(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】トイレ器具を監視するコンピュータ実装方法、システム、コンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
E03D 5/10 20060101AFI20230615BHJP
【FI】
E03D5/10
(21)【出願番号】P 2021176263
(22)【出願日】2021-10-28
(62)【分割の表示】P 2020081038の分割
【原出願日】2016-12-15
【審査請求日】2021-11-26
(32)【優先日】2015-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518214153
【氏名又は名称】エスディビー・アイピー・ホールディングス・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SDB IP HOLDINGS, LLC
【住所又は居所原語表記】3100 CAMP ROAD, OVIEDO, FLORIDA 32765, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ,ショーン,ディ
(72)【発明者】
【氏名】アラード,ロック,アール,ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン,ブレイン
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン,クリストファー,アール
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-214594(JP,A)
【文献】実開昭51-030335(JP,U)
【文献】特開昭51-140347(JP,A)
【文献】特開2010-084482(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0047327(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00-13/00
E03C 1/00- 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要に基づいて少なくとも一つの洗浄弁の
洗浄時間を調整するコンピュータ実装方法であって、
(a)少なくとも一つのネットワークデバイスで、少なくとも一つのトイレに関連するエリア内のモバイルデバイスの数を検出するステップであって、前記少なくとも一つのトイレは前記少なくとも一つの洗浄弁を備えるステップと、
(b)少なくとも一つのプロセッサで、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすかまたは超えるという決定をするステップと、
(c)前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が、前記少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすまたは超えるという決定に応答して、
(i)少なくとも一つのプロセッサで、前記少なくとも一つの洗浄弁に関する調整された洗浄時間を決定し、かつ
(ii)少なくとも一つのプロセッサで、前記調整された洗浄時間により、洗浄に使用される水量が減少するように、少なくとも一つの洗浄弁の洗浄時間を前記調整された洗浄時間に調整するステップとを備えるコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記モバイルデバイスの数は、複数のソースから前記少なくとも一つのネットワークデバイスによって受信された無線信号を監視し、
少なくとも一つのプロセッサで、複数のデバイス識別子を識別するために前記無線信号を分析し、
かつ少なくとも一つのプロセッサで、前記複数のデバイス識別子に少なくとも部分的に基づいて前記モバイルデバイスの数を決定することによって検出される請求項1に記載の前記コンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記無線信号は、無線ネットワークを識別するように構成された信号、無線デバイスを識別するように構成された信号、リクエスト信号に応答する信号、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む請求項2に記載の前記コンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記エリアは、前記少なくとも一つのトイレ
を含む請求項1に記載の前記コンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記少なくとも一つの洗浄弁は、前記少なくとも一つのトイレに配置された複数の洗浄弁を含む請求項1に記載の前記コンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記エリアは建物を含み、かつ前記少なくとも一つのトイレは、前記建物内に配置された複数のトイレを含む請求項1に記載の前記コンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記エリアは、建物の一部を含み、かつ前記少なくとも一つのトイレは、前記建物の前記一部内に配置された複数のトイレを含む請求項1に記載のいずれかの前記コンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記モバイルデバイスの数は、少なくとも一つの受動モバイルデバイスを起動するように構成された少なくとも一つのリクエスト信号を生成し、
かつ前記少なくとも一つのリクエスト信号に応答して、前記少なくとも一つの受動モバイルデバイスから受信した信号を分析することによって検出される請求項1に記載の前記コンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つの定義済みの閾値は、複数の定義済みの閾値を含み、前記複数の定義済みの閾値のうちの各定義済みの閾値は、異なる調整された洗浄時間に関連し、かつ前記調整された洗浄時間を決定するステップは、前記モバイルデバイスの数が満たすまたは超過すると決定された前記少なくとも一つの定義済みの閾値に対応する前記調整された洗浄時間を識別するステップを含む請求項1に記載の前記コンピュータ実装方法。
【請求項10】
少なくとも一つのプロセッサで、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値以下であるか否かを決定するステップと、
前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値以下であるという決定に応じて、少なくとも一つのプロセッサで、前記少なくとも一つの洗浄弁に関する新たな調整された洗浄時間を決定するステップと、
前記新たな調整された洗浄時間が洗浄に使用される水量が増加するように、少なくとも一つのプロセッサで、前記少なくとも一つの洗浄弁の前記調整された洗浄時間を前記新たな調整された洗浄時間に調整するステップをさらに備える請求項1に記載の前記コンピュータ実装方法。
【請求項11】
需要に基づいて少なくとも一つの洗浄弁の
洗浄時間を調整するシステムであって、
少なくとも一つのトイレに配置された複数の洗浄弁であって、当該複数の洗浄弁の各々が、洗浄時間に基づいてそれぞれの洗浄弁を開放および閉鎖するように構成されたソレノイドを備える複数の洗浄弁と、
前記少なくとも一つのトイレに関連するエリアに、またはそれに近接して配置されたネットワークデバイスであって、無線信号を受信するように構成されたネットワークデバイスと、前記ネットワークデバイスおよび前記複数の洗浄弁と通信している少なくとも一つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
(i)前記エリア内のモバイルデバイスの数を前記ネットワークデバイスによって受信した無線信号に基づいて検出し、
(ii)前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値を満足するかまたはそれを超えるかを決定し、
(iii)前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値を満足するまたは超えるという決定に応答して、調整された洗浄時間により、洗浄に使用される水量が減少するように、前記複数の洗浄弁の各々の前記洗浄時間を前記調整された洗浄時間に調整するようにプログラムまたは構成されるシステム。
【請求項12】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすまたは超えるという決定に応じて前記調整された洗浄時間を決定するようにさらにプログラムまたは構成される請求項11に記載の前記システム。
【請求項13】
前記少なくとも一つの定義済みの閾値は、複数の定義済みの閾値を含み、前記複数の定義済みの閾値の各定義済みの閾値が異なる調整された洗浄時間に関連し、前記調整された洗浄時間は、前記モバイルデバイスの数が満たすまたは超えると決定された前記少なくとも一つの定義済みの閾値に対応する前記調整された洗浄時間を識別することによって決定される請求項12に記載の前記システム。
【請求項14】
前記モバイルデバイスの数は、複数のソースから受信した無線信号を監視し、複数のデバイス識別子を識別
するために前記無線信号分析し、
かつ前記複数のデバイス識別子に少なくとも部分的に基づいて前記モバイルデバイスの数を決定することによって検出される請求項11に記載の前記システム。
【請求項15】
前記無線信号は、無線ネットワークを識別するように構成された信号、無線デバイスを
識別するように構成された信号、リクエスト信号に応答する信号、またはそれらの任意の
組み合わせのうちの少なくとも一つを含む請求項14に記載の前記システム。
【請求項16】
前記エリアは、前記少なくとも一つのトイレ
を含む請求項11に記載の前記システム。
【請求項17】
前記エリアは、建物または建物の一部を含み、前記少なくとも一つのトイレは、前記建物または前記建物の前記一部内に配置された複数のトイレを含む請求項11に記載の前記システム。
【請求項18】
前記少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つの受動モバイルデバイスを起動するように構成された少なくとも一つのリクエスト信号を生成し、
かつ前記少なくとも一つのリクエスト信号に応答して前記少なくとも一つの受動モバイルデバイスから受信した信号を分析することによって、
前記モバイルデバイスの数を決定するようにさらにプログラムまたは構成される請求項11に記載の前記システム。
【請求項19】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値以下であるか否かを決定し、
かつ前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値以下であるという決定することに応答して、
前記少なくとも一つ洗浄弁に関する新たな調整された洗浄時間を決定し、
前記新たな調整された洗浄時間により、洗浄に使用される水量が増加するように、前記少なくとも一つの洗浄弁の前記洗浄時間を前記新たな調整された洗浄時間に調整するようにさらにプログラムまたは構成される請求項11に記載の前記システム。
【請求項20】
要請に基づいて少なくとも一つの洗浄弁の
洗浄時間を調整するコンピュータプログラム製品であって、
少なくとも一つのプロセッサによって実行されたときに、当該少なくとも一つのプロセッサに、ネットワークデバイスによって受信された無線信号に基づいて、複数の洗浄弁を備える少なくとも一つのトイレに関連するエリア内のモバイルデバイスの数を検出させ、
前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすまたは超過するか否かを決定させ、
前記モバイルデバイスの数が、前記少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすまたは超過するという決定に応答して、調整された洗浄時間により、洗浄に使用される水量が減少するように、前記複数の洗浄弁の各々の前記洗浄時間を前記調整された洗浄時間に調整させるプログラム命令を含む少なくとも一つの非一過性のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、2015年12月15日に出願された米国仮出願第62/267,472号、2016年8月9日に出願された米国特許出願第15/232,105号、2016年8月9日に出願された米国特許出願第15/232,137号、および2016年12月13日に出願された米国特許出願第15/377,233号の利益を主張し、前記出願の全開示をそのまま参照によって本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、トイレ器具に関し、特定の一実施形態では、複数のトイレ器具を監視および/または管理するシステム、方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
小便器、大便器等のための洗浄システムのような多くの廃水システムでは、これらのシステムに関連する弁が、摩耗、漏れ、および他のメンテナンスの問題を生じ易い。長期間にわたる連続使用または延長使用により、または前記弁の内部部品が摩耗すると、これらの既知の洗浄弁が、前記洗浄弁が提供するように元々設計されていた一回の洗浄当りの水量とは異なる水量を提供することは珍しくはない。たとえば、新品時では一回の洗浄当たり1.6ガロンを提供するよう元々設計されていた洗浄弁が、最終的には弁部品の摩耗または使用に起因して一回の洗浄当り2ガロン以上を提供することになる可能性がある。病院、刑務所、スタジアム、マンション等のような大規模な用途では、このことが、水の使用量およびコストの上昇に及び得る。加えて、これらの既知の洗浄弁は、当該弁が提供する一回の洗浄当りの水量にも影響を及ぼし得る洗浄サイクル中の水圧変動を補償できない。弁に加えて、他のトイレ器具は、連続使用で摩耗し、すなわち、定期的なメンテナンスを必要とする。
【0004】
さらに、特定の場所の洗浄弁は、使用量にばらつきがある可能性が有る。標準的な使用量に対しては、特定の洗浄時間が適切であろうにもかかわらず、ある施設またはトイレでの複数の洗浄弁の頻繁な使用によって、さらなる洗浄が生じするのを制限または防止する水圧低下を引き起こす可能性がある。
【0005】
したがって、既知のトイレ器具に関連する問題の少なくともいくつかを減少するまたは排除するシステム、方法、および装置を提供することが有利である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の非制限的な実施形態によれば、洗浄弁を監視するシステムであって、建物の少なくとも一つのトイレに配置された複数の洗浄弁であって、前記複数の洗浄弁の各洗浄弁が洗浄弁データを送信するように構成された通信システムを備える複数の洗浄弁と、当該複数の洗浄弁の各洗浄弁と通信する少なくとも一つのコントローラと備え、前記少なくとも一つのコントローラは、前記複数の洗浄弁の各洗浄弁から前記洗浄弁データを収集し、かつ前記複数の洗浄弁の第一の洗浄弁が点検または交換を必要としているか否かを、前記第一の洗浄弁の洗浄弁データを前記複数の洗浄弁のうちの少なくとも一つの他の洗浄弁の洗浄弁データと比較することによって少なくとも部分的に基づいて決定するようにプログラムまたは構成されるシステムが提供される。
【0007】
