2の栓塞子の下流に位置する導管の一部内の物体の通過を検出するのに適した少なくとも1つのセンサを含む。
【0024】
さらに、ハウジングは、制御ユニットに結合され、各々の栓塞子の開放構成または閉鎖構成を検出するのに適した少なくとも1つのセンサを含み得る。
【0025】
ハウジングは、制御ユニットに結合された患者を識別するための装置をさらに含み得、制御ユニットは、識別するための装置によって患者が識別された場合にのみアクチュエータを作動させるように構成されている。
【0026】
識別のための前記装置は、識別コードを入力するための生体認証装置またはインターフェースを備えることができる。
【0027】
一実施形態によれば、分配器は、制御ユニットに結合された加速度計またはジャイロスコープを備え、制御ユニットは、前記加速度計またはジャイロスコープからの測定データから分配器の向きを判定し、分配導管が実質的に垂直に向けられ、分配導管の出口が下向きである場合にのみアクチュエータを作動させるように構成されている。
【0028】
分配器はまた、温度センサと、前記センサからの測定データを保存するように構成されたメモリとを備え得る。
【0029】
有利なことに、ハウジングは、制御ユニットに電力を供給するエネルギー源を含む。
【0030】
有利な実施形態によれば、ハウジングは、物体の分配中に支持体上に配置されるのに適した実質的に平坦なベースを含む。
【0031】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明に現れるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明による装置によって分配できる物体のさまざまな例を示す。
図2A】本発明による装置の栓塞子の第1の構成を概略的に示す。
図2B】本発明による装置の栓塞子の第2の構成を概略的に示す。
図2C】本発明による装置の栓塞子の第3の構成を概略的に示す。
図2D】本発明による装置の栓塞子の第4の構成を概略的に示す。
図3A】一実施形態による、分配装置の固定要素の側面図を示す。
図3B】一実施形態による、分配装置の固定要素の斜視図を示す。
図3C図3Aおよび図3Bの固定要素および可動要素を含む、物体の分配を可能にする方向での分配装置の断面図を示す。
図4A】格納状態のロックの第1の実施形態の斜視図である。
図4B図4Aの格納状態のロックの下から見た図である。
図4C】格納状態の前記ロックの斜視図である。
図4D図4Cの格納状態におけるロックの下から見た図である。
図5A】格納状態のロックの第2の実施形態の斜視図である。
図5B図5Aの格納状態のロックの下から見た図である。
図5C】格納状態の前記ロックの斜視図である。
図5D図5Cの格納状態のロックの下から見た図である。
図6A】格納状態でのロックとアクチュエータの連携を示す。
図6B】ロック状態でのアクチュエータとロックの連携を示す。
図7】光学センサと連携するために分配装置に配置された光ガイドを示す。
図8】計数および分配のための装置と、組み立て前のハウジングの図である。
図9】計数および分配のための装置と、組み立て後のハウジングの図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
言うまでもなく、これらの図は、例示の目的で与えられた実施形態を示しているが、本発明は、このように表された構成要素の形状および配置に決して限定されない。
【0034】
[計数および分配される物体]
本発明は、一般に、球形または球形の形状、または凸状の端部を有する細長い形状を有する任意の物体の計数および分配に適用される。非限定的な実施形態によれば、物体は、2つの凸状端部の間に延びる軸に関して回転対称性を有することができる。
【0035】
本書では、「細長い」という用語は、2つの凸状の端部の間に最大の寸法(または長さ)が延びる物体を指す。
【0036】
細長い物体は、計数および分配のための装置の導管内で、最大寸法の方向に順々に方向付けられるように意図されている。
【0037】
図1は、AからHまで指定されたそのような物体のいくつかの例を示している。
【0038】
