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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/00 20200101AFI20230615BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
D06F39/00 A
G09F13/04 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020157080
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022050902
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】牧野 太一郎
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-144521(JP,A)
【文献】特開2004-105567(JP,A)
【文献】特開2019-20637(JP,A)
【文献】中国実用新案第208730503(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00
G09F 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯槽が収容される筐体と、
前記筐体に設けられ、前記洗濯槽を開閉する蓋体と、
前記蓋体に設けられる操作部材と、を備え、
前記操作部材は、透明部材と、前記透明部材の裏側に設けられる少なくとも有色層と遮光層を含む印刷層と、前記透明部材に表示部を投影させる光源と、を備え、
前記透明部材は、他の部品によって隠れる位置に、前記有色層が印刷される領域と、前記有色層が印刷される一部領域を除いて前記有色層に重ねて前記遮光層が印刷される領域と、を有するインデックスを備えることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記透明部材は、ガラス板であることを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項2に記載の洗濯機において、
前記他の部品は、前記ガラス板の縁を保持する枠部材であることを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
洗濯槽が収容される筐体と、
前記筐体に設けられる操作部材と、を備え、
前記操作部材は、透明部材と、前記透明部材の裏側に設けられる少なくとも遮光層と有色層とを含む印刷層と、前記透明部材に表示部を投影させる光源と、を備え、
前記透明部材は、他の部品によって隠れる位置に、前記有色層が印刷される領域と、前記有色層が印刷される一部領域を除いて前記有色層に重ねて前記遮光層が印刷される領域と、を有するインデックスを備えることを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の洗濯機において、
前記有色層は、前記透明部材の近い側から順に、パターン印刷層、ベタ印刷層および拡散印刷層を有し、
前記パターン印刷層が形成される第1領域と、前記第1領域を除いて前記パターン印刷層に重ねて前記ベタ印刷層が形成される第2領域と、前記第1領域を含む前記第2領域を除いて前記パターン印刷層および前記ベタ印刷層に重ねて前記拡散印刷層が形成される第3領域と、前記第1領域と第2領域を含む第3領域を除いて前記パターン印刷層、前記ベタ印刷層および前記拡散印刷層に重ねて前記遮光層が形成される第4領域と、を有することを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の操作パネルを備えた洗濯機では、電気機器本体の外面部に設けられ、表示部及び操作部を有するパネル主部と、このパネル主部の裏面側に配置され点灯により表示部及び/又は操作部を投影表示させる光源とを備えて構成されるものであって、パネル主部は、表面に配置される飾り板と、この飾り板を保持し前記電気機器本体に取付けるための取付部を有した非透光材料からなる支持部材とを備えると共に、飾り板は、透明部材(樹脂またはガラス)の少なくとも裏面部に、表示用透光部が色抜き状態に形成されている遮光フィルムを設けて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-36498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の洗濯機では、操作パネルがクリアに表示されるために、透明部材の裏側に少なくとも、操作部のデザイン(色味・パターン・操作用の文字)等が印刷された有色層と、表示用透光部が色抜き状態に形成された遮光層とが必要になる。有色層は、遮光層の表示用透過部を透過してきた、パネル裏面の光源(例えば、発光LED)からの光が、表示用透過部(例えば、文字やパターン)の形に沿って、ムラなく光るように、多層の印刷で構成している場合がある。この有色層が多層で構成されたパネルにおいて、印刷工程の抜けがあった場合、有色層の裏面には遮光層が構成されるため、部品の外観上では印刷工程の抜けの識別が困難であり、部品の不良を確認するためには、洗濯機に組み込むまたは専用の治具を使用して検査する必要がある。
