(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】保持具管理装置、および表示方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
(21)【出願番号】P 2021547993
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(86)【国際出願番号】 JP2019037167
(87)【国際公開番号】W WO2021059319
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】星川 和美
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/109921(WO,A1)
【文献】特開2013-008729(JP,A)
【文献】特開2012-151231(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/200496(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/376631(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品保持具が収納されるトレイと、そのトレイに収納された部品保持具を用いて作業を行う作業機とを対応付けて記憶する記憶装置と、
前記トレイを載置するための載置部と、
前記載置部に載置されたトレイに、そのトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機で用いられる部品保持具を移載する移載装置と、
前記載置部に載置すべきトレイを示す情報を、そのトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機を示す情報とともに表示する表示装置であって、前記記憶装置が複数種類のトレイと作業機とを対応付けて記憶している場合に、それら複数種類のトレイを示す情報を、それら複数種類のトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機を示す情報とともに表示する表示装置と、
を備え
、
前記表示装置が、
前記記憶装置が前記複数種類のトレイとして、所定数の部品保持具を収納可能な第1トレイと、前記所定数より多い数の部品保持具を収納可能な第2トレイとを記憶している場合に、前記載置部に載置されたトレイへの前記移載装置による移載予定の部品保持具の数が前記所定数以下であることを条件として、前記第1トレイ及び前記第2トレイを示す情報を表示する保持具管理装置。
【請求項2】
前記表示装置が、
前記載置部に載置されたトレイへの前記移載装置による移載予定の部品保持具の数が前記所定数以下でない場合には、前記第1トレイを示す情報を表示せず、前記第2トレイを示す情報を表示する
請求項1に記載の保持具管理装置。
【請求項3】
部品保持具が収納されるトレイと、そのトレイに収納された部品保持具を用いて作業を行う作業機とを対応付けて記憶する記憶装置と、
前記トレイを載置するための載置部と、
前記載置部に載置されたトレイに、そのトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機で用いられる部品保持具を移載する移載装置と、
前記載置部に載置すべきトレイを示す情報を、そのトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機を示す情報とともに表示する表示装置であって、前記記憶装置が複数種類のトレイと作業機とを対応付けて記憶している場合に、それら複数種類のトレイを示す情報を、それら複数種類のトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機を示す情報とともに表示する表示装置と、
前記載置部に載置されたトレイが前記表示装置に表示された種類のトレイであるか否かを判断する判断装置
と、
を備え、
前記移載装置が、
前記載置部に載置されたトレイが前記表示装置に表示された種類のトレイであると前記判断装置により判断された場合に、前記載置部に載置されたトレイに部品保持具を移載す
る保持具管理装置。
【請求項4】
部品保持具が収納されるトレイと、そのトレイに収納された部品保持具を用いて作業を行う作業機とを対応付けて記憶する記憶装置と、
前記トレイを載置するための載置部と、
前記載置部に載置されたトレイに、そのトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機で用いられる部品保持具を移載する移載装置と、
前記記憶装置が、所定数の部品保持具を収納可能な第1トレイと、前記所定数より多い数の部品保持具を収納可能な第2トレイとを記憶している場合に、前記載置部に載置されたトレイへの前記移載装置による移載予定の部品保持具の数が前記所定数以下であることを条件として、前記第1トレイ及び前記第2トレイを示す情報を表示する表示装置と、
を備える保持具管理装置。
【請求項5】
前記表示装置が、
前記載置部に載置されたトレイへの前記移載装置による移載予定の部品保持具の数が前記所定数以下でない場合には、前記第1トレイを示す情報を表示せず、前記第2トレイを示す情報を表示する請求項4に記載の保持具管理装置。
【請求項6】
部品保持具が収納されるトレイと、そのトレイに収納された部品保持具を用いて作業を行う作業機とを対応付けて記憶する記憶装置と、
前記トレイを載置するための載置部と
、
前記載置部に載置されたトレイに、そのトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機で用いられる部品保持具を移載する移載装置と
を備えた保持具管理装置において、
