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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】ミキサー玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/30 20060101AFI20230614BHJP
   A63H 33/42 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
A63H33/30 B
A63H33/42 C
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021169962
(22)【出願日】2021-10-15
(65)【公開番号】P2023059772
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2022-07-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】棚瀬 美波
(72)【発明者】
【氏名】柊原 修市
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃宣
(72)【発明者】
【氏名】小田 真由美
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-329770(JP,A)
【文献】特開2010-119504(JP,A)
【文献】実開昭58-070299(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
種別が異なる複数の形象物を収容する収容空間を有する動作容器部と、
それぞれの前記形象物が保持している当該形象物の種別を示す種別情報を読み取る読み取り部と、
2以上の異なる演出情報を前記種別情報と関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記演出情報に基づく演出を出力する演出出力部と、
ユーザによる入力操作が可能な入力操作部と、
前記入力操作に応じて前記収容空間に収容された前記形象物を動かす駆動部と、を備え、
前記読み取り部は、前記収容空間に収容される前記形象物が保持している前記種別情報を読み取り、
前記演出出力部は、前記入力操作を条件として前記読み取り部により読み取られた前記種別情報と関連付けされた前記演出情報に基づく前記演出を出力し、
前記形象物は、前記演出出力部により前記演出が出力されている間に、前記入力操作により前記駆動部が駆動することによって少なくとも一回動かされる、ミキサー玩具。
【請求項2】
請求項1に記載のミキサー玩具において、
前記入力操作は、押し込み操作である、ミキサー玩具。
【請求項3】
請求項1に記載のミキサー玩具において、
前記駆動部は、前記収容空間内で前記形象物を支持する支持部を有し、前記入力操作が行われることに応じて当該支持部を駆動する、ミキサー玩具。
【請求項4】
請求項3に記載のミキサー玩具において、
前記支持部は、非平面形状及び突起の少なくとも一方を有する、ミキサー玩具。
【請求項5】
請求項1に記載のミキサー玩具において、
前記動作容器部は、前記収容空間内へ前記形象物が挿入される挿入口を備え、
前記演出出力部は、前記挿入口から前記収容空間内に収容された少なくとも1個の前記形象物の前記種別情報が前記読み取り部により読み取られ、かつ、前記入力操作が行われると、前記演出を出力する、ミキサー玩具。
【請求項6】
請求項5に記載のミキサー玩具において、
前記収容空間は、前記形象物を収容する第1空間と、前記演出出力部が収容される第2空間とを有する、ミキサー玩具。
【請求項7】
請求項6に記載のミキサー玩具において
前記収容空間のうち、前記第1空間を囲む第1領域は光透過性を有し、前記第2空間を囲む第2領域は前記第1領域よりも低い光透過性を有する、ミキサー玩具。
【請求項8】
請求項1からまでの何れか一項に記載のミキサー玩具において、
前記演出出力部は、音声及び発光の少なくとも一方を前記演出として出力する、ミキサー玩具。
【請求項9】
請求項1からまでの何れか一項に記載のミキサー玩具において、
前記動作容器部は、当該動作容器部を所定の傾きに傾けたことに応じて収容された前記形象物を外部に排出する排出口を有する、ミキサー玩具。
【請求項10】
請求項5に記載のミキサー玩具において、
前記読み取り部は前記挿入口に設けられる、ミキサー玩具。
【請求項11】
請求項10に記載のミキサー玩具において、
前記挿入口は、前記形象物が挿入される姿勢を制御して前記収容空間内に案内する第1案内部を有する、ミキサー玩具。
【請求項12】
請求項11に記載のミキサー玩具において、
前記第1案内部は、前記挿入口の内側に向かって突出する突部である、ミキサー玩具。
【請求項13】
請求項12に記載のミキサー玩具において、
前記挿入口は、前記収容空間内に案内される前記形象物が前記挿入口から排出されることを制限する制限部を有する、ミキサー玩具。
【請求項14】
請求項13に記載のミキサー玩具において、
前記制限部は、前記形象物が前記挿入口内に所定の長さ分挿入されたことに応じて、当該形象物に前記収容空間内へ押し込まれる方向の力を付与する、ミキサー玩具。
【請求項15】
請求項12から14までの何れか一項に記載のミキサー玩具において、
前記形象物は、前記挿入口が有する前記第1案内部と対応する溝形状の第2案内部を有する、ミキサー玩具。
【請求項16】
請求項1から15までの何れか一項に記載のミキサー玩具において、
前記動作容器部の前記収容空間から排出された前記形象物を収容する収容容器を有する、ミキサー玩具。
【請求項17】
請求項16に記載のミキサー玩具において、
前記収容容器に着脱可能な蓋部を有する、ミキサー玩具。
【請求項18】
請求項17に記載のミキサー玩具において、
