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特許7295953電池パック用の強化された電池管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】電池パック用の強化された電池管理システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20230614BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230614BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H02J7/00 A
H01M10/48 P
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021531462
(86)(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019045696
(87)【国際公開番号】W WO2020033680
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】16/101,045
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521266239
【氏名又は名称】ポウィン,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタットマン,ストゥ
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-135486(JP,A)
【文献】特開2015-136268(JP,A)
【文献】特開2013-042647(JP,A)
【文献】特開2009-050085(JP,A)
【文献】特開2010-166721(JP,A)
【文献】特表2012-516673(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0207616(US,A1)
【文献】国際公開第2019/208163(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/178023(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105429212(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02J 7/00
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルグループをバランシングするための方法であって、
電池管理システムにより、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して、バランシングプロファイルを受信するステップであって、前記電池管理システムは、受信した前記バランシングプロファイルに基づいて、複数のセルグループを充電、放電、または、充電および放電することにより、複数のセルグループのバランシングを最適化するように構成された、受信するステップと、
前記電池管理システムにより、前記受信されたバランシングプロファイルに基づいて、複数のセルグループストリングコントローラを制御するステップと、
前記複数のセルグループストリングコントローラにより、前記複数のセルグループをバランシングするように複数のセルグループバランシングコントローラを制御するステップと、
を含み、
前記バランシングプロファイルは、前記バランシングプロファイルが複数の利用可能な事前定義されたバランシングプロファイルのライブラリから選択された後、前記電池管理システムによって受信され、
前記複数の利用可能な事前定義されたバランシングプロファイルは、
前記複数のセルグループ間の電圧差が最小化されない、バランシングなしプロファイルと、
前記複数のセルグループの平均電圧値を中心とするバランシングのためのデッドバンドから外れた電圧値を有するセルグループを充電または放電することによって、前記複数のセルグループ間の電圧差が、セルグループの電池充電状態値に関係なく最小化される、基本バランシングプロファイルと、
セルグループを最低電圧で充電することによって前記電池充電状態値を最大化するように前記複数のセルグループ間電圧差が管理され、高充電閾値を超える電圧値を有するセルグループのみが放電される、完全充電最適化プロファイルと、
セルグループを最高電圧で放電することによって前記電池充電状態値を最小化するように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理され、低充電閾値を下回る電圧有するセルグループのみが充電される、完全放電最適化プロファイルと、
充電のためのデッドバンドから外れた電圧値を有するセルグループを充電または放電することによって電池充電状態値を増加させるように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理され、セルグループの電圧が前記高充電閾値に近づくと、前記充電のためのデッドバンドが減少する、充電プロファイルと、
放電のためのデッドバンドから外れた電圧値を有するセルグループを充電または放電することによって前記電池充電状態値を減少させるように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理され、セルグループの電圧が前記低充電閾値に近づくと、前記放電のためのデッドバンドが減少する、放電プロファイルと、
前記複数のセルグループの充電および放電を最小化するように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理されセルグループ電圧前記高充電閾値または前記低充電閾値に近づいていない、高効率プロファイルと、
のうちの2つ以上を含む、方法。
【請求項2】
前記バランシングプロファイルは、エネルギー管理システムから受信された、ユーザが選択したバランシングプロファイルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の利用可能な事前定義されたバランシングプロファイルのライブラリは、前記電池のユースケースに基づいて、セルグループ間の電圧差を管理するために定義された1つ以上の追加のバランシングプロファイルをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バランシングプロファイルは、デッドバンド基づいて前記セルグループをバランシングするための基本バランシングプロファイルを含み、
前記基本バランシングプロファイルに基づいて前記複数のセルグループバランシングコントローラを制御するステップは、
前記デッドバンドから外れた電圧を持つセルグループのサブセットを識別することと、
前記セルグループのサブセットに対して、あるセルグループを前記セルグループの平均電圧との電圧差が最も大きいものとして決定することと、
前記セルグループの前記平均電圧との電圧差が最も大きい前記セルグループを充電または放電することと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記バランシングプロファイルは、セルグループ電圧をバランスアップするために前記完全充電最適化プロファイルを含み、高充電閾値を上回る電圧のセルグループのみがバランスダウンされ、低充電のためのデッドンドを下回る電圧のセルグループがバランスアップされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バランシングプロファイルは、セルグループ電圧をバランスダウンするために前記完全放電最適化プロファイルを含み、低充電閾値を下回る電圧のセルグループのみがバランスアップされ高放電のためのデッドバンドを上回る電圧のセルグループのみがバランスダウンされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バランシングプロファイルは、デッドバンドから外れた電圧値を有するセルグループを充電または放電することにより、セルグループ電圧をターゲット電圧にバランスアップまたはバランスダウンするための充電プロファイルまたは放電プロファイルを含み、セルグループ電圧が高充電閾値または低充電閾値に近づくと、前記デッドバンドが減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記セルグループの充電および放電を最小化することにより、セルグループ電圧をターゲット電圧にバランスをとるための高効率プロファイルを含みセルグループ電圧高充電閾値または低充電閾値に近づいていない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
セルグループバランシングシステムであって、
複数のセルグループと、
アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して、バランシングプロファイルを受信するように構成された電池管理システムであって、前記電池管理システムは、受信した前記バランシングプロファイルに基づいて、前記複数のセルグループを充電、放電、または、充電および放電することにより、前記複数のセルグループのバランシングを最適化するように構成された、電池管理システムと、
エネルギー管理システムであって、
グラフィカルユーザインタフェースを介してユーザ選択可能なバランシングプロファイルのメニューを提示し、
前記グラフィカルユーザインタフェースを介してユーザが選択したバランシングプロファイルを受信し、
前記APIを介して、前記ユーザが選択したバランシングプロファイルを前記電池管理システムに送信するように構成され、
前記ユーザ選択可能なバランシングプロファイルのメニューは、
前記複数のセルグループ間の電圧差が最小化されない、バランシングなしプロファイルと、
前記複数のセルグループの電圧の平均電圧を中心とするバランシングのためのデッドバンドから外れた電圧値を有するセルグループを充電または放電することによって、前記複数のセルグループ間の電圧差が、セルグループの電池充電状態値に関係なく最小化される、基本バランシングプロファイルと、
セルグループを最低電圧で充電することによって前記電池充電状態値を最大化するように前記複数のセルグループ間電圧差が管理され、高充電閾値を超える電圧のセルグループのみが放電される、完全充電最適化プロファイルと、
セルグループを最高電圧で放電することによって前記電池充電状態値を最小化するように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理され、低充電閾値を下回る電圧値を有するセルグループのみが充電される、完全放電最適化プロファイルと、
充電のためのデッドバンドから外れた電圧値を有するセルグループを充電または放電することによって前記電池充電状態値を増加させるように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理され、セルグループの電圧が前記高充電閾値に近づくと、前記充電のためのデッドバンドが減少する、充電プロファイルと、
放電のためのデッドバンドから外れた電圧値を有するセルグループを充電または放電することによって前記電池充電状態値を減少させるように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理され、セルグループの電圧が前記低充電閾値に近づくと、前記放電のためのデッドバンドが減少する、放電プロファイルと、
前記複数のセルグループの充電および放電を最小化するように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理されセルグループ電圧前記高充電閾値または前記低充電閾値に近づいていない、高効率プロファイルと、
のうちの2つ以上を含む、エネルギー管理システムと、
を備える、セルグループバランシングシステム。
