(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】フラッシュモジュール及びこれを含む端末機
(51)【国際特許分類】
F21V 5/04 20060101AFI20230615BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20230615BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230615BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20230615BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230615BHJP
【FI】
F21V5/04 650
F21L4/00 621
F21S2/00 481
F21S2/00 482
H01L33/58
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2018560764
(86)(22)【出願日】2017-05-19
(86)【国際出願番号】 KR2017005234
(87)【国際公開番号】W WO2017200341
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2016-0061544
(32)【優先日】2016-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0084778
(32)【優先日】2016-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521268118
【氏名又は名称】スージョウ レキン セミコンダクター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】チェ,チョンポム
(72)【発明者】
【氏名】イ,テソン
(72)【発明者】
【氏名】チン,ミンチ
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0178046(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0003342(US,A1)
【文献】特開2011-232512(JP,A)
【文献】特開2012-151030(JP,A)
【文献】特開2007-180520(JP,A)
【文献】特開平09-105984(JP,A)
【文献】特開2015-212762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 5/04
F21L 4/00
F21S 2/00
H01L 33/58
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のキャビティを有する基板と、
前記基板のキャビティに相互離隔して配置された複数の発光チップと、
所定の貫通ホールを有するガイド部と、支持部を含み、前記基板の上に配置されるフレ ームと、
前記ガイド部の前記貫通ホール内に配置されるレンズ部と、
を含み、
前記レンズ部の底面に複数の光拡散パターンを含み、
前記レンズ部の上面は、前記フレームのガイド部と同一または低い位置に配置され、
前記レンズ部は、所定の水平高さを基準に下側に第1距離で突出した一部の曲線を含む第1突出パターンと、所定の水平高さを基準に下側に前記第1距離より短い第2距離で突出した一部の曲線を含む第2突出パターンと、所定の水平高さを基準に下側に前記第2距離より短い第3距離で突出した一部の曲線を含む第3突出パターンと、を含み、
前記第1突出パターンと前記第2突出パターンが会う第1地点は、前記第2突出パターンと前記第3突出パターンが会う第2地点である前記所定の水平高さより低く配置される、フラッシュモジュール。
【請求項2】
前記レンズ部は、一部の曲線を含む第4突出パターンを含み、
前記第3突出パターンと前記第4突出パターンが会う第3地点は、前記所定の水平高さと同じ高さに配置される、請求項
1に記載のフラッシュモジュール。
【請求項3】
前記レンズ部の最下方の位置は、前記フレームのガイド部の下方の位置より低く配置される、請求項1または2に記載のフラッシュモジュール。
【請求項4】
前記複数の光拡散パターンの各中心は、前記複数の発光チップのそれぞれの中心と上下 に重なる、請求項1から3のいずれかに記載のフラッシュモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラフラッシュ及びこれを含む端末機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GaN、AlGaN等の化合物を含む半導体素子は、広くて調整が容易なバンドギャップエネルギーを有する等多様な長所を有することから、発光素子、受光素子及び各種ダイオード等に多様に用いられている。
【0003】
特に、半導体のIII-V族またはII-VI族化合物半導体物質を利用した発光ダイオード(Light Emitting Diode)やレーザダイオード(Laser Diode)のような発光素子は、薄膜成長技術及び素子材料の開発によって、赤色、緑色、青色及び紫外線等多様な色を具現することができ、蛍光物質を利用したり色を組合せることで、効率の良い白色光線も具現が可能であり、蛍光灯、白熱灯等既存の光源に比べて、低消費電力、半永久的な寿命、速い応答速度、安全性、環境親和性の長所を有する。
【0004】
さらに、光検出器や太陽電池のような受光素子も、半導体のIII-V族またはII-VI族化合物半導体物質を利用して製作する場合、素子材料の開発によって多様な波長領域の光を吸収して光電流を生成することで、ガンマ線からラジオ波長領域まで多様な波長領域の光を利用することができる。また、速い応答速度、安全性、環境親和性及び素子材料の容易な調節といった長所を有するので、電力制御または超高周波回路や通信用モジュールにも容易に利用することができる。
【0005】
従って、光通信手段の送信モジュール、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置のバックライトを構成する冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescence Lamp)を代替できる発光ダイオードバックライト、蛍光灯や白熱電球を代替できる白色発光ダイオード照明装置、自動車ヘッドライト及び信号灯及びガスや火災を感知するセンサ等にまで応用が広がっている。また、高周波応用回路やその他電力制御装置、通信用モジュールにまで応用を拡大することができる。
【0006】
最近では、カメラ機能が一緒に提供される携帯用端末機が増えている。このような携帯用端末機には、カメラ撮影時に必要とする光量を提供するために、フラッシュ(Flash)が内蔵されている。これに関して、カメラフラッシュの光源として、半導体素子、例えば白色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)の使用が増加している。
【0007】
