(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】配車管理装置及び配車管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230614BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
G06Q50/30
G08G1/123 A
(21)【出願番号】P 2019120897
(22)【出願日】2019-06-28
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】512200217
【氏名又は名称】GO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】内田 優雨
(72)【発明者】
【氏名】牛尾 正人
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-088127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが有する情報端末から、出発地を示す出発地情報と、目的地を示す目的地情報とを含む、タクシーの配車を依頼するための配車条件を取得する配車条件取得部と、
前記ユーザに対してタクシーが配車される前に、前記出発地情報が示す前記出発地と前記目的地情報が示す前記目的地とに基づいて、前記ユーザが相乗りをしない場合に適用される標準乗車料金よりも安い、前記ユーザが相乗りをする場合に適用される割引乗車料金を算出する算出部と、
前記割引乗車料金を前記情報端末に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記割引乗車料金を複数の前記情報端末に表示させた後に、複数の前記情報端末から相乗りの要求を取得する要求取得部と、
前記要求取得部が複数の前記情報端末から前記要求を取得した場合に、複数の前記情報端末のうち第1情報端末の第1ユーザと相乗りさせる、複数の前記情報端末のうち第2情報端末の第2ユーザを選択する選択部と、
を有
し、
前記配車条件取得部は、前記第1情報端末から、前記第1ユーザが相乗りの可否の通知を待機する時間を示す待機時間情報をさらに取得し、
前記表示制御部は、前記待機時間情報が示す時間が経過するまでの間に前記選択部が前記第2ユーザを選択できなかった場合に、相乗りができないことを示す情報を前記第1情報端末に表示させ、
前記表示制御部は、前記選択部が選択した結果に基づいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザにタクシーを配車することを示す配車情報を、前記第1情報端末及び前記第2情報端末に表示させる、
配車管理装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記出発地情報が示す前記出発地と前記目的地情報が示す前記目的地との間の走行予測距離に基づいて、前記割引乗車料金を算出する、請求項1に記載の配車管理装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記ユーザが相乗りをしないで前記出発地から前記目的地まで乗車した場合の走行距離の予測値を前記走行予測距離として前記割引乗車料金を算出する、
請求項2に記載の配車管理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記第1情報端末の位置及び前記第2情報端末の位置に基づいて、タクシーに乗車する位置を示す前記配車情報を前記第1情報端末及び前記第2情報端末に表示させる、
請求項
1から3のいずれか一項に記載の配車管理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記要求取得部が前記第1情報端末から前記要求を受けた場合に、他の前記情報端末に、前記第1ユーザの出発地及び目的地の少なくとも一方を示す情報を表示させ、
前記要求取得部は、前記表示制御部が他の前記情報端末に前記第1ユーザの出発地及び目的地の少なくとも一方を示す情報を表示させた後に、他の前記情報端末から前記第1ユーザとの相乗りの要求を取得する、
請求項
1から
4のいずれか一項に記載の配車管理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記配車条件取得部が前記配車条件を受信した時点で、前記ユーザが相乗りをしないで乗車することができるタクシーがない場合に、前記割引乗車料金を前記情報端末に表示させる、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の配車管理装置。
【請求項7】
前記表示制御部が前記割引乗車料金を前記情報端末に表示させた後に、前記ユーザが相乗りをしてタクシーに乗車した場合に、前記ユーザに対して前記割引乗車料金以下の料金を課金するための課金情報を出力する課金部をさらに有する、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の配車管理装置。
【請求項8】
1又は複数のコンピュータのプロセッサが、
出発地を示す出発地情報と、目的地を示す目的地情報とを含む、タクシーの配車を依頼するための配車条件を取得するステップと、
ユーザに対してタクシーが配車される前に、前記出発地情報が示す前記出発地と前記目的地情報が示す前記目的地とに基づいて算出された、前記ユーザが相乗りをしない場合に適用される標準乗車料金よりも安い、前記ユーザが相乗りをする場合に適用される割引乗車料金を算出するステップと、
前記ユーザが有する情報端末に前記割引乗車料金を表示させるステップと、
前記割引乗車料金を複数の前記情報端末に表示させた後に、複数の前記情報端末から相乗りの要求を取得するステップと、
複数の前記情報端末のうち第1情報端末から、前記第1情報端末の第1ユーザが相乗りの可否の通知を待機する時間を示す待機時間情報を取得するステップと、
複数の前記情報端末から前記要求を取得した場合に、前記第1ユーザと相乗りさせる、複数の前記情報端末のうち第2情報端末の第2ユーザを選択するステップと、
