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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】有機廃棄物処理システム
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20230616BHJP
   B09B 3/45 20220101ALI20230616BHJP
   C02F 11/08 20060101ALI20230616BHJP
   C02F 11/121 20190101ALI20230616BHJP
   B01J 3/00 20060101ALI20230616BHJP
   B01J 3/04 20060101ALI20230616BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230616BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230616BHJP
   B09B 3/70 20220101ALI20230616BHJP
   B09B 101/65 20220101ALN20230616BHJP
   B09B 101/70 20220101ALN20230616BHJP
   B09B 101/85 20220101ALN20230616BHJP
【FI】
B09B5/00 M
B09B3/45 ZAB
C02F11/08
C02F11/121
B01J3/00 A
B01J3/04 C
B01J3/04 G
B01J3/04 H
G06Q50/10
G06Q10/04
B09B3/70
B09B101:65
B09B101:70
B09B101:85
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022557183
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2022022407
(87)【国際公開番号】W WO2022259945
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】P 2021120037
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508008544
【氏名又は名称】井下 篤
(72)【発明者】
【氏名】井下 篤
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-181397(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104230406(CN,A)
【文献】特開2002-273491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 5/00
B09B 3/70
B09B 3/45
C02F 11/08
C02F 11/121
B01J 3/00
B01J 3/04
G06Q 50/10
G06Q 10/04
B09B 101/65
B09B 101/70
B09B 101/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機廃棄物を攪拌しつつ加湿、加圧して分解する亜臨界水処理を行うことにより固体生成物と液体生成物とを含むスラリーを生成する亜臨界水処理装置と、
前記スラリーを固体生成物と液体生成物とに分離する固液分離装置と、
前記固体生成物および前記液体生成物それぞれの予め設定された第1時点よりも将来の予め設定された第1期間における予測需要量を推定する需要推定部と、
前記有機廃棄物の基となる少なくとも1種類の有機物を含む有機物含有製品の前記第1時点よりも予め設定された第2期間だけ過去に遡った第2時点から前記第1時点までの販売量実績から、前記第1時点から前記第1期間の始期までの間における前記有機廃棄物の前記亜臨界水処理装置への投入量を推定するための第2学習済モデルを用いて、前記第2期間における前記有機物含有製品の販売量実績から前記第1時点から前記第1期間の始期までの間における予測投入量を推定する投入量推定部と、
前記予測需要量に基づいて、前記亜臨界水処理を開始する時期および前記亜臨界水処理における処理条件を示すスケジュール情報を生成するスケジュール生成部と、を備え、
前記スケジュール生成部は、前記予測需要量とともに、前記予測投入量に基づいて、前記スケジュール情報を生成する、
有機廃棄物処理システム。
【請求項2】
前記需要推定部は、少なくとも前記第1期間における気象条件、季節から、前記第1期間における前記固体生成物および前記液体生成物それぞれの前記予測需要量を推定するための第1学習済モデルを用いて、前記第1期間における気象条件、季節から前記第1期間における前記固体生成物および前記液体生成物それぞれの前記予測需要量を推定する、
請求項1に記載の有機廃棄物処理システム。
【請求項3】
過去の前記第1期間における気象条件の実績および季節と、過去の前記第1期間における前記固体生成物および前記液体生成物の需要量実績と、に基づいて、前記第1学習済モデルを生成するモデル生成部を更に備える、
請求項2に記載の有機廃棄物処理システム。
【請求項4】
過去の前記第2期間における前記有機物含有製品の販売量実績と、過去の前記第1時点から前記第1期間の始期までの間における前記投入量の実績と、に基づいて、前記第2学習済モデルを生成するモデル生成部を更に備える、
請求項に記載の有機廃棄物処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機廃棄物処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
