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特許7295935埋込み活性化p-(AL,IN)GAN層
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】埋込み活性化p-(AL,IN)GAN層
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20230614BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20230614BHJP
   H01S 5/343 20060101ALI20230614BHJP
   H01S 5/323 20060101ALI20230614BHJP
   H01L 31/0735 20120101ALI20230614BHJP
   H01L 31/076 20120101ALI20230614BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L33/32
H01S5/343 610
H01S5/323 610
H01L31/06 430
H01L31/06 510
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021214049
(22)【出願日】2021-12-28
(62)【分割の表示】P 2020544579の分割
【原出願日】2018-11-06
(65)【公開番号】P2022040180
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】2017904517
(32)【優先日】2017-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】511198092
【氏名又は名称】ガリウム エンタープライジズ プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マン、イアン
(72)【発明者】
【氏名】バリク、サトヤナラヤン
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、ジョシュア デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ダニュー
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特許第7003282(JP,B2)
【文献】特開2008-226906(JP,A)
【文献】特開2009-044149(JP,A)
【文献】特開2015-162631(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143653(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 33/32
H01S 5/343
H01S 5/323
H01L 31/0735
H01L 31/076
H01L 29/06
H01L 29/205
H01L 33/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を製造する方法であって、
(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物に曝露して、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、前記ガス混合物はHの分圧が760Torr未満であること、及び
(b) 、NH 、又はそれらの組合せを含む環境であって、H の分圧が0.1Torr~300Torrである環境で、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させて、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供すること
を含む、方法。
【請求項2】
(b)前記n-(Al,In)GaN層を成長させることが、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(b)前記n-(Al,In)GaN層を成長させることが、Nの分圧がHの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程(b)が、
(b1)Nの分圧がHの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に第1のn-(Al,In)GaN層を成長させること、及び
(b2)RPCVDによって、第1のn-(Al,In)GaN層の上に第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(b)が、
(b1)Nの分圧がHの分圧より大きい環境で、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に(Al,In)GaN層を成長させること、及び
(b2)RPCVDによって、前記(Al,In)GaN層の上にn-(Al,In)GaN層を成長させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
工程(a)において、前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を曝露することは、Nプラズマに曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
他のいかなる工程の介入なしに、工程(b)が工程(a)の後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
曝露することが、前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を300Torr未満のH分圧および700℃超の温度に曝すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程(a)において、Hの分圧が1Torr~300Torrである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
工程(a)が、H、NH、又はそれらの組合せを含む第2のガス混合物を用いてマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を成長させて、マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、前記ガス混合物はHの分圧が760Torr未満であることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を製造する方法であって、
(a)H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物を用いてマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を成長させることであって、前記ガス混合物はHの分圧が760Torr未満であること、及び
(b) 、NH 、又はそれらの組合せを含む環境であって、H の分圧が0.1Torr~300Torrである環境で、前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させて、埋込み活性化マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供すること
を含む、方法。
【請求項12】
工程(b)の前記n-(Al,In)GaN層を成長させることが、Nの分圧がHの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させることからなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(b)の前記n-(Al,In)GaN層を成長させることが、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させることからなる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
工程(b)が、
(b1)Nの分圧がHの分圧より大きい環境で、前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に(Al,In)GaN層を成長させること、及び
(b2)RPCVDによって、前記(Al,In)GaN層の上にn-(Al,In)GaN層を成長させることを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年11月7日に出願されたオーストラリア特許仮出願第2017904517号の35USC第119条(e)に基づく利益を主張し、その全体が参照により組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、活性化されたp-(Al,In)GaN層を組み込んだ半導体デバイスを成長させる方法に関し、低水素又は水素を含まない環境での別の活性化工程を使用せずに、p-(Al,In)GaN層をH及び/又はNHのガス組成物に曝露して活性化p-(Al,In)GaN層を有する半導体構造を提供することを含む。この方法を使用して、電子デバイスに組み込むことができる埋込み活性化n/p-(Al,In)GaNトンネル接合を製造できる。
【背景技術】
【0003】
MOCVD成長p-(Al,In)GaNはMg-H複合体を形成し、これが、伝導に利用できる自由正孔の数を減らし、それによってp-(Al,In)GaN層の抵抗率を高める。堆積キャリアガスにHが含まれていない場合でも、NHの解離によりMg-H複合体が形成されるのに十分なHが提供されるため、MOCVD成長中はp-(Al,In)GaN層への水素の導入は回避できない。
【0004】
不動態化p-(Al,In)GaN層が形成された後、Hを含まない環境、例えばN及び/又はO環境においてp-(Al,In)GaN層をサーマルアニーリングすることにより、Mg-H複合体を除去できる。アニーリングプロセスでは、Mg-H結合が切断され、p-(Al,In)GaN層からHが除去され、結果として抵抗率が低下する。抵抗率を低下させるために不動態化p-(Al,In)GaN層を調整するプロセスは、p-(Al,In)GaN層の活性化と呼ばれ、結果として生じるp-(Al,In)GaN層は活性化p-(Al,In)GaN層と呼ばれる。
【0005】
活性化p-(Al,In)GaN層をH及びNH環境に再曝露すると、Mg-H複合体が再形成され、したがってp-(Al,In)GaN層が再不動態化される可能性がある。
【0006】
一般に、不動態化p-(Al,In)GaN層上に上層半導体層、例えばn-(Al,In)GaN層が堆積された後、不動態化p-(Al,In)GaN層を活性化することはできない。Hは上層n-(Al,In)GaN層を介して垂直に拡散できないため、Hを含まない環境において高温でアニーリングする場合、埋込みp-(Al,In)GaN層を熱的に活性化できない。
【0007】
埋込み不動態化p-(Al,In)GaN層を活性化するには、半導体構造にトレンチをエッチングして、埋込みp-(Al,In)GaN層のエッジを曝露させ、Hが横方向に拡散してアニーリング工程中にトレンチの側壁から逃れる能力を向上させることができる。
【0008】
代替的に、活性化p-(Al,In)GaN層は、成長プロセス中にHが存在しない特定の半導体成長方法を使用して直接成長させることができる。例えば、H分圧が低い分子線エピタキシー(MBE)を使用して、高品質の活性化p-(Al,In)GaN層を成長させることができる。しかしながら、活性化p-(Al,In)GaN層は、高温でHに曝される場合、例えば、半導体層をより高い成長圧力で活性化p-(Al,In)GaN層上に成長させる場合、不動態化される可能性がある。これは、例えば、活性化p-(Al,In)GaN層が半導体デバイスの一部であり、キャリアガスとしてH及び/又はNHを採用するMOCVDを使用して、その後堆積される半導体層が成長する場合に生じる可能性がある。これらの理由により、p-(Al,In)GaN層の真上の半導体層は、有機金属化学気相堆積法(MOCVD)を使用して成長させる場合、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を組み込んだ半導体構造を成長させることは不可能であった。
【0009】
これはRFMBE及びおそらくNH分子線エピタキシー(MBE)を使用して達成できるが、超高真空(UHV)の複雑さ及びスケーリングの難しさのため、これらの成長方法を使用することは望ましくない。
【0010】
半導体はRPCVDを使用してHを含まない環境で成長できるため、基本的には、RPCVDを使用して、下層の活性化p-(Al,In)GaN層を不動態化せずに活性化p-(Al,In)GaN層をオーバーグローできるはずである。ただし、p-(Al,In)GaN及びn-(Al,In)GaN層を含むRPCVDを使用して主にHを含まない環境で成長した半導体層は、H及びNHの存在下で成長したものと比較して品質が劣り、結果として実行可能なデバイスは、H及びNHを使用せずにRPCVDを使用して容易に成長させることはできないことが示されている。高品質の層を達成するためにRPCVDによる半導体層の成長中に必要なH及びNHのレベルは、以前に活性化されたp-(Al,In)GaN層を不動態化するのに十分であることも示されている。
【0011】
したがって、活性化p-(Al,In)GaN層の上にある半導体層は、RPCVDを使用するなどしてHを含まない環境で成長させることができ、p-(Al,In)GaNの活性化状態を保持することが期待できるが、成長条件によって上層半導体層の品質が低下し、デバイスの性能に悪影響を及ぼす。対照的に、RPCVD成長中に十分な量のH及びNHを使用することにより、上層の品質を向上させることができる。ただし、最高の品質を達成するために必要なH及びNHのレベルは、この場合、下層p-(Al,In)GaN層を不動態化すると予想される。したがって、最適化されたRPCVDプロセスを使用して上層を成長させた埋込みp-(Al,In)GaN層を含む任意のデバイスでは、埋込みp-(Al,In)GaNが完全に活性化されないことが予想される。
【0012】
埋込み不動態化p-(Al,In)GaN層を再活性化するために製造後工程を行う必要がなく、下層のp-(Al,In)GaN層を不動態化せずに、活性化p-(Al,In)GaN層を覆う半導体層を、例えばMOCVDを使用して高H環境で成長させることができる半導体成長プロセスがあることが望ましい。
【発明の概要】
【0013】
本発明によれば、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を製造する方法は、(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物に曝露し、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、このガス混合物はHの分圧が760Torr未満であること、及び(b)曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層をH、NH、又はそれらの組合せを含む環境で成長させて、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供することを含む。
【0014】
本発明によれば、半導体デバイスは、本発明による方法によって製造された半導体構造を含む。
【0015】
本発明によれば、n/p-(Al,In)GaNトンネル接合は、本発明による方法によって製造された半導体構造を含む。
【0016】
本発明によれば、半導体デバイスは、本発明によるトンネル接合を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に記載されている図面は、説明のみを目的としている。図面は、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0018】
図1図1は、発光ダイオード(LED)などの単純な半導体構造を形成する層の概略図である。
【0019】
図2A図2A~2Fは、本発明に従って形成され得るいくつかの代表的な半導体構造の概略図である。
図2B図2A~2Fは、本発明に従って形成され得るいくつかの代表的な半導体構造の概略図である。
図2C図2A~2Fは、本発明に従って形成され得るいくつかの代表的な半導体構造の概略図である。
図2D図2A~2Fは、本発明に従って形成され得るいくつかの代表的な半導体構造の概略図である。
図2E図2A~2Fは、本発明に従って形成され得るいくつかの代表的な半導体構造の概略図である。
図2F図2A~2Fは、本発明に従って形成され得るいくつかの代表的な半導体構造の概略図である。
【0020】
