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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】電線管カバーおよび熱源機
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20230614BHJP
   F24H 9/20 20220101ALI20230614BHJP
【FI】
F24H9/02 301Z
F24H9/20 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019136937
(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公開番号】P2021021511
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】興津 嘉人
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-032029(JP,A)
【文献】特開2004-274886(JP,A)
【文献】実公昭36-008361(JP,Y1)
【文献】実開昭54-133399(JP,U)
【文献】特開2016-171665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/02 - 9/20
H01B 17/56 - 19/04
H02G 3/08 - 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機の外装ケースに設けられた第1電線挿通孔を通じて前記外装ケースの外部から内部へ引き込まれた第1電線をカバーする電線管カバーであって、
前記第1電線を通す第1貫通孔を有し、前記外装ケースの内部に配置された底板と、
前記底板から下方に延びて前記第1電線挿通孔に挿通される第1支持部と、を備え、
前記第1貫通孔は、第1半径を有する第1円弧部と、前記第1半径よりも大きい第2半径を有する第2円弧部とを有し、
前記第1支持部は、前記第1円弧部の外周に沿って前記底板に接続され、前記第2円弧部の真下に第1切欠き部を有する、電線管カバー。
【請求項2】
前記第1支持部は、前記底板に接続された上端と、前記上端と対向する下端とを有し、
前記第1切欠き部は、前記第1支持部の前記上端から前記下端に亘って設けられている、請求項1に記載の電線管カバー。
【請求項3】
前記底板は、前記外装ケースに設けられた第2電線挿通孔を通じて前記外装ケースの外部から内部へ引き込まれた第2電線を通す第2貫通孔を有し、
前記底板から下方に延びて前記第2電線挿通孔に挿通される第2支持部をさらに備え、
前記第2貫通孔は、第3半径を有する第3円弧部と、前記第3半径よりも大きい第4半径を有する第4円弧部とを有し、
前記第2支持部は、前記第3円弧部の外周に沿って前記底板に接続され、前記第4円弧部の真下に第2切欠き部を有する、請求項1または請求項2に記載の電線管カバー。
【請求項4】
前記第2円弧部は前記第1貫通孔の前記第2貫通孔と向かい合う部分に設けられており、前記第1支持部は前記第1貫通孔の中心に対して前記第2円弧部の反対側に位置し、
前記第4円弧部は前記第2貫通孔の前記第1貫通孔と向かい合う部分に設けられており、前記第2支持部は前記第2貫通孔の中心に対して前記第4円弧部の反対側に位置する、請求項3に記載の電線管カバー。
【請求項5】
前記第1支持部は、
第1壁面と、
前記第1壁面に対向し、かつ前記第1円弧部から見て前記第1壁面の内周側に位置する第2壁面とを有し、
前記第2壁面は、前記底板から離れるにしたがって前記第1円弧部の外周側に位置するように傾斜する傾斜部を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電線管カバー。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電線管カバーと、
前記電線管カバーの前記第1支持部を挿通される前記第1電線挿通孔を有する外装ケースと、を備えた、熱源機。
【請求項7】
筒形状を有し、前記外装ケースの前記第1電線挿通孔に挿入された配線継手をさらに備え、
前記配線継手は、互いに対向する第1端部と第2端部とを有し、
前記電線管カバーの前記第1支持部は、前記第1端部から前記配線継手の内部に挿入されており、
前記第2端部から前記配線継手の内部に挿入されたブッシュ部材をさらに備え、
前記ブッシュ部材は、前記第1電線の挿入により前記電線管カバーの前記第1支持部に向かって変位する可動片を有する、請求項に記載の熱源機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線管カバーおよび熱源機に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼装置、給湯装置などの熱源機に用いられる電線管カバーは、たとえば特開2012-32029号公報(特許文献1参照)に開示されている。上記特許文献1には、電線管カバーとしてのスペース形成部材が開示されている。熱源機における外装ケースの底板には電線挿通孔が設けられている。この電線挿通孔を通して、外装ケースの外部から内部へ電線が引き込まれる。スペース形成部材は、外装ケースの内部に引き込まれた電線を外装ケース内で前方に引き出すように配置されている。スペース形成部材は、円筒形状の短管部を有し、短管部が電線挿通孔に挿入されることにより外装ケースに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-32029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、上記のとおり、スペース形成部材の短管部が電線挿通孔に挿入されている。