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  • 特許-トッピングライン冷却装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】トッピングライン冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 13/06 20060101AFI20230614BHJP
   F25D 17/06 20060101ALI20230614BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20230614BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
F25D13/06
F25D17/06 301
F25D17/08 301
F25D23/00 306A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019095817
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020190367
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】593012310
【氏名又は名称】菱熱工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】川島 桜子
(72)【発明者】
【氏名】石坂 洋
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-219141(JP,A)
【文献】特開平07-280405(JP,A)
【文献】特開2010-243130(JP,A)
【文献】実開平03-089369(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 13/06
F25D 17/06
F25D 17/08
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置が搬送する被搬送物を冷却した状態においてトッピング素材を順次トッピングするためのトッピングライン冷却装置であって、
前記搬送装置の搬送方向に沿った両側に位置し、それぞれ前記搬送装置の搬送面より上方に突出すると共に、冷風を吹出すことにより前記搬送面上に周囲温度よりも低温の冷却雰囲気を形成する立ち上り部と、
前記搬送面の下方に位置して該搬送面上の空気を吸込むと共に前記立ち上り部へ冷気を送出する送出部と
を備え
前記送出部は、1つのファンと2つの冷却器を有しており、
前記ファンは前記搬送装置の下方に設けられ、
一方の前記冷却器は、一方の前記立ち上り部に連通する第1ダクト側に設けられ、
他方の前記冷却器は、他方の前記立ち上り部に連通する第2ダクト側に設けられ、
前記ファンが前記2つの冷却器を介して前記第1及び第2ダクトへ送風することにより、前記2つの冷却器と前記第1及び第2ダクトとを介して前記立ち上り部のそれぞれから冷風を吹出す
ことを特徴とするトッピングライン冷却装置。
【請求項2】
前記立ち上り部と前記搬送装置との間には間隙が形成されており、前記送出部は該間隙から空気を吸込むことを特徴とする請求項1記載のトッピングライン冷却装置。
【請求項3】
前記トッピングライン冷却装置のケーシングには、冷風をケーシング外部へ取り出すための取出開口が形成されており、
前記ファンが前記2つの冷却器を介して前記第1及び第2ダクトへ送風する際に、前記取出開口へも送風されて前記ケーシング外部に冷風を送出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のトッピングライン冷却装置。
【請求項4】
前記取出開口は、前記第1ダクト及び前記第2ダクトにそれぞれ設けられ、前記トッピング素材が装填された前記ケーシング外部に位置する番重とそれぞれ接続されている
ことを特徴とする請求項記載のトッピングライン冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、弁当箱等の被搬送物を搬送しながら惣菜等のトッピング素材をトッピングするトッピングラインを冷却するためのトッピングライン冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弁当の製造において、米飯が充填された弁当箱に、別途製造した惣菜をトッピングするトッピングラインが設けられており、このようなトッピングラインでは、雑菌等の繁殖を防ぐために室温15℃から20℃程度に冷却された包装室内に弁当箱を搬送する搬送装置を設けている。そして、搬送装置によって搬送される弁当箱に対して、作業員が手作業で惣菜等のトッピング素材を盛り付けている。
