(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】電子機器内の複数コンポーネント視覚システムのためのブラケットアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20230616BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20230616BHJP
H04N 23/45 20230101ALI20230616BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20230616BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20230616BHJP
H05K 7/12 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
G06F1/16 312Z
G06F1/16 312G
H04M1/02 C
H04N23/45
H04N23/50
H04N23/56
H05K7/12 M
(21)【出願番号】P 2020505824
(86)(22)【出願日】2018-07-02
(86)【国際出願番号】 US2018040648
(87)【国際公開番号】W WO2019032225
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2020-02-03
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレッチャー, アシュリー, イー.
(72)【発明者】
【氏名】パクラ, デイヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】ジャーヴィス, ダニエル ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】コール, ジャレド, エム.
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106603765(CN,A)
【文献】国際公開第2017/112939(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0294237(US,A1)
【文献】特開2004-032271(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02555526(EP,A1)
【文献】特開2010-130101(JP,A)
【文献】特開2014-131088(JP,A)
【文献】特開2012-220942(JP,A)
【文献】特開2006-091177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16
H04M1/02
H05K5/00-5/06;7/12
H04N23/40-23/76
G03B35/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁及び側壁であって、前記側壁は前記底壁と協働して空洞を画定し、前記側壁が、前記空洞内に通じる開口部を画定する縁部を有する、底壁及び側壁と、
前記開口部を覆い、前記空洞を囲み込む保護層と、
前記空洞内において前記保護層と前記底壁との間に位置し、前記保護層の外部にある物体の深度マップを提供するように動作可能な視覚サブシステムと、
を備える携帯電子機器であって、前記視覚サブシステムは、
前記深度マップを作成するために使用される情報を提供するために協働する複数の光学コンポーネントを保持するように配置されたブラケットアセンブリを含み、前記ブラケットアセンブリは、
前記複数の光学コンポーネントを互いに一定の距離に保持し維持するように配置された第1のブラケットと、
前記第1のブラケットに固定された本体を有する第2のブラケットであって、前記第2のブラケットが、前記本体から離れるように延びる突出部を有する、第2のブラケットと、
を含み、
前記突出部が前記底壁に係合することで、前記ブラケットアセンブリが前記保護層に向かって付勢される、
携帯電子機器。
【請求項2】
前記底壁又は前記側壁の形状の変化が、前記複数の光学コンポーネントの間の前記一定の距離に影響を及ぼすことを前記ブラケットアセンブリが防止する、請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記複数の光学コンポーネントは、
前記物体の画像をキャプチャするように配置された第1のカメラモジュールと、
前記保護層を通過して前記物体に向かう光パターンを投影するように配置された発光モジュールと、
前記物体から前記保護層に向けて反射された前記光パターンの一部を受け取るように配置された第2のカメラと、
を含む、請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記発光モジュールから分離した発光器と、
周辺光センサであって、前記保護層に入射する光強度を前記周辺光センサが検出でき、前記周辺光センサによって判定された前記光強度に基づいて発光器が作動する、周辺光センサと、
オーディオモジュールと、
マイクロフォンと、
を更に備える、請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記底壁及び前記側壁が異なる材料から形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記保護層の内部表面に固定された位置調整モジュールを更に備え、前記位置調整モジュールは、対応する光学コンポーネントに関連付けられ位置調整された位置調整構造を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記保護層が、前記保護層の外部の視点からは前記視覚サブシステムの見え方を不明瞭にする不透明マスク領域を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記不透明マスク領域が、前記保護層の外部の視点からは前記視覚サブシステムの見え方を不明瞭にする、請求項7に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
内容積を画定しているエンクロージャと、
前記内容積内に位置付けられた視覚サブシステムであって、前記視覚サブシステムが、前記エンクロージャの外部にある物体の物体認識を提供し、前記視覚サブシステムが、カメラモジュール及び発光モジュールを含む、視覚サブシステムと、
前記視覚サブシステムを保持するブラケットアセンブリであって、前記ブラケットアセンブリが、前記エンクロージャに固定されない、ブラケットアセンブリと、を備え、前記ブラケットアセンブリが、前記カメラモジュールと前記発光モジュールとの間の所定の距離を維持
し、
前記ブラケットアセンブリは、
前記カメラモジュールを受容する開口部を有する第1のブラケットと、
前記第1のブラケットに固定されたモジュールキャリアであって、前記発光モジュールが、前記モジュールキャリアによって保持される、モジュールキャリアと、
前記第1のブラケットに固定された第2のブラケットであって、前記第2のブラケットは、前記エンクロージャと係合して前記ブラケットアセンブリを支持する、第1のバネ要素及び第2のバネ要素を含む、第2のブラケットと、を含む、
電子機器。
【請求項10】
前記エンクロージャが、ガラス壁と、前記ガラス壁上に配置された金属層とを含み、前記金属層が前記カメラモジュールための電気的接地を提供するように、前記第1のバネ要素及び前記第2のバネ要素が前記金属層に係合する、請求項
9に記載の電子機器。
【請求項11】
プロセッサを更に備え、
前記カメラモジュールは、前記物体の画像をキャプチャする第1のカメラモジュールを画定し、
前記発光モジュールは、赤外光を使用して、前記物体上にドットパターンを投影し、
前記視覚サブシステムは、前記物体上に投影され前記物体から反射された前記ドットパターンの少なくとも一部をキャプチャして、キャプチャされた部分を画定する第2のカメラモジュールを更に含み、前記プロセッサは、前記画像及び前記キャプチャされた部分を使用して前記物体認識を提供する、請求項
9に記載の電子機器。
【請求項12】
前記第1のブラケットは、前記第2のカメラモジュールを受容する第2の開口部を含み、前記ブラケットアセンブリは、i)前記第1のカメラモジュールと前記第2のカメラモジュールとの間及び、ii)前記発光モジュールと前記第2のカメラモジュールとの間の全体の所定の距離を維持する、請求項
11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記第1のブラケットにわたって延びる支持部材を更に備え、前記支持部材は、前記カメラモジュールと前記第2のカメラモジュールの間の前記所定の距離を維持するために、前記第1のブラケットの回転運動を防止する、請求項
11に記載の電子機器。
【請求項14】
透明カバーと、
内容積内に配置され、顔認識のための複数の動作コンポーネントを含む視覚システムを保持するブラケットアセンブリであって、前記ブラケットアセンブリが、第1のブラケット及び前記第1のブラケットに固定される第2のブラケットを含む、ブラケットアセンブリと、を備え、前記ブラケットアセンブリが、前記複数の動作コンポーネントの間の所定の距離を維持し、前記ブラケットアセンブリの移動が、前記所定の距離を維持しつつ、前記複数の動作コンポーネントの対応する移動を引き起こし、
内容積を画定する底壁を含むエンクロージャを備え、
前記第2のブラケットは、前記ブラケットアセンブリを前記エンクロージャから離れて前記透明カバーに向かって付勢し、前記ブラケットアセンブリを前記内容積に固定するバネ要素を含む、
電子機器。
【請求項15】
前記第1のブラケットは、
前記視覚システムの第1の動作コンポーネントを受容する第1の開口部を含む第1のセクションと、
前記視覚システムの第2の動作コンポーネントを受容する第2の開口部を含む第2のセクションであって、前記第2の動作コンポーネントは、前記所定の距離だけ前記第1の動作コンポーネントから離間されている、第2のセクションと、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間にあり、前記第1のセクション及び前記第2のセクションに対して凹んでいる、第3のセクションと、
前記第1のブラケットに固定されると共に前記第1のブラケットにわたって延びて、前記第1のセクション及び前記第2のセクションの内の少なくとも1つが前記第3のセクションに対して曲がるのを防ぐ支持要素と、
を含む、請求項
14に記載の電子機器。
【請求項16】
前記ブラケットアセンブリは、前記第2のセクションで前記第1のブラケットに固定されたモジュールキャリアを更に含み、前記モジュールキャリアは、前記視覚システムの第3の動作コンポーネントを保持し、前記第3の動作コンポーネントは、前記所定の距離とは異なる距離だけ前記第1の動作コンポーネントから離間されている、請求項
15に記載の電子機器。
【請求項17】
前記第1のセクションと前記第3のセクションとの間に位置する第1の傾斜セクションであって、前記第1の傾斜セクションは、前記第3のセクションに対する前記第1のセクションの回転運動を防止する、第1の傾斜セクションと、
前記第2のセクションと前記第3のセクションとの間に位置する第2の傾斜セクションであって、前記第2のセクションは、前記第3のセクションに対する前記第2のセクションの回転運動を防止する、第2の傾斜セクションと、
を更に備える、請求項
15に記載の電子機器。
【請求項18】
前記第2のブラケットが、
第1のバネ要素と、
第2のバネ要素と、を含み、前記第1のバネ要素及び前記第2のバネ要素が、前記ブラケットアセンブリを前記透明カバーに向かって付勢し、前記ブラケットアセンブリを前記内容積に固定する、請求項
14から
17のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項19】
前記底壁上に位置し、前記第1のバネ要素及び前記第2のバネ要素と係合した金属層を更に備え、前記ブラケットアセンブリ及び前記金属層が、前記複数の動作コンポーネントのための電気接地経路を提供する、請求項
18に記載の電子機器。
【請求項20】
底壁及び側壁であって、前記側壁は前記底壁と協働して空洞を画定し、前記側壁が、前記空洞内に通じる開口部を画定する、底壁及び側壁と、
前記開口部を覆い、前記空洞を囲み込む光学的に透明な保護層と、
前記光学的に透明な保護層の前方に位置する物体の画像特性を提供するように動作可能な視覚サブシステムと、を備え、
前記視覚サブシステムは、
前記光学的に透明な保護層の内面に面する第1の側面で、互いから一定の距離に位置する複数の光学コンポーネントを保持するように配置されたブラケットであって、前記複数の光学コンポーネントの一部が協働して前記画像特性を生成するために使用される情報を提供する、ブラケットと、
(i)前記光学的に透明な保護層の前記内面に背を向ける前記ブラケットの第2の側面と係合し、(ii)前記底壁の内面に係合する、付勢要素と、を含み、前記付勢要素は、前記ブラケットが少なくとも前記側壁に対して前記空洞内で自由に動くよう、前記ブラケットを前記底壁の前記内面から離し前記光学的に透明な保護層の前記内面に向かって付勢する、
携帯電子機器。
【請求項21】
前記複数の光学コンポーネントは、
前記物体から反射して前記光学的に透明な保護層に向かう光パターンの一部を受け取ることができる第1の光学コンポーネントと、
前記物体に関連付けられた画像をキャプチャすることができる第2の光学コンポーネントと、
前記物体に向けて投影される前記光パターンを生成することができる第3の光学コンポーネントと、
を含む、請求項
20に記載の携帯電子機器。
【請求項22】
前記ブラケットは、
前記第1の光学コンポーネントを保持する第1のセクションと、
前記第2の光学コンポーネントを保持する第2のセクションであって、前記第2の光学コンポーネントは、前記第1の光学コンポーネントから第1の一定の距離離れて位置する、第2のセクションと、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間に位置し、前記第1のセクション及び前記第2のセクションに対して凹んでいる、第3のセクションと、
前記第1のセクション、前記第2のセクション、及び前記第3のセクションに固定され、前記第1のセクション、前記第2のセクション、及び前記第3のセクションにわたって延びる補強材要素であって、前記補強材要素は、前記第1のセクション及び前記第2のセクションの内の少なくとも1つが前記第3のセクションに対して曲がるのを防ぐ、補強材要素と、
を更に含む、請求項
21に記載の携帯電子機器。
【請求項23】
前記ブラケットが、前記第2のセクションで前記ブラケットに固定されたモジュールキャリアを更に備え、前記モジュールキャリアは、前記第1の光学コンポーネントから第2の一定の距離離れて位置する前記第3の光学コンポーネントを保持する、請求項
22に記載の携帯電子機器。
【請求項24】
前記第1の光学コンポーネント及び前記第3の光学コンポーネントが協働して、前記第2の光学コンポーネントによってキャプチャされた前記画像に重ね合わせる深度マップを含む前記画像特性を生成するために使用される情報を提供する、請求項
21に記載の携帯電子機器。
【請求項25】
前記光学的に透明な保護層が、マスク領域を含み、前記マスク領域は、
可視光の透過を概ね防止する色を有するインク層と、
(i)可視光を選択的に遮断し、赤外光の通過を可能にし、(ii)前記インク層の前記色と調和する色を有する、フィルムを含む第1の開口部と、
少なくとも可視光の通過に好適な第2の開口部と、
を含む、請求項
24に記載の携帯電子機器。
【請求項26】
前記光学的に透明な保護層の前記内面に固定された位置調整モジュールを更に備え、前記位置調整モジュールは、第1の位置調整構造体及び第2の位置調整構造体を含む、
請求項
25に記載の携帯電子機器。
【請求項27】
前記付勢要素は、前記光学的に透明な保護層の前記内面に向かって前記ブラケットを付勢して、(i)前記第1の位置調整構造体に前記第1の光学コンポーネントを前記第1の開口部とに位置調整させ、(ii)前記第2の位置調整構造体に前記第2の光学コンポーネントを前記第2の開口部と位置調整させる、請求項
26に記載の携帯電子機器。
【請求項28】
前記底壁の少なくとも一部分が、電気的及び熱的伝導性を有し、前記付勢要素は、前記ブラケットとヒートシンク及び接地面の両方として作用する前記底壁との間に熱経路及び電気接地経路を提供するように、前記底壁に係合する熱的及び電気的伝導性を有する材料を含む、
請求項
20から
27のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項29】
高周波(RF)エネルギーを送受信することができるRFアンテナを更に備え、前記ブラケットが、前記RFアンテナと電気的に結合することができ、その結果、RF接地として機能することができる、請求項
20から
27のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項30】
エンクロージャと、
前記エンクロージャによって保持されるブラケットアセンブリであって、前記ブラケットアセンブリを前記エンクロージャから離すように付勢するバネ要素を含むブラケットアセンブリと、
前記ブラケットアセンブリによって保持された第1のカメラモジュールであって、前記第1のカメラモジュールが、物体の画像をキャプチャするように構成されている、第1のカメラモジュールと、
前記ブラケットアセンブリによって保持された発光モジュールであって、前記発光モジュールが、ドットパターンを前記物体上に投影する光を発するように構成されている、発光モジュールと、
