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特許7295574酸素ガス濃度測定用素子、及び、該素子を備えるセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】酸素ガス濃度測定用素子、及び、該素子を備えるセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
G01N21/64 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020101144
(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公開番号】P2021196206
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】593117796
【氏名又は名称】株式会社オートマチック・システムリサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】今津 重人
【審査官】吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-212365(JP,A)
【文献】特開2014-118551(JP,A)
【文献】特開2001-194304(JP,A)
【文献】特開平10-132742(JP,A)
【文献】特開2016-223941(JP,A)
【文献】特開2009-236902(JP,A)
【文献】特開2008-292412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62 - G01N 21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光の照射によって蛍光を発生する蛍光物質又はりん光を発生するりん光物質と、シリコーン樹脂と、フッ素樹脂とを含み、且つ、酸素ガスを透過する発光層を備え、
前記フッ素樹脂は、末端に-C 基を含有するパーフルオロアルキルアクリレートの重合体である、酸素ガス濃度測定用素子。
【請求項2】
前記シリコーン樹脂が、硬化したシリコーンゴムである、請求項1に記載の酸素ガス濃度測定用素子。
【請求項3】
前記発光層が、前記りん光物質として金属ポルフィリン錯体を含む、請求項1又は2に記載の酸素ガス濃度測定用素子。
【請求項4】
前記金属ポルフィリン錯体が、白金ポルフィリン錯体である、請求項3に記載の酸素ガス濃度測定用素子。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の酸素ガス濃度測定用素子を備える、センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素ガス濃度測定用素子、及び、該素子を備えるセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
光励起によって発する蛍光又はりん光の強度が、酸素ガス濃度が高いほど小さくなる消光現象が知られている。
【0003】
従来、この消光現象を利用して酸素ガス濃度を測定する酸素ガス濃度測定用素子、及び、斯かる素子を備えるセンサが知られている。
この種のセンサは、励起光の照射によって蛍光やりん光を発生する蛍光物質やりん光物質を含む発光層を備える。この種のセンサは、発光層に励起光を照射して、消光現象によって小さくなった蛍光やりん光の強度を測定するように構成されている。そして、小さくなった光強度を基にして、酸素ガス濃度が算出される。
【0004】
この種のセンサとしては、例えば、励起光及び蛍光が透過する基板と、蛍光物質が多孔質フィルタに固定されてなる発光層と、発光層で発生した蛍光を反射し、外光を遮断し、酸素を透過させる被覆層と、を有する素子を備えたセンサが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載のセンサでは、励起光が照射される側から基板、発光層、及び被覆層が順に重ねられている。
【0005】
特許文献1に記載のセンサの酸素ガス濃度測定用素子では、多孔質フィルタに固定された蛍光物質が発光層において比較的均一に分散されていることから、長期間にわたって安定的な感度を発揮できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-194304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、酸素ガスをより高い精度で検出すべく、良好な感度を有する酸素ガス濃度測定用素子、及び、斯かる素子を備えるセンサが要望されている。
【0008】
上記の要望点等に鑑み、本発明は、良好な感度を有する酸素ガス濃度測定用素子、該酸素ガス濃度測定用素子を備えるセンサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係る酸素ガス濃度測定用素子は、