一方、発光素子を利用して白色光を具現する方法としては、単一チップ(Single chip)を活用する方法と、マルチチップ(Multi chip)を活用する方法がある。
【0008】
例えば、単一チップで白色光を具現する場合において、青色LEDから発光する光と、これを利用して少なくとも1つの蛍光体を励起させて白色光を得る方法が用いられている。
【0009】
また、単一チップ形態で白色光を具現する方法として、青色や紫外線(UV:Ultra Violet)発光ダイオードチップの上に蛍光物質を結合する方法と、マルチチップ形態で製造し、これを相互組合せて白色光を得る方法に分けられる。マルチチップ形態の場合、代表的にRGB(Red、Green、Blue)の3種類のチップを組合せて製作する方法がある。
【0010】
一方、カメラで鮮明な色(vivid color)を具現するために、カメラフラッシュ(Flash)の役割が重要であるが、鮮明な色(vivid color)はCQS(Color Quality Scale)指数によって表現されるが、従来技術ではCQS(Color Quality Scale)指数が約70~80程度に留まっており、鮮明な色の具現に限界がある。
【0011】
例えば、従来技術の携帯電話(Mobile Phone)に採用されるフラッシュは、鮮明な色の基準となる太陽光の波長スペクトルの波長分布とは差が大きく、鮮明な色の具現が難しい点がある。
【0012】
このような鮮明な色(vivid color)を具現するためには、高い色再現率が必要とされるが、従来技術は色再現率が低く、鮮明な色(vivid color)の具現に限界があった。
【0013】
一方、最近、携帯用端末機、例えば携帯電話のカメラが広角と一般角のカメラであるデュアル(Dual)カメラへと転換される技術発展があり、このような携帯電話カメラの技術的発展傾向に対応するために、カメラフラッシュ(Flash)もカメラ画角(FOV:field of view)に対応するように広角の具現が非常に必要な状況である。反面、従来技術によれば、カメラフラッシュ(Flash)の画角(FOV)は90°以上に具現することが困難であった。
【0014】
ところで、このような広角の画角を求める業界の要求と共に携帯用端末機のスリム化(slim)のトレンドは持続しているが、従来カメラフラッシュモジュールは、フラッシュレンズが一定以上の厚さを維持しないと装着、結合できない状態であるので、広角を維持すると共にスリム化(slim)トレンドの要求に満足させることができない問題があった。また、従来技術によれば、例え広角を具現できたとしても、カメラの撮像領域に均一な光の分布を具現することが重要であるが、広角の具現が困難であるだけでなく、広角となるほど均一な光分布を具現できない技術的矛盾に直面している。
【0015】
また、従来技術によれば、発光モジュールパッケージをSMT(Surface Mounting Technology)し、フラッシュレンズを別途の端末機カバーに付着する工程が行われるので、SMT公差とレンズ付着時の公差等が大きくなり、発光モジュールの発光チップとフラッシュレンズのアライン精度が低くなって、均一な光分布を具現できない問題があった。また、このような不均一な光分布は、鮮明な色の具現の障害となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題の1つは、鮮明な色の具現が可能なフラッシュモジュール、及び端末機を提供することである。
【0017】
本発明の技術的課題の1つは、端末機のカメラ技術的発展に対応できるように、カメラフラッシュ(Flash)も広角の画角(FOV)の具現が可能なフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することである。
【0018】
また、本発明の技術的課題の1つは、端末機のスリム化(slim)トレンドと広角の画角(FOV)の技術的特性を同時に満足できるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することにある。
【0019】
また、本発明の技術的課題の1つは、広角の画角(FOV)を具現すると共に、カメラの撮像領域に均一な光の分布の具現が可能なフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することである。
【0020】
また、本発明の技術的課題の1つは、発光モジュールの発光チップとフラッシュレンズのアライン精度を著しく向上させ、均一な光分布を具現できるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することである。
【0021】
本発明の技術的課題は、ここに記載されたものに限定されるものではなく、明細書全体を通じて把握される技術的課題も含む。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明のフラッシュモジュールは、所定のキャビティを有する基板と、前記基板のキャビティに離隔して配置された複数の発光チップと、所定の貫通ホールを有するガイド部と、支持部を含み、前記基板の上に配置されるフレームと、前記ガイド部の貫通ホール内に配置されるレンズ部と、を含むことができる。
【0023】
前記レンズ部の底面に複数の光拡散パターンを含むことができる。前記レンズ部の上面は、前記フレームのガイド部と同一または低い位置に配置される。前記レンズ部は、前記カイド部内に射出成形されて配置される。前記レンズ部の高さは、前記フレームのガイド部より小さくてもよい。前記複数の光拡散パターンの各中心は、前記複数の発光チップのそれぞれの中心と上下に重なる。
【0024】
本発明のフラッシュモジュールは、フレーム、前記フレーム内に蛍光体組成物を含んで配置される発光チップと、前記フレームの上に配置されるレンズ部とを含むことができる。
【0025】
前記フラッシュモジュールの400nm~420nmにおける波長スペクトルの波長強度は、太陽光源の400nm~420nmにおける波長強度より大きい。
【0026】
前記フラッシュモジュールの650nm~670nmにおける波長スペクトルの波長強度が、前記太陽光源の650nm~670nmにおける波長強度より大きい。
【0027】
本発明の蛍光体組成物は、発光チップの上に配置された赤色蛍光体を含む蛍光体組成物において、前記発光チップの発光中心波長は、400nm~420nmであり、前記発光チップの400nm~420nmの発光中心波長の波長強度は、太陽光源の400nm~420nmの波長強度より大きい。
【0028】
また、前記赤色蛍光体は、前記発光チップの400nm~420nmの発光波長を励起波長とした発光中心波長が650nm~670nmであり、前記赤色蛍光体の650nm~670nmの励起中心波長の波長強度が、前記太陽光源の650nm~670nmの波長強度より大きい。
【0029】
本発明の端末機は、前記フラッシュモジュールを含むことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の技術的効果の1つは、鮮明な色の具現が可能なフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することができる。
【0031】
