IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オメガ ハーベスド メトラーギカル,アイエヌシーの特許一覧

特許7295596廃電池リサイクルのための除電剤としてのコークス粉及び廃電池リサイクルの方法
<>
  • 特許-廃電池リサイクルのための除電剤としてのコークス粉及び廃電池リサイクルの方法 図1
  • 特許-廃電池リサイクルのための除電剤としてのコークス粉及び廃電池リサイクルの方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】廃電池リサイクルのための除電剤としてのコークス粉及び廃電池リサイクルの方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/54 20060101AFI20230614BHJP
   B09B 3/00 20220101ALI20230614BHJP
   C01B 32/00 20170101ALI20230614BHJP
   C22B 7/00 20060101ALI20230614BHJP
   B09B 101/16 20220101ALN20230614BHJP
【FI】
H01M10/54
B09B3/00
C01B32/00
C22B7/00 C
B09B101:16
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2022540946
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 US2020018373
(87)【国際公開番号】W WO2021137880
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】16/731,843
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522263688
【氏名又は名称】オメガ ハーベスド メトラーギカル,アイエヌシー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シンファ
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-306394(JP,A)
【文献】特開2004-355954(JP,A)
【文献】特開2005-347162(JP,A)
【文献】特開2010-244979(JP,A)
【文献】特開2012-033344(JP,A)
【文献】特開2018-147838(JP,A)
【文献】特開2020-184487(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106816663(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108134154(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109103534(CN,A)
【文献】国際公開第2004/093222(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00
B09B 101/16
C01B 32/00
C22B 7/00
H01M 10/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃電池をリサイクルするための放電方法であって、
容器内で一定の被着厚でコークス粉に廃電池が被着して、前記廃電池のカソードとアノードとの間に放電回路を形成することと、
放電中に温度及び温度傾向を監視することと、
前記コークス粉にかかる圧力を調節して、前記温度または前記温度傾向に従って、放電速度を調節することと、を含み、
前記調節することは、
前記温度変化傾向が温度上昇閾値よりも高い場合、前記圧力を減らすことと、
前記温度変化傾向が温度降下閾値よりも低い場合、前記圧力を増加させることと、
前記温度変化傾向が前記温度降下閾値及び前記温度上昇閾値との間にある場合、前記圧力を保持することと、
遮断条件に到達した場合、前記圧力を停止することと、
を行う、放電方法。
【請求項2】
前記被着厚は約5~10cmである、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項3】
前記圧力を調節するステップは、前記コークス粉の表面上の受圧板を調節することである、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項4】
前記上昇閾値は2である、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項5】
前記降下閾値は-2である、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項6】
前記遮断条件は、前記放電温度が特定温度に到達して、前記温度変化傾向が上昇し続ける状態の異常状態である、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項7】
前記特定温度は60である、請求項6に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項8】
前記遮断条件は、前記放電温度を環境温度の特定の近傍値まで降下している状態の放電完了状態である、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項9】
