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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】吸収体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20230615BHJP
【FI】
A61F13/15 333
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019198743
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021069740
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北野 修
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-97172(JP,A)
【文献】特開2006-144202(JP,A)
【文献】特開2018-89127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段の該搬送面上に、該被搬送物として、吸収性コアが積層されたコアラップシートを載置し、吸引を行いながら該搬送面を一方向に移動させることで該被搬送物を搬送させ、その搬送中に、該コアラップシートにおける、該吸収性コアの搬送方向に沿う両側縁から該搬送方向と直交する搬送直交方向の外方に延出した延出部を、該搬送面の上方に該搬送方向に沿って配置された折り返しガイドを用いて、該吸収性コアの上面を被覆するように折り返す被覆工程を有する、吸収体の製造方法であって、
前記吸収性コアは、前記搬送直交方向の長さが前記搬送方向に沿って異なっており、該搬送直交方向の長さが最小の部分である最幅狭部を有し、
前記最幅狭部の前記搬送直交方向の両端を通って前記搬送方向に延びる一対の仮想直線を境界として、前記折り返しガイドの配置領域を移動する前記搬送面を、該一対の仮想直線に挟まれた中央域と、該中央域を挟んで該搬送直交方向の両側に位置する側方域とに区分し、該側方域の吸引力を該中央域の吸引力に比べて低くする、吸収体の製造方法。
【請求項2】
前記搬送手段は、複数の吸引孔を有し、所定の周回軌道を移動する通気性のコンベアベルトと、該周回軌道内に設置された吸引手段とを含んで構成され、前記搬送面が該コンベアベルトによって形成されており、
前記吸引手段を作動させると、前記搬送面上の被搬送物が前記吸引孔を介して吸引されるようになされている、請求項1に記載の吸収体の製造方法。
【請求項3】
前記側方域と前記中央域とで前記吸引孔の開孔面積を異ならせることで、該側方域の吸引力を該中央域の吸引力に比べて低くする、請求項2に記載の吸収体の製造方法。
【請求項4】
前記側方域と前記中央域とで前記吸引手段の吸引力を異ならせることで、該側方域の吸引力を該中央域の吸引力に比べて低くする、請求項2又は3に記載の吸収体の製造方法。
【請求項5】
前記側方域の吸引力をゼロにする、請求項1~4の何れか1項に記載の吸収体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておつむや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる吸収体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の製品の製造ラインにおいては、連続的に搬送される不織布や樹脂製フィルム等のシートを折り返すための折り返し装置が用いられている。この折り返し装置は、典型的には、搬送面上にシートを載せて搬送する搬送コンベアと、該搬送コンベアによって搬送されるシートの搬送方向に沿った側縁を該搬送方向と直交する方向に折り返す折り返しガイドとを具備する。また、この折り返し装置として、搬送面上のシートを該搬送面に密着させるための吸引動作を行う吸引機構を具備するものが知られている。
【0003】
特許文献1及び2には、このような構成の折り返し装置を用いた吸収体の製造方法が記載されている。斯かる吸収体の製造方法においては、折り返し装置の搬送面上にコアラップシートと呼ばれる被覆用のシートを載置し、更にそのシートの上に吸収性コアを載置し、該搬送面を介して該シートを吸引しつつ、該シートの搬送方向に沿った各側部域を該搬送方向と直交する方向に折り返すことで、該吸収性コアを該シートで被覆する操作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-97172号公報