【請求項10】
複数のセルグループコントローラであって、各セルグループコントローラが異なるセルグループのために構成される、複数のセルグループコントローラと、
複数のバランシングコントローラであって、各セルグループコントローラが前記複数のセルグループコントローラの異なるサブセットを制御するように動作可能である、複数のバランシングコントローラと、をさらに備え、
前記APIは、前記複数のセルグループをバランシングするための前記命令を前記バランシングコントローラに送信するように構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
複数のセルグループコントローラであって、各セルグループコントローラが異なるセルグループのために構成される、複数のセルグループコントローラと、
複数のバランシングコントローラであって、各セルグループコントローラが前記複数のセルグループコントローラの異なるサブセットを制御するように動作可能である、複数のバランシングコントローラと、
複数のストリングコントローラであって、各ストリングコントローラが前記複数のバランシングコントローラの異なるサブセットを制御するように構成される、複数のストリングコントローラと、をさらに備え、
前記APIは、前記複数のセルグループをバランシングするための命令を前記複数のストリングコントローラに送信するように構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
複数のセルグループコントローラであって、各セルグループコントローラが異なるセルグループのために構成される、複数のセルグループコントローラと、
複数のバランシングコントローラであって、各セルグループコントローラが前記複数のセルグループコントローラの異なるサブセットを制御するように動作可能である、複数のバランシングコントローラと、
複数のストリングコントローラであって、各ストリングコントローラが前記複数のバランシングコントローラの異なるサブセットを制御するように構成される、複数のストリングコントローラと、をさらに備え、
前記電池管理システムは、前記複数のストリングコントローラを制御するように構成され、
前記APIは、前記複数のセルグループをバランシングするための命令を前記電池管理システムから送信するように構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記APIは、Modbus、CANbus、DNP3またはウェブサービスインタフェースを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記APIは、
前記ユーザが選択したバランシングプロファイルを起動し、
現在のバランシング設定を報告し、
現在のセルグループの状態を報告するように動作可能な情報を送信するように構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記ユーザが選択したバランシングプロファイルは、現在のバランシング状態を報告するように構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のセルグループをバランシングするための前記命令は、時刻、日付、および前記複数のセルグループのサブセットにさらに基づいている、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
複数のセルグループをバランシングするための方法であって、
バランシングプロファイルのライグラリからのユーザ選択に基づいて、バランシングプロファイルを受信するステップであって、受信した前記バランシングプロファイルは、前記複数のセルグループを充電、放電、または、充電および放電することにより、前記複数のセルグループのバランシングを最適化するように構成された、受信するステップと、
前記バランシングプロファイルに基づいてバランシング命令を生成するステップと、
前記複数のセルグループをバランシングするために、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して、前記バランシング命令を送信するステップと、
前記バランシング命令に基づいて、低レベルセルグループ制御を介して前記複数のセルグループをバランシングするステップと、を含み、
前記バランシングプロファイルのライブラリは、
前記複数のセルグループ間の電圧差が最小化されない、バランシングなしプロファイルと、
前記複数のセルグループの電圧の平均電圧を中心とするバランシングのためのデッドバンドから外れた電圧値を有するセルグループを充電または放電することによって、前記複数のセルグループ間の電圧差が、セルグループの電池充電状値に関係なく最小化される、基本バランシングプロファイルと、
セルグループを最低電圧で充電することによって前記電池充電状態値を最大化するように前記複数のセルグループ間電圧差が管理され、高充電閾値を超える電圧のセルグループのみが放電される、完全充電最適化プロファイルと、
セルグループを最高電圧で放電することによって前記電池充電状態値を最小化するように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理され、低充電閾値を下回る電圧のセルグループのみが充電される、完全放電最適化プロファイルと、
充電デッドバンド外の電圧のセルグループを充電または放電することによって前記電池充電状態値を増加させるように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理され、セルグループの電圧が前記高充電閾値に近づくと、前記充電デッドバンドが減少する、充電プロファイルと、
放電のためのデッドバンドから外れた電圧値を有するセルグループを充電または放電することによって前記電池充電状態値を減少させるように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理され、セルグループの電圧が前記低充電閾値に近づくと、前記放電デッドバンドが減少する、放電プロファイルと、
前記複数のセルグループの充電および放電を最小化するように前記複数のセルグループ間の電圧差が管理されセルグループ電圧前記高充電閾値または前記低充電閾値に近づいていない、高効率プロファイルと、
のうちの2つ以上を含む、方法。
【請求項18】
前記バランシングプロファイルのライブラリは、前記セルグループの異なるユースケースのために構成されたバランシングプロファイルを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年8月10日に出願された米国仮特許出願第16/101,045号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電池パックの電池セルのバランシングのための電池管理システムに関連している。
【背景技術】
【0003】
高性能電池システムは、グリッドやマイクログリッドのエネルギーの貯蔵と管理、再生可能エネルギーの統合(太陽光、風力、水力など)など、さまざまなユースケース(使用事例)アプリケーション向けに開発および展開されている。たとえば、太陽エネルギーは、空調のエネルギー需要が平均をはるかに上回っている夏の間など、エネルギー消費量の多い時間帯に使用するために、電池システムに収集および保存される場合がある。電池システムの容量を最大化し、電池システムを安全に利用するために、電池バランシングの技術と手段が展開されている。たとえば、電池セルの電圧が下限を下回ると、電池セルは火災の危険要因となり、廃棄する必要がある。同様に、電池セルが過充電され、電池セルの電圧が上限を上回っても、電池セルは火災の危険要因となる。
【0004】
充電および放電時に使用される電池の量を増やし、安全性を高めるために、さまざまなアクティブおよびパッシブバランシング技術が開発されている。ただし、アクティブおよびパッシブバランシングにはコストがかかる。たとえば、パッシブバランシングは、平均セル電圧に対して閾値を超える電池セルを放電することによってエネルギーを廃棄するので、寄生損失および効率損失につながる。アクティブバランシングでは、効率の低いコンポーネントを使用して充電することが多く、効率がさらに低下する。さまざまなバランシング手段が開発されているが、バランシング手段は、セル電圧をすべてのセルの平均セル電圧にバランスさせる単純なバランシング技術を展開したり、ターゲット電圧にバランスをとったりするなど、ほとんどの電池システムの静的な決定として展開される。ただし、より効率的で堅牢なバランシング手段を採用することで、さまざまなユースケースを改善できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この要約は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化された形式で紹介するために提供されている。この要約は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を制限するために使用されることも意図していない。
【0006】
本実施形態のうちの1つ以上は、異なるユースケースの必要に応じて、電池容量のより効率的な使用を提供する電池セルバランシングシステムおよび手段を提供する。たとえば、ユースケースのバランシング手段に従って、ターゲットとなる電池セルのパッシブおよびアクティブバランシングをサポートするために、バランシング回路が提供される。さらに、バランシング回路は、電池セルが集合的に充電または放電されている間にセルバランシングを実行することを可能にする。
【0007】
さらに、静的な単一のバランシング手段を有する代わりに、1つ以上の本実施形態は、本ユースケースの要件に一致するように構成、選択、および実装することができる一連のプリセットおよびカスタマイズ可能なバランシングアプリケーションを提供する。一連のプリセットおよびカスタマイズ可能なバランシングアプリケーションは、特定のユースケースに合わせてバランシングシステムを調整するために、ユーザに提示および選択され得る。あるいは、バランシングシステムは、本ユースケースに合わせてバランシングシステムを調整するために、たとえば、1つ以上の入力に基づいて、バランシングアプリケーションを自動的に選択することができる。
【0008】
一実施形態では、方法がセルグループをバランシングするために提供される。方法は、電池管理システムにより、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して、バランシングプロファイルを受信するステップと、前記電池管理システムにより、前記受信されたバランシングプロファイルに基づいて、複数のセルグループストリングコントローラを制御するステップと、を含む。方法は、また、前記複数のセルグループストリングコントローラにより、前記セルグループをバランシングするように複数のセルグループバランシングコントローラを制御するステップを含む。
【0009】
さらなる実施形態では、セルグループバランシングシステムが提供される。セルグループバランシングシステムは、 複数のセルグループと、エネルギー管理システムとを備える。エネルギー管理システムは、グラフィカルユーザインタフェースを備え、グラフィカルユーザインタフェースを介してユーザ選択可能なバランシングアプリケーションのメニューを提示し、前記グラフィカルユーザインタフェースを介してユーザが選択したバランシングアプリケーションを受信するように構成された。エネルギー管理システムは、さらに、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して、前記ユーザが選択したバランシングアプリケーションに基づいて、前記複数のセルグループをバランシングするための命令を送信するように構成された。
【0010】