前記特定の近傍値は3である、請求項8に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項10】
前記遮断条件は、前記廃電池の最大電圧が臨界電圧よりも低くなっている状態の放電完了状態である、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項11】
前記臨界電圧は約0.5~1ボルトである、請求項10に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項12】
前記コークス粉の粒径は約0.1~0.6mmであり、前記コークス粉の抵抗率は約0.08~0.35Ω.cmである、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項13】
前記廃電池は使い捨て電池(一次電池)または再充電可能電池(二次電池)である、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項14】
前記廃電池はリチウムイオン電池を含む、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項15】
前記廃電池は単一セル電池である、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項16】
前記廃電池が被着するステップは、
容器内で底厚だけコークス粉を貯蔵することと、
少なくとも廃電池を前記コークス粉に置くことと、
前記コークス粉を前記廃電池に埋設厚だけ継続的に置くことと、を含む、請求項1に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項17】
前記底厚及び前記埋設厚は約5~10cmである、請求項16に記載の廃電池をリサイクルするための放電方法。
【請求項18】
廃電池をリサイクルするために除電剤として使用されるコークス粉であって、
炭素組成:65~99wt%、灰分組成:0.5~18%、揮発性成分:0.5~3%、及び水組成:0.5~13%であり、前記cコークス粉は抵抗率:0.08~0.35Ω.cm、特定の熱容量:約0.78~1.5kj/(kg・K)、熱伝導率:2.09~2.91kj/(m・h・K)、及び粒径:0.1~0.6mmを有する、コークス粉。
【請求項19】
前記炭素化合物の比は80~90wt%である、請求項18に記載の廃電池をリサイクルするためのコークス粉。
【請求項20】
前記粒径は0.25~0.6mmである、請求項18に記載の廃電池をリサイクルするためのコークス粉。
【請求項21】
廃電池をリサイクルするための放電デバイスであって、
前記コークス粉及び廃電池を収容するための容器であって、前記コークス粉に廃電池が完全に被着して、放電回路を形成する、容器と、
前記コークス粉の表面上に配置され、前記廃電池の放電速度を調節するために圧力を提供する受圧板と、
放電中に温度を監視するために装備された温度センサと、
前記温度センサ及び前記受圧板に接続された制御ユニットであって、温度変化傾向を計算して、前記温度変化傾向に従って前記受圧板を調節するように構成される、または前記受圧板を取り外して放電を停止するように構成される、制御ユニットと、を含む、放電デバイス。
【請求項22】
前記温度センサは、前記廃電池の近くで前記コークス粉に配置され、前記廃電池の1つに取り付けられる、または前記容器の内壁に取り付けられる、請求項21に記載の廃電池をリサイクルするための放電デバイス。
【請求項23】
前記制御ユニットは、前記温度変化傾向が降下閾値よりも低い場合、前記受圧板の前記圧力を増加させ、前記放電速度を増加させる、または、前記温度傾向が上昇閾値よりも高い場合、前記受圧板の前記圧力を減少させる、請求項21に記載の廃電池をリサイクルするための放電デバイス。
【請求項24】
異常状態または放電完了状態である場合、前記制御ユニットは、前記受圧板を取り外し、放電を停止する、または前記放電速度の最小値まで減速する、請求項21に記載の廃電池をリサイクルするための放電デバイス。
【請求項25】
前記異常状態は、前記放電温度が特定温度に到達しており、前記放電温度がさらに上昇していることを意味する、請求項24に記載の廃電池をリサイクルするための放電デバイス。
【請求項26】
前記放電完了状態は、前記放電温度が前記環境温度の特定の近傍値まで降下することを意味する、請求項24に記載の廃電池をリサイクルするための放電デバイス。
【請求項27】
電圧センサをさらに備え、前記電圧センサは、前記廃電池及び前記制御ユニットの1つに接続され、前記廃電池の電圧を監視する、請求項21に記載の廃電池をリサイクルするための放電デバイス。
【請求項28】
前記電圧センサは、磁石対によって、各廃電池のカソード及びアノードに接続される、請求項27に記載の廃電池をリサイクルするための放電デバイス。
【請求項29】
前記廃電池の前記電圧が0.5~1ボルトに到達している場合、前記制御ユニットは、前記受圧板を取り外して、放電を停止する、または前記廃電池の前記放電速度の最小値まで減速する、請求項27に記載の廃電池をリサイクルするための放電デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃電池をリサイクルするための除電剤及び方法に関し、特に、廃電池をリサイクルする除電剤としてコークス粉を利用することに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、多くのリチウムイオン電池は、今後4~5年で、毎年、電源用電池として使えなくなる。廃棄リチウムイオン電池をリサイクルする前に、現場の安全性及び環境安全性の要求を満たすために、これらの電池の残留電力をなくす必要がある。機器放電、塩水放電、及び黒鉛放電等の既知の放電方法が存在する。
