(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】自動食器洗浄用無水配合物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/22 20060101AFI20230615BHJP
C08B 30/18 20060101ALI20230615BHJP
C11D 3/08 20060101ALI20230615BHJP
C11D 3/10 20060101ALI20230615BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20230615BHJP
C11D 3/33 20060101ALI20230615BHJP
C11D 3/36 20060101ALI20230615BHJP
C11D 3/395 20060101ALI20230615BHJP
C11D 17/06 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
C11D3/22
C08B30/18
C11D3/08
C11D3/10
C11D3/20
C11D3/33
C11D3/36
C11D3/395
C11D17/06
(21)【出願番号】P 2020562637
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 US2019031407
(87)【国際公開番号】W WO2019226351
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-04-28
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、リン
(72)【発明者】
【氏名】セバース、ロビン、ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ベロウィッシュ、マシュー、イー.
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー、スコット
(72)【発明者】
【氏名】メルカンド、ポール
(72)【発明者】
【氏名】フ、イーヨン
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-511693(JP,A)
【文献】米国特許第05565556(US,A)
【文献】特表2017-520655(JP,A)
【文献】特表2001-510232(JP,A)
【文献】特表2011-518940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00- 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無水混合粉末または混合顆粒であって、
1~10重量%の酸化マルトデキストリンと、
10~60重量%のアミノ酸ベースのビルダーと、
炭酸塩ビルダー、クエン酸塩ビルダー、
ケイ酸塩ビルダーおよびそれらの混合物からなる群から選択される1~87.7重量%の追加のビルダーと、
漂白活性剤と、
界面活性剤と、
0.1~7重量%のホスホン酸塩と、
酵素と、
0~75重量%の充填剤と、
1重量%未満の水と、を含
み、
前記酸化マルトデキストリンが0.0001重量%以上の2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシまたは2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルのうちの少なくとも1つを含む、無水混合粉末または混合顆粒。
【請求項2】
前記酸化マルトデキストリンが0.4~1.7の酸化度(DO)を有する、請求項1に記載の無水混合粉末または混合顆粒。
【請求項3】
前記酸化マルトデキストリンが2,500~6,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項2に記載の無水混合粉末または混合顆粒。
【請求項4】
前記酸化マルトデキストリン中のC6炭素の少なくとも60mol%がカルボキシル基に酸化されている、請求項3に記載の無水混合粉末または混合顆粒。
【請求項5】
前記酸化マルトデキストリン中のC2およびC3炭素の30mol%未満がカルボキシル基に酸化されている、請求項4に記載の無水混合粉末または混合顆粒。
【請求項6】
添加剤をさらに含み、前記添加剤が、
アルカリ源、
漂白剤、
漂白触媒、
発泡抑制剤、
着色剤、
芳香剤、
ケイ酸塩、
追加のビルダー、
抗菌剤、
充填剤、および
堆積物制御ポリマーのうちの少なくとも1つからなる群から選択される、請求項
1に記載の無水混合粉末または混合顆粒。
【請求項7】
1~25重量%の充填剤をさらに含む、請求項
1に記載の無水混合粉末または混合顆粒。
【請求項8】
前記充填剤が硫酸ナトリウムを含む、請求項
7に記載の無水混合粉末または混合顆粒。
【請求項9】
ガラス製品を洗浄する方法であって、
自動食器洗浄装置を提供することと、
汚れたガラス製品を提供することと、
前記汚れたガラス製品を前記自動食器洗浄装置に入れることと、
洗浄水を提供することと、
すすぎ水を提供することと、
請求項1に記載の無水混合粉末または混合顆粒を選択することと、
前記選択された無水混合粉末または混合顆粒を前記自動食器洗浄装置に入れることと、
前記選択された無水混合粉末または混合顆粒を前記洗浄水と接触させて、混合物を形成することと、
前記汚れたガラス製品を前記混合物と接触させて、処理されたガラス製品を提供することと、
次いで、前記処理されたガラス製品を前記すすぎ水と接触させて、洗浄されたガラス製品を提供することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動食器洗浄に使用するための無水混合粉末または混合顆粒に関する。特に、本発明は、1~10重量%の酸化マルトデキストリンと、10~60重量%のアミノ酸ベースのビルダーと、炭酸塩ビルダー、クエン酸塩ビルダー、ケイ酸塩ビルダーおよびそれらの混合物からなる群から選択される1~87.7重量%の追加のビルダーと、漂白活性剤と、界面活性剤と、0.1~7重量%のホスホン酸塩と、酵素と、0~75重量%の充填剤と、1重量%未満の水とを含む、自動食器洗浄用無水混合顆粒配合物に関する。
【0002】
自動食器洗浄用組成物は概して、布洗浄または水処理に使用されるものとは異なる洗剤組成物の種類として認識されている。洗浄サイクルの完了後、自動食器洗浄用組成物が、洗浄された物にしみおよび膜がない外観をもたらすことを、使用者は期待している。
