(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】慣性エネルギー貯蔵方法
(51)【国際特許分類】
F03G 7/00 20060101AFI20230615BHJP
F03G 3/00 20060101ALI20230615BHJP
F01B 23/10 20060101ALI20230615BHJP
F01B 7/04 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
F03G7/00 B
F03G3/00 A
F03G7/00 H
F01B23/10
F01B7/04
(21)【出願番号】P 2021546413
(86)(22)【出願日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2019097797
(87)【国際公開番号】W WO2020020314
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】201811195099.X
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910673672.1
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521163927
【氏名又は名称】フアンフー フアンユー
【氏名又は名称原語表記】HUANGFU,Huanyu
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】フアンフー フアンユー
【審査官】池田 匡利
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-112375(JP,A)
【文献】特開2001-241375(JP,A)
【文献】特開2016-031031(JP,A)
【文献】特開昭55-139983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03G 7/00
F03G 3/00
F01B 23/10
F01B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
慣性エネルギー貯蔵装置を利用する慣性エネルギー貯蔵方法であって、
前記慣性エネルギー貯蔵装置は、流体が収容されたキャビティと、運動エネルギー回収装置と前記キャビティ内の前記流体の圧力によって駆動されるトランスミッション部材とを備えるものであり、前記慣性エネルギー貯蔵方法において、
前記
キャビティ内の流体について加速するステップ;
前記
キャビティ内の流体について加速した後
に、前記キャビティ内の流体が減速されるように、前記運動エネルギー回収装置により前記キャビティ内の流体に減速抵抗力を付加し;ただし、前記
キャビティ内の流体について減速する
過程において、前記運動エネルギー回収装置により前記流体減速時の運動エネルギーを回収するステップ
であって;
前記
キャビティ内の流体を加速又は減速する過程において、該
キャビティ内の流体
の加速度の作用
によって、該キャビティ内の流体の圧力度を該流体の速度変化率及び運動状態によって第1圧力度から第2圧力度に増加
し、
前記キャビティ内の流体の加速度の作用によって、該キャビティ内の流体の圧力度を前記第1圧力度から前記第2圧力度に増加した後に、前記運動エネルギー回収装置が前記運動エネルギーを回収するステップが完了する前に、別途に前記トランスミッション部材によって前記流体が前記第2圧力度の作用で生成された流体の圧力エネルギーを獲得するように、前記キャビティ内の流体が前記第2圧力度の作用で生成された流体の圧力エネルギーによって前記トランスミッション部材を駆動するステップを備え
、
前記第1圧力度は前記第2圧力度より小さい、ことを特徴とする慣性エネルギー貯蔵方法。
【請求項2】
既に回収された前
記運動エネルギー又は既に獲得された前
記圧力エネルギーを発電装置によって電気エネルギーに変換するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の慣性エネルギー貯蔵方法。
【請求項3】
前記トランスミッション部材はピストンを含むことを特徴とする請求項1に記載の慣性エネルギー貯蔵方法。