非制限的な実施形態によれば、前記複数の洗浄弁の各洗浄弁は圧力センサを備えること
ができ、かつ前記複数の洗浄弁の各洗浄弁の前記洗浄弁データは当該洗浄弁に関連する圧力を含むことができる。さらに、前記少なくとも一つのコントローラは、前記第一の洗浄弁に関連する圧力が、前記少なくとも一つの他の洗浄弁の圧力、前記複数の洗浄弁または前記複数の洗浄弁の一部の洗浄弁の圧力の平均、前記複数の洗浄弁または前記複数の洗浄弁の一部の洗浄弁の圧力の中央値、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む値から定義済みの許容値を超えて異なることを決定することによって、前記第一の洗浄弁が、点検または交換を必要としていることを決定するようにさらにプログラムまたは構成されることができる。
【0008】
非制限的な実施形態によれば、前記少なくとも一つのコントローラは、前記少なくとも一つの他の洗浄弁、前記複数の洗浄弁または前記複数の洗浄弁のうちの一部の洗浄弁の平均使用回数、前記複数の洗浄弁または前記複数の洗浄弁のうちの一部の洗浄弁の使用回数の中央値、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも一つよりも前記洗浄弁の使用頻度が少ないことを決定することによって、前記第一の洗浄弁が、点検または交換を必要としていることを決定するようにさらにプログラムまたは構成される。他の非制限的な実施形態において、前記少なくとも一つのコントローラは、前記第一の洗浄弁が、点検または交換を必要としていることを、前記トイレにおける他のトイレ器具よりも当該洗浄弁の使用頻度が少ないことを決定することによって決定するようにプログラムされるまたは構成されることができ、前記他のトイレ器具は、蛇口、ハンドドライヤ、タオルディスペンサ、ソープディスペンサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む。
【0009】
非制限的な実施形態において、前記少なくとも一つのコントローラは、前記第一の洗浄弁の内部のコントローラおよび/または中央コントローラを含むことができる。いくつかの非制限的な実施形態では、前記複数の洗浄弁の各洗浄弁は、個別のコントローラを含むことができ、かつ前記少なくとも一つのコントローラは、前記複数の洗浄弁のうちの少なくとも一つの洗浄弁の少なくとも一つの個別コントローラを含むことができる。
【0010】
本発明の別の一つの非制限的な実施形態によれば、トイレ器具を監視するシステムであって、建物の少なくとも一つトイレに配置された複数のトイレ器具であって、前記複数のトイレ器具の各トイレ器具は、器具データを送信するように構成された通信デバイスを備える複数のトイレ器具と、前記複数のトイレ器具の各トイレ器具と通信している少なくとも一つのコントローラとを備え、前記少なくとも一つのコントローラは、前記複数のトイレ器具の各トイレ器具からの前記器具データを受信し、かつ前記複数のトイレ器具のうちの第一のトイレ器具が点検または交換を必要としているか否かを、前記第一のトイレ器具の器具データを前記複数のトイレ器具のうちの少なくとも一つの他のトイレ器具の器具データと比較することに少なくとも部分的に基づいて決定するシステムが提供される。
【0011】
非制限的な実施形態において、前記少なくとも一つのコントローラは、前記複数のトイレ器具の他のトイレ器具よりも前記第一のトイレ器具の使用頻度が少ないことを決定することによって、前記第一のトイレ器具が点検または交換を必要としているか否かを決定するようにプログラムまたは構成されることができる。前記第一のトイレ器具が他のトイレ器具よりも使用頻度が少ないことを決定することは、前記第一のトイレ器具の使用回数が、前記少なくとも一つの他のトイレ器具の使用回数、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具の一部のトイレ器具の平均使用回数、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具の一部のトイレ器具の使用回数の中間値、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つ少ないまたは定義済みの許容値を超えて少ないことを決定することを含むことができる。
【0012】
非制限的な実施形態において、前記複数のトイレ器具は、洗浄弁、蛇口、ハンドドライヤ、タオルディスペンサ、ソープディスペンサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含むことができる。さらに、前記少なくとも一つのコントローラは、前記第一の洗浄弁内のコントローラ、中央コントローラ、前記複数のトイレ器具の各々の内部の複数のコントローラのうちの少なくとも一つのコントローラ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0013】
本発明の別の一つの非制限的な実施形態によれば、トイレに配置された複数のトイレ器具を監視する方法であって、前記複数のトイレ器具の各トイレ器具は、器具データを送信するように構成された通信デバイスを備え、当該方法は、少なくとも一つのコントローラで、前記複数のトイレ器具の各トイレ器具から器具データを収集するステップと、少なくとも一つのコントローラで、前記複数のトイレ器具のうちの第一のトイレ器具から受信した器具データを前記複数のトイレ器具の少なくとも一つの他のトイレ器具から受信した器具データと比較するステップと、少なくとも一つのコントローラで、前記第一のトイレ器具が前記器具データの比較に少なくとも部分的に基づいて点検または交換を必要としているか否かを決定するステップと、前記第一のトイレ器具が点検または交換を必要としているという決定に応答して、少なくとも一つのコントローラで、前記第一のトイレ器具データを識別する少なくとも一つの警告またはメッセージを生成することを含む方法が提供される。
【0014】
非制限的な実施形態において、前記第一のトイレ器具が点検または交換を必要としているか否かを決定するステップは、前記第一のトイレ器具が前記複数のトイレ器具のうちの他のトイレ器具よりも使用頻度が少ないことを決定するステップを含むことができる。さらに、前記第一のトイレ器具が他のトイレ器具よりも使用頻度が少ないことを決定するステップは、前記第一のトイレ器具の使用回数が、前記少なくとも一つの他のトイレ器具の使用回数、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具のうちの一部のトイレ器具の平均使用回数、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具の一部のトイレ器具の使用回数の中央値、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つよりも使用頻度が少ないまたは定義済みの許容値を超えて少ないことを決定することを含むことができる。
【0015】
非制限的な実施形態において、前記複数のトイレ器具は複数の洗浄弁を含むことができ、前記複数のトイレ器具の各洗浄弁は圧力センサを備え、かつ前記複数の洗浄弁の各洗浄弁の前記器具データは、当該各洗浄弁の圧力を含む。
【0016】
非制限的な実施形態において、前記第一のトイレ器具が点検または交換を必要としているか否かを決定するステップは、前記少なくとも一つの他のトイレ器具の圧力、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具のうちの一部のトイレ器具の圧力の平均、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具のうちの一部のトイレ器具の圧力の中央値、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む値から前記第一のトイレ器具に関連する圧力が定義済みの許容値を超えて異なることを決定するステップを含むことができる。さらに、前記第一の洗浄弁に関連する前記圧力が、前記値と前記定義済みの閾値を超えて異なることなることを決定するステップは、前記第一の洗浄弁に関連する前記圧力が前記値よりも少なくとも前記定義済みの閾値だけ少ないことを決定すること含むことができる。
【0017】
本発明のさらなる非制限的な実施形態によれば、一貫した洗浄水量を提供するために洗浄弁のタイミングを最適化するシステムであって、当該システムは、(a)通水エリアと、洗浄弁を開放するように構成されたソレノイドを備える該洗浄弁と、(b)前記洗浄弁内の圧力を測定するように構成された少なくとも一つの圧力センサと、(c)前記少なくとも一つの圧力センサおよび前記ソレノイドと通信している少なくとも一つのコントローラとを備え、前記少なくとも一つのコントローラは、(i)洗浄要求に応答して洗浄時間の間前記洗浄弁を開放するように前記ソレノイドを制御し、(ii)少なくとも一つの洗浄弁圧力を得るために前記洗浄弁内の圧力を測定し、(iii)前記少なくとも一つの洗浄弁圧力に少なくとも部分的に基づいて前記洗浄時間を調整して、調整された洗浄時間を得、かつ(iv)洗浄要求に応答して前記調整された洗浄時間の間前記洗浄弁を開放するように前記ソレノイドを制御するようにプログラムまたは構成されるが提供される。
【0018】
洗浄弁のタイミングを最適化する前記システムの非制限的な実施形態において、前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整されることができる。さらに、前記少なくとも一つのコントローラは、前記洗浄弁が洗浄される毎にカウンタをインクリメントするようにさらにプログラムまたは構成されることができ、前記使用回数は、前記カウンタに基づいている。いくつかの非制限的な実施形態では、前記少なくとも一つのコントローラは、前記洗浄弁の洗浄の前の少なくとも一つの静圧および前記洗浄弁の洗浄中の少なくとも一つの動圧を得ることによって前記少なくとも一つの洗浄弁圧力を得るために前記洗浄弁内の前記圧力を測定する。前記洗浄時間は、前記少なくとも一つの静圧、前記少なくとも一つの動圧、および前記洗浄弁の前記通水エリアに少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整されることができる。前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整されることもできる。
【0019】
洗浄弁のタイミングを最適化する前記システムの非制限的な実施形態において、前記調整された洗浄時間は、前記洗浄弁の前記通水エリアが使用によって摩耗された後、一貫した洗浄を提供するために前記洗浄時間未満である。さらに、非制限的な実施形態において、前記少なくともコントローラは、一回の洗浄当たりの水使用量を決定し、且つ前記一回の洗浄当たりの水量の使用に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間を決定するようにさらにプログラムまたは構成されることができる。前記一回の洗浄当たりの水使用量は、前記少なくとも一つの洗浄弁圧力と前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0020】
本発明の別の一つの非制限的な実施形態によれば、一貫した洗浄水量を提供するために洗浄弁のタイミングを最適化する洗浄弁コントローラが提供され、当該洗浄弁コントローラは、当該洗浄弁コントローラに、前記洗浄弁に配置された圧力センサから、前記洗浄弁内の少なくとも一つの洗浄弁圧力を受信させ、前記洗浄弁を洗浄時間の間開放させるために当該洗浄弁内に配置されたソレノイドを制御させ、前記少なくとも一つの洗浄弁圧に少なくとも部分的に基づいて前記洗浄時間を調整して、調整された洗浄時間を得させ、かつ前記洗浄弁を前記調整された洗浄時間の間開放させるために前記洗浄弁内に配置された前記ソレノイドを制御させる当該洗浄弁コントローラに記憶された、または当該洗浄弁コントローラと通信しているプログラム命令を実行するように構成される。
【0021】
洗浄弁のタイミングを最適化する前記洗浄弁コントローラの非制限的な実施形態において、前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整されることができる。さらに、非制限的な実施形態において、前記洗浄弁コントローラは、一回の洗浄当たりの水使用量を決定し、且つ前記一回の洗浄当たりの水使用量に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間を決定するようにさらにプログラムまたは構成されることができる。前記一回の洗浄当たりの水使用量は、前記少なくとも一つの洗浄弁圧力および前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて決定されることができる。
【0022】
洗浄弁のタイミングを最適化する前記洗浄弁コントローラの非制限的な実施形態において、前記少なくとも一つの圧力センサから受信される前記洗浄弁内の前記少なくとも一つの洗浄弁圧力は、前記洗浄弁の洗浄の前の少なくとも一つの静圧および前記洗浄弁の前記洗浄中の少なくとも一つの動圧を含む。前記洗浄時間は、前記少なくとも一つの静圧、前記少なくとも一つの動圧、および前記洗浄弁の通水エリアに少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整されることができる。前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整されることもできる。
【0023】
洗浄弁のタイミングを最適化する前記洗浄弁コントローラの非制限的な実施形態において、前記洗浄弁コントローラは、前記洗浄弁内に配置された少なくとも一つのコントローラまたは複数の洗浄弁と通信している少なくとも一つの中央コントローラを含むことができ、前記洗浄弁コントローラは、少なくとも一つのデータ記憶デバイスに前記少なくとも一つの洗浄弁圧力を記憶するようにさらにプログラムまたは構成されることができる。
【0024】
本発明のさらなる非制限的な実施形態によれば、一貫した洗浄量を提供するために洗浄弁のタイミングを最適化する方法であって、前記洗浄弁が、通水エリア、当該通水エリアを通して洗浄を提供するために前記洗浄弁を開放するように構成されたソレノイドと、前記洗浄弁に配置された少なくとも一つの圧力センサとを備え、前記少なくとも一つの圧力センサから受信したデータから前記洗浄弁内の少なくとも一つの洗浄弁圧力を測定するステップと、前記洗浄弁を洗浄時間の間開放させるように前記ソレノイドを制御するステップと、前記少なくとも一つの洗浄弁圧力に少なくとも部分的に基づいて前記第一の洗浄時間を調整して、調整された洗浄時間を得させるステップ、前記洗浄弁を前記調整された洗浄時間の間開放させるために前記ソレノイドを制御するステップとを含む方法が提供される。
【0025】
洗浄弁のタイミングを最適化する前記方法の非制限的な実施形態において、前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整されることができる。さらに、前記少なくとも一つの洗浄弁圧力を測定するステップは、前記少なくとも一つの圧力センサから、前記洗浄弁の洗浄まえの少なくとも一つの静圧および前記洗浄弁の洗浄中の少なくとも一つの動圧を得るステップを含むことができる。前記洗浄時間は、前記少なくとも一つの静圧、前記少なくとも一つの動圧、前記洗浄弁の前記通水エリアに少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整されることができる。前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整されることもできる。
【0026】
