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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019196194
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021071510
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】糸川 透
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-099040(JP,A)
【文献】登録実用新案第3093729(JP,U)
【文献】特開2009-134013(JP,A)
【文献】特開2010-224501(JP,A)
【文献】特開平11-184467(JP,A)
【文献】特開2008-225379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアに収録された映像作品のデータを再生し、映像信号及び音声信号を出力する再生装置と接続されたカラオケ装置であって、
楽曲のカラオケ演奏を行うための楽曲データと、楽曲を識別するための楽曲識別情報とを紐付けて記憶するデータ記憶部と、
前記再生装置から出力された音声信号から、音楽の音声信号に対応する演奏データを抽出する抽出部と、
抽出した前記演奏データに基づいて、前記演奏データに対応する楽曲の楽曲識別情報を取得する取得部と、
取得した前記楽曲識別情報に基づいて、カラオケ演奏を行う楽曲を予約する予約部と、
前記音声信号に基づいてスピーカから音声を放音させる音響制御部であって、予約した前記楽曲の楽曲データに基づいてカラオケ演奏を行う音響制御部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
前記映像信号に基づいて表示手段に映像を表示させる表示制御部を有し、
前記抽出部は、前記映像作品のデータの再生中において前記演奏データを抽出したタイミングを示すタイムコードを、当該演奏データと紐付けて出力し、
前記取得部は、出力された前記タイムコードを、当該タイムコードが紐付けられた演奏データに基づいて取得した前記楽曲識別情報と紐付け、
前記音響制御部は、カラオケ演奏を行う楽曲の楽曲識別情報に紐付けられた前記タイムコードを前記再生装置に出力し、
前記再生装置が、前記音響制御部から出力された前記タイムコードに基づいて特定した映像データに対応する映像信号を出力した場合、前記表示制御部は、当該特定した映像データに対応する映像信号に基づく映像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記音響制御部から出力された前記タイムコードに基づいて前記再生装置が出力する映像信号は、一または複数の静止画像に対応する信号であり、
前記表示制御部は、前記一または複数の静止画像に対応する信号に基づく映像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記データ記憶部は、楽曲のカラオケ演奏に合わせて歌詞テロップを表示するための歌詞テロップデータを当該楽曲の楽曲識別情報と紐付けて記憶し、
前記音響制御部は、楽曲データに基づくカラオケ演奏に合わせて、当該カラオケ演奏に対応する歌詞テロップデータを前記データ記憶部から読み出して前記表示制御部に出力し、
前記表示制御部は、前記音響制御部から出力されたタイムコードに基づいて前記再生装置が出力する映像信号と、前記音響制御部から出力された歌詞テロップデータとに基づいて、歌詞テロップが重畳された映像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2または3記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ歌唱の曲間に流れているBGMを聴き、その楽曲を次にカラオケ歌唱したいと考える利用者もいる。
【0003】
ここで、特許文献1には、カラオケ楽曲の演奏休止期間中に視聴している音楽番組で演奏される楽曲をカラオケ装置に演奏予約することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-161286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、DVDやBDに収録された映像作品を再生するための再生装置(たとえば、DVD/BDプレーヤ)が備えられたカラオケルームが増加している。再生装置は、カラオケ装置と接続されている。従って、映像作品の映像はカラオケ装置の表示装置に表示され、映像作品中に流れる音声はカラオケ装置のスピーカから放音される。カラオケルームの利用者は、自ら持ち込んだDVDやBDの映像作品を大画面、且つ大音量で楽しむことができる。
【0006】
ここで、映像作品中に流れた楽曲をカラオケ歌唱したいと考える利用者もいる。このような場合、利用者は、映像作品を鑑賞した後、リモコン装置を介して楽曲を検索したり、予約の指示を行う必要があるため煩雑であった。
【0007】