【請求項4】
前記流体は液体又は圧縮ガスであることを特徴とする請求項1に記載の慣性エネルギー貯蔵方法。
【請求項5】
前記電気エネルギーを電気伝送装置によって電力使用端末に伝送することを特徴とする請求項2に記載の慣性エネルギー貯蔵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエネルギー貯蔵の技術分野に属し、慣性エネルギー貯蔵方法に関する。
【背景技術】
【0002】
慣性エネルギー貯蔵とは、物体が運動する際の運動エネルギーによりエネルギーを貯蔵することを言うものである。現在、慣性エネルギー貯蔵の方法は、主にフライホイールを駆動して高速に回転することによりエネルギーを貯蔵するのであって、その基本的な原理は、フライホイール機械に接続の電気モーターによってフライホイールをドライブして加速に回転し、電気エネルギーをフライホイールの回転運動エネルギーに変換して貯蔵する。エネルギーを釈放する必要がある場合、高速に回転するフライホイールによってフライホイールに機械的に接続される発電機を駆動して発電し、フライホイール貯蔵の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して外部にエネルギーを出力する。フライホイールの加速と減速によってエネルギーの貯蔵と利用を実現する。フライホイールによって慣性エネルギーを貯蔵する場合、フライホイールは中実な固体構造を加工してなることから、フライホイールはエネルギー貯蔵又はエネルギー釈放の過程で何れも液圧を調整する機能を具備しないデメリットが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、慣性エネルギー貯蔵過程で流体の圧力を調整し、圧力調整後の流体圧力を獲得できる流体圧力調整作用を有する慣性エネルギー貯蔵装置を提供することを目的とする。
【0004】
本発明は、上記装置のエネルギー貯蔵方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明が採用する技術案は、慣性エネルギー貯蔵装置を利用する慣性エネルギー貯蔵方法であって、前記慣性エネルギー貯蔵装置は、流体が収容されたキャビティと、運動エネルギー回収装置と前記キャビティ内の前記流体の圧力によって駆動されるトランスミッション部材とを備えるものであり、前記慣性エネルギー貯蔵方法において、前記キャビティ内の流体について加速するステップ;前記キャビティ内の流体について加速した後に、前記キャビティ内の流体が減速されるように、前記運動エネルギー回収装置により前記キャビティ内の流体に減速抵抗力を付加し;ただし、前記キャビティ内の流体について減速する過程において、前記運動エネルギー回収装置により前記流体減速時の運動エネルギーを回収するステップであって;前記キャビティ内の流体を加速又は減速する過程において、該キャビティ内の流体の加速度の作用によって、該キャビティ内の流体の圧力度を該流体の速度変化率及び運動状態によって第1圧力度から第2圧力度に増加し;前記キャビティ内の流体の加速度の作用によって、該キャビティ内の流体の圧力度を前記第1圧力度から前記第2圧力度に増加した後に、前記運動エネルギー回収装置が前記運動エネルギーを回収するステップが完了する前に、別途に前記トランスミッション部材によって前記流体が前記第2圧力度の作用で生成された流体の圧力エネルギーを獲得するように、前記キャビティ内の流体が前記第2圧力度の作用で生成された流体の圧力エネルギーによって前記トランスミッション部材を駆動するステップを備え、前記第1圧力度は前記第2圧力度より小さいものである。
【0006】
さらに、既に回収された前記運動エネルギー又は既に獲得された前記圧力エネルギーを発電装置によって電気エネルギーに変換する。
【0007】
さらに、前記トランスミッション部材はピストンを含む。
そのうち、前記流体、具体的に液体又は圧縮ガスである。
