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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】洗米炊飯機
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
A47J27/00 109B
A47J27/00 103R
A47J27/00 109P
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019168065
(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2021045243
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100200942
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 高史
(72)【発明者】
【氏名】宮川 沙千
(72)【発明者】
【氏名】山本 和彦
(72)【発明者】
【氏名】後田 達哉
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-128851(JP,A)
【文献】特開2010-162119(JP,A)
【文献】特開2010-125240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00 - 29/06
A47J 33/00 - 36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を洗浄する洗米装置と、前記洗米装置の下方に設けられた炊飯装置とを備える洗米炊 飯機であって、さらに、炊飯条件の設定画面を表示する操作表示部であって、炊飯条件の 前記設定画面によって、複数回の炊飯運転の前記炊飯条件の設定が可能な操作表示部と、 炊飯条件の前記設定画面によって設定された複数回の炊飯運転の炊飯条件を格納する記憶 装置とを備え、前記記憶装置に格納された前記複数回の炊飯運転の中から実行すべき炊飯 運転を複数指定し、前記指定した複数の炊飯運転を連続的に実行可能に構成され、かつ、
同じ炊飯条件で連続して炊飯運転を実行する運転モードと、異なる炊飯条件で連続して炊飯運転を実行する運転モードとを選択可能に構成されていることを特徴とする洗米炊飯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作画面を備えた洗米炊飯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上から順に、米を貯蔵する貯米庫、米を洗う洗浄装置および炊飯装置を備えた洗米炊飯機が知られている。例えば特許文献1には、貯米庫の前面に、表示装置と複数のスイッチを備え、表示装置に、洗米する回数、炊飯時の水加減、炊いた後のむらし時間などの炊飯条件を設定するための設定画面、設定された炊飯条件および炊飯の進行状態などを表示し、複数のスイッチによって炊飯条件などを設定可能に構成された洗米炊飯機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-5055
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の洗米炊飯機においては、洗米する回数や炊飯時の水加減、炊いた後のむらし時間などの炊飯条件を、表示装置を視認しながら複数のスイッチを操作して設定し、その炊飯条件での炊飯を指定した回数で連続して行うことはできても、複数回の炊飯をそれぞれ異なる炊飯条件で連続して行うことはできず、別々の炊飯条件で炊いた白飯が必要な場合には、白飯が炊き終わるたびに次の炊飯条件を設定し直して炊飯を開始する必要があった。
【0005】
したがって、本発明は、複数回の異なる炊飯条件を容易に設定し、複数回の炊飯運転を異なった炊飯条件で連続して実行することができる洗米炊飯機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のかかる目的は、米を洗浄する洗米装置と、洗米装置の下方に設けられた炊飯装置とを備えた洗米炊飯機であって、さらに、炊飯条件の設定画面を表示する操作表示部であって、炊飯条件の前記設定画面によって、複数回の炊飯運転の前記炊飯条件の設定が可能な操作表示部と、炊飯条件の前記設定画面によって設定された複数回の炊飯運転の炊飯条件を格納する記憶装置とを備え、前記記憶装置に格納された前記複数回の炊飯運転の中から実行すべき炊飯運転を複数指定し、前記指定した複数の炊飯運転を連続的に実行可能に構成されたことを特徴とする洗米炊飯機によって達成される。
【0007】
本発明によれば、洗米炊飯機は、操作表示部に表示された炊飯条件の設定画面を操作することによって、複数回の炊飯運転の各々の炊飯条件を設定し、記憶装置に記憶させることができ、実行すべき炊飯運転を複数指定し、記憶装置に記憶された各炊飯運転の炊飯条件に基づき、指定した複数の炊飯運転を連続的に実行するように構成されているから、複数回の炊飯運転を異なった炊飯条件で連続して実行することが可能になる。
【0008】
また、本発明によれば、洗米炊飯機は、炊飯条件が記憶装置に格納された複数回の炊飯運転の中から、指定した炊飯運転のみを連続して実行するように構成されているから、連続して行う炊飯運転の炊飯条件が異なる場合であっても、連続炊飯運転を実行すべき個々の炊飯運転の炊飯条件の設定を逐一変更する必要がなく、炊飯運転の指定を変更することによって対応可能であり、したがって、複数回の異なる炊飯条件を容易に設定することができる。
【0009】
本発明の好ましい実施態様にかかる洗米炊飯機においては、炊飯条件の前記設定画面に、前記複数回の炊飯運転の番号と、それぞれの炊飯運転の炊飯条件が表示され、前記指定した複数の炊飯運転が前記番号の順に連続して実行されるように構成されている。
