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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】バッグ開放システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20230616BHJP
   B65B 69/00 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
A61M1/16 161
B65B69/00 101
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019570395
(86)(22)【出願日】2018-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 US2018038581
(87)【国際公開番号】W WO2018237063
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-04-12
(31)【優先権主張番号】62/522,484
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519447798
【氏名又は名称】アイソピュア,コープ.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガレスピー,ケビン シー.
(72)【発明者】
【氏名】フォード,ザカリー パトリック
(72)【発明者】
【氏名】コーエン フレウエ,ギレルモ ジェイ.
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-190929(JP,A)
【文献】特開平08-011849(JP,A)
【文献】特開昭50-019594(JP,A)
【文献】特公昭51-013076(JP,B1)
【文献】実開昭61-178304(JP,U)
【文献】実開平04-083250(JP,U)
【文献】特開平11-157519(JP,A)
【文献】特開2008-127089(JP,A)
【文献】特開昭59-221231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/16
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質を含むバッグを開き且つ空にするためのシステムであって、該システムは、
土台であって、該土台から1対の対向側面が延びており且つ中に中央開口部を有する、
土台と、
側面間に備え付けられる1対の対向するドアであって、各前記ドアは外縁部と内縁部において終端となる底部を有し、前記1対の対向するドアの前記内縁部は開放部を形成し、各前記ドアは、当該ドアの下側に前記内縁部回転可能なドアシャフトに固定され、前記ドアと前記ドアシャフトが共に回転し、前記ドアの前記外縁部が上方に回転することにより、前記バッグの物質を空にする作用を与える、前記1対の対向するドアと、
枢動ロッド上で前記土台に枢動自在に備え付けられる複数の貫通ブレードであって、
前記バッグを貫通するように枢動可能である、複数の前記貫通ブレード、及び
前記対向するドアの開放部の下に側方に備え付けられる切断ブレードであって、
前記開放部にわたる直線運動が可能である、切断ブレード
を含む、システム。
【請求項2】
前記ドアの各々から延びる全体的にまっすぐな後壁であって、それにより前記バッグは
前記対向する後壁の間、及び前記開放部の上に位置決めされる、後壁を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記対向するドアを通る複数のスロットであって、それにより前記貫通ブレードが前記スロットを通って枢動する、複数のスロットを備える、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ドアを回転させ、前記貫通ブレードを枢動させ、及び前記切断ブレードを動かすための作動アセンブリを備える、ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記作動アセンブリは、前記土台の前記側面のうち1つに固定されるラック及びピニオンカセットを備え、前記ラック及びピニオンカセットは、
前記ドアシャフトを係合させるドアアクチュエータラックギア、及びドアアクチュエータピニオンギア、
前記貫通ブレード枢動ロッドを係合させる貫通ブレードアクチュエータラックギア、及び貫通ブレードピニオンギア、及び
前記対向するドアの開放部の下に側方に備え付けられる、前記切断ブレードが固定される切断ギアラック、及び前記切断ブレードギアラックを係合させるための切断ピニオンギア
を備える、ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ドアを開閉するように前記ドアアクチュエータピニオンギアを駆動させるドアアクチュエータモーター、
前記貫通ブレードを開閉するように前記貫通ブレードピニオンギアを駆動させる貫通ブレードアクチュエータモーター、及び