図3A図3A~3Cは、本発明の手法の利点を示すためにエレクトロルミネセンス法を使用して試験された、n-InGaNキャップを使用するいくつかの半導体構造の概略図を示す。
図3B図3A~3Cは、本発明の手法の利点を示すためにエレクトロルミネセンス法を使用して試験された、n-InGaNキャップを使用するいくつかの半導体構造の概略図を示す。
図3C図3A~3Cは、本発明の手法の利点を示すためにエレクトロルミネセンス法を使用して試験された、n-InGaNキャップを使用するいくつかの半導体構造の概略図を示す。
【0021】
図4A図4A~4は、本発明の手法3の利点を示すためにエレクトロルミネセンス法を使用して試験された、n-InGaNキャップなしのいくつかの半導体構造の概略図を示す。
図4B図4A~4は、本発明の手法3の利点を示すためにエレクトロルミネセンス法を使用して試験された、n-InGaNキャップなしのいくつかの半導体構造の概略図を示す。
図4C図4A~4は、本発明の手法3の利点を示すためにエレクトロルミネセンス法を使用して試験された、n-InGaNキャップなしのいくつかの半導体構造の概略図を示す。
【0022】
図5A図5A~5Dは、n-InGaNキャップを有する、図3A図3Cに表される構造の試験の結果のグラフ表示を示し、実線は、図3Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、鎖線(broken line)は、図3Bに示されるMOCVD完成構造に関連し、破線は、図3Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
図5B図5A~5Dは、n-InGaNキャップを有する、図3A図3Cに表される構造の試験の結果のグラフ表示を示し、実線は、図3Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、鎖線は、図3Bに示されるMOCVD完成構造に関連し、破線は、図3Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
図5C図5A~5Dは、n-InGaNキャップを有する、図3A図3Cに表される構造の試験の結果のグラフ表示を示し、実線は、図3Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、鎖線は、図3Bに示されるMOCVD完成構造に関連し、破線は、図3Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
図5D図5A~5Dは、n-InGaNキャップを有する、図3A図3Cに表される構造の試験の結果のグラフ表示を示し、実線は、図3Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、鎖線は、図3Bに示されるMOCVD完成構造に関連し、破線は、図3Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
【0023】
図6A図6A~6Dは、n-InGaNキャップなしで、図4A図4Cに表される構造の試験結果のグラフ表示を示し、実線は、図4Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、破線は、図4Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
図6B図6A~6Dは、n-InGaNキャップなしで、図4A図4Cに表される構造の試験結果のグラフ表示を示し、実線は、図4Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、破線は、図4Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
図6C図6A~6Dは、n-InGaNキャップなしで、図4A図4Cに表される構造の試験結果のグラフ表示を示し、実線は、図4Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、破線は、図4Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
図6D図6A~6Dは、n-InGaNキャップなしで、図4A図4Cに表される構造の試験結果のグラフ表示を示し、実線は、図4Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、破線は、図4Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
【0024】
図7図7は、本発明の方法に従って成長した代表的な構造を示す。
【0025】
図8図8は、市販のLEDの半導体構造の一例を示す。
【0026】
図9図9は、本開示により提供される、上層に埋め込まれた活性化n/p-GaNトンネル接合を有する市販のLEDの半導体構造の一例を示す。
【0027】
図10図10は、図9に示されるn/p-GaNトンネル接合のJV曲線を示す。
【0028】
図11図11は、本開示によって提供される埋込み活性化n/p-GaNトンネル接合の一例の概略図を示す。
【0029】
図12A図12Aは、NH:N環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含むITO層を有する市販の完全LEDのIV曲線を示す。
【0030】
図12B図12Bは、NH:N環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含むITO層を有する市販の部分LED上の1TS p-GaNのIV曲線を示す。
【0031】
図13A図13Aは、NH:H環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含む、ITO層を有する市販の完全LEDのIV曲線を示す。
【0032】
図13B図13Bは、NH:H環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含むITO層を有する市販の部分LED上の1TS p-GaNのIV曲線を示す。
【0033】
図14A図14Aは、N環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含むITO層を有する市販の完全LEDのIV曲線を示す。
【0034】
図14B図14Bは、N環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含むITO層を有する市販の部分LED上の1TS p-GaNのIV曲線を示す。
【0035】
図15図15は、NH:H環境への曝露を含む、上層n-pGaNトンネル接合を含む場合及び含まない場合の多重量子井戸(MQW)LEDの入力電流の関数としてのLOPを示す。デバイスは、図13A及び図13Bで言及されたものと同様である。
【0036】
図16A図16Aおよび16Bは、それぞれ、図13A及び図13BのオーバーグローさせたMQW LEDのエレクトロルミネセンス画像を示す。
図16B図16Aおよび16Bは、それぞれ、図13A及び13BのオーバーグローさせたMQW LEDのエレクトロルミネセンス画像を示す。
【0037】
図17図17は、様々なトンネル接合処理条件及び対応するデバイス特性を示す表(表4)である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の詳細な説明の趣旨上、本開示によって提供される実施形態は、明示的に反対に指定されている場合を除いて、様々な代替の変形及び工程順序を想定し得ることが理解されるべきである。さらに、任意の操作例及び他の指示がある場合を除き、例えば明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量を表すすべての数字は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、反対のことが示されていない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られるべき所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして及び通常の丸め技術(ordinary rounding technique)を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
【0039】
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかし、いずれの数値も、それぞれの試験測定に見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本質的に含む。
【0040】
また、本明細書に列挙された任意の数値範囲は、そこに包含されるすべての下位範囲を含むことが意図されることが理解されるべきである。例えば、「1~10」の範囲は、1の記載された最小値と、10の記載された最大値との間の(及びそれらを含む)すべての部分範囲を含むように意図されており、すなわち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有する。
【0041】
ここで、特定の方法及び半導体デバイスを参照する。開示された方法及び半導体デバイスは、特許請求の範囲を限定することを意図していない。反対に、特許請求の範囲は、すべての代替、変更及び等価物を包含することが意図されている。
【0042】
窒化ガリウム(GaN)膜などの金属又はメタロイド含有膜を含む半導体構造は、発光ダイオード(LED)から紫外線検出器、トランジスタデバイスまで、様々なデバイスに用途がある。これらの膜は、一般に分子線エピタキシー(MBE)、有機金属化学気相堆積(MOCVD)、リモートプラズマ増強化学気相堆積(RPECVD又はRPCVD)を含む技術で製造される。
【0043】
MOCVDは、高品質のLEDなどを製造するために広く使用されているプロセスであるが、MOCVDは高温及び大量のNHの使用に依存する。これは、例えばn型GaNの成長には特に問題ではない場合もあるが、NHの熱分解により存在する水素がアクセプタドーパントと複合体を形成し、自由キャリア濃度を低減し、層の抵抗率を増加させるため、p型GaNなどのp型層を成長させる場合には課題が生じる可能性がある。
【0044】
図1は、そのようなデバイス、例えばLED100の基本的な例を示す。LED100は、サファイア又は他の一般的に使用される基板材料であり得る基板層110を含む。基板層110上に成長したバッファ層120が存在し得、基板層110から離れる方向に移動するエピタキシャル成長における欠陥を低減することにより、デバイスの構造品質を達成するのを助ける。バッファ層120は、オーバーグローさせる層の性質に依存して、適宜、AlGaN又は他の半導体材料であるが、例えばGaNから形成されてもよい。
【0045】
バッファ層120の上には、例えばシリコンでドープされていてもよいn-GaN層130がある。n-GaN層130は、通常、MOCVDを使用して高温条件下で成長させる。
【0046】
次に、デバイス100は、1つ以上のInGaN層によって形成された活性層140を有する。活性層140は、量子井戸(QW)を含み得るか、又は多重量子井戸(MQW)構造を形成し得、光生成に関与する。
【0047】
図1に示す例では、次の層はp-GaN層150である。p型層を達成するには、マグネシウムなどのアクセプタ原子をドープする必要がある。MOCVDを使用するそのようなp型層150の成長中、エピタキシャルp型層は、NHの熱分解及びさらにMOCVDプロセスで通常使用されるHの存在により、構造内に水素が存在する。デバイスを冷却すると、この水素はp型層のマグネシウム原子に結合して不動態化することが知られている。これは、マグネシウム原子が有効なアクセプタ原子として機能するのを防ぎ、結果として高抵抗層をもたらす。
【0048】
この問題に対処するために、サーマルアニーリングを含む様々な解決策が提案されているが、p-GaN層を少なくとも一時的に再活性化することは可能であるけれども、p-GaNは、水素を含まない環境を維持できない限り、冷却時に再び不動態化される。
【0049】
図1にn-GaN層160として示されているように、n型層などのこのp型層の上にさらなる半導体層が成長する場合、特定の課題が生じる。この層をMOCVD条件下で成長させる場合、p-GaN層がある水素含有量を有する。n-GaN層160が完成し、デバイスが冷却されると、既に存在するこの水素は、議論したように、マグネシウムアクセプタ原子と複合体を形成する。ここでの追加の問題は、n-GaN層160がp-GaN層150内の水素を効果的に捕捉するように機能するため、デバイスが水素を含まない環境下で冷却されても、既に捕捉された水素は逃れることができないことである。後続の高温処理によってMg-H複合体が一時的に解離する可能性があるが、水素は埋込みp-GaN層150から垂直に逃れることができないため、複合体は冷却時に常に再形成され、したがってデバイスはこの埋込みp-GaN層150の高抵抗によって本質的に制限される。
【0050】
この問題に対する1つの解決策は、上部のn型層のエッチングを示唆する米国特許第6,537,838号明細書に提案されている。これにより、p型層の側面が環境に曝露されるトレンチが生じる。これにより、後続のアニーリング工程を使用して、p型GaN層の曝露面からの水素移動を促進できる。これにより、トレンチ間の埋込みp-GaN層の局所的な活性化が達成される可能性があるが、埋込みp-GaN層を、p型GaN層の曝露側面に水素が侵入し得る水素環境にさらに曝露させないように保護するという問題は明らかに解決していない。したがって、そのような構造が追加のMOCVD成長条件に曝露される場合は、予防策を講じる必要がある。これはまた、p型GaN層の抵抗率を下げ得る一方で、p型GaN層の一部及びオーバーグローさせたn型層を除去してトレンチを作成する必要があるという点で妥協のようなものである。
【0051】
したがって、実質的に活性化された状態にある間、H又はNH及びH環境において、特に直接隣接する又は後続のn型層で、埋込みp型GaN層をオーバーグローできる手法を提供することが望ましい。
【0052】
第1の態様では、それが唯一又は実際に最も広い形態である必要はないが、本発明は、p型III族窒化物半導体層上にn型III族窒化物半導体層を成長させる方法にあり、p型III族窒化物半導体層を水素環境で成長させるが、p型III族窒化物半導体層をV族プラズマ、III族試薬、及びn型ドーパント試薬に曝露する工程、及びn型III族窒化物半導体層を0.1~760Torrの圧力で成長させることにより、n型III族窒化物半導体層をp型III族窒化物半導体層の上に成長させることができる工程を含む。
【0053】
実施形態では、水素環境で成長させるp型III族窒化物半導体層は、MOCVD条件下で少なくとも部分的に成長させることができる。前述のように、MOCVDは水素が豊富な環境での成長を伴うため、結果として成長したままのp型層には水素が取り込まれる。p型III族窒化物半導体層は、NHならびに/又はNH及びHの混合物の雰囲気中で成長させることができる。
【0054】
p型III族窒化物半導体層が2つ以上の個別のp型III族窒化物半導体層を含む実施形態では、それらの層の少なくとも1つをMOCVD条件下で成長させることができる。個々のp型III族窒化物半導体層の大部分は、MOCVD条件下で成長させることができる。個々のp型III族窒化物半導体層の実質的にすべては、MOCVD条件下で成長させることができる。
【0055】
代替的に、水素環境で成長させたp型III族窒化物半導体層は、RPCVD条件下で少なくとも部分的に成長させることができる。
【0056】
一実施形態では、この方法は、水素環境で成長させたp型III族窒化物半導体層とその上に成長させたn型III族窒化物半導体層との間に1つ以上の追加の半導体層を成長させる工程をさらに含み得る。すなわち、n型III族窒化物半導体は、水素環境で成長させたp型III族窒化物半導体層の表面と直接隣接していないか、又はその表面上に直接成長していない。
【0057】
1つ以上の追加の半導体層のそれぞれは、独立して、ドープされていない、ドープされたn型、高ドープされたn型、ドープされたp型又は高ドープされたp型半導体層であり得る。一実施形態では、上記で示したように、追加のp型III族窒化物半導体層は、p型III族窒化物半導体層上に直接成長させてもよく、又はその層の続きであると見なされ得る。
【0058】
実施形態では、1つ以上の追加の半導体層が活性領域を形成し得る。活性領域は、量子井戸(QW)又は多重量子井戸(MQW)を含み得る。
【0059】
p型及びn型のIII族窒化物半導体層及び任意の追加の半導体層のIII族元素は、ガリウム、インジウム及びアルミニウムのうちの1つ以上から独立して選択され得る。活性領域は、InGaN及びInAlGaNのような、光生成のための活性領域として有用であることが知られている半導体材料から形成されてもよい。
【0060】
一実施形態では、p型III族窒化物半導体層はp-GaNである。
