(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】高密度レセプタクル
(51)【国際特許分類】
H01R 13/516 20060101AFI20230614BHJP
H01R 13/6587 20110101ALI20230614BHJP
【FI】
H01R13/516
H01R13/6587
(21)【出願番号】P 2020187070
(22)【出願日】2020-11-10
(62)【分割の表示】P 2018560609の分割
【原出願日】2017-05-16
【審査請求日】2020-11-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-20
(32)【優先日】2016-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ハツェルトン アベリー
(72)【発明者】
【氏名】ケント イー レグニール
【合議体】
【審判長】平田 信勝
【審判官】保田 亨介
【審判官】久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-522091(JP,A)
【文献】特表2015-525427(JP,A)
【文献】特表2012-502438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/516
H01R 13/6587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクルであって、
頂壁、2つの側壁、及び後壁を有するケージであって、該ケージがポートを画定している、ケージと、
該ケージ内に位置決めされたウェハセットであって、該ウェハセットが、複数のウェハを含み、前記ウェハセットが、ハウジングによって支持されておらず、前記ウェハセットが、第1の側、及び第2の側を有し、前記ウェハセット内の前記ウェハの各々が、複数の端子を支持する絶縁性フレームを有し、前記ウェハセットから出ている少なくとも1つの端子が折り畳まれる形態を有し、該折り畳まれる形態は前記端子の接点を前記頂壁に面するように方向付け、前記ウェハセット内の前記ウェハのうちの少なくともいくつかが、接地、信号、信号のパターンで配置されている、ウェハセットと、
前記第1の側に位置決めされ、
前記ウェハセットを構成する複数のウェハを締結固定して前記ウェハセットを支持する第1の保持バーと、を備える、レセプタクル。
【請求項2】
前記第2の側に位置決めされた第2の保持バーを更に備え、前記第2の側が、前記第1の側の反対側にある、請求項1に記載のレセプタクル。
【請求項3】
前記第1の保持バーが、前記側壁の一方から他方の側壁まで延在している、請求項1に記載のレセプタクル。
【請求項4】
前記第1の保持バーが、前記ウェハセットを越えて延在している、請求項3に記載のレセプタクル。
【請求項5】
前記ウェハセットによって支持されたカードスロット部材を更に備える、請求項1に記載のレセプタクル。
【請求項6】
前記複数のウェハが、前記頂壁まで延在している、請求項1に記載のレセプタクル。
【請求項7】
前記複数のウェハが、前記絶縁性フレームに、前記頂壁に隣接した切り欠きを有し、それにより、前記頂壁に沿い、かつ前記切り欠きを通る曲がりくねった空気経路を提供する、請求項6に記載のレセプタクル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年5月16日に出願された米国仮特許出願第62/337,064号の優先権を主張するものであり、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、入力/出力(IO)コネクタの分野に関し、より具体的には、高データ速度用途での使用に好適なIOコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
入力/出力(IO、Input/output)コネクタは、高データ速度に対応するように設計されており、いくつかの改善は、25Gbps及び更にそれ以上に到達するデータ速度を提供するのを補助するように開発された。しかしながら、消費者のニーズ及び要求を支援するために、多くの企業は、より高いデータ速度に対応する方法を模索している。結果として、NRZエンコードを使用して50Gbpsに対応し、かつPAM4エンコードを使用して100Gbpsに対応する開発研究が、進行中である。しかしながら、これらの増加は、従来の回路基板が25GHzの信号にすぐには対応することができないため、既存の製造技術について著しい問題を起こすことになる。したがって、新しいアーキテクチャ及び方法が必要とされる。
