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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】包装用フィルム検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 25/72 20060101AFI20230615BHJP
   G01N 21/90 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
G01N25/72 J
G01N21/90 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019081076
(22)【出願日】2019-04-22
(65)【公開番号】P2020176978
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000253503
【氏名又は名称】キリンホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507023016
【氏名又は名称】日本機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087815
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 昭二
(72)【発明者】
【氏名】小沢 肇
(72)【発明者】
【氏名】松雪 信也
(72)【発明者】
【氏名】前田 浩俊
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-028650(JP,A)
【文献】特開2003-329603(JP,A)
【文献】特開平04-225189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 25/72
G01N 21/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂製であってボトル形状の飲料容器(1)表面に装着される水蒸気シュリンク包装用フィルム(3)の正常部と不良個所の温度差によって不良個所を検出する前記飲料容器の水蒸気シュリンク包装用フィルム検査装置であって、
前記飲料容器(1)を測定位置に載置する載置手段(4)と、
前記水蒸気シュリンク包装用フィルムに温度変化を生じさせ、除湿された常温の空気を冷却する回路を有する温度変更手段(5)と、
前記温度変更手段(5)によって温度変化された水蒸気シュリンク包装用フィルム表面を撮像する撮像手段(6)、
を備え、
前記撮像手段(6)は赤外線カメラであることを特徴とする飲料容器の水蒸気シュリンク包装用フィルム検査装置。
【請求項2】
前記冷却手段(5)による冷却温度が、前記冷却手段(5)から冷却風が送出される時点において、-30℃~-10℃であり、冷却時間は15秒~35秒、冷却風噴射ノズル(51)と容器フィルム(3)の間の距離(L1)が80mm~120mmである請求項1記載の装置。
【請求項3】
透明樹脂製であってボトル形状の飲料容器(1A)表面に装着される水蒸気シュリンク包装用フィルム(3A)の正常部と不良個所の温度差によって不良個所を検出する前記飲料容器の水蒸気シュリンク包装用フィルム検査装置であって、
前記飲料容器(1A)を測定位置に載置する載置手段(4A)と、
前記水蒸気シュリンク包装用フィルムに温度変化を生じさせ、除湿された常温の空気を加熱する回路を有する温度変更手段(5A)と、
前記温度変更手段(5A)によって温度変化された水蒸気シュリンク包装用フィルム表面を撮像する撮像手段(6A)、
を備え、
前記撮像手段(6A)は赤外線カメラであることを特徴とする飲料容器の水蒸気シュリンク包装用フィルム検査装置。
【請求項4】
前記加熱手段(5A)による加熱温度が、前記加熱手段(5A)から温風が送出される時点において、60℃~110℃であり、加熱時間が6秒~15秒、温風噴射ノズル(51A)と容器フィルム(3A)の間の距離(L2)が20cm~30cmである請求項記載の装置。
【請求項5】
容器(1,1A)表面に装着される包装用フィルム(3,3A)の正常部と不良個所の温度差によって不良個所を検出する前記容器の包装用フィルム検査装置であって、
前記容器(1,1A)を測定位置に載置する載置手段(4,4A)と、
前記包装用フィルムに温度変化を生じさせる温度変更手段(5,5A)と、
前記温度変更手段(5,5A)によって温度変化された包装用フィルム表面を撮像する撮像手段(6,6A)、
を備え、
前記撮像手段(6,6A)は赤外線カメラである容器の包装用フィルム検査装置において、
