(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】水がベイスン(basin)に入らないようにするためのチューブ
(51)【国際特許分類】
E04H 4/06 20060101AFI20230614BHJP
E04H 4/14 20060101ALI20230614BHJP
F16L 11/10 20060101ALI20230614BHJP
B65D 88/22 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
E04H4/06 C
E04H4/14
F16L11/10 B
B65D88/22 A
(21)【出願番号】P 2022523421
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(86)【国際出願番号】 IB2020000846
(87)【国際公開番号】W WO2021079185
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-06-06
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510249081
【氏名又は名称】ピーブイ フラッド コントロール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール ヴィッカーズ
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-105109(JP,U)
【文献】実開昭51-087933(JP,U)
【文献】登録実用新案第3210011(JP,U)
【文献】実開平06-062125(JP,U)
【文献】特開2004-190429(JP,A)
【文献】米国特許第8201285(US,B1)
【文献】米国特許第8627980(US,B2)
【文献】米国特許第4879772(US,A)
【文献】米国特許第8562212(US,B1)
【文献】米国特許第6626312(US,B2)
【文献】米国特許第3167209(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0368212(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 4/00-4/16
B65D 88/00-90/66
E03B 3/03
F16L 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体がベイスンに入るのを防ぐための装置であって、
前記ベイスン内に適合し、充填流体を受容するように構成された格納チューブを備え、
前記格納チューブは、
前記ベイスンの開口部の断面内に収まり、実質的に全てにわたる上部であって、前記上部が複数の材料片から分割して組み立てられ、前記複数の材料片を接続する防水縫い目を有する、前記上部と、
前記ベイスンの底の断面の内側に収まり、実質的に全てにわたる底部と、
前記上部と前記底部とを接続する側部であって、前記側部の一部が前記ベイスンの1つ以上の壁の一部と接触し、前記上部が前記側部の第1の縁部に密封され、前記底部が前記側部の前記第1の縁部とは反対側にある第2の縁部に密封され、前記格納チューブが前記ベイスン内にあり、前記充填流体によって充填されるときに、前記上部に加えられる力が均等に再分配されるように設けられた、前記側部と、
を備え、
前記格納チューブが水密である、装置。
【請求項2】
前記格納チューブの前記側部を包含する保護スリーブをさらに備え、前記保護スリーブは、前記ベイスンの1つ以上の内壁と前記格納チューブとの間に保護バリアを提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記保護スリーブは、水密性材料から構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記格納チューブの前記底部を包含する保護スリーブをさらに備え、前記保護スリーブは、前記ベイスンの1つ以上の内壁と前記格納チューブとの間に保護バリアを提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記保護スリーブは、水密性材料から構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記上部が、前記充填流体を受け入れるように構成された第1のバルブを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記上部が、前記充填流体を排出するように構成された第2のバルブを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記上部が、前記格納チューブを開いて洗浄するための水密ファスナーを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記上部および底部は円形であり、前記格納チューブは、前記充填流体で満たされるときに円筒形である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ベイスンが空のフラッキング(fracking)プールである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ベイスンが空のスイミングプールである、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
