(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】基板検査装置及び基板検査方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20230614BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
H01L21/68 K
H01L21/66 J
(21)【出願番号】P 2020534576
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 KR2018016696
(87)【国際公開番号】W WO2019132528
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】10-2017-0181351
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0169241
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】510149600
【氏名又は名称】ジュソン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン グヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンロク
(72)【発明者】
【氏名】オ セヨン
(72)【発明者】
【氏名】ファン チョルジュ
(72)【発明者】
【氏名】チョン ジンアン
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-103710(JP,A)
【文献】特開2001-196302(JP,A)
【文献】特開2003-254741(JP,A)
【文献】特開2009-188175(JP,A)
【文献】特開平4-733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0200841(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を載置するための基板載置部と、
前記基板に対して相対的に移動して、前記基板をモニタリングするための測定部と、
第1の基板と第2の基板を含む複数枚の基板に対し
て一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるように前記測定部の移動経路を制御する制御部と、
前記第1の基板を基準として設定された誤差範囲内に前記第1の基板のモニタリング情報が属するか否かと、前記第2の基板を基準として設定された誤差範囲内に前記第2の基板のモニタリング情報が属するか否かと、を判断して、前記複数枚の基板の異常有無を判断する分析部と、
を備え
、
前記分析部は、
前記第1の基板のモニタリング領域と前記第2の基板のモニタリング領域とが重なり合う領域のモニタリング情報間の偏差を用いて、前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの少なくともどちらか一方に対して設定された誤差範囲を修正する基板検査装置。
【請求項2】
前記複数枚の基板は、同一の所定の処理が施された基板のうちから選択される請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記基板載置部の上側に設けられる支持部をさらに備え、
前記測定部は、前記支持部の下部に一方向に移動可能なように設けられる請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記基板載置部及び支持部のうちの少なくとも一方は、前記基板の中心軸を中心として回転可能なように設けられる請求項3に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記測定部が線形の移動経路を有するように制御する請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記測定部が前記基板の中心部を経由する移動経路を有するように制御する請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記測定部が前記基板の中心部において折り曲げられる移動経路を有するように制御する請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記測定部の移動経路が前記基板の直径以下の長さを有するように制御する請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項9】
前記測定部は、移動経路上において前記基板を間欠的にモニタリングする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項10】
前記基板載置部は、
所定の処理が施される工程チャンバから送り返された前記複数枚の基板を貯えるロードロックチャンバに設けられるか、あるいは、前記ロードロックチャンバに接続されて前記複数枚の基板が払い出されるフロントエンドモジュール(EFEM)内に設けられる請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項11】
複数枚の基板のうち第1の基板及び第2の基板を選択するステップと、
前記第1の基板の一部の領域をモニタリングするステップと、
前記第1の基板のモニタリング領域とは位置が異なる前記第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップと、
前記第1の基板を基準として設定された誤差範囲内に前記第1の基板のモニタリング情報が属するか否かと、前記第2の基板を基準として設定された誤差範囲内に前記第2の基板のモニタリング情報が属するか否かと、を判断して、前記複数枚の基板の異常有無を判断するステップと、