前記載置手段(4,4A)が、回転角度の制御が可能な回転テーブルであることを特徴とする包装用フィルム検査装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明容器などの容器に装着される包装用フィルム(以下フィルム)を検査して、破れ・穴あき(特にめくれを伴う)の不良個所を検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフィルム不良個所検査装置は、透明容器に背後から光を照射し、フィルムのシルエットの画像を撮像装置で撮影して電気信号に変換するようになっていた。撮像装置は、たとえばCCDやCMOS等の撮像素子が用いられるもので、フィルム面の検査領域を所定数の画素に分け、画素領域毎に明暗を所定の階調数に分けて認識するようになっている。
【0003】
撮影されたフィルムの画像は、正常部分は光が遮断されて暗く、不良個所は光が透過して明るくなっており、ある階調段階を閾値として、それ以上を白,それ以下を黒とする2値化処理をすることによって、不良個所のみを白画像、正常部分を黒画像として判別するようになっていた。
【0004】
しかしこのような照明方式は、不透明のフィルムの場合には有効であるが、透明あるいは半透明のフィルムの場合には、光がフィルムを透過してしまい、不良個所以外の正常部分も光が透過して不良個所と同様に明るくなるために、不良個所か正常部分かの判別がつかなくなる。
【0005】
この問題は、透明ボトル上にフィルムを水蒸気シュリンク包装する場合にも大きな問題となっている。ボトルの容器とフィルムの間ならびにフィルム上に水滴が残り、フィルムの不良個所検出に悪影響を与えているからである。
【0006】
そこで、たとえば、特許文献1~2に記載のように、フィルムからの反射光を撮像することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平4-138306号公報
【文献】特開2001-174236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、フィルム面には透明部分と印刷された不透明部分が混在しているので、撮像したフィルムの正常な部分の中に、不良個所と紛らわしい階調段階の画素が存在し、単純に撮像しただけは、2値化処理により不良個所と正常部分を区別することができない。フィルムデザインが一定であれば、不良個所と紛らわしい階調段階のデザイン部分を無視して判別することも考えられるが、容器の形状やデザインが変わると判別することができなくなってしまう。
【0009】
本発明は上記した従来の問題点を解決するためになされたもので、容器表面に装着するフィルムの透明度が高い場合でも、デザインに関係なくフィルムの不良個所を精度よく検出することができる容器のフィルム検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明装置は、容器表面に装着されるフィルムの正常部と不良個所の温度差によって不良個所を検出する前記容器のフィルム検査装置であって、前記容器を測定位置に載置する載置手段と、前記フィルムに温度変化を生じさせる温度変更手段と、前記温度変更手段によって温度変化されたフィルム表面を撮像する撮像手段を備え、前記撮像手段は赤外線カメラであることを特徴とする。
【0011】
温度変更手段は、例えば、冷却風を送出する空気冷却装置又は温風を送出する空気加熱装置(例えば、ドライヤー)である。
【0012】
好ましくは、前記冷却装置による冷却温度は、前記冷却手段から冷却風が送出される時点において、-30℃~-10℃、好ましくは-25℃~-15℃、冷却時間は15秒~35秒、好ましくは25~30秒、冷却風噴射ノズルと容器フィルムの間の距離は80mm~120mmである。その時、冷却後のフィルムの温度は、10~20℃、好ましくは15℃~20℃である。
【0013】
好ましくは、前記空気加熱装置による加熱は、800W~1500Wのドライヤーを使用し、温風が送出される時点において、60℃~110℃、好ましくは70℃~100℃、加熱時間は6秒~15秒、好ましくは8秒~12秒、温風噴射ノズルと容器フィルムの間の距離は10cm~40cm、好ましくは20cm~30cmである。その時、加熱後のフィルム温度は、30℃~40℃である。
【0014】
好ましくは、前記載置手段は回転角度の制御が可能な回転テーブルである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、赤外線カメラによる赤外線を応用しているため、撮像に文字やデザインが映らない。そのため、フィルムの文字やデザインに関係なくフィルムの不良個所を精度よく検出することができる。
【0016】
また、本発明の検査方法によれば、赤外線カメラによる不良個所とフィルム部の温度差を利用しているので、温度が高いと白く映り、低いとより黒く映る。そのため、透明容器上の透明フィルムの不良個所を精度よく検出することができる。
【0017】
容器のフィルム包装によく使用される水蒸気シュリンクの場合でも、水滴の影響を受けることなくフィルム部の不良個所の検出をすることが可能である。
【0018】
また本発明によれば、検査対象ワークからの赤外線の強弱(温度差)を赤外線カメラで検出しているので、照明を別途設置する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明装置の実施例1に係るシステム構成図である。
