(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】販売情報管理装置、販売情報管理装置の制御方法及び販売情報管理装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20230614BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20230614BHJP
G06F 3/023 20060101ALI20230614BHJP
G06F 3/04886 20220101ALI20230614BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/12 301C
G07G1/12 331A
G06F3/023 460
G06F3/023 480
G06F3/04886
(21)【出願番号】P 2021134807
(22)【出願日】2021-08-20
(62)【分割の表示】P 2021000971の分割
【原出願日】2021-01-06
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】508195497
【氏名又は名称】株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス
(74)【代理人】
【識別番号】100097102
【氏名又は名称】吉澤 敬夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】磨田 勝美
(72)【発明者】
【氏名】深石 祐太朗
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-170817(JP,A)
【文献】特開2010-066197(JP,A)
【文献】特開平9-204351(JP,A)
【文献】特開昭62-037796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00-1/12
G06F 3/02
G06F 3/023
G06F 3/04886
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が各種情報を入力するための操作キーと、前記操作キーを表示するための表示部と、を有し、
前記表示部に表示される入力画面のうち、先行する前記入力画面に表示される
前記操作キーである先行画面操作キーから特定の前記先行画面操作キーを選択すると、後行画面で当該選択された前記先行画面操作キーに関連する
前記操作キーである後行画面操作キーのみが表示され、
前記後行画面操作キーは、各
前記操作キーに割り当てられた情報を上位概念ごとに集めた複数のグループに区分され、それぞれのグループが他のグループと区別し得る表示態様を付され
、
前記先行画面操作キーは、一定の期間内における集計処理である第1の集計処理と前記第1の集計処理の期間より短い期間内における集計処理である第2の集計処理の前記操作キーを有すると共に、前記第1の集計処理及び前記第2の集計処理をすべき時間帯情報を記憶する時間帯情報記憶部を有し、
時計の時刻情報と前記時間帯情報記憶部の前記時間帯情報に基づいて、現在時刻が前記第1の集計処理又は前記第2の集計処理に該当するか否かを判断し、
いずれかに該当する場合、該当する第1の集計処理キー又は第2の集計処理キーを第1候補として点滅させることを特徴とする販売情報管理装置。
【請求項2】
前記第1集計処理が、1日分の集計処理を行う精算で、前記第2の集計処理が1日の途中の段階で集計処理を行う点検であることを特徴とする請求項1に記載の販売情報管理装置。
【請求項3】
前記後行画面操作キーのうち、操作可能性の高い前記操作キーを他の前記操作キーより大きく表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の販売情報管理装置。
【請求項4】
少なくとも商品又は役務のいずれか一方を提供する提供場所における操作者の前記操作キーの操作履歴情報に基づき、前記先行画面操作キーで選択された前記操作キーから前記後行画面操作キーのうち操作可能性が高い前記操作キーを特定し、他の前記操作キーと異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の販売情報管理装置。
【請求項5】
前記後行画面操作キーには、当該処理に必要がない前記操作キーは含まれないことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の販売情報管理装置。