【文献】特開2010-240110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の図8には、従来行われている折り返し装置を用いた吸収体の製造方法の一例が示されている。図8(a)に示す折り返し装置90は、搬送面を形成する通気性の搬送コンベア91と折り返しガイド92とを備え、搬送コンベア91が有する多数の吸引孔(図示せず)を通じたバキュームエアによる吸引力Vによって、該搬送面上の被搬送物(吸収性コア95及びコアラップシート96)を該搬送面に吸引しつつ搬送可能になされている。折り返しガイド92は、搬送コンベア91の搬送方向(MD)に沿った両側縁に沿って配され、且つ搬送コンベア91(搬送面と同一平面)よりも上方に位置する部分を有する一対の側壁部93,93と、該一対の側壁部93,93それぞれからMDと直交する搬送直交方向(CD)の内方に向けて延出する一対の延出部94,94とを備える。また、折り返し装置90によってコアラップシート96に被覆される吸収性コア95は、図8(b)に示すように、CDの長さ(幅)がMDに沿って異なっており、MDの中央域にCDの長さが最小の部分である最幅狭部を有し、該最幅狭部のMDに沿う両側縁が括れ部Nとなっている。
【0006】
折り返し装置90では、コアラップシート96における、吸収性コア95のMDに沿う両側縁95SからCD外方に延出した延出部96Eを、MDに沿う折曲線にて折り曲げ、更に、吸収性コア95の上面(搬送コンベア91との対向面とは反対側の面)を被覆するように折り返すところ、括れ部N以外の位置でこのようなコアラップシート96の折り返し操作を行う場合は、吸収性コア95の側縁95Sの近傍に位置する折曲線にて延出部96Eが折り返されるため、該折曲線を境界としてCDの内方に位置するコアラップシート96(吸収性コア95が載置されているコアラップシート96)と、CDの外方に位置する延出部96Eとの間に吸収性コア95が介在し、そのため、延出部96Eに吸引力Vが作用し難く、延出部96Eを吸収性コア95の上面側にスムーズに折り返すことができる。これに対し、括れ部Nの位置でコアラップシート96の折り返し操作を行う場合は、図8(a)に示すように、延出部96Eを折り曲げるときの折曲線が吸収性コア95の側縁95SよりもCDの外方に位置するため、該側縁95SよりもCDの外方で発生する吸引力Vが延出部96Eに作用しやすく、その結果、延出部96Eが搬送コンベア91に吸着してしまい、コアラップシート96(延出部96E)に皺Sが発生するという問題があった。また、このように延出部96Eが搬送コンベア91に吸着してしまうと、吸収性コア95の上面を延出部96Eによって完全に被覆することが困難となり、吸収体に非被覆部C(いわゆる口開き)が発生してしまうという問題があった。
【0007】
また、折り返しガイド92の配置領域は、図8(a)に示すように、搬送コンベア91の上方が、折り返しガイド92を構成する非通気性の一対の延出部94,94によって被覆され、その一対の延出部94,94どうしは、その一部がわずかな隙間を置いて重ね合わされて配されているところ、括れ部Nの位置で比較的大きな吸引力Vが作用すると、該隙間を通じて外部から空気流Aが流入し、通気性のコアラップシート96を通じて吸収性コア95に直接当たる結果、吸収性コア95の形成材料の脱落、吸収性コア95の型崩れなどの不都合を招くという問題があった。
【0008】
本発明の課題は、吸収体の製造方法の改良にあり、更に詳しくは、コアラップシートに皺を生じさせず、且つ吸収性コアの形成材料の脱落や型崩れを生じせずに、コアラップシートによって吸収性コアを首尾よく被覆し得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段の該搬送面上に、該被搬送物として、吸収性コアが積層されたコアラップシートを載置し、吸引を行いながら該搬送面を一方向に移動させることで該被搬送物を搬送させ、その搬送中に、該コアラップシートにおける、該吸収性コアの搬送方向に沿う両側縁から該搬送方向と直交する搬送直交方向の外方に延出した延出部を、該搬送面の上方に該搬送方向に沿って配置された折り返しガイドを用いて、該吸収性コアの上面を被覆するように折り返す被覆工程を有する、吸収体の製造方法であって、前記吸収性コアは、前記搬送直交方向の長さが前記搬送方向に沿って異なっており、該搬送直交方向の長さが最小の部分である最幅狭部を有し、前記最幅狭部の前記搬送直交方向の両端を通って前記搬送方向に延びる一対の仮想直線を境界として、前記折り返しガイドの配置領域を移動する前記搬送面を、該一対の仮想直線に挟まれた中央域と、該中央域を挟んで該搬送直交方向の両側に位置する側方域とに区分し、該側方域の吸引力を該中央域の吸引力に比べて低くする、吸収体の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コアラップシートに皺を生じさせず、且つ吸収性コアの形成材料の脱落や型崩れを生じせずに、コアラップシートによって吸収性コアが確実に被覆された吸収体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の製造方法によって製造される吸収体の一例の幅方向に沿う断面を模試的に示した図であり、図1(a)は、該吸収体の非括れ部での断面図、図1(b)は、該吸収体の括れ部での断面図である。
図2図2は、本発明の製造方法の実施に使用可能な装置を示す全体概略図である。
図3図3は、図2に示す装置において、搬送中のコアラップシート上に吸収性コアが載置され、更に、該コアラップシートの該吸収性コアからの延出部が該吸収性コアの上面側に折り返される様子を模式的に示す上面図である。
