(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】制御方法、制御装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20230616BHJP
G10L 13/02 20130101ALI20230616BHJP
【FI】
G06F3/16 680
G10L13/02 130A
(21)【出願番号】P 2021576423
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2021024664
(87)【国際公開番号】W WO2022215279
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2021066033
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】池内 大夢
(72)【発明者】
【氏名】大橋 由暉
(72)【発明者】
【氏名】松永 悟
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-224393(JP,A)
【文献】特開2016-134038(JP,A)
【文献】特開2016-081009(JP,A)
【文献】特開2015-225258(JP,A)
【文献】国際公開第2015/190562(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G10L 13/00-13/10
G10L 19/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一機器から提供される前記第一機器の動作に関する情報を取得し、
取得した前記情報に付与する優先度を、取得した前記情報の内容または属性に応じて決定し、
取得した前記情報に、決定された前記優先度を対応付けて記憶部に記憶し、
前記記憶部が記憶している前記情報のうち、より高い優先度が対応付けられている前記情報をより優先的に第二機器に送信することで、前記第二機器により音声出力させ、
前記情報を単一の前記第二機器により複数のユーザに対して音声出力させる場合には、
前記情報を単一の前記第二機器に送信し、前記第二機器に音声出力させたあと、さらに同一の前記情報を前記第二機器に送信し、前記第二機器に音声出力させることを前記複数のユーザの人数分の回数だけ順次繰り返して同一の前記情報を出力させる
制御方法。
【請求項2】
前記情報を前記第二機器に送信する際には、
前記第二機器が先にした音声出力を完了したことを示す完了通知を受信した場合に、前記情報を前記第二機器に送信する
請求項
1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記情報を記憶する際には、
取得した前記情報を、それぞれに優先度が対応付けられている複数のキューのうち、決定された前記優先度が対応付けられているキューに格納することで記憶し、
前記情報を送信する際には、
より高い優先度が対応付けられているキューに格納されている前記情報を、より優先的に送信する
請求項1
または2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記情報を前記第二機器に送信する際には、
前記第二機器が出力状態であるか否かを判定し、
前記第二機器が出力状態でないと判定した場合に、取得した前記情報を前記第二機器に送信する
請求項1~
3のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記情報を取得する際には、
情報提供サーバから提供される情報をさらに取得する
請求項1~
4のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記優先度を決定する際には、
取得した前記情報の内容または属性と、前記情報に付与すべき優先度とを対応付けている予め定められた対応情報を参照して、取得した前記情報に前記対応情報において対応付けられている前記優先度を、取得した前記情報に付与する優先度として決定する
請求項1~
5のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記対応情報に含まれる前記情報の内容または属性と、前記情報に付与すべき優先度との対応付けを調整する調整情報をユーザから受けた場合には、前記調整情報に応じて前記対応情報を調整し、
調整した後の前記対応情報を用いて、取得した前記情報に付与する優先度を決定する
請求項
6に記載の制御方法。
【請求項8】
前記情報を前記第二機器に送信する際には、
前記第二機器が音声出力をしているときに、前記情報を前記第二機器に送信することで、前記音声出力に割り込んで音声出力させる
請求項1~
3のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項9】
前記情報を複数の前記第二機器により単一のユーザに対して音声出力させる場合には、
複数の前記第二機器のそれぞれが出力状態であるか否かを判定し、複数の前記第二機器それぞれが出力状態でないと判定した場合に、前記情報を複数の前記第二機器それぞれに同じタイミングで送信することで、複数の前記第二機器それぞれにより同じタイミングで音声出力させる
請求項1~
8のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項10】
前記情報を単一の前記第二機器により複数のユーザに対して音声出力させる場合には、
(a)前記情報を単一の前記第二機器に、前記複数のユーザの人数分の回数の送信をすることで、単一の前記第二機器により前記複数のユーザの人数分の回数の音声出力をさせる、または、
(b)前記情報を単一の前記第二機器に一回送信することで、単一の前記第二機器により一回の音声出力をさせる
請求項
1に記載の制御方法。
【請求項11】
第一機器から提供される前記第一機器の動作に関する情報を取得する取得部と、
取得した前記情報に付与する優先度を、取得した前記情報の内容または属性に応じて決定し、取得した前記情報に、決定された前記優先度を対応付けて記憶部に格納する格納部と、
前記記憶部が記憶している前記情報のうち、より高い優先度が対応付けられている前記情報をより優先的に第二機器に送信することで、前記第二機器により音声出力させる出力制御部とを備え、
前記出力制御部は、前記情報を単一の前記第二機器により複数のユーザに対して音声出力させる場合には、前記情報を単一の前記第二機器に送信し、前記第二機器に音声出力させたあと、さらに同一の前記情報を前記第二機器に送信し、前記第二機器に音声出力させることを前記複数のユーザの人数分の回数だけ順次繰り返して同一の前記情報を出力させる
制御装置。