図1Aにソフトカプセルを示す。当該ソフトカプセルは、円形断面および2つの対称的な半球形の端部を有する円筒形断面を有するものとして定義することができ、その曲率半径は円筒形部分の半径に等しい。2つの半球形の端の間の距離は、円形部分の直径よりも大きくなっている。
【0039】
図1Bは、顆粒などの球形の物体を示している。
【0040】
図1Cは、典型的には直径が0.8から4mmまで変化し、典型的には直径に等しい長さにわたって一定の円筒形断面を有し、典型的には球冠の形を呈するその端部が狭くなる微小錠剤である微小顆粒を示す。
【0041】
図1Dにハードカプセルを示す。当該ハードカプセルは、回転楕円体として定義することができる。
【0042】
図1Eは、円形断面の円筒部分と2つの対称的な尖った端を持つ物体を示している。尖った端の間の距離は、円筒部分の直径よりも大きい。
【0043】
図1Fは、円形断面の円筒部分と2つの対称的な丸い端を持つ物体を示している。曲率半径は多かれ少なかれ大きくすることができるが、端が平らな場合は除外される。
【0044】
図1Gは、端部の断面の変動が非常に急速に減少するが、一定の断面を有する円筒ではなく、本発明による装置が有効である限界の場合を示している。
【0045】
図1Hは、図1Aから図1Gの物体とは異なり、回転対称性を持たないタブレットの場合を示している。この物体は、底面が楕円で、楕円形の2つの面を持つ真っ直ぐな円筒形の部分を持つものとして定義できる。物体の端は、楕円の長軸の端に対応する。
【0046】
一般に、固体用量の領域で得られたすべての形状(粒子が計数される物体とは見なされない粉末を除く)は、本発明の装置によって分配される物体に適用することができる。
【0047】
製薬用途では、物体は、顆粒、微小顆粒、ハードカプセル、錠剤、坐剤、またはソフトカプセルであり得る。
【0048】
しかしながら、その寸法および比率に関係なく、上記の形状の変形の1つを有する任意の物体は、本発明による装置によって決定された数で分配することができる。したがって、本発明は、一般に、決定された数の物体を分配する必要がある農業食品を含むあらゆる産業分野に適用することができる。
【0049】
[計数および分配するための装置]
物体を計数および分配するための装置は、国際公開第2015/121353号に既に記載されているものと同様であり、異なる実施形態の説明について参照することができる。
【0050】
図2Aから図2Dを参照して、計数および分配のための装置(簡潔にするために、以下の文章で「分配装置」と呼ばれる)の原理が想起される。
【0051】
これらの図では、物体2のリザーバ3(ここではビーズの形で示されている)は、分配装置の上部に配置され、長手方向軸Xに従って延びる物体を分配するための導管100と連絡している。リザーバ3から分配装置の出口への物体の流れの方向は、矢印によって表されている。物体の分配のために、軸Xは、物体が重力を介して導管100に流れ込むことを可能にするために、分配装置の上にあるリザーバを伴って、垂直方向または傾斜した方向に向けられる。
【0052】
分配装置は、互いに対して摺動可能に移動可能な2つの要素を備えており、
第1の要素10は導管100を含み、
第2の要素11は、第1の要素と協力して、2つの栓塞子1A、1Bを形成し、分配導管100内に、所定の数の前記物体を収容するのに適したチャンバ101を規定する。
【0053】
本発明では、分配導管の軸Xの方向への2つの要素の摺動のみが考慮される。
【0054】
導管100は、軸Xに垂直に、物体が導管100内に重ね合わされるように、単一の物体の通過に適した部分を有する。
【0055】
分配される物体が細長い物体である場合、導管100の部分は、それらの長さの方向への物体の通過に適合される、すなわち、物体は、それらの凸状端部が互いに向き合うように導管100内に重ね合わされる。導管100の部分は、その長さ以外の方向での物体の通過、または導管の所与の部分を通る2つまたはそれ以上の物体の同時通過を可能にしない。
【0056】