前記記憶装置が、所定数の部品保持具を収納可能な第1トレイと、前記所定数より多い数の部品保持具を収納可能な第2トレイとを記憶している場合に、前記載置部に載置されたトレイへの前記移載装置による移載予定の部品保持具の数が前記所定数以下であることを条件として、前記第1トレイ及び前記第2トレイを示す情報を、表示装置に表示させる表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、載置部に載置されたトレイに部品保持具を移載する移載装置を備えた保持具管理装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
載置部に載置されたトレイに部品保持具を移載する移載装置を備えた保持具管理装置には、載置部に載置すべきトレイを作業者に告知するべく、載置部に載置すべきトレイの名称を表示装置に表示するものがある。下記特許文献には、そのような保持具管理装置の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書は、載置部に載置すべきトレイの名称を表示装置に適切に表示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、部品保持具が収納されるトレイと、そのトレイに収納された部品保持具を用いて作業を行う作業機とを対応付けて記憶する記憶装置と、前記トレイを載置するための載置部と、前記載置部に載置されたトレイに、そのトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機で用いられる部品保持具を移載する移載装置と、前記載置部に載置すべきトレイを示す情報を、そのトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機を示す情報とともに表示する表示装置であって、前記記憶装置が複数種類のトレイと作業機とを対応付けて記憶している場合に、それら複数種類のトレイを示す情報を、それら複数種類のトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機を示す情報とともに表示する表示装置と、を備え、前記表示装置が、前記記憶装置が前記複数種類のトレイとして、所定数の部品保持具を収納可能な第1トレイと、前記所定数より多い数の部品保持具を収納可能な第2トレイとを記憶している場合に、前記載置部に載置されたトレイへの前記移載装置による移載予定の部品保持具の数が前記所定数以下であることを条件として、前記第1トレイ及び前記第2トレイを示す情報を表示する保持具管理装置を開示する。
【0006】
また、本明細書は、部品保持具が収納されるトレイと、そのトレイに収納された部品保持具を用いて作業を行う作業機とを対応付けて記憶する記憶装置と、前記トレイを載置するための載置部と、前記載置部に載置されたトレイに、そのトレイと対応付けて前記記憶装置に記憶されている作業機で用いられる部品保持具を移載する移載装置とを備えた保持具管理装置において、前記記憶装置が、所定数の部品保持具を収納可能な第1トレイと、前記所定数より多い数の部品保持具を収納可能な第2トレイとを記憶している場合に、前記載置部に載置されたトレイへの前記移載装置による移載予定の部品保持具の数が前記所定数以下であることを条件として、前記第1トレイ及び前記第2トレイを示す情報を、表示装置に表示させる表示方法を開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、複数種類のトレイを示す情報が表示装置に表示される。このため、複数種類のトレイの中から任意のトレイを載置部に載置することができるため、作業者の選択肢が増えることで、作業性が向上する。これにより、載置部に載置すべきトレイを示す情報を表示装置に適切に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】ノズル管理装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図5】ノズル管理装置の備える制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の好適な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
図1に、電子部品装着装置10を示す。先ず、電子部品装着装置10の構成について説明する。電子部品装着装置10は、1つのシステムベース12と、そのシステムベース12の上に隣接された2台の電子部品装着機(以下、装着機と略す場合がある)14とを有している。なお、装着機14の並ぶ方向をX軸方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY軸方向と称する。
【0011】
各装着機14は、主に、装着機本体20、搬送装置22、装着ヘッド移動装置(以下、移動装置と略す場合がある)24、装着ヘッド26、供給装置28、ノズルステーション30を備えている。装着機本体20は、フレーム32と、そのフレーム32に上架されたビーム34とによって構成されている。
【0012】
搬送装置22は、2つのコンベア装置40,42を備えている。それら2つのコンベア装置40,42は、互いに平行、かつ、X軸方向に延びるようにフレーム32に配設されている。2つのコンベア装置40,42の各々は、電磁モータ(図示省略)によって各コンベア装置40,42に支持される回路基板をX軸方向に搬送する。また、回路基板は、所定の位置において、基板保持装置(図示省略)によって保持される。
【0013】
移動装置24は、XYロボット型の移動装置である。移動装置24は、スライダ50をX軸方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)と、Y軸方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)とを備えている。スライダ50には、装着ヘッド26が取り付けられており、その装着ヘッド26は、2つの電磁モータの作動によって、フレーム32上の任意の位置に移動させられる。
