(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】粒子材料、ペーストまたはゲルを包装する方法
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20230615BHJP
【FI】
B65D77/04 B
(21)【出願番号】P 2021533253
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2019084761
(87)【国際公開番号】W WO2020120634
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-08-18
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509131443
【氏名又は名称】ヌーリオン ケミカルズ インターナショナル ベスローテン フェノーツハップ
【氏名又は名称原語表記】Nouryon Chemicals International B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ベーカー キャサリナ,クリスティーナ
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102006058372(DE,A1)
【文献】特表2003-536001(JP,A)
【文献】特開2002-104511(JP,A)
【文献】特開平09-164608(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0155372(US,A1)
【文献】特開2008-105750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65D 30/00-33/38
B65D 5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子材料、ペーストまたはゲルが包装された、包装製品を製造する方法であって、前記方法が、
- 底面、上面、および垂直壁を有する硬質な包装体を用意するステップであって、前記硬質な包装体が、前記上面で開き、前記底面における前記包装体の内側に面する側にある内側底面または前記垂直壁における前記包装体の内側に面する側にある内側垂直壁の少なくとも一部に接着層を含有する、ステップ、
- 柔軟な包装体に粒子材料、ペーストまたはゲルを充填するステップ、
- 前記充填された柔軟な包装体を前記接着層と接触させ、それによって前記柔軟な包装体を前記硬質な包装体に接着させるステップであって、前記柔軟な包装体と前記硬質な包装体を、前記柔軟な包装体を充填する前に接着させない、ステップ、
- 前記硬質な包装体を閉じるステップ
を含み、
前記粒子材料、ペーストまたはゲルが、GHSおよび/またはCLP表示を必要とする化合物であることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記接着層が、前記硬質な包装体の前記内側底面の少なくとも一部にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記柔軟な包装体が袋である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記接着層が、一液型接着剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記硬質な包装体が有する前記接着層が二液型接着剤の第一の成分を構成し、前記
二液型接着剤の第二の成分が
柔軟な包装体の外側底面上に存在する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記接着層が、
前記硬質な包装体の内側底面に接着された少なくとも1本の面ファスナーの一方の面を構成し、前記少なくとも1本のファスナーの対向面が、前記
柔軟な包装体の外側底面に接着される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記硬質な包装体が、箱または円筒型容器である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物が、有機過酸化物または有機過酸化物配合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記接着層における接着剤が、感圧接着剤(PSA)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記接着層における接着剤が、ホットメルト感圧接着剤(HMPSA)である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
