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特許7295605メッセージ媒体及びメッセージ媒体用シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】メッセージ媒体及びメッセージ媒体用シート
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20230614BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20230614BHJP
   G09F 1/08 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
B42D15/02 511A
B42D15/00 371
G09F1/08 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019176917
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021053838
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】西田 あゆみ
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3153276(JP,U)
【文献】特開2016-153245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/02
B42D 15/00
G09F 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージ記入領域を備えた記入シート片と、該記入シート片の上に、周縁部が貼着されて積層される複数枚の積層シート片とを備え、
前記積層シート片は、周方向に沿って環状に配置された折り起し可能な複数の舌片を有し、貼着積層された前記積層シート片の前記舌片を折り起こすことによって、前記記入シート片のメッセージ記入領域が露出する、
ことを特徴とするメッセージ媒体。
【請求項2】
上層の積層シート片の前記舌片と、下層の積層シート片の前記舌片との周方向における位置がずれている、
請求項1に記載のメッセージ媒体。
【請求項3】
前記舌片は、前記積層シート片の中央側を遊端として折り起こし可能である、
請求項1または2に記載のメッセージ媒体。
【請求項4】
複数枚の積層シート片のいずれかの積層シート片は、その中央部に、前記複数の舌片で囲まれた切り取り除去可能な中央片を有する、
請求項3に記載のメッセージ媒体。
【請求項5】
前記中央片の外面には、切り取り開放を促す表記がされている、
請求項4に記載のメッセージ媒体。
【請求項6】
前記中央片を有する前記積層シート片の下層の積層シート片は、その中央部に、前記複数の舌片で囲まれた開口を有する、
請求項4または5に記載のメッセージ媒体。
【請求項7】
前記中央片を有する前記積層シート片の上層の積層シート片は、その中央部に、前記複数の舌片で囲まれた開口を有する、
請求項4または5に記載のメッセージ媒体。
【請求項8】
前記舌片が、花弁状である、
請求項1ないし7のいずれか一項に記載のメッセージ媒体。
【請求項9】
メッセージ記入領域を備えた記入シート片と、該記入シート片の上に、周縁部が貼着されて積層される複数枚の積層シート片とが、その周部において、折り線を介して直線状に連設されており、
前記積層シート片は、周方向に沿って環状に配置された折り起し可能な複数の舌片を有する、
ことを特徴とするメッセージ媒体用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージを記入して伝達するメッセージ媒体、及び、これに好適なメッセージ媒体用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上記メッセージ媒体としては、バースデイカードやクリスマスカード等のメッセージカードが多用されているのであるが、従来のメッセージカードは、絵柄等が描かれた矩形のシートといった平面形状のものが多く、美的効果を十分に演出することができないものである。