前記切断ブレードを作動させるように前記切断ピニオンギアを駆動させる切断ブレードモーター
を備える、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
コントローラであって、データメモリと、信号を供給及び受信するための複数の入力部び出力部と、ユーザーコマンドを受信するために前記コントローラに動作可能に繋げられる操作者インターフェースとを有しており、前記ドアアクチュエータモーター、前記貫通ブレードアクチュエータモーター、及び前記切断ブレードモーターに動作可能に繋げられる、コントローラを備える、ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、液体と乾燥粉末を用いて溶液を混合するためのシステム、より具体的には、乾燥粉末バッグを迅速且つ完全に開き、及び人工透析システムでの使用のために酸溶液を生成するべく前記バッグの中身を混合レセプタクルに出すためのシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
種々様々な医療上の臨床的使用のために様々な酸性溶液を混合することが、医学分野において必要とされている。これら溶液の多くは、所望のpHを持つ酸溶液を生成するために予め決められた量の乾燥酸粉体を予め決められた量の水と混合することによって、現場で調製される。これら先行技術の酸溶液混合システムの大半は、相当な労力を要し且つ時間を浪費する取扱いを必要とする。例えば、乾燥酸粉末バッグが開かれ、一定量の粉末が測定されて適切な混合容器へと入れられなければない。その後、一定量の水が慎重に測定され、そして、手動で、或いは電動パドル又は他の混合又は撹拌器機によって容器に注がれなければならない。
【0003】
一旦、溶液が混合されると、その一部を試験して適切なpH又は溶液濃度が達成されたことを判定しなければならない。予め測定された乾燥酸バッグが溶液の生成に使用される場合、所望のpHを持つ予め決められた量の溶液を生成するべくバッグを完全に空にするのを確実にするために大きな注意を払わなければならない。溶液のpH又は濃度が少量でも不正確であった場合、人工透析などの医療用途においてpHの僅かな変動でさえ大失敗を引き起こしかねないことから、前記一部は調整され且つ再混合されなければならない。これら先行技術の混合システムにおいて、プロセスの幾つかの部分が自動化される場合でも、大量のユーザーに集約される労力が混合プロセスに要求される。
【0004】
多数の乾燥酸粉末用途において、粉末には、バッグ側面に集合する又は取り付く傾向があり、これにより、バッグを完全に空にすることが困難となる場合がある。通常、バッグは手で慎重に開かれて、更なる処理及び混合のために中身をレセプタクル又はホッパーに入れなければならない。明らかに、この手順は、特に大きなバッチのために多くの手作業を必要とする。各バッグは慎重に開かれ、空にされ、確実に粉末が完全に取り除かれてその後に手で捨てられるように注意を払わなければならない。人工透析に使用される大規模な医療システムにおいて、この手順はかなり扱いにくく且つ信頼性がなく、一貫した溶液バッチを生成するために試験と混合の繰り返しを要する場合がある。
【0005】
故に、当該技術分野において、乾燥粉末バッグ開放システム、例えば、ユーザーの労力を最小化しつつ、利用される各バッグに対してバッグを完全に空にすることを確実にし、それにより調製されている溶液の各バッチにおいて一貫した混合、品質制御、及び正確なpHをもたらす酸溶液混合システム、が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の様々な実施形態及び態様は、一般的に溶液を混合するためのシステム、より具体的には、予め測定された乾燥酸混合粉末を自動的に開いてその中身を混合タンクに入れて、所望のpH又は濃度を持つ溶液を生成するためのシステム、における前述の欠点を解消するものである。本明細書に説明される様々な実装及び実施形態は、酸溶液を生成するために乾燥酸粉末のバッグを空にして且つ混合するためのシステムを主に指すが、当業者は、前記システムが、本発明の範囲から逸脱することなく多種多様な流体の何れかを含む多種多様な粉末バッグを開き且つ空にするために利用され得ることを認識することに、留意されたい。故に、本明細書に記載されるシステムは酸溶液の混合に限定されないが、むしろ、液体又は流体を含むバッグに含有される粉末又は乾燥物質を利用してあらゆる溶液を混合するために実装されることもある。
【0007】
以下により詳細に説明される前述及び追加の概念の組み合わせ全て(このような概念が相互に一貫していないと仮定する)が、本明細書に開示される発明の主題の一部であると考慮されることを、認識されたい。特に、本開示の終わりに見られる請求項に記載された主題の組み合わせは全て、本明細書に開示される発明の主題の一部であると考慮される。また、参照により組み込まれるあらゆる開示に見ることができる、本明細書で明確に利用される専門用語は、本明細書に開示される特定の概念に最も一貫した意味として認められるべきことを、認識されたい。
【0008】