【0010】
本発明のこの好ましい実施態様によれば、複数回の炊飯運転ごとに優先順位を示す番号が予め付されているから、炊飯条件を設定するにあたり、それぞれの炊飯条件での炊飯運転につき、操作者が番号を入力することなどによって優先順位を設定する手間を省くことができる。
【0011】
本発明のさらに好ましい実施態様にかかる洗米炊飯機においては、前記操作表示部は、炊飯条件の前記設定画面と炊飯運転の状況を示す工程表示画面とを切換えて表示可能に構成され、炊飯条件の前記設定画面における炊飯条件の設定が完了すると、自動的に、前記工程表示画面に移行するように構成されている。
【0012】
本発明のこの好ましい実施態様によれば、操作表示部に表示される炊飯条件の設定画面における炊飯条件の設定が完了すると、自動的に、操作表示部の表示が炊飯運転の状況を示す工程表示画面に移行するから、円滑に工程表示画面に切り替えることができる。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施態様にかかる洗米炊飯機においては、前記工程表示画面に、前記複数回の炊飯運転の中から前記指定した複数の炊飯運転の数が表示されるように構成されている。
【0014】
本発明のこの好ましい実施態様によれば、指定した炊飯運転の数が、操作表示部の工程表示画面に表示されるから、連続して実行する炊飯運転の予定回数を視認することができる。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様にかかる洗米炊飯機においては、同じ炊飯条件で連続して炊飯運転を実行する運転モードと、異なる炊飯条件で連続して炊飯運転を実行する運転モードとを選択可能に構成されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数回の異なる炊飯条件を容易に設定し、異なる炊飯条件での炊飯運転を連続して実行することができる洗米炊飯機を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる洗米炊飯機の略正面図である。
【0018】
図2図2は、図1に示された洗米炊飯機の略右側面図である。
【0019】
図3図3は、図1に示された洗米炊飯機における貯米庫および洗米装置の縦断側面図である。
【0020】
図4図4は、図1に示された洗米炊飯機の制御系、検出系、駆動系および入力系のブロックダイアグラムである。
【0021】
図5図5(a)は、設定された回数の炊飯運転をすべて同じ炊飯条件で連続して行う連続モードが設定された場合に、電源スイッチがオンされた直後の操作画面の工程表示画面およびその近傍の略正面図であり、図5(b)は、設定された回数の炊飯運転をそれぞれ異なる炊飯条件で連続して行う炊き分けモードが設定された場合に、電源スイッチがオンされた直後の操作画面の工程表示画面およびその近傍の略正面図である。
【0022】
図6図6は、運転モードとして炊き分けモードが設定されている場合に、工程表示画面から移行された直後の炊飯条件の設定画面の略正面図である。
【0023】
図7図7は、運転モードとして炊き分けモードが設定されている場合に、操作画面に表示された炊飯条件の設定画面の略正面図である。
【0024】
図8図8は、運転モードとして連続モードが設定されている場合に、操作画面に表示された炊飯条件の設定画面およびその近傍の略正面図である。
【0025】
図9図9は、予約設定画面を表示する操作画面の近傍の略正面図である。
【0026】
図10図10は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる洗米炊飯機の操作画面の近傍の略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0028】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる洗米炊飯機1の略正面図であり、図2は、図1に示された洗米炊飯機1の略右側面図である。
【0029】
図1および図2に示されるように、本実施態様にかかる洗米炊飯機1は、炊飯すべき米を貯蔵する貯米庫2と、貯米庫2の下方に配置され、炊飯すべき米を洗う洗米装置3と、洗米装置3の下方に配置され、洗米された米を炊飯する炊飯装置4と、これらを支持するフレーム5を備え、貯米庫2の正面には操作パネル6が配置されている。
【0030】
フレーム5の下部には4つのキャスター51が設けられており、洗米炊飯機1はキャスター51により移動可能に構成されている。
【0031】
図1に示されるように、貯米庫2の正面に設けられた操作パネル6の右下方には、ロッカスイッチにより構成された電源スイッチS1が配置されており、電源スイッチS1の操作によって洗米炊飯機1を起動または終了可能に構成されている。以下の説明において、洗米炊飯機1の操作パネル6が設けられている側を「前」といい、その反対側を「後」という。
【0032】
操作パネル6はその内部にコントローラ(図1には図示せず)が設けられており、操作パネル6の前面中央部には、操作表示部として機能し、タッチパネル式のディスプレイで構成された操作画面61が設けられている。本実施態様においては、後に詳述するように、操作画面61は、炊飯条件の設定画面、炊飯運転の状況を示す工程表示画面および予約運転の条件を設定するための予約設定画面を切り換えて表示可能に構成されており、さらに各画面における操作に必要なスイッチ(図1および図2には図示せず)を表示可能に構成されている。
【0033】
操作画面61の近傍には、連続炊飯回数を設定するための連続炊飯回数設定スイッチS2、炊飯運転を開始するためのスタートスイッチS3および予約運転を設定するための予約スイッチS4が設けられている。
【0034】