【0003】
リン酸塩を含まない、生分解性の自動食器洗浄用組成物がますます望まれている。リン酸塩を含まない自動食器洗浄用組成物は、一般に、非リン酸ビルダー、例えば、クエン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、二ケイ酸塩、重炭酸塩、アミノカルボン酸塩、およびその他の塩に依存しており、硬水からカルシウムおよびマグネシウムを分離し、乾燥すると不溶性の目に見える堆積膜を残す。
【0004】
したがって、ガラス製品での使用において許容できる膜形成性能を提供し、生分解性も向上させ、ホスホン酸塩含有組成物でリン酸塩を含まない適用に適している無水混合粉末組成物または混合顆粒組成物が依然として必要とされている。
【0005】
本発明は、1~10重量%の酸化マルトデキストリンと、10~60重量%のアミノ酸ベースのビルダーと、炭酸塩ビルダー、クエン酸塩ビルダー、ケイ酸塩ビルダー、アミノ酸由来ビルダーおよびそれらの混合物からなる群から選択される1~87.7重量%の追加のビルダーと、漂白活性剤と、界面活性剤と、0.1~7重量%のホスホン酸塩と、酵素と、1重量%未満の水とを含む無水混合粉末または混合顆粒を提供する。
【0006】
本発明は、1~10重量%の酸化マルトデキストリンと、10~60重量%のアミノ酸ベースのビルダーと、炭酸塩ビルダー、クエン酸塩ビルダー、ケイ酸塩ビルダー、アミノ酸由来ビルダーおよびそれらの混合物からなる群から選択される1~87.7重量%の追加のビルダーと、漂白活性剤と、界面活性剤と、0.1~7重量%のホスホン酸塩と、酵素と、1重量%未満の水とを含み、酸化マルトデキストリンが0.4~1.7の酸化度(DO)を有する無水混合粉末または混合顆粒を提供する。
【0007】
本発明は、自動食器洗浄装置を提供することと、汚れたガラス製品を提供することと、汚れたガラス製品を自動食器洗浄装置に入れることと、洗浄水を提供することと、すすぎ水を提供することと、本発明による無水混合粉末または混合顆粒を選択することと、選択された無水混合粉末または混合顆粒を自動食器洗浄装置に入れることと、選択された無水混合粉末または混合顆粒を洗浄水と接触させて、混合物を形成することと、汚れたガラス製品を混合物と接触させて、処理されたガラス製品を提供することと、次いで、処理されたガラス製品をすすぎ水と接触させて、洗浄されたガラス製品を提供することと、を含む、ガラス製品を洗浄する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
自動食器洗浄用組成物(特に、リン酸塩を含まない自動食器洗浄用組成物)に取り込まれると、本明細書に特に記載される本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、驚くべきことに、望ましい生分解性も提供しながら、ガラス上に望ましい膜形成防止性能をもたらす。
【0009】
特に指示がない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。組成物中の重量百分率(または重量%)は、乾燥重量の百分率、すなわち、組成物中に存在し得るあらゆる水を除外した百分率である。ポリマー中のモノマー単位の百分率は、固形重量の百分率、すなわち、ポリマーエマルジョン中に存在するあらゆる水を除外した百分率である。
【0010】
本明細書で使用する場合、特に指示がない限り、用語「重量平均分子量」および「Mw」とは、互換的に使用されて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびポリエチレングリコール標準物などの従来の標準物を用いた従来の方式で測定された重量平均分子量を指す。GPC技術は、Modem Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-Interscience,1979、およびA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84で詳細に述べられている。重量平均分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0011】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「リン酸塩を含まない」とは、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、さらに好ましくは≦0.1重量%、特にさらにより好ましくは≦0.01重量%、最も好ましくは検出限界値未満)のリン酸塩(リン元素として測定される)を含有する組成物を意味する。
【0012】
マルトデキストリンは次の構造を有する。
【化1】
式中、nは平均2~20である。構造には、標準の炭素位置番号1~6が示されている。酸化マルトデキストリンは、いくつかのC2炭素、C3炭素、C6炭素が酸化されてカルボキシル基が形成されるように修飾されたマルトデキストリンである。
【0013】
好ましくは、無水混合粉末または混合顆粒(好ましくは無水混合顆粒、より好ましくは無水混合顆粒の自動食器洗浄用配合物)は、1~10重量%(好ましくは2~7.5重量%、より好ましくは2.5~5重量%、最も好ましくは3~4重量%)の酸化マルトデキストリンと、10~60重量%(好ましくは10~50重量%、より好ましくは10~25重量%、最も好ましくは10~15重量%)のアミノ酸ベースのビルダー(好ましくはメチルグリシン二酢酸(MGDA))と、炭酸ビルダー、クエン酸塩ビルダー、ケイ酸塩ビルダー、アミノ酸由来ビルダーおよびそれらの混合物からなる群から選択される1~87.7重量%(好ましくは≧1重量%、より好ましくは≧10重量%、さらにより好ましくは≧20重量%、最も好ましくは≧25重量%、好ましくは≦85重量%、より好ましくは≦80重量%、さらにより好ましくは≦75重量%、最も好ましくは≦70重量%)の追加のビルダー(好ましくは炭酸塩およびクエン酸塩(すなわち、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、より好ましくは、20重量%のクエン酸ナトリウム、30重量%の炭酸ナトリウム、15重量%の過炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1つの混合物)と、漂白活性剤(好ましくはTAED)(好ましくは1~10重量%と、より好ましくは2.5~7.5重量%)の漂白活性剤)と、界面活性剤(好ましくは非イオン性界面活性剤、より好ましくはDowfax(商標)20B102界面活性剤)(好ましくは0.2~15重量%、より好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の界面活性剤)と、0.1~7重量%(好ましくは0.25~5重量%、より好ましくは0.45~2.5重量%、最も好ましくは0.5~1.0重量%)のホスホン酸塩(好ましくは、HEDP)と、酵素と、0~75重量%(好ましくは1~25重量%、より好ましくは5~15重量%、さらにより好ましくは7.5~12重量%、最も好ましくは8~10重量%)の充填剤と、1重量%未満の水とを含む。