し尿と浄化槽汚泥を脱水して脱水汚泥と脱水分離液に分離してから脱水分離液を生物処理し、脱水汚泥と有機性廃棄物とをメタン発酵させることにより発生する発酵汚泥をコンポスト化する処理方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この処理方法では、発酵汚泥の一部もしくは全量を、生物処理を行う工程へ導くことによりコンポストの生産量を減産調整し、余剰汚泥の一部もしくは全量を、メタン発酵を行う工程へ導くことでコンポストの生産量を増産調整する。ここで、コンポストの生産量の生産量は、コンポストの製品倉庫の在庫量が適性範囲を超えて過剰在庫となった場合、減算調整され、コンポストの製品倉庫の在庫量が適性範囲を下回って過小在庫となった場合、増産調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-273491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された処理方法では、製品倉庫のコンポストの在庫量を常に適性範囲で推移するようにするとともに、在庫量の適性範囲をなるべく少量にすることによりコンポストの在庫管理負担を低減することが要請されている。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、有機廃棄物から生成される固体生成物および液体生成物の余剰在庫量を低減することができる有機廃棄物処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る有機廃棄物処理システムは、
有機廃棄物を攪拌しつつ加湿、加圧して分解する亜臨界水処理を行うことにより固体生成物と液体生成物とを含むスラリーを生成する亜臨界水処理装置と、
前記スラリーを固体生成物と液体生成物とに分離する固液分離装置と、
前記固体生成物および前記液体生成物それぞれの予め設定された第1時点よりも将来の予め設定された第1期間における予測需要量を推定する需要推定部と、
前記予測需要量に基づいて、前記亜臨界水処理を開始する時期および前記亜臨界水処理における処理条件を制御する制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、需要推定部が、固体生成物および液体生成物それぞれの予め設定された第1時点よりも将来の予め設定された第1期間における予測需要量を推定し、制御装置が、予測需要量に基づいて、亜臨界水処理を開始する時期および亜臨界水処理における処理条件を制御する。これにより、将来の第1期間における固体生成物および液体生成物それぞれの需要量に応じてこれらの生成量を最適化することができるので、固体生成物および液体生成物それぞれの余剰在庫量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に係る有機廃棄物処理システムの全体構成図である。
図2】実施の形態に係る有機廃棄物処理システムの構成を示す図である。
図3】実施の形態に係る制御装置の機能ブロック図である。
図4】実施の形態に係るスケジュール記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
図5】実施の形態に係る有機廃棄物処理システムの動作を示すシーケンス図である。
図6】実施の形態に係る有機廃棄物処理システムの動作を示すシーケンス図である。
図7】実施の形態に係る制御装置が実行する処理スケジュール生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態に係る制御装置が実行する処理スケジュール生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態に係る有機廃棄物処理システムについて図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る有機廃棄物処理システムは、有機廃棄物を攪拌しつつ加湿、加圧して分解する亜臨界水処理を行うことにより固体生成物と液体生成物とを含むスラリーを生成する亜臨界水処理装置と、スラリーを固体生成物と液体生成物とに分離する固液分離装置と、固体生成物および液体生成物それぞれの予め設定された第1時点よりも将来の予め設定された第1期間における予測需要量を推定する需要推定部と、予測需要量に基づいて、亜臨界水処理を開始する時期および前記亜臨界水処理における処理条件を制御する制御装置と、を備える。ここで、固体生成物は、堆肥、燃料等として使用される。また、液体生成物は、アミノ酸を多く含む液肥として使用される。
本実施の形態に係る有機廃棄物処理システムは、図1に示すように、有機廃棄物を攪拌しつつ加湿、加圧して分解する亜臨界水処理を行う亜臨界水処理装置1と、亜臨界水処理装置1の動作を制御する制御装置4と、を備える。ここで、有機廃棄物としては、食品メーカで廃棄される食品廃棄物等の食物残渣、或いは、繊維メーカで廃棄される繊維屑、ビニール、プラスチック、紙屑等が挙げられる。なお、有機排気物としては、他に、医療産廃、糞尿等、間伐材等の植物残渣等も挙げられる。亜臨界水処理装置1と制御装置4とは、例えば有機廃棄物を亜臨界水処理により分解することにより生成される固体生成物および液体生成物を製造販売する企業に設置された局所ネットワークNW2に接続されている。局所ネットワークNW2は、無線LAN(Local Area Network)または有線LANである。また、局所ネットワークNW2には、食品メーカ、繊維メーカ等から供給され亜臨界水処理装置1へ投入された有機廃棄物の投入量を管理する投入量管理サーバ3が接続されている。また、局所ネットワークNW2は、ルータ81およびデータ回線終端装置82を介して広域ネットワークNW1に接続されている。広域ネットワークNW1は、例えばインターネットである。広域ネットワークNW1には、過去および将来の気象条件を示す気象情報を管理する気象サーバ5と、前述の固体生成物および液体生成物の需要量の実績を管理する市場動向監視サーバ6と、が接続されている。気象サーバ5は、例えば気象情報提供会社に設置され、市場動向監視サーバ6は、市場調査会社に設置されている。また、広域ネットワークNW1には、食品メーカ、繊維メーカ等に設置され、食品、繊維製品等の生産量、販売数量を管理する生産管理サーバ7が接続されている。そして、制御装置4は、局所ネットワークNW2を介して投入量管理サーバ3と通信可能となっている。また、制御装置4は、局所ネットワークNW2および広域ネットワークNW1を介して気象サーバ5、市場動向監視サーバ6または生産管理サーバ7と通信可能となっている。
