(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】高圧電力線を用いた、飛行中の無人航空機における充電式バッテリの充電
(51)【国際特許分類】
B64U 50/35 20230101AFI20230615BHJP
B64U 20/87 20230101ALI20230615BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20230615BHJP
G05D 1/10 20060101ALI20230615BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230615BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20230615BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20230615BHJP
B64U 101/26 20230101ALN20230615BHJP
B64U 101/30 20230101ALN20230615BHJP
【FI】
B64U50/35
B64U20/87
G01M99/00 Z
G05D1/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/90
B64U101:26
B64U101:30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018215800
(22)【出願日】2018-11-16
【審査請求日】2021-11-12
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エム.ジャウギラス
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/073601(WO,A1)
【文献】特許第6394833(JP,B1)
【文献】米国特許第09162753(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0214715(US,A1)
【文献】米国特許第07318564(US,B1)
【文献】特開昭49-095159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0214714(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0226559(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0015414(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1815091(KR,B1)
【文献】米国特許第07543780(US,B1)
【文献】中国実用新案第205793009(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64D 27/24
B64D 47/00
B64F 3/02
B64U 20/80
B64U 50/35
B64U 101/26
B64U 101/30
G01M 99/00
G05D 1/00
H02J 7/00
H02J 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
領域内のユーティリティを監視する方法であって、
前記領域内の高圧電力線の電磁場と無人航空機の充電システムとを用いて、前記無人航空機の充電式バッテリを充電し、
前記充電中、前記無人航空機を、前記高圧電力線から
気象状況に基づいて選択される所定距離だけ離して飛行させ、
前記無人航空機を前記高圧電力線から前記所定距離だけ離して飛行させている間、前記無人航空機のセンサを用いてユーティリティを検査する、方法。
【請求項2】
ユーティリティの検査は、前記領域内に埋設されたユーティリティラインの撮像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーティリティの検査は、ユーティリティラインの撮像を含み、前記ユーティリティラインは、前記高圧電力線、水道管、水路、ガス管、ソーラーパネル、又は、オイル管のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記高圧電力線から前記所定距離だけ離して前記無人航空機を飛行させて前記無人航空機の前記充電式バッテリを充電することにより、前記充電式バッテリの原充電量で達成される航続距離と比較して、前記無人航空機の航続距離を延ばす、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記無人航空機のセンサを用いてユーティリティを検査することは、前記無人航空機を前記高圧電力線から前記所定距離だけ離して飛行させている間、前記領域内のユーティリティを検査することを含む、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記ユーティリティの検査は、動作効率、不正状況、不正事象、漏れ、又は、破損のうちの少なくとも1つについて前記領域内のパイプラインを検査することを含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
許容範囲外の動作効率、不正状況、不正事象、漏れ、又は、破損のうちの少なくとも1つが検出されると、警告を送信することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーティリティの検査は、不正状況、不正事象、動作効率、又は、構造的な破損のうちの少なくとも1つについて前記高圧電力線を検査することを含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
充電中に前記高圧電力線から所定距離だけ離して前記無人航空機を飛行させることは、前記無人航空機のセンサからの測定値を用いて、充電中に前記高圧電力線から前記無人航空機を少なくとも所定距離だけ離すことを含む、請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、無人航空機の飛行に関し、特に、飛行中の無人航空機における充電式バッテリの充電に関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機を駆動するためにバッテリが用いられる。バッテリの寿命は、無人航空機の飛行時間及び飛行距離に影響を与える。バッテリの容量を増やすと利用可能な電力が増大するが、無人航空機の重量も増加してしまう。
【0003】
したがって、上述した問題のうちの少なくともいくつかと、その他の考えられる問題を考慮にいれた方法及び装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本開示の例示的な実施形態においては、敷設権領域内のユーティリティを監視する方法が提供される。無人航空機の充電式バッテリは、前記敷設権領域内の高圧電力線の電磁場と前記無人航空機の充電システムとを用いて、充電される。前記充電中、前記無人航空機を前記高圧電力線から所定距離だけ離して飛行させる。前記無人航空機を前記高圧電力線から前記所定距離だけ離して飛行させている間、前記無人航空機のセンサを用いてユーティリティが検査される。
【0005】
本開示の例示的な実施形態においては、無人航空機の充電式バッテリを充電することを含む、前記無人航空機のための飛行プランを生成する方法が提供される。前記無人航空機のための複数の地点を含む、前記無人航空機のためのミッションデータが受信される。プロセッサを用いて、前記複数の地点を含む前記無人航空機のための経路が計算される。前記無人航空機の経路及び動作設定を含む、前記無人航空機の初期飛行プランが作成される。前記初期飛行プランに関連付けられた燃料消費量が計算される。前記燃料消費量は、前記無人航空機により消費されるエネルギーと生成されるエネルギーとを含む。燃料消費量が、前記無人航空機の利用可能なエネルギーよりも多いか否かが判定される。前記利用可能なエネルギーは、前記充電式バッテリの原充電量と、前記初期飛行プランに従って飛行する前記無人航空機により生成されるエネルギーとを含む。前記燃料消費量が前記利用可能なエネルギー以下である場合、前記初期飛行プランは前記飛行プランとして選択される。前記燃料消費量が前記利用可能なエネルギーよりも多い場合、前記無人航空機のために調整飛行プランが作成される。前記調整飛行プランの作成は、前記無人航空機を高圧電力線から所定距離だけ離れて飛行させるように前記飛行プランの一部を増やすことを含む。前記調整飛行プランに関連付けられた調整燃料消費量が計算される。前記調整燃料消費量が、調整された利用可能なエネルギーよりも多いか否かが判定される。前記調整された利用可能なエネルギーは、前記充電式バッテリの原充電量と、前記調整飛行プランに従って飛行する前記無人航空機により生成されるエネルギーとを含む。前記調整燃料消費量が、前記調整された利用可能なエネルギー以下である場合、前記調整飛行プランは前記飛行プランとして選択される。
【0006】
本開示の例示的な実施形態においては、無人航空機の飛行プランを作成するための装置が提供される。前記装置は、飛行プラン作成器を含む。前記飛行プラン作成器は、前記無人航空機のための複数の地点を含む、前記無人航空機のためのミッションデータを受信し;前記複数の地点を含む前記無人航空機のための経路を計算し;前記無人航空機の経路及び動作設定を含む、前記無人航空機の初期飛行プランを作成し;前記無人航空機により消費されるエネルギーと生成されるエネルギーとを含めて、前記初期飛行プランに関連付けられた燃料消費量を計算し;燃料消費量が、前記無人航空機の利用可能なエネルギーよりも多いか否かを判定し、前記利用可能なエネルギーは、前記充電式バッテリの原充電量と、前記初期飛行プランに従って飛行する前記無人航空機により生成されるエネルギーとを含むものであり、前記燃料消費量が前記利用可能なエネルギー以下である場合、前記初期飛行プランを前記飛行プランとして選択し;前記燃料消費量が前記利用可能なエネルギーよりも多い場合、前記無人航空機のために調整飛行プランを作成し、前記調整飛行プランの作成は、前記無人航空機を高圧電力線から所定距離だけ離れて飛行させるように前記飛行プランの一部を増やすことを含み;前記調整飛行プランに関連付けられた調整燃料消費量を計算し;前記調整燃料消費量が、調整された利用可能なエネルギーよりも多いか否かを判定し、前記調整された利用可能なエネルギーは、前記充電式バッテリの原充電量と、前記調整飛行プランに従って飛行する前記無人航空機により生成されるエネルギーとを含み;前記調整燃料消費量が、前記調整された利用可能なエネルギー以下である場合、前記調整飛行プランを前記飛行プランとして選択する、ように構成されている。