これらのスイッチと、操作画面61はコントローラ(図1には図示せず)に接続され、コントローラには記憶装置(図1には図示せず)が接続されており、操作画面61上で設定された炊飯条件は記憶装置に格納され、その炊飯条件に従って、貯米庫2での米の計量処理から、洗米装置3に設けられた洗米タンク31での洗米、浸漬および水加減、炊飯装置4での炊飯および蒸らしまでの一連の炊飯運転を実行可能に構成されている。
【0035】
本実施態様においては、後に詳述するように、操作画面61に表示された工程表示画面に設けられたモード切換えスイッチを押圧操作することにより、洗米炊飯機1の運転モードとして、設定された回数の炊飯運転をすべて同じ炊飯条件で連続して行う連続モードと、設定された回数の炊飯運転をそれぞれ異なる炊飯条件で連続して行う炊き分けモードの2つが選択可能に構成されており、炊飯条件としては、炊き方、炊飯量、水加減、洗い方、浸漬時間、点火方法、蒸らし時間の7項目があり、これらの炊飯条件は操作パネル6上で設定可能に構成されている。
【0036】
図3は、図1に示された洗米炊飯機1における貯米庫2および洗米装置3の縦断側面図である。
【0037】
図3に示されるように、貯米庫2の上面には米投入口21が設けられており、蓋22を開くことにより、貯米庫2に米を投入可能に構成されている。また、貯米庫2の下部には計量器23が取り付けられており、操作パネル6の操作により設定可能な7項目の炊飯条件の1つである炊飯量に応じた分だけモータ24によって計量器23が回転されて、炊飯に必要な量の米が貯米庫2からその下の洗米装置3の洗米タンク31に供給される。
【0038】
図1ないし図3に示されるように、洗米装置3の洗米タンク31の下部にはジャケット部32が取り付けられており、ジャケット部32の下面に設けられた開口部は、排米弁35aによって開閉可能に構成されている。洗米タンクに給水するための給水管33aは貯米庫2の下部に設けられており、洗米タンク31の上方に配置された上部給水管33bとジャケット部32の側面に接続された下部給水管33cとに給水されるように構成されている。給水管33aには流量センサ38が設けられ、上部給水管33bおよび下部給水管33cにはそれぞれ、流量センサ38の計測値に応じてコントローラにより開閉制御される電磁弁33d、電磁弁33eが設けられる。上部給水管33bの下端にはシャワーノズル33fが接続されており、上方から洗米タンク31に給水可能に構成されている。また、洗米タンク31の上部には、洗米タンク31内の水量を検出する水位センサ39が設けられている。
【0039】
ジャケット部32の側面には、下部給水管33cに加えて送気管34aが接続されており、水が供給された状態で、モータ(図1ないし図3には図示せず)によってエアを洗米タンク31の下部から供給しながら、洗米モータ36bによって、洗米タンク31の上部から下方に延びる複数の撹拌棒36aを回転させることにより、洗米タンク31内の米が気泡状態で洗米される。このように、エアを供給しながら、洗米が行われるから、高い洗米効果を得られるとともに、気泡の存在により撹拌棒36aが米と当接する際の衝撃が緩和され、米が割れることの防止が図られている。
【0040】
洗米後、米の研ぎ汁はジャケット部32の側方に設けられた排水弁37aがソレノイド図3には図示せず)により開かれ、排水弁37aを経て排水口37bから排水される。洗米タンク31への水の供給から、撹拌棒の回転による洗米、研ぎ汁の排水までを1回の洗米操作として、操作パネル6上で設定された回数の洗米処理を行った後、ソレノイドにより排水弁37aが開いた状態でシャワーノズル33fから間欠的に散水することにより、米の浸漬が行われる。浸漬時間は操作パネル6上で設定される。
【0041】
浸漬工程の後、洗米装置3は、水加減の工程へ移行し、下部給水管33cから適切な量の水が供給される。本実施態様にかかる洗米炊飯機1においては、白飯を炊飯する場合に用いる「標準」と、おかゆを炊く場合に用いる「おかゆ」の2種類の炊き方を操作パネル6上で選択可能に構成されており、それぞれの炊き方と、操作パネル6上で設定された水加減とに応じた量の水が下部給水管33cから供給されるように構成されている。
【0042】
水加減の工程の後、洗米装置3は、炊飯装置4の炊飯釜41への米と水の投下の工程へ移行する。具体的には、図3に示されるように、排米弁35aの上部に取り付けられた排米軸35bが、洗米タンク31の上方に設けられた駆動モータ35cによって下方にスライドされることにより排米弁35aが降下し、ジャケット部32の下面の開口部から米と水が炊飯釜41へ投下される。
【0043】
炊飯装置4において、炊飯釜41の蓋43は、モータ(図1ないし図3には図示せず)により駆動される自動開閉手段44によりその中央部が開閉可能に構成され、洗米タンク31から米と水が投下される際には蓋43の中央部が自動開閉手段44により開かれ、投下後に自動開閉手段44により蓋43の中央部が閉じられる。
【0044】
図1および図2に示されるように、炊飯装置4は、釜加熱用バーナ42とその上に設けられた炊飯釜41を備え、左右に配置されたフレーム5の下部に挟まれた引き出し式の架台52の上に載置されており、架台52の前面に取り付けられた把手53の操作によって架台52とともに引き出し可能に構成されている。
【0045】
炊飯装置4において、炊飯条件設定時に釜加熱用バーナ42を自動で点火するように点火方法が操作パネル6上で設定されている場合には、炊飯釜41に米と水を投入した後に、コントローラにより釜加熱用バーナ42が自動点火されて、加熱炊飯処理が開始される。
【0046】
これに対し、釜加熱用バーナ42を手動で点火するように設定されている場合には、炊飯釜41への米と水の投下後、コントローラは、操作者が釜加熱用バーナ42に点火するまで待機するように構成されている。釜加熱用バーナ42の点火後、操作パネル6上で設定された炊き方で炊飯を行った後、炊飯装置4は蒸らしの工程に移る。操作パネル6上で設定された蒸らし時間の経過後、炊飯が完了する。
【0047】