前記ブラケットアセンブリによって保持された第2のカメラモジュールであって、前記第2のカメラモジュールが、前記物体上に投影された前記ドットパターンをキャプチャするように構成されている、第2のカメラモジュールと、を備え、前記物体の認識が、前記画像及び前記ドットパターンを受け取るプロセッサによって判定さ
れ、
前記ブラケットアセンブリは、前記発光モジュールを第1の距離だけ前記第2のカメラモジュールから離間し、前記ブラケットアセンブリは、前記発光モジュールを前記第1の距離とは異なる第2の距離だけ前記第1のカメラモジュールから離間し、
前記ブラケットアセンブリは、
第1のブラケットであって、
前記発光モジュールを受容する第1の開口部を含む第1のセクションと、
前記第1のカメラモジュールを受容する第2の開口部を含む第2のセクションと、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間にあり、前記第1のセクション及び前記第2のセクションに対して凹んでいる、第3のセクションと、
を含む、第1のブラケットと、
前記第1のブラケットに結合する第2のブラケットであって、前記第1のブラケットは、i)前記発光モジュール及び前記第1のカメラモジュールを保持し、ii)前記発光モジュールを前記第1の距離だけ前記第1のカメラモジュールから離間するために、前記第2のブラケットと結合する、第2のブラケットと、を含む、
携帯電子機器。
【請求項31】
前記第1のセクションと前記第3のセクションとの間に位置する第1の傾斜セクションであって、前記第1の傾斜セクションが、前記第3のセクションに対する前記第1のセクションの回転運動を防止する、第1の傾斜セクションと、
前記第2のセクションと前記第3のセクションとの間に位置する第2の傾斜セクションであって、前記第2の傾斜セクションが、前記第3のセクションに対する前記第2のセクションの回転運動を防止する、第2の傾斜セクションと、
を更に備える、請求項
30に記載の携帯電子機器。
【請求項32】
前記ブラケットアセンブリは、
前記第2のセクションで前記第1のブラケットに固定されたモジュールキャリアであって、前記発光モジュールが、前記モジュールキャリア内に位置している、モジュールキャリアと、
前記第1のブラケットにわたって延びる支持部材であって、前記支持部材が、前記第1のセクション及び前記第2のセクションの内の少なくとも1つの、前記第3のセクションに対する回転運動を防止する、支持部材と、
を更に含む、請求項
30に記載の携帯電子機器。
【請求項33】
前記第2のブラケットは、前記ブラケットアセンブリを支持する前記バネ要素を含み、前記第1のブラケット、前記第2のブラケット、前記バネ要素、及び前記第1のブラケットを用いて前記第1のカメラモジュールを固定する導電性接着剤は、前記第1のカメラモジュールのための電気接地経路の少なくとも一部を提供する、請求項
30に記載の携帯電子機器。
【請求項34】
前記ドットパターンが、
第1の距離だけ離間された第1の隣接するドットの1組と、
前記第1の距離とは異なる第2の距離だけ離間した第2の隣接するドットの1組であって、前記プロセッサが、前記第1の距離及び前記第2の距離に基づいて寸法に関する情報を判定する、第2の隣接するドットの1組と、
を含む、請求項
30から
33のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項35】
視覚システムを組み立てる方法であって、
ブラケットアセンブリに保持される第1のカメラモジュールを固定することであって、前記第1のカメラモジュールは、物体の画像をキャプチャするように構成されている、ことと、
前記ブラケットアセンブリに発光モジュールを固定することであって、前記物体上にドットパターンを投影する光を発する、ことと、
前記ブラケットアセンブリに第2のカメラモジュールを固定することであって、前記第2のカメラモジュールは、前記物体上に投影された前記ドットパターンをキャプチャするように構成されている、ことと、を含み、前記物体の認識は、前記画像及び前記ドットパターンを受け取るプロセッサによって判定され、
前記ブラケットアセンブリは、前記ブラケットアセンブリを位置へ付勢するバネ要素を含
み、
前記第1のカメラモジュール及び前記発光モジュールを固定することは、第1のブラケットと、前記第1のブラケットに結合された第2のブラケットとの間に前記第1のカメラモジュール及び前記発光モジュールを固定することを含み、前記第1のブラケットは、i)前記発光モジュール及び前記第1のカメラモジュールを保持し、ii)前記発光モジュールを前記第1のカメラモジュールから第1の距離だけ離間するために、前記第2のブラケットと結合し、前記ブラケットアセンブリは、前記発光モジュールを前記第1のカメラモジュールから前記第1の距離とは異なる第2の距離だけ離間し、
前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとの間に前記第1のカメラモジュール及び前記発光モジュールを固定することが、
前記発光モジュールを受容する第1の開口部を含む第1のセクションを形成することと、
前記第1のカメラモジュールを受容する第2の開口部を含む第2のセクションを形成することと、
前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間にあり、前記第1のセクション及び前記第2のセクションに対して凹んでいる、第3のセクションを形成することと、を含む、
方法。
【請求項36】
前記第1のセクションと前記第3のセクションとの間に位置する第1の傾斜セクションを形成することであって、前記第1の傾斜セクションが、前記第3のセクションに対する前記第1のセクションの回転運動を防止する、ことと、
前記第2のセクションと前記第3のセクションとの間に位置する第2の傾斜セクションを形成することであって、前記第2の傾斜セクションが、前記第3のセクションに対する前記第2のセクションの回転運動を防止する、ことと、
を更に含む、請求項
35に記載の方法。
【請求項37】
支持部材を前記第1のブラケットに固定することであって、前記支持部材が、前記第1のブラケットにわたって延び、前記支持部材が、前記第1のセクション及び前記第2のセクションの内の少なくとも1つの、前記第3のセクションに対する回転運動を防止する、請求項
35及び
36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記ブラケットアセンブリに保持された前記第2のカメラモジュールを固定することは、前記第1のブラケットに結合されたモジュールキャリア内に前記第2のカメラモジュールを固定することを含み、前記第1のカメラモジュールが、前記発光モジュールと前記第2のカメラモジュールとの間に位置する、請求項
35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の記載は電子デバイスに関する。具体的には、以下の記述は、視覚システムのカメラモジュールによってキャプチャされた画像の深度マップを作るために使用される視覚システムを保持するように設計されたブラケットアセンブリを含む電子機器に関し、深度マップは、画像の3次元対応物を表す。ブラケットアセンブリは、視覚システムの複数のモジュールを互いから所定の距離に維持する。視覚システムを電子機器内に適切に位置調整するために、電子機器は、位置調整モジュールを含む透明カバーを含む。組み立て中、電子機器の透明カバーとエンクロージャ(又は筐体)との間において、の組み立て中、位置調整モジュールは、ブラケットアセンブリによって保持されたモジュールの内の少なくとも1つと係合して、視覚システムをエンクロージャ内の所望の位置に従ってビジョンシステムを位置調整するように設計されている。
【背景技術】
【0002】
発射装置と受信装置のペアを使用して、寸法に関する情報を判定することができる。発射装置は、物体上に光を照射することができる。物体から反射された光は、受信装置に誘導され、受信装置によって収集される。場合によっては、発射装置-受信装置のペアは、ひとつの電子機器内に配置される。結果として、発射装置-受信装置のペアは、電子機器に加えられ、発射装置-受信装置のペアに伝達される外力にさらされ得る。発射装置-受信装置のペアが較正され、その後発射装置と発射装置との間の空間的な関係に依存する場合、コンポーネント(すなわち、受信装置又は発射装置)の内の1つのいかなる相対的なずれ又は移動も、発射装置-受信装置のペアの較正状態からの外れを引き起こし、そのために、発射装置-受信装置のペアが物体の寸法に関する情報を誤って判定する原因となる。その結果、電子機器が適切に機能しなくなる恐れがある。
【発明の概要】
【0003】
1つの態様では、携帯電子機器について説明される。携帯電子機器は、底壁、及び底壁と協働して空洞を画定する側壁を含むことができる。側壁は、空洞内に通じる開口部を画定する縁部を含んでもよい。携帯電子機器は、開口部を覆い、空洞を囲み込む保護層を更に含んでもよい。保護層は、底壁に面する内部表面を含んでもよい。携帯電子機器は、空洞内及び保護層と底壁との間に位置し、保護層の外部にある物体の深度マップを提供するように動作可能な視覚サブシステムを更に含んでもよい。視覚は、深度マップを作成するために使用される情報を提供するために協働する複数の光学コンポーネントを保持するように配置されたブラケットアセンブリを含んでもよい。ブラケットアセンブリは、複数の光学コンポーネントを互いに一定の距離に保持し維持するように配置された第1のブラケットを含んでもよい。ブラケットアセンブリは、第1のブラケットに固定された本体を有する第2のブラケットを更に含んでもよい。第2のブラケットは、本体から離れるように延びる突出部を含んでもよい。携帯電子機器は、内部表面に固定された位置調整モジュールを更に含んでもよい。位置調整モジュールは、対応する光学コンポーネントに関連付けられ位置調整された位置調整構造を含んでもよい。いくつかの実施形態では、突出部は、ブラケットアセンブリが位置調整モジュールに向かって付勢されるように、底壁に係合する。
【0004】
別の態様では、電子デバイスが記載される。電子機器は、内容積を画定するエンクロージャを含むことができる。電子機器は、内容積内に位置する視覚サブシステムを更に含んでもよい。視覚サブシステムは、エンクロージャの外部にある物体の物体認識を提供することができる。視覚サブシステムは、カメラモジュール及び発光モジュールを含んでもよい。電子機器は、視覚サブシステムを保持するブラケットアセンブリを更に含んでもよい。ブラケットアセンブリは、エンクロージャによって支持されており、エンクロージャに固定されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、ブラケットアセンブリは、カメラモジュールと発光モジュールとの間の所定の距離を維持する。
【0005】
別の態様では、電子デバイスが記載される。電子機器は、底壁、及び底壁と結合して内容積を画定する側壁コンポーネントを含むエンクロージャを含んでもよい。電子機器は、エンクロージャに固定された透明カバーを更に含んでもよい。電子機器は、内容積内に配置され、顔認識のための動作コンポーネントを含む視覚システムを保持するブラケットアセンブリを更に含んでもよい。ブラケットアセンブリは、第1のブラケット、及び第1のブラケットに固定される第2のブラケットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ブラケットアセンブリは、複数の動作コンポーネント間の所定の距離を維持する。また、いくつかの実施形態では、エンクロージャに対するブラケットアセンブリの移動は、複数の動作コンポーネントの対応する移動をもたらし、所定の距離が維持される。
【0006】
別の態様では、携帯電子機器について説明される。携帯電子機器は、底壁、及び底壁と協働して空洞を画定する側壁を含むことができる。側壁は、空洞内に通じる開口部を画定することができる。携帯電子機器は、開口部を覆い、空洞を囲み込む光学的に透明な保護層を更に含んでもよい。携帯電子機器は、光学的に透明な保護層の前方に位置する物体の画像特性を提供するように動作可能な視覚サブシステムを更に含んでもよい。視覚サブシステムは、光学的に透明な保護層の内面に面する第1の側面上で、互いから一定の距離に位置する複数の光学コンポーネントを保持するように配置されたブラケットを含んでもよい。光学コンポーネントの一部は、協働して、画像特性を生成するために使用される情報を提供することができる。視覚サブシステムは、(i)光学的に透明な保護層の内面に背を向けるブラケットの第2の側面と係合し、(ii)底壁の内面に係合する、付勢要素を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、付勢要素は、底壁の内面から離れ光学的に透明な保護層の内面に向かうようにブラケットを付勢し、そのため、複数の光学コンポーネント間の一定の距離が不変である一方で、ブラケットは少なくとも底壁及び側壁に対して空洞内で自由に動く。
【0007】
実施形態の他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図面及び「発明を実施するための形態」の精査により、当業者には明白であるか、又は明白となるであろう。すべてのそのような追加のシステム、方法、特徴及び利点は、この「発明を実施するための形態」及びこの「発明の概要」内に含まれ、実施形態の範囲内であり、添付の「特許請求の範囲」により保護されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
参照番号が同様の構造的要素を指定する、添付図面と共に以下の詳細な説明によって開示が容易に理解されよう。
【0009】
【
図1】いくつかの説明される実施形態による、視覚システム、及び視覚システムを保持するように設計されたブラケットアセンブリを含むシステムの一実施形態の正面等角投影図を示す。
【0010】
【
図2】
図1に示されているシステムの、ブラケットアセンブリの追加の特徴を示す、背面等角投影図を示す。
【0011】
【
図3】
図1及び
図2に示されているシステムの、ブラケットアセンブリ、モジュール、及び追加の特徴を示す分解図を示す。
【0012】
【
図4】第1のブラケットの、いくつかの説明される実施形態による、いくつかの構造コンポーネントから形成された第1のブラケットを示す、代替実施形態の分解図を示す。
【0013】
【
図5】第2のブラケットの、いくつかの説明される実施形態による、代替実施形態の背面図を示す。
【0014】
【
図6】ブラケットアセンブリ内に位置する視覚システムの、いくつかの説明される実施形態による、ブラケットアセンブリがモジュール間の空間的な関係を維持することを示す、一実施形態の平面図を示す。
【0015】
【
図7】発光モジュールの、いくつかの説明される実施形態による、一実施形態の等角投影図を示す。
【0016】
【
図8】
図7に示されている発光モジュールの、発光モジュールの追加の特徴を更に示す、側面図を示す。
【0017】
【
図9】位置調整モジュールの、いくつかの説明される実施形態による、一実施形態の等角投影図を示す。
【0018】
【
図10】
図9に示されている照明要素の、照明要素の追加の特徴を更に示す側面図を示す。
【0019】
【
図11】ブラケットアセンブリの上方に位置する位置調整モジュール、及びブラケットアセンブリ内に位置する視覚システムの、組立作業前の側面図を示す。
【0020】
【
図12】
図11に示されている位置調整モジュール、視覚システム、及びブラケットアセンブリの、いくつかの説明される実施形態による、位置調整モジュール並びにいくつかのモジュール及びコンポーネントを位置調整モジュールとの関連で更に示す、側面図を示す。
【0021】
【
図13】電子機器の、いくつかの説明される実施形態による、一実施形態の平面図を示す。
【0022】
【
図14】透明カバー、透明カバーに固定されたマスキング層、及び透明カバーに固定された材料のいくつかの層の、いくつかの説明される実施形態による位置を示す、
図13のA-A線に沿った断面図を示す。
【0023】
【
図15】
図13の、透明カバーの異なる位置、及びマスキング層の開口部に位置する材料を示すB-B線に沿った断面図を示す。
【0024】
【
図16】
図13のC-C線に沿った、電子機器のディスプレイアセンブリの様々な層を示す断面図を示す。
【0025】
【
図17】
図13に示されている電子機器の、透明カバー及びディスプレイアセンブリが取り除かれた状態の平面図を示す。
【0026】
【
図18】
図13に示されている透明カバーの、透明カバーに固定された位置調整モジュールを更に示す平面図を示す。
【0027】
【
図19】透明カバー及び透明カバーに固定された位置調整モジュールの、オーディオモジュール、マイクロフォン、及び照明要素を更に示す断面図を示す。
【0028】
【
図20】透明カバー、及び透明カバーに固定された位置調整モジュールの、透明カバーに固定するように修正されたオーディオモジュールを更に示す、代替実施形態の断面図を示す。
【0029】
【
図21】
図13に示されている電子機器を部分的に示す、いくつかの説明される実施形態による、透明カバーとエンクロージャとの間の組立作業を示す断面図を示す。
【0030】
【
図22】
図21に示されている電子機器の、透明カバーがエンクロージャに向かって降下している状態を更に示す断面図を示す。
【0031】
【
図23】
図22に示されている電子機器の、透明カバーがエンクロージャに固定された状態を示す断面図を示す。
【0032】
【
図24】
図21~
図23に示されている電子機器の、いくつかの説明される実施形態による、電子機器内のいくつかのコンポーネントの位置決めを示す代替断面図を示す。
【0033】
【
図25】光源によって生成されるドットパターンの、いくつかの説明される実施形態による平面図を示す。
【0034】
【
図26】ユーザの寸法に関する情報を判定するための視覚システムを使用する電子機器の、いくつかの説明される実施形態による側面図を示す。
【0035】
【
