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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】パイプ分岐用カップリングアッシー
(51)【国際特許分類】
   F16L 41/12 20060101AFI20230616BHJP
   F16L 41/02 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
F16L41/12
F16L41/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021568829
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 KR2020006375
(87)【国際公開番号】W WO2020235870
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0057933
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0173782
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518253370
【氏名又は名称】ニュー アジアジョイント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ サン ホン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ドン イル
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-291872(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0000719(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 41/12
F16L 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入流体の分岐のための分岐ホールが形成された流入パイプと、前記分岐ホールを通じて分岐された流体が流れるように前記流入パイプと連通した分岐パイプ、および前記流入パイプと前記分岐パイプを互いに連結するカプラを含むカップリングアッシーにおいて、
前記カプラは、
前記分岐ホールの周りを囲むように配置され、前記分岐ホールの内周面に挿入されるガイドリブが備えられるボディ部、および前記ボディ部と前記流入パイプの外周面の間に配置されて前記ボディ部に形成された加圧面によって加圧されている流体の漏洩を防止するベースが形成されたガスケット部、を含み、
前記ベースには、前記分岐パイプの軸方向に沿って延びる補強突起が形成され、
前記補強突起には、前記分岐ホールの周方向に沿って延びる膨張溝と、前記膨張溝の内部に流体が流入されるように流体を案内する供給流路と、が形成され、
前記膨張溝は、前記補強突起の側面に備えられる第1膨張溝であって前記分岐パイプの周方向に沿って開放される第1膨張溝と、前記補強突起の上面に備えられる第2膨張溝であって前記分岐パイプの軸方向に沿って開放される第2膨張溝とを含み、
前記供給流路は、前記第1膨張溝の内部に流体が主に流入されるように流体を案内する第1供給流路と、前記第1膨張溝に流体が全て流入された後、前記第2膨張溝の内部に流体が流入されるように流体を案内する第2供給流路とを含み、
前記第1供給流路と前記第2供給流路とは軸方向に沿って連続して配置される、カップリングアッシー。
【請求項2】
記ベースには前記加圧面による加圧程度が前記分岐ホールから遠ざかる方向に沿って増加するように補強面が形成される、請求項1に記載のカップリングアッシー。
【請求項3】
前記補強面は前記分岐ホールから遠ざかる方向に沿って厚さが増加する、請求項2に記載のカップリングアッシー。
【請求項4】
前記ボディ部には前記補強突起が挿入される挿入溝が形成され、前記挿入溝の内周面には前記補強突起を加圧する前記加圧面が形成される、請求項2に記載のカップリングアッシー。
【請求項5】
記供給流路は前記第1膨張溝の内部に流体が流入するように流体を案内する第1供給流路を含む、請求項に記載のカップリングアッシー。
【請求項6】
前記ベースには前記流入パイプの軸方向に沿って延びる延長リブが形成され、
前記ボディ部には前記延長リブが挿入される補強台が形成され、前記補強台の内周面には前記延長リブを加圧する前記加圧面が形成される、請求項2に記載のカップリングアッシー。
【請求項7】
前記補強台には前記流入パイプの半径内側方向に沿って延びる支持面が形成され、
