(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】波長ビーム結合共振器のアライメントのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01S 3/23 20060101AFI20230616BHJP
H01S 5/14 20060101ALI20230616BHJP
H01S 5/40 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
H01S3/23
H01S5/14
H01S5/40
(21)【出願番号】P 2021543404
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(86)【国際出願番号】 US2020014946
(87)【国際公開番号】W WO2020159820
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-09-22
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ビエン
(72)【発明者】
【氏名】ノヴァク,クシシュトフ ミハウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ワン-ロン
(72)【発明者】
【氏名】ビジャレアル-サウセド,フランシスコ
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0331245(US,A1)
【文献】特開2016-111339(JP,A)
【文献】特開平04-120780(JP,A)
【文献】特開2006-337923(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0003484(US,A1)
【文献】特表2013-521667(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0067611(US,A1)
【文献】特表2018-529217(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0199389(US,A1)
【文献】特開平01-218786(JP,A)
【文献】特開2001-044532(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1399985(KR,B1)
【文献】特開2007-317871(JP,A)
【文献】特開2012-142432(JP,A)
【文献】特開2013-012920(JP,A)
【文献】特開昭61-275871(JP,A)
【文献】特開2010-171375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アライメント可能なレーザーシステムであって、
(i)複数の入力ビームを放射する複数のビームエミッタと、(ii)前記複数の入力ビームを操作する複数の光学素子と、(iii)ビーム出力と、を含み、波長ビーム結合(WBC)次元に沿って前記複数の入力ビームを空間的に重ね合わせ、結果として得られた出力ビームを前記ビーム出力から出力するよう構成されたレーザー共振器と、
前記複数のビームエミッタから放射された前記複数の入力ビームの画像を生成するビームプロファイラを含むアライメントシステムと、
を備
え、
前記アライメントシステムは、
前記出力ビームを受信し、前記出力ビームを分散して前記WBC次元で複数の分散ビームを生成する、分散素子と、
前記ビーム出力の光学的下流かつ前記ビームプロファイラの光学的上流に配置され、前記WBC次元に垂直な非WBC次元に屈折力を有する第1レンズと、
前記分散素子の光学的下流かつ前記ビームプロファイラの光学的上流に配置され、前記WBC次元に屈折力を有し、前記ビームプロファイラで前記複数の分散ビームを集束する、第2レンズと、
を含み、
前記ビームプロファイラは、前記複数の分散ビームを受信し、前記ビームプロファイラにより受信された前記複数の分散ビームの相対位置の画像を生成するよう構成される、
レーザーシステム。
【請求項2】
さらに、前記光学素子を調整して、前記ビームプロファイラにより生成された画像に少なくとも基づいて前記複数の入力ビームをアラインするコントローラ、を備える、
請求項1に記載のレーザーシステム。
【請求項3】
前記光学素子は、1つまたは複数のインターリーバミラー、および/または1つまたは複数のコリメーションレンズ、を含む、
請求項2に記載のレーザーシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、1つまたは複数の前記インターリーバミラーを傾斜させること、および/または1つまたは複数の前記コリメーションレンズを平行移動することにより、前記光学素子を調整するよう構成される、
請求項3に記載のレーザーシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの前記コリメーションレンズは、スロー軸コリメーションレンズである、
請求項3に記載のレーザーシステム。
【請求項6】
前記レーザー共振器は、
多波長ビームを形成するために前記複数の入力ビームを受信し波長分散する分散素子と、
(i)出力ビームとして前記多波長ビームの第1部分を送信し、(ii)前記多波長ビームの第2部分を反射して前記分散素子に戻す、部分反射出力カプラと、
を含む、
請求項1に記載のレーザーシステム。
【請求項7】
前記レーザー共振器は、前記複数のビームエミッタのそれぞれに関連して、
ファスト軸コリメータと、
約90度のビーム回転を誘導する光ローテータと、
を含む、
請求項6に記載のレーザーシステム。
【請求項8】
前記分散素子は、回折格子を含む、
請求項6に記載のレーザーシステム。
【請求項9】
前記レーザー共振器は、
複数の第1コリメータであって、それぞれの第1コリメータが前記複数のビームエミッタの1つから1つまたは複数のビームを受信しコリメートする、複数の第1コリメータと、
複数のインターリーバであって、それぞれのインターリーバが前記複数の第1コリメータの1つから前記1つまたは複数のビームを受信する、複数のインターリーバと、
前記複数のインターリーバからのすべてのビームを受信し、前記複数のビームをコリメートし、前記分散素子に前記複数のビームを送信する、第2コリメータと、
を含む、
請求項6に記載のレーザーシステム。
【請求項10】
それぞれの前記第1コリメータは、スロー軸コリメーションレンズ、を含む、
請求項9に記載のレーザーシステム。
【請求項11】
前記レーザー共振器は、前記分散素子の光学的下流かつ前記部分反射出力カプラの光学的上流に配置された屈曲ミラー、を含む、
請求項6に記載のレーザーシステム。
【請求項12】
前記部分反射出力カプラは、前記ビーム出力である、
請求項6に記載のレーザーシステム。
【請求項13】
前記ビームプロファイラは、前記ビーム出力の光学的下流に配置される、
請求項1に記載のレーザーシステム。
【請求項14】
前記第1レンズは、(i)前記ビームプロファイラを介してファーフィールド画像を生成するための前記出力ビームの経路内の第1位置と、(ii)前記ビームプロファイラを介してニアフィールド画像を生成するための前記出力ビームの経路外の第2位置と、の間で移動可能である、
請求項
1に記載のレーザーシステム。
【請求項15】
前記アライメントシステムは、第3レンズ、を含み、
前記第3レンズの焦点距離は、前記第1レンズの焦点距離よりも小さく、
前記第1レンズと前記第3レンズとは、前記出力ビームの経路内で交換可能であり、(i)前記第1レンズが前記出力ビームの経路内にある場合に、前記ビームプロファイラを介してファーフィールド画像が生成され、(ii)前記第3レンズが前記出力ビームの経路内にある場合に、前記ビームプロファイラを介してニアフィールド画像が生成される、
請求項
1に記載のレーザーシステム。
【請求項16】
前記アライメントシステムは、前記ビーム出力の光学的下流かつ前記第1レンズの光学的上流に配置された第3レンズ、を含む、
請求項
1に記載のレーザーシステム。
【請求項17】
前記第3レンズの焦点距離は、前記第1レンズの焦点距離よりも小さい、
請求項
16に記載のレーザーシステム。
【請求項18】
前記第3レンズは、(i)前記ビームプロファイラを介してニアフィールド画像を生成するための前記出力ビームの経路内の第1位置と、(ii)前記ビームプロファイラを介してファーフィールド画像を生成するための前記出力ビームの経路外の第2位置と、の間で移動可能である、
請求項
16に記載のレーザーシステム。
【請求項19】
前記アライメントシステムは、前記ビーム出力の光学的下流に配置されたビームローテータ、を含む、
請求項
1に記載のレーザーシステム。
【請求項20】
前記ビームローテータは、前記出力ビームを約90度回転させるよう構成される、
請求項
19に記載のレーザーシステム。
【請求項21】
前記ビームローテータは、(i)2つの共焦点シリンドリカルレンズ、(ii)ダブプリズム、または(iii)2つのリフレクタ、を含む、
請求項
19に記載のレーザーシステム。
【請求項22】
波長ビーム結合(WBC)次元に沿って複数の入力ビームを空間的に重ね合わせ、結果として得られた出力ビームをビーム出力から出力するレーザー共振器とともに使用するためのアライメントの方法であって、前記レーザー共振器は、前記複数の入力ビームを操作する複数の光学素子を含み、
方法は、
ビームプロファイラを用いて、(i)前記複数の入力ビームのニアフィールド画像、または(ii)前記複数の入力ビームのファーフィールド画像、のうち少なくとも一方を生成するステップと、
前記複数の入力ビームの1つが前記ニアフィールド画像または前記ファーフィールド画像のうち少なくとも一方でずれている場合に、1つまたは複数の前記光学素子を調整して前記複数の入力ビームをアラインするステップと、
前記ニアフィールド画像または前記ファーフィールド画像のうち少なくとも一方を生成する前に、(i)前記出力ビームを波長分散してWBC次元で複数の分散ビームを生成するステップと、(ii)前記ビームプロファイラに向かって前記複数の分散ビームを集束するステップと、
を含む、
方法。
【請求項23】
前記ニアフィールド画像と前記ファーフィールド画像との両方が生成される、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ニアフィールド画像と前記ファーフィールド画像とは、順次生成される、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ニアフィールド画像と前記ファーフィールド画像とは、同時に生成される、
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記光学素子は、1つまたは複数のインターリーバミラー、および/または1つまたは複数のコリメーションレンズ、を含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項27】
1つまたは複数の前記光学素子を調整することは、1つまたは複数の前記インターリーバミラーを傾斜させること、および/または1つまたは複数の前記コリメーションレンズを平行移動させること、を含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1つの前記コリメーションレンズは、スロー軸コリメーションレンズである、
請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ファーフィールド画像を生成することは、前記出力ビームの経路内に第1レンズを配置することを含み、
前記ニアフィールド画像を生成することは、前記出力ビームの経路から前記第1レンズを除去することを含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記ファーフィールド画像を生成することは、前記出力ビームの経路内に第1レンズを配置することを含み、
前記ニアフィールド画像を生成することは、前記第1レンズを前記第1レンズの焦点距離よりも小さい焦点距離を有する第2レンズと交換することを含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記ニアフィールド画像を生成することは、前記出力ビームの経路内に第1レンズおよび第2レンズを配置することを含み、
前記ファーフィールド画像を生成することは、前記出力ビームの経路から前記第2レンズを除去することを含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記第2レンズは、前記第1レンズの焦点距離よりも小さい焦点距離を有する、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ファーフィールド画像を生成することは、前記出力ビームの第1部分を第1レンズに向けることを含み、
