IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アーオーペー・オーファン・イーピー・アーゲーの特許一覧

<>
  • 特許-トレプロスチニルのグリコシド誘導体 図1
  • 特許-トレプロスチニルのグリコシド誘導体 図2
  • 特許-トレプロスチニルのグリコシド誘導体 図3
  • 特許-トレプロスチニルのグリコシド誘導体 図4
  • 特許-トレプロスチニルのグリコシド誘導体 図5
  • 特許-トレプロスチニルのグリコシド誘導体 図6
  • 特許-トレプロスチニルのグリコシド誘導体 図7
  • 特許-トレプロスチニルのグリコシド誘導体 図8
  • 特許-トレプロスチニルのグリコシド誘導体 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】トレプロスチニルのグリコシド誘導体
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/704 20060101AFI20230614BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20230614BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230614BHJP
   C07H 15/24 20060101ALI20230614BHJP
   C07H 15/18 20060101ALI20230614BHJP
   C07H 1/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
A61K31/704
A61P9/12
A61P43/00 123
C07H15/24 CSP
C07H15/18
C07H1/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020552123
(86)(22)【出願日】2018-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2018084779
(87)【国際公開番号】W WO2019115702
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】17207329.8
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520211568
【氏名又は名称】アーオーペー・オーファン・イーピー・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】AOP ORPHAN IP AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】スプレイツ,ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ストロマイヤー,ヴォルフガング
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510323(JP,A)
【文献】特表2018-524304(JP,A)
【文献】特表2007-501281(JP,A)
【文献】FINDLAY, J. W. A. et al ,Radioimmunoassay for the Chemical Stable Prostacyclin Analog, 15AU81: a Preliminary Pharmacokinetics Study in the Dog ,Prostaglandins Leukotrienes and Essential Fatty Acids ,1993年,Vol.48,pp.167-174
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61P 1/00-43/00
C07H 1/00-99/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

[式中、
、RおよびRは、互いに独立して、H、または単糖、二糖及びオリゴ糖からなる群から選択される炭水化物、またはアミノ糖、またはアルジトールであり、そして、R、RおよびRの少なくとも1つは、Hではない]で示されるトレプロスチニルのグリコシド誘導体。
【請求項2】
単糖が、ピラノシドまたはフラノシドである、請求項に記載のトレプロスチニルのグリコシド誘導体。
【請求項3】
炭水化物が、
アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトースおよびタロースを含むヘキソアルドース
プシコース、フルクトース、ソルボースおよびタガトースを含むヘキソケトース
リボース、アラビノース、キシロースおよびリキソースを含むアルドペントース;又は
リブロースおよびキシルロースを含むケトペントースから選択され
または
