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特許7295821情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20230614BHJP
【FI】
G06Q30/0202
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020048358
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021149471
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】株田 達矢
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特許第6584607(JP,B1)
【文献】特開2020-004058(JP,A)
【文献】特開2018-120337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、前記利用者によって検索行動が行われる頻度である検索頻度に応じた重み値を算出する算出部と、
前記検索頻度に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前利用者によって前記検索頻度で検索行動が行われることの重要性を推定する推定部と、
前記推定部により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測部と
を有し、
前記算出部は、前記検索頻度が低い程、高い重み値を算出する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、前記利用者による検索行動で用いられた検索クエリが、検索の際に使用される頻度である使用頻度に応じた重み値を算出する算出部と、
前記使用頻度に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前記検索クエリを用いて検索行動が行われることの重要性を推定する推定部と、
前記推定部により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測部と
を有し、
前記算出部は、前記使用頻度が低い程、高い重み値を算出する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
検索行動が行われる候補のエリアと、前記エリアで検索することの困難性を指し示す指標値とが対応付けられたデータベースに基づいて、利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、利用者によって検索行動が行われた場所である検索場所での検索行動の困難性に応じた重み値を算出する算出部と、
前記困難性に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前記検索場所で検索行動が行われることの重要性を推定する推定部と、
前記推定部により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記困難性が高い程、高い重み値を算出する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、前記利用者による検索行動で用いられた端末装置の種別に応じた重み値を算出する算出部と、
端末装置の種別に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前記種別の端末装置で検索行動が行われることの重要性を推定する推定部と、
前記推定部により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記端末装置が旧型の種別である程、高い重み値を算出する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予測部は、前記利用者ごとに、前記需要レベルを予測する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記予測部は、前記利用者が検索行動を行った場所に対応するエリアでの前記需要レベルを予測する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記算出部は、前記利用者の属性に応じて前記重み値を補正する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、前記利用者によって検索行動が行われる頻度である検索頻度に応じた重み値を算出する算出工程と、
前記検索頻度に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前利用者によって前記検索頻度で検索行動が行われることの重要性を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測工程と
を含み、
前記算出工程は、前記検索頻度が低い程、高い重み値を算出する
とを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、前記利用者による検索行動で用いられた検索クエリが、検索の際に使用される頻度である使用頻度に応じた重み値を算出する算出工程と、
前記使用頻度に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前記検索クエリを用いて検索行動が行われることの重要性を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測工程と
を含み、
前記算出工程は、前記使用頻度が低い程、高い重み値を算出する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
検索行動が行われる候補のエリアと、前記エリアで検索することの困難性を指し示す指標値とが対応付けられたデータベースに基づいて、利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、利用者によって検索行動が行われた場所である検索場所での検索行動の困難性に応じた重み値を算出する算出工程と、
前記困難性に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前記検索場所で検索行動が行われることの重要性を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、前記利用者による検索行動で用いられた端末装置の種別に応じた重み値を算出する算出工程と、
端末装置の種別に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前記種別の端末装置で検索行動が行われることの重要性を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、前記利用者によって検索行動が行われる頻度である検索頻度に応じた重み値を算出する算出手順と、
前記検索頻度に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前利用者によって前記検索頻度で検索行動が行われることの重要性を推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測手順と
をコンピュータに実行させ
前記算出手順は、前記検索頻度が低い程、高い重み値を算出する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項15】
利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、前記利用者による検索行動で用いられた検索クエリが、検索の際に使用される頻度である使用頻度に応じた重み値を算出する算出手順と、
前記使用頻度に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前記検索クエリを用いて検索行動が行われることの重要性を推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測手順と