励起光の照射によって蛍光を発生する蛍光物質又はりん光を発生するりん光物質と、フッ素樹脂とを含み、且つ、酸素ガスを透過する発光層を備え、
前記フッ素樹脂は、エステル結合及びパーフルオロアルキル基を分子中に有するフッ素樹脂、ペンタフルオロエチル基を含有するパーフルオロアルキル基を分子中に有するフッ素樹脂、パーフルオロアルコキシアルカン構造を分子中に有するフッ素樹脂、エチレンテトラフルオロエチレン構造を分子中に有するフッ素樹脂、ポリビニリデンフルオライド構造を分子中に有するフッ素樹脂、及び、パーフルオロポリエーテル構造を分子中に有するフッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
上記の酸素ガス濃度測定用素子によれば、酸素ガス濃度を良好な感度で測定できる。
【0010】
上記の酸素ガス濃度測定用素子においては、前記発光層が、エステル結合及びパーフルオロアルキル基を分子中に有するフッ素樹脂、及び、ペンタフルオロエチル基を含有するパーフルオロアルキル基を分子中に有するフッ素樹脂のうち少なくとも一方を前記フッ素樹脂として含むことが好ましい。
【0011】
上記の酸素ガス濃度測定用素子においては、前記発光層が、前記りん光物質として金属ポルフィリン錯体を含むことが好ましい。金属ポルフィリン錯体は、白金ポルフィリン錯体であることが好ましい。
【0012】
上記の酸素ガス濃度測定用素子においては、前記発光層が、シリコーン樹脂をさらに含むことが好ましい。
【0013】
本発明に係るセンサは、上記の酸素ガス濃度測定用素子を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る酸素ガス濃度測定用素子及びセンサによれば、酸素ガス濃度を良好な感度で測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態のセンサの一例を示す模式図。
図2】本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子と、該素子によって蛍光又はりん光の光強度を電気信号へ変換する変換部の一部と、を示す模式断面図。
図3】本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子の模式断面図。
図4】本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子を用いて酸素ガス濃度を測定する様子を模式的に表した他の例の模式図。
図5】本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子を用いて酸素ガス濃度を測定する様子を模式的に表した別の例の模式図。
図6】発光層に配合するフッ素樹脂などをFTIR分析した結果を示すチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る酸素ガス濃度測定用素子、及び、センサの各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
本実施形態のセンサ100は、図1に示すように、酸素ガス濃度測定用素子10(以下、単に素子10ともいう)と、該素子10へ励起光を照射することによって生じた蛍光又はりん光を電気信号へ変換する変換部20と、変換部20からの電気信号を演算して酸素ガス濃度を算出する演算部30と、を備える。
【0018】
本実施形態のセンサ100は、酸素ガス濃度が高くなるほど蛍光又はりん光の強度が小さくなる消光現象を利用して、被測定物中の酸素ガス濃度を測定するように構成されている。
詳しくは、本実施形態のセンサ100は、被測定物中の酸素ガスが上記素子10の一部にまで入り込み、入り込んだ酸素ガスによる消光現象によって強度が小さくなった蛍光又はりん光を、変換部20によって電気信号へ変換し、斯かる電気信号を基にして演算部30によって演算を実施することによって、被測定物における酸素ガス濃度を算出するように構成されている。
【0019】
本実施形態における上記の酸素ガス濃度測定用素子10は、励起光の照射によって蛍光を発生する蛍光物質又はりん光を発生するりん光物質を含み、且つ、酸素ガスを透過する発光層12を備え、発光層12が、フッ素樹脂をさらに含む。
【0020】
詳しくは、本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子10は、図2及び図3に示すように、
励起光を透過させ且つ蛍光又はりん光を透過させる基板11と、
特定のフッ素樹脂(後に詳述)と、蛍光物質又はりん光物質と、を含み、且つ、前記基板11に重なる発光層12と、
前記発光層12を覆うことにより前記発光層12からの蛍光又はりん光を反射し且つ外光を遮断し且つ酸素ガスを透過する被覆層13と、を備える。