前記待機時間情報が示す時間が経過するまでの間に前記選択するステップにおいて前記第2ユーザを選択できなかった場合に、相乗りができないことを示す情報を前記第1情報端末に表示させるステップと、
前記選択するステップにおいて前記第2ユーザを選択した結果に基づいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザにタクシーを配車することを示す配車情報を、前記第1情報端末及び前記第2情報端末に表示させるステップと、
を実行する、配車管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシーの配車を管理する配車管理装置、配車管理プログラム及び配車管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシーの利用客から配車要求を受け付けると、空車のタクシーを特定して配車依頼する装置が知られている。また、複数の利用客から配車要求を受け付け、出発地や目的地が類似する複数の利用客を1つのタクシーに同乗させるサービス(いわゆる相乗り)の提供が検討されている。
【0003】
特許文献1には、相乗りをする複数の利用客間の料金分担に不公平が発生することを抑制するために、利用客が相乗りをする場合と相乗りをしない場合との時間差に基づいて、利用客に課金する料金を算出する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の装置では、全ての利用客が目的地に到達して降車した後に、複数の利用客それぞれの料金が算出可能になる。そのため、該装置は、利用者からタクシーの配車要求を受け付ける前に、利用者が相乗りをする場合の料金を提示することができない。そのため、利用客は、相乗りをする場合に相乗りをしない場合よりもどの程度の利益を得られるかを知った上で、タクシーの配車要求をすることができない。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、利用者からタクシーの配車要求を受け付ける前に、利用者が相乗りをする場合の料金を提示できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の配車管理装置は、ユーザが有する情報端末から、出発地を示す出発地情報と、目的地を示す目的地情報とを含む、タクシーの配車を依頼するための配車条件を取得する配車条件取得部と、前記ユーザに対してタクシーが配車される前に、前記出発地情報が示す前記出発地と前記目的地情報が示す前記目的地とに基づいて、前記ユーザが相乗りをしない場合に適用される標準乗車料金よりも安い、前記ユーザが相乗りをする場合に適用される割引乗車料金を算出する算出部と、前記割引乗車料金を前記情報端末に表示させる表示制御部と、を有する。
【0008】
前記算出部は、前記出発地情報が示す前記出発地と前記目的地情報が示す前記目的地との間の走行予測距離に基づいて、前記割引乗車料金を算出してもよい。
【0009】
前記算出部は、前記ユーザが相乗りをしないで前記出発地から前記目的地まで乗車した場合の走行距離の予測値を前記走行予測距離として前記割引乗車料金を算出してもよい。
【0010】
前記配車管理装置は、前記表示制御部が前記割引乗車料金を複数の前記情報端末に表示させた後に、複数の前記情報端末から相乗りの要求を取得する要求取得部と、前記要求取得部が複数の前記情報端末から前記要求を取得した場合に、複数の前記情報端末のうち第1情報端末の第1ユーザと相乗りさせる、複数の前記情報端末のうち第2情報端末の第2ユーザを選択する選択部と、をさらに有し、前記表示制御部は、前記選択部が選択した結果に基づいて、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザにタクシーを配車することを示す配車情報を、前記第1情報端末及び前記第2情報端末に表示させてもよい。
【0011】
前記表示制御部は、前記第1情報端末の位置及び前記第2情報端末の位置に基づいて、タクシーに乗車する位置を示す前記配車情報を前記第1情報端末及び前記第2情報端末に表示させてもよい。
【0012】
前記配車条件取得部は、前記第1情報端末から、前記第1ユーザが相乗りの可否の通知を待機する時間を示す待機時間情報をさらに取得し、前記表示制御部は、前記待機時間情報が示す時間が経過するまでの間に前記選択部が前記第2ユーザを選択できなかった場合に、相乗りができないことを示す情報を前記情報端末に表示させてもよい。
【0013】
前記表示制御部は、前記要求取得部が前記第1情報端末から前記要求を受けた場合に、他の前記情報端末に、前記第1ユーザの出発地及び目的地の少なくとも一方を示す情報を表示させ、前記要求取得部は、前記表示制御部が他の前記情報端末に前記第1ユーザの出発地及び目的地の少なくとも一方を示す情報を表示させた後に、他の前記情報端末から前記第1ユーザとの相乗りの要求を取得してもよい。
【0014】
前記表示制御部は、前記配車条件取得部が前記配車条件を受信した時点で、前記ユーザが相乗りをしないで乗車することができるタクシーがない場合に、前記割引乗車料金を前記情報端末に表示させてもよい。
【0015】
前記表示制御部が前記割引乗車料金を前記情報端末に表示させた後に、前記ユーザが相乗りをしてタクシーに乗車した場合に、前記ユーザに対して前記割引乗車料金以下の料金を課金するための課金情報を出力する課金部をさらに有してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様の配車管理プログラムは、ユーザが有する情報端末に、出発地を示す出発地情報と、目的地を示す目的地情報とを含む、タクシーの配車を依頼するための配車条件を送信するステップと、前記ユーザに対してタクシーが配車される前に、前記出発地情報が示す前記出発地と前記目的地情報が示す前記目的地とに基づいて算出された、前記情報端末のユーザが相乗りをしない場合に適用される標準乗車料金よりも安い、前記ユーザが相乗りをする場合に適用される割引乗車料金を受信するステップと、前記割引乗車料金を前記情報端末に表示させるステップと、を実行させる。
【0017】