をコンピュータに実行させ、
前記算出手順は、前記使用頻度が低い程、高い重み値を算出する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項16】
検索行動が行われる候補のエリアと、前記エリアで検索することの困難性を指し示す指標値とが対応付けられたデータベースに基づいて、利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、利用者によって検索行動が行われた場所である検索場所での検索行動の困難性に応じた重み値を算出する算出手順と、
前記困難性に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前記検索場所で検索行動が行われることの重要性を推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項17】
利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値として、前記利用者による検索行動で用いられた端末装置の種別に応じた重み値を算出する算出手順と、
端末装置の種別に応じた重み値と、前記検索行動に対して予め定められた基準値とに基づいて、前記種別の端末装置で検索行動が行われることの重要性を推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された重要性に基づいて、前記利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する予測手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の需要を予測する技術が提供されている。例えば、少なくともPOI(興味のある地点:Point of Interest)データを含むユーザの検索データに基づいて、ユーザのニーズ情報を決定する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-16625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、POIデータを含むユーザの検索データに基づいて、少なくともニーズの発生位置を含むユーザのニーズ情報を決定しているが、検索データには多くのノイズが含まれることが考えられる。
【0005】
このようなことから、上記の従来技術では、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができるとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値を算出する算出部と、前記算出部により算出された重み値に基づいて、前記検索態様によって示される状態で前記検索行動が行われることの重要性を推定する推定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る需要レベル予測の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る利用者情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るクエリ情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る検索履歴記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係るスコア情報記憶部の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る予測結果記憶部の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態にかかる情報処理手順を示すフローチャートである。
図11図11は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態に係る情報処理の概要〕
まず、前提に沿って実施形態に係る情報処理の概要について説明する。上記の従来技術のように、検索履歴からどのような場所でどのような需要があるか需要予測する技術が知られている。例えば、検索履歴で示される検索行動と、この検索行動に紐付く位置情報に基づいて、検索行動での検索対象に関する需要レベルを可視化する技術がある。
【0012】
しかしながら、利用者の検索行動には検索態様に応じた様々なバイアスがかかるため、このようなバイアスが考慮されていない上記の従来技術では、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができるとは限らない。
【0013】
例えば、検索をほとんど行わない傾向にある利用者が、所定の対象について検索した場合には、所定の対象について検索するというこの検索行動は、利用者に対する需要を予測するうえで重要な検索行動といえる。また、例えば、検索において使用されにくい傾向にある検索クエリが利用者によって使用された場合には、この検索クエリで検索するという検索行動は、利用者に対する需要を予測するうえで重要な検索行動といえる。また、例えば、人混みの中や交差点などといった一般に検索行動が困難であると考えられるような場所でわざわざ検索が行われた場合には、このような場所での検索行動は、この場所に対応するエリアでの需要を予測するうえで重要な検索行動といえる。
【0014】
このように利用者の検索行動には、需要を予測するうえでどれだけ重要な検索行動であるかこの重要性を推し量るためのバイアスがかかるが、上記の従来技術では、需要を予測するうえで、検索行動を示す検索態様に応じてどれ位バイアスがかかるかといったことが考慮されていない。したがって、上記の従来技術では、例えば、需要に無関係な検索行動(需要に対して重要性の低い検索行動)といったノイズも含まれることになるため、予測精度を高めることができるとはいえない場合がある。
【0015】
そこで、本実施形態では、利用者による検索行動に対して、この検索行動を示す検索態様に応じてバイアスがどの程度かかるかといったことを考慮することで、この検索行動が行われることの重要性であって、需要を予測するうえでの重要性を推定するといった着想を得た。
【0016】
具体的には、本実施形態では、実施形態に係る情報処理として以下のような情報処理を行う。例えば、本実施形態では、利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値を算出し、算出した重み値に基づいて、この検索態様によって示される状態で検索行動が行われることの重要性を推定する。そして、本実施形態では、推定した重要性に基づいて、利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する。また、このようなことから、本実施形態では、利用者による検索行動を示す検索態様に応じて、この検索行動にどの程度バイアスがかかるかといった、バイアスを指標する指標値(すなわち、重み値)を補正するものである。
【0017】
また、本実施形態では、利用者による検索行動を示す検索態様の一例として、利用者によって検索行動が行われる頻度である検索頻度、利用者による検索行動で用いられた検索クエリが、検索の際に使用される頻度である使用頻度、利用者によって検索行動が行われた場所である検索場所での検索行動の困難性、利用者による検索行動で用いられた端末装置の種別、に着目している。一方で、実施形態に係る情報処理で対象とすることができる検索態様は、上記例に限らず、検索行動にかかるバイアスの程度(重み値)を算出可能なものであれば、いかなる検索態様も対象とすることができる。
【0018】
〔2.実施形態に係る情報処理システムについて〕
実施形態に係る情報処理の説明に先立って、図3を用いて、実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図3は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。実施形態に係る情報処理システム1は、図3に示すように、外部装置30と、情報処理装置100とを含む。外部装置30、情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図3に示す情報処理システム1には、複数台の外部装置30や、複数台の情報処理装置100が含まれてよい。