【0007】
いくつかのさらなる実施形態においては、前記飛行プラン作成器は、前記無人航空機に設けられている。
【0008】
代替の実施形態においては、前記装置は、前記飛行プランを前記無人航空機に送信するように構成された通信システムを含む。
【0009】
さらなる実施形態においては、前記装置は、データベースをさらに含み、当該データベースは、飛行制限区域又はユーティリティラインのうちの少なくともいずれか一方についての航空情報を含み、前記飛行プラン作成器は、制限区域を回避しつつ前記調整飛行プランを作成するように構成されている。
【0010】
本明細書において、さらなる態様及び実施形態を説明するが、これらは、上述した1つ以上の特徴を含みうる。
【0011】
上述した特徴及び機能は、本開示の様々な実施形態によって個別に達成されてもよいし、さらに他の実施形態と組み合わせてもよい。これについての詳細は、以下の記載及び図面を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
例示的な実施形態に特有のものと考えられる新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、並びに、好ましい使用形態、さらにその目的及び特徴は、添付図面と共に本開示の例示的な実施形態の詳細な説明を参照することにより最もよく理解されるであろう。
【0013】
【
図1】例示的な実施形態による、高圧電力線の経路を考慮に入れた飛行プランを用いて航空機が飛行する環境を示すブロック図である。
【
図2】例示的な実施形態による、高圧電力線が設けられた領域を示す図である。
【
図3】例示的な実施形態による、高圧電力線が設けられた領域を飛行する無人航空機を示す図である。
【
図4】例示的な実施形態による、高圧電力線が設けられた領域のマップを示す図である。
【
図5】例示的な実施形態による、領域において無人航空機を飛行させるための方法を示すフローチャートである。
【
図6】例示的な実施形態による、領域における無人航空機の飛行プランを作成する方法を示すフローチャートである。
【
図7】例示的な実施形態による、領域において無人航空機を飛行させるための方法を示すフローチャートである。
【
図8】例示的な実施形態による、飛行プラン作成器を示すブロック図である。
【
図9】例示的な実施形態による、敷設権領域内のユーティリティを監視する方法を示すフローチャートである。
【
図10A-10B】例示的な実施形態による、無人航空機の充電式バッテリを充電することを含む、無人航空機のための飛行プランを生成する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な実施形態においては、1つ以上の異なる事項が認識及び考慮されている。例えば、例示的な実施形態においては、無人航空機がいくつかの場面で有利であることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、無人航空機は、店舗又は供給業者による荷物の配達に使用されることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、無人航空機は、ファーストフードの注文品の配達に使用されることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、無人航空機は、搭乗している人間又は動物の輸送に使用されることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、無人航空機は、パイプラインなどのユーティリティ(utilities)の検査及び監視に使用されることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、無人航空機は、監視及び/又は偵察に使用されることが認識及び考慮されている。
【0015】
例示的な実施形態においては、無人航空機は電気モータで動力供給される場合が多いことが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、電気モータを有する無人航空機は、さらに充電式バッテリも有することが認識及び考慮されている。
【0016】
例示的な実施形態においては、飛行中の充電により、地上での充電時間を短縮できることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、地上での充電時間の短縮により、無人航空機が飛行する時間を増やすことが可能であると認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、さらに、飛行中の充電により、無人航空機の航続距離(range)を延ばすことが可能であると認識及び考慮されている。無人航空機の航続距離を延ばすことにより、無人航空機により対応される(serviced)領域の数、又は、無人航空機を使用可能な時間のうちの少なくとも一方を増やすことができる。
【0017】
例示的な実施形態においては、高圧電力線が電磁場(EMF)を放出することが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、さらに、高圧電力線は、EMFが非常に強いため、模型航空機の種類によっては、高圧電力線付近の飛行が禁止されていることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、コイルやワイヤなどのインダクタをEMFに通すことにより、電圧及び電流が生成されることが認識及び考慮されている。
【0018】
例示的な実施形態においては、一般及び民間の航空機は、電力線から離れて飛行するため、高圧電力線を用いて充電を行うことにより、航空機及び超軽量ビークルにより通常利用される空域での飛行を回避できることが認識及び考慮されている。
【0019】
例示的な実施形態においては、無人航空機(UAV)は、損壊又は破損を調べるために、ユーティリティラインに沿って飛行する場合があることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、高圧電力線は、敷設権領域(right-of-ways)に配置されていることが認識及び考慮されている。いくつかの例においては、敷設権領域は、地役権領域(easements)、或いは、ユーティリティのための経路に指定された領域と呼ばれる場合もある。例示的な実施形態においては、敷設権領域には、複数種のユーティリティが設けられていることが認識及び考慮されている。例えば、高圧電力線、水道管、水路、ガス管、ソーラーパネル、又は、オイル管のうちの少なくとも1つが同じ敷設権領域に存在していてもよい。ソーラーパネルは、太陽光を集光するために地上に設置されている。他のユーティリティ、例えば、高圧電力線、水道管、水路、ガス管、又は、オイル管のうちの少なくとも1つは、地上に設置されるか、或いは、埋設されている。運河、河川、溝、小川、川、渓谷、緩流河川(bayou)などの水路、又は、他の望ましいタイプの水路は、水の移送、又は、発電のうちの少なくとも一方を行うのに使用することができる。例示的な実施形態においては、監視対象の地中のユーティリティやパイプラインは、しばしば高圧電力線と同じ地役権領域に埋設されていることが認識及び考慮されている。例示的な実施形態においては、高圧電力線は、他のユーティリティと同じ地役権領域内に埋設されているか、或いは、当該ユーティリティと同じ経路に沿って地上に設けられていることが認識及び考慮されている。
【0020】
本開示の例示的な実施形態においては、方法が提供される。無人航空機の充電式バッテリは、高圧電力線の電磁場、及び、無人航空機の充電システムを用いて充電される。充電中、無人航空機は、高圧電力線から所定距離だけ離れて飛行する。
【0021】
ここで図面を参照すると、特に、
図1には、例示的な実施形態による、高圧電力線の経路を考慮に入れた飛行プランを用いて航空機が飛行する環境がブロック図で示されている。環境100は、領域108において無人航空機110を飛行させる場合に、領域108における高圧電力線106の経路104を考慮に入れるためのシステム102を含む。
【0022】
いくつかの例においては、システム102は、無人航空機110の航続距離112を延ばすことができる。これらの例においては、システム102は、充電式バッテリ114を充電して航続距離112を延ばすために、高圧電力線106の経路104を考慮に入れる。
【0023】
無人航空機110は、充電式バッテリ114と、当該充電式バッテリ114に電気接続されたインダクタ116と、衝突防止センサ118とを含む。
【0024】
インダクタ116は、充電式バッテリ114を充電するように構成された充電システム120の一部である。充電システム120の充電回路122は、インダクタ116を充電式バッテリ114に電気接続する。充電回路122は、充電式バッテリ114の充電を制御する。いくつかの例においては、充電回路122は、充電式バッテリ114の充電レベル124を監視する。いくつかの例においては、充電回路122は、充電の効率126に基づいて、充電式バッテリ114の充電を制御する。
【0025】