本開示に一貫した典型的な実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その用途において構造の詳細、及び、以下の記載に明記され又は図面に例示される構成に限定されないことを、理解されたい。本開示は、記載される実施形態に加えて実施形態を可能にし、且つ様々な方法で実施及び実行することが可能である。また、本明細書の他、要約で利用される語法と専門用語は、説明目的のためのものであり、限定的なものとして見なすべきではないことを理解されたい。
【0009】
様々な態様及び実施形態において、記載されるシステムは、例えば乾燥粉末を更に処理する物質形態を含むバッグを保持し、貫通し、切断し、及び空にする装置を提供する。要素の組み合わせは、凝集塊が存在し得る場合でさえ、バッグから粉末物質を除いて完全に空にするように作用する。このシステム及び装置は、典型的に手動開放及び粉末物質の添加を要する既存の混合システムから多くの利点を提供する。
【0010】
幾つかの実施形態において、開放されるバッグは、間に開放部を有する1対の対向する回転可能ドアの上に配され、これによりバッグの中心部分が、更なる混合及び/又は処理のために使用される混合タンク、ホッパー、混合ライン、又は他の容器に通じる開口部又は開放部の上で無支持のままにすることが可能となる。様々な態様において、前記ドアは、複数の貫通ブレード及び把持ブレードが開放中のバッグを貫通するように配置される、様々なスロット又は穴を中に備えている。貫通ブレードは多数の機能を果たし、即ち、バッグの気圧を下げ、バッグ中の凝集物質を粉砕し、及びシステム作動中に回転可能ドアにバッグを安全に保持するように作用する。
【0011】
様々な実施形態において、ドア開放部の真上でバッグを開放し、従って中を空にするプロセスを開始するために底面上でバッグまでの横断経路に沿って引っ張られる切断ブレードが設けられる。前記切断ブレードは幾つかの態様において、システムが作動するごとに同じ位置でバッグ底部にわたって切断ブレードを滑らかに且つ一貫して引くラック及びピニオンのシステムによって作動される。
【0012】
前記システムの他の態様及び実施形態において、1対の対向する回転可能ドアは、共に枢動して、それにより把持ブレードによって把持されているバッグを圧搾して中を空にするように作動され得る。幾つかの態様において、ドアの回転は、バッグを完全に空にすることを確実にするべく繰り返され得る。
【0013】
他の態様及び実施形態において、前記システムの構成部分は、前記システムの一部を形成し得る必要なモーター及び他の電気機械構成部分を作動させる或いはエネルギーを与えることが可能な、コントローラ又はプロセッサによって作動され得る。本発明の様々な態様及び実施形態において、プロセッサ又はコントローラが、本発明の構成部分から電気信号を受け入れ且つ本発明の構成部分へと電気信号を供給するための信号及び/又はデータ入力部と信号及び/又はデータ出力部とを有して設けられる。コントローラは、操作者がシステムからデータを受信してユーザーにコマンドを提供するのを可能にするべく、様々な発明の構成部分及び操作者インターフェース又は同等のユーザー入力部を作動させる命令を記憶するためのデータメモリを備えてもよい。
【0014】
幾つかの態様及び実施形態において、コントローラは、混合される各バッチが、記憶及び追跡され得る幾つかの典型的ではあるが非限定的なデータに言及するべく、粉末バッチ数、製造者、発売日、及びサイズにより追跡可能となるように、空にされ且つ混合されている粉末のバッグに関連する操作者インターフェースを通じて提供される情報を記憶することができる。
【0015】
組み込まれて本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の典型的ではあるが非限定的な実施形態を例示し、及び、記載と共に、本開示の原理を説明する役目を果たす。
【0016】
当業者は、本開示が基づく発明の概念及び原理が、本開示の目的を実施するための他の構造、システム、方法、及び製品を設計するための基礎として容易に利用され得ることを認識する。従って、本明細書に添付される請求項は、本明細書に開示される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそのような同等の構造が含むものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの等角図である。
図2】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの等角図である。
図3】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの部分等角図である。
図4】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの平面図である。
図4A】本発明の一実施形態に係る図4の線4A-4Aに沿って取ったバッグ開放システムの図である。
図5】本発明の幾つかの実施形態に係るバッグ開放システムの部分等角図である。
図6】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの部分等角図である。