【0019】
外部装置30は、所定のサービスに対応するサーバ装置である。例えば、外部装置30は、所定のショッピングサービス(例えば、電子モールといったショッピングサービス)を提供するサーバ装置である。また、外部装置30は、所定の検索サービス(検索エンジン)に対応するサーバ装置であってもよい。また、このようなことから実施形態に係る情報処理装置100は、所定のショッピングサービスや所定の検索サービスにおいて、利用者によって行われた検索行動の履歴(検索履歴)を外部装置30から取得することができる。
【0020】
情報処理装置100は、上述した実施形態に係る情報処理を行う装置であり、サーバ装置やクラウドシステムなどにより実現される。本実施形態では、情報処理装置100は、サーバ装置であるものとする。
【0021】
なお、図2では不図示であるが、実施形態に係る情報処理システム1には、利用者(エンドユーザ)によって利用される情報処理端末も含まれてよい。係る情報処理端末は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などである。
【0022】
〔3.実施形態に係る情報処理の一例〕
ここからは、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1では、主にテーブルTBを用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。テーブルTBで示される情報は、後述する検索履歴記憶部123(図7)、および、スコア情報記憶部124(図8)に対応する。
【0023】
まず、テーブルTBで示される利用者の検索行動について説明する。テーブルTBでは、「利用者ID(identifier)」に対して「検索履歴」が対応付けられており、また、「検索履歴」には、「履歴ID(identifier)」、「日時情報」、「クエリ情報」、「位置情報」といった項目が含まれる。
【0024】
「利用者ID」は、対応する「履歴ID」で識別される検索行動を行った利用者を識別する識別情報を示す。「履歴ID」は、対応する「日時情報」、「クエリ情報」、「位置情報」の組を1つの検索行動として、この検索行動を識別する識別情報を示す。「日時情報」は、対応する「履歴ID」で識別される検索行動が行われた日時に関する情報である。「クエリ情報」は、対応する「履歴ID」で識別される検索行動での検索対象を示すキーワードである。「位置情報」は、対応する「履歴ID」で識別される検索行動が行われた位置(検索場所)に関する情報である。
【0025】
すなわち、図1に示すテーブルTBの例では、利用者ID「U1」で識別される利用者(利用者U1)は、日時「DT11」、位置「LC11」において、検索クエリ「マスク」を用いて検索するという検索行動を行った例を示す。また、このような検索行動を「検索行動R1」と表記する。また、これに倣うと、図1に示すテーブルTBの例では、利用者U1は、日時「DT12」、検索場所「LC12」において、検索クエリ「点眼薬」を用いて検索するという検索行動R12を行った例が示される。また、図1に示すテーブルTBの例では、利用者U2は、日時「DT12」、位置「LC21」において、検索クエリ「マグカップ」を用いて検索するという検索行動R21を行った例が示される。
【0026】
そして、このような状態において、情報処理装置100は、利用者による検索行動ごとに、当該検索行動を示す各検索態様に応じた重み値を算出する(ステップS11)。例えば、情報処理装置100は、履歴IDで識別される1回の検索行動を示す検索態様ごとに、当該検索態様に応じた重み値を算出する。
【0027】
ここで、テーブルTBでは、「重み値」には、「検索頻度」、「使用頻度」、「困難性」、「端末種別」といった項目が含まれる。「検索頻度」、「使用頻度」、「困難性」、「端末種別」は、実施形態に係る情報処理で対象とする検索態様であって、検索行動を示す検索態様の一例である。
【0028】
「検索頻度」は、利用者によって検索行動が行われる頻度である。また、「使用頻度」は、利用者による検索行動で用いられた検索クエリが、検索の際に使用される頻度である。すなわち、「使用頻度」は、インターネット上(利用者全体)においてどれだけ使用される傾向にあるかといった使用傾向であってもよいし、各利用者による検索行動においてどれだけ使用される傾向にあるかといった個人での使用傾向であってよい。本実施形態では、「使用頻度」は、インターネット上(利用者全体)においての使用傾向であるものとする。
【0029】
また、「困難性」は、利用者によって検索行動が行われた場所である検索場所において検索行動を行うことの困難性である。また、「端末種別」は、利用者による検索行動で用いられた端末装置(情報処理端末)の種別である。
【0030】
このようなことから、ステップS11では、情報処理装置100は、履歴IDで識別される各検索行動を対象に、「検索頻度」、「使用頻度」、「困難性」、「端末種別」といった各検索態様について、それぞれどのような状況であるかを特定する。そして、情報処理装置100は、特定した状況に応じた重み値を算出する。以下では、利用者U1による検索行動のうち、検索行動R11に焦点を当てて重み値算出を説明する。
【0031】
情報処理装置100は、例えば、利用者情報記憶部121(図5)を参照することで、利用者U1がどのような「検索頻度」(検索傾向)にある状態で、検索行動R11を行ったかといった検索態様を特定する。図1の例では、利用者U1に対して、検索頻度「X1回/月」、属性情報「属性♯1」が対応付けられている。係る例は、情報処理装置100が、利用者U1の検索頻度として「X1回/月」を特定し、また、利用者U1の属性情報として「属性♯1」を特定した例を示す。なお、属性情報とは、利用者の性別、年代、趣味嗜好など、利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性といった各種の属性を示す情報である。
【0032】
また、情報処理装置100は、例えば、クエリ情報記憶部122を参照することで、検索行動R11において利用者U1が使用した検索クエリ「マスク」は、全体としてどのような「使用頻度」(使用傾向)にあるキーワードであるかといった検索態様を特定する。ここでは、情報処理装置100は、検索クエリ「マスク」の使用頻度として「Y1回/月」を特定したものとする。
【0033】
また、情報処理装置100は、例えば、利用者情報記憶部121(図5)を参照することで、利用者U1がどのような「端末種別」の情報処理端末を用いて、検索行動R11を行ったかといった検索態様を特定する。図1の例では、利用者U1に対して、端末種別「種別♯1」が対応付けられている。係る例は、情報処理装置100が、利用者U1が使用している情報処理端末の種別として「種別♯1」を特定した例を示す。
【0034】
また、情報処理装置100は、検索行動を行ううえでどれほど困難な場所で、利用者U1が検索行動R11を行ったかといった検索態様を特定する。例えば、情報処理装置100は、検索行動R11が行われた検索場所「LC11」と、図1に示す困難性スコア表とに基づいて、検索場所「LC11」という場所は、検索行動R11を行うことがどれほど困難な場所であるかを特定する。
【0035】
困難性スコア表では、様々なエリアについて、当該エリアにて検索行動を行うことがどれだけ困難であるか指標する困難性スコアが対応付けられる。また、困難性スコアが高い程、対応するエリアにて検索行動を行うことが困難なことを意味する。例えば、交差点エリアは、通行人、自動車などの移動体、信号などの観点から、高い危険性を伴うエリアであり、人はこのようなエリアで落ち着いて検索行動を行うことは出来ない。したがって、交差点エリアには、困難性スコアとして最も高い値の「10」が対応付けられている。一方、店舗エリアは、室内であり、比較的落ち着いて検索行動を行うことができると考えられる。このため、店舗エリアには、困難性スコアとして低めの値の「3」が対応付けられている。
【0036】
