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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230616BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230616BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230616BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230616BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230616BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230616BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S2/00 230
F21S8/04 110
F21Y103:10
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y115:30
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019015348
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020047575
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2018119914
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018171312
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】相澤 尚徳
(72)【発明者】
【氏名】石井 健吾
(72)【発明者】
【氏名】澤田 拓郎
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-015347(JP,A)
【文献】特開2012-059460(JP,A)
【文献】特開2016-136534(JP,A)
【文献】特開2017-123347(JP,A)
【文献】特開2017-050260(JP,A)
【文献】特開2017-059373(JP,A)
【文献】特開2013-211233(JP,A)
【文献】特開2011-113876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21Y 103/10
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源となる発光基板と前記発光基板を覆うカバーとを有する光源部と、
前記発光基板を制御する点灯制御部を有し、前記光源部が配置される器具本体と、
前記器具本体に取り付けられ、前記光源部を覆う第一カバーと、
前記器具本体に取り付けられ、内部に前記第一カバーを収容し、前記第一カバーと前記器具本体の側面を構成する側板部とを覆う第二カバーと、
を備え、
前記第一カバー及び前記第二カバーは、
前記発光基板から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させ、及び、前記発光基板から出射された光の入射角によって光の一部又は全部を反射させる照明器具。
【請求項2】
光源となる発光基板を有する光源部と、
前記光源部が配置される器具本体と、
前記器具本体に取り付けられ、前記光源部を覆う第一カバーと、
前記器具本体に取り付けられ、前記第一カバーと前記器具本体の側面を構成する側板部とを覆う第二カバーと、
を備え、
前記第一カバー及び前記第二カバーは、
前記発光基板から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させ、及び、前記発光基板から出射された光の入射角によって光の一部又は全部を反射させるものであり、
前記第一カバーは、
平板状に形成された内カバー平板部と、
前記内カバー平板部の両端部から立ち上がるカバー傾斜部と、
を有し、
前記器具本体は、
前記第一カバーを保持する第一カバー保持部を有し、
前記第一カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記内カバー平板部は、前記光源部と対向し、前記カバー傾斜部は、前記内カバー平板部から前記第一カバー保持部に向かって、対向するカバー傾斜部同士の間が狭まるように前記発光基板の板面に対して傾斜しており、
前記第二カバーは、
平板状に形成された外カバー平板部と、
前記外カバー平板部の両端部から立ち上がるカバー側面部と、
を有し、
前記第一カバー及び前記第二カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記外カバー平板部は、前記内カバー平板部と対向し、前記カバー側面部は、前記器具本体の前記側板部と対向しており、
前記側板部は、
前記第二カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記カバー側面部と対向する板状に形成された第一反射部を有し、
前記第一反射部は、前記第二カバーと対向する面が反射するように形成されており、
前記側板部は、
前記発光基板に対する垂直方向において、前記第一反射部の端部に前記第一カバー保持部を有し、
前記第一カバー保持部は、
前記第一カバーと係合する板状に形成された第二反射部を有し、
前記第二反射部は、
前記第一カバーと対向する面が反射するように形成されていると共に、
前記第一カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記内カバー平板部と対向し、前記器具本体の短手方向において、前記内カバー平板部の中央部から端部に向かうに従って、前記第二反射部と前記内カバー平板部との距離が離れるように前記内カバー平板部に対して傾斜している照明器具
【請求項3】
光源となる発光基板を有する光源部と、
前記光源部が配置される器具本体と、
前記器具本体に取り付けられ、前記光源部を覆う第一カバーと、
前記器具本体に取り付けられ、前記第一カバーと前記器具本体の側面を構成する側板部とを覆う第二カバーと、
を備え、
前記第一カバー及び前記第二カバーは、
前記発光基板から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させ、及び、前記発光基板から出射された光の入射角によって光の一部又は全部を反射させるものであり、
前記第一カバーは、前記側板部を覆うカバー側部を有し、
前記カバー側部は、前記第一カバーの媒質内を伝播された光を照射するものであり、
前記カバー側部は、
前記第一カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記側板部と面一状に配置される照明器具。
【請求項4】
前記第一カバーは、
平板状に形成された内カバー平板部と、
前記内カバー平板部の両端部から立ち上がるカバー傾斜部と、
を有し、
前記器具本体は、
前記第一カバーを保持する第一カバー保持部を有し、
前記第一カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記内カバー平板部は、前記光源部と対向し、前記カバー傾斜部は、前記内カバー平板部から前記第一カバー保持部に向かって、対向するカバー傾斜部同士の間が狭まるように前記発光基板の板面に対して傾斜する請求項1又は3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記器具本体は、長尺状に形成されており、
前記器具本体の短手方向において、前記内カバー平板部の長さは、前記器具本体の長さよりも長い請求項2又は4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記カバー傾斜部は、
前記器具本体の短手方向において、前記器具本体の幅よりも外側に突出している請求項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記第二カバーは、
平板状に形成された外カバー平板部と、
前記外カバー平板部の両端部から立ち上がるカバー側面部と、
を有し、
前記第一カバー及び前記第二カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記外カバー平板部は、前記内カバー平板部と対向し、前記カバー側面部は、前記器具本体の前記側板部と対向する請求項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記側板部は、
前記第二カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記カバー側面部と対向する板状に形成された第一反射部を有し、
前記第一反射部は、前記第二カバーと対向する面が反射するように形成されている請求項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記側板部は、
前記発光基板に対する垂直方向において、前記第一反射部の端部に前記第一カバー保持部を有し、
前記第一カバー保持部は、
前記第一カバーと係合する板状に形成された第二反射部を有し、
前記第二反射部は、
前記第一カバーと対向する面が反射するように形成されていると共に、
前記第一カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記内カバー平板部と対向し、前記器具本体の短手方向において、前記内カバー平板部の中央部から端部に向かうに従って、前記第二反射部と前記内カバー平板部との距離が離れるように前記内カバー平板部に対して傾斜している請求項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記第二反射部は、前記光源部と、前記第一反射部との間に配置されている請求項2又は9に記載の照明器具。
【請求項11】
前記側板部は、
前記発光基板に対する垂直方向において、前記第一カバー保持部が形成されている側と反対側の前記第一反射部の端部から突出する板状に形成された第三反射部を有し、
前記第三反射部は、
前記第二カバーと対向する面が反射するように形成されていると共に、
先端部に前記第二カバーと係合する第二カバー保持部が形成されており、前記第一カバー及び前記第二カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記第一反射部から前記第二カバーに向かうに従い、前記第三反射部と前記カバー傾斜部との間が大きくなるように前記第一反射部に対して傾斜している請求項10のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項12】
記カバーは、
前記発光基板から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させる請求項1又は請求項1に従属する請求項4~11のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項13】
前記第一カバーは、前記側板部を覆うカバー側部を有し、
前記カバー側部は、前記第一カバーの媒質内を伝播された光を照射する請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項14】
前記カバー側部は、
前記第一カバーが前記器具本体に取り付けられた状態において、前記側板部と面一状に配置される請求項13に記載の照明器具。
【請求項15】
前記カバー側部は、前記内カバー平板部の垂直方向に対して傾斜する請求項2に従属する請求項13に記載の照明器具。
【請求項16】
長尺状の前記器具本体と、
前記器具本体の長手方向から挿入させて取り付けられる光源固定部材と、
を備え、
前記光源固定部材は、
前記発光基板が取り付けられる取付部と、
前記器具本体に嵌合する嵌合部と、
を有し、
前記取付部は、
前記発光基板が取り付けられる側とは反対側に形成されており前記器具本体と共にねじ止めされる補強部を有する請求項1に記載の照明器具
【請求項17】
前記補強部は、
互いに平行に配置された2つの凸部から構成されている請求項16に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の方向に配光する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、照明器具の上下両方向に光を照射できるように、光を上方向に照射する光源ユニットと光を下方向に照射する光源ユニットとがそれぞれ配設された照明器具が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-065844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の照明器具は、光源部である光源ユニットの側方を一対の側板部によって覆っている。そのため、特許文献1の照明器具は、光源ユニットから発せられる光を照明器具の上下方向にしか照射することができず、光源ユニットから発せられる光を照明器具の側方へ照射することができない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためのもので、光源部から発せられる光を照明器具の側方へ照射することができる照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、光源となる発光基板と発光基板を覆うカバーとを有する光源部と、発光基板を制御する点灯制御部を有し、光源部が配置される器具本体と、器具本体に取り付けられ、光源部を覆う第一カバーと、器具本体に取り付けられ、内部に第一カバーを収容し、第一カバーと器具本体の側面を構成する側板部とを覆う第二カバーと、を備え、第一カバー及び第二カバーは、発光基板から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させ、及び、発光基板から出射された光の入射角によって光の一部又は全部を反射させるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の照明器具は、光源部を覆う第一カバーと、第一カバーと器具本体の側面を構成する側板部とを覆う第二カバーと、を備える。そして、第一カバー及び第二カバーは、発光基板から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させ、及び、発光基板から出射された光の入射角によって光の一部又は全部を反射させるものである。そのため、照明器具は、第一カバーと第二カバーとに進行する光の屈折と反射を利用して、光源部から発せられる光の進行する向きを変えることができ、光源部から発せられる光を照明器具の側方へ照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