洗浄弁のタイミングを最適化する前記方法の非制限的な実施形態において、当該方法は、前記少なくとも一つの洗浄弁の一回の使用当たりの水量を決定するステップと、前記一回の使用当たりの水量に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間を決定するステップをさらに含むことができる。
【0027】
本発明の概要を以下の番号が付された項で提供する。
【0028】
項1:洗浄弁を監視するシステムであって、(a)建物の少なくとも一つのトイレに配置された複数の洗浄弁であって、前記複数の洗浄弁の各洗浄弁が洗浄弁データを送信するように構成された通信デバイスを備える複数の洗浄弁と、(b)前記複数の洗浄弁の各洗浄弁と通信している少なくとも一つのコントローラとを備え、前記少なくとも一つのコントローラは、(i)前記複数の洗浄弁の各洗浄弁から前記洗浄弁データを受信し、かつ(ii)前記複数の洗浄弁のうちの第一の洗浄弁が点検または交換を必要としているか否かを、前記第一の洗浄弁の洗浄弁データを前記複数の洗浄弁のうちの少なくとも一つの他の洗浄弁の洗浄弁データと比較することによって少なくとも部分的に基づいて決定するようにプログラムまたは構成されるシステム。
【0029】
項2;前記複数の洗浄弁の各洗浄弁は圧力センサを含み、かつ前記複数の洗浄弁の各洗浄弁の前記洗浄弁データは、当該洗浄弁と関連する圧力を含む、項1の前記システム。
【0030】
項3:前記少なくとも一つのコントローラは、前記第一の洗浄弁に関連する圧力が、前記少なくとも一つの他の洗浄弁の圧力、前記複数の洗浄弁または前記複数の洗浄弁のうちの一部の洗浄弁の圧力の平均、前記複数の洗浄弁または前記複数の洗浄弁のうちの一部の洗浄弁の圧力の中央値、またはそれらの任意の組み合わせうちのの少なくとも一つを含む値から定義済みの許容値を超えて異なることを決定することによって点検または交換を必要としていることを決定するようにプログラムまたは構成される項2の前記システム。
【0031】
項4:前記少なくとも一つのコントローラは、前記洗浄弁の使用が、前記少なくとも一つの他の洗浄弁、前記複数の洗浄弁または前記複数の洗浄弁のうちの一部の洗浄弁の平均使用回数、前記複数の洗浄弁または前記複数の洗浄弁のうちの一部の洗浄弁の使用回数の中央値、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つよりも少ないまたは定義済みの許容値を超えて少ないことを決定することによって前記第一の洗浄弁が点検または交換を必要としていることを決定するようにプログラムまたは構成される、項1~項3のいずれかの前記システム。
【0032】
項5:少なくとも一つのコントローラは、前記第一の洗浄弁が点検または交換を必要としていることを、前記トイレ中の他のトイレ器具よりも使用頻度が少ないことを決定することによって決定するようにプログラムまたは構成され、前記他のトイレ器具は、蛇口、ハンドドライヤ、タオルディスペンサ、ソープディスペンサまたはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、項1~項4のいずれかの前記システム。
【0033】
項6:前記少なくとも一つのコントローラは、前記第一の洗浄弁内のコントローラを含む、項1~項5のいずれかの前記システム。
【0034】
項7:前記少なくとも一つのコントローラは、中央コントローラを含む、項1~項6のいずれかの前記システム。
【0035】
項8:前記複数の洗浄弁の各洗浄弁は、個別のコントローラを備え、かつ前記少なくとも一つのコントローラは、中央コントローラまたは前記複数の洗浄弁のうちの少なくとも一つの洗浄弁の少なくとも一つの個別のコントローラを含む、項1~項7のいずれかの前記システム。
【0036】
項9:トイレ器具を監視するシステムであって、(a)建物の少なくとも一つのトイレに配置された複数のトイレ器具であって、前記複数のトイレ器具の各トイレ器具が、当該各トイレ器具に関する器具データを送信するように構成された通信デバイスを備える複数のトイレ器具と、(b)前記複数のトイレ器具の各トイレ器具と通信する少なくとも一つのコントローラとを備え、前記少なくとも一つのコントローラは、(i)前記複数のトイレ器具の各トイレ器具から前記器具データを受信し、かつ(ii)前記複数のトイレ器具のうちの第一のトイレ器具が点検または交換を必要としている否かを、前記第一のトイレ器具の器具データを前記複数のトイレ器具のうちの少なくとも一つの他のトイレ器具の器具データと比較することによって少なくとも部分的に基づいて決定するようにプログラムまたは構成される、システム。
【0037】
項10:前記少なくとも一つのコントローラは、前記第一のトイレ器具が前記複数のトイレ器具のうちの他のトイレ器具よりも使用頻度が少ないことを決定することによって前記第一のトイレ器具が点検または交換を必要としていることを決定するようにプログラムまたは構成される項9の前記システム。
【0038】
項11:前記第一のトイレ器具が他のトイレ器具よりも使用頻度が少ないことを決定することは、前記第一のトイレ器具の使用回数が、前記少なくとも一つの他のトイレ器具の使用回数、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具のうちの一部のトイレ器具の平均使用回数、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具のうちの一部のトイレ器具の使用回数の中央値、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つよりも少ないまたは定義済みの許容値を超えて少ない項10の前記システム。
【0039】
項12:前記複数のトイレ器具は、洗浄弁、蛇口、ハンドドライヤ、タオルディスペンサ、ソープディスペンサ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを備える項9~11のいずれかの前記システム。
【0040】
項13:前記少なくとも一つのコントローラは、前記第一の洗浄弁の内部のコントローラ、中央コントローラ、前記複数のトイレ器具の各々の内部の複数のコントローラのうち少なくとも一つ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む項9~12のいずれかのシステム。
【0041】
項14:トイレに配置された複数のトイレ器具を監視する方法であって、前記複数のトイレ器具の各トイレ器具が、器具データを送信するように構成された通信デバイスを備え、少なくとも一つのコントローラで、前記複数のトイレ器具の各トイレ器具からの器具データを収集するステップと、少なくとも一つのコントローラで、前記複数のトイレ器具のうちの第一のトイレ器具から受信した器具データを前記複数のトイレ器具の少なくとも一つの他のトイレ器具から受信した器具データと比較するステップと、 少なくとも一つのコントローラで、器具データの前記比較に少なくとも部分的に基づいて前記第一のトイレ器具が点検または交換を必要としているか否かを決定するステップと、前記第一のトイレ器具が点検または交換を必要としているという決定することに応答して、少なくとも一つのコントローラで前記第一のトイレ器具データを識別する少なくとも一つの警告またはメッセージを生成するステップとを含む方法。
【0042】
項15:前記第一のトイレ器具が点検または交換を必要としているかを決定するステップは、前記第一のトイレ器具が前記複数のトイレ器具のうちの他のトイレ器具よりも使用頻度が少ないことを決定するステップを含む項14に記載の前記方法。
【0043】
項16:前記第一のトイレ器具が他のトイレ器具よりも使用頻度が少ないことを決定するステップは、前記第一のトイレ器具の使用回数が、前記少なくとも一つの他のトイレ器具の使用回数、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具のうちの一部のトイレ器具の平均使用回数、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具の内の一部のトイレ器具の使用回数の中央値、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つよりも少ないまたは定義済みの許容値を超えて少ないことを決定するステップを含む項15に記載の前記方法。
【0044】
項17:前記複数のトイレ器具は複数の洗浄弁を備え、前記複数の洗浄弁の各洗浄弁は圧力センサを備え、かつ前記複数の洗浄弁の各洗浄弁の前記器具データは、当該洗浄弁の圧力を含む項14~16のいずれかの項の前記方法。
【0045】
項18:前記第一のトイレ器具が点検または交換を必要としているか否かを決定するステップは、前記第一のトイレ器具に関連する圧力が、前記少なくとも一つの他のトイレ器具の圧力、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具のうちの一部のトイレ器具の圧力の平均、前記複数のトイレ器具または前記複数のトイレ器具のうちの一部のトイレ器具の圧力の中央値、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む値と定義済みの許容値を超えて異なることを決定するステップを含む項17に記載の前記方法。
【0046】
項19:前記第一の洗浄弁に関連する前記圧力が、前記値から前記定義済みの閾値を超えて異なることを決定するステップは、前記第一の洗浄弁に関連する前記圧力が、前記値よりも少なくとも前記定義済みの許容値が少ないことを決定するステップを含む項18に記載の前記方法。
【0047】
項20:一貫した洗浄水量を提供するために洗浄弁のタイミングを最適化するシステムであって、(a)通水エリアと、洗浄弁を開放するように構成されたソレノイドとを備える洗浄弁と、(b)前記洗浄弁内の圧力を測定するように構成された少なくとも一つ圧力センサと、(c)前記少なくとも一つの圧力センサおよび前記ソレノイドと通信している少なくとも一つのコントローラとを備え、前記少なくとも一つのコントローラは、(i)洗浄要求に応答して洗浄時間の間前記洗浄弁を開放するように前記ソレノイドを制御し、(ii)少なくとも一つの洗浄弁圧力を得るために前記洗浄弁内の圧力を測定し、(iii)前記少なくとも一つの洗浄弁圧力に少なくとも部分的に基づいて前記洗浄時間を調整して、調整された洗浄時間を得、かつ(iv)洗浄要求に応じて前記調整された洗浄時間の間前記洗浄弁を開放するように前記ソレノイドを制御するようにプログラムまたは構成されるシステム。
【0048】
項21:前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整される項20の前記システム。
【0049】
項22:前記少なくとも一つのコントローラは、前記洗浄弁が洗浄する毎にカウンタをインクリメントするようにさらにプログラムまたは構成され、前記使用回数は、前記カウンタに基づく項21の前記システム。
【0050】
項23:前記少なくとも一つのコントローラは、前記洗浄弁の洗浄の前の少なくとも一つの静圧および前記洗浄弁の洗浄中の少なくとも一つの動圧を得ることによって前記少なくとも一つの洗浄弁圧力を得るために前記洗浄弁内の前記圧力を測定する項19~21のいずれかのシステム。
【0051】
項24:前記洗浄時間は、前記少なくとも一つの静圧、前記少なくとも一つの動圧、および前記洗浄弁の前記通水エリアに少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整される項23の前記システム。
【0052】
項25:前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整される項24の前記システム。
【0053】
項26:前記調整された洗浄時間は、前記洗浄弁の前記通水エリアが使用によって摩耗された後、一貫した洗浄を提供すために前記洗浄時間をよりも短い項19~25のいずれかの前記システム。
【0054】
項27:前記少なくとも一つのコントローラは、一回の洗浄当たりの水使用量を決定し、かつ前記一回の洗浄当たりの水使用量に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間を決定するようにさらにプログラムまたは構成される項19~26のいずれかの前記システム。
【0055】
項28:前記一回の洗浄当たりの水使用量は、前記少なくとも一つの洗浄弁圧力および前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づく項27の前記システム。
【0056】
項29:一貫した洗浄水量を提供するために洗浄弁のタイミングを最適化する洗浄弁コントローラであって、当該洗浄弁に配置された圧力センサから、前記洗浄弁内の少なくとも一つの洗浄弁圧力を受信させ、前記洗浄弁を洗浄時間の間開放させるように前記洗浄弁内に配置されたソレノイドを制御させ、前記少なくとも一つの洗浄弁圧力に少なくとも部分的に基づいて前記洗浄時間を調整して、調整された洗浄時間を得させ、かつ前記調整された洗浄時間の間前記洗浄弁を開放させるように前記洗浄弁内に配置されたソレノイドを制御させる、前記洗浄弁コントローラに記憶された、または前記洗浄弁コントローラと通信しているプログラムを実行するように構成される洗浄弁コントローラ。
【0057】
項30:前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整される項29の前記洗浄弁コントローラ。
【0058】
項31:前記洗浄弁コントローラは、一回の洗浄当たりの水使用量を決定し、かつ前記一回の洗浄当たりの水使用量に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間を決定するようにさらにプログラムまたは構成される項29~30のいずれかの前記洗浄弁コントローラ。
【0059】
項32:前記一回の洗浄当たりの水使用量は、前記少なくとも一つの洗浄弁圧力および前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて決定される項31の前記洗浄弁コントローラ。
【0060】
項33:前記少なくとも一つの圧力センサから受信された前記洗浄弁内の前記少なくとも一つの洗浄弁圧力は、前記洗浄弁の洗浄前の少なくとも一つの静圧および前記洗浄弁の前記洗浄中の少なくとも一つの動圧を含む項29~32のいずれかの前記洗浄弁コントローラ。
【0061】
項34:前記洗浄時間は、前記少なくとも一つの静圧、前記少なくとも一つの動圧、および前記洗浄弁の通水エリアに少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整される項33の前記洗浄弁コントローラ。
【0062】
項35:前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整される項34の前記洗浄弁コントローラ。
【0063】
項36:前記洗浄弁コントローラは、前記洗浄弁に配置された少なくとも一つのコントローラまたは複数の洗浄弁と通信している少なくとも一つの中央コントローラを備え、当該洗浄弁コントローラは、少なくとも一つのデータ記憶デバイスに前記少なくとも一つの洗浄弁圧力を記憶するようにさらにプログラムまたは構成される項29から35のいずれかの前記洗浄弁コントローラ。
【0064】
項37:一貫した洗浄量を提供するために洗浄弁のタイミングを最適化する方法であって、前記洗浄弁が、通水エリアと、当該通水エリアを通して洗浄を提供するために前記洗浄弁を開放するように構成されたソレノイドと、前記洗浄弁に配置された少なくとも一つの圧力センサとを備え、前記少なくとも一つのセンサから受信したデータから、前記洗浄弁内の少なくとも一つの洗浄弁圧力を測定するステップと、前記洗浄弁を洗浄時間の間開放させるように前記ソレノイドを制御するステップと、前記少なくとも一つの洗浄弁圧力に少なくとも部分的に基づいて前記第一の洗浄時間を調整して、調整された洗浄時間を得るステップと、前記洗浄弁を前記調整された洗浄時間の間開放させるように前記ソレノイドを制御するステップとを含む方法。