ここで、情報処理装置100は、検索場所「LC11」と地図情報とに基づいて、検索場所「LC11」がどのようなオブジェクトや施設を含むエリアであるかを判定する。そして、情報処理装置100は、判定したエリアと、困難性スコア表とを照らし合わせることで、判定したエリアで検索行動R11を行うことがどれほど困難であるか困難性スコアを特定する。例えば、情報処理装置100は、検索場所「LC11」と地図情報とに基づいて、検索場所「LC11」に対応するエリアが「交差点エリア」であると判定したとする。したがって、係る例では、情報処理装置100は、困難性スコア表と照らし合わせて、交差点エリアに含まれるような検索場所「LC11」で検索行動R11を行うことの困難性スコアとして「10」を特定する。
【0037】
これまでの例をまとめると、図1では、情報処理装置100は、利用者U1による検索行動R11を示す検索態様として、利用者U1の検索頻度(検索傾向)「X1回/月」、検索行動R11で用いられた検索クエリ「マスク」の全体での使用頻度(使用傾向)「Y1/月」、検索場所「LC11」で検索行動R11を行うことの困難さである困難性スコア「10」、検索行動R11に用いられた端末装置の種別「種別♯1」を特定している。
【0038】
そして、係る例では、情報処理装置100は、利用者U1の検索頻度「X1回/月」に応じた重み値を算出する。例えば、情報処理装置100は、検索頻度が低い程、高い重み値を算出するという規定に従って、検索頻度「X1回/月」に応じた重み値を算出する。例えば、検索頻度がより低い利用者によって検索行動が行われる程、係る利用者に対して、検索対象に関する高い需要が発生しているといえる。すなわち、検索頻度がより低い利用者によって行われる検索行動は、利用者による潜在的な需要(本当のニーズ)を予測するうえで、より重要な検索行動であるといえる。このようなことから、検索頻度が低い程、高い重み値を算出することで、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができるようになる。
【0039】
テーブルTBの例では、情報処理装置100が、利用者U1の検索頻度「X1回/月」に応じた重み値として「WV111」を算出した例が示される。また、情報処理装置100は、利用者U1の属性♯1に応じて重み値「WV111」を補正してもよい。例えば、年代によって検索頻度が異なることが知られている。例えば、年代が高くなる程、検索頻度は低くなる傾向にある。このため、例えば、情報処理装置100は、年代が高い程、より高い値を用いて重み値を補正するという規定に従って、属性♯1に応じて重み値「WV111」を補正することができる。
【0040】
また、情報処理装置100は、検索行動R11で用いられた検索クエリ「マスク」の全体での使用頻度「Y1/月」に応じた重み値を算出する。例えば、情報処理装置100は、使用頻度が低い程、高い重み値を算出するという規定に従って、使用頻度「Y1/月」に応じた重み値を算出する。例えば、使用頻度がより低い検索クエリが使用される程、この検索クエリを用いて検索した利用者に対して、検索対象に関する高い需要が発生しているといえる。すなわち、使用頻度がより低い検索クエリを用いた検索行動は、利用者による潜在的な需要(本当のニーズ)を予測するうえで、より重要な検索行動であるといえる。要するに、普段あまり使用されないような検索クエリが使用されるということは、この検索クエリによって示される検索対象への需要は本物である可能性が高いといった視点である。このようなことから、使用頻度が低い程、高い重み値を算出することで、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができるようになる。
【0041】
テーブルTBの例では、情報処理装置100が、検索行動R11で用いられた検索クエリ「マスク」の全体での使用頻度「Y1/月」に応じた重み値として「WV112」を算出した例が示される。
【0042】
また、情報処理装置100は、検索場所「LC11」で検索行動R11を行うことの困難さを示す困難性スコア「10」に応じた重み値を算出する。例えば、情報処理装置100は、困難性スコアが高い程、高い重み値を算出するという規定に従って、困難性スコア「10」に応じた重み値を算出する。例えば、交差点や路上など、スマートフォンなどの情報処理端末を操作することが困難であると考えられるような場所で、わざわざ検索行動が行われた場合、このような場所で検索行動を行った利用者には、検索対象に関する高い需要が発生しているといえる。一方で、カフェなど店舗内(屋内)での検索行動は、需要に関係なく例えば時間つぶしのためだけに行われている可能性もある。このようなことから、困難性がより高い場所で行われる検索行動は、利用者による潜在的な需要(本当のニーズ)を予測するうえで、より重要な検索行動であるといえる。よって、困難性スコアが高い程、高い重み値を算出することで、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができるようになる。
【0043】
テーブルTBの例では、情報処理装置100が、検索場所「LC11」で検索行動R11を行うことの困難さを示す困難性スコア「10」に応じた重み値として「WV113」を算出した例が示される。
【0044】
また、情報処理装置100は、検索行動R11に用いられた端末装置の種別「種別♯1」に応じた重み値を算出する。例えば、情報処理装置100は、検索行動に用いられた端末装置が旧型の種別である程、高い重み値を算出するという規定に従って、端末装置の種別「種別♯1」に応じた重み値を算出する。例えば、端末装置は、旧型である程、操作性やスペックが劣る傾向にあるため、旧型である程簡単な用事(例えば、電話をかけるなど)でしか利用されない傾向にある。このような中で、わざわざ旧型の端末装置を用いて検索行動が行われた場合、この端末装置で検索行動を行った利用者には、検索対象に関する高い需要が発生しているといえる。すなわち、より旧型の端末装置を用いた検索行動は、利用者による潜在的な需要(本当のニーズ)を予測するうえで、より重要な検索行動であるといえる。
【0045】
要するに、需要が発生したことに伴いすぐにでも調べたいため、端末装置の使い勝手が悪いなどは気にしていられないといった視点である。このようなことから、端末装置が旧型の種別である程、高い重み値を算出することで、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができるようになる。
【0046】
テーブルTBの例では、情報処理装置100が、検索行動R11に用いられた端末装置の種別「種別♯1」に応じた重み値として「WV114」を算出した例が示される。
【0047】
また、これまで、検索行動R11を示す検索態様それぞれについて重み値が算出される例を示したが、テーブルTBに示されるように、検索行動R11以外の各検索行動についても同様の手法で重み値が算出される。
【0048】
次に、情報処理装置100は、検索態様ごとの重み値に基づいて、当該検索態様によって示される状態で検索行動が行われることが、どれだけ重要であるかを指標する度合い(重要度)を算出する(ステップS12)。具体的には、情報処理装置100は、検索態様によって示される状態で検索行動が行われることが、利用者による潜在的な需要(本当のニーズ)を予測するうえで、どれだけ重要であるかを指標する度合いを算出する。以下では、利用者U1による検索行動のうち、検索行動R11に焦点を当てて重要度算出を説明する。
【0049】
例えば、情報処理装置100は、検索頻度「X1/月」に応じた重み値「WV111」に基づいて、検索頻度「X1/月」のような状態にある利用者U1によって検索行動が行われることがどれだけ重要であるかを指標する重要度を算出する。例えば、検索行動R11について、重要、非重要のいずれでもないノーマルな状態のスコアを「1」とすると、情報処理装置100は、「1」×重み値「WV111」により、係る重要度を算出する。テーブルTBの例では、情報処理装置100が、係る重要度として「IM111」を算出した例が示される。
【0050】
