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特許7296814フローチャート表示システム及びフローチャート表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】フローチャート表示システム及びフローチャート表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20230616BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
G06F3/0481
G09B19/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019142896
(22)【出願日】2019-08-02
(65)【公開番号】P2021026434
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 A.掲載日 平成31年4月9日 掲載アドレス https://www.skymenu.net/skymenupro2019/ https://www.skymenu-class.net/function/function02-05.html B.発行者名 Sky株式会社 刊行物名 「学習活動ソフトウェア スカイメニュークラス タブレット端末を利用した学習活動をサポート」 発行年月日 平成31年4月5日 C.発行者名 Sky株式会社 刊行物名 「学習活動ソフトウェア スカイメニュークラス SKYMENU Class 2019 詳細機能」 発行年月日 平成31年4月5日 D. 販売日 令和1年6月3日~7月4日 販売場所 日本各地の商品卸先
(73)【特許権者】
【識別番号】599108242
【氏名又は名称】Sky株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】小松 義博
(72)【発明者】
【氏名】赤峰 義幸
(72)【発明者】
【氏名】三浦 絵梨子
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0131557(US,A1)
【文献】特開2011-095874(JP,A)
【文献】特開2011-107846(JP,A)
【文献】特開2013-206020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G09B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローチャートを表示装置に表示させるフローチャート表示システムであって、
作成済みの前記フローチャートを記憶するフローチャート記憶部と、
前記フローチャートに示される流れに沿って前記フローチャートを構成する複数のステップのうちの1つを対象ステップとして順に選択して、前記フローチャートにおける前記対象ステップを含む一部を拡大表示した拡大画像を前記表示装置に順次表示させる表示処理部と、
ユーザの操作内容を表す操作情報を取得する操作情報取得部と、を備え、
現在選択されている前記対象ステップからの進行先となり得る1つ以上のステップを選択候補ステップとして、前記表示処理部は、前記選択候補ステップのそれぞれに対応する操作標章を、前記拡大画像と共に前記表示装置に表示させ、
前記操作標章は、前記フローチャートに示される流れに沿って隣接するステップ間を接続する矢印とは異なる態様の図形であって、対応する前記選択候補ステップを指す矢印を含む図形で表され、
前記表示処理部は、前記操作標章の選択操作を表す前記操作情報を前記操作情報取得部が取得した場合に、前記選択操作の対象とされた前記操作標章に対応する前記選択候補ステップを次の前記対象ステップとして選択する、フローチャート表示システム。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記対象ステップと当該対象ステップについての1つ以上の前記選択候補ステップの全てとを含むように、前記拡大画像を生成すると共に、前記拡大画像の倍率を、当該拡大画像に含まれる前記選択候補ステップの数に応じて異ならせる、請求項1に記載のフローチャート表示システム。
【請求項3】
前記対象ステップとして選択された前記ステップの履歴の情報を記録する結果記録部と、前記結果記録部に記録されている情報を前記表示装置に表示させる再現処理部と、を更に備える、請求項1又は2に記載のフローチャート表示システム。
【請求項4】
前記結果記録部は、前記操作標章の選択操作以外の特定操作を表す前記操作情報を前記操作情報取得部が取得した場合に、前記特定操作に関する付加情報を、前記特定操作の対象とされた前記対象ステップに関連付けて記録するように構成されている、請求項3に記載のフローチャート表示システム。
【請求項5】
前記対象ステップとして選択された複数の前記ステップを、前記対象ステップとしての選択順に結ぶ経路を選択経路として、前記結果記録部は、前記選択経路を含む前記フローチャートの情報を記録するように構成されている、請求項3又は4に記載のフローチャート表示システム。
【請求項6】
前記再現処理部は、前記フローチャートを構成するステップを、前記対象ステップとして選択された順序と同じ順序で再現用ステップとして順に選択し、前記フローチャートにおける前記再現用ステップを含む一部を拡大表示した再現用拡大画像を前記表示装置に順次表示させるように構成されている、請求項3から5のいずれか一項に記載のフローチャート表示システム。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記操作標章の表示態様を、現在選択されている前記対象ステップについての前記選択候補ステップの数に応じて異ならせる、請求項1から6のいずれか一項に記載のフローチャート表示システム。
【請求項8】
フローチャートを表示装置に表示させるフローチャート表示プログラムであって、
フローチャート記憶部に記憶されている作成済みの前記フローチャートに示される流れに沿って、前記フローチャートを構成する複数のステップのうちの1つを対象ステップとして順に選択して、前記フローチャートにおける前記対象ステップを含む一部を拡大表示した拡大画像を前記表示装置に順次表示させる表示処理機能と、
ユーザの操作内容を表す操作情報を取得する操作情報取得機能と、をコンピュータに実現させ、
現在選択されている前記対象ステップからの進行先となり得る1つ以上のステップを選択候補ステップとして、前記表示処理機能では、前記選択候補ステップのそれぞれに対応する操作標章を、前記拡大画像と共に前記表示装置に表示させ、
前記操作標章は、前記フローチャートに示される流れに沿って隣接するステップ間を接続する矢印とは異なる態様の図形であって、対応する前記選択候補ステップを指す矢印を含む図形で表され、
前記表示処理機能では、前記操作標章の選択操作を表す前記操作情報が前記操作情報取得機能により取得された場合に、前記選択操作の対象とされた前記操作標章に対応する前記選択候補ステップを次の前記対象ステップとして選択する、フローチャート表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローチャートを表示装置に表示させるフローチャート表示システム及びフローチャート表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フローチャート表示システムの一例が、特開2011-107846号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1のフローチャート表示システムは、フローチャートにおける関連するステップを同一画面上に表示することで、ユーザの利便性の向上を図っている。具体的には、特許文献1のフローチャート表示システムでは、現在位置となるステップがユーザにより指定されると、当該ステップに関連するステップが抽出され、現在位置となるステップと抽出されたステップとが表示画面の画面枠に収まるようにフローチャートの縮小率が計算される。そして、計算された縮小率でフローチャート全体が縮小されると共に、関連するステップ(具体的には、現在位置となるステップと抽出されたステップ)については縮小前の大きさに戻された状態で、フローチャートにおける関連するステップを含む一部が表示装置に表示される(特許文献1の図8等参照)。特許文献1の実施形態1では、現在位置となるステップに矢印で接続されたステップ(具体的には、現在位置となるステップの遷移元のステップ、及び、現在位置となるステップの遷移先のステップ)が、現在位置となるステップに関連するステップとして抽出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-107846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フローチャート表示システムにおいては、フローチャート全体の手順の確認をユーザが容易に行えることが望ましい。例えば、プログラミング的思考を育むために学校教育等の教育の場面においてフローチャートを活用する場合、実験や計算等の手順を示すフローチャートを学習者(例えば、小学生や中学生)に作成させることで、順序や分岐等のプログラミングの要素を学ばせることができる。この場合、学習者自身が誤りに気付き試行錯誤を繰り返すような学習者主体の学習を行いやすくするために、フローチャート全体の手順の確認を学習者が容易に行えることが望ましい。