別の実施形態では、セルグループをバランシングするために別の方法が提供される。方法は、バランシングアプリケーションのライグラリからのユーザ選択に基づいて、バランシングアプリケーションを受信するステップと、 前記バランシングアプリケーションに基づいてバランシング命令を生成するステップと、 前記セルグループをバランシングするために、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して、前記バランシング命令を送信するステップと、を含む。方法は、また、前記バランシング命令に基づいて、低レベルセルグループ制御を介して前記セルグループをバランシングするステップを含む。
【0011】
本発明の前述および他の目的、特徴、および利点は、添付の図を参照して進む以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書に記載の1つ以上のアプローチを実施することができる例示的なバランシング回路を示す図である。
【0013】
図2】本明細書に記載の1つ以上のアプローチを実施することができる別の例示的なバランシング回路を示す図である。
【0014】
図3】本明細書に記載の1つ以上のアプローチを実施することができるさらに別の例示的なバランシング回路を示す図である。
【0015】
図4】バランシングプロファイルに基づいてセルグループをバランシングするための例示的な実施形態のフローチャートである。
【0016】
図5】ユーザが選択したバランシングアプリケーションに基づいてセルグループをバランシングするためのバランシング技術を実行するための例示的な実施形態のフローチャートである。
【0017】
図6】ユーザが選択したバランシングアプリケーションに基づいてセルグループをバランシングするためのバランシング技術を実行するための別の例示的な実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
I.総論
以下に開示されるのは、電池セルバランシングシステムおよび電池セルバランシング手段を実施するための方法、装置、およびシステムの代表的な実施形態である。開示される方法、装置、およびシステムは、いかなる方法でも限定的であると解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、または互いに様々な組み合わせおよび部分的な組み合わせで、様々な開示される実施形態のすべての新規で非自明な特徴および態様を焦点としている。さらに、開示される実施形態の任意の特徴または態様は、互いに様々な組み合わせおよび部分的な組み合わせで使用することができる。たとえば、1つの実施形態からの1つ以上のシステムコンポーネントまたは方法行為は、別の実施形態からの1つ以上のシステムコンポーネントまたは方法行為とともに使用され得、逆もまた同様である。開示される方法、装置、およびシステムは、特定の態様、特徴、またはそれらの組み合わせに限定されず、開示される実施形態は、任意の1つ以上の特定の利点が存在すること、または問題が解決されることを必要としない。
【0019】
開示される方法のいくつかの動作は、便利な提示のために特定の順序で説明されているが、この説明の方法は、以下に述べる特定の表現によって特定の順序が要求されない限り、再配置を含むことを理解されたい。たとえば、順次的に記述された動作は、場合によっては、再配置または同時に実行され得る。さらに、簡単にするために、添付の図は、開示された方法が他の方法と組み合わせて使用され得る様々な方法を示さない場合がある。さらに、説明では、開示される技術を説明するために、「決定する」、「生成する」、「評価する」などの用語を使用することがある。これらの用語は、実行される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装によって異なることがあるが、当業者によって容易に識別可能である。
【0020】
ここで説明する例のさまざまな代替手段が可能である。たとえば、本明細書に記載の方法のいくつかは、特定の方法行為を分割、繰り返し、または省略することなどで、記載された方法行為の順序を変更することによって変更され得る。開示される技術の様々な態様は、組み合わせてまたは別々に使用することができる。異なる実施形態は、記載される革新のうちの1つ以上を使用する。本明細書で説明する革新の一部は、背景に記載されている1つ以上の問題に対処する。通常、特定の手法/ツールでこのような問題がすべて解決されるわけではない。
【0021】
本出願および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形を含む。さらに、「includes」という用語は「comprises」を意味する。さらに、本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、句内の任意の1つの項目または任意の項目の任意の組み合わせを意味する。
【0022】
II.開示される技術の紹介
1つ以上の本実施形態は、異なるユースケースの必要に応じて、電池容量のより効率的な使用を提供する電池セルバランシングシステムおよび手段を提供する。たとえば、バランシング手段に従って、ターゲットとなる電池セルのパッシブおよびアクティブバランシングをサポートするために、バランシング回路が提供される。さらに、バランシング回路は、アプリケーションのユースケースのために電池セルが集合的に充電または放電されている間にバランシングを実行することを可能にする。
【0023】
さらに、特定の実施形態では、静的な単一のバランシング手段を有する代わりに、アプリケーションのユースケースの要件に一致するように構成、選択、および/または実装することができる一連のプリセットおよびカスタマイズ可能なバランシングアプリケーションが提供される。一連のプリセットおよびカスタマイズ可能なバランシングアプリケーションは、特定のユースケースに合わせてバランシングシステムを調整するために、ユーザに提示および選択され得る。あるいは、バランシングシステムは、ユースケースに合わせてバランシングシステムを調整するために、1つ以上の入力に基づいてバランシングアプリケーションを自動的に選択することができる。
【0024】
III.実施形態例
以下で論じられる実施形態は、複数の電池セルまたは電池セルグループのバランスをとるためのバランシング回路を提供および/または利用する。たとえば、バランシング回路は、バランシング専用の回路として提供され得る。バランシング回路を使用して1つ以上のバランシング手段を実装でき、ユースケースアプリケーションに合わせて特別に調整されたバランシング手段を選択できる。たとえば、パッシブバランシングとターゲット充電の組み合わせを使用して、複数の電池セルまたは電池セルグループを充電および/または放電バランスすることができる。選択したバランシング手段を実装することで、電池セルの安全性と寿命を向上させながら、電池セルがユースケースアプリケーションの要件をより効率的かつ効果的に満たすことが可能になる。
【0025】
A.システム例
図1は、本明細書に記載の1つ以上のアプローチを実施することができる例示的なバランシング回路を示す概略ブロック図である。バランシング回路は、異なるユースケースの必要に応じてより効率的な電池使用を提供するためのバランシング手段を実施するように構成されたより大きな電池セルバランシングシステムに実装され得る。たとえば、ユースケースによっては、単一の電池セルがパッシブおよびアクティブバランシングの対象となる場合がある。さらに、電池セルが使用されている間(たとえば、電池セルが充電または放電されている間)、ターゲット化されたパッシブおよびアクティブバランシングが提供され得る。
【0026】
図1を参照して、バランシング回路100は、電池パックのコンポーネントを示している。たとえば、バランシング回路(100)は、電圧源(102)および負荷(104)を含む。電圧源(102)は、バランシング充電器などの電池セルを充電することができる任意の電圧源である。たとえば、電圧源(102)は、電池セルまたは電池セルグループを充電するために交流を直流に変換するように構成された電池充電器である。電圧源(102)はまた、三相を単相交流に変換するように構成することができる。電圧源は、再生可能エネルギー源と組み合わせてなどのように発電機に結合するか、またはインバータまたはAC動力源を介してなどのようにエネルギーグリッドまたはマイクログリッドに結合することができる。負荷(104)は、抵抗器、インダクタ、コンデンサ、別のコンポーネント、または電気エネルギーを消費するための電気負荷として機能するコンポーネントの組み合わせなどの任意の電気負荷である。
【0027】
電圧源(102)は、充電バランシングリレー(106)を介してバランシング回路(100)に結合され、負荷(104)は、放電バランシングリレー(108)を介してバランシング回路(100)に結合される。充電バランシングリレー(106)は、電池セルまたはセルグループを充電するために、電圧源(102)をバランシング回路(100)に選択的に結合するように構成される。同様に、放電バランシングリレー(108)は、電池セルまたはセルグループを放電するために、負荷(104)をバランシング回路(100)に選択的に結合するように構成される。以下で説明するように、電圧源(102)または負荷(104)は、バランシング回路(100)に接続または切断されて、充電バランシング構成、放電バランシング構成、またはバランシングなし構成を容易にする。
【0028】
たとえば、電圧源(102)および負荷(104)は、バランシングコントローラ(116)(以下で説明)と同じ制御レベルなど、電池セルよりも高いレベルで提供され得る。一実施形態では、電圧源(102)は、双極単投(double-pole,single throw:DPST)充電リレー(106)を介してバランシング回路(100)に結合される。充電リレー(106)が閉じているとき、電圧源(102)は、バランシング回路(100)に結合されたセルグループを充電することができる。同様に、負荷(104)は、DPST放電リレー(108)を介してバランシング回路(100)に結合される。放電リレー(108)が閉じているとき、負荷(104)は、バランシング回路(100)に結合されたセルグループを放電することができる。
【0029】
図1に示される例では、電圧源(102)または負荷(104)は、充電バランシング回路(100)に直列に結合されるように構成される。したがって、任意の時点で、充電バランシング回路(100)は、その時間中に1つの電池セルまたはセルグループを充電または放電するように構成され得る。他の実施形態では、電圧源(102)または負荷(104)は、異なる電池セルまたはセルグループを放電しながら、1つの電池セルまたはセルグループを同時に充電することを可能にする方法で、充電バランシング回路(100)に結合されるように構成される。
【0030】
充電バランシング回路(100)は、複数のセルグループコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))を含む。たとえば、セルグループコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))は、電池モジュールコントローラ(battery module controller:BMC)または同様のコントローラである。セルグループコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))のそれぞれは、複数のセルグループ(114(1)、114(2)、...、114(N))を、複数のセルグループバランシングリレー(112(1)、112(2)、...、112(N))のうちの1つを介してバランシング回路(100)に接続するように構成される。セルグループ(114(1)、114(2)、...、114(N))のそれぞれは、1つ以上の電池セルを含む。電池セルは、リチウムイオン電池または別の既知または将来の電池セルタイプであり得る。以下で説明するように、電池セルグループは、ストリングコントローラ(以下で説明)、複数のバランシングコントローラ、複数のセルグループコントローラ、複数のセルグループリレー、および複数のセルグループを含む電池セルスタックとして実装することができる。
【0031】
