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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】日焼け止め化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/29 20060101AFI20230614BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20230614BHJP
   A61K 8/88 20060101ALI20230614BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
A61K8/29
A61K8/27
A61K8/88
A61Q17/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019095634
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020189801
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小方 隆史
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-265342(JP,A)
【文献】特開2002-255738(JP,A)
【文献】特開平09-263523(JP,A)
【文献】特開2001-328931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)~(C)を含有する油中水型乳化剤型の日焼け止め化粧料であって
前記成分(A)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(A)+(C)]が0.1~
0.3であり、
前記成分(B)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(B)+(C)]が0.1~0.3である日焼け止め化粧料(ただし、以下の(i)及び(ii)を除く)
(A)微粒子酸化チタン
(B)微粒子酸化亜鉛
(C)球状ナイロン末
(i)オクチルメトキシケイ皮酸、揮発性シリコーン、及び水性成分5~25質量%を含有する日焼け止め化粧料
(ii)融点が80℃以上である固形油を0.01~7.5質量%、抱水性油剤を0.01~7.5質量%、シリコーン油を40質量%以上含有する油相、及び水を5質量%以上を含有する日焼け止め化粧料
【請求項2】
内相比が0.60~0.80である、請求項1に記載の日焼け止め化粧料。
【請求項3】
前記成分(A)の含有量が10~15質量%である、請求項1又は2に記載の日焼け止め化粧料。
【請求項4】
前記成分(B)の含有量が10~15質量%である請求項1~3のいずれか1項に記載の日焼け止め化粧料。
【請求項5】
前記成分(C)の含有量が1.5~5質量%である請求項1~4のいずれか1項に記載の日焼け止め化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日焼け止め化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線による肌のダメージを抑えるために、種々のUVケア化粧料が開発されている。UVケア化粧料の1つである日焼け止め化粧料(サンスクリーン、サンプロテクター)は、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤等を配合することにより、太陽光線中の紫外線を防御し、紫外線の悪影響から皮膚を守ることを目的とする化粧料である(非特許文献1)。
近年、マリンスポーツやスキー、ゴルフ等、強い太陽光に長時間さらされる屋外でのレジャーシーンに限らず、日常生活においても紫外線防御が重要と考えられており、日焼け止め化粧料の需要やその使用頻度が高まっている。そのため、日焼け止め化粧料には、紫外線防御能はもちろん、耐水性や使用感の向上も求められている。
【0003】
日焼け止め化粧料に配合する紫外線散乱剤として、微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛等の微粒子金属酸化物が汎用される。これらは、組成物中で凝集したり、経時的に沈降してしまうと、使用感触が悪くなったり、所望の紫外線防御効果が得られなくなったりすることがある。そのため、分散性向上のためにさまざまな手法が提案されており、例えば、有機変性粘土鉱物や球状粉体を配合することが提案されている(特許文献1~2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平09-255544号公報
【文献】特開2001-328931号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】「化粧品事典」、日本化粧品技術者会編、2004年、丸善株式会社発行、第495~496頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の通り、日焼け止め化粧料において微粒子金属酸化物の高い分散性は重要な要素であるが、従来の手法では不十分な場合があった。また、日焼け止め化粧料が使用される季節柄、さっぱりした使用感が好まれるところ、それを実現するために微粒子金属酸化物を含め粉体を大量に配合すると、その凝集から粉っぽさが生じてしまい使用感が損なわれてしまう。
このような状況に鑑みて、本発明は、使用感及び耐水性に優れ、高い紫外線防御能を有する化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、及び球状ナイロン末を、特定の含有量比で油中水型乳化剤型の日焼け止め化粧料に配合することにより、前期課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]以下の成分(A)~(C)を含有する油中水型乳化剤型の日焼け止め化粧料であって
前記成分(A)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(A)+(C)]が0.1~
0.3である日焼け止め化粧料。
