(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】バスケット
(51)【国際特許分類】
A45C 11/20 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
A45C11/20 Z
(21)【出願番号】P 2019054212
(22)【出願日】2019-03-22
【審査請求日】2022-03-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)展示日 2018年10月16日、17日 開催場所 2018年 菊屋(株)新生活・アウトドアフェア TRC東京流通センター(第二展示場2階Fホール)(2)展示日 2019年3月2日~3日 開催場所 アウトドアフェス 万博記念公園 東の広場・お祭り広場 (3)ウェブサイトの掲載日 2019年2月12日、16日、18日 https://www.instagram.com/iseto1969/?hl=ja 他 (4)展示日 2019年2月14日、15日 開催場所 2019年 菊屋(株) 春・夏リビングフェア TRC東京流通センター(第二展示場1階Eホール) (5)展示日 2019年3月7日、8日 開催場所 2019年 菊屋(株) 春・夏リビングフェア 博多スターレーン(2階ホール)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391043310
【氏名又は名称】株式会社伊勢藤
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-045523(JP,U)
【文献】特開平09-173125(JP,A)
【文献】特開平09-028466(JP,A)
【文献】実開昭61-147032(JP,U)
【文献】特開2012-246044(JP,A)
【文献】特開平09-154615(JP,A)
【文献】特開2017-074949(JP,A)
【文献】特開平07-204021(JP,A)
【文献】特開2013-081628(JP,A)
【文献】特開2011-036627(JP,A)
【文献】実開昭61-045860(JP,U)
【文献】実開昭50-013702(JP,U)
【文献】実開昭52-049701(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスケット本体と、
前記バスケット本体に対し取外し可能に取り付けられた蓋と、
を備え、
前記蓋は、
テーブル面を含む蓋体と、
前記蓋体に対し、前記蓋体を支える使用位置と収納位置とで切替え可能に取り付けられた複数の脚と、
を有し、
前記複数の脚の各々は、
前記蓋体の軸受けに対して回転可能に接続され、その回転軸が前記テーブル面に沿って延びる
一対の軸部と、
前記
一対の軸部
の各々に交差する方向に延び、前記脚が使用位置に切り替えられた状態で
前記蓋体の下面に沿うことで前記蓋体を支持する
一対の支持部と、
前記
一対の支持部
の各々につながり、
前記脚が使用位置に切り替えられた状態で下側に延びて前記蓋体を載置面上に支え、前記軸部の回転軸を中心に回転可能な
一対の脚柱部と、
前記一対の脚柱部の各々につながり、前記脚が使用位置に切り替えられた状態で載置面に載り、各々が一直線上に位置する一対の接地部と、
前記一対の接地部の間に位置し、前記脚が使用位置に切り替えられた状態で載置面から離れる凹部と、
を含み、
前記
複数の脚の各々が使用位置に切り替えられると前記蓋体を載置面上に支え
、前記複数の脚の各々が収納位置に切り替えられると、前記一対の支持部が前記蓋体の下端から下方向に突出し、前記一対の脚柱部が中央側に行くに従って上方向に行くように水平面に対して傾斜し、前記一対の接地部が前記蓋体の下面に沿い、かつ前記凹部が前記蓋体の下面から離れるように構成されている、
バスケット。
【請求項2】
前記収納位置にある前記脚は、前記蓋体に沿っており、
前記蓋体は、前記脚を前記収納位置に保つ保持部を有する、
請求項1記載のバスケット。
【請求項3】
前記バスケット本体の側壁は、
硬質部と、
前記硬質部に対して上下方向の少なくとも一方に接続され、前記硬質部よりも軟らかい軟質部と、
を有し、
前記側壁は、前記軟質部で折畳み可能に構成されている、
請求項1又は請求項2記載のバスケット。
【請求項4】
前記バスケット本体は、水抜き穴を有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のバスケット。
【請求項5】
吊下げ部材を通すための穴部を有する吊下げ部を更に備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載のバスケット。
【請求項6】
