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特許7295582展開可能および折畳み可能な内切りメカニズム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】展開可能および折畳み可能な内切りメカニズム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
A61B10/02 110H
A61B10/02 300Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021514529
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019051712
(87)【国際公開番号】W WO2020061181
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】62/732,892
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513093081
【氏名又は名称】ブリガム ヤング ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーモア、ケンダル、エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】シェフィールド、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ハイアット、ランス
(72)【発明者】
【氏名】カニングトン、スコット
(72)【発明者】
【氏名】マグレビー、スペンサー、ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル、ラリー、エル.
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-095312(JP,A)
【文献】特開2016-028652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールであって、
外筒を備える第1のリンクであって、前記外筒が、
第1のアパーチャを有する第1の端部と、
第2のアパーチャを有する第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在して、前記外筒の外周、および前記第1の端部から前記第2の端部まで中を通る中央通路を規定する、第1の壁と、
前記第1の壁に配設され、中に装着された第1の接合部を有する、第1のキャビティとを備える、第1のリンクと、
第1のツール部材を備える第2のリンクであって、前記第1のツール部材が、
前記第1の接合部で前記第1のリンクの前記第1の壁に枢動可能に連結された、第1の端部と、
第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する、接触領域を有する本体と、
前記第2のリンクの前記本体上にあって前記第1の接合部からオフセットされた第2の接合部とを備える、第2のリンクと、
第2のツール部材を備える第3のリンクであって、前記第2のツール部材が、
第3の接合部に枢動可能に連結された第1の端部と、
前記第2の接合部で前記第2のリンクの前記本体に枢動可能に連結された、第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する、接触領域を有する本体とを備える、第3のリンクと、
前記第1のリンクの前記外筒の前記中央通路内に配設された、内筒を備える第4のリンクであって、前記内筒が、
第1のアパーチャを有する第1の端部と、
第2のアパーチャを有する第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在して、前記内筒の内周、および前記第1の端部から前記第2の端部まで中を通る中央通路を規定する、第2の壁と、
前記第2の壁にあって、中に装着されるとともに前記第3のリンクの前記本体に枢動可能に連結された前記第3の接合部を有する、第2のキャビティとを備える、第4のリンクとを備え、
前記第1の接合部および前記第3の接合部を前記アクチュエータツールの周囲に沿って互いから離して移動させるような形で、前記第4のリンクの前記内筒を前記第1のリンクの前記外筒に対して回転させると、前記アクチュエータツールが、前記第2のリンクの前記本体および前記第3のリンクの前記本体が前記第1の壁および前記第2の壁それぞれの前記第1のキャビティおよび前記第2のキャビティの中にある第1の状態から、前記第2のリンクの前記本体が前記第1の接合部を中心にして枢動させられ、前記第3のリンクの前記本体が前記第3の接合部を中心にして枢動させられて、前記中央通路内へと延在して、前記中央通路内の物体を前記第2のリンクおよび前記第3のリンクの前記本体の前記接触領域の間で係合する第2の状態へと移行する、
中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール。
【請求項2】
前記第1の接合部および前記第3の接合部を前記アクチュエータツールの周囲に沿って互いに向かって移動させるような形で、前記第4のリンクの前記内筒を前記第1のリンクの前記外筒に対して回転させると、前記第2の状態から前記第1の状態へと移行する、請求項1に記載の中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール。
【請求項3】
前記第2のリンクの前記接触領域および前記第3のリンクの前記接触領域の少なくとも一方がブレードであり、および/または
前記第2のリンクの前記接触領域および前記第3のリンクの前記接触領域の少なくとも一方がワイパーである、
請求項1または2に記載の中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール。
【請求項4】