換言すると、上記の素子10は、上記の発光層12と、発光層12の一方の面に重なり且つ励起光を透過させて前記一方の面へ励起光を到達させる基板11と、発光層12の他方の面に重なった被覆層13とが積層された構成を有する。
【0021】
本実施形態のセンサ100では、上記素子10の被覆層13における外側の面が、酸素ガスを含む被測定物と接するように配置されている。
【0022】
上記素子10の基板11は、励起光を透過させ、且つ、蛍光及びりん光を透過させる材料で形成されている。透過率は、通常、95%以上である。
【0023】
基板11を形成する材料は、例えば、ソーダ石灰ガラス、ほうけい酸ガラス(耐熱ガラス)、石英(二酸化ケイ素の結晶物)、サファイアガラス(アルミナの結晶物)といった無機材料、又は、ポリカーボネート樹脂若しくはアクリル樹脂といった有機材料である。
【0024】
基板11の形状は、薄い円板状であってもよい。基板11は、例えば、1mm以上3mm以下の厚さを有し、5mm以上20mm以下の外径(直径)を有する。
【0025】
基板11を透過する励起光は、蛍光物質又はりん光物質を励起すべく、比較的高いエネルギーを有する光である。
励起光としては、例えば、紫外線又は可視光が採用される。励起光の波長は、例えば300nm~600nm、励起光のバンド幅は、例えば10nm~30nmである。
【0026】
発光層12は、基板11よりも外側に配置されて基板11に重なっている。発光層12の厚さは、例えば5μm以上40μm以下である。
【0027】
発光層12は、特定の構造又は基を分子中に有するフッ素樹脂と、蛍光物質又はりん光物質の少なくとも一方と、を含む。発光層12では、蛍光物質又はりん光物質が分散した状態である。発光層12へ励起光が照射されると、蛍光物質から蛍光が、又はりん光物質からりん光が発生する。一般的に、励起光の波長よりも、蛍光及びりん光の波長の方が長い。
【0028】
上記のフッ素樹脂は、エステル結合及びパーフルオロアルキル基を分子中に有するフッ素樹脂(I)、ペンタフルオロエチル基(-C基)を含有するパーフルオロアルキル基を分子中に有するフッ素樹脂(II)、パーフルオロアルコキシアルカン構造を分子中に有するフッ素樹脂(III)、エチレンテトラフルオロエチレン構造を分子中に有するフッ素樹脂(IV)、ポリビニリデンフルオライド構造を分子中に有するフッ素樹脂(V)、及び、パーフルオロポリエーテル構造を分子中に有するフッ素樹脂(VI)からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0029】
上記のフッ素樹脂(I)は、分子中にエステル結合[-C(=O)O-]を有し、且つ、フッ化炭素構造(-CFCF-)を有する。例えば、斯かるフッ素樹脂は、フルオロアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。
上記のフッ素樹脂(II)は、分子中にペンタフルオロエチル基(-C基)を少なくとも有する。斯かるフッ素樹脂は、末端に-C基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。フルオロアルキル基部分の炭素数は、4以上8以下であってもよく、6であってもよい。
なお、「(メタ)アクリレート」という表記は、メタクリレート及びアクリレートの両方を包含することを意味する。
【0030】
本実施形態におけるフッ素樹脂は、分子中にペンタフルオロエチル基(-C基)及びエステル結合[-C(=O)O-]の両方を分子中に有することがより好ましい。上記のフッ素樹脂は、末端に-C基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートの重合体であることが好ましい。上記のフッ素樹脂は、末端に-C基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートのホモポリマーであってもよく、末端に-C基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートとフッ素非含有のアルキルアクリレートとのコポリマーであってもよい。末端に-C基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートは、炭素数6のフルオロアルキル基(-C13)を有することが好ましい。これにより、酸素ガス濃度をより良好な感度で測定できるという利点がある。
斯かるフッ素樹脂を含む原料としては、市販されている製品を用いることができる。市販されている製品としては、例えば、フッ素系の撥水撥油剤や防湿コート剤が挙げられる。具体的なフッ素系の撥水撥油剤としては、例えば、ダイキン工業社製のユニダインシリーズ及びオプトエースシリーズ、ネオス社製のRBシリーズ、フロロテクノロジー社製のフロロサーフシリーズ、AGC社製のアサヒガードEシリーズ、ユニマテック社製のNOXBARRIERシリーズ、ハーベス社のデュラサーフDHシリーズ、カントーカセイ社のメタックスシリーズといった製品が挙げられる。