一実施形態では、セルグループコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))は、セルグループバランシングリレー(112(1)、112(2)、...、112(N))とともに回路基板(たとえば、プリント回路基板)上に実装される。各回路基板上で、セルグループバランシングリレー(112(1)、112(2)、...、112(N))は、各セルグループの双極単投(DPST)リレーとして実装できる。この例では、セルグループバランシングリレーが閉じているとき、リレーはそのセルグループをバランシング回路(100)に接続する。追加のまたは異なるリレーを使用できる。さらに、たとえば、バランシングコントローラ(以下で説明)、または開示される動作を実行するように構成された1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGA、および/またはASICなどの追加のまたは異なるコンポーネントを回路基板に含めることができる。
【0032】
セルグループバランシングリレー(112(1)、112(2)、...、112(N))の制御に加えて、各セルグループコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))は、対応するセルグループの電圧、温度、およびその他の情報を測定するように構成される。セルグループコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))はまた、測定された電圧、温度、および他の情報をバランシングコントローラ(以下で説明)またはバランシング回路(100)に結合されている別の制御システムに送信するように構成される。
【0033】
充電バランシング回路(100)はまた、バランシングコントローラ(116)を含む。たとえば、バランシングコントローラ(116)は、電池パックコントローラ(BPC)または同様のコントローラである。バランシングコントローラ(116)は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGA、および/またはASICによって実装することができる。この実施形態では、バランシングコントローラ(116)は、バランシング手段の実施を担当する。たとえば、バランシングコントローラ(116)は、充電バランシングリレー(106)、放電バランシングリレー(108)および複数のセルコントローラ(110(1)、110(2)、110(N))を制御することによって、複数のセルグループ(114(1)、114(2)、...、114(N))のバランスをとるように構成される。また、充電バランシングリレー(106)、放電バランシングリレー(108)、および複数のセルコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))を制御することによって、バランシングコントローラ(116)は、パッシブまたはアクティブバランシング技術を用いて独立して特定のセルグループをターゲットにすることができる。バランシングコントローラ(116)はまた、各セルグループ(114(1)、114(2)、...、114(N))の測定された電圧、温度および他の情報のような、複数のセルグループコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))から受信されたデータを集約し、揮発性メモリ(レジスタ、キャッシュ、RAMなど)または不揮発性メモリ(ROM、EEPROM、フラッシュメモリなど)にデータを格納またはバッファリングするように構成することができる。次に、バランシングコントローラ(116)は、集約されたデータを使用して、充電バランシング回路(100)のバランシング決定を行うことができる。
【0034】
一実施形態では、バランシングコントローラ(116)は、複数のセルグループコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))のそれぞれから受信された測定された電圧、温度および他の情報と併せて外部構成に基づいて、複数のセルグループ(114(1)、114(2)、...、114(N))のバランスをとるように構成される。一例では、外部構成は、放電バランシング構成、充電バランシング構成、またはバランシングなし構成を含む。追加のおよび/または異なる外部構成が提供される場合がある。
【0035】
上記の例では、セルグループ(114(1)、114(2)、...、114(N))のバランシングに3つのバランシング構成を使用できる。バランシング構成は、放電バランシング状態、充電バランシング状態、またはバランシングなし状態を含むバランシング状態と呼ばれることがある。この例では、常に1つのバランシング構成のみが実装される。したがって、充電リレー(106)または放電リレー(108)の一方のみを一度に閉じることができ、または充電リレー(106)および放電リレー(108)の両方を開くことができる。
【0036】
一例では、充電バランシング構成は、充電バランシングリレー(106)を閉じて設定し、放電バランシングリレー(108)を開いて設定し、セルグループバランシングリレーの一方(112(1))を閉じて設定し、セルグループバランシングリレーの他方(112(2)、...、112(N))を開いて設定することを含み得る。この構成では、個々のセルグループ(112(1))は、ターゲットバランシング電圧などに充電される。同様に、放電バランシング構成は、充電バランシングリレー(106)を開いて設定し、放電バランシングリレー(108)を閉じて設定し、セルグループバランシングリレーの一方(112(1))を閉じて設定し、セルグループバランシングリレーの他方(112(2)、...、112(N))を開いて設定することを含み得る。この構成では、個々のセルグループは、ターゲットバランシング電圧などに放電される。最後に、バランシングなし構成は、充電バランシングリレー(106)を開いて設定し、放電バランシングリレー(108)を開いて設定し、複数のセルバランシングリレー(112(1)、112(2)、...、112(N))を開いて設定することを含み得る。この構成では、セルグループは充電または放電されない。
【0037】
一実施形態では、前述の充電バランシング構成を容易にするために、高レベル制御システム(以下で説明)などによって、バランシング許可を提供することができる。たとえば、充電バランシング許可は、バランシングコントローラ(116)が充電を許可されるかどうかを示すフラグ入力を含み得る。フラグがfalseに設定されている場合、バランシングコントローラ(116)は充電バランシングリレー(106)を閉じることができない。同様に、放電バランシング許可は、バランシングコントローラ(116)が放電を許可されるかどうかを示すフラグ入力を含み得る。フラグがfalseに設定されている場合、バランシングコントローラ(116)は放電バランシングリレー(106)を閉じることができない。追加のまたは異なる外部構成を容易にするためなど、追加の異なる許可が提供される場合がある。許可フラグを設定するための高レベル制御システムは、図2に関して以下で説明するように、電池管理システム(BMS)、エネルギー管理システム(EMS)、または別の高レベル制御システムコンポーネントを含み得る。
【0038】
図2は、本明細書に記載の1つ以上のアプローチを実施することができる別の例示的なバランシング回路を示す図である。バランシング回路は、異なるユースケースの必要に応じてより効率的な電池使用を提供するためのバランシング手段を実施するように構成されたより大きな電池セルバランシングシステムに実装され得る。たとえば、ユースケースに応じて、1つ以上の電池セルがパッシブおよびアクティブバランシングの対象となる場合がある。さらに、電池セルが使用されている間(たとえば、電池セルが充電または放電されている間)、ターゲット化されたパッシブおよびアクティブバランシングが提供され得る。
【0039】
図2を参照すると、バランシング回路(200)は、複数のセルグループスタック(220(1)、220(2)、...、220(N))を含む。各セルグループスタックは、図1に関して上で論じたように、各スタック内に複数の電池パックを含む。たとえば、各電池パックは、電圧源(102)および負荷(104)を含む。電圧源(102)は、電池セルを充電することができる任意の電圧源である。あるいは、電圧源(102)は、異なるセルグループスタック(以下で説明)に電力を分配するように構成された複数の電池充電器などの複数の電圧源のうちの1つである。この例では、図2に示すように、電圧源(102)が動力源(226)に結合されている。たとえば、動力源(226)は、エネルギーグリッドに結合され得、電池セルグループを充電するために交流を直流に変換するように構成され得る。あるいは、動力源(226)は、交流電力を電圧源(102)に提供するように構成され得、電圧源(102)は、交流を直流に変換するように構成され得る。したがって、動力源(226)は、複数のセルグループスタックに電力を供給するように構成される。説明したように、AC電力は動力源(226)を介して供給される。あるいは、DC動力源、発明者、または1つ以上の電池セルは、動力源(226)の代わりに、またはそれに加えて、複数のセルグループスタックに電力を供給するように構成され得る。一例では、1つ以上の電池セルからのDC電力は、バランシングのために1つ以上の他の電池セルに供給される。負荷(104)は、抵抗器または電気エネルギーを消費するための電気負荷として機能する別のコンポーネントなどの任意の電気負荷である。この実施形態では、異なる電池パックは、他の電池パックとは独立して同時に充電および/または放電することができる。
【0040】
代替の実施形態では、各セルグループスタック(220(1)、220(2)、...、220(N))は、スタック専用の充電リレー(106)および専用の放電リレー(108)を含む。同様に、各スタックはまた、専用の電圧源(102)および負荷(104)を含み得る。この実施形態では、異なるスタックセルグループスタック(220(1)、220(2)、...、220(N))は、他のスタックとは独立して同時に充電および/または放電することができる。
【0041】
バランシング回路(200)は、複数のセルグループスタック(220(1)、220(2)、...、220(N))を含む。各セルグループスタック(220(1)、220(2)、...、220(N))は、セルグループ(114(1)、114(2)、...、114(N))などの複数のセルグループ、リレー(112(1)、112(2)、...、112(N))などの複数のセルグループリレー、セルグループコントローラ(110(1)、110(2)、...、110(N))などの複数のセルグループコントローラ、およびバランシングコントローラ(116)などの複数のバランシングコントローラを含む。特定の実施形態では、各スタックは、17個のバランシングコントローラを含むが、各スタックは、追加のまたはより少ないバランシングコントローラを含むことができる。17個のバランシングコントローラを備えた実施形態では、各スタックはまた、17個の充電リレー(106)および17個の放電リレー(108)を有するであろう。各バランシングコントローラは、セルグループコントローラおよびセルグループリレーの異なるサブセットを介して、複数のセルグループの異なるサブセットをバランシングするための異なる回路を制御するように構成される。代替の実施形態では、セルグループスタック(220(1)、220(2)、...、220(N))は、セルグループコントローラを含まず、複数のセルグループリレーは、バランシングコントローラによって直接制御される。
【0042】
バランシング回路(200)は、複数のスタックコントローラ(218(1)、218(2)、...、218(N))をさらに含む。たとえば、スタックコントローラ(218(1)、218(2)、...、218(N))は、ストリングコントローラとして構成される。スタックコントローラ(218(1)、218(2)、...、218(N))はそれぞれ、バランシングコントローラの異なるサブセットを制御するように構成される。