【請求項12】
請求項1~
10のいずれか1項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御方法、制御装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家電等の電子機器において、音声を出力(発話)する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、電子機器のユーザの属性情報と当該電子機器の属性情報との少なくとも一方に基づいて設定された特性情報に基づいて、当該電子機器が発話するための音声データを作成するサーバ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているサーバ装置を備えるシステムのように、例えば、電化製品等の情報を音声でユーザに通知するシステムがある。この種のシステムには、ユーザにとってより重要な情報をユーザに提供することが要求される。
【0006】
本開示は、より重要な情報を適切にユーザに通知する制御方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る制御方法は、第一機器から提供される前記第一機器の動作に関する情報を取得し、取得した前記情報に付与する優先度を、取得した前記情報の内容または属性に応じて決定し、取得した前記情報に、決定された前記優先度を対応付けて記憶部に記憶し、前記記憶部が記憶している前記情報のうち、より高い優先度が対応付けられている前記情報をより優先的に第二機器に送信することで、前記第二機器により音声出力させる制御方法である。
【0008】
上記態様によれば、制御方法は、第一機器から提供される情報を第二機器により音声出力する順序を、優先度を用いて制御するので、より重要な情報をより優先的に音声出力することができる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0009】
また、前記情報を記憶する際には、取得した前記情報を、それぞれに優先度が対応付けられている複数のキューのうち、決定された前記優先度が対応付けられているキューに格納することで記憶し、前記情報を送信することは、より高い優先度が対応付けられているキューに格納されている前記情報を、より優先的に送信してもよい。
【0010】
上記態様によれば、制御方法は、第一機器から提供される情報を第二機器により音声出力する順序を、優先度付きのキューの制御を用いて制御するので、より重要な情報をより優先的に音声出力することができる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0011】
また、前記情報を前記第二機器に送信する際には、前記第二機器が出力状態であるか否かを判定し、前記第二機器が出力状態でないと判定した場合に、取得した前記情報を前記第二機器に送信してもよい。
【0012】
上記態様によれば、制御方法は、第二機器が出力状態でないときに、第一機器から提供される情報を第二機器に送信して音声出力させる。これにより、第二機器が他の音声を出力しているときに第一機器から提供される情報を音声出力してしまうことでユーザが音声を明確に聴取できなくなることを、回避することができる。よって、制御方法は、より重要な情報をより適切にユーザに通知することができる。
【0013】
また、前記情報を前記第二機器に送信する際には、前記第二機器が先にした音声出力を完了したことを示す完了通知を受信した場合に、前記情報を前記第二機器に送信してもよい。
【0014】
上記態様によれば、制御方法は、完了通知の受信を用いて第二機器が出力状態でないことを判定することに基づいて、第一機器から提供される情報を第二機器に送信して音声出力させる。これにより、第二機器が他の音声を出力しているときに第一機器から提供される情報を音声出力してしまうことでユーザが音声を明確に聴取できなくなることを、より容易に回避することができる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切に、かつ、より容易に、ユーザに通知することができる。
【0015】
また、前記情報を取得する際には、情報提供サーバから提供される情報をさらに取得してもよい。
【0016】
上記態様によれば、制御方法は、第一機器から提供される情報に加えて、外部の情報提供サーバから提供される情報を第二機器により音声出力する順序を、優先度付きのキューの制御を用いて制御する。これにより、第一機器から提供される情報同士の優先度の差異だけでなく、情報提供サーバから提供される情報の優先度との差異も考慮して、より重要な情報をより優先的に音声出力することができる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0017】
また、前記優先度を決定する際には、取得した前記情報の内容または属性と、前記情報に付与すべき優先度とを対応付けている予め定められた対応情報を参照して、取得した前記情報に前記対応情報において対応付けられている前記優先度を、取得した前記情報に付与する優先度として決定してもよい。
【0018】
上記態様によれば、制御方法は、予め定められた対応情報を用いて、情報に付与する優先度を決定するので、優先度の決定をより容易に行うことができる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切に、かつ、より容易に、ユーザに通知することができる。
【0019】
また、前記対応情報に含まれる前記情報の内容または属性と、前記情報に付与すべき優先度との対応付けを調整する調整情報をユーザから受けた場合には、前記調整情報に応じて前記対応情報を調整し、調整した後の前記対応情報を用いて、取得した前記情報に付与する優先度を決定してもよい。
【0020】
上記態様によれば、制御方法は、ユーザから受けた調整情報に基づいて対応情報を調整するので、情報の重要さについてのユーザの考えを対応情報に反映させることができる。その結果、制御方法は、情報の重要さについてのユーザの考えに従って、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0021】
また、前記情報を前記第二機器に送信する際には、前記第二機器が音声出力をしているときに、前記情報を前記第二機器に送信することで、前記音声出力に割り込んで音声出力させてもよい。
【0022】
上記態様によれば、機器が音声出力をしている状態であっても、緊急性が比較的高い情報(例えば、緊急地震速報)を、緊急にユーザに通知することができる。よって、制御方法は、より重要な情報を、より適切にユーザに通知することができる。
【0023】