【0061】
別の実施形態では、n型III族窒化物半導体層は、n-GaNである。
【0062】
実施形態では、V族プラズマは窒素プラズマである。
【0063】
適切には、III族試薬はIII族金属有機試薬である。
【0064】
III族金属有機試薬は、III族金属アルキル試薬であることができる。
【0065】
III族金属アルキル試薬は、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム及びトリメチルアルミニウムからなる群から選択することができる。
【0066】
特定の実施形態では、第1の態様の方法によって形成された半導体構造内の任意のn型層のn型ドーパントは、シリコン、ゲルマニウム又は酸素のうちの1つ以上を含む。これらの特定の元素を含む適切な試薬には、シラン、ジシラン、ジ-tert-ブチルシラン、および分子状酸素が含まれる。n型ドーパントはシリコンであることができる。
【0067】
実施形態では、この方法によって形成された半導体構造内の任意のp型層のp型ドーパントは、1つ以上のマグネシウム又は亜鉛を含む。これらの元素を含有する適切な試薬、例えばジエチル亜鉛(DEZn)及びビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム(CpMg)は、p型ドーピングについて当技術分野で知られているものから選択することができる。p型ドーパントはマグネシウムであることができる。
【0068】
特定の実施形態では、n型III族窒化物半導体層は、水素が豊富な環境で成長させるp型III族窒化物半導体層のすぐ上に接触して成長させ得る。
【0069】
実施形態では、この方法は、トンネル接合の形成をもたらし得る。トンネル接合は、n型III族窒化物半導体層とp型III族窒化物半導体層との界面で単純に形成され得、又はこれらの各層自体を2つ以上の個別の層で形成してもよく、これらの層の1つ以上は高ドープされた半導体層であってもよい。すなわち、一実施形態では、n型III族窒化物半導体層とp型III族窒化物半導体層との接合は、高ドープされたn型III族窒化物半導体層と高ドープされたp型III族窒化物半導体層との間の相互作用であり得る。本明細書に記載されている高ドープされたp型層又はn型層のいずれも、5E19/cmを超える原子ドーパント濃度を有するものとして定義され得る。
【0070】
p型III族窒化物半導体層をV族プラズマ、III族試薬及びn型ドーパント試薬に曝露することは、RPCVD成長条件への曝露である。すなわち、p型III族窒化物半導体層は、リモートプラズマ源によって提供されるV族プラズマに曝露される。そのようなプラズマ源は、当技術分野で周知である。
【0071】
適切には、n型層のオーバーグロースのためのRPCVD条件は、NH及び/又はHを含むことができる。NH及び/又はHを用いてp型層の不動態化を回避しながら、適切なRPCVD成長を達成できることを見出した。特定の実施形態では、RPCVD条件は、成長チャンバ内にHを実質的に含まない。MOCVD成長は相対的に低レベルの水素で実行される可能性があるが、アンモニアの存在が必要であり、これは熱分解して水素及び様々なラジカル種を生成する。RPCVDのn型層のオーバーグロースの本利点を提供するのは、プラズマの存在と、NH及び/又はHの相対的に低い過圧との組合わせである。したがって、特定の実施形態では、n型層のオーバーグロースのためのRPCVD条件は、成長チャンバ内に実質的にNHを含まない。
【0072】
RPCVD成長手順は、本出願人の以前の国際公開であるWO2014/008557の1つ以上のいずれかの実施形態に一般的に記載されているプロセス、条件、及び装置を使用して実行されてもよく、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0073】
一般的に言えば、RPCVD装置は、内部に半導体層の成長が起こる成長チャンバを含む。成長チャンバ内には、基板を成長温度に調整できるようにするためのヒータを含み得る又はヒータに接続され得る基板ホルダーによって支持された基板が位置する。基板は、サファイア、SiC、シリカ、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、Pyrex(登録商標)、シリコン、ガラス、合成サファイア、石英、酸化亜鉛、窒化物でコーティングされた基板、及び自立バルク半導体基板及び窒化物テンプレートを含む当技術分野で周知の他の材料を含み得る。基板から距離を置いて位置するプラズマ入口は、例えば、高周波発生器で形成されたV族プラズマを成長チャンバに入れることを可能にする。高周波発生器は、窒素源から窒素を受け取る装置の領域に対して作用する。通常基板からも離れているIII族試薬源は、有機金属を流路に導入し、この流路が、試薬を成長チャンバに分散させるための有機金属インジェクタに送達する。
【0074】
プラズマは、有機金属インジェクタの真上の成長チャンバの領域に入るので、動作中、活性中性窒素種と金属有機試薬とを含むプラズマが混合して反応し、特定の金属窒化物、例えば窒化ガリウムを形成し、これが基板上に堆積して膜を形成する。ドーピング試薬は同様の方法で導入することができる。過剰の試薬、キャリアガス、汚染物質などは、廃棄物排出口から取り除かれる。
【0075】
一実施形態では、この方法は、上述のように、及び当技術分野で一般に知られているように、MOCVD条件下でp型III族窒化物半導体層を成長させる工程をさらに含む。この実施形態では、p型III族窒化物半導体層のMOCVD成長及びn型III族窒化物半導体層のRPCVD成長は、同じ成長チャンバ内で行われる。これは、NH及びHの存在下でのMOCVDの相対的高圧及び高温成長モードと、RPCVDの比較的低圧及び低温との間で切り替えられる同じハイブリッド装置によって作成される。RPCVD装置は、一般に、既に説明したように配置され得るが、高圧環境への切り替えを可能にするための簡単な変更及び適切なガス供給を伴う。MOCVDモードとRPCVDモードとで交互に実行できるハイブリッド装置を使用すると、動作において大きな利点が得られることを見出した。
【0076】
例えば、ハイブリッド成長により、基板を冷却せずに、MOCVDからRPCVDにその場で(in-situで)移行できる。これにより、移行界面の品質を向上させることができる。通常、このような2つの手法を使用して成長した構造には、再成長界面が含まれる。この界面は、しばしば不純物又は混入汚染物質を有するが、これらは、第1のプロセスの環境から第2のプロセスの環境への移行中に第1の層上に形成され、それにより第2の層によって埋め込まれたままである。したがって、例えばトンネル接合界面などの重要な界面での2つのプロセス間のクリーンな移行は、2つのプロセスが真にハイブリッドであり、プロセスパラメータ、例えば圧力のわずかな変更のみで同じ反応器で実行できない限り、達成するのが難しい場合がある。さらに、このようなハイブリッド手法は、MOCVD成長中などの適切な場合、NH及びHの高温での成長と、RPCVD成長などの必要に応じて、H又はNHのフロー(流量)が少ない低温での成長も提供する。
【0077】
したがって、一実施形態では、ハイブリッド成長は、特定のプロセスパラメータの変更のみを必要とし、第1の成長プロセスと第2の成長プロセスとの間の基板/成長膜の物理的位置の変更を必要としない。すなわち、半導体デバイスのすべての層の成長は、同じチャンバ内で起こり得る。変更され得るパラメータには、圧力、温度及びNH及び/又はHの濃度、及び/又は成長チャンバの体積あたりの流量が含まれる。
【0078】
一実施形態では、p型III族窒化物半導体層もn型III族窒化物半導体層も、分子線エピタキシー(MBE)によって成長されない。好ましくは、第1の態様によって形成された半導体構造の半導体層のいずれも、MBEによって成長されない。MBEを使用して、埋込み及び不動態化p型層の形成を回避しようとする場合があるが、このプロセスには、いくつかの大きな商業上の欠点がある。特に、MBEにおける処理量率は相対的に低く、多かれ少なかれ、半導体デバイス形成における広範な商業的使用を妨げる。超高真空条件では、コストが大幅に増加し、相当な準備及びメンテナンス時間が必要になる。窒化物のプロセス成長ウィンドウも、RPCVDを使用した成長よりも狭い。さらに、MBEは、RPCVD成長が提供できる以下で説明する利点のすべてを提供するわけではない。
【0079】
本明細書の考察から明らかなように、第1の態様のn型オーバーグローさせる半導体層は、MOCVD又はHVPE又は関連する相対的に高温及び高H/NH環境プロセスの下では成長させない。
【0080】
水素環境で成長させたp型III族窒化物半導体層とn型III族窒化物半導体層との間に成長させた1つ以上の追加の半導体層は、MOCVD又はRPCVD条件下で成長させ得る。一実施形態では、最初に、上記で論じたように、p型III族窒化物半導体層の上に追加のp型III族窒化物半導体層をオーバーグローさせるが、RPCVD条件下でそうすることが望ましい場合がある。この手法は、低温で高ドープされたp型層を成長させる能力、及びMOCVDを使用して達成できるよりもそうした温度で低い抵抗率のp型層を実現できる可能性を含む多くの利点を提供できる。
【0081】
この方法は、RPCVD成長中に、成長チャンバ内の温度を約400℃~約1,000℃、約500℃~約1,000℃、約600℃~約1000℃、約700℃~約1,000℃、又は約400℃~950℃、約500℃~950℃、約600℃~950℃、約700℃~約950℃、又は約400℃~900℃、約500℃~900℃、約600℃~900℃、又は約700℃~900℃になるように制御する工程をさらに含んでいてもよい。より広い温度範囲には、約500℃、600℃、700℃、800℃、及び900℃の温度が含まれる。成長温度範囲は、約750℃~約850℃であることができる。
【0082】
少なくともn型III族半導体層の成長にRPCVD条件を使用すると、動作に大きな利点がもたらされ、その多くはMOCVDと比較して低温での成長にリンクできる。低温での成長は、LED及び太陽電池の場合、活性層を形成するインジウムに富む量子井戸などの以前に堆積した層への損傷を防ぐか、又は拡散を制限し得る。RPCVDを使用すると、同じ温度で成長したMOCVD膜よりも優れた膜品質を得ることができ、バックグラウンド不純物が少なく、特に炭素のレベルが低くなる。さらに、RPCVDの低温成長により、既存のp-GaN層から下の層へのMgの逆拡散を低減できる。例えば、p-GaN層から、下に位置し得る多重量子井戸(MQW)層へのMg拡散を防ぎ得る。これにより、MQWへのMg拡散が減少することで欠陥に関連するキャリア輸送が減少するため、内部量子効率(IQE)を向上できる。同様に、成長温度が低いと、成長したままのp-GaN層から次の成長層へのMgの前方拡散が妨げられる。例えば、トンネル接合の場合、Mgがp-GaN層から上方の高ドープn-GaN層に上向きに拡散するのを防ぐ。これにより、空乏幅を最小化し、トンネル確率を最大化するシャープなn-p接合が作成され、したがって、トンネル接合にわたる電圧降下が減少し、半導体デバイスの効率が向上する。
【0083】
RPCVD条件を使用するとまた、半導体層のキャリア濃度が有用に高くなる。インジウムが豊富なMQWでのオーバーグローに必要な低い成長温度にて、低い抵抗率で高いキャリア濃度を達成することは困難な場合がある。例えば、p-GaN成長の場合、成長温度とMgレベルとの両方が拡散の程度に影響するため、ドーピング濃度が高いほど、拡散を防ぐために必要な成長温度は低くなる。RPCVD成長条件は、低い成長温度と高いキャリア濃度とのこの組合せを実現でき、低いトンネル抵抗を得るのに十分シャープな半導体層界面を提供する。これは、LED、太陽電池、HEMTなどの一連の用途で非常に有利である可能性がある。
【0084】
オーバーグロース工程を使用することのさらなる利点は、個別の専用活性化工程、例えばMOCVD成長だけで使用されることが多いような層を高温のHを含まない環境又は低H環境に曝露する工程が不要になるように、RPCVD条件下でn型III族窒化物半導体層を成長させることである。RPCVD洗浄及びチャンバ調製で使用される温度は、p型GaN層を活性化し、及び/又はn型II族窒化物半導体層のオーバーグロース前にp型GaN層を活性化するのに十分である。
【0085】
この方法はさらに、オーバーグローさせるn型層のRPCVD成長中に、約0.1Torr~300Torr、約0.1Torr~100Torr、さらに約0.1Torr~50Torr、さらには約0.1Torr~25Torr、又は0.1Torr~15Torrになるように、成長チャンバ内の圧力を制御する工程を含んでいてもよい。実施形態では、オーバーグローさせるn型層のRPCVD成長中の成長チャンバ内の圧力は、約0.5Torr~300Torr、約0.5Torr~100Torr、さらには約0.5Torr~50Torr、よりさらには約0.5Torr~25Torr又は0.5Torr~15Torrであってもよい。典型的な成長圧力は、約1.0Torr~約10Torrである。
【0086】
一実施形態では、1つ以上のさらなる半導体層を、MOCVD成長環境でn型III族窒化物半導体層の上に成長させ得る。さらなる層は、III族窒化物半導体層であることができる。この能力は、前述のように、p型III族窒化物半導体層がn型III族窒化物半導体層によってオーバーグローされ、活性化状態のままになると、水素が豊富な環境でのさらなる成長ではこの埋込み層を不動態化することはできないという事実によるものである。したがって、例えばMOCVD条件でLEDを成長させ、次いでこの上部に、第1の態様の方法に従ってRPCVD条件を使用してトンネル接合を成長させ、次いでこのトンネル接合の上にさらにLED構造を成長させることが可能である。これを所望により繰り返して、多接合デバイスを生成できる。有利なことに、このMOCVD-RPCVD-MOCVD反復成長サイクルは、上述のように、ハイブリッド装置を使用する場合に、1つの成長チャンバ内ですべて実行することができる。当技術分野で一般に知られている方法によって電気的接触部などをデバイスに追加して、最終的な半導体デバイスを形成することができる。n型層は導電率が高く、それゆえ有効な電流拡散層として金属接触部を取り付けるのに有利であるため、半導体層の成長をn型層で終了し、任意選択でRPCVD条件下で成長させることが有利な場合がある。さらに、p型GaN層よりもn型GaN層へのオーミック接触部を形成する方がより簡単である。オーミック接触部は、半導体と金属との間に作られる望ましい接触部であり、半導体デバイスを形成するために必要である。
【0087】
一実施形態では、第1の態様の方法は、埋込みp型半導体層を活性化するためのエッチング工程を必要としない。
【0088】
ここで、第1の態様の方法を使用して作成することができる半導体構造のいくつかの例を参照する。図2A図2Eは、第1の態様の方法に従って形成され得るいくつかの代表的な半導体構造の概略図である。これらの構造は、本発明の理解を助けるだけであり、本発明の範囲を限定するものではないことが理解される。これらの実施形態では、基板層及びバッファ層は、そのような層に適していると以前に論じられた材料から選択されてもよい。すべての実施形態において、バッファ層は任意選択であり得る。
【0089】
図2Aは、図1のものに類似した半導体構造200の一実施形態を示す。この場合も、追加の半導体層240が、n-GaN層230とp-GaN層250との間に成長している。示される実施形態では、追加の半導体層240は、1つ以上のInGaN層240によって形成された活性層を表す。層240は、QWを含み得るか、又はMQW構造を形成し得る。この構造を形成する際に、基板210は、基板210の上にMOCVD条件下で成長したバッファ層、例えばGaN層220を有し得る。n-GaN層230は、再びMOCVDモードで、バッファ層220上にオーバーグローされている。次いで、MOCVDを使用して、InGaN層240をこの上に成長させて高品質の活性層を形成でき、その後、MOCVD条件下で成長した場合、上述のように不動態化されるさらなるp-GaN層250を成長させる。この時点で、装置をRPCVD成長条件に切り替えて、最終的なn-GaN層260のオーバーグロースを行うことができる。このようにして、相対的に単純なLED又は太陽電池構造を形成することができ、RPCVDによって成長させたn-GaNオーバーグロース層260を備えた活性化埋込みp-GaN層250が得られ、埋込みp-GaN層250への水素の侵入を防ぐ。
【0090】
