(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】室内ゴルフ場及びベースプレート
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20230615BHJP
【FI】
A63B69/36 522A
A63B69/36 521A
(21)【出願番号】P 2022135125
(22)【出願日】2022-08-26
【審査請求日】2022-11-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年10月6日に、有限会社ウエスト・アイのウェブサイト(https://www.west-i.co.jp/)にて、発明の概要を公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522341621
【氏名又は名称】有限会社ウエスト・アイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100173510
【氏名又は名称】美川 公司
(72)【発明者】
【氏名】石井 勲
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-091750(JP,U)
【文献】実開昭58-095866(JP,U)
【文献】特開2012-235985(JP,A)
【文献】特開2017-025560(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0125121(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
A63B 71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが打席を含むブースが複数並列されてなる室内ゴルフ場であって、
各前記ブースが、当該各ブースの四隅に鉛直方向に立てられた支柱と、当該各支柱の上端同士を方形に接続し且つ当該各支柱に溶接された枠体と、を備え、当該支柱及び当該枠体により相隣接する他の前記ブースから画されており、
各前記支柱の下端を床にそれぞれ固定するための当該支柱ごとのベースプレートを更に備え、
各前記ブースを画するネットが固縛されるネット固定部を有するアンカーが、各前記ベースプレート、及び前記支柱の上部又は前記枠体にそれぞれ溶接されて
おり、
前記ベースプレートは平面視四角形であり、
相隣接する前記ブースで共有される前記支柱が当該ベースプレートの外側端辺における共有方向の中心に鉛直方向に溶接されており、
前記ベースプレートの各角には、当該ベースプレートをボルトにより前記床に固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、
前記アンカーが、前記ベースプレートにおける共有方向の中心に溶接されて固定されていることを特徴とする室内ゴルフ場。
【請求項2】
それぞれが打席を含むブースが複数並列されてなる室内ゴルフ場であって、
各前記ブースが、当該各ブースの四隅に鉛直方向に立てられた支柱と、当該各支柱の上端同士を方形に接続し且つ当該各支柱に溶接された枠体と、を備え、当該支柱及び当該枠体により相隣接する他の前記ブースから画されており、
各前記支柱の下端を床にそれぞれ固定するための当該支柱ごとのベースプレートを更に備え、
各前記ブースを画するネットが固縛されるネット固定部を有するアンカーが、各前記ベースプレート、及び前記支柱の上部又は前記枠体にそれぞれ溶接されており、
前記ベースプレートは平面視四角形であり、
前記室内ゴルフ場の角部にある前記支柱が当該ベースプレートの当該角部に対応する角に鉛直方向に溶接されており、
前記ベースプレートの他の角には、当該ベースプレートをボルトにより前記床に固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、
前記アンカーが、前記ベースプレートにおける前記支柱の溶接位置と当該溶接位置に対向する当該ベースプレートの外側角との間の位置に溶接されていることを特徴とする室内ゴルフ場。
【請求項3】
請求項
1又は請求項
2に記載の室内ゴルフ場の設営に用いられる前記ベースプレートであって、前記固定用穴が空けられ、且つ前記支柱及び前記アンカーが溶接されていることを特徴とするベースプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内ゴルフ場及びベースプレートの技術分野に属する。より詳細には、室内においてゴルフのスイングについての練習等を行うための室内ゴルフ場及び当該室内ゴルフ場の設営に用いられるベースプレートの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年のゴルフ熱の高まりに対応して、ゴルフの練習やフォームの確認等を天候に拘わらず行うことができる室内ゴルフ場が数多く開設されている。このような室内ゴルフ場に関する先行技術としては、例えば下記特許文献1に開示されている技術がある。