本発明は、端末機のカメラ技術的発展に効果的に対応できるように、カメラフラッシュ(Flash)も広角の画角(FOV)の具現が可能なフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供できる技術的効果がある。
【0032】
また、本発明は、端末機のスリム化(slim)トレンドと広角の画角(FOV)の技術的特性を同時に満足できるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供できる技術的効果がある。
【0033】
また、本発明は、広角の画角(FOV)を具現すると共に、カメラの撮像領域に均一な光の分布の具現が可能なフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供できる技術的効果がある。
【0034】
また、本発明は、発光モジュールの発光チップとフラッシュレンズのアライン精度を著しく向上させ、均一な光分布を具現できるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供できる技術的効果がある。
【0035】
本発明の技術的効果は、ここに記載されたものに限定されるものではなく、明細書全体を通じて把握される技術的効果も含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】実施例に係るフラッシュモジュールの斜視図。
【
図2】実施例に係るフラッシュモジュールの分解斜視図。
【
図3】実施例に係るフラッシュモジュールの断面図。
【
図4】太陽光の波長スペクトル、比較例の発光波長スペクトル及び実施例に係るフラッシュモジュールの発光チップにおける発光スペクトルの比較例示図。
【
図5】実施例と比較例のCIE色座標及び色再現範囲の例示図。
【
図6】実施例に係るフラッシュモジュールにおけるレンズ部の斜視図。
【
図7】実施例に係るフラッシュモジュールの光分布データ。
【
図8】実施例に係るフラッシュモジュールにおけるレンズ部と発光チップの投影図。
【
図9a】実施例に係るフラッシュモジュールにおけるレンズ部の断面図。
【
図9b】実施例に係るフラッシュモジュールにおけるレンズ部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、上記課題を解決するための具体的に実現できる実施例を添付した図面を参照して説明する。
【0038】
実施例の説明において、各要素(element)の「上または下」に形成されると記載される場合、上または下は、2つの要素が直接接触するものと、1つ以上の別の要素が上記2つの要素の間に配置されて形成されるものも含む。また、「上または下」と表現される場合、1つの要素を基準に、上側方向だけではなく下側方向の意味も含むことができる。
【0039】
半導体素子は、発光素子、受光素子等の各種電子素子を含むことができ、発光素子と受光素子は、いずれも第1導電型半導体層と活性層及び第2導電型半導体層を含むことができる。実施例に係る半導体素子は、発光素子からなることができる。発光素子は、電子と正孔が再結合することで光を放出し、この光の波長は、物質固有のエネルギーバンドギャップによって決定される。従って、放出される光は、前記物質の組成によって異なる。
【0040】
(実施例)
図1は実施例に係るフラッシュモジュール100の投影斜視図であり、
図2は実施例に係るフラッシュモジュール100の分解斜視図である。
【0041】
図3は
図1に図示された実施例に係るフラッシュモジュール100のI‐I’線を基準とした断面図であり、
図4は実施例に係るフラッシュモジュールでレンズ部140の斜視図である。
図4において、レンズ部140は
図2や
図3に図示されたレンズ部140を180°回転して底面が上部に位置するように示された斜視図である。
【0042】
図2を参照すると、実施例に係るフラッシュモジュール100はね基板110、複数の発光チップ120と、フレームフレーム130と、レンズ部140のうち少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0043】
前記複数の発光チップ120は、複数の発光チップ、例えば相互離隔した2つ以上の発光チップを含むことができる。例えば、実施例において、複数の発光チップ120は、相互離隔した第1発光チップ121、第2発光チップ122、第3発光チップ123及び第4発光チップ124を例示しているが、実施例がこれに限定されるものではない。
【0044】
実施例において、前記複数の発光チップ120は、半導体化合物、例えばIII族‐V族、II族‐VI族等の化合物半導体で具現することができ、第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、第1、第2導電型半導体層は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質を含むことができ、例えば、第1、第2導電型半導体層は、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、InGaAs、AlInGaAs、GaP、AlGaP、InGaP、AlInGaP、InPのいずれか1つ以上から形成される。前記第1導電型半導体層はn型半導体層からなることができ、前記第2導電型半導体層はp型半導体層からなることが、これに限定されるものではない。
【0045】
前記活性層は、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)、量子線(Quantum-Wire)構造または量子ドット(Quantum Dot)構造のうち少なくともいずれか1つから形成される。例えば、前記活性層は、量子井戸/量子壁構造を含むことができる。例えば、前記活性層は、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN、InAlGaN/GaN、GaAs/AlGaAs、InGaP/AlGaP、GaP/AlGaPのいずれか1つ以上のペア構造で形成されるが、これに限定されるものではない。
【0046】
前記フレームフレーム130は、支持部132とガイド部134を含むことができ、これに対しては
図3を参照して詳述することにする。
【0047】
図3を参照すると、実施例に係るフラッシュモジュール100は、所定のキャビティCを含む基板110と、前記基板110のキャビティC内に相互離隔して配置された複数の発光チップ120と、所定の貫通ホールH1(
図2参照)を含むガイド部134と、支持部132を含み、前記基板110の上に配置されるフレーム130及び前記ガイド部134の貫通ホールH1内に配置されるレンズ部140を含むことができる。前記基板110は、絶縁材質、例えばセラミック素材を含むことができる。前記セラミック素材は、低温焼成セラミック(LTCC:low temperature co-fired ceramic)または高温焼成セラミック(HTCC:high temperature co-fired ceramic)を含むことができる。また、前記基板110の材質は、AlNからなることができ、熱伝導度が140W/mK以上の金属窒化物で形成することができる。
【0048】