図4図4は、図3のI-I線での吸収体の断面を模式的に示す図である。
図5図5は、図2に示す装置が具備する折り返し装置の模式的な斜視図である。
図6図6は、図2に示す折り返し装置の要部の模式的な上面図である。
図7図7は、図2に示す折り返し装置で実施される吸収体の製造方法の一例を示す図であり、搬送直交方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。
図8図8(a)は、従来行われている折り返し装置を用いた吸収体の製造方法の一例を示す図であり、搬送直交方向に沿う断面を模式的に示す断面図、図8(b)は、図8(a)に示す吸収性コアの模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
【0013】
図1には、本発明の製造方法の製造目的物である吸収体の一例である吸収体1が示され、図2及び図3には、本発明の製造方法の一実施態様である吸収体1の製造方法の概略が示されている。吸収体1は、少なくとも繊維材料を形成材料とする吸収性コア50と、これを被覆するコアラップシート51とを具備している。吸収性コア50は、吸収体1の製造時における搬送方向(以下、「MD」ともいう。Machine Directionの略である。)と直交する搬送直交方向(以下、「CD」ともいう。Cross Machine Directionの略である。)の長さ(すなわち幅)がMDに沿って異なっており、CDの長さが最小の部分である最幅狭部50Nを有する。
【0014】
本実施形態の吸収性コア50は、図3に示すように、MDに長い形状を有し、その長手方向がMDに一致し、幅方向がCDに一致する。また吸収性コア50は、MDの中央よりもMDの一方側(吸収性物品に組み込まれた場合における着用者の腹側)に偏倚した位置に最幅狭部50Nを有する。吸収性コア50のMDに沿う両側縁50S,50Sは、最幅狭部50Nの位置でCDの内方に向けて湾曲し、括れ部Nを形成している。
【0015】
本実施形態のコアラップシート51は、図1に示すように、幅(CDの長さ)が吸収性コア50のそれよりも長い幅広の1枚のシートであり、具体的には、吸収性コア50の幅の2倍以上3倍以下の幅を有する。そして吸収体1においては、この幅広のコアラップシート51が、吸収性コア50の一方の面(吸収体1の製造時にコンベアベルト42と対向する下面)の全域を被覆するとともに、吸収性コア50の両側縁50S,50SからCDの外方に延出し、その一対の延出部51E,51Eが吸収性コア50の他方の面(吸収体1の製造時の上面)側に折り返されている。また、折り返された一対の延出部51E,51Eそれぞれの先端部どうしが、吸収性コア50の上面の中央部にて重なり合って重合部52を形成している。これによって、吸収性コア50は、少なくともその上下面及び各側面がコアラップシート51によって被覆されている。
【0016】
吸収体1の製造方法は、図2及び図3に示すように、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段の該搬送面上に、該被搬送物として、吸収性コア50が積層されたコアラップシート51を載置し、吸引を行いながら(すなわち該被搬送物を該搬送面に吸引しつつ)該搬送面を一方向に移動させることで該被搬送物を搬送させ、その搬送中に、該コアラップシート51における、該吸収性コア50の搬送方向(MD)に沿う両側縁50S,50SからMDと直交する搬送直交方向(CD)の外方に延出した延出部51Eを、該搬送面の上方にMDに沿って配置された折り返しガイド43bを用いて、該吸収性コア50の上面を被覆するように折り返す被覆工程を有する。図2に示す製造装置10は、この吸収体1の製造方法の実施に好適に使用されるもので、積繊部20と、転写部30と、折り返し部40とを含んで構成されている。前記被覆工程は折り返し部40において実施され、前記搬送面は、折り返し部40を構成するコンベアベルト42の上面である。
【0017】
積繊部20は、外周面21Sに複数の集積用凹部(図示せず)が所定の間隔で形成された積繊ドラム21と、吸収性コア50の形成材料(以下、「コア形成材料」ともいう。)としての繊維材料(例えばパルプ繊維)及び吸収性粒子(例えば吸水性ポリマー粒子)を、空気流に随伴させて、積繊ドラム21の外周面に供給するダクト22とを備えている。ダクト22は、積繊ドラム21の外周面21Sの一部を覆う一端部22aと、繊維材料を導入する繊維材料導入装置23に接続された他端部22bとを有しており、両端部22a,22bの間に吸収性粒子の導入装置24が設けられている。繊維材料導入装置23は、繊維材料を主体とする原料シート230を解繊し、該繊維材料をダクト22内に供給する解繊手段231を備えている。なお、コア形成材料としては、吸収性粒子を用いずに繊維材料のみを用いてもよい。
【0018】