衝突防止センサ118は、無人航空機110の近くの領域108を監視する。無人航空機110は、衝突防止センサ118からの測定値128を考慮して、当該無人航空機110が、高圧電力線106などの物体と衝突することを防止する。無人航空機110は、障害物を回避するために、測定値128に基づいて、高度、飛行方向、又は、速度のうちの少なくとも1つを変更することができる。
【0026】
本明細書において、「少なくとも1つの」という語句が、要素の列挙とともに用いられる場合、列挙された要素のうちの1つ又は複数を様々な組み合わせで使用する場合もあるし、列挙された要素のうちの1つのみを必要とする場合もあることを意味する。すなわち、「少なくとも1つの」は、列挙された要素を任意の組み合わせで任意の数だけ使用してもよいが、列挙された要素の全てを必要としない場合もあることを意味する。要素は、特定の対象、物、又はカテゴリであってもよい。
【0027】
例えば、「要素A、要素B、又は要素Cのうちの少なくとも1つ」は、限定するものではないが、要素A、要素Aと要素B、又は、要素Bを含みうる。また、この例では、要素Aと要素Bと要素C、又は、要素Bと要素Cを含む場合もある。勿論、これらの要素のあらゆる組み合わせが存在する。場合によっては、「少なくとも1つ」は、例えば、限定するものではないが、2個の要素Aと、1個の要素Bと、10個の要素C;4個の要素Bと7個の要素C;又は、他の適切な組み合わせを意味する。
【0028】
衝突防止センサ118は、任意の所望の形態をとることができる。いくつかの例において、衝突防止センサ118は、ソナーセンサ(SONAR sensor)130、レーダセンサ(RADAR sensor)132、光センサ134、又は、電磁場強度センサ136のうちの1つである。
【0029】
いくつかの例においては、衝突防止センサ118は、複数のセンサ138のうちの1つである。センサ138は、他の所望のタイプのセンサを含む。図示のように、センサ138は、GPSレシーバ140を含む。GPSレシーバ140は、領域108内の無人航空機110の位置142を特定するために使用される。
【0030】
システム102は、領域108における高圧電力線106を用いて、無人航空機110の充電式バッテリ114を充電する。無人航空機110は、飛行中に充電式バッテリ114を充電する。
【0031】
システム102は、領域108を通る高圧電力線146の経路144を特定する。高圧電力線146は、領域108における複数の高圧電力線106のうちの1つである。飛行プラン作成器148は、無人航空機110が、飛行プラン150の少なくとも一部として、高圧電力線146の電磁場152を用いて当該無人航空機110の充電式バッテリ114を充電するように、無人航空機110のための飛行プラン150を作成する。飛行プラン150はまた、無人航空機110の目的や行先にも対応している。
【0032】
コンピュータシステム154は、通信システム156を用いて、飛行プラン150を無人航空機110に伝達する。これらの例においては、通信システム156は、飛行プラン作成器148から無人航空機110に対して飛行プラン150を送信するように構成されている。無人航空機110は、飛行プラン150に従って飛行する。この飛行に際しては、無人航空機110の衝突防止センサ118からの測定値128を用いて、無人航空機110が、高圧電力線146から少なくとも所定距離158だけ離れて飛行する状態が維持される。充電中、無人航空機110は、高圧電力線146から所定距離158だけ離れて飛行する。いくつかの例においては、飛行プラン150は、充電式バッテリ114を充電しない部分を含む。これらの「非充電」部分においては、無人航空機110は、高圧電力線146から所定距離158よりも離れて飛行する。
【0033】
所定距離158は、充電中、無人航空機110が飛行する際の高圧電力線106からの所望の距離である。高圧電力線146から所定距離158だけ離して無人航空機110を飛行させることにより、充電式バッテリ114の一回の充電で達成される航続距離と比較して、無人航空機110の航続距離112を延ばすことができる。本明細書においては、無人航空機110の操縦は、当該無人航空機110の飛行中に実行される。無人航空機110の操縦は、離陸、着陸、ホバリング(hovering)、高度変更、緯度又は経度方向の移動のうちのいずれかを含みうる。
【0034】
無人航空機110は、コントローラ180と衝突防止センサ118とを用いて、高圧電力線146から少なくとも所定距離158だけ離れた状態に維持される。衝突防止センサ118は、高圧電力線146と無人航空機110との間の実際の距離を特定する測定値128を提示する。いくつかの例においては、航空機110は、高圧電力線146から略一定の距離を維持する。他の例においては、航空機110は、高圧電力線146からの当該航空機110の距離が可変となるようにする。
【0035】
所定距離158は、任意の所望値をとりうる。いくつかの例においては、所定距離158は、ある範囲の所望値を含む。いくつかの例においては、所定距離158は、200メートル以下である。所定距離158は、高圧電力線146の仕様166に基づいて増減することができる。所定距離158は、電磁場152の電磁場強度176に基づいて増減することもできる。いくつかの例においては、所定距離158は、10センチメートルから100メートルの範囲内である。いくつかの例においては、所定距離158は、1メートルから50メートルの範囲内である。
【0036】
領域108における高圧電力線146の経路144は、高電圧マップ160に示されている。高電圧マップ160は、コンピュータシステム154のデータベース162に含まれている。飛行プラン150を作成するために、飛行プラン作成器148は、高電圧マップ160を用いる。
【0037】
いくつかの例においては、高圧電力線106に関する追加情報は、データベース162に保存される。高圧電力線106の仕様164は、必要に応じてデータベース162に保存される。仕様164には、高圧電力線106の所望の特徴が含まれる。
【0038】
データベース162には、天候又は飛行制限区域のうちの少なくとも一方を含む所望の航空情報が含まれる。
【0039】
図示のように、高圧電力線146の仕様166には、電力168、寸法170、及び、高さ172が含まれる。電力168には、高圧電力線146のアンペア数又は他の測定値が含まれる。寸法170には、ワイヤ、プラットフォーム、及び、タワーの寸法が含まれる。高さ172には、高圧電力線146が地上に設けられているか、或いは地中に設けられているかについての情報と、地面から上方又は下方への高圧電力線146の距離とが含まれる。
【0040】
いくつかの例においては、無人航空機110は、高圧電力線146の動作状態174を特定するために用いられる。いくつかの例においては、高圧電力線146の電磁場152の電磁場強度176は、飛行中の無人航空機110を用いて検出される。いくつかの例においては、電磁場152の電磁場強度176は、電磁場強度センサ136を用いて特定される。高圧電力線146の動作状態174は、電磁場強度176を用いて特定される。
【0041】
いくつかの例においては、動作状態174を特定するために、高圧電力線146の仕様166が考慮される。電磁場強度センサ136により測定される電磁場強度176などの電磁場強度は、所定距離158、又は、高圧電力線146の電力168のうちの少なくとも一方、或いは、他の特徴に依存する。
【0042】
無人航空機110は、飛行プラン150を用いて高圧電力線146に相対する飛行を行う。飛行プラン150においては、気象状況178、無人航空機110のタイプ、又は、無人航空機110の能力などの、所望の特性が考慮されうる。いくつかの例においては、気象状況178は、気象通報(図示略)から抜粋する。いくつかの例においては、所定距離158の設定値は、飛行プラン150の一部である。
【0043】
所定距離158は、所望の特徴に基づいて選択することができる。いくつかの例においては、所定距離158は、気象状況178に基づいて選択される。例えば、気象状況178に強風が含まれている場合、所定距離158は、より長いものとする。強風は、無人航空機110を高圧電力線146に向かって押し動かす可能性がある。強風の影響を補償するために、所定距離158が延ばされる。他の例として、気象状況178に雷雨が含まれている場合、所定距離158はより長い可能性がある。雷雨は、静電気や自然発生する電磁場を含みうる。電磁場強度センサ136は、電磁場152に加えて、自然発生する電磁場を検出してもよい。所定距離158は、雷雨により生じうる静電気及び自然発生する電磁場を考慮に入れて延ばしてもよい。
【0044】
いくつかの例においては、所定距離158は、無人航空機110における充電システム120の効率126の所定値が維持されている状態における、高圧電力線146からの最大長である。いくつかの例においては、効率126の所定値は、領域108の現在の状況下での最大効率である。効率126の最大値は、状況及びハードウェアに依存する。例えば、効率126は、高圧電力線146の電磁場強度176、周囲温度、及び、充電式バッテリ114の充電設定などに影響される。
【0045】
いくつかの例においては、所定距離158は、充電式バッテリ114の充電レベルを維持するように選択される。いくつかの例においては、所定距離158は、電磁場強度176に基づいて選択される。
【0046】
いくつかの例においては、所定距離158は、飛行プラン作成器148によって作成される飛行プラン150の一部である。他の例においては、所定距離158は、無人航空機110のコントローラ180によって決定される。コントローラ180は、無人航空機110を操縦するように構成されている。いくつかの例においては、コントローラ180は、高圧電力線146から所定距離158だけ離して無人航空機110を飛行させている間、インダクタ116が高圧電力線146の電磁場152を用いて充電式バッテリ114を充電するように、無人航空機110を操縦するよう構成されている。
【0047】
高圧電力線146は、敷設権領域181に設けられている。敷設権領域181は、高圧電力線146を含むユーティリティ182の経路設定を行う(routing)ための領域である。敷設権領域181は、地役権領域186とも呼ばれうる。いくつかの例においては、敷設権領域内のユーティリティ182は、無人航空機110が、高圧電力線146から所定距離158だけ離れて飛行している際に検査される。
