(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】エクササイズトレッドミル
(51)【国際特許分類】
A63B 22/02 20060101AFI20230615BHJP
A63B 24/00 20060101ALI20230615BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
A63B22/02
A63B24/00
A63B69/00 C
(21)【出願番号】P 2020524580
(86)(22)【出願日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 US2018056395
(87)【国際公開番号】W WO2019112694
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-10-12
(32)【優先日】2017-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520142952
【氏名又は名称】ライフコア フィットネス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ,ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ブイチ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】チレス,マーク
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0023757(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0213419(US,A1)
【文献】米国特許第05470293(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00-26/00
A63B 69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
ループ式走行ベルトと、
第1ローラアセンブリであって、
第1ローラチューブと、
第1回転プーリ及び第2回転プーリであって、前記第1ローラチューブ上に装着されており、それによって、前記第1及び第2回転プーリは前記第1ローラチューブとともに回転
する、第1回転プーリ及び第2回転プーリと、
第1シャフトであって、前記フレーム上に固定して装着されており、それによって、前記第1シャフトは前記第1及び第2回転プーリと前記第1ローラチューブとともに回転しない、第1シャフトと、
前記第1シャフトの第1端部上に位置し、外表面と内表面とを有する第1インサートであって、前記第1インサートの外表面は、前記第1ローラチューブの内表面に固定して結合する大きさの直径を有し、前記第1インサートの内表面は、少なくとも、最小かつ前記第1端部から最も離れて位置する第1直径、第2直径、及び最大かつ前記第1端部の最も近くに位置する第3直径を有する、第1インサートと、
前記第1シャフトの第2端部上に位置し、外表面と内表面とを有する第2インサートであって、前記第2インサートの外表面は、前記第1ローラチューブの内表面に固定して結合する大きさの直径を有し、前記第2インサートの内表面は、前記第2端部から最も離れて位置する第1直径と前記第2端部の最も近くに位置する第2直径とを少なくとも有する、第2インサートと、
前記第1シャフトの前記第1端部上に位置し、内リングと外リングとを有する第1荷重ベアリングであって、前記第1荷重ベアリングの内リングは、当該内リングが前記第1シャフト上で回転しないよう前記第1シャフトに固定して結合され、前記第1荷重ベアリングの外リングは前記第1インサートの前記第2直径を有する内表面に固定して結合され、それにより当該外リングが前記第1ローラチューブに固定して結合されて前記第1ローラチューブが前記第1シャフトの周りを自由に回転する、第1荷重ベアリングと、
前記第1シャフトの前記第2端部上に位置し、内リングと外リングとを有する第2荷重ベアリングであって、前記第2荷重ベアリングの内リングは、当該内リングが前記第1シャフト上で回転しないよう前記第1シャフトに固定して結合され、前記第2荷重ベアリングの外リングは、前記第2インサートの前記第2直径を有する内表面に固定して結合され、それにより当該外リングが前記第1ローラチューブに固定して結合されて前記第1ローラチューブが前記第1シャフトの周りを自由に回転する、第2荷重ベアリングと、