前記ニアフィールド画像を生成することは、前記出力ビームの第2部分を第2レンズに向けることを含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項34】
さらに、前記ニアフィールド画像または前記ファーフィールド画像のうち少なくとも一方を生成する前に、前記出力ビームを回転させるステップ、を含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項35】
前記レーザー共振器は、
前記複数の入力ビームを受信して波長分散し、それにより多波長ビームを形成する分散素子と、
(i)前記出力ビームとして前記多波長ビームの第1部分を送信し、(ii)前記多波長ビームの第2部分を反射して前記分散素子に戻す、部分反射出力カプラと、
を含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項36】
前記レーザー共振器は、(i)前記複数の入力ビームを放射するよう構成された複数のビームエミッタ、および、(ii)前記複数のビームエミッタのそれぞれに関連した、ファスト軸コリメータおよび約90度のビーム回転を誘導する旋回子、を含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記分散素子は、回折格子を含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記複数の光学素子は、
複数の第1コリメータであって、それぞれの第1コリメータが1つまたは複数の入力ビームを受信してコリメートする、複数の第1コリメータと、
複数のインターリーバであって、それぞれのインターリーバが1つの前記第1コリメータから前記1つまたは複数の入力ビームを受信する、複数のインターリーバと、
前記複数のインターリーバからすべての前記入力ビームを受信して、前記入力ビームをコリメートし、前記入力ビームを前記分散素子に送信する第2コリメータと、
を含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項39】
それぞれの前記第1コリメータは、スロー軸コリメーションレンズを含む、
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記レーザー共振器は、前記分散素子の光学的下流かつ前記部分反射出力カプラの光学的上流に配置された屈曲ミラー、を含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記部分反射出力カプラは、前記ビーム出力である、
請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記ビームプロファイラは、前記ビーム出力の光学的下流に配置される、
請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年1月28日に出願された米国仮特許出願第62/797,438号の利益および優先権を主張するものであり、その開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
様々な実施の形態において、本発明は、レーザーシステム、特に、複数のビームエミッタを有するレーザーシステムのアライメントのための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
高出力レーザーシステムは、溶接、切断、穴あけ、および材料加工などの多くの異なる用途に使用されている。このようなレーザーシステムには、一般的に、レーザー光を光ファイバー(または単に「ファイバー」)に結合するレーザーエミッタと、ファイバーからのレーザー光を加工対象物に集束する光学系と、が含まれる。レーザーシステムの光学系は、通常、最高品質のレーザービームを生成するよう、言い換えると、最も低いビームパラメータ積(BPP)のビームを生成するよう設計される。BPPは、レーザービームの発散角(半角)とビームの最も狭い点(すなわち、ビームウエスト、最小スポット径)の半径との積である。つまり、Dを焦点スポット(ウエスト)直径、NAを開口数、とすると、BPP=NA×D/2である。したがって、NAおよび/またはDを変化させることによりBPPを変化させることができる。BPPはレーザービームの品質と小さなスポットへの集束性とを数値化したものであり、一般的に、ミリメートル-ミリラジアン(mm-mrad)の単位で表される。ガウスビームは、レーザー光の波長を円周率(pi)で除算することで得られる、取り得る最低のBPPを有する。同じ波長での理想的なガウスビームのBPPに対する実際のビームのBPPの比率はM2で表され、これは、波長に依存しないビーム品質の基準である。
【0004】
波長ビーム結合(WBC)は、レーザーダイオード、レーザーダイオードバー、ダイオードバーのスタック、または1次元または2次元アレイに配置された他のレーザーからの出力パワーと輝度をスケーリング(scaling)する技術である。WBCの方法は、エミッタアレイの1つまたは両方の次元に沿ってビームを結合するために開発された。一般的なWBCシステムは、1つまたは複数のダイオードバーなどの複数のエミッタを含み、それらを組み合わせて分散素子を使用することにより多波長ビームを形成する。WBCシステムにおけるそれぞれのエミッタは、個別に共振し、ビーム結合次元に沿った分散素子によりフィルタリングされる共通の部分反射出力カプラからの波長固有のフィードバックを通して安定化される。例示的なWBCシステムは、2000年2月4日に出願された米国特許第6,192,062号、1998年9月8日に出願された米国特許第6,208,679号、2011年8月25日に出願された米国特許第8,670,180号、および、2011年3月7日に出願された米国特許第8,559,107号に詳述されており、それらの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0005】
様々なWBCレーザーシステムは、「WBC次元(WBC dimension)」と呼ばれる単一の方向または次元に沿って、複数のビームエミッタにより放射されたビームを結合する。したがって、WBCシステムまたは「共振器」は、WBC次元の同一平面に配置された様々な構成要素を備えていることが多い。ビームが結合されないWBC次元に垂直な次元は、一般的に「非WBC次元」と呼ばれる。
【0006】
上述の文献のいくつかに開示されているように、WBCレーザーシステムは、ダイオードバー、または他のマルチビームエミッタを備えていることが多く、その出力は、単一の出力ビームに結合される。一般的なWBC共振器は、分散素子と、下流側のフィードバック面と、を含み、これは、それぞれのエミッタをその対応するレージング波長に固定することにより共振器を安定させるために、それぞれの対応するエミッタにフィードバックビームを(例えば、反射により)提供する。WBC共振器を最適化するために、共振器で結合されたビームは、通常、WBC次元と非WBC次元との両方で、フィードバック面に対して垂直になるようアライン(align)される。
【0007】
有利なことに、共振器がWBC次元のフィードバック面に垂直な方向に伝播する異なる波長に単に固定するため、WBC共振器はWBC次元におけるある程度のずれ(misalignment)に対して自己適応できる場合が多い。新しいレージング波長がエミッタ利得曲線の実質的に平らな領域にあり、ずれが共振器内の光学系において顕著なパワークリッピング(power clipping)を引き起こさない場合、WBC次元におけるずれは、共振器のパワーおよび安定性に影響を与えないことが多い。
【0008】
しかし、非WBC次元でのWBC共振器のアライメントは、より困難である。WBC共振器は、実質的に多くの独立した単一ビーム共振器の集合体であるため、それぞれの単一ビーム共振器は、理想的には個別にアラインされる。特に、複数のエミッタが複数のダイオードバーまたは他のマルチエミッタソースであるシステムにおいて、WBC共振器のパフォーマンスは、個々のダイオードバーに対応する個々のサブ共振器のアライメントに依存する。したがって、特に非WBC次元において、WBC共振器およびそのビーム源の最適化されたアライメントを可能にするシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本発明の実施の形態によるシステムおよび技術は、複数のビームエミッタからの複数のビームを空間的に重ね合わせるレーザー共振器(例えば、WBC共振器)におけるエミッタのずれを検出して、ずれを軽減することができる。様々な実施の形態によると、共振器ビーム(例えば、WBC共振器ビーム)は、逆多重化され(de-multiplexed)、結果として得られたサブビームのニアフィールド画像およびファーフィールド画像がビームプロファイリングシステムを介して(順次にまたは同時に)生成される。結果として得られた画像は、レーザーシステムの1つまたは複数の光学素子の調整により低減され得る、または実質的に排除され得るビーム偏心およびポインティングエラーを明らかにする。例えば、インターリーバミラーを傾けたり、および/またはレンズ(例えば、SACレンズまたはスロー軸および/または非WBC次元でビームを調整する他のレンズ)を移動させたりして、個々のビームのアライメントを調整してもよい。
【0010】
本明細書で使用される場合、「ニアフィールド画像」はビーム出力(例えば、レーザー共振器の出力)におけるビームまたはサブビームの画像に相当する。通常、ニアフィールドにおいて、ビームは、比較的平行で、比較的大きいビームサイズを有する。様々な実施の形態において、ニアフィールド画像は、WBC次元(または、代替的に画像化に関する別の次元)に屈折力(optical power)を有するレンズを通さずに、ビームプロファイリングシステムへのビームまたはサブビームの投影により生成することができる。(様々な実施の形態において、そのようなビームまたはサブビームは、ニアフィールド画像を生成するために、WBC次元に屈折力を持たないレンズを通って伝播することがある。)他の実施の形態において、ニアフィールド画像は、ビームプロファイリングシステム上のイメージングレンズ(すなわち、WBC次元に屈折力を有し、その焦点距離に相当するビーム出力からの光学的距離に配置され得るレンズ)を用いて、ビーム出力におけるビームまたはサブビームを画像化することにより生成することができる。ニアフィールド画像は、ビーム出力におけるビームまたはサブビームの形状および大きさを監視および決定するために使用することができる。
【0011】
一方、「ファーフィールド画像」は、レンズ、例えば、ビーム出力の光学的下流に配置されたレンズの焦点面におけるビームまたはサブビームの画像に相当する。様々な実施の形態において、ファーフィールド画像は、レンズの焦点距離に相当するビームプロファイリングシステムからの光学的距離に配置されたレンズを用いて、ビームプロファイリングシステムにビームまたはサブビームを集束することにより生成することができる。ファーフィールド画像は、ビームポインティング(ビームプロファイリングシステムでのビームポジションに相当する)およびビームまたはサブビームの発散角(ビームプロファイリングシステムでのビームのサイズに相当する)を監視および決定するために使用することができる。
【0012】
本発明の様々な実施の形態によるアライメントシステムは、共振器の出力ビームの経路内外で出入り可能であってもよいが、必ずしもそうではない光学素子(例えば、レンズ、ビームスプリッタ、リフレクタ、および/またはビームローテータ)を特徴とする。光学素子、およびその配置および/または移動により、ビームプロファイリングシステムを用いてファーフィールド画像とニアフィールド画像との両方を生成することができる。また、ビームの経路に移動したビームローテータにより出力ビームを回転させることができるため、WBC次元および非WBC次元の両方でずれの検出および補正をすることができる。つまり、非回転ビームの逆多重化は、例えば非WBC次元におけるずれを検出するために使用することができ、回転ビームの逆多重化は、例えばWBC次元におけるずれを検出するために使用することができる。光学素子は、当技術分野で知られているように、機械化されたステージ、ジンバル、プラットフォーム、および/またはマウントを使用して移動可能(例えば、平行移動可能および/または傾斜可能)であってもよく、したがって、移動可能な光学素子要素の提供は、当業者により過度の実験をすることなく達成することができる。
【0013】