【0005】
特許文献1の実施形態1では、ユーザが指定した現在位置となるステップと、現在位置となるステップに矢印で接続されたステップとが、同一画面上に表示される。そのため、特許文献1には記載されていないが、フローチャートに示される流れに沿って現在位置となるステップを順に指定することで、フローチャート全体の手順の確認を行うことが考えられる。しかしながら、画面上には、現在位置となるステップの遷移先のステップだけでなく、現在位置となるステップの遷移元のステップや、場合によっては更に他のステップも表示されるため、ユーザのレベル(例えば、学習者の年齢)やフローチャートの構造によっては、フローチャートに示される流れに沿って現在位置となるステップを順に指定することが難しい場合があり得る。
【0006】
そこで、フローチャート全体の手順の確認を比較的容易に行うことが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るフローチャート表示システムは、フローチャートを表示装置に表示させるフローチャート表示システムであって、作成済みの前記フローチャートを記憶するフローチャート記憶部と、前記フローチャートに示される流れに沿って前記フローチャートを構成する複数のステップのうちの1つを対象ステップとして順に選択して、前記フローチャートにおける前記対象ステップを含む一部を拡大表示した拡大画像を前記表示装置に順次表示させる表示処理部と、ユーザの操作内容を表す操作情報を取得する操作情報取得部と、を備え、現在選択されている前記対象ステップからの進行先となり得る1つ以上のステップを選択候補ステップとして、前記表示処理部は、前記選択候補ステップのそれぞれに対応する操作標章を、前記拡大画像と共に前記表示装置に表示させ、前記操作標章は、前記フローチャートに示される流れに沿って隣接するステップ間を接続する矢印とは異なる態様の図形であって、対応する前記選択候補ステップを指す矢印を含む図形で表され、前記表示処理部は、前記操作標章の選択操作を表す前記操作情報を前記操作情報取得部が取得した場合に、前記選択操作の対象とされた前記操作標章に対応する前記選択候補ステップを次の前記対象ステップとして選択する。
【0008】
この構成によれば、フローチャートに示される流れに沿って順に選択された対象ステップの近傍を拡大表示した拡大画像が、表示装置に順次表示される。よって、ユーザは、表示装置に順次表示される拡大画像を見ることで、フローチャートに示される流れに沿う順に各ステップを確認しながら(すなわち、フローチャートを辿りながら)、フローチャート全体の手順を確認することができる。
【0009】
そして、上記の構成によれば、現在選択されている対象ステップからの進行先となり得る選択候補ステップのそれぞれに対応する操作標章が、拡大画像と共に表示装置に表示される。従って、ユーザは、操作標章を選択する操作を行うことで、次の対象ステップとなる選択候補ステップを選択することができる。このように選択候補ステップを選択するための操作標章を表示することで、拡大画像の中に選択候補ステップではないステップが含まれている場合であっても、現在選択されている対象ステップからの進行先をユーザにわかりやすく提示することができる。従って、ユーザは、フローチャートを辿るためのステップの選択を比較的容易に行うことができ、この結果、フローチャート全体の手順の確認を比較的容易に行うことができる。
【0010】
以上のように、上記の構成によれば、フローチャート全体の手順の確認を比較的容易に行うことが可能な技術を実現することができる。
【0011】
ここで、前記表示処理部は、前記対象ステップと当該対象ステップについての1つ以上の前記選択候補ステップの全てとを含むように、前記拡大画像を生成すると共に、前記拡大画像の倍率を、当該拡大画像に含まれる前記選択候補ステップの数に応じて異ならせると好適である。
【0012】
この構成によれば、対象ステップに加えて全ての選択候補ステップを含むように拡大画像が生成されるため、ユーザは、全ての選択候補ステップの内容を確認しながら、次の対象ステップとなる選択候補ステップを選択することができる。そして、上記の構成では、拡大画像の倍率が、当該拡大画像に含まれる選択候補ステップの数に応じて異なるように設定されるため、拡大画像に含まれる選択候補ステップの数に応じて、全ての選択候補ステップが含まれる適切な倍率の拡大画像が生成される。
【0013】
上記のように前記表示処理部が前記拡大画像の倍率を当該拡大画像に含まれる前記選択候補ステップの数に応じて異ならせる構成において、前記表示処理部は、前記拡大画像の倍率を、当該拡大画像に含まれる前記選択候補ステップの数が少なくなるに従って大きくすると好適である。
【0014】
対象ステップと全ての選択候補ステップとを拡大画像に含めることが可能な倍率範囲の上限は、一般に、選択候補ステップの数が少なくなるに従って大きくなる。上記の構成によれば、このような一般的傾向を考慮して、拡大画像の倍率を、全ての選択候補ステップが拡大画像に含まれる範囲内で比較的大きな値に設定することができ、拡大画像の視認性の向上を図ることができる。
【0015】
上記の各構成のフローチャート表示システムにおいて、前記表示処理部は、前記操作標章の表示態様を、現在選択されている前記対象ステップについての前記選択候補ステップの数に応じて異ならせると好適である。
【0016】
対象ステップが“処理(作業)”を表すステップである場合には選択候補ステップの数は一般に1つとなり、対象ステップが“判断(条件)”を表すステップである場合には選択候補ステップの数は一般に2つ以上となるように、現在選択されている対象ステップについての選択候補ステップの数は、当該対象ステップの種別に応じて変化する。上記の構成によれば、操作標章の表示態様が、現在選択されている対象ステップについての選択候補ステップの数に応じて異なるように設定されるため、現在選択されている対象ステップの種別をユーザに直観的に把握させやすくすることができる。
【0017】
また、前記対象ステップとして選択された前記ステップの履歴の情報を記録する結果記録部と、前記結果記録部に記録されている情報を前記表示装置に表示させる再現処理部と、を更に備えると好適である。
【0018】
この構成によれば、対象ステップとして選択されたステップの履歴の情報を、表示装置に表示させることができるため、フローチャート全体の手順を確認した際の確認手順(ユーザが辿った経路等)をユーザに振り返らせることや、当該確認手順を他のユーザに共有させることが容易となる。
【0019】
上記のように前記結果記録部と前記再現処理部とを備える構成において、前記結果記録部は、前記操作標章の選択操作以外の特定操作を表す前記操作情報を前記操作情報取得部が取得した場合に、前記特定操作に関する付加情報を、前記特定操作の対象とされた前記対象ステップに関連付けて記録するように構成されていると好適である。
【0020】
例えば、対象ステップが“判断(条件)”を表すステップである場合には、ユーザが複数の選択候補ステップの中から1つの選択候補ステップを選択した根拠(理由)を残すことで、確認手順を後に振り返るユーザにその根拠を再考させることや、確認手順を共有するユーザにその根拠を参考にさせることができる。上記の構成によれば、このような情報を付加情報として残す操作を特定操作とすることで、結果記録部に記録される情報の有用性を高めることができる。
【0021】
また、前記対象ステップとして選択された複数の前記ステップを、前記対象ステップとしての選択順に結ぶ経路を選択経路として、前記結果記録部は、前記選択経路を含む前記フローチャートの情報を記録するように構成されていると好適である。
【0022】
この構成によれば、選択経路を含むフローチャートの情報を表示装置に表示させることができるため、選択経路をユーザに振り返らせることや、選択経路を他のユーザに共有させることが容易となる。
【0023】
また、前記再現処理部は、前記フローチャートを構成するステップを、前記対象ステップとして選択された順序と同じ順序で再現用ステップとして順に選択し、前記フローチャートにおける前記再現用ステップを含む一部を拡大表示した再現用拡大画像を前記表示装置に順次表示させるように構成されていると好適である。
【0024】
この構成によれば、再現用拡大画像を表示装置に順次表示させることで、フローチャート全体の手順を確認した際の確認手順を振り返るユーザや、当該確認手順を共有しようとするユーザに、対象ステップとして選択された順に各ステップの内容を比較的容易に把握させることができる。
【0025】