前記蓋体は、前記テーブル面から凹むカップホルダを有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載のバスケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスケットに関し、より詳細には、蓋を有するバスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来のバスケットが開示されている。この特許文献1に記載のバスケットは、容器本体と、蓋体と、容器本体内に収納されたテーブルと、を備える。特許文献1に記載のバスケットでは、容器本体にテーブルを収容した状態で運ぶことができるため、バスケットの中の飲食物を取り出す際に、直ちにテーブルを使用することができる。特許文献1に記載のバスケットによれば、バスケットとは別にテーブルを持ち運ぶ必要がないという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のバスケットでは、容器本体に飲食物を収納した後、テーブルを容器本体の中に収納することを忘れて、蓋体を取り付ける可能性がある。容器本体の中にテーブルを収納する構造では、容器本体に蓋体を取り付けた後、テーブルを収納し忘れていることを気付くことはできない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、バスケット本体と蓋との間にテーブルを収納しないものでありながらも、バスケットとは別にテーブルを持ち運ぶ必要がないようにできるバスケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一態様のバスケットは、バスケット本体と、前記バスケット本体に対し取外し可能に取り付けられた蓋と、を備える。前記蓋は、テーブル面を含む蓋体と、前記蓋体に対し、前記蓋体を支える使用位置と収納位置とで切替え可能に取り付けられた脚と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る上記態様のバスケットは、バスケット本体と蓋との間にテーブルを収納しないものでありながらも、バスケットとは別にテーブルを持ち運ぶ必要がないようにできる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るバスケットの斜視図である。
【
図2】
図2Aは、同上のバスケットにおいて、脚が収納位置にある蓋の断面図である。
図2Bは、同上のバスケットにおいて、脚が使用位置にある蓋の断面図である。
【
図3】
図3は、同上のバスケットにおいて、蓋をテーブルとして用いた状態の斜視図である。
【
図4】
図4は、同上のバスケット本体の断面図である。
【
図5】
図5は、同上のバスケット本体を折り畳んだ状態の断面図である。
【
図6】
図6は、同上のバスケットにおいて、折り畳んだ状態のバスケット本体に蓋を取り付けた断面図である。
【
図7】
図7Aは、同上のバスケットを吊り下げ部材によって吊下げた斜視図である。
図7Bは、同上のバスケットを吊り下げ部材によって吊下げた断面図である。
【
図8】
図8は、同上のバスケットにおいて、水が貯まった状態のバスケット本体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態
【0010】
以下、本実施形態に係るバスケット1について詳細に説明する。本実施形態に係るバスケット1は、例えば、弁当、パン及びドリンク8等の飲食物、ナフキン、コップ等の収納物を収納して、持ち運ぶためのかごである。収納物としては、飲食物及びナフキンのほか、例えば、電気機器、書籍、衣類、小動物等であってもよく、特に制限はない。
【0011】
本実施形態に係るバスケット1は、
図1に示すように、蓋3と、バスケット本体2と、一対の持ち手6と、を備える。以下では、蓋3の短辺に沿う方向を「前後方向」として定義し、蓋3の長辺に沿う方向を「左右方向」として定義する。ただし、これら方向の定義は、説明のために定義しているに過ぎず、蓋3の形状や、バスケット1の使用態様を限定する意図はない。
(1.1)蓋
【0012】
蓋3は、バスケット本体2に対して、取外し可能に取り付けられる。蓋3は、バスケット本体2に取り付けられると、バスケット本体2の開口面を覆う。本実施形態に係る蓋3は、
図2A,
図2Bに示すように、蓋体4と、複数(ここでは一対)の脚5と、一対のロック部43(
図1)と、を備える。
【0013】
蓋体4は、蓋3の主体をなす部分である。蓋体4は、
図2Aに示すように、天板部41と、側板部42と、を備える。天板部41は、水平面に沿って形成されている。本実施形態に係る天板部41は、平面視略矩形状の板体で構成されており、例えば、合成樹脂で形成されている。合成樹脂としては、例えば、PS(ポリスチレン)、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等が挙げられる。天板部41の上面は、