図27】ユーザに投影されたドットパターンの、ドットパターンのドットの互いに対する様々な空間的な関係を示す平面図を示す。
【0036】
【
図28】いくつかの説明される実施形態による、電子機器の概略図を示す。
【0037】
【
図29】ブラケットアセンブリによって保持された視覚システムを含む電子機器の、いくつかの説明される実施形態による代替実施形態の平面図を示す。
【0038】
【
図30】ブラケットアセンブリによって保持された視覚システムを含む電子機器の、いくつかの説明される実施形態による代替実施形態の平面図を示す。
【0039】
【
図31】いくつかの説明される実施形態による、物体の認識のための視覚システムを組み立てる方法を記述するフロー図を示す。
【0040】
当業者は、慣例に従い、以下において説明される図面の様々な特徴が必ずしも原寸に比例して描かれているわけではなく、図面の様々な特徴及び要素の寸法が、本明細書において説明されている本発明の実施形態をより明瞭に示すために拡大又は縮小されている場合があることを認識し、理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここで、添付図面に図示される代表的な実施形態が詳細に説明される。以下の説明は、これらの実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。反対に、以下の説明は、添付の「特許請求の範囲」により画定される記載された実施形態の趣旨及び範囲に含むことができるような、代替形態、修正形態及び均等物を包含することを意図している。
【0042】
以下の発明を実施するための形態では、記載の一部を成し、説明する実施形態に係る具体的な実施形態が例示として示される添付の図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が、説明される実施形態を実践することができるように、十分に詳細に説明されるが、これらの実施例は限定的なものでなく、それゆえ他の実施形態を使用することができ、説明される実施形態の精神又は範囲から逸脱することなく変更を行うことができる点が、理解されよう。
【0043】
以下の開示は、物体(単数)又は物体(複数)の認識の提供を支援するように設計された視覚システムを含む電子機器に関する。場合によっては、視覚システムは、電子機器のユーザの顔の顔認識を提供するように設計されている。視覚システムは、2次元画像を含み得る画像をキャプチャするように設計されたカメラモジュールを含んでもよい。視覚システムは、物体に向かっていくつかの光線を発するように設計された発光モジュールを更に含んでもよい。光線は、物体上にドットパターンを投影することができる。更に、発光モジュールは、赤外光(又はIR光)などの不可視光の周波数スペクトルの光を発することができる。視覚システムは、物体から反射された光線の少なくとも一部を受け取るように設計された追加のカメラモジュールを更に含んでもよく、その結果、光線が物体によって反射された後にドットパターンを受け取る。追加のカメラモジュールは、発光モジュールから発された光の周波数スペクトル内にない光をフィルタリングするように設計された光フィルタを含んでもよい。一例として、光フィルタは、IR光の周波数範囲外の光を遮断するように設計されたIR光フィルタを含んでもよい。追加のカメラモジュールは、ドットパターン(又はドットパターンの2次元画像)を電子機器内のプロセッサに提供してもよい。
【0044】
発光モジュールは、物体が(2次元の物体に類似した)平面の場合、投影されたドットパターンは、ドットが行状及び列状に等間隔で離間された「均一の」ドットパターンに類似する光線を発するように設計されている。しかしながら、物体が3次元物体(顔など)を含む場合、投影されたドットパターンは、いくつかの隣接したドット間の離間距離が他の隣接するドット間の離間距離と異なる、「非均一の」ドットパターンを含み得る。隣接するドット間の離間距離の差異は、発光モジュールにより近い(具体的には、電子機器により近い)物体の、他の構造的特徴との比較におけるいくつかの構造的特徴に対応する。例えば、物体の比較的近接した構造的特徴上に投影される隣接するドット同士の離間距離は、比較的遠く離れた物体の構造的特徴同士の離間距離より小さくてよい。物体の2次元画像に沿った隣接するドットの相対的な離間距離は、物体の3次元プロファイルが作成されるように、プロセッサが物体の第3の追加の寸法を判定するために使用され得る。その結果、視覚システムは、物体の3次元表現の提供を支援することができる。
【0045】
視覚システムは、ブラケットアセンブリを使用して電子機器内に設置されてもよい。ブラケットアセンブリは、1つ以上のブラケットサブアセンブリを含んでもよく、ブラケットサブアセンブリは、1つ以上のブラケットコンポーネントを含んでもよい。ブラケットアセンブリは、カメラモジュール及び発光モジュールがブラケットアセンブリ内に設置された後は、前述のモジュール間の一定の距離を維持するように設計されている。これは、電子機器が落下した場合など、外力が(視覚システム及びブラケットアセンブリを搭載する)電子機器に加えられる場合の例を含む。これが生じる場合、モジュールやブラケットアセンブリが、電子機器の他のコンポーネントに対してずれることがある。しかしながら、ブラケットアセンブリは、互いに対するモジュールの相対的な移動を防止又は実質的に制限するように設計されている。モジュールが設置され、モジュールの相対的な移動が防止されるか又は実質的に制限される場合、モジュールは、再較正なしに前述の3次元物体認識を正確に提供し続けることができる。また、曲げを防止するための剛直性及び剛性を提供するために、ブラケットアセンブリは、互いに溶接及び/又は接着固定された複数のブラケットコンポーネントを含んでもよく、複数の曲がり及び傾斜セクションを含んでもよい。
【0046】
従来のプロセスに比べて組立プロセスを容易にするために、ブラケットアセンブリは、電子機器のエンクロージャ、又は筐体内への配置の後は、機械的に締結又は固定されなくてもよい(ただし、ブラケットアセンブリによって保持されたモジュールとエンクロージャ内に配置された構成要素(単数又は複数)との間に電気的接続を確立することができる)。ブラケットアセンブリを所望の方法でエンクロージャ内において整列させるために、電子機器は、透明なカバー(カバーガラスなど)に固定された位置調整モジュールを含むことができる。位置調整モジュールは、複数の開口部を含んでもよく、各開口部は、視覚システムのモジュールを受容するように設計されている。透明カバーがエンクロージャに組み付けられる間の組立作業中に、位置調整モジュールは、モジュールの内の少なくとも1つと係合するように設計されている。係合は、エンクロージャに対してブラケットアセンブリを調節する又は動かす力を、エンクロージャ内の所望の位置(又はエンクロージャによって画定される内容積内)に提供する。調節/移動は、(デカルト座標系の)1つ以上の次元の移動を含むことができる。従って、ブラケットアセンブリは、エンクロージャを動き回り、ブラケットアセンブリを予め固定又は予め締結することなしに位置調整モジュールよって位置調整される能力により、「自動位置調整ブラケットアセンブリ」と呼ばれることがある。
【0047】
外観を向上させるために、電子機器は、モジュール及びブラケットアセンブリを隠す又は少なくとも部分的に隠すように設計されたマスキング層を含むことができる。一例として、電子機器は、様々なインクの層を含む透明カバーを含んでもよい。透明カバーに適用されるいくつかのインク層は、モジュール及びブラケットアセンブリを概ね隠す不透明材料を含む一方、透明カバーに適用される他の層は、不透明材料の外観と(色に関して)一致する外観を備える。しかしながら、これらの他の層は、IR光又は可視光の形態で光が通過できるように設計されてもよい。これらの光許容層は、不透明材料の開口部に位置してもよい。その結果、画像をキャプチャするために使用されるカメラモジュールは、可視光を通過させるインク層によって覆われてもよく、その一方で、発光モジュール及び追加のカメラモジュールはそれぞれ、IR光を通過させるインク層によって覆われてもよい。
【0048】
位置調整モジュールは、位置調整モジュールの開口部を光許容層によって充填された不透明材料の開口部の一部に位置調整する方法で、透明カバーに接着することができる。透明カバーがエンクロージャに組み付けられるとき、モジュールは、位置調整モジュールの開口部の一部に位置調整される。ブラケットアセンブリの移動を制限又は防止するために、ブラケットアセンブリは、ブラケットアセンブリを支持する可撓性バネ要素を含んでもよい。バネ要素は、透明カバー及びエンクロージャからの圧縮力に応じて屈曲する又は曲がるように設計されている。これに応じて、バネ要素は、ブラケットアセンブリ(及びブラケットアセンブリによって保持されたモジュール)を、透明カバーに向かう方向に付勢する反力を提供することができ、それによってブラケットアセンブリと位置調整モジュールとの間の係合力を増加させることができる。増加した係合力は更に、ブラケットアセンブリを一定の位置に維持し、ブラケットアセンブリ(及びブラケットアセンブリによって保持されたモジュール)の望ましくない移動を防止することができる。更に、ブラケットアセンブリが金属から形成される場合、エンクロージャによって画定される内容積内の電気接地材料にバネ要素が係合し得るため、ブラケットアセンブリは、モジュールの電気的接地経路を提供することができる。例えば、エンクロージャは、バネ要素と接触する金属層を含んでもよい。電気接地を更に支援するために、モジュールは、導電性接着剤によってブラケットアセンブリに接着されてもよい。
【0049】
従来の組立プロセスでは、ブラケットアセンブリ及びそのコンポーネントを電子機器の筐体内に予め締結し、続いて透明カバーを筐体に取り付けることができる。従来の組立プロセスはまた、容器に仕分けられたブラケットアセンブリ及び透明カバーを含んでもよく、ひとつの容器は、いくつかの所定の(サイズの)範囲の内の1つに分類されるブラケットアセンブリを含み、別の容器は、所定の範囲のブラケットアセンブリと対をなすいくつかのサイズの内の1つに分類される(適用されたインク層を有する)透明カバーを含むことができる。しかしながら、本明細書に記述される電子機器は、電子機器と共に使用される特定のブラケットアセンブリ及びモジュールを予め決定することなしに、透明カバーに適用されるインク層を含む。これは、保持されるモジュールが、位置調整モジュールの支援を受けて、それぞれのインク層と適切に位置調整され得るからである。
【0050】
これら及び他の実施形態は、
図1~
図31を参照して以下に説明する。しかしながら、当業者であれば、これらの図に関して本明細書に与えられた発明を実施するための形態は説明の目的のためのものに過ぎず、限定するものとして解釈されるべきではないことを容易に理解するであろう。
【0051】
図1は、いくつかの説明される実施形態による、視覚システム110、又は視覚サブシステム、及び視覚システム110を保持するように設計されたブラケットアセンブリ140を含むシステム100の一実施形態の正面等角投影図を示す。図に示すように、視覚システム110は、いくつかの動作コンポーネント(光学コンポーネントを含む)を含むことができ、各動作コンポーネントは特定の機能を提供する。例えば、視覚システム110は、第1のカメラモジュール112、発光モジュール114、及び第2のカメラモジュール116を含むことができる。第1のカメラモジュール112、又は第1の動作コンポーネントは、物体(図示せず)の画像をキャプチャするように設計されている。発光モジュール114、又は第2の動作コンポーネントは、物体に向かう方向に複数の光線の形態で光を発するように設計されている。従って、発光モジュール114は、発光器と呼ばれることがある。いくつかの例では、発光モジュール114は、人間の目には見えない光を発する。例えば、発光モジュール114は、IR光を発してもよい。第2のカメラモジュール116、又は第3の動作コンポーネントは、光線が物体から反射された後に、発光モジュール114から発する光線の少なくとも一部を受光するように設計されている。従って、第2のカメラモジュール116は、受光器と呼ばれることがある。また、第2のカメラモジュール116は、発光モジュール114から発された光線の周波数範囲外の他の種類の光をフィルタリングし除去するように設計されたフィルタを含んでもよい。一例として、(第2のカメラモジュール116内又は第2のカメラモジュール116のレンズの上方に位置する)フィルタは、発光モジュール114から発されたIR光のみを第2のカメラモジュール116に入射させることができる。
【0052】
視覚システム110は、物体認識を支援するように設計されている。これに関して、視覚システム110は、第1のカメラモジュール112を使用して、物体の2次元画像を生成することができる。物体の様々な特徴間の空間的な関係を判定するために、発光モジュール114から発された光線は、物体(又は複数の物体)上にドットパターンを投影してもよい。発光モジュール114から発生した光が物体から反射されると、第2のカメラモジュール116は、反射光をキャプチャして、物体上に投影されたドットパターンの画像を作成する。投影されたドットパターンを使用して、物体の深度マップを形成することができ、深度マップは、物体の3次元対応物に相当する。画像上に投影された(第1のカメラモジュール112によって撮影された)画像と(第2のカメラモジュール116によって撮影された)ドットパターンとの組み合わせを使用して、物体の3次元プロファイルを作ることができる。これに関して、視覚システム110が電子機器(図示せず)内にあるとき、視覚システム110は、電子機器が電子機器のユーザの顔の顔認識を提供するよう支援することができる。このことは以下で更に説明される。
【0053】
ブラケットアセンブリ140は、第2のブラケット144に結合された第1のブラケット142を含んでもよい。結合は、溶接、接着、締結、又はクリッピング(clipping)などを含んでもよい。第1のブラケット142及び第2のブラケット144は、鋼又はアルミニウムなどの剛性材料を含んでもよい。しかしながら、プラスチック(成形プラスチックを含む)などの他の材料が可能である。視覚システム110が正確な物体認識を提供するために、モジュール間の空間若しくは距離は、一定、又は少なくとも実質的に一定であるべきである。換言すれば、残りのモジュールに対する視覚システム110のモジュールのいかなる相対的な移動も、防止又は実質的に制限されるべきである。ブラケットアセンブリ140は、モジュールを収容する剛性のシステムを提供し、また、残りのモジュールに対するいかなるモジュールの相対的な移動も防止するように設計されている。更に、視覚システム110及びブラケットアセンブリ140が電子機器内に位置すると、電子機器に加えられる外力(建造物に対する電子機器の落下など)は、視覚システム110及びブラケットアセンブリ140を電子機器内で移動又はずれさせる原因となり得る。しかしながら、ブラケットアセンブリ140のいかなる移動も、視覚システム110の各モジュールの等量の移動に対応させ、視覚システム110の複数モジュール同士の相対的な移動を防止することができる。更に、ブラケットアセンブリ140は、電子機器のエンクロージャに、ファスナー、接着剤、クリップ、又は他の柔軟性のない固定具型の構造体によって保持又は固定されない場合がある。このことは以下で更に説明される。
【0054】
視覚システム110の各モジュールは、モジュールを回路基板(図示せず)に電気的に結合して、視覚システム110が回路基板上に位置する1つ以上のプロセッサ回路(図示せず)と電気通信するように設計されたフレキシブル回路、又は可撓コネクタを含むことができる。例えば、第1のカメラモジュール112、発光モジュール114、及び第2のカメラモジュール116は、第1のフレキシブル回路122、第2のフレキシブル回路124、及び第3のフレキシブル回路126をそれぞれ含むことができ、フレキシブル回路、又は可撓コネクタのそれぞれは、それぞれのモジュールから、かつブラケットアセンブリ140の外に、延びる。また、図に示すように、第1のフレキシブル回路122が第2のフレキシブル回路124と重なり合うことで、フレキシブル回路を所望の方法で整列させることができる。
【0055】
図2は、
図1に示されているシステム100の、ブラケットアセンブリ140の追加の特徴を示す背面等角投影図を示す。図に示すように、第2のブラケット144は、第2のブラケット144の表面から延びる第1のバネ要素146及び第2のバネ要素148などのバネ要素を含んでもよい。ブラケットアセンブリ140が電子機器(図示せず)内に位置すると、バネ要素が電子機器のエンクロージャ(又はエンクロージャ内の他の何らかの構造的機構)と係合し、ブラケットアセンブリ140及びモジュールを支持することができる。更に、バネ要素は、ブラケットアセンブリ140をエンクロージャから離れる方向に付勢する付勢要素として作用してもよい。例えば、透明カバー(カバーガラスなど)がエンクロージャに固定されると、透明カバー及び/又はエンクロージャは、ブラケットアセンブリ140に圧縮力を加えることができ、第1のバネ要素146及び第2のバネ要素148を曲げる又は屈曲させることができる。しかしながら、第1のバネ要素146及び第2のバネ要素148は、ブラケットアセンブリ140を透明カバーに向かって、かつ位置調整モジュール(後述)に対して付勢する反力を提供するように設計されており、それによりブラケットアセンブリ140(及び視覚システム110)に固定する力を提供する。このことは以下で更に示される。また、場合によっては、第2のブラケット144を切削して第1のバネ要素146及び第2のバネ要素148を形成するために使用される切削動作は、第2のブラケット144が第1のバネ要素146及び第2のバネ要素148に対応する位置に貫通孔、又は開口部を含まないように、第2のブラケット144の一部分のみを切削することができる。その結果、第2のブラケット144は、第1のバネ要素146及び第2のバネ要素148に対応する位置にあるモジュールのための連続的で途切れのない支持層を維持する。