前記第1シャフトの前記第1端部上に位置し、内リングと外リングとを有する一方向装置であって、前記一方向装置の内リングは、当該内リングが前記第1シャフト上で回転しないよう前記第1シャフトに固定して結合され、前記一方向装置の外リングは、前記第1インサートの前記第3直径を有する内表面に固定して結合され、それにより当該外リングが前記第1ローラチューブに固定して結合されて前記第1ローラチューブが前記第1シャフトの周りを第1方向に回転し、かつ、前記第1シャフトの周りを前記第1方向と反対の第2方向に回転することを防止し、前記第1及び前記第2方向は、前記ループ式走行ベルトの上面がトレッドミルの前部から前記トレッドミルの後部に動くことができ、前記ループ式走行ベルトの前記上面が前記トレッドミルの前記後部から前記トレッドミルの前記前部へ動くことが防止されるようなものである、一方向装置と、を備える第1ローラアセンブリと、
前記フレーム上に装着された第2ローラアセンブリと、を備えるトレッドミルであって、
前記ループ式走行ベルトが、前記第2ローラアセンブリと、前記第1回転プーリと、前記第2回転プーリとによって支持され、それによって、前記第1及び第2回転プーリが、前記ループ式走行ベルトの動きとともに回転する
、トレッドミル。
【請求項2】
前記フレームの第1長手方向側部に沿って第1複数のガイド用プーリが点在している、第1複数の支持用/ガイド用ベアリングを備える第1列と、前記フレームの第2長手方向側部に沿って第2複数のガイド用プーリが点在している、第2複数の支持用/ガイド用ベアリングを備える第2列とをさらに含み、前記第1及び第2列が、前記ループ式走行ベルトを支持している、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項3】
前記ループ式走行ベルトの内側面が、前記フレームの前記第1長手方向側部に近接する、前記走行ベルトの第1側に沿った第1突起と、前記フレームの前記第2長手方向側部に近接する、前記走行ベルトの第2側に沿った第2突起とを備え、前記第1突起が、前記第1複数のガイド用プーリに嵌合するように寸法決定され、前記第2突起が、前記第2複数のガイド用プーリに嵌合するように寸法決定され、それによって、前記第1複数の支持用/ガイド用ベアリングと、前記第1複数のガイド用プーリとが、前記ループ式走行ベルトの第1側を支持し、前記第2複数の支持用/ガイド用ベアリングと、前記第2複数のガイド用プーリとが、前記ループ式走行ベルトの第2側を支持している、請求項2に記載のトレッドミル。
【請求項4】
前記第2ローラアセンブリが、
第3回転プーリと、
第4回転プーリと、
第2シャフトであって、前記フレーム上に固定して装着され、それによって、前記第2シャフトは、前記第3及び第4回転プーリとともに回転しない、第2シャフトと、
第2ローラチューブであって、前記第3回転プーリ及び前記第4回転プーリが、前記第2ローラチューブ上に装着されて、前記第2ローラチューブとともに回転する、第2ローラチューブと、
第3荷重ベアリング及び第4荷重ベアリングであって、前記第2ローラチューブと前記第2シャフトとの間に配設され、それによって、前記第2ローラチューブと前記第3及び第4プーリが、前記第2シャフトの周りを回転することができる、第3荷重ベアリング及び第4荷重ベアリングと、を備える、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項5】
前記第1ローラアセンブリ又は前記第2ローラアセンブリが、前記ループ式走行ベルトの前記上面が前記トレッドミルの前記後部から前記トレッドミルの前記前部に動くことを防止するように構成された追加の一方向装置をさらに備える、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項6】
前記第1ローラアセンブリが、前部ローラアセンブリであり、そのため、前記第1シャフトが前記第2ローラアセンブリよりも前記トレッドミルの前記前部に近い前記フレーム上に装着されている、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項7】
前記第1ローラアセンブリが、後部ローラアセンブリであり、そのため、前記第1シャフトが前記第2ローラアセンブリよりも前記トレッドミルの前記後部に近い前記フレーム上に装着されている、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項8】