格納チューブを作成するための方法であって、
ベイスンの開口部の断面の内側に実質的にすべてにわたって収まる上部を第1の可撓性防水性材料から作成するステップであって、前記上部は複数の材料から分割して組み立てられ、前記複数の材料を接続する防水縫い目を有する、前記ステップと、
前記ベイスンの底部の断面の内側に実質的にすべてにわたって収まる底部を第2の可撓性防水性材料から作成するステップと、
第3の可撓性防水性材料から側部を作成するステップと、
前記上部を前記側部の第1の縁部に密封するステップと、
前記底部を前記側部の第2の縁部に密封するステップであって、前記側部の前記第2の縁部が前記側部の前記第1の縁部と実質的に反対であり、前記格納チューブが前記ベイスン内にあり、流体によって充填されるときに、前記上部に加えられる力が均等に再分配されるように、前記底部を密封する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の装置を使用するための方法であって、
前記格納チューブを前記ベイスン内に配置するステップと、
前記側部の一部が前記ベイスンの1つ以上の壁の一部と接触するように、前記格納チューブを充填流体で充填するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記格納チューブを前記ベイスン内に配置する前に、前記格納チューブを充填流体で充填するステップと、
前記密封に漏れがないか試験するステップと、
前記格納チューブから前記充填流体を完全にまたは部分的に除去することにより、前記格納チューブを排出するステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
保護スリーブ内に前記格納チューブの前記側部を包含して、前記ベイスンの1つ以上の内壁と前記格納チューブとの間に保護バリアを提供するステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
保護スリーブ内に前記格納チューブの前記底部を包含して、前記ベイスンの前記底部と前記格納チューブとの間に保護バリアを提供するステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記上部を作成するステップ、前記底部を作成するステップ、または前記側部を作成するステップと、
可撓性防水性材料のシートから材料を切断し、その材料を使用して前記上部、前記底部、または前記側部のいずれかを形成するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記上部が、
第1のバルブであって、前記充填流体を受け入れるように構成された前記第1のバルブと、
第2のバルブであって、前記充填流体を排出するように構成された前記第2のバルブと、
をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の可撓性防水性材料、前記第2の可撓性防水性材料、ならびに前記第3の可撓性防水性材料が、同じ可撓性防水性材料である、
請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記上部が、前記格納チューブを開いて洗浄するための水密ファスナーを備える、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体がベイスンに入るのを防ぐための装置およびその格納チューブを作成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベイスンは、使用されていない間、それらを保護するための一時的な手段が必要である。ベイスンには、スイミングプール、フラッキングプール、地上タンク、地下タンク、および比較的大量の流体を収容するための他の手段が含まれる。空っぽの場合、ベイスンは、ゴミによる被害、雨による被害、洪水による被害、その他の自然災害による被害など、さまざまな被害を受ける可能性がある。さらに、使用していないときにヒトや動物が誤ってベイスン内に落下するのを防ぐことが望ましい。
【0003】
カバー(cover)およびライナー(liner)などの従来の方法は、いくつかの欠点を有する。例えば、従来のカバーは、多くの場合、シカまたは子供などの動物の重量を支持するのに十分な強度がない場合が多く、またはそれ以外の場合には、高価な強力な材料から作られる。さらに、カバーとライナーは、洪水被害やその他の自然災害からほとんど保護しない。ベイスンを保護するためには、より優れた費用対効果の高い手段が必要である。
【発明の概要】
【0004】
ベイスンの寸法内に収まるように設計された格納(containment)チューブは、充填液で満たされ、それ以外の場合は空のベイスン内に収まる。格納(封じ込め)チューブは、柔軟で水密性のある材料で作られており、充填用バルブと排水用バルブがある。充填されていない場合、格納チューブをロールアップして便利に保管することができる。格納チューブは、水または空気などの充填流体で満たされるとき、ベイスンの形状となってベイスン内に収まるため、不要なゴミ、動物、および他のアイテムまたは生物がベイスンに入ったり、または格納流体を汚染するのを防ぐことができる。充填された格納チューブは、ベイスンの損傷を防ぐこともできる。充填された格納チューブは、ベイスンの壁にぴったりと収まり、輪(hoop)の応力により均等に力を再分配する。いくつかの実施形態では、格納チューブは、検査または洗浄のためにチューブの内部に容易にアクセスするためのファスナー(zipper)を有する。いくつかの実施形態は、格納チューブを穿刺から保護するための外部保護ライナーを含む。