本発明の目的は、映像作品中に流れた楽曲のカラオケ歌唱を容易に行うことを可能とするカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための一の発明は、メディアに収録された映像作品のデータを再生し、映像信号及び音声信号を出力する再生装置と接続されたカラオケ装置であって、楽曲のカラオケ演奏を行うための楽曲データと、楽曲を識別するための楽曲識別情報とを紐付けて記憶するデータ記憶部と、前記再生装置から出力された音声信号から、音楽の音声信号に対応する演奏データを抽出する抽出部と、抽出した前記演奏データに基づいて、前記演奏データに対応する楽曲の楽曲識別情報を取得する取得部と、取得した前記楽曲識別情報に基づいて、カラオケ演奏を行う楽曲を予約する予約部と、前記音声信号に基づいてスピーカから音声を放音させる音響制御部であって、予約した前記楽曲の楽曲データに基づいてカラオケ演奏を行う音響制御部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者は映像作品中に流れた楽曲のカラオケ歌唱を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るカラオケシステムの概略を示す図である。
図2】第1実施形態に係る再生装置で再生される映像作品のデータを示す図である。
図3】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図4】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図5】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る再生装置で再生される映像作品のデータを示す図である。
図7】第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
図1図5を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0012】
==カラオケシステム==
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、再生装置P、カラオケ装置K、及びサーバ装置Sを備える。サーバ装置S及びカラオケ装置Kは、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。ネットワークNは、たとえば公衆電話回線網やインターネット回線等の伝送路である。カラオケ装置K及び再生装置Pは、カラオケ店舗のカラオケルームに設置されている。カラオケ装置Kと再生装置Pは、たとえばHDMIケーブルを利用して、デジタル信号の通信が可能な状態で接続されている。
【0013】
再生装置Pは、メディアに収録された映像作品のデータを再生し、映像信号及び音声信号を出力する。再生装置Pは、市販のDVD/BDプレーヤを用いることができる。メディアは、映像作品を収録可能なDVDやBDである。映像作品のデータは、映像データ及び音声データにより構成されている。
【0014】
映像データは、カラオケ装置Kで表示される映像に対応するデータである。映像データは、複数の静止画像データから構成される。映像データは、たとえばHDMIの規格に適合したデジタルの映像信号としてカラオケ装置Kに出力される。音声データは、カラオケ装置Kから放音される音声に対応するデータである。音声には、会話の音声、音楽の音声、効果音(機械音、自然音等)等が含まれる。また、音楽の音声には、オープニング曲や挿入歌のように歌唱音声を含む音声と、インストゥルメンタルやジングルのような歌唱音声を含まない音声が含まれる。音声データは、たとえばHDMIの規格に適合したデジタルの音声信号としてカラオケ装置Kに出力される。
【0015】
図2は、映像作品Mのデータを模式的に示した図である。映像作品Mは、再生時間が25分間の作品である。映像作品Mは、映像データV(複数の静止画像データv1~vn。nは映像作品の長さによって決まる2以上の自然数)、及び複数の音楽の音声データ(以下、「音声データ」)S01~S10より構成されている。また、図2においては、会話の音声など音楽以外の音声データは省略している。各音声データには、映像データの再生中において音声データの再生を開始する開始時刻及び終了時刻を付してある。たとえば、音声データS01は、映像データの再生と同時(開始時刻:00:00:00)に再生が開始される歌詞付きのオープニング曲(すなわち、歌唱音声を含む音声)に対応するデータである。一方、音声データS02は、オープニング曲の後(開始時刻:01:40:00)に再生が開始されるインストゥルメンタル(すなわち、歌唱音声を含まない音声)に対応するデータである。
【0016】
カラオケ装置Kは、カラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。
【0017】
サーバ装置Sは、カラオケ装置Kに対し楽曲の配信等を行う装置である。本実施形態において、サーバ装置Sは、カラオケ装置Kから受信した音楽の音声信号に対応する演奏データに基づいて楽曲を特定し、特定した楽曲の楽曲識別情報をカラオケ装置Kに送信する。演奏データに基づく楽曲の特定は、公知の技術(たとえば、サウンドハンド社が提供するアプリケーション「SoundHound」)を用いることができる。
【0018】
なお、サーバ装置Sの代わりに、カラオケシステム1とは別の楽曲検索専用のサーバ装置を利用してもよい。或いは、カラオケ装置Kがサーバ装置Sと同様の機能を有していてもよい。
【0019】
==カラオケ装置==
図3に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0020】
スピーカ20は各種音声を放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。表示装置30は、「表示手段」の一例である。マイク40は利用者の歌唱音声をアナログの信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。利用者は、リモコン装置50を用いてカラオケ歌唱を希望する楽曲の選曲等を行うことができる。リモコン装置50の表示画面には各種操作の指示入力を行うためのアイコン等が表示される。