アミノ糖がガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、ノイラミン酸(neuramine acid)、ムラミン酸(muramine acid)およびN-アセチルグルコサミンを含むヘキソサミンから選択される、
請求項に記載のトレプロスチニルのグリコシド誘導体。
【請求項4】
ピラノシドが、グルコースまたはガラクトースである、請求項に記載のトレプロスチニルのグリコシド誘導体。
【請求項5】
少なくとも60分、具体的には70分、80分、90分、具体的には100分±20分の血漿中半減期を有する、請求項1~のいずれか一項に記載のトレプロスチニルのグリコシド誘導体。
【請求項6】
血漿中、20時間±5時間で、少なくとも50%、具体的には少なくとも60%、70%、80%、より具体的には少なくとも90%開裂される、請求項1~のいずれか一項に記載のトレプロスチニルのグリコシド誘導体。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載のトレプロスチニルのグリコシド誘導体を含む、組成物。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載のトレプロスチニルのグリコシド誘導体を含む、医薬組成物。
【請求項9】
トレプロスチニルのグリコシド誘導体が、
【化2】


から選択される、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
以下の式のトレプロスチニルのグリコシド誘導体の製造方法であって:
【化3】

以下の反応工程:
【化4】

[式中、PGは、保護基である]を含む製造方法。
【請求項11】
保護基が、ベンジル、ベンジル、置換メチルエーテル、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテルからなる群より選択されるエーテル、酢酸エステル、置換酢酸エステル、安息香酸エステル、炭酸エステル、スルホン酸エステルからなる群より選択されるエステル、環状アセタール、ケトンに由来するアセタール、エステル、アミド、ヒドラシド(hydracide)、ベンジルエステルである、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
トレプロスチニルのグリコシド誘導体のグリコンが、ピラノシド、具体的にはグルコースまたはガラクトースを含む、請求項10または11に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、医薬品の分野、具体的には、グリコシドトレプロスチニルおよびその製造方法に関する。
【0002】
背景技術
トレプロスチニルは、肺動脈性肺高血圧症の処置に使用される血管拡張薬である。トレプロスチニルは、プロスタサイクリン(PGl2)類似体のグループに属しており、リモジュリン(Remodulin)(注入)、オレニトラム(Orenitram)(経口)およびタイヴァソ(Tyvasom)(吸入)という名で販売されている。
【0003】
リモジュリンは、持続皮下注入または持続静脈内注入によって投与される。製造業者によれば、初期注入速度は、1.25ng/kg/分とすべきである。この投与量が患者に忍容されない場合、注入速度を0.625ng/kg/分まで減量することができる。
【0004】
そのバイオアベイラビリティは100%に近く、人体における生物学的半減期は4.4~4.6時間であると示されている[1]。トレプロスチニルは、肝臓によって代謝され、尿排泄は79%(その4%が未代謝トレプロスチニル、64%が代謝物として同定される)であり、糞便排泄は13%である。
【0005】
US 2015/166503A1は、トレプロスチニル誘導体を記載している。
【0006】
WO 2016/205202A1およびUS 9,394,227B1は、全身アベイラビリティが増加したトレプロスチニル誘導体に言及している。
【0007】
WO 2005/007081A2は、経口アベイラビリティが増加したトレプロスチニル誘導体を記載している。
【0008】
現在まで、トレプロスチニルは、患者が常時装着しなければならない注入ポンプを介した持続皮下注入または持続静脈内注入として投与されることが依然求められている。トレプロスチニルの皮下注入は、患者が痛みに耐えることのできないほどの苦痛を伴うことが多く、そのような事情から、投与様式は、静脈内注入に切り替えられる。しかしながら、静脈内リモジュリンによる敗血症リスクの増加が報告されている。皮下注入は痛みを伴うので、皮下投与によって投与できるが痛みの程度が低減されたプロスタサイクリン作動薬または類似体を開発する必要性がある。吸入用トレプロスチニルは、より簡便であり、皮下注入用トレプロスチニルに伴うことの多い強い痛みはないが、吸入は、有効性が低いと考えられており、それゆえ、処方される頻度は少ない。
【0009】
それゆえ、患者にとってより効果的かつ/またはより快適なトレプロスチニル処置を提供する必要性が依然として存在する。
【0010】
発明の概要