図2】同実施例における検査装置の要部を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図3】同実施例における評価結果を示す写真であり、(a)は生画像、(b)は2値化した画像である。
図4】本発明装置の実施例2における検査装置の要部を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図5】同実施例における評価結果を示す写真であり、(a)は生画像、(b)は2値化した画像である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の実施態様を説明する。
【実施例1】
【0021】
図1図2に示すように、容器1は、透明樹脂製のボトル形状の容器本体2と、この容器本体2の胴部の全外周面にシュリンク包装された透明樹脂製フィルム3からなる。フィルム3としては、OPS(二軸延伸ポリスチレン)、ポリ塩化ビニルフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムを例示することができる。
【0022】
容器本体2の外面にフィルム3がシュリンク包装された容器1は、起立姿勢の状態で、シュリンク処理部(図示せず)からベルトコンベア等の搬送装置(図示せず)の上に移され、検査部に搬送される。検査部において次記する検査装置により容器1に対し、フィルム3が正常な状態か否かの検査が実施される。
【0023】
検査部における所定位置には、回転テーブル4が設けられ、この上で容器1の良否が判定される。回転テーブル4は、30°又は60°刻みに回転制御が可能である。
【0024】
搬送装置によって搬送される容器1が回転テーブル4に位置するときに、冷却風によるフィルム部分の冷却と、赤外線カメラによる容器1の撮影が実行される。
【0025】
フィルム部分の冷却は、図1に図示するような空気冷却装置5の噴射ノズル51から冷却風を吹付けることにより行われる。本実施例1で使用した冷却装置5はオリオン機械株式会社製「APX-8A-250」である。
【0026】
空気冷却装置5の噴射ノズル51と容器1のフィルムの間の距離L1は80mm~120mm。空気冷却装置5による冷却温度は、この冷却装置5から冷却風が送出される時点において、-30℃~-10℃、好ましくは-25℃~-15℃、であり、冷却時間は15秒~35秒、好ましくは25秒~30秒、である。その時、冷却後のフィルム温度は10℃~20℃、好ましくは15℃~20℃である。
【0027】
この装置5は、ヒートレスエアードライヤー52で低露点まで除湿された常温の空気を低温まで冷却する回路と、冷却器をバイパスする回路を有し、ミキシングする空気割合を制御することにより、温度制御している。温度制御方式は、冷却器をバイパスする常温空気量を、温度制御バルブ53(比例制御弁)で制御する。比例制御弁は、設定温度になるように温度コントローラ54の信号により作動する。
【0028】
本実施例で使用した赤外線カメラ6は、「長波カメラ」と称されるもので、米国FLIR SYSTEMS社製型式「TAU2 640」赤外線カメラモジュ-ル(30万画素、焦点距離19mm、32°レンズ、フレームレ一ト60fps仕様、カメラレンズ19mm)である。
【0029】
赤外線カメラ6から出力された画像信号はコンピュータ7に入力され、コンピュータ7により容器1の画像として画像処理される。コンピュータ7は、画像処理して得られた画像について、コンピュータ7に予め設定しておいた2値面積の上下限設定と照合する。容器1のフィルム3が正常な状態(破れや穴が存在しない)と判定した場合に、容器1を良品と判定し、容器1のフィルム3が正常な状態でない(破れや穴が存在する)と判定した場合に、容器1を不良品と判定する。
【0030】
本実施例1では、冷却風によってフィルムの表面温度が下げられているので、赤外線カメラ6ではフィルム3がより黒く見える。しかし、フィルム3に穴や破れなどの不良個所がある場合、その個所は直接液体の入った容器部分の表面温度を検出することになるため、フィルムの温度に比べてより暖かく、赤外線カメラ6では白く見える。これにより、これまで検出が困難であった透明容器1上の透明フィルム3の不良個所を検出することが可能となる。
【0031】
また、透明ボトルの水蒸気シュリンク包装の場合、ボトル1の容器とフィルム3の間ならびにフィルム3上に水滴が残り、フィルム3の不良個所検出に悪影響を及ぼす恐れがある。水蒸気シュリンク包装の際にフィルム3を温めると、温まりやすいフィルム3は赤外線カメラ6では白く見え、温まりにくいフィルム3の穴や破れはより黒く見える。しかし、水滴も同様に温まりにくいため、赤外線カメラ6では黒く見えてしまい、水滴なのか不良個所なのかの判断が困難になるからである。しかし、フィルム3を急速冷却することで、この水滴の影響を排除することができる。
【0032】
検査部を通過した容器1は、さらに搬送装置により排出部(図示せず)に搬送され、検査装置による検査の結果、不良品と判定された容器はこの排出部で排出装置(図示せず)により搬送装置から排除され、次工程処理部(図示せず)に流れない。そして、検査装置による検査の結果、良品と判定された容器のみが、搬送装置によって排出部を通過して次工程処理部に搬送される。