図2図1の照明器具の側面図である。
図3図1の照明器具の分解斜視図である。
図4図1の照明器具の分解側面図である。
図5図2の照明ユニットの分解斜視図である。
図6図2の照明ユニットの分解側面図である。
図7図6の連結部と側板部とを係合させた拡大図である。
図8図6の側板部の拡大図である。
図9図5の端板部の斜視図である。
図10図4の照明ユニットのA-A線断面図である。
図11図5の光源ユニットの斜視図である。
図12図11の光源ユニットの分解斜視図である。
図13】光源ユニットと器具本体とが分離した状態の光源ユニットの取付参考図である。
図14】光源ユニットと器具本体とが接触した状態の光源ユニットの取付参考図である。
図15】光源ユニットと器具本体とが係合した状態の光源ユニットの取付参考図である。
図16】本発明の実施の形態1に係る照明器具の配光を説明する参考図である。
図17】本発明の実施の形態2に係る照明装置の斜視図である。
図18図17の照明装置を構成する始端用照明器具の斜視図である。
図19図17の照明装置を構成する中間用照明器具の斜視図である。
図20図17の照明装置を構成する終端用照明器具の斜視図である。
図21図17の照明装置を構成する中間用金具の斜視図である。
図22図21の中間用金具の分解斜視図である。
図23図17の照明装置を構成する端部用金具の斜視図である。
図24図23の端部用金具の分解斜視図である。
図25】本発明の実施の形態3に係る照明器具の側面図である。
図26図25の器具本体と第一カバーの側面図である。
図27図25のカバー側部の有無による照明器具の側部の輝度分布の一例を示す図である。
図28図25の照明器具の第一の変形例である。
図29図25の照明器具の第二の変形例である。
図30図25の照明器具の第三の変形例である。
図31】本発明の実施の形態4に係る照明器具の側面図である。
図32】本発明の実施の形態4に係る照明器具の下方斜視図である。
図33】本発明の実施の形態4に係る照明器具の上方斜視図である。
図34】本発明の実施の形態4に係る照明器具から光源固定部材を引き出した上方斜視図である。
図35図34の照明器具から光源固定部材を引き出した正面図である。
図36図31の器具本体から光源固定部材を引き出した正面図である。
図37】第一カバーが取り付けられた器具本体から光源固定部材を引き出した正面図である。
図38】器具本体と、器具本体に嵌合された光源固定部材とを示す側面図である。
図39図31の第一カバーに端部カバーが取り付けられた照明器具の側面図である。
図40図32の第一カバーに端部カバーが取り付けられた照明器具の下方斜視図である。
図41図33の第一カバーに端部カバーが取り付けられた照明器具の上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る照明器具1について、図面を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向あるいは位置を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いる。しかし、これらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置あるいは部品の配置及び向きを限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具1の斜視図である。図2は、図1の照明器具1の側面図である。まず、図1及び図2を参照して、照明器具1の全体構成を説明する。なお、以下に説明する各図において、Z軸は、照明器具1の上下方向を示し、X軸は、照明器具1の長手方向を示し、Y軸は、照明器具1の短手方向を示す。また、照明器具1が取り付けられる天井などの被取付面側を上方向Z1とし、上方向Z1と反対側を下方向Z2とする。
【0011】
[照明器具1]
照明器具1は、長尺に形成されており、照明ユニット10と、第一カバー300と、第二カバー400と、を備えている。照明器具1は、角柱状に形成されており、図2に示すように、長手方向(X軸方向)に見た場合の側面視において、矩形状に形成されている。照明器具1は、第一カバー300が照明ユニット10の下部と係合して照明ユニット10に保持されており、第二カバー400が照明ユニット10の上部と係合して照明ユニット10に保持されている。なお、照明器具1は、天井等の被取付部から吊り下げられて取り付けられるものであるが、支柱により立ち上がるように配設されるもの、一方側の側面が壁に取り付けられるものでもよい。
【0012】
(照明ユニット10)
照明ユニット10は、図2に示すように、器具本体100と、光源ユニット200と、を有する。光源ユニット200は、器具本体100の天井部100aと本体底部100bとに配置されている。器具本体100の天井部100aに配置されている光源ユニット200を光源ユニット200Aと称する。光源ユニット200Aは、器具本体100から上方向(Z1方向)に向けて発光する装置である。器具本体100の本体底部100bに配置されている光源ユニット200を光源ユニット200Bと称する。光源ユニット200Bは、器具本体100から下方向(Z2方向)に向けて発光する装置である。すなわち、照明器具1の照明ユニット10は、上方向(Z1方向)と、下方向(Z2方向)とに向けて発光する2つの光源ユニット200を有している。器具本体100の天井部100aには、光源ユニット200Aが取り付けられる本体開口部101Aが形成されている。同様に、器具本体100の本体底部100bには、光源ユニット200Bが取り付けられる本体開口部101Bが形成されている。また、図2に示すように器具本体100の長手方向(X軸方向)の端部には、後述する連結金具1100が差し込まれる連結開口部102が形成されている。なお、器具本体100、光源ユニット200の詳細な構成は後述する。
【0013】
図3は、図1の照明器具1の分解斜視図である。図4は、図1の照明器具1の分解側面図である。図3及び図4を用いて、第一カバー300及び第二カバー400について説明する。なお、第一カバー300及び第二カバー400は、ポリカーボネートあるいはアクリルなどの透光性を有する樹脂材料で形成されている。
【0014】
(第一カバー300)
第一カバー300は、光源ユニット200Bを覆うように器具本体100に取り付けられている。第一カバー300は、例えば、乳白色のアクリル樹脂など拡散性を有する材料により形成され、後述する発光素子221から照射される光を拡散する。第一カバー300は、乳白材あるいは拡散部材が混ぜ込まれた材料を用いることで、光の拡散幅を広げて、光を均一に照射させることができる。第一カバー300は、発光基板220から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させる。また、第一カバー300は、発光基板220の発光素子221から出射された光の入射角によって、光の一部又は全部を反射させる。第一カバー300は、発光素子221から出射された光を全反射させてもよい。なお、全反射とは、光が屈折率の大きい媒質中から屈折率の小さい媒質に入射する時、入射角がある一定の角(臨界角)より大きいと、境界面で全部反射される現象をいう。第一カバー300は、長尺状に形成されている。また、第一カバー300は、複数の平面を形成する板材から形成されており、長手方向(X軸方向)に見た場合の側面視において、台形状に形成されている。より詳細には、第一カバー300は、長尺の平板状に形成された内カバー平板部305と、内カバー平板部305の短手方向(Y軸方向)の両端部から立ち上がるカバー傾斜部310と、カバー傾斜部310の先端に形成された先端傾斜部320とを有する。内カバー平板部305は、第一カバー300が器具本体100に取り付けられた状態において、光源ユニット200Bと対向する。内カバー平板部305の長さは、器具本体100の短手方向(Y軸方向)において、器具本体100の長さよりも長い。互いに向かい合う2つのカバー傾斜部310は、互いが近づく方向に向かって内側に傾斜している。すなわち、互いに向かい合う2つのカバー傾斜部310は、先端側が内カバー平板部305に近づくように内側に傾斜している。それぞれのカバー傾斜部310の先端に形成された先端傾斜部320は、互いの先端が対向するように内側に曲折して形成されている。また、先端傾斜部320の第一カバー先端部320aは、先端傾斜部320とカバー傾斜部310との間に位置する曲折部320bよりも、内カバー平板部305側に配置されるように、内カバー平板部305の板面に対して傾斜している。カバー傾斜部310は、図2図4に示すように、器具本体100の短手方向(Y軸方向)において、器具本体100の幅よりも外側に突出している。
【0015】
(第二カバー400)
第二カバー400は、第一カバー300の内カバー平板部305及び器具本体100の側面を構成する側板部120を覆うように器具本体100に取り付けられている。第二カバー400は、例えば、乳白色のアクリル樹脂など拡散性を有する材料により形成され、後述する発光素子221から照射される光を拡散する。第二カバー400は、乳白材あるいは拡散部材が混ぜ込まれた材料を用いることで、光の拡散幅を広げて、光を均一に照射させることができる。第二カバー400は、発光基板220から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させる。また、第二カバー400は、発光基板220の発光素子221から出射された光の入射角によって、光の一部又は全部を反射させる。第二カバー400は、発光素子221から出射された光を全反射させてもよい。全反射とは、上述したように光が屈折率の大きい媒質中から屈折率の小さい媒質に入射する時、入射角がある一定の角(臨界角)より大きいと、境界面で全部反射される現象をいう。第二カバー400は、長尺状に形成されている。また、第二カバー400は、複数の平面を形成する板材から形成されており、長手方向(X軸方向)に見た場合の側面視において、矩形状に形成されている。より詳細には、第二カバー400は、長尺の平板状に形成された外カバー平板部405と、外カバー平板部405の短手方向(Y軸方向)の両端部から立ち上がるカバー側面部410と、カバー側面部410の先端に形成された先端引掛部420とを有する。互いに向かい合う2つのカバー側面部410は、互いに対向するように形成されており、外カバー平板部405に対して略垂直に形成されている。それぞれのカバー側面部410の先端に形成された先端引掛部420は、互いの先端が対向するように内側に曲折して形成されている。また、先端引掛部420の先端部420aは、外カバー平板部405に向かうように外カバー平板部405の板面に対して傾斜している。
【0016】
[器具本体100]
図5は、図2の照明ユニット10の分解斜視図である。図6は、図2の照明ユニット10の分解側面図である。照明ユニット10は、上述したように、器具本体100と、光源ユニット200と、を有する。器具本体100は、長尺状に形成されており、連結部110と、側板部120と、点灯制御部130と、端板部140とを備えている。連結部110と、側板部120と、端板部140とは、例えば、ネジ等の固定手段115によって互いに組み合わされて固定されている。点灯制御部130は、連結部110上に載置され、ネジ等の固定手段(図示せず)によって連結部110上に取り付けられている。器具本体100は、連結部110、側板部120、点灯制御部130及び端板部140が組み合わされた状態では、図2に示すように、天井部100a及び本体底部100bの向かい合う壁部にそれぞれ本体開口部101A及び本体開口部101Bが形成されている。
【0017】
(連結部110)
図7は、図6の連結部110と側板部120とを係合させた拡大図である。図8は、図6の側板部120の拡大図である。図2図5図8を用いて、器具本体100の構成を更に説明する。連結部110は、図5及び図6に示すように、平板状の底面部111と、互いに向かい合う平板状の側部112と、を有し、断面が略コの字状に形成されている。底面部111は、2つの側部112を連結させる。また、平板状の底面部111の一面側には、点灯制御部130が載置されて取り付けられている。底面部111は、本体開口部101A及び本体開口部101Bの2つの開口部の間において、いずれか一方の開口部に近づいて配置される。連結部110は、図7に示すように、側部112が側板部120と係合し、短手方向(Y軸方向)において、連結部110の外側に側板部120が配置されている。器具本体100は、連結部110に2つの側板部120が取り付けられることによって図2に示す天井部100aが形成され、天井部100aには本体開口部101Aが形成される。また、器具本体100は、連結部110に2つの側板部120が取り付けられることによって図2に示す本体底部100bが形成され、本体底部100bには本体開口部101Bが形成される。すなわち、器具本体100は、連結部110に2つの側板部120が取り付けられることによって、上方向(Z1方向)及び下方向(Z2方向)のそれぞれの壁部に本体開口部101A及び本体開口部101Bが形成される。連結部110は、図5に示すように、底面部111の長手方向(X軸方向)の端部側に、後述する点灯制御部130と光源ユニット200とを接続する配線用の切り欠き部111aが形成されている。
【0018】
(側板部120)
器具本体100は、図5図7に示すように、互いに対向するように配置された2つの板状の側板部120を有する。側板部120は、アルミ材料など放熱性の良い材料で形成されている。そのため、側板部120は、連結部110の側部112と係合することで、連結部110に取り付けられた点灯制御部130から生じる熱を放熱させるヒートシンクの役割を果たす。側板部120は、板状に形成された第一反射部127を有する。第一反射部127は、連結部110の短手方向(Y軸方向)の両端部側において、連結部110の底面部111に対して略垂直に配置される。第一反射部127は、板状に形成されており、点灯制御部130が配置される側とは反対側の面、すなわち、照明器具1において第二カバー400のカバー側面部410と対向する面が、反射するように形成されている。第一反射部127は、例えば、反射部材で形成されている。第一反射部127は、反射部材で形成されている替わりに、反射塗料を用いてもよく、基材に反射部材を配置してもよい。第一反射部127は、平面に形成されているが、凹凸面を形成してもよい。
【0019】