本発明の第3の態様の配車管理方法は、1又は複数のコンピュータのプロセッサが、出発地を示す出発地情報と、目的地を示す目的地情報とを含む、タクシーの配車を依頼するための配車条件を取得するステップと、ユーザに対してタクシーが配車される前に、前記出発地情報が示す前記出発地と前記目的地情報が示す前記目的地とに基づいて算出された、前記ユーザが相乗りをしない場合に適用される標準乗車料金よりも安い、前記ユーザが相乗りをする場合に適用される割引乗車料金を算出するステップと、前記割引乗車料金を表示させるステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一例として利用者からタクシーの配車要求を受け付ける前に、利用者が相乗りをする場合の料金を提示できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る配車管理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】実施形態に係る通信管理システムのブロック図である。
【
図3】配車条件入力画面を表示しているユーザ端末の正面図である。
【
図4】算出部が割引乗車料金を算出する方法を説明するための模式図である。
【
図5】料金情報画面を表示しているユーザ端末の正面図である。
【
図6】目的地が異なる複数のユーザの中から選択部が相乗りさせるユーザを選択する方法を説明するための模式図である。
【
図7】出発地が異なる複数のユーザの中から選択部が相乗りさせるユーザを選択する方法を説明するための模式図である。
【
図8】依頼情報画面を表示している乗務員端末の正面図である。
【
図9】配車情報画面を表示しているユーザ端末の正面図である。
【
図10】実施形態に係る配車管理システムが実行する配車管理方法のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[配車管理システムの概要]
図1は、本実施形態に係る配車管理システムの概要を説明するための図である。配車管理システムは、タクシーの配車を管理するシステムであり、配車管理装置1と、ユーザ端末2と、乗務員端末3とを備える。配車管理システムは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0021】
配車管理装置1は、タクシーの配車を管理するサーバ等のコンピュータである。配車管理装置1は、ユーザに課金する料金を算出し、相乗りさせるユーザを選択するとともに、ユーザ端末2に情報を表示させる。また、配車管理装置1は、乗務員端末3に情報を表示させるとともに、乗務員から配車の承諾を受け付け、乗務員に配車の指示を行う。配車管理装置1は、インターネット等の通信ネットワークを介して複数のユーザ端末2及び複数の乗務員端末3と接続されている。
【0022】
ユーザ端末2は、タクシーを利用するユーザ(利用客、乗客)が使用するスマートフォン、タブレット端末等の情報端末である。ユーザ端末2は、ユーザからタクシーの配車条件の入力を受け付けたり、ユーザに対して料金情報を表示したりする配車アプリケーションがインストールされている。乗務員端末3は、タクシーの乗務員が利用するスマートフォン、タブレット端末等の情報端末であり、タクシーごとに配備される。乗務員端末3は、乗務員に対して依頼情報を表示したり、乗務員から配車の承諾を受け付けたりする乗務員用アプリケーションがインストールされている。
【0023】
本実施形態に係る配車管理システムが実行する処理の概要を以下に説明する。ユーザ端末2の配車アプリケーションは、ユーザの操作に応じて、タクシーの配車を依頼するための配車条件を配車管理装置1に送信する。配車条件は、出発地を示す出発地情報と、目的地を示す目的地情報とを含む。
【0024】
配車管理装置1は、ユーザ端末2から配車条件を取得する。配車管理装置1は、ユーザに対してタクシーを配車する前に、取得した配車条件に基づいて、ユーザが相乗りをする場合に適用される割引乗車料金を算出する。割引乗車料金は、ユーザが相乗りをしない場合に適用される標準乗車料金よりも安い料金であり、例えば、標準乗車料金の半額である。割引乗車料金は、ユーザが実際にいずれの他のユーザと相乗りをするかに関係なく算出される。
【0025】
配車管理装置1は、算出した割引乗車料金を示す料金情報をユーザ端末2へ送信することによって、割引乗車料金をユーザ端末2に表示させる。ユーザ端末2は、ユーザの操作に応じて、相乗り要求(相乗り乗車の配車要求)を配車管理装置1に送信する。
【0026】
配車管理装置1は、複数のユーザ端末2から、相乗り要求を取得する。配車管理装置1は、複数のユーザ端末2から取得した相乗り要求に基づいて、1つのタクシーに相乗りさせる複数のユーザを選択する。
【0027】
配車管理装置1は、複数のユーザを選択した後に、乗務員端末3に、配車依頼をするための依頼情報を送信する。乗務員端末3の乗務員用アプリケーションは、乗務員の操作に応じて、配車の承諾を配車管理装置1に送信する。
【0028】
配車管理装置1は、いずれかの乗務員端末3から配車の承諾を受け付けると、配車を承諾した乗務員端末3が配備されたタクシーに対して配車を指示するとともに、ユーザにタクシーを配車することを示す配車情報をユーザ端末2へ通知する。
【0029】
このように、配車管理装置1は、ユーザからタクシーの配車要求を受け付けて配車を確定させる前に、ユーザが相乗りをする場合の料金を確定してユーザに知らせることができ、ユーザに相乗りの利用を促すことができる。
【0030】
[配車管理システムの構成]
図2は、本実施形態に係る通信管理システムのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0031】
配車管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、配車条件取得部131と、算出部132と、表示制御部133と、要求取得部134と、選択部135と、配車指示部136と、課金部137とを有する。
【0032】