【0048】
敷設権領域181内のユーティリティ182は、敷設権領域181内において、地上又は地中のうちの少なくとも一方に設けられたユーティリティライン184を含む。ユーティリティライン184は、高圧電力線146、水道管187、水路191、ガス管188、ソーラーパネル189、又は、オイル管190のうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
ユーティリティ182は、敷設権領域181内に図示されているが、ユーティリティ182は、当該ユーティリティが敷設権領域181の外に設けられている場合であっても、無人航空機110によって検査が行われる可能性がある。例えば、水路191は、敷設権領域181外に延在している場合がある。いくつかの例においては、無人航空機110が高圧電力線146を用いて充電を行っている間、当該無人航空機110は、敷設権領域181外にあるユーティリティ182を検査する。いくつかの例においては、無人航空機110は、高圧電力線146を用いて充電を行っている間、敷設権領域181外にある水路191を検査する。他の例においては、無人航空機110は、敷設権領域181外におけるユーティリティ182の検査の前又は後の少なくとも一方において、高圧電力線146を用いて充電を行う。例えば、無人航空機110は、敷設権領域181外における水路191の検査の前又は後の少なくとも一方において、高圧電力線146を用いて充電を行う。
【0050】
ユーティリティ182は、複数のセンサ138のうちの任意の望ましいタイプのセンサを用いて検査される。ユーティリティ182は、近接センサ、磁場センサ、IRカメラ、可視スペクトルカメラ、又は、他の望ましいタイプのセンサのうちの少なくも1つを用いて検査することができる。例えば、高圧電力線146は、電磁場強度センサ136、光センサ134、ソナーセンサ130、又は、レーダセンサ132を用いて検査することができる。水路191又はソーラーパネル189のいずれかは、光センサ134を用いて検査することができる。いくつかの例においては、水道管187、水路191、ガス管188、及び/又は、オイル管190のうちの少なくとも1つは、光センサ134、又は、IRカメラなどのヒートセンサを用いて検査される。
【0051】
無人航空機110のミッションの目的が、敷設権領域181におけるユーティリティ182の検査である場合、飛行プラン150には、敷設権領域181に沿った部分が少なくとも含まれる。高圧電力線146に沿って飛行することにより、充電式バッテリ114の充電レベル124が上がる。飛行プラン150に従って飛行する前に、充電式バッテリ114は、原充電量192を有する。原充電量192は、充電式バッテリ114における任意の充電レベルである。原充電量192は、飛行プラン150の作成時には、「初期充電量」と呼ばれる場合もある。
【0052】
いくつかの例においては、無人航空機110は、動作効率、不正状況、不正事象、漏れ、又は、破損のうちの少なくとも1つについて、ユーティリティ182を検査する。いくつかの例においては、許容範囲外の動作効率、不正状況、不正事象、漏れ、又は、破損のうちの少なくとも1つが検出されると、警告194が送信される。いくつかの例においては、無人航空機110が警告194を送信する。他の例においては、コンピュータシステム154が警告194を送信する。
【0053】
警告194は、所望のコンテンツを含む。いくつかの例においては、警告194は、画像やセンサ読取データなどのセンサ出力、又は、他の所望のタイプの出力を含む。いくつかの例においては、警告194は、リポート、光、インジケータ、又は、他の所望のタイプの警告の形態をとる。いくつかの例においては、警告194は、許容範囲外の動作効率、不正状況、不正事象、漏れ、又は、破損を人間の作業員に知らせるように設定されている。
【0054】
図1に示す環境100は、例示的な実施形態が実現される態様に対して物理的又は構造的な限定を示唆するものではない。図示されたコンポーネントに加えて、又は、これらに代えて、他のコンポーネントを用いることもできる。いくつかのコンポーネントは、必要としない場合もある。また、図中のブロックは、機能コンポーネントを示す。これらのブロックのうちの1つ又は複数は、例示的な実施形態において実施する際には、組み合わせたり、分割したり、組み合わせてから異なるブロックに分割したりすることができる。
【0055】
例えば、無人航空機110には複数のタイプの衝突防止センサ118が搭載されてもよい。いくつかの例においては、無人航空機110において、ソナーセンサ130、レーダセンサ132、又は、光センサ134のうちの少なくとも1つに加えて、電磁場強度センサ136が搭載されている。いくつかの例においては、充電システム120は、電磁場強度センサとして使用されている。
【0056】
領域108には無人航空機110のみが図示されているが、他の例においては、領域108内にさらに他の無人航空機が動作している場合もある。いくつかの例においては、高圧電力線146から一定の距離だけ離れて他の無人航空機が飛行していてもよい。これらの例においては、衝突防止センサ118、及び、上述した他の無人航空機における別個の衝突防止センサにより、無人航空機110と上述した他の無人航空機との接触が防止される。
【0057】
いくつかの例においては、飛行プラン150は、報告サービス(reporting service)に提出される。飛行プラン150を提出することにより、他の無人航空機の飛行プランを作成して、無人航空機110との接触を回避することができる。
【0058】
次に
図2を参照すると、例示的な実施形態による、高圧電力線が設けられた領域が示されている。領域200は、
図1に示す領域108の物理的な実施態様である。領域200において、発電所202は、配電線210、配電線212、及び、配電線214を介して、近隣204、近隣206、及び、近隣208にそれぞれ分配される電力を生成する。領域200は、送電線216を含む。送電線216は、高圧電力線218である。高圧電力線218は、
図1に示す高圧電力線146の物理的な実施態様である。
【0059】
高圧電力線218は、無人航空機を充電するために十分な強度の電磁力(EMF)を有する。いくつかの例においては、無人航空機は、高圧電力線218から所定距離だけ離れて飛行している間に、充電式バッテリを充電する。いくつかの例においては、無人航空機は、高圧電力線218から少なくとも所定距離だけ離れて飛行している間に、充電式バッテリを充電する。
【0060】
図2に示す領域200は、例示的な実施形態が実現される態様に対して物理的又は構造的な限定を示唆するものではない。例えば、同図において、高圧電力線218は地上に設けられているが、いくつかの例においては、高圧電力線は地中に設けられている。
【0061】
高圧電力線218、及び、変圧器やタワーなどの付随する支持構造体、並びに、高圧電力線218に関連する他の構造体は、敷設権領域220の範囲内にある。いくつかの図示しない例においては、敷設権領域220に追加のユーティリティが設けられている。追加のユーティリティは、敷設権領域220において地上に設けられてもよいし、地中に設けられてもよい。例えば、農村環境においては、地中のユーティリティやパイプラインは、高圧電力線と同じ地役権領域に埋設されている。これらの例においては、無人航空機は、高圧電力線を用いて充電している間、ユーティリティやパイプラインを監視してもよい。
【0062】
ユーティリティは、水道管、水路、ガス管、ソーラーパネル、オイル管、又は、他の望ましいタイプのユーティリティのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの例においては、敷設権領域220内のユーティリティは、無人航空機が、高圧電力線218から所定距離だけ離れて飛行している際に、当該無人航空機のセンサを用いて検査される。
【0063】
次に
図3を参照すると、例示的な実施形態による、高圧電力線が設けられた領域を飛行する無人航空機が示されている。ビュー300は、
図2における方向3に沿った眺めである。ビュー300において、無人航空機302は、高圧電力線218から距離304だけ離れて飛行している。無人航空機302は、
図1に示す無人航空機110の物理的な実施態様である。
【0064】
いくつかの例においては、距離304は、
図1に示す所定距離158の物理的な実施態様である。いくつかの例においては、距離304は、200メートル以下である。距離304は、所望の特徴に基づいて選択される。いくつかの例においては、距離304は、当該距離304が、無人航空機302の充電効率が所定値となる状態においての最大長となるように選択される。いくつかの例においては、距離304は、
図2の領域200の気象情報に基づいて選択される。いくつかの例においては、距離304は、無人航空機302の能力に基づいて選択される。いくつかの例においては、距離304は、無人航空機302の充電式バッテリにおける所定電力量を維持するように選択される。
【0065】
図示のように、敷設権領域220には、ソーラーパネル306が設けられている。同図には示されていないが、水道管、ガス管、オイル管などのユーティリティ、又は、他のユーティリティが敷設権領域220に埋設されている場合もある。他の図示しない例においては、水道管、水路、ガス管、オイル管などのユーティリティ、又は、他のユーティリティが敷設権領域220において地上に設けられている場合もある。
【0066】
無人航空機302は、敷設権領域220内のユーティリティを検査するために使用することができる。例えば、無人航空機302は、高圧電力線218又はソーラーパネル306のうちの少なくとも一方を検査するために使用することができる。敷設権領域220においてユーティリティが追加的に設けられている場合、無人航空機302は、敷設権領域220に追加的に設けられた当該ユーティリティを検査してもよい。
【0067】