また、図8に示すように、長手方向(X軸方向)に見た場合の側面視において、側板部120は、発光基板220に対する垂直方向において、第一反射部127の上下方向(Z軸方向)の両端部から同じ方向に立ち上がる天板部123と、底板部124とを有する。天板部123と、底板部124とは互いに対向するように形成され、また、第一反射部127に対して略垂直状に形成されている。
【0020】
天板部123は、図8に示すように、天板部123の立ち上がり方向の先端に位置する天板先端部123bに、第一傾斜部123aが形成されている。器具本体100において、図2図7及び図8に示すように、互いに向かい合う2つの側板部120の第一傾斜部123aは、発光基板220に対する垂直方向(Z軸方向)において、底板部124とは反対側に傾斜している。また、互いに向かい合う2つの側板部120の第一傾斜部123aは、発光基板220に対する垂直方向(Z軸方向)において、底板部124と反対方向に向かうに従って、互いの距離が近づくように傾斜している。照明器具1は、図2及び図7に示すように、器具本体100において、互いに向かい合う2つの第一傾斜部123aの間に、器具本体100の上下方向に形成された一方の開口部である本体開口部101Aが形成されている。第一傾斜部123aの先端に位置する傾斜先端部123a1は、曲面で構成され、鉛直断面が円弧状に形成されている。
【0021】
底板部124は、図8に示すように、底板部124の立ち上がり方向の先端に位置する底板先端部124bに、第二傾斜部124aが形成されている。器具本体100において、図2図7及び図8に示すように、互いに向かい合う2つの側板部120の第二傾斜部124aは、発光基板220に対する垂直方向(Z軸方向)において、天板部123とは反対側に傾斜している。また、互いに向かい合う2つの側板部120の第二傾斜部124aは、発光基板220に対する垂直方向(Z軸方向)において、天板部123と反対方向に向かうに従って、互いの距離が近づくように傾斜している。照明器具1は、図2及び図7に示すように、器具本体100において、互いに向かい合う2つの第二傾斜部124aの間に、器具本体100の上下方向に形成された他方の開口部である本体開口部101Bが形成されている。第二傾斜部124aは、第二傾斜部124aの先端に、円弧状に曲折する底部曲折部124a1を有する。側板部120は、図8に示すように、1つの側板部120において、第一傾斜部123aと、第二傾斜部124aとが、互いに離れる方向に傾斜している。
【0022】
また、側板部120は、第二傾斜部124aの先端から外側に曲折して底板部124と対向する第二反射部128を有する。前述した底部曲折部124a1は、第二傾斜部124aと、第二反射部128との間に位置する。第二反射部128は、板状に形成されており、光源ユニット200Bが配置される側の面、すなわち、照明器具1において第一カバー300の内カバー平板部305と対向する面が、反射するように形成されている。第二反射部128は、例えば、反射部材で形成されている。第二反射部128は、反射部材で形成されている替わりに、反射塗料を用いてもよく、基材に反射部材を配置してもよい。第二反射部128は、平面に形成されているが、凹凸面を形成してもよい。第二反射部128は、第二傾斜部124aから第二反射部128の先端に向かって、底板部124との距離が近づくように傾斜している。すなわち、第二反射部128は、第二傾斜部124aから第二反射部128の先端に向かって、斜め上方に向くように傾斜しており、第二反射部128は、第二傾斜部124aの板面に対して傾斜している。
【0023】
側板部120は、図8に示すように、第二傾斜部124aと、第二反射部128とによって、鉤状に形成された第一カバー保持部125を構成する。換言すると、側板部120は、発光基板220に対する垂直方向(Z軸方向)において、第一反射部127の端部に第一カバー保持部125を有する。第一カバー保持部125は、器具本体100の短手方向(Y軸方向)において、底板部124と第二反射部128との間が器具本体100の外側に向かって開口するカバー保持用開口部125aが形成されている。第一カバー保持部125は、器具本体100の短手方向(Y軸方向)において、カバー保持用開口部125aから第二傾斜部124aに向かって底板部124と第二反射部128との間が広がるように形成されている。換言すると、第一カバー保持部125は、器具本体100の短手方向(Y軸方向)において、第二傾斜部124aからカバー保持用開口部125aに向かって底板部124と第二反射部128との間が狭まるように形成されている。第一カバー保持部125は、第一カバー300と係合する板状に形成された第二反射部128を有し、第二反射部128が図4に示す第一カバー300の先端傾斜部320と係合することで第一カバー300を保持する。
【0024】
また、側板部120は、図8に示すように、第一反射部127の天板部123が立ち上がる端部において、第一反射部127の板面に対して天板部123とは反対方向に立ち上がり、第一反射部127の板面に対して傾斜する第三反射部129を有する。換言すれば、側板部120は、発光基板220に対する垂直方向(Z軸方向)において、第一カバー保持部125が形成されている側と反対側の第一反射部127の端部から突出する板状に形成された第三反射部129を有する。第三反射部129は、光源ユニット200Aが配置される側とは反対側の面、すなわち、照明器具1において第二カバー400のカバー側面部410と対向する面が、反射するように形成されている。第三反射部129は、例えば、反射部材で形成されている。第三反射部129は、反射部材で形成されている替わりに、反射塗料を用いてもよく、基材に反射部材を配置してもよい。第三反射部129は、平面に形成されているが、凹凸面を形成してもよい。第三反射部129は、第三反射部129の立ち上がり方向の先端部に、天板部123の立ち上がり方向と反対方向に曲折する第二カバー保持部126を有する。第二カバー保持部126は、図4に示す第二カバー400の先端引掛部420と係合し、第二カバー400を保持する。
【0025】
上記の様に、照明器具1は、互いに向かい合う2つの側板部120の天板部123が、器具本体100の天井部100aを構成する。そして、互いに向かい合う2つの側板部120の第一傾斜部123aは、器具本体100の本体開口部101Aを形成する。また、照明器具1は、互いに向かい合う2つの側板部120の底板部124、第二傾斜部124a及び第二反射部128が、器具本体100の本体底部100bを構成する。そして、互いに向かい合う2つの側板部120の第二傾斜部124aは、器具本体100の本体開口部101Bを形成する。本体底部100bは、本体開口部101Bにおいて、底板部124から第二反射部128に向かって、互いに向かい合う2つの側板部120の第二傾斜部124aの間が狭まるように形成されている。
【0026】
また、側板部120は、第一反射部127において、第一反射部127に対して天板部123及び底板部124と同じ方向に突出する突出部127aを有する。突出部127aは、第一反射部127の上下方向(Z軸方向)の両端部の間において、第一反射部127の上下方向(Z軸方向)の両端部の中心位置と天板部123との間に形成されている。図8に示すように、長手方向(X軸方向)に見た場合の側面視において、突出部127aは、略T字状に形成されている。突出部127aは、突出部127aの突出方向の先端部から天板部123側に突出する上部突出部127a1と、突出部127aの突出方向の先端部から底板部124側に突出する下部突出部127a2とを有する。また、側板部120は、底板部124から、天板部123に向かって突出する底板突出部127bを有する。側板部120は、上部突出部127a1と、第一反射部127とが対向して形成され、上部突出部127a1と、第一反射部127との間に第二溝部122が形成されている。第二溝部122には、後述する連結金具1100が差し込まれて配置される。側板部120は、下部突出部127a2と第一反射部127とが対向して形成されていると共に、底板突出部127bと第一反射部127とが対向して形成されている。そのため、側板部120は、下部突出部127a2及び底板突出部127bと、第一反射部127との間に第一溝部121が形成されている。第一溝部121には、図7に示すように、連結部110の側部112が差し込まれて配置される。連結部110は、2つの側部112の各側部112が、側板部120と対向するように、側板部120に形成された第一溝部121に配置される。そのため、連結部110は、側部112が側板部120の突出部127a及び底板突出部127bと第一反射部127とによって上下方向(Z軸方向)と短手方向(Y軸方向)移動が規制されることによって、第一反射部127と係合する。
【0027】
(点灯制御部130)
点灯制御部130は、後述の発光基板220を制御する。点灯制御部130は、図5に示すように、商用電源からの電力供給を受ける為の電源線が挿し込まれる電源端子台131と、光源ユニット200の点灯状態(明るさ及び色温度)などを制御する信号線が挿し込まれる信号端子台132と、を有する。また、点灯制御部130は、光源ユニット200を点灯させる点灯装置133と、信号端子台132からの信号もしくは、無線による信号を受信し、受信した信号を点灯装置133に送信する制御ユニット134と、を有している。点灯制御部130を構成する電源端子台131、信号端子台132、点灯装置133及び制御ユニット134は、底面部111の一面側に配置され、底面部111の長手方向(X軸方向)に並べて配置されている。なお、制御ユニット134は、無線通信するためのアンテナ部(図示せず)を底面部111の他面側から突き出るように設けると、通信性を良くすることができる。また、点灯装置133は、内部に分配器(図示せず)を有している。点灯装置133は、分配器を有していることで、1つの点灯装置133によって、例えば発光させる光の色温度などが異なる2種類の基板を切り替えて点灯させることができる。点灯制御部130は、電源端子台131等が底面部111の一面側に配置されているが、底面部111の他面側に配置された光源ユニット200Bへの配線は、配線用の切り欠き部111aを介して配線することができる。
【0028】
(端板部140)
図9は、図5の端板部140の斜視図である。図4図5及び図9を用いて端板部140を説明する。端板部140は、図4に示すように、器具本体100の長手方向の端部100cに配置される。端板部140は、図5及び図9に示すように、円形状の電線用開口141aが形成された板状の端板本体部141を有する。端板本体部141は、端板部140が、器具本体100に取り付けられた状態において、連結部110と側板部120とで囲まれた器具本体100の空間の長手方向(X軸方向)の端部を塞ぐように配置される。端板本体部141は、器具本体100の短手方向(Y軸方向の)両端部の側辺から立ち上がり、器具本体100の内部側に突出し、側板部120にネジなどの固定手段115により固定される端板固定部142を有する。端板本体部141は、器具本体100の上下方向(Z軸方向)において、端板本体部141の下端部(Z2側端部)の側辺から立ち上がり、端板本体部141に対して端板固定部142とは反対側に突出した端板鍔部143を有する。また、端板本体部141には、器具本体100の長手方向(X軸方向)の端部において、図2及び図4に示す連結開口部102を形成するように端板切り欠き部141bが形成されている。端板切り欠き部141bは、上下左右に延びる略十字形状の平板状に形成された端板本体部141において、左右方向に延びる板の短手方向(Y軸方向)の両端部かつ、上下方向(Z軸方向)の上側(Z1側)端部に形成されている。すなわち、端板切り欠き部141bは、端板固定部142の上方(Z1方向)に形成されている。
【0029】
端板部140はまた、ブッシュ145と、後述する連結金具1100と係合する連結バネ144と、を備えている。連結バネ144は、端板切り欠き部141bを形成する部分の端板本体部141に取り付けられている。この連結バネ144は、端板部140が器具本体100に取り付けられた状態において、端板本体部141の外側の板面に取り付けられており、曲折して器具本体100の内部に突出するように形成されている。連結バネ144と端板本体部141とは、例えば、リベット等の固定手段によって固定されている。連結バネ144には、後述する連結金具1100と係合する爪部144aが形成されている。爪部144aは、端板部140が器具本体100に取り付けられた状態において、器具本体100の短手方向(Y軸方向)に凸となるように連結バネ144の一部が曲折されて形成されている。ブッシュ145は、環状に形成された部材であり、電線用開口141aに取り付けられている。
【0030】
図10は、図4の照明ユニット10のA-A線断面図である。図10に示すように、端板部140が器具本体100に取り付けられた状態において、端板本体部141は、側板部120の長手方向(X軸方向)における端部よりも内側に配置されている。また、連結バネ144は、連結金具1100と係合する爪部144aを有しており、端板部140が器具本体100に取り付けられた状態において、連結バネ144は、端板切り欠き部141bから器具本体100の内部に延びるように配置されている。また、図2に示すように、端板部140が器具本体100に取り付けられた状態において、端板本体部141は、端板鍔部143が本体開口部101Bの長手方向(X軸方向)の端部を覆うように配置される。すなわち、端板部140が器具本体100に取り付けられた状態において、端板鍔部143は、向かい合うように配置された側板部120の第二傾斜部124a同士の間に配置される。器具本体100は、連結部110を側板部120の第一溝部121に長手方向(X軸方向)の端部側からスライドして係合させ、端板部140を側板部120に固定している。そのため、照明器具1は、連結部110の長手方向(X軸方向)の移動を規制して取り付けすることができるので、容易に組み立てすることができる。
【0031】
(光源ユニット200)
図11は、図5の光源ユニット200の斜視図である。図12は、図11の光源ユニット200の分解斜視図である。光源ユニット200は、照明器具1の光源部である。光源ユニット200は、光源となる発光基板220を有し、器具本体100に配置され、本体開口部101A及び本体開口部101Bをそれぞれ塞ぐように器具本体100に取り付けられる。光源ユニット200は、器具本体100の本体開口部101A及び本体開口部101Bの両方に同じものが取り付けられる。以下の説明で説明する光源ユニット200は、本体開口部101Aに取り付けられる光源ユニット200Aと、本体開口部101Bに取り付けられる光源ユニット200Bとが同じ構成のものとして説明する。なお、光源ユニット200は、光源ユニット200Aと光源ユニット200Bとが同じ構成のものに限定されるものではなく、光源ユニット200Aと光源ユニット200Bとが異なる構成のものであってもよい。実施の形態1の光源ユニット200は、器具本体100に取り付け、また、器具本体100から取り外しできるものである。しかし、光源ユニット200は、器具本体100に対して着脱できるものに限定されるものではなく、光源ユニット200は、器具本体100に固定され、着脱できなくてもよい。