【0014】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含む。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリンは、定量13C NMRを使用して測定した0.4~1.7(好ましくは0.45~1.5)の酸化度(DO)を有し、酸化度(DO)は、カルボキシル基に酸化されたC6、C3およびC2位での酸化マルトデキストリン中のヒドロキシル基の平均数である。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリンは、2,500~6,000ダルトンの重量平均分子量を有する。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリン中のC6炭素の少なくとも60mol%がカルボキシル基に酸化されている。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリン中のC2およびC3炭素の30mol%未満がカルボキシル基に酸化されている。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリンは、0.0001重量%以上(好ましくは0.0001~0.001重量%)の2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシまたは2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル)のうちの少なくとも1つを含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリンは、定量13C NMRを使用して測定した0.4~1.7(好ましくは、0.45~1.5)の酸化度(DO)を有し、酸化度(DO)は、カルボキシル基に酸化されたC6、C3およびC2位での酸化マルトデキストリン中のヒドロキシル基の平均数である。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリンは、定量13C NMRを使用して測定した0.4~1.7(好ましくは0.45~1.5)の酸化度(DO)を有し、酸化度(DO)は、カルボキシル基に酸化されたC6、C3、およびC2位での酸化マルトデキストリンのヒドロキシル基の平均数であり、酸化マルトデキストリンは、2,500~6,000ダルトンの重量平均分子量を有する。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリンは、定量13C NMRを使用して測定した0.4~1.7(好ましくは0.45~1.5)の酸化度(DO)を有し、酸化度(DO)は、カルボキシル基に酸化されたC6、C3およびC2位での酸化マルトデキストリン中のヒドロキシル基の平均数であり、酸化マルトデキストリンは、2,500~6,000ダルトンの重量平均分子量を有し、酸化マルトデキストリン中のC6炭素の少なくとも60mol%がカルボキシル基に酸化されている。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリンは、定量13C NMRを使用して測定した、0.4~1.7(好ましくは0.45~1.5)の酸化度(DO)を有し、酸化度(DO)は、カルボキシル基に酸化されたC6、C3およびC2位での酸化マルトデキストリン中のヒドロキシル基の平均数であり、酸化マルトデキストリンは、2,500~6,000ダルトンの重量平均分子量を有し、酸化マルトデキストリン中のC6炭素の少なくとも60mol%がカルボキシル基に酸化されており、酸化マルトデキストリン中のC2およびC3炭素の30mol%未満がカルボキシル基に酸化されている。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酸化マルトデキストリンを含み、酸化マルトデキストリンは、定量的13C NMRを使用して測定した0.4~1.7(好ましくは0.45~1.5)の酸化度(DO)を有し、酸化度(DO)は、カルボキシル基に酸化されたC6、C3およびC2位での酸化マルトデキストリン中のヒドロキシル基の平均数であり、酸化マルトデキストリンは、2,500~6,000ダルトンの重量平均分子量を有し、酸化マルトデキストリン中のC6炭素の少なくとも60mol%がカルボキシル基に酸化されており、酸化マルトデキストリン中のC2およびC3炭素の30mol%未満がカルボキシル基に酸化されており、酸化マルトデキストリンは、0.0001重量%以上(好ましくは0.0001~0.001重量%)の2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシまたは2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル)のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~10重量%の酸化マルトデキストリンを含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、2~7.5重量%の酸化マルトデキストリンを含む。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、2.5~5重量%の酸化マルトデキストリンを含む。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、3~4重量%の酸化マルトデキストリンを含む。