【0003】
このようなトッピングラインの搬送装置としては、下記特許文献1に示されるトッピングライン冷却装置が知られている。このトッピングライン冷却装置は、ケーシングと、ケーシングの上部に配置されて、搬送面上に弁当箱を載せて搬送する搬送装置と、ケーシング内部に配置されて冷風を製造する冷却器と、冷却器で製造された冷風を搬送面上へと誘導して、搬送方向を横切り、ケーシング内部の前記冷却器へと戻すように循環させて搬送面上に周囲温度よりも低温の冷却雰囲気を形成する循環路と、ケーシング内部で循環路の一部から冷風を分岐させる分岐路と、を備え、ケーシングには分岐路からの冷風をケーシング外部へ取り出す取出開口が形成されており、該取出開口には、番重へと冷風を送風するための可撓性連結ダクトの一端が接続可能となっていることを特徴としている。この特徴によれば、トッピングラインと共に番重も冷却することができるため、番重用の新たな冷却器を不要とすることができ、製造コストを低減し効率的に冷却を行うことができる。
【0004】
このトッピングライン冷却装置は、ケーシングに、搬送装置の搬送方向に沿って搬送装置の両側を覆う2つの側壁を有しており、側壁それぞれの内側には、搬送装置の搬送方向に沿った両側部において、搬送装置の搬送面より上方に突出する立ち上り部を備えた内壁が設けられている。立ち上り部は前述した循環路の一部であり、一方の立ち上り部から冷風を吹出し、他方の立ち上り部から冷風を吸込むことで冷却雰囲気を搬送面上に形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-219141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような装置においては、一方の立ち上り部が吹出す冷風よりも他方の立ち上り部が吸込む冷風の方が温度が高く、トッピングライン冷却装置内において一方の立ち上り部側と他方の立ち上り部側とで冷気の温度が異なることとなる。このような装置内における一方の立ち上り部側内部と他方の立ち上り部側内部との冷気の温度差を低減させることが求められていた。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、一方の立ち上り部側内部と他方の立ち上り部側内部との冷気の温度差を低減可能なトッピングライン冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の実施形態は、搬送装置が搬送する被搬送物を冷却した状態においてトッピング素材を順次トッピングするためのトッピングライン冷却装置であって、前記搬送装置の搬送方向に沿った両側に位置し、それぞれ前記搬送装置の搬送面より上方に突出すると共に、冷風を吹出すことにより前記搬送面上に周囲温度よりも低温の冷却雰囲気を形成する立ち上り部と、前記搬送面の下方に位置して該搬送面上の空気を吸込むと共に前記立ち上り部へ冷気を送出する送出部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一方の立ち上り部側内部と他方の立ち上り部側内部との冷気の温度差を低減可能なトッピングライン冷却装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るトッピングライン冷却装置を示す概略斜視図である。
図2】実施形態に係るトッピングライン冷却装置の概略縦断面図である。
図3】実施形態に係るトッピングライン冷却装置が備える立ち上り部の内部構造を示す概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
(全体構成)
先ず、本実施形態に係るトッピングライン冷却装置の全体構成について説明する。図1は本実施形態に係るトッピングライン冷却装置を模式的に示す概略斜視図であり、図2はトッピングライン冷却装置の概略縦断面図である。図3は、トッピングライン冷却装置が備える一対の立ち上り部における内部構造を示す概略縦断面図である。なお、図2においては、説明上、図中右側に連結された後述する番重装置30のみが示されている。図3においては、一対の立ち上り部のそれぞれが同一構成のものであるため、一方の立ち上り部のみが示されており、他方の立ち上り部の図示を省略している。
【0013】