【0005】
充填された格納チューブは、物体がベイスンに入るのを防ぐ。例えば、充填された格納チューブは、チューブ全体に重量を再分配することによって、小動物または子供の重量を支持することができ、偶発的な負傷を防ぐことができる。同様に、格納チューブは、ベイスンの内部を満たしているため、ベイスンにゴミ(debris)が接触することを抑制することによって、ゴミによる損傷からベイスンを保護する。格納チューブはまた、望ましくない流体が水密性の高い格納チューブに入ることができず、水密性の高い格納チューブとベイスンの壁との接触を介して浸透することができないため、洪水による損傷または雨による損傷など、不必要な流体がベイスンを満たし、損傷することを防止する。格納チューブは、比較的費用対効果の高い方法で、異なる形状およびサイズのベイスンに適合するように製造することができる。さらに、格納チューブは簡単に組み立て、充填することができ、保管のために容易に排出して、保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】
図1Aは、一実施形態による格納チューブの上部または底部の製造プロセスの概略図を示す。
【
図1B】
図1Bは、一実施形態による格納チューブの上部または底部の製造プロセスの概略図を示す。
【
図1C】
図1Cは、一実施形態による格納チューブの上部または底部の製造プロセスの概略図を示す。
【
図2A】
図2Aは、一実施形態による格納チューブの側部の製造プロセスの概略図を示す。
【
図2B】
図2Bは、一実施形態による格納チューブの側部の製造プロセスの概略図を示す。
【
図3A】
図3Aは、一実施形態による、上部、底部、および側部を含む格納チューブの組み立てプロセスの概略図を示す。
【
図3B】
図3Bは、一実施形態による、上部、底部、および側部を含む格納チューブの組み立てプロセスの概略図を示す。
【
図4】
図4は、一実施形態による、ベイスン内に収まる充填格納チューブの例を示す。
【
図5】
図5は、一実施形態による格納チューブを組み立てるためのプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図および以下の説明は、単なる例示として、好適な実施形態に関する。下の考察から、本明細書で開示されている構造体および方法の代替的実施形態が、実施形態の原理から逸脱することなく用いられ得る実行可能な代替例として容易に理解されることに留意されたい。
【0008】
ここで、いくつかの実施形態を詳細に参照し、その例が、添付の図に図示されている。できる限り、類似または同様の参照数字が、図の中で使用され得、類似または同様の機能性を示すことが可能であることに留意されたい。図は、あくまで例示の目的のために実施形態を示している。
【0009】
概要(Overview)
格納チューブは防水性があり、側面が開いていない。格納チューブは、水、湿ったコンクリート、他の流体、またはさらには膨張および硬化フォーム(ポリウレタンフォームなど)または特定の構成のガスなどの任意の液体物質などの充填流体を受け入れるように構成され、これらはチューブにポンプで送られ得る。格納チューブは、ビニルコーティングされたポリエステル、ポリビスクイーン(polyvisqueen)、またはその表面を通る流体の侵入を防止する他の材料などの防水性および柔軟性のある材料から構成されている。ある実施形態では、ポリビスクイーンは、厚さが5~15ミリメートルの間にある。いくつかの実施形態では、ポリビスクィーンは、例えば、ナイロン鎖(例えば、糸)などの埋め込みウェビング材料で補強される。水密材料の間のエッジは、接着剤、プレス、くさび溶接、または他のシール方法を使用して、縫い目で一緒にシールすることができる。
【0010】
ベイスンは、流体を保持するための密閉された底部および側面を有する凹面構造であり、例えば、水泳プール、水圧破砕(fracking)プール、地上タンク、地中タンク、および比較的大量の流体を収容するための他の手段である。ベイスンは、ベイスンの底部とベイスンの上部開口部の両方の断面積と形状を有している。いくつかのベイスンは、底部から上部の開口部まで同じ断面積および形状を有し得るが、他のベイスンは、一端で異なる形状またはサイズの断面を有し得る。また、ベイスンには深さがあり、これはベイスンの上部の開口部からベイスンの底部までの距離である。
【0011】
格納チューブのアセンブリと構造例
図1A~1Cは、一実施形態による格納チューブの上部または底部の製造プロセスの概略図を示す。簡単のため、このセクションでは主にこの部分を上部として参照する。製造プロセスは、以下にさらに詳細に記載されるように、格納チューブの必要な底部部分を構築するために使用される。
【0012】
図1Aは、可撓性の防水材料のシート100の概略図を示す。シート100は、長さ120、幅130を有し、これは、ベイスンの上部開口部の断面(または、底部部分に関連する場合、ベイスンの底部の断面)の寸法以上である。シート100は、可撓性の防水材料の複数の部分から継ぎ目(seams)110を密封(シール)することによって、所望の寸法になるように分割して組み立てられ得る。シート100の区分的アセンブリ(分割組み立て)は、所望の水密性を維持しながら、より少ない材料の浪費を可能にし、それによってコストを低減する。