敷設権領域220内のユーティリティの検査には、無人航空機302のセンサが使用される。いくつかの例においては、無人航空機302は、敷設権領域220などの敷設権領域内のユーティリティを検査するように構成された複数のセンサを有する。無人航空機302のセンサは、所望の形態をとる。いくつかの例においては、無人航空機302には、近接センサ、磁場センサ、IRカメラ、可視スペクトルカメラ、又は、他の望ましいタイプのセンサのうちの少なくとも1つが搭載されている。いくつかの例においては、敷設権領域220におけるユーティリティは、動作効率、不正状況、不正事象、漏れ、又は、破損のうちの少なくとも1つについて検査される。
【0068】
敷設権領域220の高圧電力線218は、所望の手法で検査することができる。いくつかの例においては、高圧電力線218は、視覚的に検査される。これらの例においては、カメラなどの視覚センサが無人航空機302に搭載されており、高圧電力線218の検査に使用される。
【0069】
高圧電力線218は、不正状況、不正事象、又は、破損のうちの少なくとも1つについて視覚的に検査されうる。例えば、高圧電力線218に不正な線が接続されているか否かについて、高圧電力線218を視覚的に検査することができる。また、例えば、不正な無人航空機が高圧電力線218を用いて充電を行っているか否かについて、高圧電力線218を視覚的に検査することができる。さらに他の例としては、低く垂れ下がった線、断線、破損した支持体、又は、高圧電力線218に対する他の物理的損傷などの損傷の有無について、高圧電力線218を視覚的に検査することができる。
【0070】
高圧電力線218は、磁場センサを用いて検査することができる。例えば、高圧電力線218は、予測される磁場強度について検査することができる。予測される磁場よりも低い磁場が検出された場合、高圧電力線218は、不正な充電が行われている可能性、効率が望ましくない可能性、或いは、他の不正な状況や事象若しくは望ましくない状況や事象が生じている可能性がある。
【0071】
いくつかの例においては、敷設権領域220に埋設されたユーティリティは、IRカメラなどの熱検出センサを用いて検査される。いくつかの例においては、ガス、水、又は、オイルなどのユーティリティは、周囲温度とは異なる温度で輸送される。例えば、例えば、液化天然ガスは環境温度とは異なる温度で輸送される。敷設権領域220に埋設されたユーティリティに漏れ又は破損が生じている場合、ユーティリティと環境との間の温度差を用いて、漏れ又は破損を検出することができる。いくつかの例においては、埋設されたユーティリティについての不正状況、不正事象、漏れ、又は、破損が、視覚カメラを用いて視覚的に検査される。
【0072】
図3に示すビュー300は、例示的な実施形態が実現される態様に対して物理的又は構造的な限定を示唆するものではない。例えば、無人航空機302は、固定翼機として示されている。しかしながら、他の例においては、無人航空機は、回転翼無人機であってもよい。
【0073】
他の例において、無人航空機302には、所望のタイプ及び数のセンサ(図示略)が設けられている。さらに他の例として、敷設権領域220においては、ガス管、水道管、水路、オイル管などの他のユーティリティ、又は、他の所望のタイプのユーティリティが地上に設けられている。
【0074】
他の例として、敷設権領域220外には、水路などのユーティリティが設けられている。いくつかの例においては、敷設権領域220外のユーティリティは、無人航空機302の充電中に検査される。
【0075】
次に
図4を参照すると、例示的な実施形態による、高圧電力線が設けられた領域のマップが示されている。マップ400は、
図1に示す高電圧マップ160の物理的な実施態様である。
【0076】
マップ400において、領域402は、高圧電力線404と、高圧電力線406と、高圧電力線408と、高圧電力線410と、高圧電力線412とを有する。
図1に示す無人航空機110などの無人航空機は、領域402を飛行しうる。
【0077】
図示のように、マップ400は、無人航空機の出発点414と、到着点416とを有する。飛行プラン418は、無人航空機が、出発点414から到着点416まで移動するための最短経路である。
【0078】
いくつかの例においては、飛行プラン420は、無人航空機の充電式バッテリを充電するために作成される。飛行プラン420はまた、無人航空機の目的又は行先にも対応している。この例においては、飛行プラン420は、行先である到着点416に対応している。飛行プラン420は、飛行プラン418の代替のプランである。飛行プラン420により、無人航空機は、高圧電力線412から所定距離だけ離れて飛行する。飛行プラン420は、飛行プラン418よりも長いが、いくつかの例においては、飛行プラン420を採用したほうが、無人航空機の充電式バッテリをより多く充電することができる。
【0079】
図2~4に示す様々なコンポーネントは、
図1に示すコンポーネントと組み合わせてもよいし、
図1に示すコンポーネントと共に用いてもよいし、これら両方を行ってもよい。また、
図2~4に示すコンポーネントのうちのいくつかは、
図1にブロック形式で示すコンポーネントが、物理構造体としてどのように実施されるかを示す例であってもよい。
【0080】
次に
図5を参照すると、例示的な実施形態による、領域において無人航空機を飛行させるための方法を示すフローチャートが示されている。方法500は、
図1に示す環境100で実施することができる。方法500は、
図2~3に示す領域200で実行することができる。方法500は、
図4に示す領域402で実行することができる。
【0081】
方法500においては、高圧電力線の電磁場と無人航空機の充電システムとを用いて、無人航空機の充電式バッテリを充電する(工程502)。方法500においては、充電中、無人航空機を、高圧電力線から所定距離だけ離して飛行させる(工程504)。その後、上記方法を終了させる。
【0082】
図5には、いくつかの任意の工程も示されている。いくつかの例においては、充電式バッテリの充電は、充電システムのインダクタを高圧電力線の電磁場に配置することにより、エネルギーを生成することを含む(工程506)。いくつかの例においては、高圧電力線の電磁場を用いて無人航空機の充電式バッテリを充電することにより、無人航空機の航続距離を延ばすことができる(工程508)。
【0083】
いくつかの例においては、所定距離は、充電式バッテリの充電レベルを維持するように選択される(工程510)。いくつかの例においては、所定距離は、無人航空機における充電システムの効率が所定値に維持されている状態における、高圧電力線からの最大長である(工程512)。いくつかの例においては、効率の所定値は、効率の最大値である。充電システムの効率は、高圧電力線の電磁場強度、周囲温度、及び、充電式バッテリの充電設定などに影響される。
【0084】
いくつかの例においては、方法500において、無人航空機の経路に沿った気象状況を特定する(工程514)。いくつかの例においては、方法500において、気象状況に基づいて所定距離を選択する(工程516)。例えば、所定距離は、風の状況に基づいて選択されてもよい。いくつかの例においては、所定距離は、風が強ければ強い程長くなりうる。
【0085】
いくつかの例においては、方法500において、高圧電力線の電磁場の強度を検出する(工程518)。いくつかの例においては、方法500において、電磁場強度を用いて高圧電力線の動作状態を特定する(工程520)。例えば、電磁場強度が想定よりも著しく低い場合、高圧電力線は、部分的に動作しているか、或いは、全く動作していない可能性がある。いくつかの例においては、電磁場強度が想定よりも著しく低い場合、無人航空機は、高圧電力線の追加検査又はメンテナンスを要求する通知を送信してもよい。いくつかの例においては、電磁場強度が想定よりも著しく低い場合であって、且つ、無人航空機にカメラが取り付けられている場合、想定よりも低い電磁場強度に応答して高圧電力線の写真を撮ってもよい。
【0086】
いくつかの例においては、方法500において、電磁場強度に基づいて電力線からの所定距離を選択する(工程522)。例えば、電磁場強度が強い程、所定距離は長くなる。
【0087】
いくつかの例においては、方法500において、衝突防止センサを用いて高圧電力線を検出する(工程524)。いくつかの例においては、方法500において、衝突防止センサからの測定値を用いて、充電中に無人航空機が高圧電力線から所定距離だけ離れた状態を維持する(工程526)。いくつかの例において、衝突防止センサは、ソナーセンサ、レーダセンサ、光センサ、又は、電磁場強度センサのうちの1つである。
【0088】
次に
図6を参照すると、例示的な実施形態による、領域における無人航空機の飛行プランを作成する方法を示すフローチャートが示されている。方法600は、
図1に示す環境100で実施することができる。方法600は、
図1に示す高電圧マップ160を用いて実行することができる。方法600によって作成された飛行プランは、
図2~3に示す領域200内の飛行に関するものであってもよい。方法600は、
図4に示すマップ400などのマップを用いて実行することができる。
【0089】
方法600において、領域を通る高圧電力線の経路を特定する(工程602)。方法600において、無人航空機が、飛行プランの少なくとも一部として、高圧電力線の電磁場を用いて当該無人航空機の充電式バッテリを充電するように、無人航空機のための飛行プランを作成する(工程604)。
【0090】
図6には、いくつかの任意の工程も示されている。いくつかの例においては、方法600において、無人航空機に飛行プランを送信する(工程606)。いくつかの例においては、方法600において、無人航空機の衝突防止センサからの測定値を用いて、充電中に無人航空機が高圧電力線から少なくとも所定距離だけ離れた状態を維持しつつ、飛行プランに従って無人航空機を飛行させる(工程608)。
【0091】
いくつかの例においては、方法600において、高圧電力線から少なくとも所定距離だけ離して無人航空機を飛行させることにより、充電式バッテリの一回の充電で達成される航続距離と比較して、無人航空機の航続距離を延ばす(工程610)。いくつかの例においては、方法600において、飛行中の無人航空機を用いて高圧電力線の電磁場の強度を検出する(工程612)。