図1に示されるように、トッピングライン冷却装置1は、搬送方向に沿って延在するベルトコンベア10と、ベルトコンベア10の下方及び側方を囲うように配置され、後述する冷却送風部26等が収容されたケーシング20とを備え、トッピング素材としての惣菜90を装填する番重31を有する番重装置30と着脱自在に連結されている。本実施形態に係るトッピングライン冷却装置1は、包装室内に設置されており、ベルトコンベア10の搬送面10aに置かれた弁当箱80が順次搬送され、その途中で番重31に装填されている惣菜90が作業者により弁当箱80に対して順次トッピングされるようになっている。惣菜90がトッピングされた弁当箱80は、ベルトコンベア10の末端に配置された作業台70まで搬送され、ここで蓋を取り付ける等の作業が行われる。
【0014】
本実施形態においては、1台のトッピングライン冷却装置1が示されているが、複数台直列に連結する等してもよく、トッピングライン冷却装置1の長さや、連結配置するトッピングライン冷却装置1の台数は任意である。
【0015】
(ケーシング20)
ケーシング20は、ベルトコンベア10の搬送方向に沿って、ベルトコンベア10の側方両側を覆う一対の側壁21を有する箱状部材である。図2に示されるように、一対の側壁21の内側には、ベルトコンベア10の搬送方向に沿った両側、即ちベルトコンベア10を間に介在してベルトコンベア10の幅方向(搬送方向に直交する方向)において互いに離間するように位置し、ベルトコンベア10の搬送面10aより上方に突出して冷風の吹出しをそれぞれ行うための一対の立ち上り部22aを備えた内壁22が設けられる。この内壁22は、下方に延びてドレンパンを形成すると共に、後述する冷却送風部26のファン261が設けられている。
【0016】
一対の立ち上り部22aは、その先端部の内方側面に冷風の吹出しを行うための多数の孔部221が搬送方向に沿ってそれぞれ形成されている(図1図3参照)。孔部221から冷風が吹出されることにより、室温より低温なエアカーテンを形成することができる。このような立ち上り部22aは例えばパンチングメタル等により構成されるとよい。なお、孔部221に限らず、スリット等の開口を設けるようにしてもよい。
【0017】
また、図2に示されるように一対の立ち上り部22aは、孔部221からベルトコンベア10の搬送面10aに向けて下方に吹き下ろす形で冷風を吹出すことにより、搬送面10aに対してその両側方から冷風を送出することができる。立ち上り部22aは図3に示されるように、内部に搬送面に向かって漸次下方に傾斜する平板状の複数のルーバー222が設けられている。このように傾斜したルーバー222それぞれの間に孔部221が形成されることにより、冷風の下方への吹出しを実現している。
【0018】
各側壁21と立ち上り部22aとの間に形成される空間は、それぞれ冷風が通過するためのメインダクト23aとなっており、これらのメインダクト23aは、ケーシング20の下方まで延在すると共に、その下方の一部に冷風を分岐するための分岐ダクト23bが形成されている。したがって、冷風はメインダクト23aと分岐ダクト23bとの双方を通過することとなる。
【0019】
一対の側壁21には、分岐ダクト23bと側壁21の外側とを連通する取出開口24がそれぞれ形成されており、分岐ダクト23b内の空気(冷気)は取出開口24を介してトッピングライン冷却装置1外へ取り出すことができる。なお、図示されていないが、本実施形態においては搬送方向に並ぶように取出開口24が少なくとも2つ連設されており、後述する番重装置30に連結される。
【0020】
2つ連設された取出開口24は、番重装置30が備える2つの可撓性連結ダクト34a,34bをそれぞれ着脱自在に取り付けることができ、冷風を番重装置30に送出することができる。取出開口24は、番重装置30等の外部装置と連結していない状態において冷風の外部への漏出を防止するため、蓋部材241がその開口縁部に設けられていることが好ましい。
【0021】
ベルトコンベア10と内壁22との間には、それぞれ所定距離離間して間隙が画成されており、この間隙が内壁22に沿って下方に延在することで互いに連結されて空気が通過可能な通気経路25となっている。この通気経路25内の空気を後述する冷却送風部26が吸引してメインダクト23a内に送出することにより、冷風の循環を可能としている。
【0022】
(冷却送風部26)
ケーシング20下方内部には、図2に示されるように、冷風を製造するための冷却送風部26が設けられている。冷却送風部26は、1つのファン261及び2つの冷却器262を備えて構成されている。本実施形態においては、1つのトッピングライン冷却装置1に対して複数の冷却送風部26が備えられているが(図1参照)、これらの台数はトッピングライン冷却装置1の長さ等により適宜増減させるとよい。
【0023】