粒子材料、ペーストまたはゲルを包装する方法であって、前記方法が、
- 底面、上面、および垂直壁を有する硬質な包装体を用意するステップであって、前記硬質な包装体が、前記上面で開き、前記底面における前記包装体の内側に面する側にある内側底面または前記垂直壁における前記包装体の内側に面する側にある内側垂直壁の少なくとも一部に接着層を含有する、ステップ、
- 柔軟な包装体に粒子材料、ペーストまたはゲルを充填するステップ、
- 前記充填された柔軟な包装体を前記接着層と接触させ、それによって前記柔軟な包装体を前記硬質な包装体に接着させるステップであって、前記柔軟な包装体と前記硬質な包装体を、前記柔軟な包装体を充填する前に接着させない、ステップ、
- 前記硬質な包装体を閉じるステップ
を含み、
前記粒子材料、ペーストまたはゲルが、GHSおよび/またはCLP表示を必要とする化合物であることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子材料、ペーストまたはゲル、より詳細には固体の工業用化学物質を包装する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体過酸化物そのもの、固体過酸化物配合物、およびポリマー添加物などの多くの粒子化合物は、柔軟な包装体、例えば、(プラスチック)袋の中に包装されて、その後、より硬質な包装体、例えば、(段ボールまたは繊維板)箱または(繊維)円筒型容器の中に包装される。袋は、一次包装体であり、箱または円筒型容器は、輸送用包装体である。
【0003】
包装技術全般は、広範囲の性能要件を示す。包装される物品に応じて、包装は、非常に多様な特性を実現させなければならない。包装材料の機械的強度に加えて、開けやすさまたは開けるときの力、分配のための選択肢、すなわち、注入、吸引、取り出し、ならびに表示の種類は、恒常的に技術開発中である。
【0004】
小売梱包、特に食品包装の分野は、物品の密封および包装された物品の分配の簡便性に重点を置く。液体はしばしば、プラスチックおよびガラスのジャー、瓶およびタブ型容器、ならびにプラスチックおよび紙の袋、例えば、小袋、封筒またはスティック型包装体に入れられる。
【0005】
例えば、国際公開第2017/135927号パンフレットは、ヘッドスペースをつぶした、箱中袋型の包装体に関する。包装体は、外面が比較的硬質な箱またはカートンの中に挿入されるまたはその中に完全に包み込まれる、熱可塑性の袋に入れられた液体または流動性製品のために提供される。包装体は、例えば、ストローなどの硬質な道具を挿入するために箱の上面部分に取り出し口(access port)を備えており、内側の物品を入手するために熱可塑性の袋を通して穴があけられる。
【0006】
例えば安全性の理由のための証明書を必要とする、以下、認証済み物品として指定される物品を包装するとき、完全に識別する要件に対応する。これらの物品は、例えば、危険な物品であるという理由で、証明書を必要とし得る。物品を入手する方式は、安全でなければならない。包装体は、表示を行わなければならない。この表示は、厳格な法的要件と関連している。
【0007】
国際公開第2017/135927号パンフレットに開示された箱は、認証済物品を包装するのに、特に、認証済物品が粒子材料、ペーストまたはゲルを表す場合、適切でない。これらの形態の認証済物品は、包装体の上面の密封テープを除去した後、あふれ出ることがよくある。この最新式の包装体に従って、包装体に取り出し口が付いている場合、およびこの取り出し口に穴があけられた場合、認証済物品は、空気および湿気と接触し、空気および湿気との接触は、認証済物品に有害である、または法的要件に違反さえし得る。この種類の包装体は、認証済物品を包装するのに適切でない。
【0008】
国連の化学品の分類および表示に関する世界調和システム(Globally Harmonised System of Classification and Labelling of Chemicals(GHS))は、物質および混合物の分類、表示および包装に関する規則(Regulation on Classification,Labelling and Packaging(CLP規則))としてEUによって実施されており、化学物質含有量および安全性に関する情報が一次包装体上および輸送用包装体の外側上の両方にあることを必要とする。GHSおよびCLPはまた、この情報が、製品が販売される全ての国の言語で提供されることを必要とする。