【0032】
光源ユニット200は、図11及び図12に示すように、長尺に形成されており、フレーム210と、フレーム210に取り付けられる発光基板220と、発光基板220を覆うようフレーム210に取り付けられるカバー230と、を有する。発光基板220は、図12に示すように、長尺且つ矩形平板状に形成された基板222と、基板222の長手方向(X軸方向)に沿って直線状に実装される複数の発光素子221とを備えている。発光素子221は、基板222の短手方向(Y軸方向)において1つ実装されている。なお、発光素子221は、基板222の短手方向(Y軸方向)において1つ実装されている例を示したが、発光素子221は、基板222の短手方向(Y軸方向)において複数実装されてもよい。また、光源ユニット200は、発光素子221を備えた基板222が、フレーム210の短手方向(Y軸方向)において複数設けられてもよい。また、光源ユニット200は、発光素子221を備えた基板222が、フレーム210の長手方向(X軸方向)おいて複数設けられてもよい。発光素子221は、例えば表面実装タイプのLED素子であるが、COB型のLEDモジュールでもよい。また、発光素子221は、固体レーザ素子、半導体レーザ素子又は有機EL素子でもよい。
【0033】
カバー230は、発光素子221を覆うように長尺に形成されている。カバー230は、例えば、乳白色のアクリル樹脂など拡散性を有する材料により形成され、発光素子221から照射される光を拡散する。カバー230は、長尺に形成されており、曲面を構成する板状に形成されている。カバー230の短手方向(Y軸方向)の中央部分が凸となるように湾曲している。カバー230は、断面が円弧形状であるが、他の形状であってもよい。例えば、カバー230は、断面が、平板形状、三角形状、四角形状、その他の多角形状であってもよい。あるいは、カバー230は、複数の平面から形成される多面体形状であっても良く、複数の曲面から形成される形状であってもよい。カバー230は、後述する発光素子221から発せられる光の入射角がある一定の角より大きいと、発光素子221から発せられた光がカバー230で屈折する。すなわち、カバー230は、発光基板220から発せられる光を透過させ、発光基板220から発せられる光がカバー230を透過する際に光を直進させ又は屈折させる。カバー230は、発光素子221とカバー230との間の距離が一定ではなく扁平した形状である。なお、カバー230は、扁平した形状に限定されるものではなく、例えば、半円形状等、発光素子221とカバー230との間の距離が一定であってもよい。
【0034】
光源ユニット200は、図11及び図12に示すように、取付バネ240を有する。取付バネ240は、光源ユニット200を器具本体100に取り付けるための機構であり、発光基板220が配置されている側と反対側の面のフレーム210に取り付けられている。取付バネ240は、図6に示すように、光源ユニット200の短手方向(Y軸方向)に延びるバネ部240aを有する。バネ部240aは、ステンレス材料あるいはバネ鋼材などの弾性材料で形成される板バネである。バネ部240aは、フレーム210の短手方向(Y軸方向)に延び、フレーム210と対向して、フレーム210と略平行に配置されているバネ平板部240a1を有する。また、バネ部240aは、バネ平板部240a1の先端部からフレーム210側に曲折するバネ曲折部240a2を有する。バネ曲折部240a2は、光源ユニット200の短手方向(Y軸方向)の外側に向かって凸となるように円弧状に曲折している。取付バネ240は、図11及び図12に示すように、光源ユニット200の長手方向(X軸方向)の両端部に配置されている。取付バネ240は、例えば、ネジ等の固定手段によってフレーム210及び後述する端部カバー250と固定される。光源ユニット200Aは、図2に示すように、取付バネ240が、向かい合うように配置された側板部120の第一傾斜部123aに係合することによって、器具本体100に固定される。また、光源ユニット200Bは、図2に示すように、取付バネ240が、向かい合うように配置された側板部120の第二傾斜部124aに係合することによって、器具本体100に固定される。
【0035】
また、光源ユニット200は、図11及び図12に示すように、光源ユニット200の長手方向(X軸方向)の端部を塞ぐように取り付けられる端部カバー250と、点灯装置133に接続される電線部260とを備えている。端部カバー250は、光源ユニット200の長手方向(X軸方向)における端部に配置され、カバー230の長手方向(X軸方向)の開口部を塞ぐとともに、発光基板220が照射する光を光源ユニット200の長手方向(X軸方向)へ配光するものである。端部カバー250は、アクリル樹脂など透過性及び拡散性を有する材料により形成されており、カバー230と接着剤あるいは熱溶着などの接合手段により接合されている。また、端部カバー250は、例えば、ネジ等の固定手段によって取付バネ240と固定される。なお、端部カバー250は、カバー230の長手方向(X軸方向)の開口部を塞ぐものであればよく、光を透過しない材料で構成されてもよい。光源ユニット200は、電線部260が点灯装置133と接続することで、発光基板220と点灯装置133とが電気的に接続される。
【0036】
図13は、光源ユニット200と器具本体100とが分離した状態の光源ユニット200の器具本体100への取付参考図である。図14は、光源ユニット200と器具本体100とが接触した状態の光源ユニット200の器具本体100への取付参考図である。図15は、光源ユニット200と器具本体100とが係合した状態の光源ユニット200の器具本体100への取付参考図である。図13図15に示すように、器具本体100は、発光基板220を制御する点灯制御部130と、いずれか一方の光源ユニット200の一部と、を収容する第一収容部1aと、他方の光源ユニット200の一部を収容する第二収容部1bと、を形成する。連結部110は、側板部120の板面間を連結させ、器具本体100の内部を第一収容部1aと第二収容部1bとに仕切る。器具本体100は、第二収容部1bの収容空間が、第一収容部1aの収容空間よりも小さい。なお、第一収容部1a及び第二収容部1bに収容される光源ユニット200の一部とは、光源ユニット200を器具本体100に係合する取付バネ240のことである。
【0037】
図13図15を用いて、照明ユニット10における光源ユニット200の器具本体100への取付方法を説明する。図13は、照明ユニット10において、光源ユニット200が器具本体100から分離した状態を示している。作業者は、光源ユニット200A及び光源ユニット200Bを、それぞれ器具本体100に向けて矢印の方向に移動させる。より詳細には、作業者は、光源ユニット200Aを、器具本体100の天井部100aに形成された本体開口部101Aに向けて矢印の方向に移動させる。また、作業者は、光源ユニット200Bを、器具本体100の本体底部100bに形成された本体開口部101Bに向けて矢印の方向に移動させる。
【0038】
図14は、作業者が、図13の照明ユニット10の状態から光源ユニット200を器具本体100に当接させた状態を示している。作業者が、光源ユニット200Aを器具本体100に当接させると、光源ユニット200Aを構成する取付バネ240のバネ曲折部240a2が、第一傾斜部123aの円弧状に形成された傾斜先端部123a1と当接する。また、作業者が、光源ユニット200Bを器具本体100に当接させると、取付バネ240のバネ曲折部240a2が、第二傾斜部124aの先端に位置する底部曲折部124a1と当接する。
【0039】
図15は、作業者が、図14の照明ユニット10の状態から光源ユニット200を器具本体100に押し込んだ状態を示している。作業者が、光源ユニット200Aを器具本体100に押し込むと、光源ユニット200Aは、取付バネ240のバネ部240aが、第一傾斜部123aの傾斜先端部123a1に接触して弾性変形しながら押し込まれていく。また、作業者が、光源ユニット200Bを器具本体100に押し込むと、光源ユニット200Bは、取付バネ240のバネ部240aが、第二傾斜部124aの先端に位置する底部曲折部124a1に接触して弾性変形しながら押し込まれていく。なお、第一傾斜部123aの傾斜先端部123a1及び第二傾斜部124aの先端に位置する底部曲折部124a1は、円弧状に形成されていることで、取付バネ240のバネ部240aが弾性変形しやすくなっている。光源ユニット200Aは、フレーム210が第一傾斜部123aの傾斜先端部123a1と当接するまで押し込まれると器具本体100に固定される。また、光源ユニット200Bは、フレーム210が第二傾斜部124aの先端に位置する底部曲折部124a1と当接するまで押し込まれると器具本体100に固定される。このとき、光源ユニット200Aの取付バネ240は、本体開口部101Aの縁部を形成する第一傾斜部123aの内側の面に係止されている。そして、光源ユニット200Aは、器具本体100に形成された本体開口部101Aを塞ぐように器具本体100に取り付けられている。また、光源ユニット200Bの取付バネ240は、本体開口部101Bの縁部を形成する第二傾斜部124aの内側の面に係止されている。そして、光源ユニット200Bは、器具本体100に形成された本体開口部101Bを塞ぐように器具本体100に取り付けられている。
【0040】
図16は、本発明の実施の形態1に係る照明器具1の配光を説明する参考図である。次に、照明器具1の配光特性について図16を用いて説明をする。図16に示すように、第一カバー300が、器具本体100に取り付けられた状態において、内カバー平板部305は、光源ユニット200Bと対向する。そして、カバー傾斜部310は、内カバー平板部305から第一カバー保持部125に向かって、対向するカバー傾斜部310同士の間が狭まるように発光基板220の板面に対して傾斜する。また、第一カバー300及び第二カバー400が、器具本体100に取り付けられた状態において、外カバー平板部405は、内カバー平板部305と対向し、カバー側面部410は、器具本体100の側板部120と対向する。側板部120は、第二カバー400が器具本体100に取り付けられた状態において、カバー側面部410と対向する板状に形成された第一反射部127を有する。また、第二反射部128は、第一カバー300が器具本体100に取り付けられた状態において、内カバー平板部305と対向する。第二反射部128は、器具本体100の短手方向(Y軸方向)において、内カバー平板部305の中央部から端部に向かうに従って、第二反射部128と内カバー平板部305との距離が離れるように内カバー平板部305に対して傾斜している。この第二反射部128は、光源ユニット200Bと、第一反射部127との間に配置されている。また、第三反射部129は、第一カバー300及び第二カバー400が器具本体100に取り付けられた状態において、第一反射部127に対して傾斜している。第三反射部129は、第一反射部127から第二カバー400に向かうに従い、第三反射部129とカバー傾斜部310との間が大きくなるように第一反射部127に対して傾斜している。
【0041】
図16に示すように、光源ユニット200Aは、発光基板220の発光素子221から発する光を、カバー230を介して器具本体100の上側(Z1側)に配光する。したがって、照明器具1は、照明器具1の上側(Z1側)を照らすことができる。
【0042】
図16に示すように、光源ユニット200Bは、発光基板220の発光素子221から発する光を、カバー230を介して器具本体100の下側(Z2側)に配光する。例えば、光源ユニット200Bの発光素子221から発せられた光(M)は、カバー230を直進し又はカバー230で屈折して、第一カバー300の内カバー平板部305及び第二カバー400の外カバー平板部405を透過する。そのため、照明器具1は、照明器具1の下側(Z2側)を照らすことができる。
【0043】
また、図16に示すように、光源ユニット200Bの発光素子221から発せられた光(N)は、カバー230で屈折することで第一カバー300のカバー傾斜部310へ進行する。あるいは、上述したように第一カバー300は、発光基板220の発光素子221から出射された光の入射角によって、光の一部又は全部を反射させる。そのため、光源ユニット200Bの発光素子221から発せられた光(N1)は、カバー230を直進し又はカバー230で屈折して、第一カバー300の内カバー平板部305に直進し、内カバー平板部305で反射されてカバー傾斜部310へ進行する。そして、発光基板220の発光素子221から出射された光(N)及び内カバー平板部305で反射された光(N1)は、カバー傾斜部310を直進し又はカバー傾斜部310で屈折して、第二カバー400のカバー側面部410へ進行する。
【0044】
あるいは、光源ユニット200Bの発光素子221から発せられた光(N2)は、カバー230を直進し又はカバー230で屈折して、第一カバー300の内カバー平板部305に直進し、内カバー平板部305で反射されて第二反射部128へ進行する。第二反射部128で反射された光(N2)は、カバー傾斜部310を直進し又はカバー傾斜部310で屈折して、第二カバー400のカバー側面部410へ進行する。なお、第二反射部128で反射された光(N2)は、カバー傾斜部310に進行しているが、第二反射部128で反射された光(N2)は、内カバー平板部305及び外カバー平板部405へ進行してこれらを透過してもよい。
【0045】
第一カバー300のカバー傾斜部310を透過して第二カバー400のカバー側面部410へ進行した光(O)は、カバー側面部410を直進し又はカバー側面部410で屈折して、第二カバー400のカバー側面部410を透過する。照明器具1は、第二カバー400のカバー側面部410を透過する光(O)によって、照明器具1の側方である短手方向側(Y方向側)を照らすことができる。
【0046】
また、上述したように第二カバー400は、発光基板220の発光素子221から出射された光の入射角によって、光の一部又は全部を反射させる。そのため、第一カバー300のカバー傾斜部310を透過して第二カバー400のカバー側面部410へ進行した光(O1)は、カバー側面部410で反射され第一反射部127へ進行する。そして、第一反射部127に進行した光(O1)は、第一反射部127で反射されてカバー側面部410へ進行し、カバー側面部410を直進し又はカバー側面部410で屈折して、第二カバー400のカバー側面部410を透過する。照明器具1は、第二カバー400のカバー側面部410を透過する光(O1)によって、照明器具1の側方である短手方向側(Y方向側)を照らすことができる。