さらに、前記電気エネルギーを電気伝送装置によって電力使用端末に伝送する。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明が採用する他の技術案は、流体圧力調整作用を有する慣性エネルギー貯蔵装置であって、該エネルギー貯蔵装置はベースを備え、ベース上には2つのガイド部材が並列に直立され、2つのガイド部材のトップエンドは固定ビームによって接続され、固定ビームの上面に第1高圧容器が取り付けられ、固定ビームの底面には第1エネルギー貯蔵シリンダーが設けられており、第1高圧容器の内室は第1エネルギー貯蔵シリンダーの内室に連通され、第1エネルギー貯蔵シリンダーのピストンロッドはベースに向かって設けられており、
ベース上には第2エネルギー貯蔵シリンダーが直立して設けられ、第2エネルギー貯蔵シリンダーは2つのガイド部材の間に位置され、第2エネルギー貯蔵シリンダーのピストンロッドは固定ビームに向かって形成されており、
固定ビームからベースに向かう方向に沿って次第に上部移動ビームと下部移動ビームが設けられ、上部移動ビームと下部移動ビームは何れもガイド部材に沿って上下に移動可能であり、上部移動ビームと下部移動ビームは第1エネルギー貯蔵シリンダーと第2エネルギー貯蔵シリンダーの間に位置し、上部移動ビーム上に第1シリンダーが設けられ、第1シリンダー内に第1ピストンと第2ピストンが設けられ、第1ピストンのピストンロッドと第2ピストンのピストンロッドは何れも第1 シリンダーの外部へ伸びられ、且つ180°の方向に位置しており、第1ピストンのピストンロッドは第1シリンダーの外部へ延びた一端が第1ロッキングレバーのトップエンドにヒンジ接続され、第2ピストンのピストンロッドは第1シリンダーの外部へ延びた一端が第2ロッキングレバーのトップエンドにヒンジ接続されており、
下部移動ビーム上には第2シリンダーが取り付けられ、第2シリンダーは筒状の接続シリンダーによって第1シリンダーに接続され、第1シリンダーの内室、接続シリンダーの内室と第2シリンダーの内室が連通されてキャビティを形成しており、第2シリンダーの外壁に第3シリンダーと第4シリンダーが対称に固定され、第3シリンダー内に第2トランスミッション部材が設けられ、第4シリンダー内に第1トランスミッション部材が設けられており、第3シリンダーに第1逆止め弁と第2逆止め弁が取り付けられ、第4シリンダーに第5逆止め弁と第6逆止め弁が取り付けられており、接続シリンダーの側壁に2つの支持ビームが対称に固定され、2つの支持ビームに何れも自体の軸線を回って往復に回動する柱が設けられ、柱には取り付け孔が加工形成されており、第1ロッキングレバーのアンダーエンドは一方の柱上の取り付け孔を貫通して第2トランスミッション部材と移動可能に接続され、第2ロッキングレバーのアンダーエンドは他方の柱上の取り付け孔を貫通して第1トランスミッション部材に移動可能に接続されており、
個々のガイド部材のアンダーエンドには何れも二セットの構造のリフト機構が取り付けられ、リフト機構に第2油圧モーターが設けられ、リフト機構は第1シリンダー、上部移動ビーム、接続シリンダー、第2シリンダーと下部移動ビームからなるエネルギー変換機構を駆動してガイド部材に沿って上方へ運動し、
第2エネルギー貯蔵シリンダーの左右に対向の2つの側壁にそれぞれ第2パイプラインと第3パイプラインが設けられ、第2パイプラインには第3逆止め弁が取り付けられており、第2パイプラインの他端には第2高圧容器が接続され、第3パイプラインに第4逆止め弁が設けられ、第3パイプラインの他端に第1低圧容器が接続されており、第2高圧容器は第1パイプラインによって第1低圧容器に連通され、第1パイプラインには第1油圧モーターが取り付けられ、第1油圧モーターはオルタネーターに接続されており、
全ての第2油圧モーターは何れも第4パイプラインによって逆転弁に接続され、逆転弁はそれぞれ第3高圧容器と第2低圧容器に接続されており、第3高圧容器と第2低圧容器はさらに電動油圧ポンプに接続されており、第2高圧容器は高圧ホースによって第2逆止め弁と第5逆止め弁に接続され、高圧ホースにはカットバルブが設けられ、第1低圧容器は低圧ホースによって第1逆止め弁と第6逆止め弁に接続されており、
ベースには真空容器が設けられ、第2高圧容器、オルタネーター、第1油圧モーター、第1パイプライン、第4パイプライン、第1低圧容器、逆転弁、第3高圧容器、電動油圧ポンプ、第2低圧容器、高圧ホースの一部、低圧ホースの一部、第2パイプラインの一部及び第3パイプラインの一部を除く、残りの部材は何れも真空容器内に位置することを特徴とする流体圧力調整作用を有する慣性エネルギー貯蔵装置を提供する。
【0009】