また、前記情報を複数の前記第二機器により単一のユーザに対して音声出力させる場合には、複数の前記第二機器のそれぞれが出力状態であるか否かを判定し、複数の前記第二機器それぞれが出力状態でないと判定した場合に、前記情報を複数の前記第二機器それぞれに同じタイミングで送信することで、複数の前記第二機器それぞれにより同じタイミングで音声出力させてもよい。
【0024】
上記態様によれば、制御方法は、情報を複数の機器により単一のユーザに対して音声出力させる場合に、複数の機器が同じタイミングで音声出力をするので、ユーザにとって情報が、2つではなく1つであることを明確に認識できる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0025】
また、前記情報を単一の前記第二機器により複数のユーザに対して音声出力させる場合には、(a)前記情報を単一の前記第二機器に、前記複数のユーザの人数分の回数の送信をすることで、単一の前記第二機器により前記複数のユーザの人数分の回数の音声出力をさせる、または、(b)前記情報を単一の前記第二機器に一回送信することで、単一の前記第二機器により一回の音声出力をさせてもよい。
【0026】
上記態様によれば、制御方法は、情報を単一の機器により複数のユーザに対して音声出力させる場合に、ユーザの人数分の音声出力を行うので、ユーザごとの音声出力であることを明確にすることができる。また、上記場合に、1回の音声出力を行うことで、ユーザに不快感またはストレスを感じさせることを回避し、また、機器の処理量の削減、および消費電力の削減に寄与し得る。よって、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0027】
また、本開示の一態様に係る制御装置は、第一機器から提供される前記第一機器の動作に関する情報を取得する取得部と、(a)取得した前記情報に付与する優先度を、取得した前記情報の内容または属性に応じて決定し、(b)取得した前記情報に、決定された前記優先度を対応付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶している前記情報のうち、より高い優先度が対応付けられている前記情報をより優先的に第二機器に送信することで、前記第二機器により音声出力させる出力制御部とを備える制御装置である。
【0028】
上記態様によれば、上記制御方法と同様の効果を奏する。
【0029】
また、本開示の一態様に係るプログラムは、上記の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0030】
上記態様によれば、上記制御方法と同様の効果を奏する。
【0031】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0032】
本開示によれば、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る発話システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る機器から提供される情報の例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る対応情報の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るキュー制御の方法を示す説明図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るキュー制御の例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る制御方法を示すフロー図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の変形例1に係る発話システムの構成と音声出力タイミングの第一例とを示す説明図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の変形例1に係る機器の動作に関する情報の通知先であるユーザを示す情報の第一例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、実施の形態の変形例1に係るユーザに音声出力をする機器を示す情報の第一例を示す説明図である。
【
図11】
図11は、実施の形態の変形例1に係る発話システムにおける音声出力タイミングの第二例を示す説明図である。
【
図12】
図12は、実施の形態の変形例1に係るユーザに音声出力をする機器を示す情報の第二例を示す説明図である。
【
図13】
図13は、実施の形態の変形例1に係る発話システムにおける音声出力タイミングの第三例を示す説明図である。
【
図14】
図14は、実施の形態の変形例1に係る機器の動作に関する情報の通知先であるユーザを示す情報の第二例を示す説明図である。
【
図15】
図15は、実施の形態の変形例1に係るユーザに音声出力をする機器を示す情報の第三例を示す説明図である。
【
図16】
図16は、実施の形態の変形例1に係る発話システムにおける音声出力タイミングの第四例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、本開示の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0035】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0036】
(実施の形態)
本実施の形態において、より重要な情報を適切にユーザに通知する発話システムおよび制御装置などについて説明する。
【0037】
図1は、本実施の形態に係る発話システム1の構成を示す模式図である。
【0038】
図1に示されるように、発話システム1は、制御装置10と、機器21、22および23(機器21等ともいう)と、機器31、32および33(機器31等ともいう)と、情報提供サーバ5とを備える。発話システム1が備える装置および機器は、ネットワーク(不図示)により通信可能に接続されている。
【0039】
発話システム1は、機器21、22または23の動作に関する情報を、制御装置10を介して、機器31、32または33による音声出力(つまり発話)によってユーザに通知するシステムである。機器21等の動作に関する情報は、例えば、機器21等がユーザに通知すべき情報である。機器21等の動作に関する情報は、具体的には、機器21等の動作に関する情報(例えば警告またはエラーを示す情報)、または、機器21等の推奨される使い方などを示す情報を含む。
【0040】
機器21等は、情報を送信する機器(より具体的には家電機器)である。機器21等は、動作に関する情報を制御装置10に送信する通信インタフェースを備える。機器21等は、第一機器に相当する。
【0041】