【0031】
上記のフッ素樹脂(III)としては、例えば、PFAと称されるものが挙げられる。斯かるフッ素樹脂は、四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合構造を分子中に有する。
上記のフッ素樹脂(IV)としては、例えば、ETFEと称されるものが挙げられる。斯かるフッ素樹脂は、-C-及び-C-が連なった構造を分子中に有する。
上記のフッ素樹脂(V)としては、例えば、PVDFと称されるものが挙げられる。斯かるフッ素樹脂は、-CH-CF-を繰り返し単位とする構造を分子中に有する。
上記のフッ素樹脂(VI)としては、例えば、PFPEと称されるものが挙げられる。
これらのフッ素樹脂を含む原料としては、市販されている製品を用いることができる。
【0032】
発光層12に含まれ得る蛍光物質は、励起光を受けることによって蛍光を発生する物質である。
蛍光物質としては、例えば、ユーロピウム錯体、ボロンジピロメテン、クマリン類、ベンゾフラザン類、ダンシル類、フルオレセイン、ビマン、アクリジン、トリアザペンタレン、デカシクレン、ピレン類などが挙げられる。
【0033】
発光層12に含まれ得るりん光物質は、励起光を受けることによってりん光を発生する物質である。
りん光物質としては、例えば、ピレン誘導体、金属フェナントロリン錯体、金属フタロシアニン錯体、金属ポルフィリン錯体などが挙げられる。
ピレン誘導体としては、例えば、ピレン若しくはペリレン等の多環式芳香族化合物、又は、その誘導体などが挙げられる。
金属フェナントロリン錯体としては、例えば、1,10-フェナントロリン、4,7-ジフェニル-1,7-フェナントロリン、5-クロロ-1,10-フェナントロリンの各金属錯体などが挙げられる。
金属フタロシアニン錯体としては、例えば、フタロシアニン又はフタロシアニン誘導体の金属錯体などが挙げられる。
金属ポルフィリン錯体としては、例えば、ポルフィリン、テトラベンゾポルフィリン、テトラナフトポルフィリン、テトラアントラポルフィリン、テトラニトロテトラベンゾポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、ピッケトフェンスポルフィリン、テトラペンタフルオロフェニルポルフィリン、又はテトラフェニルポルフィリンといったポルフィリン化合物の各金属錯体が挙げられる。
【0034】
上記の金属錯体における金属としては、例えば、白金、金、銀、銅、鉄、スズ、マンガン、コバルト、パラジウム、亜鉛、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、オウミウム、レニウム、イットリウム、イリジウム、ランタンなどが挙げられる。
【0035】
りん光物質としては、ポルフィリン環構造を有し、環内に金属原子が配置されている金属ポルフィリン錯体が好ましい。金属ポルフィリン錯体における金属としては、上記の金属が好ましく、金属ポルフィリン錯体におけるポルフィリン化合物としては、上記の各ポルフィリン化合物が好ましい。
より好ましいりん光物質としては、上記の各ポルフィリン化合物などの白金錯体、即ち、白金ポルフィリン錯体が挙げられる。
換言すると、発光層12は、白金ポルフィリン錯体などの金属ポルフィリン錯体をりん光物質として含むことが好ましい。これにより、酸素ガス濃度をより良好な感度で測定できるという利点がある。
【0036】
なお、上記の蛍光物質、りん光物質としては、市販されている製品を用いることができる。
【0037】
発光層12は、シリコーン樹脂をさらに含んでもよい。発光層12が、シリコーン樹脂を含むことによって、十分な耐熱性を有することができるという利点がある。
従って、シリコーン樹脂をさらに含む発光層12を備えた素子10を使って、例えば高圧滅菌処理などの高温環境下において酸素ガス濃度の測定を行っても、安定したセンサ出力を得ることができる。
なお、発光層12の主成分が上記のフッ素樹脂、さらには上記のシリコーン樹脂であることによって、発光層12は、酸素ガス透過性を有することなる。
【0038】
シリコーン樹脂としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、変性シリコーン樹脂などが挙げられる。また、硬化したシリコーンゴム(シリコーン樹脂硬化体)であってもよい。
上記のシリコーン樹脂としては、市販されている製品を用いることができる。例えば、縮合硬化型(室温硬化型)又は付加硬化型(加熱硬化型)のシリコーン樹脂組成物の製品を発光層12の作製時に用いることができる。この種のシリコーン樹脂組成物を用い、硬化させたシリコーンゴムを含む発光層12を作製することによって、蛍光物質やりん光物質を発光層12中により十分に固定化できる。
【0039】
発光層12は、発光層12の作製のときに使用する有機溶媒(例えばフッ素系溶媒)を含んでいてもよい。
【0040】