【0003】
機器放電に関して、廃電池はデバイスに接続され、放電回路を形成し、化学エネルギーを電池から取り去る。電池のタイプごとに放電回路をカスタムする必要があるため、コストがかなり高くなり非効率的になり、工業規模の要求を満たすことが困難になる。
【0004】
特許文献1には、塩水放電工程を有するリチウムイオン二次電池からの正極材料回収方法が記載されている。塩水放電に関して、電池エネルギーを吸収するために、廃電池は、アルカリ溶液中または酸性溶液中に浸される。カソードの近くの場所で、多くの水素が生成され、塩水溶液が漏れる場合、環境が汚染するため、環境安全性に関するリスクを招く。
【0005】
黒鉛放電、一種の乾燥放電に関して、黒鉛粉末は除電剤として電池を覆う。黒鉛が高伝導率であるため、廃電池を速く放電し、公共安全性及び環境安全性に関するリスクを招き易くなる。
【0006】
液体窒素の放電に関して、廃電池は、液体窒素、超低温で不活性になり、次に、安全に破壊できる。液体窒素を消費するため、コストがかなり高くなるため、工業規模は制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2020-184487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本文書では、用途の拡大、放電効率、作業場の安全、及び環境安全性に関する問題を解決するために、廃電池をリサイクルするための放電方法及び材料が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
廃電池リサイクルの除電剤として使用されるコークス粉は、リッチ炭素組成の一種の材料である。概して、コークス粉は、炭素組成:65~99wt%、灰分組成:0.5~18%、揮発性成分:0.5~3%、及び水0.5~13%を含む。コークス粉は、不確定結晶構造、抵抗率:約0.08~0.35Ω.cm、特定の熱容量:約0.78~1.5kj/(kg・K)、熱伝導率:2.09~2.91kj/(m・h・K)であり、0.1~0.6mmの粒径を有するように研削され、廃電池をリサイクルする際の除電剤として使用される。
【0010】
コークス粉を使用することによって廃電池リサイクルするための放電方法は、
(1)容器内で厚さ5~10cmでコークス粉に廃電池が被着することと、
(2)放電中に温度及び/または温度傾向を監視することと、
(3)コークス粉にかかる圧力を調節することと、を含み、圧力調節は、下記の(a)~(c)の方法によって、温度及び/または温度傾向に従って行われる。
(a)温度変化傾向が温度上昇閾値よりも高い場合、圧力を減らすこと、
(b)温度変化傾向が温度降下閾値よりも低い場合、圧力を増加させること、及び
(c)遮断条件に到達した場合、圧力を停止すること。
【0011】
また、本方法は、ある電池を機器半分の電池と交換することによって、廃電池の機器半分の放電に適用できる。
【0012】
様々な実施形態は、例証目的のために添付図に示され、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。さらに、特許の範囲は請求項に従って定義すべきである。開示された異なる実施形態の様々な特徴は、本開示の一部である追加の実施形態を形成するために、組み合わせできるまたは分解できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】廃電池をリサイクルする前の放電プロセスの概略図である。
図2】コークスの粒径に対する抵抗率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
コークス粉は、概して、炭素組成:65~99wt%、灰分組成:0.5~18%、揮発性成分:0.5~3%、及び水0.5~13%を含み、不確定結晶構造を有する。そのようなコークス粉は研削され、径は0.1~0.6mmの範囲にわたる。コークス粉は、抵抗率0.08~0.35Ω.cm、特定の熱容量0.78~1.5kj/(kg K)、及び熱伝導率2.09~2.91kj/(m h K)を有する。コークス粉は、本発明の廃電池をリサイクルするための除電剤として使用される。炭素組成は伝導率の源であり、炭素組成の比率を調節するために、伝導率を調節できる。さらに、発明者は、コークス粉にかかる圧力を調節することによって、伝導率を制御できることを発見した。発明者は、可制御性を利用して、廃電池をリサイクルする際に放電性能を制御する。
【0015】
本発明の一実施形態では、抵抗率:約0.08~0.35Ω.cm、熱伝導率:約2.64kj/(m・h・k)のコークス粉を使用する。好ましい実施形態では、コークス粉の抵抗率は約0.1~0.2Ω.cmであり、炭素組成は約80~90%である。下記の表1には、一実施形態のコークス粉の組成(質量%)が示される。
【0016】
【表1】
【0017】
概して、コークスの粒径が大きくなるほど、抵抗率がより小さくなるが、接触品質は悪くなる。これは、廃電池及びコークス粉の接触面積が小さくなるためである。抵抗率(伝導率)及び接触品質は、放電性能の主の要因となる。図2には、抵抗率が、0.1~1.5mmの範囲にわたる異なる粒径とともに変化していることが示される。表には、粒径0.1~0.6mmで良い放電性能がもたらされることが示される。
【0018】
粒径が大きくなるとき、伝導率は増加する。粒子直径が約1.0mmよりも大きい場合、放電性能が悪くなった結果として、コークス粒子と廃電池との間の有効な接触面積が減る。実験データにより、1.5mm以内の粒径を有するコークス粉は良い放電効果を実現し、径0.25~0.6mmを有する粒子が好ましいことが示される。特に、放電中の温度は60よりも低い可能性があり、その温度は、放電を安全にするための臨界温度である。これは、廃電池の種類及びタイプに依存して、安全温度で高い放電速度を良好にもたらす。
