IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイリ-バイオ(チェンドゥ)ファーマスーティカル シーオー.,エルティーディー.の特許一覧

<>
  • 特許-アマニチン類抗体複合物 図1
  • 特許-アマニチン類抗体複合物 図2
  • 特許-アマニチン類抗体複合物 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】アマニチン類抗体複合物
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/50 20060101AFI20230615BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20230615BHJP
   A61K 38/12 20060101ALI20230615BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230615BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20230615BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230615BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20230615BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20230615BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20230615BHJP
【FI】
C07K7/50
C07K16/00
A61K38/12
A61K39/395 L
A61K47/68
A61P35/00
A61P35/02
A61P11/00
A61P13/12
A61P13/02
A61P1/04
A61P1/00
A61P1/18
A61P1/16
A61P13/08
A61P25/00
A61P15/00
A61P17/00
A61P7/00
C12N15/13
C12P21/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020552290
(86)(22)【出願日】2018-09-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 CN2018104712
(87)【国際公開番号】W WO2019047941
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】201710804207.8
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522263714
【氏名又は名称】バイリ-バイオ(チェンドゥ)ファーマスーティカル シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】朱義
(72)【発明者】
【氏名】李傑
(72)【発明者】
【氏名】万維李
(72)【発明者】
【氏名】余永国
(72)【発明者】
【氏名】卓識
【審査官】大久保 智之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0220687(US,A1)
【文献】国際公開第2017/219029(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 7/00-66
C07K 16/00-46
C07K 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
毒素部分と生体高分子部分とを含む、構造式(I)の毒素複合体またはその薬学的に許容される塩。
【化1】
(式中、n=0,1または2であり、
は-Hまたは-OHであり、
は-Hまたは-OHであり、
は-H、-OHまたは-OC1-6アルキル基であり、
は-NHまたは-OHであり、
は-L-Aであり、Aは標的部位に結合される生体高分子部分であり、Lはアマニチン誘導体を含む毒素部分および生体高分子部分に結合される化学構造であり、前記Aは、抗体またはその抗原結合断片、抗原結合ポリペプチドであり、前記-L-Aの構造は、
【化2】
である。)
【請求項2】
前記Lは、エステルまたはエーテルにより毒素部分に結合される請求項1に記載の毒素複合体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の毒素複合体またはその薬学的に許容される塩を含む薬物組成物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の毒素複合体またはその薬学的に許容される塩の使用方法であって、
前記毒素複合体またはその薬学的に許容される塩を組み込むことにより、抗腫瘍薬または抗がん薬を製造することを含む、方法。
【請求項5】