前記蓋部は、前記形象物が装着される装着部を有する、ミキサー玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミキサー玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、調理器具を模した動作玩具が知られている。特許文献1には、複数の形象物を鍋模型に投入すると、形象物に応じた動作を行う動作玩具が記載されている。特許文献1の動作玩具は、投入された複数の形象物が有するIDコードを鍋模型のリーダにより読み込み、読み込んだIDコードに対応する動作データに基づいて動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-329770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の動作玩具は、投入された形象物に対応した動作として発音動作や発光動作を行う。しかし、複数の食材を撹拌して調理を行う器具を模しているが、音や光の演出のみでは撹拌を擬似的に体験する玩具としての興趣性が不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によるミキサー玩具は、種別が異なる複数の形象物を収容する収容部と、それぞれの前記形象物が保持している当該形象物の種別を示す種別情報を読み取る読み取り部と、2以上の異なる演出情報を前記種別情報と関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部に記録されている前記演出情報に基づく演出を出力する演出出力部と、前記収容部に収容された前記形象物を動かす駆動部と、を備える。前記読み取り部は、前記収容部に収容される前記形象物が保持している前記種別情報を読み取る。前記演出出力部は、前記読み取り部により読み取られた前記種別情報と関連付けされた前記演出情報に基づく前記演出を出力する。前記形象物は、前記演出出力部により前記演出が出力されている間に、前記駆動部によって少なくとも一回動かされる。また、本発明の他の態様によるミキサー玩具は、種別が異なる複数の形象物を収容する収容空間を有する動作容器部と、それぞれの前記形象物が保持している当該形象物の種別を示す種別情報を読み取る読み取り部と、2以上の異なる演出情報を前記種別情報と関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記演出情報に基づく演出を出力する演出出力部と、ユーザによる入力操作が可能な入力操作部と、前記入力操作に応じて前記収容空間に収容された前記形象物を動かす駆動部と、を備え、前記読み取り部は、前記収容空間に収容される前記形象物が保持している前記種別情報を読み取り、前記演出出力部は、前記入力操作を条件として前記読み取り部により読み取られた前記種別情報と関連付けされた前記演出情報に基づく前記演出を出力し、前記形象物は、前記演出出力部により前記演出が出力されている間に、前記入力操作により前記駆動部が駆動することによって少なくとも一回動かされる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、興趣性を向上させたミキサー玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態のミキサー玩具の外観図である。
図2】(A),(B)は形象物の外観図である。
図3】形象物のマークの配列を示す図である。
図4】(A)はミキサー玩具の動作容器の断面図であり、(B)は動作容器が有する挿入口付近を拡大して示す断面斜視図である。
図5】動作容器の要部構成を示すブロック図である。
図6】動作容器の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照しながら、実施の形態のミキサー玩具について説明を行う。
【0009】
図1は、ミキサー玩具1の外観図である。ミキサー玩具1は、動作容器10と収容容器20と、形象物30とを有する。ミキサー玩具1は、例えば果物や野菜等を模した形象物30を動作容器10の内部に投入し、動作容器10内でミックスジュースを作ることを擬似的に体験することを可能とする玩具である。尚、説明の都合上、図1に示す動作容器10の収容部11の底面111に直交し図1の紙面上方に向かうz軸と、z軸に直交し図1の紙面手前側に向かうy軸と、y軸及びz軸に直交し図1の紙面右側に向かうx軸とからなる直交座標系を設定する。
<形象物30>
【0010】
図1に加え、図2に示す形象物30の外観図を参照しながら形象物30について説明する。尚、図2(A)は形象物30を第1面31側から見た外観図であり、図2(B)は形象物30を第2面32側から見た外観図である。
【0011】
形象物30は、例えば樹脂や金属等を材料とする円板状に形成された部材であり、第1面31と、第1面31の反対の面である第2面32とを有する。尚、形象物30の形状や材料は上記のものに限定されるものではない。また、図1においては8個の形象物30が示されているが、ミキサー玩具1に含まれる形象物30の個数は8個に限定されず、8個より多くてもよいし、8個より少なくてもよい。但し、形象物30の個数は、少なくとも2個以上である。
【0012】
複数の形象物30のそれぞれには、果物や野菜を模していることを表すため、例えば第1面31にその形象物30が表す種別である果物や野菜のイラスト等が描かれる。形象物30の種別として、「りんご」、「いちご」、「バナナ」、「にんじん」、「ぶどう」、「オレンジ」、「キウイ」および「ほうれんそう」等がある。
【0013】
形象物30は、第2面32上に溝321とデータ部322とを有する。溝321は、図2(B)の第1範囲RE1に形成される第1溝領域321aと、第2範囲RE2に形成される第2溝領域321bと、第3範囲RE3に形成される第3溝領域321cと、から構成される。第1溝領域321aは形象物30の中心付近に形成される矩形の領域である。第2溝領域321b及び第3溝領域321cは、矢印ARの方向(第1方向)において、第1溝領域321aの両端に連接して形成される。
【0014】
第1方向と直交する方向(第2方向)において、第2溝領域321b及び第3溝領域321cの長さは、第1溝領域321aよりも長い。また、第2溝領域321b及び321cは、形象物30の端部に近づくほど、第2方向に沿った長さが増大する。
【0015】