を含
み、
前記異常有無を判断するステップにおいては、
前記第1の基板のモニタリング領域と第2の基板のモニタリング領域とが重なり合う領域のモニタリング情報間の偏差を用いて、前記第1の基板及び前記第2の基板のうちの少なくともどちらか一方に対して設定された誤差範囲を修正する基板検査方法。
【請求項12】
前記第1の基板及び第2の基板を選択するステップにおいては、
ある一つのロットに含まれる複数枚の基板のうちから前記第1の基板及び第2の基板を選択する請求項11に記載の基板検査方法。
【請求項13】
前記第1の基板及び第2の基板を選択するステップにおいては、
同一のチャンバ内において所定の処理が施される複数枚の基板のうちから前記第1の基板及び第2の基板を選択する請求項11に記載の基板検査方法。
【請求項14】
前記第1の基板の一部の領域をモニタリングするステップは、
前記第1の基板をモニタリングするための測定部を、前記第1の基板に対して前記第1の基板の中心部を経由する第1の方向に相対的に移動させて行われる請求項11に記載の基板検査方法。
【請求項15】
前記第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップは、
前記第2の基板をモニタリングするための測定部を、前記第2の基板に対して前記第2の基板の中心部を経由し、前記第1の方向とは異なる第2の方向に相対的に移動させて行われる請求項
14に記載の基板検査方法。
【請求項16】
前記第1の基板の一部の領域をモニタリングするステップは、
前記第1の基板をモニタリングするための測定部が移動中に前記第1の基板を間欠的にモニタリングして行われ、
前記第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップは、
前記第2の基板をモニタリングするための測定部が移動中に前記第2の基板を間欠的にモニタリングして行われる請求項
14に記載の基板検査方法。
【請求項17】
前記異常有無を判断するステップにおいては、
前記第1の基板のモニタリング情報及び前記第2の基板のモニタリング情報が両方とも誤差範囲内に属する場合に処理状態を良好と判定する請求項11に記載の基板検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板検査装置及び基板検査方法に係り、さらに詳しくは、基板をモニタリングして処理状態を判断し、異常有無を検査するための基板検査装置及び基板検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子は、ウェハなどの基板の上に様々な形状のパターン層を形成して製造し、このようなパターン層の形成のためには、一般に、基板の上に化学気相蒸着法(chemical vapor deposition: CVD)または物理的気相蒸着法(physical vapor deposition: PVD)を用いて所定のパターン層を積層する工程を行う。
【0003】
また、前記パターン層を積層する工程後にも、前記積層したパターン層を所望の形状にパターニングするために、フォトレジストをマスクとして用いて前記パターン層をエッチング(etching)する工程及び前記フォトレジストを剥がす(strip)工程を行う。
【0004】
一方、デザインルール(design rule)が縮小することに伴い、半導体製造プロセスは、前記プロセスの性能能力上の制限にさらに近く行われている可能性がある。また、さらに小さなデザインルールの一部の場合において、故障を引き起こすプロセスが組織的になる傾向にある。すなわち、障害を引き起こすプロセスでは、前記デザイン内においてしばしば多数回繰り返される予め決定されたデザインパターンにおいて障害が生じる傾向にある。空間的に組織的な、電気的に関連する欠陥の検出及び除去が重要であるが、それは、これらの欠陥を除去することが歩留まり率にかなり包括的な影響を及ぼすためである。
【0005】
したがって、急速度に発展する半導体素子の製造技術、高集積化及び半導体素子への需要の増加などに伴う技術の発展に応えるべく、基板の処理状態を判断する基板検査の高速化が至急望まれるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】大韓民国公開特許第10-2017-0068419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、基板をモニタリングして処理状態及びこれに伴う異常有無を高速にて検査することのできる基板検査装置及び基板検査方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る基板検査装置は、基板を載置するための基板載置部と、前記基板に対して相対的に移動して、前記基板をモニタリングするための測定部と、複数枚の基板に対して少なくとも一部の領域が互いに異なる位置でモニタリングされるように前記測定部の移動経路を制御する制御部と、前記複数枚の基板のモニタリング情報から異常有無を判断する分析部と、を備える。
【0009】
前記複数枚の基板は、同一の所定の処理が施された基板のうちから選択されてもよい。
【0010】
前記基板検査装置は、前記基板載置部の上側に設けられる支持部をさらに備え、前記測定部は、前記支持部の下部に一方向に移動可能なように設けられてもよい。
【0011】
前記基板載置部及び支持部のうちの少なくとも一方は、前記基板の中心軸を中心として回転可能なように設けられてもよい。
【0012】
前記制御部は、前記測定部が線形の移動経路を有するように制御してもよい。
【0013】
前記制御部は、前記測定部が前記基板の中心部を経由する移動経路を有するように制御してもよい。
【0014】
前記制御部は、前記測定部が前記基板の中心部において折り曲げられる移動経路を有するように制御してもよい。
【0015】
前記制御部は、前記測定部の移動経路が前記基板の直径以下の長さを有するように制御してもよい。