有利なことに、物体のリザーバと分配装置との間の接合部は、導管100の入口での物体のブレースを防ぐことを可能にする漏斗の形状を有する。実際、凸状端部を持つ球形または細長い物体は、それらの対称性に照らして、リザーバの底の中心から見て、それら自体が安定した構造を形成するように組織化される傾向があり、したがって、その中心が空洞であり、陥没することができないため、機械的混合の作用下でのみ、採取を継続することができる。
【0057】
リザーバ3の内側部分は、一般に、導管100の内側部分よりも大きく、リザーバの内壁は、有利には、部分の狭小化の方向に下流に傾斜した部分1130を含む。導管100の上流端は、部分1130と同じ方向に傾斜している壁1030を有する。
【0058】
栓塞子1Aおよび1Bは、分配装置から出るために、物体の流れの方向に関して、導管100の下流部分および上流部分にそれぞれ配置されている。
【0059】
栓塞子1Aおよび1Bは、それらの間で、決定された数の物体を収容することを意図したチャンバ101である導管100の一部を区切る。図2Aから図2Dに示される例では、チャンバは単一の物体を受け入れることを意図しており、すなわち、X軸による栓塞子1Aと1Bとの間の距離は、物体の公称直径に等しいが、当該物体の公称直径の1.5倍未満である。しかしながら、本発明による分配装置は、チャンバ101が2つまたはそれ以上の物体を含むように設計することができる。これは、栓塞子1Aと1Bとの間の距離を適合させるのに十分である。したがって、チャンバ101は、前記物体の製造方法に固有の寸法公差を吸収する可能性を提供しながら、分配される物体を計数する機能を果たす。
【0060】
図2Aは、2つの栓塞子1A、1Bが両方ともチャンバ101の閉鎖構成にあり、その後、空になる分配装置の状態を示している。
【0061】
栓塞子1A、1Bに面する部分は隣接していないが、栓塞子1Bのすぐ上流の導管内に存在する物体2の通過を遮断するように、物体の直径よりも小さい間隔で分離されていることに留意されたい。以下に見られるように、栓塞子が隣接していないという事実は、チャンバ101に含まれる物体に剪断を加えることなく物体を保持することを可能にするという利点を有する。さらに、栓塞子に面する部分は、有利には、斜角のプロファイルを有する。
【0062】
栓塞子1Bが斜角になっているという事実は、前記栓塞子の閉鎖運動中に、チャンバ101に含まれる物体または前記栓塞子1Bのすぐ上流に位置する物体に剪断応力を及ぼすことを防止することを可能にする。
【0063】
最後に、図2Dは、上流の栓塞子1Bがチャンバ101の閉鎖構成のままであり、一方、下流の栓塞子1Aが前記チャンバの開放構成にある分配装置の状態を示す。図2Cの状態から図2Dの状態への移行は、分配装置の2つの要素の相対的な摺動によって得られる。この摺動は、軸Xの方向に、下流から上流に向かって実行される。この摺動は、要素10をリザーバ3に浸透させる効果があり、したがって、物体の混合を生成し、これは、リザーバの入口での物体のブレースを非常に効果的に防止することに留意されたい。
【0064】
下流の栓塞子1Aの開口部は、物体2(または2つまたはそれ以上の物体がチャンバ101に含まれていた場合は複数の物体)がチャンバから脱出し、したがって分配装置から引き出されることを可能にする。
【0065】
上記のように、栓塞子の構造、すなわち、それらが閉鎖構成で隣接しておらず、それらが斜角のプロファイルを有するという事実は、物体の寸法が決定された範囲内で変化する場合でも、栓塞子の閉鎖中に、チャンバ101内に挿入された物体に、またはチャンバ101およびこれに部分的に係合するであろう栓塞子1Bの上流の物体上に剪断応力を及ぼすことを防ぐことを可能にする。さらに、栓塞子のこの構造は、それを損傷する可能性のある剪断応力を加えることなく、チャンバ101に部分的に係合する過剰な物体を上流に押すことを可能にする。
【0066】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ、分配導管を含む要素10の実施形態の側面図および斜視図である。要素は、物体が下から出ることができる位置で、垂直に向けられて示されている。以下で使用される「下(lower)」および「上(upper)」または「上(top)」および「下(bottom)」という用語は、この位置に関して理解されるべきである。