【0009】
ある製品が再分類される、またはその製品が新しい国で販売されることになった時点で、または修正された規則が異なるもしくは追加の情報を必要とした時点で、前もって印刷された袋のストック全体は、追加のもしくは修正された情報を含有する新しいものによって代替されなければならない。
【0010】
この問題に対する可能性のある解決法は、前もって印刷する代わりに手作業で袋へ表示を付けることになる。しかし、それは、表示および製品との関連性を理解できる従業員を必要とする、魅力に欠けた仕事である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、この問題を解決する、認証済物品を包装する様式を提供することが、本発明の目的である。
【0012】
解決法は、柔軟な包装体を硬質な包装体の内側に貼り付けることによって実現され、その結果、組み合わされた包装体は、一次包装体と考えられ、組み合わされた包装体の外側のみが、表示を付けなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本発明は、粒子材料、ペーストまたはゲルを包装する方法であって、前記方法は、
- 底面、上面、および垂直壁を有する硬質な包装体を用意するステップであって、前記硬質な包装体が、上面で開き、内側底面または内側垂直壁の少なくとも一部に接着層を含有する、ステップ、
- 柔軟な包装体に粒子材料、ペーストまたはゲルを充填するステップ、
- 充填された柔軟な包装体を接着層と接触させ、それによって柔軟な包装体を硬質な包装体に接着させるステップ、
- 硬質な包装体を閉じるステップ
を含み、粒子材料、ペーストまたはゲルが、GHSおよび/またはCLP表示を必要とする化合物である、方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
粒子材料は、包装されることが好ましい。従って、好ましい実施形態において、本発明は、粒子材料を包装する方法であって、前記方法は、
- 底面、上面、および垂直壁を有する硬質な包装体を用意するステップであって、前記硬質な包装体が、上面で開き、内側底面または内側垂直壁の少なくとも一部に接着層を含有する、ステップ、
- 柔軟な包装体に粒子材料を充填するステップ、
- 充填された柔軟な包装体を接着層と接触させ、それによって柔軟な包装体を硬質な包装体に接着させるステップ、
- 硬質な包装体を閉じるステップ
を含み、粒子材料が、GHSおよび/またはCLP表示を必要とする化合物である、方法に関する。
【0015】
硬質な包装体
硬質な包装体は、輸送、貯蔵、および取り扱いの間、形状を維持するのに十分硬質であるべきである。
硬質な包装体は、好ましくは、円柱、立方体または直方体の形状を有する。
硬質な包装体は、好ましくは、箱、円筒型容器、クレートまたはペールである。
硬質な包装体は、好ましくは、(ひだ状の)段ボール、繊維板、またはプラスチック材料から作られる。
【0016】
硬質な包装体は、底面、上面、および垂直壁を有する。立方体または直方体の形状を有する包装体の垂直壁は、4枚の側壁からなる。円柱の形状を有する包装体の垂直壁は、円柱壁である。内側底面は、包装体の内側に面する底面の側である。内側垂直壁は、包装体の内側に面する壁の側である。
【0017】
本発明は、上面で開く、硬質な包装体から始まる。
方法の最後に、硬質な包装体は、例えば、箱の閉鎖フラップを折りたたんで、留める(例えば、接着剤を付けるまたはテープを貼る)ことによって、または蓋もしくは覆いを設置することによって、閉じられる。
【0018】
粒子材料、ペーストまたはゲルは、工業用化合物である。本発明によれば、粒子材料、ペーストまたはゲルは、GHSおよび/またはCLP表示を必要とする化合物である。
【0019】
柔軟な包装体
柔軟な包装体は、粒子材料、ペーストまたはゲルが充填される包装体である。柔軟な包装体は、好ましくは、袋、より好ましくは、プラスチック袋の形態を有する。
【0020】
プラスチック袋は、袋を作るのに適切ないずれかのプラスチック材料から作ることができる。好ましい材料は、ポリエチレンである。
プラスチック袋は、いずれかの適切な形態を有することができる。例えば、プラスチック袋は、角底もしくは丸形ライナー袋または底面で縫い合わせた袖様袋であってよい。