図2Bは、図2Aの構造200に密接に対応しているが、低水素又は水素のないRPCVD条件下で成長する追加のp型層360を有する半導体構造300の一実施形態を示す。前述のように、本明細書に記載されている任意の半導体層は、実際には、複数の層から構築され得る。図2Bでは、図2Aのp-GaN層250は、2つの層に分割されたと考えることができる。しかしながら、これらの層は、本手法の利点を提供するために、異なる条件下で成長される。基板310、バッファ層320、n-GaN層330、InGaN活性層340及びp-GaN層350は、図2Aのそれらの層に対応し、n-GaN層330、InGaN活性層340及びp-GaN層350は、MOCVDモード又はその他の水素が豊富な成長環境で成長させ得る。例えば、代替の実施形態では、p-GaN層350は、RPCVDによって成長させてもよいが、水素が豊富な成長環境に供され得る。いずれにせよ、この時点で、p-GaN層360はRPCVD低水素条件下で成長させる。p-GaN層360の成長のためのRPCVDプラズマ条件への曝露は、下層MOCVD又は他の水素が豊富な環境で成長したp-GaN層350の活性化を引き起こす。次いで、最終的なn-GaN層370は、これらのp型層の両方の上にオーバーグローされて、それらをキャップし、構造300が供され得る任意のさらなる処理又は成長を通じてそれらの活性化状態を維持する。
【0091】
図2Cは、図2Aにほぼ対応するが、高ドープされたp-GaN層450の形態の追加の半導体層450を有する半導体構造400の一実施形態を示す。p-GaN層450は、RPCVD低水素条件下で成長させて、後続の活性層460及び最終キャッピングn-GaN層470をその上にオーバーグローさせる薄いp型層を提供し得る。バッファ層420、n-GaN層430及びp-GaN層440は、図2Aについて説明したように、MOCVD条件下で基板410上に成長させる。
【0092】
図2Dは、n-GaN層520及びp-GaN層530が、すべてMOCVD条件下で基板510上に成長される半導体構造500の一実施形態を示す。次いで、ハイブリッド装置は、高ドープされたp-GaN層540の成長のために、RPCVD成長条件に切り替えることができる。RPCVD条件を使用すると、MOCVD条件を使用して同じ温度で層を成長させた場合よりも高いドーピングレベルと低い抵抗率とを実現できる。次いで、高ドープされたn-GaN層550をRPCVD条件下で成長させ、それによって下側のMOCVD成長n-GaN層520及びp-GaN層530の上にトンネル接合を形成する。最後に、最上部のn-GaN層560をRPCVD成長条件下で成長させて、埋込みMOCVD成長p-GaN層530と、オーバーグローされたn-GaN層560(及びドープされたn-GaN層550)を再び残す。最上部のn-GaN層560はまた、有用な均一な電流拡散及びキャリア注入層を提供する。本明細書に示されるすべての実施形態と同様に、標準的な金属接触部は示されていない。
【0093】
図2Eは、図2Dの構造500と本質的に同一であるが、MOCVD条件下で成長し、MOCVD成長n-GaN層620とp-GaN層640との間に位置する活性層630を有する半導体構造600の一実施形態を示す。図2Eに関して、示される実施形態では、活性層630は、単一又は複数のQWを含んでいてもよい1つ以上のInGaN層によって形成される。残りの高ドープp-GaN層650、高ドープn-GaN層660及び最上部のn-GaN層670はすべて、RPCVD成長条件下で成長させる。これにより、MOCVD条件下で成長した単純なLEDタイプの構造が得られ、したがって高品質の層620、630、640を与え、上部にトンネル接合(層650及び660から形成)及び最後のn-GaN層670を伴って埋込み活性化p-GaN層640を有する半導体構造を提供する。前述のように、RPCVD条件の使用は、既に成長したインジウム含有活性層630への損傷を防ぐために相対的に低い成長温度を採用するという点で非常に有益である。
【0094】
図2Fは、以前に例示された構造が、どのようにして多接合デバイスに構築され得るかを示す。半導体構造700は図2Eの構造600に類似しており、層710~770は同一である。しかしながら、構造600のものに加えて、さらなる活性層780を、RPCVD成長したn-GaN層770の上に成長させた。この活性層780は、任意の活性半導体材料から形成されてもよいが、示される実施形態では、InGaNであり、活性層730の場合と同様に、QW又はMQW構造を含んでいてもよい。ハイブリッド装置は、有利には、活性層780の成長のためにMOCVDモードに切り替えて戻すことができる。これは、キャッピングn-GaN層770に起因する埋込みp-GaN層740の活性化に悪影響を及ぼさない。したがって、所望により、活性層780及び隣接するp-GaN層790をMOCVD条件下で成長させることができる。高ドープされたp-GaN層800と高ドープされたn-GaN層810とを含む別のトンネル接合は、次いでRPCVD成長条件下で、最上層として成長した最終的なRPCVD成長のn-GaN層820とともに、p-GaN層790の上に成長させることができる。これは、2つの活性領域、2つのトンネル接合、及び2つの埋込みであるが活性化されたMOCVD成長p-GaN層を有する半導体構造700を提供する。これは、太陽電池又は他の光電子デバイス内で使用される場合に有用な効率を示すデバイスを提供する。図2Fに示される半導体構造700は、基板710、n-GaN層720、InGaN層730、p-GaN層740、p-GaN層750、n-GaN層760、n-GaN層770、InGaN層780、p-GaN層790、p-GaN層800、n-GaN層810、及びn-GaN層820を含む。
【0095】
図2A図2Fに示される半導体構造の層、及び本明細書に記載される他の構造は、一般に個別の層として論じられるが、実際には、それらは同じ又は異なるIII族窒化物組成のいくつかの個々の層から構築され得ることが理解される。例えば、MOCVD成長p型層又はn型層は、すべてがp型又はn型であるが、様々なIII族窒化物組成を有し得る任意の多数の個々の層から形成され得る。
【0096】
一実施形態では、本方法は、MOCVD条件下で、既存のIII族窒化物半導体層の上に薄いp型III族窒化物半導体層を成長させた後、RPCVD条件下で直接隣接する半導体層を成長させる工程をさらに含んでいてもよい。これは、MOCVD条件下で、後続のRPCVD成長の前にシード層を形成すると見なすことができ、これが動作上の利点を与え得る。
【0097】
特定の理論に縛られることを望まないが、オーバーグローさせたRPCVDは、それが成長する結晶を模倣すると仮定されている。基礎となる結晶が高品質のMOCVD成長GaN層である場合、RPCVDは同じ品質で成長を続け得る。前述のように、再成長界面には不純物又は混入汚染物質が含まれていることが多く、これにより、2つの異なる成長層の間で品質の継続が妨げられる可能性がある。MOCVD条件を使用して成長を開始することにより、MOCVD条件を使用して再成長界面が埋め込まれ、次いでMOCVDからRPCVDへの移行が単一の反応器内でその場で(in-situで)実行され、2つのプロセス間の一貫性が向上する。
【0098】
代替的に、任意のMOCVD成長したp型III族窒化物半導体層と後続のRPCVD成長した高ドープp型III族窒化物層との間において、この方法は、追加の薄いRPCVD成長p型III族窒化物半導体層を、MOCVD成長したp型III族窒化物半導体層の上に直接成長させる工程を含んでいてもよい。次いで、更なるRPCVD成長層をこの薄い層の上に成長させることができる。
【0099】
第2の態様では、本発明は、第1の態様の方法によって作製された半導体構造にある。
【0100】
構造の詳細及び成長のための様々な条件は、第1の態様で既に説明されている。
【0101】
第3の態様において、本発明は、半導体デバイスにおける第2の態様の半導体構造の使用にある。半導体デバイスは、本明細書で説明されているように、半導体構造の使用を必要とすることが当技術分野で既に知られている任意のものでよい。LED、太陽電池、HEMT、その他のトランジスタ、レーザダイオード、垂直共振器面発光レーザなどの一般的な例。
【0102】
上層の半導体層を成長させる前に、p-(Al,In)GaN層をNH及びHを含む組成物に曝露することにより、より低い抵抗の半導体トンネル接合構造を成長させることができる。
【0103】
埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を製造する方法は、p-(Al,In)GaN層を提供する工程と、p-(Al,In)GaN層をガス組成物で処理する工程と、処理されたp-(Al,In)GaN層を覆う1つ以上の半導体層を成長させて、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を提供する工程とを含む。
【0104】
埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を製造する方法は、(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層をH、NH、又はHとNHとの両方に曝露して、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、Hの分圧は760Torr未満であること、及び(b)曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はHとNHとの両方を含む環境で成長させ、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供することを含むことができる。
【0105】
埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含むことができる半導体構造を製造する方法は、(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物に曝露して曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、このHの分圧が760Torr未満であること、及び(b)曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含む環境で成長させて、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供することを含むことができる。この方法は、工程(a)及び(b)からなることができる。工程(a)では、ガス混合物はNを含まなくてもよい。
【0106】
工程(a)の後、Hの分圧を1Torr~300Torrの範囲内に維持しながら、温度を400℃~1,050℃の範囲に下げることができる。
【0107】
工程(b)において、n-(Al,In)GaN層を成長させることは、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を、RPCVDにより、Hの分圧がNの分圧より大きくなり得る環境で成長させることを含むことができる。
【0108】
工程(b)において、n-(Al,In)GaN層を成長させることは、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Hの分圧がNの分圧より大きくなり得る環境で成長させることからなることができる。
【0109】
工程(b)において、n-(Al,In)GaN層を成長させることは、(i)曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に第1のn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Nの分圧がHの分圧より大きい環境で成長させること、及び(ii)第1のn-(Al,In)GaN層の上に第2のn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で、成長させることを含むことができる。工程(b)において、n-(Al,In)GaN層を成長させることは、工程(i)及び工程(ii)からなることができる。
【0110】
第1のn-(Al,In)GaN層の厚みは、例えば、30nm未満、25nm未満、20nm未満、10nm未満、又は5nm未満であることができる。第2のn-(Al,In)GaN層の厚みは、例えば、10nmを超える、20nmを超える、又は30nmを超えることができる。
【0111】
工程(i)において、第1のn-(Al,In)GaN層を成長させることは、例えば0.1Torr~10Torrの圧力及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含むことができる。
【0112】
工程(ii)において、第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることは、H及びNHの存在下、例えば0.1Torr~10Torrの圧力及び500℃~1,050℃の温度での成長を含むことができる。
【0113】
p-(Al,In)GaN層は、p-GaN、p-AlGaN、p-InGaN、又はp-AlInGaNを含むことができる。p-(Al,In)GaN層は、例えば1E19cm-3~5E21cm-3、5E19cm-3~1E21cm-3、又は1E20cm-3~5E20cm-3の範囲内のMg又はZnなどのp型ドーパントの濃度を有することができる。p型ドーパントはマグネシウムであることができ、p-(Al,In)GaN層は、マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層、例えばマグネシウムドープp-GaN層であることができる。p-(Al,In)GaN層は、2つ以上のp-(Al,In)GaN層を含むことができ、各層は、異なる組成、異なる濃度のp型ドーパント、及び/又は異なるp型ドーパント濃度を有する。
【0114】
p-(Al,In)GaN層は、1つ以上のp-(Al,In)GaN層を含むことができる。p-(Al,In)GaN層が2つ以上のp-(Al,In)GaN層を含む場合、p-(Al,In)GaN層のそれぞれを、異なる条件、例えば異なるガス組成、異なる圧力、異なるガス分圧、異なるウェハ/キャリア温度、及び/又は異なる持続時間で成長させることができる。例えば、p-(Al,In)GaN層は、第1のp型ドーパント濃度を有する第1の層、及びp++-(Al,In)GaN層などのより高いp型ドーパント濃度を有する第2の層を含むことができる。
【0115】
p-(Al,In)GaN層は、MBE、MOCVD、又はRPCVDなどによる任意の適切な堆積方法を使用して基板上に成長させることができる。基板は、オプトエレクトロニクス構造の上面などの活性基板であってもよい。p-(Al,In)GaN層は、H及び/又はNHの存在下で成長させることができ、及び/又はp-(Al,In)GaN層が不動態化されるようにH及び/又はNHに曝すことができる。基板は、任意の適切な材料であることができる。
【0116】
p-(Al,In)GaN層は、活性化されたp-(Al,In)GaN層であることができ、完全に活性化されたp-(Al,In)GaN層であることができ、部分的に活性化されたp-(Al,In)GaN層であることができ、少なくとも部分的に活性化されたp-(Al,In)GaN層であることができ、又は不動態化されたp-(Al,In)GaN層であることができる。
【0117】
p-(Al,In)GaN層は、H及びNHを含むガス組成物に曝すことができる。チャンバ内のH流量とNH流量との比は、例えば、1:1~5:1、1.5:1~4.5:1、2:1~4:1、又は2:1~3:1であることができる。曝露チャンバ内の圧力は、例えば、1Torr~760Torr、1Torr~500Torr、1Torr~300Torr、5Torr~275Torr、10Torr~250Torr、又は50Torr~200Torrであることできる。例えば、チャンバ圧力は、最大300Torr、最大275Torr、最大250Torr、最大200Torr、又は最大150Torrであることできる。曝露温度は、例えば、500℃を超える、600℃を超える、700℃を超える、800℃を超える、850℃を超える、900℃を超える、950℃を超える、1000℃を超える、1100℃を超える、又は1200℃を超えることができる。例えば、曝露温度は500℃~1200℃、500℃~1100℃、500℃~1050℃、600℃~1,050℃、700℃~1,050℃、又は800℃~1,050℃であることができる。曝露は、例えば5分未満、4分未満、2分未満、又は1分未満であることができる。例えば、曝露は、0.5分~5分、1分~4分、又は1分~3分であることができる。
【0118】
例えば、p-(Al,In)GaN層は、H及びNHを含むガス組成物に曝露することができ、H流量とNH流量との比率は1:1~5:1にすることができ、チャンバ圧力は1Torr~300Torrであることができ、曝露温度は500℃を超える、例えば700℃~1200℃、又は800℃~1100℃であることができる。例えば、p-(Al,In)GaN層は、H及びNHを含むガス組成物に曝すことができ、H流量とNH流量との比は2:1~3:1にすることができ、チャンバ圧力は、例えば100Torr~250Torrであることができ、曝露温度は850℃を超える、例えば875℃~1,050℃であることができる。例えば、マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層は、300Torr未満のHの分圧及び900℃未満の温度に曝すことができる。