上記のように前記再現処理部が前記再現用拡大画像を前記表示装置に順次表示させる構成において、前記結果記録部は、前記操作標章の選択操作以外の特定操作を表す前記操作情報を前記操作情報取得部が取得した場合に、前記特定操作に関連する付加情報を、前記特定操作の対象とされた前記対象ステップに関連付けて記録するように構成され、前記再現処理部は、前記再現用拡大画像と共に、当該再現用拡大画像に含まれる前記再現用ステップに相当する前記対象ステップに関連付けられた前記付加情報を、前記表示装置に表示させるように構成されていると好適である。
【0026】
この構成によれば、再現用拡大画像に含まれる再現用ステップに相当する対象ステップに関連付けられた付加情報を表示装置に表示させることで、フローチャート全体の手順を確認した際の確認手順を振り返るユーザや、当該確認手順を共有しようとするユーザに、付加情報の内容も把握させることができる。よって、例えば、ユーザが複数の選択候補ステップの中から1つの選択候補ステップを選択した根拠(理由)が付加情報として記録される場合には、確認手順を振り返るユーザにその根拠を再考させやすくなり、また、確認手順を共有しようとするユーザにその根拠を参考にさせやすくなる。
【0027】
以上の各構成を備えたフローチャート表示システムの技術的特徴はフローチャート表示プログラムにも適用可能であり、そのようなプログラム、更には、そのようなプログラムが記憶された記憶媒体(例えば、光ディスク、フラッシュメモリ等)も、本明細書によって開示される。
【0028】
本開示に係るフローチャート表示プログラムは、フローチャートを表示装置に表示させるフローチャート表示プログラムであって、フローチャート記憶部に記憶されている作成済みの前記フローチャートに示される流れに沿って、前記フローチャートを構成する複数のステップのうちの1つを対象ステップとして順に選択して、前記フローチャートにおける前記対象ステップを含む一部を拡大表示した拡大画像を前記表示装置に順次表示させる表示処理機能と、ユーザの操作内容を表す操作情報を取得する操作情報取得機能と、をコンピュータに実現させ、現在選択されている前記対象ステップからの進行先となり得る1つ以上のステップを選択候補ステップとして、前記表示処理機能では、前記選択候補ステップのそれぞれに対応する操作標章を、前記拡大画像と共に前記表示装置に表示させ、前記操作標章は、前記フローチャートに示される流れに沿って隣接するステップ間を接続する矢印とは異なる態様の図形であって、対応する前記選択候補ステップを指す矢印を含む図形で表され、前記表示処理機能では、前記操作標章の選択操作を表す前記操作情報が前記操作情報取得機能により取得された場合に、前記選択操作の対象とされた前記操作標章に対応する前記選択候補ステップを次の前記対象ステップとして選択する。
【0029】
上述したフローチャート表示システムの種々の技術的特徴は、フローチャート表示プログラムにも適用可能である。
【0030】
フローチャート表示システム及びフローチャート表示プログラムのさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の実施形態の説明によってより明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】フローチャート表示システムの概略構成を示すブロック図
図2】演算装置の概略構成を示すブロック図
図3】フローチャートの全体を含む画像の一例を示す図
図4】拡大画像の第1例を示す図
図5】拡大画像の第2例を示す図
図6】拡大画像の第3例を示す図
図7】拡大画像の第4例を示す図
図8】拡大画像の第5例を示す図
図9】選択経路を表示したフローチャートの全体を含む画像の一例を示す図
図10】再現用拡大画像の一例を示す図
図11】再現用拡大画像の別例を示す図
図12】付加情報を拡大表示した画像の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
フローチャート表示システムの実施形態について、図面を参照して説明する。ここでは、図1に示すように、本開示に係るフローチャート表示システムを、タブレット型の可搬型通信端末(一般的に、「タブレット端末」と呼ばれる)である端末装置10に適用した場合を例として説明する。なお、本明細書において、「装置」は一体化された1つのハードウェアに限定されるものではなく、1つの「装置」が互いに分離した複数のハードウェアを用いて構成されてもよい。
【0033】
フローチャート表示システム(以下、「表示システム1」という)は、フローチャート4(図3参照)を表示装置12に表示させるシステムである。図1に示すように、表示システム1が適用された端末装置10は、入力装置11と、表示装置12と、記憶装置15と、演算装置20と、を備えている。端末装置10は、更に、撮像装置14を備えている。図示は省略するが、端末装置10は、更に、通信ネットワークを介して通信を行う通信装置(例えば、無線通信装置)を備えている。通信装置は、他の端末装置10或いはサーバとデータ通信を行うために用いられる。本実施形態では、端末装置10は、タブレット端末であり、入力装置11、表示装置12、撮像装置14、記憶装置15、及び演算装置20は、1つの筐体に収められている。
【0034】
入力装置11は、ユーザ(端末装置10のユーザ、以下同様)の操作を受け付ける装置である。入力装置11として、キーボードやポインティングデバイス(マウス、タッチパッド、タッチパネル等)を例示することができる。表示装置12は、画像を表示画面30(表示装置12の外面に設けられる画面、スクリーン等への投影画面等)に表示する装置である。表示装置12として、液晶ディスプレイを例示することができる。本実施形態では、入力装置11と表示装置12とが一体となった表示入力装置13(例えば、表示画面30がタッチパネルとして機能する液晶ディスプレイ)を用いる場合を想定している。
【0035】
撮像装置14は、端末装置10の外部(端末装置10の筐体の外部)を撮像する装置である。撮像装置14として、CCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)等の撮像素子を備えたカメラを例示することができる。撮像装置14による撮像画像のデータは、静止画データ又は動画データとして記憶装置15に記憶される。
【0036】
記憶装置15は、データを記憶及び書き換え可能な記憶装置(補助記憶装置)である。記憶装置15として、フラッシュメモリを記憶媒体として備えた記憶装置や、ハードディスクを記憶媒体として備えた記憶装置を例示することができる。記憶装置15には、演算装置20が実行するプログラム、フローチャート4の情報、撮像装置14による撮像画像のデータ等が記憶される。
【0037】
演算装置20は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と、当該演算処理装置が直接参照可能な記憶装置(以下、「主記憶装置」という)と、を備えている。主記憶装置として、DDR(Double Data Rate)規格或いはその後継の規格のRAM(Random Access Memory)を例示することができる。主記憶装置には、演算処置装置が各処理を実行する際にデータが一時的に記憶される。演算装置20(具体的には、演算処理装置)は、主記憶装置や記憶装置15に記憶されているプログラムを実行する。演算装置20(具体的には、演算処理装置)は、入力装置11から取得した情報に基づき演算処理を実行し、この際、記憶装置(主記憶装置又は記憶装置15)に適宜アクセスして必要な情報を取得する。演算装置20(具体的には、演算装置20が備える制御装置)は、演算処理の結果に基づき、端末装置10が備える各種装置やソフトウェアに対する制御を行う。なお、本実施形態では、記憶装置15が端末装置10に一体的に設けられる場合を想定しているが、記憶装置15の少なくとも一部が、端末装置10と通信可能な別の装置(例えば、サーバ)に設けられてもよい。また、本明細書において記憶装置15に記憶されると説明するデータの少なくとも一部が、主記憶装置に記憶されてもよい。
【0038】
図2に示すように、演算装置20は、表示処理部21と、操作情報取得部25と、を備えている。演算装置20は、更に、結果生成部26と、再現処理部27と、を備えている。表示処理部21は、対象ステップ選択部22と、選択候補ステップ情報取得部23と、拡大画像生成部24と、を備えている。演算装置20が備えるこれら複数の機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことが可能に構成される。なお、これら複数の機能部は、少なくとも論理的に区別されるものであり、物理的には必ずしも区別される必要はない。
【0039】
演算装置20(具体的には、演算処理装置)は、記憶装置(主記憶装置又は記憶装置15、以下同様)に記憶されている各プログラムを実行することで、表示処理部21としての機能(表示処理機能)と、操作情報取得部25としての機能(操作情報取得機能)と、を実現する。演算装置20(具体的には、演算処理装置)は、更に、記憶装置に記憶されている各プログラムを実行することで、結果生成部26としての機能(結果生成機能)と、再現処理部27としての機能(再現処理機能)と、対象ステップ選択部22としての機能(対象ステップ選択機能)と、選択候補ステップ情報取得部23としての機能(選択候補ステップ情報取得機能)と、拡大画像生成部24としての機能(拡大画像生成機能)と、を実現する。このように、演算装置20が備える各機能部は、記憶装置に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により構成される。