【0016】
前記基板載置部は、所定の処理が施される工程チャンバから送り返された前記複数枚の基板を貯えるロードロックチャンバに設けられるか、あるいは、前記ロードロックチャンバに接続されて前記複数枚の基板が払い出されるフロントエンドモジュール(EFEM)内に設けられてもよい。
【0017】
また、本発明の実施形態に係る基板検査方法は、複数枚の基板のうち第1の基板及び第2の基板を選択するステップと、前記第1の基板の一部の領域をモニタリングするステップと、前記第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップと、前記第1の基板及び第2の基板のモニタリング情報から異常有無を判断するステップと、を含んでいてもよい。
【0018】
前記第1の基板及び第2の基板を選択するステップにおいては、ある一つのロットに含まれる複数枚の基板のうちから前記第1の基板及び第2の基板を選択してもよい。
【0019】
前記第1の基板及び第2の基板を選択するステップにおいては、同一のチャンバ内において所定の処理が施される複数枚の基板のうちから前記第1の基板及び第2の基板を選択してもよい。
【0020】
前記第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップにおいては、前記第2の基板のモニタリング領域は、前記第1の基板のモニタリング領域とは少なくとも一部の領域が異なっていてもよい。
【0021】
前記第1の基板の一部の領域をモニタリングするステップは、前記第1の基板をモニタリングするための測定部を、前記第1の基板に対して前記第1の基板の中心部を経由する第1の方向に相対的に移動させて行われてもよい。
【0022】
前記第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップは、前記第2の基板をモニタリングするための測定部を、前記第2の基板に対して前記第2の基板の中心部を経由し、前記第1の方向とは異なる第2の方向に相対的に移動させて行われてもよい。
【0023】
前記異常有無を判断するステップにおいては、前記第1の基板のモニタリング情報及び前記第2の基板のモニタリング情報が両方とも誤差範囲内に属する場合に処理状態を良好と判定してもよい。
【0024】
前記異常有無を判断するステップにおいては、前記第1の基板のモニタリング領域と前記第2の基板のモニタリング領域とが一部重なり合う場合、前記重なり合う領域のモニタリング情報間の偏差を用いて前記誤差範囲を修正してもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施形態に係る基板検査装置及び基板検査方法によれば、複数枚の基板に対して少なくとも一部の領域を互いに異なる位置においてモニタリングすることにより、基板の処理状態を早い時間内に判断して検査にかかる時間を短縮することができる。
【0026】
このため、基板の処理状態に対する即座的なフィードバックを与えることができ、装備の異常に伴う使用中止、改善及びメンテナンスなどの事前措置を行うことにより、基板の製造に際しての不良率を最小化させ、装備の稼働率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る基板検査装置を概略的に示す図。
【
図2】本発明の各実施形態に従って基板がモニタリングされる様子を示す図。
【
図3】本発明の各実施形態に従って基板がモニタリングされる様子を示す図。
【
図4】本発明の各実施形態に従って基板がモニタリングされる様子を示す図。
【
図5】本発明の各実施形態に従って基板がモニタリングされる様子を示す図。
【
図6】本発明の実施形態に係る異常有無を判断する様子を説明するための図。
【
図7】本発明の実施形態に係る基板検査装置が設置される様子を示す図。
【
図8】本発明の実施形態に係る基板検査方法を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係る基板検査装置を概略的に示す図であり、
図2から
図5は、本発明の各実施形態に従って基板がモニタリングされる様子を示す図である。また、
図6は、本発明の実施形態に係る異常有無を判断する様子を説明するための図である。
【0030】
図1から
図6を参照すると、本発明の実施形態に係る基板検査装置10は、基板Sを載置するための基板載置部100と、前記基板Sに対して相対的に移動して、前記基板をモニタリングするための測定部200と、複数枚の基板に対して少なくとも一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるように前記測定部200の移動経路を制御する制御部300と、前記複数枚の基板のモニタリング情報から異常有無を判断する分析部400と、を備える。
【0031】
基板載置部100は、モニタリングの対象となる基板Sを載置する。ここで、本発明の実施形態に係る基板検査装置10は、積層工程などの所定の処理が施された基板Sをモニタリングし、処理状態を判断して異常有無を検査する。このような基板Sは、実際の使用のために製造される基板ではなく、モニタリングのみのためのダミー(dummy)基板を含んでいてもよく、ダミー基板には、パターンが形成されていない薄膜が蒸着されていてもよい。このようなダミー基板は、モニタリングが行われた後に今後のモニタリング過程において再使用可能であるということはいうまでもない。
【0032】
また、本発明の実施形態に係る基板検査装置10は、エッチング工程、ストリップ工程などの処理が施された基板Sをモニタリングしてもよく、このとき、基板載置部100には、上述したような工程によってパターンが形成された基板Sが載置されてもよい。
【0033】