【0003】
特許文献1に開示されている技術におけるビーム組立て体は、ベース板とその上に立設された支柱を備えている。このとき、支柱は上下の入子式になっている。そして、ビーム組立て体はメインビーム、前側ビーム、側方ビーム及び補助ビームを備えている。前側防護幕は前側ビームにより吊下げられ、側方防護幕は側方ビームにより吊下げられ、天井防護幕は上部を覆っている。各ビームはメインビームに対して折畳み可能或いはメインビーム内に収納可能となっており、メインビームは支柱に対して回動可能で、支柱上端から吊下げて格納可能となっている。
【0004】
ここで、上記特許文献1に開示されている技術における側方防護幕を、コンクリート等により形成されている床に固定するためには、従来は、上記支柱等の固定用の穴とは別個に側方防護幕固定用の穴を当該床に空け、その穴に側方防護幕を固縛するための固定リングを備えるアンカーを打ち込み、当該固定リングに側方防護幕の下方を固定線や固定紐を使って固縛する構成とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような側方防護幕の床への固定方法の場合、当該側方防護幕に打球が衝突することが繰り返されると、その衝撃の連続により、上記アンカーが床から抜けてしまう場合があった。そしてこの場合、床がコンクリートにより形成されているときには、そのコンクリートがひび割れてしまい、結果として側方防護幕固定用の穴を新たに空けることができないといった問題点があった。そしてこの場合には、固定用の穴を新たに空けることができる位置にしか側方防護幕を固定することができないといった問題点もあった。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、その課題の一例は、打球の衝突による側方防護幕への加重に起因してアンカーが抜けることを防止できると共に、当該側方防護幕の撓みも合わせて防止できる室内ゴルフ場及び当該室内ゴルフ場の設営に用いられるベースプレートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、それぞれが打席を含むブースが複数並列されてなる室内ゴルフ場であって、各前記ブースが、当該各ブースの四隅に鉛直方向に立てられた支柱と、当該各支柱の上端同士を方形に接続し且つ当該各支柱に溶接された枠体と、を備え、当該支柱及び当該枠体により相隣接する他の前記ブースから画されており、各前記支柱の下端を床にそれぞれ固定するための当該支柱ごとのベースプレートを更に備え、各前記ブースを画するネットが固縛されるネット固定部を有するアンカーが、各前記ベースプレート、及び前記支柱の上部又は前記枠体にそれぞれ溶接されており、前記ベースプレートは平面視四角形であり、相隣接する前記ブースで共有される前記支柱が当該ベースプレートの外側端辺における共有方向の中心に鉛直方向に溶接されており、前記ベースプレートの各角には、当該ベースプレートをボルトにより前記床に固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、前記アンカーが、前記ベースプレートにおける共有方向の中心に溶接されて固定されている。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の室内ゴルフ場の設営に用いられる前記ベースプレートであって、前記固定用穴が空けられ、且つ前記支柱及び前記アンカーが溶接されている。
【0010】
請求項1又は請求項3に記載の発明によれば、それぞれが打席を含むブースが、当該各ブースの四隅に鉛直方向に立てられた支柱と、各支柱の上端同士を方形に接続し且つ各支柱に溶接された枠体と、により相隣接する他のブースから画されている。また、各支柱の下端を床にそれぞれ固定するための当該支柱ごとのベースプレートを備え、ネット固定部を有するアンカーが各ベースプレート及び支柱の上部又は枠体に溶接されている。よって、各ブースを画する支柱の上部等及びベースプレートにネット固定用のアンカーが溶接されているので、打球の衝突によるネットへの加重に起因してアンカーが脱落することを防止できると共に、支柱による鉛直方向上下への引張り力によりネットが撓むことを防止できる。更に、各支柱及び枠体自体が重しの役割を果たすことで、ベースプレートを介した室内ゴルフ場の床の固定を更に強固にすることができる。