【請求項6】
前記先行画面操作キーと前記後行画面操作キーに割り当てられた情報が同一のとき、前記同一の情報が割り当てられている前記後行画面操作キーの前記入力画面における配置を前記先行画面操作キーの配置と異なる配置とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の販売情報管理装置。
【請求項7】
前記入力画面のうち、前記先行画面操作キーの特定の前記操作キーの位置が、後行画面において、一定時間、入力停止状態となることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の販売情報管理装置。
【請求項8】
操作者が各種情報を入力するための
前記操作キーと、前
記表示部と、を有し、
前記操作キーは、その隣接する前記操作キーとの境界領域に、情報の入力を不可とする情報入力不可領域が形成されていることを特徴とする
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の販売情報管理装
置。
【請求項9】
操作者が各種情報を入力するための操作キーと、前記操作キーを表示するための表示部と、を有する販売情報管理装置の制御方法であって、
前記表示部に表示される入力画面のうち、先行する前記入力画面に表示される
前記操作キーである先行画面操作キー
から特定の前記
先行画面操作キー
を選択すると、後行画面で当該選択された前記先行画面操作キーに関連する前記操作キーである後行画面操作キーのみが表示され、
前記後行画面操作キーは、各前記操作キーに割り当てられた情報を上位概念ごとに集めた複数のグループに区分され、それぞれのグループが他のグループと区別し得る表示態様を付され、
前記先行画面操作キーは、一定の期間内における集計処理である第1の集計処理と前記第1の集計処理の期間より短い期間内における集計処理である第2の集計処理の操作キーを有すると共に、前記第1の集計処理及び前記第2の集計処理をすべき時間帯情報を記憶する時間帯情報記憶部を有し、
時計の時刻情報と前記時間帯情報記憶部の前記時間帯情報に基づいて、現在時刻が前記第1の集計処理又は前記第2の集計処理に該当するか否かを判断し、
いずれかに該当する場合、該当する第1の集計処理キー又は第2の集計処理キーを第1候補として点滅させることを特徴とする販売情報管理装置の制御方法。
【請求項10】
操作者が各種情報を入力するための操作キーと、前記操作キーを表示するための表示部と、を有する販売情報管理装置
に、
前記表示部に表示される入力画面のうち、先行する前記入力画面に表示される前記操作キーである先行画面操作キーから特定の前記先行画面操作キーを選択すると、後行画面で当該選択された前記先行画面操作キーに関連する前記操作キーである後行画面操作キーのみが表示される機能、
前記後行画面操作キーは、各操作キーに割り当てられた情報を上位概念ごとに集めた複数のグループに区分され、それぞれのグループが他のグループと区別し得る表示態様を付す機能、
前記先行画面操作キーは、一定の期間内における集計処理である第1の集計処理と前記第1の集計処理の期間より短い期間内における集計処理である第2の集計処理の前記操作キーを有すると共に、前記第1の集計処理及び前記第2の集計処理をすべき時間帯情報を記憶する時間帯情報記憶部を有する機能、
時計の時刻情報と前記時間帯情報記憶部の前記時間帯情報に基づいて、現在時刻が前記第1の集計処理又は前記第2の集計処理に該当するか否かを判断し、いずれかに該当する場合、該当する第1の集計処理キー又は第2の集計処理キーを第1候補として点滅させる
機能、を実行させる構成となっていることを特徴とする販売情報管理装置の制御
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、店舗等の販売情報を管理する販売情報管理装置、販売情報管理装置の制御方法及び販売情報管理装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店等における販売情報管理のためにPOS(Point of sale:販売時点情報管理)システムが使用されている。
このPOSシステムの端末であるPOS端末の操作パネルには、複数の操作キーが配置されているが、近年、POSシステムが管理する商品情報等の種類が著しく増加したため、操作キーの数が多数となり、その中から該当する操作キーを探し出して操作することが困難となっていた。