前記支持面は前記流入パイプの外周面に密着支持される、請求項に記載のカップリングアッシー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパイプ分岐用カップリングアッシーに関し、さらに詳細には、組立工数を減少させることができ、構成が単純化されて施工費用を節減することができ、スプリンクラーで流体を供給する分岐パイプ内部の流量の増加のために、流入パイプに形成された分岐ホールの直径が増加する場合にも分岐される流体の漏洩を効果的に防止できるパイプ分岐用カップリングアッシーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビルディングや共同住宅などの建築物の各階には、その天井の周囲に火災発生時に火災を感知して高圧の流体を自動散水することによって火災を早期に鎮圧するためのセンサが備えられたスプリンクラーが設置される。
【0003】
このために外部から流体を供給するメインパイプが設置され、このようなメインパイプに多数のスプリンクラーが設置される流入パイプが連通して設置され、流入パイプにはスプリンクラーで流体を供給するための分岐パイプが設置される。
【0004】
ただし、従来の場合、流入パイプと分岐パイプを連通して設置するために、流入パイプに形成された分岐ホールに分岐パイプを溶接する方式で設置するか、または分岐が形成されたT型パイプに流入パイプと分岐パイプをそれぞれ設置する方式で相互間で流体を連通させていたが、このような方式は組立工数が多く必要とされ、部品数が多いため施工費用が浪費される問題があった。
【0005】
また、スプリンクラーに供給される流体の流量の増加のために、流入パイプに形成された分岐ホールの直径を増加させる場合、流体が漏洩する問題もあった。
【0006】
したがって、前記問題に対する改善が必要であるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明で解決しようとする技術的課題は、組立工数を減少させることができ、構成が単純化されて施工費用を節減できるパイプ分岐用カップリングアッシーを提供することを目的とする。
【0008】
また、スプリンクラーで流体を供給する分岐パイプ内部の流量の増加のために、流入パイプに形成された分岐ホールの直径が増加する場合にも分岐される流体の漏洩を効果的に防止できるパイプ分岐用カップリングアッシーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するための本発明に係るカップリングアッシーは、流入流体の分岐のための分岐ホールが形成された流入パイプと、前記分岐ホールを通じて分岐された流体が流れるように前記流入パイプと連通した分岐パイプ、および前記流入パイプと前記分岐パイプを互いに連結するカプラを含むカップリングアッシーにおいて、前記カプラは、前記分岐ホールの周りを囲むボディ部、および前記ボディ部と前記流入パイプの外周面の間に配置されて前記ボディ部によって加圧されながら分岐される流体の漏洩を防止するガスケット部を含むものの、前記ボディ部による前記ガスケット部の加圧程度は前記分岐ホールから遠ざかる方向に沿って増加するように構成される。
【0010】
この時、前記ガスケット部には前記ボディ部に形成された加圧面によって加圧されながら流体の漏洩を防止するベースが形成されるものの、前記ベースには前記加圧面による加圧程度が前記分岐ホールから遠ざかる方向に沿って増加するように補強面が形成され得る。
【0011】
この時、前記補強面は前記分岐ホールから遠ざかる方向に沿って厚さが増加するように構成され得る。
【0012】
この時、前記ベースには前記分岐パイプの軸方向に沿って延びる補強突起が形成され、前記ボディ部には前記補強突起が挿入される挿入溝が形成されるものの、前記挿入溝の内周面には前記補強突起を加圧する前記加圧面が形成され得る。
【0013】
この時、前記補強突起には前記分岐ホールの周方向に沿って延びる膨張溝と、前記膨張溝の内部に流体が流入するように流体を案内する供給流路が形成され得る。
【0014】
この時、前記膨張溝は前記分岐パイプの周方向に沿って開放される第1膨張溝を含み、前記供給流路は前記第1膨張溝の内部に流体が流入するように流体を案内する第1供給流路を含むことができる。
【0015】
この時、前記膨張溝は前記分岐パイプの軸方向に沿って開放される第2膨張溝を含み、前記供給流路は前記第2膨張溝の内部に流体が流入するように流体を案内する第2供給流路を含むことができる。
【0016】
この時、前記膨張溝は前記分岐パイプの周方向に沿って開放される第1膨張溝と、前記分岐パイプの軸方向に沿って開放される第2膨張溝を含み、前記供給流路は前記第1膨張溝の内部に流体が流入するように流体を案内する第1供給流路と、前記第2膨張溝の内部に流体が流入するように流体を案内する第2供給流路を含むことができる。
【0017】