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1に示されているように、シートに切込みを形成し、上方に立ち上がる折り起こし部、又は、立ち下がる折り下げ部を形成したメッセージカードとして利用可能なシール部材が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3180830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記シール部材は、折り起こし部、又は、折り下げ部を有するので、ある程度、立体的にはなるものの、折り起こし部、又は、折り下げ部が1枚のシートに設けられているだけであるので、得られる立体的な形状にも限界があり、十分な美的効果を演出するとは言い難いものである。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて為されたものであって、十分な美的効果を演出することができる立体的形状のメッセージ媒体、及び、これに好適なメッセージ媒体用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0008】
(1)本発明に係るメッセージ媒体は、メッセージ記入領域を備えた記入シート片と、該記入シート片の上に、周縁部が貼着されて積層される複数枚の積層シート片とを備え、前記積層シート片は、周方向に沿って環状に配置された折り起し可能な複数の舌片を有し、貼着積層された前記積層シート片の前記舌片を折り起こすことによって、前記記入シート片のメッセージ記入領域が露出する。
【0009】
舌片は、折り起こし可能な形状であればよく、舌状の形状に限らない。
【0010】
本発明に係るメッセージ媒体によると、メッセージを送るユーザーは、記入シート片のメッセージ記入領域にメッセージを記入し、記入シート片の上に、複数枚の積層シート片を、その周縁部を貼着して積層し、記入したメッセージが、外から見えない状態にしてメッセージ媒体を送る。メッセージ媒体を受け取ったユーザーは、記入シート片上の複数枚の各積層シート片の、周方向に沿って環状に配置された複数の舌片を折り起こすことで、複雑で美麗な立体形状を得ることができ、十分な美的効果を演出することができる。また、複数の舌片を1つずつ折り起こすに連れてメッセージ記入領域が少しずつ露出することで、開封する際の期待感が増すことになり、演出的にも興味深いものとなる。
【0011】
(2)本発明の他の実施態様では、上層の積層シート片の前記舌片と、下層の積層シート片の前記舌片との周方向における位置がずれている。
【0012】
この実施態様によると、上層の積層シート片の舌片と、下層の積層シート片の舌片とが、積層シート片の周方向に沿って互い違いに折り起こされることで、更に高い美的効果を得ることができる。
【0013】
(3)本発明の他の実施態様では、前記舌片は、前記積層シート片の中央側を遊端として折り起こし可能である。
【0014】
この実施態様によると、各舌片が中央側から上方外方に折り起こされることで、積層シート片の中央部が開放されて、最下層に位置する記入シート片に記入されたメッセージが見えることになる。従って、メッセージは、折り起こされた複数の舌片で囲まれて飾られた状態で露出することになり、メッセージの伝達を華麗に行うことができる。
【0015】
(4)本発明の他の実施態様では、複数枚の積層シート片のいずれかの積層シート片は、その中央部に、前記複数の舌片で囲まれた切り取り除去可能な中央片を有する。
【0016】
複数の舌片は、積層シート片の中央側を遊端として折り起こされる、すなわち、複数の舌片で囲まれた中央片の境界を遊端として折り起こされるので、舌片の遊端側の形状によって、中央片の外形が規定されることになる。中央片は、切り取り除去されるので、中央片の外形に特に制限はなく、したがって、舌片の遊端側の形状も特に制限されることはない。これによって、舌片の遊端側の形状選択の自由度が増し、美的効果の高い舌片形状を採用することができる。
【0017】
(5)本発明の更に他の実施態様では、前記中央片の外面には、切り取り開放を促す表記がされている。
【0018】
この実施態様によると、メッセージ媒体を受取ったユーザーは、その開封のために、積層シート片の中央片を切り取り除去すべきことを容易に理解することができ、以降の開封手順に進むことができる。
【0019】
(6)本発明の一実施態様では、前記中央片を有する前記積層シート片の下層の積層シート片は、その中央部に、前記複数の舌片で囲まれた開口を有する。
【0020】
この実施態様によると、中央片と同様に、複数の舌片で囲まれた開口の形状に特に制限はなく、したがって、舌片の遊端側の形状も特に制限されることはない。これによって、舌片の遊端側の形状選択の自由度が増し、美的効果の高い舌片形状を採用することができる。
【0021】