機器21は、例えば洗濯機である。機器21は、ユーザにより洗濯槽に投入された洗濯物を洗濯する。機器21は、例えば、洗濯が終了したときに、洗濯が終了したことを示す情報を、動作に関する情報としてユーザに通知する。また、洗濯の動作においてエラーが発生した時に、エラーが発生したことを示す情報を、動作に関する情報としてユーザに通知する。
【0042】
機器22は、例えば冷蔵庫である。機器22は、庫内を冷却された温度に維持し、ユーザにより庫内に配置された食品等を、冷却された温度で保管する。機器22は、例えば、冷蔵庫のドアが所定時間以上開いているときに、ドアが開いたままであることを示す情報を、動作に関する情報としてユーザに通知する。
【0043】
機器23は、例えばオーブンレンジである。機器23は、庫内に電磁波を照射、または、庫内をヒータで加熱することで庫内に配置された食品などを加熱する。機器23は、例えば、使用前に予熱が完了したときに予熱が完了したことを示す情報を、動作に関する情報としてユーザに通知する。
【0044】
なお、機器21等として3台の機器がある場合を例として説明するが、1以上であれば何台あってもよい。また、機器21等として、上記の他にも自律走行型掃除機(いわゆるロボット掃除機)、空気調和機または炊飯器などが利用され得る。
【0045】
機器31等は、機器21等の動作に関する情報等を制御装置10から取得し、音声として出力する機器である。上記情報は、機器21等から取得した情報そのものであってもよいし、その情報に対応する音声データであってもよい。上記情報が、機器21等から取得した情報そのものである場合、機器31等は、上記情報を取得した後に、上記情報を、上記情報に対応する音声データに変換する処理を行う。また、上記情報は、情報提供サーバ5から提供される情報を含み得る。機器31等は、上記情報を制御装置10から受信する通信インタフェースと、受信した情報に係る音声を出力するスピーカとを備える。機器31等は、第二機器に相当する。
【0046】
機器31は、例えば空気調和機である。機器31は、空気の温度または湿度を調整する。機器31は、スピーカを備えている。機器31は、機器31の動作に関する情報をスピーカにより音声で出力し、また、制御装置10による制御の下で機器21等の動作に関する情報をスピーカにより音声で出力する。
【0047】
機器32は、例えばテレビジョン受像機である。機器32は、放送波または通信データを受信し、受信した放送波または通信データに含まれている映像信号または音声信号に応じた映像または音声を出力する。機器32は、スピーカを備えている。機器32は、上記音声信号に応じた音声をスピーカにより出力し、また、制御装置10による制御の下で機器21等の動作に関する情報をスピーカにより音声で出力する。
【0048】
機器33は、例えば自律走行型掃除機である。機器33は、自律的に走行し床面上に存在するゴミを取り除くことで清掃をする。機器33は、スピーカを備えている。機器33は、機器33の動作に関する情報をスピーカにより音声で出力し、また、制御装置10による制御の下で機器21等の動作に関する情報をスピーカにより音声で出力する。
【0049】
なお、機器31等として3台の機器がある場合を例として説明するが、1以上であれば何台あってもよい。また、機器31等として、上記の他にもスピーカを搭載した機器(例えば、ペットカメラ、ドアフォン、または照明装置など)が利用され得る。
【0050】
情報提供サーバ5は、例えば、インターネットに接続された一般的な情報を提供するWebサーバであり、より具体的には、地震などの自然災害に関する情報または気象に関する情報などを提供するサーバを含む。情報提供サーバ5が情報を提供する態様は、自発的に情報を提供する態様(いわゆるput方式)でもよいし、制御装置10からの要求に応じて情報を提供する態様(いわゆるget方式)でもよい。例えば、緊急性が比較的高い情報、具体的には緊急地震速報または気象変動(例えば大雨など)に伴う通知は、put方式が利用され得る。また、例えば、緊急性が比較的低い情報、具体的には、当日の天気予報または荷物の配達予定に伴う通知は、get方式が利用され得る。なお、情報提供サーバ5は、必須ではない。
【0051】
制御装置10は、機器21等の動作に関する情報を取得し、その情報に対応する音声データを適切なタイミングで、機器31等のうちの適切な機器に送信する。送信された音声データは、機器31等によって音声出力されることで、ユーザに聴取されることが想定される。なお、制御装置10は、機器31等に備えられていてもよく、言い換えれば、機器31等が、制御装置10の機能を有していてもよい。
【0052】
以降において、制御装置10について詳細に説明する。
【0053】
図2は、本実施の形態に係る制御装置10の構成を示すブロック図である。
【0054】
図2に示されるように、制御装置10は、取得部11と、格納部12と、出力制御部13とを備える。制御装置10が備える機能部は、制御装置10が備えるプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))(不図示)が、メモリ(不図示)を用いて所定のプログラムを実行することで実現され得る。
【0055】
取得部11は、機器21等から提供される機器21等の動作に関する情報を取得する機能部である。取得部11は、さらに、情報提供サーバ5が提供する情報を取得してもよい。取得部11は、情報提供サーバ5が自発的に情報を提供する場合には、その提供された情報を取得する。また、取得部11は、情報提供サーバ5が要求に応じて情報を提供する場合には、要求を送信し、送信した要求に応じて情報提供サーバ5が提供をする情報を取得する。取得部11による要求の送信は、予め定められた時刻になされてもよい。
【0056】
格納部12は、取得部11が取得した情報をキュー16に格納する機能部である。キュー16は、記憶部の一例である。キュー16は、複数のキュー(後述)を有する。キューは、データ構造の一種であり、先に入力されたデータを先に出力するデータ構造(いわゆるFIFO(First In First Out))をいう。
【0057】
格納部12は、取得部11が取得した情報に付与する優先度を、その情報の内容または属性に応じて決定する。
【0058】
そして、格納部12は、その情報に、決定された優先度を対応付けて記憶部に格納する。具体的には、格納部12は、その情報を、それぞれに優先度が対応付けられている複数のキューのうち、その情報について決定された優先度が対応付けられているキューに格納することで、記憶する。
【0059】
格納部12は、情報の優先度を決定する際には、例えば、情報の内容または属性と、当該情報に付与すべき優先度とを対応付けている予め定められた対応情報15を参照して、取得した情報に対応情報15において対応付けられている優先度を、取得した情報に付与する優先度として決定する。情報の属性は、例えば、情報の送信元である装置または事業者である。ここでは、優先度が「高」、「中」および「低」の3段階である場合を例として説明するが、各優先度の名称は上記に限られない。また、優先度の段階の数は3に限られず、2以上であればいくつでもよい。