前記第2のリンクの前記本体および前記第3のリンクの前記本体の少なくとも一方を、前記第1のリンクおよび前記第4のリンクの曲率と一致するように湾曲させて、前記アクチュエータツールが前記第1の状態のときは、前記第2のリンクおよび前記第3のリンクが前記内周と面一であるようにした、請求項1から3のいずれか一項に記載の中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール。
【請求項5】
前記第1のキャビティおよび前記第2のキャビティが、前記第1のリンクの前記第2のアパーチャおよび前記第4のリンクの前記第2のアパーチャの近傍に配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール。
【請求項6】
前記第2のリンクの前記本体が、前記中央通路に垂直な第1の面内で前記第1の接合部を中心にして枢動し、前記第3のリンクが、前記中央通路に垂直であって前記第1の面からオフセットされた第2の面内で、前記第3の接合部を中心にして枢動する、請求項1から5のいずれか一項に記載の中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール。
【請求項7】
中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールの作動方法であって、
中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールを提供する段階であって、前記中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールが、
外筒を備える第1のリンクであって、前記外筒が、
第1のアパーチャを有する第1の端部と、
第2のアパーチャを有する第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在して、前記外筒の外周、および前記第1の端部から前記第2の端部まで中を通る中央通路を規定する、第1の壁と、
前記第1の壁に配設され、中に装着された第1の接合部を有する、第1のキャビティとを備える、第1のリンクと、
第1のツール部材を備える第2のリンクであって、前記第1のツール部材が、
前記第1の接合部で前記第1のリンクの前記第1の壁に枢動可能に連結された、第1の端部と、
第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する、接触領域を有する本体と、
前記第2のリンクの前記本体上にあって前記第1の接合部からオフセットされた前記第2のリンクと枢動可能に連結された、第2の接合部とを備える、第2のリンクと、
第2のツール部材を備える第3のリンクであって、前記第2のツール部材が、
第3の接合部に枢動可能に連結された第1の端部と、
前記第2の接合部で前記第2のリンクの前記本体に枢動可能に連結された、第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する、接触領域を有する本体とを備える、第3のリンクと、
前記第1のリンクの前記外筒の前記中央通路内に配設された、内筒を備える第4のリンクであって、前記内筒が、
第1のアパーチャを有する第1の端部と、
第2のアパーチャを有する第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在して、前記内筒の内周、および前記第1の端部から前記第2の端部まで中を通る中央通路を規定する、第2の壁と、
前記第2の壁にあって、中に装着されるとともに前記第3のリンクの前記本体に枢動可能に連結された前記第3の接合部を有する、第2のキャビティとを備える、第4のリンク
とを備え、
前記第1の接合部および前記第3の接合部を前記アクチュエータツールの周囲に沿って互いから離して移動させるような形で、前記第4のリンクの前記内筒を前記第1のリンクの前記外筒に対して回転させる力を受けた場合、前記アクチュエータツールが、前記第2のリンクの前記本体および前記第3のリンクの前記本体が前記第1の壁および前記第2の壁それぞれの前記第1のキャビティおよび前記第2のキャビティの中にある第1の状態から、前記第2のリンクの前記本体が前記第1の接合部を中心にして枢動して、前記第3のリンクの前記本体が前記第3の接合部を中心にして枢動して、前記中央通路内へと延在して、前記中央通路内の物体を前記第2のリンクおよび前記第3のリンクの前記本体の前記接触領域の間で係合可能な第2の状態へと移行し、
前記第1の接合部および前記第3の接合部を前記外筒の周囲に沿って互いから離して移動させるような形で、前記第4のリンクの前記内筒を前記第1のリンクの前記外筒に対して回転させる力を受けた場合、前記アクチュエータツール作動して、前記第2のリンクおよび前記第3のリンクを前記第1の状態から前記第2の状態へと移行する、
作動方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数の物体の少なくとも1つがツールを備える、請求項に記載の作動方法。
【請求項9】
さらに、前記第1の接合部および前記第3の接合部を前記外筒の周囲に沿って互いに向かって移動させるような形で、前記第4のリンクの前記内筒を前記第1のリンクの前記外筒に対して回転させる力を受けた場合、前記第2のリンクおよび前記第3のリンク前記第2の状態から前記第1の状態へと移行する、請求項7からのいずれか一項に記載の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本出願と共通である全ての主題に関して、2018年9月18日に提出された同時係属の米国仮特許出願第62/732,892号の優先権およびその利益を主張する。上記仮出願の開示は、その全体を参照により本明細書に組み込む。連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
【0002】