【0043】
一実施形態では、バランシング回路(200)はまた、電池管理システム(BMS)(222)および/またはエネルギー管理システム(EMS)(224)を含む。BMS(222)は、複数のスタックコントローラ(218(1)、218(2)、...、218(N))を制御することによって、複数のセルグループへの電力分配を制御するように構成される。EMS(224)は、動力源(226)による電力供給を制御するように構成される。BMS(222)およびEMS(224)は、スタック(220(1)、220(2)、...、220(N))のバランシングのための高レベルの制御システムである。一例では、BMS(222)および/またはEMS(224)は、サーバコンピュータ上で、または仮想マシン環境などの別のコンピューティング環境内でソフトウェア制御システムとして実装される。たとえば、BMS(222)およびEMS(224)は、1つ以上の中央処理装置(CPU)、システムメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)および入力/出力(I/O)インタフェースを含むハードウェアを備えたコンピュータプラットフォームなど、1つ以上のサーバコンピュータに実装できる。BMS(222)およびEMS(224)は、単一のサーバコンピュータまたは単一のコンピューティング環境に実装できる。あるいは、BMS(222)およびEMS(224)は、単一のコントローラまたは複数のコントローラに実装できる。
【0044】
バランシング手段を実装するために、複数のスタックコントローラ(218(1)、218(2)、...、218(N))のそれぞれは、バランシングモードまたはBMS(222)から受け取った外部構成に基づいて動作するように構成される。たとえば、バランシングモードは、各セルグループスタック(220(1)、220(2)、...、220(N))内のセルグループのターゲット電圧モードを含み得る。ターゲット電圧モードでは、セルグループ電圧はセルグループのターゲット電圧に基づいてバランスがとられる。
【0045】
一実施形態では、各スタックのバランシングコントローラは、各スタックのバランシングターゲット電圧を決定するように構成される。あるいは、バランシングコントローラは、スタックコントローラ(218(1)、218(2)、...、218(N))、BMS(222)、EMS(224)または別のコンポーネントからからターゲット電圧を受け取り、受け取ったターゲット電圧に基づいて各スタックのバランスをとるように構成される。ターゲット電圧とともに、バランシングコントローラは、各スタックのターゲット電圧に基づいてバランシングするためのバランシング手段を受け取るように構成することができる。
【0046】
たとえば、バランシングコントローラは、バランシングターゲット電圧を、ターゲット電圧に一致するようにバランシングコントローラがすべてのセルグループを充電および/または放電しようとする電圧として決定する。上で説明した許可に戻ると、充電バランシング許可フラグがtrueに設定されている場合、ターゲット電圧より低いセルはすべて充電バランシングされる。放電バランシング許可フラグがtrueに設定されている場合、ターゲット電圧を下回るセルはすべて放電バランシングされる。
【0047】
ターゲット電圧は、異なるセルグループおよび/またはセルグループスタック値に基づいて決定することができる。たとえば、ターゲット電圧は、セルグループ、セルグループスタック、または電池パック内のセルの平均として設定することができる。あるいは、ターゲット電圧を固定値として設定することもできる。別の代替例では、ターゲット電圧は、セルグループ、セルグループスタック、または電池パック内のセルの最低電圧または最高電圧として設定することができる。上記の値のどれがターゲット電圧を決定するために使用されるかに基づいて、ターゲット電圧タイプを設定することができる。
【0048】
たとえば、ターゲット電圧タイプは、平均、固定、最低、または最高に設定することができる。異なるセルグループおよび/またはセルグループスタック値に基づいて、または他のバランシング測定基準に基づいて、追加のおよび異なるターゲット電圧タイプが提供され得る。バランシングコントローラは、バランシング手段に使用されていない保存されたターゲット値を無視するように設定することができる。たとえば、固定ターゲット電圧タイプを使用する場合、平均、最低、および最高のターゲット電圧は無視される。同様に、電圧タイプが平均、最低、または最高の場合、固定ターゲット電圧は無視される。
【0049】
ターゲット電圧に加えて、一部の実施形態は、バランシングコントローラ内で設定され得る、および/またはバランシングコントローラによって決定され得る電圧のデッドンド含む。たとえば、充電バランシング電圧のデッドンドを設定することができる。充電バランシング電圧のデッドバンドに基づいて、デッドンドりも大きいセルグループ電圧(たとえば、バランシングターゲット電圧よりもミリボルト低い数)は、バランシングを必要とせず、充電されない。同様に、デッドンドりも大きいセルグループ電圧(たとえば、バランシングターゲット電圧を超えるミリボルト数)を提供する放電バランシング電圧のデッドンドセットは、バランシングを必要とせず、放電されない。電圧のデッドンド、セル電圧が最大または最小電圧に近づくなど、バランシング手段に従って変更できる。たとえば、電圧のデッドンド、電池セルが過充電されるまたは充電不足になるのを防ぐために変更され得る(たとえば、安全性、寿命などのために)。さらに、デッドンドの大きさ(を変更して、バランシング手段を多かれ少なかれ積極的にすることができる。
【0050】
上記のように、バランシング手段を実装するために、複数のスタックコントローラ(218(1)、218(2)、...、218(N))のそれぞれは、バランシングモードまたはBMS(222)から受け取ったなどの外部構成に基づいて動作するように構成される。一実施形態では、バランシングモードは、平均ターゲット電圧モード、固定ターゲット電圧モード、低ターゲット電圧モード、高ターゲット電圧モード、充電電圧デッドンドモード、および放電デッドンドモードであり得る。追加のおよび異なるバランシングモードが提供される場合がある。
【0051】
平均ターゲット電圧モードを実装するために、スタックコントローラは、個々のセルグループをすべてのセルグループの平均電圧まで充電、放電、または充電および放電するようにバランシングコントローラに指示する。固定ターゲット電圧モードを実装するために、スタックコントローラは、すべてのセルグループの固定電圧まで個々のセルグループを充電および/または放電するようにバランシングコントローラに指示するように構成される。低ターゲット電圧モードを実装するために、スタックコントローラは、セルグループの最低電圧まで個々のセルグループを充電および/または放電するようにバランシングコントローラに指示するように構成される。高ターゲット電圧モードを実装するために、スタックコントローラは、セルグループの最高電圧まで個々のセルグループを充電および/または放電するようにバランシングコントローラに指示するように構成される。充電電圧デッドンドモードを実装するために、スタックコントローラは、上記のモードの1つを実装するようにバランシングコントローラに指示するように構成されるが、ターゲット電圧より低い閾値未満の電圧を持つセルグループは無視するように構成される。放電電圧デッドンドモードを実装するために、スタックコントローラは、ターゲット電圧を超える閾値を超える電圧を持つセルグループを無視するようにバランシングコントローラに指示するように構成される。
【0052】
図3は、本明細書に記載の1つ以上のアプローチを実施することができるさらに別の例示的なバランシング回路を示す図である。バランシング回路は、異なるユースケースの必要に応じてより効率的な電池使用を提供するためのバランシング手段を実施するように構成されたより大きな電池セルバランシングシステムに実装され得る。たとえば、ユースケースに応じて、1つ以上の電池セルがパッシブおよびアクティブバランシングの対象となる場合がある。さらに、電池セルが使用されている間(たとえば、電池セルが充電または放電されている間)、ターゲット化されたパッシブおよびアクティブバランシングが提供され得る。
【0053】
図3を参照すると、バランシング回路(300)は、複数のセルグループ(314)および複数のセルグループコントローラ(310)を含む。各セルグループコントローラ(310)は、上記のように、異なるセルグループ(314)をバランシング回路(300)に接続する結合するために、セルグループリレー(112(1)、112(2)、...、112(N))などの異なるセルバランスリレーを制御するように構成される。バランシング回路(300)はまた、複数のバランシングコントローラ(316)を含む。各バランシングコントローラ(316)は、複数のセルグループ(314)の異なるサブセットの充電および放電を制御するように構成される。同様に、バランシングコントローラは、複数のストリングコントローラ(318)を含む。各ストリングコントローラ(318)は、複数のバランシングコントローラ(316)の異なるサブセットを制御するように構成される。したがって、セルグループコントローラ(310)、バランシングコントローラ(316)、およびストリングコントローラ(318)が、バランシング回路(300)のセルグループ(314)の低レベル制御のために提供される。
【0054】
一実施形態では、バランシング回路(300)はまた、セルグループ(314)のための高レベルの制御を含み得る。たとえば、バランシング回路(300)は、複数のストリングコントローラ(318)を制御することによってバランシング回路(300)内の電力分配を制御するように構成された電池管理システム(BMS)(322)を含む。ストリングコントローラ(313)を制御することにより、BMSは、最終的に、セルグループコントローラ(310)とセルグループ(314)への電力分配とを制御する。したがって、BMS(322)は、複数のセルグループコントローラ(310)、複数のバランシングコントローラ(314)および複数のストリングコントローラ(318)を介してセルグループ(314)の特定のセルグループを充電および/または放電することによって、バランシング回路(300)内の電力分配を制御する。
【0055】
別の実施形態では、バランシング回路(300)はまた、バランシング回路への電力供給を制御するように構成されたエネルギー管理システムを含む。たとえば、BMS(322)がバランシング回路(300)内の電力分配を制御するのに対し、EMS(324)はバランシング回路(300)への電力入力を制御する。EMS(324)は、動力源(226)などの発明者、および/または電圧源(102)などの電圧源を制御することによって電力分配を制御するように構成される。
【0056】
バランシング回路100、200、および300の前述のコンポーネントは、一緒に結合され、ソフトウェアアプリケーションプログラミングインタフェース(application programming interfaces:API)を介して、および/または既知または将来の通信プロトコルを介して通信するように構成される。たとえば、通信は、Modbus、CANbus、DNP3、ウェブサービスインタフェース、または別のプロトコルを使用して促進され得、APIを利用して同様のおよび異なる制御レベルのコンポーネント間で通信することができる。一実施形態では、BMS(322)は、ModBus APIまたは別のバランシングアプリケーションAPIを介してストリングコントローラ(316)と通信するように構成される。この実施形態では、APIは、一連のModBus通信ポイント(たとえば、MESA-ESS(エネルギー貯蔵システム)およびSunSpec互換)を公開または仮想的に結合し、ダウンストリームコンポーネントのすべてのバランシングアプリケーションのアクティブ化および構成、現在の設定の報告、現在の電池状態とバランシングアプリケーションの影響の報告を可能にする。