【0004】
増加されたデータ速度に対応する別の方法は、ポートの数を増加することを試みることであった。ポートの数を増加する1つの方法は、コネクタの寸法を縮小することである。例えば、多くの標準的なコネクタが、0.8mm又は0.75mmのピッチで動作するように設計されていることが共通しており、最近、0.5mmに対応するコネクタ規格が承認された(OCULINKコネクタ)。コネクタ寸法を縮小することがクリーンシート設計に関してはうまく機能し、ラックの前部で超高密度に対応することにおいて効果がある一方で、非常に小さな寸法が十分な熱エネルギーを消すことがより難解となるので、より小さなコネクタは、光コネクタ設計のために使用することがより難解となる。それらはまた、より小さな寸法の導体を使用する傾向があり、それは、2又は3メートル超の長さのケーブルを支持することを困難にする。加えて、あるレベルの後方互換性を有することを望む人々にとって、新しいより小さなコネクタ寸法は、潜在的問題を起こす。結果として、ある特定の個人には、コネクタ技術の更なる改善の真価がわかるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
絶縁性フレームによって支持された端子から形成されたウェハのセットを含むコネクタが、開示される。ウェハのセットは、ハウジングなしでケージ内に位置決めされ得る。カードスロット部材は、端子の接点と整列される。一実施形態では、コネクタは、カードスロットの両側で2列の端子を支持するウェハを含み得、コネクタは、圧入テールを有するように配置され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、一例として例示され、添付図面に限定されるものではなく、図面中、同様の参照番号は、類似の要素を示す。
【0007】
【
図1】コネクタシステムの一実施形態の斜視図を図解する。
【
図2】線1-1に沿って取った、
図1に描写される実施形態の斜視断面図を図解する。
【
図3】
図1に描写される実施形態の別の斜視図を図解する。
【
図4】
図3に描写される実施形態の簡略斜視図を図解する。
【
図5】レセプタクル内への挿入の前のプラグモジュールの実施形態の斜視図を図解する。
【
図6】レセプタクルの一実施形態の斜視図を図解する。
【
図7A】線7-7に沿って取った、
図6に描写される実施形態の斜視断面図を図解する。
【
図7B】
図7Aに描写される実施形態の拡大かつ簡略斜視図を図解する。
【
図7C】
図7Aに描写される一実施形態の拡大斜視図を図解する。
【
図8】ケージが部分的に取り除かれている、
図6に描写される実施形態の斜視図を図解する。
【
図9】ケージの頂壁及び前部が取り除かれている、
図6に描写される実施形態の簡略斜視図を図解する。
【
図10】修正された頂壁を有する
図7に描写される実施形態の斜視断面図である。
【
図11A】コネクタの一実施形態の斜視図を図解する。
【
図14】
図13に描写される実施形態の拡大斜視図を図解する。
【
図15】カードスロットプラグが取り除かれている、
図13に描写される実施形態の斜視図を図解する。
【
図16】ウェハセットを固定する保持バーの一実施形態の斜視図を図解する。
【
図17】コネクタの一実施形態の部分分解斜視図である。
【
図18】接地ウェハによって囲まれた信号ウェハ対の一実施形態の部分分解斜視図を図解する。
【
図19】絶縁性フレームが図解の目的のために取り除かれている、
図18に描写される実施形態の簡略斜視図を図解する。
【
図20】信号ウェハ対の一実施形態の斜視図を図解する。
【
図21】絶縁性フレームが取り除かれている、実施形態の斜視図を図解する。
【
図22】下部ポート内に接点列を設ける端子の一実施形態の斜視図を図解する。
【
図23】
図22に描写される実施形態の別の斜視図を図解する。
【
図24】
図22に描写される実施形態の立面側面図を図解する。
【