【0016】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、10~60重量%(好ましくは10~50重量%、より好ましくは10~25重量%、最も好ましくは10~15重量%)のアミノ酸ベースのビルダーを含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、10~60重量%(好ましくは10~50重量%、より好ましくは10~25重量%、最も好ましくは10~15重量%)のアミノ酸ベースのビルダーを含み、アミノ酸ベースのビルダーは、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン-N、N-二酢酸、メチルグリシン-N、N-二酢酸、2-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸-N、N-二酢酸、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸塩、S、S-エチレンジアミンジコハク酸アスパラギン酸-二酢酸、N、N’-エチレンジアミンジコハク酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸-N、N-二酢酸、β-アラニン二酢酸、ポリアスパラギン酸、それらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、10~60重量%(好ましくは10~50重量%、より好ましくは10~25重量%、最も好ましくは10~15重量%)のアミノ酸ベースを含み、アミノ酸ベースのビルダーは、メチルグリシン二酢酸およびその塩のうちの少なくとも1つを含む。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、10~60重量%(好ましくは10~50重量%、より好ましくは10~25重量%、最も好ましくは10~15重量%)のアミノ酸ベースのビルダーを含み、アミノ酸ベースのビルダーは、メチルグリシン二酢酸、その塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0017】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~87.7重量%(好ましくは≧1重量%、より好ましくは≧10重量%、さらにより好ましくは≧20重量%、最も好ましくは≧25重量%、好ましくは≦85重量%、より好ましくは≦80重量%、さらにより好ましくは≦75重量%、最も好ましくは≦70重量%)の追加のビルダーを含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~87.7重量%(好ましくは≧1重量%、より好ましくは≧10重量%、さらにより好ましくは≧20重量%、最も好ましくは≧25重量%、好ましくは≦85重量%、より好ましくは≦80重量%、さらにより好ましくは≦75重量%、最も好ましくは≦70重量%)の追加のビルダーを含み、追加のビルダーは、炭酸塩ビルダー、クエン酸塩ビルダー、ケイ酸塩ビルダーおよびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~87.7重量%(好ましくは≧1重量%、より好ましくは≧10重量%、さらにより好ましくは≧20重量%、最も好ましくは≧25重量%、好ましくは≦85重量%、より好ましくは≦80重量%、さらにより好ましくは≦75重量%、最も好ましくは≦70重量%)の追加のビルダーを含み、追加のビルダーは、炭酸塩ビルダーおよびクエン酸塩ビルダーのうちの少なくとも1つを含む。さらにより好ましくは、好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~87.7重量%(好ましくは≧1重量%、より好ましくは≧10重量%、さらにより好ましくは≧20重量%、最も好ましくは≧25重量%、好ましくは≦85重量%、より好ましくは≦80重量%、さらにより好ましくは≦75重量%、最も好ましくは≦70重量%)の追加のビルダーを含み、追加のビルダーは、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1つを含む。最も好ましくは、好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~87.7重量%(好ましくは≧1重量%、より好ましくは≧10重量%、さらにより好ましくは≧20重量%、最も好ましくは≧25重量%、好ましくは≦85重量%、より好ましくは≦80重量%、さらにより好ましくは≦75重量%、最も好ましくは≦70重量%)の追加のビルダーを含み、追加のビルダーは、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムの混合物を含む。炭酸塩、クエン酸およびケイ酸塩の重量百分率は、金属イオンを含む塩の実重量に基づく。
【0018】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる「炭酸塩(複数可)」という用語は、炭酸塩、重炭酸塩、過炭酸塩、および/またはセスキ炭酸塩のアルカリ金属またはアンモニウム塩を指す。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用される炭酸塩(存在する場合には)は、ナトリウム、カリウムおよびリチウムの炭酸塩(より好ましくはナトリウム塩またはカリウム塩、最も好ましくはナトリウム塩)からなる群から選択される。本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用される過炭酸塩(存在する場合には)は、ナトリウム、カリウム、リチウムおよびアンモニウムの塩(より好ましくはナトリウム塩またはカリウム塩、最も好ましくはナトリウム塩)からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用される炭酸塩(存在する場合には)は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0019】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる「クエン酸」という用語は、アルカリ金属クエン酸塩を指す。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用されるクエン酸塩(存在する場合には)は、ナトリウム、カリウム、およびリチウムのクエン塩(より好ましくはナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくはナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用されるクエン酸塩(存在する場合には)は、クエン酸ナトリウムである。