基板載置部100は、上述したような所定の処理が施される工程チャンバから送り返された複数枚の基板を貯えるロードロックチャンバ、またはロードロックチャンバに貯えられた基板を払い出すためにロードロックチャンバに接続されるフロントエンドモジュール(EFEM:Equipment Front End Module)に配設されてもよい。ここで、基板載置部100がロードロックチャンバに配設される場合、基板載置部100は、ロードロックチャンバに設けられる複数本のスロットのうちの少なくとも1本のスロットを備えていてもよい。また、基板載置部100がフロントエンドモジュールに配設される場合、基板載置部100は、フロントエンドモジュール内の一部の空間に配設されてもよい。基板載置部100がロードロックチャンバまたはフロントエンドモジュールに配設される場合の実施形態については、
図7と結び付けて後述する。
【0034】
測定部200は、基板載置部100の上に設けられて、基板Sをモニタリングする。ここで、測定部200は、基板Sに対して相対的に移動する。すなわち、測定部200が移動自在に設けられ、基板載置部100の位置が固定されて測定部200が基板Sに対して相対的に移動することができることはもとより、測定部200の位置が固定され、基板載置部100が移動自在に設けられて測定部200が基板Sに対して相対的に移動することもできる。以下では、測定部200が移動自在に設けられる場合を例にとって説明するが、基板載置部100を移動させて測定部200が基板Sに対して相対的に移動する場合にも本発明の実施形態が同様に適用可能であるということはいうまでもない。
【0035】
ここで、測定部200は、基板Sの厚さ及び反射率、並びにパーティクル(particle)の有無及び分布範囲などをモニタリングする。このために、測定部200は、基板Sとの距離、基板Sの画像、スペクトル、抵抗値を測定するための様々なユニットから構成されてもよく、基板Sの厚さ及び反射率並びにパーティクルの有無及び分布範囲などを測定するためのユニットは種々に公知となっているため、これについての詳しい説明は省略する。
【0036】
測定部200は、支持部500の下部に一方向に移動可能なように設けられてもよい。すなわち、本発明の実施形態に係る基板検査装置10は、基板載置部100の上側、すなわち、基板載置部100から上方へと一定の間隔だけ離れた位置に設けられる支持部500をさらに備え、前記測定部200が支持部500の下部、例えば、下面に一方向に移動可能なように設けられてもよい。支持部500の下部において一方向に移動する測定部200により様々な移動経路が形成される構成と関しては、
図2から
図5に基づいて後述する。
【0037】
制御部300は、積層工程、エッチング工程、ストリップ工程など所定の処理が施された複数枚の基板に対して少なくとも一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるように測定部200の移動経路を制御する。
【0038】
ここで、本発明の実施形態に係る基板検査装置10は、同一の所定の処理が施された基板のうちから選択された複数枚の基板をそれぞれモニタリングするため、複数枚の基板のうち第1の基板に対して取得されたモニタリング情報は、複数枚の基板のうち第2の基板に対してもそのまま適用可能であり、逆に、複数枚の基板のうち第2の基板に対して取得されたモニタリング情報は、複数枚の基板のうち第1の基板に対してもそのまま適用可能であることを利用する。ここで、同一の所定の処理が施された基板のうちから選択された複数枚の基板は、所定の処理が施された基板の全部であってもよく、所定の処理が施された基板のうちの一部の基板であってもよい。
【0039】
したがって、制御部300は、これらの複数枚の基板に対して少なくとも一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるように測定部200の移動経路を制御する。ここで、制御部300は、複数枚の基板の周縁部にそれぞれ形成される切り欠きN(notch)を基準として少なくとも一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるように測定部200の移動経路を制御してもよい。ここで、切り欠きNは、基板の上面と下面とを区分し、基板が回転したかどうか、その回転角度及び回転方向などを把握する上で一般的に用いられるものであり、複数枚の基板において互いに異なる位置とは、
図6に示すように、複数枚の基板に対して各切り欠きNを同様に位置させて重なり合わせる場合における互いに異なる位置を意味する。
【0040】
また、制御部300は、複数枚の基板に対して互いに異なる別個の位置においてモニタリングされるように測定部200の移動経路を制御してもよいが、一部の領域は重なり合う位置においてモニタリングされ、残りの領域は互いに異なる位置においてモニタリングされるように測定部200の移動経路を制御してもよい。このように、複数枚の基板に対してモニタリングされる領域が一部重なり合う場合、重なり合う領域のモニタリング情報を用いて各基板の処理状態を比較することが可能になり、後述するように、重なり合う領域のモニタリング情報間の偏差を用いて異常有無を判断するための誤差範囲などを修正することが可能になる。
【0041】
以下、
図2から
図5に基づいて、制御部300が測定部200の移動経路を制御して複数枚の基板に対してそれぞれモニタリングする各実施形態について詳しく説明する。
図2から
図5において、点線にて示す矢印は、測定部200の移動経路を意味する。
【0042】
図2に示すように、制御部300は、複数枚の基板に含まれる第1の基板及び第2の基板に対して測定部200を互いに異なる方向に移動させて少なくとも一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるようにしてもよい。ここで、互いに異なる方向とは、例えば、切り欠きNが上部に位置するように各基板を配置する場合における互いに異なる方向を意味する。
【0043】