このため電線挿通孔の通路面積は、短管部の断面積の分だけ縮小される。よって外装ケース内に引き込む電線の数が多くなると、電線挿通孔内において電線が窮屈となり、電線の施工が困難となる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電線の施工が容易な熱源機用電線カバーおよび熱源機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の電線管カバーは、熱源機の外装ケースに設けられた第1電線挿通孔を通じて外装ケースの外部から内部へ引き込まれた第1電線をカバーする。この電線管カバーは、底板と、第1支持部とを備えている。底板は、第1電線を通す第1貫通孔を有し、外装ケースの内部に配置されている。第1支持部は、底板から下方に延びて第1電線挿通孔に挿通されている。第1貫通孔は、第1半径を有する第1円弧部と、第1半径よりも大きい第2半径を有する第2円弧部とを有している。第1支持部は、第1円弧部の外周に沿って底板に接続され、第2円弧部の真下に第1切欠き部を有している。
【0007】
本発明の一の電線管カバーによれば、第1電線挿通孔に挿通される第1支持部は、第2円弧部の真下に第1切欠き部を有している。このため第1切欠き部によって第1電線を収容する空間に余裕が生じる。このため第1電線挿通孔内における電線の窮屈さが緩和され、電線の施工が容易となる。
【0008】
また第1貫通孔は、第1円弧部の第1半径よりも大きい第2半径を有する第2円弧部を有している。この第2円弧部により、第1貫通孔内で第1電線を収容する空間に余裕が生じる。このため第1貫通孔内における電線の窮屈さが緩和され、電線の施工が容易となる。
【0009】
上記一の電線管カバーにおいて、第1支持部は、底板に接続された上端と、上端と対向する下端とを有している。第1切欠き部は、第1支持部の上端から下端に亘って設けられている。
【0010】
この第1切欠き部によって第1支持部の上端から下端に亘って、第1電線を収容する空間に余裕が生じる。このため第1電線挿通孔内における電線の窮屈さが緩和され、電線の施工がさらに容易となる。
【0011】
上記一の電線管カバーにおいて、底板は、外装ケースに設けられた第2電線挿通孔を通じて外装ケースの外部から内部へ引き込まれた第2電線を通す第2貫通孔を有している。電線管カバーは、底板から下方に延びて第2電線挿通孔に挿通される第2支持部をさらに備えている。第2貫通孔は、第3半径を有する第3円弧部と、第3半径よりも大きい第4半径を有する第4円弧部とを有している。第2支持部は、第3円弧部の外周に沿って底板に接続され、第4円弧部の真下に第2切欠き部を有している。
【0012】
このように底板に第2貫通孔が設けられることにより、第1貫通孔と第2貫通孔とに分けて電線を配置することができる。このため第1貫通孔内における第1電線の窮屈さと、第2貫通孔内における第2電線の窮屈さとがさらに緩和され、第1電線および第2電線の施工が容易となる。
【0013】
また第2支持部は、第4円弧部の真下に第2切欠き部を有している。このため第2切欠き部によって第2支持部内で第2電線を収容する空間に余裕が生じる。よって第2支持部内における第2電線の窮屈さが緩和され、第2電線の施工が容易となる。
【0014】
また底板に設けられる第2貫通孔は、第3円弧部の第3半径よりも大きい第4半径を有する第4円弧部を有している。この第4円弧部により、第2貫通孔内における第2電線を収容する空間に余裕が生じる。このため第2貫通孔内における第2電線の窮屈さが緩和され、第2電線の施工が容易となる。
【0015】
上記一の電線管カバーにおいて、第2円弧部は第1貫通孔の前記第2貫通孔と向かい合う部分に設けられており、第1支持部は第1貫通孔の中心に対して第2円弧部の反対側に位置している。第4円弧部は第2貫通孔の第1貫通孔と向かい合う部分に設けられており、第2支持部は第2貫通孔の中心に対して第4円弧部の反対側に位置している。
【0016】
このように第1支持部が第1貫通孔の中心に対して第2円弧部の反対側に位置し、かつ第2支持部が第2貫通孔の中心に対して第4円弧部の反対側に位置している。このため第1支持部が第1電線挿通孔に挿通され、かつ第2支持部が21電線挿通孔に挿通された状態において、電線管カバーは外装ケースから外れにくくなる。
【0017】
上記一の電線管カバーにおいて、第1支持部は、第1壁面と、第1壁面に対向しかつ第1円弧部から見て第1壁面の内周側に位置する第2壁面とを有している。第2壁面は、底板から離れるにしたがって第1円弧部の外周側に位置するように傾斜する傾斜部を有している。
【0018】
上記傾斜部により第1支持部の内径は第1支持部の下端に近付くほど広くなる。このため第1電線を収容する空間に余裕が生じ、第1電線の窮屈さが緩和され、第1電線の施工が容易となる。
【0019】
また傾斜部により第1支持部の内径が第1支持部の下端に向かうほど広くなるため、第1電線を第1支持部にスムーズに引き込むことが可能となる。これにより第1電線を第1支持部に挿入する作業がさらに容易となる。
【0020】
本発明の他の電線管カバーは、熱源機の外装ケースに設けられた第1電線挿通孔を通じて外装ケースの外部から内部へ引き込まれた第1電線をカバーする。この電線管カバーは、底板と、第1支持部とを備えている。底板は、第1電線を通す第1貫通孔を有し、外装ケースの内部に配置されている。第1支持部は、底板から下方に延びて第1電線挿通孔に挿通されている。第1支持部は、第1壁面と、第1壁面に対向しかつ第1貫通孔から見て第1壁面の内周側に位置する第2壁面とを有している。第2壁面は、底板から離れるにしたがって第1貫通孔の外周側に位置するように傾斜する傾斜部を有している。