溝321は、詳細を後述する動作容器10が有する挿入口14に形成される第1案内部と対応する形状を有する第2案内部として機能する。溝321と、挿入口14に形成される第1案内部とにより、形象物30は、後述する動作容器10の収容部11に収容される際に、第1方向に沿って挿入口14を通過するように姿勢が制御される。即ち、第1方向は、挿入口14を通過する通過方向ということもできる。
【0016】
溝321の第1溝領域321aにはデータ部322が形成される。データ部322には、複数の単位データ部323が配列される。単位データ部323は、第1方向に沿って2個、第2方向に沿って3個の合計6個配置される。一部の単位データ部323(図2(B)では、単位データ部323a,323c,323f)には、ディジタルコードを形成するためのマーク33が形成されている。マーク33は所定の高さを有する凸部として構成されている。マーク33の有無に応じて「1」又は「0」の二値のデータが単位データ部323にそれぞれ付与される。これにより、単位データ部323の配列によりディジタルコードが形成される。このディジタルコードが、形象物30の種別を表す種別情報として形象物30に保持される。このため、単位データ部323の配列を異ならせることにより、形象物30の異なる種別を表す種別情報を形成することが可能となる。
【0017】
図3は、単位データ部323の配列により表される複数の種別情報のパターンを示す図である。図3においては、単位データ部323におけるマーク33の有無を「1」又は「0」の二値データに置換して表されるディジタルコードによってパターンを示している。単位データ部323の配列により、異なる14個の種別情報のパターンP1~P14を表すことができる。これらのパターンP1~P14のうち、パターンP1とP9は、互いにマーク33の配置が第2面32の中心に対して点対称となっている。このため、パターンP1とパターンP9とは、マーク33の配列のパターンが同一の形象物30を第1溝領域321a側から挿入口14に挿入する場合と、第2溝領域321b側から挿入口14に挿入する場合とを表している。すなわち、パターンP1とパターンP9とは同一の種別情報を表している。同様の関係は、パターンP2とP10、パターンP3とP11、パターンP4とP12、パターンP5とP13及びパターンP7とP14についても当てはまる。上記の理由により、単位データ部323の配列によりパターンP1~P8の8種類のパターンに対応する種別情報が表される。
<収容容器20>
【0018】
図1に示す収容容器20は、容器部21と、蓋部22とを有する。容器部21は、例えばカップ状の形状を有し、後述する動作容器10の収容部11から排出された形象物30を収容する。蓋部22は、容器部21の上端部の開口部に着脱可能に装着され、装着されると容器部21の上端部を覆う。図1においては、蓋部22は半球状の形状を有する場合を示しているが、蓋部22の形状は図示の形状に限定されるものではなく、例えば円板状であってもよい。蓋部22は、形象物30が装着可能な装着部221を有する。装着部221は、形象物30の形状に応じて形成された凹部である。図1に示すように、装着部221は、形象物30の厚み(第1面31と第2面32との間の長さ)に応じた長さを有する辺と、形象物30の径方向の長さに応じた長さを有する辺とを有する矩形の開口を有し、装着された形象物30が蓋部22から落下しない程度の奥行を有する。
<動作容器10>
【0019】
図1に加え、図4を参照しながら動作容器10について詳細に説明する。図4(A)は動作容器10の断面図であり、図4(B)は挿入口近傍の断面斜視図である。尚、図4においても、図1の場合と同様にx軸、y軸及びz軸からなる直交座標系を設定する。
【0020】
動作容器10は、収容部11と、入力操作部12と、駆動部13と、挿入口14と、演出出力部15と、読み取り部16とを有する。
<収容部11>
【0021】
収容部11は、種別が異なる複数の形象物30を内部に収容する。収容部11の内部は、入力操作部12が設けられる側(z軸+側)の内部空間である第1収容空間SP1と、収容部11の底面111側(z軸-側)の内部空間である第2収容空間SP2とを有する。第1収容空間SP1は、形象物30が収容される空間である。第2収容空間SP2には、詳細を後述する演出出力部15が設けられる。
【0022】
収容部11のうち第1収容空間SP1を囲む第1領域112は、第1収容空間SP1内に収容された少なくとも1つの形象物30が視認可能なように、例えば透明な樹脂等の光透過性を有する材料により製造される。収容部11のうち第2収容空間SP2を囲む第2領域113は、例えば透明な樹脂等の光透過性を有する材料により製造される。但し、第2領域113は、例えば表面を梨地に加工する等により、第1領域112よりも低い光透過性を有する。
【0023】
収容部11の第1領域112のうちz軸+側の一部には、排出口114が形成される。排出口114からは、ユーザが収容部11を所定の傾きに傾けたことに応じて、第1収容空間SP1内に収容された形象物30が外部の収容容器20に排出される。この場合、ユーザは、動作容器10に設けられた把持部19を把持しながら動作容器10を傾斜させることにより、水平面に対する収容部11を所定の傾きに傾斜させる。
<入力操作部12>
【0024】
入力操作部12は、動作容器10の頂部23(図1図4のz軸+側)に設けられ、ユーザにより押し込み操作可能に構成される。入力操作部12は、ばね121の付勢力によりz軸+側に付勢された通常位置に位置する。入力操作部12が押し込み操作されると、入力操作部12の収容部11側(z軸-側)に設けられた突設部123がスイッチ122に接触し、入力操作部12が押し込み操作されたことを示す操作信号が出力される。押し込み操作が終了すると、入力操作部12はばね121の付勢力により通常位置に戻る。
<駆動部13>
【0025】
駆動部13は、支持部131と、螺旋凹部132と、連結部133とを有する。支持部131は、収容部11の内部の第1収容空間SP1と第2収容空間SP2との境界付近に配置され、第1収容空間SP1に収容される形象物30を支持する。支持部131はz軸+側に形象物30を支持する支持面し、支持面は底面111と非平行な非平面形状に形成されている。非平面形状として、支持部131の支持面にz軸方向の位置(底面111からの距離)が異なる複数の領域が含まれるような湾曲した形状が挙げられる。また、支持部131の支持面には、z軸+側へ向けて突設された突部131aが設けられる。尚、支持部131は、非平面形状に形成された支持面と突部131aとを有しているものに限定されない。支持部131の支持面に突部131aが設けられていなくてもよいし、支持面が非平面形状ではなく底面111と平行であってもよい。