(A)微粒子酸化チタン
(B)微粒子酸化亜鉛
(C)球状ナイロン末
[2]前記成分(B)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(B)+(C)]が0.1~0.3である、[1]に記載の日焼け止め化粧料。
[3]前記成分(A)の含有量が10~15質量%である、[1]又は[2]に記載の日焼け止め化粧料。
[4]前記成分(B)の含有量が10~15質量%である[1]~[3]のいずれかに記載の日焼け止め化粧料。
[5]前記成分(C)の含有量が1.5~5質量%である[1]~[4]のいずれかに記載の日焼け止め化粧料。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、微粒子酸化チタン及び微粒子酸化亜鉛が凝集・沈降することなく化粧料中に安定に分散し、その結果優れた使用感が得られ、また高い紫外線防御能を発揮する、日焼け止め化粧料が実現される。また、本発明の化粧料は、耐水性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の化粧料は、(A)微粒子酸化チタン、及び(B)微粒子酸化亜鉛を含有する。
これらの成分は、紫外線散乱作用により紫外線防御効果を発揮するものである。
【0011】
ここで微粒子とは、十分な紫外線散乱能を得る観点から、平均一次粒子径が好ましくは10~100nm、より好ましくは10~50nmであることをいう。なお、平均粒子径は定法、例えば透過電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径算出等によって測定することができる。
【0012】
成分(A)及び(B)はそれぞれ、未処理のものでも、表面処理されたものでもよい。
表面処理としては、疎水化処理が好ましく挙げられ、その方法は、特に制限されず、公知の方法による処理でよい。例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸を用いた処理;メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン・ジメチルポリシロキサンコポリマー、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類を用いた処理;オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のシラン化合物を用いた処理;脂肪酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等を用いた金属セッケン処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等を用いたフッ素処理等が挙げられる。これらのうち、脂肪酸を用いた処理及びシリコーン類を用いた処理が好ましく、脂肪酸を用いた処理がより好ましく、イソステアリン酸処理が分散性の観点から特に好ましい。
【0013】
成分(A)及び(B)の含有量はそれぞれ独立して、化粧料全体に対して好ましくは10~15質量%、より好ましくは11.5~13.5質量%である。このような範囲とすることで、良好な使用感と十分な紫外線防御能が得られやすくなる。
また、成分(A)と成分(B)の含有量の質量比(A):(B)は、好ましくは1.0:0.8~1.0:1.3であり、より好ましくは1.0:0.9~1.0:1.2であり、さらに好ましくは1.0:1.0~1.0:1.1である。
【0014】
本発明の化粧料は、(C)球状ナイロン末(球状ナイロンパウダー)を含有する。
成分(C)は、成分(A)及び(B)の凝集を抑制し、均一な分散を維持させる作用を有するため、日焼け止め化粧料の経時における紫外線防御効果を維持させ、また使用時に
おいても紫外線防御効果を持続させることができる。また、かかる維持効果により、紫外線吸収剤を配合せずとも、高い紫外線防御能を有する日焼け止め化粧料となり得る。
また、成分(C)は、化粧料の塗布時に、粉っぽさを感じさせず、さっぱりとし、かつ滑らかな感触を与えるため、化粧料の使用感向上にも寄与する。
さらに、成分(C)を配合することにより、日焼け止め化粧料の耐水性も向上する。
【0015】
成分(C)は、平均一次粒子径が好ましくは1~20μm、より好ましくは1~10μmであることをいう。なお、平均粒子径は定法、例えば透過電子顕微鏡写真の画像解析による個数平均径算出等によって測定することができる。
【0016】
成分(A)及び(B)の含有量はそれぞれ、化粧料全体に対して好ましくは20~27質量%、より好ましくは23~25質量%である。このような範囲とすることで、良好な使用感と耐水性、及び成分(A)及び(B)の凝集抑制効果が十分に得られやすくなる。
【0017】
本発明の化粧料において、成分(A)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(A)+(C)]は、0.1~0.3であり、好ましくは0.13~0.27であり、より好ま
しくは0.16~0.24である。
また、成分(B)と成分(C)の含有量の質量比(C)/[(B)+(C)]は、好ましくは0.1~0.3であり、より好ましくは0.13~0.27であり、さらに好ましくは0.16~0.24である。
かかる範囲を満たすように各成分を配合することにより、成分(A)及び(B)の凝集抑制効果が十分に得られやすくなり、その結果優れた紫外線防御能が経時でも使用時においても維持されやすくなる。
【0018】
本発明の化粧料は、成分(A)、(B)及び(C)の他にも、本発明の効果を損なわない限りにおいて、他の粉体を含有してもよい。
他の粉体としては、表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類;表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパ-ル剤類;レ-キ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;などが挙げられる。
【0019】
本発明の化粧料が含有しうる、成分(A)、(B)及び(C)を含む粉体の総量は、化粧料全体に対して好ましくは20~40質量%、より好ましくは25~35質量%である。
