(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 31/00 20060101AFI20230616BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20230616BHJP
F21Y 105/12 20160101ALN20230616BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230616BHJP
【FI】
F21V31/00 250
F21S8/04 110
F21V31/00 100
F21Y105:12
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019146085
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹下 理和
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 庄太
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0301267(US,A1)
【文献】特開2015-056261(JP,A)
【文献】特開2003-285002(JP,A)
【文献】特開2017-162768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯回路部と、
前記点灯回路部を一枚の金属板で形成された継ぎ目の無いくぼみに収納した
箱状又は筒状のケース部と
、
前記ケース部の開口を覆う天板部と、
前記ケース部と前記天板部に挟まれたケースパッキンと
を備え
、
前記ケース部は、
開口を有するくぼみ状の主ケース部と、
前記開口の周囲に形成された段部と、
前記段部の周囲に形成されたケース鍔部と
を有し、
前記段部は、前記ケースパッキンを配置した水平リング部と垂直帯部とを有し、
前記水平リング部は、前記主ケース部と前記垂直帯部との間にあり、前記ケース鍔部と平行なリング部分であり、
前記垂直帯部は、前記水平リング部と前記ケース鍔部との間にあり、前記主ケース部の側面と平行な環状の帯部分である照明器具。
【請求項2】
前記ケースパッキンは、前記段部に配置され、前記水平リング部と前記天板部に挟まれ、
前記ケースパッキンは、枠の形をしており、枠の断面が矩形をしており、
前記ケースパッキンの外形は、前記垂直帯部の内形と同じであり、
前記ケースパッキンの高さは、前記垂直帯部の高さより高いが、前記水平リング部と前記天板部により加圧されて、前記垂直帯部の高さと同じ高さになる請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記ケースパッキンは、前記天板部の上面と密着する下面に、環状凸部を有し、
前記環状凸部は、前記水平リング部と前記天板部により加圧されて変形する請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記ケースパッキンは、前記垂直帯部の内面と密着する外側面に、環状山部を有し、
前記環状山部は、前記ケースパッキンが前記水平リング部と前記天板部により加圧されて外側に拡張した場合、前記垂直帯部の内壁に押し付けられて変形する請求項1、2又は3に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光部および発光部が設けられる本体部と、本体部の背面側に設けられる電源ボックスを有した照明器具において、電源ボックスは1面が開口した直方体状であり、前記電源ボックスは1枚の板から構成され、1面から延伸した4つの側面部で直方体状を構成するものが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電源ボックスは、1面から延伸した4つの側面部を有し、1面が開口した直方体状を形成している。その為、それぞれの側面部の突合せ部分は隙間が空いており、密閉することが困難である。その為、密閉構造とする場合においては側面部の隙間を溶接して塞ぐ、またはシリコーンなどでコーキングする等の、後処理が必要であった。
【0005】
本発明は、密閉性を容易に確保可能な構成を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明器具は、
点灯回路部と、
前記点灯回路部を一枚の金属板で形成された継ぎ目の無いくぼみに収納したケース部と
を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、継ぎ目の無いくぼみに前記点灯回路部を収納するので、密閉性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】実施の形態1に係る照明器具のヒートシンク110の斜視図。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具の連結部130の斜視図。
【
図6】実施の形態1に係る照明器具の補強部140の斜視図。
【
図7】実施の形態1に係る照明器具のヒートシンク110に補強部140を取り付ける参考図。
【
図8】実施の形態1に係る照明器具のヒートシンク110に連結部130を取り付ける参考図。
【
図9】実施の形態1に係る照明器具のケース部123の分解斜視図。
【
図10】実施の形態1に係る照明器具の
図2に示すB-B断面図。
【
図11】実施の形態1に係る器具取付金具200の斜視図。
【
図12】実施の形態1に係る照明器具が器具取付金具200に取り付けられた状態を示す図。
【
図13】実施の形態1に係る照明器具の電源ユニット120のケース本体1231の変形例を示す図。
【
図14】実施の形態1に係る照明器具の配線貫通部119の斜視図。
【
図15】実施の形態1に係る照明器具のシート170の模式側面図。
【
図16】実施の形態1に係る照明器具のカバー部160の断面図。
【
図17】実施の形態1に係る照明器具のベース部111の曲げ部1111と天板部113の曲げ部1131の図。
【
図18】実施の形態1に係る照明器具の天板部113の曲げ部1131の図。
【
図19】実施の形態1に係る照明器具のベース部111の曲げ部1111の図。
【
図20】実施の形態1に係る照明器具の耐振性能が強化された連結部130の斜視図。
【
図21】実施の形態1に係る照明器具のカバー161とカバーパッキン162の部分斜視図。
【
図24】実施の形態2に係る照明器具の分解斜視図。
【
図25】実施の形態2に係る照明器具のヒートシンク110の斜視図と側面図。
【
図26】実施の形態2に係る照明器具のベース部111の取り付け図。
【
図27】実施の形態2に係る照明器具の絶縁シート172の三面図と斜視図。
【
図28】実施の形態2に係るベース部111の曲げ部1111の変形例を示す図。
【
図29】実施の形態2に係る照明器具の配線貫通部119を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、装置、器具、部品等の構成について、その材質、形状、大きさ等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0010】
実施の形態1.
図を参照しながら、実施の形態1に係る照明器具の構成について説明する。
***構成の説明***
●
図1
(照明器具1)
図1は、体育館等天井が高い施設の天井に取り付けられる照明器具1の斜視図である。
照明器具1は、被取付部に取り付けられるアーム10と、アーム10に回動できるように保持される光源ユニット100を備えている。
【0011】
●
図2~
図4
図2は、
図1の照明器具1の分解斜視図である。
図3は、
図2の矢印A方向からみた照明器具1の分解斜視図である。
【0012】
照明器具1は、アーム10と、光源ユニット100を備えている。
光源ユニット100は、ヒートシンク110と、電源ユニット120と、連結部130と、補強部140と、光源部150と、カバー部160と、シート170とを備えている
。
【0013】
(アーム10)
アーム10は、略コ字状に形成されており、被取付部に固定具(ボルト等)で固定するための取付穴11が形成されている。
【0014】
(ヒートシンク110)
図4はヒートシンク110の斜視図である。
ヒートシンク110は、光源部150が取り付けられる板状のベース部111と、ベース部111に放射状に複数配設されたフィン部112と、フィン部112を覆うように取り付けられる天板部113とを有している。
ベース部111と天板部113は、正方形又は矩形の板状の取付部材である。
【0015】
図4では、ベース部111と天板部113は、1辺の長さがLの正方形であり、コーナに半径Rの内角90度の円弧を有する。ベース部111と天板部113の4辺の各辺の直線部分の長さは、Mであり、L=M+2Rである。
【0016】
ベース部111は、コーナに4個のネジ穴1119を有し、各辺の中央に1個のネジ穴1118を有する。ネジ穴1118は、フィン部112を避けるためにネジ穴1119よりも各辺に近い側にある。
【0017】
天板部113は、コーナに4個のネジ穴1139を有し、各辺の中央に2個のネジ穴1119を有する。
ベース部111と天板部113は、内側にフィン部112を固定する複数の穴を有している。
ベース部111と天板部113は、フィン部112を間にして離隔して配置されている。
【0018】
フィン部112の下部は、ベース部111に固定され、フィン部112の上部は、天板部113に固定されている。
フィン部112の外周端の上端と下端は、他の部品及びネジと干渉しないように、切欠き1121を有する。
ヒートシンク110は、ベース部111のみで構成してもよい。
【0019】
フィン部112は、本実施の形態ではコ字状に曲げた板金としているが、L字状に曲げた板金でもよいし、I字状の板金でもよい。
また、フィン部112は、板金に限らず、アルミニウム押し出し成型、又は、アルミニウムダイキャスト成型で製造してもよく、また、ベース部111とフィン部112を一体としてもよい。
【0020】
(電源ユニット120)
電源ユニット120は、外部から電力が供給され光源部150に点灯するための電力を供給するものである。
電源ユニット120は、外部から電力を光源部150が点灯するための電力に変換する点灯回路部121と、点灯回路部121と光源部150とに接続し、光源部150へ電力を供給するハーネス122と、点灯回路部121を覆うように天板部113に取り付けられるケース部123とを備えている。ハーネス122の先には2本の配線1221がある。
点灯回路部121は、点灯回路が搭載されている電源基板1222を有する。
【0021】
(連結部130)
連結部130は、ヒートシンク110の対向する両側面に配設され、アーム10が取り付けられるものである。
【0022】
(補強部140)
補強部140は、断面がコの字形状をしており、ヒートシンク110のベース部の側辺を覆うように取り付けられている。
補強部140は、ヒートシンク110の強度を補うものである。
【0023】
(光源部150)