積繊ドラム21は、金属製の剛体からなる円筒状のドラム本体210と、該ドラム本体210の外周部に重ねて配され、積繊ドラム21の外周面21Sを形成する外周部材211とを含んで構成されている。外周部材211は、モータ等の原動機からの動力を受けて、水平な回転軸を回転中心として、図2中の矢印R1方向に回転駆動されるようになされているが、ドラム本体210は、固定されていて回転しない。ドラム本体210の内部は、その周方向に複数の空間A,B,Cに仕切られている。また、ドラム本体210には、その内部を減圧する減圧機構(図示せず)が接続されており、該減圧機構の駆動により、空間AないしCを負圧に維持可能になされている。
【0019】
積繊ドラム21は、外周部がダクト22で覆われている空間Aが、内部側からの吸引によってコア形成材料の積繊が可能な積繊ゾーンとなされている。空間Aを負圧に維持した状態で、外周部材211を矢印R1方向に回転させると、外周部材211に形成された集積用凹部(図示せず)が空間A上を通過している間、該集積用凹部の底部に空間A内の負圧が作用し、該底部に形成された多数の吸引孔を通じた空気の吸引が行われる。この吸引孔を通じた吸引により、ダクト22内を搬送されてきたコア形成材料が、該集積用凹部へと導かれてその底部上に積繊し、その積繊物である吸収性コア50が形成される。一方、通常、積繊ドラム21の空間Bは、空間Aよりも弱い負圧又は圧力ゼロ(大気圧)に設定され、また、空間Cは、該集積用凹部内の積繊物の転写位置及びその前後を含む領域であるので、圧力ゼロ又は陽圧に設定される。前記集積用凹部は、製造する吸収性コア50に付与すべき形状に対応した形状有している。
【0020】
こうして、吸引によって前記集積用凹部に積繊物である吸収性コア50が形成されると、コア形成材料の脱落のために、該吸収性コア50の上から保持用ベルト25が被覆される。そして、前記集積用凹部内の吸収性コア50は、外周部材211の回転により積繊ドラム21の下部へ搬送されるとともに、保持用ベルト25による保持が解除された後、エアー吐出装置26からのエアーの吐出によって、該集積用凹部から離型されて転写部30へと移行する。
【0021】
転写部30は、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段31を備え、該搬送手段31は、図2中の矢印R2方向に周回する無端状のコンベアベルト32と、該コンベアベルト32の周回軌道内に設置された吸引手段としてのサクションボックス33とを含んで構成されている。コンベアベルト32は被搬送物の搬送面を形成するもので、通気性を有している。コンベアベルト32は例えば、多数の吸引孔(図示せず)を有するメッシュベルトからなる。サクションボックス33は、コンベアベルト32を挟んで、エアー吐出装置26と対向する位置に設置されており、エアー吐出装置26から吹き出された空気を吸引できるようになっている。コンベアベルト32上には、吸収性コア50の転写前に予めコアラップシート51が供給されており、前記集積用凹部から離型された吸収性コア50は、コアラップシート51上に載置された状態で、転写部30の下流側に位置する折り返し部40へと搬送される。
【0022】
本実施態様の製造方法では、図2及び図3に示すように、吸収性コア50の前記集積用凹部からコアラップシート51への転写位置よりもMDの上流側にて、搬送中のコアラップシート51における吸収性コア50が転写される面(内面)に対し、塗布手段11,12により接着剤11A,12Aを塗布する。具体的には、コアラップシート51における、吸収性コア50が転写されない部分すなわち延出部51Eとなる部分に、塗布手段11により接着剤11Aを連続的に塗布し、また、コアラップシート51における、吸収性コア50が転写される部分(コアラップシート51のCDの中央部)に、塗布手段12により接着剤12Aを連続的に塗布する。塗布手段12は、図2に示すように、塗布手段11よりもMDの下流側に配置されている。図3に示す形態では、接着剤11Aは平面視直線状ないし帯状に塗布され、接着剤12Aは平面視スパイラル状に塗布されているが、接着剤11A,12Aの塗布パターンはこれに限定されず、任意に設定し得る。こうして、コアラップシート51の内面の略全体に接着剤11A,12Aが塗布された後、転写部30にてコアラップシート51の内面におけるCDの中央部に吸収性コア50が転写され、更に、折り返し部40にてコアラップシート51の延出部51Eが吸収性コア50の上面側に折り返されることで、最終的に得られる吸収体1においては、図4に示すように、吸収性コア50とコアラップシート51とが接着剤11A,12Aを介して一体化される。図4に示す吸収体1では、重合部52においては、重なり合った延出部51E,51Eどうしが接着剤11Aを介して接合されており、これにより、重合部52が意図せずに開いてしまう、いわゆる口開き現象が防止される。
【0023】
本実施態様の製造方法では、図3に示すように、吸収性コア50は、該吸収性コア50をCDに二等分する中心線50CLが、コアラップシート51をCDに二等分する中心線51CLと一致するように、コアラップシート51上に載置される。したがって、コアラップシート51における、吸収性コア50の両側縁50S,50SからCD外方に延出する一対の延出部51E,51Eどうしは、その延出幅(CDに沿う長さ)が互いに同じになっている。尤も、一対の延出部51E,51Eどうしにおいて、斯かる延出幅は互いに異なっていてもよい。
