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特許7296361仮想現実及び拡張現実の経路管理のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】仮想現実及び拡張現実の経路管理のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 31/16 20060101AFI20230615BHJP
   A63G 7/00 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
A63G31/16
A63G7/00
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020502162
(86)(22)【出願日】2018-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 US2018041489
(87)【国際公開番号】W WO2019018163
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】15/653,214
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ マシュー プレストン
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0346704(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0089630(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0080349(US,A1)
【文献】Tower Tag: Virtual Reality Multiplayer Arcade Shooter,VR-NERDS[Online],2017年03月21日,https://web.archive.org/web/20170321123909/https://www.vrnerds.de/tower-tag/,[2022年6月30日 検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物アトラクションシステムであって、
トラックと、
前記トラックに結合され、該トラックに沿って移動するよう構成されたボギーと、
前記ボギーに結合され、該ボギーにユーザを結合するよう構成された取付機構であって、前記ユーザが前記トラックに対してある角度で移動できるように構成されている取付機構と、
前記ボギーに結合され、ヘッドギアを介して仮想現実(VR)イメージ及び/又は複合現実(MR)イメージを前記ユーザに供給するよう構成されたイメージコントローラと、を備え、
前記取付機構は、前記ボギーの位置に対して対応する可変の長さ及び/又は半径を有する、
乗り物アトラクションシステム。
【請求項2】
第2のトラックと、
前記第2のトラックに結合され、該第2のトラックに沿って移動するよう構成された第2のボギーと、
前記第2のボギーに結合され、該第2のボギーに第2のユーザを結合するよう構成された第2の取付機構と、
前記トラックと前記第2のトラックとの間で前記ボギー及び前記第2のボギーを移送するよう構成された1又は2以上のトラックスイッチと、を更に備える、請求項1に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項3】
前記ボギーは、前記トラックに沿った前記ボギーの移動が、モータ及び/又は前記ユーザの移動によって駆動されるように構成された、請求項1に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項4】
前記ボギー及び前記取付機構は、前記ユーザの体重を少なくとも部分的に支持するよう構成されている、請求項1に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項5】
前記イメージコントローラは、前記イメージコントローラに電力を供給するよう構成されたバッテリを備える、請求項1に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項6】
前記トラックに沿った前記ボギーの移動を介して前記バッテリに電力を供給するよう構成された発電機を更に備える、請求項5に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項7】
前記取付機構は、ハーネスを介して前記ユーザに結合され、前記ハーネスは、前記取付機構に結合する前に前記ユーザに結合されるよう構成される、請求項1に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項8】
前記取付機構は、1又は2以上の回転ジョイントを介して共に結合される2又は3以上の剛性アームを備える、請求項1に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項9】
前記イメージコントローラは、前記ユーザと前記ボギーとの間で前記取付機構に結合される、請求項1に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項10】
前記取付機構は、前記ボギーと前記ユーザに結合されるように構成されたハーネスとの間に延びる柔軟なロープ又はケーブルを備える、請求項1に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項11】
前記ヘッドギアを更に備える、請求項1に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項12】
乗り物アトラクションシステムであって、
トラックと、
前記トラックに結合され、人工動力及び/又はユーザの動力を受けて前記トラックに沿って移動するよう構成された複数のボギーであって、該複数のボギーの各々が、それぞれのユーザに結合されるように構成された前記複数のボギーと、
前記複数のボギーの個々のボギーに結合された少なくとも1つのロック機構と、
前記個々のボギーに結合され、該個々のボギーに前記ユーザを結合するよう構成された取付機構であって、前記取付機構は、前記個々のボギーの位置に対して対応する可変の長さ及び/又は半径を有する、取付機構と、
前記個々のボギーに結合されたイメージコントローラと、
コントローラと、を備え、前記コントローラが、
前記トラックに沿って前記複数のボギーの各々の場所に関連するロケーション情報を受け取り、
前記複数のボギーの個々のボギーに結合された前記少なくとも1つのロック機構に対して第1の命令を提供して、前記ロケーション情報に基づいて前記少なくとも1つのロック機構を作動させるようにし、前記第1の命令が、前記少なくとも1つのロック機構を作動させて前記トラックに沿った前記個々のボギーの前進を阻止するようにし、
前記トラックに沿った前記複数のボギーの各々の第2の場所に関連する更新されたロケーション情報を受け取り、
前記個々のボギーに結合された前記少なくとも1つのロック機構に対して第2の命令を提供して、前記ロック機構に前記更新されたロケーション情報に基づいて前記個々のボギーを解放させる、ように構成されている、
乗り物アトラクションシステム。
【請求項13】
前記トラック及び/又は前記個々のボギーに沿って配置され、前記ロケーション情報及び前記更新されたロケーション情報を前記コントローラに送信するよう構成された1又は2以上のセンサを更に備える、請求項12に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項14】
ッドギアを更に備え、該ヘッドギアが、前記ヘッドギアを介して仮想現実(VR)イメージを前記それぞれのユーザに表示するように構成され、前記VRイメージは、前記コントローラから前記ヘッドギアに供給されたVRイメージデータに基づいている、請求項12に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項15】
前記ヘッドギアに供給された前記VRイメージデータが、前記コントローラによって受け取られた前記ロケーション情報及び/又は前記更新されたロケーション情報、前記ロック機構を作動させる前記命令、前記それぞれのユーザの動作、又はこれらの何れかの組み合わせに基づいている、請求項14に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項16】
前記コントローラによって受け取られた前記ロケーション情報及び/又は前記更新されたロケーション情報、前記ロック機構を作動させる前記命令、前記それぞれのユーザの動作、又はこれらの何れかの組み合わせに基づいて前記それぞれのユーザに1又は2以上の特殊効果を提供するよう構成された特殊効果システムを更に備える、請求項12に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのロック機構が、ピン、マグネット、バルーン、又はこれらの何れかの組み合わせである、請求項12に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項18】
乗り物アトラクションシステムであって、
トラックと、
前記トラックに結合され、供給された動力及び/又はユーザの動力を受けて前記トラックに沿って移動するよう構成されたボギーと、
前記ボギーに結合された少なくとも1つのロック機構と、
アトラクションコントローラであって、前記アトラクションコントローラが、