【0092】
いくつかの例においては、方法600において、電磁場強度を用いて高圧電力線の動作状態を特定する(工程614)。例えば、電磁場強度が想定よりも著しく低い場合、高圧電力線は、部分的に動作しているか、或いは、全く動作していない可能性がある。いくつかの例においては、電磁場強度が想定よりも著しく低い場合、無人航空機は、高圧電力線の追加検査又はメンテナンスを要求する通知を送信してもよい。いくつかの例においては、電磁場強度が想定よりも著しく低い場合であって、且つ、無人航空機にカメラが取り付けられている場合、想定よりも低い電磁場強度に応答して高圧電力線の写真を撮ってもよい。
【0093】
次に
図7を参照すると、例示的な実施形態による、領域において無人航空機を飛行させるための方法を示すフローチャートが示されている。方法700は、
図1に示す無人航空機110を用いて実施することができる。方法700は、無人航空機302を用いて、
図2~3に示す領域200で実行することができる。方法700は、
図4に示す領域402で実行することができる。
【0094】
方法700において、高圧電力線の電磁場の範囲内に無人航空機を配置する(工程702)。方法700において、無人航空機の飛行中、当該無人航空機に取り付けられたインダクタを用いてエネルギーを生成する(工程704)。方法700において、インダクタによって生成されたエネルギーを、無人航空機の充電式バッテリに送る(工程706)。その後、上記方法を終了させる。
【0095】
図7には、いくつかの任意の工程も示されている。いくつかの例においては、方法700において、最短の飛行プランから、少なくとも一部が高圧電力線の電磁場内にある飛行プランに無人航空機を再誘導し、その際、無人航空機を電磁場内に配置することは、無人航空機を飛行プランに沿って飛行させることを含む(工程708)。
【0096】
いくつかの例においては、飛行プランは、高圧電力線の支持構造体を考慮に入れている。いくつかの例においては、飛行プランは、高圧電力線を支持するタワーの周辺に無人航空機を誘導する。いくつかの例においては、飛行プランは、少なくとも部分的に高圧電力線と平行である。他の例においては、飛行プランは、高圧電力線の電磁場の範囲内にあるが、高圧電力線と平行ではない。いくつかの例においては、飛行プランは、高圧電力線の電磁場内におけるらせん状パターンなどの、非平行パターンを有する。
【0097】
いくつかの例においては、方法700において、高圧電力線の電磁場内に無人航空機を配置することは、高圧電力線の経路に沿って無人航空機を飛行させることを含む(工程710)。いくつかの例においては、方法700において、高圧電力線の電磁場内に無人航空機を配置することは、高圧電力線から所定距離だけ離して無人航空機を飛行させることを含む(工程712)。いくつかの例においては、所定距離は、無人航空機における充電システムの効率が所定値に維持されている状態における、高圧電力線からの最大長である(工程714)。いくつかの例においては、所定距離は、充電式バッテリの充電レベルを維持するように選択される(工程716)。
【0098】
次に
図8を参照すると、例示的な実施形態による、飛行プラン作成器のブロック図が示されている。飛行プラン作成器800は、
図1に示す飛行プラン作成器148の実施態様である。飛行プラン作成器800は、
図2~3に示す領域200内を飛行しうる飛行プランを作成するために用いられる。飛行プラン作成器800により作成された飛行プランは、無人航空機302の飛行に用いることができる。飛行プラン作成器800は、飛行プラン418又は飛行プラン420のうちの少なくとも一方を作成することができる。いくつかの例においては、飛行プラン作成器800は、
図1に示す無人航空機110などの無人航空機に設けられている。
【0099】
飛行プラン作成器800は、データベース162から高電圧マップ160などの航空データを用いる。飛行プラン作成器800は、飛行プラン801を作成する。飛行プラン作成器800は、無人航空機110などの無人航空機のためのミッションデータ802を受信する。このミッションデータには、無人航空機のための複数の地点804が含まれている。飛行プラン作成器800は、所望のデータ源からミッションデータ802を受信する。このようなデータ源の例としては、
図1に示すデータベース162又は通信システム156などの通信システムが挙げられる。いくつかの例においては、
図1に示すデータベース162は、飛行制限区域又はユーティリティラインのうちの少なくともいずれか一方についての航空情報を含む。
【0100】
いくつかの例においては、複数の地点804は、無人航空機の目的地又は通過点を含む。いくつかの例においては、複数の地点804は、無人航空機のウェイポイント(waypoints)を含む。いくつかの例においては、複数の地点804は、無人航空機がミッションの目的846を実行するため飛行する先の地点を含む。
【0101】
飛行プラン作成器800は、複数の地点804を含む無人航空機の経路808を計算する。いくつかの例においては、経路808は、高圧電力線を用いて無人航空機を充電するための部分を含む。
【0102】
飛行プラン作成器800は、無人航空機の経路808及び動作設定811を含む、無人航空機の初期飛行プラン810を作成する。動作設定811は、速度、無人航空機のモータに供給される電力量、無人航空機で動作するモータの数、又は、無人航空機のコンポーネントのための他の設定のうちの少なくとも1つを含む。
【0103】
飛行プラン作成器800は、初期飛行プラン810に関連付けられた燃料消費量812を計算する。燃料消費量812は、無人航空機により消費されるエネルギー814と、生成されるエネルギー816とを含む。消費されるエネルギー814は、動作設定811を用いて経路808を辿るために無人航空機により用いられるエネルギーを含む。いくつかの例においては、消費されるエネルギー814には、初期飛行プラン810の期間における天候が考慮されている。生成されるエネルギー816は、経路808に沿って飛行する際の高圧電力線の近傍を通ることによる充電で生成されるエネルギーを含む。
【0104】
飛行プラン作成器800は、燃料消費量812が、無人航空機の利用可能なエネルギー818よりも多いか否かを判定する。利用可能なエネルギー818は、充電式バッテリの原充電量820と、初期飛行プラン810に従って飛行する無人航空機により生成されるエネルギー816とを含む。原充電量820は、無人航空機における少なくとも1つの充電式バッテリの充電量である。原充電量820は、再充電を行わない場合、無人航空機の航続距離を制限しうる。生成されるエネルギー816を用いることにより、無人航空機の航続距離を延ばすことができる。
【0105】
飛行プラン作成器800は、燃料消費量812が、利用可能なエネルギー818以下である場合、飛行プラン801として初期飛行プラン810を選択する。燃料消費量812が、利用可能なエネルギー818よりも大きい場合、初期飛行プラン810は、飛行プラン801として選択されない。燃料消費量812が、利用可能なエネルギー818よりも多い場合、無人航空機のための調整飛行プラン822が作成される。いくつかの例においては、調整飛行プラン822は、初期飛行プラン810を調整することにより作成される。調整飛行プラン822の作成は、飛行プランの一部を増やすことを含み、無人航空機は、高圧電力線から所定距離だけ離れて飛行する。調整経路824は、充電用部分825を有しており、当該部分は、無人航空機が高圧電力線から所定距離だけ離れて飛行する部分である。調整経路824の充電用部分825は、無人航空機が高圧電力線から所定距離だけ離れて飛行する部分である、経路808の充電用部分827よりも長い。充電用部分825が充電用部分827よりも長いため、調整飛行プラン822において生成されるエネルギー832のエネルギー量は、初期飛行プラン810において生成されるエネルギー816よりも多い。いくつかの例においては、飛行プラン作成器800は、飛行制限区域836を回避しつつ調整飛行プラン822を作成するように構成されている。
【0106】
飛行プラン作成器800は、調整飛行プラン822に関連付けられた調整燃料消費量826を計算する。調整燃料消費量826は、調整経路824及び動作設定828に基づいて計算される。調整燃料消費量826は、無人航空機により消費されるエネルギー830と、生成されるエネルギー832とを含む。消費されるエネルギー830は、動作設定828を用いて調整経路824を辿るために無人航空機により用いられるエネルギーを含む。いくつかの例においては、消費されるエネルギー830には、調整飛行プラン822の期間における天候が考慮されている。生成されるエネルギー832は、所望の手法で無人航空機により生成されるエネルギーを含む。いくつかの例においては、生成されるエネルギー832は、調整経路824に沿って飛行する際の高圧電力線の近傍を通ることによる充電で生成されるエネルギーを含む。
【0107】
飛行プラン作成器800は、調整燃料消費量826が、調整された利用可能なエネルギー834よりも多いか否かを判定する。調整された利用可能なエネルギー834は、充電式バッテリの原充電量820と、調整飛行プラン822に従って飛行する無人航空機により生成されるエネルギー832とを含む。飛行プラン作成器800は、調整燃料消費量826が、調整された利用可能なエネルギー834以下である場合、飛行プラン801として調整飛行プラン822を選択する。
【0108】
いくつかの例においては、調整飛行プラン822を作成することにより、経路808よりも長さ835が長い調整経路824が作成される。いくつかの例においては、調整経路824の長さ835は、経路808の長さ837よりも長い。調整経路824の長さ835は長さ837よりも長いが、充電用部分825が充電用部分827よりも長い場合、生成されるエネルギー832は、生成されるエネルギー816よりも多くなる。
【0109】
