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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】交通信号システム用電源切換報知装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/095 20060101AFI20230615BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
G08G1/095 C
H02J9/06 120
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019158619
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021039416
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001292
【氏名又は名称】株式会社京三製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】平田 慶樹
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 文夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼島 俊一郎
(72)【発明者】
【氏名】和田 万正
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-34538(JP,A)
【文献】特開2015-141654(JP,A)
【文献】特開2011-239566(JP,A)
【文献】実開昭54-132291(JP,U)
【文献】特開2012-39772(JP,A)
【文献】特開2018-117079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
H02J 9/00 - 11/00
H05K 5/00 - 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の正面に開閉可能な密閉扉を設け、前記筐体の内部に無停電電源装置を配置し、該無停電電源装置による電力供給に切換わったことを報知する交通信号システム用電源切換報知装置であって、
前記筐体の背面に、孔部を有し該背面と平行する遮熱板を配置し、
前記孔部に発光部を有する報知部を固定し、
前記報知部の前記発光部は、停電時に前記無停電電源装置と接続され、前記無停電電源装置の蓄電部からの電力供給により点灯することを特徴とする交通信号システム用電源切換報知装置。
【請求項2】
前記無停電電源装置と前記報知部の前記発光部との間には、前記停電時にのみオン状態となり、前記無停電電源装置と前記報知部の前記発光部とを接続するスイッチが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の交通信号システム用電源切換報知装置。
【請求項3】
前記報知部は表面に複数の前記発光部を設けた直方体から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の交通信号システム用電源切換報知装置。
【請求項4】
前記報知部の表面は、前記遮熱板と面一であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の交通信号システム用電源切換報知装置。
【請求項5】
前記発光部は、前記筐体の底部に設けた挿通孔から延在する電力線を介して前記無停電電源装置と接続されていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の交通信号システム用電源切換報知装置。
【請求項6】
前記発光部は前記蓄電部の蓄電量に応じて連続点灯から点滅に切換わることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の交通信号システム用電源切換報知装置。
【請求項7】
交通信号灯器は前記無停電電源装置と信号制御部を介して、接続されていることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の交通信号システム用電源切換報知装置。
【請求項8】
前記信号制御部は、前記筐体内に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の交通信号システム用電源切換報知装置。
【請求項9】
前記信号制御部は、前記筐体とは別体である信号制御機に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の交通信号システム用電源切換報知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点等で運用される交通信号システムに用いられ、無停電電源装置による電力供給に切換わったことを報知する交通信号システム用電源切換報知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体内に無停電電源装置(UPS)を設置した電源切換報知装置が開示されている。無停電電源装置を用いることで、災害等により一時的に商用電源からの電力供給が遮断されても、交通信号灯器や制御機器に電力の供給が可能であり、交通信号灯器の信号点灯制御を所定時間継続して運用することができる。