【0067】
要素10は、中央ドラム102を含み、その内部に分配導管100が配置されている。中央ドラムは、計数チャンバ101の上流部分および下流部分を区切る2対の正反対の開口部1020B~1021Bおよび1020A~1021Aを有する。中央ドラム102はまた、半径方向外向きに延びる2つの正反対の脚1022を備えている。各脚は、脚1022のいずれかの側で、ドラム102に実質的に平行な方向に延びる2つのアーム1023B、1023Aを支持する。各アームは、ドラム102のそれぞれの開口部1020B、1021B、1020A、1021Aに面して、半径方向内側に延びる延長部によって終端されている。この延長部は、アーム1023Bのマーク1024Bによって示され、アーム1023Aのマークは、開口部1020Aの内側に配置されているため、見えない。脚1022およびその2つのアームで形成された各組は、軸Xを含む平面に関して他の組と対称である。
【0068】
脚とアームを形成するために使用される形状とポリマー材料に照らして、アームは脚との接合部を中心に回転することによって一定の弾性を有している。したがって、上部アーム1023Bは、上部延長部1024Bが互いに接近し、上部開口部1020B、1021Bを介して分配導管100に部分的に貫通する位置と、上部延長部1024Bが互いに離れており、分配導管100の外側に位置し、したがって物体の通過を解放する位置との間で移動可能である。言い換えれば、上部延長部1024Bは、したがって、計数チャンバ101の上流栓塞子1Bを形成する。
【0069】
同様に、下部アーム1023Aは、下部延長部が互いに接近し、下部開口部1020A、1021Aを通って分配導管100に部分的に貫通する位置と、下部延長部が互いに離れており、分配導管100の外側に位置し、したがって物体の通過を解放する位置との間で移動可能である。言い換えれば、下部延長部は、したがって、計数チャンバ101の下流栓塞子1Aを形成する。
【0070】
上で説明したように、延長部は、それらが互いに接近している位置でも隣接しておらず、物体を互いに近づける際に物体に剪断応力を加えないことを可能にする斜角の端部を有する。
【0071】
図3Aおよび図3Bは、アイドル構成、すなわち、機械的応力がアームに加えられていない構成の第1の要素を示している。この構成では、上部アーム1024Bは、延長部1024Bが物体の通過のために十分に広いオリフィスを規定するように、互いに分離された位置にある。したがって、上流栓塞子1Bは、チャンバ101の開放構成にある。しかしながら、下部アーム1024Aは、それらが隣接していないが、物体の通過を防ぐのに十分に狭いオリフィスを規定するように、互いに近い位置にある。したがって、下流栓塞子1Aは、チャンバ101の閉鎖構成にある。
【0072】
装置の第2の要素は、第1の要素に対するその位置に従って、上記の動作シーケンスを調達するために、上部アームと下部アームとを近づけるかまたは分離するように適合されている。
【0073】
この第2の要素11は、図3Aおよび図3Bの固定要素10と、分配される物体を含む容器3とで組み立てられた図3Cに示されている。
【0074】
固定要素は、本体31にしっかりと取り付けられており、本体31は、要素10の構成要素を、ユーザがそれらにアクセスできないようにするような方法で取り囲んでいる。
【0075】
容器3は、管状コネクタ30を介して本体31に対して方向Xに摺動可能に取り付けられている。本体31は、容器3のために下向きに軸方向の橋台を形成する上部カラー33を有する。
【0076】
要素11は、ドラム102上に摺動可能に配置された円筒形部分110を備えている。
【0077】
円筒形部分110は、上流側、すなわち容器3の内側に向けられて、分配導管100に通じる漏斗111によって有利に延長される。そのような漏斗は、任意ではあるが、分配導管100の入口での物体のブレースを防ぐことを可能にする。
【0078】
円筒形部分110は、下流側、すなわち下流栓塞子1Aに向けられて、下流方向に広がるスカート112によって延長される。