【0065】
項38:前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整される項37に記載の前記方法。
【0066】
項39:前記少なくとも一つの洗浄弁圧力を測定するステップは、前記洗浄弁の洗浄前の少なくとも一つの静圧および前記洗浄弁の前記洗浄中の少なくとも一つの動圧を前記少なくとも一つの圧力センサから得るステップを含む項37~38のいずれかの前記方法。
【0067】
項40:前記洗浄時間は、前記少なくとも一つの静圧、前記少なくとも一つの動圧、および前記洗浄弁の通水エリアに少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整される項39の前記方法。
【0068】
項41:前記洗浄時間は、前記洗浄弁の使用回数に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間に調整される項40の前記方法。
【0069】
項42:前記少なくとも一つの洗浄弁の一回の使用当たりの水量を決定するステップと、前記一回の使用当たりの水量に少なくとも部分的に基づいて前記調整された洗浄時間を決定するステップとをさらに備える項37~41のいずれかの前記方法。
【0070】
項43:需要に基づいて少なくとも一つの洗浄弁のタイミングを調整するコンピュータ実装方法であって、(a)少なくとも一つのネットワークデバイスで、少なくとも一つのトイレに関連するエリア内のモバイルデバイスの数を検出するステップであって、前記少なくとも一つのトイレは前記少なくとも一つの洗浄弁を備えるステップと、(b)少なくとも一つのプロセッサで、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすかまたは超えるという決定するステップと、(c)前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすまたは超えるという決定に応答して、(i)少なくとも一つのプロセッサで、前記少なくとも一つの洗浄弁に関する調整された洗浄時間を決定し、かつ(ii)少なくとも一つのプロセッサで、前記調整された洗浄時間により、洗浄に使用される水量が減少するように、少なくとも一つの洗浄弁の洗浄時間を前記調整された洗浄時間に調整するステップとを備えるコンピュータ実装方法。
【0071】
項44:前記モバイルデバイスの数は、複数のソースから前記少なくとも一つのネットワークデバイスによって受信された無線信号を監視し、少なくとも一つのプロセッサで、複数のデバイス識別子を識別するために前記無線信号を分析し、かつ少なくとも一つのプロセッサで、前記複数のデバイス識別子に少なくとも部分的に基づいて前記モバイルデバイスの数を決定することによって検出される項43の前記コンピュータ実装方法。
【0072】
項45:前記無線信号は、無線ネットワークを識別するように構成された信号、無線デバイスを識別するように構成された信号、リクエスト信号に応答する信号、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む項44の前記コンピュータ実装方法。
【0073】
項46:前記少なくとも一つのトイレは前記エリアを含む項43~45のいずれかの前記コンピュータ実装方法。
【0074】
項47:前記少なくとも一つの洗浄弁は、前記少なくとも一つのトイレに配置された複数の洗浄弁を含む項43~45のいずれかの前記コンピュータ実装方法。
【0075】
項48:前記エリアは建物を含み、かつ前記少なくとも一つのトイレは、前記建物内に配置された複数のトイレを含む項43~47のいずれかの前記コンピュータ実装方法。
【0076】
項49:前記エリアは、建物の一部を含み、かつ前記少なくとも一つのトイレは、前記建物の前記一部内に配置された複数のトイレを含む43~48のいずれかの前記コンピュータ実装方法。
【0077】
項50:前記モバイルデバイスの数は、少なくとも一つの受動モバイルデバイスを起動するように構成された少なくとも一つのリクエスト信号を生成し、かつ前記少なくとも一つのリクエスト信号に応答して前記少なくとも一つの受動モバイルデバイスから受信した信号を分析することによって検出される項43~49のいずれかの前記コンピュータ実装方法。
【0078】
項51:前記少なくとも一つの定義済みの閾値は、複数の定義済みの閾値を含み、前記複数の定義済みの閾値のうちの各定義済みの閾値は、異なる調整された洗浄時間に関連し、かつ前記調整された洗浄時間を決定するステップは、前記モバイルデバイスの数が満たすまたは超過すると決定された前記少なくとも一つの定義済みの閾値に対応する前記調整された洗浄時間を識別するステップを含む項43~50のいずれかの前記コンピュータ実装方法。
【0079】
項52:少なくとも一つのプロセッサで、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値以下であるか否かを決定するステップと、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値以下であるという決定に応じて、少なくとも一つのプロセッサで、前記少なくとも一つの洗浄弁に関する新たな調整された洗浄時間を決定するステップと、前記新たな調整された洗浄時間が洗浄に使用される水量が増加するように、少なくとも一つのプロセッサで、前記少なくとも一つの洗浄弁の前記調整された洗浄時間を前記新たな調整された洗浄時間に調整するステップをさらに備える項43~51のいずれかの前記コンピュータ実装方法。
【0080】
項53:需要に基づいて少なくとも一つの洗浄弁のタイミングを調整するシステムであって、少なくとも一つのトイレに配置された複数の洗浄弁であって、当該複数の洗浄弁の各々が、洗浄時間に基づいてそれぞれの洗浄弁を開放および閉鎖するように構成されたソレノイドを備える複数の洗浄弁と、前記少なくとも一つのトイレに関連するエリアに、またはそれに近接して配置されたネットワークデバイスであって、無線信号を受信するように構成されたネットワークデバイスと、前記ネットワークデバイスおよび前記複数の洗浄弁と通信している少なくとも一つのプロセッサとを備え、前記少なくとも一つのプロセッサは、(i)前記エリア内のモバイルデバイスの数を前記ネットワークデバイスによって受信した無線信号に基づいて検出し、(ii)前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値を満足するかまたはそれを超えるかを決定し;(iii)前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値を満足するまたは超えるという決定に応答して、調整された洗浄時間により、洗浄に使用される水量が減少するように、前記複数の洗浄弁の各々の前記洗浄時間を前記調整された洗浄時間に調整するようにプログラムまたは構成されるシステム。
【0081】
項54:前記少なくとも一つのプロセッサは、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすまたは超えるという決定に応じて前記調整された洗浄時間を決定するようにさらにプログラムまたは構成される項53の前記シ
ステム。
【0082】
項55:前記少なくとも一つの定義済みの閾値は、複数の定義済みの閾値を含み、前記複数の定義済みの閾値の各定義済みの閾値が異なる調整された洗浄時間に関連し、前記調整された洗浄時間は、前記モバイルデバイスの数が満たすまたは超えると決定された前記少なくとも一つの定義済みの閾値に対応する前記調整された洗浄時間を識別することによって決定される項54の前記システム。
【0083】
項56:前記モバイルデバイスの数は、複数のソースから受信した無線信号を監視し、複数のデバイス識別子を識別ために前記無線信号分析し、かつ前記複数のデバイス識別子に少なくとも部分的に基づいて前記モバイルデバイスの数を決定することによって検出される項53~55のいずれかに記載のシステム。
【0084】
項57:前記無線信号は、無線ネットワークを識別するように構成された信号、無線デバイスを識別するように構成された信号、リクエスト信号に応答する信号、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む項53~56のいずれかの前記システム。
【0085】
項58:前記少なくとも一つのトイレは前記エリアを含む項53~57のいずれかの前記システム。
【0086】
項59:前記エリアは、建物または建物の一部を含み、前記少なくとも一つのトイレは、前記建物または前記建物の前記一部内に配置された複数のトイレを含む項53~58のいずれかの前記システム。
【0087】
項60:前記少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つの受動モバイルデバイスを起動するように構成された少なくとも一つのリクエスト信号を生成し、かつ前記少なくとも一つのリクエスト信号に応答して前記少なくとも一つの受動モバイルデバイスから受信した信号を分析することによって前記モバイルデバイスの数を決定するようにさらにプログラムまたは構成される項53~60のいずれかの前記システム。
【0088】
項61:前記少なくとも一つのプロセッサは、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値以下であるか否かを決定し、かつ前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値以下であるという決定することに応答して、前記少なくとも一つ洗浄弁に関する新たな調整された洗浄時間を決定し、前記新たな調整された洗浄時間により、洗浄に使用される水量が増加するように、前記少なくとも一つの洗浄弁の前記洗浄時間を前記新たな調整された洗浄時間に調整するようにさらにプログラムまたは構成される項53~60のいずれかの前記システム。
【0089】
項62:要請に基づいて少なくとも一つの洗浄弁のタイミングを調整するコンピュータプログラム製品であって、少なくとも一つのプロセッサによって実行されたときに、当該少なくとも一つのプロセッサに、ネットワークデバイスによって受信された無線信号に基づいて、複数の洗浄弁を備える少なくとも一つのトイレに関連するエリア内のモバイルデバイスの数を検出させ、前記エリア内の前記モバイルデバイスの数が少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすまたは超過するか否かを決定させ、前記モバイルデバイスの数が前記少なくとも一つの定義済みの閾値を満たすまたは超過するという決定に応答して、調整された洗浄時間により、洗浄に使用される水量が減少するように、前記複数の洗浄弁の各々の前記洗浄時間を前記調整された洗浄時間に調整させるプログラム命令を含む少なくとも一つの非一過性のコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【0090】
本発明の上記および他の機能および特徴、および作動の方法および構造物の関連する要素の機能および部品の組み合わせおよび製造の経済性は、添付の図面を参照して以下の記載および添付の請求項の考察に基づいてより明白になり、これらの図面の全ては、本明細書の一部を形成し、図面中の類似の参照番号は、様々な図面において対応する部品を示す。しかしながら、当該図面は、もっぱら例示および説明のためであって、本発明の限界の定義として意図されたものではない。本明細書および本特許請求の範囲において使用され
るように、「a(一つ)」、「an((一つ))、および「the(前記)」は、文脈上明らかに否定されない限り、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0091】
本発明のさらなる利点と詳細は、添付の概略図に記載される例示の実施形態を参照して
より詳細に説明される。
【
図1】本発明の原理に係るトイレ器具を監視するシステムの概略図である。
【
図2】本発明の原理に係るトイレ器具を監視するシステムの別の概略図である。
【
図3】本発明の原理に係るトイレ器具を監視する別のシステムのさらなる概略図である。
【
図4】本発明の原理に係る洗浄弁の摩耗を監視する方法のフロー図である。
【
図5】本発明の原理に係る洗浄弁の摩耗を監視する別の方法のフロー図である。
【
図6】本発明の原理に係る洗浄弁の摩耗を監視するさらなる方法の別のフロー図である。
【
図7】本発明の原理に係るトイレ器具を監視する方法のさらなるフロー図である。
【
図8】本発明の原理に係る洗浄弁の洗浄時間を調整する方法のフロー図である。
【
図9】本発明の原理に係る洗浄弁の洗浄時間を調整する方法の別のフロー図である。
【
図10A】洗浄弁に関する圧力、流量、洗浄水量、および洗浄時間の間の関係を説明するチャートである。
【
図10B】洗浄弁に関する圧力、流量、洗浄水量、および洗浄時間の間の関係を説明するチャートである。
【
図10C】洗浄弁に関する圧力、流量、洗浄水量、および洗浄時間の間の関係を説明するチャートである。
【
図11】本発明の原理に係る複数の洗浄弁の洗浄時間を調整するシステムの概略図である。
【
図12】本発明の原理に係る複数の洗浄弁の洗浄時間を調整する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0092】
本明細書で使用されるように、「上(up)」、「下(dоwn)」、「上(abоve)」、「下(belоw)」、「頂(tоp)」「底(bоttоm)」等の空間用語または方向用語は、図面に示されているときの本発明に関連する。しかしながら、本発明は、様々な代わりの配向を取ることができ、したがって、そのような用語は、制限するものと考えるべきではないことを理解すべきである。さらに、本明細書および請求項で使用する寸法、物理的特性、処理パラメータ、材料の量、反応条件等を表す全ての数値は、全ての例において「約(abоut)」という用語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、特に指摘がない限り、以下の明細書および請求項に述べる数値は、本発明が得ようとする所望の性質によって変化し得る近似値である。少なくとも、また請求項の範囲への均等論の適用を制限しようとする試みとしてはなく、各数値は、少なくとも報告された有効桁の数に照らしかつ通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。さらに、本明細書で開示された全ての範囲は、本明細書に含まれるありとあらゆる部分範囲を包含すると理解されるべきである。たとえば、「1から10」という記載範囲は、最小値の1と最大値の10の間(および当該最小値と最大値を含めて)のありとあらゆる部分範囲を含むと考えられるべきであり、すなわち、全ての部分範囲は、1以上の最小値で始まり10以下の最大値で終わる、たとえば、1から6.1、3.5から7.8、5.5から10等である。発行された特許および公開された出願等であるがそれらに限定されない本明細書で参照される全ての参照文献は、そのまま参照によって援用されると理解されるべきである。「機械的逃がし」という用語は、圧力を逃がす役割として機能するために電気または電力を必要としない逃がしデバイスまたは逃がしシステムを指す。
「電子的逃がし」という用語は、圧力を逃がす役割として機能するために電気または電力を利用する逃がしデバイスまたは逃がしシステムを指す。
【0093】