【0003】
また、特許文献2には、筐体周囲に遮熱板を配置した筐体装置が開示されている。この遮熱板を設けることで、太陽光等による筐体内部の過熱を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-117079号公報
【文献】特開2001-155288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
交差点等に配置される電源切換報知装置は、雨水等の浸水を防止するために、筐体の頂面、側面、扉部等に、孔構造を設けることができない。従って、災害時に商用電源からの電力供給なのか又は無停電電源装置からの電力供給なのかが外部から判断できないという問題がある。そこで、災害時には、扉部を開錠して無停電電源装置から電力が供給されているか否かを確認する必要がある。
【0006】
本発明の目的は、上記の問題点を解消し、遮熱板を利用して、無停電電源装置の蓄電部による電力供給に切換わったことを、外部から容易に目視で確認できる交通信号システム用電源切換報知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る交通信号システム用電源切換報知装置は、筐体の正面に開閉可能な密閉扉を設け、前記筐体の内部に無停電電源装置を配置し、該無停電電源装置による電力供給に切換わったことを報知する交通信号システム用電源切換報知装置であって、前記筐体の背面に、孔部を有し該背面と平行する遮熱板を配置し、前記孔部に発光部を有する報知部を固定し、前記報知部の前記発光部は、停電時に前記無停電電源装置と接続され、前記無停電電源装置の蓄電部からの電力供給により点灯することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る交通信号システム用電源切換報知装置によれば、筐体部の背面に設けた遮熱板に、発光部を備えた報知部を配置することで、道路側を車両等で走行する管理者は、無停電電源装置の蓄電部から交通信号システムに対して電力が供給されていることを外部から容易に目視で確認可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】交通信号システム用電源切換報知装置を電柱に固定した状態の背面側から見た斜視図である。
図2】扉部を開放した状態の電源切換報知装置の底面図である。
図3】電源切換報知装置の正面図である。
図4】電源切換報知装置の側面図である。
図5】通常時の電源切換報知装置のブロック回路構成図である。
図6】停電時の電源切換報知装置のブロック回路構成図である。
図7】信号制御機と接続した電源切換報知装置のブロック回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は電柱Pに固定した交通信号システム用電源切換報知装置を背面側から見た斜視図、図2は扉部を開放した状態の電源切換報知装置の底面図、図3は正面図、図4は側面図である。
【0012】
交通信号システム用電源切換報知装置1は、停電時に交通信号システムに対して電力を供給する装置であり、無停電電源装置を内蔵した本体部2と、この本体部2を覆うように配置された遮熱板3と、遮熱板3に取り付けられた報知部4とから構成され、遮熱板3に取り付けた固定部5を介して、電柱Pに固定されている。
【0013】
本体部2には、箱状の筐体部2aと、筐体部2aの歩行者側通路を正面とし、この正面側に配置された開閉可能の扉部2bとから成り、筐体部2aの内部には、交差点に配置した交通信号灯器の信号点灯制御を行う図示しない信号制御基板や、交通管制センタ等との通信を行う図示しない通信制御基板等の各種制御機器から成る信号制御部が内蔵されている。
【0014】
筐体部2aは底部に開口孔2cが設けられ、この開口孔2cの一部を除いて、蓋板2dにより開口孔2cが閉塞され、蓋板2dの一部に設けられた挿通孔2eを介して、外部から電力線等が筐体部2a内に引き込まれている。
【0015】
扉部2bはヒンジ部2fを介して筐体部2aの正面側に開閉自在に連結され、扉部2bの内周部には図示しない防水用パッキンが付設されており、扉部2bにより筐体部2aを閉止すれば、筐体部2a内に雨水等が浸水することはない。また、扉部2bには筐体部2aに対して施錠を行う施錠部2gが設けられている。
【0016】
扉部2bの表面、筐体部2aの頂面、側面、車道側を向く背面には、それぞれ数cm程度平行に離間した放熱性の高い金属板から成る遮熱板3が取り付けられている。扉部2b及び筐体部2aを取り囲むように配置されたこれらの遮熱板3により、太陽光が遮熱板3により反射、吸収されることで、扉部2b及び筐体部2aに太陽光が直接に入射することによる、筐体部2a内の過度の温度上昇を防止できる。
【0017】
遮熱板3は、扉部2bに取り付けられた扉遮熱板3aと、筐体部2aの側面及び背面に取り付けられた側背面遮熱板3bと、筐体部2aの頂面に取り付けられた頂面遮熱板3cとから構成されている。扉遮熱板3aは施錠部2gの近傍に切欠部3dを有しており、扉遮熱板3aの裏面と扉部2bとは連結具3eを介して連結されている。
【0018】