すなわち、制御部300は、第1の基板S1に対して測定部200を基板の上周縁部から第1の基板S1の下周縁部へと移動させて第1のモニタリング領域M1を形成してもよい。また、制御部300は、第2の基板S2に対して測定部200を基板の左側の周縁部から第2の基板S2の右側の周縁部へと移動させて第2のモニタリング領域M2を形成してもよい。
【0044】
このように、測定部200を互いに異なる方向に移動させるために、上述した基板載置部100及び支持部500のうちの少なくとも一方は、基板の中心軸を中心として回転可能なように設けられてもよい。すなわち、制御部300は、測定部200を第1の基板S1の上周縁部から下周縁部へと一方向に沿って移動させて第1のモニタリング領域M1を形成する。次いで、基板載置部100及び支持部500のうちの少なくとも一方を90°回転させ、測定部200を第2の基板S2の左側の周縁部から右側の周縁部へと一方向に沿って移動させて第2のモニタリング領域M2を形成してもよい。この場合、第1の基板及び第2の基板に対する測定部200の移動経路は、前記第1の基板及び第2の基板の直径と同じ長さを有する。
【0045】
さらに、
図3に示すように、制御部300は、第1の基板S1に対して測定部200を基板の上周縁部から第1の基板S1の中心部へと移動させて第1のモニタリング領域M1を形成してもよい。また、制御部300は、第2の基板S2に対して測定部200を基板の中心部から第2の基板S2の下周縁部へと移動させて第2のモニタリング領域M2を形成してもよい。この場合、基板載置部100及び支持部500は、回転する必要がなく、制御部300は、測定部200の移動経路の長さのみを調節し、第1の基板及び第2の基板に対する測定部200の移動経路は、前記第1の基板及び第2の基板の直径よりも小さな前記第1の基板及び第2の基板の半径と同じ長さを有する。
【0046】
さらにまた、
図4に示すように、制御部300は、第1の基板S1に対して測定部200を第1の基板S1の上周縁部から第1の基板S1の中心部へと移動させ、再び測定部200を第1の基板S1の中心部から第1の基板S1の右側の周縁部へと移動させて第1のモニタリング領域M1を形成してもよい。また、制御部300は、第2の基板S2に対して測定部200を第2の基板S2の上部と左側との間の周縁部から第2の基板S2の中心部へと移動させ、再び測定部200を第2の基板S2の中心部から第2の基板S2の下部へと移動させて第2のモニタリング領域M2を形成してもよい。すなわち、測定部200は、基板の中心部において折り曲げられる移動経路を有する。このために、制御部300は、測定部200を第1の基板S1の上周縁部から第1の基板S1の中心部へと移動させ、基板載置部100及び支持部500のうちの少なくとも一方を一部回転させた後、測定部200を第1の基板S1の中心部から第1の基板S1の右側の周縁部へと移動させてもよい。次いで、制御部300は、基板載置部100を一部回転させて測定部200を第2の基板S2の上部と右側との間の周縁部から第2の基板S2の中心部へと移動させ、基板載置部100を再び一部回転させて測定部200を第2の基板S2の中心部から第2の基板S2の下部へと移動させてもよい。この場合、第1の基板及び第2の基板に対する測定部200の移動経路は、前記第1の基板及び第2の基板の直径と同じ長さを有する。
【0047】
のみならず、測定部200は、移動経路に沿う全体の領域においてモニタリングを行うことなく、特定の個所においてのみモニタリングを行うように構成されてもよい。すなわち、測定部200は、第1の基板S1及び第2の基板S2内の特定の位置をモニタリングしてもよく、この場合、特定の位置は、基板の中心部または中心部の外側に位置する一つまたは複数の個所であってもよい。
【0048】
図5に示すように、測定部200が複数の個所をモニタリングする場合、測定部200は、例えば、第1の基板S1及び第2の基板S2において
図2に示す移動経路に沿って移動するが、移動経路上の位置または間隔が指定されて当該特定の個所M1、M2においてのみモニタリングを行ってもよい。すなわち、測定部200は、第1の基板S1及び第2の基板S2の移動経路上において各基板を間欠的にモニタリングしてもよい。ここで、
図5には、5個からなる特定の個所M1、M2において各基板をモニタリングすることを想定して示されているが、モニタリングされる個所の数はこれに何ら制限されず、第1の基板S1において中心部を含めて3個の特定の個所をモニタリングし、測定部200の移動経路を異ならせて第2の基板S2において中心部を含めて3個の特定の個所をモニタリングするように構成されてもよく、この場合、第1の基板S1と第2の基板S2とを重なり合わせる場合、中心部において交差する十字形状に沿って合計で5個の特定の個所がモニタリングされてもよい。
【0049】
図2から
図5に示す第1の基板S1のモニタリング領域M1と第2の基板のモニタリング領域M2は、単なる例示に過ぎず、各モニタリング領域は、少なくとも一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるように種々に構成可能であるということはいうまでもない。しかし、制御部300は、モニタリングにかかる時間を最小化させるために、
図2から
図5でのように、測定部200が基板の直径以下の長さの線形の移動経路を有するように制御してもよく、各基板は、中心部を中心として互いに対称的な特性を有するため、測定部200が基板の中心部を経由する移動経路を有するように制御してもよい。
【0050】
また、
図2から
図5においては、測定部200が第1の基板S1と第2の基板S2に対してこの順にモニタリングする構成を例にとって説明したが、本発明の実施形態に係る測定部200は、複数配備されて、一つの測定部200においては第1の基板S1に対してモニタリングを行い、もう一つの測定部200においては第2の基板S2に対してモニタリングを行うように構成されてもよいことはいうまでもない。
【0051】