前記一方向装置が、一方向クラッチを備え、
前記一方向装置の前記内リングが、キー溝を画定する部分を備え、前記第1シャフトが、前記キー溝内に突出し、それによって
前記一方向装置の前記内リングを前記第1シャフトに固定するように構成されたキーを備える、請求項
1に記載のトレッドミル。
【請求項9】
前記第1インサート及び前記第2インサートが、金属でできており、前記第1インサート及び前記第2インサートが、前記第1ローラチューブに圧入され、前記第2インサートが、前記第1インサートよりも短く、前記第1及び第2プーリが、射出成形プラスチックでできている、請求項
8に記載のトレッドミル。
【請求項10】
前記第1シャフトが、前記第1シャフトの前記第1端部の近くに第1ボルトで前記フレームに固定され、前記第1シャフトの前記第2端部の近くに第2ボルトで前記フレームに固定されている、請求項
9に記載のトレッドミル。
【請求項11】
前記トレッドミルがモータレスである、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項12】
前記トレッドミルがモータ駆動式である、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項13】
ディスプレイと、電子機器と、トレッドミルの使用者に前記使用者のトレーニングに関する情報を提供するように構成された1つ以上のセンサと、をさらに備える、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項14】
使用者が運動時に前記トレッドミルにつかまることを可能にするためのハンドルバーをさらに含む、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項15】
前記ループ式走行ベルトが、多数の相互接続されたスラットを含む、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項16】
前記フレームが、運動強度の変化を可能にするように、前記ループ式走行ベルトの前記上面を湾曲させるように構成されている、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項17】
前記フレームが、前記ループ式走行ベルトの前記上面を湾曲させて、それによって、前記ループ式走行ベルトの傾斜が、端部から端部までで少なくとも20度変化するように構成されている、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項18】
前記フレームの後部に取り付けられた上昇バーと、前記フレームの前部に取り付けられた一対のホイールと、をさらに備える、請求項1に記載のトレッドミル。
【請求項19】
フレームと、
ループ式走行ベルトと、
第1回転プーリ及び第2回転プーリを備える第1ローラアセンブリ、並びに第3回転プーリ及び第4回転プーリを備える第2ローラアセンブリであって、前記第1ローラアセンブリ及び前記第2ローラアセンブリが、前記フレーム上に装着され、前記ループ式走行ベルトが、前記第1回転プーリと、前記第2回転プーリと、前記第3回転プーリと、前記第4回転プーリとによって支持されている、第1ローラアセンブリ及び第2ローラアセンブリと、を備えるトレッドミルであって、
前記第1ローラアセンブリが、
第1ローラチューブと、
前記フレーム上に固定して装着された第1シャフトと、
前記第1シャフトの第1端部上に位置し、外表面と内表面とを有する第1インサートであって、前記第1インサートの外表面は、前記第1ローラチューブの内表面に固定して結合する大きさの直径を有し、前記第1インサートの内表面は、少なくとも、最小かつ前記第1端部から最も離れて位置する第1直径、第2直径、及び最大かつ前記第1端部の最も近くに位置する第3直径を有する、第1インサートと、
前記第1シャフトの第2端部上に位置し、外表面と内表面とを有する第2インサートであって、前記第2インサートの外表面は、前記第1ローラチューブの内表面に固定して結合する大きさの直径を有し、前記第2インサートの内表面は、前記第2端部から最も離れて位置する第1直径と前記第2端部の最も近くに位置する第2直径とを少なくとも有する、第2インサートと、
前記第1シャフトの前記第1端部上に位置し、内リングと外リングとを有する第1荷重ベアリングであって、前記第1荷重ベアリングの内リングは、当該内リングが前記第1シャフト上で回転しないよう前記第1シャフトに固定して結合され、前記第1荷重ベアリングの外リングは前記第1インサートの前記第2直径を有する内表面に固定して結合され、それにより当該外リングが前記第1ローラチューブに固定して結合されて前記第1ローラチューブが前記第1シャフトの周りを自由に回転する、第1荷重ベアリングと、