前記抗腫瘍薬または抗がん薬は、抗肺がん薬、抗腎臓がん薬、抗尿道がん薬、抗結腸直腸がん薬、抗前立腺がん薬、抗神経膠腫薬、抗卵巣がん薬、抗膵がん薬、抗乳がん薬、抗黒色腫薬、抗肝がん薬、抗膀胱がん治療薬、抗悪性リンパ腫薬、抗白血病薬、抗胃がん薬または抗食道がん薬である請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオ医薬品の技術分野に属し、具体的には、アマニチン類抗体複合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アマニチン(amanitin)は、劇毒キノコから分離されたアマトキシンの一種であり、8つのアミノ酸から構成される二環式ペプチドである。分離精製された天然アマニチンには、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン(amanin)、アマニンアミド(amaninamide)、アマヌリン(amanullin)、アマヌリン酸(amanullinic acid)およびプロアマヌリン(proamanullin)の9種類がある。そのうち、α-アマニチンおよびβ-アマニチンは死亡を引き起こす主な毒素である。アマニチンは、遅効性毒素であり、真核生物のRNAポリメラーゼIIおよびRNAポリメラーゼIIIの転写を阻害し、タンパク質欠失および細胞死を引き起こすことができる。このような毒素は、RNAポリメラーゼIIに対する阻害性が極めて高く、Kが3nMに達することができ、消化管の腸肝循環により繰り返し体内に吸収され、人体の肝臓、腎臓、心臓、肺などの臓器に継続的で深刻な損傷を引き起こす。
【0003】
アマニチンは大きな生体分子担体(例えば、抗体分子)と結合した後、その毒性が大幅に低下するかまたは無毒になる。特定の生理的環境において生体分子担体が切除された後にのみ、アマニチンはその細胞毒性を示す。
【0004】
近年、世界のいくつかの研究機関と企業はアマニチン分子の構造を改造して薬用価値を有する抗体-毒素複合体を製造している。例えば、ドイツのハイデルベルク製薬株式会社は、天然アマニチン分子の1-位、3-δ-位または6'-フェノール性水酸基をリンカーを介してモノクローナル抗体に結合する方法を研究した。米国のAgensys社は、α-アマニチンのインドール環上のフェニル基の構造を修飾し、6'-フェノール性水酸基または7'-位でリンカーを介して抗体に結合する方法を研究した。杭州多禧生物科技有限公司は、アマニチン誘導体の5'-、7'-位を硝化してアミド構造を有するリンカーを形成し、抗体に結合する方法を研究した。韓国Leg℃hem Biosciences社は、6'-フェノール性水酸基および3-δ-位でリンカーを介して抗体に結合する方法を研究した。以上の合成方法において、6'-フェノール性水酸基でリンカーを導入する方法には、アマニチン分子の他の部位のヒドロキシル基に対して多段階の保護および脱保護を行う必要があり、合成経路が複雑で、ベンゼン環上の5'-、7'-位の置換反応は位置が確定しないので、製品の分離が困難で、収率が低い問題がある。
【発明の概要】
【0005】
上述した従来技術に鑑み、血液循環システムにおいて安定し、標的細胞によりエンドサイトーシスされた後に切断され、RNAポリメラーゼ阻害剤であるアマニチン誘導体を放出し、真核生物mRNAの合成に対する特異的阻害により細胞に対する強い毒性を生じる二環式オクタペプチド類アマニチン誘導体と生体高分子との複合体を提供することを目的とする。
【0006】
本発明によれば、構造式(I)の毒素複合体またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【化1】
【0007】
式中、n=0、1または2であり、
は-Hまたは-OHであり、
は-Hまたは-OHであり、
は-H、-OHまたはC1-6アルキル基であり、
は-NHまたは-OHであり、
は-L-Aであり、
Aは標的部位に結合される生体高分子部分であり、
Lはアマニチン誘導体および生体高分子に結合される任意の化学構造である。
【0008】
好ましくは、前記Lの化学構造には、切断可能な構造または切断不可能な構造が含まれる。
【0009】
好ましくは、前記Aは、抗体またはその抗原結合断片、抗原結合ポリペプチドを含む。
【0010】
好ましくは、前記Lと標的結合生物分子Aとの結合箇所は、
【化2】
を含む。
【0011】
好ましくは、前記Lはエステルまたはエーテルにより毒素に結合される。
【0012】
本発明によれば、前記毒素複合体またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む薬物組成物がさらに提供される。
【0013】
本発明によれば、抗腫瘍薬または抗がん薬の製造における前記毒素複合体またはその薬学的に許容される塩の使用がさらに提供される。
【0014】
さらに、前記抗腫瘍薬または抗がん薬は、抗肺がん薬、抗腎臓がん薬、抗尿道がん薬、抗結腸直腸がん薬、抗前立腺がん薬、抗神経膠腫薬、抗卵巣がん薬、抗膵がん薬、抗乳がん薬、抗黒色腫薬、抗肝がん薬、抗膀胱がん治療薬、抗悪性リンパ腫薬、抗白血病薬、抗胃がん薬または抗食道がん薬である。
【0015】
定義
この技術分野の標準的な慣行によれば、化学式および表に用いる符号
【化3】
は、部分または置換基として化合物構造の核心または核の結合部位との結合を示す。
【0016】
この技術分野の標準的な慣行によれば、本発明のヘテロ(原子、アルキル基、アリール基、環式基)とは、炭素原子以外の他の原子を含む化学構造を指す。
【0017】
略語と符号
Boc:tert-ブトキシカルボニル
PyBOP:ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム
Cit:シトルリン
CO:二酸化炭素
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DPBS:ダルベッコリン酸緩衝液
DTPA:ジエチルトリアミン五酢酸
DTT:ジチオスレイトール
EA:酢酸エチル
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
FBS:胎児ウシ血清
HATU:O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
O:水
HOBt:1-ヒドロキシルベンゾトリアゾール
mAb:モノクローナル抗体
MEM:最少必須培地
MTS:3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメチル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾール、内塩
MTT:3-(4,5-ジメチルチアゾール-2)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド
PAB:p-アミノベンジルオキシ
PBS:リン酸緩衝液
Sodium Pyruvate:ピルビン酸ナトリウム
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
Tris:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
Val:バリン
Trt-Cl:トリフェニルクロロメタン
TBTU:O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート
HOBT:1-ヒドロキシルベンゾトリアゾール
TFA:トリフルオロ酢酸
TBS-Cl:tert-ブチルジメチルクロロシラン;
HOSu:N-ヒドロキシルスクシンイミド
NaCO:炭酸ナトリウム
EDCI:1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
【0018】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
本発明において、アマニチンまたはその誘導体分子の2-位プロリンヒドロキシル基からバイオ医薬品に許容される連結構造により抗体分子に結合することにより、血漿中で安定し、無毒であるが、病変細胞内で切断されて毒性分子を放出できる複合体を得ることができる。また、このような結合方法は簡単で効率的であり、このような製品の大規模な工業生産の要求を満足できることが予想外に発見された。
本発明は、二環式オクタペプチド系誘導体を開示する。このような化合物は、特殊な化学構造により対応する標的結合基に結合し、その構造が血漿中で安定するが、特定の生物学的環境中で有効成分の薬物に分解され、標的細胞に対する殺傷性を最大化し、非標的細胞に対する有毒な副作用を最小化することができ、多種類の悪性腫瘍の治療に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例13の細胞系BT474中の実験の結果図である。
図2】実施例13の細胞系SKBR3中の実験の結果図である。
図3】実施例13の細胞系N87中の実験の結果図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0021】
実施例1:低分子payload ama-1の合成
【化4】
【化5】
【0022】
1)中間体08の固相合成
【0023】
N-フルオレニルメトキシカルボニル-O-tert-ブチル-L-ヒドロキシプロリンプリロード樹脂を出発原料とし、20%ピペリジン(1g樹脂に20mlの20%ピペリジンが添加されている)で保護基Fmocを脱保護した後、DMFを溶液(20ml/g)とし、順にFmoc-N-トリチル-L-アスパラギン(Fmoc-Asn(Trt)-OH)(3eq)、TBTU(2.5eq)、HOBT(1.8eq)、DIPEA(6eq)を加え、室温(28℃)で2時間反応させた後、DMF(毎回1g樹脂あたり20mlDMF)で3回洗浄し、さらに上記操作で次のアミノ酸を結合し、完全に結合した後、1%TFA(毎回1g樹脂あたり20mlの1%TFA 5min、3回繰り返し)で樹脂から切断し、回転蒸留により溶液を除去し、メチルtert-ブチルエーテルを加え、撹拌して晶析させ、化合物08を得た。収率は約54%、HPLC純度は76%であった。MS:[M+H]1417.6123。
【0024】
化合物09の合成
10g化合物08の粗生成物をTFA(10ml/g)で溶解させた後、室温で5時間撹拌しながら反応させ、50℃でTFAを減圧除去し、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な化合物09を約4.3g得た。収率は43%、純度は95.6%であった。MS:[M+H]760.2144。
【0025】
化合物13の合成
250mlの一口フラスコに(4S)-ヒドロキシルイソロイシン2.94g、1,4-ジオキサン40ml、飽和炭酸ナトリウム溶液を加え、均一に撹拌し、Fmoc-OSuをバッチで加え、10min後に、引き続き室温で12時間撹拌しながら反応させ、原料が完全に反応した後、反応液に50ml水を加え、5%のクエン酸溶液でPHを約4に調整し、酢酸エチルで3回抽出し(毎回50ml)、有機層を収集し、飽和食塩水50mlで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して淡黄色油状物を得た。精製せずにそのまま次の反応に供した。収率>100%であった。