また、ベースプレートが平面視四角形であり、相隣接するブースで共有される支柱がベースプレートの外側端辺における共有方向の中心に鉛直方向に溶接されており、ベースプレートの各角には、当該ベースプレートをボルトにより床に固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、アンカーがベースプレートにおける共有方向の中心に溶接されて固定されている。よって、相隣接するブースで支柱が共有される場合において、当該支柱に固定されているベースプレートからのアンカーの脱落を有効に防止できる。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、それぞれが打席を含むブースが複数並列されてなる室内ゴルフ場であって、各前記ブースが、当該各ブースの四隅に鉛直方向に立てられた支柱と、当該各支柱の上端同士を方形に接続し且つ当該各支柱に溶接された枠体と、を備え、当該支柱及び当該枠体により相隣接する他の前記ブースから画されており、各前記支柱の下端を床にそれぞれ固定するための当該支柱ごとのベースプレートを更に備え、各前記ブースを画するネットが固縛されるネット固定部を有するアンカーが、各前記ベースプレート、及び前記支柱の上部又は前記枠体にそれぞれ溶接されており、前記ベースプレートは平面視四角形であり、前記室内ゴルフ場の角部にある前記支柱が当該ベースプレートの当該角部に対応する角に鉛直方向に溶接されており、前記ベースプレートの他の角には、当該ベースプレートをボルトにより前記床に固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、前記アンカーが、前記ベースプレートにおける前記支柱の溶接位置と当該溶接位置に対向する当該ベースプレートの外側角との間の位置に溶接されている。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、それぞれが打席を含むブースが、当該各ブースの四隅に鉛直方向に立てられた支柱と、各支柱の上端同士を方形に接続し且つ各支柱に溶接された枠体と、により相隣接する他のブースから画されている。また、各支柱の下端を床にそれぞれ固定するための当該支柱ごとのベースプレートを備え、ネット固定部を有するアンカーが各ベースプレート及び支柱の上部又は枠体に溶接されている。よって、各ブースを画する支柱の上部等及びベースプレートにネット固定用のアンカーが溶接されているので、打球の衝突によるネットへの加重に起因してアンカーが脱落することを防止できると共に、支柱による鉛直方向上下への引張り力によりネットが撓むことを防止できる。更に、各支柱及び枠体自体が重しの役割を果たすことで、ベースプレートを介した室内ゴルフ場の床の固定を更に強固にすることができる。
また、ベースプレートが平面視四角形であり、室内ゴルフ場の角部にある支柱がベースプレートの当該角部に対応する角に鉛直方向に溶接されており、ベースプレートの他の角には、当該ベースプレートをボルトにより床に固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、アンカーがベースプレートにおける支柱の溶接位置と当該溶接位置に対向するベースプレートの外側角との間の位置に溶接されて固定されている。よって、室内ゴルフ場の角部の支柱に固定されているベースプレートからのアンカーの脱落を有効に防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一側面によれば、それぞれが打席を含むブースが、当該各ブースの四隅に鉛直方向に立てられた支柱と、各支柱の上端同士を方形に接続し且つ各支柱に溶接された枠体と、により相隣接する他のブースから画されている。また、各支柱の下端を床にそれぞれ固定するための当該支柱ごとのベースプレートを備え、ネット固定部を有するアンカーが各ベースプレート及び支柱の上部又は枠体に溶接されている。
【0016】
従って、各ブースを画する支柱の上部等及びベースプレートにネット固定用のアンカーが溶接されているので、打球の衝突によるネットへの加重に起因してアンカーが脱落することを防止できると共に、支柱による鉛直方向上下への引張り力によりネットが撓むことを防止できる。更に、各支柱及び枠体自体が重しの役割を果たすことで、ベースプレートを介した室内ゴルフ場の床の固定を更に強固にすることができる。