多くのレーザー共振器が、共振器出力で空間的に重ね合わせた個々のビームを使用するため、そのようなシステムのアライメントは、通常、一度に1つのエミッタ(例えば、ダイオードバー)の電源を入れる必要があり、その結果として得られたビーム(またはビームのセット)だけを調整して、ビームにより確立された結果として得られたサブ共振器を最適化する。一方、本発明の実施の形態では、空間的に重ね合わせたビームを有利に逆多重化して、1つまたは複数の、またはすべてのビームを同時にアラインすることができる。このように、本発明の実施の形態は、マルチエミッタレーザー共振器のより効率的なアライメントを可能にする。さらに、本発明の実施の形態では、アライメントのために単一のエミッタに個別に電力を供給する必要がないため、レーザー共振器の電力供給および電源スイッチング構成を簡素化することができる。
【0014】
本発明の実施の形態によるシステムおよび技術は、複数のビームエミッタとして複数のダイオードバーを含むWBC共振器において使用することができる。それぞれのビームエミッタは、対応するインターリーバミラーおよびスロー軸コリメーション(SAC)レンズを有し、すべてのエミッタからのビームは、光学的に下流で結合されて多波長出力ビームになってもよい。それぞれのダイオードバーは、ファスト軸コリメータおよび光ローテータ(または「光学ツイスタ」)と結合されてもよく、それらは、ビーム伝播方向に垂直な面で、ビームのファスト軸およびスロー軸を90度回転させる。そのようWBCシステムにおいて、ビームのスロー軸は、非WBC次元または光ローテータの光学的に下流の方向にある。したがって、単一のダイオードバーのエミッタはすべて、単一のSACレンズ(または「スロー軸コリメータ」)によりスロー軸にコリメートされてもよい。
【0015】
本発明の実施の形態は、例えば、非WBC次元でのWBCシステム内の分散素子の傾斜により、スロー軸ポインティングエラーを検出し補正するために利用することができる。これは、2019年10月10日に出願された米国特許出願第16/598,001号(’001出願)に詳述されており、その開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、本発明の実施の形態は、「階段状」の、すなわち、’001出願に詳述されているように、高さおよび/または位置が相対的に変化するSACレンズのアレイを使用してビームスミア(beam smear)を検出し、そしてそれを低減または実質的に排除するために利用することができる。
【0016】
本発明の実施の形態において、ビームエミッタ(または単に「エミッタ」)は、ダイオードレーザー、ファイバーレーザー、ファイバーピッグテールダイオードレーザー、などを含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよく、1次元または2次元アレイとして個別にまたはグループでパッケージ化されてもよい。様々な実施の形態において、エミッタまたはエミッタアレイは、それぞれのバーが複数の(例えば、数十の)エミッタを有する高出力ダイオードバーである。エミッタは、エミッタのコリメーションおよびビーム成形のためにそれに取り付けられたマイクロレンズを有していてもよい。通常共焦点で、エミッタと分散素子(例えば、回折格子)との間に配置された変換光学系は、異なるエミッタからの個々のビームをコリメートし、特に、WBC次元(すなわち、ビームが結合される次元、または方向)において、回折格子の中心に向かってビームのすべての主光線を集束させる。分散素子により回折されたメインビームは、部分反射出力カプラに伝播する。カプラは、個々のエミッタにフィードバックを提供し、分散素子を介して個々のエミッタの波長を定義する。つまり、カプラは個々のエミッタに様々なビームの一部を反射して戻し、それにより外部のレージングキャビティ(lasing cavity)を形成し、溶接、切断、機械加工、加工などの用途、および/または1つまたは複数の光ファイバーに結合するために組み合わされた多波長ビームを伝送する。
【0017】
本発明の様々な実施の形態は、その出力レーザービームのBPPを変化させる技術を特徴とするレーザーシステムで利用することができる。これは、2015年2月26日に出願された米国特許出願第14/632,283号、および2016年6月21日に出願された米国特許出願第15/188,076号に詳述されており、それらの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の実施の形態によるレーザーシステムはまた、電力および/またはスペクトル監視機能を含んでもよい。これは、2019年5月21日に出願された米国特許出願第16/417,861号に詳述されており、その開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
本明細書において、「光学素子」は、別段の指示がない限り、電磁放射を方向転換、反射、屈折、または任意の他の方法で光学的に操作する、レンズ、ミラー、プリズム、回折格子、ビームスプリッタなどのいずれかを指し得る。本明細書において、ビームエミッタ、エミッタ、またはレーザーエミッタ、またはレーザーは、半導体要素などの任意の電磁ビーム生成装置を含み、電磁ビーム生成装置は、電磁ビームを生成するものであるが、自己共振してもしなくてもよい。これらには、ファイバーレーザー、ディスクレーザー、非固体レーザーなども含まれる。一般的に、それぞれのエミッタは、背面反射面と、少なくとも1つの光学利得媒質と、前面反射面と、を含む。光学利得媒質は、電磁放射の利得を増加させる。電磁放射は、電磁スペクトルの特定の部分に限定されず、可視光、赤外線、および/または紫外線であってもよい。エミッタは、複数のビームを放射するよう構成されたダイオードバーなどの複数のビームエミッタを含んでもよい、または本質的にそれらにより構成されてもよい。本明細書の実施の形態において受信された複数の入力ビームは、当技術分野で知られている様々な技術を使用して組み合わされた単波長または多波長ビームであってもよい。
【0019】
回折格子は、本明細書では例示的な分散素子として使用されているが、本発明の実施の形態では、例えば、分散プリズム、透過格子、またはエシェル格子などの他の分散素子を使用することができる。本発明の実施の形態では、1つまたは複数の回折格子に加えて1つまたは複数のプリズムを使用することができる。これは、例えば、2017年1月19日に出願された米国特許出願第15/410,277号に詳述されており、その開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
本発明の実施の形態では、多波長出力ビームを光ファイバーに結合することができる。様々な実施の形態において、光ファイバーは、シングルコアを取り囲む複数のクラッド層、単一のクラッド層内の複数の離散コア領域(discrete core regions、または「コア」)、または複数のクラッド層に取り囲まれた複数のコア、を有する。様々な実施の形態において、出力ビームは、切断、溶接などの用途のために加工対象物に送られてもよい。
【0021】
以下の一般的な説明に記載されているような、レーザーダイオードアレイ、バー、および/またはスタックは、本明細書に記載されるイノベーションの実施の形態に関連して使用することができる。一般的に、一次元の行/アレイ(ダイオードバー)または2次元アレイ(ダイオードバースタック)に、レーザーダイオードを個別にまたはグループでパッケージ化することができる。ダイオードアレイスタックは、通常、ダイオードバーの垂直スタックである。レーザーダイオードバーまたはアレイは、通常、同等の単一広域ダイオードよりも実質的に高い出力および高いコスト効率を実現する。高出力ダイオードバーは、通常、広域エミッタのアレイを含み、比較的ビーム品質の低い数十ワットの出力を生成する。その出力は高出力にもかかわらず、輝度が広域レーザーダイオードのそれよりも低いことが多い。高出力ダイオードバーを積み重ねて、非常に高出力な数百または数千ワットの出力を生成する高出力スタックダイオードを製造することができる。レーザーダイオードアレイはフリースペースまたはファイバーにビームを放射するよう構成することができる。ファイバー結合ダイオードレーザーは、ファイバーレーザーおよびファイバー増幅器の励起源として便利に使用することができる。
【0022】
ダイオードレーザーバーは、広域エミッタの一次元アレイを含む、または代替的に、例えば、10~20個の狭ストライプエミッタを含むサブアレイを含む、半導体レーザーの一種である。広域ダイオードバーは、通常、例えば、19~49個のエミッタを含み、それぞれのエミッタは、例えば、約1μm×100μmの次元を有する。1μmの次元またはファスト軸に沿ったビーム品質は、通常、回折限界である。100μmの次元またはスロー軸またはアレイ次元に沿ったビーム品質は、通常、回折限界の何倍にもなる。通常、商業用のダイオードバーは、レーザー共振器の長さが1~4mmであり、幅が約10mmであり、数十ワットの出力を生成する。ほとんどのダイオードバーは、780~1070nmの範囲の波長で動作する。808nm(ネオジウムレーザーの励起用)および940nm(Yb:YAGの励起用)の波長が最も顕著である。915~976nmの波長帯域は、エルビウムドープまたはイッテルビウムドープの高出力ファイバーレーザーまたは増幅器の励起に使用される。
【0023】
ダイオードスタックは、単に複数のダイオードバーの配置であり、非常に高い出力を供給することができる。ダイオードレーザースタック、マルチバーモジュール、または2次元レーザーアレイとも呼ばれる最も一般的なダイオードスタック配置は、実質的にエッジエミッタの2次元アレイである垂直スタックである。そのようなスタックは、ダイオードバーを薄いヒートシンクに取り付けて、ダイオードバーとヒートシンクとの周期的なアレイを得ることができるようにこれらのアセンブリを積み重ねることにより組み立てることができる。水平ダイオードスタック、および2次元スタックも存在する。高いビーム品質を得るために、通常、ダイオードバーを互いにできるだけ近づける必要がある。一方、効率的な冷却のために、バーの間に取り付けられたヒートシンクの最低限の厚さが必要である。このダイオードバーの間隔のトレードオフにより、垂直方向でのダイオードバーのビーム品質(および実質的にその輝度)が単一のダイオードバーのビーム品質よりもはるかに低くなる。しかし、この問題を大幅に軽減するためのいくつかの技術が存在する。例えば、異なるダイオードスタックの出力の空間的インターリーブ、偏光カップリング、または波長多重化、などである。このような目的のために、様々な種類の高出力ビームシェイパーおよび関連デバイスが開発されてきた。ダイオードスタックは、非常に高い出力(例えば、数百または数千ワット)を提供することができる。
【0024】
本発明の実施の形態により生成された出力ビームは、単に光で表面を検査する光学技術(例えば、反射率測定)と対照的に、加工対象物の表面を物理的に変化させるよう、および/または表面上または表面内に特徴を形成するよう、加工対象物を加工するために使用することができる。本発明の実施の形態による例示的な加工には、切断、溶接、穴あけ、および半田付けが含まれる。本発明の様々な実施の形態では、加工対象物の表面のすべてまたは実質的にすべてにレーザービームからの放射を照射するのではなく、1つまたは複数のスポットで、または1次元の直線的または曲線的な加工経路に沿って、加工対象物を加工することもできる。そのような1次元経路は、複数のセグメントから構成されてもよい。セグメントのそれぞれは、直線的または曲線的であってもよい。
【0025】
一態様において、本発明の実施の形態は、複数の入力ビームを波長ビーム結合(WBC)次元に沿って空間的に重ね合わせ、その結果得られる出力ビームをビーム出力から出力するレーザー共振器とともに使用するためのアライメントシステムを特徴とする。アライメントシステムは、分散素子、ビームプロファイラ、第1レンズ、および第2レンズを含む、本質的にそれらにより構成される、またはそれらにより構成される。分散素子は、出力ビームを受信し、出力ビームを分散させて、WBC次元で複数の分散ビームを生成する。ビームプロファイラは、複数の分散ビームを受信し、ビームプロファイラにより受信した複数の分散ビームの相対位置の画像を生成する。第1レンズは、WBC次元に垂直な非WBC次元の屈折力を有する。第1レンズは、ビーム出力の光学的下流かつビームプロファイラの光学的上流に配置される。第2レンズはビームプロファイラ上に、またはビームプロファイラに向けて、複数の分散ビームを集束させる。第2レンズはWBC次元の屈折力を有する。第2レンズはビーム出力の光学的下流(例えば、分散素子の光学的下流)かつビームプロファイラの光学的上流に配置される。
【0026】