【0021】
本発明の他の電線管カバーによれば、上記傾斜部により第1支持部の内径は第1支持部の下端に近付くほど広くなる。このため第1電線を収容する空間に余裕が生じ、第1電線の窮屈さが緩和され、第1電線の施工が容易となる。
【0022】
また傾斜部により第1支持部の内径が第1支持部の下端に向かうほど広くなるため、第1電線を第1支持部にスムーズに引き込むことが可能となる。これにより第1電線を第1支持部に挿入する作業がさらに容易となる。
【0023】
本発明の熱源機は、上記のいずれかの電線管カバーと、その電線管カバーの第1支持部を挿通される第1電線挿通孔を有する外装ケースとを備えている。
【0024】
本発明の熱源機によれば、電線の施工が容易な熱源機を実現することができる。
上記熱源機は、配線継手と、ブッシュ部材とをさらに備えている。配線継手は、筒形状を有し、外装ケースの第1電線挿通孔に挿入されている。配線継手は、互いに対向する第1端部と第2端部とを有している。電線管カバーの第1支持部は、第1端部から配線継手の内部に挿入されている。ブッシュ部材は、第2端部から配線継手の内部に挿入されている。ブッシュ部材は、第1電線の挿入により電線管カバーの第1支持部に向かって変位する可動片を有している。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば、電線の施工が容易な電線管カバーおよび熱源機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施の形態における熱源機の構成を示す正面図である。
図2図1の熱源機に用いられる電線管カバー、配線継手、ブッシュ部材などの構成を示す分解斜視図である。
図3図1の熱源機に用いられる電線管カバーの構成を後上方から示す斜視図である。
図4図1の熱源機に用いられる電線管カバーの構成を前下方から示す斜視図である。
図5図1の熱源機に用いられる電線管カバーの構成を示す下面図である。
図6図1の熱源機に用いられる電線管カバーの構成を示す図5のVI-VI線に沿う断面図である。
図7】比較例1の電線管カバーと配線継手との断面図である。
図8図1の熱源機に用いられる電線管カバーと配線継手との断面図である。
図9】比較例2の電線管カバーにおいてブッシュ部材の可動片が変位した状態を示す断面図である。
図10図1の熱源機に用いられる電線管カバーにおいてブッシュ部材の可動片が変位した状態を示す断面図である。
図11】電線管カバーの変形例を示す図(A)~(D)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、明細書および図面において、同一の構成要素または対応する構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。また、図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。また各実施の形態と各変形例との少なくとも一部は、互いに任意に組み合わされてもよい。
【0028】
<熱源機の構成>
まず本発明の一実施の形態に係る熱源機の一例として給湯装置の構成について図1および図2を用いて説明する。
【0029】
ただし熱源機は、給湯装置に限定されず、たとえば温水装置、暖房装置、温水暖房付きふろ給湯装置などであってもよい。また熱源機は、燃料ガスを燃焼させる方式であってもよく、石油を燃焼させる方式であってもよい。また熱源機は、貯湯式であってもよく、また瞬間式であってもよい。
【0030】
図1に示されるように、給湯装置10は、電線管カバー1と、配線継手2と、ブッシュ部材3と、外装ケース11と、送風機12と、燃焼装置13と、熱交換器14と、排気ボックス15とを主に有している。
【0031】
外装ケース11の内部に、送風機12、燃焼装置13、熱交換器14、および排気ボックス15が配置されている。送風機12は、空気を外装ケース11の外部から取り込んで燃焼装置13に供給するためのものである。送風機12の上方には燃焼装置13が配置されている。
【0032】
燃焼装置13は、燃料ガスと空気との混合ガスを燃焼することにより加熱用気体としての燃焼ガスを発生するためのものである。燃焼装置13の上方には熱交換器14が配置されている。
【0033】
熱交換器14は、燃焼装置13で生じた燃焼ガスと熱交換器14の内部の水との間で熱交換を行うためのものである。熱交換器14は、たとえば1次熱交換器と、2次熱交換器とを有している。1次熱交換器は、燃焼装置13にて生じた燃焼ガスの顕熱を回収するための顕熱回収型の熱交換器である。2次熱交換器は、燃焼装置13にて生じた燃焼ガスの潜熱を回収するための潜熱回収型の熱交換器である。
【0034】
熱交換器14の上方に排気ボックス15が配置されている。熱交換器14にて熱交換された後の燃焼ガスは、排気ボックス15を通じて外装ケース11の外部へ排出される。
【0035】
外装ケース11は、天板11tと、底板11bと、1対の側板11sa、11sbと、前板11fと、後板(図示せず)とを有している。天板11t、底板11b、1対の側板11sa、11sb、前板11fおよび後板の各々は外装ケース11の壁部を構成している。
【0036】
天板11t、底板11bおよび1対の側板11sa、11sbは、枠を構成するように配置されている。後板は、天板11t、底板11bおよび1対の側板11sa、11sbにより構成された枠の一端(後端)を閉じるように、天板11t、底板11bおよび1対の側板11sa、11sbの各々に接続されている。
【0037】