本発明によれば、流体について加速した後、該流体の運動エネルギーによりエネルギーを貯蔵すると共に該流体の加速又は減速過程における加速度作用によって該流体自体について圧力を増加するため、該流体がその加速度作用によって圧力を増加した後、該流体の圧力エネルギーを獲得できるという技術効果が取得できる。したがって、本発明を適用して慣性エネルギー貯蔵することは流体の減速運動エネルギーを回収することができるだけでなく、該流体がその加速度作用によって生成される流体の圧力エネルギーも獲得できる。したがって、本発明は慣性エネルギー貯蔵の効率をさらに向上させることができる。本発明によるエネルギー貯蔵装置はパワー分野、電気分野及び工業生産分野に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は本発明によるエネルギー貯蔵装置の構造概略図である。
【
図2】
図2は本発明によるエネルギー貯蔵装置におけるトランスミッション部材の概略図である。
【
図3】
図3は本発明によるエネルギー貯蔵装置におけるリフト機構の概略図である。
【
図4】
図4は本発明によるエネルギー貯蔵装置の第一の作動状態を示す概略図である。
【
図5】
図5は本発明によるエネルギー貯蔵装置の第2の作動状態を示す概略図である。
【
図6】
図6は本発明によるエネルギー貯蔵装置の第3の作動状態を示す概略図である。
【
図7】
図7は本発明によるエネルギー貯蔵装置の第4の作動状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0011】
1.真空容器、2.固定ビーム、3.第1エネルギー貯蔵シリンダー、4.第1高圧容器、5.ガイド部材、6.第1シリンダー、7.第1ピストン、8.上部移動ビーム、9.第1ロッキングレバー、10.第1支持ビーム、11.第1柱、12.低圧ホース、13.第2シリンダー、14.第1逆止め弁、15.第3シリンダー、16.下部移動ビーム、17.第2逆止め弁、18.カットバルブ、19.高圧ホース、20.第2高圧容器、21.オルタネーター、22.第1油圧モーター、23.第1パイプライン、24.ベース、25.リフト機構、26.第2パイプライン、27.第3逆止め弁、28.第2エネルギー貯蔵シリンダー、29.第4逆止め弁、30.第3パイプライン、31.第4パイプライン、32.第1低圧容器、33.逆転弁、34.第3高圧容器、35.電動油圧ポンプ、36.第2低圧容器、37.第5逆止め弁、38.第4シリンダー、39.第6逆止め弁、40.第1トランスミッション部材、41.第2トランスミッション部材、42.第2支持ビーム、43.第2柱、44.接続シリンダー、45.第2ロッキングレバー、46.第2ピストン、47.小ピストンヘッド、48.ピンホール、49.接続ロッド、50.スプリング、51.大ピストンヘッド、52.トランスミッションガイドロッド、53.第2油圧モーター、54.取り付けシート、55.歯車、56.ラック、57.エジェクター
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面と具体的な実施例を参照して、本発明についてさらに説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明によるエネルギー貯蔵装置は、ベース24を備え、ベース24に2つのガイド部材5が直立して並べられ、2つのガイド部材5のトップエンドは固定ビーム2によって接続されており、固定ビーム2の上面には第1高圧容器4が取り付けられ、固定ビーム2はベース24に向かう側壁に第1エネルギー貯蔵シリンダー3が取り付けられており、第1高圧容器4の内室は第1エネルギー貯蔵シリンダー3の内室に連通され、第1エネルギー貯蔵シリンダー3のピストンロッドはベース24に向かっている。
【0014】
ベース24には第2エネルギー貯蔵シリンダー28が直立して取り付けられ、第2エネルギー貯蔵シリンダー28は2つのガイド部材5間に位置されており、第2エネルギー貯蔵シリンダー28のピストンロッドは固定ビーム2に向かっている。
【0015】