また、前記基板110は、別の例として、樹脂系の絶縁物質、例えばPPA(Polyphthalamide)のような樹脂材質またはセラミック材質からなることができる。前記基板110は、シリコンまたはエポキシ樹脂またはプラスチック材質を含む熱硬化性樹脂または高耐熱性、高耐光性材質からなることができる。前記シリコンは、白色系の樹脂を含むことができる。
【0049】
前記基板110内にはキャビティCが形成され、前記キャビティCは、上部が開放された凹状を有することができる。前記キャビティCは、発光チップ120の上側から見るとき、円形、楕円形、多角形形状を有することができるが、これに限定されるものではない。前記キャビティCの側面は、前記キャビティCの底面または所定のリードフレーム(図示しない)の上面に対して、所定の角度で傾斜または垂直するように形成される。
【0050】
前記基板110には、所定のリードフレーム(図示しない)が単数または複数形成され、所定厚さを有する金属プレートからなることができ、前記金属プレートの表面に他の金属層がメッキされるが、これに限定されるものではない。
【0051】
前記リードフレームは、金属材質、例えばチタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、錫(Sn)、銀(Ag)、リン(P)の少なくとも1つまたはこれらの合金のうち少なくとも1つを含み、単層または複数の層に形成される。前記リードフレームは、合金である場合、銅(Cu)と少なくとも一種類の金属合金として、例えば銅-亜鉛合金、銅-鉄合金、銅-クロム合金、銅-銀-鉄のような合金を含むことができる。
【0052】
前記発光チップ120は、前記リードフレームの上に配置され、前記リードフレームと電気的に連結される。前記発光チップ120は、フリップチップ形態の発光チップからなることができるが、実施例がこれに限定されるものではない。
【0053】
実施例において、前記発光チップ120は複数個が配置される。例えば、前記複数の発光チップ120は、少なくとも2つまたはそれ以上配置されるが、これに限定されるものではない。例えば、前記発光チップ120は、第1発光チップ121、第2発光チップ122、第3発光チップ123及び第4発光チップ124を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、
図3では、複数の発光チップ120の例として、第1発光チップ121と第4発光チップ124が図示されているが、これに限定されるものではない。
【0054】
前記複数の発光チップ120は、個別的に駆動され、同じ色、例えば白色を発光することができる。
【0055】
図3を参照すると、実施例において、発光チップ120とレンズ部140は所定の距離L2離隔して配置される。
【0056】
例えば、実施例において、第1発光チップ121または第4発光チップ124とレンズ部140の間の光学ギャップ(optical Gap)L2を精密制御して、広角の画角とスリムなフラッシュモジュールを具現することができる。例えば、実施例において、第1発光チップ121または第4発光チップ124とレンズ部140の間の光学ギャップ(optical Gap)L2を約0.2~0.5mmに精密制御して、広角の画角とスリムなフラッシュモジュールを具現することができる。実施例において、第1発光チップ121または第4発光チップ124とレンズ部140の間の光学ギャップ(optical Gap)L2が0.2mm未満である場合、光学距離が狭くなることで、配光特性が狭くなり過ぎる問題があり、0.5mmを超える場合、光学距離が広くなることで、配光特性が広くなり過ぎる問題がある。
【0057】
また、実施例において、基板110とフレーム130を合わせた厚さL1は、発光チップの高さHの約4倍~6倍の範囲の厚さに制御されることで、広角の画角を提供することができ、カメラの撮像領域に均一な光の分布の具現が可能であり、スリムなフラッシュモジュールを具現することができる。
【0058】
例えば、第4発光チップ124aの高さHが約0.3mmである場合、基板110とフレーム130を合わせた厚さL1は、1.2mm~1.8mmの範囲を有することができる。実施例において、基板110とフレーム130を合わせた厚さL1が発光チップの高さHの4倍未満である場合、フラッシュモジュールの厚さが携帯電話等で占める空間が小さく、エアーギャップ(air gap)が大き過ぎて光特性が低下する問題がある。
【0059】
一方、実施例において、基板110とフレーム130を合わせた厚さL1が発光チップの高さHの6倍を超える場合、フラッシュモジュールの厚さが携帯電話等で占める体積が大き過ぎて発光された光が適切な分散分布ができず、フラッシュモジュールが装着される携帯電話等の機構との干渉により組立てることができない問題がある。
【0060】
また、実施例において、フラッシュモジュールの基板110の外側幅S1は、発光チップ121、124の水平幅Wの約3倍~5倍の範囲の幅を有し、発光チップから発光される光の均一な分布の具現が可能であり、スリムながらもコンパクトなフラッシュモジュールを提供することができる。
【0061】
例えば、前記フラッシュモジュールに装着される発光チップの水平幅Wが約1.1mmである場合に、前記基板110の外側幅S1は約3.3mm~約5.5mmを有することができる。また、前記基板110の外側幅S1は約4.6mm~5.2mmに制御されることで、広角を提供すると共に光の均一な分布の具現が可能であり、スリムながらもよりコンパクトなフラッシュモジュールを提供することができる。
【0062】
前記基板110の外側幅S1が発光チップ121、124の水平幅Wの3倍未満である場合、発光チップ間の光の干渉等によって光特性が低下する。一方、前記基板110の外側幅S1が発光チップ121、124の水平幅Wの5倍を超える場合、発光チップ間の離隔距離S3の増大により、均一な光の分布を提供できなかったり、コンパクトなフラッシュモジュールを提供し難くなる。
【0063】
また、実施例のフラッシュモジュールにおいて、基板110の内側キャビティCの幅S2は、発光チップ121、124の水平幅Wの約2倍~約4倍の範囲を有することができ、これによって、レンズ部140の配置分布と発光チップの分布制御を適切にすることができ、発光チップから発光された光の均一な分布の具現が可能であり、スリムながらもコンパクトなフラッシュモジュールを提供することができる。
【0064】
例えば、前記フラッシュモジュールに装着される発光チップの水平幅Wが約1.1mmである場合に、前記基板110の内側キャビティCの幅S2は、約2.2mm~4.4mmを有することができる。また、前記基板110の内側キャビティCの幅S2は、約3.5mm~4.0mmに制御されることで、発光チップから発光された光のより均一な分布の具現が可能であり、スリムながらもコンパクトなフラッシュモジュールを提供することができる。
【0065】
前記基板110の内側キャビティCの幅S2が発光チップ121、124の水平幅Wの2倍未満である場合、発光チップ間の光の干渉等によって光特性が低下する。一方、前記基板110の内側キャビティCの幅S2が発光チップ121、124の水平幅Wの4倍を超える場合、レンズ部140が発光チップより肥大になり、発光チップ間の離隔距離S3の増大により、均一な光の分布を提供できなかったり、コンパクトなフラッシュモジュールを提供し難くなる。