本明細書で使用されるように、「通信」および「通信する」という用語は、一つ以上の信号、メッセージ、コマンド、または他のタイプのデータの受信と送信を指す。あるユニットまたはコンポーネントが別のユニットまたはコンポーネントと通信しているとは、当該あるユニットまたはコンポーネントが、その他のユニットまたはコンポーネントからデータを直接的にまたは間接的に受信しおよび/または当該別のユニットまたはコンポーネントへデータを直接的にまたは間接的に送信することができることを意味する。このことは、事実上、有線および/または無線であり得る直接的または間接的接続を指すことができる。加えて、二つのユニットまたはコンポーネントは、当該第一のユニットまたはコンポーネントと当該第二のユニットまたはコンポーネントの間で、送信された前記データが変更、処理、および/または転送される可能性があるにしても、互いに通信している場合がある。たとえば、第一のユニットは、当該第一のユニットがデータを受動的に受信しかつデータを第二のユニットに能動的には送信しないとしても、前記第二のユニットと通信することができる。別の一例として、第一のユニットは、中間のユニットが一方のユニットからのデータを処理しかつ処理したデータを第二のユニットに送信する場合、当該第二のユニットと通信している場合がある。多数の他の配置が可能であることが分かるだろう。
【0094】
様々なタイプのトイレ器具が本発明に関して使用されることが分かるだろう。「トイレ器具」という用語は、たとえば、トイレ環境において使用される一つ以上の弁(洗浄弁、蛇口弁、シャワー弁等)、ペーパータオルまたはトイレペーパーディスペンサ、トイレペーパーホルダ、ハンドドライヤ、ソープディスペンサ、および/または他の同様なデバイスおよび/またはそれらのコンポーネントを指す可能性がある。いくつかの非制限的な実施形態では、前記トイレ器具は、洗浄弁を含む可能性がある。開示がそのまま参照によって本明細書に援用される「Methоd оf Mоnitоring Wear in a Diaphragm Valve Using Pressure Detection」と題する米国特許第9,389,157号には、本発明に関連して使用される可能性がある弁が記載されているが、様々な他のタイプの弁、配管設備、トイレ器具および配置が本発明の実施形態に関して使用されることができることが分かるだろう。
【0095】
ここで
図1を参照すると、非制限的な実施形態に係るトイレ器具を監視するシステム1000が示されている。示されるように、トイレ器具102、108、114が部屋124に配置される。各トイレ器具は、それぞれのコントローラ104、110、116および通信デバイス106、112、118を含む。しかしながら、一つ以上のトイレ器具102、108、114が共通のコントローラおよび/または通信デバイスを共有してもよいことが分かるだろう。
図1に示された実施形態では、前記トイレ器具は、一つのトイレ124に配置されているが、前記器具は、一つ以上の建物の複数のトイレに配置されてもよいことが分かるだろう。前記コントローラ104、110、116は、マイクロプロセッサ、CPU等のような任意の適した演算デバイスを含むことができる。通信デバイス106、112、118は、制限されるわけではないが、無線ネットワークアダプタ、Bluetooth(登録商標)アダプタ、イーサネットアダプタ、無線送受信機、および/または任意の他の有線または無線のデータ通信機構等の、データを送信および/または受信できる任意のデバイスを含むことができる。
【0096】
引き続いて
図1を参照すると、前記システム1000は、中央コントローラ120および中央データ記憶デバイス122も含む。前記中央コントローラ120は、特定のトイレ124、建物の一群のトイレ、またはさらに一つ以上の建物に対する中央であり得る。前記中央コントローラ120は、当該中央コントローラ120に関連する別の通信デバイス(図示せず)を介して前記通信デバイス106、112、118の各々と通信している。このように、前記中央コントローラ120は、前記トイレ器具102、108、114の各々から器具データを収集し、当該器具データを前記中央データ記憶デバイス122に記憶する。前記中央データ記憶デバイス122は、たとえば、一つ以上のデータベースを記憶した一つ以上のハードドライブ等の一つ以上のデータ構造にデータを記憶できる任意のメモリデバイスを含むことができる。前記器具データは、たとえば、圧力データ(たとえば、前記器具の使用前、使用中、または使用後の内部水圧)、使用データ(たとえば、ある期間にわたる使用回数)、水使用量(たとえば、一回の使用当たりの水量またはある期間にわたっての水量)、および/または前記トイレ器具102、108、114に関連する任意の他のデータを含むことができる。前記器具データは、一つのトイレ器具の使用毎にまたはまとめて送信されてもよく、個別の使用情報または集成的な(たとえば、平均または中央の)使用情報を表してもよい。
【0097】
ここで
図2を参照すると、別の一非制限的な実施形態に係るトイレ器具を監視するシステム1000が示されている。ここで、前記トイレ器具は、洗浄弁202、210を含む。当該システム1000の各洗浄弁202、210は、水洗トイレ200、208に関連する。前記洗浄弁202、210は、各々、それぞれのコントローラ204、212によって制御される。各コントローラ204、212は、他のトイレ器具の一つ以上の洗浄弁を制御することもでき、かついくつかの例では、単一のコントローラ204が使用されることができることが分かるだろう。前記コントローラ204は、前記弁202の中にまたはその上に直接に、または他の場所(たとえば、縦溝エリア内、器具の背後、または壁の後等)に配置されることができる。前記コントローラ204は、検出された水圧および他の器具データを記憶するためにデータ記憶デバイス206と通信している。いくつかの例では、前記データ記憶デバイス206は、前記コントローラ204の内部または外部にあってもよくかつ前記コントローラ204に対してローカルまたはリモートであってもよいことが分かるだろう。好適かつ非制限的な実施形態において、各洗浄弁202、210は、個別のコントローラ204、212およびデータ記憶デバイス206、214を有する。しかしながら、他の非制限的な実施形態において、かつ本明細書中の他の場所で説明するように、複数の洗浄弁に共通する一つの中央コントローラおよび/または一つの中央データ記憶デバイスも使用できる。
【0098】
図2をさらに参照すると、前記コントローラ204は、当該コントローラ204と同じトイレ、設備、または領域に設置された別の洗浄弁210用の前記コントローラ212と通信している。前記コントローラ204、212は、当該コントローラ204、212の所与のエリア、設備、または一部にあるいくつかの他のトイレ器具用の他のコントローラ(図示せず)と通信していてもよい。トイレ、部屋の一部、部屋の群、建物または領域中の全てのトイレ器具は、互いに通信していてもよいことが分かるだろう。このように、前記コントローラ204は、前記洗浄弁202の動作後の前記水圧を決定して、当該水圧を前記データ記憶デバイス206に記憶された以前の水圧と比較できる。前記決定された水圧が前記以前の水圧未満である場合、すなわち、当該二つの圧力間の差が定義済みの閾値よりも大きい場合、前記コントローラ204は、次に、別のコントローラ212に関連する前記データ記憶デバイス214に記憶された水圧を得ることができる。このように、水圧の予期せぬ減少が前記洗浄弁202に固有のものであるか、または同じ設備内の他の洗浄弁210に影響を及ぼす何らかの他の問題が原因となっているのかを決定するために別の洗浄弁210の前記水圧は、前記洗浄弁202の前記水圧と比較することができる。前記以前の水圧は、たとえば、新たな洗浄弁キットに関する一つ以上の圧力を含むことができる。新たな洗浄弁キットに関する前記圧力は、望ましい洗浄水量を達成するための時間にわたる水圧を表す圧力プロファイル曲線の形態であってもよい(望ましい洗浄水量はたとえば、前記曲線の下側の面積によって表される)。前記洗浄弁が摩耗すると、前記圧力プロファイル曲線が変化し(たとえば、同じ洗浄量を達成するためにより低い圧力ではより多くの時間が必要である)、前記洗浄弁が修理または交換が必要であることを示す。
【0099】
非制限的な実施形態において、かつ
図2を引き続いて参照すると、特定の弁202用のコントローラ204は、前記弁202に不具合があるか否かを決定するために他の洗浄弁210またはトイレ器具の圧力をポーリングすることができる。このポーリングは、前記弁202の検出圧力が同じ弁202の以前の検出圧力未満であるとの決定に応じて生じてもよく、または前記検出圧力がいくつであるかに関係なく生じてもよい。たとえば、前記弁202の前記圧力が45PSIであることが検出されると、前記弁202に近接する一つ以上の洗浄弁210が比較のためにポーリングされてよい。一つ以上の近接洗浄弁210の圧力が60PSIである場合、弁202に不具合があると決定することができる。同様に、一つ以上の近接洗浄弁210の前記圧力も45PSI、または45PSIから定義済みの許容範囲内である場合、前記弁202は不具合がないと決定されることができる。
【0100】
ここで
図3を参照すると、別の一非制限的な実施形態に係るトイレ器具を監視するシステム1000が示されている。この実施形態において、複数のトイレ器具(たとえば、洗浄弁)216、218、220、222は、各々、関連するコントローラ224、226、228、230を有する。この例では、前記コントローラ224、226、228、230は、コンピュータシステム、サーバ、または他のタイプのデータプロセッサ等の中央コントローラ232と通信している。前記中央コントローラ232は、前記コントローラ224、226、228、230に対してローカルまたはリモートに配置されることができ、かつ中央データ記憶デバイス234と通信できる。
図2に示されるように、前記コントローラ204、212もまた互いに直接的に通信することができることが分かるだろう。
【0101】
図3を引き続いて参照すると、動作中に、前記コントローラ224、226、228、230は、前記それぞれの洗浄弁216、218、220、222内で検出された前記水圧を前記中央コントローラ232に通信し、次に、当該水圧は、前記中央データ記憶デバイス234に記憶される。このように、特定のコントローラ224は、任意の他の洗浄弁218、220、222の水圧を受信して、固有の洗浄弁216の前記水圧と比較する。たとえば、前記洗浄弁216の前記水圧が以前の水圧未満である場合、または、前記二つの圧力間の差が定義済みの許容値(たとえば、nPSI)よりも大きい場合、前記コントローラ224は、比較のために前記中央データ記憶デバイス234に記憶された一つ以上の水圧を受信することができる。水圧の予期せぬ変化が前記洗浄弁216に固有のものであるか、または同じ施設での他の洗浄弁218、220、222に影響を及ぼし得る何らかの他の問題(たとえば、建物全体の圧力降下)に起因しているのかを決定するために前記中央データ記憶デバイス234に記憶された水圧の平均値または中央値が計算され、前記洗浄弁216の前記水圧と比較されることができる。
【0102】
本発明に関連して使用される弁は、開示がそのまま参照によって本明細書に援用される「Methоd оf Mоnitоring Wear in a Diaphragm Valve Using Pressure Detection」と題する米国特許第9,389,157号によって記載された圧力監視能力等の圧力監視能力を有することができる。たとえば、前記弁は、前記弁内の流体圧力を連続的に監視する圧力変換器を含むことができる。前記圧力変換器は、特定の時点で、たとえば、アクチュエータが作動されるとき、前記弁が開放または閉鎖されるとき、または定義済みの間隔等の指定の時間に前記圧力を監視することもできる。前記アクチュエータが作動されるとき、または弁使用中の他の時点で、コントローラは、静的流体圧力を検知するために信号を前記変換器に送信できる。この静圧に基づいて、望ましい洗浄水量を達成するために洗浄時間(いくつかの例では、ソレノイド作動時間)が計算される。前記変換器は、前記動的流体圧力を監視し、前記洗浄時間を調整するために、前記洗浄中、電力供給が維持されることができる。さらに、前記コントローラは、前記弁内の前記内圧を間欠的に監視するために10分毎等の間欠的時間周期で電力を前記圧力変換器に供給するようにプログラムされることができる。
【0103】
前記変換器の前記圧力監視機能は、前記弁のためのメンテナンス機能として利用されることができる。たとえば、ダイヤフラム弁の内部部品は、典型的には経時的に摩耗し、その結果、ダイヤフラム弁を通る流体流が延長され、相当な量の水が無駄になる。多くの場合、そのような摩耗により、前記ダイヤフラムの入口側で前記弁内の水圧が増大するのに必要な時間に基づき前記ダイヤフラムを再封止するためにより長い時間がかかる。前記圧力変換器と通信している前記コントローラは、通常の洗浄が要求されかつ行われた後、の特定期間経過後に前記弁内の前記流体圧力を検出するようにプログラムされてもよい。前記ダイヤフラムの再封止および前記弁の閉鎖を行う必要な前記水圧を達成するために要求される典型的な時間範囲は、前記弁の通常の動作に基づき既知である。前記既知の期間での通常の洗浄後の前記圧力の比較により、前記弁の前記摩耗に関する情報を提供できる。たとえば、前記定義済みの期間後に検出された前記水圧が、既知の前記典型的な水圧値未
満である場合、前記弁は、点検または交換を必要としている可能性ある。この情報を含む信号は、中央処理ユニットに送信してよく、次に、前記中央処理ユニットは、点検が必要であることを前記メンテナンススタッフに知らせる警告を発生することができる。
【0104】
非制限的な実施形態において、前記弁は、前記水圧を検出し且つ当該水圧を一つ以上の値と比較することによって点検または交換を必要としていると決定することができる。たとえば、コントローラは、一つ以上の洗浄弁に関連付けることができる。前記コントローラは、前記洗浄弁内に位置する圧力変換器と通信しており、かつ動作後の前記弁内の水圧を検出するように構成することができる。いくつかの非制限的な実施形態では、前記圧力は、前記洗浄弁の動作後に特定の期間が経過したときに検出することができる。一例として、この期間は、通常の動作中に(たとえば、前記弁が新しいとき、またはそれ以外の場合では許容される動作状態内にあるとき)、前記洗浄弁が再封止されることになる時間であり得る。かかる期間は、所定値であってもよく、または他の例では、過去のデータ、前記弁の過去の作動に関連する期間、他の弁に関連する期間等から動的に決定されてもよいことが分かるだろう。
【0105】
非制限的な実施形態では、前記検出された圧力と比較される前記値は、様々な方法で決定および/または特定されることができる。たとえば、比較圧力値は、前記弁の作動前、前記弁の作動時、および/または前記洗浄弁の以前の作動後かつ前記洗浄サイクルの完了後に同じ洗浄弁から検出することができる。さらに、本明細書で説明されるように、前記比較圧力値は、一つ以上の他の洗浄弁の圧力、一つ以上の他の洗浄弁の圧力の平均等であってもよい。いくつかの非制限的な例では、前記比較圧力は、一つ以上の他の洗浄弁の圧力に加えて特定の弁に関する以前すなわち過去の圧力に基づいてもよい。そのような例では、前記一つ以上の他の弁の前記圧力値は、前記弁の検出圧力と当該弁の一つ以上の以前の圧力との間の差が何らかの外的要因(たとえば、建物全体、設備、またはそれらの一部に影響を及ぼす圧力低下)に起因しないことを検証するために使用することができる。前記比較圧力値は、前記洗浄弁に関連するコントローラを介して、または前記コントローラと通信しているリモートのデバイスまたはインターフェースを介してユーザによって設定されてもよい。たとえば、前記比較圧力は、中央コントローラのユーザインタフェースを介して、前記弁に対してローカルなコントローラを介して、および/または様々な他の方法で設定することができる。さらに、上記で説明したように、前記比較圧力は、洗浄期間にわたる圧力の変化を表す曲線を含んでもよい。前記曲線は、初期の圧力読み取りから決定さる新たな洗浄弁キットのプロファイルであってもよく、または特定の使用回数または履歴を有する洗浄弁の予期されるプロファイルであってもよい。