光源部150は、複数の発光素子が光源として実装された光源基板151と、光源基板151に覆うように取り付けられ、発光素子からの光を所定の配光に制御するレンズ部152とを備えている。
光源部150は、取付部材となるベース部111に熱的に接続される。
レンズ部152は、発光素子にあわせてレンズが複数設けられている。
【0024】
(カバー部160)
カバー部160は、光源部150の光を透過する。
カバー部160は、光源部150を覆うようにベース部111に取り付けられるカバー161と、カバー161とベース部111の間に挟まれるカバーパッキン162を備えている。
カバー161は、一面が開口した箱形状の主カバー1611と、主カバー1611の開口の縁から突設するように設けられたカバー鍔部1612を有している。
カバーパッキン162は中央が開口しており、カバー鍔部1612とベース部111の間に押圧されるように設けられている。
【0025】
●
図5~
図8
連結部130と補強部140に関して
図5~
図8を用いて説明する。
図5は、連結部130の斜視図である。
図6は、補強部140の斜視図である。
図7は、ヒートシンク110に補強部140を取り付ける参考図である。
図8は、ヒートシンク110に連結部130を取り付ける参考図である。
【0026】
(連結部130)
連結部130は、矩形形状をしており、横幅はLであり、高さは、ヒートシンク110の高さと同じ又は略同一である。
連結部130は、連結開口1311を有する矩形状の連結主部131と、連結主部131の上辺から突設する天板側突設部132と、連結主部131の下辺から突設するベース側突設部133と、連結主部131の両側辺から突設する1対の側方突設部134とを有している。
【0027】
連結主部131は、窓枠形状をしている。
連結主部131は、平板であり、連結開口1311と、柱部1312と、保持部となる中央押え部1313と枠側部1314と枠下部1315と枠上部1316を有している。
連結開口1311は、フィン部112の放熱を邪魔しない(空気の出入りを邪魔しない)ように設けられている。
【0028】
柱部1312には、アーム10をネジ等の固定具で連結するための連結穴13121が設けられている。
【0029】
中央押え部1313は、ベース側突設部133とともに、カバー鍔部1612と、カバーパッキン162とベース部111を挟み込み保持する保持部である。
中央押え部1313は、ネジ等のカバー固定具169が螺合して固定される保持穴部13131を有している。
【0030】
天板側突設部132は、矩形形状をしており、横幅はLであり、奥行きがRであり、天板部113のフィン部112のある側(下面側)と当接しヒートシンク110を保持する。
【0031】
ベース側突設部133は、矩形形状をしており、横幅はLであり、両端の奥行きがRで中央の奥行きがR以上であり、カバー部160のカバー鍔部1612と当接しカバー部160を保持する。
【0032】
側方突設部134は、矩形形状をしており、上側の奥行きがRで下部に向かって奥行が徐々に大きくなって最下部の奥行きが2R以上である。
側方突設部134は、連結部130の強度を向上させるために補強部140と当接する側方押え部1341を有している。
側方押え部1341は、後述する穴筒部141と当接する押え切欠き部13411を有している。押え切欠き部13411は、連結主部131と直交する内側方向に開口がある半円又はC字の切り欠きである。
枠下部1315と枠上部1316の高さは同じである。
中央押え部1313とベース側突設部133との間隔は、枠下部1315の高さと同じであり、カバー鍔部1612とベース部111とを合わせた厚さと同じである。
【0033】
(補強部140)
補強部140は、断面コ字状であり、横幅がMである。
補強部140は、上板147と背板148と下板149を有する。
補強部140は、カバー鍔部1612とカバーパッキン162とベース部111を挟み込むようにベース部111に取り付けられている。
【0034】
上板147と下板149との間隔は、カバー鍔部1612とベース部111との厚さを加算した長さである。
【0035】
補強部140は、ネジ等のカバー固定具169でベース部111にカバー部160等と一緒に固定されるために、穴筒部141と補強穴部142とが設けられている。
補強部140は、先端に傾斜部143を有しており、挿し込みやすくなっている。
ベース部111に補強部140が取り付けられることで、ベース部111の剛性が向上し、ヒートシンク110の剛性も向上する。
補強部140は、梁のような機能及び効果があり、2つの連結部130の間に設けられることで、ヒートシンク110のたわみを抑制する。
【0036】
●
図9と
図10
電源ユニット120のケース部123について、
図9及び
図10を用いて説明する。
図9は、ケース部123の分解斜視図である。
図10は、ケース部123の
図2に示すB-B断面図である。
【0037】
ケース部123は、ケース本体1231と、ケースパッキン1232と、ブッシュ1233を有している。
ケース本体1231は、板状の金属部材を一方の方向(
図9のC方向)から押圧して形成したものであり、一面が開口した箱形状の主ケース部12311と、ケースパッキン1
232が収容される段部12312と、天板部113と当接してねじ等のケース固定具129で固定されるケース鍔部12313が一体に形成されている。
【0038】
ケースパッキン1232は、ゴム等の弾性性能を有する樹脂部材で形成されており、段部12312と天板部113との間に押圧されて収容されている。このケースパッキン1232が、押圧されて収容されることで、ケース本体1231の内部の密封性を向上させ、水等の浸入を防ぐことができるものである。
【0039】
ケース本体1231は、鋳造よりも厚さを薄くかつ軽くでき、照明器具1の重量を軽くすることができる。また、薄くした分の剛性は複数の段差(主ケース部12311,段部12312、ケース鍔部12313で形成される段差)を設けることで補うことができる。
【0040】
また、十字型の板状の金属をまげてケース本体1231を形成すると、曲げた板の端部同士は接続されていない。そのため、隙間ができてしまい、そこから水等が浸入するおそれがある。また、負荷がかかった際には、この接続されない端部から変形するおそれがあるが、一体に形成されていることで、それらの懸念を抑制することができる。
【0041】
また、ケース鍔部12313は、段部12312の全周に設けられており、ケースパッキン1232へ全周で押圧することができ、密封性をより確保することができる。
【0042】
【0043】
図11の(a)は、器具取付金具200の斜視図である。
図12は、照明器具1が
図11の(a)の器具取付金具200に取り付けられた状態を示す図である。
器具取付金具200は、照明器具1を壁等の垂直面を有する被取付部900に取り付けするために用いられるものである。
【0044】
図11の(a)の器具取付金具200は、照明器具1が取り付けられた器具取付部210と、器具取付金具200を被取付部に固定する金具脚部220と、金具腹部230と、金具腰部240を備えている。
【0045】
金具脚部220は、器具取付金具200の両側にあり、壁面取付部221と側面部222とを有する。
壁面取付部221は、ネジ等の金具固定具901により、被取付部900の垂直面に固定される平板部分である。
側面部222は、壁面取付部221と直交した直角三角形状の板部分であり、斜辺に曲線部223を有する。
【0046】
金具腰部240は、両端に1対の側面部222を有する矩形状の平板部分である。
金具腰部240は、中央に電線を通す電線穴241を有する。
金具腹部230は、金具腰部240と直交する矩形状の平板部分である。
器具取付部210は、金具腹部230と鈍角で交差した矩形状の平板部分である。
【0047】
図12では、器具取付部210は、金具腹部230と150度の角度で交差しており、器具取付部210は、アーム10を水平面に対して30度傾斜させて取り付ける。アーム10を垂直面に対して60度の角度で取り付けられる。
【0048】
器具取付部210には、照明器具1を固定するためのボルト等の固定具が取り付けられる器具固定穴211が設けられている。
【0049】
この器具固定穴211は2つの大きさの異なる開口が連続するように設けられたものであり、横幅が大きい穴が上側に設けられ横幅が小さい穴が下側に設けられている。器具固定穴211がこのような形状をしていることで、先に固定具であるボルト291とナット292をアーム10の取付穴11に仮固定した後に、ボルトの頭部を器具固定穴211の径が大きい穴に挿し込んだ後に、径が小さい穴(下側)へスライドさせることができる。
【0050】
つまり、アーム10に仮止めしたボルト頭部を器具固定穴211に引っかけて、仮止めしてからボルトとナット292を締め付けることができ施工が容易になる。
【0051】
また、器具取付部210と金具脚部220の間には、側方から見たときに隙間250が形成されている。この隙間250があることで、固定具を締結するときに器具取付金具200の内側に工具を横から水平に挿し込むことができ、作業が容易になる(作業者が裏側に手をのばさなくてよい)。
【0052】
なお、
図11の(a)の金具脚部220の側辺には円弧状の曲線部223が形成されており、工具が側方から挿し込めるように隙間250を形成している。
【0053】
また、金具腹部230を有していることで、ボルト291とナット292の締結が緩み照明器具1が移動しようとしても、ボルトの頭部が金具腹部230に干渉して移動を抑制することができる。
図11の(b)は、器具取付金具200の変形例である。
図11の(b)の器具取付金具200は、器具取付部210と、金具脚部220とを備えている。
図11の(b)の器具取付金具200は、直角三角形の金具脚部220を有する。
側面部222と器具取付部210とは、直線部224において90度の交差角度で折り曲げられて繋がっている。側面部222には矩形の窓225が形成され、窓225により工具が側方から挿し込めるように隙間250を形成している。
【0054】
●
図13
図13は、電源ユニット120のケース本体1231の変形例であり、ケース本体1231は、箱形状でなく、円筒形状をしたものでもよい。
【0055】
●
図14
(ヒートシンク110のベース部111の凸状部114及びパッキン構造)
図14に示すように、ヒートシンク110のベース部111は板状となっている。
ベース部111は、例えばアルミニウム板で構成される。アルミニウム以外でも、ステンレス、又は、鉄等の金属で構成してもよい。
【0056】
図14の(a)に示すように、ベース部111は、配線貫通部119を有する。
配線貫通部119は、凸状部114と通線用パッキン116とを有している。
凸状部114は、通線部である。
凸状部114は、光源基板151を設置する方向と逆方向に向け凸状に形成されている。
凸状部114は、点灯回路部121からの電力を光源に供給するための配線1221を通すための貫通穴115を備える。
この凸状部114の貫通穴115には、通線用パッキン116がはめ込まれている。
【0057】
通線用パッキン116は、配線1221を貫通させる貫通穴115から水及び湿気の浸入を防止するものである。