それゆえ、本発明の目的は、トレプロスチニルの改善されたプロドラッグを提供することである。この目的は、本発明の主題によって解決される。
【0011】
本発明によれば、一般式I:
【化1】

[式中、
、RおよびRは、互いに独立して、Hまたは炭水化物であり、そして、R、RおよびRの少なくとも1つは、Hではない]で示されるトレプロスチニルのグリコシド誘導体が提供される。
【0012】
ある実施態様において、グリコシド誘導体は、RおよびRがHであり、そして、Rが炭水化物である、上記の通りの一般式で示される。
【0013】
本発明のさらなる実施態様は、炭水化物が環状の単糖、二糖、オリゴ糖、アミノ糖またはアルジトールである、本明細書に記載の通りのトレプロスチニル誘導体に関する。
【0014】
本発明の一実施態様において、単糖は、ピラノシドまたはフラノシドである。
【0015】
本発明の一実施態様において、炭水化物は、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトースおよびタロースのようなヘキソアルドース、プシコース、フルクトース、ソルボースおよびタガトースのようなヘキソケトース、リボース、アラビノース、キシロースおよびリキソースのようなアルドペントース、リブロースおよびキシルロースのようなケトペントース、またはガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、ノイラミン酸(neuramine acid)、ムラミン酸(muramine acid)およびN-アセチルグルコサミンのようなヘキソサミンから選択される。
【0016】
本発明の一実施態様において、ピラノシドは、グルコースまたはガラクトースである。
【0017】
本発明のさらなる実施態様は、少なくとも60分、具体的には70分、80分、90分、具体的には100分±20分の血漿中半減期を有する、本明細書に記載の通りのトレプロスチニル誘導体に関する。
【0018】
本発明のさらなる実施態様は、血漿中、20時間±5時間で、少なくとも50%、具体的には少なくとも60%、70%、80%、より具体的には少なくとも90%開裂される、本明細書に記載の通りのトレプロスチニル誘導体に関する。
【0019】
本発明のさらなる実施態様は、IP、EP2および/またはEPレセプターに対するレセプター結合親和性が未修飾トレプロスチニルと比べて低減された、本明細書に記載の通りのトレプロスチニル誘導体に関する。具体的には、レセプター結合は、未修飾トレプロスチニルのレセプター結合親和性に対して少なくとも2倍、具体的には5倍、10倍、15倍、より具体的には約20倍低減されている。
【0020】
本発明の一実施態様は、本明細書に記載の通りのトレプロスチニルのグリコシド誘導体を含む組成物に関する。
【0021】
本発明の一実施態様は、本明細書に記載の通りのトレプロスチニルのグリコシド誘導体を含む医薬組成物に関する。
【0022】
本発明のさらなる実施態様は、トレプロスチニル誘導体が以下から選択される、本明細書に記載の通りの医薬組成物に関する。
【化2】

【0023】
本発明の一実施態様は、式Iで示される化合物の製造方法であって、以下の反応工程:
【化3】

[式中、PGは、保護基であり、
そして、
、RおよびRは、本明細書に定義される通りである]を含む製造方法に関する。
【0024】
本発明の一実施態様において、R、RおよびRの1つは、Hを表し、それゆえ、保護基のために利用可能である。以降の反応工程において、保護されていない残基がグリコシル化される。その後、グリコシドの保護基が除去される。したがって、最終生成物において、R、Rおよび/またはRがグリコシル化される。
【0025】
本発明のさらなる実施態様は、保護基が、ベンジル、エーテル(置換メチルエーテル、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテル、様々なシリルエーテル)、エステル(酢酸エステル、置換酢酸エステル、安息香酸エステル、炭酸エステル、スルホン酸エステル)、環状アセタール、ケトンおよびアルデヒドに由来するアセタール)の基であるがそれらに限定されない、本明細書に記載の通りの製造方法に関する。
【0026】
分子に対して室温で最大限の保護をもたらし、副生成物の妨げになることなく、かつ、大幅なpH変化なしに、再び切り離される保護基が好ましい可能性がある。ベンジルエーテルの使用が、本明細書における特別な実施態様であり、ベンジルエーテルは、合成が容易であり、かつ、不均一接触水和(heterogenic catalytic hydration)によって開裂が容易である。
【0027】
トレプロスチニルの酸性官能基(acid function)のための保護基は、エステル、例えば、ベンジルエステル、アミドおよびヒドラジド(hydrazides)であり得る。
【0028】
本発明の一実施態様は、式II:
【化4】

[式中、Bnは、ベンジル部分である]で示される中間化合物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】トレプロスチニルの較正曲線を描写する。
