(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】接続アダプタ及びホーンアンテナ用測定装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/28 20060101AFI20230613BHJP
H01P 1/00 20060101ALI20230613BHJP
H01Q 13/02 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
H01Q1/28
H01P1/00 D
H01Q13/02
(21)【出願番号】P 2022570835
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(86)【国際出願番号】 JP2020048045
(87)【国際公開番号】W WO2022137364
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-04-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506097081
【氏名又は名称】株式会社QPS研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】上津原 正彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 大介
(72)【発明者】
【氏名】能美 仁
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-059156(JP,A)
【文献】特開2002-368561(JP,A)
【文献】国際公開第2017/221872(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/28
H01P 1/00
H01Q 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーンアンテナにつながる導波管部に接続される第1導波管を内部に有し、前記ホーンアンテナに対して着脱自在に嵌装され、前記第1導波管に連結される第2導波管を介して測定機器に接続され、前記ホーンアンテナから放射される電波を前記測定機器に閉鎖系で案内する、接続アダプタ。
【請求項2】
前記第1導波管の一端の断面形状は、前記ホーンアンテナの電波開口端の断面形状と同一であり、前記第1導波管の他端の断面形状は、前記第2導波管の断面形状と同一である、請求項1に記載の接続アダプタ。
【請求項3】
外面には、前記内部に向かって延びるチョーク部が形成される、請求項1又は2に記載の接続アダプタ。
【請求項4】
ホーンアンテナと、
前記ホーンアンテナから放射される電波を測定する測定機器と、
前記ホーンアンテナにつながる導波管部に接続される第1導波管を内部に有し、前記ホーンアンテナに対して着脱自在に嵌装され、前記第1導波管に連結される第2導波管を介して前記測定機器に接続され、前記ホーンアンテナから放射される電波を前記測定機器に閉鎖系で案内する接続アダプタと、
を具備する、ホーンアンテナ用測定装置。
【請求項5】
前記第1導波管の一端の断面形状は、前記ホーンアンテナの電波開口端の断面形状と同一であり、前記第1導波管の他端の断面形状は、前記第2導波管の断面形状と同一である、請求項4に記載のホーンアンテナ用測定装置。
【請求項6】
前記接続アダプタの外面には、前記内部に向かって延びるチョーク部が形成される、請求項4又は5に記載のホーンアンテナ用測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接続アダプタ及びホーンアンテナ用測定装置に関する。
【0002】
従来から、合成開口レーダを始めとする各種レーダ(アンテナ)が搭載される人工衛星等の宇宙航行体が知られている(特許文献1参照)。ここで、宇宙航行体に搭載されるアンテナ、とりわけホーンアンテナから放射される高周波の電波(及びその反射波)が、所望の特性(周波数)等を有しているかについて、事前に地上にて把握(測定又は試験)しておくことが必要となる。
【0003】
このような事前の地上測定又は地上試験は、無線局免許の規制、周囲の設備類との間のRF(Radio Frequency)干渉防止の規制等を考慮して実行される必要がある。そのため、従来は、
図1に示されるように、ホーンアンテナ100の系の性能を測定又は試験するためには、ホーンアンテナ100を取り外した上で、専用の測定系(測定用ユニット500、測定機器300、等)を別途接続することが通常必要となる。これにより、ホーンアンテナ100に電波を発振する送信器133と当該測定用ユニット500とを接続し、空気中(外部空間)への電波漏洩を抑制する策を別途講じたうえで地上測定又は地上試験が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば人工衛星においては、様々な構成要素(機器、部品等)が固定される打上げ直前にホーンアンテナを取り外すことは実質的に不可能であるため、打上げ直前におけるホーンアンテナの系の健全性を確認することができないという問題がある。
【0006】