通線用パッキン116は、シリコーンゴム、又は、フッ素ゴム等で構成される。このように、凸状部114に通線用パッキン116を配設することで、止水可能としている。
通線用パッキン116は、配線1221を貫通させるための配線穴117を1つ以上有している。
通線用パッキン116は、配線穴117に配線穴117の穴径と同一以上の外径の配線1221を通している。
【0058】
通線用パッキン116は、配線1221の本数と同じ数の配線穴117を有しており、配線穴117は、各々1本の配線のみを通している。
また、配線穴117の内部には凹凸が設けられており、水及び湿気の浸入を防ぐ形状としている。また、通線用パッキン116の外形は、ベース部111の凸状部114の内形と略同一とすることで、通線用パッキン116をベース部111の貫通穴115に取付た際の隙間を少なくすることが可能となる。
【0059】
図14の(b)に示すように、配線貫通部119の通線用パッキン116は、突出部118を有している。
突出部118は、通線用パッキン116の一部であり、ヒートシンク110のベース部111から光源基板151がある側に突出している部分である。
突出部118は、光源基板151の基板穴153に挿入される。
突出部118の突出形状は、光源基板151の基板穴153に対応する形状を有している。本実施の形態においては、通線用パッキン116の突出形状は、長円状の凸形状である。
図14の(c)に示すように、光源基板151の基板穴153は長円状又は楕円穴でもよいし、円形、矩形、多角形、その他の形状でもよい。
図14の(d)と(e)に示すように、基板穴153の代わりに、光源基板151の端部を切り欠いた基板切欠き部154に突出部118を挿入しもよい。
図14の(d)の基板切欠き部154は、光源基板151の一辺の中央を半円状に切り欠いたものである。
図14の(e)の基板切欠き部154は、光源基板151のコーナの出っ張りを直線状に切り欠いたものである。
【0060】
光源基板151に対し、通線用パッキン116の形状を光源基板151の厚みより厚く構成することで、光源基板151の基板穴153のエッジに配線1221が触れることなく、光源基板151の接続部(コネクタ)に配線1221を接続することが可能となる。
光源基板151は、基板の外径近傍に長円上の基板穴153を有しており、配線1221を貫通することを可能としている。
【0061】
これにより、光源基板151の基板外径を大きくすることなく、配線1221を外部に通線することが可能となり、照明器具を大型化することなく配線設計を実施することが可能となる。
【0062】
図14に示す構成によれば、光源部150とヒートシンク110とが密着していても、ベース部111の光源部150の配置面と逆側に貫通穴115を有する凸状部114を設けたので、凸状部114の貫通穴115に防水部材等の部材を設けることができる。
【0063】
配線貫通部119の凸状部114は、ベース部111のいずれの位置も形成でき、凸状部114の形状も自由である。
【0064】
このように配線貫通部119のレイアウトが容易に変更可能となり、光源部150とヒートシンク110とを密着したままで、部品配置の制約を無くすことができ、器具の小型化を図ることが可能となる。すなわち、器具サイズを大きくせずに、配線を引き回すことが可能で、防水構造を付与することが可能となる。
【0065】
また、凸状部114の貫通穴115は、光源部150とベース部111の間の空間として機能し、光源部150とベース部111の間に貫通穴115(空間)を設け、光源部150とベース部111の間の空間に防水部材となる通線用パッキン116を配置することで、容易に防水性能を確保することが可能となる。
【0066】
すなわち、
図14に示す構成によれば、器具サイズを大きくせずに、配線を引き回すことが可能で、防水構造を付与することが可能となる。
【0067】
●
図15
(ヒートシンク110と光源基板151のシート170)
ヒートシンク110のベース部111のフィン部112と反対側には光源部150が配設される。
【0068】
光源部150は、光源基板151及び光源基板151に配設される光源及び接続部(コネクタ)により構成されている。
光源基板151は、アルミニウム、複合基材エポキシ樹脂(CEM3)、ガラス布基材エポキシ樹脂(FR-4)、又は、紙フェノール等で構成される。
光源基板151は、放熱性能を必要とする場合、アルミニウムで構成することが好ましい。
【0069】
一方、光源基板151をアルミニウムで構成する場合においては、絶縁性能を確保するために、ヒートシンク110のベース部111と光源基板151の間に絶縁物を設けることが好ましい。
【0070】
この場合、絶縁性能を有する放熱シートを配設することが好適である。
【0071】
放熱能力が求められない場合においては、ポリエチレンテレフタラート(PET)シート又はポリカーボネート(PC)シート等の絶縁シートを配設してもよい。
一般的に、放熱シートは様々な材料を配合して製作されるため、絶縁シートより高価である。
【0072】
図15に示すように、本実施の形態のシート170は、熱伝導シートとなる放熱シート171と絶縁シート172の2種類のシートを用いる。
図15は、模式図であり、放熱シート171と絶縁シート172の厚さを拡大して図示している。
【0073】
図15の(a)のように、2種類のシートのうちの一方のシートの全部と他方のシートの全部が重なるようにしてもよい。
シート170は、光源基板151の外郭からヒートシンク110への絶縁距離を確保するために、光源基板151と略同一形状の放熱シート171と、光源部の発光面から見たときに放熱シート171に重なる絶縁シート172とを配設している。
【0074】
図15の(b)のように、絶縁シート172を環状、輪状、又は、リング状にして、2種類のシートのうちの一方のシートの全部と他方のシートの一部が重なるようにしてもよ
い。
絶縁シート172は、放熱シート171に比較し、熱伝導率が低いため、放熱シート171と重複する部分はなるべく少ない方がよい。よって、絶縁シート172は、中央に開口がある略リング状の形状が好適である。
【0075】
図15の(c)のように、絶縁シート172を環状、輪状、又は、リング状にして、2種類のシートのうちの一方のシートの一部と他方のシートの一部が重なるようにしてもよい。
絶縁シート172の少なくとも一部すなわち絶縁シート172の内縁部は、放熱シート171の少なくとも一部すなわち放熱シート171の外縁部と重なっている。
絶縁シート172の少なくとも一部すなわち絶縁シート172の外縁部は、放熱シート171と重ならず放熱シート171の外側に配置されている。
【0076】
図15の(d)のように、絶縁性のある放熱シート171を光源基板151より小さい円形にし、絶縁シート172を環状、輪状、又は、リング状にして、放熱シート171の外側に放熱シート171に重ならない状態で絶縁シート172が配設されてもよい。光源基板151の外郭からヒートシンク110への絶縁距離を確保することができる。
【0077】
なお、放熱シート171と絶縁シート172の境界部に隙間がある場合、その隙間を通じて電路が形成される可能性があるため、所定の距離(必要となる絶縁距離)をシートの厚さを厚くして又はシートを重ねて確保することで、絶縁性能を確保することが可能となる。
【0078】
図15のシート170は、2種類のシートを用いることで、コストを上げることなく、放熱性能と絶縁性能を両立させている。
図15の構成によれば、放熱性能を確保しながらも、基板端部からの絶縁距離を確保することが可能となる。また、絶縁性能を有した放熱シート171のサイズを小型化しつつ、絶縁シート172を配設することで、絶縁距離を確保することができ、サージ対策としても有効であり、安価な構成で所定の絶縁性能を確保することが可能となる。
【0079】
●
図16
(カバー部160の構成・フィルムインサート)
ヒートシンク110のベース部111の光源側には、光源を保護するためのカバー部160が配設される。
カバー部160は、PC又はポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等の樹脂、又は、アルミニウムダイキャスト等の金属性部材とガラスとで構成される。
カバー部160の材質は、使用環境に応じて適宜変更することが可能である。
【0080】
例えば、高温環境又は油のある環境においては、カバー部160がPC又はPMMAの樹脂で構成された場合、耐熱温度又は油のアタック性により、樹脂に溶融、劣化、クラックの発生が起こる可能性があり、カバー部160を金属部材とガラス等の無機系材料で構成することが好ましい。
【0081】
一方、カバー部160に金属部材とガラスを使用する場合、樹脂に比較し比重が重いため、製品重量が重くなる、また、樹脂の様に一体で形状を構成することが困難であり、部品点数の増加による組立性の悪化、コストの増大等の課題がある。
【0082】
そこで、
図16の(a)に示すように、本実施の形態では、カバー部160のカバー161を本体部1601とフィルム1602で構成する。
カバー部160のカバー161の本体部1601を、PC又はPMMA等の樹脂で構成
する場合、本体部1601の外郭面全体にPC又はPMMA以外で構成された樹脂フィルム1602を一体で成形する。
樹脂フィルム1602を本体部1601の外郭面全体に一体で成形することで、カバー部160を構成する主たる樹脂の弱い部分を補完することが可能となる。
【0083】
例えば、PET又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の材料のフィルム1602を用いることで、油又は薬品等の様々な化学物質がある環境において、PC又はPMMAの使用が困難な場合でも、外郭に一体成形されたフィルム1602のバリア性により、主たる樹脂に影響することなく、樹脂カバー部160を使用することが可能となる。
具体的には、ポリカーボネートは油に弱いので、油に強いフィルムを外側に配設する。
【0084】
カバー161は、外郭の部位に応じて異なる種類のフィルム1602を配設してもよい。異なる種類のフィルムとは、耐熱性フィルム、耐油性フィルム、強化フィルム、偏光フィルム、拡散フィルム、カラーフィルム、反射フィルム等である。
図16の(a)、(b)、(c)に示すように、カバー161は、本体部1601の下面と本体部1601の側面とカバー鍔部1612の下面とに異なる種類のフィルム1602,1603,1604を配設している。
図16の(d)に示すように、カバー161の本体部1601の下面と上面に、フィルム1602、1603を配設してもよい。
図16の(e)に示すように、カバー161の本体部1601の下面に、異なる種類のフィルム1602、1603を、2種類以上、全面層状に又は部分的に層状に配設してもよい。
【0085】
具体的には、以下のような構成及びこれらの組み合わせが考えられる。
・カバー鍔部1612の内面、外面、又は、両面に強化フィルムを配設。
・主カバーのコーナに強化フィルムを配設。
・主カバーの下面に強化フィルムを配設。
・主カバーの側面に強化フィルムを配設。
・主カバーの側面に反射フィルムを配設。
・主カバーの外面に耐熱性フィルム又は耐油性フィルムを配設。
・主カバーの内面に偏光フィルム、拡散フィルム又はカラーフィルムを配設。