気象サーバ5は、過去の気象条件を示す気象実績情報と、将来の予測された気象条件を示す気象予報情報と、を管理している。そして、気象サーバ5は、制御装置4から送信される気象サーバ5に対して前述の気象実績情報と気象予報情報とを含む気象情報の送信を要求する気象情報要求情報を取得すると、これに応じて気象情報を生成する。ここで、気象情報要求情報には、後述する亜臨界水処理装置1により有機排気物を処理する処理スケジュールを生成する処理スケジュール生成時期よりも将来の予め設定された第1期間を示す情報が含まれている。気象サーバ5は、気象情報を生成する際、この第1期間における気象予報情報を特定し、特定した気象予報情報を気象情報に含ませる。そして、気象サーバ5は、生成した気象情報を制御装置4へ送信する。
市場動向監視サーバ6は、有機廃棄物から生成される固体生成物と液体生成物とのそれぞれの市場における需要量の実績を示す需要実績情報を管理している。そして、市場動向監視サーバ6は、制御装置4から送信される市場動向監視サーバ6に対して前述の需要実績情報の送信を要求する需要実績要求情報を取得すると、これに応じて制御装置4へ送信する需要実績情報を特定する。そして、市場動向監視サーバ6は、特定した需要実績情報を制御装置4へ送信する。
生産管理サーバ7は、食品メーカ、繊維メーカ等における製品の生産量および販売数量を管理している。そして、生産管理サーバ7は、制御装置4から送信される生産管理サーバ7に対して製品の生産状況を示す生産状況情報の送信を要求する生産状況情報要求情報を取得すると、これに応じて制御装置4へ送信する生産状況情報を生成する。ここで、生産状況情報には、直近の予め設定された期間内(例えば直近1週間)における製品の生産量を示す生産量情報と販売数量を示す販売数量情報とを含んでいる。そして、生産管理サーバ67、生成した生産状況情報を制御装置4へ送信する。
投入量管理サーバ3は、亜臨界水処理装置1へ投入された有機廃棄物の投入量の実績を示す投入実績情報を管理している。そして、投入量管理サーバ3は、制御装置4から送信される投入量管理サーバ3に対して前述の投入実績情報の送信を要求する投入実績要求情報を取得すると、これに応じて制御装置4へ送信する投入実績情報を特定する。そして、投入量管理サーバ3は、特定した投入実績情報を制御装置4へ送信する。
また、本実施の形態に係る有機廃棄物処理システムは、図2に示すように、前述の亜臨界水処理装置1とともに、亜臨界水処理装置1で生成される固体生成物と液体生成物とを含むスラリーに含まれる固体生成物を分離する固液分離装置22と、固液分離装置22で分離された液体生成物から不純物を取り除くための凝集反応槽231および加圧浮上処理装置24と、濾過装置25と、を備える。
亜臨界水処理装置1は、図2に示すように、圧力容器11と、ボイラ14と、攪拌翼121と、攪拌翼121を駆動する攪拌翼駆動部122と、圧力調整弁131と、開閉弁132、133と、コントローラ19と、処理物貯留槽16と、を備え、圧力容器11内に高温、高圧の水蒸気を注入して、圧力容器11内に投入された有機廃棄物を分解するものである。圧力容器11は、有機廃棄物を投入するための投入口11aと、亜臨界水処理より生成されるスラリーを取り出すための取出口11bと、を有する。取出口11bから取り出されたスラリーは、取出口11bに接続された処理物貯留槽16に貯留される。また、圧力容器11には、ボイラ14から圧力容器11内に高温、高圧の水蒸気を注入するための水蒸気供給管PI111と、圧力容器11内の水蒸気を圧力容器11外へ取り出すための水蒸気排出管PI112と、が接続されている。圧力調整弁131および開閉弁132は、水蒸気供給管PI111に介挿され、開閉弁133は、水蒸気排出管PI112に介挿されている。ボイラ14は、水蒸気供給管PI111を介して圧力容器11に接続されており、高温、高圧の水蒸気を、水蒸気供給管PI111を通じて圧力容器11内に供給する。攪拌翼駆動部122は、シャフトが圧力容器11内の略中央を水平方向に貫通するように配置された攪拌翼121を駆動することにより圧力容器11内の処理対象物を攪拌する。
また、圧力容器11内には、圧力容器11内の温度を計測する温度センサ151と、圧力容器11内の圧力を計測する圧力センサ152と、が設けられている。温度センサ151および圧力センサ152は、それぞれ、計測した温度、圧力を示す計測信号を生成してコントローラ19へ出力する。
コントローラ19は、制御装置4から取得するスケジュール情報と温度センサ151および圧力センサ152から入力される計測信号とに基づいて、ボイラ14、開閉弁132、133および攪拌翼駆動部122の動作を制御する。ここで、コントローラ19は、温度センサ151および圧力センサ152から入力される計測信号に基づいて、開閉弁132を駆動して圧力容器11内への水蒸気の供給量を調整するとともに、開閉弁133を駆動して圧力容器11内の蒸気の水蒸気排出管PI112へ排出する排出量を調整する。また、コントローラ19は、攪拌翼121の回転速度を検出する回転速度センサ(図示せず)と、回転トルクを検出する回転トルクセンサ(図示せず)と、により検出される回転速度および回転トルクに基づいて、例えば攪拌翼121の回転速度と回転トルクとの積が一定値となるように攪拌翼駆動部122が攪拌翼121を駆動するように攪拌翼駆動部122を制御する。