【0057】
上記のように、バランシングコントローラ(316)は、複数のバランシング状態または構成で動作するように構成される。たとえば、バランシングコントローラは、セルグループ(314)をターゲット電圧に充電するための充電バランシング状態、セルグループ(314)をターゲット電圧に放電するための放電バランシング状態、またはセルグループ(314)をバランシング回路(300)から切り離すためのバランシングなし状態のうちの1つ以上で動作するように構成される。バランシングなし状態では、セルグループ(314)はバランシングの目的で充電または放電されない。一実施形態では、バランシングコントローラ(316)が充電バランシング状態と放電バランシング状態の間で遷移するとき、または異なるセルグループ(314)の充電または放電の間で遷移するとき、バランシングコントローラは、異なるセルグループ(314)を充電または放電する前にバランスなしに遷移する。
【0058】
さらに、常に、バランシングコントローラ(316)は、多くの動作のうちの1つを実行することができる。一実施形態では、バランシングコントローラ(316)は、バランス監視、充電バランシングまたは放電バランシングの3つの動作のうちの1つで動作することができる。上記のように、一実施形態では、ある動作から次の動作(たとえば、充電バランシングから放電バランシング)に遷移するとき、バランシングコントローラは、バランシングなしまたはバランス監視状態を介して遷移する。たとえば、バランシングなしまたはバランス監視状態では、すべてのリレーを開く必要があり、すべてのセルグループは、任意のリレーを閉じてセルグループの充電または放電を続行する前に、すべてのセルグループリレーが開いていることを確認する必要がある。一実施形態では、バランシングコントローラは、動作が同じまま(すなわち、あるセルグループの充電バランシングから別のセルグループへの遷移)であっても、バランシングなしまたはバランス監視状態を介して遷移しなければならない。この例では、バランシングコントローラが第1のセルグループの充電バランシングから第2のセルグループの充電バランシングに遷移する場合、バランシングコントローラは以下を行う。(1)充電バランシング状態からバランシングなし状態への遷移、(2)すべてのリレーが開いていることの確認、(3)バランシングなし状態から充電バランシング状態への遷移。充電/放電バランシング状態間でバランシングなし状態に遷移することにより、バランシングコントローラは、安全で信頼性の高い動作を提供することができる。
【0059】
バランス監視中、バランシングコントローラは、バランシングコントローラに割り当てられた各セルグループを監視して、バランシングが必要なセルがある場合はそれを判別する。一実施形態では、バランシングコントローラは、バランシングターゲット電圧を定期的に計算することによってバランス監視を実行する。バランシングターゲット電圧は、現在のバランシングモードまたは固定バランシングターゲット電圧に基づくことができる。バランシングコントローラは、各セルグループがデッドンド範囲から位置する電圧差として、各セルグループのバランシングオフセット電圧をさらに計算することができる。次に、どのセルを充電および/または放電する必要があるかをバランシングコントローラが決定するために、バランシングコントローラは、各セル電圧がバランシングターゲット電圧を上回っているかまたは下回っているかを決定する。
【0060】
セルグループ電圧がバランシングターゲット電圧を上回っている場合、バランシングコントローラは次のようにセルグループの処理方法の決定を進めることができる。放電バランシングの許可がfalseに設定されている場合(たとえば、放電バランシングが許可されていない場合)、放電バランシングの目的ではすべてのセルグループが無視される。次に、セルグループ電圧が放電バランシングのためのデッドンドよりも小さい場合(たとえば、バランシングターゲット電圧値に放電バランシング電圧のデッドンドの大きさ(を加えた値よりも小さい場合)、同じくセルグループは無視される。最後に、残りのセルグループ(たとえば、無視されないセルグループ)について、各セルグループのバランシングオフセット(たとえば、セルグループ電圧からバランシングターゲット電圧および放電バランシング電圧のデッドンドの大きさ(を引いたもの)が計算される。
【0061】
セルグループ電圧がバランシングターゲット電圧を下回っている場合、バランシングコントローラは次のようにセルグループの処理方法の決定を進めることができる。充電バランシング許可がfalseに設定されている場合(たとえば、充電バランシングが許可されていない場合)、充電バランシングの目的ではすべてのセルグループが無視される。次に、セルグループ電圧が充電バランシングのためのデッドンドよりも大きい場合(たとえば、バランシングターゲット電圧値から充電バランシング電圧のためのデッドンドの大きさ(を引いた値よりも大きい場合)、このセルグループも無視される。最後に、残りのセルグループ(たとえば、無視されないセルグループ)について、各セルグループのバランスオフセット(たとえば、バランシングターゲット電圧から放電バランス電圧のためのデッドンドの大きさ(およびセルグループ電圧を引いたもの)が計算される。
【0062】
計算されたバランシングオフセット値に基づいて、バランシングコントローラはバランシング動作に遷移する。バランシングオフセットを持つセルグループがない場合(たとえば、デッドンドの外側にあるセルグループがない場合、および/または許可に基づいてバランスをとるための適切な位置を有するセルグループがない場合)、バランス監視プロセスが繰り返される。ただし、バランシングオフセットが計算されると、バランスオフセットが最も大きいセルグループがバランシングのために選択される。選択したセルグループの電圧がバランシングターゲット電圧を上回っている場合、バランシングコントローラは放電バランシングに遷移する。選択したセルグループの電圧がバランシングターゲット電圧を下回っている場合、バランシングコントローラは充電バランシングに遷移する。選択されたセルグループのバランスをとった後、バランシングコントローラは、次に高いバランスオフセットを有する別のセルグループを選択して、バランスをとり、それに応じて遷移することができる。
【0063】
充電バランシングの間、バランシングコントローラは、セルグループ電圧が充電ターゲット電圧または別の値に達するまでセルグループを充電し続けることなどによって、セルグループを充電する。上で論じたように、最大のオフセット値を有するセルグループを充電のために選択することができる。たとえば、バランシングコントローラが充電バランシングに遷移すると、選択したセルグループにエネルギーが送信または注入される。選択したセルグループの電圧がバランシングターゲット電圧と等しくなるまで、エネルギーは送信され続ける。別の実施形態では、選択されたセルグループは、セルグループ電圧がセルバランシングのためのデッドバンドに入るまで充電され続ける。充電バランシングの間、バランシングコントローラは、バランシングターゲット電圧を計算し続け、充電バランシングを停止すべきかどうかを決定することができる。たとえば、充電バランシング許可がfalseになるか、セルグループ電圧がバランシングターゲット電圧以上になると、充電バランシングは停止する必要がある。充電バランシングが停止すると、バランシングコントローラはバランス監視に遷移する。
【0064】
同様に、放電バランシングの間、バランシングコントローラは、セルグループ電圧が放電ターゲット電圧または別の値に達するまでセルグループを放電し続けるなど、セルグループを放電する。上で論じたように、最大のオフセット値を有するセルグループを放電のために選択することができる。たとえば、バランシングコントローラが放電バランシングに遷移すると、選択したセルグループからエネルギーが除去または消散される。選択したセルグループの電圧がバランシングターゲット電圧と等しくなるまで、エネルギーは除去され続ける。別の実施形態では、選択されたセルグループは、セルグループ電圧がセルバランシングのためのデッドンドに入るまで放電され続ける。放電バランシングの間、バランシングコントローラは、バランシングターゲット電圧を計算し続け、放電バランシングを停止すべきかどうかを決定することができる。たとえば、放電バランシングの許可がfalseになるか、セルグループ電圧がバランシングターゲット電圧以下になると、放電バランシングは停止する必要がある。放電バランシングが停止すると、バランシングコントローラはバランス監視に遷移する。
【0065】
B.アプリケーション例と使用シナリオ
上で論じたように、静的な単一のバランシング手段を有する代わりに、1つ以上の本実施形態は、本ユースケースの要件に一致するように選択および実装される複数のバランシングアプリケーションを提供する。バランシングアプリケーションは、前述のバランシング回路を特定のユースケースに合わせて調整し、パッシブおよびアクティブバランシング手段を採用して、電池セルの安全性と寿命を向上させながら、ユースケースの要件をより効率的かつ効果的に満たすように選択される。
【0066】
図4は、バランシングプロファイルに基づいてセルグループをバランシングするための例示的な実施形態のフローチャートである。この方法は、図1図3のシステムのいずれかおよび/または異なるシステムによって実施することができる。追加の、異なる、またはより少ない動作が提供される場合がある。たとえば、さまざまな動作が省略されたり、別のシステムによって実行されたりする場合がある。この方法は図示の順序で示されているが、異なるバランシングプロファイルの受け取りに基づいて動作410、412および414を繰り返すなど、他の順序が提供され、および/または動作が繰り返され得る。
【0067】
動作410において、バランシング回路内の電池セルをバランシングするためのバランシングプロファイルが受け取られる。一実施形態では、電池管理システム(BMS)またはエネルギー管理システム(EMS)は、EMS、BMS、またはバランシング回路の別のコンポーネント(300)に結合されたモバイルデバイスまたはワークステーション(328)などのユーザデバイスから、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介してバランシングプロファイルを受け取る。ワークステーション(328)は、クライアントサーバ実装で動作することができ、ワークステーション(328)は、バランシング回路(300)の他のコンポーネントから離れている。ワークステーション(328)は、1つ以上の中央処理装置(CPU)、システムメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)および入力/出力(I/O)インタフェースを含むハードウェアを備えたコンピュータプラットフォームとして実装され得る。
【0068】
たとえば、ワークステーションは、電池セルのさまざまなユースケースに対して有効化および構成できるバランシングプロファイルの事前定義済みまたはユーザ構成可能なセット、ライブラリ、またはメニューを提供する。別の実施形態では、バランシングプロファイルは、EMSまたは別の制御システムコンポーネントからBMSによって受け取られ、電池セルのユースケースアプリケーションに基づいてバランシングプロファイルを自動的に選択する。上で説明したように、APIは、Modbus、CANbaus、DNP3、ウェブサービスインタフェース、またはAPIが同様のおよび異なる制御レベルのコンポーネント間で通信できるようにする別のプロトコルなどの既知または将来の通信プロトコルを使用して実装することができる。
【0069】