通信部11は、インターネット等の通信ネットワークを介してユーザ端末2及び乗務員端末3と通信を行うための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、配車管理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0033】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、配車条件取得部131、算出部132、表示制御部133、要求取得部134、選択部135、配車指示部136及び課金部137として機能する。制御部13の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部13の機能の少なくとも一部は、制御部13がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0034】
ユーザ端末2は、表示部21と、操作部22とを有する。乗務員端末3は、表示部31と、操作部32とを有する。表示部21、表示部31は、それぞれ情報を表示可能な液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等を含む。操作部22、操作部32は、それぞれ人間による操作を受け付け可能なタッチパネル等を含む。
【0035】
本実施形態に係る通信管理システムは、
図2に示す具体的な構成に限定されない。配車管理装置1、ユーザ端末2及び乗務員端末3は、それぞれ2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。例えば配車管理装置1は、単一のコンピュータによって構成されてもよく、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0036】
[配車管理方法の説明]
以下、本実施形態に係る配車管理システムが実行する配車管理方法を詳細に説明する。まずユーザは、ユーザ端末2において、タクシーの配車を受けるための配車アプリケーション(配車管理プログラム)を起動する。ユーザ端末2は、配車アプリケーションが起動されると、配車条件入力画面を表示部21に表示させる。
【0037】
図3は、配車条件入力画面を表示しているユーザ端末2の正面図である。配車条件入力画面は、出発地、目的地、出発時刻、到着時刻及び待機時間を入力するための欄と、入力内容を送信するためのボタンとを含む。出発地は、ユーザがタクシーの配車先として希望する位置であり、ユーザの現在地であってもよい。目的地は、ユーザがタクシーの移動先として希望する位置である。出発地及び目的地を入力するための欄は、例えば住所又は座標の入力を受け付けてもよく、あるいは地図上で位置の選択を受け付けてもよい。
【0038】
出発時刻は、ユーザが配車を希望する時刻であり、現在時刻であってもよい。到着時刻は、ユーザが目的地への到着を希望する時刻である。待機時間は、ユーザが相乗りの可否の通知を待機する時間である。出発時刻、到着時刻及び待機時間は、指定されなくてもよい。さらに配車条件入力画面は、ユーザが支払う上限額の入力を受け付けてもよい。
【0039】
ユーザは、操作部22を操作して、配車条件入力画面の各欄を入力した後、ボタンを押下する。ボタンが押下されたことを契機として、ユーザ端末2は、出発地を示す出発地情報と、目的地を示す目的地情報と、出発時刻と、到着時刻と、待機時間とを、タクシーの配車を依頼するための配車条件として配車管理装置1へ送信する。
【0040】
配車管理装置1において、配車条件取得部131は、ユーザ端末2が送信した配車条件を受信して取得する。配車条件取得部131は、取得した配車条件を、送信元であるユーザ端末2の識別情報(例えばユーザ端末2を有するユーザのユーザID)と関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0041】
算出部132は、ユーザに対してタクシーが配車される前に、配車条件取得部131が取得した配車条件に基づいて、ユーザがタクシーに乗車した場合に課金する料金を算出する。ここで算出部132は、ユーザが相乗りをしない場合に適用される標準乗車料金と、ユーザが相乗りをする場合に適用される割引乗車料金とを算出する。
【0042】
まず算出部132は、配車条件が含む出発地情報が示す出発地と、配車条件が含む目的地情報が示す目的地との間の走行予測距離(すなわち、ユーザが相乗りをしないで出発地から目的地まで乗車した場合の走行距離の予測値)を算出する。算出部132は、出発地及び目的地に対して既知の経路検索方法を適用することによって走行予測距離を算出してもよく、あるいは出発地と目的地との間の直線距離に応じて走行予測距離を算出してもよい。そして算出部132は、所定の規則(計算式)を用いて、走行予測距離に応じた標準乗車料金を算出する。標準乗車料金は、例えば走行予測距離に比例して上昇する料金、走行予測距離に対して段階的に上昇する料金、又はそれらを組み合わせた料金である。
【0043】
次に算出部132は、算出した標準乗車料金に基づいて、割引乗車料金を算出する。
図4は、算出部132が割引乗車料金を算出する方法を説明するための模式図である。
図4は、3人のユーザU1、U2、U3の配車条件が取得された状況において、出発地Sと、ユーザU1の目的地E1と、ユーザU2の目的地E2と、ユーザU3の目的地E3とを表している。
【0044】
算出部132は、ユーザU1について、出発地Sと目的地E1との間の走行予測距離d1に応じた標準乗車料金に、所定の相乗り係数(例えばα%)を乗算し、所定の固定料金(例えば手数料)を加算した値を、標準乗車料金よりも安い割引乗車料金として算出する。相乗り係数は、100%未満の比率であり、例えば50%である。固定料金は、相乗り係数を考慮して、割引乗車料金が標準乗車料金よりも安くなるように設定される。算出部132は、他のユーザU2、U3についても、出発地Sと目的地E2、E3との間の走行予測距離d2、d3を用いて、同様に割引乗車料金を算出する。
【0045】
このように、算出部132は、いずれのユーザを相乗りさせるか決定される前に、ユーザが配車条件として指定した出発地及び目的地に基づいて、割引乗車料金を予め決定する。そのため、配車管理装置1は、ユーザからタクシーの配車要求を受け付ける前に、ユーザが相乗りをする場合の料金をユーザに知らせることができ、ユーザに相乗りの利用を促すことができる。
【0046】