【0047】
あるいは、第一カバー300のカバー傾斜部310を透過して第二カバー400のカバー側面部410へ進行した光(O2)は、第三反射部129へ進行する。そして、第三反射部129に進行した光(O2)は、第三反射部129で反射されてカバー側面部410へ進行し、カバー側面部410を直進し又はカバー側面部410で屈折して、第二カバー400のカバー側面部410を透過する。照明器具1は、第二カバー400のカバー側面部410を透過する光(O2)によって、照明器具1の側方である短手方向側(Y方向側)を照らすことができる。
【0048】
照明器具1は、光源ユニット200Bから発せられ、照明器具1の下側(Z2側)へ進行する光(M)と共に、第一カバー300のカバー傾斜部310へ進行する光(N)及び光(N1)を形成する。また、照明器具1は、光源ユニット200Bから発せられ、第一カバー300の内カバー平板部305で反射した後、第二反射部128で反射し、第一カバー300のカバー傾斜部310へ進行する光(N2)を形成する。そして、照明器具1は、カバー傾斜部310を透過した後、第二カバー400のカバー側面部410を透過する光を形成する。これらの光のうち、たとえば、光(O)は、カバー傾斜部310から直接第二カバー400へ進行してカバー側面部410から出射される。また、光(O1)は、カバー傾斜部310から第二カバー400へ進行し、第二カバー400で反射された後に第一反射部127で反射されてカバー側面部410へ進行し、カバー側面部410から出射される。さらに、光(O2)は、カバー傾斜部310から第三反射部129へ進行し、第三反射部129で反射されてカバー側面部410へ進行し、カバー側面部410から出射される。このように、照明器具1は、光源ユニット200B、第一カバー300及び第二カバー400を有していることで、照明器具1の側方である短手方向(Y軸方向)にも配光することができる。さらに、照明器具1は、光源ユニット200B、第一カバー300及び第二カバー400と共に、光源ユニット200Aを有していることで照明器具1の略全周方向へ照射することができる。
【0049】
以上のように、照明器具1は、光源ユニット200を覆う第一カバー300と、第一カバー300と器具本体100の側面を構成する側板部120とを覆う第二カバー400と、を備える。そして、第一カバー300及び第二カバー400は、発光基板220から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させ、及び、発光基板220から出射された光の入射角によって光の一部又は全部を反射させるものである。そのため、照明器具1は、第一カバー300と第二カバー400とに進行する光の屈折と反射を利用して、光源ユニット200から発せられる光の進行する向きを変えることができ、光源ユニット200から発せられる光を照明器具1の側方へ照射することができる。
【0050】
また、照明器具1は、第一カバー300が器具本体100に取り付けられた状態において、内カバー平板部305が、光源ユニット200と対向する。そして、カバー傾斜部310は、内カバー平板部305から第一カバー保持部125に向かって、対向するカバー傾斜部310同士の間が狭まるように発光基板220の板面に対して傾斜する。そのため、照明器具1は、第一カバー300のカバー傾斜部310に進行する光の屈折と反射を利用して、また、内カバー平板部305の反射を利用して、光源ユニット200から発せられる光の進行する向きを変えることができる。その結果、照明器具1は、光源ユニット200から発せられる光を照明器具1の側方へ照射することができる。
【0051】
また、器具本体100は、長尺状に形成されており、器具本体100の短手方向(Y軸方向)において、内カバー平板部305の長さは、器具本体100の長さよりも長い。そのため、内カバー平板部305は、器具本体100の外側にまで張り出すことができ、照明器具1は、内カバー平板部305の反射を利用して、カバー側面部410の上部にまで光を届かせることができる。その結果、照明器具1は、光源ユニット200から発せられる光を照明器具1の側方の広い範囲から照射することができる。
【0052】
また、カバー傾斜部310は、器具本体100の短手方向(Y軸方向)において、器具本体100の幅よりも外側に突出している。そのため、カバー傾斜部310は、器具本体100の外側にまで張り出すことができ、カバー傾斜部310に進行する光の屈折と反射を利用して、カバー側面部410の上部にまで光を届かせることができる。その結果、照明器具1は、光源ユニット200から発せられる光を照明器具1の側方の広い範囲から照射することができる。
【0053】
また、第二カバー400は、平板状に形成された外カバー平板部405と、外カバー平板部405の両端部から立ち上がるカバー側面部410と、を有する。第一カバー300及び第二カバー400が器具本体100に取り付けられた状態において、外カバー平板部405は、内カバー平板部305と対向し、カバー側面部410は、器具本体100の側板部120と対向する。そのため、照明器具1は、第一カバー300と第二カバー400とに進行する光の屈折と反射を利用して、光源ユニット200から発せられる光の進行する向きを変えることができ、光源ユニット200から発せられる光を照明器具1の側方へ照射することができる。
【0054】
また、側板部120は、第二カバー400が器具本体100に取り付けられた状態において、カバー側面部410と対向する板状に形成された第一反射部127を有する。この第一反射部127は、第二カバー400と対向する面が反射するように形成されている。そのため、照明器具1は、第二カバー400と第一反射部127との間の反射を利用して、カバー側面部410の上部にまで光を届かせることができる。その結果、照明器具1は、光源ユニット200から発せられる光を照明器具1の側方の広い範囲から照射することができる。
【0055】
また、側板部120は、発光基板220に対する垂直方向(Z軸方向)において、第一反射部127の端部に第一カバー保持部125を有し、第一カバー保持部125は、第一カバー300と係合する板状に形成された第二反射部128を有する。この第二反射部128は、第一カバー300と対向する面が反射するように形成されている。また、第二反射部128は、第一カバー300が器具本体100に取り付けられた状態において、内カバー平板部305と対向する。そして、第二反射部128は、器具本体100の短手方向(Y軸方向)において、内カバー平板部305の中央部から端部に向かうに従って、第二反射部128と内カバー平板部305との距離が離れるように内カバー平板部305に対して傾斜している。すなわち、第二反射部128は、第二傾斜部124aから第二反射部128の先端部に向かって、斜め上方に向かうように形成されている。そのため、照明器具1は、内カバー平板部305で反射された光を、カバー傾斜部310へ入光しやすくしている。その結果、照明器具1は、照明器具1の側方から照射される光の量を増やすことができる。
【0056】
また、第二反射部128は、光源ユニット200と、第一反射部127との間に配置されている。そのため、照明器具1は、第二反射部128の反射を利用して、カバー側面部410の上部にまで光を届かせることができる。また、照明器具1は、第二反射部128と内カバー平板部305との間が広くなり、カバー側面部410の上部に届く光の量が多くなる。その結果、照明器具1は、照明器具1の側方から照射される光の範囲と量を増やすことができる。
【0057】
また、側板部120は、第三反射部129が、第一カバー300及び第二カバー400が器具本体100に取り付けられた状態において、第一反射部127に対して傾斜している。この第三反射部129は、第一反射部127から第二カバー400に向かうに従い、第三反射部129とカバー傾斜部310との間が大きくなるように第一反射部127に対して傾斜している。したがって、器具本体100は、カバー傾斜部310から器具本体100の上方(Z1方向)に向かう光を、第三反射部129による反射を利用して器具本体100の側方へ進行させることができる。そのため、照明器具1は、光源ユニット200から発せられる光を照明器具1の側方へ照射することができる。
【0058】
また、光源ユニット200は、発光基板220を覆うカバー230を有する。このカバー230は、発光基板220から出射された光の入射角によって光を直進させ又は屈折させる。そのため、照明器具1は、カバー230に進行する光の屈折と反射を利用して、光源ユニット200から発せられる光の進行する向きを変えることができ、カバー傾斜部310に向かう光を増やすことができる。その結果、照明器具1は、光源ユニット200から発せられる光を照明器具1の側方へ照射することができる。
【0059】
実施の形態2.
[照明装置1000]
図17は、本発明の実施の形態2に係る照明装置1000の斜視図である。次に、実施の形態1で説明した照明器具1が複数連結された実施の形態2に係る照明装置1000に関して説明する。なお、図1図16の照明器具1と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態2に係る照明装置1000において特に記述しない項目については、発明の実施の形態1に係る照明器具1と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。照明装置1000は、複数の照明器具1が連結金具1100により連結されたものであり、始端用照明器具1010と、中間用照明器具1020と、終端用照明器具1030とを有している。照明装置1000は、始端用照明器具1010と、終端用照明器具1030との間に配置される中間用照明器具1020の数を変更することで照明装置1000の長さを調整することができる。
【0060】
始端用照明器具1010、中間用照明器具1020及び終端用照明器具1030は、照明器具1に連結金具1100が取り付けられたものである。連結金具1100には、中間用金具1200と、端部用金具1300とがある。照明装置1000は、始端用照明器具1010、中間用照明器具1020及び終端用照明器具1030の連結金具1100が取り付けられていない端部に、隣接する照明器具1に取り付けられている連結金具1100が挿し込まれて組み立てられる。
【0061】
図18は、図17の照明装置1000を構成する始端用照明器具1010の斜視図である。図17及び図18に示すように、始端用照明器具1010は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に中間用金具1200が取り付けられ、他端に端部用金具1300が取り付けられている。
【0062】
図19は、図17の照明装置1000を構成する中間用照明器具1020の斜視図である。図17及び図19に示すように、中間用照明器具1020は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に中間用金具1200が取り付けられている。
【0063】
図20は、図17の照明装置1000を構成する終端用照明器具1030の斜視図である。図17及び図20に示すように、終端用照明器具1030は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に端部用金具1300が取り付けられている。
【0064】
なお、図18図20では、始端用照明器具1010は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に中間用金具1200が取り付けられ、他端に端部用金具1300が取り付けられている。また、中間用照明器具1020は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に中間用金具1200が取り付けられている。そして、終端用照明器具1030は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に端部用金具1300が取り付けられている。しかし、照明装置1000は、照明器具1と、連結金具1100とを有すればよく、始端用照明器具1010、中間用照明器具1020及び終端用照明器具1030の構成は他の構成でもよい。例えば、終端用照明器具1030は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に中間用金具1200が取り付けられ、他端に端部用金具1300が取り付けられていてもよい。この場合、中間用照明器具1020は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に中間用金具1200が取り付けられている。そして、始端用照明器具1010は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に端部用金具1300が取り付けられている。あるいは、始端用照明器具1010及び終端用照明器具1030は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に端部用金具1300が取り付けられていてもよい。この場合、中間用照明器具1020は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の両端に中間用金具1200が取り付けられている。あるいは、始端用照明器具1010及び終端用照明器具1030は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に中間用金具1200が取り付けられ、他端に端部用金具1300が取り付けられていてもよい。この場合、中間用照明器具1020が1つの場合は、中間用照明器具1020に連結金具1100は取り付けられていない。また、中間用照明器具1020が複数の場合は、中間用照明器具1020の間に中間用金具1200が取り付けられる。
【0065】
照明装置1000は、照明器具1と、連結金具1100とを有すればよく、中間用照明器具1020を使用することなく、始端用照明器具1010及び終端用照明器具1030と、連結金具1100とによって構成されてもよい。この場合、始端用照明器具1010は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に中間用金具1200が取り付けられ、他端に端部用金具1300が取り付けられている。そして、終端用照明器具1030は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に端部用金具1300が取り付けられている。あるいは、終端用照明器具1030は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に中間用金具1200が取り付けられ、他端に端部用金具1300が取り付けられている。そして、始端用照明器具1010は、照明器具1の長手方向(X軸方向)の一端に端部用金具1300が取り付けられている。