図2】トレプロスチニルのヒト血漿中および水中加水分解を示す。
図3】遊離トレプロスチニルの溶出プロファイルを表す。
図4】ヒト血漿中のトレプロスチニルガラクトシドのインキュベーション後の遊離トレプロスチニルの濃度を示す。
図5】血漿中トレプロスチニルグルコシド。
図6】トレプロスチニルグルコシドの血漿中加水分解。
図7】IPレセプターを一過性に発現するHEK293細胞におけるトレプロスチニルおよびトレプロスチニル-グルコシドの濃度反応曲線(n=3の独立した実験)。
図8】EP2レセプターを一過性に発現するHEK293細胞におけるトレプロスチニルおよびトレプロスチニル-グルコシドの濃度反応曲線(n=4の独立した実験)。
図9】EP4レセプターを一過性に発現するHEK293細胞におけるトレプロスチニルおよびトレプロスチニル-グルコシドの濃度反応曲線(n=3の独立した実験)。
【0030】
実施態様の説明
トレプロスチニルは、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の処置に適応される、プロスタサイクリン(PGI2)の合成類似体である。トレプロスチニルの主な薬理学的作用機序は、肺および全身の動脈血管床の直接的な血管拡張と血小板凝集の抑制である。
【0031】
プロドラッグは、活性化すると薬物を形成する、薬物の修飾形態である。したがって、プロドラッグ設計は、創薬の重要な一部である。プロドラッグは、増加した溶解度、増強された安定性、改善されたバイオアベイラビリティ、低減された副作用および/またはより良好な選択性などの、親薬物を上回る多くの利点を提供し得る。プロドラッグ設計の重要な工程は、所与の医学的応用の要求を満たす、効率的かつ/または制御された様式でプロドラッグを活性種に変換することができる活性化機序の組み込みである。プロドラッグ活性化は、酵素媒介性の加水分解プロセスを通じて達成され得る。
【0032】
グリコシドは、プロドラッグとして作用することができ、また直接的な治療効果も有することを示す証拠が増えている。グリコシドプロドラッグは、より部位特異的または組織特異的な薬物送達、より均一な血漿中薬物レベルおよび薬物の持続または遅延放出を含め、改善された薬物バイオアベイラビリティまたは改善された薬物体内動態を可能にし得る。
【0033】
グリコシドは、糖部分がグリコシド結合を介して別の官能基に結合している分子である。グリコシドは、生体において多数の重要な役割を果たしている。
【0034】
本明細書において使用される場合、用語「プロドラッグ」は、投与後に代謝プロセスによる化学変換を受け、その後に活性な薬理学的物質になる必要のある、化合物を指す。
【0035】
トレプロスチニルグリコシド生成物は、2つの構造的特徴:糖(グリコン)およびトレプロスチニル部分(アグリコン)から構成される。用語「トレプロスチニルグリコシドプロドラッグ」または「トレプロスチニルグリコシド」は、互換的に使用され、一般にはトレプロスチニルのグリコシドを指す。トレプロスチニルグリコシドプロドラッグは、典型的にはグリコシダーゼの作用による、グリコシド結合の加水分解を受けて、活性なトレプロスチニルを放出する。
【0036】
本明細書において使用される場合、用語「グリコン」は、グリコシドの糖部分を指す。保護されたグリコンは、ヒドロキシ基が、保護基によって、例えばベンジル部分などによって保護されている、糖部分である。
【0037】
また、本発明に従うと、トレプロスチニルグリコシドプロドラッグは、グリコシド結合の加水分解によって変換されて、活性なトレプロスチニル薬物を提供する。したがって、本発明は、疎水性アグリコン部分を有するグリコシドが血漿中でグルコース加水分解を受けて、疎水性トレプロスチニル化合物をもたらすことを実証した。
【0038】
「炭水化物」は、本明細書において使用される場合、ポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンおよびそれらの誘導体を指す。最も単純な炭水化物は、多くのヒドロキシル基が付加された(通常は、官能基を除き、各炭素上に1つ)小さな直鎖のアルデヒドおよびケトンである、単糖である。単糖の例は、エリトロース、アラビノース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、トレオース、キシロース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、アルドヘキソース、フルクトース、ケトヘキソース、リボースおよびアルドペントースを含む。他の炭水化物は、単糖単位から構成され、単糖単位の数に応じて、二糖、オリゴ糖または多糖が含まれる。二糖は、共有結合性グリコシド結合によって接続されている2つの単糖単位から構成される。二糖の例は、スクロース、ラクトースおよびマルトースである。オリゴ糖および多糖は、グリコシド結合によって一緒に結合されているより長い単糖単位の鎖から構成される。オリゴ糖は、一般には、3~9個の単糖単位を含有し、多糖は、10を超える単糖単位を含有する。