【0013】
図1Bは、上部140の輪郭を重ねた100のシートの概略図を示す。上部140のサイズおよび形状は、ベイスンの上部開口部の断面積に基づいて決定される。上部140は、ベイスンの上部開口部の断面積と実質的に同じである。上部140は、格納チューブの上部がベイスンの上部開口部の断面積の内に収まり、ベイスンの上部開口部の断面積の実質的に全てにわたるように、ベイスンの上部開口部の断面積のサイズ寸法よりもわずかに小さい寸法を有する(例については、
図4を参照されたい)。例えば、
図1Bに示される上部140の概略図は、直径150を有する円形であり、それによって、同じく円形であり、直径150よりもわずかに大きい直径を有する断面上部開口部を有するベイスンのためのものである。
図1Bおよび1Cに示される実施形態は、円形の断面上部開口部を意図する円形の上部部分を示すが、上部部分および対応する断面上部開口部は、楕円形、三角形、正方形、長方形、または台形を含むが、これらに限定されない任意の形状であり得ることに留意されたい。
【0014】
図1Cは、上部140の概略図を示す。
図1Cに示す上部140は、シート100から切り出した
図1Bの上部140である。上部140は、より大きなシート100の密封された縫い目(seams)110を有し、密封された縫い目110であっても防水性および可撓性である。
【0015】
格納チューブは、上部と底部の両方を有するため、上記の製造プロセスを実行して両方の部分を製造する必要がある。いくつかの実施形態では、製造プロセスは、第2の部分を生成するために繰り返される。一実施形態では、格納チューブがぴったりと収まるためにベイスンがそのようなものを必要とする場合、製造プロセスは、異なる断面積または形状で繰り返される。例えば、ベイスンは、プールの底部に向かって内側に傾斜する側面を有するプールであってもよい。したがって、上部は、底部よりも大きいサイズである。上部および底部が同じ形状およびサイズである別の実施形態では、両方の部分は、切断のために2枚の防水材料を重ねることによって同時に製造することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、上部は、格納チューブを流体で満たすための第1のバルブを有する。同様に、いくつかの実施形態では、上部は、格納チューブ内に含まれる流体を排出するための第2のバルブを有する。例示的な流体充填または排出装置は、ポンプまたはホースまたはパイプを含むことが可能であり、ポンプまたは重力によって、ガスの場合には加圧されたキャニスタまたは圧縮機によって、流体を供給され得る。いくつかの実施形態では、上部または底部は、格納チューブの内部を検査または洗浄するためのファスナーを有する。これらの特徴は、
図1Cに示される組み立て段階の後に、上部および/または底部部分に追加することができる。
【0017】
図2A~
図2Bは、格納チューブの側部230の製造プロセスの概略図を示す。
図2Aは、側部230に構成されるシート200の2次元的な模式図である。シート200は、概要(overview)のセクションおよび
図1Aに関連して以前に説明したものなどの、防水性の可撓性材料で作られたものである。シート200は、高さ210、幅220を有する。シート200の高さ210および幅220は、ベイスンの寸法に応じて決定される。高さ210は、組み立てられたときに格納チューブがベイスン内に適合するように、ベイスンの深さよりもわずかに小さいか等しいと決定される。長さ220は、
図2Bに関して説明される。
【0018】
図2Bは、シート200の側部230への3次元的な構造を示す概略図である。側部230を形成するために、シート200は、高さ方向のエッジが240を重ねて密封されるように配置される。したがって、シート200の長さ220は、シート200がシール240を作成し、ベイスンの壁と接触しながらベイスン内に実質的に収まるように十分な長さでなければならない。実際には、シート200の長さ220は、シールのために形成されたオーバーラップの幅に応じて、ベイスンの周囲(または最大の周囲)と等しいか、またはわずかに長くてもよい。あるいは、長さ220は、240をシールするとき、側部230の周囲が、上部および底部の周囲と同じである(または、上部および底部が異なる周囲を有する場合、2つのうちのより大きい)と説明することができる。例えば、
図2Bに示されるように、側部は、
図1B~1Cの上部140と同じ直径150を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、側部(側面部分)230は、分割して組み立てられてもよい。すなわち、シート200の所望の高さ210および幅220を達成するために、複数の可撓性の防水材料を防水縫い目で分割して組み立てることができる。いくつかの実施形態では、シート200の分割アセンブリは、
図1A~1Cのシート100のものと同様である。加えて、側部230がシート200から組み立てられた後、側部230の高さは、上部に第2の組み立てられた側部230を積み重ね、2つの側部230の周囲に防水縫い目で取り付けることによって増加させることができる。
【0020】
図3A~3Bは、上部140a、底部140b、および側部230を含む格納(containment)チューブ320の組み立てプロセスの概略図を示す。上部140aおよび底部140bは、