【0056】
モジュールを回路基板に電気的に結合するために、フレキシブル回路はコネクタを含むことができる。例えば、第1のフレキシブル回路122、第2のフレキシブル回路124、及び第3のフレキシブル回路126は、それぞれ、第1のコネクタ132、第2のコネクタ134、及び第3のコネクタ136を含むことができる。また、第2のブラケット144は、発光モジュール114(
図1に示す)に対応する位置に、貫通孔152、又は開口部を含んでもよい。これにより、ヒートシンク要素(図示せず)が貫通孔152を貫通し、発光モジュール114に熱的に結合することができ、発光モジュール114からの熱を放散させ、使用中の過熱を防止することができる。
【0057】
図1及び
図2は、ブラケットアセンブリ140によって保持された視覚システム110を有する完全に組み立てられたシステム100を示す。換言すれば、第1のブラケット142及び第2のブラケット144は、結合して、第1のカメラモジュール112、発光モジュール114、及び第2のカメラモジュール116を受容及び固定することができる。これに関して、前述のモジュールは、システム100の全体的な剛性を向上又は増大させることができる。例えば、モジュールは、第1のブラケット142及び/又は第2のブラケット144との係合も行う一方で、第1のブラケット142と第2のブラケット144との間の空間又は空隙を占有してもよい。従って、モジュールは、ブラケットアセンブリ140の望ましくないねじれ又は曲げを防止することができる。
【0058】
図3は、
図1及び
図2に示されているシステム100の、ブラケットアセンブリ140、モジュール、及び追加の特徴を示す分解図を示す。簡略化のために、フレキシブル回路がモジュールから取り除かれている。第1のブラケット142は、モジュールを一定の位置に保持及び維持するために、第2のブラケット144と結合するように設計されているが、第1のブラケット142は、モジュールを収容するための貫通孔を含むことができる。例えば、第1のブラケット142は、第1のカメラモジュール112の円筒を受容するように設計された貫通孔154を含むことができる。第1のブラケット142は、発光モジュール114の隆起部分を受容するように設計された貫通孔156を更に含むことができる。第1のブラケット142は、第2のカメラモジュール116の円筒を受容するように設計された貫通孔158を含むことができる。従って、前述の円筒及び隆起部分は、それぞれの貫通孔を介して第1のブラケット142を貫通して突出することができる。
【0059】
第1のブラケット142及び第2のブラケット144は、例えば、溶接作業によって互いに固定されてもよい。例えば、第1のブラケット142は、第2のブラケット144の対応する凹み領域に溶接される平坦又は平面部分を画定する凹み領域を含んでもよい。図に示すように、第2のブラケット144の凹み領域は、いくつかの円形溶接スポット(表示なし)を含む。ブラケット要素を互いに溶接することに加えて、接着剤を使用して、モジュールを更に固定することができる。例えば、第1のカメラモジュール112は、接着剤要素162及び接着剤164によって、それぞれ、第1のブラケット142及び第2のブラケット144と固定することができる。また、発光モジュール114は、接着要素166及び接着要素168によって、それぞれ、第1のブラケット142及び第2のブラケット144に固定することができる。また、第2のカメラモジュール116は、接着剤要素172及び接着要素174によって、それぞれ、第1のブラケット142及び第2のブラケット144に固定することができる。いくつかの実施形態では、前述の接着剤の少なくとも一部は、導電性接着剤を含む。このようにして、モジュールは、第1のブラケット142及び/又は第2のブラケット144と電気的に結合することができる。更に、第1のブラケット142が第2のブラケット144に固定されると、モジュールは、第1のバネ要素146及び/又は第2のバネ要素148によって電子機器(図示せず)に電気的に接地され得る。これについては、以下に示す。更に、金属から形成される前述のブラケット要素(バネ要素を含む)はまた、ブラケット要素の内の少なくとも1つによって視覚システム110のモジュールの内の少なくとも1つの放熱を可能にする熱導電性経路を提供してもよい。
【0060】
本明細書に記述されるブラケットアセンブリが、一定の位置にモジュールを維持するように設計された剛性コンポーネントとして使用されることもあり、ブラケットアセンブリの少なくとも一部が補強され、全体的な強度を高めることができる。例えば、
図4は、ブラケット242の、いくつかの説明される実施形態による、いくつかの構造コンポーネントから形成されたブラケット242を示す、代替実施形態の分解図を示す。ブラケット242は、(前に示されている)第1のブラケット142を代替し、本明細書に記述されるブラケットアセンブリと共に使用されてもよい。図に示すように、ブラケット242は、第1のブラケット部252、第2のブラケット部254、及び第3のブラケット部256を含む、多数個構成アセンブリを含む。これに関して、ブラケット242はブラケットサブアセンブリと呼ばれることがある。
【0061】
第1のブラケット部252は、第1のカメラモジュール112(
図3に示す)などのモジュールを受容するように設計された第1のセクション262を含んでもよい。第1のブラケット部252は、第2のカメラモジュール116(
図3に示す)などのモジュールを受容するように設計された第2のセクション264を更に含んでもよい。第1のブラケット部252は、第1のセクション262及び第2のセクション264に対して凹んだ第3のセクション266又は凹セクションを更に含んでもよい。第3のセクション266は、追加のコンポーネント(単数)又はコンポーネント(複数)を受容するために凹んでいてもよい。このことは以下で更に示される。また、第3のセクション266は、前述のコンポーネントの内の1つを位置調整するのを支援する貫通孔268又は開口部を含んでもよい。
【0062】
第1のブラケット部252を形成するために、第1のブラケット部252は、切削及びプレス作業を経てもよい。プレス作業は、第1のブラケット部252を成形し、更なる構造剛性を有する第1のブラケット部252を提供することができる。例えば、プレス作業は、第1のセクション262と第3のセクション266との間に第1の傾斜セクション272を形成することができる。第1の傾斜セクション272は、第1のセクション262が、第1のセクション262と第3のセクション266とを接合する交点に沿って、第3のセクション266に対して(Y軸に沿って)曲がる又は枢動するのを防ぐことができる。また、プレス作業は、第2のセクション264と第3のセクション266との間に第2の傾斜セクション274を形成することができる。第2の傾斜セクション274は、第2のセクション264が、第2のセクション264と第3のセクション266とを接合する交点に沿って、第3のセクション266に対して(Y軸に沿って)曲がる又は枢動するのを防ぐことができる。このようにして、第1のセクション262及び第2のセクション264の第3のセクション266に対する回転運動が防止されると、モジュール(
図3に示される第1のカメラモジュール112及び第2のカメラモジュール116など)の互いに対する相対的な移動が防止され、それによって視覚システム110(
図1に示す)が変更されない状態が維持される。
【0063】
第2のブラケット部254は、第1のブラケット部252の内部領域に(溶接、半田付け、及び/又は他の接着方法によって)固定されてもよい。第2のブラケット部254は、発光モジュール114(
図1に示す)などのモジュールを保持するように設計されてもよい。これに関して、第2のブラケット部254はモジュールキャリアと呼ばれることがある。最初に第1のブラケット部252とは別個に第2のブラケット部254を形成し、その後、第2のブラケット部254を第1のブラケット部252に固定することにより、第1のブラケット部252と第2のブラケット部254との間に形成された接合部(又は複数の接合部)は、更なる安定性及び剛性をもたらす。接合部(単数又は複数)は、第1のブラケット部252に対して第2のブラケット部254を更に固定することができ、従って、モジュールを固定し、第2のブラケット部254によって保持されたモジュールが他のモジュールに対して相対的に動くのを防ぐことができる。また、第3のブラケット部256は、第1のブラケット部252の寸法(X軸に沿った長さなど)にわたって実質的に延びる支持部材又は支持要素として機能してもよい。第3のブラケット部256は、第2のブラケット部254を第1のブラケット部252に固定するために前述した任意の方法によって、第1のブラケット部252に固定されてもよい。第1のブラケット部252の第1のセクション262、第2のセクション264、及び第3のセクション266に沿って、いくつかの円形溶接スポット(表示なし)が示されている。第3のブラケット部256は、第1のセクション262及び第2のセクション264の両方が、第3のセクション266に対して(Y軸に沿って)曲がる又は枢動するのを防ぐことができる。その結果、第3のブラケット部256は、モジュール(単数又は複数)の、視覚システム(
図1に示されている視覚システム110など)の他のモジュールに対する相対的な移動を防ぐことができる。また、
図4に示すように、第2のセクション264は、延長部276及び延長部276に固定されたクランプ278を含んでもよい。クランプ278を使用して、第2のブラケット(図示せず)をブラケット242に固定することができる。
【0064】
図5は、ブラケット344の、いくつかの説明される実施形態による、代替実施形態の背面図を示す。ブラケット344は、(前に示されている)第2のブラケット144を代替し、本明細書に記述されるブラケットアセンブリと共に使用されてもよい。また、ブラケット344は、第1のブラケット142(
図1に示す)又はブラケット242(
図4に示す)と共に使用することができる。
図4のブラケット242に関して、ブラケット344は、ブラケット242(
図4に示す)の第1のセクション262及び第2のセクション264とそれぞれ対になるように設計された第1のセクション362及び第2のセクション364を含んでもよい。ブラケット344は、ブラケット242(
図4に示す)と組み合わせる前に、Y軸回りに180度回転されるべきであることに留意されたい。ブラケット344は、第1のセクション362及び第2のセクション364に対して凹んだ第3のセクション366、又は凹セクションを更に含んでもよい。第3のセクション366は、第3のセクション266(
図4に示す)に係合するように凹んでいてもよい。これに関して、ブラケット242(
図4に示す)は、例えば、ブラケット344に、溶接、締結、クリッピング、接着などによって、それぞれの第3のセクションにおいて固定することができる。また、第3のセクション366は、前述のコンポーネントの内の1つを位置調整するのを支援する貫通孔368、又は開口部を含んでもよい。ブラケット344は、発光モジュール114(
図3に示す)などのモジュールを受容するように設計された第4のセクション372を更に含んでもよい。発光モジュールから熱を奪うために、第4のセクション372は、発光モジュールに熱的に結合するヒートシンク要素(図示せず)を受容するように設計された貫通孔374、又は開口部を含んでもよい。
【0065】
ブラケット344は、第1のバネ要素376及び第2のバネ要素378を更に含んでもよく、これらはそれぞれ、構造体(筐体又はエンクロージャなど)に対して屈曲し、構造体から離れる方向の付勢力を提供するように設計されている。また、第2のセクション364は、クランプ278(
図4に示す)と対になるように設計された支持カラム382を含んでもよく、それによってブラケット344をブラケット242(
図4に示す)に更に固定して、モジュールを更に固定することができる。
【0066】
図6は、ブラケットアセンブリ340内に位置する視覚システム310の、いくつかの説明される実施形態による、モジュール間の空間的な関係を維持するブラケットアセンブリ340を示す、一実施形態の平面図を示す。視覚システム310及びブラケットアセンブリ340は、それぞれ、視覚システム及びブラケットアセンブリに関して本明細書に記述される任意の特徴を備えてもよい。図に示すように、視覚システム310は、第1のカメラモジュール312、発光モジュール314、及び第2のカメラモジュール316を含むことができる。発光モジュール314は、ブラケットアセンブリ340内に位置すると、第2のカメラモジュール316から距離320だけ離間される。具体的には、距離320は、発光モジュール314の中心点324(拡大図に示す)と第2のカメラモジュール316の中心点326との間の距離を表す。ブラケットアセンブリ340は、発光モジュール314の中心点324が、第2のカメラモジュール316の中心点326からの距離320の許容範囲又は公差内にあることを確実とするために、中心点324を範囲332内又は公差内に維持するように設計されている。いくつかの実施形態では、範囲332は1ミリメートル未満である。いくつかの実施形態では、範囲332は、約120~200マイクロメートルである。特定の実施形態では、範囲332は、160マイクロメートル、又は少なくとも約160マイクロメートルである。ブラケットアセンブリ340は、第2のカメラモジュール316からの所定の距離に第1のカメラモジュール312を維持するように設計されていることに留意されたい。これらの距離を維持することによって、ブラケットアセンブリ340は、視覚システム310が、物体認識に関連する情報を正確かつ確実に提供できることを確実とする。更に、ブラケットアセンブリ340及び視覚システム310が電子機器(図示せず)内に位置する場合、電子機器に対する、ブラケットアセンブリ340の移動を引き起こす任意の外部負荷又は外力は、視覚システム310の各モジュールに対しても同量の移動を引き起こし、そのため、モジュール間の、他のモジュールに対する相対的な移動がほとんど又は全くないようにすることができる。
【0067】
図7は、発光モジュール414の、いくつかの説明される実施形態による、一実施形態の等角投影図を示す。図に示すように、発光モジュール414は、基板418によって保持された発光器416を含んでもよい。いくつかの実施形態では、発光器416は、IR光などの非可視スペクトル内の光を発する。更に、発光器416は、IRレーザー光を発するように設計することができる。しかしながら、いくつかの実施形態(
図7に図示せず)では、発光器416は、IR光以外の光を生じる。発光モジュール414は、発光器416の上方に位置する光学構造体422を更に含んでもよい。光学構造体422は、複数の部分に折り曲げられた透明材料(ガラスなど)を含んでもよい。光学構造体422は、光学構造体422内の発光器416から発された光を反射する又は曲げるように設計され、光の光路の増加をもたらす。これについては、以下に示す。
【0068】
発光モジュール414は、光学構造体422によって受光され、かつ光学構造体422から反射された光が光学要素424を通過するような方法で光学構造体422の上方に位置する、光学要素424を更に含んでもよい。光学要素424は、接着剤426によって光学構造体422に固定することができる。いくつかの実施形態では、光学要素424は、回折光学素子である。このようにして、光学構造体422から受光される、1次元光ビームを含み得る光は、2次元アレイ又は光のパターンに分割され、光のドットパターンを作成することができる。次いで、光のアレイは、光学要素424から出ることができる。これについては、以下に示す。
【0069】
また、場合によっては、発光器416によって発される光は、比較的高い強度を含み得る。しかしながら、ドットパターンとして光学要素424から出た後、強度を十分に低下させることができ、その結果、発光モジュール414からの光は、人間が利用しても安全である。光学要素424が光学構造体422から取り除かれる場合を考慮するために、発光モジュール414は、光学要素424に固定されたフレキシブル回路428を更に含むことができる。フレキシブル回路428はまた、基板418に固定することができ、発光器416に電気的に結合することができる。フレキシブル回路428は、「プレート」として光学要素424を使用し、フレキシブル回路428のプレート(図示せず)に電荷を供給することによって、光学要素424を有する平行板コンデンサを形成することができる。このようにして、光学要素424が光学構造体422から取り除かれた(又は、光学構造体422を出る光の上方に、もはや位置していないその他の)場合、フレキシブル回路428は、静電容量の変化を検出し、発光器416の出力を落とし発光器416が光を発するのを防ぐために使用される入力を提供する。従って、フレキシブル回路428は、高強度光が光学要素424を通過することなく光学構造体422から出ることを防止する安全機構として機能する。
【0070】
図8は、
図7に示されている発光モジュール414の、発光モジュール414の追加の特徴を更に示す、側面図を示す。例示のために、フレキシブル回路428が取り除かれている。また、発光器416及び発光器416に熱的に結合されたヒートシンク要素432を見るために、基板418の部分断面図が示されている。ヒートシンク要素432は、使用中に発光器416から熱を奪うように設計されている。図に示すように、発光器416は、光学構造体422を通過する光ビーム(点線434として示す)を生成する。光学構造体422は、光路が増大して所望の光学的な「長さ」になるように、光ビームを数回(光学構造体422内で)反射させる。光ビームは光学構造体422を出て、光学要素424に入り、そこで光ビームが複数の光線(複数の点線436によって表される)に分割される。光学要素424は、所望のドットパターンを投影するように設計されている。いくつかの実施形態では、投影されたドットパターンはドットのアレイを含み、隣接するドットは互いに等距離に離間されている。これについては、以下に示す。