前板11fは、天板11t、底板11bおよび1対の側板11sa、11sbにより構成された枠の他端(前端)を閉じるように、天板11t、底板11bおよび1対の側板11sa、11sbの各々に接続可能である。前板11fは、天板11t、底板11bおよび1対の側板11sa、11sbにより構成された枠の他端(前端)に着脱可能である。
【0038】
天板11tと底板11bとは互いに対向している。1対の側板11sa、11sb同士は互いに対向している。前板11fと後板とは互いに対向している。天板11tと、底板11bと、1対の側板11sa、11sbと、前板11fと、後板とにより囲まれた空間は、外装ケース11の内部空間を構成している。
【0039】
本明細書において外装ケース11の内部とは、外装ケース11の上記内部空間のことを意味する。また本明細書において外装ケース11の外部とは、上記内部空間と天板11t、底板11b、1対の側板11sa、11sbと、前板11fと、後板の各々を隔てた外装ケース11の外側の空間を意味する。
【0040】
熱源機10は、制御板21と、端子板22と、コントローラケース23とをさらに有している。外装ケース11の内部には、電線管カバー1、配線継手2、制御板21、端子板22およびコントローラケース23が配置されている。
【0041】
外装ケース11の前板11fには、開口11faが設けられている。開口11faは、前板11fを貫通している。開口11faを介在して外装ケース11の内部は外装ケース11の外部に通じている。開口11faは、電線管カバー1の前方に位置している。
【0042】
蓋11fbは、前板11fに着脱可能である。蓋11fbは、前板11fに取り付けることにより、開口11faを閉じることができる。
【0043】
図2に示されるように、外装ケース11の底板11bには、第1電線挿通孔11baと、第2電線挿通孔11bbとが設けられている。第1電線挿通孔11baおよび第2電線挿通孔11bbの各々は、底板11bを貫通している。第1電線挿通孔11baおよび第2電線挿通孔11bbの各々を介在して外装ケース11の内部は外装ケース11の外部に通じている。第1電線挿通孔11baおよび第2電線挿通孔11bbの各々は、下面視において、たとえば真円形状を有している。
【0044】
本明細書において下面視とは、底板11bの下面に対して直交する方向から底板11bを見る視点を意味する。
【0045】
第1電線挿通孔11baおよび第2電線挿通孔11bbの各々には、配線継手2が挿入されている。配線継手2は、筒状部2aと、フランジ部2bとを有している。筒状部2aおよびフランジ部2bはたとえば樹脂により一体的に形成されている。
【0046】
筒状部2aは、たとえば円筒形状を有している。筒状部2aは、互いに対向する第1端部2a1と第2端部2a2とを有している。
【0047】
筒状部2aは、第1電線挿通孔11baおよび第2電線挿通孔11bbの各々の径よりも小さい外径を有している。このため筒状部2aは、第1電線挿通孔11baおよび第2電線挿通孔11bbの各々に挿入可能である。
【0048】
フランジ部2bは、筒状部2aの第1端部2a1付近に接続されている。フランジ部2bは、筒状部2aの外周面から外周側へ張り出している。フランジ部2bは、たとえば円環形状を有している。
【0049】
フランジ部2bは、第1電線挿通孔11baおよび第2電線挿通孔11bbの各々の径よりも大きい外径を有している。このためフランジ部2bは、第1電線挿通孔11baおよび第2電線挿通孔11bbの各々の内部を通過することはできない。
【0050】
配線継手2の筒状部2aは、外装ケース11の内部から第1電線挿通孔11baまたは第2電線挿通孔11bbに挿入されている。このため配線継手2が外装ケース11に取り付けられた状態において、筒状部2aの第2端部2a2は外装ケース11の外部に位置している。
【0051】
また配線継手2が外装ケース11に取り付けられた状態において、配線継手2のフランジ部2bは外装ケース11の内部に位置している。フランジ部2bは外装ケース11の底板11bに接している。
【0052】
ブッシュ部材3は、筒状部3aと、複数の可動片3bと、フランジ部3cとを有している。筒状部3a、複数の可動片3bおよびフランジ部3cは、たとえばゴムにより一体に形成されている。
【0053】
筒状部3aは、たとえば円筒形状を有している。筒状部3aは、互いに対向する第1端部3a1と第2端部3a2とを有している。筒状部3aは、配線継手2における筒状部2aの内径よりも小さい外径を有している。このためブッシュ部材3の筒状部3aは、配線継手2の筒状部2a内に挿入可能である。
【0054】
複数の可動片3bは、たとえば4つの可動片3bである。複数の可動片3bの各々は、筒状部3aの第1端部3a1に接続されている。複数の可動片3bの各々は、筒状部3aの内周面から内周側に延びている。たとえば4つの可動片3bは、筒状部3aの第1端部3a1を閉塞する膜に十字の切り込みを入れることにより形成されている。
【0055】
複数の可動片3bの各々は、可動片3bの先端が上下方向に変位するように構成されている。具体的には複数の可動片3bの各々の外周端が筒状部3aの第1端部3a1に接続され、複数の可動片3bの各々の内周端(先端)が上下方向に変位する。
【0056】
フランジ部3cは筒状部3aの第2端部2a2に接続されている。フランジ部3cは、筒状部3aの外周面から外周側へ張り出している。フランジ部3cは、たとえば円環形状を有している。
【0057】
フランジ部3cは、配線継手2における筒状部2aの内径よりも大きい外径を有している。このためフランジ部2bは、配線継手2における筒状部2aの内部を通過することはできない。
【0058】