図7】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの等角図である。
図8】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの等角図である。
図9】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの部分等角図である。
図10】本発明の一実施形態に係る図9の線10-10に沿って取ったバッグ開放システムの図である。
図11】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの部分等角図である。
図12】本発明の一実施形態に係る図11の線12-12に沿って取ったバッグ開放システムの図である。
図13】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの平面図である。
図14】本発明の一実施形態に係る図13の線14-14に沿って取ったバッグ開放システムの図である。
図15】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムの部分等角図である。
図16】本発明の一実施形態に係る図15の線16-16に沿って取ったバッグ開放システムの図である。
図17】本発明の一実施形態に係るバッグ開放システムのドアの等角図である。
図18】本発明の一実施形態に係る貫通ブレード枢動ロッドの図である。
図19】本発明の一実施形態に係る図18の線19-19に沿って取った貫通ブレード枢動ロッドの図である。
図20】本発明の一実施形態に係る図19の線20-20に沿って取った貫通ブレード枢動ロッドの図である。
図21】本発明の一実施形態に係る図20の線21-21に沿って取った貫通ブレード枢動ロッドの図である。
図22】本発明の一実施形態に係るコントローラのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで図面、特に図1-3を参照すると、本発明の幾つかの態様及び典型的な実施形態に従って、粉末(2)又はあらゆる物質を含有するバッグ(1)を開き、且つ中を空にすることで粉末(2)が混合又は更なる処理のために堆積され得るホッパー、混合タンク、又は他のレセプタクルに入れるための、バッグ(1)開放システム(10)は、システム(10)が取り付けられ且つ支持される土台(20)を備えている。土台(20)は全体的に平坦な形状であり、及びその一部において開口部(22)又は開放部を備えている場合があり、これによりバッグ(1)の中身(2)が土台(20)の開口部(22)の下に配されるホッパー又は他の容器へと流れ込むことが可能となる。幾つかの態様及び実施形態において、システム(10)は、土台(20)から延びる1対の対向端部(30)、及び土台(20)から延びる1対の対向側面(40)を備え得る。土台(20)、端部(30)、及び側面(40)は一般的に、以下で更に説明されるように、バッグ(1)が配され得るボックス又は容器を形成する。加えて、土台(20)、端部(30)、及び側面(40)は、開かれているバッグ(1)に堆積される物質(1)とは反応しない物質から形成され得る。幾つかの態様及び実施形態において、土台(20)はポリテトラフルオロエチレン又は同様の非反応性物質から構成され得るが、種々様々な物質が本発明の範囲から逸脱することなく利用されてもよい。
【0019】
幾つかの態様において、図2-6に示されるように、システム(10)は、バッグ(1)を把持及び貫通するために2対の対向する貫通ブレード(110)を備えたバッグ貫通アセンブリ(100)を含んでいる。各対の貫通ブレード(110)は、重心軸のまわりで回転可能であり、且つ、例えば図1に示されるような開位置から図5に示されるような閉位置又は貫通位置へと貫通ブレード(110)を動かすように作用する、枢動ロッド(120)に備え付けられる。幾つかの態様及び実施形態において、枢動ロッド(120)は、貫通ブレード(110)が堅く固定されるブレード取り付けブロック(130)へと固定される。貫通ブレード(110)は、アクチュエータを利用して、例えば90度の回転を通じて枢動ロッド(120)及び付属のブレード取り付けブロック(130)により作動されるが、貫通ブレード(110)は、本発明の範囲から逸脱することなく特定のバッグ(1)開放用途に依存して90度前後回転され得ることが認識される。本明細書に開示される様々な実施形態は2対の対向する貫通ブレード(110)を想定しているが、より多くの又は少数の貫通ブレード(100)が本発明の範囲から逸脱することなくシステム(10)に利用されてもよいことを理解されたい。
【0020】
再び図1-5及び14を参照すると、また更なる態様及び実施形態において、システム(10)は、回転自在にシステム(10)の側面(40)間に備え付けられる1対の対向するドア(200)を備えている。各ドア(200)は、貫通ブレード(110)が閉じられたときに伸長し得る少なくとも2つのスロット(212)を有する、全体的にまっすぐな後壁(210)を備え得る。各ドア(200)は加えて、バッグ(1)を支持するための底部(220)、及びシステム(10)の作動時にバッグ(1)の中身(2)が開口部(22)を通って落下するのを促す内部形成湾曲部又は湾曲縁部(222)を備え得る。