【0079】
有利なことに、円筒形部分110、漏斗111およびスカート112は、プラスチック材料を成形することによって実施することができる単一の部分を形成する。
【0080】
要素11は、容器3にしっかりと取り付けられている。例えば、示される実施形態では、漏斗111を形成する部分は、容器3の周囲に形成された開口部32にスナップ嵌めされた1つまたは複数の麦角113を含む。したがって、要素11は、ユーザによって容器3に推力が加えられると、容器3と共に摺動可能に駆動される。
【0081】
スカートの内面は、栓塞子1A、1Bを作動させるようにアームと協働するように構成されている。したがって、アームに対するスカートの位置に従って、スカートは、アーム1023Bおよび1023Aに機械的応力を加えて、それらを一緒にするかまたはそれらを分離するために、前記アームを弾性的に変形させることができる。
【0082】
より正確には、装置は、次の動作シーケンスを得るように構成されている。
【0083】
1つまたは複数の物体を解放するためにユーザによってアクションが実行されないアイドル構成では、第1および第2の要素10、11は、図1Cに示される相対位置にある。この位置では、スカート112は、上部アーム1023Aから上方に分離されており、したがって、前記アームに機械的応力を加えない。上記で示されるように、したがって、栓塞子1Bは、チャンバ101の開放構成にあり、一方、栓塞子1Aは、チャンバの閉鎖構成にある。したがって、物体(示されている用途ではソフトカプセルの形で)は、2つの栓塞子の間のチャンバ101に含まれている。
【0084】
前記物体を解放するために、ユーザは、下流方向に軸Xに沿って容器3に圧力をかけなければならない。これを行うと、第2の要素11は、ドラム102に沿って下向きに摺動可能に駆動される。したがって、スカート112の内面は、上部アーム1023Bと接触し、これらのアームに沿って摺動する。スカートのフレア形状により、上流栓塞子1Bの閉鎖構成に到達するまで、上部アーム1023Bは次第に互いに近づけられる。第2の要素11の動きのこの第1の段階は、閉鎖構成のままである下流栓塞子1Aの構成に影響を及ぼさない。
【0085】
第1の要素に対する第2の要素の特定の位置から開始して、第2の要素11の動きの第2の段階が行われ、スカート112は、アーム1023B、1023Aに応力を加え、これにより、アーム1023Aは、下流栓塞子1Aの開放構成に到達するまで、それらを互いに分離する傾向がある。この第2の段階の間、上流栓塞子1Bはその閉鎖構成のままである。この第2の段階の終わりに、チャンバ内に含まれる物体が装置の外部に解放され、ユーザが利用できるようになる。
【0086】
ユーザが容器への圧力を解放すると、復帰手段(図示せず)が容器3を上向きに復帰させ、したがって第2の要素11を図3Cに示されるアイドル位置に復帰させる。第2の要素の上方への移動も、次の2つの段階、すなわち、下流栓塞子1Aが閉鎖位置に戻る第1の段階(上流栓塞子1Bが閉鎖構成のままである)、次いで、栓塞子1Bが開放位置に戻る第2の段階(下流栓塞子1Aが閉鎖構成のままである)、で構成される。したがって、新しい物体は、すぐに実行できる(たとえば、ユーザに送達される用量が同時に放出できない複数の物体を含む場合)または後で実行できる新しい分配操作の目的で、チャンバ101に導入することができる。
【0087】
いずれにせよ、第1および第2の要素の構成は、上流栓塞子および下流栓塞子の両方がチャンバの開放構成にある状況が起こり得ないようなものである。
【0088】
装置を固定するために、後者は、前記ロックが下流栓塞子と協働して分配導管を部分的に閉じるロック状態と、ロックが分配導管の外側に引っ込められるロック解除状態との間で移動できるロックを含む。
【0089】
ロックは、ユーザがアクセスできない方法で、分配装置の内部に配置されている。したがって、ユーザが分配装置の外部からロックを作動させることはできない。以下に見られるように、ロックは、ユーザが物体を取ることを許可されている状況でのみアクチュエータを制御する「スマート」ハウジングに配置されたアクチュエータと協調するのに適している。