ファン261は、その吸気口が通気経路25に臨み、排気口が2つの冷却器262に臨むように、ケーシング20内部の内壁22下部に配設された仕切り壁28に固定されており、2つの冷却器262は、それぞれメインダクト23aに臨むように、仕切り壁28に対して固定されている。
【0024】
ファン261は、通気経路25内の空気を吸入すると共に、これを後段に位置する冷却器262を介してメインダクト23aへ送出し、これにより一対の立ち上り部22aはそれぞれ冷風を吹出すことができる。ファン261の風速は、強ければ一対の立ち上り部22aのそれぞれから吹出された冷風が過度にぶつかり上方等へ逃げしまい、弱ければベルトコンベア10の搬送面10aに到達しない。そのため、ベルトコンベア10の搬送面10a上中央に到達する程度の風速となるようにインバータを調節する等して回転数を調節することが好ましい。なお、立ち上り部22aの孔部221の数を減らす等して風速を調節してもよい。
【0025】
また、通気経路25内には、惣菜90のトッピング中における落下や、ベルトコンベア10における残滓の落下が生じる可能性がある。一方、ファン261はその吸気口が上方を向くよう配設されているため、軸受けが露出することとなる。したがって、ファン261には落下物の付着や清掃(例えば水洗い)等を考慮して防水仕様のものを用いることが好ましい。
【0026】
冷却器262は膨張弁および冷媒が通過して空気との熱交換を行う熱交換器を有しており、ファン261から送出される風を冷却する。冷却器262を通過する冷媒は、ケーシング20外に配置される図示しない凝縮器、圧縮機及び膨張弁を循環するようになっている。ケーシング20の側壁21には、凝縮器、圧縮機及び膨張弁に対応して、図示しない空気流通口が設けられるとよい。
【0027】
冷却送風部26で製造される冷風は、メインダクト23a、立ち上り部22aを経て、搬送面10a上に到達し、通気経路25を経て冷却送風部26へと戻り、こうして図2中矢印で示される冷風の循環路が形成される。また、メインダクト23aに流入した冷風は分岐ダクト23bにより一部分岐されて取出開口24を経て番重装置30に送出される。
【0028】
以上に説明した立ち上り部22a、メインダクト23a、分岐ダクト23b、取出開口24、通気経路25、及び冷却送風部26は、図2に示されるように側壁21間の中央を基準面として面対称構造となるよう配設されているため、一対の立ち上り部22aがそれぞれ吹出す冷風を略同一、換言すれば温度ムラを生じ難くすることができる。これは取出開口24がそれぞれ吹出す冷風においても同様である。
【0029】
(番重装置30)
番重装置30は、図2に示されるように、番重収納台32と、番重受け台33と、可撓性連結ダクト34a,34bとを備えて構成されている。番重収納台32は、ボックス形状をなして、その下部には複数のキャスタ31aが取り付けられ、側壁の一部が開閉自在な開閉扉となっており、その内部に複数の予備の番重31を積み重ねて収納できるようになっている。また、番重収納台32の側壁には、1つ以上の取入開口32bが形成される。取入開口32bは、適宜、図示しない蓋部材によって閉鎖可能であり、また開放したときに可撓性連結ダクト34aの他端に着脱自在に接続することができる。この可撓性連結ダクト34aは一端が側壁21における一方の取出開口24に着脱自在に接続することができ、当該接続により冷風を番重収納台32内部に取り入れることができる。
【0030】
番重受け台33は、上部開口33aを有しており、該上部開口33aを介してその内部に1つの番重31が受容されてセットされるようになっている。また、番重受け台33の側壁には、1つ以上の取入開口33bが形成される。取入開口33bは、適宜、図示しない蓋部材によって閉鎖可能であり、また開放したときに可撓性連結ダクト34bの他端に着脱自在に接続することができる。この可撓性連結ダクト34bは一端が側壁21における他方の取出開口24に着脱自在に接続することができ、当該接続により冷風を番重受け台33内部に取り入れることができる。
【0031】
(装置動作)
以上のように構成されるトッピングライン冷却装置1を用いて、弁当箱80を搬送しながら惣菜90をトッピングする作業について説明する。
【0032】