そこで、様々な実施形態により、打上げ直前であっても、宇宙航行体に搭載されるホーンアンテナを取り外すことなく、かつ、外部空間への電波漏洩を抑制して、ホーンアンテナの系の性能を地上で測定することが可能な接続アダプタ及びホーンアンテナ用測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る接続アダプタは、ホーンアンテナにつながる導波管部に接続される第1導波管を内部に有し、前記ホーンアンテナに対して着脱自在に嵌装され、前記第1導波管に連結される第2導波管を介して測定機器に接続され、前記ホーンアンテナから放射される電波を前記測定機器に閉鎖系で案内する。
【0008】
また、一態様に係る前記接続アダプタにおいて、前記第1導波管の一端の断面形状は、前記ホーンアンテナの電波開口端の断面形状と同一であり、前記第1導波管の他端の断面形状は、前記第2導波管の断面形状と同一である。
【0009】
また、一態様に係る前記接続アダプタにおいて、外面には、前記内部に向かって延びるチョーク部が形成される。
【0010】
一態様に係るホーンアンテナ用測定装置は、ホーンアンテナと、前記ホーンアンテナから放射される電波を測定する測定機器と、前記ホーンアンテナにつながる導波管部に接続される第1導波管を内部に有し、前記ホーンアンテナに対して着脱自在に嵌装され、前記第1導波管に連結される第2導波管を介して前記測定機器に接続され、前記ホーンアンテナから放射される電波を前記測定機器に閉鎖系で案内する接続アダプタと、を具備する。
【0011】
また、一態様に係る前記ホーンアンテナ用測定装置において、前記第1導波管の一端の断面形状は、前記ホーンアンテナの電波開口端の断面形状と同一であり、前記第1導波管の他端の断面形状は、前記第2導波管の断面形状と同一である。
【0012】
また、一態様に係る前記ホーンアンテナ用測定装置において、前記接続アダプタの外面には、前記内部に向かって延びるチョーク部が形成される。
【発明の効果】
【0013】
様々な実施形態によれば、打上げ直前であっても、宇宙航行体に搭載されるホーンアンテナを取り外すことなく、かつ、外部空間への電波漏洩を抑制して、ホーンアンテナの系の性能を地上で測定することが可能な接続アダプタ及びホーンアンテナ用測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】測定用ユニットを用いる従来のホーンアンテナ用測定装置の構成の一例を模式的に示す概略図である。
【
図2】ホーンアンテナを搭載する小型SAR衛星の一例を模式的に示す概略図である。
【
図3】一実施形態に係るホーンアンテナ用測定装置の構成の一例を模式的に示す概略図である。
【
図4】一実施形態に係るホーンアンテナ用測定装置を構成する接続アダプタの構成の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図5】一実施形態に係るホーンアンテナ用測定装置を構成する接続アダプタの構成の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図6】
図6Aは、接続アダプタの変形例の構成を模式的に示す概略断面図である。
図6Bは、
図6Aにおける、一点破線で囲まれた領域を拡大して示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本開示の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要素には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
【0016】
また、本開示において用いられるように、「1つの」、「前記」、「上記」、「前述」、「該」、「当該」、「この」、「その」等といった単数形は、複数形でないことを明確に示さない限り、複数形を含むことができる。また、「含む」という用語は、「具備する」こと又は「備える」ことを意味し得る。
【0017】
1.一実施形態に係るホーンアンテナ用測定装置の構成、及び該装置を構成する各要素
一実施形態に係るホーンアンテナ用測定装置の全体構成、及びホーンアンテナ用測定装置1を構成する各要素の概要について、
図1乃至
図5を参照しつつ説明する。
図1は、測定用ユニット20を用いる従来のホーンアンテナ用測定装置1の構成の一例を模式的に示す概略図である。
図2は、ホーンアンテナ100を搭載する小型SAR衛星5の一例を模式的に示す概略図である。
図3は、一実施形態に係るホーンアンテナ用測定装置1の構成の一例を模式的に示す概略図である。
図4及び
図5は、一実施形態に係るホーンアンテナ用測定装置1を構成する接続アダプタ200の構成の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【0018】
ホーンアンテナ用測定装置1は、
図3に示すように、ホーンアンテナ100と、ホーンアンテナから放射される電波の特性を測定する測定機器300と、ホーンアンテナ100と測定機器300との間に配される接続アダプタ200と、を主に含む。以下、ホーンアンテナ用測定装置1を構成する各要素の詳細について説明する。
【0019】
1-1.ホーンアンテナ100及びホーンアンテナ100が搭載される宇宙航行体
ホーンアンテナ100は、一例として、宇宙航行体としての小型SAR(Synthetic Aperture Radar)衛星5に搭載される。このような小型SAR衛星5は、マイクロ波、ミリ波、又はサブミリ波帯域の電波を観測対象物に放射し、その観測対象物からの反射波を受信することで、観測対象物の観測、分析等を行うことができる。