【0024】
図2に示すように、吸収性コア50の前記集積用凹部からコアラップシート51への転写位置よりもMDの下流側で、且つ後述する折り返し装置44よりもMDの上流側の位置には、吸収性コア50の搬送ガイド機構34が設置されている。搬送ガイド機構34は、コンベアベルト32の上方に配置されており、コアラップシート51と吸収性コア50との積層物を、搬送ガイド機構34とコンベアベルト32とで挟持しながら搬送して、吸収性コア50が搬送経路から逸脱しないようにするために用いられる。
【0025】
図5図7には、製造装置10が備える折り返し部40が示されている。折り返し部40は、搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段41を備えている。折り返し部40の搬送手段41は、所定の周回軌道を図2中の矢印R3方向に移動する通気性のコンベアベルト42と、該周回軌道内に設置された吸引手段としてのサクションボックス43とを含んで構成されている。コンベアベルト42は被搬送物の搬送面を形成し、コンベアベルト42の上面に被搬送物、すなわちコアラップシート51と吸収性コア50との積層物が載置される。コンベアベルト42自体は、金属、樹脂などの非通気性の素材から形成されているが、図6に示すように、コンベアベルト42にはこれを厚み方向に貫通する吸引孔42hを複数穿設されており、これによりコンベアベルト42は通気性を有している。サクションボックス43を作動させると、コンベアベルト42(搬送面)上の被搬送物が吸引孔42hを介して吸引されるようになされている。
【0026】
折り返し部40は、搬送手段41に加えて更に、コアラップシート51の折り返し装置44を備えている。折り返し装置44は、コンベアベルト42の周回軌道の一部に設置されている。折り返し装置44は、搬送中のコアラップシート51における、該コアラップシート51上に載置された吸収性コア50の両側縁50S,50Sからの延出部51Eを、吸収性コア50側に折り返すための機構を備えている。
【0027】
折り返し装置44は、搬送中のコアラップシート51におけるMDに沿う両側部に設置されている。折り返し装置44は、搬送面を形成するコンベアベルト42を挟んでCDの両側に配され、該搬送面と直交する方向に延びる一対の側壁部440,440と、該一対の側壁部440,440それぞれの上端からCDの内方に向けて張り出した一対の折り返しガイド441,441とを備えている。折り返しガイド441の外側縁441aは、側壁部440の上端に連接され、折り返しガイド441の内側縁441bは、他の部材に固定されていない自由縁である。
【0028】
本実施形態において、側壁部440は平坦な板状部材から構成されている。側壁部440は、図7に示すように、該側壁部440の下端部(折り返しガイド441との連接部とは反対側の端部)がL字部材442によって支持部材443に固定されることで、鉛直方向(図7の上下方向)に起立するように配されている。支持部材443は例えば板状の部材であり、その板面を水平方向(図7の左右方向)と一致させて設置されている。
【0029】
本実施形態において、折り返しガイド441は、図6に示す如き平面視において三角形形状の部位を含む平坦な板状部材から構成され、水平方向(図6の上下方向、図7の左右方向)に対して略平行に配されている。一対の折り返しガイド441,441は、それぞれ、搬送面を形成するコンベアベルト42に対して略平行に配されており、コンベアベルト42に対向配置されている。折り返しガイド441の外側縁441aは、MDと平行な直線状であるのに対し、折り返しガイド441の内側縁441bは、MDに沿ってCDの外方から内方に向かって斜めに延びる直線状である。したがって折り返しガイド43bは、MDの内方に向けての張り出し幅Wが、MDに沿って漸増している。また、一対の折り返しガイド441,441それぞれのMDの下流側に位置する部分どうしが隙間を置いて重なり合い、重合部441cを形成している。この重合部441cにおける一対の折り返しガイド441,441どうしの隙間は、通常1~30mm程度である。
【0030】
ところで、吸収性コア50は最幅狭部50N(括れ部N)を有し、CDの長さすなわち幅がMDに沿って異なっているため、折り返しガイド441を用い常法に従ってコアラップシート51の延出部51Eを、吸収性コア50の上面(コンベアベルト42との対向面とは反対側の面)を被覆するように折り返すと、前述したとおり図8(a)に示す如くに、最幅狭部50N(括れ部N)の位置でコアラップシート51に皴が発生したり、吸収体1に非被覆部(口開き)が発生したりすることが懸念される。また特に、一対の折り返しガイド441,441の重合部441cが存在する領域では、前述したとおり、重合部441cに存在するわずかな隙間を通じて外部から流入する空気流(図示せず)によって、コア形成材料の脱落や吸収性コア50の型崩れなどの不都合を招くことが懸念される。