被覆層13は、酸素ガスを透過しつつ発光層12からの蛍光又はりん光を反射し且つ外光を遮断すべく、発光層12を外側から覆っている。
被覆層13は、単層であってもよく、複数層の積層物であってもよい。本実施形態において、被覆層13は、複数の層を有する。
被覆層13の厚さ(総厚さ)は、例えば10μm以上100μm以下であってもよい。
【0041】
例えば図3に示すように、被覆層13は、酸素ガスを透過しつつ発光層12からの蛍光又はりん光を反射する反射層13aと、反射層13aよりも外側に配置され且つ酸素ガスを透過しつつ外光を遮断する外光遮断層13bと、を有してもよい。
被覆層13は、少なくとも発光層12を保護すべく最も外側に配置された保護層13cをさらに有してもよい。
【0042】
被覆層13における反射層13aは、発光層12からの蛍光又はりん光を内側(励起光の光源方向)へ反射すべく、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子といった金属酸化物粒子を含んでもよい。
反射層13aは、例えば図3に示すように、発光層12の周縁部を外方から覆うように、且つ、発光層12の一方の面(基板11に重なる面と反対の面)を覆うように、発光層12に重なっていてもよい。
蛍光又はりん光を反射する上記の粒子(金属酸化物粒子)が、発光層12に配合されず反射層13aに配合されていることによって、発光層12から生じる蛍光又はりん光の光強度を十分に大きくすることができるという利点がある。
反射層13aの厚さ(発光層12と厚さ方向に重なっている部分の厚さ)は、例えば1μm以上20μm以下であってもよい。
【0043】
被覆層13における外光遮断層13bは、外光を遮断すべくカーボンブラック、金属粒子などを含んでもよい。
外光遮断層13bの厚さは、例えば1μm以上20μm以下であってもよい。
【0044】
被覆層13における保護層13cは、例えば、フッ素樹脂を含む溶液を外光遮断層13bの上に塗布し、溶媒を揮発させることによって形成されている。
このようにして形成された保護層13cによって、水、スチーム、油、アルコール等、液体の浸潤を防止できる。斯かる液体の浸潤を防ぐことによって、酸素ガスの保護層13cにおける透過性が悪化することを抑制でき、また、保護層13cの光学特性の変化による感度悪化を抑制できる。
保護層13cの厚さは、例えば5μm以上50μm以下であってもよい。
なお、保護層における各層の主成分がフッ素樹脂であることによって、各層は、酸素ガス透過性を有することなる。
【0045】
次に、本発明に係るセンサの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0046】
本実施形態のセンサ100は、上記の酸素ガス濃度測定用素子10を備えたセンサ100であり、具体的には、酸素ガス濃度測定用センサである。
本実施形態のセンサ100は、図1及び図2に示すように、上記の酸素ガス濃度測定用素子10と、該素子10へ励起光を照射することによって生じた素子10からの蛍光又はりん光の光強度を電気信号へ変換する変換部20と、変換部20からの電気信号を演算して酸素ガス濃度を算出して出力する演算部30と、を備える。
【0047】
本実施形態のセンサ100では、上記の素子10の被覆層13における外側の面が被測定物と接するように上記素子10が配置されている。本実施形態のセンサ100は、酸素ガス濃度を測定するときに、外側に配置された素子10の被覆層13を被測定物に接触させつつ、素子10に対して内部から励起光を照射するように構成されている。また、励起光の照射によって生じた蛍光又はりん光の光信号を変換部20によって電気信号へ変換し、電気信号を基にして演算部30によって被測定物の酸素ガス濃度を算出するように構成されている。
なお、上記のごとくセンサ100を使用するときに、発光層12には被測定物中の酸素ガスが被覆層13を通って入り込んでいる。入り込んだ酸素ガスによる消光現象によって、蛍光又はりん光の強度は、発光層12中の酸素ガス濃度が高いほど(被測定物の酸素ガス濃度が高いほど)低下する。そして、低下した光強度から変換された電気信号を基にして演算部30によって演算を実施することによって、被測定物における酸素ガス濃度が算出されることとなる。
【0048】
変換部20は、素子10を固定するセンサキャップ21と、センサキャップ21を先端部で嵌合する中空状のプローブホルダ22と、プローブホルダ22の内部に配置され且つ一端が素子10の基板11に当接したライトガイドロッド23と、を有する。
また、変換部20は、素子10に照射する励起光を発生する光源部24と、素子10で生じた蛍光又はりん光を検出して電気信号化する受光部25と、励起光を光源部24から素子10へ送りつつ素子10で生じた蛍光又はりん光を受光部25へ送る光経路26と、を有する。
光経路26は、例えば光ファイバで構成され、一端から他端へ向けて途中で分岐しており、一端がライトガイドロッド23に当接し、2つの他端が光源部24と受光部25とにそれぞれ当接するように配置されている。