【0026】
支持部131は、例えば樹脂等により製造され、収容部11の第2領域113の光透過性よりも低い光透過性を有する。尚、支持部131が光透過性を有していないことがより好ましい。この場合、支持部131は、例えば金属等の材料から製造されてよい。
【0027】
螺旋凹部132は、入力操作部12の収容部11側の端部から、収容部11の底面111に向けて延伸する。螺旋凹部132は、入力操作部12が押し込み操作されると、押し込み操作の操作量に応じてz軸-側(底面111の方向)に移動し、入力操作部12の押し込み操作が終了すると、z軸+側(頂部23の方向)へ移動する。
【0028】
連結部133は、螺旋凹部132と支持部131とを連結する部材である。連結部133は、支持部131のz軸+側の端部に設けられ、螺旋凹部132と歯合するための開口が形成される。入力操作部12への押し込み操作に応じて螺旋凹部132が移動すると、螺旋凹部132が連結部133の開口を通過することにより、連結部133が回転する。この連結部133の回転に伴って支持部131が回転する。
<挿入口14>
【0029】
図1及び図4(B)に示すように、挿入口14は、動作容器10の頂部23に設けられた開口である。挿入口14は、x軸方向に沿った長辺と、y軸方向に沿った短辺とからなる矩形の開口である。挿入口14を介して、収容部11内に形象物30が挿入される。
【0030】
挿入口14には、第1案内部141と、制限部142とが設けられる。第1案内部141は、形象物30が挿入される際に、形象物30の姿勢を制御して、所定の姿勢(挿入姿勢)のまま形象物30を収容部11内部に案内する部材である。
<第1案内部141>
【0031】
第1案内部141は、開口のy軸-側の長辺を通る、zx平面に平行な案内面143上に設けられる。第1案内部141は、zx平面に平行な板状の部材である。このため、第1案内部141は、案内面143から、案内面143と対向するzx平面に平行な面(不図示)に向けて(すなわち、y方向+側に向けて)突出した突部を形成する。換言すると、第1案内部141は、挿入口14の複数の内周面のうちの1つの面から対向する面に向けて突出した突部であり、挿入口14の内側に向かって突出した突部であると言うこともできる。
【0032】
第1案内部141と、形象物30の溝321とは互いに対応する形状を有する。具体的には、第1案内部141のx軸方向の長さは、上述した形象物30に形成された溝321の第1溝領域321aが有する第2方向に沿った長さよりも短い。第2面32をy軸-側に向けた状態で第1方向に沿って挿入口14から挿入された形象物30は、溝321と第1案内部141のx軸方向の長さとの関係により、第1方向とz軸方向とが略一致した挿入姿勢に制御された状態で、z軸-側へ案内され、収容部11に収容される。
【0033】
また、第1案内部141のx軸方向の長さは、後述する読み取り部16が配置される領域で最も長く、この領域よりもz軸+側においては、z軸+側の端部に近づくにつれて徐々に短くなる。この形状と溝321の第2溝領域321b及び第3溝領域321cの形状とにより、第2面32をy軸-側に向けた状態で第1方向に対して傾斜を有して挿入口14に挿入された形象物30は上記の挿入姿勢に修正される。その結果、形象物30は、挿入姿勢に制御された状態でz軸-側へ案内され、収容部11に収容される。
【0034】
尚、第1案内部141がzx平面上にて上述した形状を有する突部であることにより、形象物30の第2面32をy軸+側に向けた状態では、形象物30を挿入口14の内部に挿入することができない。また、形象物30の第2面32をy軸-側に向けた場合であっても、溝321が形成されていない第2方向に沿って形象物30を挿入口14の内部に挿入することができない。即ち、第1案内部141は、所望の向き以外の向きで挿入口14の内部に進入しようとする形象物30の進入を規制する規制部であるということもできる。
<制限部142>
【0035】
制限部142は、収容部11内に案内される形象物30が挿入口14から排出されることを制限する部材である。制限部142は、第1制限部142aと第2制限部142bとを有する。第1制限部142aは、第1案内部141に対してx軸-側に設けられ、例えばばね等によりx軸+側(挿入口14の内側に向かう方向)に付勢されて第1所定位置に位置する。第2制限部142bは、第1案内部141に対してx軸+側(挿入口14の内側に向かう方向)に設けられ、例えばばね等によりx軸-側に付勢されて第2所定位置に位置する。図4(B)においては、第1制限部142aと第2制限部142bとがそれぞれ第1所定位置と第2所定位置とに位置している場合を示している。
【0036】
第1制限部142a及び第2制限部142bは、板状の部材である。第1制限部142aの底面111側におけるx軸+側の端部は、形象物30の外縁に対応する曲線状に形成されている。第1制限部142aの頂部23側におけるx軸+側の端部は、x軸に対して傾斜を有した直線状に形成される。第2制限部142bは、第1案内部141に対して第1制限部142aと対称な形状を有する。このため、図4(B)に示すように、第1制限部142aと第2制限部12bとの間隔は、z軸+側ほど大きくなる。
【0037】
第1制限部142a及び第2制限部142bがそれぞれ第1所定位置及び第2所定位置に位置すると、挿入口14が有する開口の大きさよりも小さな所定の大きさの開口(通常開口)が設定される。通常開口が設定されているときに形象物30が挿入口14に挿入されると、形象物30は第1制限部142a及び第2制限部142bのz軸+側の直線状の部分に接触する。形象物30が更にz軸-側に移動すると、第1制限部142aと第2制限部142bとの間に挟まれる形象物30の長さ(x方向の長さ)が増加する。このため、第1制限部142aは付勢力に抗して第1所定位置からx軸-側(挿入口14の外側に向かう方向)へ移動され、第2制限部142bは付勢力に抗して第2所定位置からx軸+側(挿入口14の外側に向かう方向)へ移動される。これにより、通常開口よりも広い開口が形成され、形象物30がz軸-側へ挿入されることが可能となる。