先ず、室温が約20℃から25℃の常温に空調された包装室において、ベルトコンベア10、冷却送風部26を駆動させる。駆動後、上述した冷風の循環路が形成される。より具体的には、ファン261によって通気経路25内の空気が吸引されると共に、2つの冷却器262へそれぞれ送風され、当該冷却器262を通過して熱交換されることによって得られた冷風が、メインダクト23aを通って、立ち上り部22aへ送出される。送出後、冷風が立ち上り部22aの孔部221から吹き下ろされる形で吹出され、コンベア10の搬送面10a上に到達することにより、ベルトコンベア10の搬送面10a上に、包装室の室温よりも低い冷却雰囲気が形成され、この冷却雰囲気内において弁当箱80がベルトコンベア10によって搬送される。搬送面10a上に形成された冷却雰囲気における冷気は、通気経路25内の空気がファン261により吸引されることで当該通気経路25内に引き込まれ、再びファン261により冷却器262へ送出されることとなる。これにより図2における矢印に示されるが如く冷風が側壁21内側において循環することとなる。
【0033】
一方、メインダクト23aに流入せず、分岐ダクト23bに流入した冷風は、可撓性連結ダクト34a,34bを通過して番重収納台32及び番重受け台33へ送出され、それぞれの内部に搬送面10aと同様の冷却雰囲気を形成することができ、これら内部に受容された番重31を冷却することができる。
【0034】
作業員は、番重31に対応してベルトコンベア10の両側に配置されており、搬送されてくる弁当箱80に番重31に装填された惣菜90を順次トッピングしていく。この時、番重31及び弁当箱80は、搬送面10a上に形成された冷却雰囲気または番重受け台32内に形成された冷却雰囲気内に保持される。
【0035】
このように、包装室の室温は常温であっても、番重30及び弁当箱80を常時冷却雰囲気内で保持することができ、雑菌の繁殖を抑えることができる。
【0036】
ベルトコンベア10の搬送面10a、番重収納台32、及び番重受け台33に形成される冷却雰囲気は、要求される設定温度になるように圧縮機または膨張弁が調整される。具体的な設定温度としては、5℃から20℃の間の任意の温度とすることができる。チルド弁当とすることが要求される場合には低温の設定温度に、チルド以外の弁当とすることが要求される場合には比較的高温の設定温度にすればよい。
【0037】
以上に説明した本実施形態によれば、一対の立ち上り部22aのそれぞれから冷風を吹出すことができるため、ベルトコンベア10の搬送面10aに対して双方向、即ち幅方向の両側から冷風を到達させて搬送面10a上に冷却雰囲気を形成させることができる。このような双吹きの構成により、例えばトッピングライン冷却装置1内から幅方向両側において冷風を取り出したとしても、取り出された冷風は共に略同一の温度となる。したがって、番重装置30をトッピングライン冷却装置1の両側に配置することができるため、作業員も同様に両側に配置することができて作業スペースを有効に活用することができると共に、その作業効率の向上の効果も奏する。
【0038】
また、番重装置30をトッピングライン冷却装置1の幅方向両側に配する場合、ベルトコンベア10の搬送面10a上に冷却雰囲気を形成するためのファン261のみで各番重装置30に対して冷風を送出することができる。したがって番重装置30へ冷風を送出するための専用のファンを設ける場合と比較して、低コスト化を実現できる。
【0039】
なお、本実施形態においては、ベルトコンベア10と内壁22との間に間隙を画成することにより通気経路25を設けると説明したがこれに限定されるものではなく、例えば搬送面10aに孔部が多数穿設されて当該孔部を介してファン261が空気を吸引するようにしてもよい。この場合、当該孔部が通気経路となり、ベルトコンベア10と内壁22との間に間隙を形成しなくてもよい。
【0040】
また、ルーバー222が立ち上り部22a内に位置すると説明したが、外部に露出した状態としてもよく、孔部221の開口面が斜め下を向くように、立ち上り部22a上端部をベルトコンベア10の搬送面10a側に接近するよう傾斜させてもよい。
【0041】
また、一対の立ち上り部22aのそれぞれがベルトコンベア10の搬送面10a上に到達するように冷風が吹き出されると説明したが、一方の立ち上り部22aが他方の立ち上り部22aに隣接する通気経路24の開口に向けて冷風を吹出し、他方の立ち上り部22aが一方の立ち上り部22aに隣接する通気経路24の開口に向けて冷風を吹出して冷風が搬送面10a上でクロスするようにしてもよい。この場合、例えば一対の立ち上り部22aの各孔部221が、搬送方向においてそれぞれ互い違いになるようにしてもよい。
【0042】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0043】
1 トッピングライン冷却装置
10 ベルトコンベア(搬送装置)
10a 搬送面
22a 一対の立ち上り部
25 通気経路(間隙)
26 冷却送風部(送出部)
30 番重
80 弁当箱(被搬送物)
90 惣菜(トッピング素材)
図1
図2
図3