本発明の実施の形態は、様々な任意の組み合わせで以下の1つまたは複数を含むことができる。分散素子は、回折格子を含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。第1レンズは、分散素子の光学的上流に配置されてもよい。第1レンズは、非WBC次元の屈折力だけを有していてもよい。第1レンズの焦点距離は、第2レンズの焦点距離よりも大きくてもよい。第1レンズおよび/または第2レンズは、1つまたは複数のシリンドリカルレンズを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。第1レンズとビームプロファイラとの光学的距離は、第1レンズの焦点距離に略等しくてもよい。第1レンズとビームプロファイラとの光学的距離は、第1レンズの焦点距離よりも大きくてもよい。第1レンズとビーム出力との光学的距離は、第1レンズの焦点距離に略等しくてもよい。第2レンズとビームプロファイラとの光学的距離は、第2レンズの焦点距離に略等しくてもよい。第2レンズと分散素子との光学的距離は、第2レンズの焦点距離に略等しくてもよい。第2レンズは、WBC次元の屈折力だけを有していてもよい。
【0027】
第1レンズは、(i)ビームプロファイラを介してファーフィールド画像を生成するための出力ビームの経路内の第1位置と、(ii)ビームプロファイラを介してニアフィールド画像が生成される出力ビームの経路外の第2位置と、の間で移動可能であってもよい。アライメントシステムは、第3レンズを含んでもよい。第3レンズの焦点距離は、第1レンズの焦点距離よりも小さくてもよい。第1レンズと第3レンズとは、出力ビームの経路内で交換可能であり、(i)第1レンズが出力ビームの経路内にある場合、ファーフィールド画像がビームプロファイラを介して生成され、(ii)第3レンズが出力ビームの経路内にある場合、ニアフィールド画像がビームプロファイラを介して生成される。
【0028】
アライメントシステムは、ビーム出力の光学的下流かつ第1レンズの光学的上流に配置された第3レンズを含んでもよい。第3レンズは、非WBC次元の屈折力を有していてもよい。第3レンズは、非WBC次元の屈折力だけを有していてもよい。第3レンズの焦点距離は、第1レンズの焦点距離よりも小さくてもよい。第3レンズとビーム出力との光学的距離は、第3レンズの焦点距離と略等しくてもよい。第3レンズとビームプロファイラとの光学的距離は、第3レンズの焦点距離よりも大きくてもよい。第3レンズは、(i)ビームプロファイラを介してニアフィールド画像を生成する出力ビームの経路内の第1位置と、(ii)ビームプロファイラを介してファーフィールド画像が生成される出力ビームの経路外の第2位置と、の間で移動可能であってもよい。
【0029】
アライメントシステムは、ビーム出力の光学的下流に配置されるビームローテータを含んでもよい。ビームローテータは、出力ビームを約90度回転させるよう構成されてもよい。ビームローテータは、(i)2つの共焦点シリンドリカルレンズ、(ii)ダブプリズム(dove prism)、または(iii)2つのリフレクタ、を含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。ビーム出力は、部分反射出力カプラを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。
【0030】
別の態様において、本発明の実施の形態は、レーザー共振器およびアライメントシステムを含む、本質的にそれらにより構成される、またはそれらにより構成されるアライメント可能なレーザーシステムを特徴とする。レーザー共振器は、(i)複数の入力ビームを放射する複数のビームエミッタ、(ii)複数の入力ビームを操作する複数の光学素子、および(iii)ビーム出力を含む、本質的にそれらにより構成される、またはそれらにより構成される。レーザー共振器は、波長ビーム結合(WBC)次元に沿って複数の入力ビームを空間的に重ね合わせ、その結果得られた出力ビームをビーム出力から出力するよう構成される。アライメントシステムは、複数のビームエミッタにより放射される複数の入力ビームの画像を生成するためのビームプロファイラを含む、本質的にそれにより構成される、またはそれにより構成される。
【0031】
本発明の実施の形態は、様々な任意の組み合わせで以下の1つまたは複数を含むことができる。レーザーシステムは、ビームプロファイラにより生成された画像に少なくとも基づいて複数の入力ビームをアラインする光学素子を調整するよう構成されたコントローラを含んでもよい。光学素子は、1つまたは複数のインターリーバミラーおよび/または1つまたは複数のコリメーションレンズを含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。コントローラは、1つまたは複数のインターリーバミラーを傾斜させる、および/または1つまたは複数のコリメーションレンズを平行移動させることにより光学素子を調整するよう構成されてもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれのコリメーションレンズは、スロー軸コリメーションレンズであってもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれのコリメーションレンズは、ファスト軸コリメーションレンズであってもよい。レーザー共振器は、(a)複数の入力ビームを受信し波長分散させて多波長ビームを形成するための分散素子と、(b)(i)出力ビームとして多波長ビームの第1部分を送信し、(ii)多波長ビームの第2部分を反射させて分散素子に(および、外部レーザーキャビティを形成し、それぞれ異なる場合があるその放射波長に複数のビームエミッタを安定させるために、複数のビームエミッタに)戻すための部分反射出力カプラと、を含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。レーザー共振器は、複数のビームエミッタのそれぞれに関連して、ファスト軸コリメータ、および約90度のビーム回転を誘導する光ローテータを含んでもよい。分散素子は、回折格子を含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。レーザー共振器は、(a)複数の第1コリメータであって、それぞれの第1コリメータのそれぞれが複数のビームエミッタの1つからの1つまたは複数のビームを受信しコリメートする、複数の第1コリメータと、(b)複数のインターリーバであって、複数のインターリーバのそれぞれが第1コリメータの1つからの1つまたは複数のビームを受信する、複数のインターリーバと、(c)複数のインターリーバからのすべてのビームを受信し、ビームをコリメートし、分散素子にビームを送信する第2コリメータと、を含んでもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれの第1コリメータは、スロー軸コリメーションレンズを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれの第1コリメータは、ファスト軸コリメーションレンズを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。レーザー共振器は、分散素子の光学的下流かつ部分反射出力カプラの光学的上流に配置された屈曲ミラー(folding mirror)を含んでもよい。部分反射出力カプラは、ビーム出力であってもよい。ビームプロファイラは、ビーム出力の光学的下流に配置されてもよい。
【0032】
アライメントシステムは、さらに、分散素子、第1レンズ、および第2レンズを含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。分散素子は、出力ビームを受信して、出力ビームを分散させて、WBC次元に複数の分散ビームを生成してもよい。第1レンズは、WBC次元に垂直な非WBC次元の屈折力を有してもよい。第1レンズは、ビーム出力の光学的下流かつビームプロファイラの光学的上流に配置されてもよい。第2レンズは、WBC次元の屈折力を有してもよい。第2レンズは、ビームプロファイラ上に、またはビームプロファイラに向けて複数の分散ビームを集束してもよい。第2レンズは、ビーム出力の光学的下流(例えば、分散素子の光学的下流)かつビームプロファイラの光学的上流に配置されてもよい。ビームプロファイラは、複数の分散ビームを受信して、ビームプロファイラにより受信された複数の分散ビームの相対位置の画像を生成するよう構成されてもよい。第1レンズは、(i)ビームプロファイラを介してファーフィールド画像を生成する出力ビームの経路内の第1位置と、(ii)ビームプロファイラを介してニアフィールド画像が生成される出力ビームの経路外の第2位置と、の間で移動可能であってもよい。アライメントシステムは、第3レンズを含んでもよい。第3レンズの焦点距離は、第1レンズの焦点距離よりも小さくてもよい。第1レンズと第3レンズとは出力ビームの経路内で交換可能であり、(i)第1レンズが出力ビームの経路内にある場合、ファーフィールド画像がビームプロファイラを介して生成され、(ii)第3レンズが出力ビームの経路内にある場合、ニアフィールド画像がビームプロファイラを介して生成される。
【0033】
アライメントシステムは、ビーム出力の光学的下流かつ第1レンズの光学的上流に配置される第3レンズを含んでもよい。第3レンズの焦点距離は、第1レンズの焦点距離よりも小さくてもよい。第3レンズは、(i)ビームプロファイラを介してニアフィールド画像を生成する出力ビームの経路内の第1位置と、(ii)ビームプロファイラを介してファーフィールド画像が生成される出力ビームの経路外の第2位置と、の間で移動可能であってもよい。アライメントシステムは、ビーム出力の光学的下流に配置されるビームローテータを含んでもよい。ビームローテータは、出力ビームを約90度回転させるよう構成されてもよい。ビームローテータは、(i)2つの共焦点シリンドリカルレンズ、(ii)ダブプリズム、または(iii)2つのリフレクタ、を含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。
【0034】
さらに別の態様において、本発明の実施の形態は、波長ビーム結合(WBC)次元に沿って複数の入力ビームを空間的に重ね合わせ、その結果得られる出力ビームをビーム出力から出力するレーザー共振器とともに使用するためのアライメントシステムを特徴とする。アライメントシステムは、分散素子と、ビームプロファイラと、第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、複数の光学素子と、を含む、本質的にそれらにより構成される、またはそれらにより構成される。分散素子は、WBC次元にビームを分散させるよう構成される。ビームプロファイラは、ビームを受信してその相対位置の画像を生成する。第1レンズは、WBC次元に垂直な非WBC次元の屈折力を有する。第1レンズは、ビーム出力の光学的下流かつビームプロファイラの光学的上流に配置される。第2レンズは、WBC次元の屈折力を有する。第2レンズは、ビームプロファイラ上に、またはビームプロファイラに向けて複数の分散ビームを集束させる。第2レンズは、ビーム出力の光学的下流(たとえば、分散素子の光学的下流)かつビームプロファイラの光学的上流に配置される。第3レンズは、非WBC次元の屈折力を有する。第3レンズは、ビーム出力の光学的下流かつビームプロファイラの光学的上流に配置される。光学素子は、(i)出力ビームを受信し、(ii)出力ビームの第1部分を第3レンズに向け、(iii)出力ビームの第2部分を第1レンズに向けるよう構成される。
【0035】
本発明の実施の形態は、様々な任意の組み合わせで以下の1つまたは複数を含むことができる。出力ビームの第2部分は、第3レンズに向けられなくてもよい。第1レンズは、出力ビームの第1部分と出力ビームの第2部分との両方を受信するよう配置されてもよい。光学素子は、出力ビームの第1部分と第2部分とを、異なる角度で第1レンズに向けるよう構成されてもよい。分散素子は、出力ビームの第1部分を受信して分散するよう配置されてもよく、それにより、ビームプロファイラを介して複数の入力ビームのニアフィールド画像が生成される。分散素子は、出力ビームの第2部分を受信して分散するよう配置されてもよく、それにより、ビームプロファイラを介して複数の入力ビームのファーフィールド画像が生成される。分散素子は、回折格子を含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。
【0036】