【0021】
カラオケ本体10は、楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された信号の処理といった、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。図3に示すように、カラオケ本体10は、制御部11、通信部12、記憶部13、音響処理部14、表示処理部15及び操作部16を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0022】
制御部11は、CPU11aおよびメモリ11bを備える。CPU11aは、メモリ11bに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。メモリ11bは、CPU11aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶装置である。
【0023】
通信部12は、ルーター(図示なし)を介してカラオケ本体10を通信回線に接続するためのインターフェースを提供する。また、本実施形態に係る通信部12は、カラオケ装置KとHDMI接続された再生装置Pが出力するデジタルの映像信号及び音声信号を取得する。記憶部13は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。
【0024】
音響処理部14は、制御部11の制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏に関する制御、及びマイク40を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。表示処理部15は、制御部11の制御に基づき、表示装置30やリモコン装置50における各種表示に関する処理を行う。たとえば、表示処理部15は、楽曲のカラオケ演奏時における背景映像に歌詞テロップや各種アイコンが重ねられた映像を表示装置30に表示させる制御を行う。或いは、表示処理部15は、リモコン装置50の表示画面に操作入力用の各種アイコンを表示させる。操作部16は、パネルスイッチおよびリモコン受信回路などからなり、利用者によるカラオケ装置1のパネルスイッチあるいはリモコン装置50の操作に応じて選曲信号、演奏中止信号などの操作信号を制御部11に対して出力する。制御部11は、操作部16からの操作信号を検出し、対応する処理を実行する。
【0025】
図4に示すように、本実施形態において、カラオケ本体10は、データ記憶部100、抽出部200、取得部300、予約部400、音響制御部500、及び表示制御部600を備える。データ記憶部100は、記憶部13の記憶領域の一部である。抽出部200、取得部300、予約部400、音響制御部500、及び表示制御部600は、CPU11aがメモリ11bに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
【0026】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、楽曲のカラオケ演奏を行うための楽曲データと、楽曲識別情報とを紐付けて記憶する。
【0027】
楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、利用者によるカラオケ歌唱を採点するためのデータであり、採点時の基準として用いられるデータである。楽曲識別情報は、たとえば楽曲IDのような、楽曲毎に設定された固有の情報である。なお、以下の説明において、映像作品M中で流れるオープニング楽曲や挿入歌のような歌詞付きの楽曲については、対応する楽曲データがカラオケ装置Kに記憶されているとする。
【0028】
また、データ記憶部100は、楽曲のカラオケ演奏に合わせて歌詞テロップを表示装置30等に表示させるための歌詞テロップデータ、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景画像等の背景画像データ等を記憶する。
【0029】
[抽出部]
抽出部200は、再生装置Pから出力された音声信号から、音楽の音声信号に対応する演奏データを抽出する。
【0030】
具体的に、抽出部200は、再生装置Pから出力された音声信号のうち、音楽の音声信号を特定し、演奏データとして抽出する。
【0031】
音楽の音声信号は、会話音声の音声信号や効果音の音声信号にはない特徴を有する。具体的に、音楽の音声信号は、周波数軸上では調波構造(倍音構造)を有し、時間軸上では周期性(ビート、リズム等)を有する。
【0032】
抽出部200は、このような調波構造や周期性を検出することで、様々な音声が含まれる音声信号の中から、音楽の音声信号を特定し、演奏データとして抽出する。このような、音楽の音声信号の特定については、公知の技術を利用することができる。
【0033】
たとえば、利用者Uが、カラオケ装置K及び再生装置Pを利用して映像作品Mの鑑賞を行うとする。利用者Uは、映像作品Mのメディアを再生装置Pにセットし、再生開始を指示する。再生装置Pは、映像作品Mのデータを再生し、映像信号及び音声信号をカラオケ装置Kに出力する。
【0034】
抽出部200は、入力された音声信号を解析し、演奏データの抽出を行う。図2に示すように、映像作品Mが再生される時刻「00:00:00」から時刻「01:30:00」までの間に抽出される音楽の音声信号は、音声データS01に対応する信号である。よって、抽出部200は、音声データS01に対応する信号を演奏データC01として抽出する。抽出部200は、抽出した演奏データC01を取得部300に出力する。また、映像作品Mが再生される時刻「01:40:00」から時刻「01:55:00」までの間に抽出される音楽の音声信号は、音声データS02に対応する信号である。よって、抽出部200は、音声データS02に対応する信号を演奏データC02として抽出する。抽出部200は、抽出した演奏データC02を取得部300に出力する。同様の処理により、抽出部200は、音声データS03~音声データS10に対応する信号を、それぞれ演奏データC03~演奏データC10として抽出する。