ここで、亜臨界水処理装置1により有機廃棄物を処理する工程について説明する。まず、亜臨界水処理装置1のコントローラ19は、圧力容器11内の温度予め設定された温度(例えば150℃以上の温度)の場合において、圧力容器11内の温度および圧力の急激な上昇を検知すると、圧力容器11内へ供給される水蒸気の供給量を調整することにより、圧力容器11内の温度を、その温度および圧力が急激な上昇を開始したときの温度以上の温度で予め設定された時間(例えば5分乃至10分間)だけ維持し、その後、開閉弁132を閉状態にすることにより圧力容器11内への水蒸気の供給を停止する。次に、有機廃棄物を投入口11aから圧力容器11内へ投入される。続いて、コントローラ19は、開閉弁132を開状態にすることにより、ボイラ14で生成される高温、高圧の水蒸気を圧力容器11内へ注入する。その後、コントローラ19は、攪拌翼駆動部122を制御して、攪拌翼121を回転させて圧力容器11内で有機廃棄物の攪拌を開始する。有機排気物の攪拌が開始されると、有機廃棄物に含まれる蛋白質が、亜臨界水処理により蛋白質を構成するアミノ酸に分解される。ここで、コントローラ19が、有機排気物の攪拌を開始してから予め設定された時間だけ経過した後、開閉弁132を閉状態にしたり開度を小さくしたりすることにより圧力容器11内への水蒸気の供給を停止したりまたは圧力容器11内へ供給される水蒸気を減少させたりすると、アミノ酸を多く含んだスラリーが生成される。また、コントローラ19は、更に、開閉弁132の開度を維持したまま高温、高圧の水蒸気の圧力容器11内への注入を継続すると、圧力容器11内の温度の急激な上昇を検知する。次に、コントローラ19は、圧力容器11内へ供給される水蒸気の供給量を調整することにより、圧力容器11内の温度を、その温度および圧力が急激な上昇を開始したときの温度以上の温度で予め設定された時間(例えば5分乃至10分間)だけ維持する。続いて、コントローラ19は、開閉弁132を閉状態にすることにより、水蒸気の供給を停止して、開閉弁133を開状態にすることにより、圧力容器11内の水蒸気を水蒸気排出管PI112へ排出する。このとき、圧力容器11内の温度および圧力が低下する。その後、圧力容器11の取出口11bからスラリーが取り出されて処理物貯留槽16に貯留される。処理物貯留槽16に貯留されたスラリーは、例えばモーノポンプのようなポンプ21により固液分離装置22へ搬送される。
固液分離装置22は、脱水機(図示せず)を有し、適宜脱水助剤が添加されたスラリーを固体生成物と液体生成物とに分離する。そして、固液分離装置22は、分離した固体生成物を取出口22aに排出する。一方、固液分離装置22は、分離した液体生成物を凝集反応槽231へ排出する。凝集反応槽231では、タンク232に貯留された凝集剤が液体生成物に添加される。凝集反応槽231で凝集剤が添加された液体生成物は、加圧浮上処理装置24へ投入される。加圧浮上処理装置24は、加圧浮上槽(図示せず)を有し、加圧浮上槽に貯留された液体生成物中に懸濁または溶解している不純物に超微細気泡を付着させることにより不純物の比重を小さくして不純物の一部を液体生成物から浮上分離させる。ここで、超微細気泡は、空気を加圧溶解した水を再び大気圧下に開放することにより、水中に発生されるものであり、直径が0.3乃至1nm程度のものである。そして、加圧浮上処理装置24は、不純物の一部が取り除かれた液体生成物を濾過装置25へ供給する。冷却装置26は、圧力容器11から水蒸気排出管PI112を通じて供給される液体生成物を含む蒸気を冷却して液化し濾過装置25へ供給する。濾過装置25は、加圧浮上処理装置24および冷却装置26から供給される液体生成物を濾過膜(図示せず)により濾過することにより液体生成物に含まれる不純物を取り除き純度の高い液体生成物を取出口25aに排出する。ここで、前述の有機廃棄物が、医療産廃である場合、亜臨界水処理装置1により処理されることで、バイオマス燃料を得ることができる。また、前述の有機廃棄物が糞尿等である場合、亜臨界水処理装置1により処理されることで、堆肥と発酵メタンを得ることができる。更に、前述の有機廃棄物が植物残渣である場合、亜臨界水処理装置1により処理されることで、ジェット燃料等に利用されるバイオエタノールを得ることができる。また、前述の有機廃棄物が、食物残渣である場合、亜臨界水処理装置1により処理されることで、発酵メタンを得ることができる。
制御装置4は、例えばパーソナルコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)401と、主記憶部402と、補助記憶部403と、通信部406と、計時部408と、これらを互いに接続するバス409と、を有する。主記憶部402は、CPU401の作業領域として使用される。補助記憶部403は、制御装置4の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部406は、局所ネットワークNW2を介して亜臨界水処理装置1のコントローラ19と通信可能となっている。計時部408は、例えばRTC(Real Time Clock)である。
CPU401は、補助記憶部403が記憶するプログラムを主記憶部402に読み出して実行することにより、図3に示すように、気象情報取得部411、需要実績取得部412、時期特定部413、需要推定部414、生産状況取得部415、投入量推定部416、スケジュール生成部417、指令部418、投入実績取得部419およびモデル生成部420として機能する。また、図2に示す補助記憶部403は、図3に示すように、気象情報記憶部431と、需要実績記憶部432と、モデル記憶部433と、販売数量記憶部434と、処理条件記憶部435と、スケジュール記憶部436と、投入実績記憶部437と、を有する。気象情報記憶部431は、過去の気象条件を示す気象実績情報と、将来の予測された気象条件を示す気象予報情報と、を記憶する。
需要実績記憶部432は、亜臨界水処理装置1により生成される固体生成物および液体生成物それぞれの需要実績を示す需要実績情報を記憶する。