【0119】
曝露中、Hの分圧は、例えば300Torr未満、250Torr未満、200Torr未満、100Torr未満、50Torr未満又は10Torr未満であることができる。曝露中、Hの分圧は、例えば、0.1Torr~300Torr、1Torr~300Torr、1Torr~200Torr、1Torr~100Torr、1Torr~50Torr、又は1Torr~10Torrであることができる。
【0120】
これらの条件での曝露は、例えば、30秒を超える、60秒を超える、120秒を超える、又は240秒を超えることができる。これらの条件での曝露は、例えば、15秒~360秒、30秒~240秒、又は60秒~120秒であることができる。曝露は、例えば、6分未満、5分未満、4分未満、3分未満、2分未満、又は1分未満であることができる。
【0121】
p-(Al,In)GaN層の表面が適度な圧力及び高温でH及びNH環境に曝露された後、p-(Al,In)GaN層の温度を、例えば1,050℃未満、900℃未満、850℃未満、800℃未満、700℃未満、又は600℃未満の温度に下げることができる。例えば、温度を400℃~1000℃、450℃~900℃、500℃~850℃、550℃~800℃、又は600℃~750℃に下げることができる。温度は、500℃~850℃などの一般的なRPCVD成長温度まで下げることができる。
【0122】
温度は、例えば、5分未満、4分未満、3分未満、2分未満、又は1分未満の範囲内でNH:H曝露温度から下げることができる。
【0123】
基板/ウェハが冷却している間、p-(Al,In)GaN層は、NH:H曝露工程と同様の相対流量比及びチャンバ圧力でH及びNHに曝露できる。例えば基板/ウェハが冷却している間、H流量とNH流量との比は1:1~5:1であることができ、チャンバ圧力は25Torr~400Torrであることができる。例えば基板/ウェハが冷却している間、H流量とNH流量との比は2:1~3:1であることができ、チャンバ圧力は100Torr~250Torrであることができる。
【0124】
p-Al,In)GaN層の温度が低下すると同時に、Hの分圧は、例えば、760Torr未満、500Torr未満、300Torr未満、250Torr未満、200Torr未満、100Torr未満、50Torr未満、又は10Torr未満であることができる。曝露中、Hの分圧は、例えば、0.1Torr~300Torr、1Torr~300Torr、1Torr~200Torr、1Torr~100Torr、1Torr~50Torr、又は1Torr~10Torrであることができる。
【0125】
この場合、NH:Hに曝露された冷却p-(Al,In)GaN層は、H及び/又はNH環境において、チャンバ圧力、例えば、0.1Torr~100Torr、例えば1Torr~10Torrで、Nプラズマに曝されることができる。Nプラズマ曝露の持続時間は、例えば、30秒を超える、60秒を超える、90秒を超える、又は120秒を超えることができる。Nプラズマ曝露の持続時間は、例えば、15秒~360秒、30秒~300秒、60秒~240秒、又は90秒~210秒であることができる。Nプラズマ曝露中のチャンバ圧力は、例えば、0.2Torr~50Torr、0.5Torr~25Torr、又は1Torr~10Torrであることができる。
【0126】
温度を下げた後、曝露されたp-(Al,In)GaN層の上にn-(Al,In)GaN層を成長させることができる。n-(Al,In)GaN層は、H、NH、又はH及びNHの両方を含む環境で成長させることができる。
【0127】
n-(Al,In)GaN層は、Hの分圧が、例えば、300Torr未満、200Torr未満、100Torr未満、50Torr未満、又は10Torr未満である環境で成長させることができる。n-(Al,In)GaN層は、Hの分圧が、例えば、0.1Torr~300Torr、0.1Torr~200Torr、0.1Torr~100Torr、0.1Torr~50Torr、又は0.1Torr~10Torrである環境で成長させることができる。
【0128】
n-(Al,In)GaN層を成長させることは、(i)第1のn-(Al,In)GaN層を成長させること、及び(ii)第1のn-(Al,In)GaN層を覆う第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることを含むことができる。n-(Al,In)GaN層を成長させることは、(i)Hの分圧が0.1Torr~300Torrである環境で第1のn-(Al,In)GaN層を成長させること、及び(ii)Hの分圧が0.1Torrを超える環境で、第1のn-(Al,In)GaN層を覆う第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることを含むことができる。
【0129】
第1のn-(Al,In)GaN層は、例えば、30mm未満、20mm未満、10nm未満、8nm未満、6nm未満、4nm未満、又は2nm未満の厚みを有することができる。第1のn-(Al,In)GaN層は、例えば、1nm~10nm、1nm~8nm、1nm~6nm、1nm~4nm、又は1nm~2nmの厚みを有することができる。第1のn-(Al,In)GaN層は、例えば、0.1Torr~760Torr、0.1Torr~500Torr、0.1Torr~300Torr、0.1Torr~200Torr、0.1Torr~100Torr、又は1Torr~50TorrのNの分圧で堆積できる。n-(Al,In)GaN層の成長温度は、例えば、1,050℃未満、950℃未満、850℃未満、800℃未満、700℃未満、又は600℃未満であることができる。例えば第1のn-(Al,In)GaN層を成長させる温度は、400℃~850℃、450℃~800℃、500℃~750℃、400℃~700℃、又は500℃~650℃であることができる。第1のn-(Al,In)GaN層は、H環境で成長できる。第1のn-(Al,In)GaN層の成長条件は、典型的なRPCVD成長条件であることができる。第1のn-(Al,In)GaN層は、例えば0.1Torr~300Torr又は0.1Torr~10TorrのNの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることができる。
【0130】
第1のn-(Al,In)GaN層を成長させた後、薄いn-(Al,In)GaN層の上に第2のより厚いn-(Al,In)GaN層を成長させることができる。両方の層は、H及びNHの存在下、高H環境において、0.1Torr~100Torrのチャンバ圧力、及び1,050℃未満の温度で成長させることができる。例えば、第2のn-(Al,In)GaN層は、0.1Torr~100Torr、0.2Torr~50Torr、0.5Torr~25Torr、又は1Torr~10Torrのチャンバ圧力で成長させることができる。成長温度は、例えば、850℃未満、800℃未満、700℃未満、又は600℃未満であることができる。例えば第2のn-(Al,In)GaN層を成長させる温度は、400℃~1,050℃、450℃~900℃、500℃~850℃、550℃~800℃、又は600℃~750℃であることができる。第2のn-(Al,In)GaN層は、H濃度が、例えば、10Torrを超える、100Torrを超える、又は250Torrを超えることができる高H環境で成長させることができる。第2のn-(Al,In)GaN層の成長条件は、高H環境を使用できることを除いて、一般的なRPCVD成長条件であることができる。第2のn-(Al,In)GaN層はまた、低H環境でも成長できる。
【0131】
第1のn-(Al,In)GaN層は、下層の活性化p-(Al,In)GaN層を、他の方法ではp-(Al,In)GaN層が不動態化されるHの内部拡散(in-diffusion)から保護するために通常使用されるキャッピング層よりも薄くできる。
【0132】
代替的に第2のn-(Al,In)GaN層は、MOCVD、RPCVD、又はMBEなどの任意の適切な半導体堆積方法によって成長させることができる。n-(Al,In)GaN層は、Hの非存在下、低H環境の存在下、又は高H環境の存在下で成長できる。
【0133】
例えば埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を製造する方法は、(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物に曝露して曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、このガス混合物はHの分圧が760Torr未満であること、(b)曝露したマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に第1のn-(Al,In)GaN層をRPCVDによってNの分圧がHの分圧より大きい環境で成長させること、及び(c)Hの分圧がNの分圧より大きい環境でRPCVDによって、第1のn-(Al,In)GaN層上に第2のn-(Al,In)GaN層を成長させ、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供することを含むことができる。
【0134】
この方法は、工程(a)、(b)、及び(c)からなることができる。工程(a)では、ガス混合物はNを含むことができ、又は特定の実施形態では、ガス混合物はNを含まない。
【0135】
n-(Al,In)GaN層は、H、NH、又はそれらの組合せの存在下で成長させることができる。
【0136】
n-(Al,In)GaN層は、1つ以上の層を含むことができる。n-(Al,In)GaN層が2つ以上のn-(Al,In)GaN層を含む場合、各層は、異なる堆積プロセスを使用し、異なるガス組成を使用し、異なる温度で、異なる期間にわたって又は前述のいずれかの組合せで、成長させることができる。例えば、n-(Al,In)GaN層は、第1のn型ドーパント濃度を有する第1の層、及びn-(Al,In)GaN層などのより高いn型ドーパント濃度を有する第2の層を含むことができる。n-(Al,In)GaN層は、異なる元素組成を有することができる。
【0137】
n-(Al,In)GaN層の成長に続いて、p-(Al,In)GaN層は、上層n-(Al,In)GaN層の下に埋め込まれ、活性化されたp-(Al,In)GaN層であり、したがって、このp-(Al,In)GaN層は埋込み活性化p-(Al,In)GaN層である。
【0138】
これらのプロセス工程の結果として、不動態化、部分的な不動態化、又は活性化p-(Al,In)GaN層のいずれかで始まり、任意の適切な方法で成長させることができ、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を有する半導体構造が形成される。このプロセスには、p-(Al,In)GaN層を活性化するために、高温の低H環境でp-(Al,In)GaN層をアニーリングする別個の工程は含まれない。例えば、プロセスには、p-(Al,In)GaN層からHを拡散させる低H環境で、p-(Al,In)GaN層を800℃を超える温度に曝すことは含まれない。
【0139】
n-(Al,In)GaN層は、n-GaN、n-AlGaN、n-InGaN、又はn-AlInGaNを含むことができる。n-(Al,In)GaN層は、例えば1E18cm-3~5E20cm-3、5E18cm-3~1E20cm-3、又は1E19cm-3~1E20cm-3の範囲内のSi又はGeなどのn型ドーパントの濃度を有することができる。n-(Al,In)GaN層は、2つ以上のn-(Al,In)GaN層を含むことができ、各層は、例えば、異なる濃度のn型ドーパント及び/又は異なるn型ドーパント濃度を有する。
【0140】
p-(Al,In)GaNは、p++-(Al,In)GaN及びp-(Al,In)GaN層を含むことができ、p-(Al,In)GaNは、n++-(Al,In)GaN及びn-(Al,In)GaN層を含むことができる。
【0141】
トンネル接合は、例えば約1nm~100nmの合計の厚みを有することができ、p++-(Al,In)GaN層及びn++-(Al,In)GaN層のそれぞれは、例えば0.5nm~50nmの厚みを有することができる。例えば、p++-(Al,In)GaN層及びn++-(Al,In)GaN層のそれぞれは、25nm~35nmの厚みを有することができる。p++-(Al,In)GaN層及びn++-(Al,In)GaN層は、同じ厚みを有することができ、又は異なる厚みを有することができる。p++-(Al,In)GaN層及びn++-(Al,In)GaN層は、段階的なドーパント濃度を有していてもよい。例えば、下層p型層に隣接するp++-(Al,In)GaN層の一部は、下層p型層のドーパント濃度からp++-(Al,In)GaN層における所望のドーパント濃度に段階的に変化するドーパント濃度を有することができる。同様に、n++-(Al,In)GaN層は、p++-(Al,In)GaN層に隣接する最大値から、トンネル接合の上に形成されたn型層に隣接する最小値まで段階的に変化するドーパント濃度を有することができる。トンネル接合の厚み、ドーピング濃度、ドーピングプロファイル、層数は、逆バイアスモードで電流を流す場合に直列電圧降下が低くなるように選択できる。例えばトンネル接合にわたる電圧降下は、例えば10A/cmで0.3V未満、又は10A/cmで0.1V未満であることができる。他の適切な層が、p++-(Al,In)GaN層とn++-(Al,In)GaN層との間に含まれ得るが、これはIII族窒化物の分極場を利用して、トンネル用のバンドの整列を支援する。この分極効果により、n++-(Al,In)GaN層及びp++-(Al,In)GaN層のドーピング要件が緩和され、必要なトンネル距離が短縮され得るため、より高い電流を流すことができる。p++-(Al,In)GaN層とn++-(Al,In)GaN層との間の1つ又は複数の層の組成は、p++-(Al,In)GaN層及びn++-(Al,In)GaN層の組成と異なる場合があり、及び/又はIII族窒化物材料系の異なる材料界面の間に存在する分極電荷によりバンド再整列を生じるように選択されてもよい。適切なトンネル接合の例は、例えば、米国特許第8,039,352B2号明細書に記載されている。
【0142】
追加の半導体層は、n-(Al,In)GaN層の上に成長させることができる。
【0143】
処理されたp-(Al,In)GaN層、例えばn-(Al,In)GaN層上に半導体層を成長させた後、MOCVD、RPCVD又はMBEなどの任意の適切な半導体成長方法を使用して、追加の半導体層を成長させることができる。
【0144】
n-(Al,In)GaN層を成長させた後、1つ以上の半導体層を成長させて、n-(Al,In)GaN層を覆って、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を提供することができる。例えば、1つ以上の半導体層は、H、NH、又はそれらの組合せの存在下で成長させることができる。1つ以上の半導体層を成長させても、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層の不動態化は生じない。
【0145】
この結果は予測されない。第一に、開始p-(Al,In)GaN層が不動態化されている場合、この方法には、Hの不存在下又はHが低い環境での高温アニーリング工程が含まれない。第二に、開始時のp-(Al,In)GaN層が既に活性化されている場合、H:NHへの曝露中及び/又は後続のn-(Al,In)GaN層(単数または複数)及び1つ以上の半導体層の成長中のp-(Al,In)GaN層の水素への曝露はp-(Al,In)GaN層を不動態化させると予測される。
【0146】
本開示によって提供される方法が高品質の埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を製造する能力を示すために、p-(Al,In)GaN層トンネル接合が製造された。本開示によって提供される方法を使用して製造されたn/p-(Al,In)GaNトンネル接合は、例えば、10A/cmで0.3V未満、10A/cmで0.2V未満、10A/cmで0.1V未満、又は10A/cmで0.05V未満の、n/p-(Al,In)GaNトンネル接合にわたる電圧降下を示すことができる。本開示によって提供される方法を使用して製造されたn/p-(Al,In)GaNトンネル接合は、例えばn/p-(Al,In)GaNトンネル接合にわたって、10A/cmで0.01V~0.3V、10A/cmで0.05V~0.3V、又は10A/cmで0.1V~0.2Vの電圧降下を示す。
【0147】
したがって、n/p-(Al,In)GaNトンネル接合の成長中にHが存在するにもかかわらず、この方法では、電圧降下が低い高品質のn/p-(Al,In)GaNトンネル接合を製造する。
【0148】