この時、前記ベースには前記流入パイプの軸方向に沿って延びる延長リブが形成され、前記ボディ部には前記延長リブが挿入される補強台が形成されるものの、前記補強台の内周面には前記延長リブを加圧する前記加圧面が形成され得る。
【0018】
この時、前記補強台には前記流入パイプの半径内側方向に沿って延びる支持面が形成され、前記支持面は前記流入パイプの外周面に密着支持され得る。
【発明の効果】
【0019】
前記の構成を有する本発明のパイプ分岐用カップリングアッシーは、流入パイプを中心として分岐ホールを囲むボディ部と、これに対向する固定部、および流体の漏洩防止のためのガスケット部で構成されるため、組立工数の減少および施工費用が節減される。
【0020】
また、ボディ部によるガスケット部の加圧程度が分岐ホールから遠ざかるほど増加するため、流入パイプに形成される分岐ホールの直径が増加する場合にも分岐される流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0021】
また、フランジの下端が流入パイプの中心より上側に位置するように第1切断面と第2切断面が形成されるため、カプラ締結時の固定部の締結力によってフランジが下向き移動するとともに、半径方向内側に移動しながらガスケット部を加圧して分岐される流体の漏洩をさらに効果的に防止できることになる。
【0022】
また、ガスケット部には分岐ホールから遠ざかる方向に沿って厚さが増加する補強面が形成されて分岐される流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0023】
併せて、分岐パイプの軸方向に沿って延びる補強突起が形成されるものの、このような補強突起には流体が流入すると膨張することになる膨張溝が形成されて流体の漏洩をさらに効果的に防止できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例に係るカップリングアッシーを図示した斜視図である。
【0025】
図2】本発明の一実施例に係るカップリングアッシーが締結される前の状態を図示した図面である。
【0026】
図3】本発明の一実施例に係るカップリングアッシーが締結された状態を図示した図面である。
【0027】
図4図3のA部分を拡大して図示した図面である。
【0028】
図5】本発明の一実施例に係るカップリングアッシー締結過程でガスケット部の加圧状態を図示した図面であり、(a)は締結される前の状態を図示した図面、(b)は締結された状態を図示した図面である。
【0029】
図6】本発明の他の実施例に係るカップリングアッシーを図示した断面図であり、流入パイプの軸方向に垂直な方向に沿って切断した状態を図示した図面である。
【0030】
図7】本発明の他の実施例に係るカップリングアッシーに備えられるガスケット部を図示した図面であって、図7は斜視図、図8(a)は正面図、図8(b)は側面図であり、図9図7のI-I部分の断面図である。
図8】本発明の他の実施例に係るカップリングアッシーに備えられるガスケット部を図示した図面であって、図7は斜視図、図8(a)は正面図、図8(b)は側面図であり、図9図7のI-I部分の断面図である。
図9】本発明の他の実施例に係るカップリングアッシーに備えられるガスケット部を図示した図面であって、図7は斜視図、図8(a)は正面図、図8(b)は側面図であり、図9図7のI-I部分の断面図である。
【0031】
図10】本発明のさらに他の実施例に係るカップリングアッシーに備えられる多様なガスケット部を図示した断面図である。
図11】本発明のさらに他の実施例に係るカップリングアッシーに備えられる多様なガスケット部を図示した断面図である。
図12】本発明のさらに他の実施例に係るカップリングアッシーに備えられる多様なガスケット部を図示した断面図である。
【0032】
図13】本発明の他の実施例に係るカップリングアッシーを図示した断面図であって、流入パイプの軸方向に垂直な方向に沿って切断した状態を図示した図面である。
【0033】
図14図13のカップリングアッシーとパイプが結合された状態を図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明に係わらない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付した。
【0035】
本明細書で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0036】