また、例えば、情報処理装置100は、使用頻度「Y1/月」に応じた重み値「WV112」に基づいて、使用頻度「Y1/月」のような検索クエリ「マスク」を用いて利用者U1によって検索行動が行われることがどれだけ重要であるかを指標する重要度を算出する。例えば、検索行動R11について、重要、非重要のいずれでもないノーマルな状態のスコアを「1」とすると、情報処理装置100は、「1」×重み値「WV112」により、係る重要度を算出する。テーブルTBの例では、情報処理装置100が、係る重要度として「IM112」を算出した例が示される。
【0051】
また、例えば、情報処理装置100は、困難性スコア「10」に応じた重み値「WV113」に基づいて、困難性スコア「10」のような場所において利用者U1によって検索行動が行われることがどれだけ重要であるかを指標する重要度を算出する。例えば、検索行動R11について、重要、非重要のいずれでもないノーマルな状態のスコアを「1」とすると、情報処理装置100は、「1」×重み値「WV113」により、係る重要度を算出する。テーブルTBの例では、情報処理装置100が、係る重要度として「IM113」を算出した例が示される。
【0052】
また、例えば、情報処理装置100は、端末装置の種別「種別♯1」に応じた重み値「WV114」に基づいて、「種別♯1」のような端末装置を用いて利用者U1によって検索行動が行われることがどれだけ重要であるかを指標する重要度を算出する。テーブルTBの例では、情報処理装置100が、係る重要度として「IM114」を算出した例が示される。
【0053】
また、これまで、検索行動R11を示す検索態様それぞれについて重要度が算出される例を示したが、テーブルTBに示されるように、検索行動R11以外の各検索行動についても同様の手法で重要度が算出される。
【0054】
次に、情報処理装置100は、検索態様ごとの重要度に基づいて、各検索態様が総合された状態で検索行動が行われることが、どれだけ重要であるかの度合い(トータル重要度)を算出する(ステップS13)。具体的には、情報処理装置100は、各検索態様が総合された状態で検索行動が行われることが、利用者による潜在的な需要(本当のニーズ)を予測するうえで、どれだけ重要であるかの度合いを算出する。より詳細には、情報処理装置100は、検索頻度「X1/月」、使用頻度「Y1/月」、困難性スコア「10」、端末装置の種別「種別♯1」のような状態で検索行動が行われることが、どれだけ重要であるかを指標するトータル重要度を算出する。例えば、情報処理装置100は、ステップS12において、検索行動R11を対象に算出した検索態様ごとの重要度を加算(もしくは乗算)するなどにより、トータル重要度を算出する。
【0055】
テーブルTBの例では、情報処理装置100が、検索行動R11を対象に、トータル重要度として「SC11」を算出した例が示される。また、情報処理装置100は、テーブルTBに示されるように、検索行動R11以外の各検索行動についても同様の手法でトータル重要度を算出する。
【0056】
また、情報処理装置100は、ステップS13で算出したトータル重要度に基づいて、各検索態様が総合された状態で検索行動が行われることの重要性を推定する(ステップS14)。例えば、情報処理装置100は、トータル重要度と、所定の閾値との関係性に基づいて、各検索態様が総合された状態で検索行動が行われることの重要性が「高い」、「中間」、「低い」のいずれであるかを推定する。テーブルTBの例では、情報処理装置100が、検索行動R11に対応するトータル重要度「SC11」に基づいて、各検索態様が総合された状態で検索行動R11が行われることの重要性は「高い」と推定された例が示される。
【0057】
次に、情報処理装置100は、ステップS14で推定した重要性に基づいて、検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する(ステップS15)。例えば、情報処理装置100は、重要性が高いと推定された検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する。以下では、図2を用いて、情報処理装置100が、重要性が高いと推定された検索行動での検索対象に対する利用者の需要レベルを予測する場合と、重要性が高いと推定された検索行動が行われた位置(検索場所)に対応するエリアでの検索対象に対する需要レベルを予測する場合とに分けて説明する。
【0058】
図2は、実施形態に係る需要レベル予測の一例を示す図である。そして、図2(a)には、重要性が高いと推定された検索行動での検索対象に対する利用者の需要レベルを予測する場合の処理が示される。また、図2(b)には、重要性が高いと推定された検索行動が行われた位置(検索場所)に対応するエリアでの検索対象に対する需要レベルを予測する場合の処理が示される。また、ここでいう検索対象とは、検索クエリによって示される対象である。
【0059】
まず、図2(a)について説明する。図2(a)では、情報処理装置100は、重要性が高いと推定された検索行動での検索対象に対する利用者の需要レベルを予測する(ステップS15-1)。例えば、情報処理装置100は、重要性が高いと推定された検索行動での検索対象に対する利用者の需要強度(利用者需要強度)を算出する。そして、情報処理装置100は、利用者需要強度に基づいて、検索対象に対する利用者の需要レベルを予測する。
【0060】
図2(a)によると、図1で説明してきた一例に倣って、重要性「高」と推定された検索行動での検索対象として「マスク」が示されている。また、図2(a)では、重要性「高」と推定された検索行動での検索対象として「点眼薬」が示されている。以下では、ステップS15-1の処理について、検索対象「マスク」の場合を例に挙げて説明する。
【0061】
例えば、情報処理装置100は、重要性が高いと推定された検索行動であって、検索対象が「マスク」の検索行動に基づいて、検索対象「マスク」に対する利用者U1の利用者需要強度を算出する。一例としては、情報処理装置100は、重要性が高いと推定された検索行動であって、検索対象「マスク」の検索行動それぞれについて算出された「トータル重要度」を加算(もしくは乗算)するなどにより、検索対象「マスク」に対する利用者U1の利用者需要強度を算出する。
【0062】
例えば、情報処理装置100は、図2(a)に示されるように、検索対象「マスク」に対する利用者U1の利用者需要強度として「SC111」を算出したとする。係る場合、情報処理装置100は、利用者需要強度「SC111」に基づいて、検索対象「マスク」に対する利用者U1の需要レベルを予測する。例えば、情報処理装置100は、利用者需要強度「SC111」と、所定の閾値との関係性に基づいて、検索対象「マスク」に対する利用者U1の需要レベルが「高い」、「中間」、「低い」のいずれであるかを予測する。図2(a)では、情報処理装置100が、検索対象「マスク」に対する利用者U1の需要レベル「高」を予測した例が示される。
【0063】
また、検索対象に対する利用者の需要レベルが予測された予測結果は、どのようなコンテキストにある利用者にどのような需要があるかを分析する際のサンプルとして利用されることができる。また、係る予測結果は、検索対象に関する広告配信に利用されることができる。
【0064】
次に、図2(b)について説明する。図2(b)では、情報処理装置100は、重要性が高いと推定された検索行動が行われた位置(検索場所)に対応するエリアでの検索対象に対する需要レベルを予測する(ステップS15-2)。例えば、情報処理装置100は、重要性が高いと推定された検索行動が行われた位置に対応するエリア(処理対象のエリア)を特定する。そして、情報処理装置100は、重要性が高いと推定された検索行動での検索対象について、処理対象のエリアでの需要強度(エリア需要強度)を算出する。そして、情報処理装置100は、エリア需要強度に基づいて、処理対象のエリアでの検索対象に対する需要レベルを予測する。
【0065】
例えば、情報処理装置100は、各利用者の検索行動のうち、重要性が高いと推定された検索行動であって、検索対象「マスク」とする検索行動に基づいて、係る検索行動が行われた位置に対応するエリア(処理対象のエリア)を特定する。例えば、情報処理装置100は、検索対象「マスク」とする検索行動がどのような位置で行われている傾向にあるかを分析することで、分析結果に対応するエリアを処理対象のエリアとして特定する。図2(b)では、情報処理装置100が、処理対象のエリアとして、「Aエリア」、「Bエリア」、「Cエリア」、「Dエリア」を特定した例が示される。