【0049】
変換部20は、光源部24で発生させた励起光を、光経路26及びライトガイドロッド23を介して素子10へ送り、プローブホルダ22の先端部で固定された素子10に対して、内側から励起光を照射する構成を有する。
また、変換部20は、励起光の照射によって発光層12で生じた蛍光又はりん光を、ライトガイドロッド23及び光経路26を介して受光部25へ送る構成を有する。
【0050】
測定時において、励起光の照射によって発光層12で生じた蛍光又はりん光の一部は、光源部24への方向(及び受光部25への方向)に向かう。また、発光層12で生じた蛍光又はりん光の一部は、被覆層13(反射層13a)で反射されることによっても、光源部24への方向(及び受光部25への方向)に向かう。この際、外部からの外光は、被覆層13(外光遮断層13b)によって遮断されるため、光源部24への方向(及び受光部25への方向)に向かわない。
【0051】
光源部24は、例えば、励起光(紫外線及び可視光など)を発生する発光ダイオード24aと、斯かる発光ダイオード24aから発生した特定の波長領域の光のみを透過させる光学フィルタ24b(例えばブルーフィルタ)とを有する。
なお、光源部24は、上記光学フィルタ24bを経た光を電気信号に変換する励起光を安定的に送り続けるための補償用受光ダイオード24cを有してもよい。斯かる補償用受光ダイオード24cは、光軸から外れた位置に配置される。斯かる補償用受光ダイオード24cからの電気信号を演算部30へ送り、演算部30によって発光ダイオード24aの駆動電流を制御して、励起光の輝度を一定に保たせることができる。
【0052】
受光部25は、例えば、特定の波長領域の光のみ透過させる光学フィルタ25b(例えばグリーンフィルタ)と、斯かる光学フィルタ25bを透過した蛍光又はりん光の光強度を電気信号へ変換する受光ダイオード25aと、を有する。
なお、受光部25は、複数(例えば2つ)の受光ダイオード25aを有し、これによってより十分な検出精度を有してもよい。
【0053】
本実施形態のセンサ100は、被測定物の温度を測定すべく素子10の近傍に配置された温度センサ27をさらに備える。
本実施形態のセンサ100は、被測定物の温度を測定し、温度情報を演算部30へ送るように構成され、また、斯かる温度情報と、あらかじめ求めておいた酸素ガス濃度と温度との相関関係とに基づいて、演算部30において被測定物の酸素ガス濃度を算出するように構成されている。
【0054】
本実施形態のセンサ100の演算部30は、電気信号を増幅させるアンプ、サンプルホールド回路、A/D変換器、及び、CPUなどを有する。
演算部30は、これらの部材の組み合わせによって、受光部25からの電気信号を基にした演算処理を実施することによって、被測定物の酸素ガス濃度を算出するように構成されている。
【0055】
続いて、本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子10及びセンサ100の製造方法について説明する。
【0056】
本実施形態のセンサ100は、例えば、上記の酸素ガス濃度測定用素子10を作製する素子作製工程、並びに、素子10と、変換部20と、演算部30と、必要に応じてその他部品とを用いてセンサ100を組み立てる組立工程を実施することによって製造できる。
【0057】
素子作製工程では、基板11に重なった発光層12を作製する発光層作製工程と、発光層12を外側から被覆する被覆層13を作製する被覆層作製工程と、を実施する。
【0058】
素子作製工程の発光層作製工程では、少なくとも、上述したフッ素樹脂と、蛍光物質又はりん光物質と、有機溶媒とを混合して、発光層用組成物を調製する。調製した組成物を基板11に塗布したあと、有機溶媒を揮発させる。
なお、塗布の方法としては、一般的な方法を採用できる。
【0059】
素子作製工程の被覆層作製工程では、発光層12に重なる反射層13aを作製する反射層作製工程と、反射層13aに重なる外光遮断層13bを作製する外光遮断層作製工程と、外光遮断層13bに重なる保護層13cを作製する保護層作製工程と、を実施する。
【0060】
反射層作製工程では、少なくとも、上述した金属酸化物粒子と、有機溶媒とを混合して、反射層用組成物を調製する。調製した組成物を発光層12に塗布したあと、有機溶媒を揮発させて、反射層13aを作製できる。
【0061】
外光遮断層作製工程では、少なくとも、上述した金属粒子又はカーボンブラックと、有機溶媒とを混合して、外光遮断層用組成物を調製する。調製した組成物を反射層13aに塗布したあと、有機溶媒を揮発させて、外光遮断層13bを作製できる。
【0062】
保護層作製工程では、例えば、フッ素樹脂を含む溶液を外光遮断層13bに塗布した後、有機溶媒を揮発させることによって保護層13cを作製できる。
【0063】
組立工程では、例えば、上記のごとき素子10、変換部20、及び演算部30をあらかじめ作っておく。そして、これらを組み立てることによって、センサ100を製造する。