【0071】
ブラケットアセンブリ及びブラケットアセンブリによって保持された視覚システムが電子機器内に配置される場合、ブラケットアセンブリは、電子機器の構造コンポーネント(筐体又はエンクロージャなど)に直接固定されなくてもよい。しかしながら、電子機器は、ブラケットアセンブリ、及びそれに応じて、視覚システムを正確に位置調整するように設計されている。
図9は、位置調整モジュール508の、いくつかの説明される実施形態による、一実施形態の等角投影図を示す。位置調整モジュール508は、電子機器の透明カバーに(例として、接着剤によって)締結することができ、透明カバーは、電子機器用のディスプレイアセンブリに保護カバーを提供する。このようにして、透明カバーがエンクロージャ上に降下する間、位置調整モジュール508は、視覚システムに係合するように設計され、視覚システム及びブラケットアセンブリの両方を電子機器内の所望の位置に、(エンクロージャに対して)移動又はずれさせる。これについては、以下に示し、記載する。
【0072】
図に示すように、位置調整モジュール508は、貫通孔を画定する開口部514を含む第1のセクション512を含んでもよい。開口部514は、第1のカメラモジュール112(
図1に示す)などの視覚システムのモジュールの少なくとも一部分を受容するように設計されている。具体的には、開口部514は、モジュールの円筒を受容するためのサイズ及び形状を備えることができる。位置調整モジュール508は、貫通孔を画定する開口部524を含む第2のセクション522を更に含んでもよい。開口部524は、第2のカメラモジュール116(
図1に示す)などの視覚システムのモジュールの少なくとも一部分を受容するように設計されている。具体的には、開口部524は、モジュールの円筒を受容するためのサイズ及び形状を備えることができる。第1のセクション512及び第2のセクション522の開口部514及び開口部524は、それぞれ、位置調整モジュール508のための位置調整構造体を提供することができる。
【0073】
前述の位置調整モジュール508の開口部は、モジュールの少なくとも一部分を受容するように設計されているが、開口部は、位置調整モジュール508がモジュールを電子機器内の所望の位置に移動させるのを支援する異なる構成を含んでもよい。例えば、第1のセクション512は、位置調整モジュール508の第1の端部(下端部など)から第2の端部(上端部など)への開口部514の縮小した直径を画定する輪郭領域518を含む延長部516を含んでもよい。また、延長部516は、開口部514の大部分を包み込んでもよい。このようにして、モジュール(又はモジュールの円筒)が第1のセクション512を通って延びる場合、開口部514の大部分を包み込む輪郭領域518を有する延在部516は、モジュールに対して比較的高精度かつ最小公差の位置調整を提供する。このようにして、残りのモジュールを保持し、モジュールの相対的な移動を防止するブラケットアセンブリ内でモジュールが調和して動く結果、残りのモジュールも、比較的高精度に位置調整することができる。位置調整モジュール508の第2のセクション522は、第2のセクション522内の開口部524の直径が概ね一定のままとなるように、概ね半円形の構造を形成する延長部526を含んでもよい。換言すれば、第2のセクション522は、輪郭領域を含まない。モジュール(又はモジュールの円筒)が開口部524を通って延びる場合、第2のセクション522を使用して、角度アラインメントをモジュールに提供することができる。第2のセクション522によって提供される角度アラインメントは、第1のセクション512の高精度な位置調整を補完し、それによって電子機器内のモジュールの精密かつ制御された位置調整を提供することができる。
【0074】
視覚システムのモジュールへの位置調整を提供することに加えて、位置調整モジュール508を使用して、追加のコンポーネントを取り付け、位置調整することができる。例えば、位置調整モジュール508を含む電子機器(図示せず)は、可聴音の形態で音響エネルギーを発するように設計されたオーディオモジュール532を更に含んでもよい。オーディオモジュール532は、筒口536を含んでもよい。位置調整モジュール508は、筒口536を受容する開口部534を含んでもよい。開口部534への液体侵入を防止するために、密封要素538が開口部534内に位置し、筒口536と係合することができる。密封要素538は、液体シリコーンゴムなどの耐液性及び従順性材料を含んでもよい。
【0075】
位置調整モジュール508を含む電子機器は、音響エネルギーを受容するように設計されたマイクロフォン542を更に含んでもよい。音響経路を提供するために、位置調整モジュール508は、開口部544を含んでもよい。図に示すように、開口部544は、傾いた貫通孔開口部を含んでもよい。また、位置調整モジュール508を含む電子機器は、センサ546を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ546は、電子機器に入射する光強度の量を検出するように設計された周辺光センサを含む。センサ546は、電子機器に入力を提供することができ、入力は、電子機器内の視覚システムによって使用される追加の光源を制御するために使用される。このことは以下で説明される。センサ546を収容するために、位置調整モジュール508は、センサ546を固定するように設計されたレール540を含んでもよい。また、位置調整モジュール508を含む電子機器は、センサ548を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ548は、ユーザがセンサ548からほぼ所定の距離内にいるかどうかを判定する近接センサを含む。センサ548は、例えば、電子機器のディスプレイアセンブリ(
図10に図示せず)を制御するために使用される電子機器のプロセッサ(
図10に図示せず)に入力を提供するために使用することができる。一例として、センサ548によって提供される入力は、ユーザが電子機器(
図10に図示せず)の所定の距離内にいるとの判定に対応してもよく、入力は、ディスプレイアセンブリがオン又はオフかどうかの判定として使用される。
【0076】
場合によっては、視覚システムは、信頼性のある物体認識を提供するために、追加の照明を必要とすることがある。その結果、位置調整モジュール508を含む電子機器は、照明要素556を更に含んでもよい。位置調整モジュール508は、照明要素556を受容するように設計された開口部544を含むことができる。いくつかの実施形態では、照明要素556は、低照度状態の間、照明するように設計された投光照明である。センサ546は、電子機器又は電子機器のコンポーネント(透明な保護層など)に入射する外部光強度が、低照度状態又は比較的低い外部光状態を、いつ構成するかを判定することができる。また、場合によっては、位置調整モジュール508は、射出成形作業などの成形作業から形成される。これに関して、成形可能なプラスチック材料を使用して、位置調整モジュール508を形成してもよい。その結果、位置調整モジュール508は、全て金属の位置調整モジュールと比較して、全体として比較的低い強度を備えることがある。しかしながら、位置調整モジュール508は、位置調整モジュール508の強度及び剛性を増大させる複数のレールを含んでもよい。例えば、位置調整モジュール508は、第1のレール558及び第2のレール562を含むことができる。第1のレール558及び第2のレール562は、金属を含んでもよい。また、位置調整モジュール508の成形作業中、第1のレール558及び第2のレール562は、成形空洞(図示せず)に挿入されてもよい。従って、第1のレール558及び第2のレール562は、挿入成形要素と呼ばれることがある。また、第1のレール558及び第2のレール562は、開口部544を画定するか、又は少なくとも部分的に画定することができる。
【0077】
また、場合によっては、位置調整モジュール508は、特定のスペクトル内の光を遮断する成形可能な材料を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、位置調整モジュール508は、IR光から一部の成分を遮断又は遮蔽する材料を含む。例えば、位置調整モジュール508は、約900マイクロメートル以上の波長を有するIR光を遮断するIR遮断材料を含むことができる。このようにして、マイクロフォン542は、IR光によって生成された「ノイズ」から遮蔽され得る。
【0078】
図10は、
図9に示されている照明要素556の、照明要素556の追加の特徴を更に示す側面図を示す。照明要素556は、発光器566及びドップラーモジュール568を含んでもよい。発光器566は、IR光などの非可視光を含んでもよい。ドップラーモジュール568は、動きを検出するように設計されている。これに関して、ドップラーモジュール568は、発光器566を作動させるかどうかの判定を支援することができる。
【0079】
図11は、ブラケットアセンブリ640の上方に配置された位置調整モジュール608、及びブラケットアセンブリ640内に位置する視覚システム610の、組立作業前の側面図を示す。位置調整モジュール608、視覚システム610、及びブラケットアセンブリ640は、それぞれ、位置調整モジュール、視覚システム、及びブラケットアセンブリに関して本明細書に記述される任意の特徴を備えてもよい。図に示すように、ブラケットアセンブリ640は、位置調整モジュール608の、第1のセクション612、第2のセクション614、及び第3のセクション616のそれぞれと相互作用するように設計された第1のセクション662、第2のセクション664、及び第3のセクション666を含む。また、ブラケットアセンブリ640は、第1のカメラモジュール672、発光モジュール674、及び第2のカメラモジュール676を保持するように設計されている。
【0080】
位置調整モジュール608は、オーディオモジュール632、マイクロフォン642、(オーディオモジュール632の背後に位置する)センサ646、及び照明要素656などのいくつかのコンポーネントを位置調整及び/又は保持してもよい。位置調整モジュール608はまた、近接センサ(
図11に図示せず)を位置調整及び/又は保持してもよい。位置調整モジュール608は、前述のコンポーネントを少なくとも部分的に第3のセクション666(又は凹セクション)内に位置させるように設計され得る。また、オーディオモジュール632、マイクロフォン642、センサ646、及び照明要素656は、プロセッサ(
図11に図示せず)に電気的に結合することができるフレキシブル回路660に電気的に結合することができる。位置調整モジュール608の第1のセクション612は、第1のカメラモジュール672の円筒682を受容するように設計された開口部618を更に含んでもよい。第1のセクション612は、位置調整モジュール608の第1の端部(下端部など)から第2の端部(例えば上端部)までの第1のセクション612の開口618の縮小した直径を画定する輪郭形成領域622(
図9に示す輪郭形成領域518と同様)を有する延長部620を更に含んでもよく、延長部620は開口部618の大部分を包み込む。第2のセクション614は、第2のカメラモジュール676の円筒686を受容するように設計された開口部624を含んでもよい。位置調整モジュール608の第2のセクション614は、第2のセクション614内の開口部624の直径が概ね一定のままとなるように、概ね半円形の構造を形成する延長部626(
図9に示す延長部526と同様)を含んでもよい。
【0081】
電子機器(
図11に図示せず)の組立作業中、透明カバー(
図11に図示せず)に固定された位置調整モジュール608は、視覚システム610及びブラケットアセンブリ640に向かって下降する。透明カバーが降下する間に、位置調整モジュール608は、一例として、第1のカメラモジュール672の円筒682に接触し、第1のカメラモジュール672に力を加え、ブラケットアセンブリ640を、視覚システム610のコンポーネントと共に、電子機器内の所望の位置に移動させることができる。このことは以下で更に示される。
【0082】
図12は、
図11に示されている位置調整モジュール608、視覚システム610、及びブラケットアセンブリ640の、いくつかの説明される実施形態による、位置調整モジュール608並びにいくつかのモジュール及びコンポーネントを位置調整モジュール608との関連で更に示す、側面図を示す。図に示すように、位置調整モジュール608は、ブラケットアセンブリ640の上方に及び上に位置する。また、位置調整モジュール608の第1のセクション612の開口部618は、第1のカメラモジュール672(
図11に表示)の円筒682のサイズ及び形状に、第2のセクション614の開口部624の、第2のカメラモジュール676の円筒686(
図11に表示)に対する適合性と比較して、より密接に適合することができる。これに関して、位置調整モジュール608は、第1のセクション612の開口部618を使用することによって、視覚システム610の「微細な」又は精密な位置決めを提供することができる。更に、位置調整モジュール608は、第2のセクション614の開口部624を使用することによって、視覚システム610の角度の位置合わせを提供することができる。また、発光モジュール674は一般に位置調整モジュール608と一体化されていないが、それでもなお、発光モジュール674のシフト及び位置調整に対応するブラケットアセンブリ640をシフトする位置調整モジュール608に基づいて、発光モジュール674は、適切に位置調整され得る。また、位置調整モジュール608は、センサ646を固定及び位置調整するために使用されるレール688を含む。図に示すように、センサ646は、位置調整モジュール608の一部分とレール688との間に位置してよい。
【0083】
図13は、電子機器700の、いくつかの説明される実施形態による、一実施形態の平面図を示す。いくつかの実施形態では、電子機器700は、タブレットコンピューティングデバイスである。その他の実施形態では、電子機器700は、装着型電子機器である。
図13に示されている実施形態では、電子機器700は、一般にスマートフォンと呼ばれる、携帯電子機器である。電子機器700は、底壁(図示せず)、並びに第1の側壁コンポーネント704、第2の側壁コンポーネント706、第3の側壁コンポーネント708、及び第4の側壁コンポーネント710などのいくつかの側壁コンポーネントを含むエンクロージャ702を含んでもよい。側壁コンポーネントは、電子機器700の内部コンポーネントを保持するための内容積、又は空洞を画定するために、底壁と結合してもよい。いくつかの実施形態では、底壁は、ガラス、プラスチック、又は他の透明材料などの非金属を含む。また、いくつかの実施形態では、第1側壁コンポーネント704、第2側壁コンポーネント706、第3側壁コンポーネント708、及び第4側壁コンポーネント710は、鋼(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム、又はアルミニウム及び/若しくは鋼を含む合金などの金属を含む。更に、前述の各側壁コンポーネントは、側壁コンポーネントが互いに電気的に絶縁されるように、非金属を含む充填材によって互いに分離され、かつ隔絶されてもよい。例えば、エンクロージャ702は、第1の側壁コンポーネント704を第2の側壁コンポーネント706及び第4の側壁コンポーネント710から離す第1の充填材720を含んでもよい。エンクロージャ702は、第3の側壁コンポーネント708を第2の側壁コンポーネント706及び第4の側壁コンポーネント710から離す第2の充填材721を更に含んでもよい。第1の充填材720及び第2の充填材721は、成形プラスチック及び/又は成形樹脂を含んでもよい。場合によっては、第1の充填材720及び第2の充填材721の内の少なくとも1つは、アンテナコンポーネント(
図13に図示せず)を含む。
【0084】
電子機器700は、エンクロージャ702、特に、前述のエンクロージャ702の側壁コンポーネントの上に固定する透明カバー712を更に含んでもよい。これに関して、第1側壁コンポーネント704、第2側壁コンポーネント706、第3側壁コンポーネント708、及び第4側壁コンポーネント710は、透明カバー712を受容する開口部を画定する縁部領域を提供してもよい。透明カバー712は、ガラス若しくはサファイアなどの材料、又は別の好適な透明材料を含んでもよい。透明カバー712は、ガラスから形成される場合、カバーガラスと呼ばれることがある。また、透明カバー712は、貫通孔714又は開口部を更に含んでもよい。貫通孔714は拡大図で表示されている。オーディオモジュールから生成された音響エネルギーが、貫通孔714を介して電子機器700から出られるようにするために、電子機器700は、貫通孔714と位置調整されたオーディオモジュール(例えば、
図9に示すオーディオモジュール532)を更に含んでもよい。電子機器700は、透明カバー712によって覆われた又は重ね合わされたディスプレイアセンブリ716(点線として示す)を更に含んでもよい。従って、透明カバー712は、保護層と呼ばれることがある。ディスプレイアセンブリ716は、複数の層を含んでもよく、各層は1つ以上の特定の機能を果たす。このことは以下で更に示される。電子機器700は、透明カバー712によって覆われ、ディスプレイアセンブリ716の周囲の境界を画定するディスプレイカバー718を更に含んでもよい。具体的には、ディスプレイカバー718は、ディスプレイアセンブリ716の外縁部を実質的に覆うことができる。電子機器700は、制御入力を含んでもよい。例えば、電子機器700は、ディスプレイアセンブリ716を制御するためのユーザ入力を可能にするように設計された第1のボタン722及び第2のボタン724を含むことができる。第1のボタン722及び/又は第2のボタン724を使用して、スイッチ(
図13に図示せず)を作動させ、それによってプロセッサ(
図13に図示せず)への入力を生成することができる。