分析部400は、複数枚の基板のモニタリング情報から処理状態の異常有無を判断する。すなわち、分析部400は、第1の基板のモニタリング情報及び第2の基板のモニタリング情報が両方とも誤差範囲内に属する場合、処理状態を良好と判定し、第1の基板のモニタリング情報及び第2の基板のモニタリング情報のうちの少なくとも一方が誤差範囲を外れる場合に処理状態を不良と判定する。
【0052】
図6には、
図2における第1の基板S1と第2の基板S2とが同じ位置の切り欠きNを基準として重なり合う場合が例示されている。
図6に示すように、第1の基板S1と第2の基板S2とが重なり合った仮想の基板S0においては、基板S0の上周縁部から下周縁部へと第1のモニタリング領域M1が形成され、左側の周縁部から右側の周縁部へと第2のモニタリング領域M2が形成される。前述したように、本発明の実施形態に係る基板検査装置10は、同一の所定の処理が施された基板のうちから選択された複数枚の基板をそれぞれモニタリングするため、第1の基板に対して取得されたモニタリング情報は、複数枚の基板のうち第2の基板に対してもそのまま適用可能であり、逆に、複数枚の基板のうち第2の基板に対して取得されたモニタリング情報は、複数枚の基板のうち第1の基板に対してもそのまま適用可能である。このため、同一の所定の処理が施された基板は、いずれも
図6に示す仮想の基板S0のような処理状態を有することが認められ、分析部400は、
図6に示す仮想の基板S0に対して処理状態の異常有無を判断する。
【0053】
すなわち、分析部400は、第1のモニタリング領域M1と第2のモニタリング領域M2とが重なり合った領域MCを除く第1のモニタリング領域M1においては、第1のモニタリングによって測定された値である第1のモニタリング情報が所定の処理工程に対する結果値の誤差範囲内に属するか否かを判断する。また、分析部400は、第1のモニタリング領域M1と第2のモニタリング領域M2とが重なり合った領域MCを除く第2のモニタリング領域M2においては、第2のモニタリングによって測定された値である第2のモニタリング情報が所定の処理工程に対する結果値の誤差範囲内に属するか否かを判断する。ここで、分析部400は、第1のモニタリング領域M1と第2のモニタリング領域M2とが重なり合った領域MCに対しては、第1のモニタリング情報及び第2のモニタリング情報が両方とも誤差範囲内に属する場合に処理状態を良好と判断し、第1のモニタリング情報及び第2のモニタリング情報のうちの少なくとも一方が誤差範囲を外れる場合に不良と判定する。
【0054】
また、分析部400は、第1のモニタリング領域M1と第2のモニタリング領域M2とが重なり合った領域MCにおいて第1のモニタリング情報と第2のモニタリング情報との偏差を用いて所定の処理工程に対する結果値の誤差範囲を調節してもよい。ここで、第1のモニタリング領域M1と第2のモニタリング領域M2とが重なり合った領域MCは、基板の中心部を含んでいてもよい。所定の処理工程は、基板の中心部においてほとんどの場合に良好に行われるが、基板の周縁部に向かって進むにつれて不良と判定される可能性が高くなる。したがって、第1のモニタリング領域M1の誤差範囲は、第1のモニタリングが行われる第1の基板の中心部のモニタリング情報を基準として設定され、第2のモニタリング領域M2の誤差範囲は、第2のモニタリングが行われる第2の基板の中心部のモニタリング情報を基準として設定される。このとき、第1の基板と第2の基板の中心部のモニタリング情報は互いに異なることがあるため、この場合、いずれか一方の基板から測定されたモニタリング情報に対して第1の基板と第2の基板の中心部に関するモニタリング情報の偏差を加算したり減算したりするなどして結果値の誤差範囲を修正すればよい。
【0055】
図7は、本発明の実施形態に係る基板検査装置が設置される様子を示す図である。
図7においては、本発明の実施形態に係る基板検査装置10がロードロックチャンバに設置される場合を例示しているが、基板検査装置10がフロントエンドモジュールに設置される場合にも全体的なプロセスは同様に適用可能である。
【0056】
上述したように、本発明の実施形態に係る基板載置部100は、所定の処理が施される工程チャンバP1、P2から送り返された複数枚の基板を貯えるロードロックチャンバL、またはロードロックチャンバLに貯えられた基板を払い出すためにロードロックチャンバLに接続されるフロントエンドモジュールE(EFEM:Equipment Front End Module)に配設されてもよい。ここで、基板載置部100がロードロックチャンバLに配設される場合、基板載置部100は、ロードロックチャンバLに設けられる複数本のスロットのうちの少なくとも1本のスロットを備えていてもよい。ここで、測定部200は、ロードロックチャンバLの内部に設けられてもよいが、ロードロックチャンバLの外部に設けられてロードロックチャンバLに設けられるビューポート(view port)を介してロードロックチャンバLに設けられる複数本のスロットのうち最上端のスロットに載置された基板に対してモニタリングを行うように構成されてもよいことはいうまでもない。これに対し、基板載置部100がフロントエンドモジュールEに配設される場合、基板載置部100は、フロントエンドモジュールE内の一部の空間またはフロントエンドモジュールEの一方の側に配設されてもよい。
【0057】
前記基板処理設備において、基板は、各カセットC1、C2に積載されてフロントエンドモジュールEに与えられる。一般に、基板処理設備において、各処理工程の場合、一定の枚数の基板を集めてロット(lot)単位で当該工程を行う。また、枚葉式工程の場合にも、実際に工程は1枚の基板単位で行われるが、これに対する管理はロット単位で行われる。このため、例えば、ロット単位の基板の枚数は25枚であってもよく、25枚の基板はある一つのカセットに積載されてもよい。
【0058】