前記第1シャフトの前記第2端部上に位置し、内リングと外リングとを有する第2荷重ベアリングであって、前記第2荷重ベアリングの内リングは、当該内リングが前記第1シャフト上で回転しないよう前記第1シャフトに固定して結合され、前記第2荷重ベアリングの外リングは、前記第2インサートの前記第2直径を有する内表面に固定して結合され、それにより当該外リングが前記第1ローラチューブに固定して結合されて前記第1ローラチューブが前記第1シャフトの周りを自由に回転する、第2荷重ベアリングと、
前記第1シャフトの前記第1端部上に位置し、内リングと外リングとを有する一方向装置であって、前記一方向装置の内リングは、当該内リングが前記第1シャフト上で回転しないよう前記第1シャフトに固定して結合され、前記一方向装置の外リングは、前記第1インサートの前記第3直径を有する内表面に固定して結合され、それにより当該外リングが前記第1ローラチューブに固定して結合されて前記第1ローラチューブが前記第1シャフトの周りを第1方向に回転し、かつ、前記第1シャフトの周りを前記第1方向と反対の第2方向に回転することを防止し、前記第1及び前記第2方向は、前記ループ式走行ベルトの上面が前記トレッドミルの前部から前記トレッドミルの後部に動くことができ、前記ループ式走行ベルトの前記上面が前記トレッドミルの前記後部から前記トレッドミルの前記前部へ動くことが防止されるようなものである、一方向装置と、をさらに備える、トレッドミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、2017年12月6日出願の米国特許出願第15/833991号、題名EXERCISE TREADMILLの優先権を主張し、その出願は、本文、図面、特許請求の範囲、表及びすべての他のものを含むその全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書は、一般に、エクササイズトレッドミルの分野と、プーリが一方向に回転することを可能にし、かつプーリが反対方向に回転することを防止するための構成要素を装着するための技術とに関する。また、本明細書は、トレッドミルハンドルバー上での適切な手の配置と、トレッドミルベルト上での対応する足の配置とを容易にすることに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 典型的なトレッドミルは、人(トレッドミル使用者)が走ったり、ジョギングしたり、歩いたりすることを可能にするように回転するローラアセンブリによって、各端部で支持されるループ式走行ベルトを有する。モータ駆動式トレッドミルに加えて、手動トレッドミルがある。特に手動(すなわち、非モータ駆動)タイプのトレッドミルは、運動強度を変化させるために湾曲している場合がある。手動トレッドミルは、好ましくは、ループ式ベルトの逆方向への著しい動き、すなわち後部から前部への上面の動きを可能にしない。ローラアセンブリの1つに一方向クラッチ(別名一方向ベアリング)を設置することによって、逆方向への動きを防止することが達成され得る。
【0004】
[0004] 当技術分野においては、トレッドミル上のループ式ベルトの逆方向の動きを防止するための新しくかつより優れた技術に対する要望が存在する。また、当技術分野では、一方向への回転を可能にし、反対方向への著しい回転を防止するローラアセンブリの新規かつより優れた設計に対する要望が存在する。当技術分野では、使用者がトレッドミルのハンドルバーの握り位置を、所望の強度及び/又はステップ長さに調整することを助ける技術に対する要望が存在する。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書で説明される実施形態、変形、及び例は、上記の要望及び/又は他の要望の1つ以上を満たし得る装置及び方法を対象とする。選択された例は、定置シャフト及び回転ローラを備えたトレッドミルを示している。
【0006】