[評価テスト]
【0033】
図3は、次のような条件下に行った評価試験の結果を示す写真で、(a)生画像、(b)2値化画像である。
条件 :
【0034】
フィルム3付き容器1としては、K社の市販飲料容器を使用した。フィルムとしては、PETとOPS(二軸延伸ポリスチレン)からなるハイブリッド型のものを使用した。フィルム3には、ミシン針加工及び熱湯かけによって穴疑似欠陥を作成した。
【0035】
冷却装置としては、オリオン機械株式会社製「APX-8A-250」(前述)を使用した。
【0036】
温度は、冷却前は常温(約25℃)であったが、30秒程度冷却することにより、冷却後は約18℃(ボトルは約20℃)となった。
【0037】
赤外線カメラとしては、FLIR SYSTEMS社製型式「TAU2 640」赤外線カメラモジュ-ル(前述)を使用した。シュリンク密着部の分割撮像条件は、視野60×45mm、分解能94um/画素であった。ノイズ除去のため、メディアンフィルタ及びソーベルフィルタを適用した後にエッジ検出して2値化した。
【0038】
図3では、(a)の葉の模様が(b)にも一部残っているが、ミシン目穴が検出されている。(b)において、画像の左右端部の穴が消えているのは、冷やし方にムラがあったためと思われる。
【0039】
この評価テストの結果によれば、めくれ部分がある破れや穴に関しては、容器1の色、容器1内の液体の色、フィルムの柄に関係なく、フィルム3の破れや穴が検査可能であることが確認された。
【実施例2】
【0040】
図4は実施例2に係るシステム構成図である。この実施例2が実施例1と異なるのは、実施例1における空気冷却装置を空気加熱装置に置き換えていることである。その他の部分は両者ともほぼ共通なので、実施例2では、実施例1の符号の後に「A」を付して詳細な説明を省略している。
【0041】
空気加熱装置5Aは、一般にドライヤーと呼ばれ、用途に合わせ各種性能のものが市販されている。この実施例で使用したのは、日立製作所製の「iONCAREHD-ND40」1200Wドライヤーである。
【0042】
空気加熱装置5Aの噴射ノズル51Aと容器1Aのフィルムの間の距離L2は10cm~40cm、好ましくは20cm~30cm、である。空気加熱装置5Aによる加熱温度は、温風が送出される時点において60℃~110℃、好ましくは70℃~100℃、加熱時間は6秒~15秒、好ましくは8秒~12秒である。その時、加熱後のフィルム温度は30℃~40℃である。温風の送出角度θは、フィルム表面に対して35°~55°、好ましくは35°~45°である。
【0043】
[評価テスト]
図5は、次のような条件下に行った評価試験の結果を示す写真で、(a)生画像、(b)2値化画像である。
条件 :
【0044】
フィルム3付き容器1としては、Y社の市販飲料容器を使用した。フィルムとしては、OPS(二軸延伸ポリスチレン)を採用した。フィルム3Aには、ピン加工及び熱湯かけによって穴疑似欠陥を作成した。
【0045】
空気加熱装置としては、日立製作所製の「iONCAREHD-ND40」1200Wドライヤー(前述)を使用した。
【0046】
温度は、加熱前のフィルム3Aは17.8℃であったが、10秒程度加熱することにより、加熱後は約35.7℃となった。
【0047】
赤外線カメラとしては、FLIR SYSTEMS社製型式「TAU2 640」赤外線カメラモジュ-ル(前述)を使用した。シュリンク密着部の分割撮像条件は、視野60×45mm、分解能94um/画素であった。ノイズ除去のため、ソーベルフィルタを適用した後にエッジ検出して2値化した。
【0048】
図5の2値化画像(b)では、ピン穴が正しく検出されているのが分かる。この評価テストの結果によれば、めくれ部分がある破れや穴に関しては、容器1Aの色、容器1A内の液体の色、フィルムの柄に関係なく、フィルム3Aの破れや穴が検査可能であることが確認された。
【0049】
実施例1と実施例2の使い分けは次のとおりである。実施例1の空気冷却装置5を使用する条件は、容器内容物の温度が比較的高く、かつフィルム表面やフィルムと容器の間に水滴が残りやすい水蒸気シュリンクの場合で、実施例2の空気加熱装置5Aを使用する条件は、容器内容物の温度が比較的低く、かつフィルム表面やフィルムと容器の間に水滴が残りにくい水蒸気シュリンクの場合である。
【0050】
すなわち、実施例1で使用したK社の市販飲料のように容器の温度が比較的高いときには空気冷却装置5を使用するのが好ましい。しかし、実施例2で使用したY社の市販飲料のように、容器内の温度が7℃~8℃という低温であり、かつまた、フィルム表面やフィルムと容器の間に水滴が残りにくい場合は、空気加熱装置5Aによりフィルム表面を急速加熱させることで効率よくフィルムの検査ができる。
【符号の説明】
【0051】
1,1A 透明容器
2,2A 容器本体
3,3A フィルム
4,4A 回転テーブル
5 空気冷却装置
5A 空気加熱装置
51,51A 噴射ノズル
52 ヒートレスエアードライヤー
53 温度制御バルブ
54 温度コントローラ
6,6A 赤外線カメラ
7 コンピュータ

図1
図2
図3
図4
図5