【0005】
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、印刷不良を発見して、部品管理が容易になる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、洗濯槽が収容される筐体と、前記筐体に設けられ、前記洗濯槽を開閉する蓋体と、前記蓋体に設けられる操作部材と、を備え、前記操作部材は、透明部材と、前記透明部材の裏側に設けられる少なくとも有色層と遮光層を含む印刷層と、前記透明部材に表示部を投影させる光源と、を備え、前記透明部材は、他の部品によって隠れる位置に、前記有色層が印刷される領域と、前記有色層が印刷される一部領域を除いて前記有色層に重ねて前記遮光層が印刷される領域と、を有するインデックスを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、印刷不良を発見して、部品管理が容易になる洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の洗濯機に搭載される外蓋の分解斜視図である。
図2】外蓋の断面図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4】操作部の表示部の一例を示す図である。
図5】パターン印刷の一例を示す図である。
図6】各印刷層を分解して示す斜視図である。
図7】印刷層の重なり状態を示す模式的に示す図である。
図8】第2実施形態の洗濯機の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥を行うことができる洗濯機S(いわゆる、縦型の洗濯乾燥機)を例に挙げて説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る洗濯機の外蓋を分解した状態を斜視図である。
図1に示すように、洗濯機Sは、筐体の外枠(筐体)1、洗濯槽2、外蓋3を備えている。
【0011】
外枠1は、板金(鉄板)をプレス加工等によって四角筒状に形成したものである。また、外枠1の下部には、合成樹脂製のベース1aが設けられている。なお、図示していないが、外枠1の内部は、補強部材を用いて外枠1が補強されている。また、ベース1aは、内部に格子状のリブなどを設けて補強されている。
【0012】
また、外枠1の上部には、合成樹脂製のトップカバー1bが設けられている。このトップカバー1bには、衣類投入口1cと、外蓋3を回動自在に固定する固定軸1dと、を有している。また、トップカバー1bの手前には、洗濯機Sの電源オン・オフおよび一時停止用の押圧式のスイッチ1eが設けられている。
【0013】
洗濯槽2は、外槽と洗濯兼脱水槽とを備えて構成されている。外槽は、合成樹脂製であり、有底略円筒状を呈し、外枠1内の中央において、防振装置(不図示)を介して支持されている。防振装置は、バネや弾性ゴムからなり、外枠1内の上部から外槽を吊り下げ支持している。
【0014】
洗濯兼脱水槽は、洗濯、脱水、乾燥される洗濯物(衣類)を収容する有底円筒形状を有する。また、洗濯兼脱水槽は、回転軸が略鉛直方向を向いている。また、洗濯兼脱水槽は、外槽の内部中央に設けられ、外槽内において回転自在に支持されている。また、洗濯兼脱水槽は、その外周壁に通水および通風のための多数の小さな貫通孔を有している。また、洗濯兼脱水槽は、その底壁に通水および通風のための複数の貫通孔を有している。また、洗濯兼脱水槽の上縁部には、流体バランサーが設けられている。また、洗濯兼脱水槽の底部には、洗濯水を攪拌して、洗いやすすぎなどを行う回転翼盤が回動自在に設けられている。
【0015】
外蓋3は、洗濯槽2に対して洗濯物を出し入れする際に開閉されるものであり、外枠1の上部に設けられたトップカバー1bの固定軸1dに支持されている。
【0016】
また、外蓋3は、ガラス板31(透明部材)、蓋ベース32、配線基板33、LEDガイド34、基板サポート35を備えて構成されている。
【0017】
ガラス板31は、1枚ものの無色透明な強化ガラスによって、矩形状に形成されている。第1実施形態の外蓋3は、トップカバー1bではなく、ガラス板31の表面中央に、操作部材50が設けられている。この操作部材50は、洗濯機Sの設定をする際に操作される操作部50aと、各種の操作によって発光(点灯、点滅など)する表示部50bと、を有している。
【0018】
蓋ベース32は、ガラス板31などを保持する合成樹脂製のものであり、ガラス板31が載置される設置面32aを有する。
【0019】
また、蓋ベース32は、前縁部に、ガラス板31の前縁部31aを保持するとともに、外蓋3を開閉する際に操作される取っ手32bを有している。この取っ手32bは、幅方向(左右方向)全体に渡って形成されている。また、取っ手32bは、トップカバー1bに接するように全閉したときに、トップカバー1bの表面と取っ手32bとの間に隙間が形成されるように構成されている。