いくつかの例においては、飛行プラン作成器800は、飛行制限区域836を回避するために飛行プラン801を作成する。いくつかの例においては、飛行制限区域836は、永久的及び一時的な飛行制限区域を含む。いくつかの例においては、飛行制限区域836は、一時的な飛行制限区域のための時間を含む。例えば、いくつかの区域は、当該区域内を移動する政府職員、山火事抑制活動、スポーツイベント、気象事象、又は、他の種類の一時的な状況のために、一時的に制限された飛行区域であってもよい。いくつかの例においては、飛行プラン作成器800は、調整飛行プラン822を作成するに際して、飛行制限区域836を回避する。
【0110】
いくつかの例においては、飛行プラン作成器800は、飛行プラン801が、他の航空機の飛行プランの妨げになるか否かを判定する。上述した他の航空機の飛行プランは、他の航空機838のための複数の飛行プランのうちの1つである。飛行プラン作成器800は、飛行プラン801が他の航空機の飛行プランの妨げになる場合、当該飛行プラン801の経路840又は時間842のうちの少なくとも一方を変更する。
【0111】
いくつかの例においては、ミッションデータ802は、ミッション完了の所望時間844とミッションの目的846とを含む。いくつかの例においては、ミッションの目的846は、ユーティリティの検査であって、ミッションデータ802における無人航空機のための複数の地点804は、敷設権領域内のユーティリティの検査のための地点を含む。飛行プラン作成器800は、天候、又は、ミッション完了の所望時間844のうちの少なくとも一方に基づいて、動作設定811を作成する。
【0112】
いくつかの例においては、飛行プラン作成器800は、天候を考慮に入れた経路840を作成する。例えば、経路840は、無人航空機が、太陽光を用いて充電することが可能であって、天候が曇りである場合、高圧電力線に沿ってより大きい充電部分を有しうる。この例においては、無人航空機は、晴天時と比較すると太陽光から受け取る充電量が少なく、飛行プラン作成器800は、太陽光が少ないのを補償するために、高圧電力線から所定距離だけ離れて飛行することにより生成されるエネルギーを増大させる。
【0113】
次に
図9を参照すると、例示的な実施形態による、敷設権領域内のユーティリティを監視する方法を示すフローチャートが示されている。方法900は、敷設権領域内のユーティリティを監視する方法である。方法900は、
図1に示す無人航空機110を用いて実施することができる。方法900は、無人航空機302を用いて、
図2~3に示す領域200で実行することができる。方法900は、
図4に示す領域402で実行することができる。
【0114】
方法900においては、敷設権領域内の高圧電力線の電磁場と無人航空機の充電システムとを用いて、無人航空機の充電式バッテリを充電する(工程902)。方法900においては、充電中、無人航空機を高圧電力線から所定距離だけ離して飛行させる(工程904)。方法900においては、無人航空機を高圧電力線から所定距離だけ離して飛行させている間、当該無人航空機のセンサを用いてユーティリティを検査する(工程906)。その後、上記方法を終了させる。
【0115】
いくつかの例においては、ユーティリティの検査は、敷設権領域内に埋設されたユーティリティラインの撮像を含む(工程908)。いくつかの例においては、撮像されるユーティリティラインは、高圧電力線、水道管、水路、ガス管、ソーラーパネル、又は、オイル管のうちの少なくとも1つを含む(工程910)。
【0116】
いくつかの例においては、高圧電力線から所定距離だけ離して無人航空機を飛行させて当該無人航空機の充電式バッテリを充電することにより、充電式バッテリの原充電量で達成される航続距離と比較して、無人航空機の航続距離を延ばす(工程912)。いくつかの例においては、敷設権領域の長さは、充電式バッテリの原充電量で達成される無人航空機の航続距離よりも長く、方法900は、無人航空機を飛行させている間、敷設権領域の長さ方向に沿ってユーティリティを検査することさらに含み、無人航空機は、着陸することなく、敷設権領域の長さ方向に沿ってユーティリティを検査することができる。いくつかの例においては、敷設権領域の長さは、充電式バッテリの原充電量で達成される無人航空機の航続距離よりも長く、方法900は、無人航空機の充電によりユーティリティの検査を止めずに、敷設権領域の長さ方向に沿ってユーティリティを検査することさらに含む。
【0117】
いくつかの例においては、無人航空機のセンサを用いてユーティリティを検査することは、無人航空機を高圧電力線から所定距離だけ離して飛行させている間、敷設権領域内のユーティリティを検査することを含む(工程914)。いくつかの例においては、ユーティリティの検査は、動作効率、不正状況、不正事象、漏れ、又は、破損のうちの少なくとも1つについて敷設権領域内のパイプラインを検査することを含む(工程916)。いくつかの例においては、方法900は、許容範囲外の動作効率、不正状況、不正事象、漏れ、又は、破損のうちの少なくとも1つが検出されると、警告を送信することをさらに含む(工程918)。
【0118】
いくつかの例においては、方法900は、ユーティリティの検査をさらに含み、当該検査は、不正状況、不正事象、動作効率、又は、構造的な破損のうちの少なくとも1つについて高圧電力線を検査することを含む(工程920)。いくつかの例においては、充電中に高圧電力線から所定距離だけ離して無人航空機を飛行させることは、無人航空機のセンサからの測定値を用いて、充電中に高圧電力線から無人航空機を少なくとも所定距離だけ離すことを含む(工程922)。
【0119】
図10A及び10Bを参照すると、例示的な実施形態による、無人航空機の充電式バッテリを充電することを含む、無人航空機のための飛行プランを生成する方法のフローチャートが示されている。方法1000においては、
図1に示す無人航空機110のための飛行プラン150を生成することができる。方法1000は、
図2~3に示す領域200内を無人航空機302が飛行するための飛行プランを生成するために実行することができる。方法1000は、
図4に示す飛行プラン418又は飛行プラン420のうちの少なくとも一方を作成するために実行することができる。
【0120】
方法1000においては、無人航空機の充電式バッテリを充電することを含む、無人航空機のための飛行プランを生成する。方法1000においては、無人航空機のための複数の地点を含む、無人航空機のミッションデータを受信する(工程1002)。
【0121】
方法1000においては、プロセッサを用いて、複数の地点を含む無人航空機のための経路を計算する(工程1004)。
【0122】
方法1000においては、無人航空機の経路及び動作設定を含む、無人航空機の初期飛行プランを作成する(工程1006)。
【0123】
方法1000においては、初期飛行プランに関連付けられており、且つ、無人航空機により消費されるエネルギーと生成されるエネルギーとを含む燃料消費量を計算する(工程1008)。
【0124】
方法1000においては、燃料消費量が、充電式バッテリの原充電量と、初期飛行プランに従って飛行する無人航空機により生成されるエネルギーと、を含む無人航空機の利用可能なエネルギーよりも多いか否かを判定する(工程1010)。
【0125】
方法1000においては、燃料消費量が、利用可能なエネルギー以下である場合、飛行プランとして初期飛行プランを選択する(工程1012)。
【0126】
方法1000においては、燃料消費量が利用可能なエネルギーよりも多い場合、無人航空機のために調整飛行プランを作成し、当該調整飛行プランの作成は、飛行プランの一部を増やすことを含み、無人航空機は、高圧電力線から所定距離だけ離れて飛行する(工程1014)。
【0127】
方法1000においては、調整飛行プランに関連付けられた調整燃料消費量を計算する(工程1016)。
【0128】
方法1000においては、調整燃料消費量が、充電式バッテリの原充電量と、調整飛行プランに従って飛行する無人航空機により生成されるエネルギーと、を含む調整された利用可能なエネルギーよりも多いか否かを判定する(工程1018)。
【0129】
方法1000においては、調整燃料消費量が、調整された利用可能なエネルギー以下である場合、調整飛行プランを飛行プランとして選択する(工程1020)。その後、上記方法を終了させる。
【0130】
図10Bは、方法1000における任意の工程を示す。いくつかの例においては、調整飛行プランの作成は、飛行制限区域を回避することを含む(工程1022)。これらの例においては、飛行制限区域が永久的な地理上の区域でありうることが考慮されている。これらの例においては、飛行制限区域は、時間に基づいて変更されうることが考慮されている。いくつかの例においては、方法1000において、飛行プランの意図された日時に基づいて飛行制限区域が回避される。いくつかの例においては、調整飛行プランの作成により、前記経路よりも長い調整経路が作成される(工程1024)。
【0131】
いくつかの例においては、方法1000において、飛行プランが、他の航空機の飛行プランの妨げになるか否かを判定する(工程1026)。他の航空機は、民間航空機、軍用航空機、有人航空機、又は、無人航空機などの任意のタイプの航空機であってもよい。いくつかの例においては、方法1000において、飛行プランが、他の航空機の飛行プランの妨げになる場合、飛行プランにおける経路又は時間のうちの少なくともいずれか一方を変更する(工程1028)。
【0132】
いくつかの例においては、ミッションデータは、ミッション完了の所望時間とミッションの目的とを含む(工程1030)。ミッションの目的は、ユーティリティの検査、領域の監視、小包の配達、野生動物又は家畜の追跡などの所望の目標、又は、他の所望の目標を含む。
【0133】
いくつかの例においては、動作設定は、天候、又は、ミッション完了の所望時間のうちの少なくとも一方に基づいて作成される(工程1032)。例えば、無人航空機の移動速度、複数のモータに送られる電力量、又は、他の動作設定において、天候が考慮されている。例えば、風速を考慮に入れると、無人航空機のモータに対する電力量を増やす必要が生じうる。他の例としては、ミッション完了の所望時間に基づいて、無人航空機の速度を増減する場合がある。
【0134】