ここに、連続して炊飯運転を行う回数が2回以上に設定されている場合には、最初の炊飯である1回目の炊飯運転中に、貯米庫2および洗米装置3は2回目の炊飯運転のための米の計量、洗米処理を既に開始しており、1回目の炊飯運転が完了し、炊き上がった米を別容器に移すため、炊飯装置4が載置された架台52が引き出され、その後に元の位置に戻されると、フレーム5に設けられたセンサ(図1ないし図3には図示せず)が、架台52が元の位置に戻されたことを検出し、検出結果がコントローラに出力される。その後、洗米装置3における洗米、浸漬および水加減が完了したと判定すると、コントローラは、炊飯釜41の蓋43の中央部を自動開閉手段44により開いた状態にし、洗米装置3から炊飯装置4への洗米と水の投下と炊飯を開始する。
【0048】
一方、2回目の炊飯運転における洗米が早く完了し、炊飯装置4における1回目の炊飯運転における炊飯が遅れている場合には、コントローラは洗った米を浸漬し、研ぎ汁を排水弁37を経て排水口38から排水した状態で、洗米装置3を待機させ、1回目の炊飯運転で炊き上がった米を移すために、架台52とともに炊飯装置4が引き出され、元の位置に戻されたことをセンサが検出し、検出信号がコントローラに入力されると、コントローラは洗米装置3に2回目の炊飯運転における米の水加減の工程を開始させる。
【0049】
図4は、図1に示された洗米炊飯機1の制御系、検出系、駆動系および入力系のブロックダイアグラムである。
【0050】
図4に示されるように、洗米炊飯機1の制御系は、洗米炊飯機1全体の動作を制御するコントローラCと、制御プログラムなどが格納されたROMm1および種々のデータが格納されるRAMm2を含む記憶装置Mを備えている。
【0051】
図4に示されるように、洗米機3の検出系は、貯米庫2から洗米タンク31に供給される米の量を計量する計量器23と、フレーム5に設けられ、架台52が洗米タンクの下方の位置に戻されたことを検出するセンサ45と、給水管33aに設けられ、洗米タンク3への給水量を計量する流量センサ38と、洗米タンク3内に供給された水の水位を検出する水位センサ39を備えている。
【0052】
図4に示されるように、洗米炊飯機1の駆動系は、貯米庫2から洗米タンク3に米を供給する計量器23を回転駆動するモータ24と、上部給水管33bを開閉する電磁弁33dと、下部給水管33cを開閉する電磁弁33eと、送気管34aから洗米タンク31にエアを供給するモータ34bと、撹拌棒36aを回転させる洗米モータ36bと、排米弁35aに接続された排米軸35bを上下動させる駆動モータ35cと、排水口37bから排水するための排水弁37aを開閉するソレノイド37cと、炊飯釜41の蓋43の自動開閉手段44を駆動させるモータ46を備えている。
【0053】
図4に示されるように、洗米炊飯機1の入力系は、操作画面61と、操作画面61の近傍に設けられた連続炊飯回数設定スイッチS2、スタートスイッチS3および予約スイッチS4とを含む操作パネル6を備えている。
【0054】
以上のように構成された洗米炊飯機1においては、以下のようにして、操作パネル6を用いて、炊飯条件が設定される。
【0055】
図5には、電源スイッチS1がオンされ、洗米炊飯機1が起動した直後の操作パネル6に設けられた操作画面61の工程表示画面およびその近傍の略正面図が示されており、図5(a)は、設定された回数の炊飯運転をすべて同じ炊飯条件で連続して行う連続モードが設定された場合に、電源スイッチS1がオンされた直後の操作画面61の工程表示画面およびその近傍の略正面図であり、図5(b)は、設定された回数の炊飯運転をそれぞれ異なる炊飯条件で連続して行う炊き分けモードが設定された場合に、電源スイッチS1がオンされた直後の操作画面61の工程表示画面およびその近傍の略正面図である。
【0056】
ここに、操作画面61の工程表示画面とは、現在の炊飯運転の状況、設定された連続炊飯運転の回数、運転モード、炊飯条件、炊飯の段階に応じた必要な情報を表示し、これらの情報の設定に必要なスイッチを表示するための画面である。
【0057】
本実施態様においては、コントローラCに接続された記憶装置Mには、前回に炊飯運転を行った際の運転モード(連続モードで炊飯運転が行われたか炊き分けモードで炊飯運転が行われたか)が記憶され、さらに、前回にそれぞれの運転モードに設定された状態で炊飯運転を行った際の連続炊飯運転の回数や7項目の炊飯条件、すなわち、炊き方、炊飯量、水加減、洗い方、浸漬時間、点火方法、蒸らし時間に関するデータが格納されている。そして、洗米炊飯機1が起動すると、コントローラCは、前回に炊飯運転を行った際の運転モード、連続炊飯運転の回数および炊飯条件に関するデータを記憶装置Mから読み出し、洗米炊飯機1の運転モードを前回の炊飯運転の運転モードに設定し、さらに、連続炊飯運転の回数を前回の連続炊飯運転と同じ回数に、炊飯条件を前回の炊飯条件と同じ炊飯条件にそれぞれ設定するように構成されている。
【0058】
したがって、起動直後の操作画面61の工程表示画面には、前回に炊飯運転を行った際の連続炊飯運転の回数および炊飯条件が表示され、前回の炊飯運転における運転モードが連続モードであるときは、図5(a)に示されるように、工程表示画面に連続モードが設定されていることが示され、前回の炊飯運転における運転モードが炊き分けモードであるときは、図5(b)に示されるように、工程表示画面に炊き分けモードが設定されていることが示される。
【0059】
図5(a)および図5(b)に示されるように、工程表示画面の左上端部の運転状況表示部C1には、現在の炊飯運転の状況が示されている。洗米炊飯機1の起動直後は炊飯運転が停止されているので、図5(a)および図5(b)においては、運転状況表示部C1には「停止中」の文字が表示されているが、炊飯運転が実行されているときは、「運転中」の文字が表示されるように構成されている。
【0060】
運転状況表示部C1の下方の連続炊飯運転回数表示部C2には、連続炊飯運転の回数が示されており、連続炊飯運転回数表示部C2に表示された連続炊飯運転の回数は、操作画面61の左方に設けられたスイッチS2aおよびスイッチS2bを含む連続炊飯回数設定スイッチS2を操作することにより、任意の連続炊飯回数に変更することができる。