前記ボギーのブロックゾーンの場所に関連するロケーション情報を受け取り、
前記少なくとも1つのロック機構に対して命令を提供して、前記ロケーション情報に基づいて前記少なくとも1つのロック機構を作動させ、前記ボギーを前記ブロックゾーンの場所に保持するようにし、
前記ブロックゾーンの場所において前記ユーザの1又は2以上の動作に関連する入力を受け取り、
前記入力に基づいてトラックスイッチコントローラ又は特殊効果コントローラのうちの一方又は両方に対して命令を提供する、ように構成されている、アトラクションコントローラと、
前記ボギーに結合され、該ボギーに前記ユーザを結合するよう構成された取付機構であって、前記取付機構は、前記ボギーの位置に対して対応する可変の長さ及び/又は半径を有する、取付機構と、
前記ボギーに結合されたイメージコントローラと、
を備える、
乗り物アトラクションシステム。
【請求項19】
第2のボギーを更に備え、前記アトラクションコントローラは、
前記第2のボギーの第2のブロックゾーンの場所に関連する第2のロケーション情報を受け取り、
前記ボギーに結合された前記少なくとも1つのロック機構に対して前記命令を提供して、前記ボギーのブロックゾーンの場所と前記第2のボギーの第2のブロックゾーンの場所との間の距離に基づいて前記ロック機構を作動させる、ように構成されている、請求項18に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項20】
トラックスイッチと、
第2のトラックと、を更に備え、前記トラックスイッチコントローラは、該トラックスイッチコントローラに対する前記命令に基づいて前記トラックスイッチを作動させるように構成され、前記トラックスイッチの作動によって、前記ボギーを前記トラックから結合解除して、前記ボギーを前記第2のトラックに結合する、請求項18に記載の乗り物アトラクションシステム。
【請求項21】
特殊効果システムを更に備え、前記特殊効果コントローラが、該特殊効果コントローラに提供された前記命令に基づいて前記特殊効果システムを作動させるように構成され、前記特殊効果コントローラを作動させることにより、振動効果、サウンド効果、流体効果、蒸気/煙効果、又はこれらの何れかの組み合わせを作動させる、請求項18に記載の乗り物アトラクションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、遊園地のゲーム又は乗り物と併せて使用される方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
遊園地(又はテーマパーク)の人気は、20世紀初頭から大きく高まってきた。1つのタイプの遊園地アトラクションは、乗り物の物語を強化するための事前設定効果を含む乗り物環境内で複数の来園客が所定の経路に沿って所定の速度で移動する際に個々の車に固定されるダークライドから成ることができる。例えば、乗り物内での没入感をもたらすために、投影イメージ、煙効果及び/又は運動効果を使用することができる。並行して、例えば消費者向けエンターテイメントのための仮想現実(VR)及び拡張現実(AR)エンターテイメントシステムの使用も増えてきている。アトラクションの特定のタイプは、来園客が着用するVR/ARヘッドセットを組み込んで、乗り物の物語を強化するように並行宇宙(alternate universe)での没入感を促すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最初に特許請求の範囲に記載された主題と同じ範囲にある幾つかの実施形態について、以下で要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ開示する幾つかの実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に説明する実施形態と同様の又は異なることができる様々な形態を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態によれば、乗り物アトラクションシステムは、トラックと、トラックに結合され、該トラックに沿って移動するよう構成されたボギーと、ボギーに結合され、該ボギーにユーザを結合するよう構成された取付機構と、を含む。乗り物アトラクションシステムはまた、ボギーに結合され、ヘッドギアを介して仮想現実(VR)イメージ及び/又は複合現実(MR)イメージをユーザに供給するよう構成されたイメージコントローラを含む。
【0005】
別の実施形態によれば、乗り物アトラクションシステムは、トラックと、トラックに結合され、人工動力及び/又はユーザの動力を受けてトラックに沿って移動するよう構成された複数のボギーとを含む。複数のボギーの各々は、それぞれのユーザに結合されるように構成される。乗り物アトラクションシステムはまた、トラックに沿って前記複数のボギーの各々の場所に関連するロケーション情報を受け取り、複数のボギーの個々のボギーに結合された少なくとも1つのロック機構に対して第1の命令を提供して、ロケーション情報に基づいて少なくとも1つのロック機構を作動させるように構成されたコントローラを含む。命令は、少なくとも1つのロック機構を作動させてトラックに沿った個々のボギーの前進を阻止するようにする。コントローラはまた、トラックに沿った複数のボギーの各々の第2の場所に関連する更新されたロケーション情報を受け取り、個々のボギーに結合された少なくとも1つのロック機構に対して第2の命令を提供して、ロック機構に更新されたロケーション情報に基づいて個々のボギーを解放させる、ように構成されている。
【0006】
別の実施形態において、乗り物アトラクションシステムは、トラックと、トラックに結合され、人工動力及び/又はユーザの動力を受けてトラックに沿って移動するよう構成されたボギーと、アトラクションコントローラと、を含む。アトラクションコントローラは、ボギーのブロックゾーンの場所に関連するロケーション情報を受け取り、少なくとも1つのロック機構に対して命令を提供して、ロケーション情報に基づいて少なくとも1つのロック機構を作動させ、ボギーをブロックゾーンの場所に保持するようにし、ブロックゾーンの場所においてユーザの1又は2以上の動作に関連する入力を受け取り、入力に基づいてトラックスイッチコントローラ又は特殊効果コントローラのうちの一方又は両方に対して命令を提供する、ように構成されている。
【0007】
全体を通じて同じ要素を同じ参照符号によって示す添付図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の技術による仮想現実(VR)トラックシステムを利用できるアトラクションの実施形態の斜視図である。
図2】本発明の技術による、図1のアトラクション内でのユーザの実施形態の斜視図である。
図3】本発明の技術による、図1のアトラクションのトラックに結合された取付システムの実施形態の斜視図である。
図4】本発明の技術による、図1のアトラクションのトラックに結合された取付システムの実施形態の斜視図である。
図5】本発明の技術による、図1のVRトラックシステムと共に利用できるブロックの実施形態の斜視図である。
図6】本発明の技術による、図1のアトラクションの実施形態のブロック図である。
図7】本発明の技術による、図1のVRトラックシステムブロックゾーンを強制する方法の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
仮想現実(VR)及び/又は拡張現実(AR)システムは、没入エンターテイメントの提供を目的としているが、ユーザが自身の体験に完全に没入するのを妨げる課題が幾つか存在する。典型的なVRユーザは、実際の環境のイメージを仮想環境に置き替えるヘッドセットを着用する。ユーザは、実際の環境を見ることができないので、境界、障害物又は他のユーザが環境内のどこに存在するかを判断して不慮の接触を避けることができない。このような不慮の接触を防ぐために、アトラクションは、ユーザが固定されている車両を経路に沿って所定速度で移動するようにすることによって、ユーザの動きを制限することがある。しかしながら、このような方式で移動を制限することにより、ユーザは、真に没入的な体験を味わうことが妨げられる。別のタイプのエンターテイメントシステムは、トレッドミル又は滑走型の歩行面を使用して、ユーザを1箇所に保持しながら自由な動きの錯覚をもたらすことができる。しかしながら、特定のユーザにとっては、このようなシステムによって自然な歩行運動を行っているようには感じられない。他のタイプのエンターテイメントシステムは、それ以上進むとVR体験がサポートされなくなる境界に到達したときにユーザに警告を与える。しかしながら、これらの警告は、ユーザを体験から離脱させてしまう働きをする。
【0010】
本明細書では、VRゲーム、体験、又はアトラクション内で使用して、ユーザが他のユーザ及び境界から適切な距離を維持しながら、限られた車両の外に移動するのを許容できる技術が提供される。VRの関連で幾つかの実施形態が開示されるが、これとは別に又はこれに加えて、開示される実施形態は、VR、AR、複合現実(MR)、360度ビュー、又はこれらの組み合わせと併せて使用できることを理解されたい。更に、遊園地又はテーマパークの関連で幾つかの実施形態を開示することができるが、ボギーシステムは、例えば娯楽場、ホームエンターテイメントでの使用など、他の関連で使用することもできる。
【0011】