フロントエンドモジュールEにおいて、基板は、ロードロックチャンバLに与えられて貯えられる。ロードロックチャンバLは、各カセットC1、C2に積載された基板のうちの一部の基板を貯え、基板検査装置10の基板載置部100がロードロックチャンバLに配設される場合、ロードロックチャンバLに与えられた基板に対して初期の状態を測定するためのモニタリングが行われてもよい。この場合、分析部400は、工程チャンバP1、P2において所定の処理が行われる前の初期の状態のモニタリング情報と、工程チャンバP1、P2において所定の処理が行われた後のモニタリング情報とを比較して、処理状態を良好または不良と判定するための誤差範囲を設定してもよいことはいうまでもない。
【0059】
ロードロックチャンバLに貯えられた基板は、搬送チャンバTから工程チャンバP1、P2へとそれぞれ搬送される。ここで、工程チャンバは複数配備されてもよく、工程チャンバP1、P2内において、基板は複数枚が同時に処理されてもよい。工程チャンバP1、P2内において所定の処理が施された基板は、再びロードロックチャンバLに貯えられる。ここで、測定部200は、基板をモニタリングし、制御部300は、所定の処理が施された基板のうち、ロードロックチャンバLに順次に貯えられるか、あるいは、同時に貯えられる複数枚の基板に対して少なくとも一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるように測定部200の移動経路を制御する。ここで、複数枚の基板は、ロードロックチャンバLに貯えられる基板の全部であってもよいが、上述したある一つのロットに含まれる基板のうちから選択された複数枚の基板であってもよい。また、複数枚の基板は、同一の工程チャンバ内において所定の処理が施される基板のうちから選択されてもよい。複数枚の基板がある一つのロットに含まれる基板のうちから選択される場合、基板処理設備の全体にわたって異常有無を判断することが可能になり、特に、複数枚の基板が同一の工程チャンバ内において所定の処理が施される基板のうちから選択される場合、当該工程チャンバの異常有無を手軽に判断することが可能になる。
【0060】
ここで、
図7においては、ロードロックチャンバLに一つの測定部200を有する基板検査装置10が単数で設けられて複数枚の基板を順次に検査する構成を例示しているが、ロードロックチャンバLに複数の測定部200を有するように基板検査装置10が複数で設けられて複数枚の基板を同時に検査してもよいことはいうまでもない。
【0061】
また、分析部400は、ロードロックチャンバLに順次に貯えられるか、あるいは、同時に貯えられる複数枚の基板に関するモニタリング情報から工程チャンバP1、P2において行われた処理状態の異常有無を判断する。すなわち、複数枚の基板のモニタリング情報から処理状態が良好と判断される場合、工程チャンバP1、P2における処理を行い続け、逆に、複数枚の基板のモニタリング情報から処理状態が不良と判断される場合、基板処理設備に問題が生じたと判断して、基板処理設備の工程を一時的に中断し、当該チャンバが修理及び整備できるようにアラームなどによって警告してもよい。
【0062】
このように、基板載置部100がロードロックチャンバLに設けられる複数本のスロットのうちの少なくとも1本のスロットを備える場合には、基板の搬送経路を変更することなく、基板の検査工程を行うことが可能になり、搬送チャンバT内に組み込まれる搬送ロボットのシーケンスを調節する必要がない。また、基板載置部100がフロントエンドモジュールE内の一部の空間または一方の側に配設される場合、所定の処理済みの基板のうちから任意の基板を選択することに制約がなく、基板検査装置10を設置するための空間を確保しやすい。このように、基板載置部100がロードロックチャンバLまたはフロントエンドモジュールEに配設される場合、複数の工程チャンバP1、P2と接続された搬送チャンバTと基板の出入りのためのロードロックチャンバLとから構成される基板処理設備において、工程チャンバP1、P2において基板に対する所定の処理を施しながら、処理済みの基板の処理状態に対するモニタリングを基板の移動に支障を与えることを極力抑えながら行うことができる。なお、モニタリング結果に応じて、特定の工程チャンバや基板処理設備の全体に対する処理を中断したり、処理過程を変更したりすることが手軽に行われる。
【0063】
以下、本発明の実施形態に係る基板検査方法について詳しく説明する。ここで、本発明の実施形態に係る基板検査方法を説明するにあたって、上述した基板検査装置の内容と重複する内容についての説明は省略する。
【0064】
図8は、本発明の実施形態に係る基板検査方法を概略的に示す図である。
【0065】
図8を参照すると、本発明の実施形態に係る基板検査方法は、複数枚の基板のうち第1の基板及び第2の基板を選択するステップ(S100)と、前記第1の基板の一部の領域をモニタリングするステップ(S200)と、前記第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップ(S300)と、前記第1の基板及び第2の基板のモニタリング情報から異常有無を判断するステップ(S400)と、を含む。
【0066】
複数枚の基板のうち第1の基板及び第2の基板を選択するステップ(S100)においては、まず、所定の処理が施される複数枚の基板のうちからモニタリングの対象となる第1の基板及び第2の基板を選択する。ここで、第1の基板及び第2の基板は、複数枚の基板が積載されるある一つのカセットから選択されてもよく、この場合、ある一つのロットに含まれる複数枚の基板のうちから第1の基板及び第2の基板を選択することができて、基板処理設備の全体にわたって異常有無を判断することが可能になる。また、第1の基板及び第2の基板は、同一の工程チャンバ内において所定の処理が施される複数枚の基板のうちから選択されてもよい。すなわち、同一の工程チャンバ内において、例えば、3枚から6枚の基板が同時に処理される場合、3枚から6枚の基板の全部またはそれらのうちの一部に対して第1の基板及び第2の基板を選択してもよく、これにより、当該工程チャンバの異常有無を手軽に判断することが可能になる。
【0067】