本発明は、アメリカ国立科学財団によって授与されたNSF賞第1663345号に基づいて連邦政府の支援を受けて成されたものである。連邦政府は本発明について一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、ツールに関し、より具体的には、中空ロッド内部にある物体の切断、掴持、および/または締付けなどの作業を実施するのに適した、中空ロッド内に配設された作動メカニズムに関する。
【背景技術】
【0004】
一般に、中空円筒状の軸、チューブ、またはロッド内に配設された作動メカニズムを有するツールの分野では、従来のツールは、ロッドの端部で1つのメカニズムしか動作させることができない場合が多い。これは、中空ロッドの内側断面積が小さい場合に特に当てはまる。例えば、ダウンホール掘削装置、低侵襲性手術器具などは、単一のツールを利用して、軸/チューブ/ロッドの遠方/遠位端で動作させる場合が多く、かかる軸、チューブ、またはロッドタイプのツールの実例を代表するものである。
【発明の概要】
【0005】
小さい断面積を有する中空ロッド内に配設された複数の展開可能な作動メカニズムを有する、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールが必要とされている。本発明は、他の望ましい特性を有することに加えて、この必要性に取り組む、更なる解決策を対象とする。
【0006】
本発明の実施形態によれば、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールが提供される。中空ロッド状のアクチュエータは、外筒を備える第1のリンクと、第1のツール部材を備える第2のリンクと、第2のツール部材を備える第3のリンクと、内筒を備える第4のリンクとを含む。
【0007】
第1のリンクの外筒は、第1のアパーチャを有する第1の端部と、第2のアパーチャを有する第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延在して、中空ロッドの外周、および第1の端部から第2の端部まで中を通る中央通路を規定する、第1の壁と、第1の壁に配設され、中に装着された第1の接合部を有する、第1のキャビティとを含む。
【0008】
第2のリンクの第1のツール部材は、第1の接合部で第1のリンクの第1の壁に枢動可能に連結された、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延在する、接触領域を有する本体と、第2のリンクの本体上にあって第1の接合部からオフセットされた第2の接合部とを含む。
【0009】
第3のリンクの第2のツール部材は、第3の接合部に枢動可能に連結された第1の端部と、第2の接合部で第2のリンクの本体に枢動可能に連結された第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延在する、接触領域を有する本体とを含む。
【0010】
第4のリンクの内筒は、第1のリンクの外筒の中央通路内に配設され、第1のアパーチャを有する第1の端部と、第2の端部にある第2のアパーチャと、第1のアパーチャと第2のアパーチャとの間に延在して、中空ロッドの内周、および第1の端部から第2の端部まで中を通る中央通路を規定する、第2の壁と、第2の壁にあって、中に装着されるとともに第3のリンクの本体に枢動可能に連結された第3の接合部を有する、第2のキャビティとを含む。
【0011】
第1の接合部および第3の接合部を中空ロッドの周囲に沿って互いから離して移動させるような形で、第4のリンクの内筒を第1のリンクの外筒に対して回転させると、アクチュエータツールは、第2のリンクの本体および第3のリンクの本体が第1の壁および第2の壁それぞれの第1のキャビティおよび第2のキャビティの中にある第1の状態から、第2のリンクの本体が第1の接合部を中心にして枢動させられ、第3のリンクの本体が第3の接合部を中心にして枢動させられて、中央通路内へと延在して、中央通路内の物体を第2のリンクおよび第3のリンクの本体の接触領域の間で係合する第2の状態へと移行する。
【0012】
本発明の態様によれば、第1の接合部および第3の接合部を中空ロッドの周囲に沿って互いに向かって移動させるような形で、第4のリンクの内筒を第1のリンクの外筒に対して回転させると、アクチュエータツールは、第2の状態から第1の状態へと移行する。
【0013】
本発明の態様によれば、第2のリンクの接触領域および第3のリンクの接触領域の少なくとも一方はブレードである。
【0014】
本発明の態様によれば、第2のリンクの接触領域および第3のリンクの接触領域の少なくとも一方はワイパーである。
【0015】
本発明の態様によれば、第2のリンクの本体および第3のリンクの本体の少なくとも一方は、第1および第4のリンクの曲率と一致するように湾曲させて、アクチュエータツールが第1の状態のときは、第2のリンクおよび第3のリンクが内周と面一であるようにしている。
【0016】
本発明の態様によれば、第1のキャビティおよび第2のキャビティは、第1のリンクの第1の端部および第4のリンクの第1の端部の近傍に配置される。
【0017】
本発明の実施形態によれば、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールの使用方法が提供される。方法は、外筒を備える第1のリンクと、第1のツール部材を備える第2のリンクと、第2のツール部材を備える第3のリンクと、内筒を備える第4のリンクとを含む、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールを提供する段階と、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールを作動させる段階とを含む。
【0018】
第2のリンクの第1のツール部材は、第1の接合部で第1のリンクの第1の壁に枢動可能に連結された、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延在する、接触領域を有する本体と、第2のリンクの本体上にあって第1の接合部からオフセットされた第2の接合部とを含む。