このため、複数の管理項目の操作キーをグループ化して各グループ単位で、表示を切り替えて、POS端末の操作パネルに表示をすることで、一度に操作パネルに表示される操作キーの数を減らすことができ、操作キーを容易に操作できるという提案がなされている(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、かかる提案であっても、POS端末の操作パネルには、一度に多数の操作キーが配置されるため、どうしても操作キーの入力間違い等が多発するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、操作者による操作キーの入力間違い等を効果的に防止できる販売情報管理装置、販売情報管理装置の制御方法及び販売情報管理装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【0006】
前記目的は、本発明によれば、操作者が各種情報を入力するための操作キーと、前記操作キーを表示するための表示部と、を有し、前記表示部に表示される入力画面のうち、先行する前記入力画面に表示される前記操作キーである先行画面操作キーから特定の前記先行画面操作キーを選択すると、後行画面で当該選択された前記先行画面操作キーに関連する前記操作キーである後行画面操作キーのみが表示され、前記後行画面操作キーは、各前記操作キーに割り当てられた情報を上位概念ごとに集めた複数のグループに区分され、それぞれのグループが他のグループと区別し得る表示態様を付され、前記先行画面操作キーは、一定の期間内における集計処理である第1の集計処理と前記第1の集計処理の期間より短い期間内における集計処理である第2の集計処理の前記操作キーを有すると共に、前記第1の集計処理及び前記第2の集計処理をすべき時間帯情報を記憶する時間帯情報記憶部を有し、
時計の時刻情報と前記時間帯情報記憶部の前記時間帯情報に基づいて、現在時刻が前記第1の集計処理又は前記第2の集計処理に該当するか否かを判断し、いずれかに該当する場合、該当する第1の集計処理キー又は第2の集計処理キーを第1候補として点滅させることを特徴とする販売情報管理装置により達成される。
【0007】
前記構成によれば、先行画面で選択された先行画面操作キーに関連する操作キーである後行画面操作キーの操作キーについて、各操作キーに割り当てられた情報を上位概念ごとに集めた複数のグループ(例えば、金額、数量、プラス、マイナス、操作注意等)に区分され、それぞれのグループが他のグループと区別し得る表示態様(例えば、色等)を付されている。
したがって、販売情報管理装置の操作者は、探している操作キーを見つけやすく、このため、操作キーを間違って押す等の入力間違いを行い難くなる。
好ましくは、前記販売情報管理装置の前記第1集計処理が、1日分の集計処理を行う精算で、前記第2の集計処理が1日の途中の段階で集計処理を行う点検であることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記販売情報管理装置は、前記後行画面操作キーのうち、操作可能性の高い前記操作キーを他の前記操作キーより大きく表示することを特徴とする。
【0009】
前記構成によれば、後行画面操作キーのうち、操作可能性の高い操作キーを他の操作キーより大きく(例えば、キーの大きさ2倍等)表示することで、操作者の操作間違いをより防ぐことができる。
【0010】
好ましくは、前記販売情報管理装置は、少なくとも商品又は役務のいずれか一方を提供する提供場所における操作者の前記操作キーの操作履歴情報に基づき、前記先行画面操作キーで選択された前記操作キーから前記後行画面操作キーのうち操作可能性が高い前記操作キーを特定し、他の前記操作キーと異なる表示態様で表示することを特徴とする。
【0011】
前記構成によれば、商品等の提供場所における販売情報管理装置の操作キーの操作履歴情報に基づいて、先行画面操作キーで選択された操作キーから操作可能性が高い後行画面操作キーと特定し、他の操作キーと異なる表示態様(例えば、点滅等)で表示されるので、操作者が操作キーを間違うことをより防ぐことができる。
【0012】
好ましくは、前記販売情報管理装置の前記後行画面操作キーには、当該処理に必要がない前記操作キーは含まれないことを特徴とする。
【0013】
前記構成によれば、後行画面操作キーには、当該処理に必要がない操作キーは含まれない。
例えば、先行画面操作キーの入力が、1商品のみの入力の場合、その後、後行画面操作キーに「一括取消」の操作キーが含まれない。
このため、操作者が操作キーを間違う可能性をより低下させることができる。
【0014】