第1の基板の一部の領域をモニタリングするステップ(S200)においては、第1の基板の一部の領域に対して測定部200から厚さ、反射率並びにパーティクルの有無及び分布範囲などをモニタリングする。また、第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップ(S300)においては、第2の基板の一部の領域に対して測定部200から厚さ、反射率並びにパーティクルの有無及び分布範囲などをモニタリングする。
【0068】
ここで、制御部300は、第1の基板及び第2の基板に対して少なくとも一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるように測定部200の移動経路を制御してもよく、これにより、第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップ(S300)においては、第1の基板のモニタリング領域とは少なくとも一部の領域が互いに異なる。
【0069】
さらに、第1の基板をモニタリングするステップは、第1の基板をモニタリングするための測定部200を前記第1の基板の中心部を経由する第1の方向に移動させて行われてもよく、測定部200が前記第1の基板の中心部を経由する第1の方向に移動する間に測定部200の移動経路上において前記第1の基板を間欠的にモニタリングして行われてもよい。また、第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップは、第2の基板をモニタリングするための測定部200を第2の基板の中心部を経由し、第1の方向とは異なる第2の方向に移動させて行われてもよく、測定部200が前記第2の基板の中心部を経由する第2の方向に移動する間に測定部200の移動経路上において前記第2の基板を間欠的にモニタリングして行われてもよい。このために、上述したように、基板載置部100及び支持部500のうちの少なくとも一方は、基板の中心軸を中心として回転可能なように設けられてもよい。すなわち、制御部300は、測定部200を第1の方向に沿って移動させて第1の基板に中心部を含む第1のモニタリング領域を形成し、基板載置部100及び支持部500のうちの少なくとも一方を回転させて測定部200を第1の方向とは異なる第2の方向に沿って移動させて第2の基板に中心部を含む第2のモニタリング領域を形成してもよい。
【0070】
第1の基板の一部の領域をモニタリングするステップ(S200)及び第2の基板の一部の領域をモニタリングするステップ(S300)に関しては、
図2から
図5と結び付けて説明したところと同様に適用可能であり、
図2から
図5に示す第1の基板のモニタリング領域と第2の基板のモニタリング領域は、単なる例示に過ぎず、各モニタリング領域は、上述したように、少なくとも一部の領域が互いに異なる位置においてモニタリングされるように種々に構成可能である。
【0071】
第1の基板及び第2の基板のモニタリング情報から異常有無を判断するステップ(S400)は、分析部400によって行われる。すなわち、分析部400は、第1の基板の一部の領域に関するモニタリング情報が所定の処理工程に対する結果値の誤差範囲内に属するか否かを判断する。また、分析部400は、第2の基板の一部の領域に関するモニタリング情報が所定の処理工程に対する結果値の誤差範囲内に属するか否かを判断する。このため、第1の基板及び第2の基板のモニタリング情報から異常有無を判断するステップ(S400)においては、第1の基板のモニタリング情報及び第2の基板のモニタリング情報がどちらか一方でも誤差範囲を外れる場合に処理状態を不良と判定して、基板処理設備に異常が生じた旨を報知し、第1の基板のモニタリング情報及び第2の基板のモニタリング情報が両方とも誤差範囲内に属する場合に処理状態を良好と判定して、基板処理設備を用いた処理工程を行い続ける。
【0072】
さらにまた、第1の基板及び第2の基板のモニタリング情報から異常有無を判断するステップ(S400)においては、前記第1の基板のモニタリング領域と前記第2の基板のモニタリング領域とが一部重なり合う場合、前記重なり合う領域のモニタリング情報間の偏差を用いて前記誤差範囲を修正してもよい。すなわち、分析部400は、第1のモニタリング領域と第2のモニタリング領域とが重なり合った領域、例えば、基板の中心部において第1のモニタリング情報と第2のモニタリング情報との偏差を用いて所定の処理工程に対する結果値の誤差範囲を修正してもよい。これは、所定の処理工程は、基板の中心部においてはほとんどの場合に良好に行われるが、基板の周縁部に向かって進むにつれて不良と判定される可能性が高くなるためであり、所定の処理工程に対する結果値は、上述したように、基板の中心部のモニタリング情報を基準として設定されるため、この場合、結果値の誤差範囲は、第1のモニタリング情報と第2のモニタリング情報との偏差を加算した値に調節されてもよい。
【0073】
このように、本発明の実施形態に係る基板検査装置及び基板検査方法によれば、複数枚の基板に対して少なくとも一部の領域を互いに異なる位置においてモニタリングすることにより、基板の処理状態を早い時間内に判断して検査にかかる時間を短縮することができる。
【0074】
このため、基板の処理状態に対する即座的なフィードバックを与えることができ、装備の異常に伴う使用中止、改善及びメンテナンスなどの事前措置を行うことにより、基板の製造に際しての不良率を最小化させ、装備の稼働率を向上させることができる。
【0075】
以上、本発明の好適な実施形態が特定の用語を用いて説明及び図示されたが、これらの用語は、単に本発明を明確に説明するためのものに過ぎず、本発明の実施形態及び記述された用語は、特許請求の範囲の技術的思想及び範囲から逸脱することなく、種々の変更及び変化が加えられるということは明らかである。これらの変形された実施形態は、本発明の思想及び範囲から個別的に理解されてはならず、本発明の特許請求の範囲内に属するものというべきである。