【0090】
一実施形態によれば、ロック4は、それぞれが横方向の指41を備える2つの対向するブレード40を含み、前記指は、例えば、ブレードに対して垂直に延びる。前記ブレード40は、それらの指41が分配導管を部分的に閉塞するような方法で分配導管に係合しているロック位置と、前記指41が分配導管の外側に配置され、物体の通過を解放する格納位置との間で移動することができる。好ましくは、ロック位置では、指41は隣接していない。このロック位置では、栓塞子が開いていても物体の通過は不可能である。
【0091】
前記ロックは、チャンバ101内に存在する物体の位置が、ロックの状態の変化によって影響を受けないように構成される。実際には、ブレードの指は、下流栓塞子1Aと同じ平面に、または下流栓塞子1Aに十分に近い平行平面に配置され、その結果、栓塞子を閉じることによって物体がロックと栓塞子との間に閉じ込められたり、損傷したりすることがない。例えば、物体の形状によっては、ロックと栓塞子との間の距離が3mm未満であることが好ましい。
【0092】
さらに、ロック4は、ロック4および下流栓塞子1Aが互いに独立して作動することができるように、下流栓塞子1Aと干渉しない。
【0093】
各ブレード40は、軸Xに平行な軸の周りで回転可能に移動可能である。各ブレードは、前述のハウジング内に配置されたそれぞれのアクチュエータによって作動させることができる。
【0094】
図4Aから図4Dは、格納状態(図4A図4B)およびロック状態(図4C図4D)におけるロックの第1の実施形態を示している。
【0095】
各ブレード40は、軸Xに垂直な平面内に延在し、その端部の一方に軸Xに平行な旋回軸42を有し、反対側の端部43にアクチュエータ(図示せず)への接続手段を有する主直線部材を備えている。ブレードはまた、軸Xに垂直な平面内で、主部材から実質的に主部材に垂直に延びる指41を備えている。ブレードは、ロック位置において、指41が導管100に対して正反対であり、下流栓塞子1Aの延長部1024Aに垂直であるように配置されている。
【0096】
図5Aから図5Dは、格納状態(図5A図5B)およびロック状態(図5C図5D)のロックの第2の実施形態を示している。
【0097】
各ブレード40は、軸Xに垂直な平面内に延在し、その端部の一方に軸Xに平行な旋回軸42を有し、反対側の端部43にアクチュエータ(図示せず)への接続手段を有する真っ直ぐな主部材を備えている。ブレードはまた、軸Xに垂直な平面内で、主部材から実質的に主部材に垂直に延びる指41を備えている。ブレードは、ロック位置で、指41が下流栓塞子1Aの延長部1024Aに平行であり、各指が反対側の延長部に面するように配置されている。
【0098】
様々な実施形態が上記で説明された計数および分配のための装置は、分配される物体を含むポット上に組み立てられる構成要素の形態を有することができる。次に、分配装置は、ポット、チューブなどの既存の容器にそれを適合させることを可能にする寸法を有する。容器への分配装置の取り付けは、溶接、接着、スナップ嵌めなどを含む任意の適切な手段によって実行される。
【0099】
あるいは、計数および分配装置は、例えば、要素の1つがポットと一体に製造されるように配置することによって、ポットを備えることができる。
【0100】
[ハウジング]
物体の分配の制御は、制御ユニットと、前記制御ユニットによって制御される少なくとも1つのアクチュエータとを含むハウジングによって提供され、ロックは、計数および分配のための装置がハウジングに挿入され、アクチュエータが制御ユニットからロック解除命令を受け取った後にのみ、アクチュエータによって作動できる。このような命令は、制御ユニットが1つまたは複数の物体を分配することを決定したときに介入する。この決定を実行するために、制御ユニットは、患者の身元、治療を受けるためにスケジュールされたプログラム(日付、時刻、一度に取られた物体の量など)などの治療に関連する基礎データとして使用する。
【0101】
分配装置およびハウジングは、一緒になって、治療的治療の用量の安全な分配器を形成する。
【0102】