【0106】
非制限的な実施形態では、前記弁は、二つ以上の検出された圧力が、前記弁の一つ以上の以前の圧力未満である場合、または二つ以上の検出された圧力の前記差が指定の閾値よりも大きい場合、欠陥がありかつ点検または交換を必要としていると決定することができる。これらの実施形態では、前記弁に不具合があるか否かを決定する前に少なくとも一つの他の比較を待つことによって、誤ったアラームおよび誤った警告が回避されることができる。たとえば、第一の圧力が60PSIでありかつその次の検出された圧力が45PSIである場合、当該圧力の降下は、例外であることが決定される可能性がある。したがって、これらの非制限的な例では、第三の圧力(または所定数のさらなる圧力)が、前記弁に不具合があると決定する前に検知されることができる。たとえば、第三の圧力も45PSIである場合、前記弁に実際に不具合があることおよび45PSIの前記第二の圧力が例外ではなかったと決定されることができる。同様に、前記第三の圧力が60PSIである場合、45PSIの前記第二の圧力が例外であった、前記弁が点検または交換を必要としないと決定することができる。同様に、所定数のさらなる圧力が、また45PSIである、または60PSI未満である場合、前記弁に不具合があることを決定することができる。
【0107】
ここで
図4を参照すると、非制限的な実施形態に係る、洗浄弁が点検または交換を必要としていることを決定する方法が示されている。第一のステップ400では、前記洗浄弁が作動した後の定義済みの時点で当該洗浄弁内の水圧が検出される。上記で説明したように、前記定義済みの時間は、前記システムに予め設定することができ、または前記圧力を検出する前に何らかの他の方法で決定することができる。前記水圧は、前記洗浄弁の後続の作動の前に任意の時点で検出されてもよい。たとえば、前記水圧は、前記弁を作動するコマンドの受信に応答して当該弁を作動する前に検出されてもよい。前記水圧が、前記定義済みの時点で検出された後、当該圧力は、第二のステップ402にて、他の水圧値と比較される。一例として、前記検出された水圧は、前記弁の通常の(すなわち、不具合がない)作動に関連する典型的な水圧と比較されることができる。上記で説明したように、他の弁も、前記検出した水圧、たとえば、前記洗浄弁の以前に測定された水圧、当該洗浄弁と同じ設備にある別の一つの洗浄弁の圧力、複数の洗浄弁の圧力の平均等と比較されてもよい。
【0108】
図4を引き続いて参照すると、ステップ402での前記検出された水圧の他の水圧との比較の結果は、前記それぞれの圧力の値の間に差を生じ得る。ステップ404にて、前記差が、制限するわけではないが、定義済みの値のような閾値よりも大きい(または定義済みの許容範囲の外)か否かが決定される。圧力間の前記差が、前記閾値を超えない場合、または許容量を超えて前記閾値を超えない場合、前記弁に不具合はないまたは漏れまたは圧力差が最小でありかつ前記弁は点検または交換を必要としないと決定することができる。他の非制限的な実施形態では、許容値または閾値が使用されてなくてもよく、任意の圧力差が、弁に不具合があるという決定につながってもよく、または当該決定の要因としてもよいことが分かるだろう。前記差が前記閾値を超える場合、または圧力間に差がある場合、本方法は、ステップ406に進んでよく、このステップ406で、前記洗浄弁は点検または交換が必要であることが決定される。ステップ408で、警告が送られることができる。前記警告は、インジケーター光、eメール、電話呼び出し、テキストメッセージ、グラフィカルユーザインターフェースでの通知、データベースへの記録の形態であってもよいし、または任意の他の手段によってもよい。差がない場合または前記差が有意でない場合、本方法は、ステップ410で前記弁の次の洗浄後に繰り返すことができる。
【0109】
非制限的な実施形態において、かつ本明細書で記載するように、一つ以上の弁が共通のコントローラを共有できる。このような例では、一つの弁で検出された圧力は、別の弁に不具合がありかつ点検または交換が必要であるか否かを決定するために使用することができる。しかしながら、
図1に示す前記非制限的な実施形態等の別の例では、異なるコントローラは、複数の弁を作動するために使用することができ、かつ前記それぞれのコントローラは、様々な有線または無線技術およびプロトコルを使用して互いに通信していることしていることができる。さらなる例では、前記夫々のコントローラは、共通の中央コントローラと通信していることができる。非制限的な実施形態では、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、および/または他の無線通信プロトコルがコントローラ間で通信するために使用されることができる。他の弁からの圧力読み取りを使用することにより、同じ設備に設置された特定の弁に不具合があるか否か、または圧力の差が、たとえば、前記建物全体または設備に影響を及ぼす圧力降下等の何らかの他の理由に起因するのか否かの決定が支援される。
【0110】
図2を再び参照すると、非制限的な実施形態では、前記弁202、210は、いくつかの異なる構成において前記弁202、210の夫々のコントローラ204、212を介して互いに通信していることができる。トイレ器具データは、直接にまたは前記データを受信しかつ前記データを分配するローカルのおよび/またはリモートのコントローラを介して前記弁202、210間で共有することができる。このように、前記弁の前記コントローラは、当該弁のデータを他の弁からのデータと比較することによって誤りを検出できる。たとえば、一つのエリアに六つの弁がある場合、これら六つの弁は、一つの群とみなすことができ、これら弁の一つ以上のコントローラは、前記弁に不具合があるか、または点検(たとえば、トイレの詰まり、清掃の必要、トイレットペーパー切れ等)が必要であり得ることを示す例外または異常(たとえば、前記弁の一つが使用されていないがその他の弁が使用されている)を決定することができる。このように、清掃またはトイレットペーパー等の必要のような機械的または電気的に検出されることができない不具合は、他の器具に対する使用回数(または使用がないこと)に基づいて決定されることができる。
【0111】
さらに、当業者は、弁、ハンドドライヤ、ペーパータオルディスペンサ、トイレットペーパーホルダ、ソープディスペンサ等を含むがそれらに限定されない、トイレで使用される多くの他のデバイスが、本明細書で記載される本システムと本方法を使用して自動認識されることができる。このように、各デバイス、または中央プロセッサは、その他の同様に装備されたデバイスからのデータを比較でき、かつ不具合がある作動を示す例外および異常を検出して報告することができる。たとえば、前記システムは、前記弁が洗浄のために使用されているが、前記ハンドドライヤおよび/またはペーパータオルディスペンサが同様の頻度で使用されていないことを決定した場合、これらの器具の点検または交換が必要である可能性があると決定することができる。同様に、一つのトイレに複数のハンドドライヤおよび/またはペーパータオルディスペンサがあり、かつこれらの器具の内の一つ以上が、他の器具よりも使用頻度が少ない場合、これらの器具は、点検または修理が必要である可能性があると決定されることができる。類似のまたは異なるタイプの器具に関するトイレ器具データ間の様々な他の比較によって点検または修理の必要性を示すことができる可能性があることが分かるだろう。
【0112】
再び
図3を参照すると、好適かつ非制限的な実施形態では、前記システム1000は、様々なトイレ器具からの情報を集め、かつ通信プロトコルを介してそのような器具および他のデバイス(たとえば、洗浄弁216、218、220、222および/またはコントローラ224、226、228、230)を制御しかつプログラムするために使用される。たとえば、前記収集されたトイレ器具データは、データ記憶デバイス234に記憶されることができ、かつ水の消費量、作動の回数、メンテナンスが求められたとき(たとえば、バッテリの交換が必要、デバイスの故障等)、器具の圧力、および他の有用な分析情報を決定するために、一つ以上のアルゴリズムおよび/またはソフトウェアルーチンで処理されることができる。このトイレ器具データは、予防メンテナンス、点検呼び出し、注文部品等をスケジュール化するために使用されることもできる。いくつかの非制限的な実施形態では、そのようなスケジュール化は、少なくとも部分的に自動化することができる。一例として、ペーパータオルは、一つ以上のディスペンサの使用回数に基づいて自動的に注文することができる。
【0113】
前記トイレ器具216、218、220、222および/またはコントローラ224、226、228、230から集めることができる前記トイレ器具データは、洗浄回数、圧力、光、RFIDデータ、バッテリ電力、通信範囲、赤外線(IR)パルス回数、ソレノイド電流、通信状態/情報、位置、および/またはモード(たとえば、自動、マニュアルオーバーライド等)を含むがそれらに限定されない。非制限的な実施形態では、トイレ器具データは、器具が設置されている環境に関して検知および/または収集された情報も含むことができることが分かるだろう。そのような環境データは、たとえば、トイレの一つ以上のセンサで検出されるような周囲光レベル(たとえば、光度)、音響レベル、湿度等を含むことができる。
【0114】
好適かつ非制限的な実施形態では、前記トイレ器具データは、所与の期間における洗浄弁または他のトイレ器具の使用回数(たとえば、洗浄回数)を含む。たとえば、プログラムのカウンタは、洗浄弁が、当該弁または当該弁の部品(たとえば、ダイヤフラム)の前回の交換から使用されるたびにインクリメントすることができる。このように、水が流れ続けて無駄にならないように洗浄弁の故障前に、予防メンテナンスをスケジュール化しかつ実行することができる。交換および点検は、たとえば、RFIDタグ、バーコード、一つ以上のデータベースにおける一意の識別子等を含む様々な手段によって追跡することができる。バッテリ電圧を知りかつ追跡することによって、バッテリが寿命の終わりに近づいているか否かを決定することもでき、かつそのような決定に応答して、前記中央コントローラ732は、スタッフに交換を警告することができる。警告は、eメール、テキストメッセージ、ポップアップまたはプッシュ通知、ステータスライト等を介して達成することができる。
【0115】
さらに、トイレ器具データは、トイレ器具を構成しかつ最適化するために使用することができる。たとえば、検出された圧力および弁の使用/洗浄回数を用いて、前記弁のタイミングは、水の消費を最適化するように調整することができる。たとえば、前記水圧および前記使用回数から水の使用量を決定するために一つ以上のアルゴリズムが使用されることができる。この情報は、前記弁のタイミングを制限または設定するために使用することができる。タイミングシステムは、「Removable Time Adjusting Device,System,and Method for Adjusting an Electronic Plumbing Controller」と題する米国特許出願公開第2014/0379145号に記載されており、本米国特許出願公開はそのまま参照によって本明細書に援用される。洗浄弁の前記タイミングは、たとえば、洗浄前の静圧、前記洗浄弁の前記通水エリア、および前記洗浄中の前記動圧に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。このように、前記洗浄時間は、前記建物の圧力が前記洗浄中に変動したとしても、一回の洗浄当たり一貫した水量を提供するように調整することができる。
【0116】
図2を再び参照すると、非制限的な実施形態に係る洗浄トイレ200、208および関連するコントローラ204、212のシステム1000が示されている。前記洗浄弁202、210の各々は、内部に、前記洗浄弁202、210本体の一つ以上の領域内に一つ以上の圧力を測定するための一つ以上の圧力センサ(図示せず)が配置されている。圧力センサは、一つ以上の洗浄弁202、210に関連づけられているが、コントロールストップまたは前記洗浄弁202、210に接続された他の配管設備内等の前記洗浄弁202、210本体の外部に位置してもよい。前記コントローラ204、212は、夫々、前記洗浄弁を作動させて(たとえば、開放または閉鎖させる)前記一つ以上の圧力センサから測定値を得るようにプログラムされる。前記コントローラ204、212は、前記洗浄弁202、210に所与の時間(たとえば、1.5秒)で水を流すように最初にプログラムされることができる。洗浄弁202が洗浄弁210よりも多く使用されると、たとえば、前記洗浄弁202がより多く摩耗する可能性がある。したがって、一貫した洗浄量を提供するために、一つ以上の洗浄弁202、210に対して定義済みの洗浄時間を調整することが望ましい。そのような調整は、前記圧力および/または使用量が一つ以上の定義済み値の許容量内であること決定すると、自動的に行われることができる。前記洗浄時間は、連続的に、または他の例では、スケジュールされた間隔で周期的に調整することができる。様々な配置が可能であることが分かるだろう。
【0117】
洗浄弁202、210の前記通水エリアは、たとえば、米国特許第9,389,157号に記載されているような、前記弁の上部室内のバイパス孔の前記通水エリアを含むことができる。この通水エリアが時間経過にしたがって摩耗するにつれて、前記上部室が満たされる時間が短くなり、したがって、より少ない水でより短い洗浄となる可能性がある。これは、前記ソレノイドが閉鎖しかつ前記上部室が満杯になり前記弁を封止してからの遮断時間に基づいて知ることができる。このように、前記弁が複数回の使用によって摩耗すると、前記アルゴリズムが、一貫した洗浄を提供するために前記洗浄弁の前記通水エリアに関して調整されることができるので、洗浄の回数も、洗浄時間を決定するために使用することができる。一例として、通常の遮断時間が1.5秒であり、前記遮断時間が1.0秒である点まで前記通水エリアが摩耗されると、前記洗浄時間は、一貫した洗浄を提供するために0.5秒だけ調整することができる。逆に、前記バイパス孔が摩耗されないが、水が本管から前記弁に流れる箇所で前記弁本体が摩耗されると、前記水の使用量が増加する(たとえば、望ましい1.6ガロンではなくて1.7ガロン)。
【0118】
前記コントローラ204、212は、前記動圧が、以前よりも低いことを決定することができ、この決定に応答して、前記設備(fixture)に対して大きくなった通水エリアを補償しかつ水使用量の低減を維持するために前記洗浄時間をより短い洗浄時間に調整できる。したがって、洗浄時間は、前記弁内の一つ以上の圧力、洗浄弁の使用量、および/または任意の他のトイレ器具データに基づいて調整することができる。一例として、プログラムのカウンタが定義済みの使用回数に達すると、洗浄時間に対する調整が自動的に行われることができる。そのようなカウンタは、アクチュエータの作動、ハンズフリーセンサの起動、水圧変動等によって示されるように、前記洗浄弁が作動される度に、インクリメントすることができる。このように、独立して前記使用回数は、前記洗浄時間に影響を及ぼすことができ、他の非制限的な例では、前記使用回数は、前記洗浄弁に配置されたまたは前記洗浄弁に関連して一つ以上の圧力センサから得られた一つ以上の圧力と共に調整される洗浄時間要因となることができる。他の例では、洗浄時間に対する調整は、トイレットペーパーの使用量および/または残量(たとえば、重量または嵩によって決定されるように)に基づいて、自動的に行うことができる。前記洗浄時間を調整するために任意のタイプのトイレ器具データが使用されることができることが分かるだろう。