【0026】
化合物14の合成
前記化合物13の粗生成物を40mlDMFで溶解させた後、イミダゾール2.68g(2eq)を加え、TBS-Clをバッチで加えた後、室温で12時間撹拌し、原料が完全に反応した後、水50ml、酢酸エチル50mlを加え、撹拌し、有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出し(毎回50ml)、有機層を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、淡黄色油状物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:PE:EA=5:1)により精製し、油状物4.5gを得た。二段階収率は約46.6%であった。
【0027】
化合物15の合成
250ml一口フラスコに順に化合物14、HOSu(1.23g,1.15eq)、DCC(2.23g,1.15eq)、THF50mlを加え、窒素ガスの保護下で、室温で6時間撹拌し、完全に反応した後、水50ml、酢酸エチル50mlを加え、10min撹拌した後、有機層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出し(毎回50ml)、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、淡黄色油状物を得た。分取液体クロマトグラフィーにより精製し、白色泡沫状固体約3.24gを得た。収率は60%であった。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):0.08(s,6H),0.86(s,9H),0.98(d,3H,J=8.0Hz),1.06(d,3H,J=5.6),1.95(t,J=10.8),2.83(s,4H),4.21(dd,1H,J=16.8Hz,8.0Hz),4.34(dd,1H,J=12Hz,4Hz),4.67~4.73(m,1H),7.31(d,2H,J=8.0Hz),7.34~7.46(m,2H),7.70~7.76(m,2H),7.89(t,2H,J=12.0),8.24(d,1H,J=8.8Hz);MS:[M+H]581.34。
【0028】
化合物10の合成
180mg化合物09を乾燥DMF1.5mlで溶解させた後、化合物15(825mg,6eq)、DIPEA(0.25ml,6eq)を加え、窒素ガスの保護下で、室温で5時間反応させ、HPLCにより反応をモニタリングし、原料09は基本的に完全に反応した。生成物を後処理せずにそのまま次の反応に供することができる。
【0029】
化合物11の合成
前記反応液にピペリジン0.3mlを加え、室温で2時間撹拌しながら反応させ、HPLCにより原料が完全に反応したことを確認した後、反応を停止させ、分取液体クロマトグラフィー(中性、アセトニトリル/純水系)により精製し、目的ピーク留分を収集し、アセトニトリルを減圧除去した後、凍結乾燥させ、白色粉末状固体136mgを得た。二段階収率は約52%であった。MS:[M+H]1003.5654。
【0030】
化合物12の合成
136mg化合物11を乾燥DMFで溶解させた後、EDCI(130mg,5eq)、HOBT(367mg,20eq)、DIPEA(0.12ml,5eq)を加え、室温で4時間撹拌した後、HPLCにより完全に反応したことを確認した後、分取液体クロマトグラフィー(中性、アセトニトリル/純水系)により精製し、目的ピーク留分を収集し、アセトニトリルを減圧除去した後、凍結乾燥させ、白色粉末状固体60mgを得た。収率は約45%であった。MS:[M+H]985.5421。
【0031】
【化6】
【0032】
化合物17の合成
500mlの丸底フラスコに30gの化合物16(49.92mmol,1.0eq)を加え、さらに240mlのDMFを加え、撹拌して溶解させた後、22.76gビス(p-ニトロベンゼン)カーボネート(74.87mmol,1.5eq)を加え、9.68gのDIPEA(74.87mmol,1.5eq)を滴下し、室温で1.5時間撹拌しながら反応させ、TLCにより原料が完全に反応したことを確認した後、反応を停止させた。後処理:激しく撹拌しながら反応フラスコにイソプロピルエーテル1.5Lを加え、2時間撹拌した後、上層液体を除去し、残留物に800mlイソプロピルエーテルを加え、引き続き1時間激しく撹拌し、吸引濾過し、濾過ケーキを600mlのイソプロピルエーテルに入れ、一晩撹拌した後、吸引濾過し、黄土色粉末状固体31.2gを得た。収率は81.6%であった。MS:[M+H]767.62。
【0033】
化合物18の合成
500mlの一口フラスコに31.2gの化合物17(40.73mmol,1.0eq)を加え、さらに150mlのDMFを加え、撹拌して溶解させ、50mlのDMFで溶解した8.1gメチル(2-(メチルアミノ)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(36.66mmol,1.1eq)を加え、室温で3.5時間撹拌しながら反応させ、TLCにより化合物17が完全に反応したことを確認した後、反応を停止させた。後処理:反応液に2Lイソプロピルエーテルを加え、撹拌し、フラスコ壁に粘稠な油状物が析出した後、上清液を除去し、1Lのイソプロピルエーテルを加え、激しく撹拌し、再度上清液を除去し、500mlのイソプロピルエーテルを加え、一晩撹拌し、吸引濾過し、27.2g黄土色粉末状固体を得た。収率は81.9%であった。MS:[M+H]816.73。