【0014】
装着ヘッド26は、回路基板に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド26の下端面には、吸着ノズル60が設けられている。吸着ノズル60は、
図2に示すように、胴体筒64とフランジ部66と吸着管68と掛止ピン70とによって構成されている。胴体筒64は、円筒状をなし、フランジ部66は、胴体筒64の外周面に張り出すようにして固定されている。吸着管68は、細いパイプ状をなし、胴体筒64の下端部から下方に向かって延び出した状態で、胴体筒64に軸線方向に移動可能に保持されている。掛止ピン70は、胴体筒64の径方向に延びるように、胴体筒64の上端部に設けられている。吸着ノズル60は、掛止ピン70を利用して、装着ヘッド26にワンタッチで着脱可能に取り付けられる。また、装着ヘッド26には、バネ(図示省略)が内蔵されており、そのバネは、装着ヘッド26に取り付けられる吸着ノズル60の吸着管68に、弾性力を付与する。これにより、その吸着管68は、装着ヘッド26に内蔵されたバネの弾性力によって、胴体筒64の下端部から下方に延び出す方向に付勢されている。また、フランジ部66の上面には、2Dコード74が付されている。2Dコード74には、個別情報として、吸着ノズル60のID(identification)等が示されている。なお、2Dコード74に代えて、バーコード又はRFタグがフランジ部66の上面に付されてもよい。但し、RFタグがフランジ部66の上面に付される場合には、RFタグから個別情報を取得するためのリーダが、後述するノズル管理装置(
図3参照)80の移載ヘッド(
図4参照)120に取り付けられる。
【0015】
また、吸着ノズル60は、負圧エア、正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図示省略)に通じている。吸着ノズル60は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド26は、吸着ノズル60を昇降させるノズル昇降装置(図示省略)を有している。そのノズル昇降装置によって、装着ヘッド26は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
【0016】
供給装置28は、フィーダ型の供給装置であり、
図1に示すように、複数のテープフィーダ72を有している。テープフィーダ72は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、電子部品がテーピング化されたものである。そして、テープフィーダ72は、送り装置(図示省略)によって、テープ化部品を送り出す。これにより、フィーダ型の供給装置28は、テープ化部品の送り出しによって、電子部品を供給位置において供給する。
【0017】
ノズルステーション30は、ノズルトレイ76を有している。ノズルトレイ76には、複数の吸着ノズル60が収容されている。このノズルステーション30では、装着ヘッド26に取り付けられている吸着ノズル60と、ノズルトレイ76に収容されている吸着ノズル60との交換等が、必要に応じて行われる。また、ノズルトレイ76の上面には、2Dコード78が付されている。2Dコード78には、個別情報として、ノズルトレイ76のID(identification)等が示されている。なお、2Dコード78に代えて、バーコード又はRFタグがノズルトレイ76の上面に付されてもよい。但し、RFタグがノズルトレイ76の上面に付される場合には、RFタグから個別情報を取得するためのリーダが、後述するノズル管理装置(
図3参照)80の移載ヘッド(
図4参照)120に取り付けられる。なお、ノズルトレイ76は、ノズルステーション30に着脱可能であり、ノズルトレイ76に収容された吸着ノズル60の回収や、ノズルトレイ76への吸着ノズル60の補給等を装着機14の外部において行うことが可能である。
【0018】
次に、装着機14による装着作業について説明する。装着機14では、上述した構成によって、搬送装置22に保持された回路基板に対して、装着ヘッド26によって装着作業を行うことが可能である。具体的には、装着機14の制御装置(図示省略)の指令により、回路基板が、作業位置まで搬送され、その位置において、基板保持装置によって保持される。また、テープフィーダ72は、制御装置の指令により、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド26が、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル60によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド26は、回路基板の上方に移動し、保持している電子部品を回路基板上に装着する。
【0019】
装着機14では、上述したように、テープフィーダ72によって供給された電子部品を、吸着ノズル60によって吸着保持し、その電子部品が回路基板上に装着される。このため、回路基板への装着対象となる電子部品のサイズ,形状などに応じた吸着ノズル60を用いて、装着機14での装着作業を行うべく、装着作業が行われる前に、段取り替え作業として、その装着作業で用いられる予定の吸着ノズルを、ノズルトレイ76に収容させておく必要がある。そこで、以下に説明するノズル管理装置において、装着作業で用いられる予定の吸着ノズルがノズルトレイ76に収容される。
【0020】
次に、ノズル管理装置の構成について説明する。ノズル管理装置80は、