また、上層の中央片を有する積層シート片の中央片を切り取り除去することによって、中間層の当該積層シート片の開口を通して、下層のシート片、例えば、記入シート片のメッセージ記入領域の少なくとも一部を見ることができる。
【0022】
(7)本発明の他の実施態様では、前記中央片を有する前記積層シート片の上層の積層シート片は、その中央部に、前記複数の舌片で囲まれた開口を有する。
【0023】
積層シート片の中央片は、切り取り除去すべきであるが、メッセージ媒体を受取ったユーザーによっては、最上層の積層シート片が中央片を有している場合には、最上層の中央片を切り取り除去して開口を形成してよいか否かに迷うことがある。この実施態様によれば、中央片を有する積層シートの上層には、中央部に開口を有する積層シート片が存在している、すなわち、上層の積層シート片は、既に中央部に開口が形成されているので、その下層の積層シート片の中央片を切り取り除去して開口を形成することに迷うことがなく、ユーザーは、中央片を躊躇することなく、切り取り除去することができる。
【0024】
(8)本発明の好ましい実施態様では、前記舌片が、花弁状である。
【0025】
この実施態様によると、舌片の数、形状や色合いを、バラや各種の花に模すことで、美的効果を高めることができる。
【0026】
(9)本発明に係るメッセージ媒体用シートは、メッセージ記入領域を備えた記入シート片と、該記入シート片の上に、周縁部が貼着されて積層される複数枚の積層シート片とが、その周部において、折り線を介して直線状に連設されており、前記積層シート片は、周方向に沿って環状に配置された折り起し可能な複数の舌片を有する。
【0027】
本発明に係るメッセージ媒体用シートによると、メッセージを送るユーザーは、記入シート片にメッセージを記入し、記入シート片の上に、連設された複数枚の積層シート片を、折り線に沿って折り重ねて、その周縁部を貼着積層し、記入したメッセージが、外から見えない状態にしてメッセージ媒体を送る。メッセージ媒体を受け取ったユーザーは、記入シート片上の複数枚の各積層シート片の、周方向に沿って環状に配置された複数の舌片を折り起こすことで、複雑で美麗な立体形状を得ることができ、十分な美的効果を演出することができる。
【0028】
また、複数の舌片を1つずつ折り起こすに連れてメッセージ記入領域が少しずつ露出することで、開封する際の期待感が増すことになり、演出的にも興味深いものとなる。
【0029】
更に、当該メッセージ媒体用シートは、記入シート片及び複数枚の積層シート片が、直線状に連設されているので、個別のシート片で構成する場合に比べて、取扱いが容易である。
【発明の効果】
【0030】
このように、本発明によると、メッセージを送るユーザーは、記入されたメッセージが、外から見えない状態にしてメッセージ媒体を送り、このメッセージ媒体を受け取ったユーザーは、記入シート片上の複数枚の各積層シートの、周方向に沿って環状に配置された複数の舌片を折り起こすことで、メッセージを読取ることができると共に、複雑で美麗な立体形状を得ることができ、十分な美的効果を演出することができる。また、複数の舌片を1つずつ折り起こすに連れてメッセージ記入領域が少しずつ露出することで、開封する際の期待感が増すことになり、演出的にも興味深いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は本発明の一実施形態に係るメッセージ媒体用シートの内面の平面図である。
図2図2図1のメッセージ媒体用シートの外面の平面図である。
図3図3図1のメッセージ媒体用シートの内面側から見た斜視図である。
図4図4は組上げ途中のメッセージ媒体を示す斜視図である。
図5図5は組み上がったメッセージ媒体の斜視図である。
図6図6は開封途中のメッセージ媒体を示す斜視図である。
図7図7は開封したメッセージ媒体の斜視図である。
図8図8は本発明の他の実施形態のメッセージ媒体の斜視図であり、(a)は舌片を折り起こす前の状態を、(b)は舌片を折り起こした状態をそれぞれ示している。
図9図9は本発明の更に他の実施形態のメッセージ媒体の図8に対応する斜視図である。
図10図10は本発明の他の実施形態のメッセージ媒体の図8に対応する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1に、本発明の一実施形態に係るメッセージ媒体用シートを展開した内面の平面図が、図2に、展開した外面の平面が、また、図3に、メッセージ媒体用シートを内面側から見た斜視図がそれぞれ示されている。
【0034】