【0039】
本発明の一態様において、炭水化物は、糖、特にヘキソースまたはペントースであり、アルドースであっても、ケトースであってもよい。糖は、D系列のメンバーであっても、L系列のメンバーであってもよく、アミノ糖、デオキシ糖およびそれらのウロン酸誘導体を含むことができる。
【0040】
アミノ糖は、ヒドロキシル基がアミン基に置き換わっている糖分子である。好適なアミノ糖は、例えば、ヘキソサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、ノイラミン酸、ムラミン酸、N-アセチルグルコサミン、特にD-グルコサミン(2-アミノ-2-デオキシ-D-グルコース)またはD-ガラクトサミン(2-アミノ-2-デオキシ-D-ガラクトース)、アルジトールである。
【0041】
炭水化物がヘキソースである本発明の実施態様において、ヘキソースは、グルコース、ガラクトースおよびマンノースからなる群より選択される。好適なペントース糖は、アラビノース、フコースおよびリボースを含む。
【0042】
トレプロスチニルの化学構造は、グリコシドコンジュゲーションを通じてグリコシドを作るために利用され得る、2つのヒドロキシル基を保有する。本発明のいくつかの実施態様において、1つのヒドロキシル基が糖部分にコンジュゲートされている。本発明のいくつかの実施態様において、両方のヒドロキシル基が糖部分にコンジュゲートされている。本発明のいくつかの実施態様において、糖部分は、同じ部分であるかまたは異なる構造である。
【0043】
O-グリコシドとしてのトレプロスチニルグリコシド誘導体は、例えば、化学的合成を介して得ても、酵素的合成を介して得てもよい。
【0044】
O-グリコシドの化学的合成では、グリコシル供与体が、グリコシル受容体中の遊離ヒドロキシル基と、一般には、ある促進剤の存在下で反応して、所望のグリコシドを与える。本発明の一実施態様において、トレプロスチニルグリコシドの製造方法であって、トレプロスチニルと1つまたは複数のグリコシル供与体とを、任意である促進剤の存在下で反応させて、所望のトレプロスチニルグリコシド誘導体を与えることを含む製造方法が提供される。
【0045】
本発明に従うと、トレプロスチニルグリコシドの製造方法であって、1つまたは複数のグリコシルトランスフェラーゼの存在下でトレプロスチニルを1つまたは複数の糖供与体とインキュベートすることを含む製造方法が提供される。
【0046】
追加の実施態様は、本明細書に記載の1つまたは複数のトレプロスチニル誘導体またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物もしくは多形と、1つまたは複数の薬学的に許容し得る賦形剤または担体とを含む、医薬組成物に関する。組成物は、任意で、追加の治療用物質を含有することができる。
【0047】
適切な製剤は、選択される投与経路などの様々な要因に依存し得る。グリコシドトレプロスチニル誘導体を含む医薬組成物の可能性のある投与経路は、非限定的に、経口、非経口(皮内、皮下、筋肉内、血管内、静脈内、動脈内、髄内および髄腔内を含む)、腔内、腹腔内、および局所(皮膚/皮膚上、経皮、粘膜、経粘膜、鼻腔内[例えば、鼻噴霧または点鼻による]、眼内[例えば、点眼による]、肺[例えば、吸入による]、口腔、舌下、直腸および腟を含む)を含む。局所製剤は、局部または全身に治療効果をもたらすように設計することができる。トレプロスチニルのグルコシド誘導体に起因して、皮下投与が、苦痛がより少ないと期待される。
【0048】
一例として、経口投与に適したグリコシドトレプロスチニル誘導体の製剤は、例えば、カプセル剤(押し込み式カプセル剤および軟質カプセル剤を含む)、カシェ剤もしくは錠剤として;散剤または顆粒剤として;またはボーラス剤、舐剤もしくはペースト剤として提示され得る。例えば、押し込み式カプセル剤は、グリコシドトレプロスチニル誘導体を、例えば、充填剤(例えば、ラクトース)、結合剤(例えば、デンプン)および滑剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウム)、および任意で安定剤との混合物で含有し得る。軟質カプセル剤のために、グリコシドトレプロスチニル誘導体を、好適な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコール)中に溶解または懸濁させることができ、安定剤を加えてもよい。
【0049】
本明細書に記載のグリコシドトレプロスチニル誘導体は、インビボでトレプロスチニルに変換することができ、したがって、トレプロスチニルのプロドラッグとして作用することができる。いくつかの実施態様において、グリコシドトレプロスチニル誘導体は、肝臓内で、急速にかつ実質的に完全にトレプロスチニルに変換される(例えば、少なくとも約70%、80%、90%または95%変換)。
【0050】
グリコシドトレプロスチニル誘導体は、プロスタサイクリンまたはトレプロスチニルによる処置に応答する任意の病態を処置するために追加の治療用物質と共に使用することができる。