【0060】
なお、上記優先度より下位の優先度(サブ優先度ともいう)がさらに設定されてもよい。この場合、例えば、優先度「中」についての下位の優先度として例えば「A」、「B」および「C」の3段階のサブ優先度が設定されてもよい。この場合、対応情報15に含まれる優先度についての情報は、サブ優先度についての情報をも含む。
【0061】
なお、対応情報15は、ユーザにより調整されてもよい。具体的には、格納部12は、対応情報15に含まれる情報の内容または属性と、当該情報に付与すべき優先度との対応付けを調整する調整情報をユーザから受けてもよい。調整情報をユーザから受けた場合には、調整情報に応じて対応情報15を調整し、調整した後の対応情報15を用いて、取得した情報に付与する優先度を決定する。サブ優先度も優先度と同様にユーザにより調整されてもよい。
【0062】
出力制御部13は、格納部12に格納されている情報を機器31等に送信する機能部である。具体的には、出力制御部13は、格納部12から情報を取り出し、取り出した情報を機器31等に送信する。
【0063】
出力制御部13は、格納部12から情報を取り出すときには、記憶部が記憶している情報のうち、より高い優先度が対応付けられている情報をより優先的に取りだす。具体的には、出力制御部13は、格納部12から情報を取り出すときには、複数のキューのうち、より高い優先度が対応付けられているキューに格納されている情報を、より優先的に取り出す。出力制御部13が送信した情報は、機器31等に受信され、受信した機器31等により音声として出力される。言い換えれば、出力制御部13は、格納部12から取り出した情報を機器31等に送信することで、機器31等により音声出力させる。
【0064】
なお、出力制御部13は、機器31等が音声を出力している状態(出力状態ともいう)でないことを判定してから、情報を機器31等に送信してもよい。言い換えれば、出力制御部13は、情報を機器31等に送信する際には、機器31等が出力状態であるか否かを判定し、機器31等が出力状態でない(つまり、非出力状態である)と判定した場合に、情報を機器31等に送信する。この場合、出力制御部13は、機器31等が出力状態であるか否かを判断する機能を有していることを前提とする。例えば、出力制御部13は、機器31等に対して出力状態であるか否かを問い合わせ、問い合わせに対して出力状態であるか否かを示す情報を取得することで、機器31等が出力状態であるか否かを判断してもよい。また、機器31等が出力状態であるか否かを示す情報を自発的に送信する機能を有している場合には、出力制御部13は、上記情報を取得することで、機器31等が出力状態であるか否かを判断してもよい。
【0065】
また、機器31等が先にした音声出力を完了したことを示す通知(完了通知ともいう)を送信する機能を有している場合には、出力制御部13は、完了通知を受信したことで、機器31等が出力状態であるか否かを判断してもよい。その場合、出力制御部13は、機器31等に情報を出力してから、当該機器31等から完了通知を受信するまでの間は、機器31等が出力状態であると判定して、待機する。そして、完了通知を受信した場合に、機器31等が出力状態でないと判定して、情報を機器31等に送信する。以降では、出力制御部13が完了通知を用いて、機器31等に情報を送信する場合を説明する。
【0066】
なお、制御装置10は、機器21等から取得した情報を、当該情報を音声出力するための音声データに変換してもよい。ここでは、変換された音声データも情報と称する。なお、上記の変換処理は、取得部11、格納部12または出力制御部13によりなされてもよい。
【0067】
図3は、本実施の形態に係る機器21等から提供される情報の例を示す説明図である。
図3に示される情報は、洗濯機である機器31から提供される情報の例である。
【0068】
図3に示される情報に含まれる各エントリは、番号(#)、種別および内容を含む。
【0069】
番号は、当該エントリに付与された番号であり、識別子として機能し得る。
【0070】
種別は、当該エントリに示される情報の種別であり、例えば、「エラー」または「通知」を含み得る。
【0071】
内容は、当該エントリに示される情報の内容である。
【0072】
例えば、
図3に示されるエントリ#1は、種別が「エラー」であり、内容が「ドアがロックされていません」である。エントリ#1は、洗濯機のドアのロックがなされていないことを示すエラー情報である。
【0073】
また、
図3に示されるエントリ#2は、種別が「エラー」であり、内容が「排水できません」である。エントリ#2は、洗濯機の洗濯槽の排水がなされないことを示すエラー情報である。
【0074】
また、
図3に示されるエントリ#11は、種別が「通知」であり、内容が「洗濯が終了しました」である。エントリ#11は、洗濯機による選択が終了したことを示す通知情報である。
【0075】
機器21等は、機器21等の動作に関するエラー情報または通知情報が発生した場合に、
図3に示される内容を含む情報を制御装置10に送信する。制御装置10の取得部11は、機器21が送信した情報を受信する。なお、機器21等は、内容の代わりに番号を含む情報を制御装置10に送信してもよい。その場合、制御装置10は、
図3に示される各エントリを保有しており、機器21等が送信した番号に対応する内容を取得することを要する。
【0076】
なお、情報提供サーバ5から提供される情報も、
図3と同様の構成を有する。情報提供サーバ5から提供される情報における種別は、「災害」または「気象」などを含み得る。
【0077】
図4は、本実施の形態に係る対応情報の一例を示す説明図である。
図4に示される対応情報は、格納部12が情報についての優先度を決定するときに用いられる。
【0078】
図4に示される対応情報に含まれる各エントリは、情報に付与すべき優先度を示しており、言い換えれば、格納部12がどのような属性または種別を有する情報に、どの優先度を付与すべきかを示している。
【0079】
例えば、
図4に示される一番目のエントリは、送信元が情報提供サーバ5である情報であって、災害に関する情報(言い換えれば、種別が「災害」である情報)に付与すべき優先度が「高」であることを示している。
【0080】
また、二番目のエントリは、送信元が機器21等であるエラー情報(言い換えれば、種別が「エラー」である情報)に付与すべき優先度が「中」であることを示している。
【0081】
また、三番目のエントリは、送信元が機器21等である通知情報(言い換えれば、種別が「通知」である情報)に付与すべき優先度が「低」であることを示している。