この実施形態のメッセージ媒体用シート1は、円形に形成された記入シート片2と、この記入シート片2より一回り大きい略円形の花形に形成された2枚の第1,第2積層シート片3、4とを備え、1枚の紙製のシートで構成されている。第1,第2積層シート片3,4は、記入シート片2の左右に、折り線a、bを介して横一列状に連設されている。
【0035】
記入シート片2は、その内面に五角形のメッセージ記入領域mが備えられると共に、このメッセージ記入領域mを囲む周縁部に、剥離紙5で覆われた粘着面6が備えられている。
【0036】
第1積層シート片3は、その中央部に、周方向に沿って複数枚(この例では5枚)の舌片7が、シート中央側を遊端とする内向きの花弁状に切込み形成されている。また、第1積層シート片3の中央部における切込み線cは断続されており、この断続した切込み線cで囲まれた中央片8が、切り取り除去可能に形成されている。そして、中央片8の外面には、開封を促すための表記、この例では、「OPEN」の表記がなされている。この中央片8の外形は、その周囲の複数枚の舌片7の遊端側の形状を花弁状とするための形状となっている。すなわち、舌片7の遊端側の形状に応じて、中央片8の外形が規定される。切り取り除去される中央片8は、その外形に特に制限はなく、したがって、舌片7の遊端側の形状も特に制限されることはなく、舌片7の形状選択の自由度が高まる。
【0037】
第2積層シート片4は、周方向に沿って複数枚(この例では5枚)の内向き花弁状の舌片9が、第1積層シート片3の舌片7と周方向に位置をずらして切込み形成され、舌片9群で囲まれた中央部に開口10が切り抜き形成されている。この中央部の開口10の形状も中央片8と同様に、その周囲の複数枚の舌片9の遊端側の形状を花弁状とするための形状である。
【0038】
また、第1積層シート片3の舌片7は、シート中央側に位置する小型の花弁状に形成されるのに対して、第2積層シート片4の舌片9は、外周近くまで及ぶ大型の花弁状に形成されている。
【0039】
このように花弁状の舌片7,9を有する第1,第2積層シート片3,4を備えるメッセージ媒体用シート1は、花を模したものであって、この実施形態では、全体的にピンクの色合いで印刷されている。
【0040】
第2積層シート片4における内面の周縁部には、記入シート片2の剥離紙5に連続する剥離紙5’で覆われた粘着面11が環状に備えられている。なお、剥離紙5、5’は、分割線dで上下に切込み分割されており、記入シート片2の剥離紙5の左側端部から容易に捲り取ることができるようになっている。
【0041】
メッセージ媒体用シート1は、以上のように構成されており、次に、このメッセージ媒体用シート1の使い方について説明する。なお、この使い方についての説明書が、メッセージ媒体用シート1と共に、ユーザーに提供される。
【0042】
先ず、メッセージを送るユーザーは、記入シート片2のメッセージ記入領域mに所望のメッセージを記入した後、記入シート片2及び第2積層シート片4の剥離紙5、5’を捲り取って周縁部の粘着面6、11を露出させる。
【0043】
次いで、第1積層シート片3を折り線aに沿って内面側に谷折りし、図4に示すように、記入シート片2の上に折り重ね、粘着面6を介して貼着する。これによって、メッセージ記入領域mは、舌片7群と中央片8とによって完全に覆い隠され、外から見えない状態となる。
【0044】
次に、第2積層シート片4を折り線bに沿って内面側に谷折りして第1積層シート片3の外面に折り重ね、粘着面11を介して貼着する。これによって、図5に示すように、3層に貼着積層された花形のメッセージ媒体Aが完成する。
【0045】
メッセージが封止されたメッセージ媒体Aは、そのまま、あるいは、贈り物に添えて送られる。
【0046】
メッセージ媒体Aを受取ったユーザーは、先ず、図6に示すように、最上層に位置する第2積層シート片4の大型の舌片9を折り起こすことで、第2積層シート片4の中央を大きく開放する。次いで、図7に示すように、中間層に位置する第1積層シート片3の中央片8を切り取り除去する。
【0047】
メッセージ媒体Aを受取ったユーザーによっては、切り取り除去すべき中央片8が、最上層に位置する積層シート片に形成されている場合には、最上層の中央片8を切り取って除去するのに躊躇することがある。これに対して、本実施形態では、中央片8を有する第1積層シート片3は、中間層に位置しており、その上層に位置する第2積層シート片4は、中央部に開口10が形成されている。ユーザーは、第1積層シート片3の上層の第2積層シート片4に既に形成されている中央部の開口10を見て、下層の第1積層シート片3の中央部に開口を形成することに抵抗を感じることがなく、第1積層シート片3の中央片8を、躊躇することなく、切り取って除去することができる。