【0066】
図21は、図17の照明装置1000を構成する中間用金具1200の斜視図である。図22は、図21の中間用金具1200の分解斜視図である。図21及び図22を用いて中間用金具1200について説明する。
【0067】
(中間用金具1200)
中間用金具1200は、図17図21及び図22に示すように、照明器具1の端部1cに挿し込まれて照明器具1を引っ掛けて保持する中間連結部1210と、中間連結部1210に取り付けられて照明器具1を吊り下げる吊り下げ具1220とを有する。また、中間用金具1200は、枠体構造に形成され、中間連結部1210に戴置されるように取り付けられ第二カバー400の図3に示す端部400cを覆う、カバー保持部1230を備えている。
【0068】
(中間連結部1210)
中間連結部1210は、図22に示すように、吊り下げ具1220に取り付けられる中央固定部1212と、中央固定部1212の下端部から横方向に広がり、カバー保持部1230が固定される2つの肩部1213とを有する。また、中間連結部1210は、肩部1213の先端部から垂れ下がり向かい合うように配置された2つの連結係合部1211を有している。中間連結部1210は、中央固定部1212と、肩部1213と、連結係合部1211とが一体に形成されている。なお、中間連結部1210は、中央固定部1212と、肩部1213と、連結係合部1211とが一体に形成されるものに限定されるものではなく、中間連結部1210は、中央固定部1212と、肩部1213と、連結係合部1211とが別体で形成されてもよい。
【0069】
中央固定部1212は、板材を曲折して形成されており、吊り下げ具1220に取り付けられた状態で逆U字状となるように形成されている。中央固定部1212は、図22に示すように、板材が3平面を形成するように曲折されて形成されている。しかし、中央固定部1212は当該形状に限定されるものではなく、吊り下げ具1220に取り付けられる形状であれば、例えば、円弧状に形成された部分を有する1枚の板材で形成される等、他の形状で形成されてもよい。中央固定部1212の下端部には肩部1213が形成されている。
【0070】
肩部1213は、中央固定部1212の下端部から略水平方向かつ、互いに離れる方向に広がる部分を構成する板材である。中間連結部1210の肩部1213には、カバー保持部1230の上辺部1230aが取り付けられる。肩部1213は、中間連結部1210が吊り下げ具1220に取り付けられた状態で略水平方向に延びる板材であり、一端は中央固定部1212と連続して形成されており、他端は連結係合部1211と連続して形成されている。
【0071】
連結係合部1211は、肩部1213の先端部からから垂れ下がる部分である。連結係合部1211は、板状に形成されており、中間連結部1210が吊り下げ具1220に取り付けられた状態で、上下方向(Z軸方向)に延びる中央部1211aと、中央部1211aの両側から延びる連結用突出部1211bとを有する。連結係合部1211は、中央部1211aと、連結用突出部1211bとにより逆T字状に形成されている。中間連結部1210の肩部1213にカバー保持部1230が取り付けられた状態において、連結係合部1211は、カバー保持部1230で囲まれた空間を貫通するように配置されている。この連結係合部1211は、中間連結部1210とカバー保持部1230とが組み合わされた状態において、連結用突出部1211bが、カバー保持部1230が囲む空間の両側から突出するように配置されている。すなわち、連結係合部1211の連結用突出部1211bは、中間連結部1210とカバー保持部1230とが組み合わされた状態において、カバー保持部1230の枠組構造に対して略垂直方向に突出している。
【0072】
また、連結係合部1211は、連結用突出部1211bに形成された孔部1211dと、連結用突出部1211bの先端部1211b1に形成された支持片1211cとを有している。孔部1211dは、中央部1211aと連結用突出部1211bの先端部1211b1との間において、中央部1211aと先端部1211b1との間の中央部分よりも中央部1211a側に形成されている。孔部1211dは、略矩形状の貫通孔である。支持片1211cは、連結用突出部1211bの上縁部1211b2に形成されており、向かい合うように配置された2つの連結係合部1211の互いに形成された支持片1211cが近づくように突出している。この連結係合部1211の支持片1211cは、連結用突出部1211bの板面に対して垂直方向に突出しており、中間連結部1210と照明器具1とが組み合わされた状態において、照明器具1の短手方向(Y軸方向)に突出している。
【0073】
(吊り下げ具1220)
吊り下げ具1220は、天井等の被取付部と中間連結部1210との間に配置され、中間連結部1210を介して照明器具1を吊り下げて保持する。吊り下げ具1220は、天井等の被取付部に取り付けられて中間連結部1210を保持する固定部1221と、固定部1221の長さを調整自在に、固定部1221を保持する調整部1222と、を有している。固定部1221は、例えば、ワイヤー、支持柱等である。調整部1222は、固定部1221を締め付けるように保持しており、固定部1221の長さを変更するときには調整部1222の締め付けを緩めることによって固定部1221の長さを調整することができる。
【0074】
(カバー保持部1230)
カバー保持部1230は、隣接する照明器具1の端部1cを覆う。カバー保持部1230は、図21及び図22に示すように、矩形の枠形状に形成された枠体構造である。カバー保持部1230は、4辺を有する中空の四角形状に形成されており、4辺のうちの1辺に切欠部1240が形成されている。カバー保持部1230は、中間連結部1210とカバー保持部1230とが組み合わされた状態において、切欠部1240から中央固定部1212が膨出するように中間連結部1210と組み合わされる。カバー保持部1230は、中間連結部1210の肩部1213に戴置するように配設されたあとに、ネジなどの固定具1250によって中間連結部1210に固定されている。カバー保持部1230は、図22に示すように、断面がT字形状に形成されている。
【0075】
(中間用金具1200の取付)
作業者は、中間用金具1200を照明器具1に取り付けするときに、連結係合部1211の連結用突出部1211bを、図2及び図10に示す連結開口部102に挿し込み、図7及び図8に示す側板部120の第二溝部122に係合させる。そして、作業者は、連結用突出部1211bに形成された孔部1211dが、図10に示す連結バネ144の爪部144aと係合するまで、連結係合部1211の連結用突出部1211bを挿し込む。中間用金具1200は、連結係合部1211の孔部1211dが連結バネ144の爪部144aと係合することによって、照明器具1から外れることが防止される。なお、連結バネ144と連結係合部1211との間において、爪と開口との関係は逆であってもよい。すなわち、図9に示す連結バネ144に孔部が形成され、連結係合部1211に爪部が形成されていてもよい。中間用金具1200が照明器具1に取り付けられると、支持片1211cが側板部120の天板部123の内側と当接するため、中間用金具1200と照明器具1とは安定して固定される。
【0076】
また、中間用金具1200が照明器具1に取り付けられると、カバー保持部1230は、第二カバー400の長手方向(X軸方向)の端部400cを覆うと共に、2つの照明器具1が連結したときの第二カバー400の継ぎ目となる。このカバー保持部1230は、第二カバー400が第二カバー保持部126から外れたとしても、中間用金具1200が第二カバー400の端部400cを覆っていることで第二カバー400が照明器具1から外れて落下することを抑制することができる。
【0077】
(端部用金具1300)
図23は、図17の照明装置1000を構成する端部用金具1300の斜視図である。図24は、図23の端部用金具1300の分解斜視図である。端部用金具1300は、中間用金具1200と同じような構成をしており、図21及び図22の中間用金具1200と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。端部用金具1300において特に記述しない項目については、中間用金具1200と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0078】
端部用金具1300は、図17図23及び図24に示すように、照明器具1の端部1cに挿し込まれて照明器具1を引っ掛けて保持する端部連結部1310と、端部連結部1310に取り付けられて照明器具1を吊り下げる吊り下げ具1220と、を有する。また、端部用金具1300は、枠体構造に形成され、端部連結部1310に戴置されるように取り付けられると共に、第二カバー400の図3に示す端部400cを覆う、カバー保持部1230を備えている。また、端部用金具1300は、第一蓋部1330と、第二蓋部1340と、を備えている。
【0079】
(端部連結部1310)
端部連結部1310は、図24に示すように、吊り下げ具1220に取り付けられる中央固定部1212と、中央固定部1212の下端部から横方向に広がり、カバー保持部1230が固定される2つの肩部1213を有する。また、端部連結部1310は、肩部1213の先端部からから垂れ下がり向かい合うように配置された2つの連結係合部1311を有している。端部連結部1310は、中央固定部1212と、肩部1213と、連結係合部1311とが一体に形成されている。なお、端部連結部1310は、中央固定部1212と、肩部1213と、連結係合部1311とが一体に形成されるものに限定されるものではなく、端部連結部1310は、中央固定部1212と、肩部1213と、連結係合部1311とが別体で形成されてもよい。
【0080】
連結係合部1311は、肩部1213の先端部からから垂れ下がる部分である。連結係合部1311は、板状に形成されており、中間連結部1210が吊り下げ具1220に取り付けられた状態で、上下方向(Z軸方向)に延びる中央部1311aと、中央部1311aの片側から延びる連結用突出部1311bとを有する。連結係合部1311は、中央部1311aと、連結用突出部1311bとにより逆L字状に形成されている。端部連結部1310の肩部1213にカバー保持部1230が取り付けられた状態において、連結係合部1311は、カバー保持部1230で囲まれた空間から突出するように配置されている。この連結係合部1311は、端部連結部1310とカバー保持部1230とが組み合わされた状態において、連結用突出部1311bが、カバー保持部1230が囲む空間の片側から突出するように配置されている。すなわち、連結係合部1311の連結用突出部1311bは、端部連結部1310とカバー保持部1230とが組み合わされた状態において、カバー保持部1230の枠組構造に対して略垂直方向に突出している。
【0081】
また、連結係合部1311は、連結用突出部1311bに形成された孔部1211dと、連結用突出部1311bの先端部1311b1に形成された支持片1211cとを有している。孔部1211dは、中央部1311aと連結用突出部1311bの先端部1311b1との間において、中央部1311aと連結用突出部1311bの先端部1311b1との間の中央部分よりも中央部1311a側に形成されている。孔部1211dは、略矩形状の貫通孔である。支持片1211cは、連結用突出部1311bの上縁部1311b2に形成されており、向かい合うように配置された2つの連結係合部1311の互いに形成された支持片1211cが近づくように突出している。この連結係合部1311の支持片1211cは、連結用突出部1311bの板面に対して垂直方向に突出しており、端部連結部1310と照明器具1とが組み合わされた状態において、照明器具1の短手方向(Y軸方向)に突出している。
【0082】
第一蓋部1330は、側板部120の長手方向(X軸方向)の端部、端板鍔部143、第二カバー400の長手方向(X軸方向)の端部と当接する。第一蓋部1330は、側板部120、端板鍔部143及び第二カバー400で囲まれた空間の長手方向(X軸方向)の端部を塞ぐように配置されている。第一蓋部1330は、第一カバー300及び第二カバー400の内側に虫などが侵入しないように設けられている。第二蓋部1340は、矩形の板状に形成されている。第二蓋部1340は、矩形の枠状に形成されたカバー保持部1230の中空を塞ぐように配置されており、照明装置1000の長手方向(X軸方向)の端部の壁部を構成する。
【0083】
(端部用金具1300の取付)
作業者は、端部用金具1300を照明器具1に取り付けするときに、連結係合部1311の連結用突出部1311bを、図2及び図10に示す連結開口部102に挿し込み、図7及び図8に示す側板部120の第二溝部122に係合させる。そして、作業者は、連結係合部1311に形成された孔部1211dが、図10に示す連結バネ144の爪部144aと係合するまで連結係合部1311の連結用突出部1311bを挿し込む。端部用金具1300は、連結係合部1311の孔部1211dが連結バネ144の爪部144aと係合することによって、照明器具1から外れることが防止される。なお、連結バネ144と連結係合部1311との間において、爪と開口との関係は逆であってもよい。すなわち、図9に示す連結バネ144に孔部が形成され、連結係合部1311に爪部が形成されていてもよい。端部用金具1300が照明器具1に取り付けられると、支持片1211cが側板部120の天板部123の内側と当接するため、端部用金具1300と照明器具1とは安定して固定される。
【0084】
また、端部用金具1300が照明器具1に取り付けられると、カバー保持部1230は、第二カバー400の長手方向(X軸方向)の端部を覆い、照明装置1000の端部側の壁部を構成する。このカバー保持部1230は、第二カバー400が第二カバー保持部126から外れたとしても、端部用金具1300が第二カバー400の端部400cを覆っていることで第二カバー400が照明器具1から外れて落下することを抑制することができる。
【0085】
以上のように、照明装置1000は、連結金具1100を挿し込むだけで複数の照明器具1を連結することができ、作業者は、各照明器具1を連結させやすい。そのため、照明装置1000は、組み立てを容易にすることができる。また、照明装置1000は、実施の形態1に係る照明器具1を備えることによって、実施の形態1の効果を有する照明装置1000を得ることができる。
【0086】
実施の形態3.