好ましくは、前記販売情報管理装置は、前記先行画面操作キーと前記後行画面操作キーに割り当てられた情報が同一のとき、前記同一の情報が割り当てられている前記後行画面操作キーの前記入力画面における配置を前記先行画面操作キーの配置と異なる配置とすることを特徴とする。
【0015】
前記構成によれば、同一の情報が割り当てられている後行画面操作キーの入力画面における配置を先行画面操作キーの配置と異なる配置とするため、操作者が同じ配置位置で操作キーを連続して押す等をした場合でも、操作者の誤入力を回避することができる。
【0016】
前記目的は、本発明によれば、入力画面のうち、前記先行画面操作キーの特定の前記操作キーの位置が、後行画面において、一定時間、入力停止状態となることを特徴とする販売情報管理装置により達成される。
【0017】
前記構成によれば、表示部に表示される入力画面のうち、先行する入力画面に表示される操作キーである先行画面操作キーの特定の操作キーの位置が、後行画面において、一定時間、入力停止状態となる。例えば、情報名非表示の操作キー等である。
このため、操作者が同じ配置位置で操作キーを連続して押す等をした場合でも、操作者の誤入力を回避することができる。
【0018】
前記目的は、本発明によれば、操作者が各種情報を入力するための前記操作キーと、前記操作キーを表示するための表示部と、を有し、前記操作キーは、その隣接する前記操作キーとの境界領域に、情報の入力を不可とする情報入力不可領域が形成されていることを特徴とする販売情報管理装置により達成される。
【0019】
前記構成によれば、操作キーは、その隣接する前記操作キーとの境界領域に、情報の入力を不可とする情報入力不可領域が形成されている。
このため、操作者が所望の操作キーを正確に押すことができず、誤って複数の操作キー等を押した場合でも、情報の誤入力を未然に回避することができる。
【0020】
前記目的は、本発明によれば、操作者が各種情報を入力するための操作キーと、前記操作キーを表示するための表示部と、を有する販売情報管理装置の制御方法であって、前記表示部に表示される入力画面のうち、先行する前記入力画面に表示される前記操作キーである先行画面操作キーから特定の前記先行画面操作キーを選択すると、後行画面で当該選択された前記先行画面操作キーに関連する操作キーである後行画面操作キーのみが表示され、前記後行画面操作キーは、各前記操作キーに割り当てられた情報を上位概念ごとに集めた複数のグループに区分され、それぞれのグループが他のグループと区別し得る表示態様を付され、前記先行画面操作キーは、一定の期間内における集計処理である第1の集計処理と前記第1の集計処理の期間より短い期間内における集計処理である第2の集計処理の操作キーを有すると共に、前記第1の集計処理及び前記第2の集計処理をすべき時間帯情報を記憶する時間帯情報記憶部を有し、時計の時刻情報と前記時間帯情報記憶部の前記時間帯情報に基づいて、現在時刻が前記第1の集計処理又は前記第2の集計処理に該当するか否かを判断し、いずれかに該当する場合、該当する第1の集計処理キー又は第2の集計処理キーを第1候補として点滅させることを特徴とする販売情報管理装置の制御方法により達成される。
【0023】
前記目的は、本発明によれば、操作者が各種情報を入力するための操作キーと、前記操作キーを表示するための表示部と、を有する販売情報管理装置に、前記表示部に表示される入力画面のうち、先行する前記入力画面に表示される前記操作キーである先行画面操作キーから特定の前記先行画面操作キーを選択すると、後行画面で当該選択された前記先行画面操作キーに関連する前記操作キーである後行画面操作キーのみが表示される機能、前記後行画面操作キーは、各操作キーに割り当てられた情報を上位概念ごとに集めた複数のグループ(金額、数量、プラス、マイナス、操作注意等)に区分され、それぞれのグループが他のグループと区別し得る表示態様を付す機能、前記先行画面操作キーは、一定の期間内における集計処理である第1の集計処理と前記第1の集計処理の期間より短い期間内における集計処理である第2の集計処理の前記操作キーを有すると共に、前記第1の集計処理及び前記第2の集計処理をすべき時間帯情報を記憶する時間帯情報記憶部を有する機能、時計の時刻情報と前記時間帯情報記憶部の前記時間帯情報に基づいて、現在時刻が前記第1の集計処理又は前記第2の集計処理に該当するか否かを判断し、いずれかに該当する場合、該当する第1の集計処理キー又は第2の集計処理キーを第1候補として点滅させる機能、を実行させる構成となっていることを特徴とする販売情報管理装置の制御プログラムにより達成される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明は、操作者による操作キーの入力間違い等を効果的に防止できる販売情報管理装置、販売情報管理装置の制御方法及び販売情報管理装置の制御プログラムを提供できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の販売情報管理装置の実施の形態にかかる例えば、POS装置(Point of sale:販売時点情報管理)1の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】