【0031】
しかしながら、吸収体1の製造方法においては、折り返しガイド441の配置領域において、搬送面(コンベアベルト42)を介して被搬送物(コアラップシート51と吸収性コア50との積層物)に作用する吸引力を、吸収性コア50の最幅狭部50N及び該最幅狭部50NをMDに仮想的に延長した場合の仮想延長領域を基準として、その内外で異ならせることによって、前記懸念を払拭している。
【0032】
すなわち吸収体1の製造方法では、図6に示すように、搬送面(コンベアベルト42)上の吸収性コア50の最幅狭部50NのCDの両端を通ってMDに延びる一対の仮想直線VL,VLを境界として、「折り返しガイド441の配置領域」を移動する搬送面を、該一対の仮想直線VL,VLに挟まれた中央域45と、該中央域45を挟んでCDの両側に位置する側方域46とに区分し、側方域46の吸引力46Vを中央域45の吸引力45Vに比べて低くする。すなわち、折り返しガイド441の配置領域を通過する搬送面(コンベアベルト42)をCDに3つの領域に区分し、その3つの領域のうちのCDの中央に位置する中央域45を、相対的に吸引力が大きい高吸引部とし、CDの両側に位置する2つの側方域46を、相対的に吸引力が小さい低吸引部とする。
【0033】
前記の「折り返しガイドの配置領域」は、図6に示す如き、搬送面(図6ではコンベアベルト42)の平面視において、折り返しガイド441が該搬送面と重なるように配置されている領域である。なお、「折り返しガイドの配置領域」であるためには、図6に示す如くに、搬送面(コンベアベルト42)のCDの両側に折り返しガイド441が配されている必要は無く、搬送面のCDの片側にのみ折り返しガイド441が配されていても、その片側にのみ折り返しガイド441が配された領域は、「折り返しガイドの配置領域」である。
【0034】
中央域45は、搬送面(コンベアベルト42)における前記の「最幅狭部50N及び該最幅狭部50NをMDに仮想的に延長した場合の仮想延長領域」と平面視で重なる部分であり、図6に示すように、搬送中の吸収性コア50のMDの全長にわたって該吸収性コア50と重なる。一方、側方域46は、搬送面(コンベアベルト42)における最幅狭部50NのCDの外方に位置する部分を含むところ、該部分の吸引孔42hは吸収性コア50と重なっていないため、該吸引孔42hを介して作用する吸引力46V(図7参照)がそのままコアラップシート51の延出部51Eに作用しやすく、このことが、前述したコアラップシートの折り返し操作で発生する皴などの不都合を招く原因となっている。そこで吸収体1の製造方法では、コアラップシート51の折り返し操作が行われる、折り返しガイド441の配置領域において、「側方域46の吸引力46V<中央域45の吸引力45V」という大小関係を成立させ、吸引力45Vを意図的に低下させることで、前記懸念を払拭し、コアラップシート51に皺を生じさせず、且つ吸収性コア50の形成材料の脱落や型崩れを生じせずに、コアラップシート51によって吸収性コア50が確実に被覆された吸収体1を製造可能としている。
【0035】
なお、本明細書において、「吸引力」とは、「吸引静圧(Pa)×吸引面積(m)÷吸引領域のCDの長さ(m)」で定義される値であるN/mの次元をもつ物理量である。例えば、側方域46の吸引力46Vは、「側方域46の吸引静圧(Pa)×側方域46の面積(m)÷側方域46のCDの長さ(m)」で定義される。
【0036】
前記の「側方域46の吸引力46V<中央域45の吸引力45V」という大小関係は、中央域45(一対の仮想直線VL,VLに挟まれた領域)の全域について成立する必要は無く、少なくとも中央域45のCDの中央部について成立すればよい。すなわち本発明においては、「側方域46の吸引力46V<中央域45のCDの中央部の吸引力45V」という大小関係が成立すればよく、中央域45におけるCDの中央部以外の部分、すなわち、「中央域45における側方域46寄りの部分」の吸引力45Vは、側方域46の吸引力46Vよりも大きい必要は無い。
【0037】
例えば、中央域45における側方域46寄りの部分の吸引力45Vを、側方域46の吸引力46Vと同等にしてもよい。つまり、「側方域46の吸引力46V、及び、中央域45における側方域46寄りの部分の吸引力45V<中央域45のCDの中央部の吸引力45V」という大小関係が成立してもよい。斯かる大小関係が成立することにより、仮に、折り返しガイド441の配置領域において、吸収性コア50が蛇行するなどして、吸収性コア50の位置が本来の適正位置からずれ、吸収性コア50の最幅狭部50Nの一部が搬送面(コンベアベルト42)の中央域45から側方域46にはみ出した場合でも、コアラップシート51に皺を生じさせず、且つ吸収性コア50の形成材料の脱落や型崩れを生じせずに、コアラップシート51によって吸収性コア50を被覆することが可能となる。
【0038】
このように、吸収性コア50の位置ずれが生じても本発明の所定の効果が確実に奏されるようにする観点から、前記「中央域45における側方域46寄りの部分」、すなわち中央域45における、側方域46の吸引力46Vと同等の吸引力を有する部分は、中央域45と側方域46との境界からCDの内方(中央域45側)に好ましくは3mm以内、より好ましくは10mm以内の領域であることが好ましい。