図16の構成によれば、カバー161の部位により異なる種類のフィルムを配設しているので、カバー161の部位に即した保護を可能とする。
【0086】
フィルム1602に光学的な性能を付与することで、光の方向を変更する機能を持たせることができ、配光制御機能も同時に持たせることが可能となる。フィルム1602に光学的な性能を付与する方法としては、フィルム1602に拡散材、又は、顔料、染料を配合する、幾何学的模様の配置、断面形状の変更による配光制御、等があげられる。
【0087】
これにより、フィルム1602の変更によりカバー部160の主たる樹脂を変更することなく、照明器具の用途に応じた性能を容易に確保することが可能となる。
【0088】
また、本実施の形態においては、光源基板151の光源の上にレンズ部152のレンズを配置する構成としているが、カバー部160の本体部1601の内面にレンズを一体に形成してもよい。
【0089】
図16の構成によれば、コーティング又は2色(多色)成形を実施することなく、フィルムを成形品外郭に配置することで、基本となる樹脂の弱い物性を補完することが可能となる。
【0090】
●
図2
(ヒートシンク110とカバー部160のパッキンによる防水)
図2に示すように、カバー161は、光源部150を覆う主カバー1611と、ベース部と固定されるカバー鍔部1612を有する。
【0091】
カバーパッキン162は、カバー鍔部1612とベース部111とに密着して固定される止水部材である。
カバーパッキン162は、カバー鍔部1612に沿った環状形状の止水用のパッキンである。
【0092】
ヒートシンク110のベース部111とカバー部160はネジ等の締結部材であるカバー固定具169と補強部140とで固定される。
カバーパッキン162がない場合、カバー固定具169は、カバー161をベース部111に固定する。
なお、ベース部111とカバー部160は、カバー固定具169により固定されるものであり、ベース部111とカバー部160の固定には、補強部140はなくてもよい。
【0093】
カバーパッキン162がある場合、カバー固定具169は、カバーパッキン162をベース部111とカバー161との間に密着させて、カバー161をベース部111に固定する。
【0094】
通常、屋内で使用する照明器具とする場合は、ネジ等の締結部材で固定する構成で特に問題が無い。しかし、軒下又は屋側等で使用される照明器具とする場合は、降雨等による水又は湿気の浸入があるため、部品間の隙間がある場合は、浸水による絶縁不良又は部品の発錆等が懸念される。
【0095】
そのため、本実施の形態においては、ヒートシンク110のベース部111(板状の取付部材)及びカバー部160の間にカバー部160のヒートシンク110のベース部111に接触する箇所の形状に沿った形状としたカバーパッキン162を配設することで、水及び湿気の浸入を防止している。カバーパッキン162はシリコーンゴム又はフッ素ゴムで構成される。
【0096】
ネジの頭部とベース部111との接触面とネジの頭部とカバー161との接触面とのいずれかの接触面に止水部材が挟持される。
ヒートシンク110のベース部111とカバーパッキン162とカバー部160はネジ等のカバー固定具169で固定されるが、ネジをそのまま使用すると、ネジ先又はネジ頭の隙間より水又は湿気の浸入が考えられる。
【0097】
このため、ネジ頭側には止水ワッシャー(金属又は樹脂製ワッシャーの片側にゴム等の止水部材を一体としたもの)を配設することが望ましい。
【0098】
また、ネジの先端部(ネジ先)に止水部材を配設している。
ネジ頭側の止水ワッシャーに加え、ネジ先側も止水ワッシャー及び袋ナット等を配設することが望ましい。又は、ヒートシンク110のベース部111にカシメナット等を事前に圧入することで、ネジ先側の処理を不要としてもよい。
【0099】
図2の構成によれば、カバー固定具169と補強部140とが、カバーパッキン162の存否にかかわらず、ベース部111とカバー161と固定するので、照明器具の構造を変更することなく防水性能の必要な器具を構成することが可能となる。
【0100】
また、
図2の構成によれば、光源部の増減があった場合においても、照明器具の構造を変更することなく、1個のカバーパッキン162(1個の防水部材)の有無のみで防水性能が必要でない器具と、防水性能の必要な器具を構成することが可能となる。
【0101】
また、
図2の構成によれば、防水でない一般器具と部品を共用し、1個のカバーパッキン162のみ追加することで防水性能を付与することが可能となる。
【0102】
●
図6と
図7
(ヒートシンク110のベース部111の変形を抑制する補強部140)
ヒートシンク110のベース部111(板状の取付部材)とカバー部160の間にカバーパッキン162を挟み込み防水構造を図る場合、ヒートシンク110のベース部111が板金等の板材で構成され、ネジ等の固定部材でそのまま固定すると、カバーパッキン162を(つぶしながら)挟み込むことにより、ヒートシンク110のベース部111が変形する可能性がある。
【0103】
そこで、
図6に示すように、本実施の形態においては、ヒートシンク110のベース部111とカバーパッキン162とカバー部160に追加して、補強部140として、ヒートシンク110のベース部111の変形を防止する補強部材を設けている。
【0104】
補強部材は、ヒートシンク110のベース部111の端部(外周面)の剛性を上げるために設置されている。
ベース部111の剛性を上げる方法としては、以下の構成等があげられる。
(1)ベース部111の板厚を厚くする。
(2)ベース部111の端部断面にコ字状部品を固定し断面係数を大きくする。
(3)ベース部111の端部断面にL字状部品を固定し断面係数を大きくする。
【0105】
(1)の板厚を厚くする場合は、以下の構成等があげられる。
(1-1)ベース部111全体の板厚を厚くする。
(1-2)ベース部111の外周形状と同じ外周形状を有するリング板をベース部111の外縁に固定する。
【0106】
(2)の断面をコ字状とする場合は、断面がコ字状の補強部140を取り付ける。コ字状の補強部140は、補強部材をカバー部160とカバーパッキン162とベース部111を挟み込むように配設する。
【0107】
以下、
図6により、補強部140について説明する。
補強部140は、ベース部111の縁に固定される。
補強部140は、断面が略コ字状の個別の部品であり、ベース部111とカバー161とを挟み込んでいる。あるいは、補強部140は、ベース部111とカバーパッキン162とカバー161とを挟み込んでいる。
【0108】
補強部140は、上板147と背板148と下板149とを有する。
上板147は、両端と中央に3個の穴筒部141を有する。
穴筒部141は、上板147の上面より筒状に突出しており、内壁にはネジ等のカバー固定具169がはめ込まれるネジ切りが形成されている。
下板149は、両端と中央に3個の補強穴部142を有する。
補強穴部142は、ネジ等のカバー固定具169が通過する貫通穴である。
上板147は、中央が背板148に向かってへこんでいる上へこみ部1471を有する。
上へこみ部1471は、フィン部112の円形外周と干渉しないように弧状にへこんで
いる。
上へこみ部1471の中央にある補強穴部142の両側には、補強穴部142の両側に配置されるフィン部112の外端と干渉しないように切り込み部1472がある。
下板149は、中央が背板148に向かってへこんでいる下へこみ部1481を有する。
下へこみ部1481は、カバー部160の主カバー1611の裾野の外周と干渉しないように台形状にへこんでいる。
主カバー1611の裾野の外周よりもフィン部112の円形外周の方が外側に膨らんでいるため、上へこみ部1471のへこみ量は、下へこみ部1481のへこみ量よりも大きい。
【0109】
中央にある穴筒部141と中央にある補強穴部142は、両側にある2個の穴筒部141と2個の補強穴部142よりも背板148に近い位置に形成されている。
上板147は、背板148と平行に形成された5個の傾斜部143を有する。
下板149は、背板148と平行に形成された4個の傾斜部143を有する。
上板147の両端を除き、上板147と下板149との背板148と平行な全ての辺に傾斜部143が配置されている。
上板147の両端には側方押え部1341が乗るため、上板147の両端には傾斜部143が存在しない。
下板149の両端はベース側突設部133と干渉しないため、下板149の両端には傾斜部143が存在する。
【0110】
(補強部140の取付方法)
図7に示すように、補強部140をカバー鍔部1612とカバーパッキン162とベース部111を挟み込むように側方から挿し込みをし、ベース部111の直線部分にカバー固定具169で固定する。
【0111】
この時、補強部140は、カバーパッキン162を押圧するように挿し込まれる。
補強部140は、傾斜部143を有しているので挿し込みやすい。
補強部140は、横幅がMであり、ベース部111の長さはLであり、補強部140の端部は補強部140が取り付けられた辺と直交する辺から、それぞれRだけ離れている。
【0112】
(連結部130の取付方法)
図8に示すように、連結部130をヒートシンク110の側方から挿し込むように取り付けする。中央押え部1313とベース側突設部133との間隔は、側方押え部1341とベース側突設部133との間隔より、補強部140の上板147の厚さだけ小さい。
【0113】
取付時の各部の関係は以下のようになる。
・天板側突設部132は、天板部113のフィン部112がある側(下面側)と当接する。
・ベース側突設部133は、カバー鍔部1612と当接する。
ベース側突設部133は奥行きがRであるから、ベース側突設部133は、補強部140の下板149とぶつからない。
・中央押え部1313は、ベース側突設部133とともに、カバー鍔部1612と、カバーパッキン162とを挟み込み保持する。このとき、カバーパッキン162はベース部111側に押圧される。
・側方押え部1341は、ベース側突設部133とともに、カバー鍔部1612と、カバーパッキン162とベース部111と補強部140の上板147とを挟み込み保持する。このとき、カバーパッキン162はベース部111側に押圧される。
・側方押え部1341は、補強部140(
図8では図示なし)の上板147の端部上面と
当接する。
【0114】
補強部140の上板147の端部は、連結部130の連結主部131からRだけ離れているが、側方押え部1341の奥行きは2R以上あるので、側方押え部1341を上板147の端部上面に載せることができる。
【0115】
側方押え部1341が補強部140と当接することで、揺れ又はねじれ等の負荷に強くなり、照明器具1の強度が向上する。また、ベース部111のコーナにおいて補強部140の上板147の端部に側方押え部1341を載せることにより、ベース部111の対角線方向の変形を抑制する。
【0116】
また、押え切欠き部13411が穴筒部141と当接していることで、ねじれ等負荷があったときに引っ掛かりねじれを抑制することができる。また、押え切欠き部13411は、穴筒部141の外側の外周壁と当接し、補強部140の抜けを防止する。
【0117】