充填された柔軟な包装体の外側底面は、硬質な包装体の内側に設置された時点で、硬質な包装体の内側底面に接触することになる、袋の一部と定義される。
【0021】
一成分型接着剤(One-component adhesive; 一液型接着剤ともいう)
硬質な包装体の内側底面または垂直壁上に存在する接着層は、一成分型接着剤であり得る。
この一成分型接着剤は、好ましくは、感圧接着剤(PSA)、すなわち、接着剤フィルムを基材(すなわち、充填された柔軟な包装体)に接触させ、圧力をかけることによって、結合を形成する接着剤である。感圧接着剤は、凝固して固体材料を形成はしないが、粘性が残る。結果として、感圧接着剤は、永続的に粘着性のままである。感圧接着剤は、エラストマー(例えば、天然ゴム、ビニルエーテル、アクリル、ブチルゴム、スチレンブロックコポリマー、シリコーン、ニトリル、またはそれらの化学修飾形態)から、典型的に配合され、場合によって、粘着付与剤(例えば、テルペン、芳香性樹脂、水素添加された炭化水素樹脂、またはテルペンフェノール樹脂)を含む。
【0022】
好ましい実施形態において、接着剤は、除去可能なまたは一過性の接着剤、すなわち、接着物に残留物を残さず比較的長期間の後で除去できる、一時的な結合を形成する感圧接着剤である。
【0023】
感圧接着剤は、内側底面または内側垂直壁の少なくとも一部に塗布される。
【0024】
好ましい実施形態において、感圧接着剤は、内側底面の少なくとも一部に塗布される。
【0025】
この実施形態において、感圧接着剤は、所望であれば、内側垂直壁の少なくとも一部に、さらに塗布されてもよい。
【0026】
接着剤は、液体形態で、例えば、有機溶媒中の溶液として、水分散液として、またはホットメルトとして塗布される。液化された接着剤は、噴霧、ロールコーティング、旋回、塗り、またはグルーガンによる塗布ができる。
好ましい実施形態において、一成分型接着剤は、ホットメルトPSAである。ホットメルトPSAは、典型的に、スチレンブロックコポリマーまたは(化学的に修飾された)エチレンコポリマーまたはホモポリマーをベースにしており、場合によって、油、可塑剤、および粘着付与剤と一緒に配合される。さらにより好ましくは、一成分型接着剤は、除去可能なホットメルト感圧接着剤(HMPSA)であり、その理由は、これらの接着剤は、残留物を残すことなく容易に剥ぎとることができるからである。
【0027】
使用後、硬質な包装体に接着剤層を残すことなく除去するのが難しい可能性があるので、それほど好ましくはないが、接着剤は、両面テープの形態もまた有してよい。
【0028】
一成分型接着剤は、硬質な包装体を組み立てた、または開けた後で、内側底面または垂直壁に好ましくは塗布される。接着剤は、多様なパターン、好ましくは、大きな接触域が得られるように、塗布されてよい。
【0029】
好ましい実施形態において、柔軟なおよび硬質な包装体は、ほんの少しの引き裂き力をかけることによって、使用後引き離すことができ、その結果、柔軟なおよび硬質な包装体は、別々に処分できる。これは、渦巻きまたは旋回パターンで接着剤を塗布することによって達成できる。化学的に汚染されていないという条件で、硬質な包装体は、再利用、リサイクルまたは(紙もしくはプラスチック)廃棄物として処分できる。柔軟な包装体は、化学廃棄物と考えられる可能性があり、異なる取り扱いを必要とされる可能性がある。
【0030】
二成分型接着剤(two-component adhesive;二液型接着剤ともいう)
硬質な包装体の内側底面または垂直壁上に存在する接着層は、二成分型接着剤の第一の成分を構成し得る。第一の成分は、硬質な包装体を組み立てた、または開けた後に塗布できるが、第一の成分はまた、硬質な包装体を製造する間または広げられた箱に塗布されてもよい。
この実施形態の利点は、第一の成分が第二の成分に粘着することになるだけで、その他の基材に粘着しないことにあり、その結果、第一の成分の層を含有する箱は、容易に折りたたみ、広げ、一緒に粘着することなく積み重ねることができる。
第一の成分は、噴霧、印刷、ロールコーティング、ディップコーティング、旋回、塗り、またはグルーガンによる塗布ができる。
第一の成分は、好ましくは、硬質な包装体の内側底面の少なくとも一部に塗布される。
【0031】
接着剤の第二の成分は、柔軟な包装体の外側、好ましくは、外側底面に塗布される。第二の成分は、噴霧、印刷、ロールコーティング、ディップコーティング、旋回、塗り、またはグルーガンを使用することによって塗布できる。