図25は、本発明の実施の形態3に係る照明器具2000の側面図である。図26は、図25の器具本体2100と第一カバー2200の側面図である。図25及び図26は、照明器具2000を長手方向(X軸方向)から見た側面図である。なお、図25及び図26は、第一カバー2200と器具本体2100の構成を明確にするため、端板部140の図示は省略している。また、図1図24の照明器具1と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態3に係る照明器具2000において特に記述しない項目については、実施の形態1に係る照明器具1と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0087】
実施の形態3に係る照明器具2000は、第一カバー300の追加のアイデアに関するものであり、実施の形態1に係る照明器具1の変形例である。照明器具2000は、第一カバー300の替わりに第一カバー2200を備えるものであり、第一カバー2200は、発光部から発せられた光を側方へ照射した際に、第二カバー400における輝度ムラを抑制するものである。
【0088】
実施の形態1に係る照明器具1は、発光基板220から発せられる光が直接入光するカバー傾斜部310と、カバー傾斜部310から出射された光が反射される側板部120との間で明暗差(輝度差)が大きくなる場合がある。また、実施の形態1に係る照明器具1は、カバー傾斜部310の端部と側板部120の端部との間に隙間ができてしまい、この隙間が暗がりになってしまう場合がある。実施の形態3に係る照明器具2000の第一カバー2200は、これらの課題を解決するものである。
【0089】
照明器具2000は、図25に示すように、器具本体2100と、光源ユニット200と、発光基板220と、第一カバー2200と、第二カバー400とを有している。器具本体2100は、上側(Z1側)に光源ユニット200が着脱自在に取り付けられており、下側に発光基板220が取り付けられている。なお、照明器具2000は、光源部として、光源ユニット200と、発光基板220とを有している。第一カバー2200は、この発光基板220を覆うように器具本体2100に取り付けられている。第二カバー400は、第一カバー2200と、器具本体2100の側板部2130とを覆うように、器具本体2100に取り付けられている。なお、器具本体2100は、内部に点灯制御部130と、端板部140とを備えているが図示は省略する。
【0090】
器具本体2100は、器具本体2100の側面を構成する側板部2130と、対向する2つの側板部2130を両縁部に一体に形成する下面部2120と、を有する。器具本体2100は、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面が略コの字形状に形成されている。器具本体2100は、上面部2110には、光源ユニット200が取り付けられる開口が形成されている。また、器具本体2100の下面部2120は、発光基板220が取り付けられるように板状に形成されている。下面部2120は、器具本体2100の底壁を構成する。また、図26に示すように、下面部2120には、短手方向(Y軸方向)の両端部において、第一カバー2200が引っ掛けられて取り付けられる溝部2121が設けられている。溝部2121は、下面部2120から側板部2130の延びる方向とは反対側の下方(Z2側)に突出する、第一突出部2121aを有する。溝部2121は、また、下面部2120の短手方向(Y軸方向)において、第一突出部2121aよりも中央部側の下面部2120から側板部2130の延びる方向とは反対側の下方(Z2側)に突出する第二突出部2121bを有する。第二突出部2121bの先端部には、下面部2120の短手方向(Y軸方向)において、外側に延びて下面部2120と対向する突出壁部2121b1を有する。溝部2121は、第一突出部2121aの先端部と突出壁部2121b1との間に開口部2121cを形成している。側板部2130は、下面部2120の短手方向(Y軸方向)の両端部に設けられている。側板部2130は、対に設けられており、器具本体2100の側壁を構成する。対に設けられた側板部2130は、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、下面部2120から上面部2110に向うにしたがって、互いの距離が広がるように、円弧形状に形成されている。
【0091】
第一カバー2200は、発光基板220を覆うように器具本体2100に取り付けられる。第一カバー2200は、拡散性を有する透光部材により形成され、発光素子221から照射される光を拡散する。拡散性を有する透光部材は、例えば、乳白色の樹脂部材、あるいは、拡散材を含む樹脂部材等である。第一カバー2200は、乳白材あるいは拡散部材が混ぜ込まれた材料を用いることで、光の拡散幅を広げて、光を均一に照射させることができる。第一カバー2200は、発光基板220の発光素子221から出射された光の入射角によって、光の一部を反射させる。
【0092】
第一カバー2200は、長尺状に形成されている。また、第一カバー2200は、複数の平面を形成する板材から形成されており、長手方向(X軸方向)に見た場合の側面視において、台形状に形成されている。より詳細には、第一カバー2200は、長尺の板状に形成された内カバー平板部2210と、内カバー平板部2210の短手方向(Y軸方向)の両端部から立ち上がるカバー傾斜部2220と、を有する。第一カバー2200の内カバー平板部2210は、第一カバー300の内カバー平板部305と略同等の形状に構成され、略同等の機能を発揮するものである。第一カバー2200のカバー傾斜部2220は、第一カバー300のカバー傾斜部310と略同等の形状に構成され、略同等の機能を発揮するものである。内カバー平板部2210は、第一カバー2200が器具本体2100に取り付けられた状態において、発光基板220と対向する。内カバー平板部2210の長さは、器具本体2100の短手方向(Y軸方向)において、器具本体2100の長さよりも長い。互いに向かい合う2つのカバー傾斜部2220は、互いが近づく方向に向かって内側に傾斜している。すなわち、互いに向かい合う2つのカバー傾斜部2220は、先端側が内カバー平板部2210に近づくように内側に傾斜している。
【0093】
また、第一カバー2200は、カバー傾斜部2220の先端に形成され、器具本体2100の溝部2121に引っ掛かるカバー先端部2230と、器具本体2100の側板部2130の一部を覆うように設けられたカバー側部2240と、を有している。カバー先端部2230は、カバー傾斜部2220の先端から、第一カバー2200の短手方向(Y軸方向)に延びるように形成されている。それぞれのカバー傾斜部2220の先端に形成されたカバー先端部2230は、互いの先端が対向するように、第一カバー2200の内側に突出するように形成されている。カバー先端部2230は、内カバー平板部2210と対向するように平板状に形成された内側突出部2231と、内側突出部2231の突出方向の先端から上方(Z1方向)に突出し、カバー側部2240と同じ方向に延びる突出片2232と、を有する。カバー先端部2230は、内側突出部2231の先端部に突出片2232が形成されていることで、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面がL字状に形成されている。すなわち、カバー先端部2230の先端は、鉤状に形成されている。カバー先端部2230の先端が器具本体2100の開口部2121cを介して溝部2121に挿入されることで、カバー先端部2230が器具本体2100の溝部2121に係合する。より詳細には、カバー先端部2230の先端が器具本体2100の溝部2121に挿入されることで、内側突出部2231が突出壁部2121b1に載置され、第一カバー2200が器具本体2100に引っ掛かる。内側突出部2231が突出壁部2121b1に載置されると、カバー先端部2230の突出片2232と、溝部2121の第一突出部2121aとが対向する。したがって、溝部2121の第一突出部2121aは、短手方向(Y軸方向)において、カバー先端部2230の突出片2232の移動を規制する。第一カバー2200は、カバー先端部2230の先端が器具本体2100の溝部2121に挿入されると、突出片2232と第一突出部2121aとが対向するために、器具本体2100から外れにくくなる。
【0094】
カバー先端部2230が器具本体2100の溝部2121に係合することで、第一カバー2200は、器具本体2100に取り付けられる。第一カバー2200が器具本体2100に取り付けられた状態では、カバー傾斜部2220は、図25に示すように、器具本体2100の短手方向(Y軸方向)において、器具本体2100の幅よりも外側に突出している。また、図25に示すように、第一カバー2200が器具本体2100に取り付けられた状態において、カバー側部2240は、カバー傾斜部2220の端部と側板部2130の端部2131とを覆うように配置される。また。図25に示すように、第一カバー2200が器具本体2100に取り付けられた状態において、カバー側部2240は、発光基板220よりも上面部2110側に配置される。カバー側部2240は、カバー傾斜部2220の先端部において、第一カバー2200の上下方向(Z軸方向)に延びるように形成されている。
【0095】
ここで、器具本体2100の側板部2130は、発光基板220よりも上面部2110側に設けられているため、側板部2130には、発光基板220から発せられる光が直接入光しない。しかし、第一カバー2200は、拡散性を有する材料で形成されていることで光は第一カバー2200の内部を導かれる。また、第一カバー2200のカバー側部2240は、発光基板220よりも上面部2110側に配置されている。そのため、照明器具2000は、発光基板220から発せられる光が直接入光しない側板部2130においても、第一カバー2200のカバー側部2240が覆う部分においては、カバー側部2240を介して光を出射することができる。すなわち、第一カバー2200は、側板部2130を覆うカバー側部2240を有し、カバー側部2240は、第一カバー2200の媒質内を伝播された光を照射する。照明器具2000は、第一カバー2200がカバー側部2240を有することで、照明器具2000の側方の輝度が下側(Z2側)から上側(Z1側)に向かって徐徐に減少するように構成することができる。
【0096】
図27は、図25のカバー側部2240の有無による照明器具2000の側部の輝度分布の一例を示す図である。線Aは、カバー側部2240を有する場合の輝度分布を表わす曲線であり、線Bは、カバー側部2240の変形例であるカバー側部2240の長さが短い場合の輝度分布を表わす曲線であり、線Cは、カバー側部2240がない場合の輝度分布を表わす曲線である。図27において、おおよそXの範囲がカバー側部2240による効果があらわれる範囲である。
【0097】
図27の線Aと線Cとの比較でわかるように、カバー側部2240が有ると照明器具2000の側方の輝度は下側(Z2側)から上側(Z1側)に向かって徐徐に減少していく。また、図27の線Aと線Bとの比較でわかるように、カバー側部2240の長い方(Z軸方向に長い方)が、照明器具2000の側方の輝度は下側(Z2側)から上側(Z1側)に向かって緩やかに減少していく。一方で、図27の線A又は線Bと線Cとの比較でわかるように、カバー側部2240がないとカバー傾斜部2220が対向する箇所と側板部2130が対向する箇所との間で輝度の差が大きくなる。また、図27の線A又は線Bと線Cとの比較でわかるように、カバー傾斜部2220の端部と側板部2130の端部2131との間をカバー側部2240が覆うことで、第二カバー400に暗がりがあらわれるのを抑制することができる。
【0098】
なお、実施の形態3に係る照明器具2000において、照明器具2000の側方(Y方向)から見た効果に関して記載しているが、照明器具2000が天井に取り付けられたときに斜め下側から照明器具2000を見た場合にも同じような効果を得ることができる。
【0099】
図28は、図25の照明器具2000の第一の変形例である。照明器具2000の第一の変形例である照明器具2000Aは、器具本体2100Aの側板部2130aの形状が、照明器具2000の器具本体2100の側板部2130の形状と異なる。なお、器具本体2100Aは、側板部2130aの端部2131aの構造が、器具本体2100における側板部2130の端部2131と異なるだけであり、端部2131a以外の他の構造は器具本体2100と同一である。器具本体2100Aは、側板部2130aの端部2131aに段差を形成する凹部2131a1を有する。凹部2131a1は、側板部2130aの外側の表面が内側に向かって凹んだ部分であり、側板部2130aの端部2131aの縁部から上下方向(Z軸方向)の反対側の端部に向かって一定の範囲に形成されている。なお、側板部2130aの端部2131aは、上下方向(Z軸方向)において下方(Z2側)の端部であり、上下方向(Z軸方向)において第一カバー2200が取り付けられる側に位置する端部である。
【0100】
図28に示すように、第一カバー2200が器具本体2100Aに取り付けられた状態において、カバー側部2240は、カバー傾斜部2220の端部と側板部2130aの端部2131aとを覆うように配置される。この際、カバー側部2240は、側板部2130aの凹部2131a1に配置され、カバー側部2240と側板部2130aとは面一状に構成される。
【0101】
図29は、図25の照明器具2000の第二の変形例である。照明器具2000の第二の変形例である照明器具2000Bは、第一カバー2200Bのカバー側部2240bの形状が、照明器具2000の第一カバー2200のカバー側部2240の形状と異なる。なお、第一カバー2200Bは、カバー側部2240bの形状が、照明器具2000の第一カバー2200のカバー側部2240の形状と異なるだけであり、カバー側部2240b以外の他の構造は、第一カバー2200と同一である。
【0102】
カバー側部2240bは、第一カバー2200のカバー側部2240と比較して、上下方向(Z軸方向)の長さが短い。カバー側部2240bは、図29に示すように、例えば、突出片2232と上下方向(Z軸方向)の長さが略等しい。
【0103】
図30は、図25の照明器具2000の第三の変形例である。照明器具2000の第三の変形例である照明器具2000Cは、第一カバー2200Cのカバー側部2240cの形状が、照明器具2000の第一カバー2200のカバー側部2240の形状と異なる。また、照明器具2000Cは、第一カバー2200Cのカバー傾斜部2220cの傾斜の角度が、照明器具2000の第一カバー2200のカバー傾斜部2220の傾斜の角度と異なる。
【0104】
第一カバー2200Cは、図30に示すように、長手方向(X軸方向)に対する垂直断面において、内カバー平板部2210の垂直方向に対して、カバー側部2240cが傾斜して形成されている。図30に示すように、第一カバー2200Cが器具本体2100Cに取り付けられた状態において、カバー側部2240cは、カバー傾斜部2220cの先端部2220c1と側板部2130cの端部2131cとを覆うように配置される。照明器具2000Cは、第一カバー2200Cが器具本体2100Cに取り付けられた状態では、短手方向(Y軸方向)において、カバー傾斜部2220cの先端部2220c1が、側板部2130cの外側の表面よりも、内側に配置される。なお、側板部2130cの端部2131cは、図30に示すように、上方(Z1側)から下方(Z2側)に向かって、壁の肉厚が薄くなるように外側の表面に傾斜が形成されてもよい。図30に示すように、側板部2130cの端部2131cに形成された傾斜部2131c1は、第一カバー2200Cが器具本体2100Cに取り付けられた状態において、傾斜したカバー側部2240cに覆われる。なお、器具本体2100Cは、側板部2130cの端部2131cの構造が、器具本体2100における側板部2130の端部2131と異なるだけであり、端部2131c以外の他の構造は器具本体2100と同一である。
【0105】
第一カバー2200Cは、カバー傾斜部2220cの先端部2220c1を、カバー傾斜部2220の先端部よりも内側に配置することで、カバー傾斜部2220cの傾斜を第一カバー2200のカバー傾斜部2220の傾斜よりも緩やかにしている。このようにすることで、照明器具2000Cは、照明器具2000C自体の短手方向(Y軸方向)の長さを大きくせずに、照明器具2000のカバー傾斜部2220よりもカバー傾斜部2220cの傾斜を緩やかにすることができる。すなわち、第一カバー2200Cは、カバー傾斜部2220cと内カバー平板部2210との間の角度を、第一カバー2200のカバー傾斜部2220と内カバー平板部2210との間の角度よりも小さくすることができる。そのため、第一カバー2200Cは、カバー傾斜部2220cの光の出射面を、第一カバー2200のカバー傾斜部2220の出射面よりも上方に向けることができる。その結果、照明器具2000Cは、カバー傾斜部2220cに入光する発光基板220からの光を屈折させ上方向Z1側へ更に配光することができる。よって、照明器具2000Cは、照明器具2000Cの側方の輝度差を抑制することができ、上方(Z1側)から下方(Z2側)に向かって、輝度が滑らかに減少していく意匠にすることができる。
【0106】
実施の形態4.