図26】インサートを有するコネクタの一実施形態の概略描写を図解する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の「発明を実施するための形態」は、例示的な実施形態を説明するものであり、明示的に開示された組み合わせ(複数可)に限定することを意図しない。したがって、別途記載のない限り、本明細書で開示される特徴は、一緒に組み合わせて、簡潔さのために別途示されることがなかった、追加の組み合わせを形成することができる。
【0009】
図1~
図5から理解され得るように、レセプタクル100は、回路基板上に実装されて、プラグモジュール20を受け取るように構成されている直角構造を提供する。描写されたレセプタクル100設計は、冷却スロット115を含むプラグモジュールで使用するのに有益である。モジュール内での冷却スロット115の使用が必要とされない一方で、冷却スロット115は、追加の冷却を提供し得、本明細書に開示される他の特性と共に使用されるとき、8ワット以上の電力を使用することをより容易にし得る。
【0010】
レセプタクル100は、ケージ120を含み、所望される場合、光パイプ105を支持し得る。ケージは、頂壁122、第1の側壁123、第2の側壁124、後壁124、及び前端126を含む。レセプタクル100は、上部ポート121a及び下部ポート121bを画定する。第1の側壁123及び第2の側壁124は、通気孔135を含み得る。
【0011】
理解され得るように、描写された設計は、挿入されたプラグモジュール20を冷却することを容易にすることが意図される。したがって、この設計は、本明細書に議論されるいくつかの方法で気流を改善するように調整されている。ある特定の実施形態では、レセプタクル100は、前部グリル130及び後部孔セット132と連通している内部ライディングヒートシンク134を含み得る。頂壁122は、冷却孔122aを含み得、外部ライディングヒートシンク133は、その中に位置決めされ得る。ライディングヒートシンクは、典型的には、設計されるポート内に延在し、かつ挿入されたプラグモジュールに係合するように設計され、プラグモジュールから離れるように熱を導くための伝導経路を提供するのを補助する。ある特定の状況では、追加の冷却を有する(例えば、アクティブモジュールを使用するという意図がない用途で)ことが望ましくない場合があり、かつそのような状況では、任意選択的な熱特性の多くが省略され得ることに留意されたい。これにより、所望されない場合、描写された内部ライディングヒートシンク及び様々な通気特性は省略され得る。
【0012】
既存のレセプタクルの1つの共通の設計は、ケージの内部に位置決めされたハウジングの使用であり、ハウジングは、コネクタを画定するのを補助する。ケージは、嵌合プラグモジュールを支持するのを補助し、コネクタを支持するのを補助し得、またEMI保護も提供し得る。ケージ内に位置決めされたコネクタは、嵌合プラグモジュールが回路基板に(又は、バイパス設計が所望される場合、ケーブルに)電気的に接続されることを可能にするテール及び接点を含む端子を支持する。したがって、典型的に、組み立てを容易にするために回路基板上に圧入されたレセプタクルは、ケージ上の端子と整列したコネクタの端子を有する必要がある。理解され得るように、ケージは、金属から形成され得、互いに関して所望の寸法制御を有するテールの適切に反復可能な配置を有することが期待される。コネクタのテールはまた、それらが互いに整列するように、注意深く製造され得る。しかしながら、寸法積層の複数の点があるので、コネクタのテールをケージのテールと整列することはいくぶんより困難である。この寸法の問題は、典型的な圧入設計において、ハウジングが、端子を支持するウェハを支持するという事実によってより困難になる。これにより、端子は、ウェハ内で互いに関して寸法制御されるが、ハウジング及び他のウェハに関して寸法の次元積層を有する一方で、ハウジングは、ケージとの寸法積層を有する。従来の設計は、データ点とケージ及びコネクタの両方のテールとの間の許容差を制御するために、ケージ内へのハウジングの挿入を注意深く制御する停止の働きをするデータを有することを試みた。
【0013】