【0019】
第3のリンクの第2のツール部材は、第3の接合部に枢動可能に連結された第1の端部と、第2の接合部で第2のリンクの本体に枢動可能に連結された第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延在する、接触領域を有する本体とを含む。
【0020】
第4のリンクの内筒は、第1のリンクの外筒の中央通路内に配設され、第1のアパーチャを有する第1の端部と、第2のアパーチャを有する第2の端部と、第1のアパーチャと第2のアパーチャとの間に延在して、中空ロッドの内周、および第1の端部から第2の端部まで中を通る中央通路を規定する、第2の壁と、第2の壁にあって、中に装着されるとともに第3のリンクの本体に枢動可能に連結された第3の接合部を有する、第2のキャビティとを含む。
【0021】
第1の接合部および第3の接合部を中空ロッドの周囲に沿って互いから離して移動させるような形で、第4のリンクの内筒を第1のリンクの外筒に対して回転させると、アクチュエータツールは、第2のリンクの本体および第3のリンクの本体が第1の壁および第2の壁それぞれの第1のキャビティおよび第2のキャビティの中にある第1の状態から、第2のリンクの本体が第1の接合部を中心にして枢動させられ、第3のリンクの本体が第3の接合部を中心にして枢動させられて、中央通路内へと延在して、中央通路内の物体を第2のリンクおよび第3のリンクの本体の接触領域の間で係合する第2の状態へと移行する。
【0022】
中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールは、第1の接合部および第3の接合部を中空ロッドの周囲に沿って互いから離して移動させるような形で、第4のリンクの内筒を第1のリンクの外筒に対して回転させることによって作動して、第2のリンクおよび第3のリンクを第1の状態から第2の状態へと移行する。
【0023】
本発明の態様によれば、物体を係合することは、物体を第2のリンクおよび第3のリンクの本体の接触領域の間で掴持することを含む。 他の態様では、物体を係合することは、物体を第2のリンクおよび第3のリンクの本体の接触領域の間で切断することを含む。
【0024】
本発明の態様によれば、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールの使用方法は、1つまたは複数の物体を中央通路に挿入することを更に備える。特定の態様では、物体の少なくとも1つはツールである。いくつかのそのような態様では、ツールは、他の物体を中央通路に挿入するのに使用することができる。
【0025】
本発明の態様によれば、方法は、第1の接合部および第3の接合部を中空ロッドの周囲に沿って互いに向かって移動させるような形で、第4のリンクの内筒を第1のリンクの外筒に対して回転させて、第2のリンクおよび第3のリンクを第2の状態から第1の状態へと移行させることを更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のこれらおよび他の特性は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて参照することによって、更に十分に理解されるであろう。
【0027】
図1】操作ツールを作成するために互いに組み立てられている中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールの様々な部分を示す連続図である。
【0028】
図2】ツールが異なる作動段階を経て移行している、図1で作成されたような、中央の切断用および/または掴持用の展開可能なアクチュエータメカニズムを有する、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールを示す連続図である。
【0029】
図3図2の中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールを示す概略図である。
【0030】
図4】本発明の中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールの使用方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の例示的実施形態は、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールに関する。ツールは、円筒の内部で物体の切断、掴持、締付けなどの機能を実施するように作動することができる、2つの湾曲リンク(展開可能)4バーメカニズムを隠す円筒状チューブを備える。メカニズムが閉止されると、チューブは、メカニズムがチューブ壁の内部に嵌合した、一定の内径および外径を有する単純な円筒状チューブのようになり、したがって、手術器具などの別個のツールを、チューブを通してメカニズムの奥まで挿入するという選択肢が作られる。メカニズムを作動させる1つの手法は、内筒を外筒に対して回転させることによるものである(図2を参照)。
【0032】
単一の中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールは、密閉された入口を通して作業空間に入ってもよく、一方で別個のツールを、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールの内径の中央通路を通して作業空間に挿入して、円筒状チューブの端部の付近で機能を実施することができる。望ましい場合、別個のツールを部分的に後退させて、本発明のメカニズムが、チューブの内部容積またはチャンバの内部で任意の物体の切断、掴持、または締付けするなどの作業を実施する余裕を持たせることができる。例えば、低侵襲性の別個の手術器具が、本発明のメカニズムを収容した単一の中空ロッドを通して本体キャビティに入り、組織の一片を掴持し、それを部分的にチューブまたはロッド内に引き込み、次にメカニズムを作動させて組織の生検サンプルを切り取ってもよい。内部メカニズムは、チューブの端部に位置付けることができ、円筒の壁の半分を端部で切り欠くことによって、追加のツールを中空ロッドに挿入することなく、鋏または掴持具が物体に達することを可能にする。