【0035】
[取得部]
取得部300は、抽出した演奏データに基づいて、演奏データに対応する楽曲の楽曲識別情報を取得する。
【0036】
具体的に、取得部300は、抽出部200が抽出した演奏データをサーバ装置Sに送信する。上述の通り、サーバ装置Sは、受信した音楽の音声信号に対応する演奏データに基づいて楽曲を特定し、特定した楽曲の楽曲識別情報をカラオケ装置Kに送信する。
【0037】
たとえば、抽出部200から演奏データC01が出力されたとする。取得部300は、演奏データC01をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、演奏データC01に基づいて楽曲X01を特定し、楽曲X01の楽曲ID「ID***01」をカラオケ装置Kに送信する。取得部300は、演奏データC01に対応する楽曲X01の楽曲IDとして「ID***01」を取得する。また、抽出部200から演奏データC02が出力されたとする。取得部300は、演奏データC02をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、演奏データC02に基づいて楽曲X02を特定し、楽曲X02の楽曲ID「ID***02」をカラオケ装置Kに送信する。取得部300は、演奏データC02に対応する楽曲X02の楽曲IDとして「ID***02」を取得する。同様の処理により、取得部300は、演奏データC03~演奏データC10に対応する楽曲X03~楽曲X10の楽曲IDとして、それぞれ「ID***03」~「ID***10」を取得する。
【0038】
[予約部]
予約部400は、カラオケ演奏を行う楽曲を予約する。たとえば、利用者がリモコン装置50を介してある楽曲を選曲したとする。この場合、予約部400は、選曲された楽曲の楽曲IDを予約待ち行列に登録することで楽曲の予約を行う。
【0039】
また、本実施形態に係る予約部400は、取得した楽曲識別情報に基づいて、カラオケ演奏を行う楽曲を予約する。
【0040】
たとえば、取得部300から楽曲ID「ID***01」が出力されたとする。この場合、予約部400は、楽曲ID「ID***01」に紐付けられた楽曲データがデータ記憶部100に記憶されているかどうかを確認する。ここで、楽曲ID「ID***01」に対応する楽曲X01は、歌詞付きの楽曲である。よって、データ記憶部100には、楽曲IDに紐付けられた楽曲データが記憶されている。この場合、予約部400は、楽曲ID「ID***01」を予約待ち行列に登録する。
【0041】
一方、取得部300から楽曲ID「ID***02」が出力されたとする。この場合、予約部400は、楽曲ID「ID***02」に紐付けられた楽曲データがデータ記憶部100に記憶されているかどうかを確認する。ここで、楽曲ID「ID***02」に対応する楽曲X02は、歌詞付きの楽曲ではない。よって、データ記憶部100には、楽曲IDに紐付けられた楽曲データが記憶されていない。すなわち、楽曲ID「ID***02」に対応する楽曲X02は、カラオケ装置Kでカラオケ演奏ができない楽曲である。この場合、予約部400は、楽曲ID「ID***02」を予約待ち行列に登録しない。同様の処理により、予約部400は、楽曲ID「ID***04」、「ID***09」、及び「ID***10」について予約待ち行列に登録する。一方、予約部400は、楽曲ID「ID***03」、「ID***05」、「ID***06」、「ID***07」、及び「ID***08」については予約待ち行列に登録しない。
【0042】
[音響制御部]
音響制御部500は、カラオケ装置Kからの放音に関する各種制御を行う。たとえば、再生装置Pから音声信号の入力を受けた場合、音響制御部500は、音響処理部14を制御し、スピーカ20から映像作品の音声を放音させる。
【0043】
また、音響制御部500は、予約した楽曲の楽曲データに基づいてカラオケ演奏を行う。具体的には、音響制御部500は、予約待ち行列に登録されている楽曲IDが紐付けられている楽曲データをデータ記憶部100から読み出し、音響処理部14を制御することで、スピーカ20からカラオケ演奏音を放音させる。
【0044】
上記例において、映像作品Mの再生が終了した時点で、予約待ち行列には楽曲ID「ID***01」、「ID***04」、「ID***09」、及び「ID***10」が登録されている。
【0045】
映像作品Mを鑑賞し終えた利用者は、映像作品M中で流れた楽曲のカラオケ歌唱を希望する場合、リモコン装置50を介して、カラオケ演奏の開始を指示する。
【0046】
音響制御部500は、予約待ち行列に登録されている順に、まず楽曲ID「ID***01」に紐付けられている楽曲X01の楽曲データをデータ記憶部100から読み出し、音響処理部14を制御して、スピーカ20からカラオケ演奏音を放音させる。
【0047】
[表示制御部]
表示制御部600は、カラオケ装置Kにおける表示に関する各種制御を行う。たとえば、再生装置Pから映像信号の入力を受けた場合、表示制御部600は、表示処理部15を制御し、表示装置30に映像作品の映像を表示させる。
【0048】
また、表示制御部600は、カラオケ演奏に合わせて歌詞テロップを表示装置30に表示させる。具体的には、表示制御部600は、カラオケ演奏される楽曲の楽曲IDに紐付けられている歌詞テロップデータをデータ記憶部100から読み出し、表示処理部15を制御することで、カラオケ演奏に合わせて表示装置30に歌詞テロップを表示させる。