図1は本発明の一実施例に係るカップリングアッシーを図示した斜視図であり、図2は本発明の一実施例に係るカップリングアッシーが締結される前の状態を図示した図面であり、図3は本発明の一実施例に係るカップリングアッシーが締結された状態を図示した図面であり、図4図3のA部分を拡大して図示した図面であり、図5は本発明の一実施例に係るカップリングアッシー締結過程でガスケット部の加圧状態を図示した図面であって、(a)は締結される前の状態を図示した図面、(b)は締結された状態を図示した図面であり、図6は本発明の他の実施例に係るカップリングアッシーを図示した断面図であって、流入パイプの軸方向に垂直な方向に沿って切断した状態を図示した図面であり、図7図9は本発明の他の実施例に係るカップリングアッシーに備えられるガスケット部を図示した図面であって、図7は斜視図、図8(a)は正面図、図8(b)は側面図、図9図7のI-I部分の断面図であり、図10図12は本発明のさらに他の実施例に係るカップリングアッシーに備えられる多様なガスケット部を図示した断面図であり、図13は本発明の他の実施例に係るカップリングアッシーを図示した断面図であって、流入パイプの軸方向に垂直な方向に沿って切断した状態を図示した図面であり、図14図13のカップリングアッシーとパイプが結合された状態を図示した断面図である。
【0037】
図1図3に図示された通り、本発明に係るカップリングアッシーは、流入流体の分岐のための分岐ホール11が形成された流入パイプ10と、分岐ホール11を通じて分岐された流体が流れるように流入パイプ10と連通した分岐パイプ20、および流入パイプ10と分岐パイプ20を互いに連結するカプラ100を含むカップリングアッシーにおいて、このようなカプラ100は、分岐ホール11の周りを囲むボディ部110、およびボディ部110と流入パイプ10の外周面の間に配置されてボディ部110によって加圧されながら分岐される流体の漏洩を防止するガスケット部130を含む。
【0038】
この時、流入パイプ10を中心としてボディ部110と対向配置され、ボディ部110を流入パイプ10に固定する固定部120が備えられ、このような固定部120を利用して分岐ホール11の周りを囲むボディ部110を簡単に固定する方式で設置することになるため、組立工数が減少して施工費用が節減され、ボディ部110と流入パイプ10の外周面の間にガスケット部130が備えられて流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0039】
この時、スプリンクラーに供給される流体の流量を増加させるためには、流入パイプ10に形成された分岐ホール11の直径を増加させる必要があり、このような場合にも流体の漏洩を効果的に防止できるように、ボディ部110によるガスケット部130の加圧程度が分岐ホール11から遠ざかるほど増加するように構成される。
【0040】
これは、分岐ホール11の直径が増加することになると流体の漏洩防止のためのガスケット部130の大きさもともに増加することになるが、ガスケット部130の大きさが増加する場合、ガスケット部130を均一に加圧することが難しくなり得る。
【0041】
特に、このようなガスケット部130の周りが流入パイプ10の中心cに隣接して配置される程度までその大きさが増加する場合には、ガスケット部130を均一に加圧することがさらに難しくなり得る。この時、ガスケット部130の周りが流入パイプ10の中心cに隣接して配置される場合とは、図2に図示された通り、流入パイプ10の分岐ホール11に隣接した部分からガスケット部130が延長形成され、流入パイプ10の周りに沿って下向きに延びたガスケット部130の周りが流入パイプ10の中心cを貫通する線に隣接して配置されるまで延長形成されることを意味する。
【0042】
すなわち、このような場合、固定部120を利用してボディ部110を流入パイプ10に固定することになると上下方向に固定部120の締結力が印加されるため、分岐ホール11に隣接して配置されたガスケット部130は上下方向の締結力によって分岐ホール11の周りを効果的に密封することになるが、流入パイプ10の中心cに隣接して配置されるように下向きに延長形成されたガスケット部130は、このような上下方向の締結力が印加されても効果的に加圧されないためである。
【0043】
したがって、前述した通り、ボディ部110によるガスケット部130の加圧程度が分岐ホール11から遠ざかるほど増加するように構成することになると、ガスケット部130の周りが流入パイプ10の中心cに隣接して配置される程度までその大きさが増加する場合にも、分岐される流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0044】
この時、図1図3に図示された通り、ボディ部110には固定部120が結合されるフランジ111が形成されるものの、このようなフランジ111にはフランジ111の下端が流入パイプ10の中心cより上側に位置するように第1切断面111aが形成され得る。このように、フランジ111の下端が流入パイプ10の中心cより上側に位置するということは、図2に図示された通り、フランジ111の下端が流入パイプ10の中心cを貫通する線より一定の距離d1だけ上側に配置されることを意味する。
【0045】