【0033】
他の実施形態では、レンズまたはカメラがチューブの内部容積またはチャンバ内に配設されてもよく、本発明のメカニズムは、作動させたとき、レンズまたはカメラを拭くかまたは別の方法できれいにするように構成される。
【0034】
図1図4は、図面全体を通して類似の部分を類似の参照番号で示しており、本発明による、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツールおよびその使用に関する1つまたは複数の例示的実施形態を示している。図面に示される1つまたは複数の例示的実施形態を参照して、本発明について記載するが、多くの代替形態が本発明を具体化することができることが理解されるべきである。当業者であれば、本発明の精神および範囲に沿ったままの形で、要素もしくは材料のサイズ、形状、またはタイプなど、開示する実施形態のパラメータを変更する、様々な手法を更に認識するであろう。
【0035】
本明細書で使用するとき、「展開可能」という用語は特定の意味を有する。展開可能な表面とは、破断または伸展することなく材料の薄いシートから作ることができる形状である。「展開可能なメカニズム」または「展開可能なアクチュエータ」という用語は、本明細書で使用されるとき、交換可能な用語であり、展開可能な表面に適合するかまたは展開可能な表面から作られるメカニズムを説明するものである。展開可能なメカニズムは、航空機の胴体および翼、潜水艦船体、ロケット円錐、ならびに低侵襲性手術器具など、展開可能な表面に適合するかまたは展開可能な表面から生まれることができる。
【0036】
また、本明細書で使用するとき、円筒状のチューブまたはロッドの中に収容された本発明のメカニズムは、チューブ壁のキャビティ内部に嵌合された、適合位置とも呼ばれる非展開の第1の状態のとき、「閉止されている」と見なされ、また本発明のメカニズムは、キャビティから外側に、チューブ壁を越えて中央通路内へと拡張する、展開された第2の状態のとき、「開放されている」と見なされる。
【0037】
図1は、互いに組み立てられている中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール100の様々な要素の連続図を示している。図2は、動作中である組み立てられた中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール100の連続図を示している。図3は、上から見た中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール100の動作の3Dコンピュータレンダリングを連続図で示している。中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール100は、図1図3に見られるように、2つの同心の円筒を含む。4バーメカニズム、つまり湾曲または適応させたクランクスライダは、メカニズムの個々のリンクが外筒と同じ曲率を有するように、外筒の直径および厚さに合わせられる(ただし、これは動作のための要件ではない)。4バーメカニズムを構成する要素は、外筒を備える第1のリンク102と、第1のツール部材を備える第2のリンク104と、第2のツール部材を備える第3のリンク106と、第1のリンク102の外筒の中央通路116内に配設された内筒を備える第4のリンク108とを含む。
【0038】
第1のリンク102の外筒(リンク1)は、図1の一番左側の図で見ることができる。第1のリンク102の外筒は、第1のアパーチャを有する第1の端部110と、第2のアパーチャを有する第2の端部112と、第1の端部110と第2の端部112との間に延在して、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール100の外周、および第1の端部110から第2の端部112まで中を通る中央通路116を規定する、第1の壁114とを有する。第1のキャビティ119は、第1の壁114に配設され、中に装着された第1の接合部118を有する。
【0039】
第1のリンク102の第1の壁114は、プラスチック、金属、または展開可能な表面を形成するのに適した他の任意の材料で形成されてもよい。好適な材料の例としては、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびアクリル樹脂が挙げられる。他の好適な材料は、本開示の利益を所与として、当業者には明白となるであろう。第1のリンク102の外周、ならびに第1の端部110と第2の端部112との間における第1の壁114の長さは、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール100の意図される使用または用途に応じて変わってもよい。
【0040】
第1の壁114の第1のキャビティ119は、本発明のデバイスのメカニズムが閉止位置にあるとき、第2のリンク104の第1のツール部材が第1のキャビティ119内に存在するかまたは別の形で収まることを可能にするように、サイズおよび寸法が決められた、窪み、陥凹部、切欠き、チャネル、通路、窓などを備える。図1図3の実施形態では、第1の接合部118は、第1の壁114に埋め込まれ、第1のキャビティ119全体に及ぶ、ピンおよびソケットのアセンブリである。他の好適な接合デバイスまたはメカニズムは、本開示の利益を所与として、当業者には明白となるであろう。
【0041】