幾つかの実施形態において、VRアトラクションでは、ユーザは、例えば、ボギー、取付機構及びハーネスを含むことができる取付システムを介してオーバーヘッドトラックに結合することができる。ボギーは、トラックに結合されて、これに沿って移動することができる。取付機構は、ボギーから下向きに延びて、ユーザが着用するハーネスに結合することができる。ユーザがアトラクションを通って歩くと、ユーザによって供給される駆動力が、トラックに沿ったボギーの移動をトリガーする。取付システムは、所与のVR環境内でユーザが自由に移動できるように、ユーザのほぼ自然な歩行運動を可能にすることができる。ハーネス並びにボギーに結合された取付機構は、ここで設けられる運動制限(例えば、ハーネスを装着している間ユーザが移動でき、トラックへのボギーの取付機構の構成により定義されるブロックゾーン、半径)を規定することができるが、ユーザのVRアトラクションを通って歩行する能力は、没入感全体に寄与する。取付システムはまた、ユーザの体重を支持して、一定の効果を強化するか、又はユーザのバランスを維持するのを助けることができる。VR環境の生成を容易にするために、ユーザとボギーとの間の取付機構上にコントローラを配置することができる。コントローラは、ユーザが着用するヘッドギア(例えば、眼鏡、ヘルメット、バイザー、その他)にVRイメージを伝達することができる。コントローラはまた、VR環境にユーザを更に没入させることを可能にするアトラクションシステムと通信することができる。例えば、アトラクションは、様々なフィードバック機構(例えば、触覚フィードバック)、特殊効果システム及び同様のものを制御して、これによりユーザの体験を更に強化することができる。
【0012】
幾つかの実施形態において、複数のユーザは、VRアトラクション内で同時にそれぞれの複数のトラック上に散在することができる。ユーザがVRアトラクションにおいて他のユーザの体験に確実に干渉しないようにするために、本明細書で設けられるブロックゾーンコントローラは、特定のブロックゾーンにおいて複数のユーザを制御することができる。幾つかの実施形態において、ブロックゾーンは、トラックに沿ったセクションで、及び/又はユーザの位置に対するトラックに沿った距離で定めることができる。例えば、第1のユーザが、第2のユーザによって既に占有されている別のブロックゾーン上に存在する場合、第1のユーザが結合されたボギーは、ロック又はブレーキ機構を利用して、第2のユーザによって既に占有されているブロックゾーンに第1のユーザが立ち入るのを阻止することができる。
【0013】
占有されたブロックゾーンにユーザが立ち入るのを阻止しながら該ユーザがVR体験から離脱するのを防ぐために、占有されたブロックゾーンの境界は、VR環境内の境界に対応することができる。例えば、占有されたブロックゾーンのエッジは、VR環境に没入している間はユーザには無感覚に見えるゲート、壁、密集した葉、濃霧、その他に対応することができる。幾つかの実施形態において、ユーザにはまた、VR環境内でドア、トンネル、縦に狭い空間、その他に見える選択肢を提示することができる。この選択肢は、ユーザがこの選択肢を通って移動するのに選択する場合、ユーザは隣接するトラックに移動することができ、ユーザが結合されている対応するボギーがトラックスイッチを利用して隣接するトラックに切り換えることができるようにする、実際のトラックスイッチに対応することができる。
【0014】
更に、上述のように、VRアトラクションの態様は、1又は2以上のコントローラによって処理することができる。例えば、アトラクションコントローラは、取付システムの各々上の取付機構コントローラと通信することができる。コントローラは、ヘッドギアを介してユーザに表示されたイメージ、環境/取付システムの特殊効果、及び環境/取付システムの全体的制御に関する情報を処理することができる。
【0015】
開示するVRアトラクションシステムは、ショー、乗り物、ゲーム及びプロモーションなどを含む遊園地アトラクションと共に実装することができる。従来のテレビゲームなどの特定のテーマに関連したVRアトラクションシステムを採用することにより、来園客が遊園地を訪れようという気になり、更に遊園地によって提供されるテーマ体験を楽しむことができようになる。更に、VRアトラクションシステムは柔軟であるので、1つのゲームアリーナが、様々な異なるテーマを有するゲームをホストするように構成することもできる。
【0016】
上述のことを考慮して、図1は、本開示によるアトラクション10(例えば、VRアトラクション/ゲーム、乗り物アトラクションシステム)の実施形態を例示している。アトラクション10は、それぞれのトラック14を更に含む1又は2以上の経路12を有するVRトラックシステム11を含むことができる。各ユーザ16は、取付システム18を介してVRトラックシステム11におけるトラック14に結合することができる。以下で更に詳細に検討するように、取付システム18は、ボギー20、取付機構22(例えば、テザー、接続部、コネクタ)及びハーネス24を含むことができる。ハーネス24により、ユーザ16は、全ての付属器官を少なくとも部分的に又は完全に移動させ、経路12に沿って(例えば、アトラクションの床又は表面上を歩行することにより)自然に歩行できるようにすることができる。ボギー20は、トラック14に結合することができ、取付機構22は、ハーネス24をボギー20に結合することができる。ボギー20及び取付システム18は、ユーザ16の体重を支持することができる。詳細には、ユーザ16が転倒した、バランスを失った、落下したなどの場合に、取付システム18は、ユーザ16の体重を支持することができる。イメージコントローラ25は、ユーザ16が経路12に沿って移動するときに、イメージコントローラ25がユーザ16と共に移動するように、取付システム18に結合することができる。幾つかの実施形態において、イメージコントローラ25は、ユーザ16とボギー20との間で取付システム18に結合することができる。幾つかの実施形態において、イメージコントローラ25は、図5において更に検討するように、トラック14の上方で取付システム18に結合することができる。図3及び4において以下で検討するように、取付機構22は、テザー及び/又は連接アームを含むことができる。更に、ハーネス24は、5点ハーネス、クライミングハーネス、及び/又は従来のジェットコースター乗り物の拘束具とすることができる。
【0017】
上述のように、アトラクション10を通過するユーザのスループットに少なくとも部分的に助けるために、アトラクション10は、複数の経路12を含むことができる。同様に、アトラクション10はまた、ユーザが経路12を下り始め、取付システム18に結合するのを助けるために複数の乗り物管理者26を含むことができる。例えば、幾つかの実施形態において、乗り物管理者26は、ハーネス24をユーザ16に装着し、取付機構22をハーネス24に結合するのを助けることができる。幾つかの実施形態において、ユーザ16は、取付システム18への結合を待機している間にハーネス24を着用し、経路12に沿って動き始めることができる。例えば、幾つかの実施形態において、ユーザ16にハーネス24を提供することができる1又は2以上のハーネススタンド28が存在することができ、従って、ユーザ16は、スループット効率の利益のために既にハーネス24を着用して経路12に近づくことができるようになる。幾つかの実施形態において、乗り物管理者26はまた、ユーザにヘッドギア30(例えば、VR/ARヘッドギア)を支給することができる。幾つかの実施形態において、ユーザ16にヘッドギア30を支給することができる1又は2以上のハーネススタンド28に類似したスタンドが存在することができる。幾つかの実施形態において、ヘッドギア30は、取付システム18に結合することができる。
【0018】
ユーザ16が、取付システム18を介してトラック14に結合されると、ユーザ16は、経路12に沿って歩行することができ、これによりボギー20もまたトラック14に沿って移動させることができる。現行の実施形態において描かれるように、ユーザ16は、経路12の開始点27に隣接して待機することができる。幾つかの実施形態において、経路12の終点は、開始点27とは異なる場所(例えば、テーマパーク内の他の場所)に配置することができる。幾つかの実施形態において、各経路12は、テーマパーク全体にわたって異なる場所に終点を有することができる。幾つかの実施形態において、アトラクション10の経路12の開始点27及び終点は、同じ場所であってもよい。更に、各経路12は、互いに隣接して平行に描かれているが、幾つかの実施形態において、各経路12は、互いからある距離で位置付けられ、様々な向き及び配列を有することができる。
【0019】
図2は、ユーザ16が経路12に沿って移動するときに、アトラクション10のVRシナリオ40内に没頭したユーザ16の斜視図である。上述のように、ヘッドギア30は、経路12の物語に従ったVRシナリオ40のVRイメージで経路12のイメージを置き換えることができる。例えば、図示のように、経路12の物語は、ユーザが戦いに参加することができるゾンビを含むことができる。しかしながら、VRシナリオ40は、様々な物語としてユーザに伝達することができることを理解されたい。例えば、ゾンビの他に、VRシナリオ40の物語は、チョウ捕獲、海賊、恐竜、ドラゴン、その他を含むことができる。更に、ユーザ16はまた、VRシナリオ40内にユーザ16を更に没入させることができる1又は2以上のトーテム42(例えば、入力デバイス)を利用することができる。1つの実施形態において、1又は2以上のトーテム42は、携帯デバイスである。1又は2以上のトーテム42は、経路12及び/又はVRシナリオ40の要素と相互作用することができる入力デバイスとして機能することができる。例えば、1又は2以上のトーテム42は、VRシナリオ40の物語に従ってユーザ16にとって1又は2以上の武器、ツール、アイテム、その他とみなすことができる。
【0020】