【0066】
また、実施例において、前記基板110の内側キャビティCに配置される発光チップ121、124の間の距離S3は、発光チップ121、124自体の水平幅Wの約1/2倍~1.0倍の範囲に制御されることで、広角の画角を提供すると共にカメラの撮像領域に均一な光の分布の具現が可能となる。
【0067】
一方、前記基板110の内側キャビティCに配置される発光チップ121、124の間の距離S3が発光チップ121、124自体の水平幅Wの1/2倍未満である場合、発光チップ装着時工程上のイシューが発生する可能性があり、装着後発光チップから発生する熱によって、光特性、電気的特性が低下する問題が発生する。
【0068】
一方、前記基板110の内側キャビティCに配置される発光チップ121、124の間の距離S3が発光チップ121、124自体の水平幅Wの1倍を超える場合、レンズ部140の光拡散パターンP1、P2と上下間のアラインが困難となり、均一な光分布の具現が難しくなる。
【0069】
また、実施例において、¥発光チップ121、124と基板110の側面の間の距離S4は、発光チップ121、124自体の水平幅Wの約1/2倍~1.0倍の範囲に制御されることで、カメラの撮像領域に均一な光の分布の具現が可能であり、広角の画角を提供することができ、コンパクトなフラッシュモジュールを提供することができる。
【0070】
一方、発光チップ121、124と基板110の側面の間の距離S4が発光チップ121、124自体の水平幅Wの1倍を超える場合、レンズ部140の光拡散パターンP1、P2と上下間にミスアラインが発生する可能性が増加し、均一な光分布の具現が難しくなる。
【0071】
一方、発光チップ121、124と基板110の側面の間の距離S4が発光チップ121、124自体の水平幅Wの1/2倍未満である場合、発光チップ装着時工程上のイシューが発生する可能性があり、装着後発光チップから発生する熱によって、光特性、電気的特性が低下する問題が発生する。
【0072】
実施例に係るフラッシュモジュール100に装着されるレンズ部140は、複数の光拡散パターンP1、P2を含むことで、発光チップ120から発光された光の光拡散を高めて広角の画角(FOV)を具現することができる。例えば、発光モジュールに第1発光チップ121と第4発光チップ124に対応して第2光拡散パターンP2、第1光拡散パターンP1を含むことができ、実施例のように発光チップが4個である場合、光拡散パターンは4個備えられる。
【0073】
図3を再参照すると、前記複数の発光チップ120の上には蛍光体層121b、124bが配置される。例えば、前記第1発光チップ121は、青色LEDチップ121aと第1黄色蛍光体層121bを含むことができる。また、前記第4発光チップ124は、青色LEDチップ124aと第4黄色蛍光体層124bを含むことができる。
【0074】
また、前記第2発光チップ122は、第2LEDチップ(図示しない)と第2蛍光体層(図示しない)を含むことができ、前記第3発光チップ123は、第3LEDチップ(図示しない)と第3蛍光体層(図示しない)を含むことができる。
【0075】
また、発光チップ120が青色LEDチップである場合に、前記蛍光体層は、緑色蛍光体、赤色蛍光体または青色蛍光体の少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0076】
実施例は、例えば青色蛍光体:緑色蛍光体:赤色蛍光体の含有量比率(wt%)を40~60%:10~20%:25~45t%に制御することで、鮮明なカメラフラッシュを具現することができる。
【0077】
例えば、前記青色蛍光体のピーク(Peak)波長は約450nmであり、前記緑色蛍光体のピーク(Peak)波長は約517nmであり、前記赤色蛍光体のピーク(Peak)波長は約661nmであるが、これに限定されるものではない。
【0078】
実施例において、前記緑色蛍光体の半値幅は50~60であり、前記赤色蛍光体の半値幅は90~100であるが、これに限定されるものではない。
【0079】
図4及び
図5を参照して、本実施例の技術的課題を解決するための技術的解決手段及び技術的効果をもう少し詳述することにする。
【0080】
実施例の課題の1つは、鮮明な色の具現が可能なフラッシュモジュール、及び端末機を提供することである。
【0081】
図4は太陽光の波長スペクトルS、比較例の発光波長スペクトルPS及び実施例に係るフラッシュモジュールの発光チップから発光スペクトルESの比較例示図であり、
図5は実施例と比較例のCIE色座標及び色再現範囲の例示図である。
【0082】
従来技術のフラッシュモジュールにおいて、発光チップは青色LEDチップの上に緑色蛍光体と赤色蛍光体を含めて白色光を具現している。
【0083】
例えば、従来技術の発光チップは、420nm~450nmの発光波長の青色LEDチップの上に、発光波長が約530nmである緑色蛍光体と発光波長が約630nmの赤色蛍光体を含めて白色光を具現している。
【0084】
これによって、
図4のように、従来技術(比較例)の発光波長スペクトルPSは、太陽光の波長スペクトルSに対応するように、全体的に均一な波長分布を示すことができなかった。
【0085】
即ち、カメラで鮮明な色(vivid color)を具現するためにカメラフラッシュ(Flash)の役割が重要であるが、鮮明な色(vivid color)はCQS(Color Quality Scale)指数によって表現されるが、従来技術では太陽光の波長スペクトルSに対応する均一な波長分布を具現できないので、CQS(Color Quality Scale)指数が約70~80程度に留まっており、鮮明な色の具現に限界がある。
【0086】
例えば、従来技術のフラッシュモジュールに採用される発光チップは、約410nm以下の領域では発光波長の強度(intensity)が弱く、緑色蛍光体領域のうちに約500nmの領域と赤色蛍光体領域のうちに約650nm以上の領域で発光波長スペクトルが微弱な問題があるので、CQS(Color Quality Scale)指数が低く、鮮明な色(vivid color)の具現に限界があった。
【0087】
一方、UV波長(365~385nm)を適用したときには、人体に有害な問題があるので、携帯電話用のフラッシュの発光チップとして採用できない問題がある。
【0088】
実施例は、鮮明な色(vivid color)を具現するために、発光チップ120が青色LEDチップである場合に、前記蛍光体層は、緑色蛍光体、赤色蛍光体または青色蛍光体の少なくとも1つ以上を含むことができる。例えば、実施例の蛍光体組成物は、緑色蛍光体、赤色蛍光体を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0089】
また、実施例は、
図4のように、発光チップ120が青色LEDチップである場合に、前記蛍光体層は、緑色蛍光体、赤色蛍光体及び青色蛍光体を含むことができる。
【0090】
例えば、実施例の蛍光体組成物において、青色蛍光体:緑色蛍光体:赤色蛍光体の含有量比率(wt%)を40~60%:10~20%:25~45%に制御することで、より鮮明なカメラフラッシュを具現することができる。一方、前記実施例の蛍光体組成物の含有量比率を外れる場合、所望のスペクトル(Spectrum)を具現することが困難であり、光効率が落ちる問題がある。