図3に示すように、テーブル面411と、複数(ここでは二つ)のカップホルダ412と、を含む。
【0014】
テーブル面411は、テーブルとして使用し得る面である。本実施形態に係るテーブル面411は、蓋体4の上面で構成されている。本実施形態に係るテーブル面411は、上方向に向いており、水平面に沿っている。
【0015】
カップホルダ412は、ドリンク8を置くための凹みである。本実施形態に係るカップホルダ412は、天板部41の角部に形成されており、より詳細には、四つの角部のうちの対角となる二つの角部に形成されている。各カップホルダ412は、平面視略円形状に形成されている。ここでいう「ドリンク8」とは、例えば、飲料水が入ったコップ、飲料水が入ったグラス、飲料水が入ったマグカップ、飲料水の缶等が挙げられる。
【0016】
カップホルダ412は、テーブル面411から凹んでおり、その底面がテーブル面411の下方に位置している。カップホルダ412の底面は、水平面に沿っている。カップホルダ412の内周面は、底面の外周全周にわたって形成されており、平面視においてカップホルダ412の中心から離れるに従って、上方向に行くように、底面に対して傾斜している。カップホルダ412の内周面は、カップホルダ412にドリンク8を置くと、ドリンク8の外周面に対向する。本実施形態では、底面と内周面との間の角が鈍角であるため、仮にカップホルダ412内にドリンク8の液体がこぼれても、容易に拭き掃除を行うことができる。
【0017】
側板部42は、蓋3の厚みを構成する部分であり、
図2Aに示すように、天板部41の外周端から下方向に突出している。側板部42は、天板の外周端の全周にわたって形成されている。本実施形態に係る蓋体4では、側板部42と天板部41とは一体である。
【0018】
脚5は、蓋体4に対し、収納位置(
図2A)と使用位置(
図2B)とで切替え可能に取り付けられている。本開示でいう「使用位置」とは、載置面上で蓋体4を支えることが可能な脚5の位置を意味する。「収納位置」とは、脚5を使用しないときに収納した状態の脚5の位置を意味する。また、本開示でいう「載置面」は、バスケット1を置く面を意味する。載置面は、例えば、床面、地面、カーペットの上面等が挙げられ、平面であるか否かは問わない。以下では、載置面は水平な平面であるとして説明するが、不陸を有する面や傾斜面であってもよい。
【0019】
本実施形態に係る脚5は、一の線材に対し、曲げ加工を施すことで形成されている。ただし、本開示に係る脚5は、一の線材で構成されたものに限らず、複数の材料を溶接で接合して構成されてもよい。また、脚5の材質は、線材(金属)の他に、合成樹脂、カーボン等の炭素繊維、木質材料等であってもよく、材質に制限はない。各脚5は、一対の軸部53と、支持部511と、一対の脚柱部51と、一対の接地部52(
図3)と、凹部521(
図3)と、を備える。
【0020】
軸部53は、蓋体4に対する脚5の接続部分である。軸部53は、前後方向に延びており、軸部53の中心軸は、前後方向に略平行である。軸部53は、蓋体4の下面に形成された軸受け413によって、回転可能に取り付けられている。軸部53の回転軸は、軸部53の中心軸と同じであり、要するに、脚5の回転軸は、軸部53の中心軸である。本実施形態に係る軸部53は、蓋体4において左右方向の端部に取り付けられている。
【0021】
支持部511は、脚5が使用位置に切り替えられた状態で、蓋体4の下面に当たる部分である。支持部511は、軸部53の中心軸に対して交差する方向に延びている。本実施形態に係る支持部511は、脚5が収納位置にあると、下方向に行くに従って左右方向の中央側に行くように、鉛直面に対して傾斜しており、支持部511の下端部は、蓋体4の下端よりも下方向に突出している。
【0022】
脚柱部51は、脚5が使用位置に切り替えられた状態で、載置面と蓋体4との距離を保つ部分である。脚柱部51は、支持部511に対して交差する方向に延びている。脚柱部51は、脚5が収納位置にあると、
図2Aに示すように、左右方向の中央側に行くに従って上方向に行くように、水平面に対して傾斜している。このとき、脚柱部51の上端部は、蓋体4の下端よりも上方に位置する。一方、脚柱部51は、脚5が使用位置にあると、
図2Bに示すように、下方向に行くに従って左右方向の外側に行くように、水平面に対して傾斜している。したがって、本実施形態に係る蓋3によれば、脚5を使用位置に切り替えた状態では、載置面上で安定して自立する。
【0023】
接地部52は、載置面に載る部分である。本実施形態に係る接地部52は、