【0020】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる「ケイ酸塩(複数可)」という用語は、アルカリ金属ケイ酸塩を指す。好しくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用されるケイ酸塩(存在する場合には)は、ナトリウム、カリウム、およびリチウムのケイ酸塩(より好ましくはナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくはナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用されるケイ酸塩(存在する場合には)は、二ケイ酸ナトリウムである。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用される追加のビルダーは、ケイ酸塩を含む。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用されるビルダーがケイ酸塩を含む場合、無水混合粉末または混合顆粒は好ましくは、0~10重量%(好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.5~3重量%、最も好ましくは0.75~2.5重量%)のケイ酸塩(複数可)を含む。
【0021】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、漂白活性剤を含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、漂白活性剤を含み、漂白活性剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、漂白活性剤を含み、漂白活性剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)である。
【0022】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~10重量%(好ましくは2.5~7.5重量%)の漂白活性剤を含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~10重量%(好ましくは2.5~7.5重量%)の漂白活性剤を含み、漂白活性剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~10重量%(好ましくは2.5~7.5重量%)の漂白活性剤を含み、漂白活性剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)である。
【0023】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、界面活性剤を含む。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0.2~15重量%(好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の界面活性剤を含む。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0.2~15重量%(好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の界面活性剤を含み、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含む。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0.2~15重量%(好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の界面活性剤を含み、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含み、非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールアルコキシレートである。
【0024】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用される界面活性剤は、以下から選択される式を有する非イオン性界面活性剤である。
RO-(M)x-(N)y-OH、および
RO-(M)x-(N)y-(P)z-OH
式中、Mはエチレンオキシドの構造単位を表し、NはC3~18の1,2-エポキシアルカンの構造単位を表し、PはC6~18のアキルグリシジルエーテルの構造単位を表し、xは5~40であり、yは0~20であり、zは0~3であり、RはC6~22の直鎖または分岐鎖アルキル基を表す。
【0025】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用される界面活性剤は、以下から選択される式を有する非イオン性界面活性剤である。
RO-(M)x-(N)y-OH、および
RO-(M)x-(N)y-O-R’
式中、MおよびNは、アルキレンオキシド(そのうちの1つは、エチレンオキシドである)から誘導される構造単位であり、xは5~40であり、yは0~20であり、Rは、C6~22の直鎖または分岐鎖アルキル基を表し、R’は、アルコール前駆体と、C6~22の直鎖もしくは分岐鎖ハロゲン化アルキル、エポキシアルカン、またはグリシジルエーテルの反応から誘導される基を表す。
【0026】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒に使用される界面活性剤は、次式を有する非イオン性界面活性剤である。
RO-(M)x-OH
式中、Mはエチレンオキシドの構造単位を表し、xは少なくとも3(好ましくは少なくとも5、好ましくは10以下、より好ましくは8以下)である。好ましくは、式中、RおよびR’はそれぞれ少なくとも8個(より好ましくは少なくとも10個)の炭素原子を有する。