また、算出部132は、ユーザに課金され得る最大料金を、割引乗車料金として算出してもよい。通常、1つのタクシーに相乗りする人数が多いほど、割引乗車料金を低く設定できる。そこで、算出部132は、相乗りする複数のユーザが確定した後に、実際に相乗りをする複数のユーザの出発地及び目的地に基づいて、割引乗車料金よりも安い課金額をさらに算出する。例えば算出部132は、割引乗車料金から、相乗りするユーザの人数に応じた金額を減算することによって課金額を算出する。後述の課金部137は、算出部132が算出した課金額を、ユーザに課金する。これにより、配車管理装置1は、ユーザに対して最大料金である割引乗車料金を提示した上で、ユーザにとってさらに有利な金額で課金することができるため、ユーザに相乗りの利用を促すことができる。
【0047】
後述の選択部135がユーザU1、U2、U3を相乗りさせると決定した場合に、算出部132は、複数のユーザU1、U2、U3の配車条件に基づいて、該タクシーの運転手への報酬額を算出する。この場合に、算出部132は、上述の標準乗車料金を算出する方法と同様に、出発地Sから目的地E1までの走行予測距離D1と、目的地E1から目的地E2までの走行予測距離D2と、目的地E2から目的地E3までの走行予測距離D3とを算出する。そして算出部132は、上述の標準乗車料金を算出する方法と同様に、所定の規則(計算式)を用いて、走行予測距離D1、D2、D3の合計値に応じた料金に、所定の固定料金(例えば迎車料金)を加算した値を、運転手への報酬額として算出する。
【0048】
このように、算出部132は、ユーザごとに算出された割引乗車料金ではなく、複数のユーザの複数の目的地を結んだ経路(すなわち、タクシーが実際に走行する予定の経路)に応じた料金を運転手への報酬額として算出する。そのため、配車管理装置1は、複数のユーザが相乗りをする場合の割引乗車料金によって運転手に不利益が生じないようにでき、運転手が配車を承諾する確率を向上できる。
【0049】
算出部132は、走行予測距離ではなく、出発地Sと目的地E1との関係に応じた定額料金を基に、割引乗車料金として算出してもよい。この場合に、記憶部12は、出発地Sと目的地E1との関係に応じた、定額の標準乗車料金を予め記憶している。例えば定額料金は、出発地Sが属するエリア(市区町村、駅、空港等)と、目的地E1が属するエリア(市区町村、駅、空港等)との組み合わせごとに定義される。あるいは、定額料金は、特定の出発地S(駅、空港等)と、特定の目的地E1(駅、空港等)との組み合わせごとに定義される。このような方法によっても、算出部132は、出発地Sと目的地E1とに基づいて、標準乗車料金よりも安い割引乗車料金を算出することができる。
【0050】
次に表示制御部133は、算出部132が算出した標準乗車料金及び割引乗車料金を示す料金情報を、ユーザ端末2に表示させるための制御を行う。具体的には、表示制御部133は、算出した標準乗車料金及び割引乗車料金を示す料金情報を、ユーザ端末2へ送信する。ユーザ端末2は、料金情報を受信すると、料金情報画面を表示部21に表示させる。
【0051】
図5は、料金情報画面を表示しているユーザ端末2の正面図である。料金情報画面は、料金情報が示す標準乗車料金及び割引乗車料金と、通常乗車を選択するためのボタンと、相乗り乗車を選択するためのボタンとを含む。
【0052】
ユーザは、操作部22を操作して、通常乗車を選択するためのボタン、又は相乗り乗車を選択するためのボタンを押下する。通常乗車を選択するためのボタンが押下されたことを契機として、ユーザ端末2は、通常乗車の配車要求を配車管理装置1へ送信する。相乗り乗車を選択するためのボタンが押下されたことを契機として、ユーザ端末2は、相乗り乗車の配車要求(相乗り要求)を配車管理装置1へ送信する。
【0053】
また、表示制御部133は、配車条件取得部131が配車条件を受信した時点で、ユーザが相乗りをしないで乗車することができるタクシーがない場合に、算出部132が算出した割引乗車料金をユーザ端末2に表示させる制御を行ってもよい。これにより、配車管理装置1は、配車可能なタクシーが不足している時間帯等に、ユーザに対して相乗りの提案をすることができる。
【0054】
また、配車管理装置1がユーザ端末2から通常乗車の配車要求を受け付けた後、タクシーに配車依頼をしている際に、表示制御部133は、算出部132が算出した割引乗車料金をユーザ端末2に表示させる制御を行ってもよい。これにより、配車管理装置1は、配車可能なタクシーを探索している間に、ユーザに対して相乗りの提案をすることができる。
【0055】
また、ユーザがユーザ端末2上で鉄道やバス等の公共交通の経路検索をしている際に、表示制御部133は、公共交通の経路検索の出発地及び目的地を用いて算出部132が算出した割引乗車料金をユーザ端末2に表示させる制御を行ってもよい。これにより、配車管理装置1は、タクシー以外の交通手段で移動しようとしているユーザにも、タクシーの相乗りの提案をすることができる。
【0056】
要求取得部134は、表示制御部133が料金情報をユーザ端末2に表示させた後に、ユーザ端末2が送信した配車要求を受信して取得する。要求取得部134がユーザ端末2から通常乗車の配車要求を取得した場合に、配車管理装置1は、既知の配車方法によって、配車を承諾した乗務員端末3へ配車指示を送信するとともに、ユーザにタクシーを配車することを示す配車情報をユーザ端末2へ送信する。
【0057】
要求取得部134が複数のユーザ端末2から相乗り乗車の配車要求を取得した場合に、選択部135は、配車要求を送信した複数のユーザ端末2の複数のユーザの中から、相乗りさせる複数のユーザの選択を行う。すなわち、選択部135は、複数のユーザ端末2のうち第1ユーザ端末2(第1情報端末)の第1ユーザと相乗りさせる、複数のユーザ端末2のうち第2ユーザ端末2(第2情報端末)の第2ユーザを選択する。さらに選択部135は、第1ユーザ及び第2ユーザと相乗りさせる、複数のユーザ端末2のうち第3ユーザ端末2(第3情報端末)の第3ユーザを選択してもよい。
【0058】
選択部135は、配車条件が示す出発地、目的地、出発時刻及び到着時刻の少なくとも一部が互いに類似している複数のユーザを相乗りさせるように選択する。選択部135による選択基準は、例えば出発地間の距離が所定値以下であること、目的地間の距離が所定値以下であること、出発時刻の差が所定値以下であること、又は到着時刻の差が所定値以下であることである。選択部135は、ここに示した具体的な方法に限られず、複数のユーザの出発地、目的地、出発時刻及び到着時刻に基づいて、相乗りさせる複数のユーザを選択する。