また、ベースプレートが平面視四角形であり、相隣接するブースで共有される支柱がベースプレートの外側端辺における共有方向の中心に鉛直方向に溶接されており、ベースプレートの各角には、当該ベースプレートをボルトにより床に固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、アンカーがベースプレートにおける共有方向の中心に溶接されて固定されている。よって、相隣接するブースで支柱が共有される場合において、当該支柱に固定されているベースプレートからのアンカーの脱落を有効に防止できる。
更に、本発明の他の側面によれば、それぞれが打席を含むブースが、当該各ブースの四隅に鉛直方向に立てられた支柱と、各支柱の上端同士を方形に接続し且つ各支柱に溶接された枠体と、により相隣接する他のブースから画されている。また、各支柱の下端を床にそれぞれ固定するための当該支柱ごとのベースプレートを備え、ネット固定部を有するアンカーが各ベースプレート及び支柱の上部又は枠体に溶接されている。よって、各ブースを画する支柱の上部等及びベースプレートにネット固定用のアンカーが溶接されているので、打球の衝突によるネットへの加重に起因してアンカーが脱落することを防止できると共に、支柱による鉛直方向上下への引張り力によりネットが撓むことを防止できる。更に、各支柱及び枠体自体が重しの役割を果たすことで、ベースプレートを介した室内ゴルフ場の床の固定を更に強固にすることができる。
また、ベースプレートが平面視四角形であり、室内ゴルフ場の角部にある支柱がベースプレートの当該角部に対応する角に鉛直方向に溶接されており、ベースプレートの他の角には、当該ベースプレートをボルトにより床に固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、アンカーがベースプレートにおける支柱の溶接位置と当該溶接位置に対向するベースプレートの外側角との間の位置に溶接されて固定されている。よって、室内ゴルフ場の角部の支柱に固定されているベースプレートからのアンカーの脱落を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態の室内ゴルフ場の外観を示す図である。
【
図2】実施形態の室内ゴルフ場の設営に用いられるフレーム枠体の構造を示す平面図である。
【
図3】実施形態の室内ゴルフ場の設営に用いられるフレーム枠体の構造を示す側面図である。
【
図4】実施形態の室内ゴルフ場の設営に用いられるフレーム枠体の構造を示す正面図である。
【
図5】実施形態の室内ゴルフ場の設営に用いられるベースプレートの構造を示す平面図であり、(a)は当該構造の第1例を示す平面図であり、(b)は当該構造の第2例を示す平面図である。
【
図6】実施形態の室内ゴルフ場の設営に用いられるベースプレートの構造の第3例を示す平面図等であり、(a)は当該平面図であり、(b)は当該第3例を示す側面図であり、(c)は当該第3例を示す正面図である。
【
図7】実施形態の室内ゴルフ場の設営に用いられるベースプレートの構造の第4例を示す平面図である。
【
図8】変形形態の室内ゴルフ場におけるフレーム枠体の構造を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお以下に説明する実施形態及び変形形態は、室内ゴルフ場の設営に用いられるフレーム枠体等の構造に対して本発明を適用した場合の実施形態及び変形形態である。
【0019】
(I)
実施形態
始めに、本発明の実施形態について、
図1乃至
図7を用いて説明する。なお、
図1は実施形態の室内ゴルフ場の外観を示す図であり、
図2は当該室内ゴルフ場の設営に用いられるフレーム枠体の構造を示す平面図であり、
図3は当該構造を示す側面図であり、
図4は当該構造を示す正面図である。また、
図5乃至
図7は当該室内ゴルフ場の設営に用いられるベースプレートの構造をそれぞれ示す図である。更に、
図2乃至
図7においては、後述する防護ネットの記載を省略している。
【0020】
図1に示すように、実施形態の室内ゴルフ場TRは、それぞれに、ゴルフ用の打席、的及びフォームの撮影機材等が備えられているブースBが複数並列されて構成されている。そして、各ブースBは、当該各ブースBの四隅に鉛直方向に立てられた支柱1と、当該各支柱1の上端同士を方形に接続し且つ当該各支柱1に溶接されたフレーム枠体2と、により相隣接する他の前記ブースBから画されている。この構造において、各支柱1は平板状のベースプレートBPに溶接されており、当該各ベースプレートBPが固定ボルトによりコンクリート製の床FLに固定されることにより、室内ゴルフ場TR全体が床FLに固定されている。また、各ブースBの境界及びその天井部分には、ゴルフボールが飛び出さないように防護するための防護ネットNが、円環状の固定部を有する後述のアンカーに固縛されて固定されている。
【0021】
次に、二つのブースBが並列されてなる実施形態の室内ゴルフ場TRを構成するフレーム枠体2等の構造について、
図2乃至