そのような制御が可能な一方で、特にテールの寸法が低減されるので、より難解かつ困難であることがわかる。出願人は、ケージに関してハウジングの位置を制限及び制御する停止を有する代わりに、ケージ120及びコネクタ129の嵌合が制御された様式で行われ得、かつ寸法制御が保証され得るように、小さな範囲にわたって無限の調整を可能にする様式で、ケージ120及びコネクタ129が一緒に嵌合されるシステムを有することがより望ましいことを判定した。描写されるように、ケージ120は、各々がそれぞれのカードスロットプラグ150、160に挿入される舌部142を有する底壁140、141を含む。より具体的には、ケージ120からの舌部142は、それぞれ、カードスロットプラグ150、160の嵌合部分152、162における舌部スロット153、163内に挿入される。理解され得るように、カードスロットプラグ150、160は、ウェハセット220に係合して、その間にいくらかの追加の寸法積層を設けるであろう。一実施形態では、挿入は、ウェハセット220とケージ120との間の整列に基づいて行われ得、したがって、さもなければ存在するであろう寸法積層のいくらかを除き得る。一実施形態では、ケージ及びコネクタ129が適切に接合されて、互いに対して適切な位置に留まるように、舌部142は、舌部スロット153、163との締り嵌めを有する。そのような製造プロセスは、ケージ120及びウェハセット220の位置が互いに対してより良く制御されることを可能にし、レセプタクル100の歩留まりを改善する一方で、レセプタクル100が回路基板上に適切に実装され得ることを確実にする。
【0014】
図から理解され得るように、描写されたコネクタ129は、ハウジングを省略する。出願人は、驚くべきことに、ウェハが、好ましくは少なくとも両側に、しっかりと締結される限り、ハウジングの使用が、ウェハセット220を支持するのに不必要であることを発見した。描写された実施形態では、保持バー171は、対向する両側に位置決めされ、それらの両側の一方は、2つの保持バー171を有する。保持バー171は、保持バー171上にヒートステーキングされ得るウェハ突起229を介してウェハ221に接続される。描写されたコネクタ129は、2つの保持バー171が一方の側に位置決めされ、かつ1つの保持バー171が、ウェハセットの第2の側に位置決めされた三角形配置が提供される一実施形態を図解する。少なくとも2つの保持バー171(各々がコネクタの異なる側に位置決めされている)を有することが望ましい一方で、保持バー171の三角形配置が、それがウェハセット220を構成するウェハ221に対する改善された制御及び支持を提供するので、有益であることが判定された。ハウジングを除去することが、ある特定の予期しない利点を提供することが判定された。1つの問題は、どのハウジングも完全な正方形及び直線ではなく、これにより、ハウジングにおける許容差は、ウェハにおける許容差を増して、これにより、テールの位置の許容差を増加することである。ハウジングを除去することによって、出願者は、ケージに関してウェハセットのテールの位置をより良く制御し得る。ハウジングの除去はまた、レセプタクルの寸法が減少されることを可能にし、したがって、増加した密度を可能にし得る。
【0015】
各ウェハ221は、絶縁性フレーム221aを含む。描写された絶縁性フレーム221aは、頂部突出部224を含み、端子セット252、262、272を支持する(接地ウェハ及び2つの信号ウェハを含む3つのウェハシステムが存在する実施形態において期待されるように)。ハウジングなしでコネクタを提供するという特徴は、幅広い適用可能性を有するため、描写される端子の構成は、描写されたレセプタクルに関しては有益ではあるが、制限的であることを意図しないことに留意されたい。したがって、ハウジングの除去を提供する設計要素は、広範囲にわたるウェハ構成で使用され得る。
【0016】
端子セット252は、各々が接点253a、テール253b、及びそれらの間に延在する本体253cを含む端子253を含む。同様に、端子セット262は、接点263a、テール263b、及びそれらの間に延在する本体263cを含む端子263を含む。描写されたテール253b、263bは、回路基板内に圧入することを意図されるので、力がテールに容易に加えられて、回路基板上のバイア内にそれらを押し付け得るレセプタクルを提供するのに役に立つ。描写されるように、絶縁性フレーム121aは、ケージ120の頂壁122まで延在する頂部突出部を含む。描写された設計の結果として、ケージ120の上に及ぼされる力は、テール253b、263bに絶縁性フレーム121aを介して伝達され、したがって、信頼できる圧入動作が可能である。