モデル記憶部433は、予め設定された第1時点を処理スケジュール生成時期として、処理スケジュール生成時期よりも将来の前述の第1期間における気象条件、季節及び過去の需要量実績から、固体生成物および液体生成物それぞれのスケジュール生成時期よりも将来の前述の第1期間における予測需要量を推定するための第1学習済モデルを示す情報を記憶する。ここで、第1時点は、例えば亜臨界水処理装置1により固定生成物および液体生成物を生成するスケジュールを生成する処理スケジュール生成時期に相当する。処理スケジュール生成時期は、定期的に到来するように設定され、例えば1日乃至1週間毎に到来するように設定される。また、第1期間は、例えば処理スケジュール生成時期よりも予め設定された期間だけ後の1日乃至1週間の期間に設定され、例えば処理スケジュール生成時期の1日乃至1週間後から始まる1日乃至1週間の期間に設定される。また、モデル記憶部433は、有機廃棄物の基となる少なくとも1種類の有機物を含む有機物含有製品の処理スケジュール生成時期よりも予め設定された第2期間だけ過去に遡った第2時点から処理スケジュール生成時期までの販売量実績から、処理スケジュール生成時期から前述の第1期間の始期までの間における有機廃棄物の亜臨界水処理装置1への投入量を推定するための第2学習済モデルを示す情報も記憶する。ここで、第2期間は、例えば1日乃至1週間に設定され、第2時点は、処理スケジュール生成時期よりも1日乃至1週間だけ過去に遡った時点に設定される。また、有機物含有製品としては、例えば食品メーカで製造される食品、繊維メーカで製造される生地、衣服等が挙げられる。更に、第1学習済モデルおよび第2学習済モデルは、それぞれ、例えばニューラルネットワークで表される。
販売数量記憶部434は、食品メーカ、繊維メーカ等に設置された生産管理サーバ7から取得した生産状況情報に含まれる食品の販売数量、生地、衣服の販売数量を示す販売数量情報を記憶する。
処理条件記憶部435は、亜臨界水処理装置1で有機廃棄物を亜臨界水処理する際の圧力、温度、処理時間等の処理条件を示す処理条件情報を、固体生成物と液体生成物との生成比率の組合せを示す情報に対応づけて記憶する。
スケジュール記憶部436は、例えば図4に示すように、亜臨界水処理装置1の処理条件を示す処理条件情報を、亜臨界水処理装置1において処理条件情報が示す処理条件で処理を開始する時期を示す処理開始時期情報に対応づけて記憶する。
図3に戻って、投入実績記憶部437は、過去に食品メーカ、製品メーカ等から供給された有機廃棄物の亜臨界水処理装置1への投入量の実績を示す投入実績情報を記憶する。
気象情報取得部411は、処理スケジュール生成時期または第1学習済モデル更新時期が到来したとき、或いは、後述の非通知情報が指令部418から通知されたとき、前述の気象情報要求情報を気象サーバ5へ送信することにより、気象サーバ5から送信される気象情報を取得する。気象情報取得部411は、気象情報を取得すると、取得した気象情報から気象実績情報と気象予報情報とを抽出し、抽出した気象実績情報および気象予報情報を気象情報記憶部431に記憶させる。
需要実績取得部412は、前述の需要実績情報要求情報を市場動向監視サーバ6へ送信することにより、市場動向監視サーバ6から送信される需要実績情報を取得する。需要実績取得部412は、需要実績情報を取得すると、取得した需要実績情報を需要実績記憶部432に記憶させる。時期特定部413は、計時部408により計時される日時に基づいて、季節を特定する。そして、時期特定部413は、特定した季節を示す季節情報を需要推定部414に通知する。
需要推定部414は、固体生成物および液体生成物それぞれの処理スケジュール生成時期よりも将来の第1期間における予測需要量を推定する。ここで、需要推定部414は、モデル記憶部433が記憶する情報が示す前述の第1学習済モデルを用いて、気象情報記憶部431が記憶する処理スケジュール生成時期における気象条件、時期特定部413から通知される季節情報が示す季節および過去の需要量の実績から、前述の第1期間における固体生成物および液体生成物それぞれの予測需要量を推定する。そして、需要推定部414は、推定した第1期間における固体生成物および液体生成物それぞれの予測需要量を示す予測需要量情報をスケジュール生成部417に通知する。
生産状況取得部415は、前述の生産状況情報要求情報を生産管理サーバ7へ送信することにより、生産管理サーバ7から送信される生産状況情報を取得する。生産状況取得部415は、生産状況情報を取得すると、取得した生産状況情報に含まれる食品メーカにおける食品の販売数量、繊維メーカにおける生地、衣服の販売数量を示す販売数量情報を抽出し、抽出した販売数量情報を販売数量記憶部434に記憶させる。
投入量推定部416は、モデル記憶部433が記憶する情報が示す前述の第2学習済モデルを用いて、食品メーカで製造される食品、繊維メーカで製造される生地、衣服等の有機物含有製品の前述の第2時点から処理スケジュール生成時期までの販売数量実績から、処理スケジュール生成時期から第1期間の始期までの間における有機廃棄物の投入量を推定する。そして、投入量推定部416は、推定した処理スケジュール生成時期から第1期間の始期までの間における有機廃棄物の予測投入量を示す予測投入量情報をスケジュール生成部417に通知する。
スケジュール生成部417は、需要推定部414から通知される予測需要量情報が示す予測需要量と投入量推定部416から通知される予測投入量情報が示す予測投入量とに基づいて、亜臨界水処理を開始する時期および亜臨界水処理における処理条件を示すスケジュール情報を生成する。ここで、スケジュール生成部417は、第1期間における固体生成物と液体生成物との予測需要量から、第1期間における固体生成物と液体生成物との予測需要量の比率を算出する。そして、スケジュール生成部417は、処理条件記憶部435の中から、固体生成物と液体生成物との比率が算出した予測需要量の比率に最も近い処理条件情報を特定する。次に、スケジュール生成部417は、予測投入量に基づいて、予測需要量に相当する固体生成物と液体生成物とを生成するために必要な亜臨界水処理装置1の稼働時間を算出し、算出した稼働時間に基づいて、亜臨界水処理装置1において亜臨界水処理を開始する時期を算出する。そして、スケジュール生成部417は、算出した時期と特定した処理条件とに基づいて亜臨界水処理装置1の処理スケジュールを示すスケジュール情報を生成する。スケジュール生成部417は、生成したスケジュール情報をスケジュール記憶部436に記憶させる。