すなわち、このようにフランジ111に第1切断面111aが形成されてフランジ111の下端が流入パイプ10の中心cより上側に位置することになると、固定部120を通じての締結力の印加時に、このようなフランジ111は下向き移動するとともに半径方向内側に移動するように締結力が印加され、これを通じて分岐ホール11に隣接して配置されたガスケット部130は上下方向にのみ締結力が印加され、流入パイプ10の中心cに隣接して配置されるガスケット部130は上下方向の締結力と半径方向内側に締結力が同時に印加されるのである。
【0046】
このような半径内側方向の締結力は分岐ホール11から遠ざかるほど増加することになるため、ボディ部110によるガスケット部130の加圧程度は分岐ホール11から遠ざかるほど増加することになって、ガスケット部130の大きさが増加する場合にも流体の漏洩を効果的に防止できるようになるのである。
【0047】
この時、フランジ111には図1図3に図示された通り、第1切断面111aより上側に位置するように段差が形成された第2切断面111bが形成され得る。このように、第2切断面111bが第1切断面111aより上側に位置するということは、図2に図示された通り、第1切断面111aを連結する線より一定の距離d2だけ上側に配置されることを意味する。
【0048】
このように、第2切断面111bを形成することになるとフランジ111の厚さが一部減少することになり、図3および図4に図示された通り、フランジ111に変形が発生しやすい。このようなフランジ111は固定部120を通じて締結力が印加される前は最初の位置l1に配置されるが、このような状態で固定部120を通じて締結力を印加することになると、一定の距離△lだけフランジ111が変形されてガスケット部130を下向きに加圧するとともに、一定の距離△lだけ半径方向内側に加圧することによって、ガスケット部130の大きさが増加する場合にも流体の漏洩を効果的に防止できるようになるのである。
【0049】
特に、第2切断面111bが第1切断面111aより上側に位置することによって固定部120の締結力の印加時に、フランジ111を通じてガスケット部130を半径方向内側に加圧することがさらに容易となる。
【0050】
この時、ボディ部110にはガスケット部130を加圧するように流入パイプ10の外周面に沿って延びる加圧面112が形成されるものの、ガスケット部130と加圧面112はフランジ111の下端まで延長形成され得る。
【0051】
前述した通り、固定部120の締結力によってフランジ111が一部変形しながらガスケット部130を半径方向内側に加圧することになる。すなわち、ボディ部110にはガスケット部130を加圧する加圧面112を形成し、ガスケット部130とこのような加圧面112をフランジ111の下端まで延長形成することになると、フランジ111の変形を通じての加圧力が最大化され得、これを通じて流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0052】
この時、ボディ部110には分岐ホール11の内周面に挿入されるガイドリブ113が形成され得、これを通じてボディ部110の設置時に位置が安定的に固定され得るようになる。すなわち、ボディ部110に外力が印加されてもボディ部110が流入パイプ10の周りに沿って回転することを防止できるようになるのである。
【0053】
また、ガイドリブ113が形成されることによって、固定部120を通じての締結後には分岐される流体の流れを効果的に案内することになる。
【0054】
この時、固定部120は流入パイプ10の外周面に支持された状態で締結力を印加する固定部材121を含み、このような固定部材121には流入パイプ10の外周面の一部を囲む方式で支持されるUボルトを使うことができる。
【0055】
このような固定部材121をボディ部110のフランジ111に貫通設置して締結力を印加することになると、このような締結力によってフランジ111は下向き移動するとともに、半径方向内側に変形が発生することになる。
【0056】
すなわち、図5(a)に図示された通り、締結力が印加される前にはガスケット部130の全体の厚さが一定に形成されるが、締結力が印加された後には図5(b)に図示された通り、ガスケット部130の上端は下向きに加圧されるが、ガスケット部130の下端に行くほど下向きに加圧されるとともに、半径方向内側にも加圧されて流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0057】
この時、流入パイプ10と分岐パイプ20の外径は互いに同一に形成され得る。すなわち、分岐される流体の流量を増加させる必要がある場合、流入パイプ10の外径と同じ外径を有する分岐パイプ20を使うことができ、このような場合、分岐ホール11の直径も共に増加することになるが、前述した通り、固定部120の締結力を通じてのフランジ111の変形を利用してガスケット部130を下向きに加圧するとともに、半径方向内側にも加圧することによって流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0058】