【0017】
ウェハが、いくつかの場所で頂壁に係合するものの、隙間も残すように、描写された頂部突出部124は、多くの切り欠き124aを有する。切り欠き124aは、空気が望ましい様式でケージの頂壁122に沿って流れることを可能にするパターンで配置され得る。理解され得るように、切り欠き124aの数及び寸法、並びに位置は、所望の気流を提供するために適切であるように、変動し得る。
【0018】
切り欠き124aは、空気が流れる曲がりくねった経路を提供する一方で、空気がウェハと頂壁との間に流れるための直線経路を提供せず、これにより、レセプタクルを介して気流の圧力降下を増加し得ることに留意されたい。描写された経路が、ジグザグ又は波状経路と考えられ得る一方で、他の経路はまた、頂壁の構成に応じて設けられ得る。代替の実施形態では、突出部124は、短くされ得、インサート129a(
図26における概略表現に示される)は、ウェハセット220と頂壁122との間に位置決めされ得る。インサート129aは、頂壁122からウェハ221まで力を伝達し得る一方で、頂壁122とウェハセット220との間のより最適化された気流経路は提供する(これにより、空気抵抗を減少させる)。別の代替の実施形態では、インサート129aは、取り外し可能であり、取り外される前に回路基板10上にコネクタを実装するためだけに使用されてもよい。そのような設計では、ケージ120(又は少なくともそのほとんど)及びコネクタ129の両方が回路基板内に押し付けられた後、ケージ120の裏壁125は取り付けられ得、開口は、低減された空気抵抗を提供し得る。したがって、いくつかの変形形態が、気流の必要性とコストを管理する要求とに応じて可能となる。
【0019】
描写された設計は、プラグモジュール挿入方向に離間されている前側接点列245及び後側接点列246を有するウェハ221を提供し、接点列は、嵌合コネクタ上で2列のパッドに係合するように構成されている。必要とされないが、そのような設計の利点は、密度の大幅な増加である。そのような密度が所望されない場合、ウェハには、より少ない数の端子を支持させることができる。描写されたウェハが、繰り返され得る接地、信号、信号のパターンを提供するパターンで配置されることに留意されたい。他のパターンも、所望される場合、可能である。所望される場合、接地ウェハは、一緒に共有化される端子を含み得、一実施形態では、接地ウェハは、ケージに電気接地を提供するために頂壁に係合する接点を有し得る。
【0020】
コネクタ129がハウジングを必要としないので(ある特定の実施形態で所望される場合、ハウジングを使用することができるが)、描写されたコネクタ129は、ウェハセット220でカードスロットプラグを支持する。描写されるように、カードスロットプラグ150、160の各々は、ウェハセット220において少なくともウェハのいくつかの上で保持特徴部上にラッチして、望ましい位置及び安定制御を提供する肩部156a、156bと類似している肩部を有する。一実施形態では、接地ウェハだけが、保持特徴部を含み得る。描写されるように、肩部156a、156bは、突出部226に係合する溝154を有し得るが、他の保持構成もまた好適であろう。カードスロットプラグ150、160は、ケージ120によって画定されたポート121a、121b内に位置決めされ、カードスロット151の両側に位置決めされた接点を有するカードスロット151を提供する。最も脆弱な接点が、嵌合プラグコネクタとの初期嵌合の間、保護されるように、カードスロット151は、好ましくは、前側接点列245のための端子溝155を含む。カードスロットプラグ150、160の前部は、嵌合パドルカードを整列及び制御するのを補助するので、後側接点列246は、端子スロットを有益に省略し得る。所望される場合、カードスロットプラグ160は、回路基板に挿入されることを意図されるペグ166を含み得るが、そのような特性は任意選択的であり、2XN構成において2つの垂直に配置されたポートを含む設計に役に立つほどは期待されていない。
【0021】
一実施形態では、保持バー171は、ケージ120に係合するように構成され得る。保持バー171がケージ220の側壁に沿って摺動するように、保持バー171は、ウェハセット220よりも広くされ得る。そのような構造(ウェハセット220へのケージ120の適切な整列を確実にするのを補助する)が所望される場合、保持バー171は、空気がより容易にレセプタクルの中を流れることを可能にする通気孔172を含み得る。