[0006] 一実施形態では、トレッドミルは、フレームを含む。また、トレッドミルは、ループ式走行ベルトを含む。トレッドミルはさらに、第1ローラチューブと、第1ローラチューブ上に装着され、それによって、第1及び第2回転プーリが、第1ローラチューブとともに回転するようにされた、第1回転プーリ及び第2回転プーリと、フレーム上に固定して装着され、それによって、第1シャフトが、第1及び第2回転プーリと第1ローラチューブとともに回転しないようにされた、第1シャフトと、第1荷重ベアリングと、第2荷重ベアリングと、一方向装置と、を有する、第1ローラアセンブリを含む。トレッドミルは、フレーム上に装着された第2ローラアセンブリをさらに含む。ループ式走行ベルトは、第2ローラアセンブリと、第1回転プーリと、第2回転プーリとによって支持され、それによって、第1及び第2回転プーリが、ループ式走行ベルトの動きとともに回転する。第1荷重ベアリング及び第2荷重ベアリングが、第1ローラチューブと第1シャフトとの間に配設され、それによって、第1ローラチューブと第1及び第2プーリとが、第1シャフトの周りを回転することができる。一方向装置は、内リング及び外リングを備え、内リングは、第1シャフトに固定結合されて、第1シャフト上で回転しないようにされ、外リングは、ローラチューブに固定結合されて、ローラチューブが第1シャフトの周りを第1方向に回転することを可能にし、かつローラチューブは、第1シャフトの周りを、第1方向と反対の第2方向に回転することを防止し、第1及び第2方向は、ループ式走行ベルトの上面が、トレッドミルの前部からトレッドミルの後部に動くことができ、上面は、トレッドミルの後部からトレッドミルの前部へ動くことが防止されるようなものである。
【0007】
[0007] 一実施形態では、トレッドミルは、フレームと、ループ式走行ベルトと、第1回転プーリ及び第2回転プーリを備える第1ローラアセンブリ、並びに第3回転プーリ及び第4回転プーリを備える第2ローラアセンブリであって、第1ローラアセンブリ及び第2ローラアセンブリが、フレーム上に装着され、ループ式走行ベルトが、第1回転プーリと、第2回転プーリと、第3回転プーリと、第4回転プーリとによって支持される、第1ローラセンブリ及び第2ローラセンブリと、を含む。また、第1ローラアセンブリは、走行ベルトの上面がトレッドミルの前部から後部へ動くことを可能にし、上面がトレッドミルの後部から前部へ動くことを防止するための手段を備える。
【0008】
[0008] 本開示と一致する選択された実施形態、変形、及び例のこれら及び他の特徴及び態様は、以下の説明、図面、及び添付の特許請求の範囲を参照してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の選択された態様による、湾曲したトレッドミルの選択された構成要素及び特徴を示す斜視図である。
【
図2】側板が取り外された
図1のトレッドミルの斜視図である。
【
図3】側板が取り外された
図1のトレッドミルの斜視図である。
【
図4】
図1のトレッドミルの側板とループ式走行ベルトを取り外した斜視図である。
【
図5】
図1のトレッドミルの側板とループ式走行ベルトを取り外した斜視図である。
【
図6】
図1のトレッドミルの側面図であり、側板及びループ式走行ベルトが取り外されている。
【
図7】
図1のトレッドミルの前部ローラアセンブリの断面図である。
【
図8】
図1のトレッドミルの別の斜視図であり、いくつかの構成要素が取り外されている。
【
図9】色分けされた縦ハンドグリップ位置と、対応する色分けされた前足配置位置とを備えたトレッドミルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016] 本明細書で使用される「実施形態(embodiment)」、「変形(variant)」、「例(example)」、並びに同様の文言及び表現は、特定の装置、プロセス、又は製品を指し、必ずしも同じ装置、プロセス、又は製造品を指すものではない。したがって、1つの場所又は文脈で使用される「一実施形態(one embodiment)」(又は同様の表現)は、特定の装置、プロセス、又は製品を指す場合があり、異なる場所又は文脈における同じ又は類似の表現は、異なる装置、プロセス、又は製品を指す場合がある。「代替の実施形態(alternative embodiment)」という表現及び類似の文言は、いくつかの異なる可能な実施形態、変形、又は例のうちの1つを示すために使用される。可能な実施形態、変形、又は例の数は、必ずしも2つ又は任意の他の量に限定されない。「例示的な(exemplary)」としてのアイテムの特徴付けは、アイテムが例として使用されることを意味する。そのような特徴付けは、必ずしも実施形態、変形、又は例が好ましいものであることを意味するものではなく、実施形態、変形、又は例は、現時点で好ましい実施形態、変形、又は例であってもよいが、必ずしもそうである必要はない。すべての実施形態、変形、及び例は、例示を目的として記載され、必ずしも開示された本発明(複数可)を厳密に限定するものではない。