図4を用いて説明する。
【0022】
その平面図を
図2に、
図2における白抜き矢印の方向から見たその側面図を
図3に、
図2におけるハッチング矢印の方向から見たその一部の正面図を
図4に、それぞれ示すように、実施形態のブースBを構成するフレーム枠体2の下面には、
図2乃至
図4において図示を省略する防護ネットNを固縛するための上記固定部を備えたアンカーAN7乃至アンカーAN15が溶接されている。そして、フレーム枠体2の四隅及びその長辺の下部には、上記支柱1がそれぞれ鉛直方向に溶接されている。
【0023】
一方、室内ゴルフ場TRの奥側の三本の支柱1の下端には、それぞれ、実施形態のベースプレートBP1乃至ベースプレートBP3が溶接されている。また、室内ゴルフ場TRの手前側の三本の支柱1の下端には、それぞれ、実施形態のベースプレートBP4乃至ベースプレートBP6が溶接されている。そして、各ベースプレートBP1乃至ベースプレートBP6が固定ボルトにより床FLに固定されることにより、各支柱1及びフレーム枠体2が床FLに固定されている。
【0024】
次に、実施形態のベースプレートBP1乃至ベースプレートBP6について、
図2及び
図5乃至
図7を用いて具体的な構造を説明する。なお、
図5乃至
図7において、支柱1は、
図7に示すα-α’断面として示している。
【0025】
図2及び
図5(a)に示すように、室内ゴルフ場TRの奥側の角部に配置される実施形態のベースプレートBP1は、
図5(a)に示す一の角部に支柱1が溶接されており、他の三つの角部は、固定ボルトBT11乃至固定ボルトBT13を用いて床FLに固定されている。このため、ベースプレートBP1の当該固定ボルトBT11乃至固定ボルトBT13による固定位置には、図示しない固定用穴が空けられている。そして、ベースプレートBP1の支柱1の溶接位置と固定ボルトBT13の位置、すなわち、当該支柱1の溶接位置と当該溶接位置に対向するベースプレートBP1の外側角との間の位置には、防護ネットNの固定用のアンカーAN1が溶接されて固定されている。
【0026】
他方、
図2及び
図5(b)に示すように、室内ゴルフ場TRの奥側において相隣接するブースB間で共有される実施形態のベースプレートBP2は、
図5(b)に示す奥側の辺の中央に支柱1が溶接されている。一方、ベースプレートBP2の四つの角部は、固定ボルトBT21乃至固定ボルトBT24を用いて床FLに固定されている。このため、ベースプレートBP2の当該固定ボルトBT21乃至固定ボルトBT24による固定位置には、図示しない固定用穴が空けられている。そして、ベースプレートBP2における共有方向(すなわち、
図5(b)における左右方向)の中心(ベースプレートBP2の中央)には、防護ネットN固定用のアンカーAN2が溶接されて固定されている。
【0027】
なお、
図2に示す実施形態のベースプレートBP3は、上述したベースプレートBP1に対して左右対称の構造を備えているので、細部の説明は省略する。
【0028】
次に、
図2及び
図6(a)に示すように、室内ゴルフ場TRの手前側の角部に配置される実施形態のベースプレートBP4は、
図6に示す一の角部に支柱1が溶接されており、他の三つの角部は、固定ボルトBT41乃至固定ボルトBT43を用いて床FLに固定されている。このため、ベースプレートBP4の当該固定ボルトBT41乃至固定ボルトBT43による固定位置には、図示しない固定用穴が空けられている。そして、ベースプレートBP4の支柱1の溶接位置と固定ボルトBT43の位置、すなわち、当該支柱1の溶接位置と当該溶接位置に対向するベースプレートBP4の外側角との間の位置には、防護ネットNの固定用のアンカーAN4が溶接されて固定されている。そして、その側面図を
図6(b)に、その正面図を
図6(c)にそれぞれ示すように、アンカーAN4が溶接されているベースプレートBP4は、固定ボルトBT41乃至固定ボルトBT43を介して、床FLに固定(打設固定)されている。
【0029】
次に、
図2及び
図7に示すように、室内ゴルフ場TRの手前側において相隣接するブースB間で共有される実施形態のベースプレートBP5は、
図7に示す手前側の辺の中央に支柱1が溶接されている。ベースプレートBP5の四つの角部は、固定ボルトBT51乃至固定ボルトBT54を用いて床FLに固定されている。このため、ベースプレートBP5の当該固定ボルトBT51乃至固定ボルトBT54による固定位置には、図示しない固定用穴が空けられている。そして、ベースプレートBP5における共有方向(すなわち、
図7における左右方向)の中心には、防護ネットN固定用のアンカーAN5が溶接されて固定されている。
【0030】
なお、