【0034】
化合物19の合成
500mlの丸底フラスコに20g化合物18(24.53mmol)を加え、さらに100mlのDMFを加えて溶解させ、氷浴で10分間内で20mlジエチルアミンを滴下し、その後、室温で2時間撹拌しながら反応させ、TLCにより原料化合物18が完全に反応したことを確認した後、反応を停止させた。後処理:減圧濃縮してDMFおよびジエチルアミンを除去し、使用まで保存した。製品を精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0035】
化合物20の合成
500mlの丸底フラスコに150mlのDMFを加え、前のステップで得られた化合物19の粗生成物を溶解し、さらに11.7gの6-マレイミドヘキサン酸スクシンイミジル(37.98mmol,1.55eq)を加え、次いで8.4mlのDIEA(50.63mmol,2.06eq)を滴下し、その後、室温で2時間撹拌しながら反応させ、TLCにより原料化合物19が完全に反応したことを確認した後、反応を停止させた。後処理:反応液に1.5Lイソプロピルエーテルを加え、撹拌して晶析させ、固体およびフラスコ壁に付着した類油状粘稠物が析出した後、上清液を除去し、さらに500mlメチルtert-ブチルエーテルおよび500mlmlイソプロピルエーテルを加え、それぞれ1回撹拌しながら洗浄し、吸引濾過し、濾過ケーキを45℃の真空乾燥オーブン中で減圧乾燥させ、20g黄土色粉末状固体の粗生成物を得た。MS:[M+H]787.63。
【0036】
化合物21の合成
0.4g化合物20を2mlの50%TFAジクロロメタン溶液で溶解させた後、室温下で2時間撹拌し、TLCにより完全に反応したことを確認した後、回転蒸留により溶液を除去し、使用まで保存し、精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0037】
【化7】
【0038】
化合物22の合成
20mL褐色フラスコに100mg(0.10mmol,1.0eq)化合物12、ビス(p-ニトロベンゼン)カーボネート304mg(1.0mmol,10eq)、DMF 3mLを加え、完全に溶解した後、DIPEA(260mg,20eq)を加え、N保護下で28℃に昇温して24時間反応させ、HPLCにより反応をモニタリングし、原料012、NPCが完全に反応した後、粗生成物を処理せずにそのまま次の反応に供した。
【0039】
化合物23の合成
化合物22の反応液に化合物21の粗生成物を加え、適量のDIPEAを加え、反応液をPH8~9に保持し、窒素ガスの保護下で、室温で3時間撹拌し、HPLCにより完全に反応したことを確認した後、分取液体クロマトグラフィーにより目的製品を精製し、淡黄色固体30mgを得た。MS:[M+H]1697.9150。
【0040】
化合物ama-1の合成
4mL褐色フラスコに15mg化合物23を加え、1mlの5%TFA/MeOHを加えて溶解させ、窒素ガスの保護下で、28℃に昇温し1時間させ、HPLC(純水)により原料23が完全に反応したことを確認した後、溶媒を窒素パージして乾燥させた後、セミ分取HPLC(アセトニトリル濃度:約35%)により精製し、凍結乾燥させ、白色固体11mgを得た。収率Y=42%であった。MS:[M+H]1583.7532。
【0041】
実施例2:低分子payload ama-2の合成
【化8】
【0042】
ama-1約6mgをジクロロメタンで溶解させた後、1.0eqのmCPBAのジクロロメタン溶液(0.05g/μl)13mlを加え、室温で2時間撹拌し、HPLCにより原料が完全に反応したことを確認した後、分取HPLCにより精製し、凍結乾燥させ、白色粉末状固体約3mgを得た。収率は49.5%であった。MS:[M+H]1599.8450。
【0043】
実施例3:低分子payload ama-3の合成
【化9】
化合物24の合成:化合物09の合成を参照し、白色固体約1.2gを得た。収率は25.7%であった。MS:[M+H]790.4254。
【0044】
化合物25の合成:文献Liang Zhao,et al.Synthesis of a Cytotoxic Amanitin for Biorthogonal Conjugation.ChemBionchem 2015,16,1420-1425に記載の方法により合成した。
【0045】
化合物26の合成:化合物10の合成方法を参照し、化合物24を300mg投入し、精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0046】
化合物27の合成:化合物11の合成方法を参照し、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、凍結乾燥させ、白色固体195mgを得た。2段階の総収率は44.1%であった。MS:[M+H]1163.6341。
【0047】
化合物28の合成:化合物12の合成方法を参照し、化合物27を150mg投入し、目的化合物である白色固体約96mgを得た。収率は65%であった。MS:[M+H]1145.6124。