【0040】
演算装置20が備える各機能部の機能を演算装置20(具体的には、演算処理装置)に実現させるためのプログラムは、当該演算処理装置が参照可能な記憶装置に記憶される。演算装置20の各機能を演算装置20に実現させるためのプログラムは、記憶媒体により或いは通信ネットワークを介して提供される。そして、提供されたプログラムは、演算装置20が参照可能な記憶装置に記憶される。
【0041】
操作情報取得部25は、ユーザの操作内容を表す操作情報を取得する機能部である。操作情報取得部25は、取得した操作情報を、例えば表示処理部21に送信する。ユーザの操作は入力装置11を用いて行われ、操作情報取得部25は、入力装置11からの信号に基づき(具体的には、入力装置11からの信号を解析して)、入力装置11に対するユーザの種々の操作の内容を表す操作情報を取得する。本実施形態では、ユーザは、表示装置12(ここでは、表示入力装置13)の表示画面30に表示された画面(グラフィカルユーザインタフェース)を操作して、種々の操作を行う。
【0042】
表示処理部21は、フローチャート4(具体的には、フローチャート記憶部16に記憶されている作成済みのフローチャート4)に示される流れに沿ってフローチャート4を構成する複数のステップ40のうちの1つを対象ステップ41として順に選択して、フローチャート4における対象ステップ41を含む一部を拡大表示した拡大画像60を表示装置12に順次表示させる機能部である。すなわち、表示処理部21は、拡大画像60を表示装置12に順次表示させる拡大画像表示処理を実行する。後述するように、現在選択されている対象ステップ41からの進行先(他のステップ40を介さない進行先(直接の進行先)、以下同様)となり得る1つ以上のステップ40を選択候補ステップ42として、表示処理部21は、選択候補ステップ42のそれぞれに対応する操作標章70を、拡大画像60と共に表示装置12に表示させる。表示システム1は、作成済みのフローチャート4を記憶するフローチャート記憶部16を備えており、本実施形態では、フローチャート記憶部16は、記憶装置15に設けられている。表示処理部21は、表示装置12に表示させる作成済みのフローチャート4の情報を、記憶装置15(具体的には、フローチャート記憶部16)を参照して取得する。
【0043】
本実施形態では、端末装置10は、入力装置11に対するユーザの操作内容に応じたフローチャート4を生成する機能を有している。すなわち、ユーザは、端末装置10を用いてフローチャート4を作成し、ユーザにより作成されたフローチャート4が、作成済みのフローチャート4としてフローチャート記憶部16に記憶される。端末装置10が、作成済みのフローチャート4の情報(例えば、他の端末装置10を用いて作成されたフローチャート4の情報)を、通信ネットワークを介して取得し、当該フローチャート4の情報がフローチャート記憶部16に記憶されてもよい。
【0044】
フローチャート4を作成する際にユーザが入力装置11を用いて行う操作には、例えば、フローチャート4を構成するステップ40を作成又は削除する操作、ステップ40を移動させる操作、ステップ40の内容(ステップ40を表す図形内に表示される文字や記号等の表示要素)を設定する操作(例えば、文字の入力操作)、フローチャート4の流れを表す矢印5を作成又は削除する操作等が含まれる。矢印5の向きは、フローチャート4の流れに沿って下流側に向かう方向を表す。よって、矢印5の終端(先端)に接続されたステップ40は、当該矢印5の始端(基端)に接続されたステップ40からの進行先(遷移先)のステップ40とされる。言い換えれば、矢印5の始端に接続されたステップ40は、当該矢印5の終端に接続されたステップ40への進行元(遷移元)のステップ40とされる。なお、煩雑さを避けるため、図3及び図9以外の図面では、矢印を表す符号“5”の図示を省略している。
【0045】
フローチャート記憶部16には、フローチャート4を構成する各ステップ40について、ステップ40の種別の情報、ステップ40の内容の情報、及び、ステップ40の配置の情報が記憶されている。これらの情報は、ステップ40を識別する識別情報に関連付けて記憶されている。ステップ40の種別には、例えば、フローチャート4の開始又は終了を表す“開始/終了”、処理(作業)を表す“処理”、判断(条件)を表す“判断”等が含まれる。ステップ40の内容は、文字や記号等で表される。種別が“開始/終了”のステップ40の内容は、当該ステップ40が開始ステップ(フローチャート4の開始を表すステップ40)及び終了ステップ(フローチャート4の終了を表すステップ40)のいずれであるかを示す内容とされ、種別が“処理”のステップ40の内容は、当該ステップ40で実行する処理の内容とされ、種別が“判断”のステップ40の内容は、当該ステップ40で実行する判断の内容とされる。ステップ40の配置は、例えば、ステップ40の位置(座標)及びサイズで表される。なお、ステップ40の配置を、ステップ40を表す図形の複数の頂点の位置(座標)で表してもよい。
【0046】
図3等では、ステップ40の内容を簡略化して“A”~“I”のアルファベットで表している。以下では、内容が“○”(○は任意のアルファベット)のステップ40を、“ステップ(○)”と表記する。例えば、ステップ(A)は、内容が“A”のステップ40を表す。図3に示す例では、ステップ(A)が開始ステップであり、ステップ(I)が終了ステップである。すなわち、ステップ(A)及びステップ(I)は、種別が“開始/終了”のステップ40である。また、図3に示す例では、ステップ(B)、ステップ(D)、ステップ(E)、ステップ(G)、及びステップ(H)が、種別が“処理”のステップ40であり、ステップ(C)及びステップ(F)が、種別が“判断”のステップ40である。図3に示すように、一般に、種別が“開始/終了”のステップ40は、長方形の全ての角が円弧状の角丸長方形で表され、種別が“処理”のステップ40は、長方形で表され、種別が“判断”のステップ40は、菱形で表される。
【0047】
また、フローチャート記憶部16には、フローチャート4を構成するステップ40間の接続関係の情報が記憶されている。ステップ40間の接続関係の情報は、例えば、各ステップ40についての、矢印5で接続された進行元(すなわち、他のステップ40を介さない進行元(直接の進行元))のステップ40と、矢印5で接続された進行先(すなわち、他のステップ40を介さない進行先(直接の進行先))のステップ40とを示す情報とされる。なお、各矢印5についての、矢印5の始端に接続されたステップ40と、矢印5の終端に接続されたステップ40とを示す情報から、ステップ40間の接続関係を導き出すことができるため、ステップ40間の接続関係の情報を、各矢印5についての、矢印5の始端に接続されたステップ40と、矢印5の終端に接続されたステップ40とを示す情報としてもよい。
【0048】
上述したように、表示処理部21は、対象ステップ選択部22と、選択候補ステップ情報取得部23と、拡大画像生成部24と、を備えている。対象ステップ選択部22、選択候補ステップ情報取得部23、及び拡大画像生成部24は、フローチャート記憶部16を参照して必要な情報を取得する。対象ステップ選択部22は、フローチャート4に示される流れに沿って(すなわち、フローチャート4を辿るように)フローチャート4を構成する複数のステップ40のうちの1つを対象ステップ41として順に選択する機能部である。表示装置12(具体的には、表示画面30)には操作標章70が表示され、表示処理部21(具体的には、対象ステップ選択部22)は、操作標章70の選択操作を表す操作情報を操作情報取得部25が取得した場合に、選択操作の対象とされた操作標章70に対応する選択候補ステップ42を次の対象ステップ41として選択するように構成されている。
【0049】
現在選択されている対象ステップ41からの進行先となり得るステップ40を選択候補ステップ42として、選択候補ステップ情報取得部23は、選択候補ステップ42の情報を取得する機能部である。選択候補ステップ情報取得部23は、対象ステップ選択部22が新たな対象ステップ41を選択する度に、新たに選択された対象ステップ41についての選択候補ステップ42の情報を取得する。選択候補ステップ情報取得部23は、選択候補ステップ42の数の情報を少なくとも取得する。例えば、現在選択されている対象ステップ41が“処理”を表すステップ40である場合には、選択候補ステップ42の数は一般に1つとなり、現在選択されている対象ステップ41が“判断”を表すステップ40である場合には、選択候補ステップ42の数は一般に2つ以上となるように、選択候補ステップ42の数は、現在選択されている対象ステップ41の種別に応じて変化する。
【0050】