ブッシュ部材3は、配線継手2の第2端部2a2からブッシュ部材3の筒状部2a内に挿入されている。ブッシュ部材3が配線継手2の筒状部2a内に挿入された状態で、ブッシュ部材3の筒状部3aおよび可動片3bは配線継手2の筒状部2a内に位置している。ブッシュ部材3が配線継手2の筒状部2a内に挿入された状態で、ブッシュ部材3のフランジ部3cは配線継手2の筒状部2a外に位置している。この状態で、フランジ部3cは配線継手2の筒状部2aの第2端部2a2に接している。
【0059】
電線管カバー1は、第1電線挿通孔11baおよび第2電線挿通孔11bbの各々を通じて外装ケース11の外部から内部へ引き込まれた電線(第1電線31、第2電線32:図1)をカバーするためのものである。
【0060】
電線管カバー1の第1支持部1aおよび第2支持部1bの各々は、配線継手2における筒状部2aの第1端部2a1から筒状部2a内に挿入されている。これにより電線管カバー1は、熱源機10に取り付けられている。
【0061】
<電線管カバーの構成>
次に、本実施の形態における給湯装置10に用いられる電線管カバー1の構成について図2図6を用いて説明する。
【0062】
図2に示されるように、電線管カバー1は、第1支持部1aと、第2支持部1bと、底板1cと、電線カバー部1dと、電線係止部1fとを主に有している。第1支持部1a、第2支持部1b、底板1c、電線カバー部1dおよび電線係止部1fは、たとえば樹脂により一体に形成されている。
【0063】
電線管カバー1の底板1cは、外装ケース11の内部に配置されている。底板1cには、第1貫通孔1caおよび第2貫通孔1cbが設けられている。第1貫通孔1caおよび第2貫通孔1cbの各々は、底板1cを貫通している。第1貫通孔1caは、たとえば第1電線31(図1)を挿通するためのものである。第2貫通孔1cbは、たとえば第2電線32(図1)を挿通するためのものである。
【0064】
第1支持部1aおよび第2支持部1bの各々は、底板1cから下方に延びている。第1支持部1aおよび第2支持部1bの各々は、たとえば円筒形状を有している。第1支持部1aは、第1切欠き部CR1(図5)を有している。第2支持部1bは、第2切欠き部CR2(図5)を有している。
【0065】
電線カバー部1dは、外装ケース11の内部に引き込まれた第1電線31および第2電線32をカバーするとともに、前方へ引き出すためのものである。電線カバー部1dは、底板1cに接続されている。電線カバー部1dは、底板1cの上方を覆っている。特に電線カバー部1dは、第1貫通孔1caおよび第2貫通孔1cbの各々の真上を覆っている。
【0066】
図3に示されるように、電線係止部1fは、電線係止部1fと電線カバー部1dとの間で電線を係止するためのものである。電線係止部1fは、電線カバー部1dの後ろ側に配置されている。電線係止部1fのたとえば下端が電線カバー部1dの後面に接続されている。電線係止部1fのたとえば上端は、自由端となっている。
【0067】
図4に示されるように、第1支持部1aは、底板1cに接続された上端1a1と、上端1a1と対向する下端1a2とを有している。第1支持部1aに設けられる第1切欠き部CR1は、第1支持部1aの上端1a1から下端1a2に亘って設けられている。
【0068】
第2支持部1bは、底板1cに接続された上端1b1と、上端1b1と対向する下端1b2とを有している。第2支持部1bに設けられる第2切欠き部CR2は、第2支持部1bの上端1b1から下端1b2に亘って設けられている。
【0069】
図5に示されるように、第1貫通孔1caは、第1円弧部CA1と、第2円弧部CA2と、2つの第1接続部CA3とを有している。第1円弧部CA1および第2円弧部CA2の各々は、下面視において円弧形状を有している。第1円弧部CA1の中心角は、たとえば約180°である。第2円弧部CA2の中心角は、第1円弧部CA1の中心角よりも小さく、たとえば180°未満である。ただし第2円弧部CA2の中心角は180°であってもよい。
【0070】
また第2円弧部CA2の中心角は、第1円弧部CA1の中心角と同じであってもよく、また第1円弧部CA1の中心角よりも大きくてもよい。
【0071】
2つの第1接続部CA3の各々は、第1円弧部CA1と第2円弧部CA2との間を繋いでいる。2つの第1接続部CA3の各々は、下面視においてたとえば直線形状を有している。2つの第1接続部CA3の各々は、下面視においてたとえば第1円弧部CA1の接線方向に延びている。
【0072】
下面視において第1円弧部CA1の中心Cと第2円弧部CA2の中心Cとは同じ位置にある。第1円弧部CA1は、第1半径DAを有している。第2円弧部CA2は、第2半径DBを有している。第2半径DBは、第1半径DAよりも大きい。
【0073】
第2円弧部CA2の第2半径DBは、第1支持部1aの外周面の半径DE以上である。第2円弧部CA2の第2半径DBは、第1支持部1aの外周面の半径DEと同じであってもよい。
【0074】
第1支持部1aは、第1円弧部CA1の外周に沿って底板1cに接続されている。第1支持部1aは、下面視において第1貫通孔1caと重畳していない。第1支持部1aに設けられた第1切欠き部CR1は、第2円弧部CA2の真下に位置している。この第1切欠き部CR1により、第1支持部1aは円周方向に第1端部1abと第2端部1acとを有している。つまり第1端部1abと第2端部1acとの間の第1支持部1aが設けられていない領域が第1切欠き部CR1となる。
【0075】
第2貫通孔1cbは、第3円弧部CB1と、第4円弧部CB2と、2つの第2接続部CB3とを有している。第3円弧部CB1および第4円弧部CB2の各々は、下面視において円弧形状を有している。第3円弧部CB1の中心角は、たとえば約180°である。第4円弧部CB2の中心角は、第3円弧部CB1の中心角よりも小さく、たとえば180°未満である。ただし第4円弧部CB2の中心角は180°であってもよい。