図3に示すように、概して直方体形状をなしており、正面に、ノズルトレイ76をノズル管理装置80内に収納、若しくは、ノズル管理装置80からノズルトレイ76を取り出すための扉82が設けられている。その扉82の上方には、各種情報を表示し、各操作が行われるタッチパネル86等が配設されている。
【0021】
ノズル管理装置80は、
図4に示すように、管理装置本体90、パレット収容装置92、ノズル移載装置94、ノズル検査装置96、ノズル洗浄装置98、ノズル乾燥装置100を有している。なお、
図4は、ノズル管理装置80の外殻部材を取り外した状態を示す斜視図であり、ノズル管理装置80の内部構造を示している。また、ノズル管理装置80には、制御装置200が接続されている。なお、制御装置200の詳細な説明は、後述する。
【0022】
管理装置本体90は、フレーム102と、そのフレーム102に上架されたビーム104とによって構成されている。フレーム102は、中空構造とされており、フレーム102内にパレット収容装置92が配設され、パレット収容装置92の上端部が、フレーム102の上面に露出している。
【0023】
パレット収容装置92は、複数のパレット載置棚106と、支持アーム108とを含む。パレット載置棚106は、ノズルパレット110を載置するための棚であり、複数のパレット載置棚106が、フレーム102の内部において、上下方向に並んで配設されている。なお、ノズルパレット110には、複数の吸着ノズル60が収容される。また、支持アーム108は、アーム移動装置(図示省略)の作動により、複数のパレット載置棚106の前方において、上下方向に移動するとともに、パレット載置棚106に接近・離間する。これにより、パレット載置棚106へのノズルパレット110の収納、パレット載置棚106からのノズルパレット110の取出しが、支持アーム108によって行われる。なお、パレット載置棚106から取り出されたノズルパレット110は、支持アーム108が上方に移動することで、フレーム102の上面側に移動する。
【0024】
ノズル移載装置94は、ノズルトレイ76とノズルパレット110との間で吸着ノズル60を移載するための装置であり、ビーム104に配設されている。ノズル移載装置94は、移載ヘッド120とヘッド移動装置122とを有している。移載ヘッド120の下端面には、下方を向いた状態のカメラ126と、吸着ノズル60を保持するための保持チャック128とが取り付けられている。保持チャック128は、2本の保持爪(図示省略)を有しており、それら2本の保持爪を接近させることで、吸着ノズル60を胴体筒64において保持し、2本の保持爪を離間させることで、保持した吸着ノズル60を離脱する。
【0025】
また、ヘッド移動装置122は、移載ヘッド120をフレーム102の上において前後方向、左右方向、上下方向に移動させるXYZ型の移動装置である。なお、フレーム102の前方側の上面には、ノズルトレイ76をセットするための固定ステージ131が3台、設けられており、固定ステージ131にセットされたノズルトレイ76と、パレット収容装置92の支持アーム108に支持されたノズルパレット110との間で、吸着ノズル60が移載される。
【0026】
ノズル検査装置96は、カメラ140とロードセル142とを有している。カメラ140は、上方を向いた状態でフレーム102の上面に配設されており、カメラ140を用いて、吸着ノズル60の先端部が検査される。詳しくは、検査対象の吸着ノズル60が保持チャック128によって保持され、その保持チャック128に保持された吸着ノズル60が、下方からカメラ140によって撮像される。これにより、吸着ノズル60の先端部の撮像データが得られ、その撮像データに基づいて、吸着ノズル60の先端部の状態が検査される。
【0027】
また、ロードセル142は、カメラ140の隣に配設されており、ロードセル142を用いて、吸着ノズル60の先端部の伸縮状態が検査される。詳しくは、検査対象の吸着ノズル60が保持チャック128によって保持され、その保持チャック128に保持された吸着ノズル60の先端部がロードセル142に当接される。吸着ノズル60の先端部は、上述したように、伸縮可能とされており、ロードセル142により測定された荷重に基づいて、吸着ノズル60の先端部の伸縮状態が検査される。
【0028】
なお、フレーム102の上面には、複数の廃棄ボックス148が配設されており、上記検査により不良ノズルと判定された吸着ノズル60は、廃棄ボックス148に廃棄される。また、上記検査により正常なノズルと判定された吸着ノズル60は、ノズルトレイ76若しくは、ノズルパレット110に戻される。
【0029】
ノズル洗浄装置98は、吸着ノズル60の洗浄および乾燥を行う装置であり、パレット収容装置92の隣に配設されている。ノズル洗浄装置98は、洗浄・乾燥機構150と洗浄パレット移動機構152とを備えている。洗浄・乾燥機構150は、内部において吸着ノズル60の洗浄および乾燥を行う機構である。また、洗浄パレット移動機構152は、洗浄パレット158が露出する露出位置(
図4で洗浄パレット158が図示されている位置)と、洗浄・乾燥機構150の内部との間で、洗浄パレット158を移動させる機構である。
【0030】
ノズル乾燥装置100は、吸着ノズル60の乾燥を行う装置であり、露出位置に位置する洗浄パレット158の隣に配設されている。ノズル洗浄装置98では、乾燥も行われるが、吸着ノズル60の内部に水分が残存する場合がある。特に、吸着ノズル60では、胴体筒64と吸着管68とが摺動するため、胴体筒64と吸着管68との摺動面に、水分が残存する場合がある。このため、ノズル乾燥装置100には、上面に開口する乾燥庫160が形成されており、洗浄の完了した吸着ノズル60が保持チャック128によって保持され、その吸着ノズル60が乾燥庫160に挿入される。乾燥庫160の内部には、エアブロー装置(図示省略)が配設されており、乾燥庫160に挿入された吸着ノズル60に、エアブロー装置によりエアが吹き付けられる。これにより、胴体筒64と吸着管68との摺動面の水分を除去し、吸着ノズル60を適切に乾燥することができる。