ユーザ16が経路12に沿って移動している間、ユーザ16は、一般に、トラック14と取付システム18の結合点の周りで移動するのを許容することができる。例えば、取付システム18により、ユーザ16は、トラック14(図示せず)の真下で並行に配置することができる経路中心48から離れた横方向距離50で移動することができるようになる。幾つかの実施形態において、ユーザ16が制限される横方向距離50は、総距離52に対して表すことができる。総距離52は、経路12の境界58と経路中心48との間の距離により定めることができる。幾つかの実施形態において、横方向距離50は、総距離52の約90%、80%、75%、60%、50%、40%、又は60~90%の間とすることができる。幾つかの実施形態において、ユーザ16が制限される横方向距離50は、総距離52よりも短いほぼアームの長さ(例えば、2~4フィートの間)とすることができる。このようにして、取付システム18は、ユーザ16が偶発的に境界58と接触するのを防ぐことができる。幾つかの実施形態において、ユーザ16が制限される横方向距離50は、ユーザ16が経路12に沿って移動するにつれて変化することができる。これにより、ユーザ16は、VRシナリオ40内に更に没入することができる。例えば、横方向距離50を制限すると、ユーザ16は、狭い桟部に沿って、隙間内で、狭い経路に沿ってなどで移動していると考えるようにさせることができる。幾つかの実施形態において、横方向距離50は、ボギー20の位置に対して対応する可変の長さ及び/又は半径を有することができる取付機構22の長さによって強制することができる。例えば、取付システム18は、変化した横方向距離50に対してユーザ16を制限するために延伸及び後退することができる機械的アーム又はテザーを含むことができる。更に、幾つかの実施形態において、境界58は、物理的構造(例えば、壁、ロープ、その他)とすることができ、幾つかの実施形態において、境界58は、経路中心48に対して総距離52によって定められる仮想境界とすることができる点に留意されたい。
【0021】
更に、取付システム18の取付機構22は、経路12内でのユーザ16の位置及び向きに関係なく、取付機構22が偶発的にユーザ16に接触しないように(取付機構22とユーザ16との結合の接触は除いて)構成することができる。例えば、ユーザ16が経路中心48から離れて距離(例えば、横方向距離50)を移動し、経路中心48から外方に面する場合、取付機構22は、ユーザ16の後方からトラック14内に配置されたボギー20まで直接延びることができる。しかしながら、ユーザ16が、経路中心48から離れて距離(例えば、横方向距離50)を移動し、図2に描かれるように経路中心48にほぼ向かって面する場合、取付機構22は、最初に経路中心48から離れてユーザ16の後方から延びた後、経路中心48の上方に配置されたトラック14におけるボギー20に向かって延びることができる。このため、取付機構22は、トラック14に向かって延びる前にユーザ16の周りで上方に延びるようにほぼ湾曲形状の剛体部分60を含むことができる。幾つかの実施形態において、図4に関して以下で検討するように、取付機構22は、回転ジョイントを介して共に結合される複数の剛性部分(例えば、アームセグメント)を含むことができる。
【0022】
図3及び4は、トラック14に結合された取付システム18の実施形態を描いている。図3に示され上述されたように、取付システム18は、ボギー20、取付機構22、及びイメージコントローラ25を含むことができる。取付システム18は更に、ショックアブソーバ62、リール64、及びクリップ66を含むことができる。ショックアブソーバ62は、ユーザ16がバランスを失った場合に、ユーザ16の少なくとも一部の力を吸収することができる。ショックアブソーバ62は、空気圧式ショックアブソーバ及び/又はバネ作用ショックアブソーバなど、あらゆる好適な衝撃吸収デバイスとすることができる。更に、取付機構22の長さは、リール64を介して調整可能とすることができる。詳細には、幾つかの実施形態において、リール64は、少なくともユーザ16の身長に応じて取付機構22の長さを蓄積することができる。更にまた、クリップ66は、上述のようにハーネス24を介してユーザ16の背中に結合することができる。クリップ66は、カラビナ又は機械的リンクなどのあらゆる好適な取付デバイスとすることができる。また、上述のように、取付機構22は、クリップ66に隣接して配置された剛性部分60を含むことができる。図2に描かれるように、剛性部分60は、上述のような略曲線形状とすることができる。取付機構22の他の部分は、ロープ、テザー、ワイヤ、その他と類似した物理特性を有する可撓性とすることができる。幾つかの実施形態において、イメージコントローラ25は、以下で更に詳細に記載されるようにヘッドギア30と通信することができる。このため、取付システム18は、イメージコントローラ25とヘッドギア30との間でデータ(例えば、情報)を送信することができるワイヤ67を含むことができる。幾つかの実施形態において、イメージコントローラ25は、ヘッドギア30と無線で通信することができる。
【0023】
更に、図4に示すように、取付システム18は、1又は2以上の剛性アームセグメント69を有するアーム68を含むことができる。1又は2以上の剛性アームセグメント69は、1又は2以上のジョイント71を介して接続することができる。1又は2以上のジョイント71は、全ての方向軸の周りにあらゆる方向に回転することができる。アーム68は、ユーザ16がVRシナリオ40内で没入している間にバランスを失った場合に、ショックアブソーバ及び/又は支持部として機能することができる。更に、図示の実施形態の取付システム18は更に、拘束具73を含むことができる。幾つかの実施形態において、ユーザは、取付システム18に結合するために、ハーネス24ではなく拘束具73を利用する。ハーネス24と同様に、拘束具73により、ユーザ16を取付システム18に固定したまま、ユーザ16が付属器官(例えば、腕、脚、頭部)の完全な移動を許容することができる。拘束具73を着用するために、ユーザ16は、ユーザ16の前で共にクリップ留めすることができる1又は2以上のバックル75を利用することができる。幾つかの実施形態において、1又は2以上のバックル75は、乗り物サイクルの終わりにクリップ留めを解除することができる。この実施形態において、取付システム18はまた、図3に関して上記で説明されたように機能することができるワイヤ67を利用することができる。幾つかの実施形態において、アーム68は、VRシナリオ40に基づいて作動(例えば、油圧作動)することができる。例えば、アーム68は、ユーザ16を持ち上げることができ、これにより落下又は空間をテーマにしたVRシナリオ40においてユーザ16の無重力感覚を誘起することができる。
【0024】
ここで図2を再度参照すると、上述のように、アトラクション10は、ブロックゾーン77を利用して、ユーザ16が互いに接近するのを防ぐことができる。詳細には、幾つかの実施形態において、トラック14のセクション(例えば、経路12)は、占有されているか又は占有又は非占有とすることができる別個のブロックゾーン77に分割することができる。例えば、図示の実施形態において、第1のユーザ70は、第1のブロックゾーン72内に配置することができ、第2のユーザ74は、第2のブロックゾーン76内に配置することができる。第2のブロックゾーン76は、第2のユーザ74によって占有されているので、第1のユーザ70は、第2のブロックゾーン76に入ることはできない。同様に、第1のブロックゾーン72が第1のユーザ70によって占有されているので、第2のユーザ74は、第1のブロックゾーン72に入ることはできない。しかしながら、ユーザのうちの1人(例えば、第1のユーザ70及び/又は第2のユーザ74)がそれぞれのブロックゾーン(例えば、第1のブロックゾーン72及び/又は第2のブロックゾーン76)を立ち退いた場合には、他方のユーザ(例えば、第1のユーザ70及び/又は第2のユーザ74)は、他のブロックゾーン(例えば、第1のブロックゾーン72及び/又は第2のブロックゾーン76)に入ることが認められるようにすることができる。幾つかの実施形態において、第1のユーザ70及び/又は第2のユーザ74に隣接したブロックゾーン77が占有されていた場合、第1のユーザ70及び/又は第2のユーザ74は、アトラクション10の物語及び/又は経路12との関連においてVR無感覚障害物78としてユーザに見えるものによって制限することができる。例えば、VR無感覚障害物78は、ヘッドギア30を通してユーザ16には、ロックされたゲート、濃霧、密集した葉、壁、その他として見えることができる。従って、隣接のブロックゾーン77が空きになると、VR無感覚障害物78は、もはやヘッドギア30を通じてユーザ16には提示されないようにすることができる。
【0025】
幾つかの実施形態において、ブロックゾーン77は、上述のようなトラック14及び/又は経路12のセクションと関連付けられるのではなく、或いはこれに加えて、個々のユーザ16に関連付けることができる。例えば、幾つかの実施形態において、ブロックゾーン77は、経路12及び/又はトラック14(例えば、経路中心48)に沿ったユーザ16の場所からの距離によって定めることができる。従って、幾つかの実施形態において、占有された隣接のブロックゾーン77の境界と関連付けることができるVR無感覚障害物78は、近隣のユーザ16と関連付けられるブロックゾーン77が動くにつれて移動することができる。幾つかの実施形態において、各ブロックゾーン77が定められるユーザ16からの距離は、長さが可変及び/又は固定とすることができる。例えば、幾つかの実施形態において、ブロックゾーン77は、およそ20フィート、30フィート、40フィート、10~40フィート、及び/又は40フィートを超えることができる。幾つかの実施形態において、ユーザ16は、ブロックゾーン77の中心に配置することができる。幾つかの実施形態において、ユーザ16は、ブロックゾーン77の後方又は前方に配置することができる。