拡大画像生成部24は、フローチャート4における対象ステップ41を含む一部を拡大表示した拡大画像60を生成する機能部である。表示処理部21は、拡大画像生成部24が生成した拡大画像60を表示装置12に表示させる。拡大画像生成部24は、対象ステップ選択部22が新たな対象ステップ41を選択する度に(言い換えれば、選択候補ステップ情報取得部23が、新たに選択された対象ステップ41についての選択候補ステップ42の情報を取得する度に)、新たに選択された対象ステップ41を含む拡大画像60を生成する。これにより、新たな拡大画像60が表示装置12に順次表示される。
【0051】
表示処理部21(具体的には、拡大画像生成部24)は、対象ステップ41(現在選択されている対象ステップ41)と当該対象ステップ41についての1つ以上の選択候補ステップ42の全てとを含むように、拡大画像60を生成する。後に参照する図4図5、及び図7に示す例では、対象ステップ41と1つの選択候補ステップ42とを含むように拡大画像60が生成されており、後に参照する図6に示す例では、対象ステップ41と2つの選択候補ステップ42とを含むように拡大画像60が生成されている。図6に示すように、1つの対象ステップ41について選択候補ステップ42が複数(図6に示す例では、2つ)存在する場合、これら複数の選択候補ステップ42は、一般に、表示画面30の左右方向(横方向)における互いに異なる位置に配置される。
【0052】
表示処理部21(具体的には、拡大画像生成部24)は、拡大画像60の倍率を、当該拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数に応じて異ならせるように構成されている。本実施形態では、表示処理部21は、拡大画像60の倍率を、当該拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数が少なくなるに従って大きくするように構成されている。具体的には、拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数を“N”(Nは自然数)とし、拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数が“N”である場合の拡大画像60の倍率を“M(N)”として、“M(N+1)<M(N)”の関係が満たされるように拡大画像60の倍率が設定される。なお、拡大画像60の倍率は、拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数に応じて、全ての選択候補ステップ42が含まれるように設定される。
【0053】
上記のように拡大画像60の倍率が設定されるため、拡大画像60に2つの選択候補ステップ42が含まれる場合(図6参照)の拡大画像60の倍率は、拡大画像60に1つの選択候補ステップ42が含まれる場合(図4図5、及び図7参照)の拡大画像60の倍率(例えば、予め定めた所定倍率)よりも小さい。また、図示は省略するが、拡大画像60に3つの選択候補ステップ42が含まれる場合の拡大画像60の倍率は、拡大画像60に2つの選択候補ステップ42が含まれる場合(図6参照)の拡大画像60の倍率よりも小さい。
【0054】
表示処理部21は、選択候補ステップ42のそれぞれに対応する操作標章70を、拡大画像60と共に表示装置12に表示させる。操作標章70は、対応する選択候補ステップ42を選択するための標章(例えば、アイコンやボタンイメージ等)である。操作標章70を表示装置12に表示させることで、選択候補ステップ42の選択操作をユーザに促すことができる。本実施形態では、操作標章70は、いずれの選択候補ステップ42に対応するかをユーザに想起させる態様で表示される。具体的には、図4図7に示すように、操作標章70は、対応する選択候補ステップ42を指す矢印を含む図形で表される。なお、図4に示す操作標章70は、ステップ(B)に対応する操作標章70であり、図5に示す操作標章70は、ステップ(C)に対応する操作標章70であり、図7に示す操作標章70は、ステップ(F)に対応する操作標章70である。また、図6に示す2つの操作標章70のうちの一方の操作標章70は、ステップ(D)に対応する操作標章70であり、他方の操作標章70は、ステップ(E)に対応する操作標章70である。上述したように、表示処理部21(具体的には、対象ステップ選択部22)は、操作標章70の選択操作を表す操作情報を操作情報取得部25が取得した場合に、選択操作の対象とされた操作標章70に対応する選択候補ステップ42を次の対象ステップ41として選択する。操作標章70の選択操作は、例えば、表示画面30における操作標章70が表示されている領域に対するユーザの入力操作(例えば、タッチ操作やタップ操作等)とされる。
【0055】
操作標章70は、いずれの選択候補ステップ42に対応するかをユーザが視認可能な位置に表示される。図4図7に示すように、本実施形態では、操作標章70は、当該操作標章70に対応する選択候補ステップ42と、現在選択されている対象ステップ41と当該選択候補ステップ42とを接続する矢印5との接続部に、これらの選択候補ステップ42及び矢印5の双方に重ねて表示される。すなわち、本実施形態では、操作標章70は、対応する選択候補ステップ42に重ねて表示される。ここでは、操作標章70は、選択候補ステップ42の内容を表す表示要素(文字や記号等)に重ならないように表示される。また、本実施形態では、操作標章70は、矢印5の終端に重ねて表示される。
【0056】
表示処理部21は、操作標章70の表示態様を、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数に応じて異ならせるように構成されている。すなわち、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数が1つである場合に表示される操作標章70を第1操作標章71とし(図4図5、及び図7参照)、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数が2つである場合に表示される操作標章70を第2操作標章72とすると(図6参照)、第1操作標章71と第2操作標章72とは、互いに異なる表示態様で表示される。
【0057】
本実施形態では、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数が1つである場合の操作標章70の表示態様と、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数が2つ以上である場合の操作標章70の表示態様とを異ならせることで、操作標章70の表示態様を、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数に応じて異ならせるように構成されている。よって、本実施形態では、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数が3つ以上である場合に表示される操作標章70の表示態様は、第2操作標章72の表示態様と同一とされる。
【0058】
本実施形態では、表示処理部21は、操作標章70の表示色を、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数に応じて異ならせるように構成されている。よって、例えば、第1操作標章71は、緑色の矢印を含む図形で表され、第2操作標章72は、赤色の矢印を含む図形で表される。操作標章70の表示態様における表示色以外の要素(例えば、形状)を、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数に応じて異ならせてもよい。また、操作標章70の表示態様における複数の要素(例えば、表示色及び形状)を、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数に応じて異ならせてもよい。
【0059】
結果生成部26は、対象ステップ41として選択されたステップ40の履歴の情報(以下、「ステップ選択履歴情報」という)を生成する機能部である。結果生成部26は、操作情報取得部25により取得される操作標章70の選択操作を表す操作情報に基づき、ステップ選択履歴情報を生成する。そして、結果生成部26は、生成したステップ選択履歴情報を結果記録部17に記録する。すなわち、表示システム1は、ステップ選択履歴情報を記録する結果記録部17を備えており、本実施形態では、結果記録部17は、記憶装置15に設けられている。
【0060】
本実施形態では、結果記録部17は、操作標章70の選択操作以外の特定操作を表す操作情報を操作情報取得部25が取得した場合に、特定操作に関する付加情報80を、特定操作の対象とされた対象ステップ41に関連付けて記録するように構成されている。具体的には、特定操作を表す操作情報を操作情報取得部25が取得した場合に、結果生成部26が、特定操作に関する付加情報80を生成して、生成した付加情報80を、特定操作の対象とされた対象ステップ41に関連付けて結果記録部17に記録するように構成されている。
【0061】