図3に示すように、脚柱部51から前後方向に沿って延びている。一対の接地部52は、一直線上に位置している。接地部52は、脚5が収納位置にあると、
図2Aに示すように、蓋体4の下端よりも上方に位置する。要するに、接地部52は、脚5が収納位置にあると、蓋体4の厚み内に配置される。
【0024】
凹部521は、
図3に示すように、一対の接地部52の間に位置している。凹部521は、脚5が収納位置にあると、
図2Aに示すように、天板部41の裏面に形成された保持部414によって保持される。
【0025】
ここで、本実施形態に係る保持部414は、天板部41に形成されている。保持部414は、例えば、天板部41の一部を弾性変形させて凹部521を引掛けるスナップフィット構造、嵌合構造、閂によって凹部521を保持する構造等のような機械的な保持構造のほか、面ファスナー、磁力、粘着等を利用した保持構造によっても実現される。
【0026】
本実施形態に係る保持部414は、凹部521を保持することで、脚5を収納位置に保つが、本開示に係る保持部414は、凹部521を保持することに限らない。保持部414は、例えば、軸部53に対して力を加えることで、脚5を収納位置に保ってもよく、脚5の少なくとも一部に力を加えて、脚5を収納位置に保つことができればよい。また、保持部414は、天板部41になくてもよく、側板部42が有してもよい。
【0027】
脚5を収納位置に切り替えると、
図2Aに示すように、脚5は蓋体4に沿う。このため、バスケット本体2に収納物を収納した状態でも、脚5が邪魔にならないで、蓋3をバスケット本体2に取り付けることができる。一方、脚5を使用位置に切り替えると、
図3に示すように、蓋体4は脚5によって載置面上に支えられる。この状態にある蓋3では、テーブル面411に物を置いたり、ドリンク8をカップホルダ412に置いたりすることができ、要するに、テーブルとして使用することができる。したがって、本実施形態に係るバスケット1によれば、蓋3をテーブルとして使用することができるため、別途テーブルを持ち運ぶ必要がない。
【0028】
ロック部43は、蓋体4がバスケット本体2に取り付けられた状態を保つための部材である。本実施形態に係るロック部43は、蓋体4に対して回転可能に取り付けられている。ロック部43の回転軸は、蓋体4の上面のうち前後方向の縁に沿って延びている。本実施形態に係るロック部43は、バスケット本体2に対して引掛ける位置と、引掛けを解除する位置と、に切り替えることができる。
(1.2)バスケット本体
【0029】
バスケット本体2は、バスケット1の主体をなす。バスケット本体2は、
図4に示すように、内部に収納空間を有しており、収納空間に収納物を収めることができる。本実施形態に係るバスケット本体2は、上面に開口面を有しており、開口面を通して収納物の出し入れが行われる。本実施形態に係るバスケット本体2は、側壁21と、底壁25と、を備える。
【0030】
側壁21は、バスケット本体2の周囲の壁であり、底壁25の外周端から上方向に突出している。本実施形態に係る側壁21は、折畳み可能に構成されている。本実施形態に係る側壁21は、複数(ここでは二つ)の硬質部22と、軟質部23と、を備える。
【0031】
硬質部22は、一定以上の剛性を持つ部分である。本実施形態に係る硬質部22は、合成樹脂で構成されている。合成樹脂としては、例えば、PS(ポリスチレン)、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等が挙げられる。ただし、本開示でいう硬質部22は、合成樹脂に限らず、カーボン等の炭素繊維、木質材料、金属等であってもよく、材質に制限はない。なお、本開示でいう「硬質部22」は、「軟質部23」よりも硬いことを相対的な意味で用いているに過ぎず、絶対的な硬さを意味するものではない。バスケット本体2は、
図4に示すように、硬質部22として、下硬質部222と、上硬質部221と、を備える。
【0032】
下硬質部222は、軟質部23の下方に位置する部分であり、バスケット本体2の側壁21の下端部を構成する。本実施形態に係る下硬質部222は、筒状に形成されている。本実施形態に係る下硬質部222は、底壁25の外周端から上方向に突出している。本実施形態に係る下硬質部222は、射出成形や注型成形等の樹脂成形により、底壁25と一体に成形されている。
【0033】
上硬質部221は、バスケット本体2の開口面を形成する部材であり、バスケット本体2の上端部を構成する。上硬質部221は、筒状に形成されている。上硬質部221の内面は、平面視において、下硬質部222よりも大きく形成されている。これによって、
図5に示すように、バスケット本体2が折り畳まれると、下硬質部222は、上硬質部221の内側に配置される。本実施形態に係る上硬質部221の上下方向の長さは、下硬質部222の上下方向の長さと略同じである。