第1レンズは、分散素子の光学的上流に配置されてもよい。第3レンズは、第1レンズの光学的上流に配置されてもよい。第1レンズの焦点距離は、第2レンズの焦点距離よりも大きくてもよい。第1レンズ、第2レンズ、および/または第3レンズは、1つまたは複数のシリンドリカルレンズを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。第1レンズとビームプロファイラとの光学的距離は、第1レンズの焦点距離に略等しくてもよい。第1レンズとビーム出力との光学的距離は、第1レンズの焦点距離に略等しくてもよい。第2レンズとビームプロファイラとの光学的距離は、第2レンズの焦点距離に略等しくてもよい。第2レンズと分散素子との光学的距離は、第2レンズの焦点距離に略等しくてもよい。第3レンズの焦点距離は、第1レンズの焦点距離よりも小さくてもよい。第3レンズとビーム出力との光学的距離は、第3レンズの焦点距離に略等しくてもよい。第3レンズとビームプロファイラとの光学的距離は、第3レンズの焦点距離よりも大きくてもよい。
【0037】
アライメントシステムは、ビーム出力の光学的下流に配置されたビームローテータを含んでもよい。ビームローテータは、出力ビームを約90度回転させるよう構成されてもよい。ビームローテータは、(i)2つの共焦点シリンドリカルレンズ、(ii)ダブプリズム、または(iii)2つのリフレクタ、を含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。第1レンズは、非WBC次元の屈折力だけを有してもよい。第2レンズは、WBC次元の屈折力だけを有してもよい。第3レンズは、非WBC次元の屈折力だけを有してもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれの光学素子は、ビームスプリッタおよび/またはリフレクタを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。ビーム出力は、部分反射出力カプラを含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。
【0038】
別の態様において、本発明の実施の形態は、レーザー共振器とアライメントシステムをと含む、本質的にそれらにより構成される、またはそれらにより構成されるアライメント可能なレーザーシステムを特徴とする。レーザー共振器は、(i)複数の入力ビームを放射する複数のビームエミッタ、(ii)ビーム出力、および(iii)ビーム出力の光学的上流に配置され、複数の入力ビームを操作する複数の第1光学素子、を含む、本質的にそれらにより構成される、またはそれらにより構成される。レーザー共振器は、波長ビーム結合(WBC)次元に沿って複数の入力ビームを空間的に重ね合わせ、その結果得られる出力ビームをビーム出力から出力するよう構成される。アライメントシステムは、ビーム出力の光学的下流に配置された複数の第2光学素子を含む、本質的にそれにより構成される、またはそれにより構成される。アライメントシステムは、複数の第2光学素子を物理的に移動させることなく、複数の入力ビームのニアフィールド画像とファーフィールド画像とを同時に生成するよう構成される。
【0039】
本発明の実施の形態は、様々な任意の組み合わせで以下の1つまたは複数を含むことができる。アライメントシステムは、(例えば、レーザー共振器の複数の入力ビームの)ニアフィールド画像とファーフィールド画像とを生成するためのビームプロファイラを含んでもよい。ビームプロファイラは、ビーム出力の光学的下流に配置されてもよい。レーザーシステムは、ニアフィールド画像および/またはファーフィールド画像の一部に少なくとも基づいて複数の入力ビームをアラインするために第1光学素子を調整するよう構成されたコントローラを含んでもよい。1つまたは複数の、またはそれぞれの第1光学素子は、1つまたは複数のインターリーバミラーおよび/または1つまたは複数のコリメーションレンズを含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。コントローラは、1つまたは複数のインターリーバミラーを傾斜させること、および/または1つまたは複数のコリメーションレンズを平行移動させることにより、第1光学素子を調整するよう構成されてもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれのコリメーションレンズは、スロー軸コリメーションレンズであってもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれのコリメーションレンズは、ファスト軸コリメーションレンズであってもよい。レーザー共振器は、(a)複数の入力ビームを受信し波長分散して多波長ビームを生成するための分散素子と、(b)(i)出力ビームとして多波長ビームの第1部分を送信し、(ii)多波長ビームの第2部分を反射して分散素子に戻すための部分反射出力カプラと、を含んでもよい。レーザー共振器は、複数のビームエミッタのそれぞれに関連して、ファスト軸コリメータ、および約90度のビーム回転を誘導する光ローテータを含んでもよい。分散素子は、回折格子を含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。レーザー共振器は、(a)複数の第1コリメータであって、それぞれの第1コリメータが複数のビームエミッタの1つからの1つまたは複数のビームを受信しコリメートする、複数の第1コリメータと、(b)複数のインターリーバであって、それぞれのインターリーバが第1コリメータの1つからの1つまたは複数のビームを受信する、複数のインターリーバと、(c)複数のインターリーバからのすべてのビームを受信し、ビームをコリメートし、分散素子にビームを送信する第2コリメータと、を含んでもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれの第1コリメータは、スロー軸コリメーションレンズを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれの第1コリメータは、ファスト軸コリメーションレンズを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。レーザー共振器は、分散素子の光学的下流かつ部分反射出力カプラの光学的上流に配置された屈曲ミラーを含んでもよい。部分反射出力カプラは、ビーム出力であってもよい。
【0040】
アライメントシステムは、(i)WBC次元にビームを分散させるよう構成された分散素子と、(ii)ビームを受信してその相対位置の画像を生成するビームプロファイラと、を含んでもよい。複数の第2光学素子は、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、および複数の第3光学素子を含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。第1レンズは、WBC次元に垂直な非WBC次元の屈折力を有してもよい。第1レンズは、ビーム出力の光学的下流かつビームプロファイラの光学的上流に配置されてもよい。第2レンズは、WBC次元の屈折力を有してもよい。第2レンズは、ビームプロファイラ上に、またはビームプロファイラに向けて複数の分散ビームを集束させてもよい。第2レンズは、ビーム出力の光学的下流(例えば分散素子の光学的下流)かつビームプロファイラの光学的上流に配置されてもよい。第3レンズは、非WBC次元の屈折力を有してもよい。第3レンズは、ビーム出力の光学的下流かつビームプロファイラの光学的上流に配置されてもよい。第3光学素子は、(i)出力ビームを受信し、(ii)出力ビームの第1部分を第3レンズに向け、(iii)出力ビームの第2部分を第1レンズに向けるよう構成されてもよい。
【0041】
出力ビームの第2部分は、第3レンズに向けられなくてもよい。第1レンズは、出力ビームの第1部分と出力ビームの第2部分との両方を受信するよう配置されてもよい。第3光学素子は、出力ビームの第1部分と第2部分とを、異なる角度で第1レンズに向けるよう構成されてもよい。分散素子は、出力ビームの第1部分を受信し分散するよう配置されてもよく、それにより、ビームプロファイラを介して複数の入力ビームのニアフィールド画像が生成される。分散素子は、出力ビームの第2部分を受信し分散するよう配置されてもよく、それにより、ビームプロファイラを介して複数の入力ビームのファーフィールド画像が生成される。少なくとも1つの、またはそれぞれの第3光学素子は、ビームスプリッタおよび/またはリフレクタを含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。分散素子は、回折格子を含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。アライメントシステムは、ビーム出力の光学的下流に配置されたビームローテータを含んでもよい。ビームローテータは、出力ビームを約90度回転させるよう構成されてもよい。ビームローテータは、(i)2つの共焦点シリンドリカルレンズ、(ii)ダブプリズム、または(iii)2つのリフレクタを含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。
【0042】
さらに別の態様において、本発明の実施の形態は、波長ビーム結合(WBC)次元に沿って複数の入力ビームを空間的に重ね合わせ、その結果得られる出力ビームをビーム出力から出力するレーザー共振器とともに使用するためのアライメントの方法を特徴とする。レーザー共振器は、複数の入力ビームを操作する複数の光学素子を含む。方法は、(a)ビームプロファイラを使用して、(i)複数の入力ビームのニアフィールド画像、または(ii)複数の入力ビームのファーフィールド画像、のうち少なくとも一方を生成すること、および(b)複数の入力ビームの1つがニアフィールド画像またはファーフィールド画像のうち少なくとも一方においてずれている(misaligned)場合に、1つまたは複数の光学素子を調整して入力ビームにアラインすること、を含む、本質的にそれらにより構成される、またはそれらにより構成される。
【0043】
本発明の実施の形態は、様々な任意の組み合わせで以下の1つまたは複数を含むことができる。ニアフィールド画像とファーフィールド画像との両方が生成されてもよい。ニアフィールド画像とファーフィールド画像とは、順次にまたは同時に生成されてもよい。方法は、ニアフィールド画像またはファーフィールド画像のうち少なくとも一方を生成する前に、(i)出力ビームを波長分散させて、WBC次元に複数の分散ビームを生成することと、(ii)複数の分散ビームをビームプロファイラに向けて集束することと、を含んでもよい。光学素子は、1つまたは複数のインターリーバミラーおよび/または1つまたは複数のコリメーションレンズを含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。1つまたは複数の光学素子を調整することは、1つまたは複数のインターリーバミラーを傾斜させること、および/または1つまたは複数のコリメーションレンズを平行移動させることを含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれのコリメーションレンズは、スロー軸コリメーションレンズであってもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれのコリメーションレンズは、ファスト軸コリメーションレンズであってもよい。ファーフィールド画像を生成することは、出力ビームの経路内に第1レンズを配置することを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。ニアフィールド画像を生成することは、出力ビームの経路から第1レンズを除去することを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。ファーフィールド画像を生成することは、出力ビームの経路内に第1レンズを配置することを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。ニアフィールド画像を生成することは、第1レンズを、第1レンズの焦点距離よりも小さい焦点距離を有する第2レンズと置換することを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。ニアフィールド画像を生成することは、出力ビームの経路内に第1レンズと第2レンズとを配置することを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。ファーフィールド画像を生成することは、出力ビームの経路から第2レンズを除去することを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。第2レンズは、第1レンズの焦点距離よりも小さい焦点距離を有してもよい。ファーフィールド画像を生成することは、出力ビームの第1部分を第1レンズに向けることを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。ニアフィールド画像を生成することは、出力ビームの第2部分を第2レンズに向けることを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。方法は、ニアフィールド画像またはファーフィールド画像のうち少なくとも一方を生成する前に、出力ビームを回転させることを含んでもよい。