【0076】
また第4円弧部CB2の中心角は、第3円弧部CB1の中心角と同じであってもよく、また第3円弧部CB1の中心角よりも大きくてもよい。
【0077】
2つの第2接続部CB3の各々は、第3円弧部CB1と第4円弧部CB2との間を繋いでいる。2つの第2接続部CB3の各々は、下面視においてたとえば直線形状を有している。2つの第2接続部CB3の各々は、下面視においてたとえば第3円弧部CB1の接線方向に延びている。
【0078】
下面視において第3円弧部CB1の中心Cと第4円弧部CB2の中心Cとは同じ位置にある。第3円弧部CB1は、第3半径DCを有している。第4円弧部CB2は、第4半径DDを有している。第4半径DDは、第3半径DCよりも大きい。
【0079】
第4円弧部CB2の第4半径DDは、第2支持部1bの外周面の半径DF以上である。第4円弧部CB2の第4半径DDは、第2支持部1bの外周面の半径DFと同じであってもよい。
【0080】
第2支持部1bは、第3円弧部CB1の外周に沿って底板1cに接続されている。第2支持部1bは、下面視において第2貫通孔1cbと重畳していない。第2支持部1bに設けられた第2切欠き部CR2は、第4円弧部CB2の真下に位置している。この第2切欠き部CR2により、第2支持部1bは円周方向に第1端部1bbと第2端部1bcとを有している。つまり第1端部1bbと第2端部1bcとの間の第2支持部1bが設けられていない領域が第2切欠き部CR2となる。
【0081】
第1貫通孔1caの第2円弧部CA2は、下面視において第1貫通孔1caの第2貫通孔1cbと向かい合う部分に設けられている。第1貫通孔1caの第1円弧部CA1は、下面視において第1貫通孔1caの中心Cに対して第2円弧部CA2および第2貫通孔1cbの反対側に位置している。第1支持部1aは、下面視において、第1貫通孔1caの中心Cに対して第2円弧部CA2および第2貫通孔1cbの反対側に位置する部分を有している。
【0082】
第2貫通孔1cbの第4円弧部CB2は、下面視において第2貫通孔1cbの第1貫通孔1caと向かい合う部分に設けられている。第2貫通孔1cbの第3円弧部CB1は、下面視において第2貫通孔1cbの中心Cに対して第4円弧部CB2および第1貫通孔1caの反対側に位置している。第2支持部1bは、下面視において、第2貫通孔1cbの中心Cに対して第4円弧部CB2および第1貫通孔1caの反対側に位置する部分を有している。
【0083】
図6に示されるように、第1支持部1aは、外周面(第1壁面)1saと、内周面(第2壁面)1sbとを有している。外周面1saと内周面1sbとは互いに対向している。内周面1sbは、第1円弧部CA1(図5)から見て外周面1saの内周側に位置している。
【0084】
内周面1sbは、底板1cに設けられた第1貫通孔1caの周壁面と連続した面を構成している。内周面1sbは、傾斜部1aaを有している。傾斜部1aaは、底板1cから離れるにしたがって第1円弧部CA1の外周側に位置するように傾斜している。傾斜部1aaは、第1支持部1aの下端1a2に達している。
【0085】
傾斜部1aaは、下端1a2から上端1a1には達していない。ただし傾斜部1aaは上端1a1に達していてもよい。つまり傾斜部1aaは、第1支持部1aの上端1a1から下端1a2に亘って、第1支持部1aの内周面における上下方向の全体に配置されていてもよい。
【0086】
また傾斜部1aaは、図5に示されるように第1支持部1aの円周方向の全周に亘って配置されている。ただし傾斜部1aaは、第1支持部1aの円周方向の一部のみに配置されていてもよい。
【0087】
また第2支持部1bの内周面も、上記の傾斜部1aaと同様の傾斜部1baを有していてもよい。
【0088】
<第1電線および第2電線の引き回し>
次に、本実施の形態における熱源機での第1電線31および第2電線32の引き回しについて図1および図2を用いて説明する。
【0089】
図1に示されるように、第1電線31は、第1電線挿通孔11ba(図2)を通じて外装ケース11の外部から内部に引き込まれる。具体的にはブッシュ部材3の筒状部3a、配線継手2の筒状部2aおよび電線管カバー1の第1支持部1aの各々の内部を通じて外装ケース11の内部に引き込まれる。なお第1電線31は、1本の電線であってもよく、また複数本の電線であってもよい。
【0090】
第2電線32は、第2電線挿通孔11bb(図2)を通じて外装ケース11の外部から内部に引き込まれる。具体的にはブッシュ部材3の筒状部3a、配線継手2の筒状部2aおよび電線管カバー1の第2支持部1bの各々の内部を通じて外装ケース11の内部に引き込まれる。なお第2電線32は、1本の電線であってもよく、また複数本の電線であってもよい。
【0091】
図2に示されるように、外装ケース11の内部に引き込まれた第1電線31および第2電線32の各々は、電線管カバー1の電線カバー部1dに誘導されることにより外装ケース11の前方に引き出される。これにより前方に引き出された第1電線31および第2電線32の各々は、図1に示される前板11fの開口11faを通じて、外装ケース11内で引き回すことが容易となる。
【0092】
図1に示されるように、第1電線31および第2電線32の各々は、たとえば制御板21の端子に接続される。また第1電線31および第2電線32の各々は、端子板22の端子に接続されてもよい。
【0093】
<本実施の形態の効果>
次に、本実施の形態の効果について、図7に示す比較例1および図9に示す比較例2と対比して説明する。
【0094】