【0034】
軟質部23は、硬質部22よりも軟らかい部分である。軟質部23は、弾性変形可能な材質で構成されている。要するに軟質部23は可とう性を有する。本実施形態に係る軟質部23は、熱可塑性エラストマにより構成されているが、本開示に係る軟質部23は、熱可塑性エラストマに限らず、例えば、熱硬化性エラストマ、軟質樹脂、天然ゴム、金属、布等であってもよい。また、硬質部22と硬質部22とは同じ素材であってもよく、この場合、軟質部23の少なくとも一部の厚さを、硬質部22の厚さよりも薄くすればよい。
【0035】
軟質部23の下端部は、下硬質部222の上端部に接続されている。また、軟質部23の上端部は、上硬質部221の下端部に接続されている。軟質部23と下硬質部222との接続、及び軟質部23と上硬質部221との接続は、例えば、溶着、接着、二色成形等により実現される。
【0036】
バスケット本体2の側壁21は、硬質部22と軟質部23とを有しているため、
図5に示すように、折り畳むことができる。折り畳んだ状態のバスケット本体2は、折り畳んでいない状態のバスケット本体2よりも上下方向の長さ(高さ)が短い。バスケット本体2が折り畳まれると、下硬質部222は、上硬質部221の内側に位置する。
【0037】
ここで、
図6には、折り畳まれた状態の側壁21を持つバスケット本体2に対して、脚5が収納位置にある蓋3を取り付けた状態の断面図を示す。
図6に示すように、蓋3の脚5は、下硬質部222の内側に収まる。したがって、本実施形態に係るバスケット1によれば、バスケット本体2を折り畳んだ状態であっても、脚5を有する蓋3を取り付けることができる。この状態では、バスケット1は、
図7Aに示すように、扁平である。
【0038】
ここで、本実施形態に係るバスケット1は、
図7Aに示すように、吊下げ部24を有する。吊下げ部24は、折り畳まれた状態のバスケット1を吊り下げておく際に用いられる部分である。本実施形態に係る吊下げ部24は、側壁21のうちの硬質部22(上硬質部221)に取り付けられている。吊下げ部24と硬質部22とは一体に形成されているが、ねじ等の機械的結合、接着、溶着等によって、後付的に取り付けられてもよい。また、吊下げ部24は、蓋3の蓋体4の側板部42に設けられてもよい。吊下げ部24は、
図7Bに示すように、吊下げ部材7を通すための穴部241を有する。
【0039】
ここでいう「吊下げ部材7」は、バスケット1を吊り下げる際に用いられる部材を意味する。吊下げ部材7としては、例えば、紐、ロープ、ワイヤー、針金、フック等が挙げられる。例えば、穴部241に吊下げ部材7が通され、輪状にした上で、壁面に設けられた壁掛けに吊下げ部材7が吊るされることで、バスケット1を壁面に沿って収納しておくことができる。
【0040】
底壁25は、バスケット1を載置面に置いた状態で、載置面に対向する。本実施形態に係る底壁25は、バスケット本体2の下端部を構成する。バスケット本体2は、
図8に示すように、底壁25から下方向に突出する足253を有し、上げ底状に形成されている。これによって、底壁25と載置面との間に隙間が形成される。
【0041】
本実施形態に係るバスケット本体2は、
図8に示すように、水抜き穴251と、水抜き穴251を塞ぐ栓252と、を有する。水抜き穴251は、バスケット本体2に貯まった水を排出するための穴である。本実施形態に係る水抜き穴251は、底壁25の上面と下面とにわたって貫通する。ただし、本開示に係る水抜き穴251は、バスケット本体2の側壁21に形成されてもよい。この場合、水抜き穴251は、底壁25の上面に沿うように形成されることが好ましい。
【0042】
栓252は、水抜き穴251を開閉可能に塞ぐ。本実施形態に係る栓252は、水抜き穴251の上面を上から塞ぐ。なお、本開示に係る栓252は、水抜き穴251に対して下から塞いでもよい。本実施形態に係る栓252は、底壁25につながっているが、本開示では、底壁25と離れていてもよい。
【0043】
本実施形態に係るバスケット1によれば、例えば、ユーザは、水を貯めたバスケット本体2を用いて、皿等を洗うことができる。その後、水抜き穴251を利用して、バスケット本体2から水を排出することができる。
(1.3)持ち手
【0044】
持ち手6は、バスケット本体2を持ち運ぶ際に、ユーザが持つ部分である。本実施形態に係るバスケット1は、
図1に示すように、一対の持ち手6を備える。本実施形態に係る持ち手6は、バスケット本体2の側壁21に対して、回転可能に取り付けられている。持ち手6の回転軸は、前後方向に沿っており、左右方向の中央部分に位置する。持ち手6は、蓋体4の天板部41に対して、テーブル面411沿った位置(ここでは天板部41とのなす角が約0°)から起立する位置(ここでは天板部41とのなす角が約90°)まで回転し得る。したがって、本実施形態に係る持ち手6は、