【0026】
更に、幾つかの実施形態において、ユーザ16が隣接トラック14間を移動することを認めることができる。例えば、ユーザ16は、物理的なトラックスイッチ82と関連付けることができるVR代替ルート入口80(例えば、ポータル、ドア、その他)を通って移動することができる。詳細には、幾つかの実施形態において、隣接するルート84(例えば、隣接するトラック14及び/又は経路12)が現在占有されていない場合、ユーザ16には、それ自体がVR代替ルート入口80として存在することができる隣接ルート84に移動する選択肢を提示することができる。ユーザ16が隣接ルート84に移動した場合、ユーザ16が結合されるボギー20は、物理的なトラックスイッチ82を介して隣接ルート84のトラック14に送る(例えば、移送する)ことができる。幾つかの実施形態において、物理的なトラックスイッチ82は、鉄道トラックスイッチと同様に機能することができる。しかしながら、幾つかの実施形態において、物理的なトラックスイッチ82は、隣接ルート84の隣接トラック14の間でボギー20を切り換えることができるあらゆる機械的デバイスとすることができる。幾つかの実施形態において、物理的なトラックスイッチ82は、トラックスイッチコントローラ83に通信可能に結合することができ、該コントローラは、物理的なトラックスイッチ82に信号を送信して、上述のように物理的なトラックスイッチ82を起動することができる。
【0027】
少なくとも部分的に上記で検討したようなブロックゾーン77をモニタ及び実装するためには、アトラクション10は、図5に見られるような1又は2以上のブロック85を利用することができる。このため、各ブロック85は、1又は2以上のセンサ86(例えば、センサアレイ)及び1又は2以上のロック機構88を含むことができる。1又は2以上のセンサ86は、ボギー20の存在を感知することができるあらゆる好適な近接センサとすることができる。例えば、1又は2以上のセンサは、モーション検出器、占有センサ、近接センサ、赤外線センサ、光学センサ、三角測量センサ、又はこれらの何れかの組み合わせとすることができる。1又は2以上のロック機構88は、作動時にボギー20がトラック14に沿って1又は2以上の方向に移動するのを阻止するあらゆる好適なロック機構とすることができる。例えば、1又は2以上のロック機構88は、ドロップピン、バルーン、電磁石、ブレーキ、又はこれらの何れかの組み合わせとすることができる。幾つかの実施形態において、1又は2以上のロック機構88は、ボギー20に直接結合することができる。現行の実施形態において、ブロック85は、トラック14の上方に配置されて描かれているが、ブロック85の機能及び機構は、トラック14内及びトラック14の下方を含めて、様々な好適な場所に収容することができることを理解されたい。
【0028】
全体的に、センサ86は、ボギー20の位置、及び程度によってはユーザ16の近似位置に関するデータを取得することができる。例えば、ボギー20がトラック14に沿って移動すると、ボギー20は、センサ86の1又は2以上の側を通過することができる。ボギー20が1又は2以上のセンサ86のうちの特定のセンサ86を通過すると、この特定のセンサ86は、トラック14に沿った特定のセンサ86が配置された地点をボギー20が通過したことを示すロケーションデータをイメージコントローラ25に送信することができる。従って、イメージコントローラ25は、位置データを分析して、ボギー20の位置及びトラック14に沿ったユーザ16の近似位置を決定することができる。
【0029】
更に、幾つかの実施形態において、例えば、ブロックゾーン77が経路12及び/又はトラック14に沿ったセクションと関連付けられる実施形態では、ブロック85は、固定とすることができる。このような実施形態において、イメージコントローラ25は、センサ86から得られた位置データの分析により特定のブロックゾーン(例えば、ブロックゾーン77)の占有を決定することができる。詳細には、ブロック85の1又は2以上は、各ブロックゾーン77間に配置することができる。このようにして、ブロック85のセンサ86は、ユーザ16のボギー20がブロック85の位置を通過したことを示すロケーションデータを受け取ることができ、このことは、ユーザ16が特定のブロックゾーン77に入出したことを示すことができる。すなわち、イメージコントローラ25は、この情報を受け取って利用して、どのブロックゾーン77にユーザ16が現在位置するかを決定することができる。各イメージコントローラ25は、この情報をアトラクションコントローラ90に伝達することができ、該アトラクションコントローラ90は、VRトラックシステム11の各ブロックゾーン77におけるユーザ16の数をモニタ及び追跡することができる。従って、上記で検討したように、ブロックゾーン77が占有されている場合、追加のユーザ16は、占有されたブロックゾーン77に入ることができない。ユーザ16には、VR無感覚障害物78の妨害により占有されたブロックゾーン77に入ることができないように見えるかもしれないが、実際には、ボギー20がトラック14に沿って移動するのを妨げるブロック85により占有されたブロックゾーン77に入ることを妨げられることができる。例えば、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90により、ブロックゾーン77が占有されていると判定された場合、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90は、1又は2以上のロック機構88を利用するためにブロック85に信号を送信し、これによりボギー20がブロック85を通過して占有されたブロックゾーン77内に移動できないようにすることができる。
【0030】
幾つかの実施形態において、例えば、ブロックゾーン77がユーザ16及び/又はボギー20の現在位置と関連付けられる実施形態では、ブロック85は、ボギー20と協働してトラック14に沿って移動することができ、またボギー20に結合することができる。このような実施形態において、イメージコントローラ25はまた、センサ86から得られたロケーションデータを分析することにより、ブロックゾーン77の場所を決定することができる。例えば、ボギー20及びブロック85がトラック14に沿って移動すると、トラック14に沿って及び/又はブロック85内に配置されたセンサ86は、ボギー20及びブロック85がトラック14に沿った特定の場所にあることを示す位置情報を受け取ることができる。イメージコントローラ25は、センサ86から位置情報を受け取り、ボギー20と該ボギー20に関連付けられるブロックゾーン77の場所に関する情報を判定することができる。イメージコントローラ25は、この情報をアトラクションコントローラ90に伝達することができ、該アトラクションコントローラ90は、VRトラックシステム11の各ボギー20及びブロックゾーン77の場所をモニタ及び追跡することができる。従って、上記で検討したように、ユーザ16が別の(占有された)ブロックゾーン77の近くにいる場合、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90は、1又は2以上のロック機構88を利用するために1又は2以上のブロック85に信号を送信し、これにより占有されたブロックゾーン77が重なり合わないようにすることができる。幾つかの実施形態において、イメージコントローラ25は、ブロック85内に配置することができる。
【0031】
図3~5で分かるように、ボギー20は、人工動力(例えば、機械的及び/又は自動的動力)を提供してボギー20を駆動することができるモータ87を含むことができる。人工動力は、本明細書ではユーザ入力から直接生成されない動力として定義することができる。換言すると、人工動力は、電気的及び/又は燃焼プロセスによって生成することができる。本明細書で全体を通じて検討されるように、ボギー20は、ユーザ入力に応答して移動することができる。例えば、ユーザ16は、経路12(図1)に沿って歩行して、トラック14に沿ってボギー20を引き寄せることができる。しかしながら、幾つかの実施形態において、取付システム18は、トラック14に沿ってボギー20を移動させるための動力の少なくとも一部を提供できるモータ87を含むことができる。例えば、以下で更に詳細に検討するように、モータ87は、取付システム18によって実質的に負担がかからないように、経路12に沿って移動するのに自然な動力を超える動力を提供しないように、ユーザ16と連動して移動することができる。更に、幾つかの実施形態において、モータ87は、経路12に沿ってより早く移動するようユーザ16を動機付けすることができる。例えば、モータ87は、ユーザ16が経路12に沿って進行するのに過剰な時間を要している場合に、取付システム18を通じて力を提供し、経路12に沿ってユーザ16を促すようにすることができる。
【0032】