【0048】
化合物29の合成:化合物22の合成を参照し、化合物28を80mg投入し、主な点が明らかであることを確認した後、精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0049】
化合物30の合成:化合物23の合成を参照し、分取精製した後、淡黄色固体約59mgを得た。収率は45.4%であった。MS:[M+H]1857.9813。
【0050】
化合物ama-3の合成:化合物ama-1の合成を参照し、化合物30を40mg投入し、分取精製した後、淡黄色固体約8.4mgを得た。収率は24%であった。MS:[M+H]1629.8021。
【0051】
実施例4:低分子payload ama-4の合成
【化10】
化合物30の合成
化合物29(そこに、化合物28を500mgまで新たに累積し、今回130mg投入し、精製せず、収率100%で計算)の反応液に49mgのN-tert-ブトキシカルボニル-1,6-ジアミノヘキサン(2eq)を加え、適量のDIPEAを滴下し、溶液pHを8~9に保持し、窒素ガスの保護下で、室温で4時間撹拌し、HPLCにより化合物29が完全に反応したことを確認した後、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、目的ピーク留分を収集し、有機溶媒を回転蒸留により除去した後、凍結乾燥させ、白色固体約83.4mgを得た。収率は約53%であった。[M+H]1387.7541。
【0052】
化合物31の合成
80mg化合物30を1mlの20%TFAのジクロロメタン溶液で溶解させた後、窒素ガスの保護下で、室温で2時間撹拌し、HPLCにより化合物30が完全に反応したことを確認した後、有機溶媒を減圧回転蒸留により除去し、使用まで保存した。
【0053】
化合物32の合成
化合物31の粗生成物をDMF 2mLで溶解させた後、DIPEAでpHを8~9に調節し、6-マレイミドヘキサン酸N-スクシンイミジル38mg(2eq)を加え、窒素ガスの保護下で、室温で6時間撹拌し、HPLCにより化合物30が完全に反応したことを確認した後、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、目的ピーク留分を収集し、有機溶媒を回転蒸留により除去した後、凍結乾燥させ、白色固体約46mgを得た。収率は54%であった。[M+H]1480.7841。
【0054】
化合物ama-4の合成
化合物ama-3の合成を参照し、化合物32を44mg投入し、凍結乾燥させ、目的化合物21mgを得た。収率は56.4%であった。[M+H]1152.5431。
【0055】
実施例5:低分子payload ama-5の合成
【化11】
【0056】
12mgのama-4をジクロロメタンで溶解させた後、5.0eqのmCPBAのジクロロメタン溶液(0.05g/ml)165μlを加え、室温で2時間撹拌し、HPLCにより原料が完全に反応したことを確認した後、分取HPLCにより分取精製し、凍結乾燥させ、黄色粉末状固体約4mgを得た。収率は32.9%であった。MS:[M+H]1268.5821。
【0057】
実施例6低分子payload ama-6の合成
【化12】
【0058】
化合物33の合成:化合物10の合成を参照し、化合物09を300mg投入し、精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0059】
化合物34の合成:化合物11の合成を参照し、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、凍結乾燥させ、白色固体約248.9mgを得た。収率は55.6%であった。MS:[M+H]1133.6348。
【0060】
化合物35の合成:化合物12の合成を参照し、原料34を220mg投入し、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、凍結乾燥させ、白色固体約137.3mgを得た。収率は63.4%であった。MS:[M+H]1115.6147.
【0061】
化合物36の合成:化合物22の合成を参照し、原料35を120mg投入し、精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0062】
化合物37の合成:化合物23の合成を参照し、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、有機相を回転蒸留により除去し、凍結乾燥させ、白色固体約112.4mgを得た。収率は:57.1%であった。MS:[M+H]1827.9857.
【0063】
化合物ama-6の合成:化合物ama-1の合成を参照し、化合物37を20mg投入し、分取精製した後、凍結乾燥させ、淡黄色固体約7mgを得た。収率は40%であった。MS:[M+H]1599.8324。
【0064】
実施例7:低分子payload ama-7の合成
【化13】
化合物38の合成:化合物07の合成を参照し、そのloadingを計算した結果、約0.32mmol/gであった。
【0065】
化合物39の合成:化合物08の合成を参照し、回転蒸留により乾燥させ、褐色油状物を得た。精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0066】