図1の「各種情報記憶部100」の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】本実施の形態にかかるPOS装置1のタッチパネル4に表示される画面例を示す概略説明図であり、(a)の画面例は、先行画面に表示された先行画面操作キーを示す概略説明図であり、(b)の画面例は、後行画面に表示された後行画面に表示された後行画面操作キーを示す概略説明図である。
【
図4】本実施の形態にかかるPOS装置1の操作キーの点滅等の画面例を示す概略説明図である。
【
図5】本実施の形態にかかるPOS装置1の操作キーの位置の変更等の画面例を示す概略説明図である。
【
図6】本実施の形態にかかるPOS装置1の操作キーの位置の変更等の画面例を示す概略説明図である。
【
図7】本実施の形態にかかるPOS装置1の操作キーの入力位置を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0029】
(POS装置1の主な構成について)
図1は、本発明の販売情報管理装置の実施の形態にかかる例えば、POS装置(Point of sale:販売時点情報管理)1の主な構成を示す概略ブロック図である。
POS装置1は、提供場所である例えば、店舗等に設置され、店舗で顧客に提供される商品や役務の販売等の情報を管理する装置である。
具体的には、POS装置1は、店舗の従業員又は顧客が、POS装置1を操作することで、各種情報がPOS装置1に入力される構成となっている。
【0030】
POS装置1は、
図1に示すように、制御部2を有し、制御部2は、POS装置1が管理サーバ等と通信するための「通信装
置3」、タッチパネル4を制御する構成となっている。
ここで、タッチパネル4は、表示部である例えば、ディスプレイと、位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、ディスプレイ上の表示に使用者が触れることで各種情報を入力できる入力装置である。
【0031】
また、制御部2は、
図1に示すように、POS装置本体5や時刻情報生成部である例えば、時計6も制御する。
さらに、制御部2は、
図1に示す、各種情報記憶部100も制御する。
図2は、
図1の「各種情報記憶部100」の主な構成を示す概略ブロック図であり、これらの内容は後述する。
【0032】
また、
図1のPOS装置1は、コンピュータを有し、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を有し、バスを介して接続されている。
【0033】
以下、
図2以下の図面等を参照し、本実施の形態に係るPOS装置1の動作例を説明する。
(操作キーの表示態様等について)
図3は、本実施の形態にかかるPOS装置1のタッチパネル4に表示される画面例を示す概略説明図であり、(a)の画面例は、先行画面に表示された先行画面操作キーを示す概略説明図であり、(b)の画面例は、後行画面に表示された後行画面に表示された後行画面操作キーを示す概略説明図である。
【0034】
本実施の形態では、タッチパネル4に表示される
図3(a)の入力画面である先行画面の「先行画面操作キー」が表示されてるときに、店舗等の店員(又は顧客)が、先行画面操作キーである「コード入力」を選択し、商品又は役務のバーコードを入力すると、タッチパネル4の画面が、
図3(b)の入力画面である例えば、後行画面に遷移する。
【0035】
そして、この際に、
図2の「関連操作キー表示部(プログラム)101」が動作し、選択された「コード入力」に関連する後行画面操作キーのみがタッチパネル4に表示される。
具体的には、
図3(b)の「かける」「ふやす」「取消」「割増」「割引」「保留」「値増」「値引」「コード入力」及び「小計」等である。
【0036】
また、この後行画面操作キーは、割り当てられた情報を上位概念ごとに集めた複数のグループ(例えば「金額」「数量」「プラス」「マイナス」「操作に注意」等)に区分され、それぞれのグループが他のグループと区別し得る表示態様を付している。