【0061】
連続炊飯運転回数表示部C2の下方の運転モード表示部C3には、その時点で、選択されている運転モードが表示され、連続モードが設定されている場合には、図5(a)に示されるように、運転モード表示部C3には「連続」という文字が表示され、炊き分けモードが設定されている場合には、図5(b)に示されるように、運転モード表示部C3には「炊き分け」という文字が表示される。
【0062】
運転モードを連続モードから炊き分けモードへ切り換えたい場合には、操作画面61の運転モード表示部C3の下方に表示されたモード切換えスイッチS5を押すことにより、炊き分けモードに変更することができ、炊き分けモードから連続モードへ切り換えたい場合には、モード切換えスイッチS5を押すことにより、連続モードに変更することができる。運転モードが変更された場合、変更後の運転モードで前回に炊飯運転を行った際の連続炊飯運転の回数および炊飯条件(炊き分けモードに変更された場合には、連続炊飯運転の各回の炊飯条件)が自動的に設定され、それらの情報が工程表示画面に表示される。
【0063】
また、運転モードとして連続モードが設定されている場合には、図5(a)に示されるように、モード切換えスイッチS5には「炊き分け」の文字が表示され、運転モードとして炊き分けモードが設定されている場合には、図5(b)に示されるように、モード切換えスイッチS5には「連続」の文字が表示される。
【0064】
工程表示画面の中央部の工程表示部C4には、洗米炊飯機1が模式的に示され、洗米炊飯機1の貯米庫2、洗米装置3および炊飯装置4のいずれで炊飯作業が実行されているかが表示されている。図5(a)および図5(b)においては、洗米炊飯機1が備えている貯米庫2、洗米装置3および炊飯装置4のいずれで炊飯作業が実行されているかは表示されていないが、洗米装置3において米の洗米が行われている際には、工程表示部C4に「洗米」の文字が表示され、炊飯装置4において炊飯が行われている際には、工程表示部C4に「炊飯」の文字が表示されるように構成されている。
【0065】
工程表示画面の右上部の炊飯条件表示部C5には、その時点で設定されている炊飯量、炊き方、浸漬時間および蒸らし時間が表示されている。とくに、運転モードとして炊き分けモードが設定されている場合には、図5(b)に示されるように、何回目の炊飯条件が表示されているのかが炊飯条件表示部C5の中央上端部に表示され、さらに、その左右に表示されるスイッチS7aおよびスイッチS7bを操作することにより、各回の炊飯条件を順に確認可能に構成されている。
【0066】
炊飯条件表示部C5の下方の情報表示部C6には、操作者に対して伝えることが好ましい情報が表示される。図5(a)および図5(b)には、電源スイッチS1の操作により洗米炊飯機1が起動した直後で、炊飯運転が停止中の状態が示されているため、情報表示部C6に、スタートスイッチS3の操作により炊飯運転を開始可能である旨の情報が表示されている。したがって、前回に実行した際の運転モードや炊飯条件で炊飯運転を実行したい場合には、スタートスイッチS3を押圧操作することにより、直ちに洗米炊飯機1の炊飯運転が開始される。
【0067】
以下、運転モードとして炊き分けモードが設定され、5回の連続炊飯運転を行うための異なった炊飯条件が設定されて、記憶装置Mに格納され、記憶装置Mに格納された5回の異なった炊飯条件での炊飯運転の中から指定した炊飯運転を連続して実行する場合の運転方法につき説明を加える。
【0068】
図5(b)に示されるように、運転モードが炊き分けモードに設定されている場合に、実行する炊飯運転を指定し、または炊飯運転の炊飯条件を設定する際には、まず、操作画面61のモード切換えスイッチS5の左方に表示された詳細スイッチS6を押圧操作することにより、操作画面61の表示を工程表示画面から炊飯条件の設定画面に移行させる。
【0069】
図6は、運転モードとして炊き分けモードが設定されている場合に、工程表示画面から移行された直後の炊飯条件の設定画面の略正面図である。
【0070】
図6に示されるように、炊飯条件の設定画面の左側には、「1回目」から「5回目」の文字が表示されたT1~T5の5つの領域が表示されている。本明細書においては、これら5つの領域T1~T5のそれぞれを「タブ」といい、これら5つの領域T1~T5が表示された部分を「タブ表示部」という。ここに、タブT1~T5は1回目から5回目の炊飯運転に対応している。
【0071】
図6に示されるように、タブ表示部C7の右側の炊飯条件の設定画面には、炊飯条件設定部C8が表示され、炊飯条件設定部C8には1回目から5回目の炊飯運転において設定された炊飯条件が表示されている。本実施態様においては、必要に応じて、炊飯条件設定部C8を操作して、炊飯条件を変更することができる。
【0072】
タブT1~T5のいずれかを選択的に押圧操作することによって、1回目から5回目のいずれかの炊飯運転における炊飯条件を炊飯条件設定部C8に表示することができる。具体的には、N番目のタブTN(N=1、2、3,4,5)を選択的に押圧操作することによって、N回目の炊飯運転の炊飯条件を炊飯条件設定部C8に表示することができる。
【0073】
図6においては、1番目のタブT1が選択された状態が示されており、炊飯条件設定部C8には、炊き方、炊飯量、水加減、洗い方、浸漬時間、点火方法、蒸らし時間の7つの炊飯条件の設定値が表示されている。
【0074】
炊飯条件設定部C8の各設定値の下方にはスイッチS8aおよびスイッチS8bが表示されており、必要に応じてスイッチS8aおよびスイッチS8bを押圧操作することにより、各設定値を変更可能に構成されている。さらに、スイッチS8aおよびスイッチS8bの下方の炊飯条件設定部C8には、表示された炊飯条件での炊飯運転を指定するためのONスイッチS9aおよび指定された炊飯条件を未指定の状態に戻すためのOFFスイッチS9bが表示されている。
【0075】