【0048】
次に、第1積層シート片3の小型の舌片7を折り起こす。これによってメッセージ媒体Aは、環状に配された内外2列の花弁が、周方向に沿って互い違いに起立して花が咲いたような立体的で美麗な形状になる。また、第1積層シート片3の中央開口が大きく拡げられることで、最下層に位置する記入シート片2のメッセージ記入領域mが、花弁状の舌片7、9群で囲まれた状態で露出され、記入されたメッセージ、この例では、「Thank you !」を読み取ることが可能な開封状態となる。
【0049】
開封したメッセージ媒体Aは、上記のように花が咲いたような立体的で美麗な形状であるので、メッセージを読み取った後に、飾っておくこともできる。
【0050】
このように本実施形態によれば、メッセージ媒体Aを受け取ったユーザーは、上層の第2積層シート片4の舌片9を折り起こして、中間層の第1積層シート片3の中央片8を切り離し、第1積層シート片3の舌片7を折り起こす。これによってメッセージ媒体Aは、環状に配された内外2列の花弁が、周方向に沿って互い違いに起立して花が咲いたような立体的で美麗な形状になる。
【0051】
また、複数枚の舌片9,7を1枚ずつ折り起こすに連れてメッセージ記入領域mが少しずつ露出することで、開封する際の期待感が増すことになり、演出的にも興味深いものとなる。
【0052】
更に、送る側のユーザーは、第1,第2積層シート片3,4を、記入シート片2上に折り重ねるように貼着積層し、受け取る側のユーザーは、第1,第2積層シート片3,4の複数の舌片7,9を折り起こすだけで、立体的で美麗な形状になるので、例えば、シート片を複雑に折り畳むといった面倒な作業が不要である。
【0053】
また、記入シート片2の左右に、第1,第2積層シート片3,4を一列に連設した1枚のメッセージ媒体用シート1で構成されるので、個別のシート片で構成する場合に比べて、取扱い易いものとなる。
【0054】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0055】
(1)上記実施形態では、中央片を有する積層シート片を中間層、中央部に開口を有する積層シート片を上層としたが、中央片を有する積層シート片を上層、中央部に開口を有する積層シート片を中間層としてもよい。
【0056】
(2)上記実施形態では、記入シート片と複数枚の積層シート片とを、一連に連設した1枚のメッセージ媒体用シートを折り重ねてメッセージ媒体を組み上げるようにしているが、個別にそれぞれ形成した記入シート片と複数枚の各積層シート片とを積層して貼り合わせることでメッセージ媒体を組み上げるようにしてもよい。
【0057】
(3)舌片を備えた積層シート片を3枚以上積層して、環状に配備した舌片群を内外三列以上の多数列に折り起こすようにして、美的効果を一層高めるようにしてもよい。
【0058】
(4)上記実施形態では、各積層シート片の舌片を、中央側を遊端として上方外方に折り起す仕様としているが、各積層シート片の外周部に舌片を放射状に形成し、外周側を遊端として舌片を上方内方に折り起こす仕様で実施することもできる。この場合、最下層に位置する記入シート片のメッセージ記入領域は、舌片の折り起こしによって露出される記入シート片の外周部分に環状に形成することになる。
【0059】
(5)上記実施形態では、5弁の花のイメージにするために舌片の数、形状、色合い等を選択しているが、舌片の数、形状、色合い等を変更して、例えば、イソギンチャクの触手、ハート形状、植物の葉、ミルククラウンの飛沫などをイメージする各種の形態とすることもできる。この場合、舌片を含む積層シート片に、絵柄等を描いて一層美的効果を高めるようにしてもよい。
【0060】
なお、図8図10に、上記のイソギンチャクの触手、ハート形状、及び、植物の葉をそれぞれイメージした各メッセージ媒体Aの斜視図を示す。各図(a)は、各舌片7,9を折り起こす前の状態を、各図(b)は、各舌片7,9を折り起こした状態をそれぞれ示している。
【0061】
(6)組み上げられたメッセージ媒体の裏面となる記入シート片の外面に、剥離シートで覆い隠された粘着面を備えておき、贈り物にメッセージ媒体を貼り付け添付するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 メッセージ媒体用シート
2 記入シート片
3 第1積層シート片
4 第2積層シート片
7,9 舌片
8 中央片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10