n/p-(Al,In)GaNトンネル接合などの埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を有する半導体構造又はデバイスを製造する方法は、p-(Al,In)GaN活性化工程を含まず、活性化工程は、例えば、p-(Al,In)GaN層を高温でHを含まない環境に曝すことを含む。言い換えると、本開示によって提供される方法は、p-(Al,In)GaN層を不動態化できる環境にp-(Al,In)GaN層を曝露すること、及び/又はp-(Al,In)GaN層を別の活性化工程に供することを含まない。
【0149】
本開示により提供される方法はまた、側方活性化工程を含まない。本開示によって提供される埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を有する構造又はチップは、100μm×100μmを超える、200μm×100μmを超える、300μm×100μmを超える、もしくは400μm×100μmを超える最小横寸法を有することができ、又はa及びbのそれぞれが100μmを超える、200μmを超える、300μmを超える、もしくは400μmを超えるチップの寸法a×bを有することができる。
【0150】
一般的なRPCVDプロセスでは、半導体は10Torr未満の圧力などの低圧で成長する。本開示によって提供される方法では、半導体成長プロセスは、100Torrを超える圧力、及び0.1Torr~10Torrの圧力などの広範囲の圧力を使用することを含む。高圧範囲は、成長前の表面の洗浄及び改質、高圧に十分適した工程を促進するが、その後、ウェハを低温成長のためのRPCVD条件に曝露する。この低圧範囲と高圧範囲との組合せにより、他の成長技術を使用して製造されたものと比較して優れた高品質のトンネル接合を提供できる。例えば、p-(Al,In)GaN層をH、NH、又はそれらの組合せに、300Torr未満のHの分圧及び900℃未満の基板温度で曝露すると、高品質のトンネル接合の製造に役立つことができる洗浄工程として作用し得る。高圧で使用でき、プラズマなしで低圧に切り替えることができるRPCVD反応器を使用すると、トンネル接合の性能を向上させることができる。
【0151】
本開示によって提供される方法を使用して、高品質の埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を有する構造を製造することができる。
【0152】
埋込み活性化p-(Al,In)GaN層及びn/p-(Al,In)GaNトンネル接合などの埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む構造は、任意の適切な半導体デバイスに組み込むことができる。
【0153】
例えば、本開示によって提供されるn/p-(Al,In)GaNトンネル接合は、2つ以上のダイオードを含むデバイスに組み込むことができ、ダイオードを相互接続するために使用することができる。
【0154】
例えばLED、レーザダイオード、光起電デバイス、光電子デバイス、多接合太陽電池、トランジスタ、及び電力変換器は、本開示により提供される1つ以上のn/p-(Al,In)GaNトンネル接合を組み込むことができる。
【0155】
本開示によって提供されるn/p-(Al,In)GaNトンネル接合を含む半導体デバイスは、積層型光電子デバイス、例えば積層型LED構造、積層型レーザダイオード構造、多接合太陽電池、積層型トランジスタ又は積層型電力変換器を含むことができる。積層とは、光電子デバイスが、本開示によって提供されるn/p-(Al,In)GaNトンネル接合を使用して相互接続できる2つ以上のダイオード又は接合を有することを意味する。
【0156】
したがって、本開示によって提供される半導体デバイスは、本明細書に開示される方法を使用して製造される埋込み活性化p-(Al,In)GaN層及び/又は本明細書に開示される方法を使用して製造されるn/p-(Al,In)GaNを含むことができる。
【0157】
n/p-(Al,In)GaNトンネル接合は、半導体層への相互接続に使用される導電性酸化インジウムスズ(ITO)膜などの導電性膜を置き換えるために使用できる。したがって、本開示によって提供される半導体デバイスは、n/p-(Al,In)GaNトンネル接合を含む導電層を含むことができる。
【0158】
本発明の諸態様
本発明は、以下の諸態様の1つ以上によってさらに明らかにすることができる。
【0159】
態様1.埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を製造する方法であって、(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物に曝露して曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、このガス混合物はHの分圧が760Torr未満であること、及び(b)曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含む環境で成長させて、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供することを含む、方法。
【0160】
態様2.方法が、(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物に曝露して曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、このHの分圧が760Torr未満であること、及び(b)曝露したマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層をH、NH、又はそれらの組合せを含む環境で成長させて、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供することからなる、態様1の方法。
【0161】
態様3.工程(a)において、ガス混合物がNを含まない、態様1から2のいずれか1つの方法。
【0162】
態様4.曝露が、マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を300Torr未満のHの分圧及び900℃未満の温度に曝露することを含む曝露することを含む、態様1から3のいずれか1つの方法。
【0163】
態様5.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層がマグネシウムドープp-GaN層である、態様1から4のいずれか1つの方法。
【0164】
態様6.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が不動態化p-(Al,In)GaN層である、態様1から4のいずれか1つの方法。
【0165】
態様7.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が部分的に活性化されたp-(Al,In)GaN層である、態様1から6のいずれか1つの方法。
【0166】
態様8.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が完全に活性化されたp-(Al,In)GaN層である、態様1から6のいずれか1つの方法。
【0167】
態様9.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が1E19cm-3~5E21cm-3の濃度のマグネシウムドーパントを含む、態様1から8のいずれか1つの方法。
【0168】
態様10.n-(Al,In)GaN層が、1E18cm-3~5E20cm-3の濃度のn型ドーパントを含む、態様1から9のいずれか1つの方法。
【0169】
態様11.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を曝露することは、5分未満の間曝露することを含む、態様1から10のいずれか1つの方法。
【0170】
態様12.Hの分圧が1Torr~300Torrである、態様1から11のいずれか1つの方法。
【0171】
態様13.Hの分圧が10Torrを超える、態様1から12のいずれか1つの方法。
【0172】
態様14.Hの分圧が100Torrを超える、態様1から12のいずれか1つの方法。
【0173】
態様15.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を曝露することは、Nプラズマに曝露することを含む、態様1から14のいずれか1つの方法。
【0174】
態様16.n-(Al,In)GaN層を成長させることは、Hの分圧が0.1Torr~300Torrである環境で成長させることを含む、態様1から15のいずれか1つの方法。
【0175】
態様17.n-(Al,In)GaN層を成長させることは、Hの分圧が0.1Torr~10Torrである環境で成長させることを含む、態様1から15のいずれか1つの方法。
【0176】
態様18.工程(a)の後、温度を400℃~1,050℃の範囲内に下げ、Hの分圧は1Torr~300Torrである、態様1から17のいずれか1つの方法。
【0177】
態様19.(b)n-(Al,In)GaN層を成長させることは、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層をRPCVDにより、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で成長させることを含む、態様1から18のいずれか1つの方法。
【0178】
態様20.(b)n-(Al,In)GaN層を成長させることは、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で成長させることからなる、態様1から18のいずれか1つの方法。
【0179】
態様21.(b)n-(Al,In)GaN層を成長させることは、(i)曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に第1のn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Nの分圧がHの分圧より大きい環境で成長させること、及び(ii)第1のn-(Al,In)GaN層の上に第2のn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で成長させることを含む、態様1から18のいずれか1つの方法。
【0180】
態様22.第1のn-(Al,In)GaN層が30nm未満の厚みを有する、態様21の方法。
【0181】
態様23.第1のn-(Al,In)GaN層が10nm未満の厚みを有する、態様21から22のいずれか1つの方法。
【0182】
態様24.第2のn-(Al,In)GaN層が10nmを超える厚みを有する、態様21から23のいずれか1つの方法。
【0183】
態様25.(i)第1のn-(Al,In)GaN層を成長させることが、0.1Torr~10TorrのNの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含む、態様21から24のいずれか1つの方法。
【0184】
態様26.(ii)第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることは、H及びNHの存在下、0.1Torr~10TorrのHの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含む、態様21から25のいずれか1つの方法。
【0185】
態様27.(b)n-(Al,In)GaN層を成長させることは、(i)曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に第1のn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Nの分圧がHの分圧より大きい環境で成長させること、及び(ii)第1のn-(Al,In)GaN層の上に第2のn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で成長させることからなる、態様1から18のいずれか1つの方法。
【0186】
態様28.第1のn-(Al,In)GaN層の厚みが30nm未満の厚みを有する、態様27の方法。
【0187】
態様29.第1のn-(Al,In)GaN層が10nm未満の厚みを有する、態様27から28のいずれか1つの方法。
【0188】
態様30.第2のn-(Al,In)GaN層が10nmを超える厚みを有する、態様27から29のいずれか1つの方法。
【0189】
態様31.(i)第1のn-(Al,In)GaN層を成長させることは、0.1Torr~10TorrのNの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含む、態様27から30のいずれか1つの方法。
【0190】
態様32.(ii)第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることは、H及びNHの存在下、0.1Torr~10TorrのHの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含む、態様27から31のいずれか1つの方法。
【0191】
態様33.(b)n-(Al,In)GaN層を成長させた後、(c)n-(Al,In)GaN層を覆う1つ以上の半導体層を成長させることをさらに含む、態様1から32のいずれか1つの方法。
【0192】
態様34.(c)1つ以上の半導体層を成長させることは、H、NH又はそれらの組合せの存在下、1,050℃未満の温度で1つ以上の半導体層を成長させることを含む、態様33の方法。
【0193】
態様35.(c)1つ以上の半導体層を成長させることは、水素の存在下、1,050℃未満の温度で1つ以上の半導体層を成長させることを含む、態様33の方法。
【0194】
態様36.(c)1つ以上の半導体層を成長させることは、MOCVDによって成長させることを含む、態様33から35のいずれか1つの方法。
【0195】
態様37.(c)1つ以上の半導体層を成長させることは、RPCVDによって成長させることを含む、態様33から35のいずれか1つの方法。
【0196】
態様38.(c)1つ以上の半導体層を成長させることは、活性化されたp-(Al,In)GaN層を不動態化することを含まない、態様33から37のいずれか1つの方法。
【0197】
態様39.埋込み活性化p-(Al,In)GaN層が100μmを超える最小寸法を有する、態様1から38のいずれか1つの方法。
【0198】
態様40.方法がp-(Al,In)GaN層を横方向に活性化することを含まない、態様1から39のいずれか1つの方法。
【0199】
態様41.方法が、温度が800℃を超え、Hの分圧が1Torrより低い環境にp-(Al,In)GaN層を曝露することを含まない、態様1から40のいずれか1つの方法。
【0200】
態様42.方法が、不動態化されたp-(Al,In)GaN層を活性化することができる環境にp-(Al,In)GaN層を曝露することを含まない、態様1から41のいずれか1つの方法。
【0201】
態様43.方法が、埋込みp-(Al,In)GaN層を活性化工程に曝露することを含まない、態様1から42のいずれか1つの方法。
【0202】
態様44.態様1から43のいずれか1つの方法によって製造された半導体構造を含む半導体デバイス。
【0203】
態様45.半導体デバイスは、積層型光電子構造を含む、態様44の半導体デバイス。
【0204】
態様46.積層型光電子構造が、積層型LED構造、積層型レーザダイオード構造、多接合太陽電池、積層型トランジスタ、又は積層型電力変換器を含む、態様45の半導体デバイス。
【0205】
態様47.半導体デバイスは、LED、レーザダイオード、光起電デバイス、光電子デバイス、太陽電池接合、トランジスタ、又は電力変換器を含む、態様44から46のいずれか1つの半導体デバイス。
【0206】
態様48.半導体構造がトンネル接合、導電層、又はそれらの組合せを含む、態様44から46のいずれか1つの半導体デバイス。
【0207】
態様49.態様1から43のいずれか1つの方法によって製造された半導体構造を含むn/p-(Al,In)GaNトンネル接合。
【0208】
態様50.n/p-(Al,In)GaNトンネル接合が、10A/cmで0.3V未満のn/p-(Al,In)GaNトンネル接合にわたる電圧降下によって特徴付けられる、態様49のトンネル接合。
【0209】
態様51.n/p-(Al,In)GaNトンネル接合が、10A/cmで0.1V未満のn/p-(Al,In)GaNトンネル接合にわたる電圧降下を特徴とする、態様49のトンネル接合。
【0210】
態様52.態様49から51のいずれか1つのトンネル接合を含む半導体デバイス。
【0211】
態様53.半導体デバイスは、積層型光電子構造を含む、態様52の半導体デバイス。
【0212】
態様54.積層型光電子構造が、積層型LED構造、積層型レーザダイオード構造、多接合太陽電池、積層型トランジスタ、又は積層型電力変換器を含む、態様53の半導体デバイス。