図31は、本発明の実施の形態4に係る照明器具2000Dの側面図である。図32は、本発明の実施の形態4に係る照明器具2000Dの下方斜視図である。図33は、本発明の実施の形態4に係る照明器具2000Dの上方斜視図である。図34は、本発明の実施の形態4に係る照明器具2000Dから光源固定部材3000を引き出した上方斜視図である。図35は、図34の照明器具2000から光源固定部材3000を引き出した正面図である。図36は、図31の器具本体2100から光源固定部材3000を引き出した正面図である。図37は、第一カバー2200が取り付けられた器具本体2100から光源固定部材3000を引き出した正面図である。図38は、器具本体2100と、器具本体2100に嵌合された光源固定部材3000とを示す側面図である。図31図38を用いて照明器具2000Dについて説明する。
【0107】
発明の実施の形態3の照明器具2000において、長尺状の発光基板220を器具本体2100に組み込む際、発光基板220が撓む場合があり、照明器具2000の組み立て性が劣る恐れがある。
【0108】
本発明の実施の形態4に係る照明器具2000Dは、長尺状の発光基板220の撓みを抑制し、照明器具2000Dの組み立て性の向上を目的とする。
【0109】
本発明の実施の形態4に係る照明器具2000Dは、光源固定部材3000により発光基板220を補強するので、発光基板220を撓みにくくすることができ、ユーザーによる照明器具2000Dの組み立て性を向上させることができる。
【0110】
本発明の実施の形態4に係る照明器具2000Dは、発明の実施の形態3に係る照明器具2000の変形例である。本発明の実施の形態4に係る照明器具2000Dは、照明器具2000において発明の実施の形態1に係る照明器具1の光源ユニット200Bの発光基板220を支持するフレーム210を光源固定部材3000に置き換えたものである。そのため、本発明の実施の形態4に係る照明器具2000Dに関する以下の説明では、光源固定部材3000と、光源固定部材3000の構成部品とを中心に説明することとする。
【0111】
照明器具2000Dは、長尺状の器具本体2100と、器具本体2100の長手方向(X軸方向)からスライドさせながら挿入させて器具本体2100に取り付けられる長尺状の光源固定部材3000とを有する。光源固定部材3000は、光源となる発光基板220が取り付けられる取付部3100と、器具本体2100に嵌合する嵌合部3200とを有する。取付部3100は、長尺の板状に形成されている。嵌合部3200は、取付部3100と一体に形成されており、取付部3100の短手方向(Y軸方向)の両端部に設けられており、取付部3100と共に長手方向(X軸方向)に延びるように形成されている。
【0112】
光源固定部材3000は、更に取付部3100から突出する補強部3300を有する。補強部3300は、取付部3100において、発光基板220が取り付けられる側とは反対側に形成されている。補強部3300は、2つの凸部3310から構成されており、この2つの凸部3310は取付部3100に沿って長手方向(X)方向に延びるように形成されており、2つの凸部3310は、互いに平行となるように配置されている。補強部3300は、器具本体2100の下面部2120と共にねじ止めされて、器具本体2100に固定される。
【0113】
光源固定部材3000は、アルミ押し出し材である。光源固定部材3000が、アルミ押し出し材で構成されることにより、長尺状の取付部3100と補強部3300とを容易に構成することができる。
【0114】
このように、照明器具2000Dは、発光基板220が取り付けられる光源固定部材3000と、器具本体2100とを分離させたことにより、光源固定部材3000が発光基板220を支持し、また、補強することができる。そのため、照明器具2000Dは、発光基板220の撓み、あるいは、割れを防ぐことができる。また、発光基板220が光源固定部材3000に取り付けられることで、発光基板220の運搬が容易にできるようになり、発光基板220の搬送性が向上する。そのため、照明器具2000Dは、発光基板220と器具本体2100との製造ラインまたは製造拠点を分けることができ、生産性を向上させることができる。また、照明器具2000Dは、既に組み立て済みの照明器具2000Dから、発光基板220を容易に取り外し、交換することができる。
【0115】
また、照明器具2000Dは、器具本体2100のフレームを構成する側板部2130に、透光性カバーとなる第一カバー2200を取り付ける溝部2121を有する。照明器具2000Dは、この溝部2121の形状を流用して、光源固定部材3000の嵌合部3200が嵌合するようにしている。より詳細には、上述したように、溝部2121は、下面部2120から側板部2130の延びる方向とは反対側の下方(Z2側)に突出する第二突出部2121bを有する。第二突出部2121bの先端部には、下面部2120の短手方向(Y軸方向)において、内側に延びる係合部2121b2を有する。一対の第二突出部2121bの先端に設けられた係合部2121b2は、互いに近づく方向に延びている。溝部2121は、係合部2121b2と、下面部2120との間に係合溝2121dを形成している。光源固定部材3000の嵌合部3200は、係合溝2121dに長手方向(X軸方向)からスライドさせながら挿入されることで、係合部2121b2と嵌合する。
【0116】
照明器具2000Dをこのように構成することで、照明器具2000Dは、光源固定部材3000を取り付けるための専用部品を追加する必要がない。また、照明器具2000Dは、光源固定部材3000を用いることで、フレームとなる側板部2130の凹部に発光基板220が入り込むことなく、発光基板220を側板部2130の前面に押し出すことができる。よって、照明器具2000Dは、LEDが発光した光が、側板部2130の凹部の側壁等によって遮光されることがなくなる。
【0117】
次に、ユーザーが、発光基板220及び光源固定部材3000を、側板部2130、器具本体2100等へ取り付ける工程について説明する。まず、ユーザーは、発光基板220を接着材等で光源固定部材3000の取付部3100に取り付ける。次に、ユーザーは、光源固定部材3000の嵌合部3200を、器具本体2100の係合溝2121dに長手方向(X軸方向)からスライドさせて挿入する。次にユーザーは、器具本体2100を構成する下面部2120の内側からねじ3500を挿入し、このねじ3500の先端を補強部3300の2つの凸部3310の間にねじ込み、光源固定部材3000を器具本体2100の下面部2120に引き寄せる。すなわち、ユーザーが、光源固定部材3000を器具本体2100の下面部2120に挿入されたねじ3500を締め上げることで、発光基板220を引っ張りあげることができる。これにより、光源固定部材3000を器具本体2100に締結させることができる。また、ねじ3500と補強部3300との係合により、器具本体2100の幅手方向に対する中心線上に光源固定部材3000の幅手方向に対する中心線を略一致させることができ、光源固定部材3000のセンター出しを容易にすることができる。
【0118】
なお、照明器具2000Dは、LEDあるいは発光基板220の発熱で光源固定部材3000が熱膨張する可能性がある。器具本体2100と光源固定部材3000との締結が強固で、部材の材質が異なると、膨張係数の違いから、応力が発生して部品が破損する恐れがある。しかし、光源固定部材3000と器具本体2100とを同じ材質、例えばアルミ材を用いて構築すると、光源固定部材3000及び器具本体2100は共に同じ熱膨張係数で膨張する。そのため、光源固定部材3000と器具本体2100とを同じ材質を用いて構築すると、光源固定部材3000と器具本体2100とを強固に締結させても、熱膨張による摩擦が生じることがなく、互いにストレスを与えることがない。
【0119】
図39は、図31の第一カバー2200に端部カバー250が取り付けられた照明器具2000Dの側面図である。図40は、図32の第一カバー2200に端部カバー250が取り付けられた照明器具2000Dの下方斜視図である。図41は、図33の第一カバー2200に端部カバー250が取り付けられた照明器具2000Dの上方斜視図である。図39図41に示すように、端部カバー250は、第一カバー2200の長手方向(X軸方向)の開口部を塞ぐ。端部カバー250が、第一カバー2200の長手方向(X軸方向)の開口部を塞ぐことによって、光源固定部材3000の長手方向(X軸方向)の端部も端部カバー250によって覆われる。
【符号の説明】
【0120】
1 照明器具、1a 第一収容部、1b 第二収容部、1c 端部、10 照明ユニット、100 器具本体、100a 天井部、100b 本体底部、100c 端部、101A 本体開口部、101B 本体開口部、102 連結開口部、110 連結部、111 底面部、111a 切り欠き部、112 側部、115 固定手段、120 側板部、121 第一溝部、122 第二溝部、123 天板部、123a 第一傾斜部、123a1 傾斜先端部、123b 天板先端部、124 底板部、124a 第二傾斜部、124a1 底部曲折部、124b 底板先端部、125 第一カバー保持部、125a カバー保持用開口部、126 第二カバー保持部、127 第一反射部、127a 突出部、127a1 上部突出部、127a2 下部突出部、127b 底板突出部、128 第二反射部、129 第三反射部、130 点灯制御部、131 電源端子台、132 信号端子台、133 点灯装置、134 制御ユニット、140 端板部、141 端板本体部、141a 電線用開口、141b 端板切り欠き部、142 端板固定部、143 端板鍔部、144 連結バネ、144a 爪部、145 ブッシュ、200 光源ユニット、200A 光源ユニット、200B 光源ユニット、210 フレーム、220 発光基板、221 発光素子、222 基板、230 カバー、240 取付バネ、240a バネ部、240a1 バネ平板部、240a2 バネ曲折部、250 端部カバー、260 電線部、300 第一カバー、305 内カバー平板部、310 カバー傾斜部、320 先端傾斜部、320a 第一カバー先端部、320b 曲折部、400 第二カバー、400c 端部、405 外カバー平板部、410 カバー側面部、420 先端引掛部、420a 先端部、1000 照明装置、1010 始端用照明器具、1020 中間用照明器具、1030 終端用照明器具、1100 連結金具、1200 中間用金具、1210 中間連結部、1211 連結係合部、1211a 中央部、1211b 連結用突出部、1211b1 先端部、1211b2 上縁部、1211c 支持片、1211d 孔部、1212 中央固定部、1213 肩部、1220 吊り下げ具、1221 固定部、1222 調整部、1230 カバー保持部、1230a 上辺部、1240 切欠部、1250 固定具、1300 端部用金具、1310 端部連結部、1311 連結係合部、1311a 中央部、1311b 連結用突出部、1311b1 先端部、1311b2 上縁部、1330 第一蓋部、1340 第二蓋部、2000 照明器具、2000A 照明器具、2000B 照明器具、2000C 照明器具、2000D 照明器具、2100 器具本体、2100A 器具本体、2100C 器具本体、2110 上面部、2120 下面部、2121 溝部、2121a 第一突出部、2121b 第二突出部、2121b1 突出壁部、2121b2 係合部、2121c 開口部、2121d 係合溝、2130 側板部、2130a 側板部、2130c 側板部、2131 端部、2131a 端部、2131a1 凹部、2131c 端部、2131c1 傾斜部、2200 第一カバー、2200B 第一カバー、2200C 第一カバー、2210 内カバー平板部、2220 カバー傾斜部、2220c カバー傾斜部、2220c1 先端部、2230 カバー先端部、2231 内側突出部、2232 突出片、2240 カバー側部、2240b カバー側部、2240c カバー側部、3000 光源固定部材、3100 取付部、3200 嵌合部、3300 補強部、3310 凸部、3500 ねじ。
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