【0022】
全二重列設計のために、接点が全て打ち抜き形成されることが望ましいと判定された(これが機械的及び信号完全性の利点を提供すると判定された)。これにより、描写された実施形態は、カードスロット151の両側151a、151b上に打ち抜かれ、形成された2列の接点を特徴とする。
【0023】
前側接点列245を支持するために、ウェハ221は、後側接点列246を越えて延在するアーム228を含む。アーム228は、インピーダンスが、ウェハの本体を介してより一貫して管理されることを確実とするのを補助する。好適な柔軟性を提供するために、アーム228は、アーム228がわずかに屈曲することを可能にするノッチ228aを含み得る。
【0024】
上記したように、端子の各々は、接点、テール、及びそれらの間で延在する本体を含む。描写された構成は、接地ウェハ271と、第1の信号ウェハ251及び第2の信号ウェハ261を含む信号ウェハセット250とを含む。信号ウェハセット250は、これにより、第1の差動対254a、第2の差動対254b、第3の差動対254c、及び第4の差動対254dを上部ポートに提供する。信号ウェハセット250はまた、第5の差動対255a、第6の差動対255b、第7の差動対255c、及び第8の差動対255dを下部ポートに提供する。描写された端子構成から、上部及び下部ポートの両方について、2つの裏側差動対を形成する端子が、前部接点を形成する2つの差動対のテールの間に位置決めされるテールを有することが理解され得る。例えば、差動テールセット257b及び257cは、それぞれ、接点対258b及び258cと関連付けられ、接点対258b、258cは、後側接点列にある。差動テールセット257a及び257dは、差動テールセット257b、257cの両側にあり、前側接点列にある接点対258a、258dと関連付けられる。この構成は、それが3列の端子が同程度の長さを有することを可能にする一方で、1つの大幅により長い端子を有するので有益であると判定された。これにより、描写された実施形態は、より一貫した端子長さを提供するのを補助する。
【0025】
理解され得るように、上部列の接点が下部列の接点に対向する。一実施形態では、上部列の接点が第1の方向に折り畳まれる形態256bを有し得ることを形成する端子の接点、及び下部列の接点を形成する端子は、第1の方向にも折り畳まれる形態256aを有し得る。例えば、プラグモジュール挿入方向に接点を直線状に見るとき、接点の全てのセットは、一方の側に折り畳まれる形態を有し得る(例えば、それらは全て、左に又は右に折り畳まれ得る)。そのような構造が有益である一方で、ある特定の用途のために、上部列の接点を下部列の接点からオフセットしておくことが望ましいことがわかる。この機能性を提供するために、接点は、ビーム部302a、302bからパッド接触部301a、301bまで漸減し得、パッド接触部301a、301bは、ビーム部302a、302bの幅の半分未満である。所望される場合、上部列のパッド接触部は、オフセット整列を提供するように、下部列上のパッド接触部としてビーム部の反対側にあり得る。そのような整列が必要でないならば、接点は、対称的に、又は何らかの他の所望の構成で構成され得る。
【0026】
ピッチは、意図されたインターフェースに応じて変動し得る。描写されるように、端子は、0.8mmであり得るxピッチ上にあり、上部端子及び下部端子は、0.4mmであり得るyオフセットを有し得る。コネクタが上部及び下部に二重列の接点を提供し、かつ前部接点が既存の設計と互換性を有することを意図される場合、接点のピッチを既存の設計と一致させることが有益である。クリーンシート設計が好ましい場合、ピッチが0.8mm未満になるにつれて信号完全性性能がより難解となり得ること、並びに0.65未満のピッチが、典型的には、付勢したパドルカード及び/又は接点インターフェース(OCULINKコネクタにおいて使用されるものなど)などの追加機能を必要とすることに留意して、ピッチは、所望されるとおりに変動され得る。
【0027】
本明細書で提供される開示は、その好ましい例示的な実施形態の観点で特徴を説明している。添付の請求項の範囲及び趣旨の範囲内で、数多くの他の実施形態、修正、及び変形が、本開示の検討から当業者に想起されるであろう。