【0085】
図に示すように、透明カバー712は、エンクロージャ702の側壁コンポーネントによって画定される直線的なデザインを含んでもよい。しかしながら、いくつかの例では、
図13に示すように、ディスプレイアセンブリ716(及びそれに関連する層の少なくとも一部)は、ディスプレイアセンブリ716に形成されたノッチ726を含むことがある。ノッチ726はまた、拡大図で表示されている。ノッチ726は、(透明カバー712の表面積と比較して)ディスプレイアセンブリ716の減少した表面積に相当し得る。電子機器は、ノッチ726に対応する位置に透明カバー712の下面又は底面に適用されたマスキング層728を含んでもよい。マスキング層728は、ディスプレイアセンブリ716の外観(ディスプレイアセンブリ716がオフの場合)と実質的に同様の外観(色に関して)を提供するインク材料(単数又は複数)を含んでもよい。例えば、マスキング層728及びディスプレイアセンブリ716の両方は、黒色に似た暗い外観を備えてもよい。また、場合によっては、ディスプレイカバー718は、マスキング層728及びディスプレイアセンブリ716(ディスプレイアセンブリ716がオフの場合)の両方に類似した外観(色に関して)を備えてもよい。
【0086】
一般に、マスキング層728は、光の通過を遮断する不透明材料を含み、従って、電子機器700の見え方を不明瞭にすることができる。しかし、マスキング層728は、マスキング層728内の空隙を表すいくつかの開口部を含んでもよい。例えば、拡大図に示すように、マスキング層728は、第1の開口部732及び第2の開口部734を含み得る。電子機器700が視覚システム(
図11に示す視覚システム610など)を含む場合、第1のカメラモジュール(
図11に示す第1のカメラモジュール672など)及び発光モジュール(
図11に示す発光モジュール674など)は、それぞれ、第1の開口部732及び第2の開口部734に位置調整することができる。マスキング層728は、第3の開口部736及び第4の開口部738を更に含んでもよい。視覚システム(
図11に示す視覚システム610など)は、第3の開口部736及び第4の開口部738にそれぞれ位置調整する、第2のカメラモジュール(
図11に示す第2のカメラモジュール676など)及び発光モジュール(
図11に示す発光モジュール656など)を含むことができる。マスキング層728は、第5の開口部742を更に含んでもよい。電子機器700がセンサ(
図11に示すセンサ646など)を含む場合、センサは、第5の開口部742と位置調整することができる。また、一貫性を提供するために、(x-y平面内の)貫通孔714のサイズ及び形状は、第5の開口部742のサイズ及び形状と同一であってもよく、又は少なくとも実質的に類似していてもよい。マスキング層728は、いくつかの開口部を有するものとして示されているが、開口部のそれぞれは、外観(色に関して)の少なくともいくらかのマスキング及び/又はいくらかの一貫性を提供する材料で充填されてもよい。これに関して、開口部は、ユーザには容易に見えない場合があり、それによって、センサ及び視覚システムのモジュールを隠すことができ、電子機器700の全体的な一貫性が、外観に関して少なくとも部分的に維持される。また、拡大図に示すように、第1の開口部732、第2の開口部734、第3の開口部736、及び第4の開口部738は、X及びY次元の両方においてマスキング層728に対して中心に置かれてもよい。更に、貫通孔714及び第5の開口部742は、X及びY次元の両方においてマスキング層728に対して中心に置かれてもよい。
【0087】
しかし、マスキング層728の開口部を覆うために用いられる材料は異なっていてもよい。例えば、
図14は、透明カバー712、透明カバー712に固定されたマスキング層728、及び透明カバー712に固定された材料のいくつかの層の、いくつかの説明される実施形態による位置を示す、
図13のA-A線に沿った断面図を示す。図に示すように、マスキング層728の開口部は充填されてもよい。例えば、第1の開口部732、第2の開口部734、第3の開口部736、及び第4の開口部738は、それぞれ、第1の材料752、第2の材料754、第3の材料756、及び第4の材料758を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の材料752、第2の材料754、第3の材料756、及び第4の材料758は、IR光の通過を可能にしながらも、他の形態の光(光のIR周波数範囲外)を遮断するインク材料を含む。これにより、視覚システムのモジュール(図示せず)が、前述の材料及び透明カバー712を通してIR光を発することができると同時に、IR光がモジュールの内の一部(
図11に示す第2のカメラモジュール676など)によって受光されるように、反射されたIR光が透明カバー712及び前述の材料を通って入射することもできる。一般に、開口部を充填するために使用される材料は、視覚システムのモジュールによって発された光に関連する光の通過を可能にすると同時に、所定の周波数範囲内に収まらない他の種類の光を遮断する任意の材料を含むことができる。また、いくつかの実施形態では、開口部は、貫通孔714の周囲に対称的に変位される。例えば、第1の開口部732は、第4の開口部738と貫通孔714との間と同じ距離で、貫通孔714から変位されてもよい。また、第2の開口部734は、第3の開口部736と貫通孔714との間と同じ距離で、貫通孔714から変位されてもよい。
【0088】
図15は、
図13の、透明カバー712の異なる位置、及びマスキング層728の開口部に位置する材料を示す線B-Bに沿った断面図を示す。図に示すように、第5の開口部742は、第5の材料760によって充填されてもよい。いくつかの実施形態では、第5の材料760は、他の形態の光を遮断すると同時に、可視光の通過を可能にする材料を含む。これにより、センサ(
図11に示すセンサ646など)が、第5の材料760及び透明カバー712を通して可視光を受光することができる。
図14を再び参照すると、第1の材料752、第2の材料754、第3の材料756、第4の材料758、及び第5の材料760(
図15に示す)は、光の通過の特定の機能を提供するだけでなく、マスキング層728の外観に少なくとも部分的に似ている外観(色に関して)を提供することができる。このようにして、開口部を充填する材料は、開口部がより目立たないように、外観に関してマスキング層728と概ね調和することができる。
【0089】
図16は、
図13の線C-Cに沿った、電子機器700のディスプレイアセンブリ716の様々な層を示す断面図を示す。例示及び簡略化のために、いくつかのコンポーネント(回路基板、バッテリ、背面カメラ、フレキシブル回路など)が取り除かれている。図に示すように、感圧接着剤を含み得る接着剤(表示なし)によって透明カバー712及び側壁コンポーネントの両方に接着固定されるフレーム730を介して、透明カバー712は、側壁コンポーネント(第2の側壁コンポーネント706及び第4の側壁コンポーネント710が示されている)に固定することができる。ディスプレイアセンブリ716は、透明カバー712へのタッチ入力によって容量結合を形成するように設計されたタッチ入力層772を含んでもよい。ディスプレイアセンブリ716は、テキスト情報、静止画像、及び/又はビデオ画像の形態の、視覚情報を提示するように設計されたディスプレイ層774を更に含んでもよい。タッチ入力層772への入力は、ディスプレイ層774上に提示されるものを制御するための制御入力を生成することができる。また、ディスプレイアセンブリ716は、透明カバー712に加えられた力の量を判定するように設計された感圧タッチ層776を更に含むことができる。透明カバー712に加えられた力が所定量の力に等しいか又はそれを超える場合に、感圧タッチ層776によって判定されるように制御入力を生成することができる。
【0090】
図17は、
図13に示す電子機器700の、透明カバー及びディスプレイアセンブリが取り除かれた状態の平面図を示す。図に示すように、電子機器700は、エンクロージャ702に位置する視覚システム810を保持するブラケットアセンブリ840を含む。ブラケットアセンブリ840及び視覚システム810は、それぞれ,ブラケットアセンブリ及び視覚システムに関して本明細書に記述される任意の特徴を備えてもよい。図に示すように、視覚システム810は、第1のカメラモジュール812、発光モジュール814、及び第2のカメラモジュール816を含む。第1のカメラモジュール812、発光モジュール814、及び第2のカメラモジュール816は、それぞれ第1のカメラモジュール、発光モジュール、及び第2のカメラモジュールに関して本明細書に記述される任意の特徴を備えてもよい。ブラケットアセンブリ840は、前述のモジュールを保持及び保護するだけでなく、モジュール間の所定の距離又は間隔を維持し、他のモジュールに対するモジュールの相対的な移動を制限又は防止するように設計されている。
【0091】
電子機器700は、電子機器700の主な処理機能を提供する集積回路などの1つ以上のプロセッサ回路(図示せず)を含む回路基板820を更に含んでもよい。各モジュールは、回路基板820に電気的に結合するフレキシブル回路を含んでもよい。例えば、第1のカメラモジュール812は、第1のカメラモジュール812を回路基板820に電気的に結合するために使用される第1のフレキシブル回路822を含み、発光モジュール814は、発光モジュール814を回路基板820に電気的に結合するために使用される第2のフレキシブル回路824を含むことができ、第2のカメラモジュール816は、第2のカメラモジュール816を回路基板820に電気的に結合するために使用される第3のフレキシブル回路826を含むことができる。回路基板820とモジュールの前述のフレキシブル回路との間の電気的及び機械的接続を除き、ブラケットアセンブリ840とエンクロージャ702(又はエンクロージャ702内の別の他の構造的特徴)との間に、機械的接続は存在しない。従って、ブラケットアセンブリ840は、最終組立の前は、エンクロージャ702内で「ローム(roam)」又は「フロート(float)」(すなわち、移動)することができる。しかしながら、透明カバー712(
図13に示す)がエンクロージャ702に固定されると、ブラケットアセンブリ840はエンクロージャ702内で位置調整され、概ね移動が制限されてもよい。これについては、以下に更に示され、説明される。また、エンクロージャ702は、底壁740又は後壁を含んでもよい。底壁740は、ユニボディ構造を画定するために側壁コンポーネントと一体的に形成されてもよく、又は組立作業において互いに結合される別個の構造材料(単数又は複数)を含んでもよい。また、底壁740は、追加のカメラモジュール(
図17に図示せず)が画像をキャプチャすることを可能にする開口部741を含んでもよい。追加のカメラモジュールは、第1のカメラモジュール812の画像とは反対の方向に画像をキャプチャするように設計され得る。
【0092】
図18は、
図13に示す透明カバー712の、透明カバー712に固定された位置調整モジュール808を更に示す平面図を示す。位置調整モジュール808(点線として示す)は、例えば接着剤によって、透明カバー712の下面(背面又は後側とも呼ばれる)に固定される。また、位置調整モジュール808は、位置調整モジュールに関して本明細書に記述される任意の特徴を備えてもよい。位置調整モジュール808は、透明カバー712に固定されてもよく、視覚システム810(
図17に示す)の所望の位置調整を提供することができる。例えば、透明カバー712がエンクロージャ702(
図17に示す)に組み付けられている間、位置調整モジュール808は、第1のカメラモジュール812及び発光モジュール814(両方とも
図17に示す)を、マスキング層728の第1の開口732及び第2の開口734のそれぞれと位置調整することができる。更に、透明カバー712がエンクロージャ702(
図17に示す)に固定されると、位置調整モジュール808は、第2のカメラモジュール816(
図17に示す)をマスキング層728の第3の開口736に位置調整することができる。開口部を充填する材料(
図14及び
図15に示す)は、簡略化のために
図18では表示されていない。図示されていないが、位置調整モジュール808を使用して追加のコンポーネントを位置調整させることができる。例えば、位置調整モジュール808は、照明要素(
図9に示す照明要素556など)を第4の開口部738と位置調整してもよい。位置調整モジュール808は、音声モジュール及びマイクロフォン(
図9に示すオーディオモジュール532及びマイクロフォン542など)を、透明カバー712の貫通孔714と更に位置調整してもよい。位置調整モジュール808は、センサ(
図9に示すセンサ546など)を第5の開口部742と更に位置調整してもよい。
【0093】
ブラケットアセンブリ840は、視覚システム810(両方とも
図17に示す)を保持するように設計されているが、位置調整モジュール808もまた、(コンポーネントへの位置調整を提供することに加えて)コンポーネントを保持するように設計されている。例えば、
図19は、透明カバー712及び透明カバー712に固定された位置調整モジュール808の、オーディオモジュール832、マイクロフォン834、及び照明要素836を更に示す断面図を示す。オーディオモジュール832、マイクロフォン834及び照明要素836は、それぞれ、オーディオモジュール、マイクロフォン、及び照明要素に関して本明細書に記述される任意の特徴を備えてもよい。図示されていないが、センサは、前述の方法で位置調整モジュール808によって保持されてもよい。オーディオモジュール832及びマイクロフォン834を視界から隠すために、音響メッシュ850は、(例えば、接着剤によって)透明カバー712に固定されて貫通孔714を覆い、それによってオーディオモジュール832及びマイクロフォン834を覆うことができる。音響メッシュ850は、音響エネルギーが音響メッシュ850を通過することを可能にする材料を含んでもよい。図に示すように、位置調整モジュール808は、オーディオモジュール832及びマイクロフォン834を、貫通孔714と位置調整して、オーディオモジュール832及びマイクロフォン834が周囲環境にアクセスできるようにすることができる。
【0094】
場合によっては、位置調整モジュール808は、追加の表面積を提供するように修正されてもよい。例えば、拡大図に示すように、位置調整モジュール808は、位置調整モジュール808を透明カバー712に固定する接着剤872を受容するように設計されたリブ862を含んでもよい。図示のように、音響メッシュ850は、位置調整モジュール808と透明カバー712との間に位置する。しかしながら、いくつかの実施形態(図示せず)では、音響メッシュ850は、位置調整モジュール808と透明カバー712との間に位置しない。リブ862は、追加の表面積を位置調整モジュール808に提供することができ、それによって接着剤872のための更なる空間を可能にする。これにより、接着剤872がオーディオモジュール832内に流入し、オーディオモジュール832によって発される音響エネルギーを望ましくない方法で変更するのを防止することができる。表示されていないが、位置調整モジュール808は、リブ862と同様の方法で設計された追加のリブを含んでもよい。いくつかの実施形態では、オーディオモジュール832は、リブ862に近接した凹み領域864又は谷部を含む。このようにして、接着剤872がリブ862を越えて延びる場合、接着剤872を凹み領域864内に捕らえる又は閉じ込めることができ、接着剤872は、オーディオモジュール832の外に留まる。
【0095】
図20は、透明カバー762、及び透明カバー762に固定された位置調整モジュール858の、透明カバー762に固定するように変更されたオーディオモジュール882を更に示す、代替実施形態の断面図を示す。透明カバー762、位置調整モジュール858、及びオーディオモジュール882は、それぞれ、透明カバー、位置調整モジュール、及びオーディオモジュールに関して前述した任意の特徴を備えてもよい。図に示すように、オーディオモジュール882は、(
図19に示すオーディオモジュール832と比較して)拡大されてもよく、接着剤888を受容するために使用される第1のリブ884及び第2のリブ886などのリブを含んでもよい。位置調整モジュール858を修正するのではなく、オーディオモジュール882は、第1のリブ884及び第2リブの886によって、透明カバー762に接着固定することができる。また、オーディオモジュール882は、オーディオモジュール882及びマイクロフォン892の両方が透明カバー762の貫通孔764を介して周囲環境にアクセスすることができるように、マイクロフォン892を保持するように修正されてもよい。
【0096】
図21~
図23は、電子機器700の組立作業を示す。視覚システム810を所望の方法で適切に整列させるために、ブラケットアセンブリ840は、エンクロージャ702内に配置され、エンクロージャ702に固定されない。換言すれば、ブラケットアセンブリ840は、エンクロージャ702に対して(最初は)自由に動く。組立作業中、位置調整モジュール808は、視覚システム810のモジュールの内の1つと係合することができ、それが次に、視覚システム810及びブラケットアセンブリ840の横方向の移動力を提供することで、視覚システム810は、マスキング層728の開口部と位置調整する。組立作業が完了すると、ブラケットアセンブリ840は、位置調整モジュール808及びエンクロージャ702からの係合力によってエンクロージャ702内の一定の場所に位置することができるが、それ以外には、ファスナー、クリップ、ねじ、接着剤などによってエンクロージャ702に固定されない。
【0097】
図21は、
図13に示されている電子機器700を部分的に示す、いくつかの説明される実施形態による、透明カバー712とエンクロージャ702との間の組立作業を示す断面図を示す。電子機器700は、オーディオモジュール832、マイクロフォン834、照明要素836、及びセンサ(