【0059】
さらに選択部135は、複数の目的地の位置関係に基づいて、相乗りさせる複数のユーザを選択してもよい。
図6(a)、
図6(b)は、目的地が異なる複数のユーザの中から選択部135が相乗りさせるユーザを選択する方法を説明するための模式図である。
図6(a)は、出発地Sと、出発地Sから最も遠い目的地E3とを結ぶ線分の近くに、他の目的地E1、E2が位置している状態を表している。一方、
図6(b)は、出発地Sと、目的地E1、E2、E3とがほぼ等距離にある状態、すなわち目的地E1、E2、E3が同心円C上に位置している状態を表している。
図6(a)の状態は、タクシーが出発地から目的地までの経路で大きく遠回りせずに全てのユーザを降車させることができるため、タクシーの運行コスト(例えばタクシーの運転手へ支払う報酬額)の面で
図6(b)の状態よりも有利である。一方、
図6(b)の状態は、タクシーが複数の目的地を繋ぐ経路が長くなるため、タクシーの運行コストの面で不利である。
【0060】
そこで、選択部135は、出発地と、出発地から最も遠い目的地とを結ぶ線分の近くに全ての目的地が位置するように、複数のユーザ端末2の複数のユーザの中から、相乗りさせる複数のユーザを選択する。例えば選択部135は、第1ユーザについて出発地と目的地とを結ぶ地図上の線分を特定し、該線分から最も近い目的地又は該線分からの距離が所定値以下である目的地を有する第2ユーザを、第1ユーザと相乗りさせるユーザとして選択する。その後、選択部135は、第1ユーザ又は第2ユーザについて出発地と目的地とを結ぶ地図上の線分を特定し、該線分から最も近い目的地又は該線分からの距離が所定値以下である目的地を有する第3ユーザを、第1ユーザ及び第2ユーザと相乗りさせるユーザとして選択してもよい。同様に、選択部135は、4人目以降の相乗りさせるユーザを選択してもよい。
【0061】
このように、選択部135は、複数の目的地が1つの線分の近くに位置するように相乗りさせる複数のユーザを選択することによって、相乗りをするためのタクシーの運行コストを削減できる。
【0062】
選択部135が、配車条件取得部131が第1ユーザの配車条件を受信した時刻から該配車条件が示す待機時間が経過するまでに、第1ユーザと相乗りさせる第2ユーザを選択できなかった場合に、相乗りができないことを示す情報を、第1ユーザの第1ユーザ端末2に表示させる制御を行う。これにより、配車管理装置1は、ユーザに相乗りさせる他のユーザがいない場合に、ユーザを不要に待たせることを抑制できる。
【0063】
また、選択部135は、相乗りさせる第1ユーザ及び第2ユーザを選択した後に、第1ユーザ及び第2ユーザの配車条件が示す待機時間に関わらず、第1ユーザ及び第2ユーザと相乗りさせる第3ユーザを選択してもよい。これにより、配車管理装置1は、第1ユーザ及び第2ユーザについて相乗りさせることを確定しながら、さらに相乗りさせる第3ユーザを選択できるため、タクシーの運行コストを削減できる。
【0064】
さらに選択部135は、複数の出発地の位置関係に基づいて、相乗りさせる複数のユーザを選択してもよい。
図7は、出発地が異なる複数のユーザの中から選択部135が相乗りさせるユーザを選択する方法を説明するための模式図である。
図7は、目的地Eと、目的地Eから最も遠い出発地S1とを結ぶ線分の近くに、他の出発地S2、S3が位置している状態を表している。
図7の状態は、タクシーが出発地から目的地までの経路で大きく遠回りせずに全てのユーザを乗車させることができるため、タクシーの運行コスト(例えばタクシーの運転手へ支払う報酬額)の面で有利である。
【0065】
そこで、選択部135は、目的地と、目的地から最も遠い出発地とを結ぶ線分の近くに全ての出発地が位置するように、複数のユーザ端末2の複数のユーザの中から、相乗りさせる複数のユーザを選択する。例えば選択部135は、第1ユーザについて出発地と目的地とを結ぶ地図上の線分を特定し、該線分から最も近い出発地又は該線分からの距離が所定値以下である出発地を有する第2ユーザを、第1ユーザと相乗りさせるユーザとして選択する。その後、選択部135は、第1ユーザ又は第2ユーザについて出発地と目的地とを結ぶ地図上の線分を特定し、該線分から最も近い出発地又は該線分からの距離が所定値以下である出発地を有する第3ユーザを、第1ユーザ及び第2ユーザと相乗りさせるユーザとして選択してもよい。同様に、選択部135は、4人目以降の相乗りさせるユーザを選択してもよい。
【0066】
このように、選択部135は、複数の出発地が1つの線分の近くに位置するように相乗りさせる複数のユーザを選択することによって、相乗りをするためのタクシーの運行コストを削減できる。さらに選択部135は、出発地及び目的地の両方が異なる複数のユーザの組み合わせについても、
図6の方法と
図7の方法とを組み合わせて、タクシーの運行コストを削減するように相乗りさせる複数のユーザを選択してもよい。
【0067】
配車条件が上限額を含む場合に、選択部135は、割引乗車料金が指定された上限額以下になるように、相乗りさせる複数のユーザ及び配車依頼をするタクシー(旅客事業者)を選択してもよい。選択部135は、算出部132が算出した割引乗車料金が第1ユーザによって指定された上限額以下である場合に、上述の方法により第1ユーザと相乗りさせる第2ユーザを選択する。選択部135は、算出部132が算出した割引乗車料金が第1ユーザによって指定された上限額より大きい場合であっても、既に相乗りすることが確定している2人以上のユーザに第1ユーザを追加することによって、割引乗車料金が上限額以下になる場合には、第1ユーザを該2人以上のユーザと相乗りさせるように決定する。
【0068】
また、算出部132が算出した割引乗車料金が第1ユーザによって指定された上限額より大きい場合に、表示制御部133は、第1ユーザの配車条件が示す出発地及び目的地の少なくとも一方を示す情報を、他のユーザのユーザ端末2に表示させる制御を行い、第1ユーザと相乗りさせる他のユーザを募集してもよい。選択部135が上限額以下の割引乗車料金で第1ユーザと相乗りさせる他のユーザを選択できない場合に、表示制御部133は、代替案として上限額よりも大きい割引乗車料金を第1ユーザのユーザ端末2に表示させ、配車をするか否かの選択を第1ユーザから受け付けてもよい。このような構成により、配車管理装置1は、ユーザが希望する上限額の範囲内で、相乗り乗車をさせるユーザ及びタクシーを決定することができる。