図7に示すように、収納時において、天板部41の側板部42に対向させることができ、邪魔になりにくい。
(2)変形例
【0045】
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0046】
上記実施形態に係るバスケット1は、バスケット本体2に対して回転可能に取り付けられた一対の持ち手6を有していたが、本開示では、一対の持ち手6は、バスケット本体2に対して回転不能に取り付けられてもよい。また、持ち手6は、蓋体4に対して回転可能に取り付けられてもよい。さらに、本開示に係るバスケット1では、持ち手6として、肩掛けが可能なショルダーベルトを採用してもよい。
【0047】
上記実施形態に係るバスケット本体2は、折畳み可能に構成されたが、本開示に係るバスケット本体2は、折り畳みができない容器であってもよい。
【0048】
上記実施形態に係るバスケット本体2は、軟質部23の上下方向の両側に硬質部22を有したが、本開示に係るバスケット本体2では、硬質部22は、軟質部23の上下方向の上側にのみ接続されてもよい。また、軟質部23は、複数個所に設けられてもよい。
【0049】
上記実施形態に係るバスケット本体2は、合成樹脂によって形成されており、水を貯めることができたが、本開示に係るバスケット本体2は、籐等の植物繊維で編んだ容器であってもよい。
【0050】
上記実施形態に係るバスケット1では、一対の脚5が回転軸を中心に回転することで、使用位置と収納位置とで切り替えられたが、本開示に係る脚5は、例えば、テレスコピックパイプを利用して伸縮可能に構成されてもよいし、折り畳むことで収納位置に切り替えられてもよい。
【0051】
本開示にて、「略平行」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0052】
本開示において「前端部」及び「前端」などのように、「・・・端部」と「・・・端」とで区別した表現が用いられている。例えば、「前端部」とは、「前端」を含む一定の範囲を持つ部分を意味する。他の「・・・端部」を伴った表現についても同様である。
【0053】
本開示でいう「傾斜面」は、平面及び曲面のいずれをも含む。
(3)態様
【0054】
以上説明したように、第1の態様に係るバスケット1は、バスケット本体2と、バスケット本体2に対し取外し可能に取り付けられた蓋3と、を備える。蓋3は、テーブル面411を含む蓋体4と、蓋体4に対し、蓋体4を支える使用位置と収納位置とで切替え可能に取り付けられた脚5と、を有する。
【0055】
この態様によれば、蓋3をテーブルとして使用することができる。このため、ユーザは、別途テーブルを持ち運ぶ必要がない。
【0056】
第2の態様に係るバスケット1では、第1の態様において、収納位置にある脚5は、蓋体4に沿っている。蓋体4は、脚5を収納位置に保つ保持部414を有する。
【0057】
この態様によれば、蓋3として使用する際にも、脚5が邪魔になりにくい。
【0058】
第3の態様に係るバスケット1では、第1又は第2の態様において、バスケット本体2の側壁21は、硬質部22と、硬質部22に対して上下方向の少なくとも一方に接続され、硬質部22よりも軟らかい軟質部23と、を有する。側壁21は、軟質部23で折畳み可能に構成されている。
【0059】
この態様によれば、バスケット1を使用しないときには、折り畳んでおくことができ、収納性を高くすることができる。
【0060】
第4の態様に係るバスケット1では、第1~3のいずれか1つの態様において、バスケット本体2は、水抜き穴251を有する。
【0061】
この態様によれば、バスケット本体2の中に貯まった水を効果的に排出することができる。
【0062】
第5の態様に係るバスケット1では、第1~4のいずれか1つの態様において、吊下げ部材7を通すための穴部241を有する吊下げ部24を更に備える。
【0063】
この態様によれば、例えば、バスケット1を使用しないときに、バスケット1を吊るしておくことができる。
【0064】
第6の態様に係るバスケット1では、第1~5のいずれか1つの態様において、蓋体4は、テーブル面411から凹むカップホルダ412を有する。
【0065】
この態様によれば、蓋3をテーブルとして使用する際に、ドリンク8を安定して置くことができる。
【0066】
第2~第6の態様に係る構成については、バスケット1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 バスケット
2 バスケット本体
21 側壁
22 硬質部
23 軟質部
24 吊下げ部
241 穴部
251 水抜き穴
3 蓋
4 蓋体
411 テーブル面
412 カップホルダ
414 保持部
5 脚
7 吊下げ部材