通常、粉っぽさを感じさせずに化粧料にさっぱりとした感触を付与しようとする際、化粧料の粘度(デジタルビスメトロンVDA(芝浦システム株式会社)で測定した場合)を3
000~15000cpの範囲に調整することが多い。かかる粘度に調整する場合、粉体の凝集や沈降によるケーキングを避けるため、一般的に総粉体量を少なく、例えば化粧料全体の5質量%以下とする。本発明においては、上記のように比較的多量の粉体を含有しても、凝集しにくいため、良好な紫外線防御能と使用感とを両立することができる。
【0020】
本発明の化粧料の剤型は、油中水型乳化剤型である。その内相比は特に限定されないが、好ましくは0.60~0.80、より好ましくは0.6~0.7とすると、みずみずしくさっぱりとした使用感となりやすい。
【0021】
本発明の化粧料中において、紫外線散乱剤(成分(A)及び(B))を含む粉体は良好に分散するため、塗布時の使用感(のび)が良く、また高い紫外線防御能(高SPF値、高PA値)を発揮することができる。そのため、本発明の化粧料は、日焼け止め化粧料として好ましく利用できる。
【0022】
本発明の組成物は、上述した以外にも通常の皮膚外用組成物に配合される成分を、本発明の効果を損なわない限りにおいて任意に含有することができる。
かかる成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;
【0023】
脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE-ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE-グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2-オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2-デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、
ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール等の多価アルコール類;
【0024】
ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2-(2'
-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-メトキシ-4'-
t-ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;
【0025】
エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB塩酸塩、ビタミンBトリパルミテート、ビタミンBジオクタノエート、ビタミンB又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等の抗菌剤(防腐剤);グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等の消炎剤;アスコルビン酸、ファルネシル酢酸エステル、トコフェロール等の他のシワ改善剤;各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、アロエ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オノニス、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等);ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等の賦活剤;ノニル酸ワレニルアミド、カプサイシン、ジンゲロン、タンニン酸等の血行促進剤;硫黄、チアントール等の抗脂漏剤;トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン、クラリノン、グラブリジン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸等の抗炎症剤;アスコルビン酸グルコシド、3-О-エチルアスコルビン酸、トラネキサム酸、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、リノール酸、ニコチン酸アミド、5,5'-ジプロピルビフ
ェニル-2,2'-ジオール、5'-アデニル酸二ナトリウム、トラネキサム酸セチル、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、ハイドロキノン等の美白剤;コラーゲン、ヒアルロン酸等の水溶性高分子;などが挙げられる。
【実施例
【0026】
以下、具体的な実験例をあげて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の態様にのみ限定されない。
【0027】
表1~2に示す処方成分で、定法により油中水乳化型剤型の各化粧料を調製した。調製した各化粧料について、以下の項目について評価を行った。
評価結果を併せて表1~2にそれぞれ示す。
【0028】
<紫外線防御能>
各化粧料について、SPFアナライザー(UV-2000S、Labsphere社)を用いてSPF値
を測定した。各値を以下の基準で4段階に当てはめて評価した。
◎:SPF≧50
○:50>SPF≧30
△:30>SPF≧20
×:20>SPF
【0029】
<耐水性>
各化粧料適量を腕に塗布して乾かした後に流水で軽く洗い流したときの耐水性を、熟練
の評価者が以下の基準で4段階評価した。
◎:優れている
○:良好
△:あまり良くない
×:不良
【0030】
<分散性>
各化粧料を50℃で30日間静置して保存した後の、粉体の分散性を熟練の評価者が以下の基準で4段階評価した。
◎:全体に均一に分散している
○:ほぼ均一に分散している
△:やや凝集又は沈降がみられる
×:凝集又は沈降が顕著である
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の日焼け止め化粧料は、分散安定性に優れるため、使用性に優れ、高い紫外線防
御能を有し、また耐水性にも優れる。そのため、産業上非常に有用である。