【0069】
表示制御部133は、要求取得部134が第1ユーザのユーザ端末2から相乗り乗車の配車要求を取得した場合に、第1ユーザの配車条件が示す出発地及び目的地の少なくとも一方を示す情報を、他のユーザのユーザ端末2に表示させる制御を行ってもよい。他のユーザのユーザ端末2は、第1ユーザの配車条件が示す出発地及び目的地の少なくとも一方を示す情報を、第1ユーザと関連付けて表示部21に表示させる。ユーザ端末2は、複数のユーザの出発地及び目的地の少なくとも一方を示す情報を一覧として表示部21に表示させてもよい。
【0070】
他のユーザは、操作部22を操作して、第1ユーザとの相乗りを要求する操作を行う。乗務員端末3は、第1ユーザとの相乗りの要求を、配車管理装置1へ送信する。その後、選択部135は、第1ユーザと、第1ユーザとの相乗りの要求を送信した他のユーザとを、相乗りさせるユーザとして選択する。これにより、配車管理装置1は、ユーザが相乗りをする他のユーザの選択を、ユーザ自身から受け付けることができる。
【0071】
選択部135が相乗りさせる複数のユーザを選択した場合に、表示制御部133は、複数のユーザが有するユーザ端末2の位置に基づいて、ユーザがタクシーに乗車する乗車位置を決定する。例えば表示制御部133は、複数のユーザ端末2から位置情報を取得し、取得した位置情報が示す複数のユーザ端末2の位置の中間地点を、乗車位置として決定する。また、表示制御部133は、地図情報に基づいて、ユーザ端末2の位置に近い所定の条件(例えば道路幅が所定値以上であること)を満たす道路沿いの地点を、乗車位置として決定してもよい。また、表示制御部133は、その他の方法で、ユーザ端末2の位置に基づいて乗車位置を決定してもよい。表示制御部133は、複数のユーザそれぞれに対して異なる乗車位置を決定してもよい。
【0072】
また、表示制御部133は、ユーザがタクシーから降車する降車位置を決定する。例えば表示制御部133は、複数のユーザそれぞれの目的地を、降車位置として決定する。また、表示制御部133は、複数のユーザの目的地の中間地点を、降車位置として決定してもよい。また、表示制御部133は、地図情報に基づいて、ユーザの目的地に近い所定の条件(例えば道路幅が所定値以上であること)を満たす道路沿いの地点を、降車位置として決定してもよい。また、表示制御部133は、その他の方法で、ユーザの目的地に基づいて降車位置を決定してもよい。
【0073】
表示制御部133は、タクシーの乗務員に配車を依頼するための依頼情報を乗務員端末3に表示させる制御を行う。具体的には、表示制御部133は、決定した乗車位置を示す依頼情報を、乗務員端末3へ送信する。表示制御部133は、複数の乗務員端末3に順に依頼情報を送信してもよく、同時に複数の乗務員端末3に依頼情報を送信してもよい。また、表示制御部133は、乗車位置に加えて、相乗りする複数のユーザの複数の目的地や、複数の目的地を結んだ経路(すなわち、タクシーが実際に走行する予定の経路)を示す依頼情報を、乗務員端末3へ送信してもよい。また、表示制御部133は、乗車位置に加えて、算出部132が算出した運転手への報酬額を示す依頼情報を、乗務員端末3へ送信してもよい。乗務員端末3は、依頼情報を受信すると、依頼情報画面を表示部31に表示させる。
【0074】
図8は、依頼情報画面を表示している乗務員端末3の正面図である。依頼情報画面は、依頼情報が示す乗車位置と、配車を承諾するためのボタンとを含む。例えば乗務員端末3は、依頼情報が示す乗車位置と、乗務員端末3が配備されたタクシーの現在地とを地図上に表示する。また、乗務員端末3は、依頼情報が示す相乗りする複数のユーザの複数の目的地や、複数の目的地を結んだ経路を、地図上に表示してもよい。また、乗務員端末3は、依頼情報が示す運転手への報酬額を表示してもよい。
【0075】
乗務員は、操作部32を操作して、配車を承諾するためのボタンを押下する。ボタンが押下されたことを契機として、乗務員端末3は、配車を承諾することを示す承諾情報を配車管理装置1へ送信する。
【0076】
配車指示部136は、乗務員端末3が送信した承諾情報を受信して取得する。配車指示部136は、承諾情報を受信した場合に、配車を承諾した乗務員端末3へ、乗車位置への配車を指示する配車指示を送信する。配車指示は、例えば乗車位置と、相乗りする複数のユーザの複数の目的地と、複数の目的地を結んだ経路とを示す。乗務員端末3は、受信した配車指示が示す情報を、表示部31に表示させる。
【0077】
配車指示部136が承諾情報を受信した場合に、表示制御部133は、出発予定時刻を算出する。例えば表示制御部133は、相乗りする複数のユーザのユーザ端末2の現在地、又は配車を承諾した乗務員端末3が配備されたタクシーの現在地と、乗車位置との間の距離を、徒歩又は車の平均速度で除算することによって、所要時間を算出する。そして表示制御部133は、現在時刻に、ユーザ端末2の現在地から乗車位置までの所要時間、及びタクシーの現在地から乗車位置までの所要時間のうち、最も長い時間を加算することによって、出発予定時刻を算出する。
【0078】
そして表示制御部133は、タクシーを配車することを示す配車情報を、選択部135が選択した相乗りさせる複数のユーザの複数のユーザ端末2に表示させる制御を行う。具体的には、表示制御部133は、出発予定時刻と、乗車位置とを示す配車情報を、選択部135が選択した相乗りさせる複数のユーザが有する複数のユーザ端末2へ送信する。複数のユーザ端末2は、それぞれ配車情報を受信すると、配車情報画面を表示部21に表示させる。
【0079】
図9は、配車情報画面を表示しているユーザ端末2の正面図である。配車情報画面は、配車情報が示す出発予定時刻と、乗車位置とを含む。例えばユーザ端末2は、配車情報が示す乗車位置と、ユーザ端末2の現在地とを地図上に表示する。
【0080】
その後、乗車位置において、選択部135が選択した相乗りさせる複数のユーザは、配車されたタクシーに乗車する。複数のユーザの乗車位置が異なる場合には、複数のユーザはそれぞれ異なる乗車位置において配車されたタクシーに乗車する。タクシーは、乗車した複数のユーザを、降車位置まで運送する。複数のユーザの降車位置が異なる場合には、複数のユーザはそれぞれ異なる降車位置において配車されたタクシーから降車する。