【0031】
また、制御装置200は、
図5に示すように、コントローラ202と、複数の駆動回路206と、制御回路207と、メモリ208とを備えている。複数の駆動回路206は、パレット収容装置92、ノズル移載装置94、ノズル検査装置96、ノズル洗浄装置98、ノズル乾燥装置100に接続されている。コントローラ202は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路206に接続されている。これにより、パレット収容装置92、ノズル移載装置94等の作動が、コントローラ202によって制御される。また、コントローラ202は、制御回路207を介して、タッチパネル86に接続されている。これにより、タッチパネル86に、コントローラ202により任意の画像が表示される。また、メモリ208には、各種情報が記憶されており、コントローラ202は、そのメモリ208に接続されている。これにより、コントローラ202は、メモリ208から各種情報を取得する。
【0032】
ノズル管理装置80では、上述した構成によって、装着機14等での装着作業で用いられる予定の吸着ノズル(以下、「作業時必要ノズル」と記載する)が、ノズルトレイ76に収容される。詳しくは、ノズル管理装置80には、上述したように、ノズル検査装置96,ノズル洗浄装置98,ノズル乾燥装置100が設けられている。このため、ノズル検査装置96により検査され、異常の無いと判断された吸着ノズル,ノズル洗浄装置98及びノズル乾燥装置100により洗浄・乾燥が完了した吸着ノズルが、ノズルパレット110に収容されている。そして、吸着ノズルが収容されたノズルパレット110が、パレット収容装置92において収容されている。
【0033】
また、ノズル管理装置80のメモリ208には、段取り替え作業時においてノズルトレイ76に収容すべき吸着ノズル、つまり、段取り替え作業の対象となる装着機での作業時必要ノズルに関する情報(以下、「ノズル情報」と記載する)が記憶されている。なお、ノズル情報には、作業時必要ノズルの数,種類等が含まれている。また、ノズル情報は、当然、段取り替え作業の対象となる装着機毎に記憶されており、段取り替え作業の対象となる装着機を示す情報(以下、「装着機情報」と記載する)とノズル情報とが対応付けて記憶されている。さらに、装着機情報は、その装着機情報により示される装着機が含まれるラインを示す情報(以下、「ライン情報」と記載する)および、そのラインで作成される製品を示す情報(以下、「製品情報」と記載する)とも対応付けて記憶されている。
【0034】
また、複数の装着機の各々に配設されている装着ヘッド26の種類に応じて、その装着ヘッド26に装着される吸着ノズル60のサイズ,種類等が異なっているため、その吸着ノズル60が収容されるノズルトレイ76も、装着ヘッド26の種類に応じて異なっている。つまり、段取り替え作業の対象となる装着機毎に、ノズルトレイ76の種類が異なっている。このため、メモリ208には、装着機情報と、その装着機情報により示される装着機で用いられるノズルトレイ76を示す情報(以下、「トレイ情報」と記載する)とが対応付けて記憶されている。
【0035】
そして、ノズル管理装置80において、段取り替え作業の対象となる装着機での作業時必要ノズルをノズルトレイ76に収容する作業が実行される際に、ノズル管理装置80にセットするべきノズルトレイ76の名称が、タッチパネル86に表示される。具体的には、タッチパネル86に、
図6に示す段取り替え画面220が表示される。段取り替え画面220には、第1選択ボタン230と第2選択ボタン232と第3選択ボタン234とが表示される。それら3つの選択ボタン230,232,234は、ノズル管理装置80においてノズルトレイ76をセットするための3つの固定ステージ131を選択するためのボタンである。なお、第1選択ボタン230は、3つの固定ステージ131のうちの最も左側に位置する固定ステージ(以下、「左側ステージ」と記載する)131に対応している。また、第2選択ボタン232は、3つの固定ステージ131のうちの中央に位置する固定ステージ(以下、「中央ステージ」と記載する)131に対応している。また、第3選択ボタン234は、3つの固定ステージ131のうちの最も右側に位置する固定ステージ(以下、「右側ステージ」と記載する)131に対応している。
【0036】
また、各選択ボタン230,232,234の右側には、各選択ボタン230,232,234に対応する固定ステージ131にセットするべきノズルトレイ76の名称(以下、「トレイ名」と記載する)240が表示される。更に、トレイ名240とともに、そのトレイ名240のノズルトレイ76がセットされる装着機の名称(以下、「装着機名」と記載する)242も表示される。なお、装着機名242は、トレイ名240に応じたノズルトレイ76のトレイ情報と対応付けてメモリ208に記憶されている装着機情報により示される装着機の名称である。また、装着機名242とともに、その装着機名242の装着機を含むラインの名称(以下、「ライン名」と記載する)244及び、そのラインで作成される製品の名称(以下、「製品名」と記載する)246も表示される。なお、ライン名244及び製品名246は、装着機名242に応じた装着機の装着機情報と対応付けてメモリ208に記憶されているライン情報及び製品情報により示されるライン及び製品の名称である。
【0037】
具体的には、第1選択ボタン230の右側に、トレイ名240として「NA74A」と、装着機名242として「AIMEX-1」と、ライン名244として「Line Name1」と、製品名246として「Product1」とが表示される。また、第2選択ボタン232の右側に、トレイ名240として「NA74A」と、装着機名242として「NXT-2」と、ライン名244として「Line Name1」と、製品名246として「Product1」とが表示される。また、第3選択ボタン234の右側に、トレイ名240として「NA74A」と、装着機名242として「NXT-3」と、ライン名244として「Line Name1」と、製品名246として「Product1」とが表示される。