【0011】
[0017] 「一方向装置(one-way device)」は、一方向スプロケットもしくは一方向クラッチ(「一方向クラッチベアリング」又は「一方向ベアリング」とも称される)、又は一方向への回転のみを可能にする類似のタイプのラチェット機構を指す。「一方向クラッチ(one-way clutch)」は、スプラグクラッチ、すなわち一方向への回転を可能にするが、他方向への動きを防止するようにロックアップされる回転要素を意味する。スプラグクラッチは、典型的には、回転方向が逆になるまで、1つの要素が別の要素の周りを惰性で動くことを可能にするばね付勢スプラグローラを採用している。
【0012】
[0018] 湾曲したトレッドミルは、使用者が湾曲面、例えば、傾斜がほぼ平坦な水平(ゼロ度)又はわずかに負の設定(下向きに傾斜、例えば10度を下回る下向きの傾斜)から、運動強度の著しい増大を提供する傾斜、例えば、水平から8~30度まで変化する表面上を歩行/ジョギング/走行することを可能にする。
【0013】
[0019] いくつかの定義が、上記で明示的に提供されている。他の及びさらなる明示的及び暗黙的な定義及び定義の説明が、本明細書全体にわたって見受けられ得る。
【0014】
[0020]
図1は、湾曲したトレッドミル100の選択された構成要素を示す斜視図である。この例では、トレッドミル100は、モータレストレッドミルである。トレッドミル100は、ハンドルバーマウント110A/110Bに取り付けられたハンドルバー105と、ハンドルバー105のほぼ中心に取り付けられた電子モニタ/コントローラモジュール115と、多数の(例えば、40~100個の)別個のスラット125で作られたループ式ベルト120と、トレッドミルの側部にある保護側板130A及び130Bとを含む。側板130A及び130Bの上部の踏板122A及び122Bは、それぞれ、トレッドミル100からの着脱の際に使用者が踏むことができる牽引面を提供する。トレッドミル100の後部の上昇バー155は、使用者がトレッドミル100の後部を床から持ち上げて、トレッドミル100をその前ホイール上で動かすことを可能にする。
【0015】
[0021]
図2及び
図3は、側板130A及び130Bが取り外されたトレッドミル100の斜視図である。これらの図から分かるように、トレッドミル100は、左側に長手方向フレームバー135Aをさらに含み、別の長手方向フレームバー135B(これらの図に図示せず)は、必要に応じて変更を加えて、フレームバー135Aに類似し、トレッドミル100の右側の同様の位置に配設される。(「左」及び「右」は、使用者がトレッドミル100上を前方に向かって歩行し/ジョギングし/走行する場合、使用者を基準として任意に選択されている。)縦支持部138A、140A、及び142Aは、左側の湾曲したアセンブリを支持する。さらにまた、トレッドミル100の右側には、必要に応じて変更を加えた類似の配置がある。トレッドミル100は、前ホイール145A及び145Bと、後部150A(左側)及び150B(
図4に示す右側)の調整可能な非ホイール式支持体との上に載置されている。
【0016】
[0022]
図4及び
図5は、側板130A/130B及びベルト120が取り外されたトレッドミル100の斜視図であり、フレームクロスメンバ160A/160B/160Cのより良い図を提供しており、長手方向フレームバー135A/135B間に延在していることがわかる。また、これらの図は、マルチコンポーネント前部ローラアセンブリ170及びマルチコンポーネント後部ローラアセンブリ190の一部を示す。
【0017】
[0023]
図6は、トレッドミル100の側面図である。
【0018】
[0024]
図7は、断面AA(
図6に示される)に沿った、前部ローラアセンブリ170の断面図である。
【0019】
[0025] 前部ローラアセンブリの中心には、シャフト172がある。シャフト172の端部の貫通穴174A及び174Bは、シャフト172をトレッドミル100のフレームに留め付けるボルトを受け入れる。シャフト100は、ベルト120の動きに応じて、フレームを基準として回転するようには意図されていないことに留意されたい。シャフト172の表面の楕円形のくぼみ176は、くぼみ176に圧入されることができるキーを受け入れるように設計され、キーは、シャフト172から突出し、一方向クラッチベアリング178の内リングの表面上の対応するベアリングキー溝に嵌合して、一方向クラッチ178の内リングを、シャフト172に対して固定(回転を防止)することが意図されている。キーがシャフトと一体成型されたシャフトを製作することが可能である。