【0020】
小型SAR衛星5は、
図2に示すように、宇宙空間における小型SAR衛星5の航行の制御、小型SAR衛星5の動作・姿勢の制御等を行う制御ユニット等の機器が搭載される本体部110と、宇宙空間において制御ユニット及び通信ユニットを含む様々な構成要素を駆動するための電力を供給する電源ユニット120と、宇宙空間に向けて電波を放射するとともに、宇宙空間から電波を受信するための通信ユニット130と、を主に含むことができる。
【0021】
本体部110は、不図示のコンピュータ、センサ、アクチュエータ、電源制御回路、バッテリ、通信制御回路等の様々な電子部品等を収容することができる。
【0022】
電源ユニット120は、例えば、不図示のバッテリ、充放電制御回路等を含むことができる。バッテリとしては、ソーラーパネル121を利用した太陽電池を一例として用いることができる。電源ユニット120は、本体部110及び通信ユニット130と接続されており、各々に対して電力を供給することができる。
【0023】
通信ユニット130は、主に、輻射器としてのホーンアンテナ100と、ホーンアンテナ100に対して所定の角度をもって対向するように配置され、ホーンアンテナ100から放射される電波を主リフレクタ132に反射するための副リフレクタ(副反射鏡)131と、副リフレクタ131により反射された電波をさらに反射して外部へ電波を放射する主反射鏡としての主リフレクタ132と、送信器133と、副リフレクタ131を支持するための支持ロッド135と、を含む。
【0024】
ホーンアンテナ100としては、副リフレクタ131に近づくにつれて次第に開口面積が拡がる略ラッパ形状(ホーン型の形状)の外形を有する、一般に知られるものを用いることができる。また、ホーンアンテナ100の内部の形状は、
図3に示すように、一例として、複数の段差が形成される形状を有するが、これに限定されない。例えば、
図3では副リフレクタ131をカセグレンアンテナの形状で記載しているが、グレゴリアンアンテナなどに変更してもよい。
【0025】
主リフレクタ132は、ハブ139、複数のリブ136、面状体137等を含む。主リフレクタ132は、主反射鏡として機能するために、その反射面がパラボラ(放物)形状に形成されている。
【0026】
ハブ139は、主リフレクタ132の中心部のアンテナ軸X上であって、本体部110の副リフレクタ131が配置される側に設けられる。ハブ139は、一例として、プラスチック等の誘電体、チタン・ステンレス等の金属材料により略円柱状に形成される。ハブ139は、中心軸Xを中心として、その外周面上に、複数のリブ136が所定の間隔で放射状に配設される。
【0027】
リブ136は、複数のリブを含む。各リブ136は、ハブ139を中心として所定の間隔でハブ139の外周にパラボラ形状(放射状)に配設される。また、各リブ136には面状体137が架設されて反射鏡面が形成されている。
【0028】
副リフレクタ131は、主リフレクタ132に対向して配置され、その下面側が、支持ロッド135によって支持されている。副リフレクタ131は、支持ロッド135によって、その中心軸Xの線上に配置される輻射器としてのホーンアンテナ100から所定距離だけ離隔して配置される。副リフレクタ131は、主リフレクタ132の面状体137と同様に、電波を反射可能な材料により、全体として主リフレクタ132の面に向かって二次曲面形状を有する。そして、副リフレクタ131は、ホーンアンテナ100から輻射された電波を主リフレクタ132に向けて反射する。
【0029】
支持ロッド135は、一端が副リフレクタ131に他端がジョイント138に接続される第1支持ロッド135pと、一端がジョイント138に接続され他端が本体部110接続される第2支持ロッド135qとを含む。
【0030】
送信器133は、不図示の発振器や増幅器等を含み、発振器で生成された所定の周波数帯域の周波数を有する電波を増幅器で増幅する。増幅された電波は、輻射器としてのホーンアンテナを介して副リフレクタ131で主リフレクタ132に向かって一旦反射された後、主リフレクタ132によって外部(例えば、宇宙空間)へ放射される。なお、外部から受信した反射波は、逆の経路を通じて、通信ユニット130に含まれる受信器で受信される。
【0031】
通信ユニット130は、8GHz以下の周波数帯域、8GHz~12GHz帯域(いわゆるXバンド帯域)、12GHz~18GHz(いわゆるKuバンド帯域)等のマイクロ波帯域、30GHz以上のミリ波帯域、300GHz以上のサブミリ波帯域等、適宜の周波数の電波を放射するべく調整することができる。
【0032】
また、通信ユニット130は、小型SAR衛星5から地上局(図示せず)へのデータ送信に用いられる追加の輻射器140を含むことができる。輻射器140は、ホーンアンテナ100と同様に、ホーン型のアンテナを用いることができ、一例として、12GHz~18GHz帯域の周波数帯域の通信に利用される。
【0033】
以上のとおり説明した小型SAR衛星5の構成は、あくまで一例であって、適宜に他の構成要素を付加してもよい。また、以上の通り説明した各構成要素の形状や個数等は、適宜に変更することができる。
【0034】
1-2.接続アダプタ200
接続アダプタ200は、