なお、補強部140の断面をL字状の個別の部品とする場合は、断面がL字状の補強部140を取り付ける。断面がL字状の補強部140は、ベース部111の縁と端面とを覆っている。
【0118】
補強部材としてL字状の金具をヒートシンク110のベース部111の上に設置し、カバー部160とカバーパッキン162とヒートシンク110のベース部111と共締めすることで、ヒートシンク110のベース部111の変形を抑制しつつ、固定を可能とする。
【0119】
図6に示す補強部140等の補強部材をベース部111の周囲に取り付けることによりベース部111の変形を防止することができる。
図6に示す補強部140により、板状のベース部111の変形を抑制するとともに、カバーパッキン162を挟むことで、防水性能を確保しながら器具の軽量化を図ることが可能となる。
また、補強部140がアルミニウム又は鉄等の金属製であり、カバー161がアルミニウムダイキャスト等の金属(アルミニウムダイキャスト材)である場合、放熱効果が期待できる。すなわち、補強部140を経由してヒートシンク110の熱をアルミニウムダイキャスト製のカバー161に伝えることができる。
【0120】
●
図17
(ヒートシンク110のベース部111の変形抑制)
ベース部111の周囲端部を90度折りまげて、ベース部111に断面がL字状の外周縁を形成する。
補強部材を用いずにヒートシンク110のベース部111の剛性を上げる方法としては、
図17に示すように、ヒートシンク110のベース部111の端部を曲げることが考えられる。
【0121】
ベース部111は、光源部150を下面に固定した円形の光源固定部1112と、光源固定部1112の外側端部から下方に向けて曲げられた曲げ部1111とを有する。
曲げ部1111は、ベース部111の一辺全体をベース部111の一辺と平行な直線の折り曲げ線で折り曲げて形成する。
天板部113は、フィン部112を下面に固定した円形のフィン固定部1132と、フィン固定部1132の外側端部から下方に向けて曲げられた曲げ部1131とを有する。
曲げ部1131は、天板部113の一辺全体を天板部113の一辺と平行な直線の折り曲げ線で折り曲げて形成する。
【0122】
図17の(a)では、曲げ部1111は、光源固定部1112の端部から90度下方に向けて曲げられている。同様に、曲げ部1131は、フィン固定部1132の端部から90度下方に向けて曲げられている。
【0123】
図17の(b)では、曲げ部1111は、光源固定部1112の端部から90度超180度以下のいずれかの角度で、下方に向けて曲げられている。同様に、曲げ部1131は、フィン固定部1132の端部から90度超180度以下のいずれかの角度で、下方に向けて曲げられている。
【0124】
ベース部111と天板部113との一方だけに曲げ部を形成してもよい。すなわち、少なくともベース部111と天板部113との一方だけに曲げ部を形成してもよい。
曲げ部1111と曲げ部1131は、連結部130が固定されていない1対の対向する辺に形成されている。本実施の形態では、ベース部111と天板部113とは矩形であり、矩形の対向する2辺に連結部130が固定され、矩形の残りの対向する2辺に曲げ部を形成している。
【0125】
補強部材を追加した場合は、部品点数を増やす必要があるが、ヒートシンク110のベース部111を曲げる場合においては、部品点数を変更することなく剛性を上げることが可能となる。
【0126】
防水性能を有する器具の場合、水が器具に直接かかることが想定される。そのため、水が器具内に滞留してしまうと、錆の発生又は水の浸入の原因となる。そこで、
図25と
図28に示すように、ヒートシンク110のベース部111の端部の曲げ部1111の曲げ方向はヒートシンク110のフィン部112と逆の方向とすることが好ましい。
【0127】
ヒートシンク110のフィン部112と同方向に曲げた場合、ヒートシンク110のベース部111はトレー状となり、水が溜まってしまう。
ヒートシンク110のフィン部112と逆方向に曲げることにより、ヒートシンク110に水がかかった場合においても、水が滞留せず流れていく効果を奏する。
パッキンを有さない器具においても、ヒートシンク110のベース部111の剛性を上げる方法としてヒートシンク110のベース部111の端部を曲げることは有効である。ヒートシンク110のベース部111の剛性を上げれば、ヒートシンク110のベース部111に天井取付用アーム10を直接固定することが可能となる。
【0128】
天板部113の場合もベース部111と同様である。
図17の構成によれば、ヒートシンク110のベース部111もしくは天板部113の各側面に曲げ部を設けることで、変形を抑制することができ、ベース部111もしくは天板部113にパッキン等を締め付けた際、ベース部111もしくは天板部113及びパッキン等の変形を抑制することができる。
【0129】
図18は、天板部113の曲げ部1131の変形例を示す図である。
(a)は、天板部113の曲げ部1131を90度下方に曲げベース部111の辺と直交する断面形状をL字にし、連結部130の天板側突設部132を天板部113の上にし、曲げ部1131を連結部130の連結主部131の内側にして、曲げ部1131と連結主部131とをネジ等の天板固定具137で固定したものである。
【0130】
(b)は、天板部113の曲げ部1131を90度下方に曲げベース部111の辺と直交する断面形状をL字にし、連結部130の天板側突設部132を天板部113の下にし、曲げ部1131を連結部130の連結主部131の外側にして、天板側突設部132と
天板部113とをネジ等の天板固定具137で固定したものである。
【0131】
(c)は、連結部130から天板側突設部132をなくし、天板部113の曲げ部1131を90度下方に曲げベース部111の辺と直交する断面形状をL字にし、曲げ部1131を連結部130の連結主部131の内側にして、曲げ部1131と連結主部131とをネジ等の天板固定具137で固定したものである。
【0132】
(d)は、連結部130から天板側突設部132をなくし、天板部113の曲げ部1131を90度下方に曲げL字にし、曲げ部1131を連結部130の連結主部131の外側にして、曲げ部1131と連結主部131とをネジ等の天板固定具137で固定したものである。
【0133】
(e)は、天板部113の曲げ部1131を180度曲げてベース部111の辺と直交する断面形状をU字にし、曲げ部1131を連結部130の天板側突設部132の上にして、天板部113と曲げ部1131と天板側突設部132とをネジ等の天板固定具137で固定したものである。
【0134】
(f)は、天板部113の曲げ部1131を180度曲げてベース部111の辺と直交する断面形状をU字にし、曲げ部1131を連結部130の天板側突設部132の下にして、天板部113と曲げ部1131と天板側突設部132とをネジ等の天板固定具137で固定したものである。
【0135】
(c)と(d)の構成は、天板部113の上面突出する部品が全くない。
(b)と(e)の構成は、天板部113の上面突出する部品は、天板固定具137のネジ頭だけである。
【0136】
図19は、ベース部111の曲げ部1111の変形例を示す図である。
(a)は、ベース部111の曲げ部1111を90度下方に曲げベース部111の辺と直交する断面形状をL字にし、曲げ部1111をカバー鍔部1612の外側にし、連結部130のベース側突設部133を曲げ部1111の下先端の下にし、曲げ部1111を連結部130の連結主部131の内側にして、カバー鍔部1612とベース部111とを挟んで中央押え部1313とベース側突設部133をネジ等のカバー固定具169で固定したものである。
【0137】
(b)は、ベース部111の曲げ部1111を2度90度曲げてベース部111の辺と直交する断面形状をコ字にし、曲げ部1111のコ字の凹部にカバー鍔部1612を密着させて配置し、曲げ部1111を連結部130の連結主部131の内側にして、カバー鍔部1612とベース部111とベース部111とを挟んで中央押え部1313とベース側突設部133をネジ等のカバー固定具169で固定したものである。
【0138】
(c)は、ベース部111の曲げ部1111を180度曲げてベース部111の辺と直交する断面形状をU字にし、曲げ部1111をカバー鍔部1612の外側にし、曲げ部1111を連結部130の連結主部131の内側にして、カバー鍔部1612とベース部111とを挟んで中央押え部1313とベース側突設部133をネジ等のカバー固定具169で固定したものである。
図示しないが、中央押え部1313がない部分では、カバー鍔部1612を挟んでベース部111とベース側突設部133をネジ等のカバー固定具169で固定してもよい。
【0139】
●
図9と
図10
(電源ケースの絞り加工構造)
照明器具1は、点灯回路部121及び点灯回路部121を覆うケース部123を有している。
本実施の形態においては点灯回路部121及びケース部123はヒートシンク110の上部に配設された天板部113の上に設置される。
【0140】
点灯回路部121及びケース部123は、天板部113の上でなく、ヒートシンク110のベース部111の上に直接設置されてもよいし、天井取付用のアーム10に取り付けてもよい。また、ヒートシンク110のフィン部112の上に空間を開け、アーム10の左右にまたがって取り付けてもよい。
ケース部123は、点灯回路部121を保護する機能を有している。具体的には、電源基板1222に直接触れられることを防止する機能、埃の堆積を防ぐ機能、絶縁性能を確保する機能、等である。
【0141】
一般的には板金で箱状のケース部123を作る場合、略十字形状の展開形状から曲げることで箱形状を形成する。その場合、各曲げて立ち上げた面の稜線(突合せ部)に隙間が空くこととなる。隙間が空いている場合、先述した埃の堆積の恐れ、又は、基板へ触れてしまう恐れがある。そこで、稜線(突合せ部)を溶接することで上記課題を解決することが可能であるが、溶接の場合は加工に時間がかかり、また、隙間なく溶接ができているかの確認が必要となる。
【0142】
本実施の形態では、上記課題を解決するために、一枚の板材(板金)を絞り加工(深絞り加工)することで、隙間が無い箱状(筒状)のケース部123としている。絞り加工はプレス加工等で実施することが可能である。箱状の形状は、一方方向から押されて形成されており、一面を開口した形状としている。
【0143】
ケース部123は、一枚の金属板で形成された継ぎ目の無いくぼみに点灯回路部121を収納している。
ケース部123は、開口を有するくぼみ状の主ケース部12311と、開口の周囲に形成された段部12312と、段部12312の周囲に形成されたケース鍔部12313とを有する。
段部12312は、ケースパッキン1232を収納するパッキン収納部である。
段部12312は、階段状になっている。
段部12312は、水平リング部12314と垂直帯部12315とを有する。
水平リング部12314は、主ケース部12311と垂直帯部12315との間にあり、ケース鍔部12313と平行な矩形のリング部分である。
垂直帯部12315は、水平リング部12314とケース鍔部12313との間にあり、主ケース部12311の側面と平行な環状の帯部分である。
ケース部123は、一枚の金属板を一方方向から押す絞り加工で形成され、各コーナに角がなく各コーナが全て曲面を呈している。