【0027】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0.1~7重量%(好ましくは0.25~5重量%、より好ましくは0.45~2.5重量%、最も好ましくは0.5~1.0重量%)のホスホン酸塩を含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0.1~7重量%(好ましくは0.25~5重量%、より好ましくは0.45~2.5重量%、最も好ましくは0.5~1.0重量%)のホスホン酸塩を含み、ホスホン酸塩は、1,000ダルトン未満の分子量を有する。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0.1~7重量%(好ましくは0.25~5重量%、より好ましくは0.45~2.5重量%、最も好ましくは0.5~1.0重量%)のホスホン酸塩を含み、ホスホン酸塩は、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)およびその塩のうちの少なくとも1つを含む。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0.1~7重量%(好ましくは0.25~5重量%、より好ましくは0.45~2.5重量%、最も好ましくは0.5~1.0重量%)のホスホン酸塩を含み、ホスホン酸塩は、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、それらの塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0028】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酵素を含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酵素を含み、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼおよびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酵素を含み、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼおよびそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、酵素を含み、酵素は、プロテアーゼとアミラーゼの混合物を含む。
【0029】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~6重量%(好ましくは2~4重量%)の酵素を含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~6重量%(好ましくは2~4重量%)の酵素を含み、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼおよびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~6重量%(好ましくは2~4重量%)の酵素を含み、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼおよびそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1~6重量%(好ましくは、2~4重量%)の酵素を含み、酵素は、プロテアーゼとアミラーゼの混合物を含む。
【0030】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0~75重量%(好ましくは1~25重量%、より好ましくは5~15重量%、さらにより好ましくは7.5~12重量%、最も好ましくは8~10重量%)(9重量%)の充填剤を含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0~75重量%(好ましくは1~25重量%、より好ましくは5~15重量%、さらにより好ましくは7.5~12重量%、最も好ましくは8~10重量%)の充填剤を含み、充填剤は、不活性物質、水溶性物質からなる群から選択される。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0~75重量%(好ましくは1~25重量%、より好ましくは5~15重量%、さらにより好ましくは7.5~12重量%、最も好ましくは8~10重量%)の充填剤を含み、充填剤は、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0~75重量%(好ましくは1~25重量%、より好ましくは5~15重量%、さらにより好ましくは7.5~12重量%、最も好ましくは8~10重量%)の充填剤を含み、充填剤は硫酸ナトリウムを含む。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、0~75重量%(好ましくは1~25重量%、より好ましくは5~15重量%、さらにより好ましくは7.5~12重量%、最も好ましくは8~10重量%)の充填剤を含み、充填剤は硫酸ナトリウムである。
【0031】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、1重量%未満の水を含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、<0.5重量%未満の水を含む。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、<0.1重量%未満の水を含む。
【0032】
本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、任意選択で添加剤をさらに含む。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、アルカリ源、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)、漂白触媒(例えば、酢酸マンガン(II)、塩化コバルト(II)、ビス(TACN)マグネシウムトリオキシドジアセテート)、発泡抑制剤、着色剤、芳香剤、ケイ酸塩、追加のビルダー、抗菌剤、充填剤、堆積物制御ポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含む。より好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、添加剤をさらに含み、添加剤は、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)を含む。最も好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、添加剤をさらに含み、添加剤は漂白剤を含み、漂白剤は過炭酸ナトリウムを含む。
【0033】