バランシングプロファイルは、電池セルグループの現在の状態および電池セルに対する現在のバランシングプロファイルの影響を含む、スタックからのバランシング報告に依存する場合がある。さらに、バランスプロファイルはスケジュールを使用して提供される場合がある。たとえば、バランシングプロファイルは、時刻、日付を使用して実装でき、スタックのセットは、バランシング回路内のさまざまなスタックのバランシング時間を作成する。そのため、バランシングスケジュールは、バランシングプロファイルの上書きとなり、システムの機能を変更して、使用時間、効率、消費ニーズ、および/またはその他の要素を最適化する。たとえば、電池セルグループは、多くの場合、太陽光発電用に展開され、太陽電池によって生成されたエネルギーを保存するように構成される。太陽光発電は予測可能なスケジュール曲線に従い、バランス手段をスケジュール曲線に一致させることで、バランス手段を適切に調整できる場合がある(たとえば、電池セルは一日の早い時間にはゆっくりと充電されること、電池セルは夜間には充電されないことが分かっている)。さらに、他の多くのバランシング手段およびユースケースアプリケーションはスケジュール主導型である。たとえば、スケジュールが1日の特定の時間に最大エネルギーを必要とする場合(たとえば、エネルギー市場への参加)、電池セルを特定の時間に完全に充電する必要があることが分かっていることは、バランシング手段への重要な入力となり得る。
【0070】
一実施形態では、事前定義された、またはユーザが構成可能なバランシングプロファイルのライブラリは、バランシングなしプロファイル、基本バランシングプロファイル、完全放電最適化プロファイル、完全充電最適化プロファイル、低速充電最適化プロファイル、低速放電最適化プロファイル、および高効率プロファイルのうちの2つ以上を含む。追加のおよび異なるバランシングプロファイルがライブラリに含まれている場合がある。たとえば、バランシングプロファイルのライブラリは、電池セルグループの追加のまたは異なるユースケースに基づいてセルグループ間の電圧差を管理するために定義された1つ以上の追加のバランシングプロファイルをさらに含み得る。
【0071】
たとえば、図3を参照すると、BMS(322)は、バランシングを全く行わないように構成されたバランシングなしプロファイルを含む。言い換えれば、セルグループ(314)間の電圧差は最小化されない。上で論じたように、BMS(322)がバランシングプロファイル間を遷移するときに、バランシングなしプロファイルを実装することができる。
【0072】
BMS(322)はまた、セルグループを充電および/または放電することによってセルグループのバランスをとることでセルグループ間の電圧差を最小化するように構成される基本バランスプロファイルを含み得る。たとえば、基本バランシングプロファイルは、バランス外トリガ値(たとえば、mV単位)、バランス内トリガ値(たとえば、mV単位)、およびセル電圧のためのデッドバンド(たとえば、mV単位)を含む。この例では、バランシングコントローラ(316)は、セルグループ(314)を監視して、セルグループ(314)がセル電圧のためのデッドバンドから外れたセル電圧を有するかどうかを決定する。セルグループ(314)の平均セル電圧に関して最大の差を有するセルグループから始まり、セルグループは、すべてのセルグループ(314)間でセルグループ電圧を等しくするために充電および/または放電される。具体的には、セルグループ電圧とセルグループの平均電圧との間に広がるセル電圧がバランス外トリガ値よりも大きい場合、セルグループは、セルグループ電圧がセルグループの平均電圧に等しくなるまで、またはバランス内トリガ値の範囲内になるまで、アクティブまたはパッシブバランスされる。
【0073】
基本バランシングプロファイルの別の実施形態では、セルグループ間の電圧差は、電池充電状態(state of charge:SOC)値に関係なく最小化される。そのため、セルグループ電圧値がセルグループの平均電圧を中心とするバランシングのためのデッドンドから外れた場合、セルグループは充電または放電される。さらに別の実施形態では、基本バランシングプロファイルは、デッドバンドの大きさ(に基づいてセルグループのバランスをとるように構成される。たとえば、基本バランシングプロファイルに基づいて、バランシングコントローラは、デッドバンドから外れた電圧を持つセルグループのサブセットを識別し、セルグループのサブセットからあるセルグループをセルグループの平均電圧との電圧差が最も大きいものとして決定し、セルグループを充電または放電する。次に、バランシングコントローラはこのプロセスを繰り返して、セルグループの平均電圧から次に高い電圧差を有するセルグループのバランスをとる。
【0074】
BMS(322)はまた、基本バランシングプロファイルと同様に構成される完全充電最適化バランシングプロファイルを含み得るが、完全充電バランシングプロファイルは、デッドンド上回るセルグループのみをパッシブバランシングする。この例では、BMS(322)はデッドンドを動的に調整して、電圧ニーを積極的に動作させる。たとえば、充電状態(SOC)(たとえば、0%から100%)と電圧との関係は、SOC範囲の端近くでは直線ではないため、SOCの小さな変化には電圧の非常に大きな変化が必要になる場合があり、電池セルが誤って危険な低(または高)電圧に駆動される可能性があるため、プラトーからカーブの膝まで電池セルを動作させる際のリスクが大きくなる。したがって、電池セルがプラトーからカーブの膝を通って充電されるときにデッドンドを動的に調整すると、電池セルを積極的に充電しながら安全性を高めることができる。そのため、アクティブバランシングは、デッドンドら大きく外れ、かつセルグループが危険になる平均電圧から遠く離れたセルグループにのみ使用される。デッドンドを動的に調整することにより、平均をはるかに上回るまたは下回る電池セルのバランスがより積極的にとられ、曲線の膝領域のより多くが使用可能なSOC範囲になる。
【0075】
別の実施形態では、セルグループを最低電圧で充電することによって電池SOC値を最大化するために、完全充電最適化プロファイルがセルグループ間のセル電圧差を管理するように構成される。この例では、高充電閾値を超える電圧のセルグループのみが放電される。さらに別の実施形態では、完全充電最適化プロファイルがセルグループ電圧をバランスアップするように構成される。この例では、高充電閾値を上回る電圧のセルグループのみがバランスダウンされ、低充電のためのデッドンドを下回る電圧のセルグループがバランスアップされる。
【0076】
BMS(322)はまた、基本バランシングプロファイルと同様に構成される完全放電最適化バランシングプロファイルを含み得るが、完全放電バランシングプロファイルは、デッドンド下回るセルグループのみをアクティブバランシングする。この例でも、BMS(322)はデッドンドを動的に調整して、電圧ニーを積極的に動作させる。そのため、パッシブバランシングは、デッドンドら大きく外れ、かつセルグループが危険になる平均電圧から遠く離れたセルグループにのみ使用される。
【0077】
別の実施形態では、セルグループを最高電圧で放電することによって電池SOC値を最小化するために、完全放電最適化プロファイルがセルグループ間の電圧差を管理するように構成される。この例では、低充電閾値を下回る電圧のセルグループのみが充電される。さらに別の実施形態では、完全放電最適化プロファイルがセルグループ電圧をバランスダウンするように構成される。この例では、低充電閾値を下回る電圧のセルグループのみがバランスアップされ、高放電のためのデッドバンドを上回る電圧のセルグループのみがバランスダウンされる。
【0078】
BMS(322)はまた、基本バランシングプロファイルと同様に構成されるが、ターゲット電圧が与えられると、電圧源がすべてのセルをターゲット電圧までゆっくりと上昇させるために使用される、低速充電最適化プロファイルを含み得る。たとえば、低速充電プロファイルは、充電のためのデッドバンドを外れた電圧のセルグループを充電または放電することによって電池のSOC値を増加させるために、セルグループ間の電圧差を管理する。さらに、セルグループの電圧が高充電閾値に近づくにつれ、電圧充電のためのデッドバンドが減少する。
【0079】
BMS(322)はまた、基本バランシングプロファイルと同様に構成されるが、ターゲット電圧が与えられると、負荷がすべてのセルをターゲット電圧までゆっくりと上昇させるために使用される、低速放電最適化プロファイルを含み得る。たとえば、放電プロファイルは、放電のためのデッドバンドから外れた電圧でセルグループを充電または放電することによってセルグループのSOC値を減少させるために、セルグループ間の電圧差を管理する。さらに、セルグループの電圧が低充電閾値に近づくと、放電のためのデッドバンドが減少する。
【0080】
一実施形態では、充電プロファイルおよび放電プロファイルは、デッドンドから外れた電圧のセルグループを充電または放電することによって、セルグループ電圧をターゲット電圧までバランスアップまたはバランスダウンさせるように構成される。さらに、セルグループの電圧がそれぞれ高充電閾値または低電圧閾値に近づくにつれ、デッドバンドが減少する。
【0081】
BMS(322)はまた、セルグループ電圧が電圧ニーに近づくときなど、最大効率を維持するためにセルグループ電圧としてセルグループをバランスアップまたはバランスダウンするだけの上記バランシングプロファイルの変形を実装するように構成された高効率プロファイルを含み得る。たとえば、高効率プロファイルは、エネルギー消費および/または散逸を最小化するなど、セルグループの充電および放電を最小化するために、セルグループ間の電圧差を管理する。一実施形態では、高充電閾値または低充電閾値に近い電圧を有するセルグループ電圧のみがバランシングされる。
【0082】
一実施形態では、高効率プロファイルは、セルグループの全体的な充電および放電を最小化することによってセルグループ電圧をターゲット電圧にバランスをとるように構成され、エネルギー消費および散逸を最小化するなどによって、他のバランスプロファイルよりも少ないエネルギーを消費および消散させる。たとえば、高充電閾値または低充電閾値に近づいていないセルグループ電圧は、バランスがとられない可能性がある。
【0083】
図4に戻ると、動作412において、複数のセルグループストリングコントローラは、受け取ったバランシングプロファイルに基づいて制御される。一実施形態では、BMSは、バランシングプロファイルに基づいて各電池セルスタックをバランシングするようにストリングコントローラに指示することによって、複数のセルグループストリングコントローラを制御する。上記のように、各ストリングコントローラは、バランシングコントローラの異なるサブセットを制御するように構成される。
【0084】
動作414において、複数のセルバランシングコントローラは、受け取ったバランシングプロファイルに基づいて、セルグループストリングコントローラによって制御される。一実施形態では、各セルグループバランシングコントローラは、異なる複数のセルグループのバランスをとる。上記のように、各バランシングコントローラは、セルグループコントローラの異なるサブセットを制御してセルグループのバランスをとるように構成される。セルグループコントローラ、バランシングコントローラ、およびストリングコントローラは、受け取ったバランシングコントローラに基づいてセルグループの低レベルの制御を提供する。
【0085】
図1図3に戻って参照すると、例示的なセルグループバランシングシステムが提供される。たとえば、図3に関して、セルグループバランシングシステムは、バランシング回路(300)として実装され得る。バランシング回路(300)は、複数のセルグループ(314)および複数のセルグループコントローラ(310)を含む。上記のように、セルグループコントローラ(310)のそれぞれは、複数のセルグループ(314)の異なるセルグループ用に構成される。バランシング回路(300)はまた、複数のセルグループコントローラ(310)の異なるサブセットを制御するように構成された複数のバランシングコントローラ(316)と、複数のバランシングコントローラ(316)の異なるサブセットを制御するように構成された複数のストリングコントローラ(318)とを含む。この実施形態では、セルグループコントローラ(310)、バランシングコントローラ(316)、およびストリングコントローラ(318)が、バランシング回路(300)のセルグループ(314)の低レベル制御のために提供される。
【0086】