図1A~1Cに関して説明されるプロセスによって組み立てられた2つの物理的に異なる部分を示す。
【0021】
図3Aは、上部140a、底部140b、および側部230の位置合わせ(alignment)300を示す。上部140aは、側部230の1つの開口部の上に位置合わせされ、底部140bは、上部140aと反対側の側部230の別の開口部の下に位置合わせされる。
【0022】
図3Bは、上部140aおよび底部140bが側部230に取り付けられたときに構成された格納(封じ込め)チューブ320を示す。上部140aおよび底部140bは、
図3Aに示される位置合わせ300に従って、シール320によって側部230の縁部に取り付けられる。シール320は水密である。いくつかの実施形態では、シール320は気密である。シール320は、概要に記載される方法によって形成され得る。
【0023】
一実施形態では、格納チューブ320の組み立て後、格納チューブ320は、ベイスンで使用する前に様々な試験にかけられ得る。例えば、格納チューブ320は、シール320が強固であり、漏れていないことを確認するために、充填流体で満たされてもよい。シールの水密性を試験するために、格納チューブ320は、水または別の液体で満たされる。シールの気密性をテストするために、格納チューブは空気または別のガスで満たされる。
【0024】
図4は、ベイスン410内に収納される充填格納チューブ400の例を示す。格納チューブ400は、格納チューブ320と同一であっても同様であってもよい。
図4に示されるように、ベイスン410は、断面が円形の上部開口部および底部を有する地上置きのスイミングプールである。格納チューブ400は、ベイスン410の断面上部開口部の内側に適合し、実質的に全てにわたる円形の上部部分を有する。すなわち、格納チューブ400は、格納チューブ400の側面部分がベイスン410の側壁と接触するように、ベイスン410内に収まり、格納チューブ400の上部および底部部分が側面部分に密封され、ベイスン410の壁と直接接触していても、していなくてもよい。したがって、側部と上部との間のシールは、格納チューブ400がベイスン410の開口部の全体に及ぶことを可能にし、ベイスン410に物体が入ることを禁止する。したがって、上部自体は、ベイスン410の断面上部開口部の全体に及ぶ場合もあれば及ばない場合もあるが、上部は、側部との密封を可能にし、格納チューブ400がベイスン410への物体の侵入を禁止することを可能にするために、上部開口部の実質的に全てに及ぶ。
図4に示される実施形態では、ベイスン410および格納チューブ400は両方とも断面形状が円形であるが、ベイスン410および格納チューブ400は、楕円形、三角形、正方形、矩形、または台形を含むが、これらに限定されずに、他の断面形状をとることができる。
【0025】
格納チューブ400の上部は、第1のバルブ420および第2のバルブ430を有する。第1のバルブ420は、充填流体を受容するように構成される。第2のバルブ430は、充填流体を排出するように構成される。いくつかの実施形態では、格納チューブ400は、充填流体を受け入れ、排出するように構成された1つのバルブのみを有してもよい。他の実施形態では、第1のバルブ420または第2のバルブ430は、側部または底部などの格納チューブ上の別の場所に位置してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、格納チューブ400とベイスン410との間に保護スリーブがある。保護スリーブはナイロンなどのフレキシブル素材である。保護スリーブは、格納チューブ400を、ベイスン410の内部によって引き起こされ得る穿刺、摩耗、または他の損傷から保護する。損傷は、ベイスン410の壁または底部の鋭い縁または不完全部分、または格納チューブ400の挿入前にベイスン410に落下した破片によって引き起こされ得る。一実施形態では、保護スリーブは、格納チューブ400の側部を覆う。別の実施形態では、保護スリーブは、格納チューブ400の底部を覆う。別の実施形態では、保護スリーブは、格納チューブ400の側部および底部の両方を覆う。
【0027】
図5は、格納チューブを作成するためのプロセス500のフローチャートである。上部は、可撓性および防水性材料から作製され(510)、その上部は、ベイスンの上部開口部内に収まる。底部部分は、可撓性および防水性材料から作られ(520)、その底部は、ベイスンの底部内に収まる。側部は、可撓性および防水性の材料から作られる(530)。上部は、側部の第1の側面に密封される(540)。底部は、側部の第2の側面に密封され(550)、側部の第2の側面は、側部の第1の側面と実質的に反対である。実質的に反対とは、上部および底部が、必ずしも平行ではないが互いに反対であり、側部によって分離されていることを示す。
【0028】
(さらなる検討事項)
本開示を読むと、当業者は、実施形態の開示されている原理を通して、さらに追加的な代替的な構造的で機能的な設計を理解するであろう。したがって、特定の実施形態および用途が図示および説明されてきたが、実施形態は、本明細書で開示されている正確な構築および構成要素に限定されないこと、ならびに、当業者に明らかになるさまざまな修正、変化、および変形が、添付の特許請求の範囲に定義されているような要旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されている方法および装置の配置、動作、および詳細の中で行われ得ることが理解されるべきである。