本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、任意選択でアルカリ源をさらに含む。好適なアルカリ源は、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムもしくは水酸化カリウム、または上記混合物を含むがこれらに限定されない。水酸化ナトリウムが好ましい。本発明の無水混合粉末または混合顆粒中のアルカリ源の量(存在する場合には)は、少なくとも1重量%(好ましくは少なくとも20重量%)および最大80重量%(好ましくは最大60重量%)である。
【0034】
本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、任意選択で、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム)をさらに含む。本発明の無水混合粉末または混合顆粒中の漂白剤の量(存在する場合には)は、好ましくは1~25重量%(より好ましくは5~20重量%)の濃度である。
【0035】
本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、任意選択で、自動食器洗浄装置内の不溶性堆積物を制御するのに有用な堆積物制御ポリマーをさらに含む。好ましい堆積物制御ポリマーには、アクリル酸、メタクリル酸、二酸モノマー(例えば、マレイン酸)、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールエステル)、スチレン、スルホン化モノマー(例えば、AMPS)、置換アクリルアミドおよび置換メタクリルアミドのうちの少なくとも1つの構造単位の組み合わせを含むポリマーが挙げられる。
【0036】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、さらに好ましくは≦0.1重量%、特に好ましくは≦0.01重量%、最も好ましくは検出限界値未満)のリン酸塩(リン元素として測定される)を含む。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、リン酸塩を含まない。
【0037】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、少なくとも9(好ましくは≧10、より好ましくは≧11.5)のpH値(水中1重量%で)を有する。好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、13以下のpH値(水中1重量%で)を有する。
【0038】
好ましくは、本発明の無水混合粉末または混合顆粒は、一般的な操作条件下での使用に適している。例えば、自動食器洗浄機で使用されるとき、洗浄過程中の通常の水温は、好ましくは20℃~85℃、好ましくは30℃~70℃である。
【0039】
好ましくは、本発明のガラス製品を洗浄する方法は、自動食器洗浄装置を提供することと、汚れたガラス製品を提供することと、汚れたガラス製品を自動食器洗浄装置に入れることと、洗浄水を提供することと、すすぎ水を提供することと、本発明による無水混合粉末または混合顆粒を選択することと、選択された無水混合粉末または混合顆粒を自動食器洗浄装置に入れることと、選択された無水混合粉末または混合顆粒を洗浄水と接触させて、混合物を形成することと、汚れたガラス製品を混合物と接触させて、処理されたガラス製品を提供することと、次いで、処理されたガラス製品をすすぎ水と接触させて、洗浄されたガラス製品を提供することと、を含む。
【0040】
ここで本発明のいくつかの実施形態を以下の実施例において詳細に説明する。
【0041】
実施例S1:酸化マルトデキストリンの合成
丸底フラスコに60mLの脱イオン水、10.0gのマルトデキストリン(デキストロース当量(DE)16.5~19.5)、0.95gの臭化ナトリウム、および0.096gの2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)を加えた。フラスコを氷浴に入れて、フラスコの内容物を約4℃に冷却し、次亜塩素酸ナトリウム溶液(84mL、13%水溶液)を冷却したフラスコの内容物に30分かけて添加し、2MのNaOH溶液を添加してpHを9.5に維持した。氷浴が溶けると、フラスコの内容物を徐々に室温まで温め、計24時間後、勢いよく攪拌しながら500mLのEtOHを添加して生成物を沈殿させた。沈殿物を沈降させ、デカントして液体を除去した。さらに200mLのEtOHを沈殿物に添加し、デカントして除去した。固形物を真空下で40°で乾燥させた。
【0042】
実施例S2:酸化マルトデキストリンの合成
丸底ガラスフラスコに、60gの脱イオン水、10gのマルトデキストリン(デキストロース当量(DE)4~7)、0.947gの臭化ナトリウムおよび0.098gの2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシまたは2、2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)を加えた。次いで、フラスコの内容物に1.5MのNaOHを添加して、pHを9.5に調整した。次いで、フラスコの内容物を混合し、フラスコを氷浴に入れて、約4℃まで冷却した。次亜塩素酸ナトリウム溶液(76mL、13%水溶液)のpHを5%HCl溶液で9.5に調整し、次いで攪拌しながら2mL/分で、冷却したフラスコの内容物に添加した。この溶液に1.5MのNaOH溶液を添加して、pHを9.3~9.7に維持した。次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した後、氷浴が溶けると、フラスコの内容物を徐々に室温まで温め、24時間後に、勢いよく撹拌しながら350mLのエタノールを添加して、フラスコの内容物から生成物を沈殿させた。沈殿物を沈降させ、液体をフラスコからデカントした。粘着性の沈殿物を内壁からこすり取って、50mLのエタノールに再懸濁し、微細懸濁液が得られるまで勢いよく撹拌した。固体を沈降させ、デカントして液体を除去した。次に、固形物を窒素流下で、室温で乾燥させて、酸化マルトデキストリン生成物を得た。
【0043】
実施例S3:酸化マルトデキストリンの合成