バランシング回路(300)は、複数のストリングコントローラ(318)を制御するように構成された電池管理システム(BMS)(322)と、ユーザが選択したバランシングアプリケーションに基づいてセルグループをバランシングするためのバランシング技術を実装するように構成されたエネルギー管理システム(EMS)(324)とをさらに含む。BMS(322)およびEMS(324)は、バランシング回路(300)のセルグループ(314)の高レベル制御のために提供される。上記のように、前述の低レベルおよび高レベルの制御コンポーネントは、Modbus、CANbus、DNP3、ウェブサービスインタフェース、または別の通信プロトコルなどに従って、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)と通信することができる。
【0087】
図5は、ユーザが選択したバランシングアプリケーションに基づいてセルグループをバランシングするためのバランシング技術を実行するための例示的な実施形態のフローチャートである。上記のように、この方法は、図1~3のシステムによって、および/または異なるシステム上で実施することができる。追加の、異なる、またはより少ない動作が提供される場合がある。たとえば、さまざまな動作が省略されたり、別のシステムによって実行されたりする場合がある。この方法は図示の順序で提示されているが、メニューの再提示や、異なるユーザ選択可能なバランシングアプリケーションの受け取りに基づいて動作510、512、および514を繰り返すなど、他の順序が提供され、および/または動作が繰り返され得る。
【0088】
動作510において、ユーザ選択可能なバランシングアプリケーションのメニューがユーザに提示される。一例では、ユーザ選択可能なバランシングアプリケーションは、ユーザワークステーションなどで、グラフィカルユーザインタフェースを介して提示される。たとえば、メニューには、基本バランシングアプリケーション、完全放電最適化アプリケーション、完全充電最適化アプリケーション、低速充電最適化アプリケーション、低速放電最適化アプリケーション、および高効率アプリケーションといった事前定義されたバランシングアプリケーションが含まれる場合がある。さらに、メニューには、追加のカスタマイズ可能なバランシングアプリケーションが含まれる場合がある。追加のおよび異なるバランシングアプリケーションがライブラリに含まれている場合がある。
【0089】
1つの例示的な実施形態では、基本グラフィカルユーザインタフェースは、対象の1つ以上のスタックまたはスタック内の電池パックを制御するためのメニューをユーザに提示し、これはバランシングモード(たとえば、バランシングなし、平均ターゲット電圧モード、固定ターゲット電圧モード、低ターゲット電圧モード、高ターゲット電圧モード、充電電圧デッドバンドモードおよび放電デッドバンドモード、または別のモード)、ターゲット電圧タイプ(たとえば、平均、固定、最低、最高、または別のタイプ)、オプションの電圧ターゲット、セルグループの充電/放電、デッドバンドの充電と放電の許可、およびその他のバランス設定を提供する。そのため、基本グラフィカルユーザインタフェースは、メンテナンスイベントや運用イベントの場合など、個々のバランシングシナリオを非常に具体的に制御するように構成することができる。別の実施形態では、バランシングアプリケーションのグラフィカルユーザインタフェースは、事前設定されたバランシングアプリケーション(たとえば、バランシングなしアプリケーション、基本バランシングアプリケーション、完全放電最適化アプリケーション、完全充電最適化アプリケーション、低速充電最適化アプリケーション、低速放電最適化アプリケーション、高効率アプリケーション、または別のアプリケーション)などのバランシング手段を実施するためのより高いレベルのバランシング手段を提供する。さらなる実施形態では、高いレベルのグラフィカルユーザインタフェースは、バランシングアプリケーションをエネルギー管理アプリケーションとペアにするように構成される。たとえば、より高いレベルのバランシング手段(たとえば、「午前4時までにバッテリを完全に充電する」)を実装するために管理アプリケーションを選択することができ、これはより高いレベルのバランシング戦略に基づいて、適切なバランシングアプリケーション(たとえば、完全充電最適化アプリケーション、低速充電最適化アプリケーション、高効率アプリケーション、または別のアプリケーション)とペアにされる。追加のおよび異なるグラフィカルユーザインタフェースが提供され得、前述の例示的なインタフェースは、組み合わされ、および/または同時に使用され得る。
【0090】
動作512において、ユーザが選択したバランシングアプリケーションがユーザから受け取られる。一例では、ユーザが選択したバランシングアプリケーションは、グラフィカルユーザインタフェースを介してユーザワークステーションによって受け取られる。ユーザは、電池セルの使用方法に基づいてバランシングアプリケーションを選択することができる。たとえば、グリッドおよびマイクログリッドのエネルギー貯蔵と管理のさまざまな要件、および再生可能エネルギーの統合のために、さまざまなバランシングアプリケーションを選択できる。たとえば、夏の間は、日中のエネルギー消費量が劇的に増加する(たとえば、エアコン需要の増加の結果としてなど)。したがって、夕方の時間帯には、翌日の需要の増加に備えるために、完全充電最適化アプリケーションを選択することができる。別の例では、電池セルは、翌日の所与の時間に完全に放電するように構成され得る。したがって、バランスアプリケーションを選択して、充電サイクル中に前夜に電池セルを最大SOCに駆動し、リードアップ期間中に動力源なしで電池セルを完全に充電し続け、翌日またはイベント中の指定された時間に最大放電を提供することができる。さらに別の例では、電池セルは、SOC範囲全体を使用して、常にバランスのとれた周波数応答を提供するように構成され得る。したがって、バランスアプリケーションは、電池セルのバランスを平均SOCに保つように、または可能な限り厳密にバランスを保つように選択することができる。あるいは、電池セルは、常にバランスの取れた周波数応答を提供するように構成することができるが、SOC範囲の中央のスライス(たとえば、20%~80%)のみを使用する。この場合、エネルギー効率が高いバランシングアプリケーションを選択でき、範囲からはるかに外れたセルのみをバランシングする。さらなる例では、電池セルは、夜間に完全に充電されることを期待して、日中にバランスのとれていないサービスを提供するように構成され得る。そのため、日中に平均バランシングアプリケーションを選択し、次に夜間に充電最適化バランシングアプリケーションを選択することができる。さらに、充電期間が短い場合(たとえば、周波数応答アプリケーションの場合のように)、急速充電のためにバランシングアプリケーションが選択され得、充電期間が長い場合、完全充電のためにバランシングアプリケーションが選択され得る。追加のおよび異なるユースケースが提供され得、ユースケースに基づいて1つ以上の異なるバランシングアプリケーションが選択される。
【0091】
動作514において、ユーザが選択したバランシングアプリケーションに基づいて、複数のセルグループのバランシングのための命令が送信される。一例では、命令は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して、前述の低レベルおよび高レベルの制御コンポーネントのうちの1つ以上に送信される。上記のように、バランシングAPIは、バランシング回路内のコンポーネント間の通信用に構成され、ダウンストリームコンポーネントをアクティブ化および構成し、それにより選択したバランシングアプリケーションの実装し、現在の設定の報告、現在の電池状態の報告、バランシングアプリケーションの影響の報告が可能になる。1つ以上の実施形態では、APIは、複数のセルグループをバランシングするための命令をバランシングコントローラに送信するように構成される。追加的または代替的に、APIは、複数のセルグループをバランシングするための命令を複数のストリングコントローラに送信するように構成される。さらに、追加的または代替的に、APIは、複数のセルグループをバランシングするための命令をBMSおよび/またはEMSに送信するように構成される。
【0092】
上記のように、バランシングアプリケーションは、スケジュールを使用して実装することができる。たとえば、選択したバランシングアプリケーションは、バランシング回路内の時刻、日付、およびスタックのサブセットに合わせて調整できる。そのため、スケジュールによって、選択したバランシングアプリケーションの機能が変更され、使用時間、効率、消費ニーズ、および/またはその他の要素が最適化される場合がある。
【0093】
図6はユーザが選択したバランシングアプリケーションに基づいてセルグループをバランシングするためのバランシング技術を実行するための別の例示的な実施形態のフローチャートである。この方法は、図1図3のシステムおよび/または別のシステムによって実施される。追加の、異なる、またはより少ない動作が提供される場合がある。たとえば、さまざまな動作が省略されたり、別のシステムによって実行されたりする場合がある。この方法は図示の順序で示されているが、異なるバランシングアプリケーションの受け取りに基づいて動作610、612、614を繰り返すなど、他の順序が提供され、および/または動作が繰り返され得る。
【0094】
動作610において、バランシングアプリケーションは、バランシングアプリケーションのライブラリからのユーザ選択に基づいて受け取られる。一実施形態では、バランシングアプリケーションは、エネルギー管理システム(EMS)によって受け取られる。EMSは、既存のバランシング回路と互換性のある、さまざまなバランシングアプリケーションを構成および管理するためのアプリケーションフレームワークを提供するように構成される。バランシングアプリケーションは、セルグループのさまざまなユースケース用に構成された複数の利用可能な事前定義されたバランシングアプリケーションを含むバランシングアプリケーションのライブラリから選択される。さらに、カスタマイズ可能なバランシングアプリケーションを選択して、セルグループのユースケースに合わせてアプリケーションをさらに構成することができる。
【0095】
動作612において、バランシング命令は、EMS、電池管理システム(BMS)、または受け取ったバランシングアプリケーションに基づく別の高レベル制御システムコンポーネントによって生成される。命令は、低レベルの制御システムコンポーネント(ストリングコントローラ、バランシングコントローラ、セルグループコントローラ、その他のコントローラなど)にバランシングアプリケーションを実装するために生成される。
【0096】
動作614において、バランシング命令は、セルグループのバランシングのために送信される。一実施形態では、命令は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介して、高レベルの制御コンポーネントから低レベルのセルグループ制御コンポーネントに送信される。
【0097】
動作616において、セルグループは、バランシング命令に基づいてバランシングされる。この実施形態では、セルグループは、上記のように、低レベルのセルグループ制御コンポーネントを介してバランスがとられている。
【0098】
IV.おわりに
開示された発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮して、例示された実施形態は本発明の好ましい例にすぎず、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを認識されたい。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、私たちは、これらの主張の範囲と精神に含まれるすべてのものを発明として主張する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6