固定ビーム2からベース24に向かう方向に沿って上部移動ビーム8と下部移動ビーム16が次第に設けられ、上部移動ビーム8と下部移動ビーム16は何れも2つのガイド部材5に設けられ、ガイド部材5に沿って上下に移動可能である。上部移動ビーム8と下部移動ビーム16は第1エネルギー貯蔵シリンダー3と第2エネルギー貯蔵シリンダー28の間に位置する。上部移動ビーム8には第1シリンダー6が設けられ、第1シリンダー6内に第1ピストン7と第2ピストン46が設けられており、第1ピストン7のピストン本体と第2ピストン46のピストン本体は何れも第1シリンダー6内に位置され、第1ピストン7のピストンロッドと第2ピストン46のピストンロッドは何れも第1シリンダー6の外部へ伸びられており、第1ピストン7のピストンロッドと第2ピストン46のピストンロッドは180°の方向に位置し、且つ第1ピストン7のピストンロッドの中央ラインと第2ピストン46のピストンロッドの中央ラインは上部移動ビーム8の中央ラインに平行する。第1ピストン7のピストンロッドは第1シリンダー6の外部へ延びる一端が与第1ロッキングレバー9のトップエンドにヒンジ接続され、第2ピストン46のピストンロッドは第1シリンダー6の外部へ延びる一端が第2ロッキングレバー45のトップエンドにヒンジ接続されている。
【0016】
下部移動ビーム16上に第2シリンダー13が設けられ、第2シリンダー13は筒状の接続シリンダー44によって第1シリンダー6に接続されており、第1シリンダー6の内室、接続シリンダー44の内室は第2シリンダー13の内室に連通され、キャビティを形成する。第2シリンダー13の外壁には第3シリンダー15と第4シリンダー38が対称に固定され、第3シリンダー15の中央ラインと第4シリンダー38の中央ラインは180°方向に位置し、且つ下部移動ビーム16の中央ラインに平行する。第3シリンダー15内には第2トランスミッション部材41が設けられ、第4シリンダー38内には第1トランスミッション部材40が設けられている。第3シリンダー15には第1逆止め弁14と第2逆止め弁17が取り付けられ、第4シリンダー38には第5逆止め弁37と第6逆止め弁39が取り付けられている。
【0017】
第1トランスミッション部材40と第2トランスミッション部材41は構造が全く同じであるため、第1トランスミッション部材40を例にして説明する。
図2に示すように、第1トランスミッション部材40は並列に設けられた小ピストンヘッド47と大ピストンヘッド51を備え、大ピストンヘッド51の直径は小ピストンヘッド47の直径より大きく、小ピストンヘッド47の直径は第4シリンダー38の内径に相応に配置され、大ピストンヘッド51の直径は第
2シリンダー1
3の内径に相応に配置されており、小ピストンヘッド47と大ピストンヘッド51はドッキングされた接続ロッド49及びトランスミッションガイドロッド52によって接続され、接続ロッド49にはピンホール48が設けられ、接続ロッド49にはスプリング50がセットとして取り付けられる。
【0018】
第1トランスミッション部材40における小ピストンヘッド47とピンホール48は何れも第4シリンダー38内に位置し、第1トランスミッション部材40における大ピストンヘッド51とスプリング50は何れも第2シリンダー13内に位置し、第1トランスミッション部材40におけるピンホール48内には第1ピンシャフトが取り付けられ、該第1ピンシャフトは第2ロッキングレバー45のアンダーエンドに移動可能に接続されている。
【0019】
第2トランスミッション部材41における小ピストンヘッド47とピンホール48はいずれも第3シリンダー15内に位置し、第2トランスミッション部材41における大ピストンヘッド51とスプリング50は何れも第2シリンダー13内に位置する。第2トランスミッション部材41におけるピンホール48内には第2ピンシャフトが取り付けられ、該第2ピンシャフトは第1ロッキングレバー9のアンダーエンドに移動可能に接続されている。
【0020】
接続シリンダー44の側壁には第1支持ビーム10と第2支持ビーム42が対称に固定され、第1支持ビーム10には自体の軸線を回って往復に回動する第1柱11が設けられ、第1柱11上には第1取り付け孔が加工形成され、第1ロッキングレバー9は該第1取り付け孔を貫通する。第2支持ビーム42上には自体の軸線を回って往復して回動する第2柱43が設けられ、第2柱43には第2取り付け孔が加工形成され、第2ロッキングレバー45は該第2取り付け孔を貫通する。
【0021】
個々のガイド部材5のアンダーエンドには何れも