【0021】
幾つかの態様及び実施形態において、ドア(200)は、物質がバッグ(1)から出るのを更に促すべく、湾曲縁部(222)の端部に近接する点にて側面(40)に回転自在に固定される。典型的な実施形態において、ドア(200)は、図15と16において最良に描かれているように、ドア底部(220)の真下に位置するドアシャフト(240)に固定されており、ドアシャフト(240)は、ドア(200)を強制的に上方に動かして、ドアシャフト(240)のまわりで回転させ、それによりバッグ(1)に粉末(1)を強制的に出させ、或いはそのように圧搾する。加えて、図1-5を再び参照すると、対向するドア(200)の湾曲縁部(222)は開口部又は空隙(230)を形成し、その上にわたってバッグ(1)は、バッグ(1)が空隙(230)の真下で開かれるように支持されず、粉末(2)は土台(22)の開口部(22)を通って容易に下方へ落下する。土台(20)と同様、対向するドア(200)は、粉末(2)がバッグ(1)から取り除かれることにより影響を受けない任意の物質から構成されてもよい。幾つかの典型的な実施形態において、ドア(200)はポリテトラフルオロエチレンから形成されてもよい。
【0022】
ここで図1-3及び4-7を参照すると、本発明の幾つかの実施形態に従って、切断ブレードアセンブリ(300)は、切断ブレード(310)を、その端部(322)において切断ギアラック(320)に固定して備えている。切断ギアラック(320)は直線運動が可能となるように備え付けられ、及び土台(20)の長手軸へと側方に配置され、そして対向するドア(220)の湾曲縁部(222)の間と土台開口部(22)の真下に位置決めされる。切断ブレード(310)は、ギアラック(320)の作動時にバッグ(1)の底部に接し、それにより土台開口部(22)の真上の側方線に沿ってバッグ(1)を開くように位置決めされる。幾つかの態様及び実施形態において、一旦バッグ(1)が切断ブレード(310)の作動により開かれると、切断ブレード(310)はその後、本明細書で以下に詳述されるように、バッグ(1)が空になるまで元の位置に戻される。切断ブレード(310)は、複数の金属又はセラミックの何れか1つから製造されてもよく、幾つかの実施形態において、バッグ(1)の中身(2)と反応しない物質から構成されてもよい。
【0023】
ここで図2、3、7、及び8を参照すると、様々な態様及び実施形態に従い、システム(10)は、貫通ブレード(110)、切断ブレード(310)、及び対向するドア(200)を作動させるための作動アセンブリ(400)を備えている。作動アセンブリ(400)は、枢動ロッド(120)、ドアシャフト(240)、及び切断ブレードギアラック(320)に係合し且つそれらを作動させるためにシステム(10)の一側面(40)に固定される、ラック及びピニオンカセット(410)で構成される。ラック及びピニオンカセット(410)は、図8に見られるようにラック及びピニオンギアが備え付けられる内壁(412)、及び、図8において最良に描かれるように、ピニオンギアを係合し且つ駆動させるために複数のアクチュエータモーターが備え付けられる外壁(414)を備え得る。
【0024】
様々な態様及び実施形態において、ラック及びピニオンカセット(410)は、ドアアクチュエータピニオンギア(422)により係合されるカセット(410)に沿って長軸方向に摺動自在に備え付けられたドアアクチュエータラック(420)を備える。ドアアクチュエータピニオンギア(422)はまた、ドアアクチュエータシャフト(240)に固定され且つそれを回転させる、1つのドアアクチュエータシャフトギア(424)を係合させる。他のドアアクチュエータシャフトギア(424)は、ドアアクチュエータラック(420)により係合され且つ駆動される。図7に示されるように、ドアアクチュエータモーター(430)は、作動時にピニオンギア(422)が回転し、それにより両方のアクチュエータシャフトギア(424)、アクチュエータシャフト(240)、及びドア(200)に回転を与えるように、ピニオンギア(422)に備え付けられる。この様式において、及び図15と16に最も良く見られるように、あらかじめ決められた時間にて、ドアアクチュエータモーター(430)は、ドア(200)を上方に且つ一体的に動かして、それによりバッグ(1)の中身(2)が開口部(22)を通ってバッグ(1)から出ることを強いるように作動され得る。
【0025】