【0144】
ケース部123に防水性能を付与する場合は、ケース部123の開口面側にリング状のケースパッキン1232を配置することで容易に対応が可能である。
ケースパッキン1232は、段部12312に配置され、段部12312と天板部113に挟まれている。
ケースパッキン1232は、矩形の環状枠をしており、枠の断面が矩形をしている。
ケースパッキン1232の外形は、垂直帯部12315の内形と同じである。
ケースパッキン1232の高さは、垂直帯部12315の高さより高いが、水平リング部12314と天板部113により加圧されて、垂直帯部12315の高さと同じ高さになる。
ケースパッキン1232は、天板部113の上面と密着する下面に、2つの環状凸部12321を有する。
環状凸部12321は、水平リング部12314と天板部113により加圧されて変形し止水効果が向上する。環状凸部12321は1つ以上あればよい。
ケースパッキン1232は、垂直帯部12315の内面と密着する外側面に、2つの環状山部12322を有する。
【0145】
ケースパッキン1232が加圧されて外側に拡張した場合、環状山部12322は、垂直帯部12315の内壁に押し付けられ変形し止水効果が向上する。環状山部12322は1つ以上あればよい。
ケースパッキン1232はシリコーンゴム又はフッ素ゴムとすることが好ましい。
【0146】
なお、天板部113にケース部123を固定する場合は、前述のヒートシンク110のベース部111と同様に、天板部113の端部を曲げることで天板部113の剛性を上げることができ、天板部113の変形を抑制することが可能である。
【0147】
また、曲げ方向はケース部123と逆方向(下方向)とすることで、水の滞留を防ぐことが可能である。
【0148】
図9と
図10に示すケース部123は、一方方向から押されて形成され、1面が開口した(筒状)箱状の電源収納部を有しており、ケース部123には側面部の突合せ部分が存在しないため、密閉性を容易に確保可能である。
【0149】
このため、ケース部123の各角部(各コーナ部)には隙間が全く無く、稜線(突合せ部)の溶接等の後処理をすることなく密閉性が容易に確保でき、埃の侵入及び水の浸入を防ぐことが可能である。
【0150】
また、ケース固定具129が、ケースパッキン1232の存否にかかわらず、天板部113とケース部123と固定するので、照明器具の構造を変更することなく防水性能の必要な器具を構成することが可能となる。
【0151】
また、1個のケースパッキン1232(1個の防水部材)の有無のみで防水性能が必要でない器具と、防水性能の必要な器具を構成することが可能となる。
【0152】
また、防水でない一般器具と部品を共用し、1個のケースパッキン1232のみ追加することで防水性能を付与することが可能となる。
【0153】
●
図5と
図8
(連結部130の固定部139)
ヒートシンク110のベース部111には、カバー部160がネジ等の締結部材であるカバー固定具169で固定されている。
また、ヒートシンク110の上には天板部113があり、その上に点灯回路部121及びケース部123が固定されている。
ヒートシンク110のベース部111と天板部113は、連結部130により固定される。
【0154】
この連結部130には、天井取付用のアーム10も固定される。
連結部130は、ベース部111と天板部113とカバー部160とを固定する固定金具である。
側方突設部134は、上下方向に延設される接続部である。
側方突設部134は、縦に長い長尺形状をしており、側方突設部134の下部のスカー
ト部分はベース部111に近づくにしたがって次第に幅が広くなっている。
【0155】
天板側突設部132は、天板部113を取り付けるための上部固定部である。
ベース側突設部133は、カバー部160を覆うように支える下部固定部である。
側方押え部1341は、上部固定部と下部固定部の間にあり、ヒートシンク110のベース部111を貫通したネジを固定し、ヒートシンク110のベース部111を受ける中間固定部である。
【0156】
連結部130は、ベース部111と天板部113とを連結し、カバー部160とベース部111を固定する。
連結部130は、天板部113とベース部111の間にある平板の連結主部131を有する。
連結部130は、連結部130の下部に、カバー部160とベース部111を挟み込んで固定する固定部139を有する。
【0157】
固定部139は、ベース側突設部133と側方押え部1341と中央押え部1313からなる。
ベース側突設部133は、連結主部131の下端部で連結主部131と直交している。
ベース側突設部133は、カバー部160の縁部の下面、すなわち、カバー鍔部1612の下面を覆う。
【0158】
ベース側突設部133は、連結主部131の下端部を90度折り曲げて形成する。
側方押え部1341と中央押え部1313は、連結主部131の途中にベース側突設部133と平行に配置されている。
【0159】
側方押え部1341は、補強部140の端部の上面を覆う。
中央押え部1313は、ベース部111の縁部中央の上面を覆う。
連結部130は、連結主部131の側端部で連結主部131と直交する側方突設部134を有する。
側方突設部134は、連結主部131の側端部を90度折り曲げて形成することができる。
側方押え部1341は、側方突設部134の下方において側方突設部134と直交している。
側方押え部1341は、側方突設部134の下端部を90度内側に折り曲げて形成することができる。
【0160】
側方押え部1341は、ベース部111の端部を押さえる板である。
連結部130は、連結主部131の中央に柱部1312を有し、
中央押え部1313は、柱部1312の下方において柱部1312と直交している。
中央押え部1313は、柱部1312の下方の一部を舌状に切り欠いて90度内側に折り曲げて形成することができる。
【0161】
中央押え部1313は、連結部130の左右方向の中央に形成されており、ベース側突設部133の幅と同じ長さだけ連結主部131から突設している。
側方押え部1341は、連結部130の左右方向の両端に形成されており、ベース側突設部133と中央押え部1313とよりも長く連結主部131から突設している。
ベース側突設部133と中央押え部1313とは、ベース部111とカバー鍔部1612とを挟んでいる。
ベース側突設部133と中央押え部1313との間隔は、ベース部111の厚さとカバー鍔部1612の厚さを加算した長さである。
【0162】
ベース側突設部133と側方押え部1341とは、ベース部111とカバー鍔部1612と補強部140の上板とを挟んでいる。
ベース側突設部133と側方押え部1341との間隔は、ベース部111の厚さとカバー鍔部1612の厚さと補強部140の上板147の板金の厚さを加算した長さである。
【0163】
側方押え部1341は、連結部130の左右両端において内側に長く突出して形成されている。側方押え部1341は、補強部140の上板147の端部と重なり補強部140の上板147の端部も挟み込むとともに、補強部140の上板147から突出した穴筒部141を避ける押え切欠き部13411を有している。
【0164】
本実施の形態では、ヒートシンク110のベース部111とカバー部160の間にカバーパッキン162を配設し、防水性能を付与している。
本実施の形態では、ヒートシンク110のベース部111と、カバーパッキン162と、カバー部160とを一度に固定するために、連結部130に複数の機能を有することで、部品点数を増やすことなく、各種部品の固定を可能としている。
具体的には、連結部130の下部固定部となるベース側突設部133と中間固定部となる側方押え部1341とに挟み込む形でカバー部160と、ヒートシンク110のベース部111と、カバーパッキン162とをネジ等の締結部材で固定し、上部固定部となる天板側突設部132には天板部113をネジ等の締結部材で固定する。この時、下部固定部となるベース側突設部133にはネジが貫通する穴があけられており、中間固定部となる側方押え部1341にはネジが締結可能なネジ穴が設けられている。
また、連結部130の接続部となる柱部1312には照明器具を天井に設置するためのアーム10を固定することが可能となっている。
【0165】
図5と
図8の構成によれば、固定部139が複数の部材を固定する機能を有している。そのため、カバー部160を固定するための取付構造を光源部150に設ける必要がなく、部品点数及び組立工数を増やすことなく確実にカバー161を固定することが可能となる。
【0166】
図5と
図8の構成によれば、ヒートシンク110のベース部111と天板部113とを接続する連結部130に固定部139を設けることで、別部材を設けることなく、寸法を規制した状態でカバー161を固定することが可能となるとともに、部品共通化により組立が容易になる。
【0167】
●
図5と
図20
(耐振性能が強化された連結部130)
連結部130の機能は上述のとおり、ヒートシンク110のベース部111及び天板部113の固定とアーム10の固定が主である。
【0168】
一方、クレーン等の振動が加わる環境に取り付けられる器具仕様とする場合、耐振性能を強化する必要がある。振動は一般的に水平方向(x方向、y方向)と垂直方向(z方向)を考慮する必要がある。耐振性能を強化する場合、上記x、y、zそれぞれの方向に対し剛性の向上を検討する必要がある。
【0169】
剛性を向上させるためには、連結部130のx、y、z方向に対する剛性を向上させること、及び、ヒートシンク110のベース部111及び天板部113と連結部130とのそれぞれの固定点数を増やすことが必要となる。
【0170】
本実施の形態の連結部130は、x、y、z方向に対する強度を上げた形状としている
。具体的には、
図5に示すように、連結部130は、以下の3種の直交面を有する。
xy平面:ベース側突設部133、天板側突設部132、側方押え部1341
yz平面:連結主部131
xz平面:1対の側方突設部134
【0171】
ヒートシンク110のベース部111及び天板部113は、略同一の矩形形状である。
連結部130の連結主部131は、ベース部111及び天板部113の一辺の長さと同じ長さの辺を有する矩形板である。
【0172】
連結部130は、連結主部131の4辺に、連結主部131と直交するベース側突設部133と天板側突設部132と1対の側方突設部134を有する。
ベース側突設部133と天板側突設部132とは、連結主部131の上下を90度方向に曲げたものである。
側方突設部134は、連結主部131の左右に第1の曲げ部を形成して90度方向に曲げたものである。
側方押え部1341は、側方突設部134の下に第2の曲げ部を形成して90度方向に曲げたものである。
側方押え部1341は、ヒートシンク110のベース部111と平行である。
【0173】
ベース側突設部133及び天板側突設部132及び側方押え部1341と、連結主部131と、側方突設部134は、直交する面であり、全方向に対する剛性を上げている。
【0174】
図示していないが、枠側部1314の側辺を90度折り曲げて側方突設部134と平行なxz平面を形成してもよい。
【0175】