【0049】
==カラオケ装置における処理について==
次に、図5を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理の具体例について述べる。図5は、カラオケ装置Kにおける処理例を示すフローチャートである。この例では、データ記憶部100が、楽曲データと、楽曲IDとを紐付けて記憶しているとする。
【0050】
再生装置Pは、メディアに収録された映像作品のデータを再生し、映像信号及び音声信号を出力する(映像作品の再生開始。ステップ10)。カラオケ装置Kは、映像信号及び音声信号の入力を受ける(映像信号及び音声信号の入力。ステップ11)。
【0051】
抽出部200は、再生装置Pから出力された音声信号から、音楽の音声信号に対応する演奏データを抽出する(演奏データの抽出。ステップ12)。
【0052】
取得部300は、ステップ12で抽出した演奏データをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、受信した演奏データに基づいて楽曲を特定し、楽曲の楽曲IDをカラオケ装置Kに送信する。取得部300は、演奏データに対応する楽曲の楽曲IDを取得する(楽曲IDの取得。ステップ13)。
【0053】
予約部400は、ステップ13で取得した楽曲IDに紐付けられた楽曲データがデータ記憶部100に記憶されているかどうかを確認する。ステップ13で取得した楽曲IDに紐付けられた楽曲データがデータ記憶部100に記憶されている場合(ステップ14でYの場合)、予約部400は、当該楽曲IDを予約待ち行列に登録することで、カラオケ演奏を行う楽曲を予約する(楽曲の予約。ステップ15)。
【0054】
カラオケ装置Kは、再生装置Pから映像信号及び音声信号の出力が途絶えるまで、すなわち映像作品のデータの再生が終了するまで(ステップ16でYの場合)、ステップ11からステップ15の処理を繰り返す。
【0055】
その後、利用者がカラオケ歌唱を希望した場合、音響制御部500は、ステップ15で予約した楽曲の楽曲データに基づいてカラオケ演奏を行う(予約した楽曲のカラオケ演奏。ステップ17)。
【0056】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、メディアに収録された映像作品のデータを再生し、映像信号及び音声信号を出力する再生装置Pと接続されている。カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏を行うための楽曲データと、楽曲を識別するための楽曲識別情報とを紐付けて記憶するデータ記憶部100と、再生装置Pから出力された音声信号から、音楽の音声信号に対応する演奏データを抽出する抽出部200と、抽出した演奏データに基づいて、演奏データに対応する楽曲の楽曲識別情報を取得する取得部300と、取得した楽曲識別情報に基づいて、カラオケ演奏を行う楽曲を予約する予約部400と、音声信号に基づいてスピーカから音声を放音させる音響制御部500であって、予約した楽曲の楽曲データに基づいてカラオケ演奏を行う音響制御部500と、を有する。
【0057】
このようなカラオケ装置Kによれば、映像作品中に流れた楽曲が自動的に予約される。よって、利用者が映像作品を鑑賞した後、映像作品中に流れた楽曲をカラオケ歌唱したいと考えた場合、カラオケ装置Kは、当該楽曲のカラオケ演奏を行うことができる。従って、利用者は、楽曲の選曲を行わなくとも、気軽にカラオケ歌唱を楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、利用者は、映像作品中に流れた楽曲のカラオケ歌唱を容易に行うことができる。
【0058】
<第2実施形態>
次に図6及び図7を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、カラオケ歌唱を行う際に表示手段に表示される背景映像として、映像作品の映像を利用する例について述べる。第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0059】
[映像作品のデータ]
図6は、本実施形態に係る映像作品Mのデータを模式的に示した図である。本実施形態において、映像作品Mには、タイムコードが含まれている。具体的に、タイムコードは、映像作品のデータの再生中において音声データに対応する音声が出力される開始タイミング及び終了タイミングを示す。たとえば、音声データS01には、開始タイミングを示すタイムコードTC01S及び終了タイミングを示すタイムコードTC01Eを付してある。なお、タイムコードTC01Sが示す時刻は、映像データの再生中において音声データS01の再生を開始する開始時刻「00:00:00」に相当する。また、タイムコードTC01Eが示す時刻は、映像データの再生中において音声データS01の再生が終了する終了時刻「01:30:00」に相当する。再生装置Pは、タイムコードを重畳した映像信号をカラオケ装置Kに出力する。
【0060】
[抽出部]
本実施形態に係る抽出部200は、映像作品のデータの再生中において演奏データを抽出したタイミングを示すタイムコードを、当該演奏データと紐付けて出力する。
【0061】
具体的に、抽出部200は、出力された音声信号から音楽の音声信号を特定し、演奏データとして抽出する。また、抽出部200は、出力された映像信号からタイムコードを取得し、抽出した演奏データと紐付けて取得部300に出力する。
【0062】