図21に図示せず)に電気的及び機械的に結合された回路870を含んでもよい。回路870は、回路基板(
図17に示す回路基板820など)に電気的及び機械的に接続されたフレキシブル回路を含んでもよく、それによって、オーディオモジュール832、マイクロフォン834、照明要素836、及びセンサを、回路基板と通信させる。また、位置調整モジュール808は、透明カバー712に接着固定される。位置調整モジュール808は、オーディオモジュール832が位置調整モジュール808の開口部(表示なし)に位置するとき、オーディオモジュール832が透明カバー712の貫通孔714と位置調整されるように、透明カバー712と位置調整される。更に、マイクロフォン834は、位置調整モジュール808の傾いた開口部(表示なし)と位置調整されて、少なくとも部分的に貫通孔714と位置調整されてもよい。また、照明要素836は、位置調整モジュール808の開口部(表示なし)に位置してもよく、具体的には、照明要素836は、マスキング層728の開口部と位置調整されてもよい。このことは以下で更に説明される。また、照明要素836は、照明要素836の使用中に照明要素836から熱を奪うように設計された放熱構造体838を含んでもよく、それによって、照明要素836の過熱を防止するための熱シンクを提供する。放熱構造体838は、回路870と結合されてもよい。
【0098】
ブラケットアセンブリ840は、視覚システム810の第1のカメラモジュール812、発光モジュール814及び第2のカメラモジュール816を保持するための、第1のブラケット842及び第1のブラケット842に固定された第2のブラケット844を含むことができる。表示されていないが、第1のカメラモジュール812、発光モジュール814、及び第2のカメラモジュール816は、それぞれフレキシブル回路を含むことができる。また、表示されていないが、第1のカメラモジュール812、発光モジュール814、及び第2のカメラモジュール816は、モジュールをブラケットアセンブリ840に固定する接着剤をそれぞれ含んでもよい。接着剤は、モジュールをブラケットアセンブリ840に電気的に結合する導電性接着剤を含んでもよい。第1のブラケット842は、ブラケット242(
図4に示す)と同様の多数個構成アセンブリを含んでもよい。これに関して、第1のブラケット842は、第1のブラケット部852、及び第1のブラケット部852に固定された第2のブラケット部854を含んでもよい。第2のブラケット部854は、発光モジュール814を保持するモジュールキャリアと呼ばれることがある。第1のブラケット部852は、例えば、溶接によって第2のブラケット844及び第2のブラケット部854に取り付けてもよく、これによってブラケット及びブラケット部を共に電気的に結合することができる。ブラケット及びブラケット部を互いに電気的に結合する他の取り付け方法が可能である。第2のブラケット844は、ブラケットアセンブリ840及び視覚システム810を支持するために使用される第1のバネ要素846及び第2のバネ要素848を含んでもよい。
【0099】
底壁740は、ガラスなどの透明材料を含むことができる。これに関して、底壁740は、
図13に示されている側壁コンポーネントとは異なる材料を含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態(図示せず)では、底壁740は金属から形成され、側壁コンポーネント(同様に金属から形成される)は、底壁740から一体的に形成される。図示されていないが、底壁740は、底壁740の主表面にわたって不透明材料を提供するマスクを含んでもよい。また、第1のバネ要素846及び第2のバネ要素848は、底壁740上に配置された金属層860と係合してもよい。その結果、金属層860は、接着剤及び前述のバネ要素を含むブラケットアセンブリ840の様々な構造的特徴によって、第1のカメラモジュール812、発光モジュール814、及び第2のカメラモジュール816のための電気的接地を提供することができる。場合によっては、金属層860は、側壁コンポーネント(
図13に示す)に電気的に結合される。
【0100】
図21に示すように、発光モジュール814と直接接触するか、又はブロック(表示なし)を介するかのいずれかによって、第2のブラケット844は、ヒートシンク要素876が発光モジュール814と熱的に結合することを可能にする開口部を含むことができる。ヒートシンク要素876は、金属層860に熱的に結合された圧延グラファイト層を含んでもよい。従って、金属層860は、電気的及び熱的放散を提供することができる。後者に関して、金属層860は、ヒートシンク又は熱調節器と呼ばれることがある。
【0101】
図22は、
図21に示されている電子機器700の、透明カバー712がエンクロージャ702に向かって降下している状態を更に示す断面図を示す。ステップ1に示すように、透明カバー712は、透明カバー712をエンクロージャ702に固定するために、エンクロージャ702に向かう方向に動く。透明カバー712が降下すると、位置調整モジュール808は、視覚システム810のモジュール(
図21に表示)と係合することができる。例えば、
図22に示すように、位置調整モジュール808は第1のカメラモジュール812と係合する。ステップ2に示すように、(透明カバー712がエンクロージャ702に向かって動くことによって)位置調整モジュール808が第1のカメラモジュール812に与える力は、第1のカメラモジュール812をx方向にシフトさせ、それが次に、ブラケットアセンブリ840及び残りのモジュールをX軸に沿って(「負」方向に)シフトさせる。モジュールのシフト又は移動により、モジュールが電子機器700内で所望の方法で整列される。これについては、以下に示す。このように、第1のカメラモジュール812は、モジュールを位置調整するために位置調整モジュール808によって使用される位置調整特徴と呼ばれることがある。しかしながら、いくつかの実施形態では(
図22に図示せず)、位置調整モジュール808はブラケットアセンブリ840の異なるモジュールに係合する。また、モジュールの移動又はシフトにもかかわらず、ブラケットアセンブリ840は、i)第1のカメラモジュール812と第2のカメラモジュール816、ii)発光モジュール814と第2のカメラモジュール816、及びiii)第1のカメラモジュール812と発光モジュール814、との間の間隔を維持することに留意されたい。
【0102】
ステップ2はブラケットアセンブリ840及びモジュールが特定の方向にシフトされることを示しているが、ブラケットアセンブリ840及びモジュールは、電子機器700内のブラケットアセンブリ840及びモジュールの元の位置に基づいて異なる方向にシフトしてもよい。例えば、位置調整モジュール808が第1のカメラモジュール812の異なる位置(
図22に示す位置とは反対側)に係合する場合、ブラケットアセンブリ840及びモジュールは、電子機器700内のモジュールを位置調整するために反対方向にシフトしてもよい。更に、図示されていないが、位置調整モジュール808と第1のカメラモジュール812との間の係合は、ページに出入りする「Y方向」などのX-Z平面に垂直な方向に、ブラケットアセンブリ840及びモジュールを移動させる力を提供することができる。位置調整モジュール808と第1のカメラモジュール812との間の係合は、X軸に沿った方向及びX-Z平面に垂直な方向などの2つの方向に、ブラケットアセンブリ840並びにモジュールを移動させる力を提供してもよい。従って、モジュールを適切に位置調整するために、位置調整モジュール808は、モジュールを2つの異なる次元で移動させる力を提供することができる。
【0103】
図23は、
図22に示されている電子機器700の、透明カバー712がエンクロージャ702に固定された状態を示す断面図を示す。視覚システム810は、位置調整モジュール808が視覚システム810及びブラケットアセンブリ840をシフトさせた後に、電子機器700と位置調整される。更に、拡大図に示すように、視覚システム810が電子機器700内で位置調整されると、第1のカメラモジュール812は、マスキング層728の第1の開口部732内に配置された第1の材料752と位置調整される。用語「位置調整された」は、マスキング層728が第1のカメラモジュール812の視界を遮らないように、第1の材料752が第1のカメラモジュール812の上方に位置することを指す。また、発光モジュール814は、マスキング層728の第2の開口部734内に配置された第2の材料754と位置調整され、第2のカメラモジュール816は、マスキング層728の第3の開口部736内に配置された第3の材料756と位置調整される。また、照明要素836は、位置調整モジュール808内に位置する場合、マスキング層728の第4の開口部738内に配置された第4の材料758と位置調整される。
【0104】
また、第1バネ要素846及び第2バネ要素848は、透明カバー712及びエンクロージャ702からの圧縮力に応じて屈曲することがある。しかしながら、第1のバネ要素846及び第2のバネ要素848は、矢印890の方向に付勢力又は反力を提供することができる。付勢力は、ブラケットアセンブリ840と位置調整モジュール808との間の係合力を増加させることができる。その結果、ブラケットアセンブリ840は、ブラケットアセンブリ840をエンクロージャ702若しくは透明カバー712に恒久的に締結する何らかの直付け固定具又はファスナーなしで、適所に保持されることができる。このように、視覚システム810のコンポーネントがエンクロージャ702と接触しないように、視覚システム810のコンポーネントが(エンクロージャ702に固定されていない)ブラケットアセンブリ840によって吊り下げられるので、視覚システム810は、エンクロージャ702から機械的に分離される。エンクロージャ702に対する視覚システム810の機械的な分離により、エンクロージャ702から妨害されることなく、又は視覚システム810とエンクロージャ702との間の何らの固定若しくは係合を伴わずに、ブラケットアセンブリ840のいかなる動きにも応じて、視覚システム810のコンポーネントが自由に動くことができるようになる。電子機器700に加えられる外力又は負荷力は、エンクロージャ702に対するブラケットアセンブリ840の移動を引き起こし得るが、ブラケットアセンブリ840は、第1のカメラモジュール812と、発光モジュール814と、第2のカメラモジュール816との間の一定の間隔を維持することができる。これにより、視覚システム810のコンポーネントが互いから一定かつ所定の距離に留まることを確実とし、再較正の設定を必要としなくてもよい。従って、ブラケットアセンブリ840のいかなる移動も、モジュール間の相対的な移動がないように、第1のカメラモジュール812、発光モジュール814、及び第2のカメラモジュール816の等量の移動に対応することができる。更に、視覚システム810を機械的に離すこともあり、エンクロージャ702を曲げるか、歪ませるか、又は他の方法で変化させるエンクロージャ702への力は、i)視覚システム810のコンポーネント間の一定の距離に影響を及ぼすことなく、かつii)視覚システム810のコンポーネントとエンクロージャ702との間の機械的な接触を生じることなく、第1のバネ要素846及び/又は第2のバネ要素848の更なる圧縮をもたらし得る。
【0105】
また、マスキング層728の開口部、更に開口部内の材料は、等距離だけ貫通孔714から分離されてもよく、従って、開口部の一部は、貫通孔714の周囲に対称的に位置する。例えば、第1開口部732の中心点は、貫通孔714の中心点から第1の距離902に位置し、第4の開口部738の中心点は、貫通孔714の中心点から第2の距離904に位置する。第1の距離902は、第2の距離904と同じ又は少なくとも実質的に同様であり得る。また、第2開口部734の中心点は、貫通孔714の中心点から第3の距離906に位置し、第3の開口部736の中心点は、貫通孔714の中心点から第4の距離908に位置する。第3の距離906は、第4の距離908と同じ又は少なくとも実質的に同様であり得る。これらの対称関係は、電子機器700の全体的な外観を向上させることができる。また、組立作業が完了すると、放熱構造体838及びヒートシンク要素876は、それぞれ、第1のブラケット部852及び金属層860に結合される。これにより、照明要素836及び発光モジュール814は、第1のブラケット部852及び金属層860と熱接触する。
【0106】
図24は、
図21~
図23に示されている電子機器700の、いくつかの説明される実施形態による、電子機器700内のいくつかのコンポーネントの位置決めを示す代替断面図を示す。図に示すように、(
図21の第1のブラケット842に関連する)第1のブラケット部852及び第2のブラケット844は、Y次元において透明カバー712を越えて延びてもよく、第1の側壁コンポーネント704(
図13にも示す)によって少なくとも部分的に覆われてもよい。いくつかの例では、第1の側壁コンポーネント704は、保護構造体のみならず、RFエネルギーの形態で高周波(「RF」)通信を送受信する送受信装置として設計されたアンテナアセンブリの一部を形成する。更に、アンテナアセンブリのアンテナコンポーネント(
図24に図示せず)は、第1のブラケット部852及び/又は第2のブラケット844に近接していてもよい。これに関して、第1のブラケット部852及び/又は第2のブラケット844が金属から形成されることもあり、ブラケットアセンブリ840は、アンテナアセンブリに電気的に結合し、アンテナアセンブリの動作に潜在的に影響を及ぼし得る。しかしながら、ブラケットアセンブリ840は、前述した方法で金属層860に接地することができ(
図21を参照)、従って、アンテナコンポーネントのための基準接地を提供することができる。その結果、ブラケットアセンブリ840は、アンテナアセンブリを妨害しないようにアンテナアセンブリの使用を補完することができる。
【0107】
第1のカメラモジュール812は、接着剤層912によって第1のブラケット部852に固定されてもよい。いくつかの例では、接着剤層912は導電性接着剤を含んでもよく、それによって第1のカメラモジュール812を第1のブラケット部852と電気的に結合する。従って、ブラケットアセンブリ840が金属層860に電気的に結合されていることにより、第1のカメラモジュール812は、第1のカメラモジュール812が電気的に接地され得るように、金属層860に電気的に結合され得る。また、第1のカメラモジュール812は、回路基板820(
図17に示される)に更に電気的かつ機械的に結合される、第1のフレキシブル回路822に電気的及び機械的に結合されてもよい。第1のフレキシブル回路822は、接着剤層914によって第2のブラケット844に固定されてもよい。また、第1のフレキシブル回路822は、第2のブラケット844と第3のブラケット部856との間の開口部を貫通してもよい。第3のブラケット部856は、第3のブラケット部256(
図4に示す)関して前述した任意の特徴を備えてもよい。従って、第3のブラケット部856は、第1のブラケット部852の寸法(長さなど)にわたって実質的に延びる支持部材又は支持要素として機能してもよい。
【0108】
図25は、光源によって生成されるドットパターン1000の、いくつかの説明される実施形態による平面図を示す。ドットパターン1000は、平坦な物体1020上に投影されたいくつかのドットを有する光パターンを含んでもよい。ドットパターン1000は、発光モジュール114(
図1に示す)などの発光モジュールによって作られた光から生成されてもよい。これに関して、ドットパターン1000は、人間の目には見えないIR光を含むことができる。また、ドットパターン1000のドットは、平坦な物体1020上に投影されたときに、行及び列において等距離に離間され得る。換言すれば、ドットパターン1000が平坦な物体1020上に投影されるとき、隣接するドット間のピッチは等しい。例えば、拡大図に示すように、ドットパターン1000は、第1のドット1002及び第1のドット1002に隣接する第2のドット1004を含むことができる。第1のドット1002は、第1の距離1012だけ第2のドット1004から離間されている。ドットパターン1000は、第3のドット1006及び第3のドット1006に隣接する第4のドット1008を含むことができる。第3のドット1006は、第1の距離1012と同じか又は実質的に同様の第1の距離1014だけ第4のドット1008から離間されている。また、第1のドット1002は、第3のドット1006と隣接し、第1の距離1012と同じか又は実質的に同様の第3の距離1016だけ第3のドット1006から離間されている。第2のドット1004は、第4のドット1008と隣接し、第1の距離1012と同じか又は実質的に同様の第4の距離1018だけ第4のドット1008から離間されている。
【0109】
深度に変化又は差異がない平坦な物体1020は、(上記の)ドットパターン1000のドットの等距離間隔を可能にする。これに関して、前述した発光モジュールを有する視覚システムを含む電子機器(図示せず)は、ドットが等間隔であることを使用して、平坦な物体1020が平坦であると判定することができる。しかしながら、物体が平坦でない場合、ドットパターン1000のドットは、もはや等距離に離隔されない場合がある。
【0110】
図26及び
図27は、本明細書に記述される視覚システムのための特徴を有する視覚システムを含む電子機器を示す。この視覚システムは、他の隣接するドットの組と比較して異なる距離だけ離間された、いくつかの隣接するドットの組を有するドットパターンによって提供される情報を使用して、顔認識を含む3次元物体の物体認識を提供するために使用され得る。
【0111】
図26は、ユーザ1114の寸法に関する情報を判定するための視覚システム1110を使用する電子機器1100の、いくつかの説明される実施形態による側面図を示す。電子機器1100及び視覚システム1110は、それぞれ、電子機器及び視覚システムに関して本明細書に記述される任意の特徴を備えてもよい。従って、視覚システム1110は、ドットパターン1000(