【0066】
そして、情報処理装置100は、検索対象「マスク」について、「Aエリア」、「Bエリア」、「Cエリア」、「Dエリア」それぞれでのエリア需要強度を算出する。「Aエリア」を例に挙げると、情報処理装置100は、検索対象「マスク」について、「Aエリア」内の位置で検索行動を行った各利用者に対応する「トータル重要度」を足し合わせるなどにより、「エリアA」での検索対象「マスク」に対するエリア需要強度を算出する。
【0067】
例えば、情報処理装置100は、図2(b)に示されるように、「エリアA」での検索対象「マスク」に対するエリア需要強度として「SCA」を算出したとする。係る場合、情報処理装置100は、エリア需要強度「SCA」に基づいて、「エリアA」での検索対象「マスク」に対する需要レベルを予測する。例えば、情報処理装置100は、エリア需要強度「SCA」と、所定の閾値との関係性に基づいて、「エリアA」での検索対象「マスク」に対する需要レベルが「高い」、「中間」、「低い」のいずれであるかを予測する。図2(b)では、情報処理装置100が、「エリアA」での検索対象「マスク」に対する需要レベル「高」を予測した例が示される。
【0068】
また、検索対象に対するのエリアでの需要レベルが予測された予測結果は、どのような場所でどのような需要があるかを分析する際のサンプルとして利用されることができる。
【0069】
これまで図1および図2で説明してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値を算出し、算出した重み値に基づいて、この検索態様によって示される状態で検索行動が行われることの重要性を推定する
。そして、情報処理装置100は、推定した重要性に基づいて、利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する。このような情報処理装置100によれば、利用者による検索行動の中から、利用者による潜在的な需要(本当のニーズ)を予測するうえでより重要性の高い検索行動を抽出することができるため、利用者による検索行動から需要を予測する際の予測精度を高めることができる。
【0070】
なお、図1の例では、情報処理装置100が、利用者による1回の検索行動ごとに重み値や重要度を算出する例を示した。しかし、情報処理装置100は、例えば、所定期間内の行われた検索行動を1つの検索行動と見做すことで、所定期間ごとの検索行動それぞれについて重み値や重要度を算出してもよい。
【0071】
〔4.情報処理装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0072】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、外部装置30との間で情報の送受信を行う。
【0073】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、利用者情報記憶部121と、クエリ情報記憶部122と、検索履歴記憶部123と、スコア情報記憶部124と、予測結果記憶部125とを有する。
【0074】
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、利用者に関する各種情報を記憶する。ここで、図5に実施形態に係る利用者情報記憶部121の一例を示す。図5の例では、利用者情報記憶部121は、「利用者ID(Identifier)」、「検索頻度」、「属性情報」といった項目を有する。
【0075】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別情報を示す。「検索頻度」は、利用者によって検索行動が行われる頻度である。換言すると、「検索頻度」は、利用者によって検索行動が行われる傾向を示す情報である。「属性情報」は、「利用者ID」が示す利用者の性別、年代、趣味嗜好など、利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性といった各種の属性を示す情報である。「端末種別」は、「利用者ID」が示す利用者による検索行動で用いられた端末装置(情報処理端末)の種別である。「端末種別」の一例としては、折り畳み式携帯端末、スマートフォンなどが挙げられる。
【0076】
すなわち、図5の例では、利用者ID「U1」が示す利用者(利用者U1)の検索頻度は「X1回/月」であり、利用者U1の属性情報は「属性♯1」であり、利用者U1が検索行動で用いた端末装置の種別は「種別♯1」である例を示す。なお、図5の例では、「X1回/月」、「属性♯1」、「種別♯1」といったように概念的な記号が用いられているが、実際には、適切な数値や情報が登録される。また、利用者情報記憶部121に登録される情報は、例えば、取得部131によって外部装置30から取得される。
【0077】
(クエリ情報記憶部122について)
クエリ情報記憶部122は、利用者による検索行動で用いられた検索クエリに関する情報を記憶する。ここで、図6に実施形態に係るクエリ情報記憶部122の一例を示す。図6の例では、クエリ情報記憶部122は、「検索クエリ」、「使用頻度」といった項目を有する。
【0078】
「検索クエリ」は、利用者による検索行動で用いられた検索クエリを示す。「使用頻度」は、対応する「検索クエリ」が、検索の際に使用される頻度である。すなわち、「使用頻度」は、インターネット上(利用者全体)においてどれだけ使用される傾向にあるかといった使用傾向であってもよいし、各利用者による検索行動においてどれだけ使用される傾向にあるかといった個人での使用傾向であってよい。
【0079】
すなわち、図6の例では、利用者による検索行動で用いられた検索クエリの一つである検索クエリ「Q1」の、インターネット上での使用頻度(使用傾向)は「Y1回/月」である例を示す。なお、図6の例では、「Y1回/月」といったように概念的な記号が用いられているが、実際には、適切な数値や情報が登録される。また、クエリ情報記憶部122に登録される情報は、例えば、取得部131によって外部装置30から取得される。
【0080】
(検索履歴記憶部123について)
検索履歴記憶部123は、利用者による検索行動の履歴である検索履歴を記憶する。ここで、図7に実施形態に係る検索履歴記憶部123の一例を示す。図7に示す検索履歴記憶部123では、「利用者ID(identifier)」に対して「検索履歴」が対応付けられており、また、「検索履歴」には、「履歴ID(Identifier)」、「日時情報」、「クエリ情報」、「位置情報」といった項目が含まれる。
【0081】
「利用者ID」は、対応する「履歴ID」で識別される検索行動を行った利用者を識別する識別情報を示す。「履歴ID」は、対応する「日時情報」、「クエリ情報」、「位置情報」の組を1つの検索行動として、この検索行動を識別する識別情報を示す。「日時情報」は、対応する「履歴ID」で識別される検索行動が行われた日時に関する情報である。「クエリ情報」は、対応する「履歴ID」で識別される検索行動での検索対象を示すキーワードである。「位置情報」は、対応する「履歴ID」で識別される検索行動が行われた位置(すなわち、検索場所)に関する情報である。
【0082】
すなわち、図7の例では、利用者ID「U1」で識別される利用者(利用者U1)は、日時「DT11」、位置「LC11」において、検索クエリ「マスク」を用いて検索するという検索行動を行った例を示し、また、このような1回の検索行動が履歴ID「R11」で区別されている例を示す。なお、図7の例では、「DT11」、「LC11」といったように概念的な記号が用いられているが、実際には、適切な数値や情報が登録される。また、検索履歴記憶部123に登録される情報は、例えば、取得部131によって外部装置30から取得される。
【0083】
(スコア情報記憶部124について)
スコア情報記憶部124は、重み値や重要度といった各種スコアを記憶する。ここで、図8に実施形態に係るスコア情報記憶部124の一例を示す。図8に示すスコア情報記憶部124では、「利用者ID(identifier)」および「履歴ID(identifier)」の組に対して、「重み値」、「重要度」が対応付けられている。また、「重み値」には、「検索頻度」、「使用頻度」、「困難性」、「端末種別」といった項目が含まれる。また、「重要度」には、「検索頻度」、「使用頻度」、「困難性」、「端末種別」、「トータル」といった項目が含まれる。