【0038】
形象物30が挿入口14内に所定の長さ(形象物30の半径)以上挿入されると、第1制限部142aと第2制限部142bとの間に挟まれる形象物30の長さ(x方向の長さ)が減少する。このため、第1制限部142aは付勢力によりx軸+側(挿入口14の内側に向かう方向)の第1所定位置へ向けて移動され、第2制限部142bは付勢力によりx軸-側(挿入口14の内側に向かう方向)の第2所定位置へ向けて移動される。上述したように、第1制限部142aと第2制限部142bのz軸-側は、形象物30の外縁に対応した曲線が形成されている。第1制限部142a及び第2制限部142bの付勢力による移動と、それそれが有する曲線形状とにより、形象物30にはz軸-方向への力が作用する。すなわち、形象物30が挿入口14内に所定の長さ分挿入されることに応じて、形象物30に収容部11内へ押し込まれる方向の力が付与される。
【0039】
また、第1制限部142aと第2制限部142bとが有する曲線形状により、挿入口14に所定の長さ以上挿入された形象物30をz軸+方向に引き上げようとしても、第1制限部142aと第2制限部142bとにx軸方向に沿って付勢力に抗する力が作用しない。このため、形象物30が通過するための開口が形成されず、挿入口14に所定の長さ以上挿入された形象物30が挿入口14から排出されることが抑制される。また、形象物30が挿入口14を通過すると、第1制限部142aと第2制限部142bとはそれぞれ第1所定位置と第2所定位置とに位置するので、動作容器10を傾ける等の動作を行うことにより、挿入口14から形象物30が排出されることが抑制される。
<演出出力部15>
【0040】
図4(A)に示すように、演出出力部15は、収容部11内の第2収容空間SP2内に設けられ、収容部11内に収容された形象物30の種別に応じて色やパターンの異なる発光と、形象物30の種別に応じた音声とを演出として出力する。演出出力部15は、発光部151と音声出力部152とを有する。発光部151は、例えばLED等の光を射出する発光素子である。音声出力部152は、例えばスピーカーであり、後述する制御部により制御され、記憶部に記憶されている音声情報に基づいた音声や音楽を出力する。尚、演出出力部15は、発光部151及び音声出力部152の何れか1つを有してもよい。
【0041】
演出出力部15が第2収容空間SP2内に設けられていることから、発光部151から出射した光は収容部11のうち透過率の低い第2領域113にて反射、屈折等により拡散する。さらに、上述したように、支持部131は第2領域113の透過率よりも低い透過率を有している。このため、発光部151から出射した光は、第1領域112にて視認されることが防止または抑制され、第2領域113の領域全体に拡散して視認される。
<読み取り部16>
【0042】
読み取り部16は、図4(B)に示すように、挿入口14の形成された第1案内部141で囲まれた領域に配置される。読み取り部16は、形象物30が保持している、形象物30の種別を示す種別情報を読み取り、後述する制御部へ種別情報を出力する。読み取り部16は、形象物30が挿入される方向(挿入方向)と直交する方向(x軸方向)に沿って配列される3個のスイッチ161a,161b,161c(総称する場合にはスイッチ161と呼ぶ)により構成される。形象物30が挿入口14から挿入されてスイッチ161上を通過すると、スイッチ161が形象物30に形成された単位データ部323のマーク33により押下される。マーク33がスイッチ161上を通過した後、スイッチ161は押下された状態から自動的に浮上する。スイッチ161は、押下された際にHighレベルの信号を出力し、浮上した状態ではLowレベルの信号を出力する。尚、スイッチ161から信号が出力されない状態をLowレベル信号とみなしてもよい。
【0043】
例えば、図2(B)に示す形象物30がスイッチ161上を通過すると、スイッチ161aは、単位データ部323fのマーク33の通過に伴い押下されHighレベル信号を出力し、マーク33の通過後に自動的に浮上してLowレベル信号を出力する。さらに、スイッチ161aは、形象物30の通過に伴い、単位データ部323cのマーク33の通過に伴い押下されHighレベル信号を出力し、マーク33の通過後に自動的に浮上してLowレベル信号を出力する。このとき、スイッチ161cは、単位データ部323aのマーク33の通過に伴い押下されHighレベル信号を出力し、マーク33の通過後に自動的に浮上したLowレベル信号を出力する。
【0044】
このように、形象物30の単位データ部323の配置に応じて、スイッチ161から出力せるHighレベル信号とLowレベル信号の組み合わせが異なる。上述したように、単位データ部323の配列が形象物30の種別情報を表していることから、読み取り部16から出力されるHighレベル信号とLowレベル信号との組み合わせが形象物30の種別情報を表す信号(以後、種別信号と呼ぶ)となる。
<動作容器の制御系について>
【0045】
図5は、動作容器10の要部構成を示すブロック図である。動作容器10は、上述した入力操作部12、演出出力部15及び読み取り部16と、記憶部17と、制御部18と、を有する。
【0046】
記憶部17は、例えばROMやRAM等の記憶媒体であり、制御部18が実行する制御プログラム、形象物30が有する種別情報、及び演出出力部15が出力する各種の演出内容に関する演出情報を記憶している。演出情報は、発光部151による発光色や発光パターンを示す発光情報と、音声出力部152による音声や音楽を示す音声情報とを含む。演出情報は、形象物30が有する種別情報と関連付けされて、演出データとして記憶部17に記憶される。
【0047】
記憶部17には、例えば、図3に示すパターンP1に対して、種別(例えば「りんご」)が対応付けされて種別情報として記憶される。種別の「りんご」に対応する音声情報「りんご」と発光情報である赤色とが演出情報として種別情報に関連付けされて演出データとして記憶部17に記憶さる。他のパターンP2~P8についても、それぞれ同様にして、種別情報と演出情報とが関連付けされた演出データが記憶部17に記憶されている。