この第二の成分は、第一の成分に粘着することになるだけで、その他の柔軟な包装体に粘着せず、その結果、柔軟な包装体は、一緒に粘着することなく容易に積み重ねることができる。充填された柔軟な包装体を、硬質な包装体の第一の成分の層上に設置することは、2種の成分を組み合わせることになり、それによって、包装体を接着する。
【0032】
この二成分型接着剤は、好ましくは、感圧接着剤、より好ましくは、除去可能な感圧接着剤である。
【0033】
2種の成分は、柔軟な包装体の挿入後に2種の成分の間に十分大きな接触域を確保するパターンで、柔軟なおよび硬質な包装体に塗布されるべきである。
【0034】
好ましい実施形態において、柔軟な包装体および硬質な包装体は、別々に処分できるように、使用後容易に引き離すことができる。化学的に汚染されていないという条件で、硬質な包装体は、再利用、リサイクルまたは(紙もしくはプラスチック)廃棄物として処分でき、柔軟な包装体は、化学廃棄物と考えられる可能性があり、異なる取り扱いを必要とされる可能性がある。
【0035】
面ファスナー
さらなる実施形態において、接着層は、硬質な包装体の底面または垂直壁に接着された1つまたは複数の面ファスナー(例えば、Velcro)の一方の面を構成し、前記ファスナー(複数可)の対向面は、柔軟な包装体の外側に接着される。好ましくは、面ファスナー(複数可)の一方の面は、硬質な包装体の内側底面に接着され、対向面(複数可)は、柔軟な包装体の外側底面に接着される。
面ファスナー(複数可)は、面ファスナー(複数可)の裏の接着剤層によって付けることができる。充填された柔軟な包装体を、硬質な包装体の中に設置することは、この2つの面を組み合わせることになり、それによって包装体を接着する。
しかし、この実施形態の不利な点は、面ファスナー(複数可)の一方の面が、硬質な包装体に貼り付けられたままになる可能性があり、それによってリサイクルの可能性を低下させるまたは複雑にすることである。
【0036】
面ファスナー(複数可)の2つの面は、柔軟な包装体の挿入後に2つの面の間の十分大きな接触域が確保されるようなパターンで、柔軟なおよび硬質な包装体に付けられるべきである。
【0037】
粒子材料
粒子材料は、好ましくは、粉末、顆粒、(小型)真珠、ビーズ、薄片、または結晶の形態を有し、いずれかの適切な形状を有することができる。粒子材料は、好ましくは、流動性であり、これは粒子材料が一緒に粘着して塊を形成しないことを意味する。
【0038】
ペースト
本発明によるペーストは、顆粒材料へのマトリックスとして流動体中の顆粒材料の懸濁液からなる。ペーストは、応力がかけられるまで固体として挙動し、応力がかかった時点で、流動体のように流れる。ペーストは、室温でこの挙動を示す。
【0039】
ゲル
本発明によれば、ゲルは、理想的な液体としては挙動しない粘弾性流動体を表す。ゲルは、室温でこの挙動を示す。
【0040】
GHSおよび/またはCLP表示を必要とする化合物の例は、固体開始剤および開始剤配合物である。その他の例は、静電気防止、滑り止め、曇り止め、または結着防止剤としてポリマーに加えられる材料である。これらの材料は、一般的に、グリセロールエステル、エトキシル化アミン、脂肪族アミン、または脂肪族アミドをベースにしており、しばしばポリマーマトリックス中に分散される。
さらなる例は、カーボンブラック、難燃剤、脂肪族アルコールエステル、および長鎖アルコールのポリマーエステルである。
【0041】
開始剤の例は、有機過酸化物、アジ化物、およびC-C開始剤である。開始剤配合物としては、固体無機担体に配合された開始剤およびポリマーマトリックス中に分散された開始剤のマスターバッチが挙げられる。
【0042】
固体開始剤の具体的な例は、ジクミルペルオキシド、ジ(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジセチルペルオキシジカーボネート、ジミリスチルペルオキシジカーボネート、ジラウロイルペルオキシド、ジ(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジデカノイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾ(ジ(ヘキサヒドロベンゾニトリル)、および2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンである。
【0043】
固体開始剤配合物の例は、(i)固体もしくは液体の有機過酸化物、アジ化物、またはC-C開始剤、および(ii)固体鈍感剤を含む配合物である。
【0044】