図1の左から二番目の図は、ツール100の組立てにおいて第1のリンク102の外筒に追加された、第2のリンク104の第1のツール部材(リンク2)を示している。第2のリンク104の第1のツール部材は、第1の接合部118で第1のリンク102の第1の壁114に枢動可能に連結された第1の端部120と、第2の端部122と、第1の端部120と第2の端部122との間に延在する、接触領域126を有する本体124と、第2のリンク104の本体124上にあって第1の接合部118からオフセットされた第2の接合部128とを有する。第2のリンク104の本体124は、プラスチック、金属、または展開可能な表面を形成するのに適した他の任意の材料で形成されてもよい。好適な材料の例としては、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびアクリル樹脂が挙げられる。特定の実施形態では、第2のリンク104の本体124は、メカニズムが閉止状態のとき、第2のリンク104の本体124が第1の壁114の第1のキャビティ119内に存在することができるように、第1のリンク102の曲率に適合するように湾曲している。
【0042】
接触領域126は、物体を中央通路116内で係合するように構成される。特定の実施形態では、接触領域126は掴持面である。図2および図3に見られるような、特定の実施形態では、接触領域126はブレードである。更に他の実施形態では、接触領域はワイパーであってもよい。特定の実施形態では、接触領域126は、本体124の一部として、本体124と同じ材料から形成される。他の実施形態では、接触領域126は、本体とは異なる材料で形成し、本体124に取り付けることができる。特定の実施形態では、接触領域126は、メカニズムが閉止状態のとき、接触領域126が第4のリンク108の内周と面一であるように、第4のリンク108の曲率と一致するように湾曲している。他の好適な材料および実例は、本開示の利益を所与として、当業者には明白となるであろう。
【0043】
図1の左から三番目の図は、ツール100の組立てにおいて第1のリンク102の外筒および第2のリンク104の第1のツール部材に追加された、第3のリンク106の第2のツール部材(リンク3)を示している。第3のリンク106の第2のツール部材は、第3の接合部132に枢動可能に連結された第1の端部130と、第2の接合部128で第2のリンク104の本体124に枢動可能に連結された第2の端部134と、第1の端部130と第2の端部134との間に延在する、接触領域138を有する本体136とを含む。第3のリンク106の本体136は、プラスチック、金属、または展開可能な表面を形成するのに適した他の任意の材料で形成されてもよい。好適な材料の例としては、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびアクリル樹脂が挙げられる。特定の実施形態では、第3のリンク106の本体136は、メカニズムが閉止状態のとき、第2のリンク104の本体124が第4のリンク108の第2のキャビティ146内に存在し、第4のリンク108の内周と面一であることができるように、第4のリンク108の曲率に適合するように湾曲している。
【0044】
接触領域138は、第2のリンク104の接触領域126と連動して働いて、物体を中央通路116内で係合するように構成される。特定の実施形態では、接触領域138は掴持面である。図1および図2に見られるような、他の実施形態では、接触領域138はブレードである。更に他の実施形態では、接触領域はワイパーである。特定の実施形態では、接触領域138は、本体136の一部として、本体136と同じ材料から形成される。他の実施形態では、接触領域138は、本体とは異なる材料で形成し、本体134に取り付けることができる。他の好適な材料および実例は、本開示の利益を所与として、当業者には明白となるであろう。
【0045】
図1図3の実施形態では、第2の接合部128は、第2のリンク104の本体124および第3のリンク106の本体136の中に形成される、ピンおよびソケットのアセンブリである。他の好適な接合デバイスまたはメカニズムは、本開示の利益を所与として、当業者には明白となるであろう。
【0046】
図1の四番目の一番右側にある図は、第1のリンク102の外筒、第2のリンク104の第1のツール部材、および第3のリンク106の第2のツール部材に追加されて、ツール100の組立てを完成している、第4のリンク108の内筒(リンク4)を示している。第4のリンク108の内筒は、第1のアパーチャを有する第1の端部140と、第2のアパーチャを有する第2の端部142と、第1の端部140と第2の端部142との間に延在して、中空ロッドの内周、および第1の端部140から第2の端部142まで中を通る中央通路116を規定する、第2の壁144とを有する。第2のキャビティ146は、第2の壁144に配設されて、中に装着されるとともに第3のリンク106の本体136の第1の端部130に枢動可能に連結された、第3の接合部132を有する。
【0047】
第4のリンク108の第2の壁144は、プラスチック、金属、または展開可能な表面を形成するのに適した他の任意の材料で形成されてもよい。好適な材料の例としては、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、炭化タングステン、炭素鋼、アルミニウム、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびアクリル樹脂が挙げられる。他の好適な材料は、本開示の利益を所与として、当業者には明白となるであろう。第4のリンク108の内周、ならびに第1の端部140と第2の端部142との間における第2の壁144の長さは、中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール100の意図される使用または用途に応じて変わってもよい。
【0048】