【0048】
また、記憶部17は、ユーザによる入力操作部12の押し込み操作に応じて音声出力部152から出力する音声に関する音声情報を記憶している。この場合、音声情報として、例えば「いいね」、「上手だね」、「その調子」、「ミックス、ミックス」等の音声が記憶されている。
【0049】
制御部18は、例えば、記憶部17に予め記録されている制御プログラムを読み込んで実行することにより、動作容器10の各部を制御するプロセッサーである。制御部18は、形象物30が挿入口14を通過する際に読み取り部16で読み取られ、出力されたHighレベル信号とLowレベル信号とをスイッチ161の配列に応じて並べデータ列を生成することにより、種別情報を取得する。上述したように、形象物30を挿入する挿入口14に第1案内部141を設け、形象物30の第2面32上に溝321およびデータ部322を設けたことによって、所望の挿入姿勢に制御された状態で形象物が読み取り部16を通過するため、種別情報を表すデータ列を誤って生成することを抑制することができる。
【0050】
種別情報を取得すると、制御部18は、記憶部17に記憶された演出データの中から、取得された種別情報と同一の種別情報と関連付けされた演出情報を読み出す。制御部18は、読み出した演出情報に従った演出を指示する演出指示信号を演出出力部15へ出力し、演出出力部15に読み取り部16により読み取られた種別情報と関連付けされた演出情報に対応する演出を出力させる。
【0051】
また、制御部18は、入力操作部12の操作に応じてスイッチ122から出力された操作信号を入力すると、ユーザによる入力操作部12の押し込み操作が行われたことを検出する。そして、制御部18は、記憶部17に記憶された音声情報を読み出して、音声情報に従った演出を指示する演出指示信号を演出出力部15へ出力し、音声出力部152から音声を出力させる。
<動作容器10の動作について>
【0052】
図6に示すフローチャートを参照して、動作容器10が行う動作について説明する。フローチャートに示す各処理は、制御部18が記憶部17に記憶されたプログラムを読み出し、そのプログラムを実行することにより行われる。図6に示すフローチャートは、不図示の起動スイッチが操作されると開始される。
【0053】
ステップS1では、制御部18は、起動時の演出出力を行わせるための起動演出指示信号を演出出力部15へ出力する。起動時の演出出力として、音声出力部152は「いっしょに遊ぼう」等の所定のメッセージ(起動メッセージ)を音声にて出力する。その後、処理はステップS2へ進む。
【0054】
ステップS2では、制御部18は、音声の出力を指示する音声出力指示信号を演出出力部15へ出力する。音声出力指示信号に応じて、音声出力部152は、ユーザに形象物30の収容部11への投入を促す「フルーツやお野菜を入れてね」等のメッセージ(催促メッセージ)を音声にて出力する。尚、制御部18は、10秒後及び20秒後にも音声出力部152から同一の催促メッセージを出力させる。その後、処理はステップS3へ進む。
【0055】
ステップS3では、制御部18は、形象物30が収容部11に収容されたか否かを判定する。読み取り部16からHighレベル信号及びLowレベル信号が出力された場合、制御部18は形象物30が収容部11に収容されたと判定(肯定判定)し、処理はステップS4へ進む。読み取り部16からHighレベル信号もLowレベル信号も出力されない場合、制御部18は形象物30が収容部11に収容されていないと判定(否定判定)し、処理は後述するステップS6へ進む。
【0056】
ステップS4では、制御部18は、読み取り部16により読み取られた種別情報に関連付けされた演出情報を記憶部17から読み出す。そして、制御部18は、演出指示信号を演出出力部15に出力し、演出出力部15に演出情報の演出を出力させる。この場合、発光部151は、挿入口14を通過した形象物30の種別に関連付けされた発光色にて発光する。音声出力部152は、形象物30の種別を音声にて出力する。この場合、形象物30の種別が「オレンジ」の場合は、音声出力部152は「オレンジ」の音声を出力し、形象物30の種別が「にんじん」の場合は、音声出力部152は「にんじん」の音声を出力する。
【0057】
そして、制御部18は、読み取り部16により読み取られた種別情報に基づいて、挿入口14から収容部11内に収容された形象物30の種別を挿入種別情報として記憶部17に記憶する。その後、処理はステップS5へ進む。
【0058】
ステップS5においては、制御部18は、入力操作部12の押し込み操作が行われたか否かを判定する。押し込み操作に応じてスイッチ122が操作信号を出力した場合は、制御部18は、押し込み操作が行われたと判定(肯定判定)し、処理は後述するステップS9へ進む。スイッチ122が操作信号を出力しない場合は、制御部18は、押し込み操作が行われていないと判定(否定判定)し、処理はステップS3へ戻る。
【0059】
ステップS3にて否定判定されて進んだステップS6においては、制御部18は、ステップS2の音声が出力されてから2分が経過したか否かを判定する。2分経過していない場合には、制御部18は否定判定を行い、処理はステップS3へ戻る。2分経過した場合には、制御部18は肯定判定を行い、処理はステップS7へ進む。ステップS7では、制御部18は、音声出力部152に例えば「ばいばーい」等のメッセージを音声にて出力させ、処理はステップS8へ進む。ステップS8では、制御部18は、動作容器10の動作をスリープモードに設定し、処理を終了する。
【0060】
尚、上述したステップS3~S5の処理の際中であっても、ステップS2にて音声が出力されてから10秒経過後及び20秒経過後のタイミングにて、音声出力部152は、ステップS2で出力した催促メッセージを音声にて出力する。
【0061】
ステップS5が肯定判定された進んだステップS9では、制御部18は演出出力部15に演出指示信号を出力する。演出指示信号に応じて、音声出力部152は、予め記憶部17に記憶されている複数曲(例えば3曲)の音楽を出力する。尚、音声出力部152は、複数曲の音楽のうち所定の出力順序に従って音楽を出力するが、どの曲から出力を開始してもよい。