【0082】
図5は、本実施の形態に係るキュー制御の方法を示す説明図である。
【0083】
キュー16は、それぞれ優先度「高」、「中」および「低」が対応付けられた複数のキュー16A、16Bおよび16Cを有する。上記の通り、格納部12は、対応情報15(
図4参照)を参照して情報に優先度を付与した後に、付与した優先度が対応付けられているキューに格納する。
【0084】
一例として、
図5には、「高」の優先度を有する情報41がキュー16Aに格納され、「中」の優先度を有する情報42がキュー16Bに格納されている状態が示されている。
【0085】
この場合、出力制御部13は、情報41および42のうち、より高い優先度(つまり「高」)が対応付けられているキュー16Aに格納されている情報である情報41を取り出して機器31等に送信する。次に、出力制御部13は、キュー16に残存している情報42(つまり、キュー16Bに格納されている情報42)を取り出して機器31等に送信する。
【0086】
以降において、出力制御部13がキュー16から情報を取り出して機器31に送信する場合のより詳細な例を説明する。
【0087】
図6は、本実施の形態に係るキュー制御の例を示す説明図である。ここでは、取得部11が、優先度が「中」である情報43、優先度が「高」である情報44、および、優先度が「低」である情報45をこの順で順次に取得するとする。
【0088】
まず、
図6の(a)において、格納部12がキュー16Bに情報43を格納する。出力制御部13は、キュー16Bから情報43を取り出して機器31に送信する。機器31は、情報43を受信して音声として出力する。
【0089】
次に、
図6の(b)において、機器31が情報43を音声として出力している間に、格納部12がキュー16Aに情報44を格納し、また、キュー16Cに情報45を格納する。
【0090】
次に、
図6の(c)において、出力制御部13は、機器31から、情報43の音声出力を完了したことを示す完了通知を受信する。出力制御部13は、完了通知を受信したことに応じて、情報44および45のうち、より高い優先度(つまり「高」)が対応付けられているキューに格納されている情報である情報44を取り出して機器31に送信する。
【0091】
次に、
図6の(d)において、出力制御部13は、機器31から、情報44の音声出力を完了したことを示す完了通知を受信する。出力制御部13は、完了通知を受信したことに応じて、情報45を取り出して機器31に送信する。
【0092】
このようにして、制御装置10は、複数の情報43、44および45を、その情報の種別に対応する優先度に基づく適切な順序で機器31により音声として出力する。
【0093】
以上のように構成された制御装置10が行う処理(制御方法ともいう)について説明する。
【0094】
図7は、本実施の形態に係る制御方法を示すフロー図である。
【0095】
ステップS1において、取得部11は、機器21等の動作に関する情報を取得する。
【0096】
ステップS2において、格納部12は、ステップS1で取得した情報に付与する優先度を決定する。
【0097】
ステップS3において、格納部12は、ステップS2で決定した優先度が対応付けられているキューに、ステップS1で取得した情報を格納する。ステップS3の処理は、格納部12がステップS2で決定した優先度を、ステップS1で取得した情報に対応付けて記憶部に記憶する処理に相当する。
【0098】
ステップS4において、格納部12は、格納部12が有するキューから情報を取り出す。このとき、格納部12は、より高い優先度が対応付けられているキューに格納されている情報をより優先的に取り出す。ステップS4の処理は、格納部12が、記憶部が記憶している情報のうち、より高い優先度が対応付けられている情報をより優先的に取り出す処理に相当する。
【0099】
ステップS5において、出力制御部13は、ステップS4で取り出した情報を機器31等に送信することで、機器31等により音声出力させる。
【0100】
図7に示される一連の処理を実行することで、制御装置10は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0101】
(実施の形態の変形例)
本変形例において、より重要な情報を適切にユーザに通知する発話システムおよび制御装置などについて、処理のバリエーションを説明する。
【0102】
ここでは、発話システム1が複数の機器31等を用いて複数のユーザに対して音声出力をする場合の構成を説明する。具体的には、(1)1つの機器が1人のユーザに通知し、別の1つの機器が別の1人のユーザに通知をする場合、および、(2)1つの機器が1人のユーザに通知し、かつ、2つの機器が別の1人のユーザに通知をする場合を説明する。
【0103】
(1)1つの機器が1人のユーザに通知し、別の1つの機器が別の1人のユーザに通知をする場合
図8は、本変形例に係る発話システム1の構成と音声出力タイミングの第一例とを示す模式図である。
図9は、本変形例に係る機器の動作に関する情報の通知先であるユーザを示す情報の例を示す説明図である。
図10は、本変形例に係るユーザに音声出力をする機器を示す情報の第一例を示す説明図である。
【0104】
図8に示されるように、発話システム1は、機器21の動作に関する情報を機器31によりユーザUに対する音声出力により通知し、かつ、機器22の動作に関する情報を機器32によりユーザVに対する音声出力により通知する。
【0105】
出力制御部13は、上記実施の形態の出力制御部13と同様に、格納部12から情報を取り出し、取り出した情報を機器31等に送信する。出力制御部13は、このとき、情報をどのユーザに音声出力するかを考慮して、情報を機器31等に送信するタイミングを制御する。
【0106】
出力制御部13は、機器21等の動作に関する情報をどのユーザに対して音声出力によって通知するかを示す設定情報(
図9参照)と、取得部11が取得した情報をどの機器の音声出力によってユーザに通知するかを示す設定情報(
図10参照)を有している。
図9および
図10に示される設定情報は、例えば、ユーザUおよびV自身により予めなされたものである。
【0107】
図9に示される設定情報では、機器21の動作に関する情報の通知先がユーザUであり、機器22の動作に関する情報の通知先がユーザVであることが設定されている。
【0108】
図10に示される設定情報では、ユーザUに音声出力を行う機器が機器31であり、ユーザVに音声出力を行う機器が機器32であることが設定されている。
【0109】
この場合において、機器21が送信した機器21の動作に関する情報41と、機器22が送信した機器22の動作に関する情報42とが、この順に格納部12(例えばキュー16B)に格納された場合の動作を説明する。なお、情報41および42は、どの優先度のキューに格納された場合でも、下記の説明が成立する。