【0084】
「利用者ID」は、検索履歴記憶部123における「利用者ID」に対応する。「履歴ID」は、検索履歴記憶部123における「履歴ID」に対応する。「重み値」に含まれる「検索頻度」は、「利用者ID」が示す利用者によって検索行動が行われる頻度である検索頻度に応じた重み値を示す。「重み値」に含まれる「使用頻度」は、「利用者ID」が示す利用者による検索行動であって、「履歴ID」で識別される検索行動で用いられた検索クエリが、利用者全体として使用される頻度である使用頻度に応じた重み値を示す。
【0085】
「重み値」に含まれる「困難性」は、「利用者ID」が示す利用者によって、「履歴ID」で識別される検索行動が行われた場所である検索場所での検索行動の困難性(困難性スコア)に応じた重み値を示す。「重み値」に含まれる「端末種別」は、「利用者ID」が示す利用者による検索行動であって、「履歴ID」で識別される検索行動で用いられた端末装置の種別に応じた重み値を示す。
【0086】
すなわち、図8の例では、利用者U1の検索頻度「X1回/月」に応じた重み値として「WV111」が算出された例を示す。また、図8の例では、検索行動R11で用いられた検索クエリ「マスク」の全体での使用頻度「Y1/月」に応じた重み値として「WV112」が算出された例を示す。また、図8の例では、検索場所「LC11」で検索行動R11を行うことの困難さを示す困難性スコア「10」に応じた重み値として「WV113」が算出された例を示す。また、図8の例では、検索行動R11に用いられた端末装置の種別「種別♯1」に応じた重み値として「WV114」が算出された例を示す。なお、図8の例では、「WV111」、「WV112」、「WV113」、「WV114」といったように概念的な記号が用いられているが、実際には、適切な数値や情報が登録される。
【0087】
また、「重要度」に含まれる「検索頻度」は、利用者情報記憶部121での「検索頻度」のような状態にある利用者であって、「利用者ID」が示す利用者によって、対応する「履歴ID」で識別される検索行動が行われることがどれだけ重要であるかを指標する値を示す。「重要度」に含まれる「使用頻度」は、クエリ情報記憶部122での「使用頻度」のような検索クエリを用いて、「利用者ID」が示す利用者によって、対応する「履歴ID」で識別される検索行動が行われることがどれだけ重要であるかを指標する値を示す。
【0088】
「重要度」に含まれる「困難性」は、検索履歴記憶部123の「位置情報」が示す検索場所に対応するエリアにおいて、「利用者ID」が示す利用者によって、対応する「履歴ID」で識別される検索行動が行われることがどれだけ重要であるかを指標する値を示す。「重要度」に含まれる「端末種別」は、利用者情報記憶部121での「端末種別」のような端末装置を用いて、「利用者ID」が示す利用者によって、対応する「履歴ID」で識別される検索行動が行われることがどれだけ重要であるかを指標する値を示す。
【0089】
「トータル」は、各検索態様が総合された状態で、対応する「履歴ID」で識別される検索行動が行われることが、どれだけ重要であるかを指標する値を示す。
【0090】
すなわち、図8の例では、検索頻度「X1/月」に応じた重み値「WV111」に基づいて、検索頻度「X1/月」のような状態にある利用者U1によって検索行動R11が行われることが需要予測においてどれだけ重要であるかを指標する重要度として「IM111」が算出された例を示す。また、図8の例では、使用頻度「Y1/月」に応じた重み値「WV112」に基づいて、使用頻度「Y1/月」のような検索クエリ「マスク」を用いて利用者U1によって検索行動が行われることが需要予測においてどれだけ重要であるかを指標する重要度として「IM112」が算出された例を示す。
【0091】
また、図8の例では、困難性スコア「10」に応じた重み値「WV113」に基づいて、困難性スコア「10」のような場所において利用者U1によって検索行動が行われることが需要予測においてどれだけ重要であるかを指標する重要度として「IM113」が算出された例を示す。また、図8の例では、端末装置の種別「種別♯1」に応じた重み値「WV114」に基づいて、「種別♯1」のような端末装置を用いて利用者U1によって検索行動が行われることが需要予測においてどれだけ重要であるかを指標する重要度として「IM114」が算出された例を示す。
【0092】
また、図8の例では、重み値「WV111」、重み値「WV112」、重み値「WV113」、重み値「WV114」を総合したトータル重要度として「SC11」が算出された例を示す。なお、図8の例では、「IM111」、「IM112」、「IM113」、「IM114」といったように概念的な記号が用いられているが、実際には、適切な数値や情報が登録される。
【0093】
(予測結果記憶部125について)
予測結果記憶部125は、検索対象に関する需要レベルが予測された予測結果を記憶する。ここで、図9に実施形態に係る予測結果記憶部125の一例を示す。また、図9に示すように、予測結果記憶部125は、例えば、検索対象に対する利用者の需要レベルが予測された予測結果を記憶する予測結果記憶部125-1と、検索場所に対応するエリアでの検索対象に対する需要レベルが予測された予測結果を記憶する予測結果記憶部125-2とに分けられる。
【0094】
図9の例では、予測結果記憶部125-1は、「利用者ID(identifier)」、「検索対象」、「利用者需要強度」、「需要レベル」といった項目を有する。「利用者ID」は、検索履歴記憶部123における「利用者ID」に対応する。「検索対象」は、「利用者ID」が示す利用者による検索行動のうち、重要性「高」と推定された検索行動において検索対象となった対象物を示す。係る検索対象は、例えば、重要性「高」と推定された検索行動で用いられた検索クエリが示す対象である。
【0095】
「利用者需要強度」は、重要性「高」と推定された検索行動での検索対象に対する、この検索行動を行った利用者の需要強度を示す。「需要レベル」は、「利用者需要強度」に基づき予測された需要レベルであって、検索対象に対する利用者の需要レベルを示す。
【0096】
すなわち、図9の例では、利用者ID「U1」が示す利用者による検索行動のうち、重要性「高」と推定された検索行動での検索対象の一つが「マスク」であり、また、検索対象「マスク」に対する利用者U1の利用者需要強度として「SC111」が算出された例を示す。また、図9の例では、利用者需要強度「SC111」に基づき、検索対象「マスク」に対する利用者U1の需要レベルとして「高」が予測された例を示す。なお、図9の例では、「SC11」といったように概念的な記号が用いられているが、実際には、適切な数値や情報が登録される。
【0097】
また、図9の例では、予測結果記憶部125-2は、「検索対象」、「エリア」、「エリア需要強度」、「需要レベル」といった項目を有する。「検索対象」は、予測結果記憶部125-1での「利用者ID」が示す利用者による検索行動のうち、重要性「高」と推定された検索行動において検索対象となった対象物を示す。「エリア」は、各利用者の検索行動のうち、重要性「高」と推定された検索行動であって、対応する「検索対象」に応じた検索行動が行われた位置(検索場所)に対応するエリア(処理対象のエリア)を示す。
【0098】
「エリア需要強度」は、対応する「エリア」での「検索対象」に対する需要強度を示す。「需要レベル」は、「エリア需要強度」に基づき予測された需要レベルであって、対応する「エリア」での「検索対象」に対する需要レベルを示す。
【0099】
すなわち、図9の例では、エリア「Aエリア」での検索対象「マスク」に対するエリア需要強度として「SCA」が算出され、エリア需要強度「SCA」に基づき、エリア「Aエリア」での検索対象「マスク」に対する需要レベル「高」が予測された例を示す。なお、図9の例では、「SCA」といったように概念的な記号が用いられているが、実際には、適切な数値や情報が登録される。
【0100】
(制御部130について)