【0038】
このため、例えば、第1選択ボタン230に対応する左側ステージ131に、「NA74A」の名称のノズルトレイ76を、作業者がセットすることで、「AIMEX-1」の名称の作業機での作業時必要ノズルが、左側ステージ131にセットされたノズルトレイ76に収容される。また、例えば、第2選択ボタン232に対応する中央ステージ131に、「NA74A」の名称のノズルトレイ76を、作業者がセットすることで、「NXT-2」の名称の作業機での作業時必要ノズルが、中央ステージ131にセットされたノズルトレイ76に収容される。また、例えば、第3選択ボタン234に対応する右側ステージ131に、「NA74A」の名称のノズルトレイ76を、作業者がセットすることで、「NXT-3」の名称の作業機での作業時必要ノズルが、右側ステージ131にセットされたノズルトレイ76に収容される。
【0039】
なお、各固定ステージ131にセットされたノズルトレイ76への作業時必要ノズルの収容作業は、各固定ステージ131に対応する選択ボタン230,232,234に表示されている装着機名242の装着機情報に基づいて実行される。詳しくは、例えば、中央ステージ131に「NA74A」の名称のノズルトレイ76がセットされた場合には、その中央ステージ131に対応する第2選択ボタン232に、装着機名242として「NXT-2」が表示されているため、「NXT-2」の名称の装着機を示す装着機情報が特定される。そして、その装着機情報と対応付けてメモリ208に記憶されているノズル情報が特定される。そのノズル情報には、「NXT-2」の名称の装着機での作業時必要ノズルの数,種類等に関する情報が含まれている。このため、そのノズル情報が示す吸着ノズルが、パレット収容装置92,ノズル移載装置94等の作動により、中央ステージ131にセットされたノズルトレイ76に収容される。
【0040】
このように、ノズル管理装置80では、段取り替え画面220に表示されたトレイ名240のノズルトレイ76を、作業者が、そのトレイ名240に応じた選択ボタン230,232,234に対応する固定ステージ131にセットすることで、段取り替え作業に応じた吸着ノズル60が、そのノズルトレイ76に収容される。ただし、作業者が段取り替え作業を実行する際に、段取り替え画面220に表示されているトレイ名240のノズルトレイ76を手元に持っておらず、そのトレイ名240と異なる名称のノズルトレイを持っている場合がある。具体的には、例えば、
図6に示すように、段取り替え画面220には、3つの選択ボタン230,232,234の何れにも、トレイ名240として「NA74A」が表示されているが、作業者は、「NA74A」の名称のノズルトレイ76を手元に持っておらず、「ND36C」の名称のノズルトレイ76を持っている場合がある。このような場合に、作業者が、わざわざ「NA74A」の名称のノズルトレイを取りに行くことは、時間の無駄である。このため、選択ボタン230,232,234に対応して表示されるトレイ名240等を変更することが可能とされている。
【0041】
具体的には、例えば、作業者が、段取り替え画面220の第1選択ボタン230を操作すると、タッチパネル86に、段取り替え画面220の代わりに、
図7に示す変更画面250が表示される。変更画面250には、複数の装着機名242が表示され、それら複数の装着機名242の各々に対応してトレイ名240が表示される。具体的には、例えば、「AIMEX-1」の装着機名242に対応して、「NA74A」のトレイ名240が表示され、「NXT-1」の装着機名242に対応して、「ND32C/ND36C」のトレイ名240が表示され、「NXT-2」の装着機名242に対応して、「NA74A」のトレイ名240が表示されている。なお、トレイ名240は、装着機名242に応じた装着機の装着機情報と対応付けてメモリ208に記憶されているトレイ情報により示されるトレイの名称である。
【0042】
つまり、例えば、「AIMEX-1」の装着機名242の装着機情報は、「NA74A」のトレイ名240のトレイ情報と対応付けてメモリ208に記憶されている。このため、変更画面250において、「AIMEX-1」の装着機名242に対応して、「NA74A」のトレイ名240が表示される。また、「NXT-1」の装着機名242の装着機情報は、「ND32C」と「ND36C」との2種類のトレイ名240のトレイ情報と対応付けてメモリ208に記憶されている。このため、変更画面250において、「NXT-1」の装着機名242に対応して、「ND32C」と「ND36C」との2種類のトレイ名240が表示される。
【0043】
このように、変更画面250に、複数の装着機名242および、それら複数の装着機名242の各々に対応してトレイ名240が表示されると、作業者は、自身がセットしたいノズルトレイ76のトレイ名240を操作する。この場合、作業者は、上述したように、「ND36C」のノズルトレイ76を持っているため、「ND32C/ND36C」のトレイ名240を操作する。これにより、タッチパネル86に、変更画面250の代わりに、
図8に示す段取り替え画面220が表示される。この段取り替え画面220では、第1選択ボタン230に対応して、
図7に示す変更画面250での操作により選択されたトレイ名240が表示される。つまり、
図8に示す段取り替え画面220では、第1選択ボタン230に対応して、「ND32C/ND36C」のトレイ名240が表示される。また、その「ND32C/ND36C」のトレイ名240に対応して、「NXT-1」の装着機名242が表示される。これは、「ND32C/ND36C」のトレイ情報と、「NXT-1」の装着機情報とが対応付けてメモリ208に記憶されているためである。また、「NXT-1」の装着機名242に対応して、「Line Name1」のライン名244及び「Product1」の製品名246が表示される。これは、「NXT-1」の装着機情報と、「Line Name1」のライン情報と、「Product1」の製品情報とが対応付けてメモリ208に記憶されているためである。