【0091】
具体的に、
図4のように、実施例の蛍光体組成物は、発光チップの発光中心波長が400nm~420nmである場合、前記発光チップの400nm~420nmの発光中心波長の波長強度(EB1領域)は、太陽光源の400nm~420nmの波長強度より大きい。
【0092】
また、実施例において、赤色蛍光体は、前記発光チップの400nm~420nmの発光波長を励起波長とした発光中心波長が650nm~670nmであり、前記赤色蛍光体の650nm~670nmの励起中心波長の波長強度(ER領域)が太陽光源の650nm~670nmの波長強度より大きい。
【0093】
例えば、実施例に係るフラッシュモジュールの波長スペクトルム(ES)の650nm~670nmにおける波長強度(ER)が太陽光源波長スペクトルSの650nm~670nmの波長強度の約10%~30%の範囲まで大きく確保されることで、鮮明な色(Vivid color)の具現が可能である。
【0094】
反面、従来技術の発光チップは、400nm~420nmにおける波長強度が微弱であり、赤色蛍光体の650nm~670nmにおける波長強度も微弱である。
【0095】
よって、従来技術では、CQS(Color Quality Scale)指数が約80.0であり、CRIも77.0であったが、実施例では、CQS(Color Quality Scale)指数が約92.1として非常に上昇しており、CRIも90.2として著しく上昇した。
【0096】
また、CRIでは純粋な赤色であるR9データを重要に取り扱うが、従来技術では約‐11.1であったが、実施例では70.6として著しく上昇した。
【0097】
よって、実施例によれば、CQS(Color Quality Scale)指数及びCRI指数が著しく上昇し、非常に鮮明な色(Vivid color)を具現することができる。
【0098】
また、実施例において、赤色蛍光体の半値幅(FWHM)は約90~100となることで、従来技術における赤色蛍光体の半値幅が約70nmであること比べて、実施例は赤色波長の分布範囲を広くすることで、鮮明な色に寄与することができる。
【0099】
また、実施例の蛍光体組成物は、緑色蛍光体を含むことができ、前記緑色蛍光体は、前記発光チップ120の400nm~420nmの発光波長を励起波長とした発光中心波長が505nm~525nmである。
【0100】
これによって、505nm~525nmの範囲では、波長スペクトルの波長強度を従来技術より改善することで、鮮明な色の具現が可能である。
【0101】
例えば、従来技術の波長スペクトルPSでは、505nm~525nmにおける波長強度が太陽光源波長スペクトルSの波長強度の約50%未満、例えば30%であったが、実施例に係るフラッシュモジュールにおける波長スペクトルESの505nm~525nmにおける波長強度が太陽光源波長スペクトルSの波長強度の約60%以上、例えば約70%まで移動可能であり、色純度を著しく向上させることで、鮮明な色(Vivid color)の具現が可能となる。
【0102】
また、前記緑色蛍光体の半値幅は50~60であり、従来技術における緑色蛍光体の半値幅が約30nmであることに比べて、実施例の緑色波長の分布範囲を広くすることで、鮮明な色に寄与することができる。
【0103】
また、実施例において、蛍光体組成物は青色蛍光体を含むことができ、前記青色蛍光体は、前記発光チップ120の400nm~420nmの発光波長を励起波長とした発光中心波長(EB2領域)が455nm~465nmである。
【0104】
これによって、455nm~465nmの波長領域で、波長スペクトルの波長強度を従来技術に比べて向上させることで、太陽光の波長スペクトルに近接した波長スペクトルを具現することで、より鮮明な色の具現が可能である。
【0105】
図5は、実施例と比較例のCIE色座標及び色再現範囲(N)の例示図である。
【0106】
実施例によって鮮明な色(vivid color)を具現するためには、高い色再現率が必要とされるが、従来技術は色再現率が低く、鮮明な色(vivid color)の具現に限界があった。
【0107】
図5を説明すると、CIE色座標におけるNTSC色再現範囲(N)、実施例の色再現範囲(EC)と従来技術の色再現範囲(PC)の例示図である。
【0108】
一方、先述したように、既存のLEDで色再現率を向上するための解決方案として、緑色蛍光体の発光波長や赤色蛍光体の発光波長をより深い(deep)側に移動しなければならないが、従来の赤色蛍光体は、発光波長が長波長として移動できない短所がある。
【0109】
このような課題を解決するための実施例に係る蛍光体組成物は、Mg2Ge2O3F2:Mn4+または(Sr、Mg)GeOF:Mn4+系の赤色蛍光体を含めて青色発光波長を励起波長として白色光源の3波長スペクトルを具現することができる。このような蛍光体組成物は、赤色蛍光体組成物に対する具体的な具現例であり、このような組成の他に青色発光波長を励起波長として赤色波長スペクトルを発光できる赤色蛍光体も可能である。
【0110】
実施例によれば、新規で差別化されたMg2Ge2O3F2:Mn4+または(Sr、Mg)GeOF:Mn4+系の赤色蛍光体を開発することで、最大強度を有する発光ピーク(peak)を従来技術(R1)に比べて約650nm~670nmまで(R2)向上させることで、実施例の色再現率を著しく向上させることができる。例えば、実施例の(Sr、Mg)GeOF:Mn4+系の赤色蛍光体は(Sr、Mg)4GeO3F2:Mn4+であるが、これに限定されるものではない。
【0111】
また、実施例の蛍光体組成物において、緑色蛍光体はBaMgAl10O17:Eu2+、Mn4+であるが、これに限定されるものではない。このような蛍光体組成物は、緑色蛍光体組成物に対する具体的な具現例であり、このような組成の他に青色発光波長を励起波長として緑色波長スペクトルを発光できる赤色蛍光体も可能である。
【0112】
実施例によれば、新規で差別化されたBaMgAl10O17:Eu2+、Mn4+の緑色蛍光体の開発することで、最大強度を有する発光ピーク(peak)を従来技術(G1)に比べて約505nm~525nmまで(G2)向上させることで、実施例の色再現率を著しく向上させることができる。
【0113】
実施例によって高い色再現率の具現が可能となることで、鮮明な色(vivid color)を具現できる蛍光体組成物、フラッシュモジュール及び端末機を提供することができる。
【0114】
また、実施例の技術的課題の1つは、端末機のカメラの技術的発展傾向に対応できるように、カメラフラッシュ(Flash)も広角の画角(FOV)の具現が可能なフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することである。
【0115】
また、実施例の技術的課題の1つは、端末機のスリム化(slim)トレンドと広角の画角(FOV)の技術的特性を同時に満足できるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することである。
【0116】
前記技術的課題を解決するために、