【0020】
また、蓋ベース32の後縁部には、ガラス板31の後縁部31bを保持する保持部32c(枠部材、他の部品)が形成されている。この保持部32cによってガラス板31の後縁部31bが保持されると、後縁部31bが保持部32cによって隠れて、洗濯機Sの外部から視認できなくなる。また、保持部32cは、ガラス板31が左右にずれないように袋状に形成されている。
【0021】
また、蓋ベース32の中央部には、配線基板33、LEDガイド34、基板サポート35が収容される収容凹部32dが形成されている。この収容凹部32dは、矩形状の開口32eを有している。
【0022】
配線基板33は、矩形状の基板33aと、この基板33aの一面側(上面側)に実装され、発光することで操作部50aや表示部50bを発光させるLED(光源、light emitting diode)33bと、同じ面に実装され、使用者によるタッチ入力を検出する、静電容量式のタッチセンサ33cと、を備える。LED33bおよびタッチセンサ33cは、それぞれ複数備えている。
【0023】
LEDガイド34は、合成樹脂製のものであり、ガラス板31の操作部材50のうち必要な領域のみに、LED33bの光が投影するように区画されている。また、LEDガイド34は、LED33bの光を拡散させる機能も有している。
【0024】
基板サポート35は、合成樹脂製のものであり、配線基板33とLEDガイド34を保持している。LEDガイド34は、基板サポート35にねじ固定されている。また、基板サポート35は、蓋ベース32にねじ固定されている。
【0025】
図2は、外蓋の断面図である。なお、図2では、説明をわかり易くするためにそれぞれの印刷層を離して模式的に図示している。
図2に示すように、ガラス板31の裏面には、ガラス板31に近い側から順に、パターン印刷層41(有色層)、ベタ印刷層42(有色層)、拡散印刷層43(有色層)、遮光印刷層44(遮光層)が形成されている。
【0026】
なお、有色層としてのパターン印刷層41、ベタ印刷層42、拡散印刷層43は、外蓋3の表面に意匠性を持たせる機能を有する。遮光印刷層44は、後記する表示用透光部44a(図3参照)を有している。これら印刷層41~44は、例えば、シルク印刷によって行われる。
【0027】
まず、ガラス板31に最も近い面に、パターン印刷層41が形成される。このパターン印刷層41は、例えば、ドット、ストライプ、パール(きらきらした印象を与えるもの)などの柄を与えるものである。なお、パターン印刷層41に使用されるインク(塗料)は、例えば、アクリル系、ウレタン系、樹脂系、UV硬化系であり、顔料を混ぜて発色させたものである。
【0028】
そして、パターン印刷層41の上(図示下側)からベタ印刷層42が形成される。このベタ印刷層42は、単色であり、意匠を構成する印刷のメイン色(主となる色)となるものである。なお、ベタ印刷層42は、パターン印刷層41において例示したインクと同様のものが使用される。
【0029】
そして、ベタ印刷層42の上(図示下側)から拡散印刷層43が形成される。この拡散印刷層43は、光を拡散させる機能を有し、例えば無色透明なものが使用される。また、拡散印刷層43は、希釈用インクとして、例えばメジウムが使用される。メジウムは、ワニス単体または耐湿顔料のみを分散した、インク色を薄めるために使用される無彩色の希釈用インクである。このメジウムのインクの透明度を調整することで、LED33bからの光をムラなく拡散させることができる。
【0030】
ガラス板31の後縁部31bは、蓋ベース32の保持部32cと、上下において重なるように組み付けられる。また、ガラス板31の前縁部31aは、蓋ベース32の取っ手32bの保持部32b1と上下において重なるように組付けられる。ガラス板31の後縁部31bと蓋ベース32の保持部32cとが重なる前後方向の寸法W1は、前縁部31aと保持部32b1とが重なる前後方向の寸法W2よりも長く形成されている。
【0031】
図3は、図2の要部拡大図である。
図3に示すように、遮光印刷層44には、表示用透光部44aが形成されている。この表示用透光部44aは、印刷層が切り欠き形成された部分(印刷層が形成されていない部分)であり、LED33bと対向する位置に形成されている。
【0032】
また、LEDガイド34は、LED33bからの光をガラス板31側に向けて案内する案内路34aが形成されている。なお、第1実施形態でのLED33bは、砲弾型が用いられている。それぞれの案内路34aと対向する位置に、表示用透光部44aが位置している。
【0033】
また、タッチセンサ33cは、コイルばね33dを有し、ガラス板31側に付勢されている。ガラス板31を蓋ベース32に設置したときに、各印刷層41~44が形成されたガラス板31が付勢されるようになっている。換言すると、ガラス板31によってコイルばね33dが下方に押圧されている。これにより、指等によるタッチ操作を確実に検知することができる。
【0034】
図4は、操作部の表示部の一例を示す図である。