【0213】
態様55.半導体デバイスは、LED、レーザダイオード、光起電デバイス、光電子デバイス、太陽電池接合、トランジスタ、又は電力変換器を含む、態様54の半導体デバイス。
【0214】
態様1A.埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を製造する方法であって、(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物に曝露して曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、このガス混合物は760Torr未満のH分圧を有すること、及び(b)曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で成長させて、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供することを含む、方法。
【0215】
態様2A.方法が工程(a)及び(b)からなる、態様1Aの方法。
【0216】
態様3A.工程(a)において、ガス混合物がNを含まない、態様1Aから2Aのいずれか1つの方法。
【0217】
態様4A.曝露が、マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を300Torr未満のHの分圧及び900℃未満の温度に曝露することを含む、態様1Aから3Aのいずれか1つの方法。
【0218】
態様5A.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が1E19cm-3~5E21cm-3の濃度のマグネシウムドーパントを含む、態様1Aから4Aのいずれか1つの方法。
【0219】
態様6A.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を曝露することは、5分未満の間曝露することを含む、態様1Aから5Aのいずれか1つの方法。
【0220】
態様7A.工程(a)においてHの分圧が1Torr~300Torrである、態様1Aから6Aのいずれか1つの方法。
【0221】
態様8A.工程(b)においてHの分圧が0.1Torr~300Torrである、態様1Aから7Aのいずれか1つの方法。
【0222】
態様9A.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を曝露することは、Nプラズマに曝露することを含む、態様1Aから8Aのいずれか1つの方法。
【0223】
態様10A.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が不動態化p-(Al,In)GaN層である、態様1Aから9Aのいずれか1つの方法。
【0224】
態様11A.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が少なくとも部分的に活性化されたp-(Al,In)GaN層である、態様1Aから9Aのいずれか1つの方法。
【0225】
態様12A.(b)n-(Al,In)GaN層を成長させることは、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で成長させることからなる、態様1Aから11Aのいずれか1つの方法。
【0226】
態様13A.工程(b)が、(b1)曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に第1のn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Nの分圧がHの分圧より大きい環境で成長させること、及び(b2)第1のn-(Al,In)GaN層の上に第2のn-(Al,In)GaN層を、RPCVDによって、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で成長させることを含む、態様1Aから12Aのいずれか1つの方法。
【0227】
態様14A.方法が工程(a)、(b1)及び(b2)からなる、態様13Aの方法。
【0228】
態様15A.第1のn-(Al,In)GaN層が30nm未満の厚みを有する、態様13Aから14Aのいずれか1つの方法。
【0229】
態様16A.マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が1E19cm-3~5E21cm-3の濃度のマグネシウムドーパントを含む、態様13Aから15Aのいずれか1つの方法。
【0230】
態様17A.工程(b1)において、Nの分圧が0.1Torr~300Torrである、態様13Aから16Aのいずれか1つの方法。
【0231】
態様18A.工程(b1)において、Nの分圧が0.1Torr~10Torrであり、温度が500℃~1,050℃である、態様13Aから17Aのいずれか1つの方法。
【0232】
態様19A.工程(b2)において、第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることは、H及びNHの存在下、0.1Torr~10TorrのHの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含む、態様13Aから18Aのいずれか1つの方法。
【0233】
態様20A.(b)n-(Al,In)GaN層を成長させた後、(c)n-(Al,In)GaN層を覆う1つ以上の半導体層を成長させることをさらに含む、態様1Aから19Aのいずれか1つの方法。
【0234】
態様21A.(c)1つ以上の半導体層を成長させることは、H、NH又はそれらの組合せの存在下、1,050℃未満の温度で1つ以上の半導体層を成長させることを含む、態様20Aの方法。
【0235】
態様22A.埋込み活性化p-(Al,In)GaN層が100μmを超える最小横寸法を有する、態様1Aから21Aのいずれか1つの方法。
【0236】
態様23A.埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を組み込んだn/p-(Al,In)GaNトンネル接合が、n/p-(Al,In)GaNトンネル接合にわたって10A/cmで0.3V未満の電圧降下を特徴とする、態様1Aから22Aのいずれか1つの方法。
【0237】
態様24A.態様1Aから23Aのいずれか1つの方法によって製造された半導体構造を含む半導体デバイス。
【0238】
態様25A.半導体デバイスは、積層型光電子構造、LED、レーザダイオード、光起電デバイス、光電子デバイス、太陽電池接合、トランジスタ、又は電力変換器を含む、態様24Aの半導体デバイス。
【0239】
態様26A.態様1Aから25Aのいずれか1つの方法によって製造された半導体構造を含むn/p-(Al,In)GaNトンネル接合。
【0240】
態様27A.請求項26Aのトンネル接合を含む半導体デバイス。
【0241】
態様28A.半導体デバイスは、積層型光電子構造を含む、請求項27Aの半導体デバイス。
【0242】
態様29A.積層型光電子構造が、積層型LED構造、積層型レーザダイオード構造、多接合太陽電池、積層型トランジスタ、又は積層型電力変換器を含む、請求項28Aの半導体デバイス。
【実施例
【0243】

本開示によって提供される実施形態は、本開示によって提供される半導体、半導体デバイス、及び方法を記載する以下の例を参照することによってさらに例示される。本開示の範囲から逸脱することなく、材料及び方法の両方に対する多くの変更が実施され得ることは、当業者には明らかである。
【0244】
例1
一般的手法
本明細書で記載されるRPCVD層は、一般に、より低い相対成長速度及びより低い温度(例えば、MOCVDと比較して)で、窒素プラズマ下で成長させる。成長環境は、水素、窒素及び他のガスの混合物であることができるが、(i)主にNH、又は(ii)主にH、及び/又は(iii)主にNH及びHの混合物であってよい。さらなる詳細を以下に示す。
【0245】
例2
次の実験は、埋め込まれるが活性化される、トンネル接合(TJ)アプリケーション用のp-GaN層を成長させるRPCVDの使用を示すように設計された。TJ構造は、RPCVDとMOCVDとの両方を使用して、2インチのパターニングされたサファイア基板上の市販のMOCVD成長青色LED上で成長させた(それぞれ、InGaNキャップを含む及び含まない構造を表す図3A図3C及び図4A図4Cに示される3つの構造を形成する)。そのようなMOCVD成長青色LEDは、Veeco、AMEC、Lumiledsなどを含む多くの商業的供給源から得られ得る。
【0246】
最終的なデバイスは、ウェハ上エレクトロルミネセンス(EL)クイック試験法を使用して測定された。層をスクライビングして下部のn-GaN層を曝露させ、インジウム-スズはんだを充填することにより、n-接触部を製造した。上部接触部はインジウム球を使用して作成され、ホットプレート上で10秒間アニーリングした。上部接触部と底部接触部との間の電気的接続のみが下部n-GaN層を介するように、上部接触部を囲む緩やかな正方形のスクライブ(2mm×2mm)を作成して、接触部を分離した。これにより、電流が上部n-GaN層を介して2つの接触部間で横方向に伝導するのを防いだ。
【0247】
ELの測定は、順バイアス電流を0mA~500mAまで掃引し、基板の下にある電力メーターを使用して光出力電力(LOP)を記録することで行った。ELは、MOCVD及びRPCVDによって成長した構造について、及び元のソースウェハに対しても比較した。元のソースウェハの接触部は、TJ構造の場合と同じ方法で調製した。
【0248】
市販のLEDには、2つの異なる終端部が利用可能であった。1つ目は、高ドープされた(p++)GaN:Mg層で終端された(通常、業界で使用されているように)。2つ目は、ベアLEDの接触部抵抗を改善するために、厚み1nmの追加のInGaN:Si接触部層を有していた(業界でITO接触部に一般的に使用されるように)。完全を期すために、TJオーバーグロースを両方の構造で試験した(n-InGaN接触部層がある場合及びない場合)。
【0249】
試験の結果は、図5A図5D図3A図3Cの構造の結果)及び図6A図6D図4A図4Cの構造の結果)にグラフで示され、表1及び表2は、それぞれ図3A図3C及び図4A図4Cの構造についてのデータを示す。表のテキストの色は、図5A図5D及び図6A図6Dのグラフのライントレースの色に対応する。
【表1】

【表2】
【0250】
図5A図5D及び図6A図6D、並びに表1及び2に示される結果は、本発明によるRPCVD条件下で成長したTJ構造(各実験の構造3)が、ベアLED(構造1)と比較して同等のLOP及び同等の低いVfも示すことを示す。同等のLOPは、再結合のために十分な数の正孔が活性領域に注入されたことを示すが、Vfが低いことはTJにわたる電圧降下を示し、埋込みp-GaN層にわたる電圧降下は小さい。これらの両方の観察結果は、TJ成長中に埋込みp-GaN層が完全に活性化されたままであることを示す。
【0251】
図5A図5Dは、n-InGaNキャップを有する、図3A図3Cに表される構造の試験の結果のグラフ表示を示し、実線は、図3Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、鎖線は、図3Bに示されるMOCVD完成構造に関連し、破線は、図3Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
【0252】
図6A図6Dは、n-InGaNキャップなしで、図4A図4Cに表される構造の試験結果のグラフ表示を示し、実線は、図4Aに示される構造のMOCVD成長青色LEDに関連し、破線は、図4Cに示されるRPCVD完成構造に関連する。
【0253】
対照的に、MOCVDだけで成長したTJ構造(各実験の構造2)は、図5Aから図5D及び表1において、高いVf及び低いLOPを示すことがわかり、不動態化又は部分的な不動態化埋込みp-GaN層と関連する低い正孔注入効率及び高い直列抵抗を示す。さらに、LOP及びVfは測定中に不安定であったが、これは、不動態化又は部分的に不動態化されたp-GaN層を備えたLEDデバイスに典型的である。
【0254】
RPCVD TJ構造は、n-InGaN接触部層がある場合とない場合との両方の実験で、ベアLED(構造1)と比較して、LOP及びVfが優れている。MOCVDで成長したTJは、n-InGaN層がない構造でのみ試験した。
【0255】
例3
図7に示す構造は、p-GaN層が、成長の終わりに活性化され、及び/又は活性化されたままであるように、MOCVD成長したp-GaN層上にオーバーグローさせた単一のRPCVDのn-GaN層の例である。第1の構造(左側)は、完全なMOCVD LEDのオーバーグロースを表す。第2の構造(右側)は、バッファ層及びp-GaN層のみ(活性領域なし)を含む単純化された構造のオーバーグロースを表す。本開示により提供される方法により形成されるこれらの構造の成長に使用されるプロセス条件は、表3に提供される。
【表3】
【0256】
本発明は、ハイブリッドMOCVD/RPCVD成長手法の使用により、多くの重要な利益を提供する。特に、RPCVDを使用すると、インジウム含有活性層などの潜在的に温度に敏感な層に損傷を与えない温度で、成長したままのドープ半導体層で高キャリア濃度及び高キャリア移動度を実現できる。MOCVD成長と比較して低い成長温度で達成された低いドーパント拡散により、RPCVD条件下で成長したトンネル接合でもシャープなマグネシウムプロファイルを達成できる。最後に、この手法では、埋込みp型半導体層を活性化状態にして、n型層のRPCVDオーバーグロースにより、後続の構造をMOCVDの水素が豊富な条件下で成長させる場合でも、この状態を維持できる。
【0257】
例4
上層n-pGaNトンネル接合を備えた市販のLEDの性能
本開示によって提供される方法に従って製造された埋込み活性化p-GaN層の品質は、n/p-GaNトンネル接合を成長させ、デバイス性能を測定することによって決定された。
【0258】
図8及び図9は、本開示によって提供される方法を使用して製造されたn/p-(Al,In)GaNトンネル接合及び埋込み活性化p-(Al,In)GaN層の性能を評価するために使用されるデバイス構造を示す。
【0259】
図8は、サファイア基板801、u-GaN層802、n-GaN層803、多重量子井戸層804、p-GaN層805、及びp++-GaNキャップ層806を含む市販の青色MQW LEDの断面図を示す。電気的接触部807A及び807Bは、それぞれ、n-GaN層803及びp++-GaNキャップ層806に相互接続される。
【0260】
図9は、図8の市販のMQW LED構造を含み、厚み15nmのn++-GaN層及び厚み200nmのn-GaN層でオーバーグローさせてトンネル接合Bを形成するデバイス構造の断面図を示す。nドープGaN層を成長させる前に、p++-GaN層をNH:H環境に曝露し、その後本開示により提供される方法に従ってNプラズマに曝し、その後、nドープGaN層をRPCVD条件下で成長させた。
【0261】
図9は、サファイア基板901、u-GaN層902、n-GaN層903、多重量子井戸層904、p-GaN層905、及びp++-GaNキャップ層906を含む市販の青色MQW LEDの層を示す。15nm厚みのRP-CVD成長のn++-GaN層908は、p++-GaN層の上にあり、200nm厚みのRP-CVD成長のn-GaN層909は、n++-GaN層908の上にある。電気的接触部907A及び907Bは、それぞれ埋込みn-GaN層903及び最上部のn-GaN層909に相互接続される。
【0262】
図8及び図9に示されるデバイス構造は、上部p++-GaN層まで同一の層を含み、したがって、デバイス性能におけるあらゆる差異は、p++-GaN層の上の層に起因する可能性がある。
【0263】
理想的には、LED構造全体の性能を測定することが所望される。ただし、これにはp++-GaN表面へのオーミック接触部を製造することが必要であり、これは達成が困難であり、無視できない接触部抵抗をもたらすことが予想される。一方、トンネル接合の特性を直接測定するには、最上部のn-GaN表面にオーミック接触部を製造することが必要であり、これは、通常、より簡単であり、有意な接触部抵抗に寄与する可能性が低くなり、デバイスの処理工程数も最小限になる。
【0264】
それにもかかわらず、n/p-GaNトンネル接合を備えたデバイスのVf及び光出力(LOP)が、n/p-GaNトンネル接合を備えていない同じLEDデバイスのVf及びLOPと同等又はそれ以上であれば、埋込みp-GaN層が活性であるにちがいないことが推測できる。ただし、その逆は必ずしも当てはまらない。不十分なVf及びLOPを示すトンネル接合は、不動態化p-GaN層の結果であり得る、及び/又はトンネル確率が低い低品質のn/p-GaNトンネル接合が原因であり得る。
【0265】
図10は、図8及び図9に示されるデバイスのJV曲線を示す。トンネル接合を有するLEDは、5A/cmの電流密度で4.75Vの電圧を示したのに対し、上層n/p-GaNトンネル接合が無い市販のLEDでは電流密度5A/cmで5.35Vの電圧を示した。この結果は、埋込みp-GaN層が活性化されていることを示す。