図3に示すように、内部に第1導波管201を有することで、ホーンアンテナ100から放射される電波を、第1導波管201に連結される第2導波管250を介して後述する測定機器300へと閉鎖系で(ホーンアンテナ100から放射される電波を、外部空間に漏洩させることなく)案内することができる。第1導波管201の一端の断面形状は、ホーンアンテナ100の電波開口端101(ホーンアンテナ100につながる導波管部260の電波開口端101)の断面形状と同一とされている。また、第1導波管201の他端の断面形状は、第2導波管250の断面形状と同一とされている。
【0035】
なお、電波を発振する送信器133からの電波が発振される電波開口端101の断面形状と、第2導波管250の断面形状とが異なる場合(例えば、電波開口端101の断面形状が円形であり、第2導波管250の断面形状が方形である場合)、接続アダプタ200における第1導波管201には(又は第1導波管201の近傍であって、例えば第2導波管250の上流側には)、導波管変換器(図示せず)を別途設けてもよい。
【0036】
接続アダプタ200は、
図3~
図5に示すように、一例として、ホーンアンテナ100の内壁の形状に対応する外面200aの形状を有する。つまり、ホーンアンテナ100の内壁が、
図3に示すように、一例として複数の段差形状を有する場合、接続アダプタ200は、当該段差形状に対応する段差形状の外面200aが形成される。これにより、接続アダプタ200は、ホーンアンテナ100の内壁の形状に沿って、実質的な隙間を形成することなく、ホーンアンテナ100の内壁に着脱自在に嵌装されうる。なお、接続アダプタ200がホーンアンテナ100に対して固定(嵌装)される限りにおいては、必ずしも接続アダプタ200の外面200aの形状の全てがホーンアンテナ100の内壁の形状に対応している必要はない。換言すれば、接続アダプタ200の外面200aの一部のみが、ホーンアンテナ100の内壁の形状に対応していてもよい。
【0037】
また、接続アダプタ200は、第2導波管250との接続のためのプレート部202を有することができる。プレート部202には、第2導波管250と接続アダプタ200とを固定するための接続部203が設けられており、接続部203を介して、第2導波管250と接続アダプタ200とを螺合することができる。
【0038】
接続アダプタ200は、例えば、アルミ等の金属材料から製造することができる。
【0039】
1-3.測定機器300
測定装置300は、ホーンアンテナ100から放射される電波の特性、具体的には電力、波形、位相、等について測定することができる。測定装置300の構成及び方法としては、周知のもの(例えば、ループバック試験)を用いることができる。測定装置300によって測定される様々な情報は、測定装置300の端子301に接続される同軸ケーブル(図示せず)を介して記録装置、計算装置(図示せず)等に伝送される。
【0040】
なお、測定装置300の下流側には、ホーンアンテナ100から放射される電波を減衰させる終端器400が接続されうる。
【0041】
測定機器300と前述の接続アダプタ200との間は、所定の長さの第2導波管250により接続されている。第2導波管250の形状は、直線状であってもよいし、
図3に示すように、例えば略L字に折れ曲がる曲がり形状のものであってもよい。
【0042】
以上のとおり各要素を有する一実施形態に係るホーンアンテナ用測定装置1は、接続アダプタ200を用いることにより、ホーンアンテナ100を取り外すことなく、ホーンアンテナ100から測定装置300までにおいて、外部空間への電波漏洩を抑制して、当該電波の特性を効率的に測定装置300にて測定することが可能となる。
【0043】
2.変形例
次に、接続アダプタ200の変形例について、
図6A及び
図6Bを参照しつつ説明する。
図6Aは、接続アダプタ200の変形例の構成を模式的に示す概略断面図である。
図6Bは、
図6Aにおける、一点破線で囲まれた領域を拡大して示す概略断面図である。
【0044】
ホーンアンテナ100から放射される電波の外部空間への漏洩をさらに効率的に抑制するために、変形例に係る接続アダプタ200においては、
図6Bに示すようにチョーク部205が形成される。チョーク部205は、
図6A及び
図6Bに示すように、接続アダプタ200のホーンアンテナ100に対向する外面200aにおいて形成され、接続アダプタ200の内部に向かって延びる切欠き形状を有する。
【0045】
これにより、接続アダプタ200とホーンアンテナ100の内壁との間に僅かな隙間Gが形成される場合であっても、その隙間を電波が進行する際にチョーク部205にて反射波を形成することで進行波を減衰することができる。これにより、外部空間への電波漏洩をさらに効率的に抑制することが可能となる。
【0046】
以上、前述の通り、様々な実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。また、前述のとおり説明したホーンアンテナ100は、観測対象物の観測、分析等に用いられる場合に限定されず、例えば、小型SAR衛星5からの撮像データ等のダウンリンク用に用いられてもよい。
【0047】
本明細書に記載されたすべての文献、特許出願、及び技術規格は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【符号の説明】
【0048】
1 ホーンアンテナ用測定装置
5 宇宙航行体(小型SAR衛星)
100 ホーンアンテナ
200 接続アダプタ
201 第1導波管
205 チョーク部
250 第2導波管
260 導波管部
300 測定機器