同様に図3~5で分かるように、イメージコントローラ25は、イメージコントローラ25に電力を供給することができるバッテリ95を含むことができる。幾つかの実施形態において、バッテリ95は、ホットスワップ可能とすることができる。このようにして、バッテリ95が過熱している、バッテリが切れている、又は他の理由で交換が必要となった場合、バッテリ95は、ヘッドギア30(図1)及びVRトラックシステム11(図1)が作動を継続しながら、新しいバッテリ95と交換することができる。更に、幾つかの実施形態において、バッテリ95は、ボギー20がトラック14に沿って移動するときに充電することができる。詳細には、バッテリ95は、ボギー20がトラックに沿って移動するときに発電機97によって誘導的に充電することができる。このため、発電機97は、トラック14に沿って配置された誘導コイル(例えば、銅製ワイヤコイル)と、ボギー20に結合された1又は2以上のマグネットとを含むことができる。従って、ボギー20がトラック14に沿って移動するときに、マグネットの磁界がコイルを通過し、これにより導電性コイルに電流を誘導することができる。電流を処理(例えば、整流器により)して、バッテリ95を駆動するのに用いることができる。また、幾つかの実施形態において、導電性コイル及びマグネットの位置は、反対にすることができる点に留意されたい。例えば、マグネットをトラック14に沿って配置し、導電性コイルは、ボギー20に結合してもよい。このような実施形態において、電力は、上記で検討したのと同様にしてバッテリ95によって生成されて蓄えることができる。
【0033】
幾つかの実施形態において、発電機97によって生成された電力を用いて、VRトラックシステム11の他の要素を駆動することができる。このため、トラック14は、発電機97によって生成された電力を収集及び分配するのを助けることができるバスバー99(例えば、導電性金属ストリップ)を含むことができる。例えば、バスバー99は、VRトラックシステム11、取付システム18及びアトラクションコントローラ90に通信可能に結合することができる。更に、幾つかの実施形態において、バスバー99は、アトラクションコントローラ90と取付システム18との間の通信を容易にすることができる。例えば、ボギー20は、取付システム18及びより具体的にはイメージコントローラ25をバスバー99に電気的に結合することができる1又は2以上のブラシ(例えば、カーボンブラシ)を含み、従って、イメージコントローラ25とアトラクションコントローラ90との間の通信を促進することができる。
【0034】
更に、幾つかの実施形態において、イメージコントローラ25は、ボギー20の上部に直接結合されて、ボギー20と共に移動することができる。このような実施形態において、トラック14は、ボギー20及びイメージコントローラ25の構造物を収容するのに適切なサイズ(例えば、高さが増大した)にすることができる。加えて、又は代替として、トラック14は、イメージコントローラ25を収容するためにオープントップ(上部が開いた)設計を含むことができる。オープントップ設計を含む実施形態において、バスバー99及びブロック85のような要素は、トラック14の側部か、又は本明細書で記載される目的を十分に果たすことができる他の何れかの適切な場所に配置することができる。
【0035】
このことを踏まえながら、図6は、アトラクション10のブロック図である。各ユーザ16には、ヘッドギア30から独立した又はヘッドギア30に結合できる取付システム18(例えば、ボギーシステム)を提供することができる。幾つかの実施形態では、ヘッドギア30を、ユーザ16が着用できるヘルメット、バイザー、ヘッドバンド、1対の遮眼帯、1又は2以上の眼帯、及び/又は他のヘッドウェア又はアイウェアの一部として含めることができる。図示のように、ヘッドギア30は、無線ネットワーク(例えば、無線ローカルエリアネットワーク[WLAN]、無線ワイドエリアネットワーク[WWAN]、近距離通信[NFC])を介してアトラクションコントローラ90及び経路12に通信可能に結合された取付システム18のイメージコントローラ25に通信可能に結合することができる。イメージコントローラ25、ヘッドギア30及びアトラクションコントローラ90を使用して、ユーザ16がアトラクション10を楽しむときにAR体験、VR体験、複合現実(例えば、ARとVRの組み合わせ)体験、コンピュータ媒介型現実体験、これらの組み合わせ、又はユーザ16のための他の同様の超現実的環境を含むことができる、VRシナリオ40を生成することができる。具体的に言えば、ユーザ16は、完全にVRシナリオ40に包まれるように感じることができ、VRシナリオ40を現実世界の物理的環境であると知覚できるように、ユーザ16がVRトラックシステム11を進行するときにヘッドギア30を着用することができる。具体的には、更に理解されるように、VRシナリオ40は、たとえ1又は2以上のAR又はVRイメージ(例えば、仮想拡張)と電子的に融合したヘッドギア30を着用していないときであっても、ユーザ16が見ると思われる経路12の現実世界のイメージを含むリアルタイムビデオとすることができる。「リアルタイム」という用語は、実際の観察時間に実質的に近い時間枠内でイメージが取得及び/又は提供されることを示す。
【0036】
特定の実施形態では、ヘッドギア30は、アトラクション10のスリル要素、ひいてはアトラクション10内にいる間のユーザ16の体験を強化するAR体験、VR体験、及び/又は他のコンピュータ媒介体験を生成する上で有用となり得る様々なウェアラブル電子デバイスのうちの何れかとすることができる。本明細書で検討するようなヘッドギア30は、従来のヘッドマウントディスプレイ(HMD)及び/又はヘッドアップディスプレイ(HUD)などの従来のデバイスとは異なることができ、これらの従来のデバイスを凌ぐ多くの利点をもたらすことができることを理解されたい。例えば、更に理解されるように、ヘッドギア30は、アトラクション10のサイクル中にユーザ16の位置、向き及び動作を追跡するのに使用できる、例えば加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、全地球測位システム(GPS)受信機などの複数の配向及び位置センサ92を含むことができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、モニタリングシステム(例えば、カメラなどの1又は2以上の位置センサ94)がヘッドギア30(例えば、その上に配置されたインジケータ)をモニタして、ヘッドギア30及び/又はユーザ16の位置、場所及び向きなどを特定することができる。或いは、又はこれに加えて、取付システム18は、VRトラックシステム11のそれぞれのユーザ16をモニタしてそれぞれのユーザ16及び/又はヘッドギア30の視点及び/又は場所を特定する上で有用となり得る1又は2以上のセンサ96(例えば、重量センサ、質量センサ、動きセンサ、超音波センサ、位置センサ)を含むこともできる。同様に、経路12及び/又はトラック14はまた、VRトラックシステム11のそれぞれのユーザ16をモニタしてそれぞれのユーザ16の視点及び/又は場所を特定する上で有用となり得る1又は2以上のセンサ98(例えば、重量センサ、質量センサ、動きセンサ、超音波センサ、カメラ、位置センサ、方位センサ)を含むことができる。幾つかの実施形態において、VRトラックシステム11、並びにより具体的にはイメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、ヘッドギア30の視点、ユーザ16の場所、ユーザ16の速度及び方向、又はこれらの何れかの組み合わせを利用して、ユーザ16の予測される動作を決定することができる。例えば、ユーザ16が特定の方向を見るか又は向いている場合、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、ユーザが特定の方向に移動する可能性がある(例えば、予測される動作)と決定することができる。イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、ユーザ16の予測される動作情報を利用して、モータ87に信号を送信し、予測される動作の方向にボギー20を動かすことができる。このようにして、ボギー20の移動は、ボギー20がユーザ16と協働して移動し、ユーザ16が単にトラック14に沿ってボギー20を引っ張ることがないように、ユーザ16の動きの予測とすることができる。
【0038】
特定の実施形態では、VRシナリオ40の生成を支援するために、イメージコントローラ25は、プロセッサ100などの処理回路及びメモリ102を含むことができる。同様に、アトラクションコントローラ90は、プロセッサ104などの処理回路及びメモリ106を含むことができる。プロセッサ100、104は、それぞれメモリ102、106に動作可能に結合されて、アトラクション10のスリル要素、ひいてはアトラクション10内にいる間のユーザ16の体験を強化するVRシナリオ40を生成するための本開示の技術を実施する命令を実行することができる。これらの命令は、メモリ102、106及び/又は他のストレージなどの有形の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム又はコードで符号化することができる。プロセッサ100、104は、汎用プロセッサ、システムオンチップ(SoC)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の何らかの同様のプロセッサ構成とすることができる。
【0039】
特定の実施形態では、更に例示されるように、ヘッドギア30はまた、それぞれがユーザ16の片方の眼に対応する1又は2以上の表示画面を含むことができるディスプレイ108を含むことができる。他の実施形態では、ディスプレイ108は、ユーザ16の両目に対して単一の表示画面を含むことができる。ディスプレイ108は、不透明な液晶ディスプレイ(LCD)、不透明な有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、又は経路12及びVRシナリオ40のリアルタイムイメージをユーザ16に表示する上で有用な他の同様のディスプレイを含むことができる。別の実施形態では、ディスプレイ108は、例えばユーザ16がディスプレイ108を介して実際の物理的現実世界環境(例えば、経路12)を見る能力を保ちながら、ディスプレイ108上に出現する経路12及びVRシナリオ40のリアルタイムイメージを見られるようにする上で有用なシースルーLCD又はシースルーOLEDディスプレイを含む。