また、枠下部1315の下辺と枠上部1316の上辺とを90度折り曲げてベース側突設部133と天板側突設部132と平行なxy平面を形成してもよい。
【0176】
枠下部1315の下辺と枠上部1316の上辺とを折り曲げて形成するxy平面には、補強部140の上板と同様にへこみ部を形成する。
枠下部1315の下辺を折り曲げて形成するxy平面には、補強部140の上板と同様に傾斜部を形成する。
【0177】
図20に示すように、本実施の形態においては、連結部130の幅方向に広げた連結主部131は、軽量化のために、柱部1312と枠側部1314に、肉盗み穴となる複数の穴部138を設けている。ベース部111に近づくにつれ、穴部138の穴径を小さくすることで、ベース部111側の強度を確保する構造としている。また、穴をあけることで、内包されるヒートシンク110のフィン部112に対する空気の流れを阻害しない形状とすることができ、放熱性能に影響することなく、剛性を上げることを実現している。
【0178】
図5の構成によれば、異なる方向の振動(力)に対してもそれぞれの方向に対応した補強部材を設けることなく、耐力のある照明器具を構成することが可能となる。
【0179】
図5の構成によれば、連結部130が3次元の直交面を有しているので、耐振形器具におけるフレーム構造を提供することができる。
【0180】
図5の構成によれば、水平方向及び垂直方向の振動に対し、別部材を設けることなく、剛性を上げることが可能となり、耐振動性能の向上を図ることができる。
【0181】
●
図11と
図12
(器具取付金具)
本実施の形態の照明器具は、連結部130に固定されたアーム10にて天井面に固定される。
アーム10は、照明器具1にまたがるようにコ字状に形成されており、2個の連結部130にそれぞれ2個のボルトで固定されている。
アーム10には、2個のボルトに対応する孔がそれぞれ設けられており、上部孔12は略真円形状の円孔、下部孔13は円弧状の弧状孔となっている。
上部孔12のボルトを軸として、下部孔13の円弧状の孔の位置を変更することで、器具の照射方向を変更することができる。
【0182】
照射方向の変更幅はアーム10の下部孔13の円弧状の孔形状により決定されるが、角度をつけた場合、アーム10に対し、器具に搭載しているケース部123、又は、天板部113に干渉する恐れがあるため、ある程度の角度までとすることが一般的である(概ね30度程度)。90度程度角度を調整可能とする場合は、アーム10を長くすることで対応が可能であるが、天井取付面から器具重心位置が遠くなり、強度面で不利になるため、アーム10の強度を相対的に上げる必要が出てくる。
【0183】
一方、照明器具1の設置環境は基本的に天井に取り付けることが一般的であるが、天井が高い場合等においては、壁面に器具を設置し、照明器具の角度を調整して照射する場合がある。
【0184】
その場合において、
図11に示す器具取付金具200を用いることで一般的なアーム10(角度調整が±30度程度)においても容易に壁面に取り付けることが可能となる。
本実施の形態における器具取付金具200は、壁面に固定される壁面固定部となる金具脚部220と、壁面に対し所定の角度を設けた器具取付部210を有しており、器具取付部210は重力方向に沿って器具固定穴211を設けている。
器具固定穴211は、重力方向に向かって横方向の径が小さくなっている。
【0185】
作業者は、アーム10の取付穴11にボルト291とナット292をゆるく留めて器具固定穴211の幅広の上部にボルト291を下から上に挿入後、器具固定穴211の幅狭の下部にボルト291をスライドさせる。この状態で、ボルト291が、器具の自重で器具固定穴211に仮掛け状態となるため、作業者は両手で器具の設置作業が可能となり、片手でボルト291を押さえながら器具の設置作業をする必要性がなく、施工性が向上する。
【0186】
また、照明器具1のアーム10を別部品に交換することなくそのまま利用するため、照射方向調整機能を有する器具を使用することで、照射方向の調整も容易となる。
また、
図11の(a)の器具取付金具200の金具脚部220は、壁面取付部と壁面取付部と直交する側面部222を有しており、側面部222は側面視で器具取付部210の器具固定穴211と重ならないように配設されている。これにより、器具取付時に、ボルト291を器具取付金具200に設置する際に側面からの作業が可能となる。
【0187】
また、
図11の(a)の器具取付金具200の側面部222の器具取付部210側の辺は、曲線部223であり、側面視で器具取付部210に対し、作業用の隙間250を設けている。曲線部223は側面視で器具取付部210に対し、10mm以上離れている。
図11の(b)の器具取付金具200の側面部222は、直線部224で器具取付部210と繋がっている。器具取付部210の左右両端の辺の長さと側面部222の直線部224の長さは同じである。側面部222は直線部224に沿って横長の矩形の窓225を有する。窓225により、側面視で器具取付部210に対し、作業用の隙間250を設けている。窓225は側面視で器具取付部210に対し10mm以上の隙間250を提供し
ている。
【0188】
隙間250が存在することにより、器具取付部210に対し、ボルト291とナット292で器具を固定する際に工具を器具取付金具200の側面部222から器具取付部210背面側(器具取付面と逆側)に挿入可能とし、容易に施工が可能となるものである。
【0189】
図11に記載のように、器具取付部210には、取付ボルト291を通す器具固定穴211のみ形成しているが、軽量化のために、肉盗みの穴を設けてもよい。
図11に記載のように、器具取付部210には、溶接個所及び固定箇所はなく、1枚の板金を折り曲げた一体型部品として製造することができる。
図11の(a)の器具取付金具200の金具腹部230は、曲線部223が大きく後退している場合、なくてもよく、金具腰部240に器具取付部210を直接繋げてもよい。
図11の(b)の器具取付金具200は、金具腹部230と金具腰部240を備えていないので、
図11の(a)の器具取付金具200より、軽量であり、さらに、折り曲げ回数が少なく製造が容易である。
また、
図11の(b)の器具取付金具200は、器具取付部210の左右の辺が窓225を除き全長で側面部222の直線部224に繋がっているので、堅固な構造であり、器具取付部210の傾斜角度が照明器具の重みで変化する可能性が少ない。
【0190】
また、
図12の本実施の形態においては、アーム10を器具取付部210の下側に固定しているが、アーム10を器具取付部210の上側に固定してもよい。この場合は、隙間250を経由して、ボルト291とナット292が取り付けられていないアーム10を器具取付金具200の器具取付部210の上側に載せた上で、ボルト291とナット292をアーム10の取付穴11と器具固定穴211とに通し、ナット292を締めこんで下側から固定する。アーム10を器具取付部210の上側に固定する場合は、ボルト291をアーム10の取付穴11に挿入する前に器具を器具取付金具200に引っ掛けることが可能となるため、さらに施工が容易となる。
【0191】
図12の(b)に示すように、器具取付金具200は、垂直の壁ではなく、水平の天井面等の被取付部900に取り付けることができる。
図12の(b)に示す器具取付金具200は、
図11の器具固定穴211とは逆に金具腹部230の近い方の横方向の径を小さくして、器具固定穴211は、重力方向に向かって横方向の径が小さくする。
【0192】
図12の(c)に示すように、器具取付金具200は、垂直の壁ではなく、傾斜のある壁面等の被取付部900に取り付けることができる。
【0193】
●
図21
(カバーパッキン162)
カバーパッキン162は、カバー鍔部1612に配置され、カバー鍔部1612とベース部111に挟まれている。
図21に示すように、カバー鍔部1612は、鍔水平部16121と鍔帯部16122とを有する。
【0194】
鍔水平部16121は、主カバー1611の側面と直交し、主カバー1611の下面と平行な矩形のリング部分である。
鍔帯部16122は、鍔水平部16121と直交し、鍔水平部16121の周囲にあり、主カバー1611の側面と平行な環状の帯部分である。
カバー鍔部1612は、鍔水平部16121と鍔帯部16122との内側に、内凸部1613と複数の凸部1614と複数の凹部1615を有する。
【0195】
内凸部1613は、主カバー1611の側面の内面よりも内側に突出している。
内凸部1613は、各辺に2個あり、合計8個ある。
内凸部1613は、L字形状であり、カバー鍔部1612の内面から主カバー1611の側面の内面に沿って突出したL字形状の突出部である。
内凸部1613は、L字形状の角の上部に段差部1616を有する。
合計8個の段差部1616には、外形が円形の光源部150が段差部1616の直交壁で位置決めされて取りつけられる。
【0196】
カバーパッキン162の外形は、鍔帯部16122の外形と同じである。
カバーパッキン162の外周は、鍔帯部16122の上端面とベース部111により加圧されて、薄く変形し、カバーパッキン162の厚さは所定の厚さ(所定のつぶし量)となる。
カバーパッキン162は、下面に、複数の凹部1622と、複数の凸部1623と、1つの環状凸部1624を有する。
【0197】
環状凸部1624は、カバーパッキン162の下面を1周したレール状突起である。
環状凸部1624は、鍔水平部16121とベース部111により加圧されて変形し止水効果が向上する。環状凸部1624は1つ以上あればよい。
【0198】
カバーパッキン162の凹部1622は、カバー鍔部1612の凸部1614を嵌めこんで密着する。
カバーパッキン162の凸部1623は、カバー鍔部1612の凹部1615を嵌めこまれ密着する。
カバーパッキン162は、亀頭状に内側に突出した蓋部1621を有する。
カバーパッキン162の蓋部1621は、カバー鍔部1612の内凸部1613を覆うように密着する。
【0199】
蓋部1621は、内凸部1613の段差部1616に対応した直交壁を有する段差部1629を有する。
蓋部1621の段差部1629は、水平壁1627と円弧壁1628と有する。
水平壁1627は、光源部150の外縁の下面と当接する平らな面である。
円弧壁1628は、光源部150の外周面と当接する弧状の面である。
8個の円弧壁1628は、光源部150の外周半径と同じ半径の面である。
蓋部1621が、光源部150とカバー部160との間に存在することにより、クッションの機能を提供することができ、光源部150を衝撃から保護することができる。
【0200】
カバーパッキン162は、上面に、2本の環状凸部1625を有する。
環状凸部1625は、カバーパッキン162の上面を1周したレール状突起である。
2本の環状凸部1625とも、ネジ穴1626の内側に形成されている。
環状凸部1625は、鍔水平部16121とベース部111により加圧されて変形し止水効果が向上する。環状凸部は1つ以上あればよい。
【0201】
なお、カバーパッキン162の外形を鍔帯部16122の内形と同じにして、カバーパッキン162を鍔帯部16122の内側に隠してもよい。カバーパッキン162を鍔帯部16122では加圧されないが、鍔水平部16121とベース部111により加圧されて変形する。
【0202】
実施の形態2.