【0044】
レーザー共振器は、(a)複数の入力ビームを受信し波長分散して、多波長ビームを形成する分散素子と、(b)(i)出力ビームとして多波長ビームの第1部分を送信し、(ii)多波長ビームの第2部分を反射して分散素子に戻す、部分反射出力カプラと、を含んでもよい。レーザー共振器は、複数の入力ビームを放射するよう構成された複数のビームエミッタを含んでもよい。レーザー共振器は、複数のビームエミッタのそれぞれに関連して、ファスト軸コリメータと、約90度のビーム回転を誘導する光ローテータと、を含んでもよい。分散素子は、回折格子を含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。複数の光学素子は、(a)複数の第1コリメータであって、それぞれの第1コリメータが1つまたは複数の入力ビームを受信しコリメートする、複数の第1コリメータと、(b)複数のインターリーバであって、それぞれのインターリーバが第1コリメータの1つからの1つまたは複数の入力ビームを受信する、複数のインターリーバと、(c)複数のインターリーバからのすべての入力ビームを受信し、ビームをコリメートし、分散素子にビームを送信する第2コリメータと、を含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれの第1コリメータは、スロー軸コリメーションレンズを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。少なくとも1つの、またはそれぞれの第1コリメータは、ファスト軸コリメーションレンズを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。レーザー共振器は、分散素子の光学的下流かつ部分反射出力カプラの光学的上流に配置された屈曲ミラーを含んでもよい。部分反射出力カプラは、ビーム出力であってもよい。ビームプロファイラは、ビーム出力の光学的下流に配置されてもよい。
【0045】
これらのおよびその他の目的は、本明細書に開示された本発明の利点および特徴とともに、以下の説明、添付の図面、および特許請求の範囲を参照することによって、より明らかになるであろう。さらに、本明細書に記載された様々な実施の形態の特徴は、相互排他的なものではなく、様々な組み合わせおよび置換で存在できることを理解するべきである。本明細書では、「実質的に(substantially)」という用語は、±10%を意味し、いくつかの実施の形態においては、±5%を意味する。「本質的にそれにより構成される(consists essentially of)」という用語は、本明細書で別段の定義がない限り、機能に寄与する他の材料を除外することを意味する。それにもかかわらず、そのような他の材料は、個別的にまたは集合的に、微量に存在することもある。本明細書では、「放射(radiation)」および「光(light)」という用語は、別段の指示がない限り、同じ意味で使用される。本明細書では、「下流(downstream)」または「光学的下流(optically downstream)」は、第1の要素に衝突した後に光線が当たる第2の要素の相対位置を示すために使用される。第1の要素は、第2の要素の「上流」または「光学的上流」である。本明細書では、2つの要素間の「光学的距離(optical distance)」は、光線が実際に移動する2つの要素の距離である。光学的距離は、例えば、ミラーからの反射または一方の要素から他方の要素へ移動する光の伝播方向の他の変化に起因して、2つの要素間の物理的距離と等しいこともあるが、必ずしもそうとは限らない。本明細書で使用される距離は、特に指定のない限り、「光学的距離」とみなされ得る。
【0046】
図面において、同様の参照符号は、通常、異なる図の全体を通して同じ部分を参照する。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、通常、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。以下の説明では、本発明の様々な実施の形態を以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の実施の形態による、WBC次元における波長ビーム結合(WBC)共振器を示す概略図
【
図2】本発明の実施の形態による、WBC次元におけるWBC共振器の一部を示す概略図
【
図3】本発明の実施の形態による、非WBC次元におけるWBC共振器の一部を示す概略図
【
図4A】本発明の実施の形態による、WBC次元におけるアライメントシステムの概略図
【
図4B】本発明の実施の形態による、非WBC次元におけるアライメントシステムの概略図
【
図5A】非WBC次元においてずれているビームを描写するファーフィールドおよびニアフィールドの例示的な画像
【
図5B】非WBC次元においてずれているビームを描写するファーフィールドおよびニアフィールドの例示的な画像
【
図5C】非WBC次元においてアラインされたビームを描写するファーフィールドおよびニアフィールドの例示的な画像
【
図5D】非WBC次元においてアラインされたビームを描写するファーフィールドおよびニアフィールドの例示的な画像
【
図6A】本発明の実施の形態による、非WBC次元におけるアライメントシステムの概略図
【
図6B】本発明の実施の形態による、非WBC次元におけるアライメントシステムの概略図
【
図7A】本発明の実施の形態による、アライメントシステムの概略図
【
図7B】本発明の実施の形態による、例示的なビームローテータの概略図
【
図7C】本発明の実施の形態による、例示的なビームローテータの概略図
【
図7C】本発明の実施の形態による、例示的なビームローテータの概略図
【
図8】本発明の実施の形態による、アライメントシステムの概略図
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、WBC共振器100の様々な構成要素を概略的に示すものであり、図示された実施の形態では、WBC共振器100は、11個の異なるダイオードバー(本明細書で使用される「ダイオードバー(diode bar)」は、マルチビームエミッタ、すなわち、単一のパッケージから複数のビームが放射されるエミッタを意味する)により放射されるビームを組み合わせる。本発明の実施の形態は、11個よりも少ない、または多くのエミッタを使用してもよい。本発明の実施の形態によると、それぞれのエミッタは単一のビームを放射してもよく、または、それぞれのエミッタは複数のビームを放出してもよい。
図1のビューは、WBC次元、すなわち、バーからのビームが組み合わされる次元に沿っている。共振器100は、11個のダイオードバー110(110-1~110-1)を特徴とし、それぞれのダイオードバー110は、WBC次元に沿った複数のエミッタのアレイ(1次元アレイ)を含む、本質的にそれにより構成される、またはそれにより構成される。ダイオードバー110のそれぞれのエミッタは、一方向(「ファスト軸」として知られ、ここではWBC次元に対して垂直に向いている)に大きな発散角を有し、垂直方向(「スロー軸」として知られ、ここではWBC次元に沿っている)に小さな発散角を有する、非対称ビームを放射する。
【0049】
様々な実施の形態において、それぞれのダイオードバー110は、放射されたそれぞれのビームのスロー軸が、マイクロレンズアセンブリの下流のWBC次元に垂直になるよう、ビームのファスト軸およびスロー軸を90度回転させつつ、放射されたビームのファスト軸をコリメートするファスト軸コリメータ(FAC)/光学ツイスタマイクロレンズアセンブリに関連付けられる(例えば、取り付けられているか、または光学的に結合している)。マイクロレンズアセンブリはまた、それぞれのダイオードバー110からの複数のエミッタの主光線を分散素子120に向けて集束させる。適切なマイクロレンズアセンブリは、2011年3月7日に出願された米国特許第8,553,327号、および2015年6月8日に出願された米国特許第9,746,679号に記載され、それらの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
本明細書に記載される本発明の実施の形態は、FACレンズと光学ツイスタ(例えば、マイクロレンズアセンブリとして)との両方を放射されたそれぞれのビームに関連付け、したがって、SACレンズ(後述する)は非WBC次元のビームに影響を与える。他の実施の形態において、放射されたビームは回転せず、FACレンズを、非WBC次元でポインティング角度を変更するために使用することができる。したがって、本明細書におけるSACレンズとは、通常、非WBC次元の力を有するレンズを示し、そのようなレンズは、様々な実施の形態において、FACレンズであってもよい、またはFACレンズを含んでもよい、ということが理解される。
【0051】
図1に示すように、共振器100はまた、一連のSACレンズ130を特徴としており、1つのSACレンズ130は、1つのダイオードバー110に関連付けられ、その1つのダイオードバー110からビームを受信する。それぞれのSACレンズ130は、単一のダイオードバー110から放射されたビームのスロー軸(すなわち、非WBC次元)をコリメートする。SACレンズ130によるスロー軸のコリメートの後、ビームは一連のインターリーバミラー140に伝播する。インターリーバミラー140は、ビーム150を分散素子120に向けて方向転換する。(
図1において、ビーム150は、11個のダイオードバー110から集まった11個のビームを示す中央の主光線である。)様々な実施の形態において、インターリーバミラー140の配置により、ダイオードバー110間のフリースペースを最小化することができる。分散素子120は、個々の空間的に分離されたビームを単一の複数の波長(すなわち、個々のビームの波長)を有するビームに多重化する。分散素子120(例えば、
図1に示す透過型回折格子などの回折格子、または反射型回折格子を含んでもよい、本質的にそれにより構成される、またはそれにより構成される)の上流において、レンズ160は、ダイオードバー110からの個々のビーム(例えば、主光線ではなくサブビーム)をコリメートする。様々な実施の形態において、レンズ160は、レンズ160の焦点距離に実質的に等しい、ダイオードバー110からの光学的距離に配置される。分散素子120での主光線の重なりは、レンズ160の集束力(focusing power)ではなく、主にインターリーバミラー140の方向転換に起因することに留意されたい。
【0052】
また、
図1には、光学的クロストークを軽減するための光学望遠鏡を形成するレンズ170、175が示されており、これは、2013年3月15日に出願された米国特許第9,256,073号、および2015年6月23日に出願された米国特許第9,268,142号に開示され、それらの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。共振器100はまた、共振器100がより小さな物理的フットプリントに収まるよう、ビームを方向転換するための1つまたは複数の任意の屈曲ミラー180を含んでもよい。分散素子120は、ダイオードバー110からのビームを、部分反射出力カプラ190に伝播する単一の多波長ビームに組み合わせる。カプラ190は、共振器100の出力ビームとしてビームの一部を送信し、ビームの別の部分を分散素子120に向けて反射し、そして、それぞれのビームの放射波長(通常、互いに異なる)を安定させるためのフィードバックとしてダイオードバー110に向けて反射する。
【0053】
図1に示すように、それぞれのダイオードバー110は、対応するSACレンズ130と、対応するインターリーバミラー140と、を有する。インターリーバミラー140の光学的下流のすべての光学系は、すべてのダイオードバー110により共有される。
【0054】
一般的に、WBC共振器は、WBC次元と非WBC次元との両方でアラインされることが好ましい。すなわち、異なるダイオード(すなわち、ダイオードバーにおける個々のエミッタ)からのビームは、WBC次元と非WBC次元との両方において、分散素子120(例えば、そのほぼ中央)で重なり、安定したレージングのために出力カプラに対して略垂直となるよう、好ましくは調整される。
【0055】