【0040】
ヘッドギア30のカメラ110は、それぞれユーザ16のそれぞれの視点に対応することができ、経路12のリアルタイムビデオデータ(例えば、ライブビデオ)を取り込むのに使用することができる。具体的に言えば、図示の実施形態では、ヘッドギア30のカメラ110を使用して、それぞれのユーザ16が知覚した物理的現実世界経路12のリアルタイムイメージをそれぞれユーザ16の視点から取り込むことができる。更に理解されるように、ヘッドギア30は、カメラ110を介して取り込まれたリアルタイムビデオデータを(例えば、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90のグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を介した)処理のためにイメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90に(例えば、ヘッドギア30に含まれる1又は2以上の通信インターフェイスを介して無線で)送信することができる。加えて、ヘッドギア30はまた、ヘッドギア30、取付システム18及び経路12に含めることができる配向及び位置センサ94、96、98、92(例えば、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、全地球測位システム[GPS]受信機及びモーションキャプチャカメラなど)及び動き追跡センサ(例えば、電磁的及び固体動き追跡センサ)などを介して取得されたデータに基づいて取得及び/又は導出された配向データ、位置データ、視点データ(例えば、焦点距離、配向、及び姿勢など)、及び動き追跡データなどを送信することができる。
【0041】
上述したように、特定の実施形態において、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、取付システム18から受け取ったリアルタイムビデオデータ(例えば、ライブビデオ)、配向及び位置データ、及び/又は視点データを処理することができる。具体的に言えば、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、このデータを使用して、生成されたVRシナリオ40にリアルタイムビデオデータを登録するための基準枠を生成することができる。具体的には、その後、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、配向データ、位置データ、視点データ及び動き追跡データなどに基づいて生成された基準枠を使用して、それぞれのユーザ16がヘッドギア30を着用していない場合に知覚すると思われるものと時間的及び空間的に相応するVRシナリオ40のビューをレンダリングすることができる。イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、それぞれのユーザ16のそれぞれの向き、位置及び/又は動きの変化を反映するように現実世界のイメージのレンダリングを絶えず(例えば、リアルタイムで)更新することができる。
【0042】
例えば、特定の実施形態では、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、毎秒約20フレーム(FPS)以上、約30FPS以上、約40FPS以上、約50FPS以上、約60FPS以上、約90FPS以上、又は約120FPS以上のリアルタイムレートでイメージ(例えば、VRシナリオ40)をレンダリングすることができる。更に、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、それぞれのユーザ16が着用した各ヘッドギア30それぞれに対する(例えば、それぞれのユーザ16のそれぞれの向き、位置及び視点に合わせて調整された)経路12の現実世界のイメージを生成することもできる。
【0043】
特定の実施形態では、上述したように、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90はまた、経路12の現実世界のイメージに重畳されたVRシナリオ40の1又は2以上のVRグラフィックイメージを生成及びレンダリングして、ユーザ16に完全なAR体験、VR体験、複合現実、及び/又は他のコンピュータ媒介体験をもたらすことができる。例えば、特定の実施形態では、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、説明したビデオ融合及び/又は光学的融合技術のうちの1つ又は2つ以上を利用して、経路12の現実世界のイメージ上にVRシナリオ40のVRグラフィックイメージを重畳して、ユーザ16がVRトラックシステム11を往来する際にユーザ16が(例えば、ディスプレイ108を介してレンダリングされたビデオデータとして提供される)アトラクション10の現実世界の物理的経路12をVRシナリオ40(例えば、仮想拡張)のVRグラフィックイメージと共に知覚するようにすることができる。具体的に言えば、現実世界のイメージのレンダリングに関して上述したように、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、経路12の現実世界のイメージと時間的及び空間的に相応したVRシナリオ40のVR/ARグラフィックイメージのビューをレンダリングして、経路12の現実世界のイメージがVRシナリオ40のVRグラフィックイメージと重なり合った背景として出現できるようにすることができる。実際には、あるモデルが、何れかの利用可能な視点に対するコンピュータ生成イメージを提供して、ヘッドギア30の検出された配向に基づいて表示できるようにヘッドギア30に特定のイメージを提供することができる。
【0044】
特定の実施形態では、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90はまた、1又は2以上の明度モデル、照明モデル、又は陰影モデル、及び/又は他のフォトリアリスティックなレンダリングモデルを生成して、経路12の現実世界のイメージ及びVRシナリオ40のVRグラフィックイメージをレンダリングする際に、現実世界の物理的経路12のコントラスト及び明度(例えば、晴れ渡った日、部分的に曇りの日、曇りの日、夕方、夜)を正確に反映するように調整された経路12の現実世界のイメージ及びVRシナリオ40のVRグラフィックイメージを生成することができる。例えば、幾つかの実施形態では、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、環境の現実世界のイメージ及びVRシナリオ40のVRグラフィックイメージのフォトリアリズムを高めるために、1又は2以上の気象予報システム及び/又は気象予測システム(例えば、全球気象予報システム及びドップラレーダーなど)から気象関連データを受け取ることができる。次いで、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、気象関連データ又は他の同様のデータを使用して、環境の現実世界のイメージ及び/又はVRシナリオ40のVRグラフィックイメージのコントラスト、明度、及び/又は他の照明効果を調整することができる。
【0045】
他の実施形態では、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、ヘッドギア30及び/又は取付システム18に含まれる1又は2以上の光センサから検出された照明に基づいて、又はカメラ110によって取り込まれたリアルタイムビデオデータに基づいて、経路12の現実世界のイメージ及び/又はVRシナリオ40のVRグラフィックイメージのコントラスト、明度、及び/又は他の照明効果を調整することができる。更に、上述したように、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、それぞれのユーザ16のそれぞれの向き、位置、視点及び/又は動きの変化を反映するように、VRシナリオ40のVRグラフィックイメージのレンダリングを絶えず(例えば、リアルタイムで)更新することができる。例えば、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、それぞれのユーザ16の可変のそれぞれの位置、視点及び動きに合わせて調整されたVRシナリオのVRグラフィックイメージを、それぞれのユーザ16が着用するそれぞれの各ヘッドギア26の(単複の)ディスプレイ108上にレンダリングすることができる。
【0046】