【0044】
そして、「ND32C/ND36C」のトレイ名240を含む段取り替え画面220がタッチパネル86に表示されると、その「ND32C/ND36C」のトレイ名240に応じた第1選択ボタン230に対応する左側ステージ131に、作業者が「ND36C」のノズルトレイ76をセットする。これにより、その「ND36C」のノズルトレイ76に、上述した手順に従って、「NXT-1」の装着機での作業時必要ノズルが、パレット収容装置92,ノズル移載装置94等の作動により収容される。
【0045】
ただし、作業者が、段取り替え画面220に表示されているトレイ名240のノズルトレイ76を、そのトレイ名240に応じた選択ボタン230,232,234に対応する固定ステージ131にセットしない場合がある。つまり、
図8に示す段取り替え画面220がタッチパネル86に表示されている際に、作業者が、「ND36C」のノズルトレイ76を、誤って、中央ステージ131にセットする場合がある。このような場合には、「ND36C」のノズルトレイ76に、「NXT-1」の装着機での作業時必要ノズルでなく、「NXT-2」の装着機での作業時必要ノズルが収容される虞がある。また、「NXT-2」の装着機では、「NA74A」のノズルトレイ76が用いられているため、「ND36C」のノズルトレイ76に、「NXT-2」の装着機での作業時必要ノズルを収容することができない虞もある。
【0046】
このようなことに鑑みて、固定ステージ131にノズルトレイ76がセットされると、そのノズルトレイ76が、段取り替え画面220の表示に従ってセットされているか否かがチェックされる。詳しくは、固定ステージ131にノズルトレイ76がセットされると、セットされたノズルトレイ76の上方に、カメラ126が、ヘッド移動装置122の作動により移動し、そのノズルトレイ76を撮像する。この際、コントローラ202は、その撮像により得られた撮像データに基づいて、ノズルトレイ76に記されている2Dコード78を分析し、ノズルトレイ76のIDを取得する。そして、コントローラ202は、取得したノズルトレイ76のIDを利用して、セットされたノズルトレイ76の名称を特定する。これにより、コントローラ202において、ノズルトレイ76が、段取り替え画面220の表示に従ってセットされているか否かがチェックされる。つまり、左側ステージ131にセットされているノズルトレイの名称が「ND36C」であると特定された場合には、「ND36C」のノズルトレイ76が、段取り替え画面220の表示に従ってセットされていると判断される。そして、「ND36C」のノズルトレイ76が、段取り替え画面220の表示に従ってセットされていると判断されると、そのノズルトレイ76に、「NXT-1」の装着機での作業時必要ノズルが収容される。これにより、ノズルトレイ76に、そのノズルトレイ76に応じた装着機での作業時必要ノズルを適切に収容することができる。
【0047】
また、上述したように、「NXT-1」の装着機名242の装着機情報は、「ND32C」と「ND36C」との2種類のトレイ名240のトレイ情報と対応付けてメモリ208に記憶されている。このため、
図7に示すように、変更画面250において、「NXT-1」の装着機名242に対応して、「ND32C」と「ND36C」との2種類のトレイ名240が表示される。そして、段取り替え画面220において、
図8に示すように、「ND32C/ND36C」のトレイ名240が第1選択ボタン230に対応して表示されることで、作業者は、「ND32C」のノズルトレイ76、若しくは、「ND36C」のノズルトレイを、左側ステージ131にセットできることを認識する。
【0048】
しかしながら、ノズルトレイ76に収容される吸着ノズル60の数に応じて、トレイ名240の表示を変更する必要がある。詳しくは、「ND32C」のノズルトレイ76は、最大32個の吸着ノズル60を収容することが可能であり、「ND36C」のノズルトレイ76は、最大36個の吸着ノズル60を収容することが可能である。このため、「ND32C」と「ND36C」との2種類のトレイ名とともに表示される「NXT-1」の装着機での作業時必要ノズルの数が、32本以下であれば、「ND32C」と「ND36C」との何れのノズルトレイが固定ステージにセットされても、作業時必要ノズルの全てをノズルトレイに収容することができる。しかしながら、「NXT-1」の装着機での作業時必要ノズルの数が、32本を超えていれば、「ND32C」のノズルトレイが固定ステージにセットされた場合に、作業時必要ノズルの全てをノズルトレイに収容することができない。
【0049】
そこで、装着機情報と対応付けてメモリ208に記憶されているトレイ情報に2種類以上のノズルトレイ76が含まれている場合に、コントローラ202は、その装着機情報と対応付けてメモリ208に記憶されているノズル情報を特定し、そのノズル情報に基づいて作業時必要ノズルの数を特定する。そして、コントローラ202は、トレイ情報に含まれる2種類以上のノズルトレイ76の各々への吸着ノズルの最大収容数が、作業時必要ノズルの数以上であるか否かを判断する。そして、コントローラ202は、吸着ノズルの最大収容数が、作業時必要ノズルの数以上のノズルトレイ76の名称を、変更画面250に表示する。これにより、トレイ情報に含まれる2種類以上のノズルトレイ76のうちの、作業時必要ノズルの全てを収容可能なトレイ名のみが、変更画面250に表示される。
【0050】