たとえば、利用者Uが、カラオケ装置K及び再生装置Pを利用して映像作品Mの鑑賞を行うとする。利用者Uは、映像作品Mのメディアを再生装置Pにセットし、再生開始を指示する。再生装置Pは、映像作品Mのデータを再生し、映像信号及び音声信号をカラオケ装置Kに出力する。抽出部200は、入力される音声信号を解析し、演奏データの抽出を行う。また、抽出部200は、タイムコードを取得する。たとえば図6に示すように、映像作品Mが再生される時刻「00:00:00」から時刻「01:30:00」までの間に抽出される音楽の音声信号は、音声データS01に対応する信号である。よって、抽出部200は、音声データS01に対応する信号を演奏データC01として抽出する。また、抽出部200は、音声信号データS01に対応する音声信号と同期して出力された映像信号から、演奏データC01の抽出を開始したタイミングとしてタイムコードTC01Sを取得する。抽出部200は、抽出した演奏データC01及びタイムコードTC01Sを取得部300に出力する。同様の処理により、抽出部200は、音声データS02~音声データS10に対応する信号を、それぞれ演奏データC02~演奏データC10として抽出する。また、抽出部200は、演奏データC02~演奏データC10の抽出を開始したタイミングとしてタイムコードTC02S~タイムコードTC10Sを取得する。
【0063】
[取得部]
本実施形態に係る取得部300は、出力されたタイムコードを、当該タイムコードが紐付けられた演奏データに基づいて取得した楽曲識別情報と紐付ける。
【0064】
たとえば、抽出部200から演奏データC01及びタイムコードTC01Sが出力されたとする。取得部300は、演奏データC01をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、演奏データC01に基づいて楽曲X01を特定し、楽曲X01の楽曲ID「ID***01」をカラオケ装置Kに送信する。取得部300は、演奏データC01に対応する楽曲X01の楽曲IDとして「ID***01」を取得し、タイムコードTC01Sと紐付ける。同様の処理により、取得部300は、演奏データC02~演奏データC10に対応する楽曲X02~楽曲X10の楽曲IDとして、それぞれ「ID***02」~「ID***10」を取得する。そして、取得部300は、楽曲ID「ID***02」~「ID***10」に対し、それぞれタイムコードTC02S~タイムコードTC10Sを紐付ける。
【0065】
[音響制御部]
本実施形態に係る音響制御部500は、カラオケ演奏を行う楽曲の楽曲識別情報に紐付けられたタイムコードを再生装置Pに出力する。
【0066】
上記例において、映像作品Mの再生が終了した時点で、予約待ち行列には楽曲ID「ID***01」、「ID***04」、「ID***09」、及び「ID***10」が登録されている。
【0067】
映像作品Mを鑑賞し終えた利用者は、映像作品M中で流れた楽曲のカラオケ歌唱を希望する場合、リモコン装置50を介して、カラオケ演奏の開始を指示する。
【0068】
音響制御部500は、予約待ち行列に登録された順に、まず楽曲ID「ID***01」に紐付けられている楽曲X01の楽曲データをデータ記憶部100から読み出し、音響処理部14を制御して、スピーカ20からカラオケ演奏音を放音させる。
【0069】
この際、音響制御部500は、楽曲ID「ID***01」に紐付けられたタイムコードTC01Sを再生装置Pに出力する。より具体的には、音響制御部500は、再生装置Pを遠隔操作する機能を備え、再生装置Pに対して任意のタイムコードを出力することにより、当該タイムコードに対応する時刻から映像信号を出力させることができる。再生装置Pを遠隔操作するためには、市販のDVD/BDプレーヤをリモコン操作できるスマートフォン・アプリのプログラムなど公知の技術を用いることができる。
【0070】
再生装置Pは、映像作品の映像データVの中から、タイムコードTC01Sが示す開始時刻「00:00:00」における静止画像データv1を特定する。再生装置Pは、静止画像データv1に対応する映像信号(この場合は、静止画像の信号)をカラオケ装置Kに出力する。
【0071】
なお、この際、音響制御部500は、再生装置Pから出力された映像信号に対応する音声信号に基づいた音声を放音しない。よって、音響制御部500は、データ記憶部100から読み出した楽曲データに基づいて、カラオケ演奏を行い、カラオケ演奏音のみを放音させる。
【0072】
[表示制御部]
本実施形態に係る表示制御部600は、再生装置Pが音響制御部500から出力されたタイムコードに基づいて特定した映像データに対応する映像信号を出力した場合、当該特定した映像データに対応する映像信号に基づく映像を表示装置30に表示させる。
【0073】
たとえば、上述の通り、再生装置Pから静止画像データv1に対応する映像信号が出力されたとする。この場合、表示制御部600は、楽曲X01のカラオケ演奏に合わせて、静止画像データv1に対応する映像信号に基づく映像(すなわち、一の静止画像)を表示装置30に表示させる。
【0074】
==カラオケ装置における処理について==
次に、図7を参照して本実施形態に係るカラオケ装置Kにおける処理の具体例について述べる。図7は、カラオケ装置Kにおける処理例を示すフローチャートである。この例では、データ記憶部100が、楽曲データと、楽曲IDとを紐付けて記憶しているとする。
【0075】
再生装置Pは、メディアに収録された映像作品のデータを再生し、映像信号及び音声信号を出力する(映像作品の再生開始。ステップ20)。カラオケ装置Kは、映像信号及び音声信号の入力を受ける(映像信号及び音声信号の入力。ステップ21)。
【0076】
抽出部200は、再生装置Pから出力された音声信号から、音楽の音声信号に対応する演奏データを抽出する(演奏データの抽出。ステップ22)。また、抽出部200は、再生装置Pから出力された映像信号からタイムコードを取得し、抽出した演奏データと紐付けて取得部300に出力する(タイムコードと演奏データを紐付けて出力。ステップ23)。