【0110】
出力制御部13は、情報41が格納部12に格納された時点で、キュー16Bから情報41を取り出す。出力制御部13は、
図9に示される設定情報を参照し、情報41の送信元が機器21であることに基づいて当該情報の通知先がユーザUであることを取得する。また、出力制御部13は、
図10に示される設定情報を参照し、通知先がユーザUである情報は、機器31によって音声出力することを取得する。その結果、出力制御部13は、情報41を機器31に送信し、機器31により音声出力させる。機器31により音声出力された情報41は、ユーザUにより聴取されることが想定される。
【0111】
次に、出力制御部13は、情報42が格納部12に格納された時点で、キュー16Bから情報42を取り出す。出力制御部13は、
図9に示される設定情報を参照し、情報42の送信元が機器22であることに基づいて当該情報の通知先がユーザVであることを取得する。また、出力制御部13は、
図10に示される設定情報を参照し、通知先がユーザVである情報は、機器32によって音声出力することを取得する。その結果、出力制御部13は、情報42を機器32に送信し、機器32により音声出力させる。機器32により音声出力された情報42は、ユーザUにより聴取されることが想定される。
【0112】
機器32による音声出力は、機器31による音声出力が行われている間に行われてもよい。
【0113】
このようにすることで、1つの機器が1人のユーザに通知し、別の1つの機器が別の1人のユーザに通知をすることが、適切になされる。
【0114】
(2)1つの機器が1人のユーザに通知し、かつ、2つの機器が別の1人のユーザに通知をする場合
図11は、本変形例に係る発話システム1における音声出力タイミングの第二例を示す説明図である。
図12は、本変形例に係るユーザに音声出力をする機器を示す情報の第二例を示す説明図である。
【0115】
図11の(a)および(b)に示されるように、発話システム1は、機器21の動作に関する情報を機器31によりユーザUに対する音声出力により通知し、かつ、機器22の動作に関する情報を機器31および32によりユーザVに対する音声出力により通知する。
【0116】
図12に示されるように、ユーザVに音声出力を行う機器は機器31及び32であることが設定されている。ユーザUに音声出力を行う機器は、上記(1)の場合と同様に機器31である。また、機器21等の動作に関する情報をどのユーザに対して音声出力によって通知するかを示す設定情報(
図9参照)は、上記(1)の場合と同様である。
【0117】
図11の(a)に示されるように、出力制御部13は、情報41が格納部12に格納された時点で、格納部12から情報41を取り出し、情報41を機器31に送信し、機器31により音声出力させる。機器31により音声出力された情報41は、ユーザUにより聴取されることが想定される。
【0118】
次に、
図11の(b)に示されるように、出力制御部13は、情報42が格納部12に格納された時点で、格納部12から情報42を取り出す。出力制御部13は、
図9に示される設定情報を参照し、情報42の送信元が機器22であることに基づいて当該情報の通知先がユーザVであることを取得する。また、出力制御部13は、
図10に示される設定情報を参照し、通知先がユーザVである情報は、機器31および32によって音声出力することを取得する。
【0119】
ここで、出力制御部13は、機器31が情報41の音声出力をしているときには、情報42を機器31および32に送信することを制限し、待機する。仮に情報42を機器31および32に送信するとすれば、機器31が情報41の音声出力をしているときにさらに情報42の音声出力もすることになり、ユーザUおよびVが情報41および42を明確に聴取することができないからである。また、機器31が情報41の音声出力後に情報42の音声出力をするとすれば、情報42を受信した後すぐに音声出力をする機器32と、機器31との音声出力のタイミングがずれてしまうからである。機器32と機器31との音声出力のタイミングのずれがあると、ユーザVにとって情報42が1つの情報であるのか、2つの情報であるのかの区別がつかなくなり、言い換えれば、エラーまたは通知が1回あったのか、同じ内容のエラーまたは通知が2回あったのかの区別がつかなくなる弊害がある。機器32と機器31との音声出力のタイミングが同じであれば、ユーザVにとって情報42が1つの情報であることが明確に認識できる。
【0120】
出力制御部13は、そして、機器31が情報41の音声出力を完了したことを示す完了通知を受信すると、機器31および32に対して同じタイミングで情報42を送信する。これにより、出力制御部13は、機器31および32により同じタイミングで情報42を音声出力させる。
【0121】
このようにすることで、1つの機器が1人のユーザに通知し、かつ、2つの機器が別の1人のユーザに通知をすることが、適切になされる。
【0122】
なお、発話システム1は、単一の機器21が送信する、機器21の動作に関する情報を、単一の機器31によって複数のユーザに音声出力する場合に、同一の音声を2回出力することもできるし、同一の音声の出力を抑制して1回にすることもできる。
【0123】
言い換えれば、制御装置10は、情報を単一の機器21により複数のユーザに対して音声出力させる場合には、(a)情報を単一の機器21に、複数のユーザの人数分の回数の送信をすることで、単一の機器21により複数のユーザの人数分の回数の音声出力をさせてもよいし、(b)情報を単一の機器21に一回送信することで、単一の機器21により一回の音声出力をさせてもよい。
【0124】
以降において、具体的に説明する。
【0125】
図13は、本変形例に係る発話システム1の構成と音声出力タイミングの第三例を示す説明図である。
図14は、本変形例に係る機器の動作に関する情報の通知先であるユーザを示す情報の第二例を示す説明図である。
図15は、本変形例に係るユーザに音声出力をする機器を示す情報の第三例を示す説明図である。
【0126】
図14に示される設定情報では、機器21の動作に関する情報を通知する宛先はユーザUおよびVであることが設定されている。
【0127】
図15に示される設定情報では、ユーザUに音声出力を行う機器、および、ユーザVに音声出力を行う機器が、ともに機器31であることが設定されている。
【0128】
図13に示されるように、出力制御部13は、情報41が格納部12に格納された時点で、格納部12から情報41を取り出し、ユーザUに音声出力するために情報41を機器31に送信し、機器31により音声出力させる。機器31により音声出力された情報41は、ユーザUにより聴取されることが想定される。
【0129】
その後、出力制御部13は、上記情報41を、ユーザVに音声出力するために機器31に送信し、機器31により音声出力させる。機器31により音声出力された情報41は、ユーザVにより聴取されることが想定される。