本実施形態では、特定操作には、撮像装置14を用いた撮像操作と、入力装置11を用いた入力操作とが含まれる。特定操作が、撮像装置14を用いた撮像操作である場合、特定操作に関する付加情報80は、撮像装置14による撮像画像の情報とされる。また、特定操作が、入力装置11を用いた入力操作である場合、特定操作に関する付加情報80は、入力装置11を用いて入力された情報(例えば、文字や図形等の情報)とされる。ユーザは、撮像装置14を用いた撮像操作や入力装置11を用いた入力操作を行うことで、例えば、複数の選択候補ステップ42の中から1つの選択候補ステップ42を選択した根拠(理由)を示す付加情報80を、結果記録部17に記録して残すことができる。例えば、フローチャート4が実験の手順を示す場合には、実験結果の撮像画像の情報や、実験結果を記録した文字(メモ)の情報等が、付加情報80とされる。
【0062】
対象ステップ41として選択された複数のステップ40を、対象ステップ41としての選択順に結ぶ経路を選択経路6(図9参照)として、本実施形態では、結果記録部17は、選択経路6を含むフローチャート4の情報を記録するように構成されている。図9に示す例では、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)、ステップ(E)、ステップ(F)、ステップ(G)、及びステップ(I)を、記載の順に結ぶ経路が、選択経路6とされる。
【0063】
再現処理部27は、結果記録部17に記録されている情報を表示装置12に表示させる機能部である。具体的には、再現処理部27は、結果記録部17に記録されているステップ選択履歴情報を参照し、対象ステップ41として選択されたステップ40が時系列順に並べられた履歴画像61(図9参照)を生成して表示装置12に表示させるように構成されている。図9では、ステップ(A)、ステップ(B)、ステップ(C)、ステップ(E)、ステップ(F)、ステップ(G)、及びステップ(I)が、記載の順に対象ステップ41として選択された場合を想定している。図9に示す例では、履歴画像61が表示される第2ウィンドウ32とは別の第1ウィンドウ31に、選択経路6を表示したフローチャート4の画像が表示されている。
【0064】
図9では、付加情報80としての画像情報81(撮像装置14による撮像画像の情報)が、ステップ(C)に関連付けて結果記録部17に記録され、付加情報80としての文字情報82(入力装置11を用いて入力された文字の情報)が、ステップ(F)に関連付けて結果記録部17に記録されている場合を想定している。このように付加情報80が結果記録部17に記録されている場合に、再現処理部27は、付加情報80を含むように履歴画像61を生成する。図9に示す例では、付加情報80は、当該付加情報80が関連付けられた対象ステップ41に対して下側に隣接する位置に表示されている。
【0065】
本実施形態では、再現処理部27は、結果記録部17に記録されている、選択経路6を含むフローチャート4の情報を参照し、選択経路6を表示したフローチャート4の画像(図9参照)を生成して表示装置12に表示させるように構成されている。図9に示す例では、選択経路6を構成する矢印5(対象ステップ41同士を接続する矢印5)を強調表示すると共に対象ステップ41を強調表示することで、選択経路6を表示している(視認可能に表示している)。選択経路6を構成する矢印5は、例えば、線の色、線種、線の太さ等を、選択経路6を構成しない矢印5と異ならせることで、強調表示される。また、対象ステップ41は、例えば、対象ステップ41を表す図形の輪郭線の色、当該輪郭線の線種、当該輪郭線の太さ、対象ステップ41を表す図形の塗りつぶし色等を、対象ステップ41以外のステップ40と異ならせることで、強調表示される。なお、選択経路6を構成する矢印5及び対象ステップ41のいずれか一方のみを強調表示することで、選択経路6が表示される構成とすることもできる。
【0066】
また、本実施形態では、再現処理部27は、フローチャート4を構成するステップ40を、対象ステップ41として選択された順序と同じ順序で再現用ステップ43として順に選択し、フローチャート4における再現用ステップ43を含む一部を拡大表示した再現用拡大画像62を表示装置12に順次表示させるように構成されている。すなわち、再現処理部27は、再現用拡大画像62を表示装置12に順次表示させる再現用拡大画像表示処理を実行する。再現処理部27は、例えば、再現用ステップ43として選択される対象ステップ41を次の対象ステップ41に進める操作を表す操作情報を操作情報取得部25が取得した場合に、再現用ステップ43として現在選択されている対象ステップ41の次の対象ステップ41(再現用ステップ43として現在選択されているステップ40の次に、対象ステップ41として選択されたステップ40)を新たな再現用ステップ43として選択して、新たに選択した再現用ステップ43を含む再現用拡大画像62を生成して表示装置12に表示させる。本実施形態では、再現処理部27は、選択経路6を表示したフローチャート4の画像(図9参照)と同様に、選択経路6を構成する矢印5が強調表示されると共に対象ステップ41が強調表示された再現用拡大画像62を生成するように構成されている(図10図11参照)。
【0067】
本実施形態では、再現処理部27は、再現用ステップ43(現在選択されている再現用ステップ43)と、当該再現用ステップ43からの進行先(他のステップ40を介さない進行先(直接の進行先)、以下同様)となり得る1つ以上のステップ40(対象ステップ41として選択されたステップ40であるか否かは問わない)の全てとを含むように、再現用拡大画像62を生成する。後に参照する図10に示す例では、再現用ステップ43として選択されているステップ(A)と、当該再現用ステップ43からの進行先となり得る1つのステップ40であるステップ(B)とを含むように、再現用拡大画像62が生成されており、後に参照する図11に示す例では、再現用ステップ43として選択されているステップ(C)と、当該再現用ステップ43からの進行先となり得る2つのステップ40であるステップ(D)及びステップ(E)とを含むように、再現用拡大画像62が生成されている。
【0068】
再現処理部27は、再現用拡大画像62の倍率を、当該再現用拡大画像62に含まれる、現在選択されている再現用ステップ43からの進行先となり得るステップ40の数(以下、「対象数」という)に応じて異ならせるように構成されている。本実施形態では、再現処理部27は、再現用拡大画像62の倍率を、対象数が少なくなるに従って大きくするように構成されている。なお、再現用拡大画像62の倍率は、対象数に応じて、現在選択されている再現用ステップ43からの進行先となり得る全てのステップ40が含まれるように設定される。上記のように再現用拡大画像62の倍率が設定されるため、対象数が“2”である場合(図11参照)の再現用拡大画像62の倍率は、対象数が“1”である場合(図10参照)の再現用拡大画像62の倍率よりも小さい。
【0069】
本実施形態では、再現処理部27は、再現用拡大画像62と共に、当該再現用拡大画像62に含まれる再現用ステップ43に相当する対象ステップ41に関連付けられた付加情報80を、表示装置12に表示させるように構成されている。図11に示す例では、再現用ステップ43として現在選択されているステップ(C)を含む再現用拡大画像62と共に、ステップ(C)に関連付けられた付加情報80である画像情報81が、表示装置12に表示されている。図11に示す例では、再現用ステップ43として現在選択されている対象ステップ41に関連付けられていない付加情報80(ここでは、ステップ(F)に関連付けられた文字情報82)も表示装置12に表示されており、再現用ステップ43として現在選択されている対象ステップ41に関連付けられた付加情報80(ここでは、ステップ(C)に関連付けられた画像情報81)は、強調表示されている。再現用ステップ43として現在選択されている対象ステップ41に関連付けられた付加情報80は、例えば、当該付加情報80を表す画像の枠線の色、当該枠線の線種、当該枠線の太さ等を、他の付加情報80と異ならせることで、強調表示される。
【0070】
次に、図3図8を参照して、表示処理部21により実行される拡大画像表示処理の具体例について説明する。ここでは、図3に示されるフローチャート4が、作成済みのフローチャート4としてフローチャート記憶部16に記憶されており、表示処理部21が、このフローチャート4を対象として拡大画像表示処理を実行する場合について説明する。
【0071】
フローチャート全体の手順の確認を開始する操作を表す操作情報が、操作情報取得部25により取得されると、表示処理部21は、フローチャート4を構成する1つのステップ40を対象ステップ41として選択して、当該対象ステップ41を含む拡大画像60を表示装置12に表示させる(図4参照)。表示処理部21は、基本的に、フローチャート4の開始ステップを1つ目の対象ステップ41として選択するように構成されており、図4では、ステップ(A)が1つ目の対象ステップ41として選択されている。よって、図4では、対象ステップ41として現在選択されているステップ(A)と、ステップ(A)についての選択候補ステップ42であるステップ(B)とを含む拡大画像60が、表示装置12に表示されている。なお、フローチャート全体の手順の確認を開始する操作は、例えば、表示画面30における“実行”を表す標章(例えば、ボタンイメージ)の表示領域に対するユーザの入力操作(例えば、タップ操作)とされる。