図3に示す構造を有する二セットのリフト機構25が取り付けられ、リフト機構25はラック56と取り付けシート54を備え、取り付けシート54には第2油圧モーター53が設けられ、第2油圧モーター53はトランスミッション機構によって歯車55を駆動して回動させており、歯車55はラック56と歯車ラックペアを構成し、ラック56はガイド部材5に固定的に接続され、取り付けシート54にはエジェクター57が直立して設けられ、エジェクター57のトップエンドは下部移動ビーム16に固定的に接続され、全ての第2油圧モーター53は何れも第4パイプライン31に連通される。
【0022】
第2エネルギー貯蔵シリンダー28の左右に対向する2つの側壁にはそれぞれ第2パイプライン26と第3パイプライン30が設けられ、第2パイプライン26に第3逆止め弁27が取り付けられており、第2パイプライン26の他端には第2高圧容器20が接続され、第3パイプライン30には第4逆止め弁29が取り付けられ、第3パイプライン30の他端に第1低圧容器32が接続されている。第2高圧容器20は第1パイプライン23によって第1低圧容器32に連通され、第1パイプライン23には第1油圧モーター22が設けられ、第1油圧モーター22はオルタネーター21に接続される。
【0023】
全ての第2油圧モーター53は何れも第4パイプライン31によって逆転弁33に接続され、逆転弁33はそれぞれ第3高圧容器34と第2低圧容器36に接続されており、第3高圧容器34と第2低圧容器36はさらに電動油圧ポンプ35に接続される。第2高圧容器20は高圧ホース19によって第2逆止め弁17と第5逆止め弁37に接続され、高圧ホース19にはカットバルブ18が設けられており、第1低圧容器32は低圧ホース12によって第1逆止め弁14と第6逆止め弁39に接続される。
【0024】
ベース24には真空容器1が設けられ、固定ビーム2、第1エネルギー貯蔵シリンダー3、第1高圧容器4、ガイド部材5、第1シリンダー6、上部移動ビーム8、第1ピストン7、第1ロッキングレバー9、第1支持ビーム10、第2シリンダー13、第1逆止め弁14、第3シリンダー15、下部移動ビーム16、第2逆止め弁17、第3逆止め弁27、第2エネルギー貯蔵シリンダー28、第4逆止め弁29、第5逆止め弁37、第4シリンダー38、第6逆止め弁39、第1トランスミッション部材40、第2トランスミッション部材41、第2支持ビーム42、接続シリンダー44、第2ロッキングレバー45、第2ピストン46、カットバルブ18と全てのリフト機構25は何れも真空容器1内に位置する。高圧ホース19、低圧ホース12、第2パイプライン26の一部及び第3パイプライン30の一部も真空容器1内に位置する。
【0025】
そのうち、第1シリンダー6、上部移動ビーム8、接続シリンダー44、第2シリンダー13と下部移動ビーム16はエネルギー変換機構を構成する。
そのうち、オルタネーター21と第1油圧モーター22は液圧発電装置を構成する。
そのうち、第2エネルギー貯蔵シリンダー28、第2パイプライン26、第3パイプライン30、第4逆止め弁29、第3逆止め弁27、第1低圧容器32、第2高圧容器20、第1パイプライン23は運動エネルギー回収装置を構成する。
【0026】
本発明は前記エネルギー貯蔵方法を提供するが、該エネルギー貯蔵方法の実行ステップは前記エネルギー貯蔵装置で実行するが、具体的に以下のステップに従って行う。
【0027】
流体(液体又は圧縮ガス)を第2シリンダー13、接続シリンダー44と第1シリンダー6からなるキャビティ内に盛り入れる。第1高圧容器4、第2高圧容器20と第3高圧容器34内には何れも高圧ガス及び油圧オイルが貯蔵される。第1低圧容器32内と第2低圧容器36内には何れも低圧ガス及び油圧オイルが充填される。第1エネルギー貯蔵シリンダー3、第2エネルギー貯蔵シリンダー28、第1パイプライン23、第2パイプライン26、第3パイプライン30、第4パイプライン31、低圧ホース12と高圧ホース19内には何れも油圧オイルが充填される。
【0028】