【0130】
このようにすることで、発話システム1は、機器21の動作に関する情報をユーザUおよびVそれぞれのために1回音声出力するので、ユーザごとの音声出力であることを明確にすることができる。
【0131】
また、出力制御部13は、
図14および
図15それぞれに示される設定情報を参照することで、上記設定情報の下で機器21が動作に関する情報を送信すると、機器31が同一の音声出力を2回することになることを事前に判断することができる。例えば、出力制御部13は、
図14に基づいて機器21の動作に関する情報をユーザUおよびVの2人に通知すべきことがわかり、そのユーザUおよびVに通知する機器が同一の機器31であることから、機器31が同一の音声出力を2回することになることを事前に判断することができる。
【0132】
図16は、本変形例に係る発話システム1における音声出力タイミングの第四例を示す説明図である。
【0133】
図16に示されるように、出力制御部13は、機器31が同一の音声出力を2回することになることを判断した場合には、その2回の音声出力のうちの1回を抑制し、1回の音声出力だけにする。機器31により音声出力された情報41は、ユーザUおよびVの両方により聴取されることが想定される。
【0134】
このようにすることで、同一の音声出力を2回行うことを回避することができ、機器31の処理量の削減、および、消費電力の削減に寄与する。
【0135】
なお、上記では、出力制御部13が、機器31等が出力状態であるか否かを、完了通知を用いて判断する場合を例として説明したが、これに限られない。出力制御部13は、機器31等が出力状態であるときに、情報を機器31等に送信してもよい。この場合、機器31は、出力状態、つまり、実行している音声出力に割り込んで、送信された情報の音声出力をする。これにより、制御装置10は、機器31等が音声出力をしている状態であっても、緊急性が比較的高い情報(例えば、緊急地震速報)を、緊急にユーザに通知することができる。
【0136】
以上のように、実施の形態および変形例の制御方法は、第一機器から提供される情報を第二機器により音声出力する順序を、優先度付きのキューの制御を用いて制御するので、より重要な情報をより優先的に音声出力することができる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0137】
また、制御方法は、第二機器が出力状態でないときに、第一機器から提供される情報を第二機器に送信して音声出力させる。これにより、第二機器が他の音声を出力しているときに第一機器から提供される情報を音声出力してしまうことでユーザが音声を明確に聴取できなくなることを、回避することができる。よって、制御方法は、より重要な情報をより適切にユーザに通知することができる。
【0138】
また、制御方法は、完了通知の受信を用いて第二機器が出力状態でないことを判定することに基づいて、第一機器から提供される情報を第二機器に送信して音声出力させる。これにより、第二機器が他の音声を出力しているときに第一機器から提供される情報を音声出力してしまうことでユーザが音声を明確に聴取できなくなることを、より容易に回避することができる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切に、かつ、より容易に、ユーザに通知することができる。
【0139】
また、制御方法は、第一機器から提供される情報に加えて、外部の情報提供サーバから提供される情報を第二機器により音声出力する順序を、優先度付きのキューの制御を用いて制御する。これにより、第一機器から提供される情報同士の優先度の差異だけでなく、情報提供サーバから提供される情報の優先度との差異も考慮して、より重要な情報をより優先的に音声出力することができる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0140】
また、制御方法は、予め定められた対応情報を用いて、情報に付与する優先度を決定するので、優先度の決定をより容易に行うことができる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切に、かつ、より容易に、ユーザに通知することができる。
【0141】
また、制御方法は、ユーザから受けた調整情報に基づいて対応情報を調整するので、情報の重要さについてのユーザの考えを対応情報に反映させることができる。その結果、制御方法は、情報の重要さについてのユーザの考えに従って、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0142】
また、制御方法は、機器が音声出力をしている状態であっても、緊急性が比較的高い情報(例えば、緊急地震速報)を、緊急にユーザに通知することができる。よって、制御方法は、より重要な情報を、より適切にユーザに通知することができる。
【0143】
また、制御方法は、情報を複数の機器により単一のユーザに対して音声出力させる場合に、複数の機器が同じタイミングで音声出力をするので、ユーザにとって情報が、2つではなく1つであることを明確に認識できる。よって、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0144】
また、制御方法は、情報を単一の機器により複数のユーザに対して音声出力させる場合に、ユーザの人数分の音声出力を行うので、ユーザごとの音声出力であることを明確にすることができる。また、上記場合に、1回の音声出力を行うことで、処理量の削減、および消費電力の削減に寄与し得る。よって、制御方法は、より重要な情報を適切にユーザに通知することができる。
【0145】
また、実施の形態および変形例の制御装置は、上記制御方法と同様の効果を奏する。
【0146】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態および変形例を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0147】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0148】
また、上述の実施の形態および変形例は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本開示は、音声を出力可能な機器を制御する装置に適用できる。
【符号の説明】
【0150】
1 発話システム
5 情報提供サーバ
10 制御装置
11 取得部
12 格納部
13 出力制御部
15 対応情報
16、16A、16B、16C キュー
21、22、23、31、32、33 機器
41、42、43、44、45 情報
U、V ユーザ