図4に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0101】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、算出部132と、推定部133と、予測部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0102】
(取得部131について)
取得部131は、実施形態に係る情報処理に必要な情報を取得する。例えば、取得部131は、利用者の検索頻度に関する情報、利用者の属性情報に関する情報、利用者が用いる端末装置の種別に関する情報を取得し、利用者情報記憶部121に格納する。
【0103】
また、取得部131は、検索クエリの使用頻度に関する情報を取得し、クエリ情報記憶部122に格納する。
【0104】
また、取得部131は、利用者の検索履歴に関する情報を取得し、検索履歴記憶部123に格納する。
【0105】
例えば、取得部131は、上述した情報の一部または全てを外部装置30から取得することができる。また、取得部131は、実施形態に係る情報処理が行われる際に、係る情報処理で必要な情報を記憶部120から取得する。そして、取得部131は、取得した情報を適切な処理部に出力する。
【0106】
(算出部132および推定部133について)
算出部132は、利用者による検索行動を示す検索態様に応じた重み値を算出する。例えば、算出部132は、利用者による検索行動ごとに、当該検索行動を示す検索態様に応じた重み値を算出する。推定部133は、算出部132により算出された重み値に基づいて、この検索態様によって示される状態で検索行動が行われることの重要性を推定する。
【0107】
例えば、算出部132は、利用者によって検索行動が行われる頻度である検索頻度に応じた重み値を算出し、推定部133は、検索頻度に応じた重み値に基づいて、利用者によって係る検索頻度で検索行動が行われることの重要性を推定する。例えば、算出部132は、検索頻度が低い程、高い重み値を算出する。また、算出部132は、利用者の属性に応じて重み値を補正してもよい。
【0108】
また、例えば、算出部132は、利用者による検索行動で用いられた検索クエリが、検索の際に使用される頻度である使用頻度に応じた重み値を算出し、推定部133は、使用頻度に応じた重み値に基づいて、この検索クエリを用いて検索行動が行われることの重要性を推定する。例えば、算出部132は、使用頻度が低い程、高い重み値を算出する。
【0109】
また、例えば、算出部132は、利用者によって検索行動が行われた場所である検索場所での検索行動の困難性に応じた重み値を算出し、推定部133は、困難性に応じた重み値に基づいて、この検索場所で検索行動が行われることの重要性を推定する。例えば、算出部132は、困難性が高い程、高い重み値を算出する。
【0110】
また、例えば、算出部132は、利用者による検索行動で用いられた端末装置の種別に応じた重み値を算出し、推定部133は、端末装置の種別に応じた重み値に基づいて、この種別の端末装置で検索行動が行われることの重要性を推定する。例えば、算出部132は、端末装置が旧型の種別である程、高い重み値を算出する。
【0111】
また、図1の例によると、算出部132は、ステップS11で説明した重み値算出処理を行う。また、図1の例によると、推定部133は、ステップS12~S14で説明した推定処理を行う。
【0112】
(予測部134について)
予測部134は、推定部133により推定された重要性に基づいて、利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する。図2(a)で説明したように、予測部134は、利用者ごとに、需要レベルを予測する。例えば、予測部134は、利用者ごとに、当該利用者による検索行動のうち、重要性が高いと推定された検索行動での検索対象に対する当該利用者の需要レベルを予測する。
【0113】
また、予測部134は、利用者が検索行動を行った場所に対応するエリアでの需要レベルを予測する。図2(b)で説明したように、予測部134は、重要性が高いと推定された検索行動が行われた位置に対応するエリア(処理対象のエリア)を特定し、この検索行動での検索対象について、処理対象のエリアでの需要レベルを予測する。
【0114】
〔5.処理手順〕
次に、図10を用いて、実施形態にかかる情報処理の手順について説明する。図10は、実施形態にかかる情報処理手順を示すフローチャートである。
【0115】
まず、算出部132は、利用者による検索行動ごとに、当該検索行動を示す各検索態様に応じた重み値を算出する(ステップS101)。例えば、算出部132は、利用者の検索頻度、利用者の検索に用いられた検索クエリにおける全体での使用頻度、検索場所において検索行動を行うことの困難性、検索行動に用いられた端末装置の種別、それぞれに応じた重み値を、利用者による検索行動ごとに算出する。
【0116】
次に、推定部133は、検索態様に応じた重み値に基づいて、この検索態様で検索行動が行われることが、需要予測においてどれだけ重要であるかを指標する重要度を算出する(ステップS102)。例えば、推定部133は、1回の検索行動で示される各検索態様について算出された重み値に基づいて、各検索態様が総合された状態でこの1回の検索行動が行われることが、需要予測においてどれだけ重要であるかを指標する重要度(トータル重要度)を算出する。
【0117】
次に、推定部133は、ステップS102で算出した重要度に基づいて、検索態様によって示される状態で検索行動が行われることの重要性を推定する(ステップS103)。例えば、推定部133は、1回の検索行動で示される各検索態様が総合された状態でこの1回の検索行動が行われることが、需要予測においてどれだけ重要であるかその重要性を推定する。
【0118】
そして、予測部134は、ステップS103で推定された重要性に基づいて、利用者による検索行動での検索対象に関する需要レベルを予測する(ステップS104)。例えば、予測部134は、利用者ごとに、当該利用者による検索行動のうち、重要性が高いと推定された検索行動での検索対象に対する当該利用者の需要レベルを予測する。また、例えば、予測部134は、重要性が高いと推定された検索行動が行われた位置に対応するエリア(処理対象のエリア)を特定し、この検索行動での検索対象について、処理対象のエリアでの需要レベルを予測する。
【0119】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図11は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0120】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0121】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0122】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0123】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0124】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0125】
〔7.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0126】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0127】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0128】
1 情報処理システム
30 外部装置
100 情報処理装置
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 クエリ情報記憶部
123 検索履歴記憶部
124 スコア情報記憶部
125 予測結果記憶部
130 制御部
131 取得部
132 算出部
133 推定部
134 予測部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11