【0019】
放電方法は、ここで提案される特定の厚さ5~10cmで、廃電池がコークス粉に被着し(浸され)、放電回路を形成することと、廃電池の温度変化または電圧を観察して、放電状態を把握して、コークス粉にかかる圧力を調節することとである。放電方法により、圧力を増加させることによって放電速度が加速し、コークス粉にかかる圧力を減少させることによって減速する。放電の温度変化傾向によって、放電速度を感知できる。速い放電速度は大きい温度変化傾向をもたらし、遅い放電速度は小さい温度変化傾向をもたらす。したがって、コークス粉にかかる圧力を調節することによって、温度変化傾向に従って、放電速度を制御できる。別の方法は、放電中に廃電池の電圧変化を観察して、次に、電圧変化に従って、圧力を調節することである。
【0020】
いくつかの実施形態では、温度変化傾向の(上昇/降下)閾値は±2に設定されている。温度変化傾向が2よりも高い場合、放電速度が減速し、または、温度変化傾向が-2よりも低い場合、放電速度が加速する。温度変化傾向の上昇/降下閾値により、放電プロセス中に廃電池をリサイクルする放電速度を制御する。
【0021】
放電の停止条件は異常状態及び放電完了状態を含む。温度変化傾向が上昇し、臨界温度(一般的に、60)に到達する場合、放電プロセスが停止し、コークス粉から圧力をなくす。廃電池は、放電がかなり速くなると、爆発しやすくなり、作業場の安全に対するリスクを招く。概して、廃電池は、放電温度が60よりも高い場合、爆発のリスクを招く。
【0022】
温度が環境温度に近づく場合及び/または廃電池の電圧が1ボルトよりも低くなる場合、廃電池が完全に放電し、コークス粉にかかる圧力をなくすことができ、廃電池は容器から除去できる。コークス粉は、廃電池の別の組をリサイクルするための除電剤として再利用できる。
【0023】
図1は、下記に示される放電プロセスの実施形態を示し、その概略図である。
ステップ100:容器内で、底厚(例えば、5~10cm)だけコークス粉を貯蔵すること、
ステップ200:廃電池をコークス粉に置くこと、
ステップ300:コークス粉を廃電池に埋設厚(例えば、5~10cm)だけ継続的に置くこと、
ステップ400:温度センサ(複数可)及び/または電圧センサ(複数可)によって、廃電池の温度及び/または残留電圧の放電を監視すること、
ステップ500:受圧板をコークス粉に配置すること、
ステップ600:温度変化傾向を計算すること、
ステップ710:放電状態が異常であると判定すること、
ステップ720:放電完了状態を判定すること、または、
ステップ800:温度変化傾向に従って、コークス粉にかかる圧力を調節すること、
ステップ910:異常または放電完了である場合、コークス粉にかかる圧力を解放する、及び
ステップ900:放電を終了する。
【0024】
一実施形態では、圧力調節は0~2000Nの範囲にわたり得、実施形態の調節値は、500ニュートン(N)毎に、下記の表2に記載される。
【0025】
【表2】
【0026】
電池の放電完了を判定するいくつかの方法がある。
(1)第1の方法は、電池放電温度が環境温度の近傍値まで徐々に降下するとき、温度判定を行う。例えば、電池温度と周辺温度との差≦3であることを判定する。
(2)第2の方法は、廃電池の電圧が降下して1ボルトよりも低くなるとき電圧判定を行う。本実施形態では、臨界電圧は0.5Vに設定される。
【0027】
異なる電池の放電プロセスを完了するための最大温度及び時間は、下記の表3に記載される。
【0028】
【表3】
【0029】
また、本方法は、セミデバイスの放電に適用でき、放電プロセスを完了するための最大温度及び時間は、下記の表4に記載される。
【0030】
【表4】
【0031】
廃電池(3400mAh、18650)の放電プロセスを完了するために、コークス粉の異なる粒子の放電時間及び最大温度は表5に示される。
【0032】
【表5】
【0033】
本発明に従ったコークス粉によって放電するためデバイスは、容器、温度センサならびに/または電圧センサ、受圧板、及び制御ユニットを含む。
【0034】
容器は、コークス粉及び廃電池を支えるために使用される。
【0035】
温度センサ(複数可)は、廃電池に接続され得る、廃電池の近くでコークス粉に埋められ得る、容器の内壁に埋設され得る、または1つの廃電池の表面上に取り付けられ得る。電圧センサ対は、そのような磁石を用いる方法で、廃電池のカソード及びアノードに取り付けられる。
【0036】
受圧板は、容器の上部に配置され、圧力をコークス粉に加え、コークス粉と廃電池との間の接触品質を調節する。
【0037】
制御ユニットは、温度センサ(複数可)ならびに/または電圧センサ(複数可)、及び受圧板に接続され、次に、制御ユニットは、温度変化傾向を計算し、受圧板を調節して、コークス粉の表面にかかる圧力を調節することが可能である。
【0038】
廃電池は、リチウムイオン(Li-ion)電池、ニッケルコバルト(Ni-Cd)電池、亜鉛(Zinc)電池、ニッケル金属水素化物(Ni-MH)電池、使い捨て電池(一次電池)もしくは再充電可能電池(二次電池)、または単一セル電池もしくはモジュール電池を含む。
【0039】
上記に説明した実施形態は、本発明の開示の技術的な主旨及び特徴の単なる例示であり、当業者が本発明の開示を理解し、本発明の開示を活用することを可能にすることが意図される。特許請求の範囲、すなわち、本発明の開示の主旨によってなされる同等の変更または修正は、常に、本発明の開示の請求の範囲に含まれるはずである。
図1
図2