図7に示されるように、比較例1においては電線管カバー1の第1支持部1aに切欠き部が設けられていない。また比較例1においては、第1支持部1aの内周形状と底板1cに設けられる第1貫通孔1caとは下面視において真円形状を有している。この比較例1では、第1支持部1a内において第1電線31を通す領域の面積は下面視において真円形状の面積だけである。
【0095】
これに対して本実施の形態によれば図8に示されるように、第1支持部1aは、第2円弧部CA2の真下に第1切欠き部CR1(破線で囲む領域)を有している。このため第1切欠き部CR1によって第1支持部1a内で第1電線31を収容する空間に余裕が生じる。よって第1支持部1a内における第1電線31の窮屈さが緩和され、第1電線31の施工が容易となる。
【0096】
また図8に示されるように、底板1cに設けられる第1貫通孔1caは、第1円弧部CA1の第1半径DAよりも大きい第2半径DBを有する第2円弧部CA2を有している。この第2円弧部CA2により、第1貫通孔1ca内で第1電線31を収容する空間に余裕が生じる。このため第1貫通孔1ca内における第1電線31の窮屈さが緩和され、第1電線31の施工が容易となる。
【0097】
また本実施の形態によれば図4に示されるように、第1支持部1aに設けられた第1切欠き部CR1は、第1支持部1aの上端1a1から下端1a2に亘って設けられている。この第1切欠き部CR1によって第1支持部1aの上端1a1から下端1a2に亘って、第1電線31を収容する空間に余裕が生じる。このため第1支持部1a内における第1電線31の窮屈さが緩和され、第1電線31の施工がさらに容易となる。
【0098】
また本実施の形態によれば図2に示されるように、底板1cは、第2電線32(図1)を通す第2貫通孔1cbを有している。第2貫通孔1cbは、図5に示されるように第3半径DCを有する第3円弧部CB1と、第3半径DCよりも大きい第4半径DDを有する第4円弧部CB2とを有している。第2支持部1bは、第3円弧部CB1の外周に沿って底板1cに接続され、第4円弧部CB2の真下に第2切欠き部CR2を有している。
【0099】
このように底板1cに第2貫通孔1cbが設けられることにより、第1貫通孔1caと第2貫通孔1cbとに分けて電線を配置することができる。このため第1貫通孔1ca内における第1電線31の窮屈さと、第2貫通孔1cb内における第2電線32の窮屈さとが緩和され、第1電線31および第2電線32の施工がさらに容易となる。
【0100】
また第2支持部1bは、第4円弧部CB2の真下に第2切欠き部CR2(破線で囲む領域)を有している。このため第2切欠き部CR2によって第2支持部1b内で第2電線32を収容する空間に余裕が生じる。よって第2支持部1b内における第2電線32の窮屈さが緩和され、第2電線32の施工が容易となる。
【0101】
また底板1cに設けられる第2貫通孔1cbは、第3円弧部CB1の第3半径DCよりも大きい第4半径DDを有する第4円弧部CB2を有している。この第4円弧部CB2により、第2電線32を収容する空間に余裕が生じる。このため第2貫通孔1cb内における第2電線32の窮屈さが緩和され、第2電線32の施工が容易となる。
【0102】
また本実施の形態によれば図4に示されるように、第2支持部1bに設けられた第2切欠き部は、第2支持部1bの上端1b1から下端1b2に亘って設けられている。この第2切欠き部によって第2支持部1bの上端1b1から下端1b2に亘って、第2電線32を収容する空間に余裕が生じる。このため第2支持部1b内における第2電線32の窮屈さが緩和され、第2電線32の施工がさらに容易となる。
【0103】
また本実施の形態によれば図5に示されるように、第1支持部1aが第1貫通孔1caの中心Cに対して第2円弧部CA2の反対側に位置し、かつ第2支持部1bが第2貫通孔1cbの中心Cに対して第4円弧部CB2の反対側に位置している。このため図2に示されるように第1支持部1aが第1電線挿通孔11baに挿通され、かつ第2支持部1bが第2電線挿通孔11bbに挿通された状態において、電線管カバー1は外装ケース11から外れにくくなる。
【0104】
また図9に示されるように、比較例2においては第1支持部1aの内周面1sbは、傾斜部を有していない。このため内周面1sbは、第1支持部1aの上端1a1から下端1a2に亘って同じ内径を維持している。
【0105】
この比較例2において、第1支持部1a内に第1電線31が挿入されると、ブッシュ部材3における可動片3bの先端が第1支持部1aの内周面1sbに接するまで上方へ変位する。これにより可動片3bの開いた径D2の狭い空間内に第1電線31が通される。
【0106】
これに対して本実施の形態によれば図6に示されるように、第1支持部1aの内周面1sbは、傾斜部1aaを有している。傾斜部1aaは、底板1cから離れるにしたがって第1円弧部CA1(図5)の外周側に位置するように傾斜している。
【0107】
このため図10に示されるように、第1支持部1a内に第1電線31が挿入されてブッシュ部材3における可動片3bの先端が変位すると、可動片3bの先端は傾斜部1aaに接する。これにより可動片3bの開いた径D1は比較例2の径D2よりも大きくなる。よって第1電線31を収容する空間に余裕が生じ、第1電線31の窮屈さが緩和され、第1電線31の施工が容易となる。
【0108】
また本実施の形態においては図10に示されるように、傾斜部1aaにより第1支持部1aの内径は第1支持部1aの下端1a2に向かうほど広くなる。このため、第1電線31(図1)を第1支持部1aにスムーズに引き込むことが可能となる。これにより第1電線31を第1支持部1aに挿入する作業がさらに容易となる。
【0109】