【0051】
グリコシドトレプロスチニル誘導体の、例えば、肺高血圧症を処置するための治療上有効な量およびその投与頻度は、肺高血圧症の種類、病態の重症度、投与様式、対象の年齢、体重、総体的な健康状態、性別および食事、ならびに処置に対する対象の応答を含めた様々な要因に依存し得、担当医によって決定され得る。特定の態様において、1日当たりのグリコシドトレプロスチニル誘導体の有効用量は、約0.1~100mg、0.1~50mg、0.5~50mg、0.5~25mg、0.5~10mg、1~10mgもしくは1~5mgであるか、または担当医によって適宜判断される通りであり、単回用量でまたは分割用量で投与することができる。さらなる実施態様において、1日当たりのグリコシドトレプロスチニル誘導体の有効用量は、約0.001~2mg/kg、0.005~1mg/kg、0.01~0.5mg/kgもしくは0.01~0.1mg/kg(体重)であるか、または担当医によって適宜判断される通りである。
【実施例
【0052】
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために示されるもので、本発明の範囲を限定するとの意図はなく、いかようにもそのように解釈されるべきではない。実施例は、従来の方法の詳細な説明を含まず;そのような方法は、当業者に周知である。
【0053】
実施例1-血漿試料中のトレプロスチニルの判定
通常、トレプロスチニルは、血液試料からHPLC-MSによって判定される[2,3]。血漿試料中のトレプロスチニルを判定するために、試料調製がわずか一工程で、血漿中の遊離トレプロスチニルの判定を可能にする、アイソクラティックのロバストなHPLC法を開発した。
【0054】
HPLC法および装置:
ポンプ:ESTA HD-2 400
カラムオーブン:-
検出器:UV-VIS Beckmann 163可変波長検出器
バルブ:Rheodyne 7125
カラム:RP, Nucleosil 120 3C18、直径4mm、プレカラム4cm、カラム8cm
試料ループ:20μL
波長検出:277nm
フィート速度:0.6mL/分
移動相:68.5mL アセトニトリル、120mL 水、10mL ギ酸アンモニウム、0.2mL HCOOH
勾配:なし、アイソクラティック条件;溶出プロファイルを図3に描写する。
【0055】
較正
トレプロスチニルの絶対濃度についての較正曲線を、HPLCによって、上に定義した通りの設定で作成した。トレプロスチニルの較正曲線を図1に描写する。直線の方程式は、y=4178.3x-1.717である。
【0056】
実施例2-トレプロスチニルグリコシドの加水分解
トレプロスチニルのグリコシド誘導体のグリコシド結合が血漿試料中で酵素によって開裂されるかどうかを判定する。
【0057】
健常な成人(男性、MW 58歳、n=2)の静脈血を採取し、遠心分離する(r=12cm、3000rpm、10分)。その後、このようにして得られた血漿を-20℃で保存する。
【0058】
トレプロスチニルグリコシド4mgを10cmの試験官中に準備する。その後、融解した血漿4mLを加えて、濃度を1mg/mLにする。次いで、試験管を簡単に振盪させ、すぐさま試料(0.5mL)を抽出する。血漿試料を無水エタノール3mLで希釈すると、血漿タンパク質が沈殿する。したがって、触媒反応は、直ちに停止する。希釈した試料を遠心分離し(r=12cm、3000rpm、10分)、上清をHPLCに直接注入することができる。遊離トレプロスチニルが約23分に出現し、曲線下面積を積分する。
【0059】
並行かつ同時に、血漿の代わりに水を用いて同じプロセスを実施して、血漿のマトリックス(matrix)に対する比較を得る。ガラクトシドは、合成工程に起因してわずかに酸性である(pH6前後)という理由から、反応媒体中での酸性加水分解を排除するために、トレプロスチニルガラクトシドを緩衝溶液(Sorensen pH7)中でインキュベートする。
【0060】
血漿中、水中および緩衝液中のトレプロスチニルグリコシドのすべての調製物を、ここで、乾燥オーブン中、37℃でインキュベートする。試料を、それぞれ、0、30、90、180、270および1,200分後に採取し、上記の通りの方法によって遊離トレプロスチニルを判定する。
【0061】
実施例3-トレプロスチニルグルコシド
結果を表1に示す。トレプロスチニルグルコシドは、約100分の血漿中半減期を有する。このことは、100分後にトレプロスチニルグルコシドの約50%が加水分解されることを意味している。20時間後、グルコシドは、定量的に開裂される。トレプロスチニルグルコシドの質量分率の64%がトレプロスチニルであり、したがって、使用されたトレプロスチニルの約90%が検出される。このことは、トレプロスチニルグルコシドを含む試料中、約90%のトレプロスチニルグルコシドが開裂可能であることを暗示する。
【0062】
【表1】
【0063】