高圧ホース19上のカットバルブ18をオンして、逆転弁33を第1逆転状態に調整し、逆転弁33が第1逆転状態の時、第4パイプライン31は逆転弁33によって第3高圧容器34に連通され、第4パイプライン31は第2低圧容器36と連通されない。電動油圧ポンプ35をオンして、第2低圧容器36内の油圧オイルは電動油圧ポンプ35によって第3高圧容器34内にポンプインされるとともに、第3高圧容器34内の油圧オイルは高圧ガスの圧力作用で第4パイプライン31によって全ての第2油圧モーター53内に流入され、第2油圧モーター53は油圧オイル圧力の作用でトランスミッション機構によって歯車55を駆動して回動させ、回動する歯車55はラック56に沿って上方へリフトされ、歯車55はラック56に沿って上方へリフトされる過程で第2油圧モーター53によって取り付けシート54をドライブしてガイド部材5に沿って上方へ移動させ、即ち
図4における矢印方向に沿って移動し、エジェクター57は下部移動ビーム16が上方へ移動するようにプロモートし、下部移動ビーム16は第2シリンダー13、接続シリンダー44と第1シリンダー6によって上部移動ビーム8が上方へ移動するようにプロモートする。エネルギー変換機構が上昇する過程において、第1低圧容器32内の油圧オイルは第1低圧容器32内の低圧ガスの気圧作用で第3パイプライン30と第4逆止め弁29によって第2エネルギー貯蔵シリンダー28内に流入され、この時、第3逆止め弁27はオフされ、第2エネルギー貯蔵シリンダー28内に入る油圧オイルは第2エネルギー貯蔵シリンダー28のピストンロッドを
図5に示す上死点位置まで押し上げる。
【0029】
第1シリンダー6と第1エネルギー貯蔵シリンダー3のピストンロッドが接触した後、第1エネルギー貯蔵シリンダー3のピストンロッドが第1エネルギー貯蔵シリンダー3内へ移動するようにプロモートし、この時、第1エネルギー貯蔵シリンダー3内の油圧オイルは第1高圧容器4内に押し込まれ、第1エネルギー貯蔵シリンダー3のピストンロッドが
図5に示す上死点まで押上げられると、逆転弁33を第2逆転状態に調整し、逆転弁33が第2逆転状態の場合、第4パイプライン31は第3高圧容器34に連通されず、第4パイプライン31は逆転弁33によって第2低圧容器36に連通され、この時、第2油圧モーター53は瞬間に第3高圧容器34からの駆動圧力を失うことになり、第1高圧容器4内の高圧油圧オイルは瞬間に第1エネルギー貯蔵シリンダー3へ流れ、第1エネルギー貯蔵シリンダー3のピストンロッドが下方へ運動するようにプロモートし、該ピストンロッドはエネルギー変換機構をプロモートして、さらに下方へエネルギー変換機構をカタパルトし、
図6に示すように、エネルギー変換機構は下方へカタパルトされる過程で、エネルギー変換機構はエジェクター57によってリフト機構25の下方への移動をプロモートし、加速度を生成して、さらにキャビティ内の流体を加速し、この時、歯車55は強制的に反対方向へ回動され、第2油圧モーター53内の油圧オイルを第4パイプライン31及び逆転弁33によって第2低圧容器36内に排出する。
【0030】
第1エネルギー貯蔵シリンダー3のピストンロッドが下死点まで下方へ移動された後、該ピストンロッドは第1シリンダー6と分離されるとともに、第2シリンダー13は第2エネルギー貯蔵シリンダー28のピストンロッドに衝突して接触され、慣性作用で、エネルギー変換機構が引き続き下方へ移動し、第2エネルギー貯蔵シリンダー28のピストンロッドが第2エネルギー貯蔵シリンダー28内へ移動するようにプロモートし、第2エネルギー貯蔵シリンダー28内の油圧オイルを第3逆止め弁27と第2パイプライン26によって第2高圧容器20内に押し込み、この過程で、第4逆止め弁29はオフ状態になる。第2エネルギー貯蔵シリンダー28内の油圧オイルが第2高圧容器20に押し込まれる過程において、第2高圧容器20内の気圧の圧力作用でエネルギー変換機構を減速させ、キャビティ内の流体を加速の後また減速する。キャビティ内の流体が減速の場合、第2エネルギー貯蔵シリンダー28内の油圧オイルはエネルギー変換機構の慣性作用で第2高圧容器20に押し込まれて第2高圧容器20内の圧力を増加するため、キャビティ内の流体が減速する期間において、第2高圧容器20によって該流体の減速運動エネルギーを回収する。
【0031】
エネルギー変換機構が下向きに加速又は減速する期間において、キャビティ内の流体アンダーエンドの圧力度(即ち、第2シリンダー13内の圧力度)は該流体の加速度の作用で該流体の速度変化率及び運動状態によって変化する。従って、流体が加速又は減速する過程において、該流体のアンダーエンドの圧力度が第1圧力度から第2圧力度へ変化する。
【0032】