【0072】
本例では、対象ステップ41として現在選択されているステップ40をユーザが容易に把握することができるように、現在選択されている対象ステップ41を囲む選択枠2(ここでは、一例として破線の枠)が表示される。また、本例では、拡大画像60が表示される第1ウィンドウ31とは別の第2ウィンドウ32に、その時点での履歴画像61が表示される。上述したように、履歴画像61は、結果生成部26により生成され、再現処理部27により表示装置12に表示される。
【0073】
本例では、図4に示す状態において、ステップ(B)に対応する操作標章70(第1操作標章71)の選択操作を表す操作情報が、操作情報取得部25により取得されることに応じて、表示処理部21が、ステップ(B)を次の対象ステップ41として選択して、新たに選択された対象ステップ41を含む拡大画像60を表示装置12に表示させる(図5参照)。図5では、対象ステップ41として現在選択されているステップ(B)と、ステップ(B)についての選択候補ステップ42であるステップ(C)とを含む拡大画像60が、表示装置12に表示されている。また、ステップ(B)が新たに対象ステップ41として選択されることに応じて、ステップ(B)を含む履歴画像61が生成されて表示装置12に表示されている。
【0074】
本例では、表示処理部21は、現在の対象ステップ41を選択する前の状態に戻すための第3操作標章73を表示装置12に表示させるように構成されており、第3操作標章73の選択操作を表す操作情報が操作情報取得部25により取得されると、表示処理部21は、その時点で対象ステップ41として選択されているステップ40への進行元のステップ40を、新たな対象ステップ41として選択して、新たに選択された対象ステップ41を含む拡大画像60を表示装置12に表示させるように構成されている。よって、例えば、図5に示す状態において、第3操作標章73の選択操作を表す操作情報が操作情報取得部25により取得されると、ステップ(A)を現在選択されている対象ステップ41とする拡大画像60が表示装置12に再度表示される(図4参照)。
【0075】
本例では、図5に示す状態において、ステップ(C)に対応する操作標章70(第1操作標章71)の選択操作を表す操作情報が、操作情報取得部25により取得されることに応じて、表示処理部21が、ステップ(C)を次の対象ステップ41として選択して、新たに選択された対象ステップ41を含む拡大画像60を表示装置12に表示させる(図6参照)。図6では、対象ステップ41として現在選択されているステップ(C)と、ステップ(C)についての選択候補ステップ42であるステップ(D)及びステップ(E)とを含む拡大画像60が、表示装置12に表示されている。また、ステップ(C)が新たに対象ステップ41として選択されることに応じて、ステップ(C)を含む履歴画像61が生成されて表示装置12に表示されている。
【0076】
本例では、ステップ(C)に対応する操作標章70(第1操作標章71)の選択操作を表す操作情報の後に、特定操作(ここでは、撮像装置14を用いた撮像操作)を表す操作情報が、操作情報取得部25により取得される場合を想定している。よって、付加情報80(ここでは、画像情報81)が、ステップ(C)に関連付けて結果記録部17に記録されると共に、当該付加情報80を含む履歴画像61が生成されて表示装置12に表示されている。このように拡大画像表示処理の実行中に特定操作がなされた場合には、当該特定操作に関する付加情報80は、その時点で選択されている対象ステップ41に関連付けて、或いはユーザが選択した対象ステップ41に関連付けて、結果記録部17に記録される。また、拡大画像表示処理の実行後に特定操作がなされた場合には、当該特定操作に関する付加情報80は、ユーザが選択した対象ステップ41に関連付けて結果記録部17に記録される。
【0077】
本例では、図6に示す状態において、ステップ(E)に対応する操作標章70(第2操作標章72)の選択操作を表す操作情報が、操作情報取得部25により取得されることに応じて、表示処理部21が、ステップ(E)を次の対象ステップ41として選択して、新たに選択された対象ステップ41を含む拡大画像60を表示装置12に表示させる(図7参照)。図7では、対象ステップ41として現在選択されているステップ(E)と、ステップ(E)についての選択候補ステップ42であるステップ(F)とを含む拡大画像60が、表示装置12に表示されている。また、ステップ(E)が新たに対象ステップ41として選択されることに応じて、ステップ(E)を含む履歴画像61が生成されて表示装置12に表示されている。
【0078】
本例では、図7に示す状態から、ステップ(F)に対応する操作標章70(第1操作標章71)の選択操作を表す操作情報、ステップ(G)に対応する操作標章70(第2操作標章72)の選択操作を表す操作情報、及び、ステップ(I)に対応する操作標章70(第1操作標章71)の選択操作を表す操作情報が、操作情報取得部25により順に取得されることで、図8に示すように、フローチャート4の終了ステップであるステップ(I)を含む拡大画像60が表示装置12に表示される。本例では、ステップ(F)に対応する操作標章70(第1操作標章71)の選択操作を表す操作情報の後に、特定操作(ここでは、入力装置11を用いた入力操作)を表す操作情報が、操作情報取得部25により取得される場合を想定しており、付加情報80(ここでは、文字情報82)が、ステップ(F)に関連付けて結果記録部17に記録されると共に、当該付加情報80を含む履歴画像61が生成されて表示装置12に表示されている。
【0079】
本例では、表示処理部21は、拡大画像表示処理を終了させるための第4操作標章74を表示装置12に表示させるように構成されており、第4操作標章74の選択操作を表す操作情報が操作情報取得部25により取得されると、表示処理部21は、拡大画像表示処理を終了させるように構成されている。表示処理部21は、拡大画像表示処理を終了させた後、例えば、図9に示すように、選択経路6を表示したフローチャート4の画像及び履歴画像61を生成して表示装置12に表示させる。
【0080】
次に、図10図12を参照して、再現処理部27により実行される再現用拡大画像表示処理の具体例について説明する。ここでは、図9に示される履歴画像61に対応するステップ選択履歴情報が結果記録部17に記録されており、再現処理部27が、このステップ選択履歴情報に基づき再現用拡大画像表示処理を実行する場合について説明する。
【0081】
フローチャート全体の手順を確認した際の確認手順(すなわち、拡大画像表示処理の実行時の確認手順)を再現する操作を表す操作情報が、操作情報取得部25により取得されると、再現処理部27は、フローチャート4を構成するステップ40のうちの、対象ステップ41として最初に選択されたステップ40を再現用ステップ43として選択して、当該再現用ステップ43を含む再現用拡大画像62を表示装置12に表示させる(図10参照)。図10では、ステップ(A)が1つ目の再現用ステップ43として選択され、ステップ(A)と、ステップ(A)からの進行先となり得るステップ(B)とを含む再現用拡大画像62が、表示装置12に表示されている。本実施形態では、再現用ステップ43を含む再現用拡大画像62は、当該再現用ステップ43を現在選択されている対象ステップ41として拡大画像表示処理において生成される拡大画像60と、フローチャート4における同じ範囲を拡大表示するように生成される。よって、図10に示される再現用拡大画像62の表示範囲は、図4に示される拡大画像60の表示範囲と同一となっている。
【0082】
本例では、再現用ステップ43として現在選択されているステップ40をユーザが容易に把握することができるように、現在選択されている再現用ステップ43を囲む選択枠2(ここでは、一例として破線の枠)が表示される。また、本例では、再現用拡大画像62が表示される第1ウィンドウ31とは別の第2ウィンドウ32に、履歴画像61が表示される。そして、履歴画像61では、現在選択されている再現用ステップ43が強調表示される。
【0083】
図11は、図10に示す状態から、再現用ステップ43として選択される対象ステップ41を次の対象ステップ41に進める操作が2回行われて、ステップ(C)が再現用ステップ43として選択されている状態を示している。よって、図11では、再現用ステップ43として現在選択されているステップ(C)と、ステップ(C)からの進行先となり得る2つのステップ40であるステップ(D)及びステップ(E)とを含む再現用拡大画像62が、表示装置12に表示されている。また、再現用ステップ43として現在選択されているステップ(C)に関連付けられた付加情報80(ここでは、画像情報81)が、再現用拡大画像62と共に表示装置12に表示されている。本実施形態では、再現用ステップ43として現在選択されている対象ステップ41に関連付けられた付加情報80は、履歴画像61において強調表示される。なお、ユーザの操作に応じて或いは自動的に、再現用ステップ43として現在選択されている対象ステップ41に関連付けられた付加情報80(付加情報80を表す画像)が拡大表示される構成とすることもできる。例えば、図12に示す例のように、第1ウィンドウ31及び第2ウィンドウ32に重ねて表示される第3ウィンドウ33に、付加情報80(付加情報80を表す画像)が拡大表示される構成とすることができる。