【0064】
本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子10は、例えば、センサ100に組み込まれて使用される。本実施形態のセンサ100は、酸素ガス濃度を測定するために使用される。
なお、測定される被測定物は、例えば、空気、排気ガスといった被測定気体、又は、産業廃液、下水、湖沼水、血液といった被測定液体などである。
【0065】
本実施形態のセンサ100は、例えば、液体中に溶解している酸素ガス濃度を測定する用途、気体中の酸素ガス濃度を測定する用途、などにおいて使用できる。
具体的には、本実施形態のセンサ100は、排水などにおける生物学的酸素要求量(BOD)を求めるための酸素ガス濃度測定、血液中の酸素ガス濃度測定、などの用途で使用できる。また、低酸素気体環境下における微量酸素ガス量の監視用途、気体中における所望の必要酸素ガス量の監視用途などでも使用できる。
【0066】
より具体的には、本実施形態のセンサ100は、細胞培養装置における培養環境の酸素ガス濃度を測定するために使用されてもよい。
本実施形態のセンサ100では、素子10が保護層13cを有することから、エタノールなどの消毒用薬剤と素子10とが接触したとしても、感度が低下することが抑制されている。
また、本実施形態のセンサ100では、発光層12がシリコーン樹脂を含む場合、素子10の耐熱性が良好である。従って、高圧滅菌処理などによる高温加圧条件下に暴露されたとしても、感度が低下することが抑制されている。
【0067】
本実施形態のセンサ100は、持ち運び可能な携帯型、卓上型、設置型、装置内に内蔵された内蔵型などであってもよい。
【0068】
本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子10、センサ100は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の酸素ガス濃度測定用素子10、センサ100に限定されるものではない。
即ち、一般的な酸素ガス濃度測定用素子、センサにおいて用いられる種々の形態が、本発明の効果を損ねない範囲において、採用され得る。
【0069】
本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子10では、発光層12が、上述した特定のフッ素樹脂を含むが、本発明の酸素ガス濃度測定用素子の発光層は、上述した特定のフッ素樹脂を含まず、該特定のフッ素樹脂以外のフッ素樹脂を含んでもよい。これによっても、本発明の酸素ガス濃度測定用素子は、良好な感度を発揮することができる。
【0070】
本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子10では、被覆層13が保護層13cを有していたが、本発明の素子では、例えば被覆層13が保護層13cを有しなくてもよい。
【0071】
また、本実施形態の酸素ガス濃度測定用素子10では、被覆層13が複数の層で構成されていたが、本発明の素子では、例えば被覆層が、蛍光又はりん光を反射し且つ外光を遮断する1つの層のみを有してもよい。
【0072】
また、本実施形態のセンサ100では、発光層12への励起光の入射方向と、発光層12からの蛍光又はりん光の反射方向とが反対方向であったが、本発明のセンサ100は、例えば図4に示すように、発光層12の一方の面側から励起光が入射して、発光層12で発生した蛍光又はりん光が、励起光の入射方向と同じ方向へ向けて発光層12から放射される構成を有してもよい。換言すると、本発明のセンサ100は、発光層12の一方の面側に励起光が照射され、他方の面側から蛍光又はりん光が放射される構成を有してもよい。
なお、本発明のセンサ100では、例えば図5に示すように、発光層12へ向けて照射される励起光の入射方向が、発光層12の面に対して垂直でなくてもよい。換言すると、本発明のセンサ100は、発光層12の面に対して0°よりも大きい入射角で励起光が入射され、発光層12から発生した蛍光又はりん光を基にして酸素ガス濃度を測定する構成を有してもよい。
【0073】
本実施形態のセンサ100は、酸素ガスによる蛍光又はりん光の消光現象に伴う光強度の減少を利用して酸素ガス濃度を測定するが、本発明のセンサは、他の原理を利用して酸素ガス濃度を測定する構成を有してもよい。
例えば、本発明のセンサは、酸素ガスによるりん光の寿命変化に基づいて、酸素ガス濃度を求めるように構成されてもよい。
また、本発明のセンサでは、例えば、発光層が蛍光物質及びりん光物質の両方を含み、蛍光及びりん光の各光強度の強度比を求めることによって酸素ガス濃度を求めるように構成されてもよい。
また、本発明のセンサでは、例えば、上記の複数の原理を組み合わせて利用することによって酸素ガス濃度を測定する構成を有してもよい。
【実施例
【0074】