図3のように実施例は、所定の貫通ホールH1を有するガイド部134と、支持部132を含み、前記基板110の上に配置されるフレームフレーム130及び前記ガイド部134の貫通ホールH1内に配置されるレンズ部140を含むことができる。
【0117】
実施例において、前記フレーム130は、樹脂系の絶縁物質、例えばPPA(Polyphthalamide)のような樹脂材質またはセラミック材質からなることができる。また、前記フレーム130は、シリコンまたはエポキシ樹脂またはプラスチック材質を含む熱硬化性樹脂または高耐熱性、高耐光性材質からなることができる。前記シリコンは、白色系の樹脂を含むことができる。また、前記フレーム130は、W-EMCまたはW-Silicone等で形成される。
【0118】
実施例において、前記レンズ部140は、プラスチック材質、例えばアクリル系プラスチック材料を用いることができ、例えばPMMA(Polymethyl methacrylate)をあげることができるが、これに限定されるものではない。実施例で採用されるレンズ部140の材質であるPMMAは、ガラスより透明性が優れ、加工及び成形が容易である長所がある。
【0119】
実施例において、前記レンズ部140は、光抽出レンズまたは光拡散レンズのようなレンズとして機能することができ、前記発光チップ120から放出された光の指向特性を変化させるための部材であり、特に限定されるものではないが、屈折率が1.4以上1.7以下である透明材料を利用することができる。
【0120】
また、レンズ部140は、ポリカーボネート(PC)またはエポキシ樹脂(EP)の透明樹脂材料や透明なガラス(Glass)、EMCまたはSiliconeによって形成されるが、これに限定されるものではない。
【0121】
以下、
図2と
図3を参照して、実施例においてフレーム130内にレンズ部140が支持される原理とそのようになる場合に有利な技術的効果を記述する。
【0122】
実施例では、フレーム130のガイド部134とレンズ部140の二重射出構造を有することができるので、接着工程が非常に効率的になり、特にカメラフラッシュモジュールの厚さを非常にスリム化することができる。
【0123】
従来技術では、レンズ部を含んだフラッシュモジュールの厚さは約2.5mm以上であり、その以下に厚さを減らすことができない問題があった。これは、従来技術では発光モジュールをパッケージ基板にSMT(Surface Mounting Technology)作業した後、レンズを別途にカメラカバーケース(Cover Case)に付けるので、カメラフラッシュモジュールの厚さをスリム化することに限界があった。
【0124】
反面、実施例によって、レンズ部140がフレーム130のガイド部134内に射出構造で形成されることで、カメラフラッシュモジュール100自体の厚さを約1.4mmまで非常にスリムに形成できる有利な技術的効果がある。実施例で、レンズ部140の厚さはカメラフラッシュモジュール100の全体厚さの約1/2以下に制御することができ、カメラフラッシュモジュール100自体の厚さを非常にスリムに形成することができる。
【0125】
また、従来技術によれば、レンズを別途にカメラカバーケース(Cover Case)に付けるか、ピンコンタクト(Pin Contact)等の方式を用いるので、厚さが増加すると共に、付着等で問題が発生した。
【0126】
反面、実施例では、カメラケース(図示しない)にカメラフラッシュモジュール100に対応する大きさの孔が備えられSMT Typeで装着されるので、携帯電話ケースと別途に結合しなくてもよいので、携帯電話の全体組立工程が非常に容易であり、堅固な結合を得ることができ、スリムな携帯用端末機を具現できる有利な技術的効果がある。
【0127】
また、実施例によれば、前記レンズ部140の上面は、前記フレーム130のガイド部134と同一または低い位置に配置されるようにすることで、スリムなカメラモジュールの具現すると共に、広角の画角(FOV)を得ることができる有利な技術的効果がある。
【0128】
例えば、実施例のカメラモジュールは、フレームのガイド134外に別途にレンズ部140を結合するためのカメラケースや他の結合部がないので、カメラフラッシュから発光される光を遮断する領域を最小化できるので、フレームの厚さ、傾き等の設計等によって、最大限広角を具現できる有利な技術的効果がある。
【0129】
また、実施例で、発光チップ120とレンズ部140の間の光学ギャップ(optical Gap)Lを精密制御して、広角の画角と共にスリムなフラッシュモジュールを具現できる有利な技術的効果がある。例えば、実施例で、発光チップ120とレンズ部140の間の光学ギャップ(optical Gap)Lを約0.3~0.5mmに精密制御して、広角の画角と共にスリムなフラッシュモジュールを具現できる技術的効果がある。
【0130】
図6は実施例に係るフラッシュモジュールにおけるレンズ部の斜視図であり、
図7は実施例に係るフラッシュモジュールの光分布データであり、
図8は実施例に係るフラッシュモジュールにおけるレンズ部と発光チップの投影図である。
【0131】
実施例の技術的課題の1つは、広角の画角(FOV)を具現すると共に、カメラの撮像領域に均一な光分布の具現が可能なフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することである。
【0132】
また、実施例の技術的課題の1つは、発光モジュールの発光チップとフラッシュレンズのアライン精度を著しく向上させて、組立工程の効率性、堅固性を高めながらも、均一な光分布を具現できるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することである。
【0133】
図6と
図8を参照すると、実施例に係るレンズ部140は複数の光拡散パターンを含むことができる。例えば、発光チップ120が4個である場合、これに対応して第1光拡散パターン141、第2光拡散パターン142、第3光拡散パターン143及び第4光拡散パターン144を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0134】
実施例で、複数の発光チップ120から放出される光(Ray)の分布とレンズ部140の光拡散パターンの一致度が高いほど、広角の画角(FOV)と共に均一な光分布が得られる技術的効果がある。
【0135】
また、実施例で、発光チップ120がレンズ部140の上面図(top view)において、各光拡散パターン141、142、143、144に発光チップ121、122、123、124が配置され、各光拡散パターンの中心と各発光チップのセンターが一致する技術的効果がある。
【0136】
従来技術では、発光モジュールを基板に別途にSMT作業し、レンズを別途に携帯電話のカバーケース(Cover Case)に付けるので、従来技術はSMT公差とレンズ付着公差等に約50μm以上の公差の発生が不可避であり、これは均一な光分布を得られなくなる結果を招いた。
【0137】
これに対し、実施例は、二重射出により一体形成されたレンズ部とフレームを基板と一回接着するだけでよいので、接着が容易であるだけではなく、厚さをスリム化することができ、さらに発光チップとレンズ部の光拡散パターンとのアラインを非常に精密に制御できる有利な技術的効果がある。