【0077】
取得部300は、ステップ22で抽出した演奏データをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、受信した演奏データに基づいて楽曲を特定し、楽曲の楽曲IDをカラオケ装置Kに送信する。取得部300は、演奏データに対応する楽曲の楽曲IDを取得する(楽曲IDの取得。ステップ24)。そして、取得部300は、ステップ23で出力されたタイムコードを、ステップ24で取得した楽曲IDと紐付ける(タイムコードと楽曲IDの紐付け。ステップ25)。
【0078】
予約部400は、ステップ24で取得した楽曲IDに紐付けられた楽曲データがデータ記憶部100に記憶されているかどうかを確認する。ステップ24で取得した楽曲IDに紐付けられた楽曲データがデータ記憶部100に記憶されている場合(ステップ26でYの場合)、予約部400は、当該楽曲IDを予約待ち行列に登録することで、カラオケ演奏を行う楽曲を予約する(楽曲の予約。ステップ27)。
【0079】
カラオケ装置Kは、再生装置Pから映像信号及び音声信号の出力が途絶えるまで、すなわち映像作品のデータの再生が終了するまで(ステップ28でYの場合)、ステップ21からステップ27の処理を繰り返す。
【0080】
その後、利用者がカラオケ歌唱を希望した場合、音響制御部500は、ステップ27で予約した楽曲の楽曲IDに紐付けられたタイムコードを再生装置Pに出力する(タイムコードを出力。ステップ29)。
【0081】
再生装置Pは、ステップ29で出力されたタイムコードに基づいて特定した映像データに対応する映像信号を出力する。
【0082】
そして、音響制御部500は、ステップ27で予約した楽曲の楽曲データに基づいてカラオケ演奏を行う(予約した楽曲のカラオケ演奏。ステップ30)。
【0083】
一方、表示制御部600は、ステップ30のカラオケ演奏に合わせて、当該特定した映像データに対応する映像信号に基づく映像を表示装置30に表示させる(特定した映像データに対応する映像信号に基づく映像を表示。ステップ31)。
【0084】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、映像信号に基づいて表示装置30に映像を表示させる表示制御部600を有する。本実施形態において、抽出部200は、映像作品のデータの再生中において演奏データを抽出したタイミングを示すタイムコードを、当該演奏データと紐付けて出力する。取得部300は、出力されたタイムコードを、当該タイムコードが紐付けられた演奏データに基づいて取得した楽曲識別情報と紐付ける。音響制御部500は、カラオケ演奏を行う楽曲の楽曲識別情報に紐付けられたタイムコードを再生装置Pに出力する。再生装置Pが、音響制御部500から出力されたタイムコードに基づいて特定した映像データに対応する映像信号を出力した場合、表示制御部600は、当該特定した映像データに対応する映像信号に基づく映像を表示装置30に表示させる。
【0085】
このようなカラオケ装置Kによれば、カラオケ演奏に合わせて表示装置30に表示される背景映像として、カラオケ演奏される楽曲に関連がある映像(すなわち、カラオケ演奏される楽曲が流れた映像作品の一場面)を表示することができる。
【0086】
<第2実施形態の変形例1>
第2実施形態では、音響制御部500から出力されたタイムコードに基づいて再生装置Pが出力する映像信号は、一の静止画像に対応する信号であった。一方、映像信号が、複数の静止画像に対応する信号であってもよい。
【0087】
この場合、表示制御部600は、複数の静止画像に対応する信号に基づく映像を表示手段に表示させる。
【0088】
具体的に、抽出部200は、再生装置Pから出力された映像信号から、演奏データの開始時刻を示すタイムコード及び終了時刻を示すタイムコードを取得し、抽出した演奏データと紐付けて取得部300に出力する。取得部300は、出力された各タイムコードを、楽曲IDと紐付ける。音響制御部500は、予約した楽曲の楽曲IDに紐付けられた開始時刻を示すタイムコードから終了時刻を示すタイムコードまでの間の所定数のタイムコードを抽出し、各タイムコードを順次再生装置Pに出力する。たとえば、抽出部200から演奏データC01、タイムコードTC01S及びTC01Eが出力され、取得部300が演奏データC01に対応する楽曲X01の楽曲IDとして「ID***01」を取得し、タイムコードTC01S及びTC01Eと紐付けたとする。ここで、演奏データC01の長さ、すなわちタイムコードTC01SからTC01Eまでの長さは1分30秒であり、カラオケ演奏を行うフルバージョンの楽曲X01の楽曲データの演奏時間は6分であるとする。音響制御部500は、所定数である6つのタイムコードを等間隔に抽出する。より具体的には、タイムコードTC01S、その15秒後、30秒後、45秒後、60秒後、75秒後である。音響制御部500は、各タイムコードを等間隔で順次再生装置Pに出力する。より具体的には、楽曲X01の演奏開始時、その1分後、2分後、3分後、4分後、5分後である。
【0089】
再生装置Pは、順次出力された各タイムコードが示す静止画像データを特定し、特定した静止画像データに対応する映像信号を出力する。
【0090】
表示制御部600は、特定した静止画像データに対応する映像信号に基づく映像を表示手段に表示させる。
【0091】
このようなカラオケ装置Kによれば、カラオケ演奏に合わせて表示装置30に表示される背景映像として、カラオケ演奏される楽曲に関連がある複数の映像(すなわち、カラオケ演奏される楽曲が流れた映像作品の複数場面)を表示することができる。