図22から
図27を参照しながら、実施の形態2に係る照明器具1の構成ついて説明する。
以下、実施の形態1と異なる点について説明する。
【0203】
●
図22、
図23及び
図24
(照明器具1の構成)
図22、
図23及び
図24に示すように、連結部130の連結主部131が実施の形態1の柱部1312のみから構成されている。
柱部1312の上下には、天板側突設部132、ベース側突設部133が形成されている。
柱部1312の下部には、中央押え部1313が形成されている。
天板側突設部132、ベース側突設部133、中央押え部1313の構成は、実施の形態1の構成と同じである。
【0204】
ベース部111は、放熱シート171を位置決めする2本のピン1115を有する。
天板部113は、天板側突設部132に対向して凹面部1138を有する。
凹面部1138は、天板部113の上面より下に窪んでおり、天板側突設部132と同形状の平面部分である。
凹面部1138は、天板部113の上面より下に窪んでいることにより、天板部113の変形に対する耐性が向上する。
【0205】
図24に示すように、ベース部111には、絶縁シート172、放熱シート171、光源基板151、レンズ部152の順に配置される。
照明器具1は、補強部140を有さず、ベース部111は、ベース部111からL字に曲げられた曲げ部1111により補強される。
【0206】
●
図25と
図26
(ベース部111の曲げ部1111)
図25と
図26に示すように、ベース部111は、各辺に曲げ部1111を有する。
ベース部111の1対の対向する各辺の直線部分に1本の曲げ部1111が配置される。
ベース部111の別の1対の対向する各辺の直線部分に2本の曲げ部1111が配置される。2本の曲げ部1111の間には、連結部130を取り付ける取付空間1114がある。
【0207】
連結部130の幅と取付空間1114の幅とは同じ幅であり、連結部130のベース側突設部133が取付空間1114を通りベース部111の下面に固定される。
曲げ部1111の高さは、カバー鍔部1612の厚さと同じ又はカバー鍔部1612の厚さ以下である。
【0208】
図示しないが、天板部113の曲げ部1131も、
図25と
図26のベース部111の曲げ部1111と同様の構成にしてもよい。
【0209】
●
図26と
図27
(放熱シート171と絶縁シート172)
図26と
図27に示すように、光源基板151は、8角形又は略8角形をしている。
放熱シート171は、光源基板151よりも大きい8角形又は略8角形をしている。
放熱シート171は、2辺に貫通孔を有する舌部1711を有する。
放熱シート171は、ベース部111のピン1115を舌部1711の貫通孔に通すことにより位置決めされる。
放熱シート171は、外周に、図示していない通線穴176を有する。
通線穴176は、基板穴153と同じ形状であり、通線用パッキン116を挿入し、配
線1221を通す穴である。
【0210】
絶縁シート172は、リング形状をしている。
絶縁シート172は、環状部173と返し部174とを有する。
【0211】
環状部173は、リング状の平シートであり、破線で示す環状部173の内形は放熱シート171よりも小さい8角形又は略8角形であり、環状部173の外形は放熱シート171よりも大きい8角形又は略8角形をしている。
環状部173は、ベース部111のピン1115を通す2個のピン穴177を有する。
【0212】
返し部174は、8個の辺の一つ置きの辺に配置されている。
返し部174は、絶縁シート172の環状部173の端部から180度コ字に折り返されている。
返し部174は、放熱シート171を挟みながら光源基板151の外縁に折り重なり、放熱シート171の側端面と光源基板151の外周端部を覆うものである。
【0213】
返し部174は、十字方向の4カ所にあるが、絶縁シート172は、柔軟性があるので、環状部173を湾曲させながら、返し部174を光源基板151の外縁に折り重なるように取り付けることができる。
【0214】
絶縁シート172は、内周に通線部175を有する。
通線部175は、環状部173の内辺の中央から中心に向かって形成された台形片である。
通線部175は、中央に、基板穴153と同じ形状の通線穴176を有する。
通線穴176は、通線用パッキン116を嵌めこみ、配線1221を通す穴である。
図27の(e)のように、径の関係を以下のようにしたものである。
絶縁シート172の内径<光源基板151の外径<放熱シート171の外径<絶縁シート172の外径<ベース部111の外径
【0215】
この実施の形態では、絶縁シート172の使用量を増加させることなく、絶縁性が向上する。
さらに、返し部174で覆うことにより、絶縁距離が増加し、絶縁性が向上する。
返し部174は、1辺以上あればよく、8辺全部にあってもよい。
【0216】
●
図28
(ベース部111の曲げ部1111の変形例)
図28に示すように、2本の曲げ部1111の間の取付空間1114に曲げ部1113を形成してもよい。
曲げ部1113は、ベース部111の端部を180度U字に曲げたものである。
曲げ部1113は、中央に、ベース部111と同様のネジ穴1118を有し、ベース側突設部133を固定する。
図示しないが、一部又は全部の曲げ部1111を曲げ部1113と同じように180度U字に曲げてもよい。
図示しないが、天板部113にも、
図28のベース部111の曲げ部1113と同様の曲げ部を設けてもよい。
●
図29
(配線貫通部119)
図29に、配線貫通部119を示す。
配線貫通部119は、凸状部114と通線用パッキン116とを有している。
凸状部114は、ベース部111から光源基板151を設置する方向と逆方向に盛り上
がった箱型をしている。
凸状部114は、ベース部111の裏面と光源基板151との間に空間1141を提供する。
凸状部114は、矩形の上面の中央に円形の貫通穴115を有する。
貫通穴115は、通線用パッキン116を嵌めこむ穴である。
通線用パッキン116は、上下中央の外周部に環状溝1161を有する。
環状溝1161は、貫通穴115に嵌めこまれる環状の凹部である。
通線用パッキン116の環状溝1161より上の上部は、凸状部114の上に露出する。
通線用パッキン116の環状溝1161より下の下部は、空間1141に収納される。
【0217】
通線用パッキン116は、配線1221の本数と同じ数の配線穴117を有しており、配線穴117は、各々1本の配線のみを通している。
また、配線穴117の内部には凹凸が設けられており、水及び湿気の浸入を防ぐ。
【0218】
通線用パッキン116は、突出部118を有している。
突出部118は、ベース部111よりも光源基板151がある側に突出している部分である。
突出部118の水平方向の断面形状は、基板穴153と同一形状又は基板穴153より小さい形状である。
突出部118は、シート170(放熱シート171と絶縁シート172)の通線穴176と光源基板151の基板穴153に挿入される。
【0219】
光源基板151に対し、突出部118を光源基板151の厚みより厚く構成することで、光源基板151の基板穴153のエッジに配線1221が触れることがない。
【0220】
このように、ベース部111に凸状部114を設け、凸状部114の裏側に空間1141を形成することにより、ベース部111に通線用パッキン116を配置することができ、光源基板151の基板外径を大きくすることなく、配線1221を通すことができる。
【0221】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0222】
1 照明器具、10 アーム、11 取付穴、12 上部孔、13 下部孔、100 光源ユニット、110 ヒートシンク、111 ベース部、1111 曲げ部、1112
光源固定部、1113 曲げ部、1114 取付空間、1115 ピン、1118,1119 ネジ穴、112 フィン部、1121 切欠き、113 天板部、1131 曲げ部、1132 フィン固定部、1138 凹面部、1139 ネジ穴、114 凸状部、1141 空間、115 貫通穴、116 通線用パッキン、1161 環状溝、117 配線穴、118 突出部、119 配線貫通部、120 電源ユニット、121 点灯回路部、122 ハーネス、1221 配線、1222 電源基板、123 ケース部、1231 ケース本体、12311 主ケース部、12312 段部、12313 ケース鍔部、12314 水平リング部、12315 垂直帯部、1232 ケースパッキン、12321 環状凸部、12322 環状山部、1233 ブッシュ、129 ケース固定具、130 連結部、131 連結主部、1311 連結開口、1312 柱部、13121 連結穴、1313 中央押え部、1314 枠側部、1315 枠下部、1
316 枠上部、13131 保持穴部、132 天板側突設部、133 ベース側突設部、134 側方突設部、1341 側方押え部、13411 押え切欠き部、137 天板固定具、138 穴部、139 固定部、140 補強部、141 穴筒部、142
補強穴部、143 傾斜部、147 上板、1471 上へこみ部、1472 切り込み部、148 背板、149 下板、1481 下へこみ部、150 光源部、151 光源基板、152 レンズ部、153 基板穴、154 基板切欠き部、160 カバー部、1601 本体部、1602、1603 フィルム、161 カバー、1611 主カバー、1612 カバー鍔部、1613 内凸部、1614 凸部、1615 凹部、1616 段差部、16121 鍔水平部、16122 鍔帯部、162 カバーパッキン、1621 蓋部、1622 凹部、1623 凸部、1624 環状凸部、1625
環状凸部、1626 ネジ穴、1627 水平壁、1628 円弧壁、1629 段差部、169 カバー固定具、170 シート、171 放熱シート、1711 舌部、172 絶縁シート、173 環状部、174 返し部、175 通線部、176 通線穴、177 ピン穴、200 器具取付金具、210 器具取付部、211 器具固定穴、220 金具脚部、221 壁面取付部、222 側面部、223 曲線部、224 直線部、225 窓、230 金具腹部、240 金具腰部、241 電線穴、250 隙間、291 ボルト、292 ナット、900 被取付部、901 金具固定具。