ここに、洗米炊飯機1は、タブT1からタブT5の操作により炊飯条件設定部C8に表示される5つの炊飯条件のうち、ONスイッチS9aの操作によって指定した炊飯条件での炊飯運転を、1回目のタブT1にかかる炊飯運転から5回目のタブT5にかかる炊飯運転の順に実行するように構成されており、「1回目」から「5回目」の表示の中の「回目」の前に表示された1~5の数字が、連続炊飯運転における各炊飯運転の優先順位を示している。例えば、1回目および3回目がONスイッチS9aの操作によって指定された状態で連続炊飯運転が実行された場合には、洗米炊飯機1は、1回目の炊飯条件での炊飯運転を行った後、2回目の炊飯条件での炊飯運転をスキップし、次いで3回目の炊飯条件での炊飯運転を行って、4回目および5回目の炊飯条件での炊飯運転は行わずに連続炊飯運転を終了する。
【0076】
図5(b)に示されたように、運転モードとして炊き分けモードが設定された状態で、工程表示画面から炊飯条件の設定画面に移行された直後は、1回目から5回目の炊飯条件のすべてで、ONスイッチS9aがオンされておらず、どの炊飯条件も指定されていない未指定の状態であるように構成されており、炊飯運転を行う予定のない炊飯条件のONスイッチS9aがオンされて、その炊飯条件が指定されることによる不要な炊飯運転が行われることの防止が図られている。したがって、炊飯運転を実行するには、操作者は、タブT1~T5のうち、所望のタブを押圧操作して、実行すべき炊飯運転を選択し、ONスイッチS9aをオンすることによって、指定した炊飯条件での炊飯運転を行う必要がある。
【0077】
また、図6に示されるように、タブ表示部C7および炊飯条件設定部C8は、未指定の状態では灰色の背景色で表示されており、OFFスイッチS9bのみが白色で表示されている。
【0078】
図7は、運転モードとして炊き分けモードが設定されている場合に、操作画面61に表示された炊飯条件の設定画面の略正面図である。
【0079】
図7には、ONスイッチS9aをオンすることにより、1回目から5回目の炊飯運転のうち、1回目と3回目の炊飯運転が指定された状態で、3回目の炊飯運転を示すタブT3が選択され、炊飯条件設定部C8に3回目の炊飯運転における炊飯条件が表示された状態が示されている。ONスイッチS9aによって指定された1回目と3回目の炊飯運転のタブ表示部C7および炊飯条件設定部C8は白色の背景色で表示されており、ONスイッチS9aによって指定されていない2回目、4回目および5回目の炊飯運転のタブ表示部C6は灰色の背景色で表示されている。
【0080】
ONスイッチS9aを押圧操作することにより1回目から5回目の炊飯運転の中から所望の炊飯運転を指定し、さらに、必要に応じてスイッチS8aおよびスイッチS8bを操作して炊飯条件の設定を変更した後に、炊飯運転を実行する場合には、まず、炊飯条件設定部C8の下方に表示された確定スイッチS10を押圧し、炊飯条件が設定された炊飯条件に確定され、実行すべき炊飯運転の指定が確定される。洗米炊飯機1は、確定スイッチS10を押さなければ、図5(a)および図5(b)に示された操作パネル6のスタートスイッチS3を押圧操作しても反応せず、炊飯運転を開始することができないように構成されており、確定スイッチS10を押すと、操作画面61は、図5(a)または図5(b)に示された運転状態が停止中の工程表示画面へ移行し、スタートスイッチS3を押すことによってはじめて炊飯運転を開始可能な状態になるように構成されている。したがって、操作者はスタートスイッチS3を押す前に、工程表示画面の炊飯条件表示部C5上で、炊飯条件の設定画面で指定した炊飯条件や、炊飯運転の実行順を再確認することができ、したがって、運転開始前に確定スイッチS10を操作することが必要なため、誤った炊飯条件の指定および/または炊飯運転の実行順で、炊飯運転が実行されることを効果的に防止することができる。
【0081】
さらに、確定スイッチS10の操作によって炊飯条件の設定画面から移行した工程表示画面の連続炊飯運転回数表示部C2に表示される回数には、炊飯条件の設定画面においてONスイッチS9aの押圧操作により指定された炊飯運転の数が自動的に設定されるように構成されており、例えば、図7に示されるように、1回目の炊飯運転と3回目の炊飯運転が指定された状態で、確定スイッチS10の押圧操作によって工程表示画面へ移行した場合、連続炊飯運転回数表示部C2の数字は、「02」となる。したがって、連続炊飯運転回数表示部C2上で、炊飯条件の設定画面で指定した炊飯運転の数を確認することができ、炊飯条件の設定画面で炊飯回数が誤って指定された状態で、あるいは、炊飯回数を指定し忘れた状態で、炊飯運転が実行されることの防止が図られている。
【0082】
ここに、連続炊飯運転回数が、図5(a)および図5(b)に示されたスイッチS2aを押圧操作することによって、炊飯条件の設定画面でONスイッチS9aを押圧して指定した炊飯運転の数よりも多く設定された場合には、指定した炊飯運転での連続炊飯運転を、タブT1からT5の順に、連続炊飯運転回数に達するまで繰り返し実行するように構成されている。1回目の炊飯運転と3回目の炊飯運転が指定された上述の例の場合で、スイッチS2aを押圧操作することによって連続炊飯運転の回数を5回に増やした場合には、1回目の炊飯条件での炊飯運転→3回目の炊飯条件での炊飯運転→1回目の炊飯条件での炊飯運転→3回目の炊飯条件での炊飯運転→1回目の炊飯条件での炊飯運転を実行し、終了する。
【0083】
以上、記憶装置Mに格納された5回の炊飯運転を行うための炊飯条件の中から指定した炊飯条件での炊飯運転を所定の優先順位で連続して実行する場合の運転方法について説明を加えたが、以下に、連続モードにおける炊飯条件の設定方法について説明を加える。
【0084】
まず、図5(a)に示された工程表示画面において、運転モードとして連続モードが設定されていることを確認した後に、詳細スイッチS6を押圧操作し、操作画面61の表示を連続モードにおける炊飯条件の設定画面に移行させる。
【0085】