【0092】
なお、表示制御部600は、複数の静止画像に対応する信号に基づく映像として、複数の静止画像を編集した動画像として表示してもよい。より具体的には、音響制御部500は、カラオケ演奏を行う楽曲の楽曲識別情報に紐付けられた、演奏データの開始時刻を示すタイムコード及び終了時刻を示すタイムコードを再生装置Pに出力する。そして、音響制御部500は、当該演奏データの開始時刻から終了時刻の間の映像データに基づいた動画の映像信号を繰り返し出力させるよう、再生装置Pを遠隔操作してもよい。これにより、映像作品中で流れた楽曲と同じ楽曲のフルバージョンのカラオケ演奏であっても、楽曲に関連がある動画像をカラオケ演奏が終了するまで背景映像として表示装置30に表示させ続けることができる。
【0093】
<第2実施形態の変形例2>
第2実施形態で説明した表示装置30に表示される映像に対し、歌詞テロップを重畳して表示させてもよい。
【0094】
この場合、音響制御部500は、楽曲データに基づくカラオケ演奏に合わせて、当該カラオケ演奏に対応する歌詞テロップデータをデータ記憶部100から読み出して表示制御部600に出力する。
【0095】
表示制御部600は、音響制御部500から出力されたタイムコードに基づいて再生装置Pが出力する映像信号と、音響制御部500から出力された歌詞テロップデータとに基づいて、歌詞テロップが重畳された映像を表示手段に表示させる。
【0096】
具体的に、音響制御部500は、予約された楽曲のカラオケ演奏を行う際に、当該楽曲の楽曲IDに対応付けられたタイムコードを出力する。再生装置Pは、出力されたタイムコードに基づいて静止画像データを特定し、特定した静止画像データに対応する映像信号を出力する。
【0097】
音響制御部500は、データ記憶部100から楽曲IDに紐付けられた歌詞テロップデータを読み出して、楽曲のカラオケ演奏音信号に同期した歌詞テロップ信号を表示制御部600に出力する。
【0098】
表示制御部600は、再生装置Pから出力された映像信号に基づく映像、及び音響制御部500が出力する歌詞テロップ信号に基づいて、歌詞テロップが重畳された映像を表示装置30に表示させる。
【0099】
<その他>
上記実施形態において、取得部300は、演奏データと併せて映像作品を識別するための作品識別情報を併せてサーバ装置Sに送信してもよい。作品識別情報は、たとえば、映像作品のタイトルや作品番号である。作品識別情報は、たとえば再生装置Pから出力される映像信号に含めることができる。
【0100】
サーバ装置Sは、楽曲を特定する際、演奏データと併せて作品識別情報を利用することにより、楽曲を特定する精度や速度を高めることができる。なお、この場合、サーバ装置Sは、楽曲IDと併せて映像作品のタイトル等の情報を記憶している。
【0101】
なお、上記実施形態においては、再生装置Pが映像信号及び音声信号をカラオケ装置Kに出力し、音響制御部500が再生装置Pを遠隔操作する機能を備える構成としたが、これに限られない。たとえば、カラオケ本体10が、DVDやBDに対応したディスクドライブを備え、それらのメディアに収録された映像作品のデータを再生してもよい。これにより、音響制御部500は、再生装置Pを遠隔操作する機能を備える必要がなくなる。
【0102】
また、第2実施形態においては、映像作品Mに含まれるタイムコードに基づいて、カラオケ演奏に合わせて表示する映像に対応する映像データを特定したが、これに限られない。たとえば、抽出部200は、カウンターを備え、演奏データを抽出したタイミングを示すタイムコードを生成して当該演奏データと紐付けて出力してもよい。
【0103】
また、第2実施形態において、再生装置Pは、映像作品の映像データの中から、音響制御部500が出力したタイムコードが示す開始時刻から終了時刻の間に含まれる一または複数の静止画像を特定し、特定した静止画像データに対応する映像信号を出力した。また、表示制御部600は、特定した静止画像データに対応する映像信号に基づく映像を表示装置30に表示させた。一方、たとえば、再生装置Pは、音響制御部500が出力したタイムコードが示す開始時刻から映像作品の映像データを再生して動画の映像信号を出力し、表示制御部600は、再生装置Pが出力した動画の映像信号に基づいて一または複数の静止画像を生成して表示装置30に表示させてもよい。
【0104】
また、第2実施形態において、抽出部200は、映像作品のデータの再生中において演奏データを抽出したタイミングを示すタイムコードを、当該演奏データと紐付けて出力した。また、再生装置Pは、音響制御部500から出力されたタイムコードに基づいて特定した映像データに対応する映像信号を出力した。一方、たとえば、抽出部200は、映像作品のデータの再生中において演奏データを抽出し、且つ当該演奏データに対応する映像データを抽出して記憶する。取得部300は、記憶した映像データを、当該映像データに対応する演奏データに基づいて取得した楽曲識別情報と紐付ける。音響制御部500は、映像データ再生出力機能を備え、カラオケ演奏を行う楽曲の楽曲識別情報に紐付けられた映像データに対応する映像信号を出力する。そして、表示制御部600は、当該映像信号に基づく映像を表示装置30に表示させてもよい。これにより、音響制御部500は、再生装置Pを遠隔操作する機能を備える必要がなくなる。
【0105】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
1 カラオケシステム
100 データ記憶部
200 抽出部
300 取得部
400 予約部
500 音響制御部
600 表示制御部
K カラオケ装置
P 再生装置
S サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7