【0119】
非制限的な実施形態では、器具および/または水の使用量を制御するために一つのエリアに関する総圧力が使用できる。たとえば、ある配管ネットワークに関する総水圧を知ることによって、最適圧力を確保するために弁の前記起動が制限または調整されることができる。一例として
図3を参照すると、複数の洗浄弁216、218、220、222の前記圧力は、トイレで監視することができ、かつ前記洗浄弁のタイミングを制御するために使用することができる。そのような例では、前記トイレの前記水圧が複数回の使用によって低くなると、一つ以上のコントローラ224、226、228、230、232は、前記圧力が安定するまで、または定義済みの時間が経過するまで他の弁の前記洗浄を制限できる。たとえば、弁216、218、220が使用されており、かつ全ての弁に利用可能な合計の水圧が低い場合、弁222の使用は前記圧力が安定するまで制限されることができる。前記圧力は、制限するわけではないが、時間、使用量等の一つ以上のパラメータに基づいて傾向および/またはパターンを決定するために分析してもよい。検出された圧力を傾向および/または過去のデータと比較することによって、本システムは、例として、弁が作動しているかまたは漏れているかを決定でき、かつ緊急事態または点検の必要性に対する警告を発することができる。
【0120】
図3を参照して、好適かつ非制限的な実施形態において、前記複数の洗浄弁216、218、220、222から受信した前記トイレ器具データは、前記洗浄弁の各々のソレノイド電流を含むことができ、前記コントローラ232は、そのような電流の傾向およびパターンを決定するために前記ソレノイド電流を分析できる。この電流情報を使用して、前記コントローラ232は、ソレノイドが故障しているか否かを決定できる。たとえば、過去の電流が実際の電流と比較される場合、この比較に基づいて、前記電流が増加していると決定できる。前記増加する電流傾向に基づいて、前記ソレノイドが故障しているまたは故障している可能性が有ることを決定できる。たとえば、検出された電流の前記傾向が、電流の大きな増加を示す場合、前記ソレノイドが開放せずおよび洗浄が行われなかったと決定できる。前記ソレノイドコイルに電力が供給されると電流が増加し、前記電流傾向の小さな「低下」は、前記プランジャが前記弁の弁座から離れた瞬間を表す。したがって、本システムは、前記ソレノイドまたは前記プランジャにエラーまたは不具合があるか否かを決定しかつ点検または交換が必要であると決定するために過去の電流傾向を分析できる。たとえば、60PSIで、電流における前記小さな「低下」が一貫して0.3秒で発生し、次に、増加する(たとえば、0.4秒まで、次に、0.5秒まで)場合、エラーまたは不具合があると決定できる。本システムが、電流の前記小さな「低下」を認識しない場合、前記プランジャが動かず、したがって、動けなくなっていること、または前記コイルのソレノイド巻線が故障したこと、および点検または交換が必要であることを決定できる。
【0121】
ここで
図5を参照すると、別の非制限的な実施形態に係る、洗浄弁が点検または交換が必要であることを決定する方法が示されている。第一のステップ500で、少なくとも一つの第一の水圧が、前記洗浄弁の少なくとも一回の作動後に検出される。たとえば、このステップは、前記洗浄弁の作動の続く期間に一回の水圧を検出すること、または前記洗浄弁の連続する作動に続く連続する水圧を検出することを伴うことができる。前記一つ以上の水圧が、第二のステップ502でメモリに記憶される。第三のステップ504で、前記弁の後続の作動後に後続の水圧が検出される。たとえば、前記後続の作動は、ステップ500の作動に続く次の作動であってもよく、ステップ500の前記作動よりも後の他の作動であってもよい。次のステップ506では、前記後続の水圧は、ステップ502でメモリに記憶された前記少なくとも一つの第一の水圧と比較される。このステップ506は、前記後続の水圧を以前の水圧に比較すること、前記後続の水圧を以前の水圧の平均と比較すること等を伴う可能性がある。いくつかの例では、ステップ502で記録された前記以前の水圧は、前記洗浄弁の前記後続の作動の直前でもよいし、および他の例では、ステップ502に記録された前記以前の水圧は、前記洗浄弁のもっと前の作動からでもよい。様々な他の配置が可能である。
【0122】
図5を引き続き参照すると、次のステップ508で、検出された前記後続の水圧が以前に検出されかつ記録された前記少なくとも一つの第一の水圧未満であるか否かが決定される。このステップ508は、いくつかの例では、前記後続の水圧が前記少なくとも一つの第一の水圧未満であるか否か、または前記圧力の差が定義済みの閾値を超えるか否かを決定することを伴う可能性がある。たとえば、前記定義済みの差が5PSIであり、前記後続の水圧は58PSIであり、かつ前記以前の水圧(または以前の水圧の平均)が60PSIである場合、前記後続の水圧と前記以前の水圧との前記差が前記5PSIの閾値以内であり、したがって、前記洗浄弁には不具合がないと決定することができる。しかしながら、他の例では、定義済みの差が前記決定の要因としなくてもよく、以前の水圧未満の水圧であれば、前記洗浄弁に不具合があることを決定するには充分であり得ることが分かるだろう。したがって、前記後続の水圧が一つ以上の以前の水圧未満であることが決定すると(または前記差が定義済みの閾値を超える場合)、本方法は、ステップ510に進み、このステップ510で、前記洗浄弁が点検または交換を必要としていることが決定される。ステップ512で、前記洗浄弁が点検または交換を必要としていること示す警告が発生されるおよび/またはリモートのデバイスに送信されることができる。ステップ508で、前記水圧が一つ以上の以前の水圧以上である場合(または、前記差が閾値未満である場合)、本方法は、次の洗浄514を通して続き、ステップ504から繰り返す。この例では、前記後続の水圧は、以前の水圧になることができ、新たな後続の水圧が前記洗浄弁の次の作動に関して検出される。他の変形が可能である。
【0123】
ここで
図6を参照すると、他の非制限的な実施形態に係る、洗浄弁の点検または交換が必要であることを決定する方法が示されている。第一のステップ600で、複数の水圧が複数の洗浄弁の各々から検出される。前記複数の洗浄弁は、たとえば、共通の設備に設置されることができる。前記複数の水圧は、次のステップ602でメモリに記録される。ステップ604で、前記設備の洗浄弁の水圧は、前記弁の作動に続く時点で検出される。次のステップ606で、前記検出された水圧が、ステップ600で検出された前記複数の水圧のうちの一つ以上と比較される。前記水圧の前記比較は、前記水圧間の差を生じ得る。いくつかの例では、前記複数の水圧の平均は、比較のために使用されてもよいし、他の例では、前記複数うちの一つ以上の水圧が使用されてもよい。ステップ608で、前記検出された水圧と前記水圧との間の前記差が定義済みの閾値よりも大きいか否かが決定される。前記差が前記閾値よりも大きい場合、本方法は、ステップ610に進むことができ、前記ステップ610で、前記洗浄弁の点検または交換が必要であることが決定される。ステップ612で、前記洗浄弁が点検または交換を必要としていることを示す警告が発生されるおよび/またはリモートのデバイスへ送信されることができる。ステップ608で、前記水圧が一つ以上の以前の水圧以上である場合(または、前記差が定義済みの閾値未満である場合)、本方法は、前記次の洗浄614を通して続き、ステップ604から繰り返す。
【0124】
ここで
図7を参照すると、別の非制限的な実施形態に係る、洗浄弁の点検または交換が必要であることを決定する方法が示されている。第一のステップ700で、複数のトイレ器具の使用が、各器具に関連する一つ以上のセンサで検出される。使用とは、たとえば、洗浄、ペーパータオルまたはソープの分配、蛇口の開放等であり得る。ステップ702で、前記器具の使用データは、中央データ記憶デバイスおよび/または前記器具に対してローカルのメモリに記憶される。使用データは、使用発生時に器具から直ちに送信されることができ、または、他の例では、器具は、ある期間に使用データを周期的に送信してもよいことが分かるだろう。さらに、非制限的な実施形態では、トイレ器具の使用は、一つの器具または一組の器具に帰属する、送水管内の圧力の変化を検出するセンサ等の、前記器具の外部にある一つ以上のセンサで検出されることもできる。次のステップ704で、トイレ器具の前記使用データは、少なくとも一つの他のトイレ器具からの使用データと比較される。たとえば、ある期間のトイレ器具の使用回数が、近くの器具の使用回数未満であるか否か、または複数の器具の使用回数の平均値または中央値未満であるか否かが決定されることができる。
【0125】
図7を引き続いて参照すると、次のステップ706で、使用量のわずかな差と使用量の有意な差とを区別するために使用データ中の前記差が定義済みの許容値(たとえば、n回の使用またはnパーセント)よりも大きい(またはそれに等しい)か否かが決定される。前記差が定義済みの許容値よりも大きい(またはそれに等しい)場合、本方法は、ステップ708へ進み、前記トイレ器具が点検または交換を必要としていることが決定される。ステップ710で、前記トイレ器具が点検または交換を必要としていることを適切な人員に通知するために警告が発生される。ステップ706で、使用データの前記差が定義済みの許容値未満であり、したがって、何らかの懸念を引き起こすほど有意ではないことが決定されると、本方法は、ステップ712で前記次のトイレ器具に進み、当該次の器具にてステップ704を再開する。
【0126】
ここで
図8を参照すると、好適かつ非制限的な実施形態に係る洗浄弁の洗浄時間を調整する方法が示されている。第一のステップ800で、前記洗浄弁が作動されていないときに、静圧が得られる。前記静圧は、洗浄前または洗浄の完了に続く定義済みの時点で得ることができる。前記静圧は、前記洗浄弁に配置されたまたは前記洗浄弁に関連付けられた一つ以上の圧力センサによって得ることができる。ステップ802で、前記洗浄弁の作動は、たとえば、洗浄アクチュエータの作動、ハンズフリー信号の起動等によって検出される。前記洗浄中、動的洗浄弁圧力がステップ804で得られる。前記動的洗浄弁圧力は、前記洗浄作動直後にまたは洗浄作動の検出から定義済みの間隔で得ることができる。ステップ806で、プログラムのカウンタは、前記洗浄弁が使用された回数をカウントするためにインクリメントされる。このカウンタは、所与の期間にわたっての洗浄回数を表すことができ、かつ前記洗浄弁が修理または交換されるときにリセットすることができる。ステップ810で、前記コントローラは、洗浄作動中に使用されている水量を決定する。この決定は、前記静圧、動圧、前記洗浄弁の通水エリア、洗浄の回数、前記水量を測定するフローメータ等を含むがそれらに限定されない多くのパラメータに基づくものでもよい。
【0127】
前記洗浄弁が使用されると、使用される水量が増加し得る。このように、一非制限的な例では、特定の洗浄値に関して、x回の使用(たとえば、1,000)により、典型的には、水量がy増加する(たとえば、0.1ガロン)ことを決定するためにモデルを採用することができる。異なるタイプの弁、利用可能水圧、および使用のタイプは、全て、一回の洗浄で使用される水がいくらかを決定する要因としてもよいことが分かるだろう。
図8を戻って参照すると、ステップ812で、一回の洗浄で使用された水の量が閾値nを超えるか否かが決定される。たとえば、前記閾値は、たとえば、0.1ガロンまたは別の許容値以上の差が、前記洗浄時間を調整することを必要とするのに十分有意であるように水の典型的な使用量(たとえば、一回の洗浄当たり1.6ガロン)からの定義済みの許容値であることができる。前記水使用がこの閾値および/または許容値を超えていることが決定されると、本方法は、ステップ814に進み、調整された洗浄時間が決定される。前記調整された洗浄時間は、たとえば、洗浄中に使用された水量、前記洗浄弁の通水エリア、前記洗浄弁の使用回数、前記弁内から得られた一つ以上の圧力(たとえば、静圧および/または動圧)、または他の要因等の多くのパラメータに基づくことができる。前記調整された洗浄時間は、水使用に基づく定義済みのインクリメンタルな変化であることも分かるだろう。たとえば、水の使用量が0.1ガロン超過する毎に、前記洗浄時間が0.5秒だけ減少することができる。前記調整された洗浄時間は、様々な他の方法で決定することができることが分かるだろう。ステップ816で、前記コントローラは、前記洗浄弁の前記洗浄時間を調整する。
【0128】
ここで
図9を参照すると、別の非制限的な実施形態に係る洗浄弁の洗浄時間を調整する方法が示されている。この例では、前記洗浄弁の使用回数は、洗浄時間の変化に相関させる。ステップ900で、前記洗浄弁の作動が検出される。プログラムのカウンタがステップ902でインクリメントされる。ステップ904で、前記コントローラは、前記カウンタが定義済みの値、たとえば、nに達したか否かを決定する。前記カウンタがこの値以上である場合、本方法は、ステップ906に進み、前記洗浄時間が定義済みのインクリメンタルな変化(たとえば、1000回の使用毎に0.5秒)に基づいて、または使用回数、一つ以上の内圧、前記弁の前記通過エリア、フローメータ等であるがそれらに限定されない他の要因に基づく動的に決定された洗浄時間に基づいて調整することができる。
【0129】
ここで
図10Aから
図10Cを参照すると、非制限的な実施形態に係るチャートが示されている。
図10Aから
図10Cのチャートは、異なる圧力による弁の洗浄時間にわたる流量、圧力および水量の変化を表す。前記チャートに示す曲線は、洗浄時間にわたる圧力、流量および水量間の関係を表しており、いつ前記洗浄弁を交換または修理する必要があるか、または最適な洗浄水量を得るために圧力および/または洗浄時間がどの程度調整されることが必要であるかを決定するために作動洗浄弁と比較されるために使用されることができる。
図10Aの曲線は、定圧弁に対するものであり、曲線(A)は、55psiでの単一設備(fixture)の弁の流量を表し、曲線(B)は、80psiでの単一設備の弁の流量を表し、曲線(C)は、55psiでの単一設備の弁の圧力変化を表し、曲線(D)は、55psiでの単一設備の弁の水量を表し、曲線(E)は、80psiでの単一設備の弁の水量を表し、かつ曲線(F)は、80psiでの単一設備の弁の圧力変化を表す。
図10Aに見られるように、3.27秒では、前記80psi設備(曲線(E))は、1.26ガロンの水を使用しており、当該量は前記曲線より下の領域によって表される。3.79秒では、前記55psi設備(曲線(D))もまた同じ水量(1.26ガロン)を使用している。
【0130】
図10Bに示す曲線は、実質的に同時に作動する定圧弁に関するものであり、曲線(A)は、55psiでの単一設備の弁の流量を表し、曲線(B)は、曲線(A)によって表される前記弁と実質的に同時に作動する55psiでの単一設備の弁の流量を表し、曲線(C)は、55psiでの単一設備の弁の圧力変化を表し、曲線(D)は、55psiでの単一設備の弁の水量を表し、曲線(E)は、曲線(A)によって表される前記弁と実質的に同時に作動する55psiでの単一設備の弁の水量を表し、かつ曲線(F)は、曲線(A)によって表される前記弁と実質的に同時に作動する55psiでの単一設備の弁の圧力変化を表す。
図10Bに見られるように、両方の弁の前記水量は、前記第一の弁(曲線(D))が洗浄をほぼ終了するまで、実質的に相関がある。このように、1.26ガロンの同じ洗浄水量に達するために、前記第二の洗浄弁が3.99秒かかるのに対して、前記第一の洗浄弁は3.79秒かかる。曲線(C)と曲線(F)を比較することにより、前記第一の弁を洗浄すること(曲線(C)で表される圧力)で、前記第二の弁に利用可能な前記圧力(曲線(F)によって表される圧力)が下がり、それによって前記洗浄を完了するためにより長い時間がかかることが示される。