共振器がずれている場合、特に、非WBC次元でずれている場合、またはWBC次元で大きくずれている場合、個々のエミッタは、フリーランニングの(すなわち、アンロックされた)波長で放射することがある。そのずれが非レージング領域(すなわち、エミッタの実効利得帯域外)へ放射をシフトさせる場合、または、エミッタ出力が大幅にクリップ(clip)される場合、例えば、1つまたは複数の光学系におけるオフセンタリング(off-centering)による、例えば光学系での出力および/またはビームサイズの20%を超えるクリッピングの場合、エミッタは、WBC次元で大幅にずれることがある。例として、共振器の分散素子 がリトロー(Littrow)角(すなわち、回折角が入射角に等しい場合)でアラインされると仮定すると、エミッタ波長が975nm、線密度が1.6/μmで、パワークリッピングを考慮しない場合、WBC次元の分散素子の方向に対して20mradのずれが約8nmの波長のシフトを引き起こす。特に、室温(または冷媒温度)から一般的な動作温度まで(例えば、約60℃から約70℃の範囲、またはそれ以上)のエミッタの温度変化に関連付けられたダイオードエミッタの利得曲線の通常10nmを超える固有シフトを考慮する場合、これは、ダイオードエミッタ帯域(通常、14nmから20nmまでの範囲)外に「レージング波長」を動かすために十分な大きさであり得る。
【0056】
通常、非WBC次元でアラインされると、複数のエミッタは、格子回折方程式を満たす共振器波長にロック(locked in)される。格子回折方程式は、すなわち、sin(Ai)+sin(B)=pλiであり、Aiは、i番目のエミッタの分散素子120における入射角であり、λiは、i番目のエミッタのレージング波長であり、Bおよびpは、それぞれ回折角および回折格子線密度である。
【0057】
複数のエミッタは通常、WBC次元で出力カプラ190に対して垂直な回折角を有する波長にロックされるため、WBC次元での任意のアライメント変更は、波長シフトをもたらすが、通常、シフトした波長が個々のエミッタの動作帯域内に収まっている限り、大幅な出力低下などの他の深刻な問題は発生しない。(例えば、975nm領域で放射するダイオードエミッタは、通常、14nmから20nmの範囲の利得帯域幅(90%全幅)を有する。温度変化を考慮しない場合、エミッタの動作帯域はその利得帯域幅に等しい。しかし、共振器がクイックコールドスタートを求められる場合、動作帯域を数nm未満に小さくすることがある。)対照的に、非WBC次元でのずれは、より深刻な結果をもたらすことがある。
【0058】
図2は、WBC次元での共振器200のずれの結果を示す図である。例示の目的および明確化のために、共振器200は単一のダイオードバー110だけを有するよう図示されている。しかし、図示された原理は、複数のダイオードバー110を有する共振器に適用可能であることが理解される。さらに、明確化のために、単一のエミッタ(i番目のエミッタ)からのビームだけが示されている。アラインされた状態では、エミッタは、波長λiに固定されている。その主光線210は、それぞれの光学素子の中心を通過し、WBC次元および非WBC次元の両方でカプラ190に対して垂直な方向201uに沿って伝播する。
【0059】
例示的な実施の形態において、WBC次元でのずれは、エミッタに対応するインターリーバ140の小さな角度変化(例えば、回転)により発生する。これにより、エミッタの主光線210が方向201vに沿って伝播する。この方向210vは、WBC次元で元の方向210uから角度αだけ発散する。さらに、分散素子120でのAiから近似角(Ai+α)への入射角の変化は、回折方程式sin(Ai+α)+sin(B)≒p×(λi+Δλ)で決定する、λiから(λi+Δλ)への波長シフトをもたらす。
【0060】
図2の拡大部分に示すように、WBC次元でのずれはまた、出力カプラ190において偏心距離δをもたらす。このため、WBC次元のビーム品質を1+δ/S倍低下させることがある。ここで、Sは、出力カプラ190におけるWBC次元でのビームサイズである。レンズ170および175は、通常、共焦点配置(すなわち、光学望遠鏡を形成する)にあるため、偏心距離δは、δ≒α×D/R×cos(B)/cos(Ai)により推定することができる。ここで、Dはインターリーバ140から分散素子120までの距離であり、Rはレンズ170、175の焦点距離の比であり、様々な実施の形態において、約3から約20の範囲内である。分散素子120がリトロー角で構成される場合、すなわち、cos(B)/cos(Ai)≒1の場合、δ≒α×D/Rである。
【0061】
例示的な実施の形態において、D=1000mm、R=10、λi=0.975μmであり、分散素子120は、線密度1.6/μmでリトロー角に配向されていると仮定することができる。角度αのずれにより得られる波長シフトおよび偏心距離は、Δλ(μm)≒0.4×α、およびδ(mm)≒100×αにより推定することができる。α=1mradの場合、Δλ≒0.4nm、およびδ≒100μmである。そのような例において、WBC次元のずれは、エミッタレージングに実質的に影響を与えないことがあり、WBC共振器に対する安定性の問題が発生しないことがある。約0.4nmの波長シフトは、1μmの放射領域でのダイオードレーザーの15nmを超える利得幅と比較して小さい。さらに、100μmの偏心距離は、WBC次元のビームサイズの約5~10%に相当することがあり、これは、WBC次元での5~10%のビーム品質低下に相当する。そのような品質低下の深刻度は、特定の共振器およびそれが展開される用途(application)によって異なることがある。
【0062】
図3は、非WBC次元での例示的なずれを説明するために、
図2の共振器200と同様であるが非WBC次元の共振器300の一部を示す図である。簡単にするために、インターリーバ140、分散素子、および出力カプラ190だけが図示されている。
図2に示すレンズ150、170、および175は、非WBC次元で屈折力を欠いていると想定されるが、本発明の他の実施の形態ではそうである必要はない。i番目のエミッタ(図示省略)の主光線310は、カプラ190に対して垂直で、カプラ190の中心を通過する方向310uに沿って完全にアラインされる。カプラは、出力ビーム320とフィードバックビーム330とに共振器ビームを分離する部分反射器である。フィードバックビーム330は、カプラ190に対して垂直であり、したがって、分散素子120に戻って伝播し、それにより、対応するエミッタに伝播する。したがって、エミッタとカプラ190の間で安定した共振器を形成する。
【0063】
例示的な実施の形態において、非WBC次元のずれは、非WBC次元におけるインターリーバミラー140のわずかな傾斜に起因し、これにより、主光線310は、方向310uから角度βだけ逸れている、ずれた方向310vに沿って伝播する。
図2に示すWBC次元の場合と対照的に、非WBC次元では、例示のi番目のエミッタ(波長ロックまたはフリーランニングのいずれか)からのレーザービーム310は、
図3に示すように、ずれた方向310vに沿ってカプラ190までずっと伝播する。図示されているように、例示のずれにより、ずれた出力ビーム340は比較的大きな偏心距離(Δ)および非ゼロポインティングエラー(β)を有し、その結果、フィードバックビーム350が、フィードバックビーム330がそれに沿って伝播する理想的な垂直方向から2βだけずれるため、共振器フィードバックの効率が低下する。
【0064】
説明の目的で、複数のエミッタのスロー軸が非WBC次元にあり、50mmの焦点距離を有するSACレンズ(例えば、
図1および
図2のSACレンズ130)によりコリメートされると仮定することができ、その結果、カプラ190でのスロー軸ビームサイズが約6mmとなる。さらに、最大許容スロー軸偏心距離は0.6mm(10%のビーム品質低下に相当する)であり、インターリーバ140からカプラ190までの光学的距離が1.5mであると仮定すると、ビーム偏心の観点から、最大許容ずれ角度βは0.4mradであると計算される。しかし、共振器フィードバックの観点から、0.4mradのずれにより、スロー軸の複数のエミッタ表面でのフィードバックビームの変位が40μmとなる。したがって、フィードバックの効率が40%低下する(例えばエミッタサイズが100μmの場合)。対応するエミッタビームに対するフィードバックビームの変位により、パワーの低下だけでなく、不安定な波長ロック(すなわち、不安定な共振器パワー)および出力でのビーム形状の変形を引き起こす。したがって、一般的に言えば、WBC共振器は、WBC次元よりも非WBC次元におけるずれに対してはるかに敏感である。様々な実施の形態において、
図1のものと同様のWBC共振器に対して、スロー軸(すなわち、非WBC次元)のずれは約0.1mrad以下に制御されることが望ましい。
【0065】
図4Aおよび
図4Bは、本発明の様々な実施の形態によるアライメントシステム400の一部を示す図である。図示されているように、アライメントシステム400は、第1シリンドリカルレンズ410と、分散素子420と、第2シリンドリカルレンズ430と、ビームプロファイラ440と、を含む。
図4Aおよび
図4Bはそれぞれ、WBC次元および非WBC次元のアライメントシステム400を示す。レンズ410は、非WBCの屈折力を有し、焦点距離がf1である。レンズ430は、WBC次元の屈折力を有し、焦点距離がf2である。分散素子420は、透過型回折格子または反射型回折格子などの回折格子を含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。
【0066】
ビームプロファイラ440は、カメラまたは他のイメージセンサ(例えば、CCDセンサ、COMSセンサ、または他の光応答センサ)を含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。ビームプロファイラ440は、ディスプレイを含んでもよく、またはディスプレイに動作可能に結合されてもよい。例えば、ビームプロファイラ440に入射したビームをディスプレイに表示して、互いのアライメントを決定してもよい。ビームプロファイラ440は市販されており、過度の実験をせずに提供および利用することができる。例えば、ビームプロファイラ440は、カリフォルニア州レディングのDataRay社から入手可能な、WinCamDシリーズのビームプロファイラの1つを含んでもよい、本質的にそれにより構成されてもよい、またはそれにより構成されてもよい。様々な実施の形態において、ビームプロファイラ440は、物理的スクリーン(例えば、近赤外領域で放射するエミッタ用の近赤外線センサプレート、ホワイトボード、または可視領域で放射するエミッタ用の他のプレート、または紫外領域で放射するエミッタ用のUV感光プレート)、または従来のカメラまたは他のイメージセンサ(例えば、2次元センサ)の集合体であってもよい、またはそれらを含んでもよい。
【0067】
アライメントシステム400は、n個のサブバンドの波長(Δλi、i=1:n)を含む、本質的にそれにより構成される、またはそれにより構成される、WBC共振器ビーム450を受け入れる。ビーム450は、WBC次元で分散素子420により分散され、分散ビームの主光線は、レンズ430によりコリメートされる。一般的に、分散ビームの主光線のコリメーションは、明確に定義された全体画像の次元およびビームプロファイラ440でのビーム分離を生成する。様々な実施の形態において、レンズ430は、分散素子420の下流の1つの焦点距離(すなわち、レンズ430の)に位置する。レンズ430はまた、ビームプロファイラ440に個々のビームを集束させる。ビームプロファイラ440は、様々な実施の形態において、レンズ430の下流の1つの焦点距離(すなわち、レンズ430の)に位置する。様々な実施の形態において、共振器ビーム450は、WBC共振器100または同様の共振器により生成された出力ビームである。
【0068】
図4Aおよび
図4Bに図示されるアライメントシステム400の実施の形態では、レンズ430が分散素子420の光学的下流に位置しているが、他の実施の形態では、レンズ430は、分散素子420の光学的上流に位置していてもよい。さらに、分散素子420はが高集束ビームまたは分散ビームに対してより多くの収差を誘発することがあるため、そのような実施の形態は収差の観点からは好ましくないことがある。
【0069】
非WBC次元において、
図4Bに示すように、レンズ410は、ビームプロファイラ440の上流の1つの焦点距離(すなわち、レンズ410の)に位置してもよい。様々な実施の形態において、レンズ410の焦点距離f1は、レンズ430の焦点距離f2よりも大きく、レンズ410は、分散素子420の上流の位置に配置される。
【0070】
図4Bに示すように、レンズ410は、共振器ビーム450の経路内の位置460(例えば、ビームがレンズ410の略中央に位置するように)、またはビーム経路の外側の位置465に配置されてもよい。これにより、ビームプロファイラ440で、ファーフィールド画像470またはニアフィールド画像475のそれぞれが表示される。WBC次元におけるビームプロファイラ440の中心線は、出力ビーム450のすべてのサブビームに対して非WBC次元における出力カプラ(例えば、