【0138】
例えば、実施例はレンズ部の光拡散パターンと発光チップのアライン公差を約25μm以下に制御することで、発光チップから発光される光の指向角特性とレンズ部の光拡散パターンの一致性を著しく向上させ、広角の画角(FOV)の具現と共に配光特性を向上させて均一な光分布を得ることができる有利な技術的効果がある。
【0139】
また、実施例によれば、レンズ部140のセンターと各発光チップ120のセンターの間の距離が約70μm以下に制御されることで、広角を具現しながらも均一な光分布を得ることができる有利な技術的効果がある。
【0140】
従来技術では、フレームとPCB、フレームとレンズの2回の接着が行われていたが、実施例では、二重射出により一体形成されたレンズ部とフレームを基板と一回接着するだけでよいので、接着が容易であるだけではなく、厚さをスリム化することができ、さらに発光チップとレンズ部の光拡散パターンとのアラインを非常に精密に制御して、広角の画角(FOV)の具現と共に非常に均一な光分布を得ることができる有利な技術的効果がある。
【0141】
図7を参照すると、実施例は、以下の表1の均一な光特性分布を得ることができる。
【表1】
【0142】
現在、広角カメラ技術によって、業界で要求されるフラッシュモジュールの画角(FOV)は、デュアルカメラ(Dual Camera)が持続開発されることで、約120°以上の広角を要求する状況であり、さらに広角における均一な光分布特性も同時に具現しなければならないが、広角を具現する場合には、均一な光分布の具現が難しくなる技術的矛盾に逢着している状態である。
【0143】
一方、実施例によれば、カメラフラッシュの画角(FOV)は、120°まで具現可能であり、135°までも具現が可能である。
【0144】
図7及び表1は、画角(FOV)が135°である場合の光分布データである。1.0Fと0.7Fは、F(field)がそれぞれ1.0、0.7である時、1M距離で角度にとよる照度(lx)値であり、1.0Fでは平均8.48lxであり、0.7Fでは平均28.9lxであり、これは業界で要求する以上の照度基準の効果が表れたものであり、発明者の既存の発明(未公開)に比べても、中心照度よりF(フィールド)別の配光特性がそれぞれ4.5%と15.3%も著しく向上した技術的効果である。
【0145】
よって、実施例によれば、120°以上の広角を具現しながらも、撮像領域全体面積に非常に均一に光が分布するフラッシュモジュールを提供することで、従来の技術的矛盾を解決した優秀な技術的効果がある。
【0146】
図9aは別の実施例に係るフラッシュモジュールにおける第2レンズ部150の断面図であり、
図9bは第2レンズ部の部分(P)拡大図である。
【0147】
別の実施例は、先述した実施例の技術的な特徴を採用することができ、以下別の実施例の主な特徴を中心に説明することにする。
【0148】
図9bを参照すれば、前記第2レンズ部150は、所定の水平高さHを基準に下側に相互異なる距離で突出した複数の突出パターンを含むことができる。
【0149】
例えば、前記第2レンズ部150は、第1距離D1で突出した第1突出パターン151と、前記第1距離D1より短い第2距離D2で突出した第2突出パターン152と、前記第2距離D2より短い第3距離D3で突出した第3突出パターン153を含んで均一な光分布を得ることができる。
【0150】
実施例において、前記第1突出パターン151と前記第2突出パターン152が会う第1地点は、前記所定の水平高さより低く配置される。また、前記第2突出パターン152と前記第3突出パターン153が会う第2地点は、前記所定の水平高さと同一高さを有することができる。
【0151】
別の実施例によれば、前記第1突出パターン151と前記第2突出パターン152が会う第1地点が、前記所定の水平高さより低く配置されるように制御して光の拡散機能を強化し、前記第2突出パターン152と前記第3突出パターン153が会う第2地点は、前記所定の水平高さと同一高さで制御されることで、第3突出パターン153は光の抽出機能を強化することで、拡散機能の強化によって、広角の画角(FOV)を具現すると同時に光抽出性能の強化によって、均一な光分布を同時に得ることができる有利な技術的効果がある。
【0152】
実施例の技術的効果の1つは、鮮明な色の具現が可能なフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することができる。
【0153】
実施例は、端末機のカメラ技術的発展傾向に対応できるように、カメラフラッシュ(Flash)も広角の画角(FOV)の具現が可能な技術的効果があるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することができる。
【0154】
また、実施例は、端末機のスリム化(slim)トレンドと広角の画角(FOV)の技術的特性を同時に満足できる技術的効果があるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することができる。
【0155】
また、実施例は、広角の画角(FOV)を具現すると共に、カメラの撮像領域に均一な光の分布の具現が可能な技術的効果があるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することができる。
【0156】
また、実施例は、発光モジュールの発光チップとフラッシュレンズのアライン精度を著しく向上させ、均一な光分布を具現できる技術的効果があるフラッシュモジュール及びこれを含む端末機を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0157】
実施例に係るフラッシュモジュールは、端末機に採用することができる。前記端末機は、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、ノートブック、PDA(Personal Digital Assistant)等を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0158】
以上の実施例で説明された特徴、構造、効果等は少なくとも1つの実施例に含まれ、必ず1つの実施例のみに限定されるものではない。さらに、各実施例で例示された特徴、構造、効果等は、実施例が属する分野で通常の知識を有する者によって別の実施例に組合せまたは変形して実施可能である。従って、そのような組合せと変形に係る内容は、実施例の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0159】
以上、実施例を中心に説明したが、これは単なる例示にすぎず、実施例を限定するものではなく、実施例が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、以上に例示されていない多様な変形と応用が可能であろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は変形して実施可能であり、そしてそのような変形と応用に係る差異点は、添付された特許請求の範囲で設定する実施例の範囲に含まれると解釈されるべきである。