例えば、色、サイズ、フォント等をグループごとに異なる設定としている。
【0037】
これらの色、サイズ、フォント等をグループごとに異なる設定は、具体的には、以下の事項であり、図
2の「表示態様記憶部102」に記憶されている。
A)金額に関する操作キー、例えば、
「「割増」「値増」「値引」「割引」等
」は「太字」で表示する。
B)数量に関する操作キー、「かける」「ふやす」「へらす」等は「斜字」で表示する。
C)プラスされる操作キー、「かける」「ふやす」「割増」「値増」等は「薄青(
図3(b)では斜線ハッチング
)」で表示する。
【0038】
D)マイナスされる操作キー、「へらす」「割引」「値引」等は「薄赤(
図3(b)では縦線ハッチング
)」で表示する。
E)操作に注意する操作キー、「取消」等は「赤(
図3(b)では横線ハッチング)」で表示する。
F)後行画面で操作される可能性の高い操作キーは、サイズが大きく、他の操作キーより大きく表示し、例えば、「小計」の操作キーは、複数領域(例えば、2つ)の操作キーで表示する。
【0039】
このように、記憶されているため、本実施の形態では、「操作キー表示態様処理部(プログラム)103」が動作し、「表示態様記憶部102」を参照し、「かける」「ふやす」の操作キーは、「金額」「数量」「プラス」に該当するため、
図3(b)に示すように「太字」「斜字」「斜線ハッチング」で「タッチパネル4」に表示する。
また、「割増」「値増」は、「金額」の操作キーは、「プラス」に該当するため、
図3(b)に示すように「太字」「斜線ハッチング」でタッチパネル4に表示する。
【0040】
さらに、「へらす」は「金額」「数量」「マイナス」に該当するため、
図3(b)に示すように「太字」「斜字」「縦線ハッチング」で表示する。
また、「割引」「値引」の操作キーは、「金額」「マイナス」に該当するため、
図3(b)に示すように「太字」「縦線ハッチング」で表示する。
そして、「取消」の操作キーは、「操作に注意」に該当するため、
図3(b)に示すように「横線ハッチング」で表示する。
また、「小計」の操作キーは、後行画面で操作可能性が高い後行画面操作キーであるため、
図3(b)に示すように、他の操作キーの2倍の大きさで表示する。
【0041】
このように、本実施の形態では、金額、数量等の概念の相違によりグループを分け、字体等を分けて表示するため、POS装置1の操作者(店員等)は、自己が探している操作キーを見つけ易く、このため操作キーを間違って押す等の入力間違い(操作間違い)を未然に防ぐことができる。
さらに、本実施の形態では、後行画面で操作可能性が高い後行画面操作キーのサイズを大きく、例えば2倍とするため、操作者がより操作し易い構成ともなっている。
【0042】
(操作キーの点滅等について)
本実施の形態では、POS装置1が配置される提供場所である例えば、店舗における操作者である例えば、店員のPOS装置1のタッチパネル4の操作キーの操作履歴情報に基づき、POS装置の先行画面における先行画面操作キー(例えば、「小計」)から、後行画面の後行画面操作キーのうち、操作可能性が高い操作キー(例えば、店舗によって「現金」が第1候補となり、「値引」が第2候補となる。)を特定し、後行画面の他の操作キーと異なる表示態様(例えば、点滅)を表示させる構成となっている。
【0043】
すなわち、POS装置1の先行画面で、操作者が「小計」の後行画面操作キーを押す(入力する)と、POS装置1は、以下のように動作する。
【0044】
図4は、本実施の形態にかかるPOS装置1の操作キーの点滅等の画面例を示す概略説明図である。
具体的には、
図4の(a)の先行画面の先行画面操作キーである、例えば「小計」を店員が入力すると、POS装置1の
図2の「点滅処理部(プログラム)104」が動作し、操作者である当該店員のPOS装置1の操作履歴を記録する
図2の「操作履歴記憶部105」を参照し、「小計」操作キーの入力直後に入力される操作キーを頻度順に取得する。そして、第1候補(例えば、現金)と第2候補(例えば、値引)等の操作キーを特定する。
【0045】
そして、
図4(b)の後行画面で、第1候補である「現金」の操作キーを先ず「点滅」させ、次いで、第2候補の「値引」を点滅させる。
【0046】
これにより、操作者である店員等が、操作キーの入力を案内することができ、入力ミスを回避することができる。
【0047】
本発明では、上述の例に限らず、
図4(a)の先行画面において、入力すべき先行画面操作キーを「点滅」で表示する構成としても構わない。