図4に示すように、ガラス板31の裏側には、各洗濯運転コース(洗い、すすぎ、脱水、乾燥など)などが印字された文字パターン61~75(操作部50a)が形成されている。これら文字パターン61~74は、該文字パターン61~74の裏側に、タッチセンサ33c(図3参照)が配置され、操作部として機能するとともに、LED33b(図3参照)の光によって表示部50bが適宜発光するようになっている。また、それぞれの文字パターン61~75の周囲にも、文字パターン61~75のタッチ操作によって切り替わる文字パターンが複数形成されている。
【0035】
図5は、パターン印刷の一例を示す図である。
図5に示すように、パターン印刷層41は、例えば、黒色やストライプ柄状に、無色透明のインクを印刷することで構成されている。このような柄に印刷することで、LED33b(図3参照)からの光の屈折によって、印刷に柄が入っているように見せることができる。なお、パターン印刷層41に使用されるインクは、無色透明なインクに限定されるものではなく、色付きのインクによってパターン柄を印刷してもよい。ただし、原則として、LED33b(図3参照)からの光によって投影される部分(操作部や表示部)41aは、表示用透光部44aと同様に、パターン(印刷層)を抜いて形成される。
【0036】
図6は、各印刷層を分解して示す斜視図である。
図6に示すように、まず、ガラス板31の裏面全面に、パターン印刷層41が形成される。ガラス板31は、左右方向の幅寸法がWであり、前後方向の長さ寸法がDであり、印刷される面積はW・Dである。また、パターン印刷層41の印刷面積は、ガラス板31の面積と同様に、W・Dである。
【0037】
そして、ガラス板31に形成されたパターン印刷層41上には、第1領域R1を除いて、ベタ印刷層42が形成される。この第1領域R1は、パターン印刷層41が形成されない矩形状の領域であり、第1実施形態では、ガラス板31の右後側の角部に横長四角状に形成されている。また、第1領域R1の幅wは、ガラス板31の幅を4等分した寸法である。また、第1領域R1の前後方向の寸法dは、前記した寸法W1(図2参照)以下の短い寸法である。寸法をdとした場合、第1領域R1の面積は、w・dである。これにより、パターン印刷層41上には、第1領域R1(面積wd)を除く領域(WD-wd)にベタ印刷層42が形成される。
【0038】
そして、ベタ印刷層42上には、第2領域R2を除いて、拡散印刷層43が形成される。この第2領域R2は、拡散印刷層43が形成されない矩形状の領域であり、第1実施形態では、第1領域R1の全体を含み、さらに第1領域R1に隣接する第1領域R1と同じ面積(w・d)を追加した領域(2wd)である。これにより、ベタ印刷層42には、第2領域R2(2wd)を除く領域(WD-2wd)に拡散印刷層43が形成される。
【0039】
そして、拡散印刷層43の上には、第3領域R3を除いて、遮光印刷層44が形成される。この第3領域R3は、遮光印刷層44が形成されない矩形状の領域であり、第1実施形態では、第2領域R2の全体を含み、さらに第2領域R2に隣接する第1領域R1と同じ面積(w・d)を追加した領域(3w・d)である。これにより、拡散印刷層43には、第3領域R3(3wd)を除く領域(WD-3wd)に遮光印刷層44が形成される。
【0040】
図7は、印刷層の重なり状態を示す模式的に示す図である。なお、図7は、ガラス板31を裏側から見た状態である。
図7に示すように、ガラス板31の後縁部31bには、第1領域R1にパターン印刷層41のみからなる印刷層Aが形成される。また、第1領域R1を除く第2領域R2には、パターン印刷層41とベタ印刷層42とが重ねられた印刷層Bが形成される。また、第2領域R2を除く第3領域R3には、パターン印刷層41とベタ印刷層42と拡散印刷層43とが重ねられた印刷層Cが形成される。また、第3領域R3を除く第4領域R4には、パターン印刷層41とベタ印刷層42と拡散印刷層43と遮光印刷層44とが重ねられた印刷層Dが形成される。
【0041】
このようにして、ガラス板31の裏面側には、蓋ベース32の保持部32cが配置される位置に、印刷層A~Dからなるインデックス60が形成される。このインデックス60は、洗濯機Sの別の部品である蓋ベース32(図1参照)の保持部32cによって隠れ、利用者からは視認できないようになっている。なお、インデックス60を除く領域には、パターン印刷層41とベタ印刷層42と拡散印刷層43と遮光印刷層44とが重ねられた印刷層Eが形成されている。
【0042】
以上説明したように、第1実施形態の洗濯機Sは、洗濯槽2が収容される外枠1と、外枠1に設けられ、洗濯槽2を開閉する外蓋3と、外蓋3に設けられる操作部50と、を備える。操作部材50は、ガラス板31と、ガラス板31の裏側に設けられるパターン印刷層41とベタ印刷層42と拡散印刷層43と遮光印刷層44とを含む印刷層と、ガラス板31に表示部を投影させるLED33bと、を備える。ガラス板31は、蓋ベース32の保持部32cによって隠れる位置に、パターン印刷層41が形成される第1領域R1と、第1領域R1を除いてパターン印刷層41に重ねてベタ印刷層42が形成される第2領域R2と、第1領域R1を含む第2領域R2を除いてパターン印刷層41およびベタ印刷層42に重ねて拡散印刷層43が形成される第3領域R3と、第1領域R1と第2領域R2とを含む第3領域R3を除いてパターン印刷層41、ベタ印刷層42、拡散印刷層43に重ねて遮光印刷層44が形成される第4領域と、を有するインデックス60を備える。