具体的には、「NXT-1」の装着機の装着機情報と対応付けてメモリ208に記憶されているノズル情報に基づいて、例えば、作業時必要ノズルの数が30本と特定された場合には、「ND32C」と「ND36C」との何れのノズルトレイ76にも、作業時必要ノズルの全てを収容することができる。このため、
図7に示すように、変更画面250において、「NXT-1」の装着機名242と対応して、「ND32C/ND36C」の2種類のトレイ名240が表示される。そして、そのトレイ名240が選択されることで、
図8に示すように、段取り替え画面220において、第1選択ボタン230に対応して、「ND32C/ND36C」のトレイ名240が表示される。
【0051】
一方、ノズル情報に基づいて、例えば、作業時必要ノズルの数が35本と特定された場合には、「ND36C」のノズルトレイ76に、作業時必要ノズルの全てを収容することができるが、「ND32C」のノズルトレイ76に、作業時必要ノズルの全てを収容することはできない。このため、
図9に示すように、変更画面250において、「NXT-1」の装着機名242と対応して、「ND36C」のトレイ名240が表示される。そして、そのトレイ名240が選択されることで、
図10に示すように、段取り替え画面220において、第1選択ボタン230に対応して、「ND36C」のトレイ名240が表示される。
【0052】
このように、トレイ情報に2種類以上のノズルトレイ76が含まれる場合に、その2種類以上のノズルトレイ76のうちの作業時必要ノズルの全てを収容可能なトレイ名のみが、変更画面250及び段取り替え画面220に表示される。これにより、作業者が段取り替え画面220の表示に従ってノズルトレイ76を固定ステージ131にセットした場合に、そのセットされたノズルトレイ76への作業時必要ノズルの適切な収容作業を担保することができる。
【0053】
なお、装着機14は、作業機の一例である。吸着ノズル60は、部品保持具の一例である。ノズルトレイ76は、トレイの一例である。ノズル管理装置80は、保持具管理装置の一例である。タッチパネル86は、表示装置の一例である。ノズル移載装置94は、移載装置の一例である。固定ステージ131は、載置部の一例である。コントローラ202は、判断装置の一例である。メモリ208は、記憶装置の一例である。
【0054】
以上、上記した本実施形態では、以下の効果を奏する。
【0055】
ノズル管理装置80では、トレイ情報に2種類以上のノズルトレイが含まれる場合に、そのトレイ情報と対応付けてメモリ208に記憶されている装着機情報が示す装着機の装着機名242と、トレイ情報に含まれる2種類以上のノズルトレイのトレイ名240とが、対応付けて段取り替え画面220に表示される。これにより、作業者が、複数種類のノズルトレイの中から任意のノズルトレイを固定ステージ131にセットすることができるため、作業者の選択肢が増えることで、作業性が向上する。
【0056】
また、「ND32C」のノズルトレイ76には、最大で32本の吸着ノズル60を収容することが可能とされており、「ND36C」のノズルトレイ76には、最大で36本の吸着ノズル60を収容することが可能とされている。そして、段取り替え作業の対象となる装着機、つまり、「NXT-1」の装着機での作業時必要ノズルの数が32本以下である場合に、「ND32C/ND36C」の2種類のトレイ名240が段取り替え画面220に表示される。一方、「NXT-1」の装着機での作業時必要ノズルの数が32本以下でない場合に、段取り替え画面220において、「ND32C」のトレイ名240は表示されず、「ND36C」のトレイ名240が表示される。これにより、ノズルトレイ76への作業時必要ノズルの適切な収容作業を担保することができる。
【0057】
また、コントローラ202により、固定ステージ131にセットされたノズルトレイ76が、段取り替え画面220の表示に従ってセットされているか否かが判断される。そして、ノズルトレイ76が段取り替え画面220の表示に従って固定ステージ131にセットされている場合に、そのノズルトレイ76への作業時必要ノズルの収容作業が実行される。これにより、ノズルトレイ76に、そのノズルトレイ76に応じた装着機での作業時必要ノズルを適切に収容することができる。
【0058】
尚、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、吸着ノズル60を収容するためのノズルトレイ76の名称をタッチパネル86に表示する手法に本開示が適用されているが、部品を保持可能な部品保持具を収容するためのトレイの名称の表示手法に本開示を適用することが可能である。具体的には、部品保持具として、例えば、複数の爪により部品を把持する把持具、所謂、チャックを採用することが可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、「ND32C/ND36C」の2種類のノズルトレイ76が、ノズル情報として、装着機情報と対応付けてメモリ208に記憶されているが、3種類以上のノズルトレイ76が、ノズル情報として、装着機情報と対応付けてメモリ208に記憶されていてもよい。このような場合には、3種類以上のトレイ名240が、段取り替え画面220及び変更画面250に表示される。
【0060】
また、上記実施形態では、段取り替え画面220等でトレイ名240及び装着機名242が表示されているが、ノズルトレイ76を示す情報及び、そのノズルトレイ76がセットされる装着機を示す情報が表示されてもよい。つまり、ノズルトレイ76を識別することが可能な情報若しくは、装着機を識別可能な情報であれば、例えば、種々の記号,マーク,コード等が、段取り替え画面220等に表示されてもよい。
【符号の説明】
【0061】
14:装着機(作業機) 60:吸着ノズル(部品保持具) 76:ノズルトレイ(トレイ) 80:ノズル管理装置(保持具管理装置) 86:タッチパネル(表示装置) 94:ノズル移載装置(移載装置) 131:固定ステージ(載置部) 202:コントローラ(判断装置) 208:メモリ(記憶装置)