具体的には、POS装置1は
図1に示すように、時刻情報生成部である例えば、時計6を有するとともに、例えば、「精算」をすべき時間帯情報と「点検」をすべき時間帯情報を記憶する
図2の「時間帯情報記憶部106」を有している。
【0048】
ここで、「精算」は、例えば、1日分の売上額等の集計等を意味し、「点検」は、1日分に至らない、途中の段階での売上額等の集計等を意味する。
【0049】
そして、POS装置1の
図2の「第2の点滅処理部(プログラム)107」が動作し、「時計6」の時刻情報と「時間帯情報記憶部106」を参照し、現在時刻が「精算」又は「点検」に該当するか否かを判断する。
そして、いずれかに該当する場合、「精算」又は「点検」を第1候補として「点滅」させる構成とすることもできる。
【0050】
これにより、店員等に精算や点検動作を忘れずに実行させることができる。
【0051】
(操作キーの非表示等について)
本実施の形態では、特定の先行画面操作キー、例えば、商品コード入力等を実行すると、後行画面で表示される後行画面操作キーでは、当該処理に必要のない操作キー(例えば、「点検」「精算」「入金」「出金」「両替」等)が表示されない構成となっている。
【0052】
具体的には、
図4(a)で「コード入力」の操作キーを操作すると、
図2の「操作キー非表示処理部(プログラム)108」が動作し、
図2の「操作キー非表示記憶部109」を参照し、
図4(b)に示すように、「点検」「精算」「入金」「出金」「両替」の操作キーが表示されない構成となっている。
【0053】
ここで、「操作キー非表示記憶部109」には、コード入力後、「点検」「精算」「入金」「出金」「両替」の操作キーを表示しない旨が記憶されている。
そして、これらの操作キーは、入力(処理)の必要のない操作キーとなっている。
【0054】
また、後行画面で「一括取消」の操作キーを操作する必要がある場合は、先行画面で、複数の商品等の「コード入力」等を行った場合に限られる。
これは、先行画面で単数の商品や役務の「コード入力」を行った場合、取り消しは、「取消」操作キーで足り、複数の商品等の入力を取り消す「一括取消」の操作キーは必要ないからである。
【0055】
このため、本実施の形態では、
図2の「一括取消非表示処理部(プログラム)110」が動作し、先行画面で、単数の商品等の「コード入力」等がなされた場合に、後行画面に「一括取消」の後行画面操作キーが表示されない構成となっている。
【0056】
したがって、本実施の形態によれば、後行画面で操作の必要がない、操作キーが表示されないので、店員等が誤入力をする可能性をより低下させることができる。
【0057】
(操作キーの位置の変更等について)
本実施の形態では、先行画面操作キーと後行画面操作キーに割り当てられた情報(例えば「取消」)が同一のとき、先行画面の「取消」の操作キーの配置である表示位置と、後行画面操作キーにおける「取消」の配置である「表示位置」を異なる位置とする構成となっている。
【0058】
図5は、本実施の形態にかかるPOS装置1の操作キーの位置の変更等の画面例を示す概略説明図である。
具体的には、
図2の「表示位置変更部(プログラム)111」が動作し、
図5(a)の先行画面で示す先行画面操作キー「取消」と、(b)の後行画面で示す後行画面操作キー「取消」の情報が同一であるとき、「取消」の操作キーの位置を、先行画面と後行画面で異なる位置に変更する。
【0059】
このため、「取消」操作キーを店員等が連打等した場合でも、誤入力を未然に防ぐことができる。
【0060】
(ウエイト操作キーについて)
本実施の形態では、特定の先行画面の先行画面操作キー(例えば、「小計」)の位置が、後行画面に遷移したとき、一定時間(例えば、0.5秒等)、入力停止状態(ウエイト状態)となり、その後、入力可能な後行画面操作キー(例えば、「現金」)となる。
【0061】
図6は、本実施の形態にかかるPOS装置1の操作キーの位置の変更等の画面例を示す概略説明図である。
具体的には、
図2の「ウエイト処理部(プログラム)112」が動作し、
図6(a)の先行画面で先行画面操作キー「小計」が表示され、次の同図(c)の後行画面で同じ配置場所に「現金」の後行画面操作キーが表示される場合、その遷移の間、一定時間(例えば、0.5秒間等)
図6(b)に示すように、「小計」「現金」の操作キーが表示される配置場所の操作キーの入力が停止され、入力不可の状態となるように構成されている。
具体的には、「小計」「現金」の操作キーが表示される配置場所の操作キーに情報名非表示の操作キーが
図6(b)に示すように表示される。