図8および図9は、それぞれ、組み立て前および組み立て後の、分配装置(図3Cを参照して既に説明したものなど)を備えるハウジング6および容器3の斜視図である。
【0103】
好ましくは、分配装置およびハウジングは、分配器を手で運ぶことができるように、すなわち、ユーザが片手で輸送することができるように、十分にコンパクトで軽量である。
【0104】
制御ユニットは、典型的には、治療に関連するデータが記録されるメモリ、および/またはこのデータを有するリモートサーバに問い合わせるための手段と同様にプロセッサを備えている。有利なことに、制御ユニットは、このデータが(例えば、実務者によって)記録されるメモリと、必要に応じて、1つまたはそれ以上の物体の分配を承認する前に二重検証を実行できる、上記のデータにもアクセスできるサーバに問い合わせるための手段との両方を備えている。
【0105】
一実施形態によれば、アクチュエータは線形アクチュエータである。
【0106】
別の実施形態によれば、アクチュエータは、カムに結合された回転アクチュエータである。
【0107】
特に有利には、ハウジングは、特に、以下に説明する様々なセンサから選択される、制御ユニットに結合された1つまたは複数のセンサを含む。
【0108】
第1のセンサは、チャンバ内および/または第2の栓塞子の下流に位置する導管の一部内の物体の存在または通過を検出するのに適したセンサである。
【0109】
第2のセンサは、各栓塞子の開放構成または閉鎖構成を検出するのに適したセンサである。
【0110】
第3のセンサは、ロックの状態を検出するのに適したセンサである。
【0111】
前記センサは、有利には、位置または状態を決定することが望まれる要素が配置された特定の距離で、互いに向かい合って配置されたエミッタおよび受信機を含む光学フォークである。有利なことに、ハウジングは、一方では送信機と要素の側との間に配置され、他方では受信機と要素の反対側との間に配置された光ガイドを備えている。これらの光ガイドにより、すべてのセンサのハウジングの1つの場所にエミッタ/受信機を配置できるため、システムのコンパクトさが向上する。当然、当業者は、この使用に適した別の既知のセンサ技術を選択することができる。
【0112】
図7は、そのような光ガイドを含む実施形態を示す。ドラム102は、2つのオリフィス、すなわち、チャンバ101に開口するオリフィス1025、および栓塞子1Aの下流の分配導管100の一部に開口するオリフィス1026を備えることができる。光ガイド70は、チャンバ101内の物体の存在を検出することを可能にするように、光学センサ(図示せず)とオリフィス1025との間に配置されている。光ガイド71は、下流栓塞子を通る物体の通過を検出することができるように、光学センサ(図示せず)とオリフィス1026との間に配置されている。光ガイド72は、栓塞子1Aの構成(開いているか閉じているか)を決定できるように、各延長部1024Aに面して配置されている。最後に、光ガイド73が各ブレードの指に面して配置され、ロックの状態(格納またはロック)を決定することを可能にする。
【0113】
有利なことに、ハウジングは、制御ユニットに結合された患者を識別するための装置をさらに含み、制御ユニットは、患者が識別するための装置によって識別される場合にのみアクチュエータを作動させるように構成されている。識別するためのこの装置は、生体認証装置、および/または識別コードを入力するためのインターフェースを含むことができる。そのような装置は既知であり、したがって、本書では詳細に説明しない。
【0114】
特に有利には、分配器は、制御ユニットに結合された加速度計またはジャイロスコープを含む。制御ユニットは、前記加速度計またはジャイロスコープからの測定データから分配器の方向を特定し、物体の分配を可能にするために分配導管が実質的に垂直下向きに向けられている場合にのみアクチュエータを作動させるように構成されている。言い換えると、2つの栓塞子は垂直に配置する必要があり、第2の栓塞子は第1の栓塞子の下に配置する必要がある。これにより、第2の栓塞子が開いているときに分配装置に物体が入るのを防ぐことができる。
【0115】