図25に示す)などのドットパターンに従って光線1112を発するように設計された発光モジュール(図示せず)を含むことができる。しかしながら、光線1112が(電子機器1100からの異なる距離に対応する)異なる深度を有する特徴を有する物体に向けられる場合、光線1112の一部は、他の光線より前にユーザ1114に到達する。結果として、光線1112は、ドットが等距離に離間していないドットパターンをユーザ1114上に投影することができる。これについては、以下に示し、記載する。一般に知られているように、ユーザ1114の顔は、ユーザ1114の異なる深度を画定することができる様々な特徴、目、耳、鼻、唇などを含むことができ、従って電子機器1100からの異なる距離を画定することができる。例えば、2つの隣接する光線は、隣接するドットをユーザ1114の鼻1118上に投影することができ、2つの隣接する光線は、隣接するドットをユーザ1114の耳1122上に投影することができるが、前者における隣接する光線は、後者における隣接する光線よりも近い。ドットの配置は電子機器1100に記憶される固有のプロファイルを表すドットパターンを形成でき、その後、非限定的な例として、ユーザ認証を提供するために電子機器1100によってユーザ1114を認識するために使用することができる。また、
図26に示す光線1112は、全光線のわずか一部を表す場合がある。換言すれば、本明細書に記述の発光モジュールは、
図26に示すものよりも多くの光線を発し得る。
【0112】
図27は、ユーザ1114の画像1140上に投影されたドットパターン1130の、ドットパターン1130の互いのドットに対する様々な空間的な関係を示す平面図を示す。ユーザ1114上に投影されたドットパターン1130は、電子機器1100(
図26に示す)から発された光線1112の結果であることに留意されたい。
図27に示す画像1140は、電子機器1100(
図26に示す)の視覚システム1110について本明細書に記述される第1のカメラモジュールによってキャプチャされ、作られた画像であってもよい。図に示すように、画像1140は、ドットパターン1130がユーザ1114の画像1140上に投影された、ユーザ1114の2次元プロファイル(X-Y平面内)を含むことができる。ドットパターン1130に基づいて、ユーザ1114の2次元プロファイルは、電子機器1100が深度マップを作成するために使用することができる。
【0113】
ユーザ1114が、異なる深度を表す様々な顔の特徴を有し、又、電子機器1100(
図26に示す)からの距離が様々であることもあり、ドットパターン1130は、他のドット(複数)とは異なる方法で離間された隣接するドット(複数)を含み得る。換言すれば、ドットパターン1130がユーザ1114(又は3次元特徴を備える別の他の物体)上に投影されると、隣接するドット間のピッチが変化する。例えば、ドットパターン1130は、第1のドット1132、及び第1のドット1132に隣接する第2のドット1134を含んでもよく、第1のドット1132及び第2のドット1134は、耳1122上に投影され、距離1136だけ離間される。ドットパターン1130は、第3のドット1142、及び第3のドット1142に隣接する第4のドット1144を更に含んでもよく、第3のドット1142及び第4のドット1144は、鼻1118上に投影され、第1のドット1132と第2のドット1134との間の距離1136よりも短い距離(表示なし)だけ離間される。その結果、電子機器1100(
図26に示す)は、鼻1118などの1つの特徴上に投影された隣接するドットと、耳1122などの別の特徴上に投影された隣接するドットとの間の間隔を比較することができ、その比較を使用して、1つの特徴が別の特徴よりも近いと判定することができる。また、隣接するドットの位置、及びそれらの関連する間隔は、(メモリを使用して)電子機器1100によって記憶することができ、これを使用して、更にユーザ1114を判定することができる。
【0114】
電子機器1100(
図26に示す)は、ドットパターン1130内のすべての隣接するドット間の間隔又は距離を取り出して処理し、ユーザ1114のいくつかの追加の特徴を判定することができる。画像1140を、画像1140上に投影されたドットパターン1130の隣接するドットの間隔情報と共に使用して、ユーザ1114の固有のプロファイルを構築することができる。電子機器1100(
図26に示す)は、そのプロファイルをユーザ1114の既知の又は事前設定された(参照)プロファイルと比較し、ユーザ1114が電子機器1100を保持しているかどうかを判定することができる。ユーザ1114のキャプチャされたプロファイルとユーザ1114の参照プロファイルとの間の十分な一致が判定された場合、電子機器1100は、一致を仮想パスワードとして使用し、電子機器1100をロック解除することができる。これには、ディスプレイアセンブリ(
図13に示すディスプレイアセンブリ716など)をオンにしてロック画面からロック解除画面に切り替えることを含み、それにより、ユーザ1114に対し電子機器1100の様々な機能及びコンテンツへのアクセスを許可することができる。
図26及び
図27に示し、記述した物体は、ユーザ1114の顔を示しているが、電子機器1100は、電子機器1100のユーザ1114以外の、無機の物体など、他の3次元物体の物体認識を提供することができる。
【0115】
図28は、電子機器1200の概略図を示す。電子機器1200は、本明細書に記述される電子機器の他の実施形態を代表するものであってよい。電子機器1200は、記憶装置1202を含んでもよい。記憶装置1202は、ハードディスクドライブ記憶装置、非揮発性メモリ(フラッシュメモリ又は他の電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリなど)、揮発性メモリ(電池ベースの静的又は動的ランダムアクセスメモリなど)などの1つ以上の異なるタイプの記憶装置を含むことができる。
【0116】
電子機器1200は、バスシステム1204を介していくつかの周辺デバイスと通信する1つ以上のプロセッサを有するプロセッサ回路1206を含むことができる。プロセッサ回路1206は、電子機器1200の動作を制御するために使用されてもよく、プロセッサ(マイクロプロセッサなど)及び他の好適な集積回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ回路1206及び記憶装置1202は、電子機器1200上でソフトウェアを実行する。例えば、ソフトウェアは、物体認識ソフトウェアを含んでもよい。これに関して、電子機器1200は、電子機器1200にデータを供給する出力デバイス1208及び入力デバイス1210を含むことができ、電子機器1200から外部デバイスにデータを提供することもできる。出力デバイス1208は、物体上に光パターン(ドットパターンなど)を投影するように設計された視覚システムの発光モジュールを含むことができ、物体認識ソフトウェアと共に使用される。出力デバイス1208は、低照度(薄暗い)時の利用に使用される照明要素を更に含んでもよい。加えて、出力デバイス1208は、(ディスプレイアセンブリに関連付けられた)ディスプレイ層及びオーディオモジュールを含んでもよい。
【0117】
入力デバイス1210は、複数のカメラモジュールを含んでもよい。例えば、カメラモジュールの内の1つは、画像をキャプチャするために使用されてもよく、オブジェクト認識ソフトウェアと共に使用される。別のカメラモジュールを使用して、発光モジュールから光パターンを受け取ることができる。物体認識ソフトウェアを使用して、キャプチャされた画像上に光パターンを重ね合わせることができ、電子機器1200は、物体が何であるかを判定することができる。例えば、物体認識ソフトウェアを顔認識のために使用することができる。物体認識ソフトウェアは、カメラモジュール及び発光モジュールを使用して、物体の当初スキャンを提供することができ、当初スキャンを記憶装置1202上のプロファイルとして記憶することができる。当初スキャンは、参照画像又は参照スキャンと呼ばれることがある。次に、物体認識ソフトウェアを使用してその後の物体をスキャンし、その後の物体のプロファイルを作成して、その後の物体が記憶装置1202上の当初に記憶されたプロファイルと一致するかどうかを判定することができる。参照画像とその後の画像との間の「一致」は、記憶装置1202上の、一致のための閾値を充足又は上回るかどうかの(参照画像と以降の画像との)比較を必要とするソフトウェア又はアルゴリズムに基づくことができる。例えば、参照画像とその後にキャプチャされた画像との比較が75パーセント以上であれば、「一致」が判定される。必要に応じて、パーセントマッチ(percent match)設定のパーセントを(高めに又は低めに)調整することができる。プロセッサ回路1206は、一致したかどうかを判定することができる。プロセッサ回路1206は、電子機器1200に信号を送ってロック解除し、それによってユーザが電子機器1200と対話することを可能にする。そうでなく、参照画像とその後の画像との比較により(プロセッサ回路1206による判定で)一致のための閾値を充足又は上回らない場合、プロセッサ回路1206は、電子機器のディスプレイに信号を送ってフェイルメッセージを表示するか、又は電子機器を使用する許可が与えられなかった旨のシグナルをユーザに伝えることができる。加えて、入力デバイス1210は、(ディスプレイアセンブリと関連付けられる)ボタン、スイッチ、タッチ入力及び感圧タッチ層を含んでもよい。また、電子機器1200は、記憶装置1202、プロセッサ回路1206、出力デバイス1208、及び入力デバイス1210に電気エネルギーを供給する電源(バッテリなど)を含んでもよい。
【0118】
本明細書に記述されているいくつかの視覚システムは、一般に、電子機器の最上部又はその近くに位置するが、
図29及び
図30は、電子機器全体にわたる色々な位置に位置するモジュールを有する視覚システムを含む電子機器を示す。図示されていないが、
図29及び
図30の電子機器は、電子機器、視覚システム、及びブラケットアセンブリに関して本明細書に記述される任意の特徴を備えてもよい。
【0119】
図29は、ブラケットアセンブリ1340によって保持された視覚システム1310を含む電子機器1300の、いくつかの説明される実施形態による代替実施形態の平面図を示す。視覚システム1310は、電子機器1300のユーザの顔認識を含み得る物体の認識を提供するように設計されている。視覚システム1310は、物体の画像をキャプチャするように設計された第1のカメラモジュール1312を含むことができる。視覚システム1310は、物体上に投影される光線を光線の形で生成するように設計された発光モジュール1314を更に含むことができる。視覚システム1310は、物体上に投影されるドットパターンを受け取るように設計された第2のカメラモジュール1316を更に含むことができる。図に示すように、ブラケットアセンブリ1340では、視覚システムの複数モジュールを、三角形状配置によって間隔をおいて配置することができる。しかしながら、他のなし得る配置が可能である。ブラケットアセンブリ1340は、第1のカメラモジュール1312と発光モジュール1314との間、発光モジュール1314と第2のカメラモジュール1316の間、及び第1のカメラモジュール1312と第2のカメラモジュール1316との間で、所定の距離の間隔を維持することができる。電子機器1300の透明なカバー及びディスプレイアセンブリ(両方とも
図29に図示せず)は、第1のカメラモジュール1312、発光モジュール1314、及び第2のカメラモジュール1316が、物体認識を提供するような方法で機能できるように修正することができる。これは、一例として、ディスプレイアセンブリの取り外し又は再位置調整を含んでもよい。
【0120】
図30は、ブラケットアセンブリ1440によって保持された視覚システム1410を含む電子機器1400の、いくつかの説明される実施形態による代替実施形態の平面図を示す。視覚システム1410は、電子機器1400のユーザの顔認識を含み得る物体の認識を提供するように設計されている。視覚システム1410は、物体の画像をキャプチャするように設計された第1のカメラモジュール1412を含むことができる。視覚システム1410は、物体上に投影される光線を光線の形で生成するように設計された発光モジュール1414を更に含むことができる。視覚システム1410は、物体上に投影されるドットパターンを受け取るように設計された第2のカメラモジュール1416を更に含むことができる。図に示すように、ブラケットアセンブリ1440では、視覚システムの複数モジュールを、三角形状配置によって間隔をおいて配置することができる。しかしながら、他のなし得る配置が可能である。ブラケットアセンブリ1440は、第1のカメラモジュール1412と発光モジュール1414との間、発光モジュール1414と第2のカメラモジュール1416の間、及び第1のカメラモジュール1412と第2のカメラモジュール1416との間で、所定の距離の間隔を維持することができる。更に、図に示すように、ブラケットアセンブリ1440は、前述のモジュールを電子機器1400の角部に位置させることができる。電子機器1400の透明なカバー及びディスプレイアセンブリ(両方とも
図30に図示せず)は、第1のカメラモジュール1412、発光モジュール1414、及び第2のカメラモジュール1416が、物体認識を提供するような方法で機能することができるように修正することができる。これは、一例として、ディスプレイアセンブリの取り外し又は再位置調整を含んでもよい。しかしながら、モジュールが角部に位置していることもあり、ディスプレイアセンブリの取り外し又は再位置調整の量は制限され得る。
【0121】
図31は、いくつかの説明される実施形態による、物体を認識するための視覚システムを組み立てる方法を記述するフロー
図1500を示す。フローチャート1500は、顔認識に使用される視覚システムを説明してもよい。ステップ1502では、第1のカメラモジュールがブラケットアセンブリで保持される。第1のカメラモジュールは、物体の画像をキャプチャするように構成される。また、ブラケットアセンブリは、第1のブラケット及び第2のブラケットなどの複数のブラケットピースを含んでもよい。
【0122】
ステップ1504では、第1のカメラモジュールがブラケットアセンブリに固定される。第1のカメラモジュールは、物体の画像をキャプチャするように構成される。第1のカメラモジュールは、物体から反射された可視光をキャプチャすることができる。
【0123】
ステップ1506では、発光モジュールがブラケットアセンブリに固定される。発光モジュールは、物体上にドットパターンを投影する光を発するように構成される。発光モジュールは、IR光を発することができる。更に、発光モジュールは、光のドットパターンに従って光線を発することができる。
【0124】
ステップ1508では、第2のカメラモジュールがブラケットアセンブリに固定される。第2のカメラモジュールは、ブラケットアセンブリによって保持され得る。また、第2のカメラモジュールは、物体上に投影されたドットパターンをキャプチャするように構成される。例えば、第2のカメラモジュールは、物体上に投影されたドットパターンの反射部分をキャプチャすることができる。このようにして、画像及びドットパターンの反射部分を受け取るプロセッサは、物体の認識を提供することができる。第2のカメラは、発光モジュールによって生成された光のみ、又は少なくとも発光モジュールによって生成された光の周波数範囲内の光を受光するように設計されたフィルタを含んでもよい。更に、光線によって形成され得るドットパターンは、他の隣接するドット間の距離とは異なる距離だけ離間されたいくつかの隣接するドットを含んでもよい。物体は、第2のカメラモジュールによって受光された光線と共に、画像によって判定され得る。更に、ブラケットアセンブリは、ブラケットアセンブリの任意の移動がモジュールの同じ量の移動に対応し、モジュール間の相対的な移動を防止するように、構造剛性を提供することができる。
【0125】
説明した実施形態の様々な態様、実施形態、実装形態、又は特徴は、個別に又は任意の組み合わせで用いることができる。説明した実施形態の様々な態様をソフトウェア、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実施することができる。説明された実施形態はまた、製造作業を制御するためのコンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして、又は製造ラインを制御するためのコンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして、具現化することもできる。このコンピュータ可読媒体は、後でコンピュータシステムによって読み込むことが可能なデータを記憶することができる任意のデータ記憶装置である。コンピュータ可読媒体の例としては、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、HDD、DVD、磁気テープ、及び光学的データ記憶デバイスが挙げられる。コンピュータ可読コードが分散形式で格納及び実行されるように、コンピュータ可読媒体をネットワークに結合されたコンピュータシステムにわたって分散させることもできる。
【0126】
前述の記載では、説明のために、記載された実施形態の完全な理解をもたらすために特定の専門用語を用いた。しかし、記述される実施形態を実施するために、具体的な詳細は必要とされないことは、当業者には明らかであろう。従って、本明細書に述べられる特定の実施形態の前述の説明は、実例及び説明の目的で提示されている。これらの説明は、網羅的であること、又は開示されるまさにその形態に実施形態を限定することをターゲットとしたものではない。上記の教示を考慮すれば、多くの変更及び変形が可能であることが、当業者には明らかであろう。