また本実施の形態においては図1に示されるように、電線管カバー1の上にコントローラケース23が配置される。このように電線管カバー1は、コントローラケース23の位置決めに用いられてもよい。
【0110】
<変形例>
次に、上記実施の形態の変形例の構成について図11を用いて説明する。
【0111】
上記実施の形態においては、第1支持部1aの第1切欠き部CR1は第2支持部1bと向かい合う部分に設けられ、第2支持部1bの第2切欠き部CR2は第1支持部1aと向かい合う部分に設けられている。しかし第1切欠き部CR1および第2切欠き部CR2の配置位置および形態は上記に限定されるものではない。
【0112】
図11(A)に示されるように、第1支持部1aの第1切欠き部CR1は第2支持部1bから離れた側に設けられ、第2支持部1bの第2切欠き部CR2は第1支持部1aから離れた側に設けられてもよい。つまり下面視において第1切欠き部CR1と第2支持部1bとの間に第1支持部1aが位置し、第2切欠き部CR2と第1支持部1aとの間に第2支持部1bが位置していてもよい。
【0113】
この構成では、第1切欠き部CR1と第2切欠き部CR2との間に、第1貫通孔1caの中心C、第2貫通孔1cbの中心C、第1支持部1aおよび第2支持部1bが位置している。
【0114】
この構成においても、第1貫通孔1caの第2円弧部CA2は第1切欠き部CR1の真上に位置し、第2貫通孔1cbの第4円弧部CB2は第2切欠き部CR2の真上に位置している。
【0115】
図11(B)に示されるように、第1支持部1aと第2支持部1bとが下面視において対角線上に配置されていてもよい。この構成においては、下面視において第1貫通孔1caの中心Cと第2貫通孔1cbの中心Cとの双方を通る仮想の直線に対して、第1支持部1aと第2支持部1bとは互いに反対側に位置している。また第1支持部1aは第1貫通孔1caの中心Cに対して第2貫通孔1cbと反対側に位置している。また第2支持部1bは第2貫通孔1cbの中心Cに対して第1貫通孔1caと反対側に位置している。
【0116】
この構成においても、第1貫通孔1caの第2円弧部CA2は第1切欠き部CR1の真上に位置し、第2貫通孔1cbの第4円弧部CB2は第2切欠き部CR2の真上に位置している。
【0117】
図11(C)に示されるように、第1支持部1aと第2支持部1bとが下面視において四隅に配置されていてもよい。この構成においては、第1支持部1aおよび第2支持部1bの各々は2つの部分に分かれている。
【0118】
下面視において第1支持部1aの2つの部分は、第1貫通孔1caの中心Cと第2貫通孔1cbの中心Cとの双方を通る仮想の直線に対して互いに反対側に配置されている。下面視において第1支持部1aの2つの部分の双方は、第1貫通孔1caの中心Cに対して第2貫通孔1cbと反対側に位置している。
【0119】
下面視において第2支持部1bの2つの部分は、第1貫通孔1caの中心Cと第2貫通孔1cbの中心Cとの双方を通る仮想の直線に対して互いに反対側に配置されている。下面視において第2支持部1bの2つの部分の双方は、第2貫通孔1cbの中心Cに対して第1貫通孔1caと反対側に位置している。
【0120】
この構成においては、第1支持部1aの2つの部分は、それぞれ2つの第1円弧部CA1a、CA1bの外周に沿って配置されている。また第2支持部1bの2つの部分は、それぞれ2つの第3円弧部CB1a、CB1bの外周に沿って配置されている。
【0121】
第1貫通孔1caの第2円弧部CA2a、CA2bはそれぞれ第1切欠き部CR1a、CR1bの真上に位置し、第2貫通孔1cbの第4円弧部CB2a、CB2bはそれぞれ第2切欠き部CR2a、CR2bの真上に位置している。
【0122】
図11(D)に示されるように、第1支持部1aと第2支持部1bとが下面視において第1貫通孔1caおよび第2貫通孔1cbの双方の中心Cを挟んで互いに向かい合うように配置されていてもよい。下面視における第1支持部1aおよび第2支持部1bの各々の中心角は90°未満である。
【0123】
この構成においては、第1貫通孔1caの第2円弧部CA2は第1切欠き部CR1の真上に位置し、第2貫通孔1cbの第4円弧部CB2は第2切欠き部CR2の真上に位置している。
【0124】
なお図11(A)~(D)に示された半径DA~DFは、図5に示された半径DA~DFと同じ関係を有する。
【0125】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0126】
1 電線管カバー、1a 第1支持部、1a1,1b1 上端、1a2,1b2 下端、1aa,1ba 傾斜部、1ab,1bb,2a1,3a1 第1端部、1b 第2支持部、1ac,1bc,2a2,3a2 第2端部、1c,11b 底板、1ca 第1貫通孔、1cb 第2貫通孔、1d 電線カバー部、1f 電線係止部、1sa 外周面、1sb 内周面、2 配線継手、2a,3a 筒状部、2b,3c フランジ部、3 ブッシュ部材、3b 可動片、10 熱源機(給湯装置)、11 外装ケース、11ba 第1電線挿通孔、11bb 第2電線挿通孔、11f 前板、11fa 開口、11fb 蓋、11sa 側板、11t 天板、12 送風機、13 燃焼装置、14 熱交換器、15 排気ボックス、21 制御板、22 端子板、23 コントローラケース、31 第1電線、32 第2電線、C 中心、CA1,CA1a,CA1b 第1円弧部、CA2,CA2a,CA2b 第2円弧部、CA3 第1接続部、CB1,CB1a,CB1b 第3円弧部、CB2,CB2a,CB2b 第4円弧部、CB3 第2接続部、CR1,CR1a,CR1b 第1切欠き部、CR2,CR2a,CR2b 第2切欠き部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11