側背面遮熱板3bは、筐体部2aの背面を覆う主遮熱板3fと、主遮熱板3fから直角方向に連続し、筐体部2aの側面と平行する一対の副遮熱板3gとから構成されている。副遮熱板3gの裏面と筐体部2aの側面とは連結具3hを介して連結されている。また、頂面遮熱板3cは側方に折曲され、側背面遮熱板3bに取り付ける取付板3iを有しており、この取付板3iは側背面遮熱板3bの副遮熱板3gに溶着やねじ止め等により固定されている。
【0019】
筐体部2aの背面に設けられた主遮熱板3fには、例えば縦4cm、横30cm程度の矩形状の孔部3jが開口されており、この孔部3jに縦4cm、横30cm、奥行3cm程度の直方体から成る報知部4が嵌合されている。
【0020】
報知部4には、例えば鉄道のプラットホーム等に埋設される直方体のスレッドラインを採用してもよく、報知部4は孔部3jの近傍の主遮熱板3fの裏面からL字金具等により、報知部4の表面と主遮熱板3fの表面とが面一となるように主遮熱板3fに固定されている。なお、発光部4aは細長い長方形以外に、正方形、円柱形、楕円柱等の適宜の形状のものを採用することができる。これらの形状を報知部4に採用する場合は、報知部4の形状に併せて主遮熱板3fの孔部3jの形状も変更される。
【0021】
報知部4は防水構造をしており、報知部4の表面には、複数個の円形状の発光部4aが等間隔に配列されている。これらの発光部4aは、表面に配置されたポリカーボネート、アクリル等の合成樹脂材から成る透光板4bと、この透光板4bの裏側の報知部4内に配置されたLED素子等の発光体4cとから構成されている。なお、報知部4の発光部4aは複数個を配置したもので説明しているが、1個のみを配置したものであってもよい。
【0022】
透光板4bは側方からの押圧力に対して破損し難い厚みを有しており、発光体4cは注意喚起に適した例えば赤色の高輝度LED素子を用いることが好ましい。また、赤色の高輝度LED素子以外にも、青色、緑色等の高輝度LED素子を使用することができる。
【0023】
固定部5は、電柱Pに巻き付けて固定するバンド部5aと、このバンド部5aを保持すると共に、ボルト等により副遮熱板3gを介して筐体部2aを固定する取付部5bとから構成されている。また、固定部5は筐体部2aの左右適宜の側面に取り付け可能であり、電柱Pに対して任意の高さに固定することができる。
【0024】
図5は外部の商用電源から電力が供給されている状態の通常運用時の電源切換報知装置1のブロック回路構成図である。交通信号灯器等に電力を供給する商用電源によるAC入力線11は、無停電電源装置12の制御スイッチ12aの入力接点12b、出力端子部12cを介して、AC出力線13に接続されている。AC出力線13は信号制御部14に接続され、更にAC電力線15を介して交通信号灯器16に接続されている。
【0025】
一方、AC出力線13は、制御スイッチ12aと連動して作動し、外部から電力が供給されているときにはオフ状態となる連動スイッチ17に接続されている。信号制御部14と並列接続された連動スイッチ17は、AC/DC変換部18を介して、DC電力線19により報知部4の発光部4aに接続されている。発光部4aの発光体4cはDC電力線19に対し並列に接続されており、DC電力線19から所定電圧が発光体4cに印加されることで、複数個の発光部4aが同時に点灯するようになっている。
【0026】
停電時には、制御スイッチ12aと連動スイッチ17は図示しない停電検出回路により作動され、停電時には制御スイッチ12aは入力接点12bから入力接点12g側に、連動スイッチ17はオフからオン状態に切換わる。この停電検出回路による停電検出は、例えば電圧測定の各瞬時値と、予め設定された制限値とを比較することで行う。
【0027】
また無停電電源装置12では、AC入力線11に接続したコンバータ部12d、蓄電部12e、インバータ部12fを介して、制御スイッチ12aの入力接点12gに接続されている。蓄電部12eは大容量のリチウムイオン電池等が用いられ、例えば容量が1500Wh程度のものを使用し、1交差点における交通信号灯器16の平均的な合計使用電力である200Wを約7時間に渡って電力供給をすることが可能とされている。なお、蓄電部12eの容量は、設置する交差点環境に応じて、数時間に渡って交通信号灯器16に対して電力供給が可能な適宜の容量のものを採用する。
【0028】
交通信号灯器16は例えば主、従道路に配置される車両用交通信号灯器と、歩行者用灯器とから構成されている。なお、交通信号灯器16以外に、車両検出器や歩行者用押釦箱等の各機器を信号制御部14に接続することも可能である。
【0029】
信号制御部14には、図示しない信号制御基板や外部との通信を行う通信制御基板が内蔵されている。信号制御部14の信号制御基板に記憶される交通信号灯器16の現示テーブルに従って、車両用交通信号灯器の赤色灯、黄色灯、青色灯や、歩行者用灯器の赤色灯、青色灯の各交通信号灯器16に対して、AC電力線15を介して点灯、消灯、点滅のオン、オフ制御による信号点灯制御を行っている。なお、挿通孔2eから外部に延在するAC電力線15、DC電力線19は、防水処理が施されている。
【0030】
このように、外部の商用電源から電力が供給されている通常運用時では、制御スイッチ12aを経て信号制御部14に対してAC出力線13から電力が供給され、交差点に設置された交通信号灯器16に対して信号制御部14による信号点灯制御を行う。このとき、連動スイッチ17はオフ状態であるため、報知部4の発光部4aが点灯することはない。