図1のカプラ190)で偏心距離がゼロおよびポインティングエラーがゼロの場合に相当すると仮定すると、ファーフィールド470またはニアフィールド475のサブビームの偏心距離の量は、非WBC次元における共振器出力の対応するサブビームのポインティングエラーまたは偏心距離の量を比例的に示すことができる。このように、
図4Aおよび
図4Bに示すアライメントシステム400は、WBC共振器などの多波長共振器のアライメントを最適化するために有効なツールであり得る。
【0071】
図5Aおよび
図5Bは、
図1に示す共振器100と同様のWBC共振器において、いくつかのサブビーム(画像の左からビーム#3、#7、および#10)が非WBC次元で位置がずれている場合のファーフィールド画像およびニアフィールド画像の例を示す。それぞれの画像は、11個のダイオードバー(例えば、
図1のダイオードバー110)、または
図4Aおよび
図4Bに示す11個のサブバンドの波長(Δλi、i=1:11)に対応する11個のサブビームの画像を含む。それぞれのダイオードバーは、複数のエミッタのアレイを含んでもよい、または本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよいため、それぞれのサブバンドは、複数の異なる波長を含んでもよい、本質的にそれらにより構成されてもよい、またはそれらにより構成されてもよい。隣接するダイオードバーの間のスペクトルギャップ(または「デッドスペース」)により、ビームプロファイラ440でサブビームの画像を重ならないように分離することができる。様々な実施の形態において、サブビームの画像は、ビームプロファイラ440で部分的に重なる場合でも、容易に識別可能である。したがって、ビームプロファイラ440での完全なサブ画像の分離に、例えば少なくとも20%のスペクトルギャップが必要である場合でも、本発明の実施の形態は、少なくとも10%、または少なくとも5%の複数のエミッタ間のスペクトルギャップであっても、ずれの識別または軽減を容易にすることができる。
【0072】
ビームプロファイラ440から得られる画像は、個々のビームエミッタ(例えば、ダイオードバー)がずれているか否か、およびどのビームエミッタがずれているかを効率的に示す。様々な実施の形態において、ファーフィールド画像のずれ(例えば偏心)は、’001特許に記載されているように、エミッタ用の対応するミラー(例えば、
図1のインターリーバ140)の、非WBC次元での傾斜調整により調整または軽減することができる。様々な実施の形態において、インターリーバミラーの傾斜調整は、ニアフィールド画像におけるずれ(例えば、偏心)も同様に低減または最小化することができる。他の実施の形態では、ニアフィールドではなくファーフィールドにアラインされたビームは、’001特許に記載されているように、対応するSACレンズの位置(例えば、スロー軸、非WBC次元で)を繰り返し平行移動させること、および非WBC次元でインターリーバミラー140の傾斜を調整することにより、アラインすることができる。
【0073】
上述のように、非WBC次元のずれは、共振器のパワーを大幅に低下させ、対応するエミッタにアンロックされた波長を放射させることがある。しかし、固体レーザーおよびガスレーザーなどの従来のレーザーとは異なり、一般的なWBC共振器における複数のダイオードまたは複数のエミッタは独立して動作し、共振器の総出力に対してパワーのごく一部にしか寄与しないことがあるため、WBC共振器のアライメント指標として出力パワーを使用することは、ほとんど効果がないことがある。したがって、単一のダイオードのずれは、総出力パワーに基づいて検出するのが難しいことがある。対照的に、本発明の実施の形態による光学技術は、個々のエミッタのずれを効率的に明らかにする。
図5Cおよび
図5Dは、すべてのサブビームが非WBC次元で適切にアラインされた場合のファーフィールド画像およびニアフィールド画像の例を示す。
【0074】
本発明の様々な実施の形態では、ビームプロファイラ440により取得された画像に応じて、非WBC次元で複数のエミッタを自動的にアラインすることができる。例えば、本発明の実施の形態によるシステムは、ビームプロファイラ440により取得された画像に現れるずれを低減するまたは実質的に排除するために、少なくとも非WBC次元で、インターリーバミラー140の傾斜、および/またはSACレンズ130の位置(すなわち、平行移動)を調整するコントローラ195(
図1参照)を含んでもよい。様々な実施の形態によると、コントローラ195は、従来の画像処理ソフトウェアまたはアルゴリズムを使用して、ビームプロファイラ440により生成されたニアフィールド画像およびファーフィールド画像に現れる複数のエミッタのアライメントまたはずれを測定し、上述のように、ずれを緩和するためにインターリーバミラー140の傾斜および/またはSACレンズの位置(すなわち、平行移動)を(例えば、チップ/チルトステージ、ステッパモータなどのコンピュータ制御を介して)調整してもよい。
【0075】
コントローラ195は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせのいずれかとして提供されてもよい。例えば、システムは、カリフォルニア州サンタクララのインテル社により製造されたPentium(登録商標)またはCeleron(登録商標)ファミリのプロセッサ、イリノイ州シャンバーグのモトローラ社により製造された、680x0およびPOWER PC(登録商標)ファミリのプロセッサ、および/または、カリフォルニア州サニーベールのアドバンストマイクロデバイセズ社により製造されたATHLON(登録商標)、などの1つまたは複数のプロセッサを含むCPU基板を有するPCなどの、1つまたは複数の従来のサーバクラスコンピュータに実装されてもよい。プロセッサはまた、本明細書に記載される方法に関するプログラムおよび/またはデータを格納するメインメモリユニットを含んでもよい。メモリは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、または読み取り専用メモリ(ROM)などの一般的に利用可能なハードウェアに存在する、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、および/またはFLASH(登録商標)メモリを含んでもよい。いくつかの実施の形態において、プログラムは、光学ディスク、磁気ディスク、および他の一般的に使用されるストレージ装置などの、外部RAMおよび/またはROMを使用して提供されてもよい。機能が1つまたは複数のソフトウェアプログラムとして提供される実施の形態では、プログラムは、PYTHON、FORTRAN、PASCAL、JAVA(登録商標)、C、C++、C#、BASIC、様々なスクリプト言語、および/またはHTMLなどの多くの高級言語のうちのいずれかで記述されていてもよい。さらに、ソフトウェアは、ターゲットコンピュータに常駐するマイクロプロセッサに向けたアセンブリ言語で実装されていてもよい。例えば、ソフトウェアは、IBM PCまたはPCクローン上で実行されるよう構成されている場合、インテル80x86アセンブリ言語で実装されてもよい。ソフトウェアは、フロッピーディスク、ジャンプドライブ(jump drive)、ハードディスク、光学ディスク、磁気テープ、PROM、EPROM、EEPROM、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはCD-ROMを含むがそれに限定されない製造物に具現化されていてもよい。
【0076】
様々な実施の形態において、
図4Bに示すビームプロファイラ440により生成されたニアフィールド画像475は、ビーム450を一直線に投影したものある。したがって、(例えば、
図5に示すような)ニアフィールド画像のサブビームの偏心距離は、WBC共振器の出力カプラ上で対応するサブビームの実際の偏心距離を直接反映したものではないことがある。これは、
図6Aおよび
図6Bに示す本発明の様々な実施の形態によるアライメントシステム600を介して対処することができる。
図6Aにおいて、ニアフィールド画像610は、レンズイメージング方程式1/S1+1/S2=1/f3を満たし、f1よりも短い焦点距離f3を有する第3レンズ620に、第1レンズ410を置き換えることにより取得することができる。ここで、S1およびS2はそれぞれ、レンズ620からカプラ190まで、およびレンズ620からビームプロファイラ440までの距離である。S2=f1であるため、S1=f1×f3(f1-f3)となる。
【0077】
図6Bに示す同様の実施の形態において、S1=f3であり、焦点距離f3を有する第3レンズ640を追加することにより、ニアフィールド画像630を取得することができる。様々な実施の形態において、
図6Bに示すように、第3レンズ640は、ビーム出力(例えば、カプラ190)の光学的下流かつレンズ410の光学的上流に配置される。
図6Aおよび
図6Bのいずれかに示すアライメントシステム600において、所定の位置に第1レンズ(またはレンズセット)410だけを配置し、S2=f1を維持することにより、ファーフィールド画像を取得することができる。ニアフィールド画像610または630は、カプラ190でのビーム450の画像であるため、ニアフィールド画像におけるサブビーム画像の偏心距離は、これらのサブビームのカプラ190での偏心距離を直接および比例的に反映する。
【0078】
図7Aは、
図6Bのアライメントシステム600と同様の、本発明の様々な実施の形態によるアライメントシステム770を示す図であるが、出力カプラ190の光学的下流に配置されたビームローテータ710が追加されている。様々な実施の形態において、ビームローテータ710は、出力ビーム450を約90度回転させる。したがって、アライメントシステム700は、サブビームのずれおよびWBC次元でのポインティングエラーを描写する。様々な実施の形態において、ビームローテータ710は、ビーム450の経路内外で出入り可能であり、それにより、非WBC次元またはWBC次元のいずれかに沿ったずれの検出(およびその結果として生じる緩和)の選択を可能にする。
【0079】
本発明の実施の形態による例示的なビームローテータ710が、
図7B~
図7Dに図示されている。例えば、
図7Bは、ビームの垂直方向および水平方向の次元に対して45度に配向された共焦点の一対のシリンドリカルレンズとして、ビームローテータ710を図示している。
図7Cは、ビームの垂直方向および水平方向の次元に対して45度に配向されたダブプリズムとして、ビームローテータ710を図示している。
図7Dは、一対のミラーとして、ビームローテータ710を図示している。第1ミラーは、第1面でビームを90度反射し、第2ミラーは、第1面に直交する第2面でビームを90度反射する。
【0080】
図8は、本発明の実施の形態によるアライメントシステム800を示す図である。様々な実施の形態において、アライメントシステム800は、レンズまたは他の光学素子を物理的に移動させることなく、ニアフィールド画像810とファーフィールド画像820とを同時に取得する。図示された例示のアライメントシステム800において、ビーム450は、ビームスプリッタ830で受信される。ビームスプリッタ830では、一方のビーム部分はレンズ640、410の両方を通過して伝播するが、他方のビーム部分は(レンズ640の周りで方向転換された後)レンズ410だけを通過して伝播するよう分割される。次に、両方のビーム部分が、ニアフィールド画像およびファーフィールド画像の表示のためにビームプロファイラ440に伝播する。
図8の例示的な実施の形態に示すように、一方のビーム部分は、リフレクタ(例えば、ミラー)840、850によりレンズ640の周りで方向転換される。ビーム部分は、主ビーム経路に再合流するビームスプリッタ860に方向転換される。
図8では、レンズ640の周りでビーム部分を方向転換させるためにリフレクタ840、850を使用しているが、様々な実施の形態では、ビーム部分を方向転換させるために、1つのリフレクタだけ、または2つ以上のリフレクタを使用してもよい。
【0081】
図8に示すように、1つまたは複数のビームスプリッタおよび/またはリフレクタの角度を調整して、ニアフィールド画像およびファーフィールド画像が互いに重なり合わないようにしてもよい。このようにして、ビーム450のニアフィールド画像およびファーフィールド画像を同時に監視しつつ、複数のエミッタのずれを低減するまたは実質的に排除することができる。
【0082】
本明細書において使用される用語および表現は、限定のためではなく説明のための用語として使用される。それらの用語および表現の使用において、図示され説明された特徴またはその一部と同等なものを排除する意図はない。しかし、請求項に記載された発明の範囲内において様々な変更が可能であることが認識されている。