適切な鈍感剤の例は、固体無機担体(例えば、炭酸カルシウム、シリカ、粘土)、ポリマー(例えば、ポリプロピレン)マトリックス、および固体有機鈍感剤(例えば、ジシクロヘキシルフタレートまたはグリセロールトリベンゾエート)である。
【0045】
固体鈍感剤と配合できる有機過酸化物の例は、ジベンゾイルペルオキシド、ジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチル)ヘキサン、tert-ブチルクミルペルオキシド、ジ(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルペルオキシド、ブチル4,4-ジ(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、ジ(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、および3,6,9-トリエチル-3,6,9-トリメチル-1,4,7-トリペロキサノン(triperoxanone)である。
【0046】
方法
柔軟な包装体に、粒子材料、ペーストまたはゲルを充填し、その後、充填された柔軟な包装体を、硬質な包装体の内側に存在する接着層と接触させ、それによって、充填された柔軟な包装体の外側、場合によって、二成分型接着剤の第二の成分または面ファスナー(複数可)の対向面を含有する外側を接着層と接触させ、それによって、柔軟な包装体を硬質な包装体に接着させる。
【0047】
好ましい実施形態において、接着層は、硬質な包装体の内側底面上に存在し、それによって、充填された柔軟な包装体の底面、場合によって、二成分型接着剤の第二の成分または面ファスナー(複数可)の対向面を含有する底面を接着層と接触させ、それによって、柔軟な包装体の底面を硬質な包装体の底面に接着させる。
【0048】
充填の間、柔軟な包装体は、硬質な包装体の外側にあってよく、または柔軟な包装体は、硬質な包装体の(部分的に)内側にあってよい。硬質な包装体の(部分的に)内側にある間に充填される場合、充填によって引き起こされる重量の増加は、柔軟なおよび硬質な包装体を接着するために必要とされる圧力をもたらすことになる。しかし、充填前に柔軟な包装体と硬質な包装体とが接着しないことを確実にすべきである。
【0049】
充填後、柔軟な包装体を閉じる、例えば、密封するまたは閉鎖テープで閉じる。閉じられた柔軟な包装体を含有する硬質な包装体を、例えば、フラップを折りたたむまたは覆いを設置することによって、閉じる。
【0050】
硬質な包装体の外面の壁(複数可)に、化学物質含有量および安全性に関する必要とされる情報の表示を付けることができる。表示は、本発明の方法の前、間、または後に、付けることができる。
【0051】
以下の項目は、本発明の一部である。
項目
1.粒子材料、ペーストまたはゲルを包装する方法、あるいは、粒子材料、ペーストまたはゲルが包装された、包装製品を製造する方法であって、
- 底面、上面、および垂直壁を有する硬質な包装体を用意するステップであって、前記硬質な包装体が、上面で開き、内側底面または内側垂直壁の少なくとも一部に接着層を含有する、ステップ、
- 柔軟な包装体に粒子材料を充填するステップ、
- 充填された柔軟な包装体を接着層と接触させ、それによって柔軟な包装体を硬質な包装体に接着させるステップ、
- 硬質な包装体を閉じるステップ
を含む、方法。
2.接着層が、硬質な包装体の内側底面の少なくとも一部にある、項目1に記載の方法。
3.接着層が、一液型接着剤である、項目1または2に記載の方法。
4.接着層が、二液型接着剤の第一の成分を構成し、前記接着剤の第二の成分が、袋の外側底面上に存在する、項目2に記載の方法。
5.接着層が、箱または円筒型容器の内側底面に接着された少なくとも1本の面ファスナーの一方の面を構成し、前記少なくとも1本のファスナーの対向面が、前記袋の外側底面に接着される、項目2に記載の方法。
6.硬質な包装体が、箱または円筒型容器であり、好ましくは、段ボールまたは繊維板から作られている、前述の項目のいずれか一項に記載の方法。
7.柔軟な包装体が、袋であり、好ましくは、プラスチックから作られている、前述の項目のいずれか一項に記載の方法。
8.粒子材料が、GHSおよび/またはCLP表示を必要とする化合物である、前述の項目のいずれか一項に記載の方法。
9.化合物が、有機過酸化物または有機過酸化物配合物である、項目8に記載の方法。
10.接着剤が、感圧接着剤(PSA)である、前述の項目のいずれか一項に記載の方法。
11.接着剤が、ホットメルト感圧接着剤(HMPSA)である、項目10に記載の方法。