第2の壁144の第2のキャビティ146は、本発明のデバイスのメカニズムが閉止位置にあるとき、第2のリンク104の第1のツール部材が第2の壁144を貫通し、第3のリンク106の第2のツール部材が第2のキャビティ146内に存在するかまたは別の形で収まることを可能にするように、サイズおよび寸法が決められた、切欠き、チャネル、通路、窓などを備える。図1図3の実施形態では、第3の接合部132は、第2の壁144に埋め込まれ、第2のキャビティ146全体に及ぶ、ピンおよびソケットのアセンブリである。他の好適な接合デバイスまたはメカニズムは、本開示の利益を所与として、当業者には明白となるであろう。一旦組み立てられると、ツール100は、第1および第2のツール部材を中央通路116内で展開するように作動させることができる。この動作の例は、図2および図3で見ることができ、図2は斜視図を提供し、図3は上面図を提供している。
【0049】
第1のリンク102上における、第2のリンク104、第3のリンク106、および第4のリンク108の奥行き(つまり、円筒の長さに沿った距離)は、メカニズムの機能を変更しない。特定の実施形態では、第4のリンク108は第1のリンク102の全長に延在する。特定の実施形態では、第1の壁114の第1のキャビティおよび第2の壁144の第2のキャビティ146は、第1のリンク102の第1の端部110および第4のリンク108の第1の端部140の近傍に配置される。したがって、第2のリンク104および第3のリンク106も、第1の端部110、140の近傍に配置される。一般的に、第1の端部110、140は作業空間に挿入されるようになるが、第2の端部112、142はユーザに近接するようになる。物体は、ツールのどちらかの端部でツールの中央通路116に挿入し、ツール100のメカニズムによって係合することができる。
【0050】
図4は、本発明の中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール100を使用するための方法論150を示している。最初に、本明細書に記載するような中空ロッド状の展開可能なアクチュエータツール100が提供される(段階152)。このツール100は、掘削現場または手術環境など、中空ロッド状のアクチュエータツールが一般的に使用される、特定の作業空間内で展開することができる。ツール100は、次に、作業空間で作動させて(段階156)、第1の閉止状態から、メカニズムを使用してツール100の中央通路116内にある物品と相互作用させることができる、第2の開放状態へと移行させることができる。特定の実施形態では、方法150は追加の段階を更に含む。例えば、特定の実施形態では、1つまたは複数の物体をツール100の中央通路に挿入することができる(段階154)。ツール100はまた、第2の開放状態から第1の閉止状態へと逆に移行させてツール100を係脱してもよく(段階158)、それでツール100を作業空間から引き抜くことができる。
【0051】
一般的に、ツール100の第2の端部はユーザに近接するようになり、ツール100の第1の遠方端は作業空間に挿入されるようになる。物体は、ツール100のどちらかの端部でツールの中央通路116に挿入し、ツール100のメカニズムによって係合することができる(段階154)。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のツールは、ユーザによって、第4のリンク108の第2の端部142および第1のリンク102の第2の端部112を通して、中央通路116に挿入することができる。同様に、物体は、第1のリンク102の第1の端部110内に存在する、第4のリンク108の第1の端部140を通して、第1の遠方端で中央通路に挿入することができる。かかるいくつかの例では、第2の端部で挿入されたツールは、第1の遠方端を通して物体を中央通路116に挿入するかまたは引き込むのに使用することができる。
【0052】
ツール100の作動(段階154)は、左から右に進む図2および図3の連続図に示されており、一番左側の図は第1の閉止状態のツール100、一番右側の図は第2の開放状態のツール100であり、ツール100は、物体をツール100の中央通路116内で係合する。
【0053】
第1の接合部118および第3の接合部132を、矢印148によって示されるように、ツール100の周囲に沿って互いから離して移動させるような形で、第4のリンク108の内筒を第1のリンク102の外筒に対して回転させると、アクチュエータツールは、第1の閉止状態から第2の開放状態へと移行する。第1の状態では、第2のリンク104の本体124および第3のリンク106の本体136は、第1の壁の第1のキャビティ(図示せず)および第2の壁144の第2のキャビティ146の中にある。第2の状態では、第2のリンク104の本体124が第1の接合部118を中心にして枢動させられ、第3のリンク106の本体136が第3の接合部132を中心にして枢動させられ、中央通路116内へと延在する。第2のリンク104の本体124および第3のリンク106の本体136が、互いに向かって移動するにつれて、中央通路116内の物体は、第2のリンク104の接触領域126および第3のリンク106の接触領域138によって係合される。
【0054】
いくつかの実施形態では、第2のリンク104の接触領域126および第3のリンク106の接触領域138による物体の係合は、第2のリンク104の接触領域126と第3のリンク106の接触領域138との間で物体を掴持することを伴う。接触領域126、138の少なくとも一方がブレードである場合など、他の実施形態では、第2のリンク104の接触領域126および第3のリンク106の接触領域138による物体の係合は、第2のリンク104の接触領域126と第3のリンク106の接触領域138との間で物体を切断することを伴う。他の実施形態では、接触領域126、138は、中央通路116内に配設されたレンズまたはカメラの表面を拭くように構成されたワイパーである。
【0055】