【0062】
また、発光部151は、収容部11に収容された形象物30が保持する種別情報に関連付けされた発光色にて発光する。このとき、収容部11に収容された形象物30の種別が3種以下の場合には、発光部151は形象物30が保持する種別情報に関連付けされた発光色を順番に発光する。また、収容部11に収容された形象物30の種別が所定の数以上(例えば、4種以上)の場合には、発光部151は、例えば7色の発光色をグラデーションをつけて発光するようにしてもよい。
【0063】
ステップS5にて行われた押し込み操作に応じて、上述した駆動部13の支持部131の回転運動により収容部11内の形象物30が第1収容空間SP1内で動かされる。支持部131が有する上述した非平面形状と突部131aとにより、回転運動する支持部131の上部で形象物30が収容部11内で跳ねる(上下に動く)ような運動をする。この結果、ユーザが入力操作部12に対して押し込み操作を行うことにより、複数の形象物30を撹拌しミックスジュースを生成する過程を模すことが可能となっている。すなわち、演出出力部15による上記の演出(音楽の再生と発光)が出力されている間に、駆動部13によって形象物30が少なくとも一回動かされる。
【0064】
このとき、上述したように、発光部151から出射した光は、第1領域112にて視認が抑制され、第2領域113の領域全体に拡散して視認される。第2領域113にて発光部151から出射した光が拡散して視認されることにより、動作容器10は、押し込み操作により撹拌されて生成されたジュース等の飲み物が収容部11の底面111に溜まっている状態を模すことができる。また、上述したように、第2領域113の表面は梨地に加工する等の処置がなされている。このため、生成されたジュース等の飲み物により冷やされた容器の表面に水滴が付着しているような状態を模すことができる。その後、処理はステップS10へ進む。
【0065】
ステップS10では、ステップS5と同様に、制御部18は、押し込み操作が行われたか否かを判定する。スイッチ122が操作信号を出力した場合は、制御部18は、押し込み操作が行われたと判定(肯定判定)し、処理はステップS11へ進む。
【0066】
ステップS11では、制御部18は、音声出力部152に、記憶部17に記憶された音声情報である「いいね」、「上手だね」、「その調子」、「ミックス、ミックス」等のメッセージ(応援メッセージ)を出力させる。このとき、音声出力部152は、上記の複数の応援メッセージを順不同で出力するが、同一の応援メッセージを連続して出力しない。尚、ステップS10での入力操作部12の押し込み操作に応じて駆動部13が駆動することにより、収容部11内の形象物30が動く。その後、処理はステップS12へ進む。
【0067】
ステップS10にて、スイッチ122が操作信号を出力しない場合は、制御部18は、押し込み操作が行われていないと判定(否定判定)し、処理はステップS12へ進む。
【0068】
ステップS12では、制御部18は、ステップS9にて音声出力部152が開始した複数曲の音楽の出力が終了したか否かを判定する。音楽の出力が終了した場合には、制御部18は肯定判定を行い、処理はステップS13へ進む。音楽の出力が終了していない場合には、制御部18は否定判定を行い、処理はステップS9へ戻る。
【0069】
ステップS13では、制御部18は、音声出力部152にミックスジュースができあがったことを知らせるメッセージ(完了メッセージ)を音声にて出力させる。このとき、収容部11に収容された形象物30の種別が3種類以下の場合には、音声出力部152は、記憶部17に記憶された挿入種別情報に基づいた種別の名称を完了メッセージに含ませて出力する。例えば、種別が「オレンジ」、「いちご」、「バナナ」の場合には、音声出力部152は、「オレンジ、いちご、バナナ、ジュースのできあがり」等の完了メッセージを音声にて出力する。収容部11の収容された形象物30の種別が所定の数以上(例えば、4種類以上)の場合には、音声出力部152は、「スペシャルミックスジュースのできあがり」等の完了メッセージを音声にて出力する。尚、収容部11に収容された3個の形象物30のうち、同一の種別の形象物30が2個含まれる(例えば、種別が「バナナ」、「バナナ」、「いちご」)場合には、音声出力部152は、「バナナ、いちごジュースのできあがり」の完了メッセージを音声にて出力してもよい。また、同一の種別の複数の形象物30が収容部11に収容されている場合には、音声出力部152は、「スペシャルミックスジュースのできあがり」の完了メッセージを音声にて出力する。その後、処理はステップS14へ進む。
【0070】
ステップS14では、制御部18は、音声出力部152に、例えば「コップに注いで、召し上がれ」等のメッセージ(盛り付けメッセージ)を音声にて出力させる。これにより、ユーザに対して、動作容器10の把持部19を掴んで動作容器10を傾けて、排出口114から収容部11内の形象物30を排出させ、収容容器20に収容させることを促すことができる。その後、処理はステップS15へ進む。
【0071】
ステップS15では、制御部18は、ステップS14で盛り付けメッセージが出力されてから0.5秒経過後に、記憶部17に記憶された音声情報に基づいて、音声出力部152に例えば「シャララン」等の効果音を出力させる。その後、処理はステップS16へ進む。ステップS16では、制御部18は、ステップS15で効果音が出力されてから0.5秒経過後に、例えば「とってもおいしそうだね」等のメッセージを音声にて出力させる。この場合、例えば挿入した形象物30の種別情報に、特定の種別である「にんじん」又は「ほうれんそう」などのやさいに相当する形象物30の種別情報が含まれていると制御部18が判断した場合には、特定の種別に応じた特別演出として音声出力部152は「お野菜も入っておいしそうだね」等のメッセージを音声にて出力することができる。その後、処理は、ステップS17へ進む。
【0072】
ステップS17は、制御部18は、ステップS16でメッセージが出力されてから所定の時間(例えば、5秒)経過後に、発光部151に、ステップS9で開始した発光を終了させる。その後、処理は、ステップS18へ進む。
【0073】