【0062】
このように構成することで、店員等がPOS装置1のタッチパネル4の同じ配置場所の操作キーを2度押し(連打)した場合でも、誤入力を未然に防ぐことができる。
すなわち、操作キーの操作ミスを防ぐため、同じ配置位置でのキーの2度押しによる誤操作を防ぐため、一定時間操作できない時間を設け、キー操作を受け付けない構成となっている。
【0063】
具体的には、
図6(a)で示すように、「小計キー」を押すと表示が変わり、
図6(c)に示すように、同じ配置位置に「現金キー」が表示される場合、このとき、同じキーの2度押しで、「現金」が入力されてしまい、クレジット等の場合は、操作ミスとなる。
そこで、本実施の形態では、「小計キー」を押すと、その後、一定時間、当該キーのみが「操作不可状態」となり、同じキーの2度押しによる操作ミスを防ぐことができる構成となっている。
【0064】
(キーフォーカスについて)
図7は、本実施の形態にかかるPOS装置1の操作キーの入力位置を示す概略説明図である。
図7に示すように、本実施の形態では、タッチパネル4に表示される各操作キー4a乃至4jは、隣接する操作キーとの境界領域(
図7の斜線部分)に情報の入力を不可とする情報入力不可領域が形成され、情報入力が可能なのは、
図7の破線部分の内側となっている。
【0065】
このように、タッチパネル4の操作キー4a等の反応範囲を、表示される操作キーのエリアより狭くすることで、隣接する操作キーの押し間違いを防ぐことができる。
また、操作キー4a等の境界領域(斜線部分)での操作キー4a等の誤動作を防ぐことができる。
すなわち、店員等が所望の操作キー4a等を正確に押すことができず、誤って複数の操作キー4a、4b等を押した場合でも、情報の誤入力を未然に回避することができる。
【0066】
本実施の形態では、POS装置1が、上述の「操作キーの表示態様等」、「操作キーの点滅等」、「操作キーの非表示等」、「操作キーの位置の変更等」、「ウエイト操作キー」及び「キーフォーカス」のすべての構成を備えても良く、また、任意に選択して、その一部を組み合わせても構わない。
このような構成とすることで、POS装置1の操作者により操作キーの入力間違いをより効果的に防ぐことができる。
【0067】
以上説明した実施形態においては、装置として実現される場合を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納され頒布されてもよい。
【0068】
また、記憶媒体は、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であればよい。記憶媒体の記憶形式は、特には限定されない。
【0069】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0070】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体には限定されず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0071】
また、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づいて本実施形態における各処理を実行すればよく、1つのパソコン等からなる装置であってもよいし、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等であってもよい。
【0072】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンには限定されず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
また、本実施の形態では、操作者として、店舗等の店員等を例に説明したが、本発明の操作者には、顧客等も含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1・・・POS装置、2・・・制御部、3・・・通信装置、4・・・タッチパネル、5・・・POS装置本体、6・・・時計、10・・・各種情報記憶部、100・・・各種情報記憶部、101・・・関連操作キー表示部、102・・・表示態様記憶部、103・・・操作キー表示態様処理部、104・・・点滅処理部、105・・・操作履歴記憶部、106・・・時間帯情報記憶部、107・・・第2の点滅処理部、108・・・操作キー非表示処理部、109・・・操作キー非表示記憶部、110・・・一括取消非表示処理部、111・・・表示位置変更部、112・・・ウエイト処理部