【0266】
例5
上層n/p-GaNトンネル接合を備えた市販のMQW LEDの性能に対する成長前の処理条件の影響
図8及び図9に示す半導体構造を使用して、様々な成長前処理条件の影響を評価した。
【0267】
例4に記載されているような市販の青色MQW LEDから始めて、最上部のp++-GaN層が最初に様々な条件下で曝露された。
【0268】
15nm厚みのn++-GaN層(ドーパント濃度 約1.0E20cm-3)を、示されたプロセス条件下でRPCVDによって曝露されたp++-GaN層の上に成長させた。n/p-GaNトンネル接合を完成させるために、50nmの厚みのn-GaN層(ドーパント濃度約2.0E19cm-3)を、示されたプロセス条件下で、同様にRPCVDによってn++-GaN層の上に成長させた。上層n++/n-GaN層の構造を図11に示す。
【0269】
n/p-GaNトンネル接合を製造するために使用されるプロセス条件は、図17(表4)に示されている。図17(表4)はまた、上層n/p-GaNトンネル接合が無いそれぞれのLEDと比較したLOP、Vf、及びVfの変化(ΔV)を示す。
【0270】
市販の完全LEDは、p-GaN層の上にITO層を有していた。
【0271】
図12Aは、ITO層を有する市販の完全MQW LED(破線)及びTJを有するMQW LED(実線)のIV曲線を示す。n++及びn-GaN層を成長させる前に、LEDの最上部のp-GaN層をNH及びNに曝した。
【0272】
図12Bは、n++/n-GaN層の堆積前(破線)及び堆積後(実線)、最上部のLED層上に成長したMOCVDによって成長したp/p-GaN層を有する部分MQW LEDのIV曲線を示す。n++/n-GaN層を成長させる前に、最上部のp-GaN層をNH及びNに曝した。プロセス条件及び性能特性が、図17(表4)に示されており、プロセス条件Aに対応する。
【0273】
図13Aは、NH:H環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含む、市販の完全LEDのIV曲線を示す。
【0274】
図13Bは、NH:H環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含む、市販の部分LED上の1TS p-GaNのIV曲線を示す。プロセス条件及び性能特性が、図17(表4)に示されており、プロセス条件Bに対応する。
【0275】
図14Aは、N環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含む市販の完全LEDのIV曲線を示す。
【0276】
図14Bは、N環境へのp-GaN層の曝露及びRPCVDを使用したn++/n-GaN層のオーバーグロースを含む、市販の部分LED上の1TS p-GaNのIV曲線を示す。プロセス条件及び性能特性が、図17(表4)に示されており、プロセス条件Cに対応する。
【0277】
図13A及び図13Bに示す結果は、NH及びH環境への曝露が、より高い電流でMQW LEDよりも優れた性能を発揮したことを実証しており、それによって下層埋込みp-GaN層が活性化され、不動態化p-GaN層の製造が予想されるMOCVD条件下で成長した場合でも、本開示によって提供される方法を使用して、高品質の埋込み活性化p-GaN層が製造されたことを確認した。
【0278】
図15は、プロセス条件B(図17、表4)に従って処理され、図13A及び図13Bに示されるIV曲線を有するデバイスに対応するLEDデバイスの電流を伴うLOPを示す。図15に示す結果は、プロセス条件Bを使用して製造され、本開示によって提供される方法に従って製造されたトンネル接合が、ITO膜上に成長したLED n-GaN層と比較して同じ電流でわずかに高いLOPを示したことを実証している。
【0279】
図16A及び図16Bは、それぞれ、本開示により提供される方法に従って、プロセス条件Bを使用して製造された、上層n/p-GaNトンネル接合を有するLEDのエレクトロルミネセンス画像、及び上層n/p-GaNトンネル接合を有しないLEDのエレクトロルミネセンス画像の写真を示す。図16A及び図16Bに示される画像は、それぞれ図13A及び図13Bに示されるデバイスについて得られた。エレクトロルミネセンスの品質は同等であり、n/p型トンネル接合がLEDの性能を低下させなかったことを実証しており、それによってp-GaN層が活性化されていることを確認した。
【0280】
最後に、本明細書に開示された実施形態を実施する代替の方法があることに留意すべきである。したがって、本実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきである。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に与えられた詳細に限定されるものではなく、その完全な範囲及びその均等物に保護が与えられる。
本発明に包含され得る諸態様は、以下のとおり要約される。
[態様1]
埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を製造する方法であって、
(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物に曝露して、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、前記ガス混合物はHの分圧が760Torr未満であること、及び
(b)H、NH、又はそれらの組合せを含む環境で、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させて、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供すること
を含む、方法。
[態様2]
前記方法が、
(a)マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を、H、NH、又はそれらの組合せを含むガス混合物に曝露して、曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を提供することであって、Hの分圧が760Torr未満であること、及び
(b)H、NH、又はそれらの組合せを含む環境で、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させて、埋込み活性化p-(Al,In)GaN層を含む半導体構造を提供すること
からなる、上記態様1に記載の方法。
[態様3]
工程(a)において、前記ガス混合物がNを含まない、上記態様1に記載の方法。
[態様4]
曝露が、前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を300Torr未満のHの分圧及び900℃未満の温度に曝露することを含む、上記態様1に記載の方法。
[態様5]
前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層がマグネシウムドープp-GaN層である、上記態様1に記載の方法。
[態様6]
前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が不動態化p-(Al,In)GaN層である、上記態様1に記載の方法。
[態様7]
前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が、部分的に活性化されたp-(Al,In)GaN層である、上記態様1に記載の方法。
[態様8]
前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が完全に活性化されたp-(Al,In)GaN層である、上記態様1に記載の方法。
[態様9]
前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層が、1E19cm-3~5E21cm-3の濃度のマグネシウムドーパントを含む、上記態様1に記載の方法。
[態様10]
前記n-(Al,In)GaN層が、1E18cm-3~5E20cm-3の濃度のn型ドーパントを含む、上記態様1に記載の方法。
[態様11]
前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を曝露することは、5分未満の間曝露することを含む、上記態様1に記載の方法。
[態様12]
工程(a)において、Hの分圧が1Torr~300Torrである、上記態様1に記載の方法。
[態様13]
工程(a)において、Hの分圧が10Torrを超える、上記態様1に記載の方法。
[態様14]
工程(a)において、Hの分圧が100Torrを超える、上記態様1に記載の方法。
[態様15]
前記マグネシウムドープp-(Al,In)GaN層を曝露することは、Nプラズマに曝露することを含む、上記態様1に記載の方法。
[態様16]
工程(b)において、Hの分圧が0.1Torr~300Torrである、上記態様1に記載の方法。
[態様17]
工程(b)において、Hの分圧が0.1Torr~10Torrである、上記態様1に記載の方法。
[態様18]
工程(a)の後、前記温度を400℃~1,050℃の範囲内に下げ、Hの分圧は1Torr~300Torrである、上記態様1に記載の方法。
[態様19]
(b)前記n-(Al,In)GaN層を成長させることは、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させることを含む、上記態様1に記載の方法。
[態様20]
(b)前記n-(Al,In)GaN層を成長させることは、Hの分圧がNの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上にn-(Al,In)GaN層を成長させることからなる、上記態様1に記載の方法。
[態様21]
(b)前記n-(Al,In)GaN層を成長させることは、
(i)Nの分圧がHの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に第1のn-(Al,In)GaN層を成長させること、及び
(ii)Hの分圧がNの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記第1のn-(Al,In)GaN層の上に第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることを含む、上記態様1に記載の方法。
[態様22]
前記第1のn-(Al,In)GaN層が、30nm未満の厚みを有する、上記態様21に記載の方法。
[態様23]
前記第1のn-(Al,In)GaN層が、10nm未満の厚みを有する、上記態様21に記載の方法。
[態様24]
前記第2のn-(Al,In)GaN層が、10nmを超える厚みを有する、上記態様21に記載の方法。
[態様25]
(i)前記第1のn-(Al,In)GaN層を成長させることが、0.1Torr~10TorrのNの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含む、上記態様21に記載の方法。
[態様26]
(ii)前記第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることは、H及びNHの存在下、0.1Torr~10TorrのHの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含む、上記態様21に記載の方法。
[態様27]
(b)前記n-(Al,In)GaN層を成長させることは、
(i)Nの分圧がHの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記曝露されたマグネシウムドープp-(Al,In)GaN層上に第1のn-(Al,In)GaN層を成長させること、及び
(ii)Hの分圧がNの分圧より大きい環境で、RPCVDによって、前記第1のn-(Al,In)GaN層の上に第2のn-(Al,In)GaN層を成長させること
からなる、上記態様1に記載の方法。
[態様28]
前記第1のn-(Al,In)GaN層が、30nm未満の厚みを有する、上記態様27に記載の方法。
[態様29]
前記第1のn-(Al,In)GaN層が、10nm未満の厚みを有する、上記態様27に記載の方法。
[態様30]
前記第2のn-(Al,In)GaN層が、10nmを超える厚みを有する、上記態様27に記載の方法。
[態様31]
(i)前記第1のn-(Al,In)GaN層を成長させることが、0.1Torr~10TorrのNの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含む、上記態様27に記載の方法。
[態様32]
(ii)前記第2のn-(Al,In)GaN層を成長させることは、H及びNHの存在下、0.1Torr~10TorrのHの分圧及び500℃~1,050℃の温度で成長させることを含む、上記態様27に記載の方法。
[態様33]
(b)前記n-(Al,In)GaN層を成長させた後、(c)前記n-(Al,In)GaN層を覆う1つ以上の半導体層を成長させることをさらに含む、上記態様1に記載の方法。
[態様34]
(c)前記1つ以上の半導体層を成長させることは、H、NH又はそれらの組合せの存在下、1,050℃未満の温度で前記1つ以上の半導体層を成長させることを含む、上記態様33に記載の方法。
[態様35]
(c)前記1つ以上の半導体層を成長させることは、水素の存在下、1,050℃未満の温度で前記1つ以上の半導体層を成長させることを含む、上記態様33に記載の方法。
[態様36]
(c)前記1つ以上の半導体層を成長させることは、MOCVDによって成長させることを含む、上記態様33に記載の方法。
[態様37]
(c)前記1つ以上の半導体層を成長させることが、RPCVDによって成長させることを含む、上記態様33に記載の方法。
[態様38]
(c)前記1つ以上の半導体層を成長させることが、前記活性化されたp-(Al,In)GaN層を不動態化することを含まない、上記態様33に記載の方法。
[態様39]
前記埋込み活性化p-(Al,In)GaN層が100μmを超える最小横寸法を有する、上記態様1に記載の方法。
[態様40]
前記方法が、前記p-(Al,In)GaN層を横方向に活性化することを含まない、上記態様1に記載の方法。
[態様41]
前記方法が、前記温度が800℃を超え、Hの分圧が1Torr未満の環境に前記p-(Al,In)GaN層を曝露することを含まない、上記態様1に記載の方法。
[態様42]
前記方法が、不動態化されたp-(Al,In)GaN層を活性化することができる環境に前記p-(Al,In)GaN層を曝露することを含まない、上記態様1に記載の方法。
[態様43]
前記方法が、前記埋込みp-(Al,In)GaN層を活性化工程に曝露することを含まない、上記態様1に記載の方法。
[態様44]
上記態様1に記載の方法によって製造された半導体構造を含む半導体デバイス。
[態様45]
上記態様44に記載の半導体デバイスであって、前記半導体デバイスは、積層型光電子構造を含む、半導体デバイス。
[態様46]
前記積層型光電子構造が、積層型LED構造、積層型レーザダイオード構造、多接合太陽電池、積層型トランジスタ、又は積層型電力変換器を含む、上記態様45に記載の半導体デバイス。
[態様47]
前記半導体デバイスは、LED、レーザダイオード、光起電デバイス、光電子デバイス、太陽電池接合、トランジスタ、又は電力変換器を含む、上記態様44に記載の半導体デバイス。
[態様48]
前記半導体構造が、トンネル接合、導電層、又はそれらの組合せを含む、上記態様44に記載の半導体デバイス。
[態様49]
上記態様1に記載の方法によって製造された半導体構造を含むn/p-(Al,In)GaNトンネル接合。
[態様50]
前記n/p-(Al,In)GaNトンネル接合が、10A/cmで0.3V未満の前記n/p-(Al,In)GaNトンネル接合にわたる電圧降下を特徴とする、上記態様49に記載のトンネル接合。
[態様51]
前記n/p-(Al,In)GaNトンネル接合が、10A/cmで0.1V未満の前記n/p-(Al,In)GaNトンネル接合にわたる電圧降下を特徴とする、上記態様49に記載のトンネル接合。
[態様52]
上記態様49に記載のトンネル接合を含む半導体デバイス。
[態様53]
前記半導体デバイスが、積層型光電子構造を含む、上記態様52に記載の半導体デバイス。
[態様54]
前記積層型光電子構造が、積層型LED構造、積層型レーザダイオード構造、多接合太陽電池、積層型トランジスタ、又は積層型電力変換器を含む、上記態様53に記載の半導体デバイス。
[態様55]
前記半導体デバイスは、LED、レーザダイオード、光起電デバイス、光電子デバイス、太陽電池接合、トランジスタ、又は電力変換器を含む、上記態様54に記載の半導体デバイス。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17