図8は、運転モードとして連続モードが設定されている場合に、操作画面61に表示された炊飯条件の設定画面およびその近傍の略正面図である。
【0086】
図8に示されるように、連続モードが設定された場合には、洗米炊飯機1が連続して実行するすべての炊飯運転の炊飯条件が同一であるから、図6および図7に示された炊き分けモードの場合と異なり、タブ表示部C7は設けられておらず、操作画面61の中央部の炊飯条件設定部C8に表示される、炊き方、炊飯量、水加減、洗い方、浸漬時間、点火方法、蒸らし時間の7項目の炊飯条件それぞれの下方に設けられたスイッチS8aおよびスイッチS8bを押圧操作することにより、炊飯条件を変更可能に構成されている。設定された炊飯条件は記憶装置Mに格納される。
【0087】
スイッチS8aおよびスイッチS8bの操作によって炊飯条件の各項目を所望の状態に設定した後、図8に示されるように、炊飯条件設定部C8の下方に表示された戻るスイッチS11を押圧操作することにより、工程表示画面に戻り、連続炊飯運転回数表示部C2を確認した後、連続炊飯運転の回数を変更する必要がある場合には、連続炊飯回数設定スイッチS2の操作により変更し、スタートスイッチS3を操作することにより炊飯運転を開始することができる。
【0088】
本実施態様にかかる洗米炊飯機1においては、所望の時刻に炊飯運転を行う予約運転においても炊き分けモードと連続モードを設定可能に構成されており、以下に、その設定手順につき説明を加える。
【0089】
まず、操作画面61に図5(a)または図5(b)に示された工程表示画面が表示された状態で、運転モード表示部C3上で所望の運転モードに設定されているか否かを確認し、運転モードを変更したい場合には、モード切換えスイッチS5を押圧操作することにより、運転モードを変更する。次いで、炊飯条件表示部C5で炊飯条件が予約運転に適切な状態に設定されているか否かを確認し、炊飯条件を変更する必要がある場合には、詳細スイッチS6を押すことにより、図7または図8に示される炊飯条件の設定画面に移行し、所望の炊飯条件に設定した後、運転モードとして炊き分けモードに設定されている場合には、実行する炊飯運転を、図7に示されたONスイッチS9aを押圧操作することにより指定する。その後、図7に示された確定スイッチS10または図8に示された戻るスイッチS11を押圧操作して、図5(a)または図5(b)に示される工程表示画面に移行し、連続炊飯回数設定スイッチS2により任意の連続炊飯運転の回数を設定した後に、さらに、操作画面61の左方に設けられた予約スイッチS4を押圧操作して予約設定画面に移行させる。
【0090】
図9は、予約設定画面を表示する操作画面61の近傍の略正面図である。
【0091】
図9には、運転モードとして炊き分けモードが設定されている場合に、操作画面61に表示される予約設定画面が示されており、予約設定画面においては炊き上がり予定の時刻と曜日を設定可能に構成されている。時刻と曜日は、各項目の下方に設けられたスイッチS8aまたはスイッチS8bを押圧操作することにより所望の状態に設定される。なお、ここにいう時刻は、連続炊飯運転の内の1回目の炊飯運転の炊き上がり予定時刻である。時刻と曜日を設定した後、さらに、スイッチS8bの下方に設けられた確定スイッチS10を押圧操作することにより、工程表示画面、炊飯条件の設定画面および予約設定画面上で設定された運転モード、炊飯条件、連続炊飯運転の回数、炊飯運転を実行する時刻と曜日が記憶装置Mに格納され、これらの条件での炊飯運転を一週間毎に繰り返し実行可能に構成されている。また、確定スイッチS10の左方に設けられた戻るスイッチS11を押すことにより、工程表示画面へ戻ることも可能である。
【0092】
本実施態様によれば、洗米炊飯機1は、操作パネル6の操作画面61に表示される炊飯条件の設定画面(図6および図7)で設定された複数回の炊飯運転の炊飯条件がそれぞれ記憶装置Mに格納され、当該複数回の炊飯運転の中から、ONスイッチS9aを押圧操作することにより指定した2以上の炊飯運転を、優先順位として機能するタブ表示部C7の数字が小さい炊飯条件から昇順に実行するから、複数回の炊飯運転を異なった炊飯条件で連続して実行することが可能になる。
【0093】
また、本実施態様にかかる洗米炊飯機1は、記憶装置Mに格納された複数回の炊飯運転の中から、ONスイッチS9aを押圧操作することにより指定した炊飯運転のみを連続して実行するから、連続して行う炊飯運転の炊飯条件が異なる場合でも、連続炊飯運転を実行すべき個々の炊飯運転の炊飯条件の設定を逐一変更する必要がなく、炊飯運転の指定を変更することによって対応可能であり、したがって、複数回の異なる炊飯条件を容易に設定することができる。
【0094】
さらに、本実施態様によれば、図6および図7に示されたように、操作パネル6の操作画面61に表示される炊飯条件の設定画面左側のタブ表示部に、複数のタブT1~T5ごとに優先順位を示す1回目から5回目の番号が予め付されているから、操作者が、炊飯条件を設定するにあたり、それぞれの炊飯条件での炊飯運転につき、番号を入力することなどによって優先順位を設定する手間を省くことができる。
【0095】
また、本実施態様によれば、運転モードとして炊き分けモードが設定された場合において、操作画面61に表示された炊飯条件の設定画面(図6および図7)での炊飯条件の設定が終了し、確定スイッチS10を押圧操作すると、操作画面61の表示が炊飯運転の状況を示す工程表示画面に移行するから、円滑に工程表示画面に切り替えることができる。
【0096】
さらに、本実施態様にかかる洗米炊飯機1は、炊飯条件の設定画面(図6および図7)でONスイッチS9aを押圧操作することにより指定した炊飯条件による炊飯運転の数が、炊飯条件の設定画面から移行した工程表示画面において連続炊飯運転回数表示部C2に表示されるから、連続して実行する炊飯運転の予定回数を視認することができる。
【0097】
また、本実施態様にかかる洗米炊飯機1は、同じ炊飯条件で連続して炊飯する連続モードと、異なる炊飯条件で連続して炊飯する炊き分けモードとを工程表示画面において選択可能に構成されているから、操作者のその時々の状況に応じた炊飯運転を行うことができる。