【0039】
中央域45の吸引力45Vに対する側方域46の吸引力46Vの比率(46V/45V)は、45V>46Vを前提として、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下であり、最も好ましくはゼロである。側方域46の吸引力46Vがゼロの場合、斯かる比率はゼロである。吸引力46Vがゼロであると、折り返しガイド441の配置領域において、搬送面(コンベアベルト42)における、最幅狭部50NのCDの外方に位置する部分での吸引力がゼロとなるため、該吸引力に起因するコアラップシートの皴などの不都合の発生が一層効果的に防止される。
【0040】
中央域45の吸引力45Vは、好ましくは500N/m以上、より好ましくは1000N/m以上、そして、好ましくは3000N/m以下、より好ましくは2000N/m以下である。
側方域46の吸引力46Vをゼロとしない場合、吸引力46Vは、好ましくは100N/m以上、より好ましくは250N/m以上、そして、好ましくは1000N/m以下、より好ましくは500N/m以下である。
【0041】
搬送面における吸引力は、該搬送面を形成するコンベアベルト42の通気性、吸引動作を行う吸引手段であるサクションボックス43の吸引力などを適宜調整することで調整可能である。
【0042】
例えば、側方域46と中央域45とで、搬送面を形成するコンベアベルト42の吸引孔42hの開孔面積を異ならせることで、前述の大小関係「側方域46の吸引力46V<中央域45の吸引力45V」を成立させることが可能である。具体的には例えば、側方域46に位置する吸引孔42hの開孔面積(側方域46に開孔面積の異なる複数の吸引孔42hが存在する場合は、最大開孔面積)を、中央域45に位置する吸引孔42hの開孔面積(中央域45に開孔面積の異なる複数の吸引孔42hが存在する場合は、最小開孔面積)に比べて小さくすればよい。側方域46に位置する吸引孔42hの開孔面積をゼロとした場合、すなわち側方域46に吸引孔42hを形成しない場合は、側方域46の吸引力46Vはゼロとなる。中央域45に位置する吸引孔42hの開孔面積45Pに対する、側方域46に位置する吸引孔42hの開孔面積46Pの比率(46P/45P)は、45P>46Pを前提として、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、最も好ましくはゼロである。
【0043】
また例えば、側方域46と中央域45とで、折り返しガイド441の配置領域における吸引手段であるサクションボックス43の吸引力を異ならせることで、前述の大小関係「側方域46の吸引力46V<中央域45の吸引力45V」を成立させることが可能である。具体的には例えば、サクションボックス43を、中央域45の吸引を行う部分(以下、「中央域吸引部」ともいう。)と、側方域46の吸引を行う部分(以下、「側方域吸引部」ともいう。)とに区分し、各該吸引部がそれぞれ独立に吸引動作を実施可能とした上で、該側方域吸引部による吸引力を、該中央域吸引部による吸引力よりも小さくすればよい。この場合、前記側方域吸引部による吸引力をゼロすなわち非吸引とすれば、側方域46の吸引力46Vはゼロとなる。また、サクションボックス43を前記中央域吸引部と前記側方域吸引部とに区分する区切り部材(図示せず)が、移動可能(例えばCDに移動可能)になされていてもよく、そのように構成されたサクションボックス43を用いることで、様々な形状の吸収性コア50に対応できるようになる。
【0044】
本発明の製造方法の製造目的物である吸収体は、吸収性物品用として好適である。ここでいう「吸収性物品」は、人体から排出される体液(尿、軟便、経血、汗等)の吸収に用いられる物品を広く包含し、止着テープを有するいわゆる展開型の使い捨ておむつ、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ、失禁パッド等が包含される。吸収性物品において、吸収体はその長手方向(すなわち製造時のMD)が着用者の前後方向に一致するように配置される。
【0045】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。本発明が適用される吸収性コアは、搬送直交方向(CD)の長さが搬送方向(MD)に沿って異なり最幅狭部を有していればよく、吸収性コアの形状は、図1及び図3に示す如きいわゆる平面視で砂時計状に限定されず、例えば、最幅狭部を2つ以上有していてもよい。前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0046】
<1> 搬送面上の被搬送物を吸引しつつ搬送可能な搬送手段の該搬送面上に、該被搬送物として、吸収性コアが積層されたコアラップシートを載置し、吸引を行いながら該搬送面を一方向に移動させることで該被搬送物を搬送させ、その搬送中に、該コアラップシートにおける、該吸収性コアの搬送方向に沿う両側縁から該搬送方向と直交する搬送直交方向の外方に延出した延出部を、該搬送面の上方に該搬送方向に沿って配置された折り返しガイドを用いて、該吸収性コアの上面を被覆するように折り返す被覆工程を有する、吸収体の製造方法であって、