図2に示す実施形態のベースプレートBP6は、上述したベースプレートBP4に対して左右対称の構造を備えているので、細部の説明は省略する。
【0031】
以上説明したように、実施形態の室内ゴルフ場TRの構造(特にベースプレートBP1等の構造)によれば、それぞれが打席を含むブースBが、当該各ブースBの四隅に鉛直方向に立てられた支柱1と、各支柱1の上端同士を方形に接続し且つ各支柱1に溶接されたフレーム枠体2と、により相隣接する他のブースBから画されている。また、各支柱1の下端を床FLにそれぞれ固定するための当該支柱1ごとのベースプレートBP1等を備え、防護ネットNを固定するアンカーAN1等が各ベースプレートBP1及びフレーム枠体2枠体に溶接されている。よって、フレーム枠体2及びベースプレートBP1等にアンカーAN1等が溶接されているので、打球の衝突による防護ネットNへの加重に起因してアンカーAN1等が床FLから脱落することを防止できると共に、支柱1による鉛直方向上下への引張り力により防護ネットNが撓むことを防止できる。更に、支柱1及びフレーム枠体2自体が重しの役割を果たすことで、ベースプレートBP1等を介した室内ゴルフ場TRの床FLの固定を更に強固にすることができる。
【0032】
なお、室内ゴルフ場TRの上部から防護ネットNを吊すアンカーAN7乃至アンカーAN15については、フレーム枠体2ではなく各支柱1の上部に溶接されていてもよい。
【0033】
また、相隣接するブースBで共有される支柱1がベースプレートBP2及びベースプレートBP5の外側端辺における共有方向の中心に鉛直方向に溶接されており、ベースプレートBP2及びベースプレートBP5の各角には、当該ベースプレートBP2及びベースプレートBP5を固定ボルトBT21等により床FLに固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、アンカーAN2及びアンカーAN5がベースプレートBP2及びベースプレートBP5における共有方向の中心に溶接されて固定されている。よって、相隣接するブースBで支柱1が共有される場合において、当該支柱1に固定されているベースプレートBP2及びベースプレートBP5からのアンカーAN2及びアンカーAN5の脱落を有効に防止できる。
【0034】
更に、室内ゴルフ場TRの角部にある支柱1がベースプレートBP1等の当該角部に対応する角に鉛直方向に溶接されており、ベースプレートBP1等の他の角には、当該ベースプレートBP1等を固定ボルトBT11等により床FLに固定するための固定用穴がそれぞれ空けられており、アンカーAN1等がベースプレートBP1等における支柱1の溶接位置と当該溶接位置に対向するベースプレートBP1等の外側角との間の位置に溶接されて固定されている。よって、室内ゴルフ場TRの角部の支柱1に固定されているベースプレートBP1等からのアンカーの脱落を有効に防止できる。
【0035】
(II)
変形形態
次に、本発明の変形形態について
図8を用いて説明する。なお
図8は、変形形態の室内ゴルフ場におけるフレーム枠体の構造を示す上面図である。また
図8において、上述してきた実施形態の室内ゴルフ場TRと同様の部材については、同様の部材番号を付して細部の説明を省略する。更に、
図8においては防護ネットNの記載を省略している。
【0036】
上述した実施形態では、複数のブースBが並列してなる室内ゴルフ場TRに対して本発明を適用した場合について説明した。これに対し、以下に説明する変形形態では、一のブースBのみからなる室内ゴルフ場に対して本発明を適用した場合について説明する。
【0037】
すなわち、
図8に示すように、本発明は、その四隅に用いられるベースプレートを実施形態と同様のベースプレートBP1、ベースプレートBP3、ベースプレートBP4及びベースプレートBP5とすることで、一のブースBのみからなる室内ゴルフ場に対しても適用可能である。
【0038】
以上それぞれ説明したように、本発明は室内ゴルフ場の構造の分野に利用することが可能であり、特に、防護ネットNを固定するアンカーAN1等の脱落防止を目的とした室内ゴルフ場の構造の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【符号の説明】
【0039】
1 支柱
2 フレーム枠体
B ブース
N 防護ネット
TR 室内ゴルフ場
BP、BP1、BP2、BP3、BP4、BP5、BP6 ベースプレート
FL 床
AN1、AN2、AN3、AN4、AN5、AN6、AN7、AN8、AN9、AN10、AN11、AN12、AN13、AN14、AN15 アンカー
BT11、BT12、BT13、BT21、BT22、BT23、BT24、BT41、BT42、BT43、BT51、BT52、BT53、BT54 固定ボルト