【0084】
〔その他の実施形態〕
次にフローチャート表示システムのその他の実施形態について説明する。
【0085】
(1)上記の実施形態では、再現処理部27が、フローチャート4を構成するステップ40を、対象ステップ41として選択された順序と同じ順序で再現用ステップ43として順に選択し、フローチャート4における再現用ステップ43を含む一部を拡大表示した再現用拡大画像62を表示装置12に順次表示させる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、再現処理部27が、ユーザにより任意に選択された対象ステップ41を再現用ステップ43として選択して、当該再現用ステップ43を含む再現用拡大画像62を表示装置12に表示させる構成とすることもできる。
【0086】
(2)上記の実施形態では、結果記録部17が、操作標章70の選択操作以外の特定操作を表す操作情報を操作情報取得部25が取得した場合に、特定操作に関する付加情報80を、特定操作の対象とされた対象ステップ41に関連付けて記録する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、結果記録部17が、付加情報80を記録しない構成とすることもできる。また、上記の実施形態では、結果記録部17が、選択経路6を含むフローチャート4の情報を記録する構成を例として説明したが、例えば、結果記録部17が、選択経路6を含むフローチャート4の情報を記録せずに、対象ステップ41として選択されたステップ40の履歴の情報のみを記録する構成とすることもできる。また、上記の実施形態では、表示システム1が、結果記録部17及び再現処理部27を備える構成を例として説明したが、表示システム1が、結果記録部17及び再現処理部27を備えない構成とすることもできる。
【0087】
(3)上記の実施形態では、表示処理部21が、操作標章70の表示態様を、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数に応じて異ならせる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、操作標章70の表示態様が、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42の数によらずに同じ表示態様とされてもよい。
【0088】
(4)上記の実施形態では、操作標章70が、当該操作標章70に対応する選択候補ステップ42と、現在選択されている対象ステップ41と当該選択候補ステップ42とを接続する矢印5との接続部に、これらの選択候補ステップ42及び矢印5の双方に重ねて表示される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、操作標章70が、これらの選択候補ステップ42及び矢印5のいずれか一方にのみ重ねて表示される構成とし、或いは、操作標章70が、これらの選択候補ステップ42及び矢印5のいずれにも重ならないように、当該選択候補ステップ42又は当該矢印5に隣接して表示される構成とすることもできる。
【0089】
(5)上記の実施形態では、表示処理部21が、拡大画像60の倍率を、当該拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数が少なくなるに従って大きくする構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、拡大画像60の倍率が、拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数が1つである場合の第1倍率と、拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数が2つ以上である場合の第2倍率(例えば、第1倍率よりも小さい倍率)との、2段階に設定される構成とすることもできる。また、表示処理部21が、拡大画像60の倍率を、当該拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数に応じて異ならせない構成、すなわち、拡大画像60の倍率が、当該拡大画像60に含まれる選択候補ステップ42の数によらずに同じ倍率とされる構成とすることもできる。
【0090】
(6)上記の実施形態では、再現処理部27が、再現用拡大画像62の倍率を、当該再現用拡大画像62に含まれる、現在選択されている再現用ステップ43からの進行先となり得るステップ40の数(以下、「対象数」という)が少なくなるに従って大きくする構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、再現用拡大画像62の倍率が、対象数が“1”である場合の第1倍率と、対象数が“2以上”である場合の第2倍率(例えば、第1倍率よりも小さい倍率)との、2段階に設定される構成とすることもできる。また、再現処理部27が、再現用拡大画像62の倍率を対象数に応じて異ならせない構成、すなわち、再現用拡大画像62の倍率が、対象数によらずに同じ倍率とされる構成とすることもできる。
【0091】
(7)上記の実施形態では、表示処理部21が、対象ステップ41と当該対象ステップ41についての1つ以上の選択候補ステップ42の全てとを含むように、拡大画像60を生成する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、現在選択されている対象ステップ41についての選択候補ステップ42のいずれか又は全てが、拡大画像60に含まれない構成とすることもできる。この場合、拡大画像60に含まれない選択候補ステップ42に対応する操作標章70は、例えば、当該選択候補ステップ42に終端が接続される矢印5に重ねて或いは当該矢印5に隣接して表示される。なお、選択候補ステップ42が拡大画像60に含まれない場合であっても、ユーザは、例えば、矢印5に隣接して表示される“はい”や“いいえ”等の文字を認識することで、次の対象ステップ41となる選択候補ステップ42を適切に選択することができる。
【0092】
(8)上記の実施形態では、再現処理部27が、再現用ステップ43と、当該再現用ステップ43からの進行先となり得る1つ以上のステップ40の全てとを含むように、再現用拡大画像62を生成する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、再現処理部27が、再現用ステップ43と、拡大画像表示処理において当該再現用ステップ43からの進行先として選択された対象ステップ41とを含むように、再現用拡大画像62を生成する構成とすることもできる。この場合、例えば図11に示す例では、再現用ステップ43として選択されているステップ(C)と、拡大画像表示処理において当該再現用ステップ43からの進行先として選択された対象ステップ41であるステップ(E)とを含むように、再現用拡大画像62が生成されるため、ステップ(C)からの進行先となり得るステップ(D)を含まない再現用拡大画像62が生成され得る。
【0093】
(9)上記の実施形態では、端末装置10が、タブレット型の可搬型通信端末(タブレット端末)である構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、端末装置10が、タブレット型以外の端末装置(例えば、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ)であってもよい。また、本開示に係るフローチャート表示システムを、端末装置10以外の装置(例えば、通信機能を有さない装置等)或いはシステムに適用することも可能である。
【0094】
(10)上記の実施形態で示した表示システム1の各機能部(例えば、演算装置20の各機能部)の割り当ては単なる一例であり、複数の機能部を組み合わせたり、1つの機能部を更に区分けしたりすることも可能である。
【0095】
(11)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0096】
1:表示システム(フローチャート表示システム)
4:フローチャート
6:選択経路
12:表示装置
16:フローチャート記憶部
17:結果記録部
21:表示処理部
25:操作情報取得部
27:再現処理部
40:ステップ
41:対象ステップ
42:選択候補ステップ
43:再現用ステップ
60:拡大画像
62:再現用拡大画像
70:操作標章
80:付加情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12