更に理解されるように、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、ユーザ16が経路12内の所定の地点を横切った時点でVRシナリオ40のVRグラフィックイメージを生成することもできる。従って、特定の実施形態では、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、受け取られた位置データ、視点データ、GPSデータに沿った動きデータ、又は地理的情報システム(GIS)データを使用して、例えばアトラクション10の照明マップを生成することができる。次いで、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、ユーザ16が経路12を往来する際に、このマップを使用して、幾つかの所定の地点(例えば、場所、距離又は時間に基づく地点)においてVRシナリオ40の幾つかのVRグラフィックイメージを導入することができる。更に、特定の実施形態では、イメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、カメラ110を介して取り込まれたビデオ又はイメージデータを使用して、ユーザ16の地点、及びVRシナリオ40の幾つかのVRグラフィックイメージをいつ導入すべきであるかを決定することができる。例えば、コントローラ25及びアトラクションコントローラ90のGPUは、1又は2以上の幾何学的認識アルゴリズム(例えば、形状又は物体認識)又は光度認識アルゴリズム(例えば、顔認識又は特定の物体認識)を実行して、ユーザ16の位置又は場所、並びにユーザ16の観察位置を決定することができる。幾つかの実施形態では、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90は、ヘッドギア30と無線通信することができる。更に、幾つかの実施形態では、イメージコントローラ25は、ヘッドギア30と一体的に結合することができる。幾つかの実施形態において、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90からヘッドギア30に供給されるイメージ(例えば、VRイメージ)は、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90からヘッドギア30に供給されるVRイメージデータに基づくことができる。加えて、上述した実施形態は、別個のイメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90を利用することができるが、幾つかの実施形態は、本明細書で説明したようなイメージコントローラ25及びアトラクションコントローラ90の動作を実行するように構成された単一のコントローラを利用してもよい。幾つかの実施形態では、単一のコントローラは、取付システム18上、トラック14、又はアトラクション10内のどこか他の場所に配置することができる。
【0047】
更に、図6で分かるように、VRトラックシステム11は、上記で詳細に説明したように機能することができる、1又は2以上の経路12、発電機97を有する1又は2以上のトラック14、1又は2以上の物理的トラックスイッチ82、及び1又は2以上のブロック85を含むことができる。更にまた、VRトラックシステム11は、特殊効果システム120を含むことができる。特殊効果システム120は、経路12、トラック14、取付システム18、ハーネス24、又はこれらの何れかの組み合わせに結合することができ、アトラクション10の物語内にユーザ16を更に没入させる役割を果たすことができる様々な特殊効果を供給することができる。例えば、特殊効果システム120は、サウンドシステム、振動システム、バスシステム、流体システム、スモーク及び/又は蒸気システム、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。幾つかの実施形態において、特殊効果システム120は、特殊効果コントローラ121と通信可能に結合することができる。特殊効果コントローラ121は、特殊効果システム120に信号を送信して、特殊効果システム120を作動させることができる。幾つかの実施形態において、特殊効果システム120の作動は、ユーザ16の場所、視点、VRトラックシステム11とユーザ16の間の相互作用、又はこれらの何れかの組み合わせに基づくことができる。また、上述のように、特殊効果システム120は、各取付システム18に結合することができる。このようにして、特殊効果(例えば、ミスト、サウンド、煙/蒸気、雨、その他)は、ユーザ16に隣接した場所(例えば、ユーザ16の上方)から施すことができる。上述のように各取付システム18上に個別化された特殊効果システム120を設けることにより、特殊効果システム120がVRトラックシステム11全体にわたり配置される実施形態に比べてコストを低減することができる。更に、幾つかの実施形態において、特殊効果システム120の一部分は、取付システム18に結合することができ、他方、特殊効果システム120のある部分は、VRトラックシステム11全体にわたり配置してもよい。特殊効果コントローラ121もまた、各取付システム18上に、及び/又はアトラクションコントローラ90と同様の単一の場所に配置することができる。
【0048】
更に、VRトラックシステム11、及びより具体的にはイメージ及び/又はアトラクションコントローラ25、90は、触覚フィードバックシステムに通信可能に結合することができる。触覚フィードバックシステム122はまた、ユーザ16をVRシナリオ40の物語内に更に没入させる役割を果たすことができる。幾つかの実施形態において、触覚フィードバックシステム122は、(例えば、手袋、スーツ、スリーブなど)ユーザ16が着用することができる1又は2以上のウェアラブル要素を含むことができる。全体として、触覚フィードバックシステム122は、VRシナリオ40の物理的に感じる要素であるとユーザ16が考えるように、ユーザ16と相互作用することができる。このため、触覚フィードバックシステム122は、限定ではないが、種々の圧力、種々の温度、振動、その他を含む様々な刺激をユーザ16に提供することができる。例えば、ユーザ16は、VRシナリオ40からの要素を実際に把持していると考えることができるが、実際には、ヘッドギア30を通じてこの要素を単に見ていて、触覚フィードバックシステム122からの圧力応答を感じることができる。
【0049】
図7は、VRトラックシステム11のブロックゾーン法130のフローチャートである。ブロック132において、コントローラ(例えば、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90)が、VRトラックシステム11内のユーザ16のロケーションデータを受け取ることができる。ロケーションデータは、アトラクション10の1又は2以上のセンサ(例えば、センサ86、92、94、96、98)から収集することができる。ブロック134において、コントローラ(例えば、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90)が、ロケーションデータを分析して、各ユーザの場所及び各ユーザ16によって占有されたブロックゾーンを決定する。上記で検討したように、幾つかの実施形態において、ユーザ16は、ユーザ77と連動して移動するブロックゾーン77と関連付けることができる。更に、幾つかの実施形態において、ユーザ16は、固定のブロックゾーン77間を移動することができる。判定ブロック136において、コントローラ(例えば、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90)が、特定のユーザ16によって占有された特定のブロックゾーン77が、別のユーザ16によって占有された別のブロックゾーン77に隣接しているかどうかを判定することができる。
【0050】
占有された特定のブロックゾーン77が占有された他のブロックゾーン77に隣接しているとコントローラ(例えば、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90)が判定した場合、コントローラ(例えば、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90)は、占有された他のブロックゾーン77の所定の距離内に特定のユーザ16が移動するのを阻止することができる(ブロック138)。例えば、幾つかの実施形態において、この所定の距離は、占有された特定のブロックゾーン77の長さ、及び/又は占有された他のブロックゾーン77の長さに基づくことができる。占有された特定のブロックゾーン77が占有された他のブロックゾーン77に隣接しているとコントローラ(例えば、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90)が判定した場合、コントローラ(例えば、イメージコントローラ25及び/又はアトラクションコントローラ90)は、ユーザ16が占有された他のブロックゾーン77に接近して進むのを許容することができる。幾つかの実施形態において、ユーザの前進又は移動の阻止は、上記で検討したように1又は2以上のロック機構(例えば、ロック機構88)により実施することができる。
【0051】
更に、コントローラ(イメージコントローラ25、トラックスイッチコントローラ83、特殊効果コントローラ121、及びアトラクションコントローラ90)の機能は、単一のコントローラを通じて制御するか、又は単一のコントローラが実装することができる点に留意されたい。幾つかの実施形態において、当該単一のコントローラは、アトラクションコントローラ90とすることができる。
【0052】
本明細書では、幾つかの実施形態のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の実際の趣旨に該当するような全ての修正及び変更を含むものであると理解されたい。
【0053】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。更に、本明細書の最後に添付する何れかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他の何れかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7