【0020】
[0026] ローラチューブ180は、シャフト172を取り囲む。金属、例えば、鋼又は鉄から機械加工されてもよい。左側には、円筒形の金属インサート181Aが、ローラチューブ180の内側に圧入されている。一方向クラッチ178は、インサート181Aの内側に圧入されている。また、インサート181Aは、従来の(非一方向)荷重ベアリング182Aを受け入れる。また、ベアリング182Aは、インサート181Aに圧入されてもよい。プーリ183Aは、ローラチューブ180に固定して取り付けられる(例えば、接着される)。
【0021】
[0027] アセンブリ170の右側で、別のプーリ183Bがローラチューブ180に固定して取り付けられ(例えば、接着され)、第2円筒形の金属インサート181Bがローラチューブ180の内側に圧入される。プーリ183A/Bは、射出成形プラスチックであってもよい。第2金属インサート181Bは、インサート181Bの内側に圧入され得る第2従来の荷重ベアリング182Bを受け入れる。第2インサート181Bは、第1インサート181Aよりも短くてもよい(しかしそうである必要はない)が、これは、第2一方向クラッチの必要がないためであることに留意されたい。(当然ながら、右側に第2一方向クラッチを使用してもよい。)
【0022】
[0028] プーリ183A及び183Bは、ベルト120を支持し、ベルト120は、その内側に、ベルト120と並ぶ2組のガイド用突起を有する。ガイド用突起は、その対応するプーリ183A又は183Bのフランジ間に各々が嵌合するような幅に設定される。側板130A/B及びベルト120が取り外されたトレッドミル100の別の斜視図である
図8に見られるように、ガイド用プーリが点在する支持用/ガイド用ベアリングの列185A及び185Bは、トレッドミル100の踏板122A/122Bの側部に沿って存在する。列185A/Bのベアリング及びプーリは、ベルト120を支持し、プーリ183A/Bのフランジとともに、ベルト120を誘導する(過度の横滑りを防止する)。ベルト120のガイド用突起は、列185A/Bのガイド用プーリのフランジ間に嵌合する。
【0023】
[0029] 動作中、ローラチューブ180は、一方向クラッチ178が存在する場合を除き、シャフト172の周りをいずれの方向にも自由に回転する。一方向クラッチ178は、一方向のみの回転を可能にする。トレッドミル100の左側から見ると、ローラチューブ180並びにプーリ183A及び183Bは、時計回りに回転することができ、使用者がベルト120上を前に向かって歩行する/ジョギングする/走行すると、ベルト120の上面がトレッドミル100の前部から後部へ動くことが可能になる。
【0024】
[0030] 後部ローラアセンブリ190は、前部ローラアセンブリ170と非常に類似している場合がある。しかしながら、アセンブリ190は、一方向クラッチ又は別の一方向装置を含む必要はない。なぜなら、ベルト120は、前部ローラアセンブリ170上の一方向クラッチ178のために、望ましくない方向に著しい動きを有してはならないからである。また、後部ローラアセンブリ190は、前部ローラアセンブリ170とは著しく異なってもよく、例えば、後部ローラアセンブリは、トレッドミルのフレームに取り付けられた一対のベアリングによって支持された回転シャフトに取り付けられたプーリを有していてもよい。
【0025】
[0031] 実施形態では、一方向クラッチベアリング178の代わりに、別のタイプの一方向装置が使用される。実施形態では、後部ローラアセンブリ190の各側は、前部ローラアセンブリ170の右側に類似している。実施形態では、後部ローラアセンブリ190の一端又は両端に、一方向装置がある。実施形態では、一方向クラッチ(又は別の一方向装置)は、ローラアセンブリ170及び/又は190の1つ、2つ、3つ、又は4つすべての端部に設置される。実施形態では、トレッドミルは、モータレストレッドミルであるが、他の実施形態では、トレッドミルはモータ駆動式である。
【0026】
[0032]