図7及び8を更に参照すると、同様の様式で、ドア(200)の作動に対して、ラック及びピニオンカセット(410)は、貫通ブレード(110)アクチュエータラック(440)を、貫通ブレードアクチュエータピニオンギア(442)により係合されるカセット(410)に沿って長軸方向に備え付けて、備えている。貫通ブレードアクチュエータピニオンギア(442)はまた、貫通ブレード枢動ロッド(120)に固定され且つそれを回転させる1つの貫通ブレード枢動ロッドギア(444)を係合させる。他の貫通枢動ロッドギア(444)は、貫通ブレードアクチュエータラック(440)により係合され且つ駆動される。図7に示されるように、貫通ブレードアクチュエータモーター(450)は、作動時にピニオンギア(442)が回転し、それにより両方の枢動ロッドギア(444)、枢動ロッド(120)、及び貫通ブレード(110)に回転を与えるように、ピニオンギア(442)に備え付けられる。この様式において、図9-12に最も良く見られるように、あらかじめ決められた時間にて、貫通ブレードアクチュエータモーター(450)は、本明細書で以下に詳述されるように、貫通ブレード(110)を強制的に回転させてそれによりバッグ(1)を穿刺し且つ把持して、バッグ(1)を安全に保持するように作動し、一方でシステム(10)はバッグ(1)を切り開き且つ空にするように作動する。
【0026】
図7及び9-14を参照すると、様々な態様及び実施形態に従って、切断ギアラック(320)は、ラック及びピニオンカセット(410)の外壁(414)上でギアラック(320)の端部に近接して備え付けられる切断ピニオンギア(322)により作動される。切断ブレードモーター(340)も、切断ピニオンギア(322)を係合し且つ駆動させ、それにより土台(20)にわたって側方に切断ギアラック(320)動かし、係合させ、及び切断ブレード(310)によりバッグ(1)を切断するように、備え付けられる。故に、切断ブレードモーター(340)が作動すると、切断ブレード(310)はバッグ(1)を開き、それによりバッグ(1)を空にすることを始めるように作動する。
【0027】
様々な態様において、切断ブレードモーター(340)、ドアアクチュエータモーター(430)、及び貫通ブレードアクチュエータモーター(450)は、所定のバッグ(1)開放システムに必要とされ得るような電動式のサーボモーター、或いは同様のAC又はDC電気モーターでもよいことを、留意されたい。種々様々なモーターが、本発明の範囲から逸脱することなく切断ブレードモーター(340)、ドアアクチュエータモーター(430)、及び貫通ブレードアクチュエータモーターとして使用され得る。
【0028】
図22に図示されるような本発明の様々な態様及び実施形態において、プロセッサ(500)又はコントローラは、サーボモーター、リミットスイッチ、リゾルバなどの、本発明の構成部分から様々な電気信号を受け取り且つ前記構成部分に様々な電気信号を供給するための信号及び/又はデータ入力部(502)と信号及び/又はデータ及び/又は動力出力部(504)とを有して、提供され得る。コントローラ(500)は、操作者がデータ及び様々なシステム(10)の動作パラメータを受信し且つそれらを確認し、コントローラ(500)にユーザーコマンドを提供するのを可能にするべく、様々な発明の構成部分、及び操作者インターフェース(520)又は同等のユーザー入力部を作動させる命令を記憶するためのデータメモリ(510)を備えてもよい。プロセッサ(500)の入力部(502)及び出力部(504)は、幾つかの実施形態において、システム(10)の貫通ブレード(110)、ドア(200)、及び切断ブレード(310)を作動させるために利用されるアクチュエータモーターに動作可能に繋げられる。プロセッサ(500)は更に、データメモリ(510)においてバッグ(1)及び流体バッチ情報を検出し、スキャンし、及び記憶するために、バーコードスキャナ(530)又は同様のデバイスに動作可能に繋げられ得る。更に、操作者インターフェース(120)は、作動シーケンスを開始するべく「開始」又は「バッグ開放」のアイコンを選択することにより、システム(10)の作動を開始させるために使用され得る。
【0029】
ここで図9-14を参照すると、システム(10)は、一旦ユーザーがドア(200)上の中心にある粉末(2)又は他の同様の物質を含むバッグ(1)を配すると、バッグ(1)を開く及び空にする動作を実行する。コントローラ(500)は、幾つかの実施形態において、以下の典型的ではあるが非限定的な実施形態に従いコントローラ(500)がシステム(10)の構成部分を作動させる又はそれにエネルギーを与えるのを可能にする、適切なプログラム又は命令のセットと共に提供され得る。最初に、操作者インターフェース(520)は、「開始」アイコン、或いは、バッグ(1)の開放を開始するための押しボタンを選択するために利用され得る。その後、コントローラ(500)は、以下のシーケンスでモーターを作動させるために必要な出力(504)にエネルギーを与える。最初に、貫通ブレード(110)アクチュエータモーター(450)は、図11-12に見られるようにバッグ(1)を裂き且つ把持するために貫通ブレード(110)を回転させるべくエネルギーを与えられる。一旦バッグ(1)が堅く把持されると、切断ブレード(310)のモーター(340)が作動し、それにより切断ブレード(310)を強制的にバッグ(1)の底部にわたって動かしてバッグ(1)を切り開く。バッグ(1)から出た粉末(2)は、ドア(200)及び開口部(22)を通って、レセプタクル、混合タンク、混合ライン、又は他の容器(図示せず)へと落下し始める。その後、コントローラ(400)はドアアクチュエータモーター(430)にエネルギーを与えて、ドア(200)が強制的にシャフト(240)のまわりで回転し且つ開くようにし、それによりバッグ(1)を開いて粉末(2)が開口部を通って出ていくのを可能にする。予め決められた期間後、ドアアクチュエータモーター(430)は反転されて、ドアをその閉位置に戻す。幾つかの態様及び実施形態において、ドアアクチュエータモーターは、バッグ(1)を完全に空にすることを促すために、予め決められた回数にわたり、及び/又は所定の回転の弧(arc of rotation)を通じて、ドア(200)の開閉を繰り返される。更に、切断ブレードモーター(340)は、ブレード(310)をその初期位置に戻し、貫通ブレードモーター(450)は貫通ブレード(110)をその初期位置に戻す。その後、空のバッグ(1)をシステム(10)から取り除くことができる。