特定の実施形態では、中央通路116に垂直な面内で、第2のリンク104の本体124は第1の接合部118を中心にして枢動し、第3のリンク106の本体136は第3の接合部132を中心にして枢動する。特定の実施形態では、第2のリンク104の本体124は、第1の垂直面内で第1の接合部118を中心にして枢動し、第3のリンク106の本体136は、第1の面からオフセットされた第2の垂直面内で第3の接合部132を中心にして枢動する。かかる実施形態では、第2のキャビティ146は、第2のリンク104の本体124および第3のリンク106の本体136の両方を受容するようにサイズ決めされる。いくつかのかかる実施形態では、接触領域126、138の1つまたは複数がブレードであり、第2のリンク104および第3のリンク106の互いに向かう移動が鋏として動作して、第2のリンク104の接触領域126と第3のリンク106の接触領域138とが合わさって重なり合う接触点160で、物体を切断する。他のかかる実施形態では、第1のリンク102の接触領域126は第2の面内へと延在してもよく、一方で第3のリンク106の接触領域138は第1の面内へと延在してもよく、それによって接触領域126、138の間に共面の掴持面が作られる。他の実例および構成が当業者には明白となるであろう。
【0056】
同様の形式で、ツール100を係脱するため(段階156)、第1の接合部118および第3の接合部132がツール100の周囲に沿って互いに向かって移動するような形で、第4のリンク108の内筒は、第1のリンク102の外筒に対して回転させられる。これによって、ツール100は第2の開放状態から第1の閉止状態へと移行する。
【0057】
注目すべきは、メカニズムの運動に関して、リンクの形状が任意である点である。隣接するリンク間でのピン、接合部、または回転軸の間の距離が同じままであり、リンクが自己干渉しない限り、メカニズムは同じ運動を有する。メカニズムが閉止されたときに、移動するリンクを完全に隠すため、リンクは、作動する円筒の類似の曲率半径、および/または完全に折り畳まれたときに円筒の内部に嵌合するであろう形状に制約される。
【0058】
従来の円筒軸またはチューブ状ツールは、特にチューブが小さい場合、軸の端部で1つのツールしか動作させることができない場合が多い。本発明は、器具またはメカニズムが、円筒状チューブ内に含まれ、軸の端部にある他の器具と組み合わせて単一の入口を通って作業空間に入ることができるようにする。これにより、i)必要なツーリング交換の回数を低減することによって、密閉された/遠隔の作業空間内で作業を実施するのに必要な時間を少なくすることができ、ii)必要な入口穴/地点の数を低減することによって、作業空間の境界の損傷/破損を低減することができ、iii)ブレード/掴持具と相互作用する組織のみが、円筒軸の内径に引き込まれるので、ブレード/掴持具と体組織との間の境界を限定することによって、作業空間の損傷/破損を低減することができ、iv)空間に入ることが必要とされる軸が少なくなるので、ツーリングセットアップと併せて使用される制御システムの複雑性を低減することができ、ならびに、v)処置のコストを低減することができる。
【0059】
本明細書で使用される任意の範囲で、「備える(compriseおよびcomprising)」という用語は、排他的ではなく包括的であると解釈されるものとする。本明細書で使用するとき、「例示(exemplary)」、「例(example)」、および「例証(illustrative)」という用語は、「例、実例、または例証として役立つ」ことを意味するものとし、他の構成よりも好ましいもしくは有利な構成を示すもの、または示さないものと解釈されるべきではない。本明細書で使用するとき、「約(aboutおよびapproximately)」という用語は、性質、パラメータ、サイズ、および寸法のばらつきなど、主観的または客観的値の範囲の上限下限の中に存在してもよいばらつきを網羅するものとする。1つの非限定例では、「約」という用語は、ちょうど、またはプラス10パーセント以内、またはマイナス10パーセント以内を意味する。1つの非限定例では、「約」という用語は、関連分野の当業者が、含まれるべきであると考える値に十分に近いことを意味する。本明細書で使用するとき、「実質的に(substantially)」という用語は、当業者によって認識されるであろう、行為、特性、性質、状態、構造、物品、あるいは結果の完全なまたはほぼ完全な範囲もしくは程度を指す。例えば、「実質的に」円形である物体は、その物体が、数学的に決定できる限界まで完全に円であるか、または当業者によって認識もしくは理解されるであろう円に近いことを意味するであろう。絶対的な完全性からの逸脱の正確な許容度は、いくつかの例では、特定の文脈に応じて決まってもよい。しかしながら、一般に、完全性の近さは、絶対的な全体の完全性が達成されたかまたは得られたのと同じ全体結果を有するようなものとなる。「実質的に」の使用は、当業者によって認識されるであろう、行為、特性、性質、状態、構造、物品、あるいは結果の完全なまたはほぼ完全な欠如を指す、否定的な意味合いで用いられるときに、等しく適用可能である。
【0060】
本発明の多数の修正および代替実施形態は、上述の記載に照らして当業者には明白となるであろう。したがって、本明細書は、単なる例証として解釈されるべきであり、本発明を実施するための最良の形態を当業者に教示することを目的とする。構造の詳細は、本発明の精神から逸脱することなく実質的に変更してもよく、添付の特許請求の範囲内にある全ての修正の排他的な使用が留保される。本明細書内において、明確で簡潔な明細書を記述することができる形で実施形態について記載してきたが、実施形態は、本発明から逸脱することなく、様々に組み合わされるかまたは分離されてもよいものとし、またそのように認識されるであろう。本発明は、添付の特許請求の範囲および適用法によって求められる限りにおいて限定されるものとする。
【0061】
また、以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載した本発明の全ての包括的および具体的特徴、ならびに言語の問題としてそれらの範囲内に属すると言ってもよい本発明の範囲の全ての説明を包含することが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4