【0031】
例えば災害等が発生し、外部の商用電源からの電力供給が途絶えると、停電検出回路は停電を検出する。図6に示す停電時のブロック回路構成図のように、停電検出回路により制御スイッチ12aでは入力接点12b側から入力接点12gに切換わり、同時に連動スイッチ17はオン状態となる。
【0032】
制御スイッチ12aが入力接点12g側に切換わり、連動スイッチ17がオン状態となることで、蓄電部12eからの電力が、AC出力線13により信号制御部14、交通信号灯器16及び報知部4に供給される。信号制御部14及び交通信号灯器16は瞬時に切換わる制御スイッチ12aにより、接続する各機器の制御処理が途切れることなく継続される。
【0033】
なお、信号制御部14に停電検出回路を接続して、停電検出回路により停電を検出した場合には、信号制御部14を省電力モードに切換えるようにしてもよい。この省電力モードは交通信号灯器16の輝度を抑えたり、通信機能を遮断したりして、必要最低限の機能だけで運用するモードのことである。
【0034】
報知部4の発光体4cは、停電により連動スイッチ17がオン状態になることにより点灯する。この点灯により、道路側を車両等で走行する電源切換報知装置1の管理者は、発光部4aが点灯していることで停電中であり、現在無停電電源装置12のリチウムイオン電池等の蓄電部12eから交通信号灯器16等に電力供給されていることを、容易に確認することができる。
【0035】
無停電電源装置12の作動を確認した管理者は、商用電源等の異常に対する修理の手配や、無停電電源装置12の蓄電部12eの電力を使い切った際の交通整理を行う交通整理員の手配等を行うことができる。
【0036】
また、発光部4aは蓄電部12eの蓄電量が少なくなると、連動スイッチ17による連続した接続を、間欠的な接続に切換えるようにしてもよい。連動スイッチ17の間欠的な接続により発光部4aは点滅し、管理者は無停電電源装置12の蓄電部12eの蓄電量を使い切って、交通信号灯器16が消灯するまでの時間を、より詳細に把握することが可能となる。
【0037】
そして、商用電源による電力供給が復旧することで、制御スイッチ12a及び連動スイッチ17は図5に示す通常運用時の状態に戻り、報知部4の発光部4aは消灯し、蓄電部12eは商用電源であるAC入力線11から充電を開始する。
【実施例2】
【0038】
図7は、信号制御機17と接続した交通信号システム用電源切換報知装置1’のブロック回路構成図である。図6の電源切換報知装置1は信号制御部14と無停電電源装置12とが一体型となった装置であるのに対して、実施例2の交通信号システム用電源切換報知装置1’は信号制御部14を内蔵せず、別体である信号制御部14を内蔵する信号制御機20に接続されている。電源切換報知装置1’の停電時及び停電復旧時の動作は、実施例1の電源切換報知装置1と同様である。
【0039】
また、信号制御機20は、電源切換報知装置1と同様に、箱状の筐体部20aと、筐体部14aの歩行者側通路を正面とし、この正面側に配置された開閉可能の図示しない扉部を有している。そして、筐体部20aは底部に挿通孔20bが設けられている。
【0040】
既設の信号制御機20に、電源切換報知装置1’を接続する場合は、信号制御機20の近傍、例えば電柱Pに対して左右側にそれぞれ配置することが好ましい。また、挿通孔2e及び挿通孔20bから外部に延在するAC出力線13は、防水処理が施されている。
【0041】
このように、交通信号システム用電源切換報知装置1、1’によれば、筐体部2aの背面に設けた主遮熱板3fに、発光部4aを備えた報知部4を配置することで、道路側を車両等で走行する管理者は、現在停電中であり、無停電電源装置12の蓄電部12eから交通信号システムに対して電力が供給されていることを容易に目視で確認することができる。
【0042】
また、既設の遮熱板3を設けていない信号制御機に対して、筐体部2a内に無停電電源装置12を設置し、背面側に報知部4を配置した遮熱板3を取り付けることで交通信号システム用電源切換報知装置1に改造することができる。本体部2自体を改造することがないので、筐体部2a内に雨等が浸水することはない。なお、信号制御機は必ずしも遮熱板3は必要としないが、リチウム電池等を内蔵する無停電電源装置12は熱に弱いため、無停電電源装置12を筐体部2a内に設置する場合には遮熱板3が必須となる。
【0043】
また、既設の信号制御機20に対して、商用電源からのAC入力線11に代えて、交通信号システム用電源切換報知装置1’のAC出力線13を接続し、近傍に交通信号システム用電源切換報知装置1’を設置することで、既設の信号制御機20を改造することなく、管理者は無停電電源装置12の蓄電部12eから交通信号システムに対して電力が供給されていることを、外部から容易に目視で確認することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1、1’ 交通信号システム用電源切換報知装置
2 本体部
2a 筐体部
2b 扉部
2c 開口孔
2e 挿通孔
3 遮熱板
3j 孔部
4 報知部
4a 発光部
12 無停電電源装置
12e 蓄電部
14 信号制御部
16 交通信号灯器
17 連動スイッチ
18 AC/DC変換部
19 DC電力線
20 信号制御機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7