ステップS18では、制御部18は、ユーザにより起動スイッチ(不図示)にて終了操作が行われたか否かを判定する。終了操作が行われていない場合には、制御部18は否定判定を行い、処理はステップS2へ戻る。終了操作が行われた場合には、制御部18は肯定判定を行い、処理を終了する。
以上で説明した実施の形態によれば、以下の作用効果が得られる。
【0074】
(1)ミキサー玩具1の動作容器10では、演出出力部15は読み取り部16により読み取られた形象物30の種別情報と関連付けされた演出情報に基づく演出を出力する。収容部11に収容された形象物30は、演出出力部15により演出が出力されている間に、駆動部13によって少なくとも一回動かされる。これにより、演出出力部15により出力される演出に加えて、収容部11内にて形象物30が跳ねる、転がる等のあたかも撹拌されているかのような動きをするので、ミキサー玩具1の興趣性を向上させることができる。
【0075】
(2)駆動部13は、入力操作部12に対して押し込み操作が行われることに応じて形象物30を動かす。これにより、ユーザが自身の操作により形象物30を撹拌しているように感じることができ、ミキサー玩具1の興趣性を向上させることができる。
【0076】
(3)駆動部13は、押し込み操作が行われることに応じて、収容部11内で形象物30を支持する支持部131を駆動する。これにより、ユーザの入力操作部12の操作により、収容部11内の形象物30を動かすことが可能となる。
【0077】
(4)支持部131は、非平面形状及び突起の少なくとも一方を有する。これにより、収容部11内の形象物30が跳ねたり転がったりの上下運動がしやすくなり、ユーザは形象物30を撹拌しているという印象を得やすくなる。
【0078】
(5)演出出力部15は、挿入口14から収容部11内に収容された少なくとも1個の形象物30の種別情報が読み取り部16により読み取られ、かつ、押し込み操作が行われると、演出を出力する。これにより、ユーザの入力操作部12の操作により演出が開始されるので、ミキサー玩具1の興趣性が向上される。
【0079】
(6)収容部11のうち第2収容空間SP2を囲む第2領域113は、第1収容空間SP1を囲む第1領域112よりも低い光透過性を有する。これにより、第1収容空間SP1内に収容された形象物30が入力操作部12の押し込み操作に応じて動いている状態を外部から視認することができ、ミキサー玩具1の興趣性を向上させることができる。また、第2収容空間SP2の演出出力部15の発光部から出射した光は第2領域113にて屈折、反射等により、外部からは第2収容空間SP2の全域に拡散しているように視認される。このため、撹拌により生成されたジュースが収容部11の底面111側に溜まって様子を模すことができ、興趣性を向上させることができる。
【0080】
(7)支持部131は、収容部11内において、第1領域112と第2領域113との境界近傍に設けられ、支持部131は第2領域113よりも低い光透過性を有する。このため、演出出力部15の発光部から出射した光が第1収容空間SP1に透過することを抑制できる。
【0081】
(8)収容部11は、収容部11を所定の傾きに傾けたことに応じて収容された形象物30を外部に排出する排出口114を有する。これにより、実際に作成したミックスジュースを容器に注ぐ動作を擬似的に体験できるので、ミキサー玩具1の興趣性が向上する。
【0082】
(9)読み取り部16は挿入口14に設けられる。これにより、形象物30が挿入される際に、その形象物30の種別情報を確実に取得することができる。
【0083】
(10)挿入口14は、形象物30の挿入する姿勢を制御して収容部11内に案内する第1案内部141を有する。これにより、形象物30のデータ部322に形成されたマーク33を誤りなく読み取ることができるので、種別情報の取得精度を向上させることができる。
【0084】
(11)第1案内部141は、挿入口14の内側に向かって突出する。これにより、簡易な構造にて、形象物30はその姿勢が制御された状態で収容部11の内部に挿入することが可能となる。
【0085】
(12)挿入口14は、収容部11内に案内される形象物30が挿入口14から排出されることを制限する制限部142を有する。具体的には、制限部142は、形象物30が挿入口14内に所定の長さ分挿入されたことに応じて、当該形象物30に収容部11内へ押し込まれる方向の力を付与する。これにより、簡単な構成により、挿入口14に途中まで挿入された形象物30が外部に引き出されるといった誤った動作が行われることを抑制することができる。
【0086】
(13)形象物30は、挿入口14が有する第1案内部141と対応する溝形状の第2案内部である溝321を有する。これにより、簡単な構造により、形象物30が挿入方向以外の方向に沿って挿入されることを防ぐことができる。
【0087】
(14)ミキサー玩具1は、収容部11から排出された形象物30を収容する収容容器20を有する。この収容容器20は、容器部21に着脱可能な蓋部22を有する。蓋部22は、形象物30が装着される装着部221を有する。これにより、実際に作成し容器に注がれたミックスジュースを提供するような動作を擬似的に体験できると同時に、作成したミックスジュースに含まれる形象物を視認可能にかつ装飾的に取り付けできるので、ミキサー玩具1の興趣性が向上する。
【0088】
上記では、種々の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
1…ミキサー玩具、10…動作容器、11…収容部、12…入力操作部、13…駆動部、14…挿入口、15…演出出力部、16…読み取り部、17…記憶部、18…制御部、20…収容容器、21…容器部、22…蓋部、30…形象物、33…マーク、112…第1領域、113…第2領域、114…排出口、131…支持部、131a…突部、141…第1案内部、142…制限部、142a…第1制限部、142b…第2制限部、151…発光部、152…音声出力部、161,161a,161b,161c…スイッチ、221…装着部、321…溝、321a…第1溝領域、321b…第2溝領域、321c…第3溝領域、322…データ部、SP1…第1収容空間、SP2…第2収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6