化合物40の合成:化合物09の合成を参照し、分取精製し、凍結乾燥させ、淡黄色固体約526.4mgを得た。収率は、化合物38の計算量から約34%であった。MS:[M+H]866.3512。
【0067】
化合物41の合成:化合物10の合成を参照し、化合物40を500mg投入し、目的ピーク留分を凍結乾燥させ、類白色固体約531.6mgを得た。収率は約63%であった。MS:[M+H]+1461.6624。
【0068】
化合物42の合成:化合物11の合成を参照し、化合物41を525mg投入し、分取精製し、目的ピーク留分を収集し、凍結乾燥させ、淡黄色固体約368.5mgを得た。収率は約82.8%であった。MS:[M+H]1239.5764。
【0069】
化合物43の合成:化合物12の合成を参照し、化合物42を350mg投入し、凍結乾燥させ、目目的ピーク留分を収集し、淡黄色固体約223.4mgを得た。収率約は64.7%であった。MS:[M+H]1221.5748。
【0070】
化合物44の合成:化合物22の合成を参照し、化合物43を220mg投入し、精製せずにそのまま次の反応に供した。
【化14】
【0071】
化合物45の合成:化合物30の合成を参照し、分取精製し、凍結乾燥させ、類白色固体約130.2mgを得た。収率は約49.4%であった。MS:[M+H]1463.7524。
【0072】
化合物46の合成:化合物45を約125mg取り、1mlメタノールで溶解させた後、12.5mgの10%のPd/Cを加え、外部温度40℃、0.5Mpaで12時間水素化還元反応させ、HPLCにより完全に反応したことを確認した後、Pd/Cを濾過して除去し、濾液を収集し、濃縮し、褐色油状物を得た。精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0073】
化合物47の合成:化合物46の粗生成物を1mlの10%TFAのジクロロメタン溶液で溶解させた後、窒素ガスの保護下で、室温で1時間撹拌しながら反応させた後、HPLCにより完全に反応したことを確認した後、回転蒸留により溶液を除去し、精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0074】
化合物48の合成:化合物32の合成を参照し、前のステップの収率が100%であるとして計算し、分取精製した後、目的ピーク留分を凍結乾燥させ、淡黄色固体約20.6mgを得た。3段階総収率は約16%であった。MS:[M+H]1466.7436。
【0075】
化合物ama-7の合成:化合物ama-1の合成を参照し、原料48を10mg投入し、分取精製した後、目的ピーク留分を収集し、凍結乾燥させ、類白色固体約3.2mgを得た。収率は37.9%であった。MS:[M+H]1238.6512。
【0076】
実施例8:低分子payload ama-8の合成
【化15】
【0077】
化合物49の合成
α-Amanitin 30mgを取り、1mlDMFで溶解させた後、9mg炭酸カリウム(3eq)を加え、室温で1時間撹拌した後、ヨウ化メチル13ul(10eq)を加え、室温で12時間撹拌した後、分取HPLCにより分離して精製し、凍結乾燥させ、目的化合物約9.1mgを得た。収率は30%であった。MS:[M+H]933.4031。
【0078】
化合物50の合成
前記化合物49を取り、1mlDMFで溶解させた後、炭酸N,N'-ジスクシンイミジル25mg(10eq)、トリエチルアミン0.14ml(20eq)を加え、室温で12時間撹拌した後、原料が完全に反応した後、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、目的ピーク留分を収集し、凍結乾燥させ、白色固体約5.6mgを得た。収率は59.9%であった。MS:[M+H]959.4501。
【0079】
化合物51の合成:化合物22の合成を参照し、前記5.6mg化合物50の全部を反応させ、精製せずにそのまま次の反応に供した。
【0080】
化合物ama-8の合成:化合物23の合成を参照し、分取精製した後、凍結乾燥させ、白色固体約3.2mgを得た。収率は32.8%であった。MS:[M+H]1671.7211。
【0081】
実施例9:低分子payload ama-9の合成
【化16】
【0082】
化合物ama-8を約2mg取り、0.5mlジクロロメタンで溶解させた後、0.6mg(3eq)m-クロロペルオキシ安息香酸(m-CPBA)を加え、室温で3時間撹拌しながら反応させた後、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、目的ピーク留分を収集し、凍結乾燥させ、白色固体約0.8mgを得た。収率は39.6%であった。MS:[M+H]1687.7142。
【0083】
実施例10:低分子payload ama-10の合成
【化17】
【0084】
化合物ama-6を約4mg取り、0.5mlジクロロメタンで溶解させた後、0.5mg(1.2eq)m-クロロペルオキシ安息香酸(m-CPBA)を加え、室温で2時間撹拌しながら反応させた後、分取液体クロマトグラフィーにより精製し、目的ピーク留分を収集し、凍結乾燥させ、白色固体約1.2mgを得た。収率は29.7%であった。MS:[M+H]1615.7320。
【0085】
実施例11
本実施例では以下の化合物を製造した。
【0086】