【0098】
図10は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる洗米炊飯機1の操作画面61の近傍の略正面図である。
【0099】
本実施態様においては、初心者であっても容易に炊飯条件の設定の操作ができるように、運転モードとして連続モードと炊き分けモードに加え、初心者モードを選択可能に構成されている。ここに、初心者モードとは、洗米炊飯機に精通していない操作者であっても、容易に炊飯条件の設定の操作ができるよう、予め設定された3つの炊飯条件の中から1つを選択可能で、選択された炊飯条件について、連続炊飯運転の回数および炊飯量のみを操作者によって変更可能に構成された運転モードで、誤操作の低減が図られた運転モードである。
【0100】
本実施態様においては、操作画面61は、図1ないし図9に示された実施態様に示された炊飯条件の設定画面、炊飯運転の状況を示す工程表示画面および予約運転の条件を設定するための予約設定画面に加えて、初心者モードが設定された場合の炊飯条件の選択画面と、選択された炊飯条件の内容を確認するための炊飯条件の確認画面を切り換えて表示可能に構成されている。
【0101】
運転モードとして初心者モードを設定する場合には、図4に示されるように、操作画面61に工程表示画面が表示された状態で、モード切換えスイッチS5を押圧操作することにより、連続モード→炊き分けモード→初心者モードの順に切り換えて設定することが可能である。
【0102】
図10(a)は、初心者モードが設定された場合の操作画面61の近傍の略正面図であり、炊飯条件の選択画面である。運転モードとして初心者モードが設定された状態で、図4に示された詳細スイッチS6を押圧操作することにより、操作画面61が工程表示画面から図10(a)に示される画面に移行するように構成されている。
【0103】
図10(a)に示される炊飯条件の選択画面においては、条件1ないし条件3の3つの炊飯条件のうちから1つの炊飯条件を選択可能に構成されており、スイッチS12、スイッチS13またはスイッチS14を押圧操作することにより、炊飯条件が選択され、炊飯条件の選択画面から、選択された炊飯条件に対応する図10(b)に示される炊飯条件の確認画面に移行する。
【0104】
図10(b)には、炊飯条件の選択画面においてスイッチS12を押圧操作して条件1が選択された場合の炊飯条件の確認画面が示されており、条件1の内容を確認可能に構成されている。炊飯条件の確認画面には、炊き方、炊飯量、水加減、洗い方、浸漬時間、点火方法、蒸らし時間の各炊飯条件と連続炊飯運転の回数が表示され、連続炊飯運転の回数は前記実施態様の場合と同様に、連続炊飯回数設定スイッチS2を操作することにより設定されるように構成されている。
【0105】
炊飯条件については、炊飯量のみを設定可能に構成され、炊飯量の表示の下方のスイッチS15およびS16を操作することにより、炊飯量を設定可能に構成されている。連続炊飯運転の回数および炊飯量を設定した後、スタートスイッチS3を操作することにより、炊飯運転が実行される。
【0106】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0107】
例えば、図1ないし図9に示された実施態様においては、洗米炊飯機1は単一の炊飯装置4を備えているが、複数の炊飯装置4を備えていてもよく、その場合には、貯米庫2および洗米装置3を左右にスライド可能にし、2つの炊飯装置4を左右に並べることができる。
【0108】
また、図1ないし図9に示された実施態様においては、洗米炊飯機1は、同じ炊飯条件で連続して炊飯する連続モードと、異なる炊飯条件で連続して炊飯する炊き分けモードとを工程表示画面において選択可能に構成されているが、運転モードとしては、連続モードと炊き分けモード以外に、1回の炊飯運転を実行して終了するモードや、洗米の工程までを行うモードなどを用いることもできる。
【0109】
さらに、図1ないし図9に示された実施態様にかかる洗米炊飯機1は、炊き分けモードにおいて記憶装置Mに格納可能な炊飯運転の数が5つに設定されているが、炊飯運転の回数は5未満でも、6以上でもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 洗米炊飯機
2 貯米庫
3 洗米装置
4 炊飯装置
5 フレーム
6 操作パネル
10 米搬送装置
11 架台部
21 米投入口
22 貯米庫の蓋
23 計量器
24 モータ
31 洗米タンク
32 ジャケット部
33a 給水管
33b 上部給水管
33c 下部給水管
33d 電磁弁
33e 電磁弁
33f シャワーノズル
34a 送気管
34b モータ
35a 排米弁
35b 排米軸
35c 駆動モータ
36a 撹拌棒
36b 洗米モータ
37a 排水弁
37b 排水口
37c 排水弁ソレノイド
38 流量センサ
39 水位センサ
41 炊飯釜
42 釜加熱用バーナ
43 炊飯釜の蓋
44 自動開閉手段
45 センサ
46 モータ
51 キャスター
52 架台
53 架台の把手
61 操作画面
C1 運転状況表示部
C2 連続炊飯運転回数表示部
C3 運転モード表示部
C4 工程表示部
C5 炊飯条件表示部
C6 コメント表示部
C7 タブ表示部
C8 炊飯条件設定部
S1 電源スイッチ
S2 連続炊飯回数設定スイッチ
S2a スイッチ
S2b スイッチ
S3 スタートスイッチ
S4 予約スイッチ
S5 モード切換えスイッチ
S6 詳細スイッチ
S7a スイッチ
S7b スイッチ
S8a スイッチ
S8b スイッチ
S9a ONスイッチ
S9b OFFスイッチ
S10 確定スイッチ
S11 戻るスイッチ
S12 スイッチ
S13 スイッチ
S14 スイッチ
S15 スイッチ
S16 スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10