次に実験例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0075】
以下のようにして、酸素ガス濃度測定用素子を製造した。また、この酸素ガス濃度測定用素子を使用して、センサ(酸素ガスセンサ)を製造した。
酸素ガス濃度測定用素子を製造するための原材料について以下に示す。
【0076】
<素子の基板>
・ガラス製の円板(直径10mm、厚さ2mm)
<素子の発光層を形成するための原材料>
・りん光物質(白金テトラ(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリン錯体 市販品)
・フッ素樹脂含有溶液(市販品、末端に-C基を含有するパーフルオロアルキルアクリレートの重合体を含む撥水撥油剤の溶液)
・シリコーン樹脂(市販品 付加硬化型シリコーン樹脂)
・アセトン、フッ素溶媒(市販品)
<被覆層の反射層を形成するための原材料>
・酸化チタン粒子
・アセトン、フッ素溶媒(市販品)
<被覆層の外光遮断層を形成するための原材料>
・カーボンブラック
・アセトン、フッ素溶媒(市販品)
<被覆層の保護層を形成するための原材料>
・ペルフルオロ(4-ビニルオキシ-1-ブテン)(BVE)を環化重合させたフッ素樹脂の溶液(市販品)
【0077】
上記のフッ素樹脂原料をFTIRによって分析したときのFTIRチャートを図6の下側に示す。一方、図6の上側は、トリデカフルオロオクチルアクリレートのFTIRチャートである。
図6の下側のチャートから把握されるように、発光層に配合したフッ素樹脂は、エステル結合、及び、末端に-C基を含有するパーフルオロアルキル基を分子中に有するフッ素樹脂である。斯かるフッ素樹脂は、末端に-C基を含有するパーフルオロアルキルアクリレートの重合体であるといえる。
【0078】
(実施例)
[発光層作製工程]
上述した各原料を混合撹拌して粘稠な組成物を調製し、この組成物を基板(ガラス)に塗布した。塗布した組成物を基板とガラス板(圧縮用)との間に挟み込んで押し付け、150℃で1時間加熱して硬化処理を施し、発光層を作製した。
[被覆層作製工程]
・反射層の作製
まず、上述した原料を混合して、粘稠な反射層用組成物を調製した。調製した組成物を発光層の周囲を覆うように、また、発光層の表面(基板と接した面とは反対の面)を覆うように塗布した。その後、組成物を圧縮しつつ、130℃で1時間、乾燥処理を施し、厚さが10μm以下の反射層を作製した。
・外光遮断層の作製
次に、上述した原料を混合して、粘稠な外光遮断層用組成物を調製した。調製した組成物を反射層に塗布し、組成物を圧縮しつつ、150℃で1時間乾燥処理を施し、厚さが10μm以下の外光遮断層を作製した。
・保護層の作製
続いて、上述したフッ素樹脂の溶液を外光遮断層に塗布し、溶媒を揮発させることによって、保護層を作製した。
このようにして、保護層、外光遮断層、及び、反射層が積層されて構成される被覆層を作製した。
[組立工程]
エポキシ樹脂を用いて、素子をセンサキャップに接着した。そして、センサに用いる一般的な部品で組み立てることによって、酸素ガス測定用のセンサを製造した。
【0079】
実施例及び比較例で製造した各センサについて、以下のようにして、センサ感度などのセンサ性能を評価した。評価結果を表1に示す。
【0080】
<酸素ガス濃度の検出精度の評価方法>
JIS B7921:2016「蛍光式酸素濃度計」に準じてセンサ性能を評価した。詳しくは、8.4.3[応答性]、8.4.2[繰返し性]などに記載されている方法に準じて行った。
【0081】
【表1】
【0082】
上記の評価結果(特に、受光値、応答性など)から把握されるように、実施例のセンサは、良好な感度を有していた。
一方、実施例で使用したフッ素樹脂を配合せずに同様にしてセンサを製造した。このセンサと比較して、実施例のセンサは、50倍以上の発光レベルを有していた。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の酸素ガス濃度測定用素子は、例えば、高温湿潤条件下で使用されても、良好な感度を発揮できる。
本発明のセンサは、例えば、高温湿潤条件下においても、好適に使用される。
具体的には、本発明のセンサは、細胞等の培養過程において高温蒸気滅菌処理などを受ける条件下であっても、好適に使用できる。
【符号の説明】
【0084】
100:センサ、
10:酸素ガス濃度測定用素子、
11:基板、 12:発光層、 13:被覆層、
13a:反射層、 13b:外光遮断層、 13c:保護層、
20:変換部、
21:センサキャップ、 22:プローブホルダ、 23:ライトガイドロッド、
24:光源部、
24a:発光ダイオード、 24b:光学フィルタ、 24c:補償用受光ダイオード、
25:受光部、
25a:受光ダイオード、 25b:光学フィルタ、
26:光経路、 27:温度センサ、
30:演算部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6