指令部418は、スケジュール記憶部436が記憶するスケジュール情報に従って、亜臨界水処理装置1で亜臨界水処理を行う際の処理条件を示す処理条件情報を特定して亜臨界水処理装置1へ送信する。ここで、指令部418は、スケジュール情報に基づいて。亜臨界水処理の処理開始時期が到来する毎に、処理条件情報を亜臨界水処理装置1へ送信する。また、指令部418は、処理条件情報を送信した後、予め設定された待機時間内に亜臨界水処理装置1から処理条件情報に基づいて亜臨界水処理を開始したことを通知する処理開始通知情報を取得したか否かを判定し、取得しない場合、非通知情報を気象情報取得部411に通知する。
投入実績取得部419は、前述の投入実績要求情報を投入量管理サーバ3へ送信することにより、投入量管理サーバ3から送信される投入実績情報を取得する。投入実績取得部419は、投入実績情報を取得すると、取得した投入実績情報を投入実績記憶部437に記憶させる。
モデル生成部420は、過去の処理スケジュール生成時期における気象条件の実績および季節と、過去の処理スケジュール生成時期に対応する前述の第1期間における固体生成物および液体生成物の需要量実績と、に基づいて、前述の第1学習済モデルを生成する。また、モデル生成部420は、過去の前述の第2期間における有機物含有製品の販売量実績と、過去の処理スケジュール生成時期から前述の第1期間の始期までの間における有機排気物の亜臨界水処理装置1への投入量の実績と、に基づいて、前述の第2学習済モデルを生成する。
次に、本実施の形態に係る店員呼出システムの動作について図5および図6を参照しながら説明する。まず、図5に示すように、予め設定された処理スケジュール生成時期が到来すると、前述の気象情報要求情報が、制御装置4から気象サーバ5へ送信される(ステップS1)。一方、気象サーバ5は、気象情報要求情報を取得すると、管理している気象実績情報と気象予報情報との中から、取得した気象情報要求情報に含まれる前述の第1期間に基づいて気象予報情報を特定し、特定した気象予報情報と気象実績情報とを含む気象情報を生成する(ステップS2)。次に、生成された気象情報が、気象サーバ5から制御装置4へ送信される(ステップS3)。ここで、制御装置4は、取得した気象情報から気象実績情報と気象予報情報とを抽出し、抽出した気象実績情報と気象予報情報とを気象情報記憶部431に記憶させる。
続いて、前述の需要実績要求情報が、制御装置4から市場動向監視サーバ6へ送信される(ステップS4)。一方、市場動向監視サーバ6は、前述の需要実績要求情報を取得すると、これに応じて制御装置4へ送信する需要実績情報を特定する(ステップS5)。その後、特定された需要実績情報が、市場動向監視サーバ6から制御装置4へ送信される(ステップS6)。ここで、制御装置4は、取得した需要実績情報を需要実績記憶部432に記憶させる。
次に、制御装置4は、前述の第1学習済モデルを用いて、気象サーバ5から取得した気象予報情報と、市場動向監視サーバ6から取得した送信される需要実績情報と、前述の第1期間における季節と、に基づいて、固体生成物および液体生成物それぞれの前述の第1期間における予測需要量を推定する(ステップS7)。
続いて、前述の生産状況情報要求情報が、制御装置4から生産管理サーバ7へ送信される(ステップS8)。一方、生産管理サーバ7は、生産状況要求情報を取得すると、これに応じて生産状況情報を生成する(ステップS9)。その後、生成された生産状況情報が、生産管理サーバ7から制御装置4へ送信される(ステップS10)。ここで、制御装置4は、生産状況情報を取得すると、取得した生産状況情報に含まれる食品メーカにおける食品の販売数量、繊維メーカにおける生地、衣服の販売数量を示す販売数量情報を抽出し、抽出した販売数量情報を販売数量記憶部434に記憶させる。
次に、制御装置4は、前述の第2学習済モデルを用いて、食品メーカで製造される食品、繊維メーカで製造される生地、衣服等の有機物含有製品の前述の第2時点から処理スケジュール生成時期までの販売数量実績から、処理スケジュール生成時期から第1期間の始期までの間における有機廃棄物の亜臨界水処理装置1への予測投入量を推定する(ステップS11)。
続いて、制御装置4は、前述の予測需要量と予測投入量とに基づいて、亜臨界水処理を開始する時期および亜臨界水処理における処理条件を示すスケジュール情報を生成する(ステップS12)。ここで、制御装置4は、生成したスケジュール情報をスケジュール記憶部436に記憶させる。
その後、制御装置4は、スケジュール記憶部436が記憶するスケジュール情報で指定される処理開始時期が到来すると、亜臨界水処理装置1へ送信する処理条件情報を特定する(ステップS13)。次に、特定された処理条件情報が、制御装置4から亜臨界水処理装置1へ送信される(ステップS14)。一方、亜臨界水処理装置1は、処理条件情報を取得すると、取得した処理条件情報に基づいて亜臨界水処理を開始する(ステップS15)。続いて、亜臨界水処理が開始されたことを通知する処理開始通知情報が、亜臨界水処理装置1から制御装置4へ送信される(ステップS16)。
また、亜臨界水処理装置1へ有機廃棄物が投入されて亜臨界水処理が開始されると、図6に示すように、前述の投入実績要求情報が、制御装置4から投入量管理サーバ3へ送信される(ステップS17)。一方、投入量管理サーバ3は、投入実績要求情報を取得すると、これに応じて制御装置4へ送信する投入実績情報を特定する(ステップS18)。その後、特定された投入実績情報が、投入量管理サーバ3から制御装置4へ送信される(ステップS19)。ここで、制御装置4は、取得した投入実績情報を投入実績記憶部437に記憶させる。その後、制御装置4は、過去の前述の第2期間における有機物含有製品の販売量実績と、過去の処理スケジュール生成時期から前述の第1期間の始期までの間における有機廃棄物の亜臨界水処理装置1への投入量の実績と、に基づいて、前述の第2学習済モデルを生成し、生成した第2学習済モデルでモデル記憶部433が記憶する第2学習済モデルを更新する(ステップS20)。
また、予め設定された第1学習済モデル更新時期が到来すると、前述の気象情報要求情報が、制御装置4から気象サーバ5へ送信される(ステップS21)。一方、気象サーバ5は、気象情報要求情報を取得すると、気象実績情報を含む気象情報を生成する(ステップS22)。次に、生成された気象情報が、気象サーバ5から制御装置4へ送信される(ステップS23)。ここで、制御装置4は、取得した気象情報から気象実績情報を抽出し、抽出した気象実績情報を気象情報記憶部431に記憶させる。