これによれば、パターン印刷層41のみが形成された印刷層Aと、パターン印刷層41とベタ印刷層42とが形成された印刷層Bと、パターン印刷層41とベタ印刷層42と拡散印刷層43とが形成された印刷層Cと、パターン印刷層41とベタ印刷層42と拡散印刷層43と遮光印刷層44とが形成された印刷層Dとからなるインデックス60を、正常品(正常に印刷が施されたサンプル)と目視によって比較(例えば、色が濃いとか、色が薄いとか)することで、印刷不良を容易に検出することができる。なお、印刷不良とは、パターン印刷層41、ベタ印刷層42、拡散印刷層43、遮光印刷層44のいずれかの印刷層が抜けている場合、パターン印刷層41、ベタ印刷層42、拡散印刷層43、遮光印刷層44のうち同じ印刷層が形成されている場合などである。また、ガラス板31を蓋ベース32に装着したときに、印刷層A~Dが他の部品(保持部32c)によって隠れるので、洗濯機Sの外観上の美観が損なわれることがない。
【0043】
また、本実施形態は、透明部材としてガラス板が用いられる。これによれば、外蓋3の表面をフラットに構成できるので、外蓋3のお手入れ性と意匠性を向上できる。
【0044】
また、本実施形態における他の部品は、ガラス板31の縁を保持する保持部32cである。これによれば、印刷不良を検出するための印刷層A~Dの領域を広く確保することができ、サンプル(正常品)との比較が容易になる。
【0045】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態の洗濯機の構成を示す概略図である。
図8に示すように、第2実施形態の洗濯機S1は、洗濯槽2が収容される外枠(筐体)1Aと、外枠1Aに設けられる操作部材50Aと、を備える。操作部材50Aは、PET(polyethylene terephthalate)などの透明な樹脂シート100(透明部材)と、樹脂シート100の裏側に設けられる有色層101(例えば、ベタ印刷層)と遮光印刷層102(遮光層)とを含む印刷層と、樹脂シート100に表示部を投影させるLED(光源、不図示)と、を備える。樹脂シート100は、他の部品によって隠れる位置である枠部材1sに、有色層101(有色層)が形成される領域と、有色層101が印刷される一部領域を除いて有色層101に重ねて遮光印刷層102(遮光層)が形成される領域と、を有するインデックス60Aを備えられている。
【0046】
このように、操作部材50Aを外蓋3ではなく、外枠1A(トップカバー)に設けた場合でも、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0047】
また、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。本実施形態では、透明部材としてガラス板31を用いた場合を例に挙げて説明したが、合成樹脂製の透明部材であってもよい。
【0048】
また、他の部品として、蓋ベース32の後側の保持部32cを利用した場合を例に挙げて説明したが、蓋ベース32の手前側の取っ手32bの保持部32b1にインデックス60が位置するように構成してもよい。
【0049】
また、第1実施形態では、パターン印刷層41、ベタ印刷層42、拡散印刷層43、遮光印刷層44の4つの印刷層を用いた場合を例に挙げて説明したが、例えば、ベタ印刷層42と遮光印刷層44の2層であってもよい。この場合には、2種類のインデックスが形成される。
【0050】
また、第1実施形態では、印刷層A~Dの面積をすべて同じ面積としたが、異なる面積で構成してもよい。
【0051】
また、第1実施形態では、印刷層A~Dの面積を矩形状としたが、他の形状(例えば、台形状、三角状、円形状など)にしてもよい。
【0052】
また、印刷層A~Dをガラス板31の後縁部31bの幅方向全体に形成したが、幅方向の一部であってもよい。これにより、インクの使用量を減らすことができる。
【0053】
また、縦型の洗濯機S,S1を例に挙げて説明したが、ドラム式の洗濯機に搭載される操作部材に適用してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1,1A 外枠(筐体)
1s 枠部材
2 洗濯槽
3 外蓋(蓋体)
31 ガラス板(透明部材)
32 蓋ベース
32b 取っ手
32c 保持部(枠部材、他の部品)
33b LED(光源)
33c タッチセンサ
41 パターン印刷層(有色層)
42 ベタ印刷層(有色層)
43 拡散印刷層(有色層)
44 遮光印刷層(遮光層)
50,50A 操作部材
50a 操作部
50b 表示部
60,60A インデックス
100 樹脂シート
101 有色層
102 遮光印刷層(遮光層)
R1 第1領域(有色層が印刷される領域)
R2 第2領域(有色層が印刷される領域)
R3 第3領域(有色層が印刷される領域)
R4 第4領域(遮光層が印刷される領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8