【0131】
図10Cに示す前記曲線は、定圧弁および可変圧力弁に関するものであり、曲線(A)は、55psiでの単一設備の弁の流量を表し、曲線(B)は、可変圧力で作動する単一設備の弁の流量を表し、曲線(C)は、55psiでの単一設備の弁の圧力変化を表し、曲線(D)は、55psiでの単一設備の弁の水量を表し、曲線(E)は、可変圧力で作動する単一設備の弁の水量を表し、かつ曲線(F)は、可変圧力で作動する単一設備の弁の圧力変化を表す。
図10Cの曲線(D)で見られるように、1.26ガロンの水で洗浄するために55psiで作動する前記弁では3.79秒かかる。逆に曲線(D)は、可変圧力で作動する弁を使用して同じ水量の水で洗浄するために4.14秒かかることを示している。
【0132】
非制限的な実施形態において、かつ本明細書で記載するように、トイレ器具データは、器具が設置される環境に関して器具によって検知および/または収集される情報を含むことができる。一例として、いくつかのトイレ器具は、バッテリによって電力が供給されることができ、前記トイレ器具データは、バッテリ電力を節約するために使用されることができる。非制限的な実施形態では、トイレ器具(たとえば、洗浄弁、ペーパ-タオルディスペンサ、ハンドドライヤ、ソープディスペンサ、蛇口等)はハンズフリー起動のために赤外線(IR)センサを含むことができる。そのような実施形態では、前記IRセンサの高周波パルスは、前記バッテリを消耗させる可能性がある。したがって、前記器具内のセンサまたは前記器具の近傍のセンサによって検出される周囲光レベルは、前記光がオンであるかオフであるかを決定するために使用することができ、前記光がオフの場合、IRパルスの周波数は、バッテリ電力を節約するために減少する、またはさらには停止することができる。逆に、非制限的な実施形態では、前記光がオンであることの検出により、前記器具を作動する(たとえば、「起こす」)ことができる。前記器具は、そのような状況においてスリープモードに入るように構成することもでき、前記スリープモードは、IRパルスの周期の低下および/または他のエネルギー節約機能を含むことができることが分かるだろう。さらに、前記器具同士がデータを交換できるので、前記光がオフであることを一つの器具が検出すると、前記他の器具は、前記IRセンサの前記パルス周波数を減少することで反応することができる。器具が使用により作動されると、一つ以上の信号が前記トイレの残りの器具に送られて当該残りの器具も起動することができる。これらの技術は、前記センサの前記周波数を減少する、または前記センサに供給されるエネルギー量を減少することによって、たとえば、容量センサを含むエネルギーを消費する他のタイプのセンサに対して使用することができることが分かるだろう。
【0133】
非制限的な実施形態では、IRセンサまたは他の近接センサは、洗浄中に使用される前記水量を調整するために使用することができる。たとえば、人がトイレの前に立っているか、または前記トイレに座っているかを前記器具に対する当該人の近接性に基づいて決定するためにセンサが使用されることができる。前記人が立っていると決定すると、前記人が排尿しており、より少ない量の水を洗浄中に使用することができると推測することができる。洗浄中に使用される前記水量を調整するために他のタイプのトイレ器具データも使用されることができる。たとえば、尿洗浄の頻度は、トイレが通常より混雑しているときに、水の使用がより少なくなるように前記水を調整するために使用されることができる。前記水使用の減少は少なくとも部分的に、前記使用頻度に基づくことができる、あるいは、前記使用頻度に基づく複数の使用モードがあってもよい。これは、例として、トイレがイベント中は混雑し、他のときではあまり混雑しないスタジアムまたは他のイベント会場で使用することができる。
【0134】
別の非制限的な実施形態では、本システムは、人々の携帯電話または他のモバイルデバイスを検出するようにプログラムまたは構成される、前記トイレ内または前記トイレの近傍のネットワークデバイスを含むことができる。そのような例では、当該ネットワークデバイスは、例として、前記トイレ内のモバイルデバイスを有する人々の数を決定するためにWi-Fiネットワークを検索している前記デバイスまたはBluetooth(登録商標)デバイスからの信号を検出できる。したがって、前記トイレ内の人数が定義済みの閾値を満たすまたは超える場合に、前記水の使用量が減少されることができる。モバイルデバイスから放出される様々な他の信号が使用されることができ、いくつかの例では、前記ネットワークデバイスが信号を能動的に放出していない受動モバイルデバイスを起動および検出するために一つ以上の信号を送信できる。
【0135】
ここで
図11を参照すると、非制限的な実施形態に係る複数の洗浄弁216、218、220、222のタイミングを調整するシステム1002が示されている。エリア1102は、複数の洗浄弁216、218、220、222を含み、各洗浄弁は、関連するコントローラ224、226、228、230を有する。前記洗浄弁216、218、220、222は、一つ以上の便器、小便器、または他の同様なトイレ器具と流体連通している。前記コントローラ224、226、228、230は、コンピュータシステム、サーバ、または他のタイプのデータプロセッサ等の中央コントローラ232と通信している。前記中央コントローラ232は、前記コントローラ224、226、228、230に対してローカルにまたはリモートに配置されることができ、ネットワークデバイス1100と通信していることできる。前記コントローラ204、212も、直接にまたは間接的に互いに通信できることが分かるだろう。さらに、前記中央コントローラ232、ネットワークデバイス1100、洗浄弁216、218、220、222、およびコントローラ224、 226、228、230は、
図11の前記エリア1102内に配置されているのが示されているが、これらのコンポーネントは、異なる場所に配置されてもよいことが分かるだろう。非制限的な例では、前記エリア1102は、トイレであるか、またはトイレを含む。他の例では、前記エリア1102は、トイレまたは当該トイレに配置された前記洗浄弁216、218、220、222を含まなくてもよく、代わりに、前記トイレに近接する、人々が集まっている領域であってもよい。いくつかの例では、前記エリア1102は、建物または建物群であってもよく、他の例では、前記エリア1102は、建物の一部(たとえば、床、翼、部屋等)であってもよい。
【0136】
引き続いて
図11を参照すると、前記ネットワークデバイス1100は、範囲内にあるモバイルデバイス1104、1106、1108、1110、1112を検出するために使用される。前記ネットワークデバイス1100は、無線信号を受信および/または送信できる無線ネットワークゲートウエイ、コンピュータ、別のモバイルデバイスまたは他のシステムまたはデバイスであり得る。前記モバイルデバイスは、たとえば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップ、スマートウオッチ、および任意の他のタイプのモバイル電子デバイスを含むことができる。非制限的な実施形態では、前記ネットワークデバイス1100は、無線ネットワークまたは無線デバイス(たとえば、Wi-Fi(登録商標)ネットワーク、Bluetooth(登録商標)デバイス等)を検索しているモバイルデバイス1104、1106、1108、1110、1112からの信号を受信できる。さらに、前記ネットワークデバイス1100は、セルラー信号、無線インターネット信号等の他の無線信号を監視することもできる。いくつかの非制限的な実施形態では、前記ネットワークデバイス1100は、リクエスト信号を送信することによって一つ以上のモバイルデバイス1104、1106、1108、1110、1112を起動するようにプログラムまたは構成することができる。たとえば、前記リクエスト信号は、ポーリング信号、起動信号、および/またはモバイルデバイスから応答を引き出すように構成された任意の他のタイプの信号であってもよい。たとえば、前記リクエスト信号は、応答信号を引き出すものとペアリングすべきデバイスを検出するBluetooth(登録商標)信号であってもよい。当業者は、前記ネットワークデバイス1100に近接する、または前記エリア1102内またはその近くに配置された前記モバイルデバイス1104、1106、1108、1110、1112を検出するための他の配置が可能であることが分かるだろう。
【0137】
さらに
図11を参照すると、非制限的な実施形態では、前記中央コントローラ232は、前記ネットワークデバイス1100と通信し、かつ前記モバイルデバイス1104、1106、1108、1110、1112から前記ネットワークデバイス1100によって受信された前記無線信号を受信しかつ処理する。前記中央コントローラ232は、前記モバイルデバイス1104、1106、1108、1110、1112に一つ以上のプロパティを決定するために前記無線信号を分析するようにプログラムまたは構成される。たとえば、前記中央コントローラ232は、前記無線信号を介して送信されるデバイス識別子を抽出するために当該無線信号を分析することができる。デバイス識別子は、モバイルデバイスまたは当該モバイルデバイスのユーザを一意に識別する一意のデバイスID(たとえば、UDID、ESN、IMEI、IPアドレス等)を含むことができ、かつ任意の他の方法で、メッセージパケットのヘッダに埋め込まれる、または信号に符号化されることができる。デバイス識別子は、広告識別子(たとえば、IDFA、AAID等)を含んでいてもよい。前記受信無線信号から抽出されたデバイス識別子に基づいて、前記中央コントローラ232は、前記エリア1102にある、またはその近傍にある一意のデバイスの数を決定できる。
【0138】
前記中央コントローラ232が、前記エリア1102にある、またはその近傍にあるモバイルデバイス1104、1106、1108、1110、1112の数を決定すると、次に、前記中央コントローラ232は、前記トイレを使用している可能性がある前記推定人数を補償するために前記洗浄弁216、218、220、222の前記洗浄時間が調整される必要があるか否かを決定する。非制限的な実施形態では、検出されたモバイルデバイス1104、1106、1108、1110、1112の前記数が一つ以上の閾値または範囲と比較される。一例として、かつ
図11を参照して、閾値が5である場合、検出されたモバイルデバイス1104、1106、1108、1110、1112の前記数は、この閾値を満たすまたは超えていることになる。モバイルデバイスの前記数が前記閾値を満たすまたは超えるとの決定に応じて、前記洗浄弁216、218、220、222の内の一つ以上の前記洗浄時間が、より短い洗浄時間に調整されることができ、それによって、一回の洗浄当たりより少ない水を使用する。前記洗浄時間は、前記調整された洗浄時間を一つ以上の洗浄弁コントローラ224、226、228、230に通信することによって調整することができる。いくつかの例では、前記洗浄時間を調整するために前記コントローラ224、226、228、230に、制御信号が通信されることができる。他の例では、前記中央コントローラ232は、各洗浄弁216、218、220、222の内の前記ソレノイドを制御でき、したがって、前記洗浄時間自体を調整できる。
【0139】
前記閾値に対して異なる値が使用されることができ、かつ複数の閾値が使用されることができることが分かるだろう。たとえば、より多くのモバイルデバイスが検出されると、前記洗浄時間がより短くなるように、異なる閾値は、異なる調整洗浄時間に対応できる。前記閾値は、定義済みのものでもよく、または他の利用可能データに基づいて動的に生成されてもよい。さらに、前記中央コントローラ232は、前記モバイルデバイス検出数が閾値以下であるか否かを決定することもでき、当該決定に応じて、より少ない人数を補償する(たとえば、より多くの水が使用できる)ように前記洗浄時間が調整されることができる。このように、前記前記洗浄弁216、218、220、222の前記洗浄時間は、前記トイレに対して想定されたまたは予期された要求に基づいて繰り返し調整することができる。イベントに対して多くの人々が存在すると、たとえば、前記洗浄時間は、十分な水圧量があることを保証するために調整することができる。同様に、前記イベントが終了し、人々が前記会場を去り始めると、前記洗浄時間は、より少ないユーザに対して補償するために再び調整することができる。
【0140】
ここで
図12を参照すると、非制限的な実施形態に係る、複数の洗浄弁のタイミングを調整する方法のフロー図が示されている。ステップ1202で、エリア内のモバイルデバイスから無線信号が検出される。前記無線信号は、ステップ1204で分析される。上記で説明されたように、前記無線信号は、モバイルデバイスの一意のデバイス識別子または任意の他の一意のプロパティを決定するために分析することができる。ステップ1206で、前記信号の前記分析に基づいてモバイルデバイスの数が決定される。たとえば、一意のデバイス識別子または別個の信号の数がカウントされることができる。次に、ステップ1208で、前記モバイルデバイスの数が一つ以上の閾値と比較される。前記モバイルデバイスの数が一つ以上の閾値を満たさないまたは超えない場合、本方法は、ステップ1202に戻り、さらなる無線信号が検出される。ステップ1208で、前記モバイルデバイスの数が一つ以上の閾値を満たすまたはそれを超える場合、本方法は、ステップ1210に進み、調整された洗浄時間が決定される。前記調整された洗浄時間は、複数の可能な洗浄時間から識別されてもよく、または定義済みの洗浄時間(たとえば、「高水量」「低水量」または「基準」の洗浄時間)であってもよく、および/または前記モバイルデバイスの数および/または他の利用可能なデータに基づいて動的に決定されてもよい。ステップ1212で、前記洗浄時間は、トイレの一つ以上の洗浄弁に対して調整される。
【0141】
図11に戻ると、エリア1102内の個人の数は様々な他の方法で決定することができかつ予期された使用量の増加を補償するために洗浄弁216、218、220、222のタイミングを調整するための使用することができることが当業者には分かるだろう。たとえば、建物のエントランスのセンサが、個人が当該建物に入るときに個人をカウントし、前記洗浄時間を調整するために当該個人の数を使用することができる。他の例では、エリア1102の配信動画を分析し、推定人数を決定するために一つ以上の画像処理アルゴリズムが使用されることができる。前記洗浄弁216、218、220、222の使用量の予期される需要は、水飲み器、蛇口等の他の器具に対する前記需要によって決定されてもよい。他の例では、前記洗浄弁216、218、220、222の使用量の予期される需要は、会場ネットワークを通して得られる、アプリケーションプログラムインターフェース(API)を通して受信される等のような、チケット販売データ、食べ物および/または飲み物販売データ、自動販売機販売データ等のような販売データから決定することができる。エリア1102内の前記個人の数をカウントするまたは推定する他の方法が使用されてもよい。
【0142】
上記説明で開示された概念から逸脱することなく、本発明に対して変更がなされることができることは、当業者はすぐに分かるだろう。たとえば、上記の前記機械的および電子的な逃がしデバイスの様々な部品は、同じ弁で共に使用されることができる。したがって、本明細書で詳細に記載された前記特定の実施形態は、一例に過ぎず、本発明の範囲に対する限定ではなく、本発明には、前記添付の請求項および当該請求項のありとあらゆる均等物の最大限の範囲を与えるべきである。