この時、図6および図7に図示された通り、カプラ100は分岐ホール11の周りを囲むボディ部110と、このようなボディ部110によって加圧されながら分岐される流体の漏洩を防止するガスケット部130を含むものの、図8に図示された通り、ガスケット部130にはボディ部110に形成された加圧面112により加圧されながら流体の漏洩を防止するベース131が形成されるものの、ベース131には加圧面112による加圧程度が分岐ホール11から遠ざかる方向に沿って増加するように補強面133が形成され得る。
【0059】
すなわち、基本的にはベース131がボディ部110の加圧面112によって加圧されながら流体の漏洩を防止することになるが、前述した通り、分岐ホール11の直径が増加することになると、流体の漏洩防止のためのガスケット部130の大きさもともに増加することによってガスケット部130を均一に加圧することが難しくなり得るため、ベース131に補強面133を形成して加圧面112による加圧程度が分岐ホール11から遠ざかる方向に沿って増加するように構成するのである。
【0060】
この時、このような補強面133は分岐ホール11から遠ざかる方向に沿って厚さbが増加するように構成され得る。
【0061】
すなわち、図8(a)に図示された通り、ベース131の厚さaは一定に形成する反面、補強面133の厚さbは分岐ホール11から遠ざかる方向に沿って増加するように構成すると、加圧面112による加圧程度が分岐ホール11から遠ざかる方向に沿って増加することによって、ガスケット部130の大きさが増加してもガスケット部130を均一に加圧することができ、これを通じて流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0062】
この時、図8(b)に図示された通り、ベース131には分岐パイプ20の軸方向に沿って延びる補強突起132が形成され、図6に図示された通り、ボディ部110にはこのような補強突起132が挿入される挿入溝110aが形成されるものの、挿入溝110aの内周面には補強突起132を加圧する加圧面112が形成され得る。
【0063】
すなわち、図9に図示された通り、ベース131は流入パイプ10の周りに沿って延長形成され、このようなベース131から分岐パイプ20の軸方向に沿って延びる補強突起132が形成されるのである。また、ボディ部110にはこのような補強突起132が挿入される挿入溝110aを形成し、このような挿入溝110aの内周面に加圧面112を形成して補強突起132を加圧するように構成すると、分岐ホール11周辺の流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0064】
この時、図10図12に図示された通り、補強突起132には分岐ホール11の周り方向に沿って延びる膨張溝132aが形成され得る。
【0065】
すなわち、前述した通り、補強突起132が挿入溝110aの内周面に形成された加圧面112によって加圧されながら流体の漏洩が防止されるが、このような補強突起132に流体が流入する膨張溝132aが形成されると、後程の使用過程において流体が供給される時に膨張溝132aに流体が流入しながら補強突起132が弾性変形することになり、これによって加圧面112を通じての加圧力が相対的に増加することになって流体の漏洩をさらに効果的に防止できることになる。併せて、補強突起132にはこのような膨張溝132aに流体が流入するように流体を案内する供給流路132bが形成される。
【0066】
図10に図示された通り、このような膨張溝132aは分岐パイプ20の周り方向に沿って開放される第1膨張溝132a1を含む。すなわち、このように形成された第1膨張溝132a1に流体が流入すると、補強突起132が分岐パイプ20の軸方向に沿って弾性変形して挿入溝110aの内周面による加圧力がさらに増加することになる。
【0067】
この時、供給流路132bは第1膨張溝132a1の内部に流体が流入するように流体を案内する第1供給流路132b1を含むことができるが、第1膨張溝132a1が補強突起132の側面に形成されるため、図10に図示された通り、第1供給流路132b1の長さが短く形成され、第1供給流路132b1の長さが短く形成されるため、第1膨張溝132a1に迅速に流体が流入して流体の漏洩を迅速に防止できることになる。
【0068】
または図11に図示された通り、このような膨張溝132aは分岐パイプ20の軸方向に沿って開放される第2膨張溝132a2を含む。すなわち、このように形成された第2膨張溝132a2に流体が流入すると、補強突起132が分岐パイプ20の周り方向に沿って弾性変形して挿入溝110aの内周面による加圧力がさらに増加することになる。特に、挿入溝110aには互いに対向配置される一対の内周面が形成されるため、補強突起132が前述した通り、弾性変形することになると、このような一対の内周面による加圧力によって流体の漏洩防止効果がさらに向上する。