【化18】
【0087】
実施例12:抗体-薬物複合体の製造
1)一般的な結合方法
予備精製されたモノマー比が95%超えの抗体分子を、限外濾過用遠沈管によりEDTAを含むリン酸緩衝液(濃度10mg/ml)に移す。抗体モル数の10倍のTCEPを加え、室温で2時間反応させる。限外濾過用遠沈管によりpH6.5のリン酸緩衝液に移し、抗体モル数の10倍のDHAAを加え、室温で2時間反応させた。そして、抗体モル数の3倍のpayloadを加え、室温で4時間反応させた。反応終了後、カットオフ分子量が30KDaの限外濾過用遠沈管によりPBSに移し、未結合のpayloadを除去した。
【0088】
2)抗体-薬物結合DARの検出
モノマー比の検出条件
サンプルを14000rpmで5分間遠心分離し、上清を取り、注入して分析する。
装置:Waters e2695(2489UV/Vis)
カラム:TSKgel G3000SWXL(7.8×300mm,5μm)
移動相A:50mM PB,300mM NaCl,200mM Arg,5%IPA,pH6.5
移動相A:30minイソクラティック溶離,流速:0.714ml/min,カラム温度25℃,検出波長:280nm。
DAR検出条件
サンプルを14000rpmで5分間遠心分離し、上清を取り、注入して分析する。
装置:Waters H-class(TUV)
カラム:Proteomix HICButyl-NP5(4.6×35mm,5μm)
移動相A:1.5M硫酸アンモニウム,0.025M無水リン酸ナトリウム,pH7.0
移動相B:0.025M無水リン酸ナトリウム,25%IPA,pH7.0
移動相Aでカラムを平衡化し、移動相A、Bでイソクラティック溶離し、流速0.8ml/min、カラム温度25℃、検出波長:214nm。
【0089】
A0301の構造式は以下の通りである。
【化19】
【0090】
3)結果
表1から分かるように、ヒドロキシプロリン部位で結合して得られた抗体複合物は、良好なモノマー比および高DARを有する。構造が類似するため、化合物1-化合物14も良好なモノマー比及び高DARを有する。
【0091】
【表1】
【0092】
1)実験材料
細胞:中国科学院細胞バンク
腫瘍細胞培地:Gibco
FBS:BIOWEST
2)培地の調製
増殖培地(10%FBS,Penicillin/streptomycin(100U/ml)を含有)
検出培地(1%FBS,Penicillin/streptomycin(100U/ml)を含有)
【0093】
3)操作
生物学的安全キャビネットのUVランプを30min早くオンにして照射し、その後、換気を3minオンにした。増殖培地、検出培地、D-PBSおよびパンクレアチンを37℃恒温水槽中で予熱し、その後、アルコールで表面を消毒し、生物学的安全キャビネットに置いた。コンフルエンス率が約80%の細胞を選択し、生物学的安全キャビネットに置き、古い培地を吸い取って除去し、D-PBSで洗浄し、吸引して廃棄し、トリプシンで2~3min消化した後、増殖培地に加え、1200rpmで3min遠心分離した。遠心上清を吸い取り、4mlの検出培地で均一に混合し、100ulを取ってカウントした(50ul細胞液を取り出し、50ulのTrypan Blue Stainを加え、均一に混合した後、カウントした)。所定の細胞数でプレートをコーティングし、80ul/ウェルで96ウェルプレートに接種し、ウェルE11、F11、G11に80ul検出培地のみを加え、周りのウェルに150ulのDPBSを加えた。
抗体溶液の希釈
検出培地を用い、V型96ウェルプレートの第1列において初期濃度が5uMのテストソリューション300ulを調製し、次の第2から10列にそれぞれ210ulの検出培地を加え、均一に混合された第1列から30ulを取って第2列に加え、ピペットで10回均一に上下混合し、ピペットチップを廃棄し、次の7つの濃度について順番に操作した。プレートコーティング24時間後に、1ウェル/20ulで希釈抗体を加え、対照群を作り、第11列に20ulの検出培地のみを加え、各濃度について2回繰り返し、細胞渦発振器で均一に混合した(550rpm,3min)。
【0094】
4)検出
4日後、MTS試薬を取り出し、常温、暗所で解凍した後、十分に均一に混合した後、生物学的安全キャビネットに置き、ウェルの側壁に沿って100μL細胞培地あたり20μLのCellTiter96(登録商標)One Solution Reagen MTS試薬を加え、プレート面を軽く叩いてMTS溶液を均一に混合した後、細胞培養インキュベーターに入れ、暗所で2時間インキュベートした。反応終了後、96ウェルプレートを取り出し、マイクロプレートリーダー中でOD490nmでの吸光度を測定し、データを記録、整理、記憶した。
【0095】
5)結果
表2、図1-3に示すように、細胞系BT474/SKBR3/N87は優れた抗腫瘍活性を示した。構造が類似するため、化合物1-化合物14も優れた抗腫瘍活性を有する。
【0096】
【表2】
【0097】
以上、実施例により本発明の実施形態を詳しく説明することにより、如何に本発明の技術手段により技術的問題を解決し、技術的効果を達成するかを十分で明確に説明した。なお、矛盾がない限り、本発明の各実施形態および各実施形態の各特徴は互いに組み合わせることができ、形成される技術的解決策はすべて本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3