一実施形態によれば、分配器は、温度センサと、前記センサからの測定データを保存するように構成されたメモリ(前述の制御ユニットのメモリであり得る)とを備えている。経時的な温度のこの記録は、薬物がそれを分解する可能性のある温度にさらされていないことを確認することを可能にし得る。コントロールユニットは、温度が所定の制限を超えた場合にアラームを発するように構成できる。
【0116】
分配器は、治療を受けるために予定されたプログラムを監視するためにプロセッサに送信される日付および時刻に関する情報を備えた時計をさらに備えることができる。
【0117】
一実施形態によれば、ハウジングは、制御ユニットに電力を供給するエネルギー源(ボタン電池または電池、有利には再充電可能)を備えている。したがって、分配器は自律的であり、ユーザが簡単に移動できる。
【0118】
特に好ましい実施形態によれば、ハウジングは、物体の分配中に支持体上に安定した方法で配置されるのに適した実質的に平坦なベース62を備えている。したがって、分配装置がハウジング内の所定の位置に一旦設置されると、ユーザは、固定要素に対して摺動させ、必要な数の物体を解放するために、片手(もう一方の手は自由のままであるか、ハウジングを維持するためだけに使用されている)を使用して、分配装置の可動要素(ここでは、容器3の上部36)に垂直方向の圧力を下向きに加えるだけでよい。分配装置の向きに照らして、物体は重力によってハウジング6の下部に落下し、トラップドア63を介してアクセス可能である。
【0119】
上記の様々なセンサ、加速度計またはジャイロスコープは、分配装置に統合することができるが、それらは、より好ましくは、ハウジングに統合されるであろう。
【0120】
したがって、分配装置は有利に廃棄することができる。つまり、すべての物体を空にすると、分解することはできず、その後、新たな物体で満たされる。分配器はプラスチック材料で成形された部品で形成されているため、特に安価でリサイクルが容易である。
【0121】
他方、比較的高価であり、潜在的にリサイクルが複雑であるプロセッサおよび制御ユニットの他の電子部品、アクチュエータ、様々なセンサ、識別のための装置、加速度計および/またはジャイロスコープを含むハウジング6は、再利用できる。
【0122】
[分配器の動作]
分配器は以下のように動作する。
【0123】
ユーザは、容器内にまとめて包装される分配装置および治療を形成する物体を含む容器3を取る。下流栓塞子は閉鎖構成にあり、ロックはロックされた位置にあり、それらが少なくとも部分的に分配導管を一緒に閉塞するようになっている。
【0124】
ユーザは、容器3をハウジング6に挿入する。
【0125】
この操作の終わりに、ロックの各ブレードは、ハウジング内に存在するそれぞれのアクチュエータに面している。
【0126】
制御ユニットのメモリに事前に記録された治療に関するデータに従って、制御ユニットは、その格納位置でロックを開くコマンドをトリガするかどうかを決定することができる。そのようなコマンドは、例えば、ユーザが上記のような識別のための装置によって正当に識別された場合、および時計によって示された時間が治療を受ける計画の予定された時間範囲内にある場合にトリガされ得る。それ以外の場合、たとえば、ユーザが識別のための装置によって認識されていない場合、または時計によって示された時間が治療に取り組むための計画でスケジュールされた範囲外である場合、制御ユニットはアクチュエータのコマンドをトリガしない。
【0127】
ユーザは、計数および分配するための装置の第2の要素にしっかりと接続されている容器3の上部を下向きに押し、次いでそれを解放する。これにより、栓塞子の動作シーケンスがトリガされ、ロックが格納位置にある場合に、1つまたは複数の物体の退出が可能になる。
【0128】
センサは、有利には、チャンバを出る物体の数を数えることを可能にする。
【0129】
配送される物体の数に達すると、制御ユニットはアクチュエータにコマンドを送信して、ロックをロック位置に戻す。
【0130】
その結果、ユーザが装置を再度操作しても、そこから追加の物体が出ることはない。

図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9