前記吸収性コアは、前記搬送直交方向の長さが前記搬送方向に沿って異なっており、該搬送直交方向の長さが最小の部分である最幅狭部を有し、
前記最幅狭部の前記搬送直交方向の両端を通って前記搬送方向に延びる一対の仮想直線を境界として、前記折り返しガイドの配置領域を移動する前記搬送面を、該一対の仮想直線に挟まれた中央域と、該中央域を挟んで該搬送直交方向の両側に位置する側方域とに区分し、該側方域の吸引力を該中央域の吸引力に比べて低くする、吸収体の製造方法。
<2> 前記中央域における前記側方域寄りの部分の吸引力を、該側方域の吸引力と同等にする、前記<1>に記載の吸収体の製造方法。
<3> 前記中央域における前記側方域寄りの部分は、該中央域と該側方域との境界から前記搬送直交方向の内方に好ましくは3mm以内、より好ましくは10mm以内の領域である、前記<2>に記載の吸収体の製造方法。
【0047】
<4> 前記中央域の吸引力に対する前記側方域の吸引力の比率(後者/前者)が、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下である、前記<1>~<3>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<5> 前記中央域の吸引力が、好ましくは500N/m以上、より好ましくは1000N/m以上、そして、好ましくは3000N/m以下、より好ましくは2000N/m以下である、前記<1>~<4>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<6> 前記側方域の吸引力が、好ましくは100N/m以上、より好ましくは250N/m以上、そして、好ましくは1000N/m以下、より好ましくは500N/m以下である、前記<1>~<5>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
【0048】
<7> 前記搬送手段は、複数の吸引孔を有し、所定の周回軌道を移動する通気性のコンベアベルトと、該周回軌道内に設置された吸引手段とを含んで構成され、前記搬送面が該コンベアベルトによって形成されており、
前記吸引手段を作動させると、前記搬送面上の被搬送物が前記吸引孔を介して吸引されるようになされている、前記<1>~<6>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<8> 前記側方域と前記中央域とで前記吸引孔の開孔面積を異ならせることで、該側方域の吸引力を該中央域の吸引力に比べて低くする、前記<7>に記載の吸収体の製造方法。
<9> 前記中央域に位置する前記吸引孔の開孔面積に対する、前記側方域に位置する前記吸引孔の開孔面積の比率(後者/前者)が、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくはゼロである、前記<7>又は<8>に記載の吸収体の製造方法。
<10> 前記側方域と前記中央域とで前記吸引手段の吸引力を異ならせることで、該側方域の吸引力を該中央域の吸引力に比べて低くする、前記<7>~<9>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<11> 前記吸引手段は、前記中央域の吸引を行う中央域吸引部と、前記側方域の吸引を行う側方域吸引部とに区分され、且つこれら両吸引部がそれぞれ独立に吸引動作可能になされており、
前記側方域吸引部による吸引力を、前記中央域吸引部による吸引力よりも小さくする、前記<7>~<10>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
<12> 前記吸引手段を前記中央域吸引部と前記側方域吸引部とに区分する区切り部材が移動可能になされている、前記<11>に記載の吸収体の製造方法。
<13>
前記側方域の吸引力をゼロにする、前記<1>~<5>及び<7>~<12>の何れか1に記載の吸収体の製造方法。
【符号の説明】
【0049】
1 吸収体
10 吸収体の製造装置
20 積繊部
21 積繊ドラム
22 ダクト
30 転写部
31 転写部の搬送手段
32 コンベアベルト
33 サクションボックス(吸引手段)
40 折り返し部
41 折り返し部の搬送手段
42 コンベアベルト
42h コンベアベルトの吸引孔
43 サクションボックス(吸引手段)
44 折り返し装置
440 側壁部
441 折り返しガイド
441c 折り返しガイドの重合部
45 搬送面の中央域
46 搬送面の側方域
50 吸収性コア
50S 吸収性コアの搬送方向(長手方向)に沿う側縁
50N 吸収性コアの最幅狭部
51 コアラップシート
51E コアラップシートの延出部
52 コアラップシートの重合部
N 括れ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8