【0081】
ユーザが相乗りをしてタクシーに乗車した場合に、課金部137は、ユーザに対して算出部132が算出した割引乗車料金、又は割引乗車料金よりも安い課金額を課金するための課金情報を出力する。課金部137がユーザに課金をするタイミングは、例えば乗車時又は降車時である。また、課金部137は、タクシーの運転手に対しての算出部132が算出した報酬額を付与するための報酬情報を出力する。課金部137は、課金情報及び報酬情報を外部のサーバに送信してもよい。
【0082】
[配車管理方法のシーケンス]
図10は、本実施形態に係る配車管理システムが実行する配車管理方法のシーケンス図である。まずユーザは、ユーザ端末2において、タクシーの配車を受けるための配車アプリケーションを起動する。ユーザ端末2は、配車アプリケーションにより表示された配車条件入力画面の入力内容に基づいて、出発地情報と、目的地情報と、出発時刻と、到着時刻と、待機時間とを、タクシーの配車を依頼するための配車条件として配車管理装置1へ送信する(S11)。
【0083】
配車管理装置1において、配車条件取得部131は、ユーザ端末2が送信した配車条件を受信して取得する。算出部132は、ユーザに対してタクシーが配車される前に、配車条件取得部131が取得した配車条件に基づいて、ユーザがタクシーに乗車した場合に課金する料金を算出する。ここで算出部132は、ユーザが相乗りをしない場合に適用される標準乗車料金と、ユーザが相乗りをする場合に適用される割引乗車料金とを算出する(S12)。
【0084】
表示制御部133は、算出部132が算出した標準乗車料金及び割引乗車料金を示す料金情報を、ユーザ端末2に表示させるための制御を行う(S13)。ユーザ端末2は、料金情報を受信すると、料金情報画面を表示部21に表示させる。ユーザが料金情報画面において通常乗車を選択したことを契機として、ユーザ端末2は、通常乗車の配車要求を配車管理装置1へ送信する。この場合に、配車管理装置1は、既知の配車方法(不図示)によってユーザに対して配車を行う。
【0085】
ユーザが料金情報画面において相乗り乗車を選択したことを契機として、ユーザ端末2は、相乗り乗車の配車要求(相乗り要求)を配車管理装置1へ送信する(S14)。配車管理装置1において、要求取得部134は、ユーザ端末2が送信した配車要求を受信して取得する。要求取得部134が複数のユーザ端末2から相乗り乗車の配車要求を取得した場合に、選択部135は、複数のユーザ端末2の複数のユーザの中から、相乗りさせる複数のユーザの選択を行う(S15)。
【0086】
選択部135が相乗りさせる複数のユーザを選択した場合に、表示制御部133は、ユーザがタクシーに乗車する乗車位置と、ユーザがタクシーから降車する降車位置とを決定する。そして表示制御部133は、タクシーの乗務員に配車を依頼するための依頼情報を乗務員端末3に表示させる制御を行う(S16)。乗務員端末3は、依頼情報を受信すると、依頼情報画面を表示部31に表示させる。乗務員が依頼情報表示画面において配車を承諾したことを契機として、乗務員端末3は、配車を承諾することを示す承諾情報を配車管理装置1へ送信する(S17)。
【0087】
配車管理装置1において、配車指示部136は、乗務員端末3が送信した承諾情報を受信して取得する。配車指示部136は、承諾情報を受信した場合に、配車を承諾した乗務員端末3へ、乗車位置への配車を指示する配車指示を送信する(S18)。そして表示制御部133は、タクシーを配車することを示す配車情報を、選択部135が選択した相乗りさせる複数のユーザの複数のユーザ端末2に表示させる制御を行う(S19)。複数のユーザ端末2は、それぞれ配車情報を受信すると、配車情報画面を表示部21に表示させる。
【0088】
ユーザが相乗りをしてタクシーに乗車した場合に、課金部137は、ユーザに対して算出部132が算出した割引乗車料金、又は割引乗車料金よりも安い課金額を課金するための課金情報を出力する(S20)。
【0089】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る配車管理システムによれば、配車管理装置1は、ユーザからタクシーの配車要求を受け付けて配車を確定させる前に、ユーザが指定した出発地及び目的地の間の走行予測距離に基づいて割引乗車料金を確定してユーザ端末2に表示させる。そのため、配車管理装置1は、ユーザからタクシーの配車要求を受け付けて配車を確定させる前に、ユーザが相乗りをする場合の料金をユーザに知らせることができ、ユーザに相乗りの利用を促すことができる。
【0090】
配車管理装置1は、ユーザが相乗りをしない場合に適用される標準乗車料金を基準として、それよりも安い、ユーザが相乗りをする場合に適用される標準乗車料金に対する割引乗車料金を算出する。ユーザに最初に割引乗車料金を提示する段階で最大運賃(例えば半額)が確定しており、そこから安くなることはあっても上回ることはない。そのため、ユーザは、配車確定後にどのような他のユーザと相乗りするかどうかに左右されることなく、確実に最初に提示された割引乗車料金又はそれよりも安い料金でタクシーに乗車できるという利点がある。
【0091】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0092】
配車管理装置1、ユーザ端末2及び乗務員端末3のプロセッサは、
図10に示す配車管理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、配車管理装置1、ユーザ端末2及び乗務員端末3のプロセッサは、
図10に示す配車管理方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して配車管理システムの各部を制御することによって、
図10に示す配車管理方法を実行する。
図10に示す配車管理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 配車管理装置
13 制御部
131 配車条件取得部
132 算出部
133 表示制御部
134 要求取得部
135 選択部
136 配車指示部
137 課金部
2 ユーザ端末
3 乗務員端末