続いて、前述の需要実績要求情報が、制御装置4から市場動向監視サーバ6へ送信される(ステップS24)。一方、市場動向監視サーバ6は、前述の需要実績要求情報を取得すると、これに応じて制御装置4へ送信する需要実績情報を特定する(ステップS25)。その後、特定された需要実績情報が、市場動向監視サーバ6から制御装置4へ送信される(ステップS26)。ここで、制御装置4は、取得した需要実績情報を需要実績記憶部432に記憶させる。次に、制御装置4は、過去の処理スケジュール生成時期における気象条件の実績および季節と、過去の処理スケジュール生成時期に対応する前述の第1期間における固体生成物および液体生成物の需要量実績と、に基づいて、前述の第1学習済モデルを生成し、生成した第1学習済モデルでモデル記憶部433が記憶する第1学習済モデルを更新する(ステップS27)。
次に、本実施の形態に係る制御装置4が実行する処理スケジュール生成処理について図7および図8を参照しながら説明する。この処理スケジュール生成処理は、例えば制御装置4へ電源が投入された後、処理スケジュール生成処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、気象情報取得部411は、予め設定された処理スケジュール生成時期が到来したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、気象情報取得部411が、未だ処理スケジュール生成時期が到来していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS112の処理が実行される。一方、気象情報取得部411は、処理スケジュール生成時期が到来したと判定すると(ステップS101:Yes)、前述の気象情報要求情報を気象サーバ5へ送信することにより(ステップS102)、気象サーバ5から送信される気象情報を取得する(ステップS103)。ここで、気象情報取得部411は、気象情報を取得すると、取得した気象情報から気象実績情報と気象予報情報とを抽出し、抽出した気象実績情報および気象予報情報を気象情報記憶部431に記憶させる。
次に、需要実績取得部412は、前述の需要実績情報要求情報を市場動向監視サーバ6へ送信することにより(ステップS104)、市場動向監視サーバ6から送信される需要実績情報を取得する(ステップS105)。ここで、需要実績取得部412は、需要実績情報を取得すると、取得した需要実績情報を需要実績記憶部432に記憶させる。続いて、時期特定部413は、計時部408により計時される日時に基づいて、季節を特定する(ステップS106)。ここで、時期特定部413は、特定した季節を示す季節情報を需要推定部414に通知する。
その後、需要推定部414は、モデル記憶部433が記憶する情報が示す前述の第1学習済モデルを用いて、気象情報記憶部431が記憶する処理スケジュール生成時期における気象条件および時期特定部413から通知される季節情報が示す季節から、前述の第1期間における固体生成物および液体生成物それぞれの予測需要量を推定する(ステップS107)。ここで、需要推定部414は、推定した第1期間における固体生成物および液体生成物それぞれの予測需要量を示す予測需要量情報をスケジュール生成部417に通知する。
次に、生産状況取得部415は、前述の生産状況情報要求情報を生産管理サーバ7へ送信することにより(ステップS108)、生産管理サーバ7から送信される生産状況情報を取得する(ステップS109)。ここで、生産状況取得部415は、生産状況情報を取得すると、取得した生産状況情報に含まれる食品メーカにおける食品の販売数量、繊維メーカにおける生地、衣服の販売数量を示す販売数量情報を抽出し、抽出した販売数量情報を販売数量記憶部434に記憶させる。
続いて、投入量推定部416は、モデル記憶部433が記憶する情報が示す前述の第2学習済モデルを用いて、食品メーカで製造される食品、繊維メーカで製造される生地、衣服等の有機物含有製品の前述の第2時点から処理スケジュール生成時期までの販売数量実績から、処理スケジュール生成時期から第1期間の始期までの間における有機廃棄物の予測投入量を推定する(ステップS110)。ここで、投入量推定部416は、推定した処理スケジュール生成時期から第1期間の始期までの間における有機廃棄物の予測投入量を示す予測投入量情報をスケジュール生成部417に通知する。
その後、スケジュール生成部417は、需要推定部414から通知される予測需要量情報が示す予測需要量と投入量推定部416から通知される予測投入量情報が示す予測投入量とに基づいて、亜臨界水処理を開始する時期および亜臨界水処理における処理条件を示すスケジュール情報を生成する。そして、スケジュール生成部417は、生成したスケジュール情報をスケジュール記憶部436に記憶させる(ステップS111)。
次に、指令部418は、スケジュール記憶部436が記憶するスケジュール情報に基づいて、亜臨界水処理の処理開始時期が到来したか否かを判定する(ステップS112)。指令部418が、未だ処理開始時期が到来していないと判定すると(ステップS112:No)、後述のステップS118の処理が実行される。一方、指令部418は、処理開始時期が到来したと判定すると(ステップS112:Yes)、処理条件情報を特定して亜臨界水処理装置1へ送信する(ステップS113)。続いて、指令部418は、処理条件情報を送信した後、予め設定された待機時間内に亜臨界水処理装置1から前述の処理開始通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS114)。ここで、指令部418は、前述の処理開始通知情報を取得しないと判定すると(ステップS114:No)、前述の非通知情報を気象情報取得部411に通知する。そして、再びステップS102以降の処理が実行される。