キャビティ内の流体のアンダーエンドの圧力度が第1圧力度から第2圧力度に変化された後、第1圧力度が第2圧力度より小さい場合、該流体が第2圧力度作用で生成された圧力エネルギーを取得する。具体的に、エネルギー変換機構が下向きに加速する期間の加速度が1g(重力加速度)より大きく、且つエネルギー変換機構が下向きに減速する期間の負の加速度も1gより大きい場合、該エネルギー変換機構は下向きに加速運動する過程において、加速度の作用により第2シリンダー13内の流体の圧力度が第1シリンダー6内の流体の圧力度より小さくなり、この時、流体は第1ピストン7と第2ピストン46が段々離れるようにプロモートし、第1ピストン7の運動過程において、第1ロッキングレバー9のトップエンドが第2ピストン46から離れる方向へ移動するようにプロモートし、第1ロッキングレバー9は第1柱11上の第1取り付け孔を貫通するため、レバレッジの原理によって、第1柱11は自体の軸線を回って回動し、第1ロッキングレバー
9のアンダーエンドは第2トランスミッション部材41をドライブして第1トランスミッション部材40の方向へ移動する。同様に、第2ピストン46の運動過程において、第2ロッキングレバー45のトップエンドが第1ピストン7から離れる方向へ移動するようにプロモートし、第2ロッキングレバー45は第2柱43上の第2取り付け孔を貫通するため、レバレッジの原理によって、第2柱43は自体の軸線を回って回動し、
図6に示すように、第2ロッキングレバー45のアンダーエンドは第1トランスミッション部材40をドライブして第2トランスミッション部材41の方向へ移動する。第1トランスミッション部材40と第2トランスミッション部材41が対向して運動する過程において、第3シリンダー15と第4シリンダー38の容積が増大して吸引力を生成し、該吸引力によって第1低圧容器32における油圧オイルを低圧ホース12内に吸い込み、低圧ホース12内に入った油圧オイルは2つのルートに分かれ、一方のルートは第1逆止め弁14を経て第3シリンダー15内に入り、他方のルートは第6逆止め弁39を経て第4シリンダー38内に入り、この過程で、第2逆止め弁17と第5逆止め弁37はオフされる。
【0033】
エネルギー変換機構が下向き減速運動過程に入る際に、過重作用によって第2シリンダー13内の流体の圧力度を第1シリンダー6内の流体の圧力度より大きくし、この時、流体は第1トランスミッション部材40と第2トランスミッション部材41が段々離れるようにプロモートし、第3シリンダー15内の油圧オイルと第4シリンダー38内の油圧オイルはそれぞれ第2逆止め弁17と第5逆止め弁37を経て高圧ホース19内に入り、この時、第1逆止め弁14と第6逆止め弁39はオフされる。高圧ホース19内に流入された油圧オイルは圧力作用によって第2高圧容器20内に押し込まれる。
【0034】
流体の変速運動期間又はその後に、少なくとも既に回収した流体の減速運動エネルギー又は少なくとも既に獲得した流体の圧力エネルギーを発電装置によって電気エネルギーに変換し、該電気エネルギーを電気伝送装置によって電力使用端末に伝送する
。
図7に示すように、具体的に、高圧ホース19内の油圧オイルは圧力作用で第2高圧容器20内に押し込まれ、同時に、第2エネルギー貯蔵シリンダー28内の油圧オイルも第2高圧容器20内に押し込まれた後、第2高圧容器20内の油圧オイルは第2高圧容器20内の気圧駆動作用で第1油圧モーター22及び第1パイプライン23を経て第1低圧容器32に流入される。第2高圧容器20内の油圧オイルは第1低圧容器32に流れる過程において、油圧オイルの圧力によって第1油圧モーター22を駆動して回転させ、回転の第1油圧モーター22はオルタネーター21を駆動して発電し、オルタネーター21によって生成された電気エネルギーは電気伝送システムによって電力使用端末に伝送される。
【0035】
以上に、本発明の具体的な実施形態を概略的に示し、本発明の範囲はこれに限られるものではない。本発明の構想と原則を離れない前提で当業者によって行われる同等な変化と補正は何れも本発明の範囲に属すると理解されるべきである。本発明によるそれぞれの構成要件は上記のような全体的な応用に限られず、実際の需要に応じてその一部を独立に採用するか或いは複数を組合せて用いてもよいため、本発明の発明ポイントに関するその他の組み合わせ及び具体的な応用も本発明の範囲に属するのは言うまでもない。