丸底ガラスフラスコに、220gの脱イオン水、37gのマルトデキストリン(デキストロース当量(DE)16.5~19.5)、3.502gの臭化ナトリウム、および0.355gの2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシまたは2、2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)を加えた。次いで、フラスコ内容物に1.5MのNaOHを添加して、pHを9.5に調整した。次いで、フラスコの内容物を混合し、フラスコを氷浴に入れて、約4℃まで冷却した。次亜塩素酸ナトリウム溶液(248mL、13%水溶液)のpHを5%HCl溶液で9.5に調整し、次いで撹拌しながら2mL/分で、冷却したフラスコの内容物に添加した。この溶液に1.5MのNaOH溶液を添加して、pHを9.3~9.7に維持した。次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した後、氷浴が溶けると、フラスコの内容物を徐々に室温まで温め、24時間後、勢いよく攪拌しながら1.4Lのエタノールを添加して、フラスコの内容物から生成物を沈殿させた。沈殿物を沈降させ、液体をフラスコからデカントした。沈殿物を150mLのエタノールに再懸濁し、微細懸濁液が得られるまで勢いよく攪拌した。固体を沈降させ、デカントして液体を除去した。次いで、固形物を窒素流下で、室温で乾燥させて、酸化マルトデキストリン生成物を得た。
【0044】
実施例S4:酸化マルトデキストリンの合成
丸底ガラスフラスコに、360gの脱イオン水、60gのマルトデキストリン(デキストロース当量(DE)16.5~19.5)、5.68gの臭化ナトリウムおよび0.58gの2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシまたは2、2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)を加えた。次いで、フラスコ内容物に1.5MのNaOHを添加して、pHを9.5に調整した。次いで、フラスコの内容物を混合し、フラスコを氷浴に入れて、約~4℃まで冷却した。次亜塩素酸ナトリウム溶液(414mL、13%水溶液)のpHを5%HCl溶液で9.5に調整し、次いで撹拌しながら4mL/分で、冷却したフラスコの内容物に添加した。この溶液に1.5MのNaOH溶液を添加して、pHを9.3~9.7に維持した。次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した後、氷浴が溶けると、フラスコの内容物を徐々に室温まで温め、24時間後、勢いよく攪拌しながら2.0Lのエタノールを添加して、フラスコの内容物から生成物を沈殿させた。沈殿物を沈降させ、液体をフラスコからデカントした。粘着性の沈殿物を内壁からこすり取って、200mLのエタノールに再懸濁し、微細懸濁液が得られるまで勢いよく撹拌した。固体を沈降させ、デカントして液体を除去した。次いで、固形物を窒素流下で、室温で乾燥させて、酸化マルトデキストリン生成物を得た。
【0045】
酸化マルトデキストリンの特性評価
定量
13C NMRを使用して、実施例S1~S4のそれぞれに従って調製した酸化マルトデキストリンの酸化度(DO)およびmol%酸化を測定し、表1に報告する。具体的には、酸化マルトデキストリンのサンプル0.3gを、室温で10mmのNMRチューブ中の重水(D
2O)2.5mLに溶解した。逆ゲート
13C NMR実験を、10mmC/H低温プローブを備えたBruker Avance II NMR分光計で、90°単一パルスを使用して室温で行なった。緩和時間を30秒に設定し、各スペクトルについてデータの4,000スキャンを取得した。3つのグループのピークを統合した:I
aは、酸化の総量である180~170ppmの化学シフト範囲内のカルボニル信号の強度であり、I
bは、未反応の炭素6の強度である。統合される正確なピークは、DEPT-135 NMR実験で決定し、通常、58~64ppmの化学シフト範囲内である。I
cは、化学シフトが180~58ppmのマルトデキストリンのすべての炭素の総強度である。次の等式を使用して、酸化のDOおよびmol%を算出した。
DO=(6*I
a)/I
c
C6のmol%酸化={1-[(6*I
b)/I
c}}*100%
C2、C3のmol%酸化={[3*(I
a+I
b)/I
c]-0.5}*100%
【表1】
【0046】
食品汚れを調製する手順
表2に記載の修正STIWA食品汚れは、以下の手順により調製した。
a)水を沸騰させる。
b)紙コップ中でインスタントグレービー、安息香酸、デンプンを混合し、次いでこの混合物を沸騰水に加える。
c)(b)の生成物にミルクとマーガリンを加える。
d)(c)の生成物を約40℃まで冷却し、次いで混合物をキッチンミキサー(Polytron)に入れる。
e)別の紙コップ中で、卵黄、ケチャップ、マスタードを混ぜ合わせ、スプーンで混合する。
f)(e)の生成物をブレンダー内の(d)の混合物に連続的に撹拌しながら加える。
g)(f)の生成物をブレンダーで5分間撹拌する。
h)7からの生成物である食品汚れ混合物を凍結する。
i)凍結スラッシュを、以下に示す時点で食器洗浄装置に入れる。
【表2】
【0047】
比較例DC1~DC3および実施例D1~D2:食器洗浄用組成物
表3に特定された成分配合物を有する比較例DC1~DC3および実施例D1~D2のそれぞれにおいて食器洗浄用組成物を調製した。成分配合物のそれぞれで使用されたプロテアーゼは、Novozymesから入手可能なSavinase(登録商標)12Tプロテアーゼであった。成分配合物のそれぞれで使用されたアミラーゼは、Novozymesから入手可能なStainzyme(登録商標)12Tアミラーゼであった。
【表3】
【0048】
食器洗浄試験の条件
機械:Miele SS-ADW、モデルG1222SC Labor。プログラム:8分間にわたる加熱洗浄による60℃洗浄サイクル1回、ファジィ論理解除、加熱乾燥。水:375ppmの硬度(CaCO3として、EDTA滴定で確認)、Ca:Mg=3:1。食品汚れ:表2に記述された50gの組成物を、コップ中でt=15分間凍結した洗浄液に導入した。比較例DC1~DC3および実施例D1~D2からの各食器洗浄用組成物を、1回の洗浄につき20gを添加し、試験した。
【0049】
膜形成およびしみ形成の評価
上記の食器洗浄試験条件下で15回の洗浄サイクルの後、ガラスタンブラーを外気で乾燥させた。外気で乾燥させた後、訓練を受けた評価者が、下からの制御照明を備えたライトボックス内のガラスタンブラーを観察して、膜形成の評点を判定した。ガラスタンブラーを、ASTM法に従って、1(膜なし)から5(かなりの膜形成)までの範囲で、膜形成およびしみ形成について評価した。膜形成についての平均値1~5を各ガラスタンブラーについて判定し、表4に報告する。
【表4】