トレプロスチニルは、390.5g/molのモル質量を有し、トレプロスチニルグルコシドは、約552.7g/molのモル質量を有する。したがって、グリコシドの約33%(w/w)がグルコースである。反応混合物中のトレプロスチニルグルコシドの重量は、1mg/mL(血漿)であり、この結果、グルコースが0.33mgとなり、トレプロスチニルが0.67mgとなる(理論上でしかない、不純物も水も考慮しない)。20時間のインキュベーション後、遊離トレプロスチニルの濃度は、約0.54mg/mL(血漿)である。このことは、グリコシドが定量的に加水分解されていると仮定して、出発物質がおよそ90%の開裂可能なトレプロスチニルグルコシドからなることを意味している。
【0064】
遊離トレプロスチニルの血漿中および水中濃度プロファイルを図2に示す。反応は、本質的に、ミカエリス・メンテンモデルに従い、このことは、明らかに酵素反応であることを示している。トレプロスチニルグルコシドについて、プレ定常状態相は、約30分以内と推定される。遊離トレプロスチニルの平衡は、約10時間で達する。
【0065】
遊離トレプロスチニルの溶出プロファイルを図3に描写する。トレプロスチニルは、23分の保持時間を示す。ライン1は0分インキュベーション時間後、ライン2は30分インキュベーション時間後、ライン3は90分インキュベーション時間後、ライン4は180分インキュベーション時間後、そして、ライン5は1,200分インキュベーション時間後の測定を反映している。トレプロスチニルグルコースのピークは、8分(ライン1)に出現し、時間と共に消失し、1,200分後にはもはや検出不可能である。
【0066】
実施例4-トレプロスチニルガラクトシド
トレプロスチニルガラクトシドの合成プロセスに起因して、マトリックスは、水中でわずかに酸性である(pH6)。それゆえ、血漿および水のインキュベーション混合物に加えて、緩衝溶液中でも追加でインキュベーションを行い、例えば、pH7のSorensen緩衝液を使用してよい。
【0067】
結果を表2に示す。ガラクトシドの水中半減期は24時間でも到達しないが、血漿中トレプロスチニルガラクトシドは約90分の半減期を示す。このことは、上記の通りの条件下でガラクトシドの50%が90分後に開裂されることを意味している。20時間後、ガラクトシドは、トレプロスチニルおよびガラクトースへと定量的に開裂される。
【0068】
製造プロセスに起因して、本方法において使用されるトレプロスチニルガラクトシドは、約5~6%の未結合トレプロスチニルを含有する。遊離トレプロスチニル物質のこの量は、HPLCによっても検出することができ、測定値から減算される。表2に示される値は、出発物質に含有される遊離トレプロスチニルを減量した測定値である。
【0069】
【表2】
【0070】
トレプロスチニルは、390.5g/molのモル質量を有し、トレプロスチニルガラクトシドは、約552.7g/molのモル質量を有する。したがって、グリコシドの約33%(w/w)がガラクトースである。反応混合物中のトレプロスチニルガラクトシドの重量は、1mg/mL(血漿)であり、この結果、ガラクトースが0.33mgとなり、トレプロスチニルが0.67mgとなる。20時間のインキュベーション後、遊離トレプロスチニルの濃度は、約0.304mg/mL(血漿)である。このことは、出発物質がおよそ50%の開裂可能なトレプロスチニルガラクトシドからなることを意味している。このことは、残り50%が、ガラクトース(40%)、遊離トレプロスチニル(5~6%)および未特定の残渣(4~5%)を含むという供給業者の仕様書と一致する。
【0071】
トレプロスチニルガラクトシドの加水分解による遊離トレプロスチニルの血漿中、緩衝液中および水中濃度プロファイルを図4に示す。トレプロスチニルガラクトシドは、血漿中、約6~8時間後に定量的に加水分解される。
【0072】
実施例5-血漿中トレプロスチニルグルコシド
トレプロスチニルのカルボキシル-OH基にグルコシドを有するトレプロスチニル-グルコシドを、ヒト血漿および変性血漿(タンパク質は96%エタノールによる)中でインキュベートした。ヒト血漿中で20時間のインキュベーション時間後、トレプロスチニル-グルコシドの53%が加水分解される。対照的に、20時間後の変性血漿中では、加水分解されたトレプロスチニル-グルコシドがわずか4%検出される。結果を図5および図6に示す。
【0073】
実施例5-酸性基のベンジルエステル保護
【化5】

トレプロスチニルナトリウム塩1.1gをアセトニトリル50mlに懸濁した。CsCO1.3gおよび臭化ベンジル1.4gを懸濁液に加え、出発物質がTLCで検出不可となるまで還流下で撹拌した。次いで、懸濁液を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。溶媒を蒸発させ、残渣をジクロロメタン50mLに再溶解し、2%NaHCO溶液50mLで3回、ブライン50mLで1回洗浄した。次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させると、帯黄色のシロップが生じた。シロップをジクロロメタンに再溶解し、シリカゲルカラムに注ぎ、THFで溶出させる。生成物を含有する画分を蒸発させて、トレプロスチニルベンジルエステル1.3gを無色のシロップとして得た。