一方、指令部418は、前述の処理開始通知情報を取得したと判定したとする(ステップS114:Yes)。この場合、投入実績取得部419は、前述の投入実績要求情報を投入量管理サーバ3へ送信することにより(ステップS115)、図8に示すように投入量管理サーバ3から送信される投入実績情報を取得する(ステップS116)。ここで、投入実績取得部419は、投入実績情報を取得すると、取得した投入実績情報を投入実績記憶部437に記憶させる。その後、モデル生成部420は、過去の前述の第2期間における有機物含有製品の販売量実績と、過去の処理スケジュール生成時期から前述の第1期間の始期までの間における有機排気物の亜臨界水処理装置1への投入量の実績と、に基づいて、前述の第2学習済モデルを生成し、生成した第2学習済モデルを示す情報でモデル記憶部433が記憶する第2学習済モデルを示す情報を更新する(ステップS117)。
次に、気象情報取得部411は、予め設定された第1学習済モデル更新時期が到来したか否かを判定する(ステップS118)。ここで、気象情報取得部411が、未だ第1学習済モデル更新時期が到来していないと判定すると(ステップS118:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、気象情報取得部411は、第1学習済モデル更新時期が到来したと判定すると(ステップS118:Yes)、前述の気象情報要求情報を気象サーバ5へ送信することにより(ステップS119)、気象サーバ5から送信される気象情報を取得する(ステップS120)。ここで、気象情報取得部411は、気象情報を取得すると、取得した気象情報から気象実績情報を抽出し、抽出した気象実績情報を気象情報記憶部431に記憶させる。
続いて、需要実績取得部412は、前述の需要実績情報要求情報を市場動向監視サーバ6へ送信することにより(ステップS121)、市場動向監視サーバ6から送信される需要実績情報を取得する(ステップS122)。ここで、需要実績取得部412は、需要実績情報を取得すると、取得した需要実績情報を需要実績記憶部432に記憶させる。その後、時期特定部413は、計時部408により計時される日時に基づいて、気象実績情報および需要実績情報に対応する過去の季節を特定する(ステップS123)。ここで、時期特定部413は、特定した季節を示す季節情報をモデル生成部420に通知する。
次に、モデル生成部420は、過去の処理スケジュール生成時期における気象条件の実績および季節と、過去の処理スケジュール生成時期に対応する前述の第1期間における固体生成物および液体生成物の需要量実績と、に基づいて、前述の第1学習済モデルを生成し、生成した第1学習済モデルを示す情報でモデル記憶部433が記憶する第1学習済モデルを示す情報を更新する(ステップS124)。その後、再びステップS101の処理が実行される。
以上説明したように、本実施の形態に係る有機廃棄物処理システムによれば、需要推定部414が、固体生成物および液体生成物それぞれの予め設定された第1時点よりも将来の予め設定された第1期間における予測需要量を推定する。そして、スケジュール生成部417が、予測需要量に基づいて、亜臨界水処理を開始する時期および亜臨界水処理における処理条件を示すスケジュール情報を生成する。これにより、将来の第1期間における固体生成物および液体生成物それぞれの需要量に応じてこれらの生成量を最適化することができるので、固体生成物および液体生成物それぞれの余剰在庫量を低減できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば需要推定部414が、前述の第1期間における気象条件、季節のみから、第1期間における固体生成物および液体生成物それぞれの予測需要量を推定するものであってもよい。この場合、第1学習済モデルとして、前述の第1期間における気象条件、季節のみから、固体生成物および液体生成物それぞれの第1期間における予測需要量を出力するモデルを採用すればよい。
以上、本発明の各実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態及び変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
本出願は、2021年6月11日に出願された日本国特許出願特願2021-120037号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2021-120037号の明細書、特許請求の範囲および図面全体を参照として取り込むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明は、有機廃棄物を亜臨界水処理することにより固体生成物と液体生成物とを生成する有機廃棄物処理システムに好適である。
【符号の説明】
【0010】
1:亜臨界水処理装置、3:投入量管理サーバ、4:制御装置、5:気象サーバ、6:市場動向監視サーバ、7:生産管理サーバ、11:圧力容器、11a:投入口、11b,22a,25a:取出口、14:ボイラ、16:処理物貯留槽、19:コントローラ、21:ポンプ、22:固液分離装置、24:加圧浮上処理装置、25:濾過装置、26:冷却装置、81:ルータ、82:データ回線終端装置、121:攪拌翼、122:攪拌翼駆動部、131:圧力調整弁、132,133:開閉弁、151:温度センサ、152:圧力センサ、231:凝集反応槽、232:タンク、401:CPU、402:主記憶部、403:補助記憶部、406:通信部、408:計時部、409:バス、411:気象情報取得部、412:需要実績取得部、413:時期特定部、414:需要推定部、415:生産状況取得部、416:投入量推定部、417:スケジュール生成部、418:指令部、419:投入実績取得部、420:モデル生成部、431:気象情報記憶部、432:需要実績記憶部、433:モデル記憶部、434:販売数量記憶部、435:処理条件記憶部、436:スケジュール記憶部、437:投入実績記憶部、NW1:広域ネットワーク、NW2:局所ネットワーク、PI111:水蒸気供給管、PI112:水蒸気排出管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8