【0030】
用語「プロセッサ」又は代替的に「コントローラ」は、一般的に1つ以上の光源の動作に関連する様々な装置を説明するために本明細書で使用される。コントローラは、本明細書で説明される様々な機能を実行するための多数の方法(例えば専用ハードウェアを用いるなど)で実行され得る。「プロセッサ」は、本明細書に説明される様々な機能を実行するためにソフトウェア(例えばマイクロコード又は機械語命令)を用いてプログラムされ得る1つ以上のマイクロプロセッサを利用する、コントローラの一例である。コントローラは、プロセッサの利用の有無に関わらず実装され、及び、幾つかの機能を実行するための専用ハードウェアと他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)との組み合わせとして実装され得る。本開示の様々な実施形態に利用され得るコントローラ構成部分の例として、限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられる。
【0031】
様々な実装において、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(一般的に本明細書では、「メモリ」、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROMなどの揮発性及び不揮発性のコンピュータメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープなどと称される)に関連付けられ得る。幾つかの実装において、記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上での実行時に本明細書で説明される機能の少なくとも幾つかを実行する1つ以上のプログラムを用いてコードされ得る。様々な記憶媒体がプロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよく、その結果、記憶媒体に記憶された1つ以上のプログラムは、本明細書に説明される本開示の様々な態様を実施するようにプロセッサ又はコントローラへとロードすることができる。用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために利用可能なあらゆるタイプのコンピュータコード(例えばソフトウェア又はマイクロコード)を指すように、一般的な意味合いで使用される。
【0032】
用語「ユーザーインターフェース」は、本明細書で使用されるように、ユーザーとデバイスとの相互作用を可能とする、ユーザー又は操作者と1つ以上のデバイスとの間のインターフェースを指す。本開示の様々な実装に利用され得るユーザーインターフェースの例には、限定されないが、スイッチ、ポテンシオメーター、ボタン、ダイヤル、スライダ、マウス、キーボード、キーパッド、様々なタイプのゲームコントローラ(例えばジョイスティック)、トラックボール、ディスプレイスクリーン、様々なタイプのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、スマートフォン、時計、タブレット、パーソナルコンピューティングプラットフォーム、タッチスクリーン、マイクロフォン、及び、人によって生成される刺激の幾つかの形態を受け取り且つそれに応じて信号を生成することができる他のタイプのセンサが挙げられる。
【0033】
本明細書に使用される用語「モーター」又は「アクチュエータモーター」は、システム(10)の一部を形成するピニオンギア又は他の作動機構を作動させるために使用されるあらゆるデバイスを指す場合がある。様々な実施形態において言及されるモーターは電気で作動することができ、及び、モーター位置を示すコントローラ入力部に動作可能に繋げられるアナログ又はデジタルの位置フィードバック出力を備え得る。加えて、モーターは、本発明の範囲から逸脱することなくサーボモーター、DCモーター、又はACモーターでもよい。
【0034】
前述の本発明の実施形態の詳細な記載は、主に明確な理解のために提供されるものであり、不必要な制限がその記載から理解され又は示唆されるものではない。様々な実施形態における本発明に対する修正は、本開示を読む際に当業者に明白となり、及び、本発明とそれに付随する請求項の範囲から逸脱することなくなされる。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22