いくつかの例においては、ミッションの目的は、ユーティリティの検査であって、ミッションデータにおける無人航空機のための複数の地点は、ユーティリティの検査のための地点を含む(工程1034)。いくつかの例においては、ミッションデータにおける無人航空機のための複数の地点は、敷設権領域内のユーティリティの検査のための地点を含む。
【0135】
図示された様々な実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法のいくつかの考えられる実施態様の構造、機能、及び動作を示すものである。この点では、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、及び/又は、動作若しくはステップの一部のうちの少なくとも1つを表しうる。
【0136】
いくつかの代替の実施態様において、ブロックで述べられている1つ又は複数の機能は、図で述べられている順序とは異なる順序で実行してもよい。例えば、いくつかのケースにおいては、関連する機能に応じて、連続して示されている2つのブロックは実質的に同時に実行されてもよいし、逆の順序で実行されてもよい。また、フローチャート又はブロック図に示されたブロックに対して、さらに他のブロックを追加してもよい。
【0137】
いくつかの例においては、方法500、方法600、及び、方法700の全てのブロックが実行されるわけではない。例えば、方法500、方法600、方法700、方法900、及び、方法1000の各々は、説明した任意の工程を含む。例えば、工程908から工程922は、任意であってもよい。また、例えば、工程1022から工程1034は、任意であってもよい。
【0138】
上述した実施例においては、無人航空機(UAV)に設けられたインダクタ(コイル)及び充電回路を使用して、高圧電力線から放出される電磁場(EMF)から充電電流を生成することにより、飛行中にUAVの充電を行うことができる。通常、UAVは衝突の恐れがあるために高圧電力線の近くを飛行することを回避するが、上記実施例のように地図及びセンサを装備することにより、UAVは、電力線やタワーとの衝突を回避することができる。したがって、UAVは、タワーから比較的安全な距離を保ちながら、インダクタ及び充電回路を用いて、バッテリを充電するために電力線に十分近い距離を飛行することができる。これらの例においては、EMFを用いた充電は、回転翼UAVや固定翼UAVを含む任意のタイプの無人航空機によって利用されうる。
【0139】
いくつかの例においては、飛行プラニングシステムは、飛行プランを最適化し、UAVが、充電のために飛行経路の一部で電力線に沿って飛行したり、飛行距離を延ばしたりできるようにする。いくつかの例においては、UAVの誘導システムは、電力線タワーのマップに加えて、電圧読み取り(voltage reading)により電力線までの距離をさらに測定してもよい。さらに、UAVは、充電されるまで電力線の指定領域の周辺をロイター飛行(loiter)するようにプログラムすることができる。例えば、UAVは、充電のために電力線の近くでホバリングしてもよい。いくつかの例においては、飛行プラン(或いは、飛行経路としても知られる)は、長距離の経路を容易にするために、電力線に沿ってプロットされる。
【0140】
これにより、UAVは、電力線に沿って飛行して充電を行うことにより有効航続距離を延ばすとともに、漏れ、損傷、又は、破損を検査するために電力線及び地下パイプラインの両方を監視することができる。UAVは、電力線が、飛行中の充電を容易にするのに十分に強い電界を供給できない場合に、変圧器の問題を検出することもできる。高圧電力線及びインダクタを用いることにより、安全な距離で充電電力を得ることができる。
【0141】
本開示の例示的な実施形態においては、方法が提供される。無人航空機の充電式バッテリは、高圧電力線の電磁場、及び、前記無人航空機の充電システムを用いて充電される。充電中、前記無人航空機は、前記高圧電力線から所定距離だけ離れて飛行する。
【0142】
いくつかの例においては、前記所定距離は、前記無人航空機における前記充電システムの効率が所定値に維持されている状態における、前記高圧電力線からの最大長である。いくつかの例においては、前記所定距離は、前記充電式バッテリの充電レベルを維持するように選択される。いくつかの例においては、前記充電式バッテリの充電は、前記充電システムのインダクタを前記高圧電力線の電磁場に配置することにより、エネルギーを生成することを含む。
【0143】
いくつかの例においては、前記方法は、前記無人航空機のための経路に沿った気象状況を特定し、前記気象状況に基づいて前記所定距離を選択することをさらに含む。いくつかの例においては、前記方法は、前記高圧電力線の電磁場の強度を検出し、前記電磁場強度を用いて前記高圧電力線の動作状態を特定することをさらに含む。
【0144】
いくつかの例においては、前記方法は、前記高圧電力線の電磁場の強度を検出し、前記電磁場強度に基づいて前記高圧電力線からの前記所定距離を選択することをさらに含む。いくつかの例においては、前記高圧電力線の電磁場を用いて前記無人航空機の前記充電式バッテリを充電することにより、前記無人航空機の航続距離を延ばすことができる。
【0145】
いくつかの例においては、前記方法は、衝突防止センサを用いて前記高圧電力線を検出し、前記衝突防止センサからの測定値を用いて、充電中に前記無人航空機が前記高圧電力線から前記所定距離だけ離れた状態を維持することをさらに含む。いくつかの例においては、前記衝突防止センサは、ソナーセンサ、レーダセンサ、光センサ、又は、電磁場強度センサのうちの1つである。
【0146】
本開示の他の例示的な実施形態においては、方法が提供される。領域を通る高圧電力線の経路が特定される。無人航空機の飛行プランが作成され、その際、前記飛行プランは、前記無人航空機が、前記飛行プランの少なくとも一部として、前記高圧電力線の電磁場を用いて前記無人航空機の充電式バッテリを充電するように作成される。
【0147】
いくつかの例においては、前記方法は、前記飛行プランを前記無人航空機に送信し、前記無人航空機の衝突防止センサからの測定値を用いて、充電中に前記無人航空機が前記高圧電力線から所定距離だけ離れた状態を維持しつつ、前記飛行プランに従って前記無人航空機を飛行させることをさらに含む。いくつかの例においては、前記方法は、前記高圧電力線から前記所定距離だけ離して前記無人航空機を飛行させることにより、前記充電式バッテリの一回の充電で達成される航続距離と比較して、前記無人航空機の航続距離を延ばすことをさらに含む。いくつかの例においては、前記方法は、飛行中の前記無人航空機を用いて前記高圧電力線の電磁場の強度を検出し、前記電磁場強度を用いて前記高圧電力線の動作状態を特定することをさらに含む。
【0148】
本開示のさらなる例示的な実施形態においては、方法が提供される。無人航空機は、高圧電力線の電磁場の範囲内に配置される。前記無人航空機に取り付けられたインダクタを用いて、エネルギーが生成される。前記インダクタによって生成されたエネルギーは、前記無人航空機の充電式バッテリに送られる。
【0149】
いくつかの例においては、前記方法は、より短い飛行プランから変更して、少なくとも一部が前記高圧電力線の電磁場内にある飛行プランに前記無人航空機を再誘導し、前記無人航空機を前記変更後の飛行プランに沿って飛行させることにより、前記無人航空機を電磁場内に配置することを含む。いくつかの例においては、前記高圧電力線の電磁場内に前記無人航空機を配置することは、前記高圧電力線の経路に沿って前記無人航空機を飛行させることを含む。いくつかの例においては、前記高圧電力線の電磁場内に前記無人航空機を配置することは、前記高圧電力線から所定距離だけ離して前記無人航空機を飛行させることを含む。
【0150】
いくつかの例においては、前記所定距離は、前記無人航空機における充電システムの効率が所定値に維持されている状態における、前記高圧電力線からの最大長である。いくつかの例においては、前記所定距離は、前記充電式バッテリの充電レベルを維持するように選択される。
【0151】
本開示のさらなる例示的な実施形態においては、無人航空機が提供される。前記無人航空機は、充電式バッテリと、前記充電式バッテリに電気接続されたインダクタと、衝突防止センサとを含む。
【0152】
いくつかの例においては、前記衝突防止センサは、ソナーセンサ、レーダセンサ、光センサ、又は、電磁場強度センサのうちの1つである。いくつかの例においては、前記無人航空機は、コントローラをさらに含み、前記コントローラは、高圧電力線から所定距離だけ離して前記無人航空機を飛行させている間、前記インダクタが前記高圧電力線の電磁場を用いて前記充電式バッテリを充電するように、前記無人航空機を操縦するよう構成されている。
【0153】
本開示に含まれる文献、行為、材料、装置、物品などについての記載は、これらの事項の一部又は全てが先行技術の一部を形成すると認めるものではなく、また、これらの記載が、本願の各請求項の優先日よりも前に存在していたとして、本開示の関連技術分野における周知事項であると認めるものでもない。
【0154】
本明細書全体に亘って、「含む(comprise)」又はこれに類する用語(「comprises」、「comprising」等)が使用されている場合、これらは、記載した要素、部分(integers)、若しくはステップ、又は、要素、部分、若しくはステップのグループを含むことを示唆しているが、他の要素、部分若しくはステップ、又は、要素、部分、若しくはステップのグループを排除するものではない。
【0155】
様々な例示的な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示したものであり、全てを網羅したり、開示した態様の実施形態に限定したりすることを意図するものではない。多くの変形及び改変が当業者には明らかであろう。また、異なる例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態とは異なる特徴をもたらしうる。説明した実施形態は、実施形態の原理及び実際の用途を最も的確に説明するとともに、当業者が、想定した特定の用途に適した種々の改変を加えた様々な実施形態のための開示を理解できるようにするために、選択且つ記載したものである。