【0074】
実施例6-エステル基のグリコシル化
【化6】

トレプロスチニルベンジルエステル1.0gを無水THF20mlに懸濁し、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(TMSOTf)0.1mLをトレプロスチニルベンジルエステル溶液に加えた。次いで、無水THF20g中のTCA-グルコース3gを室温でゆっくり加えた。トリメチルアミン0.5mLで反応をクエンチし、蒸発させると、帯黄色のシロップが生じた。シリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィーにシロップをかけた。生成物を含有する画分を濃縮した。ほぼ純粋な生成物を蒸発させると、グリコシドトレプロスチニル1.5gが無色のシロップとして生じた。
【0075】
実施例7-保護基の除去
【化7】

メタノール/THF(1:1)50mL中の保護されたトレプロスチニルグルコシド1.5gの溶液を調製し、10%Pd/C(乾物)0.5gを溶液に加えた。得られた混合物を蒸発させ、水素でパージした。次いで、反応混合物を、すべてのベンジル基が開裂するまで、1barの水素下で撹拌した。次いで、反応混合物をセライト上で濾過し、水ですすぐ。溶媒を蒸発させると、所望のトレプロスチニルジグリコシドが生じる。
【0076】
実施例8-プロスタグランジンI2レセプター(IP)またはプロスタグランジンE2レセプター2(EP2)またはプロスタグランジンE2レセプター4(EP4)のいずれかを一過性に発現するHEK293細胞における、トレプロスチニルまたはトレプロスチニル-グルコシドによって誘導されるcAMP蓄積
方法:
0日目:900万個のHEK293細胞を実験毎に2個の15cmディッシュに播種した(ディッシュ毎に:20mlのDMEM培地+10%FCS)。
【0077】
1日目:細胞に、空のベクターまたはIPもしくはEP2もしくはEP4レセプターのいずれかをコードするプラスミドをトランスフェクトした。
【0078】
トランスフェクションプロトコル:15cmディッシュ毎に、10μgのDNAおよび20μlのJetPRIMEトランスフェクション試薬をJetPRIMEトランスフェクション緩衝液1ml(最終容量)に加え、室温で10分間インキュベートした。その後、混合物を細胞に滴下した(トランスフェクションの4時間後に培地を新鮮培地に交換して、毒性を低下させた)。
【0079】
2日目:細胞をPBSで洗浄し、トリプシン処理し、6ウェルプレートに播種し(1ウェル当たり70万個の細胞)、[3H]-アデニン(1μCi/ml)と12~16時間プレインキュベーションした。
【0080】
3日目:アッセイ緩衝液(HEPES 10mM、NaCl 120mM、KCl 3mM、CaCl2 2mM、MgCl2 2mM、グルコース 20mM、RO-20-1724 100μM pH7.3)中、室温で30分間、トレプロスチニルまたはトレプロスチニル-グルコシド(R位にグルコシドを有する)のいずれかで細胞を刺激し(非刺激対照を常に含めた)、次いで、氷上で30分間、2.5%過塩素酸(PCA)で溶解した。PCA抽出物を中和し(KOHで)、DOWEXおよび酸化アルミニウムカラムを使用した連続クロマトグラフィーによって[3H]-cAMPを他のヌクレオチドから分離し、最終的に、シンチレーション計数器を使用してCPM(カウント毎分)として放射能を測定した。
【0081】
IPレセプターを一過性に発現するHEK293細胞におけるトレプロスチニルおよびトレプロスチニル-グルコシドの濃度反応曲線(n=3の独立した実験)を図7に示す。トレプロスチニルのEC50値は0.8065であり、R3にグルコシドを有するトレプロスチニル-グルコシドのEC50は9.277である。
【0082】
EP2レセプターを一過性に発現するHEK293細胞におけるトレプロスチニルおよびトレプロスチニル-グルコシド(R3位にグルコシドを有する)の濃度反応曲線(n=4の独立した実験)を図8に示す。トレプロスチニルのEC50値は3.103であり、トレプロスチニル-グルコシドのEC50は56.57である。
【0083】
EP4レセプターを一過性に発現するHEK293細胞におけるトレプロスチニルおよびトレプロスチニル-グルコシドの濃度反応曲線(n=3の独立した実験)を図9に示す。トレプロスチニルのEC50値は0.2801であり、トレプロスチニル-グルコシドのEC50は5.016である。
【0084】
結果:有利なことに、本発明のトレプロスチニル-グルコシドは、IP、EP2およびEP4レセプターに対して低下した親和性を有するが、類似のcAMP増加をもたらす。したがって、トレプロスチニル-グルコシドの皮下投与は、このように、苦痛がより少ないと期待される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9