図9は、色分けされた縦ハンドグリップ位置と、対応する色分けされた前足配置位置とを有するトレッドミル900の斜視図である。トレッドミル900(図示の実施形態では湾曲している)は、ループ式走行ベルト920と、ハンドルバー905と、ハンドルバーマウント910A/910Bと、側板930A/930Bと、電子モニタ/コントローラモジュール915とを含む。また、トレッドミル900は、ハンドルバー905上の異なる位置に締結され得る縦グリップ999A及び999Bを含む。縦グリップ999A/Bは、例えば、ロックねじを使用してさまざまな位置に締結され得る。図示の実施形態では、縦グリップのために各側に3つの位置がある。3対のハンドルバー位置は、異なる色のバンド又はLEDでマークされている。例えば、バンド992A及び992Bは、黄色であってもよく、バンド993A及び993Bは、橙色であってもよく、バンド994A及び994Bは赤色であってもよい。ベルト920の両側には、対応するカラーストリップが、配設されている。例えば、カラーストリップ998A及び998Bは黄色であってもよく、カラーストリップ997A及び997Bは橙色であってもよく、カラーストリップ996A及び996Bは、赤色であってもよい。カラーストリップは、例えば、ベルト920の側部の側板930A/930Bに接着されてもよい。実施形態では、各カラーストリップは、適切な色の1つ以上のLED(赤色のストリップの場合は赤色LED、橙色のストリップの場合は橙色LEDなど)を含む。カラーバンド992/993/994及びカラーストリップ996/997/998の配置は、使用者(配置が使用者によって調整可能である場合の特定の使用者、又は平均的な使用者)にとって、垂直グリップ999A/B及びストリップ1096/1097/1098の適切な配置が、所与の運動レベルに対して同じ色によって示されるという意味で、「対応」している。図示の実施形態では、例えば、黄色は歩行に対応し、橙色はジョギングに対応し、赤色は走行に対応し得る。よって、使用者が歩くことを意図する場合、使用者は、黄色のバンド992A/Bに縦グリップを配置し、次いで黄色のストリップ998A/B間の領域に足を配置し得、使用者がジョギングすることを意図する場合、使用者は橙色のバンド993A/Bに縦グリップを配置し、次いで橙色のストリップ997A/B間の領域に足を配置し得、使用者が走ることを意図する場合、使用者は、縦グリップを赤色のバンド994A/Bに配置し、次に足を赤色のストリップ996A/B間の領域に配置し得る。
【0027】
[0033] 電子モニタ/コントローラモジュールは、ディスプレイを含んでもよく、センサ(複数可)(速度センサ及び/又は荷重センサ及び/又は心拍数センサなど)に接続されて、トレッドミルの使用者に、使用者のトレーニングに関する情報を提供し得る。情報は、速度、距離、総カロリー消費量、現在のカロリー燃焼率、現在の心拍数、トレーニング中に達成された最高心拍数、及び他のデータを含み得る。
【0028】
[0034] 本明細書全体で説明されている特徴は、特定の要素/限定の有無が本質的に必要とされるか、明示的に示されているか、又は特に文脈から明らかにされている場合を除き、個別に、又は任意の組み合わせもしくは順列で存在し得る。
【0029】
[0035] すべての図示された要素が、本明細書に記載された概念によるすべての実施形態で必ずしも必要とされるものではないが、具体的に示されていないいくつかの要素は、本概念によるいくつかの実施形態で望ましい場合がある。
【0030】
[0036] 本明細書は、本発明のトレッドミル及びローラアセンブリを詳細に説明している。これは例示の目的で行われたものであり、したがって、前述の説明は、説明された本発明(複数可)の本質及び範囲を限定することを必ずしも意図するものではない。本発明(複数可)の特定の実施形態は、全体として、その(又は場合によってはそれらの)特徴の実施形態も、本発明(複数可)の基礎をなす一般的な原理を必ずしも限定するものではない。本明細書に記載される特定の特徴は、本明細書に記載される本発明(複数可)の本質及び範囲から逸脱することなく、使用できる実施形態もあれば、使用できない実施形態もある。また、構成要素の様々な物理的配置及び様々な工程順序は、本発明(複数可)の意図された範囲内にある。前述の開示では、多くの追加の修正が意図されており、関連する技術の当業者には、他の特徴の対応する使用なしに、いくつかの特徴が使用される場合があることが理解されよう。上記の実施形態は、例示的であり、必ずしも限定的ではないが、それら又はそれらの選択された特徴は、いくつかの請求項を限定する場合がある。したがって、図示された例は、本発明(複数可)の境界及び本発明(複数可)に与えられた法的保護を必ずしも定義するものではない。