【0069】
この時、供給流路132bは第2膨張溝132a2の内部に流体が流入するように流体を案内する第2供給流路132b2を含むことができ、第2膨張溝132a2が補強突起132の上面に形成されるため、第2供給流路132b2はこのような第2膨張溝132a2に流体を案内するように延長形成される。
【0070】
すなわち、第1膨張溝132a1の場合、補強突起132の側面に形成されるため、迅速に流体が流入し得るため流体の漏洩を迅速に防止できる効果があり、第2膨張溝132a2の場合、補強突起132の上面に形成されて流体の流入時に挿入溝110aに互いに対向配置される一対の内周面を同時に加圧することによって流体の漏洩防止効果がさらに向上する。
【0071】
併せて、図12に図示された通り、膨張溝132aは分岐パイプ20の周り方向に沿って開放される第1膨張溝132a1と、分岐パイプ20の軸方向に沿って開放される第2膨張溝132a2を含むことができる。
【0072】
すなわち、前述した通り、第1膨張溝132a1は流体の漏洩を迅速に防止することができ、第2膨張溝132a2は流体の漏洩防止効果がさらに向上し得、このように第1膨張溝132a1と第2膨張溝132a2が同時に形成されると、前述した効果以外にもこのような膨張溝132aに流入する流体の量が増加することになって補強突起132が弾性変形量が増加することになり、これを通じて挿入溝110aの内周面を加圧する加圧力が増加することになって流体の漏洩をさらに効果的に防止できることになる。
【0073】
この時、供給流路132bは第1膨張溝132a1の内部に流体が流入するように流体を案内する第1供給流路132b1と、第2膨張溝132a2の内部に流体が流入するように流体を案内する第2供給流路132b2を含むことができる。すなわち、第1供給流路132b1を通じて流体が第1膨張溝132a1に先に供給されながら流体の漏洩を迅速に防止することができ、第1膨張溝132a1に流体がすべて流入した後に第2供給流路132b2を通じて流体が第2膨張溝132a2に供給されながら挿入溝110aに形成された一対の内周面を加圧することによって流体の漏洩をさらに効果的に防止できることになる。
【0074】
すなわち、このように構成すると、迅速に流体の漏洩を防止できるだけでなく、流体の漏洩をさらに効果的に防止できることになる。
【0075】
この時、ベース131には図8(b)および図9に図示された通り、流入パイプ10の軸方向に沿って延びる延長リブ134が形成され、ボディ部110には延長リブ134が挿入される補強台114が形成されるものの、補強台114の内周面には延長リブ134を加圧する加圧面112が形成され得る。
【0076】
すなわち、延長リブ134が流入パイプ10の軸方向に沿って延長形成され、補強台114の内周面に加圧面112を形成してこのような延長リブ134を加圧するように構成することによって、分岐ホール11を通じての流体の漏洩をさらに効果的に防止できることになる。
【0077】
この時、図13および図14に図示された通り、補強台114には流入パイプ10の半径内側方向に沿って延びる支持面114aが形成され、このような支持面114aは流入パイプ10の外周面に密着支持され得る。
【0078】
前述した分岐パイプ20の後端にはスプリンクラーが設置されるが、このようなスプリンクラーに関連した代表的な基準としてはアメリカのUL(Underwriters Laboratories)基準を挙げることができ、このようなUL基準によると、スプリンクラーが設置された状態で分岐パイプ20の後端に流入パイプ10の軸方向と平行な方向に外力を印加した時、流体の漏洩が効果的に防止されなければならないものと規定している。すなわち、分岐パイプ20に垂直な方向に力を印加した時にも流体の漏洩が効果的に防止されなければならないのである。このために前述した通り、補強台114には流入パイプ10の半径内側方向に沿って延びて流入パイプ10の外周面に密着支持される支持面114aが形成されると、UL基準に沿った外力の印加時にも流体の漏洩を効果的に防止できることになる。
【0079】
また、このように支持面114aが形成されると、ベース131に形成された延長リブ134が外部で露出することを防止することによってガスケット部130の耐久性の低下を効果的に防止できることになる。
【0080】
本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これも本発明の思想範囲内に含まれるものと言える。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10
図11
図12
図13
図14